説明

混雑情報収集表示装置、混雑情報管理サーバ、混雑情報表示システム、方法およびプログラム

【課題】端末に所定の機能を備えさせることでこれら端末の数に依存することなく各場所での物体の混雑の状況を把握することのできる混雑情報収集表示装置、混雑情報管理サーバ、混雑情報表示システム、方法およびプログラムを得ること。
【解決手段】各混雑情報収集装置31は自装置の周辺の混雑状況と測定日時を混雑情報管理サーバ33に通知する。混雑情報管理サーバ33の画像生成手段33cは物体の混雑の調査対象地域を表わす地図データ上に該当する混雑情報収集装置31の測定した混雑状況を合成し、地図データ送信手段33dはこの画像を混雑状況要求端末32に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人や車両等の移動体が集まったり移動する可能性のある場所でこれらの混雑状況を把握するための混雑情報収集表示装置、混雑情報管理サーバ、混雑情報表示システム、混雑情報表示方法および混雑情報表示プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
大地震等の災害が発生して電車等の公共交通機関が停止すると、大量の人が勤務地等の出先から自宅等の居住先に徒歩や車両を使用して移動する必要がある。このようなとき、人や車両等の物体の移動状況の正確な把握は、緊急車両の通行や移動している者に各種の便宜を与える点からも必要となる。また、アミューズメントパークや観光地のように人や車両等の物体が混雑する可能性のある場所でも、混雑の状況に応じて人や設備を配備することが必要となる場合が多い。
【0003】
そこで、本発明の関連技術として、デパートの入口等の予め定めた特定の場所にRFID(Radio Frequency IDentification)タグを配置しておき、これを検出した携帯端末のデータから物体の混雑状況を把握することが提案されている(たとえば特許文献1参照)。この関連技術では、携帯電話機等の携帯端末にRFIDタグのリーダを搭載しておく。携帯端末は、所定時間ごとにRFIDタグの検出動作を行い、検出したRFIDタグのIDと自端末のID(Identification)を、現在地の位置情報と共に情報収集サーバに送信する。
【0004】
情報収集サーバは、送信してきた携帯端末の地理的な分布から各所における物体の混雑状況を把握することができる。また、IDから特定されるこれらの携帯端末の時間的な移動の様子を把握することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−196610号公報(第0041段落〜第0043段落、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところがこの関連技術では、情報収集サーバがRFIDタグを検出した携帯端末の数を把握している。したがって、この関連技術ではRFIDタグを検出するタグリーダと、GPS(Global Positioning System)機能の双方を内蔵している携帯端末の混雑状況を把握することになり、これ以外の携帯端末を所持する人や携帯端末自体を所持しない人およびこれらの人のみが乗車する車両は把握の対象から除かれる。
【0007】
また、人の混雑状況を把握の対象とする場合には、携帯端末を複数台所持する人の情報を正確に反映することができない。また、車両の混雑状況を把握の対象とする場合にも、1台の車両に複数の人が乗車している場合には台数を正確に把握することができない。
【0008】
更にこの関連技術では、測定を行おうとする各所にRFIDタグを配置しておく必要がある。RFIDタグとタグリーダの通信距離は一般に数メートル以下と短い。したがって、車両の内部にいる人の所持する携帯端末の検出には不向きな場合が多い。また歩行者の混雑状況のみを把握しようとする場合にも、把握するエリアを拡大しようとすると、膨大な数のRFIDタグを網の目状に地上に配置する必要が生じて、その実現が困難になる場合が多い。
【0009】
そこで本発明の目的は、端末に所定の機能を備えさせることでこれら端末の数に依存することなく各場所での人等の物体の混雑の状況を把握することのできる混雑情報収集表示装置、混雑情報管理サーバ、混雑情報表示システム、混雑情報表示方法および混雑情報表示プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明では、(イ)自装置の現在位置を取得する現在位置取得手段と、(ロ)現在時間を取得する現在時間取得手段と、(ハ)前記した現在位置取得手段の取得した現在位置からの人や車両等の物体の混雑状況を示すデータを取得する混雑状況データ取得手段と、(ニ)この混雑状況データ取得手段の取得した混雑状況を前記した現在位置取得手段で取得した位置および現在時間取得手段で取得した測定時の時間情報と共に管理側のサーバとしての混雑情報管理サーバに送信する混雑状況送信手段と、(ホ)前記した物体の混雑の調査対象地域としての調査エリアと測定時間を指定して前記した物体の混雑状況を示すデータを要求する混雑状況データ要求手段と、(へ)この混雑状況データ要求手段で要求した調査エリアの混雑状況を示す地図データを前記した混雑情報管理サーバから受信する地図データ受信手段と、(ト)この地図データ受信手段の受信した地図データを基にして混雑状況データ要求手段で要求した調査エリアの要求した時間における混雑状況を地図上に表示する混雑状況表示手段とを混雑情報収集表示装置が具備する。
【0011】
また、本発明では、(イ)それぞれの混雑情報収集装置からこれらの装置の周辺における人や車両等の物体の混雑状況を示すデータを受信する混雑状況受信手段と、(ロ)この混雑状況受信手段の受信した前記した混雑状況を示すデータを、該当する混雑情報収集装置の測定時の位置と測定日時に関するデータと共に格納する混雑状況格納手段と、(ハ)混雑状況を調査する最大エリアとしての調査エリアを包含する地図データを格納する地図データ格納手段と、(ニ)調査エリアと測定時間を指定して混雑状況データの要求があったとき前記した地図データ格納手段から指定した調査エリアを包含する地図データを読み出すと共に前記した混雑状況格納手段から該当する調査エリアの混雑状況データを読み出して、前記した物体の混雑状況を表わした地図データを生成する画像生成手段と、(ホ)この画像生成手段の生成した地図データを混雑状況データの要求側に送信する地図データ送信手段とを混雑情報管理サーバが具備する。
【0012】
更に、本発明では、(イ)自装置の現在位置からの人や車両等の物体の混雑状況を示すデータを取得する混雑状況データ取得手段と、この混雑状況データ取得手段の取得した混雑状況を示すデータを送信する混雑状況送信手段とを備えた混雑情報収集装置と、(ロ)前記した物体の混雑の調査対象地域としての調査エリアと測定時間を指定して指定した調査エリアの混雑状況を示すデータを要求する混雑状況データ要求手段と、この混雑状況データ要求手段で要求した調査エリアの混雑状況を示す地図データを受信する地図データ受信手段と、この地図データ受信手段の受信した地図データを基にして混雑状況データ要求手段で要求した調査エリアの要求した時間における混雑状況を地図上に表示する混雑状況表示手段とを備えた混雑状況要求端末と、(ハ)各混雑情報収集装置から混雑状況を示すデータを受信するとこれらの端末の測定時の位置と測定日時に関するデータと共に測定した混雑状況を格納する混雑状況格納手段と、前記した混雑状況データ要求手段の要求する調査エリアを包含する地域の地図データを格納する地図データ格納手段と、前記した混雑状況要求端末から調査エリアと測定時間を指定して混雑状況を示すデータの要求があったとき前記した地図データ格納手段からこれら調査エリアを包含する地図データと前記した混雑状況格納手段から該当する調査エリアの混雑状況を示すデータを読み出して、混雑状況を表わした地図データを生成する画像生成手段と、この画像生成手段の生成した地図データを、要求先の前記した混雑状況要求端末に送信する地図データ送信手段とを備えた混雑情報管理サーバとを混雑情報表示システムが具備する。
【0013】
更にまた、本発明では、(イ)それぞれの混雑情報収集装置からこれらの装置の周辺における人や車両等の物体の混雑状況を示すデータを受信する混雑状況受信ステップと、(ロ)この混雑状況受信ステップで受信した前記した混雑状況を示すデータを、該当する混雑情報収集装置の測定時の位置と測定日時に関するデータと共に格納する混雑状況格納ステップと、(ハ)調査エリアと測定時間を指定して混雑状況データの要求があったとき前記した混雑状況格納ステップで格納した該当する調査エリアの混雑状況データを読み出して、調査エリアの地図上に前記した物体の混雑状況を表わした地図データを生成する画像生成ステップと、(ニ)この画像生成ステップで生成した地図データを混雑状況データの要求側に送信して表示させる地図データ送信ステップとを混雑情報表示方法が具備する。
