説明

清掃用シート

【課題】効果的に水分を吸収、放出できる仕様を有する清掃用シートを提供する。
【解決手段】少なくとも3層以上からなる積層構造を備えた清掃用シート10において、積層構造は、親水性を有する親水層1と、疎水性を有する疎水層2と、親水層1及び疎水層2の間に介在する中間層3と、を備え、中間層3は、液不透過性を有する基材シートに当該基材シートを貫通する貫通孔31を形成することで構成されている

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、清掃用シートに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、一般住宅において、床やトイレの汚れを除去したり、棚面の埃や毛髪類等の微細なゴミを拭き取るための清掃用シートが普及している。
一般に、この清掃用シートは、単一のまたは複数枚の不織布で形成され、水や洗浄液を含んだ状態で使用されるウェットタイプのものや、乾燥状態で使用するドライタイプのものがある。
ウェットタイプの清掃用シートの一例として、例えば、特許文献1には、親水性繊維と疎水性繊維との間に撥水層を設け、親水性繊維に含まれた液体が疎水性繊維に移行するのを遮断させる清掃シートが提案されている。
また、ドライタイプの清掃用シートの一例として、例えば、特許文献2には、樹脂フィルムの片面に、汚れの拭き取り性を有する不織布を積層し、他面に微細気泡の吸盤作用によって吸着性を有するポリマーシートを積層したワイピングシートが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−344369号公報
【特許文献2】特開2007−151950号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の清掃シートは、拭き始めには水分の放出量が多いため、清掃対象面に液滴が残り乾くと跡がのこる恐れがある一方、拭き終わりには水分の放出量が少ないため、汚れを十分に拭き取れない恐れがあった。つまり、シート内部の水分の移動量を調整できない。また、特許文献2のワイピングシートは、不織布を用いたドライタイプのシートであって水分を吸収できない。
すなわち、特許文献1、2のシートは何れも、効果的に水分を吸収、放出できる仕様ではないという問題を有していた。
【0005】
本発明の課題は、効果的に水分を吸収、放出できる仕様を有する清掃用シートを提供することである。特に、ウェットタイプとして使用する場合には水分の移動量を調節でき、ドライタイプとして使用する場合には一度吸収した水分が戻るのを防止できる清掃用シートを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、
少なくとも3層以上からなる積層構造を備えた清掃用シートにおいて、
前記積層構造は、親水性を有する親水層と、疎水性を有する疎水層と、前記親水層及び前記疎水層の間に介在する中間層と、を備え、
前記中間層は、液不透過性を有する基材シートに当該基材シートを貫通する貫通孔を形成することで構成されていることを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の清掃用シートにおいて、
前記貫通孔は、前記中間層の厚さ方向に対して斜めとなる方向に形成されていることを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の清掃用シートにおいて、
前記貫通孔は、前記親水層側の径が前記疎水層側の径に比べて大きくなっていることを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の清掃用シートにおいて、
前記貫通孔は、前記親水層側の径が前記疎水層側の径に比べて小さくなっていることを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の何れか一項に記載の清掃用シートにおいて、
前記積層構造の表面を形成する表面層及び/又は裏面を構成する裏面層には、凹部及び凸部が形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、清掃用シートは、親水性を有する親水層と、疎水性を有する疎水層と、前記親水層及び前記疎水層の間に介在する中間層と、を備え、前記中間層は、液不透過性の基材シートに当該基材シートを貫通する貫通孔を形成することで構成されている。
