説明

清浄及び/又は光沢組成物とその使用の方法

清浄化及び/又は光沢化のための組成物を提供する。この組成物は、第一研磨剤、第二研磨剤を含んでなるフィルム、及び担体を含む。担体は、口腔用ケア組成物、パーソナルケア用組成物、家事ケア用組成物、等の形態であり得る。本発明はまた、標的表面を清浄化及び/又は光沢化する方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
関連出願への相互参照
[0001] 本出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国仮特許出願番号60/752,453号(2005年12月21日出願)の利益を主張する。
【0002】
背景技術
[0002] 研磨剤は、歯、家事用取付具及び家財、等のような硬い表面を清浄化及び/又は光沢化するためにしばしば使用される。さらに、そのような研磨剤はまた、パーソナルケア用組成物とともに、例えば、皮膚及び爪の剥離製品として使用することもできる。一般に、ある研磨剤が表面の清浄化又は光沢化により適しているかどうかを決定するのは、その粒径、結晶性、硬度、及び構造、並びに他の因子である。同様に、ある目的のための研磨剤の選択は、表面特性と付随する機械力の度合いで説明される。清浄研磨剤は、典型的には、表面より残滓、不純物、及び汚れを払拭する(debride)ために使用する。光沢研磨剤は、標的表面に滑らかで光沢のある外観を創出して、汚れの除去をさらに提供することができる。
【0003】
[0003] 光沢化して、好ましくは清浄化もする組成物の効能を最大にするには、ラッピングとも呼ばれる、光沢化をもたらす加工処理の間に、さらに細かいか又はより小さい粒子を表面に接触させることが望ましい。表面と粒子の接触を最大化することは、異なる研磨剤の接触の順序及び持続時間を制御することができるときは特に、より有効な清浄化及び/又は光沢化を提供する。さらに、表面に対する光沢粒子の物理的配向性を制御することは、研磨剤の効力を高めるために望ましい。しかしながら、その望ましい効果を達成するために、清浄研磨剤と光沢研磨剤の両方を単一の製品において使用することには重大な課題がある。異なる研磨剤を単一の担体において適合化させることは、種々の困難を提起する可能性がある。付言すると、異なる種類の研磨剤の段階的な放出は、特にそれらが単一の製品において組み合わされるとき、課題を提起する。従って、標的表面の清浄化及び/又は光沢化を改善する組成物及び方法が望まれている。
【0004】
発明の簡単な要約
[0004] 様々な態様において、第一研磨剤、第二研磨剤を含んでなるフィルム、及び担体を含む口腔用組成物を提供する。
【0005】
[0005] ある態様において、本発明は、標的表面を清浄化又は光沢化する方法を提供し、該方法は:
第一研磨剤、第二研磨剤を含んでなるフィルム、及び担体を含んでなる組成物と該表面を接触させること;
フィルムの少なくとも一部を崩壊させて第二研磨剤を曝露させること;及び
第二研磨剤と該表面を接触させることを含んでなる。
【0006】
[0006] ある態様において、本発明は、第一研磨剤及び第二研磨剤を含んでなる制御放出組成物で標的表面を清浄化又は光沢化する方法へ向けられる。該方法は:
該表面と第一研磨剤を接触させること;及び
引き続き、該表面と第二研磨剤を接触させることを含む。
【0007】
[0007] ある態様において、本発明は、口腔表面を清浄化又は光沢化する方法へ向けられ、該方法は:
口腔中への光沢研磨剤を含んでなるフィルムを含む口腔用組成物を口腔へ導入すること;及び
口腔表面及び唾液と該フィルムを接触させることを含んでなり、ここで、その接触の間にフィルムは複数の連続的に小さくなるフィルム断片へ崩壊して、ここで口腔表面とフィルムを接触させることは、口腔表面を光沢化する。
【0008】