【0014】
また、本発明では、コンピュータに混雑情報表示プログラムとして、(イ)それぞれの混雑情報収集装置からこれらの装置の周辺における人や車両等の物体の混雑状況を示すデータを受信する混雑状況受信処理と、(ロ)この混雑状況受信処理で受信した前記した混雑状況を示すデータを、該当する混雑情報収集装置の測定時の位置と測定日時に関するデータと共に格納する混雑状況格納処理と、(ハ)調査エリアと測定時間を指定して混雑状況データの要求があったとき前記した混雑状況格納処理で格納した該当する調査エリアの混雑状況データを読み出して、調査エリアの地図上に前記した物体の混雑状況を表わした地図データを生成する画像生成処理と、(ニ)この画像生成処理で生成した地図データを混雑状況データの要求側に送信して表示させる地図データ送信処理とを実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように本発明によれば、人等の物体が混雑している場所ほど混雑情報を収集する端末の数が増加する可能性が高い。したがって、必要とすることの多いこれら混雑した場所で確度の高い情報を得ることができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の混雑情報収集表示装置のクレーム対応図である。
【図2】本発明の混雑情報管理サーバのクレーム対応図である。
【図3】本発明の混雑情報表示システムのクレーム対応図である。
【図4】本発明の混雑情報表示方法のクレーム対応図である。
【図5】本発明の混雑情報表示プログラムのクレーム対応図である。
【図6】本発明の実施の形態による混雑情報表示システムの構成の概要を表わしたシステム構成図である。
【図7】本実施の形態の混雑情報表示システムに適用可能な携帯端末の構成を表わしたブロック図である。
【図8】本実施の形態の混雑情報表示システムに適用可能な車載端末の構成を表わしたブロック図である。
【図9】本実施の形態の混雑情報管理サーバの構成の概要を表わしたブロック図である。
【図10】本実施の形態の測定データを混雑情報管理サーバにアップロードする際の携帯端末の処理の様子を表わした流れ図である。
【図11】本実施の形態のレーダ測定結果の一例を画像として示した説明図である。
【図12】本実施の形態におけるレーダ測定結果の他の例を示した説明図である。
【図13】本実施の形態における密度算出部の算出処理の様子を表わした流れ図である。
【図14】本実施の形態の携帯端末あるいは車載端末が測定データをアップロードした際の混雑情報管理サーバの処理の様子を表わした流れ図である。
【図15】本実施の形態の混雑情報管理サーバの受信部が受信する測定データの一部を表わした説明図である。
【図16】本実施の形態の通信端末の操作者が所望のエリアの混雑状況を表示するための処理の様子を表わした流れ図である。
【図17】本実施の形態の通信端末における参照範囲入力画面の一例を示した平面図である。
【図18】本実施の形態の混雑情報管理サーバによる混雑状況画像の送信処理の様子を表わした流れ図である。
【図19】図18のステップS295で説明した画像生成部の画像生成処理の様子を表わした流れ図である。
【図20】本実施の形態の混雑情報管理サーバのメモリの特定領域に展開された地図データのイメージを表わした説明図である。
【図21】図19のステップS312の処理によって各測定点の密度データを配置した地図のイメージを表わした説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、本発明の混雑情報収集表示装置のクレーム対応図を示したものである。本発明の混雑情報収集表示装置10は、現在位置取得手段11と、現在時間取得手段12と、混雑状況データ取得手段13と、混雑状況送信手段14と、混雑状況データ要求手段15と、地図データ受信手段16と、混雑状況表示手段17を備えている。ここで、現在位置取得手段11は、自装置の現在位置を取得する。現在時間取得手段12は、現在時間を取得する。混雑状況データ取得手段13は、現在位置取得手段11の取得した現在位置からの人や車両等の物体の混雑状況を示すデータを取得する。混雑状況送信手段14は、混雑状況データ取得手段13の取得した混雑状況を現在位置取得手段11で取得した位置および現在時間取得手段12で取得した測定時の時間情報と共に管理側のサーバとしての混雑情報管理サーバに送信する。混雑状況データ要求手段15は、前記した物体の混雑の調査対象地域としての調査エリアと測定時間を指定して前記した物体の混雑状況を示すデータを要求する。地図データ受信手段16は、混雑状況データ要求手段15で要求した調査エリアの混雑状況を示す地図データを前記した混雑情報管理サーバから受信する。混雑状況表示手段17は、地図データ受信手段16の受信した地図データを基にして混雑状況データ要求手段15で要求した調査エリアの要求した時間における混雑状況を地図上に表示する。
【0018】
図2は、本発明の混雑情報管理サーバのクレーム対応図を示したものである。本発明の混雑情報管理サーバ20は、混雑状況受信手段21と、混雑状況格納手段22と、地図データ格納手段23と、画像生成手段24と、地図データ送信手段25を備えている。ここで、混雑状況受信手段21は、それぞれの混雑情報収集装置からこれらの装置の周辺における人や車両等の物体の混雑状況を示すデータを受信する。混雑状況格納手段22は、混雑状況受信手段21の受信した前記した混雑状況を示すデータを、該当する混雑情報収集装置の測定時の位置と測定日時に関するデータと共に格納する。地図データ格納手段23は、混雑状況を調査する最大エリアとしての調査エリアを包含する地図データを格納する。画像生成手段24は、調査エリアと測定時間を指定して混雑状況データの要求があったとき地図データ格納手段23から指定した調査エリアを包含する地図データを読み出すと共に混雑状況格納手段22から該当する調査エリアの混雑状況データを読み出して、前記した物体の混雑状況を表わした地図データを生成する。地図データ送信手段25は、画像生成手段24の生成した地図データを混雑状況データの要求側に送信する。
【0019】
図3は、本発明の混雑情報表示システムのクレーム対応図を示したものである。本発明の混雑情報表示システム30は、混雑情報収集装置31と、混雑状況要求端末32と、混雑情報管理サーバ33を備えている。ここで、混雑情報収集装置31は、混雑状況データ取得手段31aと、混雑状況送信手段31bを備える。混雑状況データ取得手段31aは、自装置の現在位置からの人や車両等の物体の混雑状況を示すデータを取得する。混雑状況送信手段31bは、混雑状況データ取得手段31aの取得した混雑状況を示すデータを送信する。混雑状況要求端末32は、混雑状況データ要求手段32aと、地図データ受信手段32bと、混雑状況表示手段32cを備える。混雑状況データ要求手段32aは、前記した物体の混雑の調査対象地域としての調査エリアと測定時間を指定して指定した調査エリアの混雑状況を示すデータを要求する。地図データ受信手段32bは、混雑状況データ要求手段32aで要求した調査エリアの混雑状況を示す地図データを受信する。混雑状況表示手段32cは、地図データ受信手段32bの受信した地図データを基にして混雑状況データ要求手段32aで要求した調査エリアの要求した時間における混雑状況を地図上に表示する。混雑情報管理サーバ33は、混雑状況格納手段33aと、地図データ格納手段33bと、画像生成手段33cと、地図データ送信手段33dとを備える。混雑状況格納手段33aは、各混雑情報収集装置31から混雑状況を示すデータを受信するとこれらの端末の測定時の位置と測定日時に関するデータと共に測定した混雑状況を格納する。地図データ格納手段33bは、混雑状況データ要求手段32aの要求する調査エリアを包含する地域の地図データを格納する。画像生成手段33cは、混雑状況要求端末32から調査エリアと測定時間を指定して混雑状況を示すデータの要求があったとき地図データ格納手段33bからこれら調査エリアを包含する地図データと混雑状況格納手段33aから該当する調査エリアの混雑状況を示すデータを読み出して、混雑状況を表わした地図データを生成する。地図データ送信手段33dは、画像生成手段33cの生成した地図データを、要求先の混雑状況要求端末32に送信する。
【0020】
図4は、本発明の混雑情報表示方法のクレーム対応図を示したものである。本発明の混雑情報表示方法40は、混雑状況受信ステップ41と、混雑状況格納ステップ42と、画像生成ステップ43と、地図データ送信ステップ44を備えている。ここで、混雑状況受信ステップ41では、それぞれの混雑情報収集装置からこれらの装置の周辺における人や車両等の物体の混雑状況を示すデータを受信する。混雑状況格納ステップ42では、混雑状況受信ステップ41で受信した前記した混雑状況を示すデータを、該当する前記した混雑情報収集装置の測定時の位置と測定日時に関するデータと共に格納する。画像生成ステップ43では、調査エリアと測定時間を指定して混雑状況データの要求があったとき混雑状況格納ステップ42で格納した該当する調査エリアの混雑状況データを読み出して、調査エリアの地図上に前記した物体の混雑状況を表わした地図データを生成する。地図データ送信ステップ44では、画像生成ステップ43で生成した地図データを混雑状況データの要求側に送信して表示させる。
