説明

混注装置

【課題】混注処理の一部又は全部を自動的に行うことができ、注射器内に輸液や薬液が規定量存在しているか否か等の監査が正確に行える混注装置を提供する。
【解決手段】注射器11の姿勢を変化させるとともに当該注射器11におけるシリンダ部11aへのピストン部11bの挿入量を変化させる動作を行う注射器保持部(混注操作部4等)と、上記注射器11の注射針をバイアル瓶の口部に差し込む動作及び上記注射器11の注射針を輸液バックの混注口に差し込む動作を行う差し込み動作部(混注操作部4等)と、撮像した画像の画像データを出力するカメラ150と、上記カメラ150と上記注射器11とにおける相対位置を変化させながら上記注射器11を上記カメラ150によって複数回撮像し、複数枚の撮像画像を繋ぎ合わせて上記注射器11の画像を作成する画像処理部と、上記注射器の画像が表示されるディスプレイ101と、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、抗ガン剤などの薬剤を輸液(補液)に混合調整する混注装置に関する。
【背景技術】
【0002】
輸液に混合される抗ガン剤などの薬剤は被爆の危険性を生じさせるため、このような薬剤などを輸液に混合調整する混注処理を陰圧に設定された安全キャビネットにおいて行うようにしている。そして、上記薬剤として粉末状の薬剤が封入されたバイアル瓶を用いて混注を行う場合、薬剤調合者は、輸液バック内から輸液を注射器により吸い取り、この注射器の注射針をバイアル瓶のキャップ部(ゴム栓)に通し、この注射器内の輸液をバイアル瓶内に注ぎ込む。そして、薬剤調合者は、上記薬剤が溶け込んだ輸液を上記注射器内に吸い取る。上記薬剤はバイアル瓶内に一定量封入されているので、薬剤調合者は、必要な量の薬剤が輸液に溶け込むまで複数のバイアル瓶に輸液を注入して吸い取る作業を繰り返し行う。薬剤調合者は、必要な量の薬剤を輸液に溶け込ませた後、注射器の注射針を輸液バックの混注口に差し込んで注射器内の上記薬剤が溶け込んだ輸液を輸液バック内に戻すことを行う。
【0003】
上記バイアル瓶に限らず、アンプル内の薬液を輸液に注入する混注処理も行われる。上記アンプルを用いる混注処理においては、頭部が切り取られたアンプル内の薬液を注射器内に吸い上げ、注射器の注射針を輸液バックの混注口に差し込んで注射器内の薬液を輸液バック内に注入することになる。
【0004】
ところで、特許文献1には、放射線薬剤による被爆の危険を回避して分注を行う放射線薬剤分注装置が開示されている。この放射線薬剤分注装置は、注射器を保持する注射器保持手段と、この注射器保持手段を上下動させる第1の昇降手段と、注射器のピストン部を保持するピストン部保持手段と、このピストン部保持手段を上下動させる第2の昇降手段と、これら注射器保持手段と第1の昇降手段とピストン部保持手段と第2の昇降手段を半回転させる回転機構と、を備えている。そこで、上記特許文献1の放射線薬剤分注装置を利用して上記混注処理を機械的に行うことが考えられる。
【0005】
更に、特許文献2には、アンプル等の薬剤を自動的に監査する薬剤監査装置が開示されており、上記混注処理を機械的に行う場合に、上記特許文献2に開示された技術を利用してアンプル等の薬剤を自動的に監査することが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平1−244759号公報
【特許文献2】WO2004/112685号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1の内容に上記特許文献2の内容を組み合わせても、混注処理の過程において注射器内に輸液が規定量存在しているか等を正確に監査することはできない。
【0008】
この発明は、上記の事情に鑑み、混注処理の一部又は全部を自動的に行うことができるとともに、注射器内に輸液や薬液が規定量存在しているか等の監査を正確に行うことができる混注装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、この発明の混注装置は、薬剤容器を保持する容器保持部と、注射器を保持し、上記注射器の姿勢を変化させるとともに当該注射器におけるシリンダ部へのピストン部の挿入量を変化させる注射器保持部と、上記注射器の注射針を上記容器保持部により保持されている上記薬剤容器の口部に差し込む動作及び上記注射器の注射針を輸液バックの混注口に差し込む動作を行う差し込み動作部と、少なくとも上記注射器の目盛りの互いに異なる複数箇所を撮像し、上記複数箇所の画像を繋ぎ合わせて上記注射器の画像を作成する画像処理部と、少なくとも上記画像処理部により作成された上記注射器の画像が表示されるディスプレイと、を備えたことを特徴とする。
【0010】
このような構成であれば、上記撮像された注射器の画像がディスプレイに表示されるので、混注処理の一部又は全部を自動的に行いながら上記注射器内に輸液や薬液等が規定量存在しているか等の監査が行えることになる。そして、上記注射器の目盛りの互いに異なる複数箇所を撮像し、上記複数箇所の画像を繋ぎ合わせて上記注射器の画像を作成するので、言わば、注射器の目盛りを真横から見たに相当する画像が得られことになり、一度に上記注射器の目盛りの全体の画像を得る場合に比べて、注射器内に輸液や薬液が規定量存在しているか等を正確に確認できるようになる。
【0011】
上記混注装置において、上記注射器の目盛りの互いに異なる複数箇所を、カメラを移動させることにより撮像してもよい。或いは、上記注射器の目盛りの互いに異なる複数箇所を、複数のカメラによって撮像してもよい。
【0012】
上記混注装置において、上記輸液バック内の輸液を上記注射器内に吸い込んだ後、上記撮像を行うのがよい。これによれば、上記注射器に規定量の輸液が吸い取られているか否かを正確に確認することができる。
【0013】
上記混注装置において、上記薬剤容器内から薬液または薬剤混合輸液を上記注射器内に吸い込んだ後、上記撮像を行うのがよい。これによれば、上記薬剤容器内の薬液または薬剤混合輸液の全てが注射器内に吸い取られたか否か(上記注射器に規定量の薬液または薬剤混合輸液が存在するか否か)を正確に確認することができる。
【0014】
上記混注装置において、上記注射器内の薬液または薬剤混合輸液を上記輸液バックに注入した後、上記撮像を行うのがよい。これによれば、上記注射器内の薬液または薬剤混合輸液の全てが上記輸液バックに戻されたか否か(上記注射器に薬液または薬剤混合輸液が存在しないこと)を正確に確認することができる。
【0015】
上記混注装置において、上記薬剤容器の側面も撮像し、この撮像された上記薬剤容器の側面の画像も上記ディスプレイに表示することとしてもよい。これによれば、混注処理で用いた薬剤容器がどのような薬剤のものであるかを、混注途中において上記ディスプレイを見て確認できることになる。また、上記薬剤容器を回転させることで上記側面の全体を撮像し、上記薬剤容器の側面全体の画像も上記ディスプレイに表示することとしてもよい。これによれば、上記薬剤容器を保持する部材によって上記薬剤容器の側面の一部が隠される場合でも、上記側面の全体を確認することができる。
【0016】
上記混注装置において、上記薬剤容器の底面も撮像し、上記薬剤容器の底面の画像も上記ディスプレイに表示するのがよい。これによれば、バイアル瓶の底に薬剤が溶けずに残っているか否かを、混注途中において上記ディスプレイを見て確認できることになる。この混注装置において、上記薬剤容器の底面を上方に向けて撮像することとしてもよい。或いは、上記薬剤容器の底面を下方に向けて撮像することとしてもよい。
【0017】
これら構成の混注装置において、上記ディスプレイに上記撮像画像とともに混注の調整手順が表示されるのがよい。これによれば、上記混注手順と上記注射器等の画像を別々のディスプレイに表示するのに比べて費用を低く抑えることができる。
【0018】
或いは、これら構成の混注装置において、上記撮像画像が表示される上記ディスプレイとは別に設けられたディスプレイに混注の調整手順の表が表示されるようにしてもよい。
【0019】
上記調整手順の表が表示される混注装置において、上記調整手順の表中に表示されているステップのうち終了したと判断されたステップは、他の未終了のステップの表示とは異なる形態で表示されるか又は非表示とされるようにしてもよい。
【0020】
これらの混注装置において、上記容器保持部へと上記薬剤容器を搬送していく二つの搬送ユニットが独立動作可能に設けられており、上記ディスプレイの上下一方の側に上記一方の搬送ユニットが関与する混注処理関連の画像が表示され、上記ディスプレイの上下他方の側に上記他方の搬送ユニットにセットする薬剤の情報が表示されるようにしてもよい。かかる構成であれば、一方の搬送ユニットが関与する混注処理に要する時間を利用してオペレータは次の患者用の薬剤容器を他方の搬送装置にセットすることができる。
【0021】
上記の上下分割表示型のディスプレイを備える混注装置において、上記一方の搬送ユニットが関与する混注処理が終了した後、この混注処理関連の監査用画像が上記ディスプレイの全体を用いて表示されるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0022】
この発明であれば、混注処理の一部又は全部を自動的に行う混注装置を実現するとともに、注射器内に輸液や薬液が規定量存在しているか等の監査が正確に行えるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】この発明の一実施形態に係る混注装置を示した斜視図である。
【図2】図1の混注装置のコントローラ及びこれに制御される要素の一部を示したブロック図である。
【図3】図1の混注装置の部分拡大図である。
【図4】図1の混注装置の安全キャビネットを外して示した斜視図である。
【図5】図1の混注装置における混合処理部を示した斜視図である。
【図6】図1の混合処理部と図5の混注装置における容器保持部とによるバイアル瓶の受け渡しの状態を示した斜視図である。
【図7】図1の混注装置における混注操作部を示した斜視図である。
【図8】図1の混注装置における混注操作部及び回動駆動部を示した正面図である。
【図9】図1の混注装置における第3移動部を示した斜視図である。
【図10】同図(A)(B)はそれぞれ第3移動部に設けられた容器傾斜部を示した正面図である。
【図11】図1の混注装置における回動駆動部を示した正面図である。
【図12】図1の混注装置における回動駆動部と輸液バック保持部と輸液バック移動部と輸液バック傾斜部を示した正面図である。