[0008] ある態様において、本発明は、標的表面を清浄化及び/又は光沢化するための組成物へ向けられ、該組成物は:
清浄研磨剤及び光沢研磨剤を含んでなる担体を含んでなり、ここで光沢研磨剤は、該表面又は溶媒への曝露に続く光沢化のために活性化される。
【0009】
発明の詳細な説明
[0009] 本開示を通して、引用するすべての参考文献は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。参考文献中の定義と本明細書のそれとの間に抵触が生じる場合、本開示が優先される。
【0010】
[0010] 本開示は、産業用、家事用、ヒト及び動物の身体表面、特に、口腔、皮膚、及びケラチン様の表面が含まれる、標的表面の清浄化又は光沢化のための組成物及び方法に関する。本明細書に記載の組成物は、そのような表面を清浄化及び/又は光沢化する。本明細書に使用するように、用語「清浄化」は、標的表面上の汚染物質、汚れ、不純物、及び/又は異物の除去を概して意味する。例えば、表面が歯エナメル質である口腔表面の文脈では、「清浄化」は、好ましくは、プラークバイオフィルム、歯垢(pellicle)、又は歯石のようなフィルム又はしみの少なくともいくらかを除去する。パーソナルケア用組成物では、清浄化により、死細胞、皮脂、オイル、汚れ、及び他の汚染物質を除去することができる。家事用又は産業用の表面の場合では、清浄化により、汚れ、垢、鱗屑、オイル、又は他の汚染物質を除去することができる。「光沢化」は、表面を滑らかに、及び/又は光沢にする仕上げ又は清澄化の方法に概して関連する。光沢化と清浄化はまた、汚れの除去が生じる表面の光輝化、例えば、歯表面の白化(whitening)をもたらすことができる。
【0011】
[0011] 本明細書に記載の組成物は、様々な態様において、標的表面の清浄化及び/又は光沢化を提供する。標的表面の非限定的な例には、歯エナメル質のような口腔表面;皮膚のような外皮表面;爪や髪のようなケラチン様表面;金物類、取付け具、食器具、家庭用品、タイル、床、壁、器具、セラミクス製品、金属製品、等のような家事用の表面が含まれる。
【0012】
[0012] このように、ある態様において、標的表面を清浄化又は光沢化するための組成物は、第一研磨剤及び第二研磨剤を含んでなる担体を含む。この組成物は、第二研磨剤の制御放出、又は制御活性化を提供する。第二研磨剤は、好ましくは、処理すべき標的表面への曝露時に活性化される。用語「活性化」は、標的表面をその企図される効果のために有効に処理するために研磨剤を利用する(例えば、標的表面を光沢化するために光沢研磨剤を利用する)方法に関連する。組成物は、第一研磨剤と第二研磨剤が担体内部の局在領域に別々に保管又は保存される(担体全体で非均質的に分布する)ように維持されてよい。このように、様々な態様によれば、第二研磨剤は非活性化状態で保存されて、そこではその企図される目的のために完全には利用可能でない。第二研磨剤は、任意選択的に溶媒及び/又は機械力の存在下で、標的表面への曝露時に活性化され、そうなれば、その企図される目的、例えば、光沢化のために有効に使用することができる。
【0013】
[0013] 例えば、組成物が第二研磨剤を含んでなるフィルムを含む場合、それは、フィルムの少なくとも一部が崩壊して第二研磨剤の一部を曝露するとき、活性化される場合がある。本明細書に使用するように、「崩壊する」は、フィルムが破れるか又は、例えば、より小さい切片、断片、又はパーツへ分解することを意味する。崩壊は、化学的な破壊、機械的な破壊、又はその両方により、同時に、又は連続的に達成してよい。
【0014】
