混合比率制御装置および方法、ならびに砥液供給システムおよび方法
【課題】砥液供給装置における混合比率の設定値の変更操作を必要とせずに、希釈液との混合比率が互いに異なる砥液原液を収容する2種類の原液タンクを砥液供給装置で使用することを可能にする。
【解決手段】砥液供給装置10は、原液タンクTからの砥液原液を混合タンク11に供給する原液供給部12と、希釈液流路13aを通じて希釈液を混合タンク11に供給する希釈液供給部13と、砥液原液と希釈液とが所定の比率で混合された砥液が混合タンク内に生成されるように、原液供給部12および希釈液供給部13の制御を行う制御部15とを有する。混合比率制御装置30は、希釈液流路13aを流れる希釈液を混合タンク11の上流側で排出する排出部31と、所定の種類の原液タンクが使用される場合に、上記制御が行われる際、砥液原液と希釈液とが上記所定の比率と異なる比率で混合されるように排出部31の制御を行う排出制御部32とを有する。
【解決手段】砥液供給装置10は、原液タンクTからの砥液原液を混合タンク11に供給する原液供給部12と、希釈液流路13aを通じて希釈液を混合タンク11に供給する希釈液供給部13と、砥液原液と希釈液とが所定の比率で混合された砥液が混合タンク内に生成されるように、原液供給部12および希釈液供給部13の制御を行う制御部15とを有する。混合比率制御装置30は、希釈液流路13aを流れる希釈液を混合タンク11の上流側で排出する排出部31と、所定の種類の原液タンクが使用される場合に、上記制御が行われる際、砥液原液と希釈液とが上記所定の比率と異なる比率で混合されるように排出部31の制御を行う排出制御部32とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、混合比率制御装置および混合比率制御方法、ならびに砥液供給システムおよび砥液供給方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体集積回路の製造工程において、砥液原液を希釈液で希釈して所定の濃度の砥液を生成し、当該砥液を研磨装置に供給する砥液供給装置がある(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
また、研磨に使用された砥液を再使用する技術が知られている(例えば、特許文献2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−126764号公報
【特許文献2】特開平11−10540号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、原液タンクからの砥液原液と希釈液とを所定の比率で混合して砥液を生成し、当該砥液を研磨装置に供給する砥液供給装置において、希釈液との混合比率が互いに異なる砥液原液を収容する2種類の原液タンクを使用したいという要望がある。この場合、種類の異なる原液タンクに交換する際、砥液供給装置における混合比率の設定値を変更することが考えられる。しかし、混合比率の設定値の変更操作には時間が掛かることや、装置によっては設定値の変更操作が不可能なことがある。
【0006】
本発明は、砥液供給装置における混合比率の設定値の変更操作を必要とせずに、希釈液との混合比率が互いに異なる砥液原液を収容する2種類の原液タンクを砥液供給装置で使用することを可能にする混合比率制御装置および方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る混合比率制御装置は、混合タンクと、交換可能な原液タンクからの砥液原液を前記混合タンクに供給する原液供給手段と、前記混合タンクに希釈液を導く希釈液流路を含み、当該希釈液流路を通じて前記希釈液を前記混合タンクに供給する希釈液供給手段と、前記砥液原液と前記希釈液とが所定の比率で混合された砥液が前記混合タンク内に生成されるように、前記原液供給手段および前記希釈液供給手段の制御を行う制御手段と、前記混合タンク内に生成された砥液を研磨装置に供給する砥液供給手段と、を有する砥液供給装置における混合比率制御装置であって、前記希釈液流路を流れる希釈液を前記混合タンクの上流側で排出する排出手段と、所定の種類の原液タンクが使用される場合に、前記制御が行われる際、前記砥液原液と前記希釈液とが前記所定の比率と異なる比率で混合されるように、前記排出手段の制御を行う排出制御手段と、を有することを特徴とする。
【0008】
本発明に係る砥液供給システムは、混合タンクと、交換可能な原液タンクからの砥液原液を前記混合タンクに供給する原液供給手段と、前記混合タンクに希釈液を導く希釈液流路を含み、当該希釈液流路を通じて前記希釈液を前記混合タンクに供給する希釈液供給手段と、前記砥液原液と前記希釈液とが所定の比率で混合された砥液が前記混合タンク内に生成されるように、前記原液供給手段および前記希釈液供給手段の制御を行う制御手段と、前記混合タンク内に生成された砥液を研磨装置に供給する砥液供給手段と、前記希釈液流路を流れる希釈液を前記混合タンクの上流側で排出する排出手段と、所定の種類の原液タンクが使用される場合に、前記制御が行われる際、前記砥液原液と前記希釈液とが前記所定の比率と異なる比率で混合されるように、前記排出手段の制御を行う排出制御手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、砥液供給装置における混合比率の設定値の変更操作を必要とせずに、希釈液との混合比率が互いに異なる砥液原液を収容する2種類の原液タンクを砥液供給装置で使用することを可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施の形態に係る混合比率制御装置を含む砥液供給システムの構成の一例を示す概略図である。
【図2】砥液供給装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【図3】実施の形態に係る混合比率制御装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【図4】第1の具体例に係る砥液供給装置の構成を示す図である。
【図5】第1の具体例に係る砥液供給装置の動作を示すタイムチャートである。
【図6】第1の具体例に係る砥液供給システムの構成を示す図である。
【図7】第1の具体例に係る砥液供給システムの動作を示すタイムチャートである。
【図8】第2の具体例に係る砥液供給システムの構成を示す図である。
【図9】第2の具体例に係る砥液供給システムの動作を示すタイムチャートである。
【図10】第3の具体例に係る砥液供給システムの構成を示す図である。
【図11】第4の具体例に係る砥液供給システムの構成を示す図である。
【図12】第2の具体例に係る砥液供給装置の構成を示す図である。
【図13】第2の具体例に係る砥液供給装置の動作を示すフローチャートである。
【図14】第5の具体例に係る砥液供給システムの構成を示す図である。
【図15】第5の具体例に係る混合比率制御装置の動作を示すフローチャートである。
【図16】本実施の形態に係る砥液供給システムを含む研磨システムの構成を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
【0012】
図1は、本実施の形態に係る混合比率制御装置30を含む砥液供給システム100の構成の一例を示す概略図である。この砥液供給システム100は、原液タンクTからの砥液原液と希釈液供給源Sからの希釈液とを混合して砥液(スラリともいう)を生成し、当該砥液を研磨装置20に供給するシステムである。具体的な一態様では、砥液供給システム100は、半導体集積回路の製造工程で用いられる。原液タンクTは、砥液原液(以下、単に「原液」と称する)を収容する容器であり、交換可能となっている。希釈液は、原液を希釈するための液体であり、例えば純水である。研磨装置20は、砥液供給システム100から供給される砥液を用いて研磨対象物を研磨する装置であり、例えば半導体ウエハの表面を研磨する。図1において、砥液供給システム100は、砥液供給装置10と、混合比率制御装置30とを含む。
砥液供給装置10は、原液タンクTからの原液と希釈液供給源Sからの希釈液とを混合して砥液を生成し、当該砥液を研磨装置20に供給する装置である。図1において、砥液供給装置10は、混合タンク11、原液供給部12、希釈液供給部13、砥液供給部14、および制御部15を有する。
【0013】
混合タンク11は、原液タンクTからの原液と希釈液供給源Sからの希釈液とを混合して砥液を生成するための容器である。混合タンク11には、当該タンク内の液面のレベルを検知するための液面レベルセンサが設けられてもよい。
【0014】
原液供給部12は、原液タンクTからの原液を混合タンク11に供給する。具体的には、原液供給部12は、原液を原液タンクTから混合タンク11に導く原液流路12aと、当該原液流路12aにおける原液の流通を制御するための要素とを含む。原液の流通を制御するための要素としては、例えば、流路を開閉する開閉バルブ、流量を制御する流量制御バルブ、液体を送液するポンプ、流量を計測する流量計などがある。
【0015】
希釈液供給部13は、希釈液を希釈液供給源Sから混合タンク11に導く希釈液流路13aを含み、当該希釈液流路13aを通じて希釈液を混合タンク11に供給する。具体的には、希釈液供給部13は、希釈液流路13aにおける希釈液の流通を制御するための要素を含む。希釈液の流通を制御するための要素としては、例えば、原液供給部12と同様に、開閉バルブ、流量制御バルブ、ポンプ、流量計などがある。
【0016】
砥液供給部14は、混合タンク11内に生成された砥液を研磨装置20に供給する。具体的には、砥液供給部14は、混合タンク11内の砥液を研磨装置20に導く砥液流路14aと、当該砥液流路14aにおける砥液の流通を制御するための要素を含む。砥液の流通を制御するための要素としては、例えば、原液供給部12と同様に、開閉バルブ、流量制御バルブ、ポンプ、流量計などがある。一つの態様では、砥液供給部14は、混合タンク11からの砥液を一時貯留して研磨装置20に供給するための供給タンクを含む。
【0017】
制御部15は、砥液供給装置10の動作を制御する。具体的には、制御部15は、原液と希釈液とが所定の比率で混合された砥液が混合タンク11内に生成されるように、原液供給部12および希釈液供給部13の制御を行う。すなわち、制御部15は、原液と希釈液とが所定の比率で混合タンク11に供給され、混合タンク11内に所定の濃度の砥液が生成されるように、原液供給部12および希釈液供給部13を制御する砥液生成処理を行う。上記「濃度」は、砥粒などの研磨成分の濃度であり、以下同様である。
【0018】
制御部15は、一つの態様では、ハードウェア資源とソフトウェアとの協働により実現される。具体的には、制御部15の機能は、ROM(Read Only Memory)等の記録媒体に記録されたプログラムが主記憶装置に読み出されて中央処理装置(CPU: Central Processing Unit)により実行されることによって実現される。ただし、制御部15は、ハードウェアのみにより実現されてもよい。
【0019】
図2は、砥液供給装置10の動作の一例を示すフローチャートである。以下、図2を参照して、砥液供給装置10の砥液の生成に関する動作の一例を説明する。
【0020】
制御部15は、砥液を生成すべき条件が満たされたか否かを判断する(S11)。砥液を生成すべき条件としては、例えば、混合タンク11の液面のレベルが所定値以下であることが挙げられる。
【0021】
制御部15は、上記条件が満たされたと判断されるまで待機し(S11:NO)、満たされたと判断されると(S11:YES)、砥液生成処理を実行する(S12)。すなわち、制御部15は、原液と希釈液とが所定の比率で混合された砥液が混合タンク11内に生成されるように、原液供給部12および希釈液供給部13の制御を行う。これにより、混合タンク11内には所定の濃度の砥液が生成される。
【0022】
次に、混合比率制御装置30について説明する。本実施の形態では、原液タンクTとして少なくとも2種類の原液タンクが存在し、混合比率制御装置30は、所定の種類の原液タンクが使用される場合に、砥液供給装置10の砥液生成処理が行われる際、原液と希釈液とが上記所定の比率と異なる比率で混合されるように動作する。図1において、混合比率制御装置30は、排出部31と、排出制御部32とを有する。
【0023】
排出部31は、希釈液流路13aを流れる希釈液を混合タンク11の上流側で排出する。具体的には、排出部31は、希釈液流路13aから排出される希釈液を導く排出流路31aと、当該排出流路31aを通じて排出される流量と混合タンク11に供給される流量との比率を制御するための要素とを含む。図1の例では、排出部31は、上記比率を制御するための要素として、排出流路31aを通じて排出される流量を制御するための排出流量制御バルブ31bと、混合タンク11に供給される流量を制御するための供給流量制御バルブ31cとを含む。排出流量制御バルブ31bおよび供給流量制御バルブ31cは、それぞれ、開状態と閉状態との間の2段階で開度が切り替えられる開閉バルブであってもよいし、3段階以上または無段階で開度が制御される流量制御バルブであってもよい。また、排出流量制御バルブ31bおよび供給流量制御バルブ31cの機能は、三方バルブや流量比率調整バルブなど、物理的に一つのバルブにより実現されてもよい。なお、希釈液は適宜の排出先に排出されればよいが、図1の例では、排出流路31aには、希釈液の排出先として廃液タンク35が接続されている。
【0024】
一つの態様では、砥液供給装置10は、希釈液流路13aにおける希釈液の流量を検出する流量検出部16を有し、制御部15は、希釈液を混合タンク11に供給する際、流量検出部16により希釈液の流通が検出されない場合または流量検出部16の検出値が所定値以下である場合に、エラー処理を実行する。例えば、制御部15は、警報を発生させたり、砥液生成処理を停止させたりする。このような態様では、流量検出部16での希釈液の流量が所定値以下となる事態を回避する観点より、排出部31は、流量検出部16の下流側で希釈液を排出するように構成される。
【0025】
排出制御部32は、所定の種類の原液タンクが使用される場合に、上記制御部15による制御が行われる際、原液と希釈液とが上記所定の比率と異なる比率で混合されるように、排出部31の制御を行う。すなわち、排出制御部32は、所定の種類の原液タンクが使用される場合に、砥液供給装置10による砥液生成処理が行われる際、原液と希釈液とが上記所定の比率と異なる比率で混合されるように、排出部31を制御する希釈液排出処理を行う。
【0026】
図1の例では、混合比率制御装置30は、原液タンクTの種類を識別するための識別情報を取得する識別情報取得部33を有し、排出制御部32は、識別情報取得部33により取得された識別情報が上記所定の種類を示す場合に、上記排出部31の制御を行う。一つの態様では、識別情報取得部33は、原液タンクTから当該原液タンクTの種類を識別するための識別情報を取得する。例えば、識別情報取得部33は、原液タンクTに付されたバーコードや記憶媒体から識別情報を読み取る読み取り装置である。ただし、識別情報取得部33は、例えば識別コードの入力操作やスイッチのオンオフ操作などにより、ユーザから識別情報を受け付けてもよい。
【0027】
排出制御部32は、原液と希釈液とが上記所定の比率と異なる比率で混合されるよう、制御部15の制御により混合タンク11に供給されるはずの希釈液の全部または一部を排出することができればよく、様々な方法で排出部31を制御することができる。例えば、排出制御部32は、希釈液が混合タンク11に供給される時間と排出される時間との比率を制御してもよいし、混合タンク11に供給される希釈液の流量と排出される希釈液の流量との比率を制御してもよい。