【図13】図1の混注装置の混注操作部の動作状態を示した説明図である。
【図14】図1の混注装置の混注操作部の動作状態を示した説明図である。
【図15】図1の混注装置の混注操作部の動作状態を示した説明図である。
【図16】図1の混注装置の混注操作部及び輸液バック保持部の動作状態を示した説明図である。
【図17】図1の混注装置の混注操作部及び輸液バック保持部の動作状態を示した説明図である。
【図18】図1の混注装置における混注操作部の動作状態を示した説明図である。
【図19】図1の混注装置のディスプレイに表示された画像を示した説明図である。
【図20】図1の混注装置における混注操作部の動作状態を示した説明図である。
【図21】図1の混注装置における混注操作部の動作状態を示した説明図である。
【図22】図1の混注装置における混注操作部の動作状態を示した説明図である。
【図23】図1の混注装置における混注操作部の動作状態を示した説明図である。
【図24】図1の混注装置における混注操作部の動作状態を示した説明図である。
【図25】図1の混注装置における混注操作部の動作状態を示した説明図である。
【図26】図1の混注装置における混注操作部の動作状態を示した説明図である。
【図27】図1の混注装置における混注操作部の動作状態を示した説明図である。
【図28】図1の混注装置における混注操作部の動作状態を示した説明図である。
【図29】図1の混注装置における混注操作部の動作状態を示した説明図である。
【図30】図1の混注装置のディスプレイに表示された画像のうち注射器画像(バイアル瓶も撮影)を示した説明図である。
【図31】図1の混注装置においてアンプルを用い、このアンプル内の薬液を注射器により吸い上げる状態を示した説明図である。
【図32】図1の混注装置においてアンプルを用い、このアンプル内の薬液を注射器により吸い上げる状態を示した説明図である。
【図33】図1の混注装置においてバイアル瓶の底部を撮像する構成例を示した説明図である。
【図34】図1の混注装置においてバイアル瓶の底部を撮像する他の構成例を示した説明図である。
【図35】図1の混注装置においてバイアル瓶の側面撮像のためにバイアル瓶を回転できるようにした爪部構造例を示した斜視図である。
【図36】図1の混注装置における針キャップ把持部の構成例を示した説明図である。
【図37】同図(A)(B)は図1の混注装置で用いられた搬送装置とは異なる方式で薬剤容器を搬送する搬送装置を示した斜視図である。
【図38】図35の搬送装置を備える混注装置のディスプレイに表示された画像を示した説明図である。
【図39】図35の搬送装置を備える混注装置のディスプレイに表示された画像を示した説明図である。
【図40】図35の搬送装置を備える混注装置のディスプレイに表示された画像を示した説明図である。
【図41】図35の搬送装置を備える混注装置のディスプレイに表示された画像を示した説明図である。
【図42】図35の搬送装置を備える混注装置のディスプレイに表示された画像を示した説明図である。
【図43】図35の搬送装置を備える混注装置のディスプレイに表示された画像を示した説明図である。
【図44】図35の搬送装置を備える混注装置のディスプレイに表示された画像を示した説明図である。
【図45】図35の搬送装置を備える混注装置のディスプレイに表示された画像を示した説明図である。
【図46】同図(A)(B)は注射針の曲がりを検査する装置を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1及び図3に示しているように、混注装置1の本体は、安全キャビネット100内に収容されており、オペレータAは上記安全キャビネット100の開口部を覆う窓を開けて上記本体に対する作業(バイアル瓶10、注射器11、輸液バック12の装着等)を行うことができる。上記安全キャビネット100の側壁の外側には、ディスプレイ101やバーコードリーダ102などが設けられている。オペレータAは処理開始にあたって、混注手順書に付記されているバーコードを上記バーコードリーダ102に読み取らせる。
【0025】
図2に示しているコントローラ(マイクロコンピュータ)120は、上記の読み取られたバーコードにより特定される、患者情報、医師情報、混注動作プログラム、処方内容情報(使用する薬剤の種類や本数等)、調整手順情報(溶解元/溶解先薬品、作業内容、容量/溶解量、抜取量)を記憶部105から読み出す。上記混注動作プログラムは、薬剤容器の種類(バイアル瓶とアンプルのどちらを用いるか)によって異なり、また、使用する薬剤容器の本数により所定動作の繰り返し回数が決まることになる。
【0026】
そして、上記コントローラ120は、上記ディスプレイ101に上記処方内容情報及び調整手順情報を表示する。ここで、上記調整手順情報は、横軸を上記の溶解元/溶解先薬品、作業内容等の並びとし、縦軸を時間軸(ステップ)とする表形式で表示しており、例えば、第1ステップの上記溶解元/溶解先薬品の欄には「輸液C 500ml」のごとく表記し、上記作業の欄には「抜取」のごとく表記する(図19参照)。また、上記横軸の最も右端に薬品チェックの欄を設けている。なお、上記調整手順の表の表示に先立って、使用する薬剤(薬剤容器)の表示欄及び輸液(輸液バック)の表示欄を例えば緑色で表示するようにしている。
【0027】
オペレータAは、用意された薬剤容器のバーコードを別のバーコードリーダ103に読み取らせる(同じバーコードリーダで読み取る態様を採用してもよい)。上記コントローラ120は、上記薬剤容器のバーコード情報に基づいて上記処方内容情報において指定されている薬剤が用いられているか否かを確認する。上記コントローラ120は、上記処方内容情報の指定とは異なる薬剤であると判断した場合には上記ディスプレイ101に警告を表示する。一方、上記コントローラ120は、上記処方内容情報の指定する薬剤であると判断した場合には、薬剤容器をセットすべき容器セット部21の点灯部21aを緑色で点灯させるとともに上記ディスプレイに薬剤容器をセットすべき容器セット部21の番号を表示する。そして、上記コントローラ120は、指示された容器セット部21とは異なる容器セット部21に薬剤容器がセットされた場合には、上記ディスプレイ101に警告を表示するとともに、そのセットされた容器セット部21の点灯部21aを赤色で点灯させる。一方、指示された容器セット部21に薬剤容器がセットされている場合には、上記使用する薬剤(薬剤容器)の表示欄の色を例えば灰色にするとともに、用意された輸液バック12のバーコードをバーコードリーダ103に読み取らせるようディスプレイ101に指示表記を表示する。
【0028】
上記コントローラ120は、上記輸液バック12のバーコードの情報に基づいて、上記処方内容情報において指定されている輸液バックが用いられているか否かを判断する。上記コントローラ120は、上記処方内容情報の指定とは異なる輸液バックが用いられていると判断した場合には上記ディスプレイ101に警告表記を表示する。一方、上記コントローラ120は、上記混注手順書の指定する輸液バックが用いられていると判断した場合には、その輸液バックをセットすることを促す表記をディスプレイ101に表示する。そし後、上記オペレータAが輸液バック12をセットし、各種スイッチ106における決定スイッチ(例えば、図示しないフットスイッチにおける決定スイッチ)を操作する。上記コントローラ120は、上記決定スイッチが操作されたことを検知し且つ輸液バック12が輸液バック保持部5にセットされたことを重量検知の手法等により検知すると、上記調整手順の表及び上記混注手順書に基づく容量の注射器をセットすることを促す表記をディスプレイ101に表示する。次に、オペレータAは注射器11をセットし、上記決定スイッチを操作する。この注射器11をセットセットするときにはその目盛りがオペレータAの側に向くように、すなわち後述するカメラ150に向くようにセットする。上記コントローラ120は決定スイッチの操作を検知すると、上記注射器11を把持する動作を実行し、上記ディスプレイ101にスタート可能表示を行う。
【0029】
そして、オペレータAは、各種スイッチ106における扉閉鎖スイッチ及び上記決定スイッチを操作する。上記コントローラ120は、上記決定スイッチの操作を検出すると、混注処理を開始する。また、上記コントローラ120は、上記ディスプレイ101に表示する上記調整手順の表における開始すべきステップの欄を例えば緑色に変化させる。
【0030】
さて、図4にも示しているように、上記混注装置1は、薬剤容器であるバイアル瓶10を搬送する搬送装置2と、上記バイアル瓶10を揺り動かす混合処理部3と、上記バイアル瓶10及び注射器11に対する操作を行う混注操作部4と、輸液バック12を保持する輸液バック保持部5と、上記輸液バック保持部5を上記混注操作部4の側に近づけたり遠ざけたりする輸液バック移動部6と、上記輸液バック移動部6を傾けることによって上記輸液バック保持部5を傾ける輸液バック傾斜部7と、上記搬送装置2及び混合処理部3を上記混注操作部4の側に近づけたり遠ざけたりするための駆動部8と、上記混注操作部4及び上記駆動部8が設けられると共に上記搬送装置2及び混合処理部3を可動に支持する基台9と、を備えている。
【0031】
上記基台9上には、上記駆動部8におけるモーター81が設けられている。このモーター81の回転軸に連結された送りねじ82には、上記搬送装置2及び混合処理部3を支持する可動テーブル83の下面に設けられた図示していないナット部が螺合されている。また、上記可動テーブル83にはスライダー部84が固定されており、このスライダー部84が上記基台9上に固定されたガイドレール85により支持されている。上記モーター81によって上記送りねじ82が回転されると、この回転力は上記ナット部によって直進移動力に変換される。上記可動テーブル83は上記直進移動力を受けて上記ガイドレール85に沿って移動する。
【0032】
上記搬送装置2は上記バイアル瓶10がセットされる容器セット部21を複数個備えている。上記容器セット部21は、搬送ベルト22に連結されており、この搬送ベルト22によって旋回移動される。上記搬送ベルト22は二つのプーリー23に巻回されている。上記プーリー23の一つが図示していないモーターによって回転されることにより上記搬送ベルト22が旋回する。上記容器セット部21の一つまたは複数を用いて一つ又は複数のバイアル瓶10がセットされる。混注処理の対象とされるバイアル瓶10がセットされた容器セット部21が上記混注操作部4の正面に移動すると、上記バイアル瓶10を混注操作部4に渡すために、上記可動テーブル83が混注操作部4の側へ直進移動することになる。