[0014] ある態様において、フィルムは、担体中にある間は、実質的に懸濁して非崩壊の状態であるが、剪断力及び/又は水のような溶媒(複数)への曝露の適用は、フィルムを壊して、小片へ分解させる。いくつかの態様では、研磨剤が全部フィルムの内部に含まれるか、又はフィルムの表面で部分的に曝露され得る。本明細書に使用する用語「研磨剤」は、標的表面をすり減らす粒子を意味する。この用語には、複数の研磨剤粒子が含まれる。崩壊プロセスが進行するにつれて、フィルム内に含まれる第二研磨剤の活性化は、望まれる効果を達成するのに十分なこの研磨剤の(即ち、十分な数の研磨剤粒子の)表面の曝露を伴う。例えば、様々な態様では、フィルムに含まれる複数の研磨剤の全表面積の少なくとも約10%が、標的表面への曝露の短い持続時間の後で、表面との接触のために利用される。様々な態様において、利用可能な表面積は、約25%より大きく、約30%より大きく、又は約50%より大きい。
【0015】
[0015] 同様に、ある態様において、第二研磨剤は、保護コーティング剤に被包されて、保護コーティング剤の少なくとも一部の崩壊により活性化される。他の態様において、光沢研磨剤の個々の粒子はクラスターへ塊になることができて、ここではポリマー又は接着剤が研磨剤の分子種(species)の個別粒子を一緒に結合させる。塊状の第二研磨剤は、担体内部に懸濁しているので、局在化クラスターに分布している。組成物が、任意選択的に機械力が適用されて、標的表面及び/又は溶媒へ曝露されるとき、クラスターへ結合しているポリマー又は研磨剤は崩壊して、それにより第二研磨剤の個別粒子を放出して、第二研磨剤をその企図される目的のために活性化させる。このように、個々の研磨剤粒子は、放出されて、標的表面を光沢化するために利用される。従って、様々な態様において、保護コーティング剤、接着剤/結合剤、及び/又はフィルムは、溶媒、機械力、又は標的表面との接触の存在時に崩壊することが可能な材料を含む。
【0016】
[0016] ある態様において、標的表面を清浄化及び/又は光沢化する方法は、第一研磨剤、第二研磨剤を含んでなるフィルム、及び担体を含む組成物と該表面を接触させることを含む。上記に記載のように、ある態様では、フィルムの少なくとも一部が崩壊して、第二研磨剤の少なくとも一部を曝露して、そのためにそれが活性化される。このとき、第二研磨剤の曝露部分は、標的表面と接触している。
【0017】
[0017] 様々な態様において、第一研磨剤を接触させることと第二研磨剤を接触させることは、同時に起こる。第一研磨剤を標的表面と接触させることは、第一持続時間の間に起こり、第二研磨剤を標的表面と接触させることは、第二持続時間の間に起こる。様々な態様において、第二持続時間は、第一持続時間の開始の後で始まる。このやり方において、第二研磨剤は、第一研磨剤が標的表面と接触した後で、その企図される目的のために活性化されて曝露される。第二研磨剤のこの遅延された活性化は、第一研磨剤と第二研磨剤のそれぞれの標的表面への曝露を連続的に段階付けることによって、第一研磨剤と第二研磨剤の両方の効力を向上させると考えられる。
【0018】
[0018] 例えば、第一研磨剤が「清浄研磨剤」(即ち、その主目的が上記に記載するような清浄化である研磨剤)であり、第二研磨剤が「光沢研磨剤」(即ち、その主目的が上記に記載するような光沢化である研磨剤)である場合、光沢研磨剤の後続の活性化又は放出は、光沢化の効果を向上させると考えられる。表面の有効な光沢化は、典型的には、ますます小さくなる粒子と標的表面を接触させることによって起こり、これは、第二持続時間が第一持続時間の開始の後で始まるときに促進される。
【0019】
[0019] このように、様々な態様において、第一研磨剤、第二研磨剤、及び担体を含む組成物を提供する。当業者に理解されるように、組成物中に存在する研磨剤の量は、例えば、個々の研磨剤の特性、標的表面で行うべき清浄化及び光沢化の度合い、並びに、担体及び/又はフィルムと研磨剤の適合性が含まれる、様々な非限定要因に依存する。
【0020】