【0028】
上記「所定の種類の原液タンク」は、所定の比率と異なる比率で希釈液と混合されるべき原液を収容した原液タンクである。具体的には、第1の比率で希釈液と混合されるべき原液を収容する第1の種類の原液タンクと、第1の比率と異なる第2の比率で希釈液と混合されるべき原液を収容する第2の種類の原液タンクとがあり、砥液供給装置10の所定の比率が第1の比率に設定される場合に、排出制御部32は、第2の種類の原液タンクが使用される場合に、原液と希釈液とが第2の比率で混合されるように排出部31の制御を行う。
【0029】
一つの態様では、原液タンクTとして、上記所定の比率で希釈液と混合されるべき原液を収容する第1の種類の原液タンクと、希釈液による希釈が不要な原液を収容する第2の種類の原液タンクとがある。そして、排出制御部32は、第2の種類の原液タンクが使用される場合に、砥液生成処理が行われる際、混合タンク11に希釈液が供給されないように、排出部31の制御を行う。
【0030】
別の態様では、原液タンクTとして、m倍(m>1)に希釈されるべき原液を収容する第1の種類の原液タンクと、n倍(1<n<m)に希釈されるべき原液を収容する第2の種類の原液タンクとがあり、砥液供給装置10における所定の比率は、1:(m−1)に設定される。そして、排出制御部32は、第2の種類の原液タンクが使用される場合に、制御部15により供給される希釈液のうち(n−1)/(m−1)の希釈液が混合タンク11に供給され、(m−n)/(m−1)の希釈液が排出されるように、排出部31の制御を行う。
【0031】
さらに別の態様では、原液タンクTとして、未使用の原液を収容する原液タンクと、研磨装置20で使用された砥液から再生された再生砥液を収容する原液タンクとがあり、砥液供給装置10における所定の比率は、上記未使用の原液に対応する比率に設定される。そして、排出制御部32は、上記再生砥液を収容する原液タンクが使用される場合に、再生砥液と希釈液とが当該再生砥液に対応する比率で混合されるように、排出部31の制御を行う。当該態様において、再生砥液の濃度が希釈不要な濃度(すなわち使用濃度)に予め調整されている場合には、排出制御部32は、再生砥液を収容する原液タンクが使用される場合、混合タンク11に希釈液が供給されないように排出部31の制御を行う。
【0032】
原液タンクTは2種類に限られず、3種類以上であってもよい。すなわち、「所定の種類の原液タンク」として、2種類以上の原液タンクが存在してもよい。この場合、排出制御部32は、識別情報に基づいて原液タンクの種類を識別し、識別された種類に応じた比率で混合されるように排出部31の制御を行う。
【0033】
排出制御部32は、一つの態様では、ハードウェア資源とソフトウェアとの協働により実現される。具体的には、排出制御部32の機能は、ROM等の記録媒体に記録されたプログラムが主記憶装置に読み出されてCPUにより実行されることによって実現される。ただし、排出制御部32は、ハードウェアのみにより実現されてもよい。
【0034】
図3は、本実施の形態に係る混合比率制御装置30の動作の一例を示すフローチャートである。以下、図3を参照して、混合比率制御装置30の動作の一例を説明する。
【0035】
排出制御部32は、識別情報取得部33を介して原液タンクTから識別情報を取得する(S21)。例えば、排出制御部32は、原液タンクTの交換を検知すると、当該識別情報の取得を実行する。
【0036】
ついで、排出制御部32は、上記識別情報に基づき、使用される原液タンクTが所定の種類であるか否かを判断し(S22)、所定の種類であると判断された場合(S22:YES)、処理をステップS23に進める。
【0037】
ステップS23では、排出制御部32は、砥液供給装置10の砥液生成処理(図2のステップS12)が開始されたか否かを判断し、砥液生成処理が開始されるまで待機する(S23:NO)。
【0038】
砥液生成処理が開始されたと判断されると(S23:YES)、排出制御部32は、希釈液排出処理を実行する(S24)。これにより、所定の種類の原液タンクが使用される場合には、原液と希釈液とが砥液供給装置10における所定の比率とは異なる比率で混合された砥液が混合タンク11内に生成される。
【0039】
一方、ステップS22で所定の種類でないと判断された場合(S22:NO)、排出制御部32は、希釈液排出処理を行わずに、処理を終了させる。これにより、所定の種類以外の原液タンクが使用される場合には、原液と希釈液とが砥液供給装置10における所定の比率で混合された砥液が混合タンク11内に生成される。
【0040】
以下、図4〜図15を参照し、砥液供給システム100について、より具体的な構成例を示す。
【0041】
[砥液供給装置の第1の具体例]
図4は、第1の具体例に係る砥液供給装置10の構成を示す図である。以下、図4を参照して、第1の具体例に係る砥液供給装置10の構成を説明する。
【0042】
図4において、砥液供給装置10は、原液の量を計量する計量槽51と、混合タンク11としての調整タンク52と、調整タンク52からの砥液を一時貯留して研磨装置20に供給するための供給タンク53とを有する。
【0043】
計量槽51の上部には、原液タンクTからの原液を計量槽51に導く原液配管Laと、希釈液供給源Sである超純水ラインWからの超純水を計量槽51に導く超純水配管Lbとが接続されている。原液配管Laには、原液タンクT側から順に、バルブVa、バルブVb、およびポンプPaが設けられている。超純水配管Lbには、超純水ラインW側から順に、流量計FM、およびバルブVdが設けられている。計量槽51の下部は、共通配管Lcを介して調整タンク52の上部と接続されている。共通配管Lcには、バルブVcが設けられている。
【0044】
調整タンク52には、当該調整タンク52の液面のレベルを検出する液面レベルセンサLSが設けられている。液面レベルセンサLSは、液面のレベルが図4の「L」で示される所定のロウレベルになるとロウレベル信号を出力し、液面のレベルが図4の「H」で示される所定のハイレベルになるとハイレベル信号を出力する。
【0045】
調整タンク52の下部は、砥液配管Ldを介して供給タンク53の上部と接続されている。砥液配管Ldには、調整タンク52側から順に、ポンプPbおよびバルブVsが設けられている。
【0046】
供給タンク53の下部は、供給配管Lsを介して研磨装置20と接続されており、当該供給配管LsにはポンプPsが設けられている。図4の例では、供給配管Lsはそれぞれ供給タンク53に接続された互いに並列の複数の配管を含み、当該複数の配管は、それぞれ対応する研磨装置20に接続されている。また、当該複数の配管のそれぞれにポンプPsが設けられている。
【0047】
さらに、砥液供給装置10は、砥液供給装置10の動作を制御する主制御装置54を有する。具体的には、主制御装置54は、計量槽51、流量計FM、および液面レベルセンサLSと接続され、これらの出力を受ける。また、主制御装置54は、バルブVa,Vb,Vc,VdおよびポンプPa,Pb,Psと接続され、各種センサの出力等に基づき、上記バルブおよびポンプの動作を制御する。
【0048】
図5は、第1の具体例に係る砥液供給装置10の動作を示すタイムチャートである。以下、図5を参照して、第1の具体例に係る砥液供給装置10の動作を説明する。
【0049】
調整タンク52の液面レベルがロウレベルになると、原液の供給動作が開始される。すなわち、主制御装置54は、調整タンク52の液面レベルセンサLSのロウレベル信号を受信すると、バルブVa,Vbに開動作信号を出力する。これにより、バルブVa,Vbが開き、ポンプPaにより原液タンクTから原液が計量槽51に供給される。ついで、主制御装置54は、計量槽51に所定量の原液が溜まったことを検知すると、バルブVa,Vbに閉動作信号を出力した後、バルブVcに開動作信号を出力する。これにより、バルブVa,Vbが閉じた後、バルブVcが開き、計量槽51から調整タンク52に原液が送られる。この原液の送液が完了すると、主制御装置54は、バルブVcに閉動作信号を出力し、これによりバルブVcが閉じる。
【0050】
ついで、超純水の供給動作が開始される。すなわち、主制御装置54は、時刻t1において、バルブVc,Vdに開動作信号を出力する。これにより、バルブVc,Vdが開き、超純水ラインWからの超純水が調整タンク52に供給される。主制御装置54は、流量計FMの出力に基づき、原液の供給量と同量の超純水が供給されたことを検知すると、バルブVc,Vdに閉動作信号を出力する。これにより、バルブVc,Vdが閉じる。
【0051】
ここで、M倍希釈(Mは2以上の整数)の場合、主制御装置54は、上記超純水の供給動作を(M−1)回繰り返す。
【0052】
主制御装置54は、上記原液の供給動作および超純水の供給動作を予め設定された回数Y回(Yは1以上の整数)繰り返す。これにより、原液が超純水でM倍希釈された砥液が、Y回に応じた量だけ調整タンク52内に生成される。
【0053】
なお、本具体例では、原液供給部12は、原液配管La、共通配管Lc、バルブVa,Vb,Vc、ポンプPa、および計量槽51により実現されている。希釈液供給部13は、超純水配管Lb、共通配管Lc、バルブVc,Vd、計量槽51、および流量計FMにより実現されている。砥液供給部14は、砥液配管Ld、供給配管Ls、バルブVs、ポンプPb,Ps、および供給タンク53により実現されている。制御部15は、主制御装置54により実現されている。
【0054】
[砥液供給システムの第1の具体例]
図6は、第1の具体例に係る砥液供給システム100の構成を示す図である。以下、図6を参照して、第1の具体例に係る砥液供給システム100の構成を説明する。
【0055】
本例では、原液タンクTとして、M倍濃縮(Mは2以上の整数)の原液を収容する原液タンクと、N倍濃縮(1≦N<M)の原液を収容する原液タンクとが存在する。N倍濃縮の原液は、既に使用濃度に調整されており、希釈が不要である。両種類の原液タンクには、当該原液タンクの種類を識別するためのバーコードBが取り付けられている。
【0056】
図6の砥液供給システム100では、図4の砥液供給装置10に対し、混合比率制御装置30が適用されている。具体的には、バルブVeを備えた廃液配管Leと副制御装置61とが増設されている。
【0057】
廃液配管Leは、超純水を排出するための配管であり、その一端は計量槽51とバルブVcとの間で共通配管Lcに接続されており、他端は排出先(図6では廃液タンクTe)に接続されている。廃液配管Leには、バルブVeが設けられている。
【0058】
副制御装置61は、バルブVc,Veと接続され、これらを制御する。また、副制御装置61は、主制御装置54からバルブVdに対する開閉動作信号を受信可能に構成されている。さらに、副制御装置61は、主制御装置54に信号を出力可能なように、主制御装置54と接続されている。また、副制御装置61は、液面レベルセンサLSの検出信号を受信可能なように、液面レベルセンサLSと接続されている。また、副制御装置61は、原液タンクTのバーコードBを読み取り可能に構成されている。
【0059】
以下、上記第1の具体例に係る砥液供給システム100の動作について説明する。ここでは、砥液供給装置10の希釈倍率はMに設定される。すなわち、砥液供給装置10における所定の比率は、1:(M−1)に設定される。
【0060】
副制御装置61は、原液タンクTのバーコードBを読み取り、M倍濃縮の原液を収容する原液タンクを認識した場合、超純水の排出処理を行わない。したがって、砥液供給システム100は、主制御装置54による図5に示される動作を行う。すなわち、液面レベルがロウレベルになると、原液をM倍希釈して砥液を生成する処理を行う。
【0061】
一方、N倍濃縮の原液を収容する原液タンクを認識した場合、副制御装置61は、超純水の排出処理を行う。以下、図7を参照して、この場合における砥液供給システム100の動作を説明する。
【0062】
主制御装置54は、調整タンク52の液面レベルセンサLSのロウレベル信号を受信すると、図5の場合と同様に、原液の供給動作を行う。これにより、調整タンク52に所定量の原液が供給される。
【0063】
原液の供給動作が終了した後、主制御装置54は、超純水の供給動作を開始する。すなわち、主制御装置54は、時刻t1において、バルブVc,Vdに開動作信号を出力する。このバルブVdに対する開動作信号は副制御装置61にも供給され、副制御装置61は、当該信号を受信すると、バルブVcに閉動作信号を出力し、バルブVeに開動作信号を出力する。これにより、バルブVcが閉状態となり、バルブVeが開き、超純水ラインWからの超純水が廃液配管Leに流され廃液タンクTeに排出される。
【0064】
主制御装置54は、流量計FMの出力に基づき、原液の供給量と同量の超純水が供給されたことを検知すると、バルブVc,Vdに閉動作信号を出力する。このバルブVdに対する閉動作信号は副制御装置61にも供給され、副制御装置61は、当該信号を受信すると、所定の遅延時間t後、バルブVeに閉動作信号を出力する。これにより、バルブVdが閉じた後、所定の遅延時間t後、バルブVeが閉じる。遅延時間tは、バルブVdとバルブVeとの間に超純水が残留しないように設定されるものである。
【0065】
主制御装置54は、上記超純水の供給動作を(M−1)回繰り返す。この間、上記副制御装置61の制御により、超純水は廃液タンクTeに排出され、調整タンク52には供給されない。
【0066】
主制御装置54は、上記原液の供給動作および超純水の供給動作を予め設定された回数Y回(Yは1以上の整数)繰り返す。これにより、原液タンクTからのN倍濃縮の原液が、超純水で希釈されずに、Y回に応じた量だけ調整タンク52内に砥液として供給される。
【0067】
上記原液の供給動作および超純水の供給動作がY回繰り返された後、副制御装置61は、所定の終了条件が満たされたか否かを判断する。ここでは、副制御装置61は、液面レベルセンサLSのハイレベル信号を受信したこと、原液および超純水の供給動作をY回繰り返す処理の回数が予め設定された回数X回(Xは1以上の整数)に達したこと、のうち少なくとも一方が満たされたか否かを判断する。
【0068】
終了条件が満たされていると判断された場合、副制御装置61は、処理を終了させる。
【0069】
一方、終了条件が満たされていないと判断された場合、副制御装置61は、液面レベルセンサLSのロウレベル信号の疑似信号を主制御装置54に出力する。これにより、主制御装置54は、再度、原液および超純水の供給動作をY回繰り返す処理を実行する。したがって、上記終了条件が満たされるまで、図7に示される動作が繰り返し行われる。
【0070】
なお、本具体例では、排出部31は廃液配管LeおよびバルブVc,Veにより実現されており、排出制御部32は副制御装置61により実現されている。
【0071】
[砥液供給システムの第2の具体例]
図8は、第2の具体例に係る砥液供給システム100の構成を示す図である。この砥液供給システム100は、図6に示される第1の具体例に係る砥液供給システム100と殆ど同じであり、第1の具体例と共通する部分については、同一の符号を用い、説明を省略することとする。
【0072】
本例では、原液タンクTとして、M倍濃縮の原液を収容する原液タンクと、N倍濃縮の原液を収容する原液タンクとが存在する。なお、M,Nは、例えば1以上5以下であるが、これに限られない。
【0073】
本例では、図8に示されるように、副制御装置61は、流量計FMの検出信号を受信可能なように、流量計FMと接続される。
【0074】
以下、本具体例に係る砥液供給システム100の動作について説明する。ここでは、砥液供給装置10の希釈倍率はZ(Zは2以上の整数)に設定される。すなわち、砥液供給装置10における所定の比率は、1:(Z−1)に設定される。