【0033】
上記混合処理部3は、上記搬送装置2よりも下側に位置しているため、上記可動テーブル83が混注操作部4の側へ移動されてバイアル瓶10が混注操作部4に渡されるときには、上記混合処理部3は混注操作部4の下方に潜り込む。また、図5に示しているように、上記混合処理部3を構成している支持台31は、上記可動テーブル83から分離されて独自に移動できるようになっている。この支持台31の下面には、連結ロッド32の先端側が連結されており、この連結ロッド32の後端側はクランクシャフト33に連結されている。このクランクシャフト33が図示していないモーターによって回転されると、上記支持台31は図中の矢印方向に往復移動させられることになる。
【0034】
上記図5に示している状態は、バイアル瓶10が一対のローラ34上に跨がって横に置かれた状態である。この状態で上記ローラ34が同方向に回転されると、バイアル瓶10が回転されることになる。このバイアル瓶10における底部とキャップ部(口部)は保持具35の回転支持部により支持されている。上記底部の側となる回転支持部は上記保持具35の本体部351に設けられており、上記キャップ部の側となる回転支持部35aは可動部35bに設けられている。この可動部35bは、送りねじ35cに螺合されており、この送りねじ35cの回転によって上記可動部35bが直線移動する。上記送りねじ35cの上端部は上記保持具35の本体部351の上端部に設けられたモーター36の回転軸に連結されており、このモーター36の回転によって上記送りねじ35cが回転される。上記保持具35の回転支持部で上記バイアル瓶10における底部とキャップ部を保持することでこのバイアル瓶10を保持するが、上記の一対のローラ34上に跨がって上記バイアル瓶10を横に置くときに、上記保持具35による保持状態を解くと、上記バイアル瓶10は重力により上記ローラ34の表面に接触する状態となり、この状態を形成した後に再び上記保持部35による保持状態を形成している。
【0035】
また、図6にも示しているように、上記保持具35の本体部351の下端部はモーター37の回転軸に連結されており、このモーター37の回転駆動によって上記保持具35が揺動される。上記保持具35が上記揺動により正立した状態をとると、上記混注操作部4における容器保持部436との間で上記バイアル瓶10の受け渡しが可能となる。上記保持具35が上記バイアル瓶10を上記混注操作部4から受け取るのは、上記バイアル瓶10内に輸液が注がれた後である。そして、上記保持具35が上記バイアル瓶10を上記混注操作部4に渡すのは、上記混合処理部3によってシェーキング動作(クランクシャフト33による往復動作と上記ローラ34による回転動作)が行われた後である。そして、上記バイアル瓶10の受け渡しが行われるときには上記可動テーブル83が直線移動される。
【0036】
図7の斜視図及び図8の正面図に示すように、上記混注操作部4は、注射器11におけるシリンダ部11aを保持し、上記注射器11におけるピストン部移動方向に上記シリンダ部11aを移動させる第1移動部41と、上記注射器11におけるピストン部11bの端部を保持し、上記ピストン部移動方向に上記ピストン部11bを移動させる第2移動部42と、バイアル瓶10を保持する容器保持部436を上記ピストン部移動方向に移動させる第3移動部43と、上記第1移動部41と第2移動部42と第3移動部43とを支持する支持部44と、上記支持部44を回動させることによって上記ピストン部移動方向を重力方向(垂直方向)に対して傾斜させる回動駆動部45と、を備える。この実施形態では、上記第1移動部41と第2移動部42と支持部44とにより、上記注射器11を保持し上記注射器11の姿勢を変化させる動作及び上記注射器におけるシリンダ部11aへのピストン部11bの挿入量を変化させる動作を行う注射器保持部が構成される。
【0037】
上記第1移動部41は、スライダー部411を上記支持部44に固定された一対のガイドレール46に係合させることで上記ピストン部移動方向に案内されるようになっている。上記第1移動部41の本体部の裏面側には図示していないナット部が固定されている。このナット部には送りねじ412が螺合されている。この送りねじ412の一端は、上記支持部44の底部において回転可能に支持され、他端は上記支持部44の壁面に固定されたモーター413の回転軸に連結されている。このモーター413の回転駆動によって上記送りねじ412が回転し、この回転によって上記第1移動部41が上記ガイドレール46に沿って直線移動される。
【0038】
上記第1移動部41の上記本体部の表面側には上記シリンダ部11aを保持するための保持機構414が設けられている。この保持機構414は、上記シリンダ部11aを横方向から挟み込む一対の爪部414aを備える。上記一対の爪部414aは、ねじ切りの方向が互いに逆にされたねじ部を有する送りねじ414bの上記ねじ部にそれぞれ螺合されている。上記送りねじ414bは、モーター414cの回転軸に連結されている。このモーター414cの回転駆動によって上記送りねじ414bが回転し、この回転によって上記一対の爪部414aは互いに近づく動作及び遠ざかる動作を行う。なお、上記一対の爪部414aにはシリンダ部11aの鍔部が収納される凹部が形成されている。
【0039】
上記第2移動部42は、スライダー部421を上記一対のガイドレール46に係合させることで上記ピストン部移動方向に案内されるようになっている。上記第2移動部42の本体部の裏面側にはナット部422が固定されている。このナット部422には送りねじ423が螺合されている。この送りねじ423一端は、上記支持部44の低部に固定された図示していないモーターの回転軸に連結され、他端は上記支持部44の壁面に固定された軸受け部425に支持されている。上記モーターの回転駆動によって上記送りねじ423が回転し、この回転によって上記第2移動部42が上記ガイドレール46に沿って直線移動される。
【0040】
上記第2移動部42の上記本体部の表面側には上記注射器11におけるピストン部11bの端部(鍔状部)を保持するための保持機構424が設けられている。この保持機構424は上記ピストン部11bの端部の厚みに対応した間隔の隙間部を有する。上記ピストン部11bの端部は上記の隙間部において保持され、上記第2移動部42が移動することで上記ピストン部11bがピストン部移動方向に移動されることになる。
【0041】
上記第3移動部43は、図9にも示すように、第1本体部431と、この第1本体部431を囲うように配置された第2本体部432とから成る。上記第1本体部431の背面側には横方向にガイドレール431aが固定されている。そして、上記第2本体部432の背面板の内面側にはスライダー部432aが固定されており、このスライダー部432aが上記ガイドレール431aに係合されている。すなわち、上記第2本体部432は上記第1本体部431に対して上記ガイドレール46に交差する横方向にスライド可能なように設けられている。そして、上記第1本体部431の背面側には上記横方向に送りねじ431bが設けられており、この送りねじ431bはモーター431cの回転軸に連結されている。また、上記第2本体部432の背面板の内面側にはナット部432bが固定されており、このナット部432bに上記送りねじ431bが螺合されている。上記モーター431cの回転軸が回転すると、上記第2本体部432が上記第1本体部431に対して横方向にスライドされることになる。
【0042】
上記第2本体部432には後述する容器保持部436(図7,8参照)が設けられる。上記第2本体部432、スライダー部432a、ガイドレール431a、モーター431c、ナット部432b、及び送りねじ431bにより、上記容器保持部436を上記ピストン部移動方向に交差する方向に移動させる容器スライド部437が構成される。
【0043】
上記第1本体部431にはスライダー部431dが固定されている。上記第3移動部43は上記スライダー部431dを上記一対のガイドレール46に係合させることで上記ピストン部移動方向に案内されるようになっている。上記第3移動部43における上記第1本体部431の裏面側には図示しないナット部が固定されている。このナット部には図7に示している送りねじ433が螺合されている。この送りねじ433は、上記支持部44に固定されたモーター434の回転軸に連結されている。このモーター434の回転駆動によって上記送りねじ433が回転し、この回転によって上記第1本体部431が上記ガイドレール46に沿って移動する。上記第2本体部432は上記容器スライド部437によって上記第1本体部431に連結されており、上記第1本体部431と第2本体部432は上記第3移動部43として一体で移動することになる。
【0044】
図10(A)及び図10(B)にも示しているように、上記第3移動部43における上記第2本体部432の表面側には、上記容器保持部436を単独回動させることによりバイアル瓶10を傾斜させる容器傾斜部435が設けられている。上記容器保持部436は上記容器傾斜部435における支持部435aによって支持される。上記支持部435aは、上記第2本体部432に固定された水平軸435bによって回動可能に設けられている。また、上記支持部435aにはギヤ部が形成されている。このギヤ部にはウォームギヤ435cが歯合されている。このウォームギヤ435cは回転軸435dに形成されている。この回転軸435dは上記第2本体部432に固定されたモーター435eによって回転される。このモーター435eを回転させることで上記支持部435aが回動し、この支持部435aにより支持されている上記容器保持部436が回動し傾斜されることになる。
【0045】
また、上記図8に示したように、上記容器保持部436は、上記バイアル瓶10を横方向から挟み込む一対の爪部436aを備える。上記一対の爪部436aは、ねじ切りの方向が互いに逆にされたねじ部を有する送りねじ436bの上記ねじ部にそれぞれ螺合されている。上記送りねじ436bは、モーター436cの回転軸に連結されている。このモーター436cの回転駆動によって上記送りねじ436bが回転し、この回転によって上記一対の爪部436aが近づいたり遠ざかったりする。なお、上記一対の爪部436aには上記バイアル瓶10及びアンプル10A(図31参照)の保持に適した三角状の凹部が形成されている。また、上記モーター436cのトルク制御を行うことで上記爪部436aによる上記バイアル瓶10等の把持を適切な力により行うようにしている。