【0021】
図5は、本発明の混雑情報表示プログラムのクレーム対応図を示したものである。本発明の混雑情報表示プログラム50は、コンピュータに、混雑状況受信処理51と、混雑状況格納処理52と、画像生成処理53と、地図データ送信処理54を実行させるようにしている。ここで、混雑状況受信処理51では、それぞれの混雑情報収集装置からこれらの装置の周辺における人や車両等の物体の混雑状況を示すデータを受信する。混雑状況格納処理52では、混雑状況受信処理51で受信した前記した混雑状況を示すデータを、該当する前記した混雑情報収集装置の測定時の位置と測定日時に関するデータと共に格納する。画像生成処理53では、調査エリアと測定時間を指定して混雑状況データの要求があったとき混雑状況格納処理52で格納した該当する調査エリアの混雑状況データを読み出して、調査エリアの地図上に前記した物体の混雑状況を表わした地図データを生成する。地図データ送信処理54では、画像生成処理53で生成した地図データを混雑状況データの要求側に送信して表示させる。
【0022】
<発明の実施の形態>
【0023】
次に本発明の実施の形態を説明する。
【0024】
図6は、本発明の実施の形態による混雑情報表示システムの構成の概要を表わしたものである。この混雑情報表示システム100は、インターネット101上にシステム管理を行うための混雑情報管理サーバ102を接続している。また、インターネット101に直接、あるいは図示しない通信網を介して第1〜第Mの無線基地局1031〜103Mを接続している。
【0025】
第1〜第Mの無線基地局1031〜103Mは、それぞれの管轄する通信エリアに存在する無線端末と無線で通信することができる。ここでは一例として、第1の無線基地局1031がユーザ104の所持する携帯端末105と無線で通信するものとする。また、第Mの無線基地局1031〜103Mは、車両106に備えられた車載端末107と無線で通信するものとする。混雑情報表示システム100を利用する携帯端末105および車載端末107は、任意の台数存在するが、ここでは代表的に1台ずつを示している。
【0026】
GPS衛星108は、携帯端末105および車載端末107に位置情報を与えるGPSシステム用の衛星として使用する。図6ではGPS衛星108を1基だけ示しているが、実際には複数基を同時に使用して測位を行う。もちろん、携帯端末105および車載端末107の位置情報は、大まかであれば第1〜第Mの無線基地局1031〜103Mのそれぞれの既知の位置情報と対応付ける形で取得することもできる。
【0027】
図7は、本実施の形態で混雑情報表示システムに適用可能な携帯端末の構成を表わしたものである。図6と共に説明する。
【0028】
携帯端末105は、CPU(Central Processing Unit)111およびメモリ112を備えた制御部113を有している。CPU111は、メモリ112に格納された制御プログラムを実行することで、データバス等の通信手段114に接続された次の各部を制御するようになっている。また、制御部113は、これら各部の少なくとも一部を、制御プログラムの実行によりソフトウェア的に実現することも可能である。
【0029】
無線通信制御部115は送信部と受信部からなり、第1〜第Mの無線基地局1031〜103Mのうちの最寄りの局と無線でデータの送受信を行う。GPS情報取得部116は、GPS衛星108からGPS情報を取得して、携帯端末105の現在位置(緯度および経度)と時刻データを演算する。レーダ(radio detection and ranging)送信部117は、ミリ波や赤外線等の所定の電磁波を携帯端末105の周囲に送信する。レーダ受信部118は、レーダ送信部117の送信した電磁波が物体から反射したときのその反射波を受信する。レーダ駆動部119は、レーダ送信部117の送出する電磁波の方向を水平面内で回転させる制御を行う。信号抽出部120は、レーダ受信部118が全方位について受信を成功させた場合にその信号を抽出する制御を行う。
【0030】
情報記憶部121はレーダ受信部118の受信したデータ等の所定の情報を記憶する。この情報記憶部121はメモリ112の一部の領域として構成してもよい。密度算出部122は、情報記憶部121に記憶された測定結果を用いて携帯端末105の周辺の予め定めたエリア内における物体の密度を算出する。入力部123は、図示しない操作部からなり、ユーザ104が必要なデータを入力する。表示部124は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ(organic electroluminescence display)等のディスプレイから構成される表示部である。一般携帯機能部125は、携帯端末として一般的に備えられているその他の回路機能を実現する回路部分である。たとえば携帯端末105が携帯電話機である場合には、通話機能やカメラ機能が一般携帯機能部125に備えられている。
【0031】
図8は、本実施の形態で混雑情報表示システムに適用可能な車載端末の構成を表わしたものである。図6および図7と共に説明する。
【0032】
車載端末107は、CPU131およびメモリ132を備えた制御部133を有している。CPU131は、メモリ132に格納された制御プログラムを実行することで、データバス等の通信手段134に接続された次の各部を制御するようになっている。また、制御部133は、これら各部の少なくとも一部を、制御プログラムの実行によりソフトウェア的に実現することも可能である。
【0033】
無線通信制御部135〜表示部144は、図7に示した無線通信制御部115〜表示部124と実質的に同一の回路装置で構成されている。一般車載端末機能部145は、一般の車載端末として備えられていて以上説明した他の回路装置に含まれない回路装置部分である。
【0034】
図9は、本実施の形態の混雑情報管理サーバの構成の概要を表わしたものである。図6と共に説明する。
【0035】
混雑情報管理サーバ102は、CPU151およびメモリ152を備えた制御部153を有している。CPU151は、メモリ152に格納された制御プログラムを実行することで、データバス等の通信手段154に接続された次の各部を制御するようになっている。また、制御部153は、これら各部の少なくとも一部を、制御プログラムの実行によりソフトウェア的に実現することも可能である。
【0036】
送信部155はインターネット101を介して混雑情報管理サーバ102内の必要なデータを送信する処理を行う。受信部156は、インターネット101を介して携帯端末105や車載端末107あるいはその他の装置から送られてくるデータを受信する処理を行う。これらのデータとしては、たとえば携帯端末105や車載端末107から送られてくるレーダ測定結果(密度情報)と測定位置の緯度、経度と測定時間を表わした付帯情報からなる測定データならびに所望の地域の混雑情報の取得を要求する地域情報要求信号を一例として挙げることができる。
【0037】
データベース処理部157は、混雑情報管理サーバ102に備えられている混雑情報データベース158の処理を行う。混雑情報データベース158は、携帯端末105や車載端末107から送られてくる各測定点の測定データや、各地の地図データを格納する。画像生成部159は、データベース処理部157で処理した結果を基にして各地域の混雑度を示す画像を生成する。画像生成部159の生成した画像を表わす画像データは、第1〜第Mの無線基地局1031〜103Mや図示しない通信端末の要求に応じて送信部155が要求先に送信するようになっている。
【0038】
ところで、図6に示すユーザ104は、混雑情報表示システム100の会員となっている。ユーザ104は混雑情報管理サーバ102に事前に自己の居住場所や移動するエリアならびに移動予定時間を申告しておき、混雑情報表示システム100の管理者の指示に応じて指定された時間帯に指定された場所から現在地の周辺の混雑情報を表わす測定データを混雑情報管理サーバ102にアップロードすることで予め定めたポイントを取得することができる。
【0039】
また、ユーザ104は、取得したポイントを貯めて所望の商品と交換したり、自分の調べたいエリアの混雑状況をポイントに応じた回数だけ取得することができる。もちろん、ポイントが足りないユーザ104や混雑情報表示システム100の会員外の者は、予め定めた料金を支払うことで所望のエリアの混雑度を示す情報を混雑情報管理サーバ102から自己の端末にダウンロードすることができ、ダウンロードした内容を表示したり、印刷することができる。