【0075】
副制御装置61は、原液タンクTのバーコードBを読み取り、M倍濃縮の原液を収容する原液タンクを認識した場合、超純水の排出処理を行わない。したがって、砥液供給システム100は、主制御装置54による図5に示される動作を行う。すなわち、液面レベルがロウレベルになると、原液を希釈して砥液を生成する処理を行う。ただし、ここでは、希釈倍率はMではなくZに設定されているので、超純水の供給動作は(M−1)回ではなく(Z−1)回繰り返され、原液がZ倍希釈された砥液が生成される。
【0076】
一方、N倍濃縮の原液を収容する原液タンクを認識した場合、副制御装置61は、超純水の排出処理を行う。以下、図9を参照して、この場合における砥液供給システム100の動作を説明する。
【0077】
主制御装置54は、調整タンク52の液面レベルセンサLSのロウレベル信号を受信すると、図5の場合と同様に、原液の供給動作を行う。これにより、調整タンク52に所定量の原液が供給される。
【0078】
原液の供給動作が終了した後、主制御装置54は、超純水の供給動作を開始する。すなわち、主制御装置54は、時刻t1において、バルブVc,Vdに開動作信号を出力する。これにより、バルブVc,Vdが開き、超純水ラインWから調整タンク52への超純水の供給が開始される。
【0079】
上記バルブVdに対する開動作信号は副制御装置61にも供給され、副制御装置61は、当該信号を受信すると、流量計FMにより検出される超純水の流量の積算を開始する。そして、副制御装置61は、当該流量の積算値が原液の供給量の(N・Z/M−1)/(Z−1)倍に相当する値に達した時点t2で、バルブVcに閉動作信号を出力し、バルブVeに開動作信号を出力する。これにより、バルブVcが閉じ、バルブVeが開き、超純水ラインWからの超純水が廃液配管Leに流され廃液タンクTeに排出される。
【0080】
主制御装置54は、流量計FMの出力に基づき、原液の供給量と同量の超純水が供給されたことを検知すると、バルブVc,Vdに閉動作信号を出力する。このバルブVdに対する閉動作信号は副制御装置61にも供給され、副制御装置61は、当該信号を受信すると、所定の遅延時間t後、バルブVeに閉動作信号を出力する。これにより、バルブVdが閉じた後、所定の遅延時間t後、バルブVeが閉じる。遅延時間tは、バルブVdとバルブVeとの間に超純水が残留しないように設定されるものである。
【0081】
主制御装置54は、上記超純水の供給動作を(Z−1)回繰り返す。これにより、調整タンク52には、原液の(N・Z/M−1)倍の超純水が供給される。
【0082】
主制御装置54は、上記原液の供給動作および超純水の供給動作を予め設定された回数Y回(Yは1以上の整数)繰り返す。これにより、原液が超純水でN・Z/M倍希釈された砥液が、Y回に応じた量だけ調整タンク52内に生成される。
【0083】
上記原液の供給動作および超純水の供給動作がY回繰り返された後、副制御装置61は、所定の終了条件が満たされたか否かを判断する。ここでは、副制御装置61は、液面レベルセンサLSのハイレベル信号を受信したこと、原液および超純水の供給動作をY回繰り返す処理の回数が予め設定された回数X回(Xは1以上の整数)に達したこと、のうち少なくとも一方が満たされたか否かを判断する。
【0084】
終了条件が満たされていると判断された場合、副制御装置61は、処理を終了させる。
【0085】
一方、終了条件が満たされていないと判断された場合、副制御装置61は、液面レベルセンサLSのロウレベル信号の疑似信号を主制御装置54に出力する。これにより、主制御装置54は、再度、原液および超純水の供給動作をY回繰り返す処理を実行する。したがって、上記終了条件が満たされるまで、図9に示される動作が繰り返し行われる。
【0086】
なお、本具体例では、排出部31は廃液配管LeおよびバルブVc,Veにより実現されており、排出制御部32は副制御装置61により実現されている。
【0087】
[砥液供給システムの第3の具体例]
図10は、第3の具体例に係る砥液供給システム100の構成を示す図である。この砥液供給システム100は、図6に示される第1の具体例に係る砥液供給システム100と殆ど同じであり、第1の具体例と共通する部分については、同一の符号を用い、説明を省略することとする。
【0088】
本例では、図10に示されるように、図6のバルブVeが廃され、超純水配管Lbに設けられたバルブVdが三方バルブとされている。そして、廃液配管Leは、計量槽51とバルブVcとの間ではなく、バルブVdに接続されている。
【0089】
バルブVdは、超純水ラインWからの超純水を調整タンク52側に流通させる状態(調整タンク側開状態)と、超純水ラインWからの超純水を廃液配管Le側に流通させる状態(廃液配管側開状態)と、超純水ラインWからの超純水の流通を阻止する状態(閉状態)との間で切り替え可能に構成されている。
【0090】
本例では、N倍濃縮の原液を収容する原液タンクが使用される場合、原液および超純水の供給に関し、砥液供給システム100は次のように動作する。
【0091】
主制御装置54は、調整タンク52の液面レベルセンサLSのロウレベル信号を受信すると、図5の場合と同様に、原液の供給動作を行う。これにより、調整タンク52に所定量の原液が供給される。
【0092】
原液の供給動作が終了した後、主制御装置54は、超純水の供給動作を開始する。すなわち、主制御装置54は、バルブVc,Vdに開動作信号を出力する。このバルブVdに対する開動作信号は副制御装置61にも供給され、副制御装置61は、当該信号を受信すると、バルブVdに対し、廃液配管側開動作信号を出力する。これにより、バルブVdが廃液配管側開状態となり、超純水ラインWからの超純水が廃液配管Leに流され廃液タンクTeに排出される。この場合、副制御装置61は、バルブVcに閉動作信号を出力してもよいし、しなくてもよい。
【0093】
主制御装置54は、流量計FMの出力に基づき、原液の供給量と同量の超純水が供給されたことを検知すると、バルブVc,Vdに閉動作信号を出力する。これにより、バルブVc,Vdが閉状態となる。
【0094】
主制御装置54は、上記超純水の供給動作を(M−1)回繰り返す。この間、上記副制御装置61の制御により、超純水は廃液タンクTeに排出され、調整タンク52には供給されない。
【0095】
なお、本具体例では、排出部31は廃液配管LeおよびバルブVdにより実現されており、排出制御部32は副制御装置61により実現されている。
【0096】
[砥液供給システムの第4の具体例]
図11は、第4の具体例に係る砥液供給システム100の構成を示す図である。この砥液供給システム100は、図8に示される第2の具体例に係る砥液供給システム100と殆ど同じでり、第2の具体例と共通する部分については、同一の符号を用い、説明を省略することとする。
【0097】
本例では、図11に示されるように、図8のバルブVeが廃され、超純水配管Lbに設けられたバルブVdが三方バルブとされている。そして、廃液配管Leは、計量槽51とバルブVcとの間ではなく、バルブVdに接続されている。
【0098】
バルブVdは、超純水ラインWからの超純水を調整タンク52側に流通させる状態(調整タンク側開状態)と、超純水ラインWからの超純水を廃液配管Le側に流通させる状態(廃液配管側開状態)と、超純水ラインWからの超純水の流通を阻止する状態(閉状態)との間で切り替え可能に構成されている。
【0099】
本例では、N倍濃縮の原液を収容する原液タンクが使用される場合、原液および超純水の供給に関し、砥液供給システム100は次のように動作する。
【0100】
主制御装置54は、調整タンク52の液面レベルセンサLSのロウレベル信号を受信すると、図5の場合と同様に、原液の供給動作を行う。これにより、調整タンク52に所定量の原液が供給される。
【0101】
原液の供給動作が終了した後、主制御装置54は、超純水の供給動作を開始する。すなわち、主制御装置54は、バルブVc,Vdに開動作信号を出力する。これにより、バルブVcが開状態、バルブVdが調整タンク側開状態となり、超純水ラインWから調整タンク52への超純水の供給が開始される。
【0102】
上記バルブVdに対する開動作信号は副制御装置61にも供給され、副制御装置61は、当該信号を受信すると、流量計FMにより検出される超純水の流量の積算を開始する。そして、副制御装置61は、当該流量の積算値が原液の供給量の(N・Z/M−1)/(Z−1)倍に相当する値に達した時点で、バルブVdに対し、廃液配管側開動作信号を出力する。これにより、バルブVdが廃液配管側開状態となり、超純水ラインWからの超純水が廃液配管Leに流され廃液タンクTeに排出される。この場合、副制御装置61は、バルブVcに閉動作信号を出力してもよいし、しなくてもよい。
【0103】
主制御装置54は、流量計FMの出力に基づき、原液の供給量と同量の超純水が供給されたことを検知すると、バルブVc,Vdに閉動作信号を出力する。これにより、バルブVc,Vdが閉状態となる。
【0104】
主制御装置54は、上記超純水の供給動作を(Z−1)回繰り返す。これにより、調整タンク52には、原液の(N・Z/M−1)倍の超純水が供給される。
【0105】
なお、本具体例では、排出部31は廃液配管LeおよびバルブVdにより実現されており、排出制御部32は副制御装置61により実現されている。
【0106】
[砥液供給装置の第2の具体例]
図12は、第2の具体例に係る砥液供給装置10の構成を示す図である。この砥液供給装置10は、図4に示される第1の具体例に係る砥液供給装置10と殆ど同じであり、第1の具体例と共通する部分については、同一の符号を用い、説明を省略することとする。
【0107】
図12において、原液配管Laには、バルブVbとポンプPaとの間に原液用流量計FM2が設けられている。また、図4に示される計量槽51が廃されている。なお、本例では、超純水配管Lbの流量計を「超純水用流量計FM1」と称する。
【0108】
図13は、第2の具体例に係る砥液供給装置10の動作を示すフローチャートである。以下、図13を参照して、第2の具体例に係る砥液供給装置10の動作を説明する。なお、ここでは、希釈倍率M(M>2)が設定されており、原液および超純水の流量は同流量に設定されている。
【0109】
調整タンク52の液面レベルがロウレベルになると、原液の供給動作が開始される。すなわち、主制御装置54は、調整タンク52の液面レベルセンサLSの出力に基づき、液面レベルがロウレベルであることを検知すると(S31:YES)、バルブVa,Vb,Vc,Vdに開動作信号を出力する(S32)。これにより、バルブVa,Vb,Vc,Vdが開き、原液タンクTからの原液および超純水ラインWからの超純水が調整タンク52に供給される。
【0110】
主制御装置54は、供給開始から予め設定された時間Tが経過するまで待機し(S33:NO)、供給開始から時間Tが経過すると(S33:YES)、バルブVa,Vbに閉動作信号を出力する(S34)。これにより、バルブVa,Vbが閉じ、原液の供給が停止する。
【0111】
主制御装置54は、供給開始から時間T・(M−1)が経過するまで待機し(S35:NO)、供給開始から時間T・(M−1)が経過すると(S35:YES)、所定の終了条件が満たされたか否かを判断する(S36)。ここでは、主制御装置54は、液面レベルセンサLSによりハイレベルが検出されたこと、原液および超純水の供給動作の回数が予め設定された回数に達したこと、のうち少なくとも一方が満たされたか否かを判断する。
【0112】
終了条件が満たされていると判断された場合(S36:YES)、主制御装置54は、バルブVc,Vdに閉動作信号を出力し(S37)、処理を終了させる。これにより、バルブVc,Vdが閉じ、砥液生成処理が終了する。
【0113】
一方、終了条件が満たされていないと判断された場合(S36:NO)、主制御装置54は、バルブVa,Vbに開動作信号を出力し(S38)、処理をステップS33に戻す。これにより、バルブVa,Vbが開き、原液タンクTからの原液の供給が再度開始する。なお、2回目以降のステップS33,S35では、ステップS38での原液の供給開始からの経過時間が判断対象となる。
【0114】
なお、上記の動作例では、主制御装置54は、経過時間に基づいてバルブの開閉を行っているが、流量計FM1,FM2の流量を用い、供給量に基づいてバルブの開閉を行ってもよい。具体的には、ステップS33において、原液用流量計FM2の流量の積算値(原液の供給量)が予め設定された値Aに達したか否かを判断し、ステップS35において、超純水用流量計FM1の流量の積算値(超純水の供給量)がA・(M−1)に達したか否かを判断してもよい。この場合、原液の流量と希釈液の流量とは互いに異なっていてもよい。
【0115】
本具体例では、原液供給部12は、原液配管La、共通配管Lc、バルブVa,Vb,Vc、ポンプPa、および原液用流量計FM2により実現されている。希釈液供給部13は、超純水配管Lb、共通配管Lc、バルブVc,Vd、および超純水用流量計FM1により実現されている。砥液供給部14は、砥液配管Ld、供給配管Ls、バルブVs、ポンプPb,Ps、および供給タンク53により実現されている。制御部15は、主制御装置54により実現されている。
【0116】
[砥液供給システムの第5の具体例]
図14は、第5の具体例に係る砥液供給システム100の構成を示す図である。以下、図14を参照して、第5の具体例に係る砥液供給システム100の構成を説明する。
【0117】
本例では、原液タンクTとして、M倍濃縮(M>2)の原液を収容する原液タンクと、N倍濃縮(1≦N<M)の原液を収容する原液タンクとが存在する。両種類の原液タンクには、当該原液タンクの種類を識別するためのバーコードBが取り付けられている。
【0118】
図14の砥液供給システム100では、図12の第2の具体例に係る砥液供給装置10に対し、混合比率制御装置30が適用されている。具体的には、図14では、バルブVdが三方バルブとされており、このバルブVdに廃液配管Leが接続されている。また、副制御装置61が増設されている。
【0119】
バルブVdは、超純水ラインWからの超純水を調整タンク52側に流通させる状態(調整タンク側開状態)と、超純水ラインWからの超純水を廃液配管Le側に流通させる状態(廃液配管側開状態)と、超純水ラインWからの超純水の流通を阻止する状態(閉状態)との間で切り替え可能に構成されている。
【0120】
副制御装置61は、バルブVdと接続され、バルブVdを制御する。また、副制御装置61は、主制御装置54からバルブVa,Vdに対する開閉動作信号を受信可能に構成されている。また、副制御装置61は、原液タンクTのバーコードBを読み取り可能に構成されている。
【0121】
以下、本具体例に係る砥液供給システム100の動作について説明する。ここでは、砥液供給装置10の希釈倍率はM(M>2)に設定される。すなわち、砥液供給装置10における所定の比率は、1:(M−1)に設定される。
【0122】
副制御装置61は、原液タンクTのバーコードBを読み取り、M倍濃縮の原液を収容する原液タンクを認識した場合、超純水の排出処理を行わない。したがって、砥液供給システム100は、図13に示される動作を行う。すなわち、液面レベルがロウレベルになると、原液をM倍希釈して砥液を生成する処理を行う。
【0123】
一方、N倍濃縮の原液を収容する原液タンクを認識した場合、副制御装置61は、超純水の排出処理を行う。以下、図13、図15を参照して、この場合における砥液供給システム100の動作を説明する。なお、図13は主制御装置54の動作を示し、図15は副制御装置61の動作を示す。
【0124】