【0046】
また、図11に示すように、上記回動駆動部45は、水平配置された円筒軸451によって回転可能に支持されるギヤ452を備える。上記円筒軸451は基台9上に立設された背面壁91に設けられている。上記ギヤ452には四角形状の取付板453が固定されており、上記ギヤ452の回動によって取付板453が回動する。この取付板453に上記支持部44が固定される。上記ギヤ452の下部側にはウォームギヤ454が歯合されている。このウォームギヤ454はモーター455の回転軸に連結されており、このモーター455が回転すると上記ウォームギヤ454が回転される。上記モーター455は、上記基台9上に立設された側壁92に固定されている。なお、上記混注操作部4の支持部44に設けられる上記第1,第2,第3移動部41,42,43等に接続される電力供給線等は、上記円筒軸45内を通して外部に出せるようにしている。また、上記第1移動部41に接続される電力供給線等は上記図4に示したコード収納レール47に収納され、上記第3移動部43に接続される電力供給線等はコード収納レール48に収納される。
【0047】
図12及び上記図4に示したように、輸液バック12は輸液バック保持部5によって保持される。この輸液バック保持部5は連結部51によって輸液バック移動部6に連結されている。上記連結部51にはナット部51aが固定されている。また、上記輸液バック移動部6には送りねじ61が横方向に配置されており、この送りねじ61に上記ナット部51aが螺合されている。また、上記連結部51には図示していないスライダー部が固定されており、このスライダー部は上記輸液バック移動部6に設けられガイドレール63に係合されている。また、上記輸液バック移動部6の本体部の背面側にはモーター62が固定されている。そして、上記送りねじ61は、上記モーター62の回転軸に図示しないプーリー及びベルトを介して連結されている。上記モーター62の回転駆動によって上記送りねじ61が回転し、この回転によって上記連結部51が移動し、この連結部51の移動によって輸液バック保持部5が移動する。この輸液バック保持部5の移動は、上記輸液バック12の混注口に注射器11の注射針を差し込む際に実行される。
【0048】
上記輸液バック移動部6は、輸液バック傾斜部7におけるアーム部71の先端側に連結固定されている。そして、このアーム部71の後端部は上記円筒軸451に外嵌されており、この円筒軸451を中心にして上記アーム部71が揺動するようになっている。なお、上記円筒軸451の中心は上記混注操作部4に保持された注射器11のシリンダ部11aの中心軸上に位置する。
【0049】
上記アーム部71の略中央箇所の裏面にはナット部72が設けられている。このナット部72は縦方向に配置された送りねじ73に螺合している。上記送りねじ73の上端は軸受け73aに支持されており、下端はプーリー73bに連結されている。このプーリー73bには、モーター73cの回転駆動力がプーリー73d及びベルト73eを介して伝達されるようになっている。上記モーター73cの回転によって送りねじ73が回転すると、上記ナット部72が上下に移動し、この上下移動によって上記アーム71が揺動する。この揺動により、上記輸液バック移動部6が傾けられ、上記輸液バック保持部5が傾けられる。なお、上記送りねじ73により移動される上記ナット部72は上記円筒軸451を中心とする円弧の軌跡を描いて上下動する。このため、上記送りねじ73の一端側を可動に設けて上記のような円弧軌跡による変位を吸収する構造や、上記ナット部72として上記のような円弧軌跡による変位を吸収できるものを用いる。
【0050】
ここで、この実施形態では、上記混注操作部4及び上記輸液バック移動部6により、上記注射器11の注射針を上記容器保持部436により保持されている上記バイアル瓶10の口部に差し込む動作及び上記注射器11の注射針を輸液バック12の混注口に差し込む動作を行う差し込み動作部が構成される。なお、輸液バック12と注射器11との距離は、輸液バック12と注射器11の一方のみの移動であっても変更できるので、上記輸液バック12の混注口に注射針を差し込む動作に関しては、上記輸液バック移動部6による上記輸液バック12の移動と上記混注操作部4における第1移動部41及び第2移動部42による注射器11の移動とのいずれか一方だけを実行することとしてもよい。
【0051】
また、図3及び図4に示したように、混注装置1には、上記注射器11を撮像するカメラ150が設けられている。このカメラ150は、そのレンズ光軸を水平に位置させた状態で支持部材151の先端側に取り付けられている。そして、上記支持部材151の基端側は移動操作部152のスライダー152aに連結されている。上記スライダー152aは、ガイドレール152bに案内されて上下方向(垂直方向)に移動するように設けられている。また、上記スライダー152aは送りねじ152cに螺合されており、この送りねじ152cの回転によって上下方向に移動される。上記送りねじ152cの一端側はカメラ移動モーター152dに連結され、他端側は軸受け部152eにより支持されている。また、混注装置1には、注射器11の注射針を覆う針キャップを注射器11から外し、また、装着するための針キャップ把持部160が設けられている。この針キャップ把持部160においては例えば、図36に示すように、針キャップ11cは一対の把持爪160aにより把持される。上記一対の把持爪160aは、ねじ切りの方向が互いに逆にされたねじ部を有する送りねじ160bの上記ねじ部にそれぞれ螺合されている。上記送りねじ160bは、モーター160cの回転力をベルト160dを介して受け取って回転する。上記把持爪160a、上記送りねじ160b及び上記モーター160cは、回転台160e上に配置されて回転動作が行えるようになっている。上記回転台160eは、スライド板160f上に設けられた回転機構部によって上記針キャップ11cの把持位置中央を中心にして例えば360度の範囲で回転される。上記回転機構部は、上記回転台160eが支持される回転駆動部160gと、この回転駆動部160gのプーリ部に巻かれたベルト160hと、上記ベルト160hを介して上記プーリ部を回転させるモーター160iとからなる。また、上記ライド板160fはナット部材160jに連結されており、このナット部材160jは送りねじ160kに螺合されている。この送りねじ160kはモーター160lにより回転され、この回転によって上記ナット部材160jが移動し上記ライド板160fがスライドする。上記針キャップ把持部160は、上記混注操作部4の回動動作等に対して干渉しないように上記ライド板160fのスライド動作で前後方向に退避することができる。また、上記一対の把持爪160aは、上記回転台160eによって上記針キャップ11cの把持位置中央を中心にして回転されるので、ねじ締め式の注射針をシリンダ部11aに装着する動作及び外す動作も行うことが可能である。
【0052】
また、図2に示したように、上記カメラ150は、上記コントローラ120に接続されており、このコントローラ120の画像取得部121から撮像指示を受けとると、撮像処理を実行し、この撮像により得られた画像データを上記画像取得部121に伝送する。更に、上記カメラ移動モーター152dも上記コントローラ120に接続されている。このカメラ移動モーター152dは、上記画像取得部121から移動指示を受けとると、回転動作して上記送りねじ152cを回転させ、上記カメラ150を上下方向(上記注射器11が倒立又は正立している状態での当該注射器11の目盛り方向)に移動させる。この実施形態では、例えば上記カメラ150を9cm/sの速度で移動させ、また、1秒間に15枚の画像を撮像するようにしている。
【0053】
このように、上記画像取得部121は、上記カメラ150と上記注射器11の相対位置を当該注射器11の目盛り方向に変化させながら少なくとも上記注射器11を上記カメラ150によって複数回撮像するようになっている。そして、この画像取得部121は、複数回撮像して得られた複数枚の注射器11の画像データを画像作成部122に与える。
【0054】
上記画像作成部122は、上記複数回の撮像により得られる複数枚の注射器11の撮像画像を繋ぎ合わせて上記注射器11における画像(目盛り方向に長い画像)を作成する。例えば、上記画像作成部122は、上記カメラ150におけるCCDイメージセンサやCMOSイメージセンサ等の各撮像時の出力から1枚のデジタル画像(データ)を生成し、このデジタル画像の中央部における縦方向複数ピクセル分の中央画像部分を切り取る処理を行う。そして、上記画像作成部122は、このようにして各デジタル画像から切り取られた横長の短冊状の画像を繋ぎ合わせて上記注射器11の画像を作成する。このようにして作成された上記注射器11の画像は、上記カメラ150のレンズ光軸近傍の光から成る歪みの少ない画像の集合体となる。換言すれば、このようにして作成された上記注射器11の画像は、上記目盛りの各ラインをその真横から見たのに相当する複数の画像の集合体となる。これにより、上記画像作成部122により作成された上記注射器画像から読み取ることができた注射器11内の輸液量等は正確な値を示すことになる。上記画像作成部122により作成された注射器画像は、ディスプレイ101に表示され、また、記憶部105において例えば混注手順書のバーコードに対応付けて保存される。
【0055】
なお、上記のように各撮像画像から画像切取り処理を行うのではなく、CCDイメージセンサ等の出力からデジタル画像(データ)を生成する段階において、中央画像部分だけをデジタル画像データ化するようにしてもよいし、あるいはCCDイメージセンサ自体を横長の短冊状にしてもよい。更には、画像作成に要する時間にもよるが、縦方向1ピクセル分の横長中央画像を生成する処理(いわばラインセンサによるスキャン処理)を行うようにしてもよい。また、注射器11とカメラ150の相対位置移動を生じればよいので、カメラ150を固定して注射器11をその目盛り方向に移動させるようにしてもよい。
【0056】
次に、上記混注装置1によってバイアル瓶10中の薬剤を輸液バック12内の輸液で混注する処理について説明していく。なお、この混注処理は上述した各モーターを上記コントローラ120により制御することで実行される。このコントローラ120により制御される上記モーターとしてステッピングモーターが用いられている。このステッピングモーターに供給するパルス電力の回数を制御することでこのステッピングモーターにおける回転軸の回転角度を制御することができ、コイルの励磁態様を制御することで正転と逆転を制御することができる。