【0040】
図10は、測定データを混雑情報管理サーバにアップロードする際の携帯端末の処理の様子を表わしたものである。図6および図7と共に説明する。
【0041】
携帯端末105の制御部113は、ユーザ104が図示しないメニュー画面から混雑情報管理サーバ102に接続して、そのとき表示部124に表示されるアップロードの項目を選択するのを待機している(ステップS201)。アップロードの項目が選択されたら(Y)、制御部124はGPS情報取得部116を起動する(ステップS202)。これによりレーダ駆動部119が駆動を開始する(ステップS203)。
【0042】
レーダ駆動部119は、携帯端末105の図示しない筐体の最上部に配置されたユニットから構成されている。このユニット内には、図示しないが携帯端末105の直方体状の筐体を水平面に直立させたとき鉛直方向を回転軸とする小型モータと、回転軸に取り付けられたアンテナおよび鉛直方向を関知する鉛直検知センサが配置されている。
【0043】
レーダ駆動部119の駆動開始により前記した小型モータが回転を開始すると、レーダ送信部117とレーダ受信部118が作動を開始し、アンテナから所定のミリ波が発信される。このとき、レーダ受信部118は携帯端末105の場所から約10メートルの範囲で反射波を同一のアンテナから受信する(ステップS204)。レーダ受信部118の受信した反射波データは情報記憶部121に小型モータの回転角度を示す回転角度情報に同期する形で格納される。
【0044】
ところでユーザ104は、レーダ駆動部119が駆動している間、携帯端末105を所定の許容範囲内で鉛直方向に直立させることが求められる。これは、前記した小型モータの回転軸に取り付けられたアンテナが水平面で回転する条件となるからである。もちろん、携帯端末105が地上からかなりの高さの場所に存在する場合には、内蔵されているアンテナが地上を見下ろすような角度で回転軸に取り付けられることを要する。
【0045】
しかしながらこの例ではユーザ104が三脚に携帯端末105を固定したり、安定した位置で手持ちすることを前提としている。したがって、俯角を実質的に考慮する必要はない。もちろん、俯角を考慮して地上を見下ろすような角度で前記した小型モータの回転軸にアンテナを取り付けることは可能である。ユーザ104は事前にテストデータを混雑情報管理サーバ102に送って自分の携帯端末105における使用の実態の確認と測定の際の調整を図ることができる。
【0046】
信号抽出部120は、前記した小型モータの回転軸が予め定めた所定回だけ回転すると、鉛直検知センサが少なくとも1回転分の期間、継続的に「鉛直」と見なせる範囲を保持しているかをチェックする。そして、最低1回転分の反射波データが「鉛直」と見なせる範囲で受信されていたことが確認された場合には、全方位のデータ抽出に成功したと判別し(ステップS205:Y)、この反射波データを情報記憶部121から抽出すると共に、表示部124に成功表示を行う(ステップS206)。この成功表示と共に一般携帯機能部125に備えられた図示しないスピーカから成功を示す音あるいはメロディを短時間出力するようにしてもよい。
【0047】
これに対して、前記した小型モータの回転軸が予め定めた所定回だけ回転したとき、そのうちのどの区間でも360度の回転角だけ回転する間、鉛直検知センサが「鉛直」と見なせる範囲を検出しなかったり、検出しても360度の回転角の範囲で「鉛直」状態が継続しなかった場合には、全方位のデータ抽出に成功しなかったと判別する(ステップS205:N)。この場合には、レーダ送信部117から発信された電磁波が携帯端末105から水平方向に1回転分送出されなかったことになり、レーダ受信部118の受信した反射波データは採用できないことになる。
【0048】
そこで、全方位のデータ抽出に成功しなかった場合には(ステップS205:N)、表示部124にエラー表示が行われる(ステップS207)。このエラー表示と共に前記したスピーカから失敗を示す音あるいはメロディが出力するようになっていてもよい。
【0049】
この場合、表示部124には「再測定を行いますか」というような測定を再度試みるか否かを入力する表示が行われる。ユーザ104が再測定を選択すると(ステップS208:Y)、処理がステップ204に戻ってレーダによる測定が再度試みられる。このとき、ユーザ104は前記した小型モータの回転軸をより「鉛直」方向に修正することはもちろんである。
【0050】
エラー表示が行われて、ユーザ104が再測定を断念した場合(ステップS208:N)、制御部113はレーダ送信部117、レーダ受信部118、GPS情報取得部116、レーダ駆動部119をそれぞれ停止する(ステップS209)。この後、制御部113は混雑情報管理サーバ102との接続を切断する(ステップS210)。この場合、測定データの送信が成功することなく、処理が終了する(エンド)。
【0051】
一方、全方位のデータの抽出に成功して(ステップS205:Y)、表示部124に成功表示を行った場合(ステップS206)、制御部113はレーダ送信部117、レーダ受信部118およびレーダ駆動部119をそれぞれ停止する(ステップS211)。そして、抽出した全方位のデータを密度算出部122に送って、ここでレーダの有効範囲に対する物体が占める面積の割合を算出して、密度を求め、レーダ測定結果を作成する(ステップS212)。それぞれの測定エリアにおける密度の算出の方法については、後に説明する。
【0052】
図11は、このレーダ測定結果の一例を画像として示したものである。ここでは、図6に示した携帯端末105の測定データを表示用に処理した後にディスプレイに通常のレーダ装置のような表示が行われると仮定したときのイメージを表わしたものであり、混雑情報管理サーバ102に送出される測定データそのものから再現される画像とは異なる。図6と共に説明する。
【0053】
ディスプレイ171には、破線で示す同心円状の距離識別用区分け線172と、同心円の中心から10度置きの角度で記したそれぞれの測定方位を実線で示した測定方位線173と、各測定方位基準線173の示すそれぞれの方位の中間位置の方位を破線で示す方位区分け線174が基準線として表示されている。
【0054】
距離識別用区分け線172からなる同心円の中心位置が携帯端末105の測定点となる。また、この測定点から1番外側に表示されている距離識別用区分け線172までの距離が、この例では10メートルになっている。すなわち、同心円状の距離識別用区分け線172は、1メートル間隔で全部で10個表示される。ただし、作図の関係で中心に一番近い距離識別用区分け線172は判読が困難となっている。1台の携帯端末105で測定される半径10メートルを越える範囲のデータは処理の過程で削除される。
【0055】
ディスプレイ171に表示された黒丸(●)175は、データ上でそれぞれの表示位置の中心に人等の電磁波を反射する物体が存在することを示している。ここでは校庭等の広場に、ほぼ同じサイズの人が集まっている状態の一例を示しているものとする。この場合、各人はほぼ同じサイズの反射物として認識されるので、黒丸175のサイズはほぼ同一サイズとして描かれている。この例では人とみなせる物体のみの混雑状況を表わしているが、仮にこの中に車両が存在する場合を考えると、その車両に相当する外形サイズの長方形等の図形がその存在位置に表示されることになる。
【0056】
図10に示した例では、同一の方位に複数の黒丸175が複数配置される状態が幾つか示されている。携帯端末105が人のいる地上よりもある程度高い位置に存在するときは、携帯端末105から見て前方にいる人だけでなく、その後方にいる人にもレーダ送信部117から電磁波が直接照射されて反射されるので、同一の方位に複数の黒丸175が複数配置される状態を問題なく検出し作成することができる。前記したように携帯端末105が人のいる高さとさほど変わらない高さであっても、反射波における光の回折を利用したりや、異なる複数の測定点から得たデータを合成することで、携帯端末105から見て後方に位置する物体の存在を検出して、同様に表示することができる。
【0057】
図12は、レーダ測定結果の他の例を示したものである。ここでは、図6に示した携帯端末105の存在する場所を原点として、それぞれの角度における検出した物体の中心位置の距離を数値データとして示している。この図12に示した測定結果と図11の画像とは対応していない。
【0058】
図12では、1つの角度(方位)に対して複数の距離で物体がそれぞれ検出されているが、これは図11で説明した通り、人の高さとほぼ同等の高さの携帯端末105を用いて検出が可能である。図12では、10度単位で物体の検出を行っているが、図11ではこれよりも細かい1度等の単位で物体の検出が行われている。
【0059】
次にこのようなレーダ測定結果を用いた、エリアごとの密度の検出原理を説明する。図7に示した携帯端末105の密度算出部122および図8に示した車載端末107の密度算出部142は、レーダ測定結果を用いて図10に示した例の場合には半径10メートルのエリア内における人等の物体の密度(混雑度)の算出を行う。