調整タンク52の液面レベルがロウレベルになると、原液の供給動作が開始される。すなわち、主制御装置54は、調整タンク52の液面レベルセンサLSの出力に基づき、液面レベルがロウレベルであることを検知すると(図13のS31)、バルブVa,Vb,Vc,Vdに開動作信号を出力する(図13のS32)。これにより、バルブVa,Vb,Vc,Vdが開き、原液タンクTからの原液および超純水ラインWからの超純水が調整タンク52に供給される。
【0125】
主制御装置54は、供給開始から予め設定された時間Tが経過するまで待機し(図13のS33:NO)、供給開始から時間Tが経過すると(図13のS33:YES)、バルブVa,Vbに閉動作信号を出力する(図13のS34)。これにより、バルブVa,Vbが閉じ、原液の供給が停止する。
【0126】
副制御装置61は、上記バルブVaへの開動作信号を受信すると(図15のS41:YES)、当該時点から時間T・(N−1)が経過するまで待機し(図15のS42:NO)、時間T・(N−1)が経過すると(図15のS42:YES)、バルブVdに廃液配管側開動作信号を出力する(図15のS43)。これにより、バルブVdが廃液配管側開状態となり、超純水ラインWからの超純水が廃液配管Leに流され廃液タンクTeに排出される。
【0127】
主制御装置54は、供給開始から時間T・(M−1)が経過するまで待機し(図13のS35:NO)、供給開始から時間T・(M−1)が経過すると(図13のS35:YES)、所定の終了条件が満たされたか否かを判断する(図13のS36)。
【0128】
終了条件が満たされていると判断された場合(図13のS36:YES)、主制御装置54は、バルブVc,Vdに閉動作信号を出力し(図13のS37)、処理を終了させる。これにより、バルブVc,Vdが閉じ、砥液生成処理が終了する。副制御装置61は、上記バルブVdへの閉動作信号を受信すると(図15のS44:YES)、処理を終了させる。
【0129】
一方、終了条件が満たされていないと判断された場合(図13のS36:NO)、主制御装置54は、バルブVa,Vbに開動作信号を出力し(図13のS38)、処理を図13のステップS33に戻す。これにより、バルブVa,Vbが開き、原液タンクTからの原液の供給が再度開始する。副制御装置61は、上記バルブVaへの開動作信号を受信すると(図15のS45:YES)、バルブVdに調整タンク側開動作信号を出力し(図15のS46)、処理を図15のステップS42に戻す。これによりバルブVdが調整タンク側開状態となり、調整タンク52への超純水の供給が再開する。なお、2回目以降のステップS42では、ステップS45でバルブVaへの開動作信号を受信した時点からの経過時間が判断対象となる。
【0130】
副制御装置61は、バルブVdへの閉動作信号またはバルブVaへの開動作信号を受信するまで待機する(図15のS44:NO、S45:NO)。
【0131】
なお、上記の動作例では、副制御装置61は、経過時間に基づいてバルブの開閉を行っているが、流量計FM1,FM2の流量を用い、供給量に基づいてバルブの開閉を行ってもよい。具体的には、副制御装置61は、原液用流量計FM2の流量を積算して原液の供給量Aを求め、ステップS42において、超純水用流量計FM1の流量の積算値(超純水の供給量)がA・(N−1)に達したか否かを判断してもよい。
【0132】
本具体例では、排出部31は廃液配管LeおよびバルブVdにより実現されており、排出制御部32は副制御装置61により実現されている。
【0133】
上述の砥液供給システムの第1〜第5の具体例では、2種類の原液タンクが存在する場合を例示したが、例えば各種の原液タンクにバーコード等の識別情報を付すことにより、3種類以上の原液タンクに対応可能である。
【0134】
[研磨システム]
図16は、本実施の形態に係る砥液供給システムを含む研磨システム200の構成を示す概略図である。以下、図16を参照して、研磨システム200について説明する。
【0135】
研磨システム200は、砥液供給システム100、研磨装置20、および再生装置40を含む。
【0136】
砥液供給システム100は、未使用の原液を収容する原液タンクTNが使用される場合、砥液供給装置10の制御部15の制御により、原液タンクTNからの原液と希釈液とを当該原液に応じた所定の比率で混合し、生成された砥液を研磨装置20に供給する。
【0137】
研磨装置20は、砥液供給システム100から供給された砥液を用いて、研磨対象物(例えばウエハ)の研磨処理を行う。
【0138】
再生装置40は、研磨装置20で使用された砥液を収集し、当該使用済みの砥液に対して再生処理を施し、再生砥液を生成する。再生処理としては、例えば、使用済みの砥液からの異物の除去処理、PH値の調整処理、濃度の調整処理がある。
【0139】
再生装置40により生成された再生砥液は、再生装置40により、またはその他の方法により、再生砥液用の原液タンクTRに充填される。
【0140】
砥液供給システム100は、上記再生砥液を収容する原液タンクTRが使用される場合、砥液供給装置10の制御部15および混合比率制御装置30の排出制御部32の制御により、再生砥液TRからの再生砥液と希釈液とを当該再生砥液に応じた上記所定の比率と異なる比率で混合し、生成された砥液を研磨装置20に供給する。
【0141】
一つの態様では、再生装置40は、再生砥液の濃度を所定の使用濃度に調整し、希釈が不要な再生砥液を生成する。そして、砥液供給システム100は、当該再生砥液を収容する原液タンクTRが使用される場合、制御部15により供給される希釈液を排出制御部32により排出することにより、再生砥液を希釈せずに研磨装置20に供給する。
【0142】
上記研磨システム200において、一つの利用態様では、再生砥液を収容する原液タンクTRの準備が整った場合、使用中の原液タンクが空になると、優先的に再生砥液の原液タンクTRが使用される。
【0143】
以上説明した本実施の形態によれば、以下の効果が得られ得る。
【0144】
(1)砥液供給装置は、原液タンクからの原液と希釈液とが所定の比率で混合された砥液が混合タンク内に生成されるように制御を行う。混合比率制御装置は、所定の種類の原液タンクが使用される場合に、上記制御が行われる際、原液と希釈液とが上記砥液供給装置における所定の比率と異なる比率で混合されるように希釈液を排出する。したがって、所定の種類以外の原液タンクが使用される場合には、所定の比率で混合された砥液が生成され、所定の種類の原液タンクが使用される場合には、上記所定の比率と異なる比率で混合された砥液が生成される。このため、本実施の形態によれば、砥液供給装置における混合比率の設定値の変更操作を必要とせずに、希釈液との混合比率が互いに異なる原液(例えば互いに濃度が異なる原液)を収容する2種類の原液タンクを砥液供給装置で使用することが可能となる。
【0145】
(2)一つの態様では、混合比率制御装置は、原液タンクから当該原液タンクの種類を識別するための識別情報を取得し、当該識別情報が所定の種類を示す場合に、希釈液を排出する制御を行う。当該態様によれば、ユーザによる識別情報の指示操作が不要となり、ユーザの作業工数または作業時間を削減することができる。また、ユーザの誤操作による誤作動を回避することができる。
【0146】
(3)一つの態様では、砥液供給装置における所定の比率で希釈液と混合されるべき原液を収容する第1の種類の原液タンクと、希釈液による希釈が不要な原液を収容する第2の種類の原液タンクとがあり、混合比率制御装置は、第2の種類の原液タンクが使用される場合に、混合タンクに希釈液が供給されないように排出の制御を行う。当該態様によれば、希釈が必要な原液のタンクと希釈が不要な原液のタンクとの2種類の原液タンクを、共通の砥液供給装置で使用することができる。また、第2の種類の原液タンクの原液が希釈不要となっているので、希釈液の供給量を調整する必要がなく、構成や制御を簡素にすることができる。
【0147】
(4)一つの態様では、原液タンクとして、m倍(m>1)に希釈されるべき原液を収容する第1の種類の原液タンクと、n倍(1<n<m)に希釈されるべき原液を収容する第2の種類の原液タンクとがあり、所定の比率は、1:(m−1)に設定される。そして、混合比率制御装置は、第2の種類の原液タンクが使用される場合に、砥液供給装置の制御により供給される希釈液のうち(n−1)/(m−1)の希釈液が混合タンクに供給され、(m−n)/(m−1)の希釈液が排出されるように、希釈液の排出の制御を行う。当該態様では、互いに希釈倍率が異なる原液を収容する2種類の原液タンクを、共通の砥液供給装置で使用することができる。
【0148】
(5)一つの態様では、原液タンクとして、未使用の原液を収容する原液タンクと、研磨装置で使用された砥液から再生された再生砥液を収容する原液タンクとがあり、所定の比率は、未使用の原液に対応する比率に設定される。そして、混合比率制御装置は、再生砥液を収容する原液タンクが使用される場合に、再生砥液と希釈液とが再生砥液に対応する比率で混合されるように、希釈液の排出の制御を行う。当該態様では、未使用の原液と再生砥液との2種類の原液タンクを、共通の砥液供給装置で使用することができる。
【0149】
(6)図10,11,14に例示されるように、一つの態様では、排出部の排出流量制御バルブおよび供給流量制御バルブを一つのバルブにより実現する。当該態様によれば、例えば図6,8に示されるものと比較して構成を簡略化できる。
【0150】
(7)図14に例示されるように、一つの態様では、原液および希釈液を同時に(または並行して)混合タンクに供給する。当該態様によれば、砥液生成処理の時間(すなわち希釈動作時間)の短縮が可能である。
【0151】
(8)図14に例示されるように、一つの態様では、原液流路における原液の流量を計測する流量計を設け、当該流量計の検出結果に基づいて原液の供給を制御する。当該態様によれば、計量槽を省略することができ、構成を簡略化できる。
【0152】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々変更することができる。
【符号の説明】
【0153】
10 砥液供給装置、 11 混合タンク、 12 原液供給部、 12a 原液流路、 13 希釈液供給部、 13a 希釈液流路、 14 砥液供給部、 14a 砥液流路、 15 制御部、 16 流量検出部、 20 研磨装置、 30 混合比率制御装置、 31 排出部、 32 排出制御部、 33 識別情報取得部、 T 原液タンク、 S 希釈液供給源。
【技術分野】
【0001】
本発明は、混合比率制御装置および混合比率制御方法、ならびに砥液供給システムおよび砥液供給方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体集積回路の製造工程において、砥液原液を希釈液で希釈して所定の濃度の砥液を生成し、当該砥液を研磨装置に供給する砥液供給装置がある(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
また、研磨に使用された砥液を再使用する技術が知られている(例えば、特許文献2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−126764号公報
【特許文献2】特開平11−10540号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、原液タンクからの砥液原液と希釈液とを所定の比率で混合して砥液を生成し、当該砥液を研磨装置に供給する砥液供給装置において、希釈液との混合比率が互いに異なる砥液原液を収容する2種類の原液タンクを使用したいという要望がある。この場合、種類の異なる原液タンクに交換する際、砥液供給装置における混合比率の設定値を変更することが考えられる。しかし、混合比率の設定値の変更操作には時間が掛かることや、装置によっては設定値の変更操作が不可能なことがある。
【0006】
本発明は、砥液供給装置における混合比率の設定値の変更操作を必要とせずに、希釈液との混合比率が互いに異なる砥液原液を収容する2種類の原液タンクを砥液供給装置で使用することを可能にする混合比率制御装置および方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る混合比率制御装置は、混合タンクと、交換可能な原液タンクからの砥液原液を前記混合タンクに供給する原液供給手段と、前記混合タンクに希釈液を導く希釈液流路を含み、当該希釈液流路を通じて前記希釈液を前記混合タンクに供給する希釈液供給手段と、前記砥液原液と前記希釈液とが所定の比率で混合された砥液が前記混合タンク内に生成されるように、前記原液供給手段および前記希釈液供給手段の制御を行う制御手段と、前記混合タンク内に生成された砥液を研磨装置に供給する砥液供給手段と、を有する砥液供給装置における混合比率制御装置であって、前記希釈液流路を流れる希釈液を前記混合タンクの上流側で排出する排出手段と、所定の種類の原液タンクが使用される場合に、前記制御が行われる際、前記砥液原液と前記希釈液とが前記所定の比率と異なる比率で混合されるように、前記排出手段の制御を行う排出制御手段と、を有することを特徴とする。
【0008】
本発明に係る砥液供給システムは、混合タンクと、交換可能な原液タンクからの砥液原液を前記混合タンクに供給する原液供給手段と、前記混合タンクに希釈液を導く希釈液流路を含み、当該希釈液流路を通じて前記希釈液を前記混合タンクに供給する希釈液供給手段と、前記砥液原液と前記希釈液とが所定の比率で混合された砥液が前記混合タンク内に生成されるように、前記原液供給手段および前記希釈液供給手段の制御を行う制御手段と、前記混合タンク内に生成された砥液を研磨装置に供給する砥液供給手段と、前記希釈液流路を流れる希釈液を前記混合タンクの上流側で排出する排出手段と、所定の種類の原液タンクが使用される場合に、前記制御が行われる際、前記砥液原液と前記希釈液とが前記所定の比率と異なる比率で混合されるように、前記排出手段の制御を行う排出制御手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、砥液供給装置における混合比率の設定値の変更操作を必要とせずに、希釈液との混合比率が互いに異なる砥液原液を収容する2種類の原液タンクを砥液供給装置で使用することを可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施の形態に係る混合比率制御装置を含む砥液供給システムの構成の一例を示す概略図である。
【図2】砥液供給装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【図3】実施の形態に係る混合比率制御装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【図4】第1の具体例に係る砥液供給装置の構成を示す図である。
【図5】第1の具体例に係る砥液供給装置の動作を示すタイムチャートである。
【図6】第1の具体例に係る砥液供給システムの構成を示す図である。
【図7】第1の具体例に係る砥液供給システムの動作を示すタイムチャートである。
【図8】第2の具体例に係る砥液供給システムの構成を示す図である。
【図9】第2の具体例に係る砥液供給システムの動作を示すタイムチャートである。
【図10】第3の具体例に係る砥液供給システムの構成を示す図である。
【図11】第4の具体例に係る砥液供給システムの構成を示す図である。
【図12】第2の具体例に係る砥液供給装置の構成を示す図である。
【図13】第2の具体例に係る砥液供給装置の動作を示すフローチャートである。
【図14】第5の具体例に係る砥液供給システムの構成を示す図である。
【図15】第5の具体例に係る混合比率制御装置の動作を示すフローチャートである。
【図16】本実施の形態に係る砥液供給システムを含む研磨システムの構成を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