よって、ウェットタイプとして使用する場合には、貫通孔によって親水層と疎水層の間を水分が移動することで水分量が調整できる。一方、ドライタイプとして使用する場合には、一度吸収した水分が戻るのを防止できる。
すなわち、水分を効果的に吸収、放出できることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】第1実施形態の清掃用シートの一部破断外観図である。
【図2】第1実施形態の清掃用シートの拡大断面図である。
【図3】第2実施形態の清掃用シートの拡大断面図である。
【図4】第3実施形態の清掃用シートの拡大断面図である。
【図5】第4実施形態の清掃用シートの拡大断面図である。
【図6】不織布の形状の変形例を示す図である。
【図7】本発明の清掃用シートの変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図を参照して、本発明に係る清掃用シートについて、詳細に説明する。
【0014】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態における清掃用シートの一部破断外観図であり、図2は、第1実施形態における清掃用シートの拡大断面図である。
【0015】
図1、2に示すように、本実施形態の清掃用シート10は、2枚の不織布1、2と、2枚の不織布1、2の間に介在するフィルム3と、を備えて構成されている。
【0016】
2枚の不織布1、2は、例えば、スパンレース、エアスルー、エアレイド、ポイントボンド、スパンボンド、ニードルパンチ等の周知の技術により製造される不織布であり、一方が親水性、他方が疎水性となるように、清掃シートの用途等に応じて選択された任意の繊維を任意の配合率で混合して製造される。
本実施形態においては、図1において表面側の不織布1を親水性を有する親水層とし、裏面側の不織布2を疎水性を有する疎水層とし、フィルム3を中間層として説明する。
【0017】
具体的には、不織布1は、親水性を有する繊維を主体として構成されたシート材である。
親水性を有する繊維の例としては、例えば、レーヨン、リヨセル、テンセル、コットン等のセルロース系繊維などが挙げられる。これらは単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、親水性の合成繊維を用いることとしても良い。親水性の合成繊維を用いることで、清掃用シート10は、セルロース系繊維だけを使用した場合に比べて嵩高となり、ダストの絡み取り性、操作性、風合いが一層良好になる。
親水性の合成繊維としては、それ自身が親水性を有する合成樹脂からなる繊維や、それ自身は疎水性の合成樹脂であるが繊維油剤などの親水化剤による処理で親水化された繊維などが挙げられる。前者の例としては、アクリル繊維が挙げられる。後者の例としては、繊維油剤などの親水化剤による処理(表面付着処理や練り込みなど)で親水化されたポリエチレンテレフタレート繊維などが挙げられる。
【0018】
不織布2は、疎水性を有する繊維を主体として構成されたシート材である。
疎水性を有する繊維の例としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン及びポリビニルアルコール等のポリオレフィン系繊維、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル繊維や、ナイロン等のポリアミド系繊維が挙げられる。これらは単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0019】
フィルム3は、液不透過性を有する基材シートに当該基材シートを貫通する複数の貫通孔31・・・を形成することで構成された多孔性プラスチックシートである。
清掃用シート10の内部では、フィルム3の貫通孔31・・・を通じて不織布1から不織布2に水分が移動するようになっている。
フィルム3は、熱可塑性樹脂が好ましく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・α−オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリ塩化ビニル等が使用される。
フィルム3に貫通孔31・・・を形成する方法としては、フィルムに電子線やエンボッシングによって穿孔し多孔化する方法、或いは樹脂に可溶性物質を混練してフィルムを形成した後、可溶性物質を溶出して多孔化する方法などがある。
この貫通孔31・・・は、フィルム3の全面に亘り均一に配置されており、不織布2の全面に均一に水分が浸透するようになっている。