【0057】
図13は、上記混注操作部4が正立している状態で針キャップ付きの注射器11がセットされている状態を示している。なお、図13から図25においては、上記回動駆動部45及び容器傾斜部435の支持部435a等の図示を省略している。上記混注装置1は、上記混注操作部4を、上記図13の状態から図14に示すように反時計周り回動させる。この回動により、注射器11の針キャップ11cが針キャップ把持部160に向く。そして、図15に示すように、第1,第2,第3移動部41,42,43を移動させて針キャップ把持部160に上記針キャップ11cの先端を挿入し、注射器11を左方向に移動させて注射器11から上記針キャップ11cを取り外す。上記針キャップ11cは上記針キャップ把持部160に把持されたままの状態にある。
【0058】
上記のように針キャップ11cが取り外された後、上記混注操作部4は、時計回りに回動され、図16に示すように、注射器11の注射針を左斜め上方に向ける。この状態においては、上記輸液バック保持部5も傾けられることで上記輸液バック12が傾けられ、この斜め状態の輸液バック12の混注口と上記斜め状態の注射器11の注射針とが向かい合う。また、このとき、輸液バック移動部6によって上記輸液バック保持部5が混注操作部4の側に移動する。更に、上記混注操作部4は、第1,第2,第3移動部41,42,43を移動させ、注射器11を輸液バック12の側に近づける。これにより、上記注射器11の注射針を輸液バック12の混注口に差し込むことができる。また、第1,第2移動部41,42においては、上記注射器11のシリンダ部11aにピストン部11bを押し込んだ状態が形成されている。また、容器保持部436における一対の爪部436aの間隔を大きくし、これら爪部436aが上記輸液バック保持部5に干渉しないようにしている。
【0059】
次に、図17に示すように、第1移動部41の位置に対して第2移動部42を遠ざけるように移動させることで、上記注射器11のシリンダ部11aに対してピストン部11bを引く動作を行う。これにより、上記シリンダ部11a内に輸液バック12中の輸液が吸い込まれていくことになる。なお、上記混注手順書のバーコードにより規定されている量の輸液、或いは後述するように注射器11内の空気を外に出す操作が行われることを見越して規定量よりも幾分多い量の輸液が上記シリンダ部11a内に吸い取られるように、上記第2移動部42が規定の距離だけ移動される(モーターに規定量のパルス電力が与えられる)ことになる。
【0060】
ここで、上記のごとく輸液バック12が傾けられていると、この輸液バック12の混注口は斜め下方に向き、この混注口の側に輸液が溜まり、空気は混注口から遠ざかることになる。これにより、上記注射器11により輸液を吸い込む際に輸液バック12中の空気が注射器11に入り込むのを軽減又は回避することができる。
【0061】
次に、上記混注装置1は、図18に示すように、上記混注操作部4の支持部44を回動させて、注射器11を倒立させる。この倒立により注射器11の注射針が真上に向くと、注射器11のシリンダ部11a内の空気が注射針の側に移動していく。この状態において、上記混注手順書のバーコードにより規定されている量の輸液となるように、第1移動部41の位置に対して第2移動部42を近づけるように移動させ、上記シリンダ部11a内の空気を外に出す。なお、このように注射器11の注射針を真上に向けるときには、上記輸液バック保持部5の傾きを解消させる動作も同時的に行うようにしている。
【0062】
ここで、上記注射器11に規定量の輸液が吸い取られているか否かをオペレータAが確認するために、上記画像取得部121は、カメラ移動モーター152dを駆動して上記カメラ150を上方向に移動させながら上記注射器11を上記カメラ150によって複数回撮像する。そして、上記画像作成部122は、上記複数回の撮像により得られた複数枚の注射器11の撮像画像を繋ぎ合わせる処理を実行し、上記注射器11における縦長の画像を作成する。このように作成された画像は、上記画像作成部122の処理により、図19に示すように、ディスプレイ101上に混注手順を示す画像とともに表示される。
【0063】
なお、図19では、ディスプレイ101の右端側において上記注射器11の縦長画像を表示したが、左端側でもよいし、また、上記注射器11の縦長画像を90度回転させる処理を行い、ディスプレイ101の上端又は下端を用いて上記注射器画像を表示するようにしてもよい。また、別に用意したディスプレイに上記注射器画像を表示するようにしてもよい。
【0064】
上記混注装置1は、上記のように注射器11の撮像を行うときには、混注動作を一旦停止し、上記ディスプレイ101上に、上記注射器11が吸い取るべき輸液量等を表示するとともに、この時点の状態を承認できるかそれとも混注処理を中止するかを問う表記を表示する。オペレータAは上記注射器11の画像をディスプレイ101上で見て、上記注射器11に規定量の輸液が吸い取られているか否かを確認し、上記注射器11に規定量の輸液が吸い取られていれば、各種スイッチ106における決定スイッチを操作する。
【0065】
上記混注装置1(コントローラ120)は、上記決定スイッチの操作を検出すると、上記調整手順の表上の終了処理ステップ(第1のステップ)の欄の色を例えば灰色に変化させ、次のステップの欄を緑色に表示する。また、上記混注装置1は、上記第1のステップの上記薬品チェックの欄にチェックマークを表示する処理を行う(なお、上記の図19は、このような色変え表示及びチェックマークの表示がなされた状態を示している。)。そして、上記混注装置1は、上記調整手順の表における開始すべきステップの欄上記混注操作部4の動作を再開し、図20に示すように、上記混注操作部4の支持部44を回動させて、注射器11の注射針を真下に向ける。
【0066】
次に、図21に示すように、容器保持部436の一対の爪部436aによってバイアル瓶10を把持する。このバイアル瓶10を把持する操作においては、駆動部8によって搬送装置2を混注操作部4の側に近づける動作が実行される。
【0067】
次に、図22に示すように、第1移動部41と第2移動部42の位置関係を保持しつつ、これらと第3移動部43との間隔を狭める。これにより、上記第1移動部41と第2移動部42により保持されている注射器11の注射針が、上記第3移動部43の容器保持部436により保持されているバイアル瓶10のキャップ部(口部)の中央に真っ直ぐに差し込まれることになる。
【0068】
次に、図23に示すように、上記混注操作部4の支持部44を回動させて、上記注射器11及びバイアル瓶10を時計回りに傾けると共に、容器傾斜部435によって容器保持部436を単独回動させることで上記注射器11の姿勢はそのままにバイアル瓶10を図において更に時計回りに傾ける。これと同時的に、上記容器スライド部437によってバイアル瓶10を図において左側に直線移動させる。ここで、上記バイアル瓶10を傾けるときの回動中心はバイアル瓶10のキャップ部よりも下側であるため、このバイアル瓶10を傾斜させることよってバイアル瓶10のキャップ部は図において右側に移動することになる。そこで、上記キャップ部の上記右移動を相殺するように上記容器スライド部437によって上記バイアル瓶10を左方向に直線移動させる。なお、上記容器スライド部437は傾斜状態の第3移動部43において上記容器保持部436を横方向にスライドさせることになるので、上記バイアル瓶10は図23において左斜め上方向に直線移動されることになる。
【0069】
図24は、上記のごとくバイアル瓶10を斜めにした状態で、第2移動部42を第1移動部41に近づけるように移動させ、上記注射器11内の輸液をバイアル瓶10内に注ぎ入れる状態を示している。なお、上記注射器11内の輸液をバイアル瓶10内に注ぎ入れるときには、このバイアル瓶10内の空気を上記注射器11内に取り入れた後で上記輸液をバイアル瓶10に注入するという処理を繰り返すようにしている。
【0070】
次に、図25に示すように、上記混注操作部4の支持部44を回動させて、注射器11及びバイアル瓶10を反時計回りに例えば20度傾けると共に、容器傾斜部435による容器保持部436の傾斜を戻して上記注射器11とバイアル瓶10との位置関係を非傾斜の元の状態に戻す。また、このように上記注射器11とバイアル瓶10との位置関係を非傾斜の元の状態に戻すときに、上記容器スライド部437によるバイアル瓶10の直線移動の状態も元に戻して上記注射器11の注射針をバイアル瓶10のキャップ部中心に位置させる。ここで、図25に示したように注射器11及びバイアル瓶10を混注操作部4の回動で反時計回りに傾けることにより、バイアル瓶10中の輸液が、輸液注入時に触れる壁面とは反対側の壁面に接触することになり、バイアル瓶10内で輸液に接触できずに溶け込まない薬剤が存在してしまうのを防止できるようになる。
【0071】
次に、図26に示すように、上記混注操作部4の支持部44を元の真っ直ぐな状態に戻して注射器11を正立させると共に、第1移動部41及び第2移動部42を第3移動部43に対して上方に移動させる。
【0072】
そして、上記輸液が注入されたバイアル瓶10を混合処理部3に渡してシェーキング処理を行い、薬剤を輸液に溶かす。そして、上記混合処理の後にバイアル瓶10を再び混注操作部4の容器保持部436に渡す。
【0073】
次に、図27に示すように、上記混注操作部4の支持部44を回動させて、注射器11及びバイアル瓶10を時計回りに例えば160度程傾けて、バイアル瓶10中の薬剤混合輸液をそのキャップ部の側に移動させる。この状態では注射器11の注射針の先端が斜め上方に向く。また、上記注射器11内に上記バイアル瓶10中の薬剤混合輸液の体積に相当する空気を取り込んでおく。そして、上記バイアル瓶10内の薬剤混合輸液を上記注射器11内に移動させる処理及び上記注射器11内の空気を上記バイアル瓶10側に移動させる処理を何度かに渡って行う。すなわち、上記混注装置1は、このような処理が行われるように第2移動部42を動作させて注射器11のピストン11bを動作させる。
【0074】
そして、図28に示すように、バイアル瓶10内の薬剤混合輸液が少なくなってきたら、上記混注操作部4の支持部44を更に回動させてバイアル瓶10を逆さまの状態とし、バイアル瓶10内の薬剤混合輸液の全てを注射器11内に移す。その後に注射器11内の空気をバイアル瓶10内に吐出する。
【0075】