【0012】
図1は、本実施の形態に係る混合比率制御装置30を含む砥液供給システム100の構成の一例を示す概略図である。この砥液供給システム100は、原液タンクTからの砥液原液と希釈液供給源Sからの希釈液とを混合して砥液(スラリともいう)を生成し、当該砥液を研磨装置20に供給するシステムである。具体的な一態様では、砥液供給システム100は、半導体集積回路の製造工程で用いられる。原液タンクTは、砥液原液(以下、単に「原液」と称する)を収容する容器であり、交換可能となっている。希釈液は、原液を希釈するための液体であり、例えば純水である。研磨装置20は、砥液供給システム100から供給される砥液を用いて研磨対象物を研磨する装置であり、例えば半導体ウエハの表面を研磨する。図1において、砥液供給システム100は、砥液供給装置10と、混合比率制御装置30とを含む。
砥液供給装置10は、原液タンクTからの原液と希釈液供給源Sからの希釈液とを混合して砥液を生成し、当該砥液を研磨装置20に供給する装置である。図1において、砥液供給装置10は、混合タンク11、原液供給部12、希釈液供給部13、砥液供給部14、および制御部15を有する。
【0013】
混合タンク11は、原液タンクTからの原液と希釈液供給源Sからの希釈液とを混合して砥液を生成するための容器である。混合タンク11には、当該タンク内の液面のレベルを検知するための液面レベルセンサが設けられてもよい。
【0014】
原液供給部12は、原液タンクTからの原液を混合タンク11に供給する。具体的には、原液供給部12は、原液を原液タンクTから混合タンク11に導く原液流路12aと、当該原液流路12aにおける原液の流通を制御するための要素とを含む。原液の流通を制御するための要素としては、例えば、流路を開閉する開閉バルブ、流量を制御する流量制御バルブ、液体を送液するポンプ、流量を計測する流量計などがある。
【0015】
希釈液供給部13は、希釈液を希釈液供給源Sから混合タンク11に導く希釈液流路13aを含み、当該希釈液流路13aを通じて希釈液を混合タンク11に供給する。具体的には、希釈液供給部13は、希釈液流路13aにおける希釈液の流通を制御するための要素を含む。希釈液の流通を制御するための要素としては、例えば、原液供給部12と同様に、開閉バルブ、流量制御バルブ、ポンプ、流量計などがある。
【0016】
砥液供給部14は、混合タンク11内に生成された砥液を研磨装置20に供給する。具体的には、砥液供給部14は、混合タンク11内の砥液を研磨装置20に導く砥液流路14aと、当該砥液流路14aにおける砥液の流通を制御するための要素を含む。砥液の流通を制御するための要素としては、例えば、原液供給部12と同様に、開閉バルブ、流量制御バルブ、ポンプ、流量計などがある。一つの態様では、砥液供給部14は、混合タンク11からの砥液を一時貯留して研磨装置20に供給するための供給タンクを含む。
【0017】
制御部15は、砥液供給装置10の動作を制御する。具体的には、制御部15は、原液と希釈液とが所定の比率で混合された砥液が混合タンク11内に生成されるように、原液供給部12および希釈液供給部13の制御を行う。すなわち、制御部15は、原液と希釈液とが所定の比率で混合タンク11に供給され、混合タンク11内に所定の濃度の砥液が生成されるように、原液供給部12および希釈液供給部13を制御する砥液生成処理を行う。上記「濃度」は、砥粒などの研磨成分の濃度であり、以下同様である。
【0018】
制御部15は、一つの態様では、ハードウェア資源とソフトウェアとの協働により実現される。具体的には、制御部15の機能は、ROM(Read Only Memory)等の記録媒体に記録されたプログラムが主記憶装置に読み出されて中央処理装置(CPU: Central Processing Unit)により実行されることによって実現される。ただし、制御部15は、ハードウェアのみにより実現されてもよい。
【0019】
図2は、砥液供給装置10の動作の一例を示すフローチャートである。以下、図2を参照して、砥液供給装置10の砥液の生成に関する動作の一例を説明する。
【0020】
制御部15は、砥液を生成すべき条件が満たされたか否かを判断する(S11)。砥液を生成すべき条件としては、例えば、混合タンク11の液面のレベルが所定値以下であることが挙げられる。
【0021】
制御部15は、上記条件が満たされたと判断されるまで待機し(S11:NO)、満たされたと判断されると(S11:YES)、砥液生成処理を実行する(S12)。すなわち、制御部15は、原液と希釈液とが所定の比率で混合された砥液が混合タンク11内に生成されるように、原液供給部12および希釈液供給部13の制御を行う。これにより、混合タンク11内には所定の濃度の砥液が生成される。
【0022】
次に、混合比率制御装置30について説明する。本実施の形態では、原液タンクTとして少なくとも2種類の原液タンクが存在し、混合比率制御装置30は、所定の種類の原液タンクが使用される場合に、砥液供給装置10の砥液生成処理が行われる際、原液と希釈液とが上記所定の比率と異なる比率で混合されるように動作する。図1において、混合比率制御装置30は、排出部31と、排出制御部32とを有する。
【0023】
排出部31は、希釈液流路13aを流れる希釈液を混合タンク11の上流側で排出する。具体的には、排出部31は、希釈液流路13aから排出される希釈液を導く排出流路31aと、当該排出流路31aを通じて排出される流量と混合タンク11に供給される流量との比率を制御するための要素とを含む。図1の例では、排出部31は、上記比率を制御するための要素として、排出流路31aを通じて排出される流量を制御するための排出流量制御バルブ31bと、混合タンク11に供給される流量を制御するための供給流量制御バルブ31cとを含む。排出流量制御バルブ31bおよび供給流量制御バルブ31cは、それぞれ、開状態と閉状態との間の2段階で開度が切り替えられる開閉バルブであってもよいし、3段階以上または無段階で開度が制御される流量制御バルブであってもよい。また、排出流量制御バルブ31bおよび供給流量制御バルブ31cの機能は、三方バルブや流量比率調整バルブなど、物理的に一つのバルブにより実現されてもよい。なお、希釈液は適宜の排出先に排出されればよいが、図1の例では、排出流路31aには、希釈液の排出先として廃液タンク35が接続されている。
【0024】
一つの態様では、砥液供給装置10は、希釈液流路13aにおける希釈液の流量を検出する流量検出部16を有し、制御部15は、希釈液を混合タンク11に供給する際、流量検出部16により希釈液の流通が検出されない場合または流量検出部16の検出値が所定値以下である場合に、エラー処理を実行する。例えば、制御部15は、警報を発生させたり、砥液生成処理を停止させたりする。このような態様では、流量検出部16での希釈液の流量が所定値以下となる事態を回避する観点より、排出部31は、流量検出部16の下流側で希釈液を排出するように構成される。
【0025】
排出制御部32は、所定の種類の原液タンクが使用される場合に、上記制御部15による制御が行われる際、原液と希釈液とが上記所定の比率と異なる比率で混合されるように、排出部31の制御を行う。すなわち、排出制御部32は、所定の種類の原液タンクが使用される場合に、砥液供給装置10による砥液生成処理が行われる際、原液と希釈液とが上記所定の比率と異なる比率で混合されるように、排出部31を制御する希釈液排出処理を行う。
【0026】
図1の例では、混合比率制御装置30は、原液タンクTの種類を識別するための識別情報を取得する識別情報取得部33を有し、排出制御部32は、識別情報取得部33により取得された識別情報が上記所定の種類を示す場合に、上記排出部31の制御を行う。一つの態様では、識別情報取得部33は、原液タンクTから当該原液タンクTの種類を識別するための識別情報を取得する。例えば、識別情報取得部33は、原液タンクTに付されたバーコードや記憶媒体から識別情報を読み取る読み取り装置である。ただし、識別情報取得部33は、例えば識別コードの入力操作やスイッチのオンオフ操作などにより、ユーザから識別情報を受け付けてもよい。
【0027】
排出制御部32は、原液と希釈液とが上記所定の比率と異なる比率で混合されるよう、制御部15の制御により混合タンク11に供給されるはずの希釈液の全部または一部を排出することができればよく、様々な方法で排出部31を制御することができる。例えば、排出制御部32は、希釈液が混合タンク11に供給される時間と排出される時間との比率を制御してもよいし、混合タンク11に供給される希釈液の流量と排出される希釈液の流量との比率を制御してもよい。
【0028】
上記「所定の種類の原液タンク」は、所定の比率と異なる比率で希釈液と混合されるべき原液を収容した原液タンクである。具体的には、第1の比率で希釈液と混合されるべき原液を収容する第1の種類の原液タンクと、第1の比率と異なる第2の比率で希釈液と混合されるべき原液を収容する第2の種類の原液タンクとがあり、砥液供給装置10の所定の比率が第1の比率に設定される場合に、排出制御部32は、第2の種類の原液タンクが使用される場合に、原液と希釈液とが第2の比率で混合されるように排出部31の制御を行う。
【0029】
一つの態様では、原液タンクTとして、上記所定の比率で希釈液と混合されるべき原液を収容する第1の種類の原液タンクと、希釈液による希釈が不要な原液を収容する第2の種類の原液タンクとがある。そして、排出制御部32は、第2の種類の原液タンクが使用される場合に、砥液生成処理が行われる際、混合タンク11に希釈液が供給されないように、排出部31の制御を行う。
【0030】
別の態様では、原液タンクTとして、m倍(m>1)に希釈されるべき原液を収容する第1の種類の原液タンクと、n倍(1<n<m)に希釈されるべき原液を収容する第2の種類の原液タンクとがあり、砥液供給装置10における所定の比率は、1:(m−1)に設定される。そして、排出制御部32は、第2の種類の原液タンクが使用される場合に、制御部15により供給される希釈液のうち(n−1)/(m−1)の希釈液が混合タンク11に供給され、(m−n)/(m−1)の希釈液が排出されるように、排出部31の制御を行う。
【0031】
さらに別の態様では、原液タンクTとして、未使用の原液を収容する原液タンクと、研磨装置20で使用された砥液から再生された再生砥液を収容する原液タンクとがあり、砥液供給装置10における所定の比率は、上記未使用の原液に対応する比率に設定される。そして、排出制御部32は、上記再生砥液を収容する原液タンクが使用される場合に、再生砥液と希釈液とが当該再生砥液に対応する比率で混合されるように、排出部31の制御を行う。当該態様において、再生砥液の濃度が希釈不要な濃度(すなわち使用濃度)に予め調整されている場合には、排出制御部32は、再生砥液を収容する原液タンクが使用される場合、混合タンク11に希釈液が供給されないように排出部31の制御を行う。
【0032】
原液タンクTは2種類に限られず、3種類以上であってもよい。すなわち、「所定の種類の原液タンク」として、2種類以上の原液タンクが存在してもよい。この場合、排出制御部32は、識別情報に基づいて原液タンクの種類を識別し、識別された種類に応じた比率で混合されるように排出部31の制御を行う。
【0033】
排出制御部32は、一つの態様では、ハードウェア資源とソフトウェアとの協働により実現される。具体的には、排出制御部32の機能は、ROM等の記録媒体に記録されたプログラムが主記憶装置に読み出されてCPUにより実行されることによって実現される。ただし、排出制御部32は、ハードウェアのみにより実現されてもよい。
【0034】
図3は、本実施の形態に係る混合比率制御装置30の動作の一例を示すフローチャートである。以下、図3を参照して、混合比率制御装置30の動作の一例を説明する。
【0035】
排出制御部32は、識別情報取得部33を介して原液タンクTから識別情報を取得する(S21)。例えば、排出制御部32は、原液タンクTの交換を検知すると、当該識別情報の取得を実行する。
【0036】
ついで、排出制御部32は、上記識別情報に基づき、使用される原液タンクTが所定の種類であるか否かを判断し(S22)、所定の種類であると判断された場合(S22:YES)、処理をステップS23に進める。
【0037】
ステップS23では、排出制御部32は、砥液供給装置10の砥液生成処理(図2のステップS12)が開始されたか否かを判断し、砥液生成処理が開始されるまで待機する(S23:NO)。
【0038】
砥液生成処理が開始されたと判断されると(S23:YES)、排出制御部32は、希釈液排出処理を実行する(S24)。これにより、所定の種類の原液タンクが使用される場合には、原液と希釈液とが砥液供給装置10における所定の比率とは異なる比率で混合された砥液が混合タンク11内に生成される。
【0039】
一方、ステップS22で所定の種類でないと判断された場合(S22:NO)、排出制御部32は、希釈液排出処理を行わずに、処理を終了させる。これにより、所定の種類以外の原液タンクが使用される場合には、原液と希釈液とが砥液供給装置10における所定の比率で混合された砥液が混合タンク11内に生成される。
【0040】
以下、図4〜図15を参照し、砥液供給システム100について、より具体的な構成例を示す。
【0041】
[砥液供給装置の第1の具体例]
図4は、第1の具体例に係る砥液供給装置10の構成を示す図である。以下、図4を参照して、第1の具体例に係る砥液供給装置10の構成を説明する。
【0042】
図4において、砥液供給装置10は、原液の量を計量する計量槽51と、混合タンク11としての調整タンク52と、調整タンク52からの砥液を一時貯留して研磨装置20に供給するための供給タンク53とを有する。
【0043】
計量槽51の上部には、原液タンクTからの原液を計量槽51に導く原液配管Laと、希釈液供給源Sである超純水ラインWからの超純水を計量槽51に導く超純水配管Lbとが接続されている。原液配管Laには、原液タンクT側から順に、バルブVa、バルブVb、およびポンプPaが設けられている。超純水配管Lbには、超純水ラインW側から順に、流量計FM、およびバルブVdが設けられている。計量槽51の下部は、共通配管Lcを介して調整タンク52の上部と接続されている。共通配管Lcには、バルブVcが設けられている。
【0044】
調整タンク52には、当該調整タンク52の液面のレベルを検出する液面レベルセンサLSが設けられている。液面レベルセンサLSは、液面のレベルが図4の「L」で示される所定のロウレベルになるとロウレベル信号を出力し、液面のレベルが図4の「H」で示される所定のハイレベルになるとハイレベル信号を出力する。
【0045】
調整タンク52の下部は、砥液配管Ldを介して供給タンク53の上部と接続されている。砥液配管Ldには、調整タンク52側から順に、ポンプPbおよびバルブVsが設けられている。
【0046】
供給タンク53の下部は、供給配管Lsを介して研磨装置20と接続されており、当該供給配管LsにはポンプPsが設けられている。図4の例では、供給配管Lsはそれぞれ供給タンク53に接続された互いに並列の複数の配管を含み、当該複数の配管は、それぞれ対応する研磨装置20に接続されている。また、当該複数の配管のそれぞれにポンプPsが設けられている。
【0047】
さらに、砥液供給装置10は、砥液供給装置10の動作を制御する主制御装置54を有する。具体的には、主制御装置54は、計量槽51、流量計FM、および液面レベルセンサLSと接続され、これらの出力を受ける。また、主制御装置54は、バルブVa,Vb,Vc,VdおよびポンプPa,Pb,Psと接続され、各種センサの出力等に基づき、上記バルブおよびポンプの動作を制御する。
【0048】