【0060】
図13は、密度算出部の算出処理の様子を表わしたものである。ここでは、図7および図11を使用して携帯端末105の密度算出部122の処理として説明するが、図8に示した車載端末107の密度算出部142の処理も同様にして行われる。
【0061】
密度算出部122は、まず算出のためのパラメータPを「1」に初期化する(ステップS231)。そして、第Pの単位領域の少なくとも一部に物体が存在するかをチェックする(ステップS232)。ここで単位領域とは、図11における距離識別用区分け線172と測定方位線173および各測定方位基準線173で仕切られたほぼ長方形の枠で囲まれた最小単位の領域をいう。図11に示した例では半径10メートルの円が720個の単位領域に分けられている。これらの単位領域のそれぞれに「1」から「720」までの番号を付ける。
【0062】
そして、パラメータPが「1」のときには、1番目の単位領域に黒丸175の一部でも存在するかをチェックする。このとき、単位領域に黒丸175が1つ存在しても2以上存在しても「存在する」と判別する。このように着目する単位領域に物体がその一部でも存在すれば(ステップS232:Y)、その単位領域を「1」とする(ステップS233)。
【0063】
これに対して、着目する単位領域に物体が一部でも存在しない場合がある(ステップS232:N)。この場合には、その単位領域を「0」とする(ステップS234)。
【0064】
ステップS233あるいはステップS234の処理が行われたら、ステップS235で現在のパラメータPが単位領域の最大値PMAX以上であるかをチェックする。この例ではパラメータPMAXが値「720」である。現在のパラメータPは「1」なので、最大値PMAX未満である(N)。この場合には、パラメータPを「1」だけ加算して(ステップS236)、ステップS232の処理に進む。このようにしてパラメータPが最大値PMAXになってその単位領域に黒丸175の少なくとも一部が「存在する」かのチェックが行われるまで、対象とする半径10メートルのエリアとしての251平方メートルの領域のそれぞれの部分についての同様の処理が繰り返される。
【0065】
ステップS235で現在のパラメータPが単位領域の最大値PMAXに到達していると判別された場合には(Y)、ステップS233で単位領域を「1」とした積算値Aを算出する(ステップS237)。そして、半径10メートルのエリアにおける密度(混雑度)を算出して(ステップS238)、密度算出部122の密度の算出処理を終了する(エンド)。密度は積算値Aを単位領域の最大値PMAXで割ったもののパーセント表示となる。
【0066】
図10に戻って説明を続ける。ステップS211の処理が終了したら、制御部113は密度算出部122を用いて測定したエリアの密度(混雑状況)を算出し、これをレーダ測定結果とする(ステップS212)。次にステップS202で起動したGPS情報取得部116を用いて測定点の緯度および経度と測定時間からなる付帯情報を作成する(ステップS213)。
【0067】
付帯情報を作成したらGPS情報取得部116を停止状態にして(ステップS214)、レーダ測定結果と付帯情報からなる測定データを混雑情報管理サーバ102に送信する(ステップS215)。もちろん、GPS情報取得部116が他のアプリケーションソフトウェアで使用中であれば、その停止の可否はそのアプリケーションソフトウェアに依存する。
【0068】
測定データを混雑情報管理サーバ102に送信したら、混雑情報管理サーバ102との接続を終了して(ステップS210)、測定データを混雑情報管理サーバにアップロードする一連の処理を終了することになる(エンド)。
【0069】
図6に示した車載端末107も携帯端末105と同様にして測定データを混雑情報管理サーバにアップロードすることができる。このため、車載端末107による測定データのアップロード処理についての説明は省略する。もちろん、車載端末107の場合には、図8におけるレーダ送信部137とレーダ受信部138を配置するアンテナを測定時に高く設定することができる。また、アンテナの配置も安定するので、信号抽出部140の抽出をより精度の高いものとすることができる。
【0070】
また、図8に示した車載端末107の密度算出部142の場合には、同様に半径10メートルのエリア内における人等の物体の密度(混雑度)の算出を行ってもよいし、更に広いエリアで測定を行い、これを半径10メートルのエリアが複数集合したものとしての結果を混雑情報管理サーバ102に送信するようにしてもよい。
【0071】
なお、以上説明した密度(混雑度)の算出手法では、エリアの中心に近づくほど、エリアの周辺の単位領域よりも単位領域の実際の面積が小さくなる。そこで、「1」か「0」を判別した単位領域ごとに面積のウエイトを掛け合わせて、実際の面積に応じた密度(混雑度)を算出するようにしてもよい。
【0072】
それぞれの単位領域をなす扇形の面積の算出方法は特に説明するまでもない。これら扇形の面積を一度算出しておいて、各単位領域の面積に対するウエイトのリストを作成しておけばよい。したがって、実面積に対する密度(混雑度)の算出は携帯端末105および車載端末107に特に負担となるものではない。
【0073】
図14は、携帯端末あるいは車載端末が測定データをアップロードした際の混雑情報管理サーバの処理の様子を表わしたものである。図6〜図9と共に説明する。
【0074】
混雑情報管理サーバ102の制御部133は、携帯端末105あるいは車載端末107から測定データが送信されてくるのを待機している(ステップS251)。測定データが送信されてくると(Y)、このデータから携帯端末105あるいは車載端末107の測定した日時と測定点の緯度および経度についての情報を抽出する(ステップS252)。そして、混雑情報データベース158のこれら付帯情報に対応する記憶領域に測定データにおけるレーダ測定結果(密度情報)を格納して(ステップS253)、次の測定データの受信を待機するためにステップS251の処理に戻る(リターン)。
【0075】
なお、ステップS253の処理が終了した時点で測定データを送信した携帯端末105あるいは車載端末107に、そのお礼としてのポイントを送る処理が加えられていてもよい。この場合には、図10のステップS215で測定データを混雑情報管理サーバ102に送信した後に、携帯端末105(あるいは車載端末107)が混雑情報管理サーバ102からポイントの受信を待機する処理が加えられ、ポイントの受信を待ってステップS210の通信切断処理が行われることになる。
【0076】
図15は、混雑情報管理サーバの受信部が受信する測定データの一部を表わしたものである。図6と共に説明する。
【0077】
混雑情報管理サーバ102は、携帯端末105あるいは車載端末107から測定データを順次受信する。測定データは測定日時、測定したエリアの中心となる緯度、経度と、測定結果の密度(混雑度)となる。ここでは時間当たりわずかの測定データが受信されたような状態として示しているが、測定データを送信する携帯端末105や車載端末107の数が多ければ、多くの測定データが集まることになる。
【0078】
図16は、通信端末の操作者が所望のエリアの混雑状況を表示するための処理の様子を表わしたものである。図6に示す混雑情報表示システム100では、携帯端末105のユーザ104等の通信端末の操作者が場所と日時を特定してそのエリアの混雑状況を知ることができる。ここでは、携帯端末105のユーザ104が混雑状況を取得する場合を例に採り説明する。図6および図7と共に説明する。
【0079】
ユーザ104による入力部123の操作に基づき、制御部113は携帯端末105を混雑情報管理サーバ102に接続する(ステップS271)。この後、混雑状況についての参照範囲入力画面の要求が無線通信制御部115から混雑情報管理サーバ102に送信される(ステップS272)。このステップS272の処理に先立って、会員の認証処理が行われてもよい。
【0080】
この後、無線通信制御部115は混雑情報管理サーバ102から参照範囲入力画面が受信されるのを待機する(ステップS273)。混雑情報管理サーバ102から参照範囲入力画面の受信があると(Y)、参照範囲入力画面を表示部124に表示する(ステップS274)。
【0081】
図17は、参照範囲入力画面の一例を示したものである。図6と共に説明する。
【0082】
表示部124には参照範囲入力画面181が表示される。ユーザ104は、参照範囲入力画面181を用いて入力部123から混雑状況を把握したいエリアの緯度、経度および参照時間を入力することができる。入力の一例を次に示す。
【0083】
緯度の参照範囲:35.674337度〜35.680664度
経度の参照範囲:139.761329度〜139.769772度
時間の参照範囲:1時間以内