ここで、上記バイアル瓶10内の薬剤混合輸液の全てが上記注射器11内に吸い取られたか否かをオペレータAが確認するために(上記注射器11内に規定量の薬剤混合輸液が存在するか否かを確認するために)、上記画像取得部121は、カメラ移動モーター152dを駆動して上記カメラ150を上方向に移動させながら上記注射器11を上記カメラ150によって複数回撮像する。そして、上記画像作成部122は、上記複数回の撮像により得られた複数枚の注射器11の撮像画像を繋ぎ合わせる処理を実行し、上記注射器11における縦長の画像を作成する。このように作成された画像は、上記画像作成部122の処理によって、ディスプレイ101上に混注手順を示す画像とともに表示される。なお、この実施形態では、上記注射器11の注射針の延長線上に存在する上記バイアル瓶10の側面画像も上記カメラ150により撮像されるようにしている。この撮像は、バイアル瓶の側面に貼られたラベルの薬剤表記の確認のために行うもののであるから、1枚のバイアル瓶画像で足りる。このようにして撮像された画像は、上記画像作成部122によって繋ぎ合わされ、図30に示すような画像になる。
【0076】
また、上記混注装置1は、上記のように注射器11の撮像を行うときには、混注動作を一旦停止し、上記ディスプレイ101上に、上記注射器11内に存在すべき輸液量等を表示するとともに、この時点の状態を承認できるかそれとも混注処理を中止するかを問う表記を表示する。オペレータAは、上記ディスプレイ101上の注射器11の画像を見て、上記バイアル瓶10内の薬剤混合輸液の全てが注射器11内に吸い取られたか(上記注射器11に規定量の薬剤混合輸液が存在するか)等を確認し、上記注射器11に薬剤混合輸液が存在することを確認すれば、各種スイッチ106における決定スイッチを操作する。
【0077】
上記混注装置1(コントローラ120)は、上記決定スイッチの操作を検出すると、上記調整手順の表上の終了処理ステップ(第2のステップ)の欄の色を例えば灰色に変化させ、次のステップの欄を緑色に表示する。また、上記混注装置1は、上記第2のステップの上記薬品チェックの欄にチェックマークを表示する処理を行う。そして、上記混注装置1は、上記混注操作部4の動作を再開し、図29に示すように、上記混注操作部4の支持部44を回動させて、この混注操作部4において非傾斜の状態(注射器11等を正立させた状態)を形成する。また、上記混注装置1は、第1移動部41及び第2移動部42を移動させて注射器11をバイアル瓶10から離間させる。
【0078】
そして、上記の空となったバイアル瓶10を搬送装置2に渡し、新たなバイアル瓶10を上記混注操作部4の第3移動部43における容器保持部436において受け取る。そして、上記注射器11内の輸液に規定の量の薬剤を溶け込ますまで、上記の処理を繰り返す。
【0079】
上記注射器11内の輸液に規定の量の薬剤を溶け込ませたら、例えば、図12の実線で示したように、上記輸液バック保持部5において上記輸液バック12を水平に配置し、その混注口に注射器11の注射針を差し込み、上記注射器11内の輸液を上記輸液バック12に戻す。なお、図12の点線で示すように輸液バック傾斜部7におけるアーム部71を傾斜させ、上記輸液バック保持部5において上記輸液バック12がその混注口を斜め下方に向けさせた状態で、その混注口に注射器11の注射針を差し込み、上記注射器11内の薬剤混合輸液を上記輸液バック12に戻すようにしてもよい。
【0080】
その後、上記混注操作部4の支持部44を回動させることにより注射器11を倒立させて注射針を上に向けさせる。
【0081】
そして、上記注射器11内の薬剤混合輸液の全てが上記輸液バック12に戻されたか否かをオペレータAが確認するために(上記注射器11に薬剤混合輸液が存在するか否かを確認するために)、上記画像取得部121は、カメラ移動モーター152dを駆動して上記カメラ150を上方向に移動させながら上記注射器11を上記カメラ150によって複数回撮像する。そして、上記画像作成部122は、上記複数回の撮像により得られた複数枚の注射器11の撮像画像を繋ぎ合わせる処理を実行し、上記注射器11における縦長の画像を作成する。このように作成された画像は、上記画像作成部122の処理によって、ディスプレイ101上に混注手順を示す画像とともに表示される。
【0082】
また、上記混注装置1は、上記のように注射器11の撮像を行うときには、混注動作を一旦停止し、上記ディスプレイ101上に、上記注射器11内に存在すべき輸液量等を表示するとともに、この時点の状態を承認できるかそれとも混注処理を中止するかを問う表記を表示する。オペレータAは、上記注射器11の画像をディスプレイ101上で見て、上記注射器11内の薬剤混合輸液が全て輸液バック12に戻されたか(上記注射器11に薬剤混合輸液が存在しないか)等を確認し、上記注射器11に薬剤混合輸液が存在しないことを確認したならば、各種スイッチ106における決定スイッチを操作する。
【0083】
上記混注装置1(コントローラ120)は、上記決定スイッチの操作を検出すると、第3のステップの上記薬品チェックの欄にチェックマークを表示する処理を行う。また、上記混注装置1は、上記混注操作部4の動作を再開し、上記混注操作部4の支持部44を回動させて、注射器11の注射針を針キャップ把持部160の側に向け、上記注射針に再び針キャップを装着した後、混注操作部4の支持部44を回動させて注射器11を真下に向ける、注射器11の把持状態を解除する。上記混注装置1は、ディスプレイ101上に混注処理が完了した旨及び注射器11を取り外すことを促す表記を表示する。オペレータAは各種スイッチ106における決定スイッチを操作し、注射器11や輸液バック12を取り外す。
【0084】
なお、薬剤ではなく薬液が入っているバイアル瓶が用いられる場合には、上述した第1のステップは省略されることになる。
【0085】
次に、薬剤容器としてアンプルを用いる場合について説明していく。このアンプルを用いる混注処理においては、搬送装置2からアンプルを混注操作部4に受け渡す処理、混注操作部4に保持された注射器11でアンプル内の薬液を吸引する処理、薬液を吸引したアンプルを搬送装置2に返却する処理、必要な本数のアンプルに対して上記受け渡しと薬液吸引とアンプル返却を行い、上記注射器11内の薬液を輸液バック12に注入する処理が行われる。
【0086】
図31に示すように、アンプル10Aを用いる場合には、当初、混注操作部4を回動させずに、アンプル10Aを真っ直ぐに立てた状態において、アンプル10A内の薬液を注射器11内に吸い上げる。例えば、アンプル10Aが5ml容器の場合には、そのうちの4ml吸い上げ、1mlの薬液をアンプル10内に残す。なお、アンプル10Aを上記のごとく真っ直ぐに立てることに限るものではなく、上記容器傾斜部435を動作させてアンプル10Aを例えば数度程度傾けて立てておくようにしてもよい。
【0087】
上記4mlの吸い上げが完了した後或いは完了する前の途中状態で、注射器11及びアンプル10Aを例えば50度時計回りに傾ける。更に、上記4mlの吸い上げが完了した状態で、図32に示すように、上記アンプル10Aを50度傾けると共に、上記アンプル10Aを図の矢印方向に4.0mm直線移動させる。上記注射器11及びアンプル10Aにおける上記の全体的な50度回動は、上記回動駆動部45により上記混注操作部4を回動することにより行われ、上記アンプル10Aの更なる50度回動は、上記容器傾斜部435による上記容器保持部436の単独回動により行われる。そして、上記アンプル10Aの直線移動は上記容器スライド部437によって行われる。
【0088】
このように、上記薬剤容器としてアンプル10Aを用いる場合においては、上記のごとくアンプル10Aを立てた状態である程度の液薬を吸い上げ、その後に上記アンプル10Aを上記のごとく立てた状態から100度程度傾斜させてアンプル10Aの首部側に薬液を移動させた状態を形成することにより、注射器11の注射針の先端をアンプル10Aの底に着けないで薬液を極力残さずに吸い上げることが可能になる。
【0089】
そして、規定本数のアンプル10Aから薬液を吸い取った後に、注射器11を倒立させる。
【0090】
ここで、アンプル10Aから薬液が注射器11内に吸い取られたか否かをオペレータAが確認するために(上記注射器11に規定量の薬液が存在するか否かを確認するために)、上記画像取得部121は、カメラ移動モーター152dを駆動して上記カメラ150を上方向に移動させながら上記注射器11を上記カメラ150によって複数回撮像する。そして、上記画像作成部122は、上記複数回の撮像により得られた複数枚の注射器11の撮像画像を繋ぎ合わせる処理を実行し、上記注射器11における縦長の画像を作成する。
【0091】
また、注射器11内の薬液を輸液バック12に注入した後、注射器11を倒立させる。そして、注射器11内の薬液の全てが輸液バック12に注入されているかをオペレータAが確認するために(上記注射器11に薬液が存在しないことを確認するために)、上記画像取得部121及び上記画像作成部122による画像処理を行う。
【0092】
ところで、以上に説明した混注処理、すなわち、立てられた状態のバイアル瓶10のキャップ部に注射器11の注射針を真っ直ぐに差し込むと共にこれらバイアル瓶10及び注射器11を一体的に所定の角度傾斜させる第1の処理、上記バイアル瓶10を上記注射器11のピストン部移動方向に対して更に傾斜させる第2の処理、上記傾斜に対して上記バイアル瓶10のキャップ部の中心側に上記注射針が位置し続けるようにこれらバイアル瓶10と注射器11の位置関係を調節する第3の処理を、マニピュレータ(ロボットアーム)を用いて自動実行するようにしてもよい。例えば、2本のマニピュレータを用い、一方のマニピュレータがバイアル瓶10を把持し、他方のマニピュレータが注射器11を保持する。そして、上記第3の処理におけるバイアル瓶10と注射器11の傾斜状態において、注射器11のピストン部11bを上記マニピュレータが操作して注射器11内の輸液をバイアル瓶10内に注入する。
【0093】
同様に、立てられた状態のアンプル10Aの切り口に注射器11の注射針を差し込むと共にこれらアンプル10A及び注射器11を一体的に所定の角度傾斜させる第1の処理(この場合にアンプル10Aを注射器11を差し込んだ状態で数度程度傾けて立てておいてもよい)、上記アンプル10Aを上記注射器11のピストン部移動方向に対して更に傾斜させる第2の処理、上記傾斜に対して上記アンプル10Aの切り口の中心側に上記注射針が位置し続けるようにこれらアンプル10Aと注射器11の位置関係を調節する第3の処理を、マニピュレータを用いて自動実行するようにしてもよい。例えば、2本のマニピュレータを用い、一方のマニピュレータがアンプル10Aを把持し、他方のマニピュレータが注射器11を保持する。そして、上記第3の処理におけるアンプル10Aと注射器11の傾斜状態において、注射器11のピストン部11bを上記マニピュレータが操作して注射器11内にアンプル10A内の薬液を吸引する。