図5は、第1の具体例に係る砥液供給装置10の動作を示すタイムチャートである。以下、図5を参照して、第1の具体例に係る砥液供給装置10の動作を説明する。
【0049】
調整タンク52の液面レベルがロウレベルになると、原液の供給動作が開始される。すなわち、主制御装置54は、調整タンク52の液面レベルセンサLSのロウレベル信号を受信すると、バルブVa,Vbに開動作信号を出力する。これにより、バルブVa,Vbが開き、ポンプPaにより原液タンクTから原液が計量槽51に供給される。ついで、主制御装置54は、計量槽51に所定量の原液が溜まったことを検知すると、バルブVa,Vbに閉動作信号を出力した後、バルブVcに開動作信号を出力する。これにより、バルブVa,Vbが閉じた後、バルブVcが開き、計量槽51から調整タンク52に原液が送られる。この原液の送液が完了すると、主制御装置54は、バルブVcに閉動作信号を出力し、これによりバルブVcが閉じる。
【0050】
ついで、超純水の供給動作が開始される。すなわち、主制御装置54は、時刻t1において、バルブVc,Vdに開動作信号を出力する。これにより、バルブVc,Vdが開き、超純水ラインWからの超純水が調整タンク52に供給される。主制御装置54は、流量計FMの出力に基づき、原液の供給量と同量の超純水が供給されたことを検知すると、バルブVc,Vdに閉動作信号を出力する。これにより、バルブVc,Vdが閉じる。
【0051】
ここで、M倍希釈(Mは2以上の整数)の場合、主制御装置54は、上記超純水の供給動作を(M−1)回繰り返す。
【0052】
主制御装置54は、上記原液の供給動作および超純水の供給動作を予め設定された回数Y回(Yは1以上の整数)繰り返す。これにより、原液が超純水でM倍希釈された砥液が、Y回に応じた量だけ調整タンク52内に生成される。
【0053】
なお、本具体例では、原液供給部12は、原液配管La、共通配管Lc、バルブVa,Vb,Vc、ポンプPa、および計量槽51により実現されている。希釈液供給部13は、超純水配管Lb、共通配管Lc、バルブVc,Vd、計量槽51、および流量計FMにより実現されている。砥液供給部14は、砥液配管Ld、供給配管Ls、バルブVs、ポンプPb,Ps、および供給タンク53により実現されている。制御部15は、主制御装置54により実現されている。
【0054】
[砥液供給システムの第1の具体例]
図6は、第1の具体例に係る砥液供給システム100の構成を示す図である。以下、図6を参照して、第1の具体例に係る砥液供給システム100の構成を説明する。
【0055】
本例では、原液タンクTとして、M倍濃縮(Mは2以上の整数)の原液を収容する原液タンクと、N倍濃縮(1≦N<M)の原液を収容する原液タンクとが存在する。N倍濃縮の原液は、既に使用濃度に調整されており、希釈が不要である。両種類の原液タンクには、当該原液タンクの種類を識別するためのバーコードBが取り付けられている。
【0056】
図6の砥液供給システム100では、図4の砥液供給装置10に対し、混合比率制御装置30が適用されている。具体的には、バルブVeを備えた廃液配管Leと副制御装置61とが増設されている。
【0057】
廃液配管Leは、超純水を排出するための配管であり、その一端は計量槽51とバルブVcとの間で共通配管Lcに接続されており、他端は排出先(図6では廃液タンクTe)に接続されている。廃液配管Leには、バルブVeが設けられている。
【0058】
副制御装置61は、バルブVc,Veと接続され、これらを制御する。また、副制御装置61は、主制御装置54からバルブVdに対する開閉動作信号を受信可能に構成されている。さらに、副制御装置61は、主制御装置54に信号を出力可能なように、主制御装置54と接続されている。また、副制御装置61は、液面レベルセンサLSの検出信号を受信可能なように、液面レベルセンサLSと接続されている。また、副制御装置61は、原液タンクTのバーコードBを読み取り可能に構成されている。
【0059】
以下、上記第1の具体例に係る砥液供給システム100の動作について説明する。ここでは、砥液供給装置10の希釈倍率はMに設定される。すなわち、砥液供給装置10における所定の比率は、1:(M−1)に設定される。
【0060】
副制御装置61は、原液タンクTのバーコードBを読み取り、M倍濃縮の原液を収容する原液タンクを認識した場合、超純水の排出処理を行わない。したがって、砥液供給システム100は、主制御装置54による図5に示される動作を行う。すなわち、液面レベルがロウレベルになると、原液をM倍希釈して砥液を生成する処理を行う。
【0061】
一方、N倍濃縮の原液を収容する原液タンクを認識した場合、副制御装置61は、超純水の排出処理を行う。以下、図7を参照して、この場合における砥液供給システム100の動作を説明する。
【0062】
主制御装置54は、調整タンク52の液面レベルセンサLSのロウレベル信号を受信すると、図5の場合と同様に、原液の供給動作を行う。これにより、調整タンク52に所定量の原液が供給される。
【0063】
原液の供給動作が終了した後、主制御装置54は、超純水の供給動作を開始する。すなわち、主制御装置54は、時刻t1において、バルブVc,Vdに開動作信号を出力する。このバルブVdに対する開動作信号は副制御装置61にも供給され、副制御装置61は、当該信号を受信すると、バルブVcに閉動作信号を出力し、バルブVeに開動作信号を出力する。これにより、バルブVcが閉状態となり、バルブVeが開き、超純水ラインWからの超純水が廃液配管Leに流され廃液タンクTeに排出される。
【0064】
主制御装置54は、流量計FMの出力に基づき、原液の供給量と同量の超純水が供給されたことを検知すると、バルブVc,Vdに閉動作信号を出力する。このバルブVdに対する閉動作信号は副制御装置61にも供給され、副制御装置61は、当該信号を受信すると、所定の遅延時間t後、バルブVeに閉動作信号を出力する。これにより、バルブVdが閉じた後、所定の遅延時間t後、バルブVeが閉じる。遅延時間tは、バルブVdとバルブVeとの間に超純水が残留しないように設定されるものである。
【0065】
主制御装置54は、上記超純水の供給動作を(M−1)回繰り返す。この間、上記副制御装置61の制御により、超純水は廃液タンクTeに排出され、調整タンク52には供給されない。
【0066】
主制御装置54は、上記原液の供給動作および超純水の供給動作を予め設定された回数Y回(Yは1以上の整数)繰り返す。これにより、原液タンクTからのN倍濃縮の原液が、超純水で希釈されずに、Y回に応じた量だけ調整タンク52内に砥液として供給される。
【0067】
上記原液の供給動作および超純水の供給動作がY回繰り返された後、副制御装置61は、所定の終了条件が満たされたか否かを判断する。ここでは、副制御装置61は、液面レベルセンサLSのハイレベル信号を受信したこと、原液および超純水の供給動作をY回繰り返す処理の回数が予め設定された回数X回(Xは1以上の整数)に達したこと、のうち少なくとも一方が満たされたか否かを判断する。
【0068】
終了条件が満たされていると判断された場合、副制御装置61は、処理を終了させる。
【0069】
一方、終了条件が満たされていないと判断された場合、副制御装置61は、液面レベルセンサLSのロウレベル信号の疑似信号を主制御装置54に出力する。これにより、主制御装置54は、再度、原液および超純水の供給動作をY回繰り返す処理を実行する。したがって、上記終了条件が満たされるまで、図7に示される動作が繰り返し行われる。
【0070】
なお、本具体例では、排出部31は廃液配管LeおよびバルブVc,Veにより実現されており、排出制御部32は副制御装置61により実現されている。
【0071】
[砥液供給システムの第2の具体例]
図8は、第2の具体例に係る砥液供給システム100の構成を示す図である。この砥液供給システム100は、図6に示される第1の具体例に係る砥液供給システム100と殆ど同じであり、第1の具体例と共通する部分については、同一の符号を用い、説明を省略することとする。
【0072】
本例では、原液タンクTとして、M倍濃縮の原液を収容する原液タンクと、N倍濃縮の原液を収容する原液タンクとが存在する。なお、M,Nは、例えば1以上5以下であるが、これに限られない。
【0073】
本例では、図8に示されるように、副制御装置61は、流量計FMの検出信号を受信可能なように、流量計FMと接続される。
【0074】
以下、本具体例に係る砥液供給システム100の動作について説明する。ここでは、砥液供給装置10の希釈倍率はZ(Zは2以上の整数)に設定される。すなわち、砥液供給装置10における所定の比率は、1:(Z−1)に設定される。
【0075】
副制御装置61は、原液タンクTのバーコードBを読み取り、M倍濃縮の原液を収容する原液タンクを認識した場合、超純水の排出処理を行わない。したがって、砥液供給システム100は、主制御装置54による図5に示される動作を行う。すなわち、液面レベルがロウレベルになると、原液を希釈して砥液を生成する処理を行う。ただし、ここでは、希釈倍率はMではなくZに設定されているので、超純水の供給動作は(M−1)回ではなく(Z−1)回繰り返され、原液がZ倍希釈された砥液が生成される。
【0076】
一方、N倍濃縮の原液を収容する原液タンクを認識した場合、副制御装置61は、超純水の排出処理を行う。以下、図9を参照して、この場合における砥液供給システム100の動作を説明する。
【0077】
主制御装置54は、調整タンク52の液面レベルセンサLSのロウレベル信号を受信すると、図5の場合と同様に、原液の供給動作を行う。これにより、調整タンク52に所定量の原液が供給される。
【0078】
原液の供給動作が終了した後、主制御装置54は、超純水の供給動作を開始する。すなわち、主制御装置54は、時刻t1において、バルブVc,Vdに開動作信号を出力する。これにより、バルブVc,Vdが開き、超純水ラインWから調整タンク52への超純水の供給が開始される。
【0079】
上記バルブVdに対する開動作信号は副制御装置61にも供給され、副制御装置61は、当該信号を受信すると、流量計FMにより検出される超純水の流量の積算を開始する。そして、副制御装置61は、当該流量の積算値が原液の供給量の(N・Z/M−1)/(Z−1)倍に相当する値に達した時点t2で、バルブVcに閉動作信号を出力し、バルブVeに開動作信号を出力する。これにより、バルブVcが閉じ、バルブVeが開き、超純水ラインWからの超純水が廃液配管Leに流され廃液タンクTeに排出される。
【0080】
主制御装置54は、流量計FMの出力に基づき、原液の供給量と同量の超純水が供給されたことを検知すると、バルブVc,Vdに閉動作信号を出力する。このバルブVdに対する閉動作信号は副制御装置61にも供給され、副制御装置61は、当該信号を受信すると、所定の遅延時間t後、バルブVeに閉動作信号を出力する。これにより、バルブVdが閉じた後、所定の遅延時間t後、バルブVeが閉じる。遅延時間tは、バルブVdとバルブVeとの間に超純水が残留しないように設定されるものである。
【0081】
主制御装置54は、上記超純水の供給動作を(Z−1)回繰り返す。これにより、調整タンク52には、原液の(N・Z/M−1)倍の超純水が供給される。
【0082】
主制御装置54は、上記原液の供給動作および超純水の供給動作を予め設定された回数Y回(Yは1以上の整数)繰り返す。これにより、原液が超純水でN・Z/M倍希釈された砥液が、Y回に応じた量だけ調整タンク52内に生成される。
【0083】
上記原液の供給動作および超純水の供給動作がY回繰り返された後、副制御装置61は、所定の終了条件が満たされたか否かを判断する。ここでは、副制御装置61は、液面レベルセンサLSのハイレベル信号を受信したこと、原液および超純水の供給動作をY回繰り返す処理の回数が予め設定された回数X回(Xは1以上の整数)に達したこと、のうち少なくとも一方が満たされたか否かを判断する。
【0084】
終了条件が満たされていると判断された場合、副制御装置61は、処理を終了させる。
【0085】
一方、終了条件が満たされていないと判断された場合、副制御装置61は、液面レベルセンサLSのロウレベル信号の疑似信号を主制御装置54に出力する。これにより、主制御装置54は、再度、原液および超純水の供給動作をY回繰り返す処理を実行する。したがって、上記終了条件が満たされるまで、図9に示される動作が繰り返し行われる。
【0086】
なお、本具体例では、排出部31は廃液配管LeおよびバルブVc,Veにより実現されており、排出制御部32は副制御装置61により実現されている。
【0087】
[砥液供給システムの第3の具体例]
図10は、第3の具体例に係る砥液供給システム100の構成を示す図である。この砥液供給システム100は、図6に示される第1の具体例に係る砥液供給システム100と殆ど同じであり、第1の具体例と共通する部分については、同一の符号を用い、説明を省略することとする。
【0088】
本例では、図10に示されるように、図6のバルブVeが廃され、超純水配管Lbに設けられたバルブVdが三方バルブとされている。そして、廃液配管Leは、計量槽51とバルブVcとの間ではなく、バルブVdに接続されている。
【0089】
バルブVdは、超純水ラインWからの超純水を調整タンク52側に流通させる状態(調整タンク側開状態)と、超純水ラインWからの超純水を廃液配管Le側に流通させる状態(廃液配管側開状態)と、超純水ラインWからの超純水の流通を阻止する状態(閉状態)との間で切り替え可能に構成されている。
【0090】
本例では、N倍濃縮の原液を収容する原液タンクが使用される場合、原液および超純水の供給に関し、砥液供給システム100は次のように動作する。
【0091】
主制御装置54は、調整タンク52の液面レベルセンサLSのロウレベル信号を受信すると、図5の場合と同様に、原液の供給動作を行う。これにより、調整タンク52に所定量の原液が供給される。
【0092】
原液の供給動作が終了した後、主制御装置54は、超純水の供給動作を開始する。すなわち、主制御装置54は、バルブVc,Vdに開動作信号を出力する。このバルブVdに対する開動作信号は副制御装置61にも供給され、副制御装置61は、当該信号を受信すると、バルブVdに対し、廃液配管側開動作信号を出力する。これにより、バルブVdが廃液配管側開状態となり、超純水ラインWからの超純水が廃液配管Leに流され廃液タンクTeに排出される。この場合、副制御装置61は、バルブVcに閉動作信号を出力してもよいし、しなくてもよい。
【0093】
主制御装置54は、流量計FMの出力に基づき、原液の供給量と同量の超純水が供給されたことを検知すると、バルブVc,Vdに閉動作信号を出力する。これにより、バルブVc,Vdが閉状態となる。
【0094】
主制御装置54は、上記超純水の供給動作を(M−1)回繰り返す。この間、上記副制御装置61の制御により、超純水は廃液タンクTeに排出され、調整タンク52には供給されない。
【0095】
なお、本具体例では、排出部31は廃液配管LeおよびバルブVdにより実現されており、排出制御部32は副制御装置61により実現されている。
【0096】
[砥液供給システムの第4の具体例]
図11は、第4の具体例に係る砥液供給システム100の構成を示す図である。この砥液供給システム100は、図8に示される第2の具体例に係る砥液供給システム100と殆ど同じでり、第2の具体例と共通する部分については、同一の符号を用い、説明を省略することとする。
【0097】
本例では、図11に示されるように、図8のバルブVeが廃され、超純水配管Lbに設けられたバルブVdが三方バルブとされている。そして、廃液配管Leは、計量槽51とバルブVcとの間ではなく、バルブVdに接続されている。
【0098】