なお、貫通孔の形状は、例えば、円形、長方形、正方形、楕円形等、如何なる形状であっても良い。
【0020】
上記の不織布1、2及びフィルム3は、略同じ大きさの矩形状に成形されており、これら3枚は、上下に積層された状態で少なくとも2箇所にて、ヒートシール、超音波接着、ホットメルト、エンボス、などの熱融着処理によって接着されて、清掃用シート10として構成されている。このような熱融着処理による接着方式を採用することにより、別途接着剤を使用して接着した場合と比較して、接着剤の滲み出しや漏れのない見た目にも良好な製品を得ることができる。
なお、清掃用シート10を厚手に構成する場合、或いは清掃用シート10に含有される熱融着繊維が少量の場合には、ヒートシール、エンボスでは熱が届き難いため、超音波接着を用いることが好ましい。
また、不織布1、2をそれぞれフィルム3の両面に止着していても良いが、不織布1、2の周端部同士を直接止着することとしても良い。
【0021】
次に、清掃用シート10の使用方法について説明する。
なお、下記の説明においては、清掃用シートを手に保持して使用する場合を例として説明するが、清掃用シートの使用方法はこれに限定されるものではなく、例えば、棒状器具の先端部に取り付けて使用することとしても良い。
【0022】
清掃用シート10をウェットタイプとして使用する(清掃対象面を水拭きする)場合、まず、利用者は、清掃用シート10を容器に入れた清掃液の中や流水中につけて軽く揉むことで、親水性の不織布1に水分を浸入させる。そして、親水性の不織布1が利用者の手と接触し、疎水性の不織布2が清掃対象面と接触するように清掃用シート10を保持して拭き掃除を行う。
この場合、清掃用シート10内部では、貫通孔31・・・を通じて不織布1側から不織布2側に徐々に水分が移動するため、拭き始めと拭き終わりで清掃用シート10から放出される水分の放出量が一定となる。
一方、清掃用シート10をドライタイプとして使用する(清掃対象面から水分を拭き取る)場合、清掃用シート10内部では、貫通孔31・・・を通じて不織布2側から不織布1側に徐々に水分が移動し、親水性の不織布1で水分が保持されることとなる。
すなわち、親水性の不織布1が水分保持部として機能し、疎水性の不織布2が拭き取り部として機能し、貫通孔31・・・を備えたフィルム3が水分移動量調節部として機能する。
【0023】
また、逆に、親水性の不織布1に水分を浸入させ、疎水性の不織布2が利用者の手と接触し、親水性の不織布1が清掃対象面と接触するように清掃用シート10を保持して拭き掃除を行うようにしてもよい。この場合、清掃用シート10内部では、貫通孔31・・・を通じて不織布1側の余分な水分が不織布1から不織布2側に移動するとともに、不織布1の水分が少なくなったら、不織布2から不織布1側に水分が移動するため、拭き始めと拭き終わりで清掃用シート10から放出される水分の放出量が一定となる。
すなわち、親水性の不織布1が拭き取り部として機能し、疎水性の不織布2が水分保持部として機能し、貫通孔31・・・を備えたフィルム3が水分移動量調節部として機能する。
【0024】
以上説明したように、本実施形態の清掃用シート10によれば、清掃用シート10は、親水性及び疎水性を有する不織布1、2と、前記不織布1、2の間に介在するフィルム3と、を備え、前記フィルム3は、液不透過性の基材シートに当該基材シートを貫通する貫通孔を形成することで構成されているため、貫通孔31・・・を備えたフィルム3が水分移動量調節部として機能することとなる。
よって、ウェットタイプとして使用した場合、不織布1と不織布2との間を水分が移動することで水分量が常に一定となるように調整できる。このため、拭き始めと拭き終わり水分の放出量の差を低減でき、拭き始めに水分を放出し過ぎて清掃対象面を濡らし過ぎることがなく、拭き終わりにも一定の水分が放出されるため汚れを十分に拭き取ることができる。
また、ドライタイプとして使用した場合、水分が親水層に保持され疎水層へ戻らないため、一度吸収した水分がシートの外部へ戻るのを防止することができる。
すなわち、水分を効果的に吸収、放出できることとなる。
【0025】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。なお、第1実施形態と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
【0026】
図3は、本実施形態における清掃用シート20の拡大断面図であり、(a)は清掃用シート20に圧力をかけない状態、(b)は清掃用シート20に上方から圧力をかけた状態を示している。