【0094】
そして、このようにマニピュレータを用いる構成においては、一方のマニピュレータが上記薬剤容器を保持する(更には上記薬剤容器の姿勢を変化させる)容器保持部となり、他方のマニピュレータが上記注射器11の姿勢を変化させるとともに上記注射器11におけるシリンダ部11aへのピストン部11bの挿入量を変化させる動作を行う注射器保持部となる。そして、両マニピュレータ或いは一方のマニピュレータにより、上記注射器11の注射針を上記薬剤容器の口部に差し込む動作が実現される。更に、上記注射器11を保持するマニピュレータにより上記注射器11の注射針を輸液バック12の混注口に差し込む動作が実現されることになる。また、上記薬剤容器を保持する(更には上記薬剤容器の姿勢を変化させる)容器保持部として上記容器傾斜部435及び上記容器保持部436を採用する一方、上記注射器11の姿勢を変化させるとともに上記注射器11におけるシリンダ部11aへのピストン部11bの挿入量を変化させる動作を行う注射器保持部としてマニピュレータを用いる構成も採用できる。このように、上記マニピュレータ(ロボットアーム)を用いる場合には、カメラ150を固設しておき、上記マニピュレータが注射器11を上記カメラ150の前に位置させて、この注射器11をその目盛り方向に移動させながら上記カメラ150による撮像を実行させることにより上記注射器11の目盛りを撮像することが容易に行える。
【0095】
また、上記混注装置1は、図33に示すように、上記カメラ150を上方へ移動させてバイアル瓶10の底面を撮像し、このバイアル瓶10の底に薬剤が溶けずに残っていないか否かを確認するようになっていてもよい。例えば、この図33に示した例では、安全キャビネット100の天井から支持部材171が垂下されており、この支持部材171の先端側にミラー172が設けられている。上記ミラー172は、上記バイアル瓶10の底面の像を上記カメラ150に導くように上記カメラ150のレンズ光軸に対して45度傾けられて配置されている。なお、上記ミラー172に代えてプリズムを用いるようにしてもよい。また、例えば、容器保持部436の底面部に、ミラーを図示しない揺動可動に設けておき、バイアル瓶10の底面の撮像時に上記ミラーを上記ミラー172の位置まで揺動させる構造なども採用できる。上記底面画像は、画像作成部122の処理によりディスプレイ101上に表示される。例えば、上記底面画像は、図30のバイアル瓶の側面画像の上方に表示される。
【0096】
一方、図34に示すように、バイアル瓶10を倒立させずにその底面をカメラ180によって撮像するようにしてもよい。上記図6に示したように、上記混合処理部3と容器保持部436との間でバイアル瓶10の受け渡しが行われるが、上記混合処理部3で混合処理されたバイアル瓶10を上記容器保持部436が受け取った後、このバイアル瓶10の底に薬剤が溶けずに残っていないか否かを確認するために、この受け取りの時点で上記カメラ180によってバイアル瓶10の底面を撮影することもできる。ここで、上記バイアル瓶10の底に薬剤が溶けずに残っているとすれば、このバイアル瓶10を少し傾けたときの最も下方となった底面箇所に上記薬剤の沈殿物が集まることになる。そこで、上記容器傾斜部435によって上記バイアル瓶10を例えば時計回りに傾斜させ(容器保持部436を傾斜させ)、少なくとも上記バイアル瓶10の最も下方位置にある底面部分を上記カメラ180によって撮像するようにしてもよい。なお、上記カメラ180の近傍に発光ダイオードや有機EL等からなる照明装置181を備え、この照明装置181によって上記バイアル瓶10の底面部分を照明するようにしている。また、上記カメラ180のレンズ光軸を鉛直方向に向けるのではなく傾斜姿勢にある上記バイアル瓶10の底面に対して垂直となる方向に向けて上記バイアル瓶10の底面部分を撮像するようにしてもよい。
【0097】
また、図35に示すように、バイアル瓶10を回動(360度回転)させることによってバイアル瓶10の側面の全体を撮像するようにしてもよい。例えば、この図34に示した例では、各爪部436aの内側に2個ずつ把持ローラ436dが設けられており、合計4個の把持ローラ436dでバイアル瓶10が把持される。各把持ローラ436dは、バイアル瓶10の上下方向に平行な軸により回転可能に設けられており、1つの把持ローラ436dは図示しないモーターによって回転される。したがって、上記モーターによって上記1つの把持ローラ436dが回転されると、この回転の力を受けたバイアル瓶10が回転される。なお、バイアル瓶がこのように回転されるとき、上記カメラ150は複数回上記バイアル瓶10の側面を撮像する。そして、この画像取得部121は、複数回撮像して得られた複数枚の上記バイアル瓶10の画像データを画像作成部122に与える。上記画像作成部122は、上記複数回の撮像により得られる複数枚の側面画像を繋ぎ合わせて上記バイアル瓶10における側面展開画像を作成する。例えば、上記画像作成部122は、上記カメラ150におけるCCDイメージセンサやCMOSイメージセンサ等の各撮像時の出力から1枚のデジタル画像(データ)を生成し、このデジタル画像の中央部における横方向複数ピクセル分の中央画像部分を切り取る処理を行う。そして、上記画像作成部122は、このようにして各デジタル画像から切り取られた縦長の短冊状の画像を繋ぎ合わせて上記側面展開画像を作成する。また、上記画像作成部122は、上記バイアル瓶10の上記側面展開画像を記憶部105に記憶し、また、ディスプレイ101の例えば上側の端部領域に表示する。
【0098】
なお、上記カメラ150による注射器11の撮像においては、注射器11を倒立させたが倒立させずに撮像するようにしてもよい。また、上記薬剤容器の側面画像の撮像は当該薬剤容器を倒立させないで行ってもよい。また、一つのカメラ150を移動させるのではなく、複数のカメラを用いて上記注射器11の目盛りの互いに異なる複数箇所を撮像してもよい。この場合、上記画像作成部122は、上記複数のカメラから複数の画像データを受け取り、上記複数の画像データを繋ぎ合わせて注射器画像を作成する。また、上記カメラ150を移動させる構成において、このカメラ150とは別個に設けたカメラにて薬剤容器の側面や底面を撮像するようにしてもよい(図34参照)。
【0099】
また、上記の例では、上記ディスプレイ101に表示する上記調整手順の表において、混注装置1の処理途中の欄を緑色で表示し、オペレータAの決定操作がなされたときに上記欄(処理終了欄)を緑色から灰色に色変更することとしたが、このような色分けに限らず、処理途中の欄は非点滅で処理終了欄は点滅とする表示形態、或いは、処理途中の欄は表示で処理終了欄は非表示とする表示形態とすることもできる。このような混注処理の進捗に同期した表示変化が上記注射器画像の表示とともになされることで、オペレータAは混注処理の進捗をより正しく認識できるようになる。
【0100】
なお、上記注射器の撮像画像が表示される上記ディスプレイ101とは別に設けられたディスプレイに上記調整手順の表が表示されるようにしてもよい。そして、上記別のディスプレイにおいて、上記調整手順の表中に表示されているステップのうち終了したと判断されたステップは、他の未終了のステップの表示とは異なる形態で表示されるか又は非表示とされるようにしてもよい。
【0101】
図37(A)及び図37(B)は、上記搬送装置2とは異なるタイプの搬送装置2A及び搬送装置2Bを示した斜視図である。上記搬送装置2Aと搬送装置2Bは独立しており、図示しない可動テーブルによって別々に混注操作部4の側へ直進移動することができる。また、各搬送装置2A、2Bは、容器セット部21にセットされたバイアル瓶10を混注操作部4の正面に移動させるための横移動機構を備える。この横移動機構は、送りねじ24と、この送りねじ24に螺合されたナット部材25と、このナット部材25に連結されたスライド板26と、上記送りねじ24を回転させるモーター27とからなる。上記スライド板26上に上記容器セット部21が複数個備えられる。上記容器セット部21には操作ピン21aが設けられており、この操作ピン21aを押し込むと上記容器セット部21の爪が開いてバイアル瓶10をセットすることができる。また、上記容器セット部21には裏面側にも上記操作ピン21aが設けられており、混注操作部4の正面側に配置された図示しない当たり面に上記操作ピン21aが当たると上記容器セット部21の爪が開き、その容器セット部21上のバイアル瓶10を上記混注操作部4の上記容器保持部436が受け取ることができる。
【0102】
上記のように独立動作される搬送装置2A及び搬送装置2Bを用いると、例えば、搬送装置2Aによって或る患者用のバイアル瓶10を搬送して混注処理を上記混注操作部4で実行させ、この混注処理に要する時間を利用してオペレータは次の患者用のバイアル瓶10を上記搬送装置2Bの上記容器セット部21にセットすることができる。
【0103】
なお、上記安全キャビネット100の開口部を覆う窓を、上記搬送装置2Aと搬送装置2Bの配置に対応させて分割し、独立して開閉できるようにしてもよい。これによれば、混注処理に関与している搬送装置側の窓部分だけを閉じることができ、窓開放面積を極力小さくして上記安全キャビネット100内への外気の入り込みを少なくすることができる。
【0104】
図38は、上記搬送装置2A及び搬送装置2Bを用い縦長のディスプレイ101Aを備える混注装置において、その日の最初に表示される縦長のディスプレイ101Aの表示画像を例示しており、上記ディスプレイ101Aの上半分枠には「調整待ち」の文字が表示され、下半分枠には処方選択画像が表示されている。上記処方選択画像には未処理の患者リストが表示される。オペレータAがこれから処方しようとする患者の混注手順書に付記されているバーコードを上記バーコードリーダ102に読み取らせると、上記ディスプレイ101Aの表示画像が変化する。
【0105】