【0084】
ユーザ104は緯度と経度を数値で入力する代わりに、地図で指定ボタン182を押すことで表示部124に地図を表示するウィンドウを開き、これを用いて混雑状況を把握したいエリアを特定することも可能である。また、参照時間の入力は、ラジオボタンを選択することで、最新の日時を自動的に指定することも可能である。
【0085】
参照範囲入力画面181には、送信ボタン183と中止ボタン184が設けられている。ユーザ104が送信ボタン183を操作すると(図16ステップS275:Y)、入力した参照範囲についてのデータが混雑情報管理サーバ102に送信される(ステップS276)。これに対して、ユーザ104が中止ボタン184をクリックして参照範囲についてのデータの送信を中止した場合には(ステップS275:N、ステップS277:Y)、混雑状況を取得する処理が完了せずに一連の処理が終了する(エンド)。
【0086】
一方、ステップS276で参照範囲についてのデータを送信した場合、制御部113は混雑情報管理サーバ102から混雑状況画像が受信されるのを待機する(ステップS278)。混雑状況画像が受信されたら(Y)、制御部113はこれを情報記憶部121の特定の領域に格納する(ステップS279)。そして、表示部124にこの画像を表示して(ステップS280)、一連の処理を終了する(エンド)。
【0087】
図18は、混雑情報管理サーバによる混雑状況画像の送信処理の様子を表わしたものである。図6、図9および図16と共に説明する。ここでは図7に示す携帯端末105が混雑情報管理サーバ102に対して混雑状況を表示するための要求を行った場合を説明するが、車載端末107が同様の要求を行った場合も制御自体は変りない。
【0088】
混雑情報管理サーバ102は、参照範囲入力画面の要求の受信を待機している(ステップS291)。携帯端末105から参照範囲入力画面の要求が送られてくると(Y)、送信部155は参照範囲入力画面を表示させるためのデータを要求先に送信する(ステップS292)。そして、携帯端末105が参照範囲についてのデータを送信してくるのを待機する(ステップS293)。
【0089】
混雑情報管理サーバ102の受信部156が参照範囲についてのデータを受信したら(ステップS293:Y)、制御部153はこのデータによって指示された参照範囲の密度情報と地図データを混雑情報データベース158から検索して取得する(ステップS294)。制御部153は取得したこれら参照範囲の密度情報と地図データを画像生成部159に渡す。画像生成部159は、これを基にして参照範囲についての混雑状況画像を生成する(ステップS295)。これについては次に詳しく説明する。送信部155は、この生成した混雑状況画像を図7に示す携帯端末105に送信して(ステップS296)、一連の処理を終了する(エンド)。
【0090】
図19は、図18のステップS295で説明した画像生成部の画像生成処理の様子を表わしたものである。図9と共に説明する。
【0091】
画像生成部159は、まず、参照範囲の地図データをメモリ152内の特定領域に展開する(ステップS311)。この例では、図6に示すユーザ104が東京の丸の内周辺を104に指定したものとして説明を行う。
【0092】
図20は、混雑情報管理サーバのメモリの特定領域に展開された地図データのイメージを表わしたものである。図9と共に説明する。メモリ152Aには、参照範囲として指定された東京の丸の内周辺の地図が表示されている。
【0093】
図19に戻って説明を続ける。画像生成部159は次に混雑情報データベース158から取得した参照範囲の密度データをそれぞれを密度に応じて色分けしながら、地図データの該当する位置に配置する(ステップS312)。これにより、画像生成部159による画像生成処理が終了する(エンド)。
【0094】
図21は、図19のステップS312の処理によって各測定点の密度データを配置した地図のイメージを表わしたものである。ただし、図21は作図の都合で白黒画像として表わしているので、この例で3段階の密度の色分けの代わりに表示する図形を3種類としている。測定点が密接しているほど、それらの測定点における図形も密接する。このように、各図形の密接している場所ほど物体が混在しているのではなく、この地図のイメージでは実際の混雑の状況は図形の種類によって表わされている点に注意が必要である。
【0095】
したがって、図16のステップS280で通信端末には、図19にイメージとして示したと同様の画像が表示されることになる。通信端末の操作者は、図11に示す画像を表示することにより、有楽町駅の構内が赤色に着色されていることで、密度100〜81パーセントの範囲となっており、大変混在しているという事実を即座に知ることができる。また、同一場所であれば測定する日時を変化させることで、混雑する曜日や時間の変化を簡単に知ることができる。
【0096】
図21に示した地図のイメージでは、密度が80〜61パーセントのエリアは黄色に、密度が60〜41パーセントのエリアは緑の色に着色されている。地図の参照範囲を広げて更に周辺のエリアまで一度に表示するようにすれば、丸の内周辺が他のエリアと比べて混雑度が高いか否かを簡単に判別することができる。また、車両の走行する道路に関しては、渋滞が生じている箇所を避けて目的地に到達するための道順の選択も容易に行うことができる。
【0097】
以上説明したように本実施の形態によれば、測定点ごとに混雑状況を収集するので、測定を行う通信端末の数の多少やこれらの測定点の偏りに関係なく、混雑状況を地図上に表わすことができる。もちろん、多くの者が知りたいと思われる駅や美術館、映画館、飲食店街等の測定点には、固定した簡易的なレーダを配置することで、現在の混雑状況や時間をずらすことによる混雑状況の変化を確実に知ることができる。
【0098】
しかも、本実施の形態では携帯端末105あるいは車載端末107の利用者としての会員が測定データを混雑情報管理サーバ102に送信するたびにポイントを取得することができる。これにより、会員は積極的に測定データを混雑情報管理サーバ102に送信することになる。また、適切な時間および場所で混雑情報管理サーバ102に測定データを送信する者にポイントの増額を設定することもできる。したがって、本実施の形態の混雑情報表示システム100は、多額の運用費用を掛けることなく、利用者に有効なデータを提供することができる。
【0099】
<発明の変形可能性>
【0100】
以上説明した実施の形態では、携帯端末105のユーザ104等の通信端末の操作者が任意の時刻にレーダを使用して混雑状況の測定を行うようにしたが、タイマを使用して各通信端末に測定を一定の時間間隔で行わせるようにしてもよい。また、混雑情報管理サーバ102が測定を行う携帯端末105や車載端末107に対して依頼データを送信して、所望の時刻に測定を依頼するようにしてもよい。更に、混雑情報管理サーバ102が会員のこれら通信端末の位置情報を逐次チェックして、測定を行いたい場所に存在する通信端末に対して混雑状況を測定するための依頼データを送信するようにしてもよい。
【0101】
また、実施の形態では半径10メートルのエリア内での密度データを測定することにしたが、測定対象とするエリアを任意に調整できるようにすることも有効である。たとえば道路上の混雑状況を把握する際にレーダの有効距離を車幅の長さに変更することで、これよりも大きな建築物を検出範囲から除外することができる。これにより、道路上における車両等の物体の密度(混雑度)をより正確に取得することができる。
【0102】
更に実施の形態ではレーダを使用して測定点の周辺における人や車両等の物体の混雑状況を把握することにしたが、通信端末に備えられたカメラで測定点の周辺の写真を撮り、これを混雑情報管理サーバに送信して、画像解析を行わせて周辺の物体の密度(混雑度)を把握することも可能である。
【0103】
この場合、撮影した写真はたとえば所定の閾値で2値化して物体とそれ以外の部分に分けた後、物体と判別される部分の面積を積算してエリア全体に占める割合を算出すればよい。また、数時間前等の時間を異にする写真を先に撮影しておき、これと比較することで物体の中の移動体と建物等の静止物を判別することができるので、これを基にして移動体のみを混雑状況の判断の対象となる物体として抽出することができる。もちろん、赤外線カメラを併用したり、車両の駐車領域のマップを参照することも有効である。
【0104】
この変形例の場合には、写真を撮影するようにしているので、電磁波を各方位に出力するためのアンテナの回転制御が不要になる。各通信端末は、カメラの画像を送出する際にカメラの焦点距離の現在地と地上からの撮影時の高さを示す情報を、位置情報や撮影日時の情報と共に混雑情報管理サーバに付帯情報として送信すればよい。
【0105】
更にまた、実施の形態ではミリ波によるレーダを使用したが赤外線レーダ等のその他の電磁波を使用してもよいことはもちろんである。
【0106】