バルブVdは、超純水ラインWからの超純水を調整タンク52側に流通させる状態(調整タンク側開状態)と、超純水ラインWからの超純水を廃液配管Le側に流通させる状態(廃液配管側開状態)と、超純水ラインWからの超純水の流通を阻止する状態(閉状態)との間で切り替え可能に構成されている。
【0099】
本例では、N倍濃縮の原液を収容する原液タンクが使用される場合、原液および超純水の供給に関し、砥液供給システム100は次のように動作する。
【0100】
主制御装置54は、調整タンク52の液面レベルセンサLSのロウレベル信号を受信すると、図5の場合と同様に、原液の供給動作を行う。これにより、調整タンク52に所定量の原液が供給される。
【0101】
原液の供給動作が終了した後、主制御装置54は、超純水の供給動作を開始する。すなわち、主制御装置54は、バルブVc,Vdに開動作信号を出力する。これにより、バルブVcが開状態、バルブVdが調整タンク側開状態となり、超純水ラインWから調整タンク52への超純水の供給が開始される。
【0102】
上記バルブVdに対する開動作信号は副制御装置61にも供給され、副制御装置61は、当該信号を受信すると、流量計FMにより検出される超純水の流量の積算を開始する。そして、副制御装置61は、当該流量の積算値が原液の供給量の(N・Z/M−1)/(Z−1)倍に相当する値に達した時点で、バルブVdに対し、廃液配管側開動作信号を出力する。これにより、バルブVdが廃液配管側開状態となり、超純水ラインWからの超純水が廃液配管Leに流され廃液タンクTeに排出される。この場合、副制御装置61は、バルブVcに閉動作信号を出力してもよいし、しなくてもよい。
【0103】
主制御装置54は、流量計FMの出力に基づき、原液の供給量と同量の超純水が供給されたことを検知すると、バルブVc,Vdに閉動作信号を出力する。これにより、バルブVc,Vdが閉状態となる。
【0104】
主制御装置54は、上記超純水の供給動作を(Z−1)回繰り返す。これにより、調整タンク52には、原液の(N・Z/M−1)倍の超純水が供給される。
【0105】
なお、本具体例では、排出部31は廃液配管LeおよびバルブVdにより実現されており、排出制御部32は副制御装置61により実現されている。
【0106】
[砥液供給装置の第2の具体例]
図12は、第2の具体例に係る砥液供給装置10の構成を示す図である。この砥液供給装置10は、図4に示される第1の具体例に係る砥液供給装置10と殆ど同じであり、第1の具体例と共通する部分については、同一の符号を用い、説明を省略することとする。
【0107】
図12において、原液配管Laには、バルブVbとポンプPaとの間に原液用流量計FM2が設けられている。また、図4に示される計量槽51が廃されている。なお、本例では、超純水配管Lbの流量計を「超純水用流量計FM1」と称する。
【0108】
図13は、第2の具体例に係る砥液供給装置10の動作を示すフローチャートである。以下、図13を参照して、第2の具体例に係る砥液供給装置10の動作を説明する。なお、ここでは、希釈倍率M(M>2)が設定されており、原液および超純水の流量は同流量に設定されている。
【0109】
調整タンク52の液面レベルがロウレベルになると、原液の供給動作が開始される。すなわち、主制御装置54は、調整タンク52の液面レベルセンサLSの出力に基づき、液面レベルがロウレベルであることを検知すると(S31:YES)、バルブVa,Vb,Vc,Vdに開動作信号を出力する(S32)。これにより、バルブVa,Vb,Vc,Vdが開き、原液タンクTからの原液および超純水ラインWからの超純水が調整タンク52に供給される。
【0110】
主制御装置54は、供給開始から予め設定された時間Tが経過するまで待機し(S33:NO)、供給開始から時間Tが経過すると(S33:YES)、バルブVa,Vbに閉動作信号を出力する(S34)。これにより、バルブVa,Vbが閉じ、原液の供給が停止する。
【0111】
主制御装置54は、供給開始から時間T・(M−1)が経過するまで待機し(S35:NO)、供給開始から時間T・(M−1)が経過すると(S35:YES)、所定の終了条件が満たされたか否かを判断する(S36)。ここでは、主制御装置54は、液面レベルセンサLSによりハイレベルが検出されたこと、原液および超純水の供給動作の回数が予め設定された回数に達したこと、のうち少なくとも一方が満たされたか否かを判断する。
【0112】
終了条件が満たされていると判断された場合(S36:YES)、主制御装置54は、バルブVc,Vdに閉動作信号を出力し(S37)、処理を終了させる。これにより、バルブVc,Vdが閉じ、砥液生成処理が終了する。
【0113】
一方、終了条件が満たされていないと判断された場合(S36:NO)、主制御装置54は、バルブVa,Vbに開動作信号を出力し(S38)、処理をステップS33に戻す。これにより、バルブVa,Vbが開き、原液タンクTからの原液の供給が再度開始する。なお、2回目以降のステップS33,S35では、ステップS38での原液の供給開始からの経過時間が判断対象となる。
【0114】
なお、上記の動作例では、主制御装置54は、経過時間に基づいてバルブの開閉を行っているが、流量計FM1,FM2の流量を用い、供給量に基づいてバルブの開閉を行ってもよい。具体的には、ステップS33において、原液用流量計FM2の流量の積算値(原液の供給量)が予め設定された値Aに達したか否かを判断し、ステップS35において、超純水用流量計FM1の流量の積算値(超純水の供給量)がA・(M−1)に達したか否かを判断してもよい。この場合、原液の流量と希釈液の流量とは互いに異なっていてもよい。
【0115】
本具体例では、原液供給部12は、原液配管La、共通配管Lc、バルブVa,Vb,Vc、ポンプPa、および原液用流量計FM2により実現されている。希釈液供給部13は、超純水配管Lb、共通配管Lc、バルブVc,Vd、および超純水用流量計FM1により実現されている。砥液供給部14は、砥液配管Ld、供給配管Ls、バルブVs、ポンプPb,Ps、および供給タンク53により実現されている。制御部15は、主制御装置54により実現されている。
【0116】
[砥液供給システムの第5の具体例]
図14は、第5の具体例に係る砥液供給システム100の構成を示す図である。以下、図14を参照して、第5の具体例に係る砥液供給システム100の構成を説明する。
【0117】
本例では、原液タンクTとして、M倍濃縮(M>2)の原液を収容する原液タンクと、N倍濃縮(1≦N<M)の原液を収容する原液タンクとが存在する。両種類の原液タンクには、当該原液タンクの種類を識別するためのバーコードBが取り付けられている。
【0118】
図14の砥液供給システム100では、図12の第2の具体例に係る砥液供給装置10に対し、混合比率制御装置30が適用されている。具体的には、図14では、バルブVdが三方バルブとされており、このバルブVdに廃液配管Leが接続されている。また、副制御装置61が増設されている。
【0119】
バルブVdは、超純水ラインWからの超純水を調整タンク52側に流通させる状態(調整タンク側開状態)と、超純水ラインWからの超純水を廃液配管Le側に流通させる状態(廃液配管側開状態)と、超純水ラインWからの超純水の流通を阻止する状態(閉状態)との間で切り替え可能に構成されている。
【0120】
副制御装置61は、バルブVdと接続され、バルブVdを制御する。また、副制御装置61は、主制御装置54からバルブVa,Vdに対する開閉動作信号を受信可能に構成されている。また、副制御装置61は、原液タンクTのバーコードBを読み取り可能に構成されている。
【0121】
以下、本具体例に係る砥液供給システム100の動作について説明する。ここでは、砥液供給装置10の希釈倍率はM(M>2)に設定される。すなわち、砥液供給装置10における所定の比率は、1:(M−1)に設定される。
【0122】
副制御装置61は、原液タンクTのバーコードBを読み取り、M倍濃縮の原液を収容する原液タンクを認識した場合、超純水の排出処理を行わない。したがって、砥液供給システム100は、図13に示される動作を行う。すなわち、液面レベルがロウレベルになると、原液をM倍希釈して砥液を生成する処理を行う。
【0123】
一方、N倍濃縮の原液を収容する原液タンクを認識した場合、副制御装置61は、超純水の排出処理を行う。以下、図13、図15を参照して、この場合における砥液供給システム100の動作を説明する。なお、図13は主制御装置54の動作を示し、図15は副制御装置61の動作を示す。
【0124】
調整タンク52の液面レベルがロウレベルになると、原液の供給動作が開始される。すなわち、主制御装置54は、調整タンク52の液面レベルセンサLSの出力に基づき、液面レベルがロウレベルであることを検知すると(図13のS31)、バルブVa,Vb,Vc,Vdに開動作信号を出力する(図13のS32)。これにより、バルブVa,Vb,Vc,Vdが開き、原液タンクTからの原液および超純水ラインWからの超純水が調整タンク52に供給される。
【0125】
主制御装置54は、供給開始から予め設定された時間Tが経過するまで待機し(図13のS33:NO)、供給開始から時間Tが経過すると(図13のS33:YES)、バルブVa,Vbに閉動作信号を出力する(図13のS34)。これにより、バルブVa,Vbが閉じ、原液の供給が停止する。
【0126】
副制御装置61は、上記バルブVaへの開動作信号を受信すると(図15のS41:YES)、当該時点から時間T・(N−1)が経過するまで待機し(図15のS42:NO)、時間T・(N−1)が経過すると(図15のS42:YES)、バルブVdに廃液配管側開動作信号を出力する(図15のS43)。これにより、バルブVdが廃液配管側開状態となり、超純水ラインWからの超純水が廃液配管Leに流され廃液タンクTeに排出される。
【0127】
主制御装置54は、供給開始から時間T・(M−1)が経過するまで待機し(図13のS35:NO)、供給開始から時間T・(M−1)が経過すると(図13のS35:YES)、所定の終了条件が満たされたか否かを判断する(図13のS36)。
【0128】
終了条件が満たされていると判断された場合(図13のS36:YES)、主制御装置54は、バルブVc,Vdに閉動作信号を出力し(図13のS37)、処理を終了させる。これにより、バルブVc,Vdが閉じ、砥液生成処理が終了する。副制御装置61は、上記バルブVdへの閉動作信号を受信すると(図15のS44:YES)、処理を終了させる。
【0129】
一方、終了条件が満たされていないと判断された場合(図13のS36:NO)、主制御装置54は、バルブVa,Vbに開動作信号を出力し(図13のS38)、処理を図13のステップS33に戻す。これにより、バルブVa,Vbが開き、原液タンクTからの原液の供給が再度開始する。副制御装置61は、上記バルブVaへの開動作信号を受信すると(図15のS45:YES)、バルブVdに調整タンク側開動作信号を出力し(図15のS46)、処理を図15のステップS42に戻す。これによりバルブVdが調整タンク側開状態となり、調整タンク52への超純水の供給が再開する。なお、2回目以降のステップS42では、ステップS45でバルブVaへの開動作信号を受信した時点からの経過時間が判断対象となる。
【0130】
副制御装置61は、バルブVdへの閉動作信号またはバルブVaへの開動作信号を受信するまで待機する(図15のS44:NO、S45:NO)。
【0131】
なお、上記の動作例では、副制御装置61は、経過時間に基づいてバルブの開閉を行っているが、流量計FM1,FM2の流量を用い、供給量に基づいてバルブの開閉を行ってもよい。具体的には、副制御装置61は、原液用流量計FM2の流量を積算して原液の供給量Aを求め、ステップS42において、超純水用流量計FM1の流量の積算値(超純水の供給量)がA・(N−1)に達したか否かを判断してもよい。
【0132】
本具体例では、排出部31は廃液配管LeおよびバルブVdにより実現されており、排出制御部32は副制御装置61により実現されている。
【0133】
上述の砥液供給システムの第1〜第5の具体例では、2種類の原液タンクが存在する場合を例示したが、例えば各種の原液タンクにバーコード等の識別情報を付すことにより、3種類以上の原液タンクに対応可能である。
【0134】
[研磨システム]
図16は、本実施の形態に係る砥液供給システムを含む研磨システム200の構成を示す概略図である。以下、図16を参照して、研磨システム200について説明する。
【0135】
研磨システム200は、砥液供給システム100、研磨装置20、および再生装置40を含む。
【0136】
砥液供給システム100は、未使用の原液を収容する原液タンクTNが使用される場合、砥液供給装置10の制御部15の制御により、原液タンクTNからの原液と希釈液とを当該原液に応じた所定の比率で混合し、生成された砥液を研磨装置20に供給する。
【0137】
研磨装置20は、砥液供給システム100から供給された砥液を用いて、研磨対象物(例えばウエハ)の研磨処理を行う。
【0138】
再生装置40は、研磨装置20で使用された砥液を収集し、当該使用済みの砥液に対して再生処理を施し、再生砥液を生成する。再生処理としては、例えば、使用済みの砥液からの異物の除去処理、PH値の調整処理、濃度の調整処理がある。
【0139】
再生装置40により生成された再生砥液は、再生装置40により、またはその他の方法により、再生砥液用の原液タンクTRに充填される。
【0140】
砥液供給システム100は、上記再生砥液を収容する原液タンクTRが使用される場合、砥液供給装置10の制御部15および混合比率制御装置30の排出制御部32の制御により、再生砥液TRからの再生砥液と希釈液とを当該再生砥液に応じた上記所定の比率と異なる比率で混合し、生成された砥液を研磨装置20に供給する。
【0141】
一つの態様では、再生装置40は、再生砥液の濃度を所定の使用濃度に調整し、希釈が不要な再生砥液を生成する。そして、砥液供給システム100は、当該再生砥液を収容する原液タンクTRが使用される場合、制御部15により供給される希釈液を排出制御部32により排出することにより、再生砥液を希釈せずに研磨装置20に供給する。
【0142】
上記研磨システム200において、一つの利用態様では、再生砥液を収容する原液タンクTRの準備が整った場合、使用中の原液タンクが空になると、優先的に再生砥液の原液タンクTRが使用される。
【0143】
以上説明した本実施の形態によれば、以下の効果が得られ得る。
【0144】
(1)砥液供給装置は、原液タンクからの原液と希釈液とが所定の比率で混合された砥液が混合タンク内に生成されるように制御を行う。混合比率制御装置は、所定の種類の原液タンクが使用される場合に、上記制御が行われる際、原液と希釈液とが上記砥液供給装置における所定の比率と異なる比率で混合されるように希釈液を排出する。したがって、所定の種類以外の原液タンクが使用される場合には、所定の比率で混合された砥液が生成され、所定の種類の原液タンクが使用される場合には、上記所定の比率と異なる比率で混合された砥液が生成される。このため、本実施の形態によれば、砥液供給装置における混合比率の設定値の変更操作を必要とせずに、希釈液との混合比率が互いに異なる原液(例えば互いに濃度が異なる原液)を収容する2種類の原液タンクを砥液供給装置で使用することが可能となる。
【0145】
(2)一つの態様では、混合比率制御装置は、原液タンクから当該原液タンクの種類を識別するための識別情報を取得し、当該識別情報が所定の種類を示す場合に、希釈液を排出する制御を行う。当該態様によれば、ユーザによる識別情報の指示操作が不要となり、ユーザの作業工数または作業時間を削減することができる。また、ユーザの誤操作による誤作動を回避することができる。
【0146】