本実施形態の清掃用シート20は、フィルム3の貫通孔32・・・が、フィルム3の厚さ方向に対して斜めとなる方向に形成されている。
【0027】
本実施形態の清掃用シート20は、親水性の不織布1に水分を含んだウェットタイプのシートとして好適である。
つまり、清掃用シート20は、図3(a)に示すように、圧力がかかっていない状態では、フィルム3の貫通孔32・・・を通じて不織布1側から不織布2側に徐々に水分が移動する。
一方、清掃用シート20は、図3(b)に示すように、圧力をかけた状態では、貫通孔32・・・が潰れて塞がるため水分が移動しにくくなる。
このため、清掃対象面に十分な水分が付着したと判断した場合、利用者は、清掃用シート20を押しつぶして圧力をかけ、水分が清掃対象面に放出するのを停止させることができる。
【0028】
以上のように、本実施形態の清掃用シート20によれば、第1実施形態と同様の効果が得られるのは勿論のこと、不織布2に含まれる水分量が適量となるよう、清掃対象面の状態に応じて利用者が任意で水分の放出を停止させることができる。
よって、使い勝手をより良好にすることができる。
【0029】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。なお、第1実施形態と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
【0030】
図4は、本実施形態における清掃用シート30の拡大断面図である。
本実施形態の清掃用シート30は、フィルム3の貫通孔33・・・が、不織布1側(親水層側)の径が、不織布2側(疎水層側)の径に比べて大きくなるように形成されている。
【0031】
本実施形態の清掃用シート30は、親水性の不織布1に水分を含んだウェットタイプのシートとして好適である。
つまり、清掃用シート30は、貫通孔33・・・をこのような形状とすることに因り、圧力がかかっていない状態では水分が移動せず若しくは移動しにくく、不織布2に水分が浸透しないようになっている。一方、圧力をかけると、不織布1側から不織布2側に水分が押し出され、不織布2に水分が浸透することとなる。
よって、利用者が清掃用シート30に圧力をかけない場合、水分の移動が起こらず、乾いた状態の不織布2によって拭き取りが行えることとなる。
このため、清掃対象面を乾拭きしたい場合、利用者は、清掃用シート20に圧力をかけずに払拭を行い、清掃対象面を水拭きしたい場合のみ清掃用シート20に圧力をかけて、水分を清掃対象面に放出させることができる。
また、清掃対象面毎に所定量の水分を放出させることができる。
なお、この場合、不織布1に塗布される水分は、利用者が清掃用シート30に所定の圧力をかけないと水分移動が起こらない程度に粘性のある液体、ゲル状又はゾル状のコロイド溶液等であることが望ましい。こうしたものを用いることで、清掃用シート30からの意図しない水分の放出を防止できる。
【0032】
以上のように、本実施形態の清掃用シート30によれば、第1実施形態と同様の効果が得られるのは勿論のこと、不織布2に含まれる水分量が適量となるよう、清掃対象面の状態に応じて利用者が任意で水分の放出を行うことができる。
よって、使い勝手をより良好にすることができる。
【0033】
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態について、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。なお、第1実施形態と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
【0034】
図5は、本実施形態における清掃用シート40の拡大断面図である。
本実施形態の清掃用シート40は、フィルム3の貫通孔34・・・が、不織布1側(親水層側)の径が、不織布2側(疎水層側)の径に比べて小さくなるように形成されている。
【0035】
本実施形態の清掃用シート40は、ドライタイプのシートとして好適である。
つまり、清掃用シート40は、貫通孔34・・・をこのような形状とすることに因り、水分を拭き取った際、貫通孔34・・・を通じて不織布2側から不織布1側に徐々に水分が移動し、より効果的に親水性の不織布1で水分が保持され、疎水層へ戻らないようになっている。
【0036】
以上のように、本実施形態の清掃用シート40によれば、第1実施形態と同様の効果が得られるのは勿論のこと、不織布1に吸収される水分を効果的に保持でき、一度吸収した水分がシートの外部へ戻るのを防止することができる。