以上説明した実施の形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されるが、以下の記載に限定されるものではない。
【0107】
(付記1)
自装置の現在位置を取得する現在位置取得手段と、
現在時間を取得する現在時間取得手段と、
前記現在位置取得手段の取得した現在位置からの人や車両等の物体の混雑状況を示すデータを取得する混雑状況データ取得手段と、
この混雑状況データ取得手段の取得した混雑状況を前記現在位置取得手段で取得した位置および現在時間取得手段で取得した測定時の時間情報と共に管理側のサーバとしての混雑情報管理サーバに送信する混雑状況送信手段と、
前記物体の混雑の調査対象地域としての調査エリアと測定時間を指定して前記物体の混雑状況を示すデータを要求する混雑状況データ要求手段と、
この混雑状況データ要求手段で要求した調査エリアの混雑状況を示す地図データを前記混雑情報管理サーバから受信する地図データ受信手段と、
この地図データ受信手段の受信した地図データを基にして混雑状況データ要求手段で要求した調査エリアの要求した時間における混雑状況を地図上に表示する混雑状況表示手段
とを具備することを特徴とする混雑情報収集表示装置。
【0108】
(付記2)
前記混雑状況データ取得手段は、自装置を測定の中心とした所定範囲を包含するように電磁波を出力するレーダ送信手段と、このレーダ送信手段の出力した電磁波が前記所定範囲内に存在する物体から反射されたときこれを受信するレーダ受信手段と、このレーダ受信手段の受信した電磁波から前記所定範囲の物体の密度を算出する密度算出手段を備え、前記物体の混雑状況を示すデータを前記密度算出手段の算出した密度を表わしたデータとして取得することを特徴とする付記1記載の混雑情報収集表示装置。
【0109】
(付記3)
前記混雑状況データ取得手段は、自装置を測定点とした所定範囲の周辺画像を取得するカメラを備え、前記混雑状況送信手段はこのカメラの取得した画像を混雑状況を表わすデータとして送信することを特徴とする付記1記載の混雑情報収集表示装置。
【0110】
(付記4)
それぞれの混雑情報収集装置からこれらの装置の周辺における人や車両等の物体の混雑状況を示すデータを受信する混雑状況受信手段と、
この混雑状況受信手段の受信した前記混雑状況を示すデータを、該当する混雑情報収集装置の測定時の位置と測定日時に関するデータと共に格納する混雑状況格納手段と、
混雑状況を調査する最大エリアとしての調査エリアを包含する地図データを格納する地図データ格納手段と、
調査エリアと測定時間を指定して混雑状況データの要求があったとき前記地図データ格納手段から指定した調査エリアを包含する地図データを読み出すと共に前記混雑状況格納手段から該当する調査エリアの混雑状況データを読み出して、前記物体の混雑状況を表わした地図データを生成する画像生成手段と、
この画像生成手段の生成した地図データを混雑状況データの要求側に送信する地図データ送信手段
とを具備することを特徴とする混雑情報管理サーバ。
【0111】
(付記5)
前記混雑状況受信手段は、混雑情報収集装置のそれぞれを測定の中心として所定範囲に放出された電磁波の物体からの反射波を基にして算出した物体の密度に関する情報を前記物体の混雑状況を示すデータとして受信する付記4記載の混雑情報管理サーバ。
【0112】
(付記6)
前記混雑状況受信手段は、混雑情報収集装置のそれぞれの備えるカメラによって撮影したこれらの装置を起点とした所定範囲の周辺画像を前記物体の混雑状況を示すデータとして受信する付記4記載の混雑情報管理サーバ。
【0113】
(付記7)
自装置の現在位置からの人や車両等の物体の混雑状況を示すデータを取得する混雑状況データ取得手段と、この混雑状況データ取得手段の取得した混雑状況を示すデータを送信する混雑状況送信手段とを備えた混雑情報収集装置と、
前記物体の混雑の調査対象地域としての調査エリアと測定時間を指定して指定した調査エリアの混雑状況を示すデータを要求する混雑状況データ要求手段と、この混雑状況データ要求手段で要求した調査エリアの混雑状況を示す地図データを受信する地図データ受信手段と、この地図データ受信手段の受信した地図データを基にして混雑状況データ要求手段で要求した調査エリアの要求した時間における混雑状況を地図上に表示する混雑状況表示手段とを備えた混雑状況要求端末と、
各混雑情報収集装置から混雑状況を示すデータを受信するとこれらの端末の測定時の位置と測定日時に関するデータと共に測定した混雑状況を格納する混雑状況格納手段と、前記混雑状況データ要求手段の要求する調査エリアを包含する地域の地図データを格納する地図データ格納手段と、前記混雑状況要求端末から調査エリアと測定時間を指定して混雑状況を示すデータの要求があったとき前記地図データ格納手段からこれら調査エリアを包含する地図データと前記混雑状況格納手段から該当する調査エリアの混雑状況を示すデータを読み出して、混雑状況を表わした地図データを生成する画像生成手段と、この画像生成手段の生成した地図データを、要求先の前記混雑状況要求端末に送信する地図データ送信手段とを備えた混雑情報管理サーバ
とを具備することを特徴とする混雑情報表示システム。
【0114】
(付記8)
前記混雑状況データ取得手段は、自装置を測定の中心とした所定範囲を包含するように電磁波を出力するレーダ送信手段と、このレーダ送信手段の出力した電磁波が前記所定範囲内に存在する物体から反射されたときこれを受信するレーダ受信手段と、このレーダ受信手段の受信した電磁波から前記所定範囲の物体の密度を算出する密度算出手段を備え、前記物体の混雑状況を示すデータを前記密度算出手段の算出した密度を表わしたデータとして取得することを特徴とする付記7記載の混雑情報表示システム。
【0115】
(付記9)
前記混雑状況データ取得手段は、自装置を測定点とした所定範囲の周辺画像を取得するカメラを備え、前記混雑状況送信手段はこのカメラの取得した画像を混雑状況を表わすデータとして送信することを特徴とする付記7記載の混雑情報表示システム。
【0116】
(付記10)
前記密度算出手段は、前記所定範囲を複数の単位領域に予め区分けしておき、前記レーダ受信手段の受信した電磁波から前記物体の少なくとも一部の受信が確認された単位領域が前記所定範囲の全体に占める割合を密度として算出することを特徴とする付記8記載の混雑情報表示システム。
【0117】
(付記11)
前記所定範囲はその広狭を設定可能であることを特徴とする付記10記載の混雑情報表示システム。
【0118】
(付記12)
前記レーダ送信手段およびレーダ受信手段を取り付けて所定の回転軸を中心として360度の方位で複数回回転する回転手段と、前記回転軸が所定の許容範囲内で鉛直方向を向いているかをチェックする鉛直保持判別手段と、この鉛直保持判別手段が前記回転軸について前記所定の許容範囲内で鉛直方向を向いていると判別した1回転分の前記レーダ受信手段の受信した電磁波を抽出する電磁波抽出手段を更に具備し、前記密度算出手段はこの電磁波抽出手段の抽出した電磁波を用いて前記所定範囲の物体の密度を算出することを特徴とする付記10記載の混雑情報表示システム。
【0119】
(付記13)
それぞれの混雑情報収集装置からこれらの装置の周辺における人や車両等の物体の混雑状況を示すデータを受信する混雑状況受信ステップと、
この混雑状況受信ステップで受信した前記混雑状況を示すデータを、該当する混雑情報収集装置の測定時の位置と測定日時に関するデータと共に格納する混雑状況格納ステップと、
調査エリアと測定時間を指定して混雑状況データの要求があったとき前記混雑状況格納ステップで格納した該当する調査エリアの混雑状況データを読み出して、調査エリアの地図上に前記物体の混雑状況を表わした地図データを生成する画像生成ステップと、
この画像生成ステップで生成した地図データを混雑状況データの要求側に送信して表示させる地図データ送信ステップ
とを具備することを特徴とする混雑情報表示方法。
【0120】
(付記14)
コンピュータに、
それぞれの混雑情報収集装置からこれらの装置の周辺における人や車両等の物体の混雑状況を示すデータを受信する混雑状況受信処理と、
この混雑状況受信処理で受信した前記混雑状況を示すデータを、該当する混雑情報収集装置の測定時の位置と測定日時に関するデータと共に格納する混雑状況格納処理と、
調査エリアと測定時間を指定して混雑状況データの要求があったとき前記混雑状況格納処理で格納した該当する調査エリアの混雑状況データを読み出して、調査エリアの地図上に前記物体の混雑状況を表わした地図データを生成する画像生成処理と、
この画像生成処理で生成した地図データを混雑状況データの要求側に送信して表示させる地図データ送信処理
とを実行させることを特徴とする混雑情報表示プログラム。
【符号の説明】
【0121】
10 混雑情報収集表示装置
11 現在位置取得手段
12 現在時間取得手段
13、31a 混雑状況データ取得手段
14、31b 混雑状況送信手段
15、32a 混雑状況データ要求手段