(3)一つの態様では、砥液供給装置における所定の比率で希釈液と混合されるべき原液を収容する第1の種類の原液タンクと、希釈液による希釈が不要な原液を収容する第2の種類の原液タンクとがあり、混合比率制御装置は、第2の種類の原液タンクが使用される場合に、混合タンクに希釈液が供給されないように排出の制御を行う。当該態様によれば、希釈が必要な原液のタンクと希釈が不要な原液のタンクとの2種類の原液タンクを、共通の砥液供給装置で使用することができる。また、第2の種類の原液タンクの原液が希釈不要となっているので、希釈液の供給量を調整する必要がなく、構成や制御を簡素にすることができる。
【0147】
(4)一つの態様では、原液タンクとして、m倍(m>1)に希釈されるべき原液を収容する第1の種類の原液タンクと、n倍(1<n<m)に希釈されるべき原液を収容する第2の種類の原液タンクとがあり、所定の比率は、1:(m−1)に設定される。そして、混合比率制御装置は、第2の種類の原液タンクが使用される場合に、砥液供給装置の制御により供給される希釈液のうち(n−1)/(m−1)の希釈液が混合タンクに供給され、(m−n)/(m−1)の希釈液が排出されるように、希釈液の排出の制御を行う。当該態様では、互いに希釈倍率が異なる原液を収容する2種類の原液タンクを、共通の砥液供給装置で使用することができる。
【0148】
(5)一つの態様では、原液タンクとして、未使用の原液を収容する原液タンクと、研磨装置で使用された砥液から再生された再生砥液を収容する原液タンクとがあり、所定の比率は、未使用の原液に対応する比率に設定される。そして、混合比率制御装置は、再生砥液を収容する原液タンクが使用される場合に、再生砥液と希釈液とが再生砥液に対応する比率で混合されるように、希釈液の排出の制御を行う。当該態様では、未使用の原液と再生砥液との2種類の原液タンクを、共通の砥液供給装置で使用することができる。
【0149】
(6)図10,11,14に例示されるように、一つの態様では、排出部の排出流量制御バルブおよび供給流量制御バルブを一つのバルブにより実現する。当該態様によれば、例えば図6,8に示されるものと比較して構成を簡略化できる。
【0150】
(7)図14に例示されるように、一つの態様では、原液および希釈液を同時に(または並行して)混合タンクに供給する。当該態様によれば、砥液生成処理の時間(すなわち希釈動作時間)の短縮が可能である。
【0151】
(8)図14に例示されるように、一つの態様では、原液流路における原液の流量を計測する流量計を設け、当該流量計の検出結果に基づいて原液の供給を制御する。当該態様によれば、計量槽を省略することができ、構成を簡略化できる。
【0152】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々変更することができる。
【符号の説明】
【0153】
10 砥液供給装置、 11 混合タンク、 12 原液供給部、 12a 原液流路、 13 希釈液供給部、 13a 希釈液流路、 14 砥液供給部、 14a 砥液流路、 15 制御部、 16 流量検出部、 20 研磨装置、 30 混合比率制御装置、 31 排出部、 32 排出制御部、 33 識別情報取得部、 T 原液タンク、 S 希釈液供給源。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
混合タンクと、
交換可能な原液タンクからの砥液原液を前記混合タンクに供給する原液供給手段と、
前記混合タンクに希釈液を導く希釈液流路を含み、当該希釈液流路を通じて前記希釈液を前記混合タンクに供給する希釈液供給手段と、
前記砥液原液と前記希釈液とが所定の比率で混合された砥液が前記混合タンク内に生成されるように、前記原液供給手段および前記希釈液供給手段の制御を行う制御手段と、
前記混合タンク内に生成された砥液を研磨装置に供給する砥液供給手段と、
を有する砥液供給装置における混合比率制御装置であって、
前記希釈液流路を流れる希釈液を前記混合タンクの上流側で排出する排出手段と、
所定の種類の原液タンクが使用される場合に、前記制御が行われる際、前記砥液原液と前記希釈液とが前記所定の比率と異なる比率で混合されるように、前記排出手段の制御を行う排出制御手段と、
を有することを特徴とする混合比率制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の混合比率制御装置であって、
前記原液タンクから当該原液タンクの種類を識別するための識別情報を取得する識別情報取得手段をさらに有し、
前記排出制御手段は、前記取得された識別情報が前記所定の種類を示す場合に、前記排出手段の制御を行う、
ことを特徴とする混合比率制御装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の混合比率制御装置であって、
前記原液タンクとして、前記所定の比率で前記希釈液と混合されるべき砥液原液を収容する第1の種類の原液タンクと、前記希釈液による希釈が不要な砥液原液を収容する第2の種類の原液タンクとがあり、
前記排出制御手段は、前記第2の種類の原液タンクが使用される場合に、前記混合タンクに前記希釈液が供給されないように、前記排出手段の制御を行う、
ことを特徴とする混合比率制御装置。
【請求項4】
請求項1または2に記載の混合比率制御装置であって、
前記原液タンクとして、m倍(m>1)に希釈されるべき砥液原液を収容する第1の種類の原液タンクと、n倍(1<n<m)に希釈されるべき砥液原液を収容する第2の種類の原液タンクとがあり、
前記所定の比率は、1:(m−1)に設定され、
前記排出制御手段は、前記第2の種類の原液タンクが使用される場合に、前記制御手段により供給される希釈液のうち(n−1)/(m−1)の希釈液が前記混合タンクに供給され、(m−n)/(m−1)の希釈液が排出されるように、前記排出手段の制御を行う、
ことを特徴とする混合比率制御装置。
【請求項5】
請求項1または2に記載の混合比率制御装置であって、
前記原液タンクとして、未使用の砥液原液を収容する原液タンクと、前記研磨装置で使用された砥液から再生された再生砥液を収容する原液タンクとがあり、
前記所定の比率は、前記未使用の砥液原液に対応する比率に設定され、
前記排出制御手段は、前記再生砥液を収容する原液タンクが使用される場合に、前記再生砥液と前記希釈液とが前記再生砥液に対応する比率で混合されるように、前記排出手段の制御を行う、
ことを特徴とする混合比率制御装置。
【請求項6】
混合タンクと、
交換可能な原液タンクからの砥液原液を前記混合タンクに供給する原液供給手段と、
前記混合タンクに希釈液を導く希釈液流路を含み、当該希釈液流路を通じて前記希釈液を前記混合タンクに供給する希釈液供給手段と、
前記砥液原液と前記希釈液とが所定の比率で混合された砥液が前記混合タンク内に生成されるように、前記原液供給手段および前記希釈液供給手段の制御を行う制御手段と、
前記混合タンク内に生成された砥液を研磨装置に供給する砥液供給手段と、
を有する砥液供給装置における混合比率制御方法であって、
前記希釈液流路を流れる希釈液を前記混合タンクの上流側で排出する排出工程と、
所定の種類の原液タンクが使用される場合に、前記制御が行われる際、前記砥液原液と前記希釈液とが前記所定の比率と異なる比率で混合されるように、前記排出工程の制御を行う排出制御工程と、
を含むことを特徴とする混合比率制御方法。
【請求項7】
混合タンクと、
交換可能な原液タンクからの砥液原液を前記混合タンクに供給する原液供給手段と、
前記混合タンクに希釈液を導く希釈液流路を含み、当該希釈液流路を通じて前記希釈液を前記混合タンクに供給する希釈液供給手段と、
前記砥液原液と前記希釈液とが所定の比率で混合された砥液が前記混合タンク内に生成されるように、前記原液供給手段および前記希釈液供給手段の制御を行う制御手段と、
前記混合タンク内に生成された砥液を研磨装置に供給する砥液供給手段と、
前記希釈液流路を流れる希釈液を前記混合タンクの上流側で排出する排出手段と、
所定の種類の原液タンクが使用される場合に、前記制御が行われる際、前記砥液原液と前記希釈液とが前記所定の比率と異なる比率で混合されるように、前記排出手段の制御を行う排出制御手段と、
を有することを特徴とする砥液供給システム。
【請求項8】
混合タンクと、
交換可能な原液タンクからの砥液原液を前記混合タンクに供給する原液供給手段と、
前記混合タンクに希釈液を導く希釈液流路を含み、当該希釈液流路を通じて前記希釈液を前記混合タンクに供給する希釈液供給手段と、
を有する装置における砥液供給方法であって、
前記砥液原液と前記希釈液とが所定の比率で混合された砥液が前記混合タンク内に生成されるように、前記原液供給手段および前記希釈液供給手段の制御を行う制御工程と、
前記混合タンク内に生成された砥液を研磨装置に供給する砥液供給工程と、
前記希釈液流路を流れる希釈液を前記混合タンクの上流側で排出する排出工程と、
所定の種類の原液タンクが使用される場合に、前記制御が行われる際、前記砥液原液と前記希釈液とが前記所定の比率と異なる比率で混合されるように、前記排出工程の制御を行う排出制御工程と、
を含むことを特徴とする砥液供給方法。
【請求項1】
混合タンクと、
交換可能な原液タンクからの砥液原液を前記混合タンクに供給する原液供給手段と、
前記混合タンクに希釈液を導く希釈液流路を含み、当該希釈液流路を通じて前記希釈液を前記混合タンクに供給する希釈液供給手段と、
前記砥液原液と前記希釈液とが所定の比率で混合された砥液が前記混合タンク内に生成されるように、前記原液供給手段および前記希釈液供給手段の制御を行う制御手段と、
前記混合タンク内に生成された砥液を研磨装置に供給する砥液供給手段と、
を有する砥液供給装置における混合比率制御装置であって、
前記希釈液流路を流れる希釈液を前記混合タンクの上流側で排出する排出手段と、
所定の種類の原液タンクが使用される場合に、前記制御が行われる際、前記砥液原液と前記希釈液とが前記所定の比率と異なる比率で混合されるように、前記排出手段の制御を行う排出制御手段と、
を有することを特徴とする混合比率制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の混合比率制御装置であって、
前記原液タンクから当該原液タンクの種類を識別するための識別情報を取得する識別情報取得手段をさらに有し、
前記排出制御手段は、前記取得された識別情報が前記所定の種類を示す場合に、前記排出手段の制御を行う、
ことを特徴とする混合比率制御装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の混合比率制御装置であって、
前記原液タンクとして、前記所定の比率で前記希釈液と混合されるべき砥液原液を収容する第1の種類の原液タンクと、前記希釈液による希釈が不要な砥液原液を収容する第2の種類の原液タンクとがあり、
前記排出制御手段は、前記第2の種類の原液タンクが使用される場合に、前記混合タンクに前記希釈液が供給されないように、前記排出手段の制御を行う、
ことを特徴とする混合比率制御装置。
【請求項4】
請求項1または2に記載の混合比率制御装置であって、
前記原液タンクとして、m倍(m>1)に希釈されるべき砥液原液を収容する第1の種類の原液タンクと、n倍(1<n<m)に希釈されるべき砥液原液を収容する第2の種類の原液タンクとがあり、
前記所定の比率は、1:(m−1)に設定され、
前記排出制御手段は、前記第2の種類の原液タンクが使用される場合に、前記制御手段により供給される希釈液のうち(n−1)/(m−1)の希釈液が前記混合タンクに供給され、(m−n)/(m−1)の希釈液が排出されるように、前記排出手段の制御を行う、
ことを特徴とする混合比率制御装置。
【請求項5】
請求項1または2に記載の混合比率制御装置であって、
前記原液タンクとして、未使用の砥液原液を収容する原液タンクと、前記研磨装置で使用された砥液から再生された再生砥液を収容する原液タンクとがあり、
前記所定の比率は、前記未使用の砥液原液に対応する比率に設定され、
前記排出制御手段は、前記再生砥液を収容する原液タンクが使用される場合に、前記再生砥液と前記希釈液とが前記再生砥液に対応する比率で混合されるように、前記排出手段の制御を行う、
ことを特徴とする混合比率制御装置。
【請求項6】
混合タンクと、
交換可能な原液タンクからの砥液原液を前記混合タンクに供給する原液供給手段と、
前記混合タンクに希釈液を導く希釈液流路を含み、当該希釈液流路を通じて前記希釈液を前記混合タンクに供給する希釈液供給手段と、
前記砥液原液と前記希釈液とが所定の比率で混合された砥液が前記混合タンク内に生成されるように、前記原液供給手段および前記希釈液供給手段の制御を行う制御手段と、
前記混合タンク内に生成された砥液を研磨装置に供給する砥液供給手段と、
を有する砥液供給装置における混合比率制御方法であって、
前記希釈液流路を流れる希釈液を前記混合タンクの上流側で排出する排出工程と、
所定の種類の原液タンクが使用される場合に、前記制御が行われる際、前記砥液原液と前記希釈液とが前記所定の比率と異なる比率で混合されるように、前記排出工程の制御を行う排出制御工程と、
を含むことを特徴とする混合比率制御方法。
【請求項7】
混合タンクと、
交換可能な原液タンクからの砥液原液を前記混合タンクに供給する原液供給手段と、
前記混合タンクに希釈液を導く希釈液流路を含み、当該希釈液流路を通じて前記希釈液を前記混合タンクに供給する希釈液供給手段と、
前記砥液原液と前記希釈液とが所定の比率で混合された砥液が前記混合タンク内に生成されるように、前記原液供給手段および前記希釈液供給手段の制御を行う制御手段と、
前記混合タンク内に生成された砥液を研磨装置に供給する砥液供給手段と、
前記希釈液流路を流れる希釈液を前記混合タンクの上流側で排出する排出手段と、
所定の種類の原液タンクが使用される場合に、前記制御が行われる際、前記砥液原液と前記希釈液とが前記所定の比率と異なる比率で混合されるように、前記排出手段の制御を行う排出制御手段と、
を有することを特徴とする砥液供給システム。
【請求項8】
混合タンクと、
交換可能な原液タンクからの砥液原液を前記混合タンクに供給する原液供給手段と、
前記混合タンクに希釈液を導く希釈液流路を含み、当該希釈液流路を通じて前記希釈液を前記混合タンクに供給する希釈液供給手段と、
を有する装置における砥液供給方法であって、
前記砥液原液と前記希釈液とが所定の比率で混合された砥液が前記混合タンク内に生成されるように、前記原液供給手段および前記希釈液供給手段の制御を行う制御工程と、
前記混合タンク内に生成された砥液を研磨装置に供給する砥液供給工程と、
前記希釈液流路を流れる希釈液を前記混合タンクの上流側で排出する排出工程と、
所定の種類の原液タンクが使用される場合に、前記制御が行われる際、前記砥液原液と前記希釈液とが前記所定の比率と異なる比率で混合されるように、前記排出工程の制御を行う排出制御工程と、
を含むことを特徴とする砥液供給方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2012−101328(P2012−101328A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−252694(P2010−252694)
【出願日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【出願人】(308033711)ラピスセミコンダクタ株式会社 (898)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【出願人】(308033711)ラピスセミコンダクタ株式会社 (898)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]