具体的には、図39に示すように、上記ディスプレイ101Aの下半分枠には、上記混注手順書の患者の処方内容、薬品の装手順、オペレーションメッセージなどが表示される。そして、オペレータAが処方するバイアル瓶10のバーコードを例えば上記バーコードリーダ102に読み取らせると、上記オペレーションメッセージとして、上記バイアル瓶10を例えば一方の搬送装置2Aの複数個の容器セット部21のどれにセットするかが表示される。オペレータAはこの指示に従って上記バイアル瓶10を指定された容器セット部21にセットする。必要な準備を行ってオペレータAが混注開始を指示すると、一方の搬送装置2Aが、混注操作部4の側へ直進移動し、混注装置1において混注処理が実行される。
【0106】
上記混注装置1において混注処理が実行されると、図40に示すように、上記ディスプレイ101Aの上半分枠に現在実行中の混注処理に関する進捗画像が表示され、下半分枠に処方選択画像が表示される。上記進捗画像は図39の下半分の画像に相当しており、この画像における装手順の表示領域が調整手順(溶解元/溶解先薬品、作業内容、容量/溶解量、抜取量)の表示に切り換わっている。また、上記処方選択画像には上述したように未処理の患者リストが表示される。オペレータAが次に処方しようとする患者の混注手順書に付記されているバーコードを上記バーコードリーダ102に読み取らせると、上記ディスプレイ101Aの表示画像が変化することになる。ここで、人にとっては、混注装置1の奥側とディスプレイ101Aの上半分が直感的に結び付きやすく、同様に、混注装置1の手前側とディスプレイ101Aの下半分とが直観的に結び付きやすい。このため、上記の表示方法(混注装置1の奥側の混注操作部4側へ移動した搬送装置に関する画像をディスプレイ101Aの上半分に表示し、混注装置1の手前側に位置する搬送装置に関する画像をディスプレイ101Aの下半分に表示する表示方法)であれば、オペレータAは、搬送装置2A,2Bが担っている処理状況をディスプレイ101Aの上下表示内容から直観的に把握することができる。
【0107】
具体的には、図41に示すように、上記ディスプレイ101Aの下半分枠には、次の患者の処方内容、薬品の装手順、オペレーションメッセージなどが表示される。そして、オペレータAが処方するバイアル瓶10のバーコードを例えば上記バーコードリーダ102に読み取らせると、上記オペレーションメッセージとして、上記バイアル瓶10を他方の搬送装置2Bの複数個の容器セット部21のどれにセットするかが表示される。オペレータAはこの指示に従って上記バイアル瓶10を指定された容器セット部21にセットする。
【0108】
上記一方の搬送装置2Aが関与している混注処理が終了すると、図42及び図43に示すように、最終監査画像が上記ディスプレイ101Aの全体を用いて表示されるようにしているので、バイアル瓶10の底等を大きな画像で確認できるようになる。上記最終監査画像の切り換わりは自動またはオペレータAの手動操作で行われる。最終監査画像の表示が終了すると、上記ディスプレイ101Aに表示される画像が払出・廃棄指示画像に変化することになる。
【0109】
図44は払出・廃棄指示画像の一例を示している。この画面例では、上記混注処理が完了した患者についての払出・廃棄指示画像が上記ディスプレイ101Aの下半分枠に表示され、上記ディスプレイ101Aの上半分には「調整開始待ち」の文字が表示されている。オペレータAが払出・廃棄指示に従って空のバイアル瓶10等を取り出して払出・廃棄完了操作を行うと、図45に示すように、次の患者についての混注開始待ちの画像に切り換わる。
【0110】
なお、図46(A)及び図46(B)に示すように、注射器11の注射針の曲がりを検査するために例えば第1エリアセンサ185と、これに対し90度回転状態に配置した第2エリアセンサ186と、上記注射器11を注射針の方向に進退移動させる移動機構とからなる検査装置を配備してもよい。上記エリアセンサ185、186の検出データは例えば上記コントローラ120によって解析されて注射器11の注射針の曲がりが判定される。例えば、上記検出データに対してエッジ解析を行って注射針部分を判別し、この注射針部分を構成している画素の並びを判断し、この画素の並びの態様から注射針の曲がりを検査することができる。上記注射器11を移動させる上記移動機構には上記第1移動部41及び第2移動部42を利用できる。また、針キャップ把持部160に当該検査装置を配備しておけば、針キャップ11cを外して直ぐに注射針の曲がりを検査することができる。
【0111】
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示した実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
【符号の説明】
【0112】
1 混注装置
10 バイアル瓶
10A アンプル
11 注射器
11a シリンダ部
11b ピストン部
2 搬送装置
3 混合処理部
4 混注操作部
41 第1移動部
414 保持機構
42 第2移動部
424 保持機構
43 第3移動部
435 容器傾斜部
436 容器保持部
44 支持部
45 回動駆動部
5 輸液バック保持部
6 輸液バック移動部
7 輸液バック傾斜部
8 駆動部
9 基台
100 安全キャビネット
101 ディスプレイ
101Aディスプレイ(縦長)
102 バーコードリーダ
103 バーコードリーダ
105 記憶部
120 コントローラ(マイクロコンピュータ)
121 画像取得部(画像処理部)
122 画像作成部(画像処理部)
150 カメラ
152dカメラ移動モーター
160 針キャップ把持部
180 カメラ
185 エリアセンサ
186 エリアセンサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤容器を保持する容器保持部と、
注射器を保持し、上記注射器の姿勢を変化させるとともに当該注射器におけるシリンダ部へのピストン部の挿入量を変化させる注射器保持部と、
上記注射器の注射針を上記容器保持部により保持されている上記薬剤容器の口部に差し込む動作及び上記注射器の注射針を輸液バックの混注口に差し込む動作を行う差し込み動作部と、
少なくとも上記注射器の目盛りの互いに異なる複数箇所を撮像し、上記複数箇所の画像を繋ぎ合わせて上記注射器の画像を作成する画像処理部と、
少なくとも上記画像処理部により作成された上記注射器の画像が表示されるディスプレイと、
を備えたことを特徴とする混注装置。
【請求項2】
請求項1に記載の混注装置において、上記注射器の目盛りの互いに異なる複数箇所を、カメラを移動させることにより撮像することを特徴とする混注装置。
【請求項3】
請求項1に記載の混注装置において、上記注射器の目盛りの互いに異なる複数箇所を、複数のカメラによって撮像することを特徴とする混注装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の混注装置において、上記輸液バック内の輸液を上記注射器内に吸い込んだ後、上記撮像を行うことを特徴とする混注装置。
【請求項5】
請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の混注装置において、上記薬剤容器内から薬液または薬剤混合輸液を上記注射器内に吸い込んだ後、上記撮像を行うことを特徴とする混注装置。
【請求項6】
請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の混注装置において、上記注射器内の薬液または薬剤混合輸液を上記輸液バックに注入した後、上記撮像を行うことを特徴とする混注装置。
【請求項7】
請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の混注装置において、上記薬剤容器の側面も撮像し、この撮像された上記薬剤容器の側面の画像も上記ディスプレイに表示することを特徴とする混注装置。
【請求項8】
請求項7に記載の混注装置において、上記薬剤容器を回転させることで上記側面の全体を撮像し、上記薬剤容器の側面全体の画像も上記ディスプレイに表示することを特徴とする混注装置。
【請求項9】
請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の混注装置において、上記薬剤容器の底面も撮像し、上記薬剤容器の底面の画像も上記ディスプレイに表示することを特徴とする混注装置。
【請求項10】
請求項9に記載の混注装置において、上記薬剤容器の底面を上方に向けて撮像することを特徴とする混注装置。
【請求項11】
請求項9に記載の混注装置において、上記薬剤容器の底面を下方に向けて撮像することを特徴とする混注装置。
【請求項12】
請求項1〜請求項11のいずれか1項に記載の混注装置において、上記ディスプレイに上記撮像画像とともに混注の調整手順の表が表示されることを特徴とする混注装置。
【請求項13】
請求項1〜請求項11のいずれか1項に記載の混注装置において、上記撮像画像が表示される上記ディスプレイとは別に設けられたディスプレイに混注の調整手順の表が表示されることを特徴とする混注装置。
【請求項14】
請求項12又は請求項13に記載の混注装置において、上記調整手順の表中に表示されているステップのうち終了したと判断されたステップは、他の未終了のステップの表示とは異なる形態で表示されるか又は非表示とされることを特徴とする混注装置。
【請求項15】
請求項1〜請求項11のいずれか1項に記載の混注装置において、上記容器保持部へと上記薬剤容器を搬送していく二つの搬送ユニットが独立動作可能に設けられており、上記ディスプレイの上下一方の側に上記一方の搬送ユニットが関与する混注処理関連の画像が表示され、上記ディスプレイの上下他方の側に上記他方の搬送ユニットにセットする薬剤の情報が表示されることを特徴とする混注装置。
【請求項16】
請求項15に記載の混注装置において、上記一方の搬送ユニットが関与する混注処理が終了した後、この混注処理関連の監査用画像が上記ディスプレイの全体を用いて表示されることを特徴とする混注装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図46】
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【図19】
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【図30】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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