16、32b 地図データ受信手段
17、32c 混雑状況表示手段
20、33、102 混雑情報管理サーバ
21 混雑状況受信手段
22、33a 混雑状況格納手段
23、33b 地図データ格納手段
24、33c 画像生成手段
25、33d 地図データ送信手段
30、100 混雑情報表示システム
31 混雑情報収集装置
32 混雑状況要求端末
40 混雑情報表示方法
41 混雑状況受信ステップ
42 混雑状況格納ステップ
43 画像生成ステップ
44 地図データ送信ステップ
50 混雑情報表示プログラム
51 混雑状況受信処理
52 混雑状況格納処理
53 画像生成処理
54 地図データ送信処理
101 インターネット
104 ユーザ
105 携帯端末
107 車載端末
111、131、151 CPU
112、132、152 メモリ
113、133、153 制御部
115、135 無線通信制御部
116、136 GPS情報取得部
117、137 レーダ送信部
118、138 レーダ受信部
119、139 レーダ駆動部
120、140 信号抽出部
121、141 情報記憶部
122、142 密度算出部
123、143 入力部
124、144 表示部
155 送信部
156 受信部
158 混雑情報データベース
159 画像生成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自装置の現在位置を取得する現在位置取得手段と、
現在時間を取得する現在時間取得手段と、
前記現在位置取得手段の取得した現在位置からの人や車両等の物体の混雑状況を示すデータを取得する混雑状況データ取得手段と、
この混雑状況データ取得手段の取得した混雑状況を前記現在位置取得手段で取得した位置および現在時間取得手段で取得した測定時の時間情報と共に管理側のサーバとしての混雑情報管理サーバに送信する混雑状況送信手段と、
前記物体の混雑の調査対象地域としての調査エリアと測定時間を指定して前記物体の混雑状況を示すデータを要求する混雑状況データ要求手段と、
この混雑状況データ要求手段で要求した調査エリアの混雑状況を示す地図データを前記混雑情報管理サーバから受信する地図データ受信手段と、
この地図データ受信手段の受信した地図データを基にして混雑状況データ要求手段で要求した調査エリアの要求した時間における混雑状況を地図上に表示する混雑状況表示手段
とを具備することを特徴とする混雑情報収集表示装置。
【請求項2】
それぞれの混雑情報収集装置からこれらの装置の周辺における人や車両等の物体の混雑状況を示すデータを受信する混雑状況受信手段と、
この混雑状況受信手段の受信した前記混雑状況を示すデータを、該当する混雑情報収集装置の測定時の位置と測定日時に関するデータと共に格納する混雑状況格納手段と、
混雑状況を調査する最大エリアとしての調査エリアを包含する地図データを格納する地図データ格納手段と、
調査エリアと測定時間を指定して混雑状況データの要求があったとき前記地図データ格納手段から指定した調査エリアを包含する地図データを読み出すと共に前記混雑状況格納手段から該当する調査エリアの混雑状況データを読み出して、前記物体の混雑状況を表わした地図データを生成する画像生成手段と、
この画像生成手段の生成した地図データを混雑状況データの要求側に送信する地図データ送信手段
とを具備することを特徴とする混雑情報管理サーバ。
【請求項3】
自装置の現在位置からの人や車両等の物体の混雑状況を示すデータを取得する混雑状況データ取得手段と、この混雑状況データ取得手段の取得した混雑状況を示すデータを送信する混雑状況送信手段とを備えた混雑情報収集装置と、
前記物体の混雑の調査対象地域としての調査エリアと測定時間を指定して指定した調査エリアの混雑状況を示すデータを要求する混雑状況データ要求手段と、この混雑状況データ要求手段で要求した調査エリアの混雑状況を示す地図データを受信する地図データ受信手段と、この地図データ受信手段の受信した地図データを基にして混雑状況データ要求手段で要求した調査エリアの要求した時間における混雑状況を地図上に表示する混雑状況表示手段とを備えた混雑状況要求端末と、
各混雑情報収集装置から混雑状況を示すデータを受信するとこれらの端末の測定時の位置と測定日時に関するデータと共に測定した混雑状況を格納する混雑状況格納手段と、前記混雑状況データ要求手段の要求する調査エリアを包含する地域の地図データを格納する地図データ格納手段と、前記混雑状況要求端末から調査エリアと測定時間を指定して混雑状況を示すデータの要求があったとき前記地図データ格納手段からこれら調査エリアを包含する地図データと前記混雑状況格納手段から該当する調査エリアの混雑状況を示すデータを読み出して、混雑状況を表わした地図データを生成する画像生成手段と、この画像生成手段の生成した地図データを、要求先の前記混雑状況要求端末に送信する地図データ送信手段とを備えた混雑情報管理サーバ
とを具備することを特徴とする混雑情報表示システム。
【請求項4】
前記混雑状況データ取得手段は、自装置を測定の中心とした所定範囲を包含するように電磁波を出力するレーダ送信手段と、このレーダ送信手段の出力した電磁波が前記所定範囲内に存在する物体から反射されたときこれを受信するレーダ受信手段と、このレーダ受信手段の受信した電磁波から前記所定範囲の物体の密度を算出する密度算出手段を備え、前記物体の混雑状況を示すデータを前記密度算出手段の算出した密度を表わしたデータとして取得することを特徴とする請求項3記載の混雑情報表示システム。
【請求項5】
前記混雑状況データ取得手段は、自装置を測定点とした所定範囲の周辺画像を取得するカメラを備え、前記混雑状況送信手段はこのカメラの取得した画像を混雑状況を表わすデータとして送信することを特徴とする請求項3記載の混雑情報表示システム。
【請求項6】
前記密度算出手段は、前記所定範囲を複数の単位領域に予め区分けしておき、前記レーダ受信手段の受信した電磁波から前記物体の少なくとも一部の受信が確認された単位領域が前記所定範囲の全体に占める割合を密度として算出することを特徴とする請求項4記載の混雑情報表示システム。
【請求項7】
前記所定範囲はその広狭を設定可能であることを特徴とする請求項6記載の混雑情報表示システム。
【請求項8】
前記レーダ送信手段およびレーダ受信手段を取り付けて所定の回転軸を中心として360度の方位で複数回回転する回転手段と、前記回転軸が所定の許容範囲内で鉛直方向を向いているかをチェックする鉛直保持判別手段と、この鉛直保持判別手段が前記回転軸について前記所定の許容範囲内で鉛直方向を向いていると判別した1回転分の前記レーダ受信手段の受信した電磁波を抽出する電磁波抽出手段を更に具備し、前記密度算出手段はこの電磁波抽出手段の抽出した電磁波を用いて前記所定範囲の物体の密度を算出することを特徴とする請求項6記載の混雑情報表示システム。
【請求項9】
それぞれの混雑情報収集装置からこれらの装置の周辺における人や車両等の物体の混雑状況を示すデータを受信する混雑状況受信ステップと、
この混雑状況受信ステップで受信した前記混雑状況を示すデータを、該当する混雑情報収集装置の測定時の位置と測定日時に関するデータと共に格納する混雑状況格納ステップと、
調査エリアと測定時間を指定して混雑状況データの要求があったとき前記混雑状況格納ステップで格納した該当する調査エリアの混雑状況データを読み出して、調査エリアの地図上に前記物体の混雑状況を表わした地図データを生成する画像生成ステップと、
この画像生成ステップで生成した地図データを混雑状況データの要求側に送信して表示させる地図データ送信ステップ
とを具備することを特徴とする混雑情報表示方法。
【請求項10】
コンピュータに、
それぞれの混雑情報収集装置からこれらの装置の周辺における人や車両等の物体の混雑状況を示すデータを受信する混雑状況受信処理と、
この混雑状況受信処理で受信した前記混雑状況を示すデータを、該当する混雑情報収集装置の測定時の位置と測定日時に関するデータと共に格納する混雑状況格納処理と、
調査エリアと測定時間を指定して混雑状況データの要求があったとき前記混雑状況格納処理で格納した該当する調査エリアの混雑状況データを読み出して、調査エリアの地図上に前記物体の混雑状況を表わした地図データを生成する画像生成処理と、
この画像生成処理で生成した地図データを混雑状況データの要求側に送信して表示させる地図データ送信処理
とを実行させることを特徴とする混雑情報表示プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2012−238104(P2012−238104A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−105435(P2011−105435)
【出願日】平成23年5月10日(2011.5.10)
【出願人】(000232254)日本電気通信システム株式会社 (586)
【Fターム(参考)】