よって、使い勝手をより良好にすることができる。
【0037】
なお、上記実施形態においては、不織布1、2の外面(表面層及び/又は裏面層)は平坦なものであったが、例えば、図6に示すように、不織布1、2の外面に凹部5及び凸部6を形成することとしても良い。
この場合、清掃対象面との摩擦が少なくなりシートをスムーズに動かせることとなるため、効果的に集塵することができる。
また、清掃対象面とシートとの接触面積が小さくなるため、拭き始めの水分放出量を軽減することができる。
また、凸部6により汚れ掻き取り効果が向上し、また凹部5により汚れ収容効果が向上する。その結果、清掃面における汚れ除去効果を向上させることができる。
なお、凹部5及び凸部6は、不織布1、2とフィルムとを接着する際に、ヒートシール、超音波接着、ホットメルト、エンボスなどの手法によって形成することができる。
また、その際、凹部5と凸部6とで所望の絵柄を形成することとしても良い。
【0038】
また、本発明は、少なくとの3層以上の積層構造を備えた清掃用シートであれば適用可能である。
例えば、図7(a)に示すように、親水性の不織布1の上面に、液不透過性の基材シートからなり液の透過を完全に遮断する遮断フィルム7と、疎水性又は親水性の不織布8と、の2層を更に積層させることとしても良い。
この場合、親水性の不織布1には予め液体を含有保持させ不織布2をウェットタイプの清掃用シートとして用いる一方で、遮断フィルム7が水分の浸透を遮断するため、遮断フィルム7の上面の不織布8はドライタイプの清掃用シートとして用いることができる。従って、一枚のシートの両面を、水拭き及び乾拭きの2つの用途に用いることができる。
また、図7(b)に示すように、例えば、不織布2を2枚以上積層させ、汚れが付着したら剥がせるように構成することもできる。
【0039】
また、貫通孔の大きさは全て同一でなくともよく、その配置も適宜設定可能である。
例えば、シートの中心に大きな貫通孔を設け、シートの周端部に沿って小さな貫通孔を設けるように形成しても良い。このように形成した場合、手の平に当たる部分に大きな貫通孔が設けられているため、シートに圧力をかけやすく、水分の調整をより行い易くすることができる。
【0040】
また、不織布1、2が識別可能となるように着色することとしても良い。
その場合、清掃対象面と接する不織布2を濃色に着色すれば、埃などの白っぽい汚れを目立たせて、その拭き取りを確認することができる。また、不織布2を淡色に着色すれば、髪の毛などの黒っぽい汚れを目立たせて、その拭き取りを確認することができる。
また、清掃用シートに、香料、殺菌剤、防腐剤等の成分を配合することとしても良い。
【符号の説明】
【0041】
10 清掃用シート
1 不織布(親水層)
2 不織布(疎水層)
3 フィルム(中間層)
31 貫通孔
5 凹部
6 凸部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも3層以上からなる積層構造を備えた清掃用シートにおいて、
前記積層構造は、親水性を有する親水層と、疎水性を有する疎水層と、前記親水層及び前記疎水層の間に介在する中間層と、を備え、
前記中間層は、液不透過性を有する基材シートに当該基材シートを貫通する貫通孔を形成することで構成されていることを特徴とする清掃用シート。
【請求項2】
前記貫通孔は、前記中間層の厚さ方向に対して斜めとなる方向に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の清掃用シート。
【請求項3】
前記貫通孔は、前記親水層側の径が前記疎水層側の径に比べて大きくなっていることを特徴とする請求項1に記載の清掃用シート。
【請求項4】
前記貫通孔は、前記親水層側の径が前記疎水層側の径に比べて小さくなっていることを特徴とする請求項1に記載の清掃用シート。
【請求項5】
前記積層構造の表面を形成する表面層及び/又は裏面を構成する裏面層には、凹部及び凸部が形成されていることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の清掃用シート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−201112(P2010−201112A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−53139(P2009−53139)
【出願日】平成21年3月6日(2009.3.6)
【出願人】(390029148)大王製紙株式会社 (2,041)
【Fターム(参考)】