[0020] 様々な態様において、第一研磨剤は、組成物の約1重量%〜約70重量%、約5%〜約50%、又は約7%〜約40%の量で存在する。様々な態様において、第二研磨剤は、組成物の約0.5重量%〜約20重量%、約1%〜約15%、及び約2%〜約10%の量で存在する。フィルムが第二研磨剤を含むある態様において、第二研磨剤は、フィルムの約5重量%〜約40重量%、又はフィルムの約3重量%〜約25重量%の量で存在する。ある態様において、フィルムは、組成物の約0.01重量%〜約50重量%の量で存在する。
【0021】
[0021] 上記に考察されるように、清浄研磨剤と光沢研磨剤は、様々な物理変数によって分類することができる。単一の研磨剤分子種が少なくともいくらかの清浄化及び光沢化を同時に行ってよい。しかしながら、粒子は、当該技術分野では、標的表面に及ぼす主要な効果によって概ね分類される。典型的には、「光沢研磨剤」は、高い硬度を有する相対的に小さい粒子であるとみなされ、一方、相対的に大きな粒径と低い硬度を有する研磨剤は、「清浄研磨剤」であるとみなされる。さらに、研磨剤が表面と相互作用するときに明示する挙動は、それが表面をどのくらいよく磨く(lap)か又は光らせるかを示す場合がある。これは、望ましい光沢剤が通常は表面との接触が進行するにつれてますます小さな断片へ分解されるからである。このラッピング(lapping)挙動は、研磨剤が連続的により細かい粒径へ分解される容易さに関連して、一般的には、例えば、研磨剤粒子の結晶形状、切断のライン、及び破砕性に基づくと考えられている。
【0022】
[0022] このように、研磨剤は、一般に、より軟らかでより大きな粒子状の清浄研磨剤からより硬くてより小さな粒子状の光沢研磨剤へ広がる勾配に基づいて分類されるが、様々な態様では、研磨特性を少なくともいくつかの表面に有するものである。ある態様において、第一研磨剤は、第二研磨剤より識別される分子種であり、それぞれの研磨剤が標的表面に対して異なる効果を及ぼし;例えば、研磨性の勾配の異なるカテゴリーに分類されることを意味する。このやり方では、どの数の研磨剤も選択することができる。従って、ある態様において、第一研磨剤は相対的に低い清浄研磨剤であってよくて、第二研磨剤は相対的に高い清浄研磨剤であってよい。例えば、第一研磨剤は清浄研磨剤であってよくて、第二研磨剤は光沢研磨剤であってよい。本組成物は、複数の異なる研磨剤分子種を含んでもよく、第一研磨剤と第二研磨剤だけに限定されるわけではない。
【0023】
[0023] このように、ある態様において、第一研磨剤は第一粒径を有して、第二研磨剤は第二粒径を有する。ある態様において、第一粒径は、第二粒径より大きい。ある態様において、第一研磨剤は、約5μm〜約15μmの粒径を有する。ある態様において、第二研磨剤は、約0.5μm〜約5μmの粒径を有する。
【0024】
[0024] 粒子の研磨性を分類するには他の変数も有用であり、例えば、硬度が含まれる。硬度は、当業者に知られているいくつかの異なる試験(アインレーナー[Einlehner]、ヌープ[Knoop]、ビッカース[Vickers]、及びロックウェル[Rockwell]硬度試験が含まれる)と、モース硬度スケールによって表すことができる。ある態様において、第一研磨剤は、処理すべき標的表面以下の硬度を概ね有する清浄研磨剤であり、第二研磨剤は、処理すべき標的表面以上の硬度を概ね有する光沢研磨剤である。様々な態様において、研磨剤は、1より大きいモース硬度を有する。表面が歯エナメル質である態様のような、ある態様において、清浄研磨剤は、約1〜約4のモース硬度を有する。望まれる硬度は、標的表面の硬度に基づいて変動する。同様に、様々な態様において、光沢研磨剤は、約4より大きいか又は約4〜約9のモース硬度を有する。
【0025】
[0025] 粒子の構造もしばしば研磨性を反映する。相対的に低い構造はより高い研磨性を有する傾向があり、相対的に高い構造の研磨剤は、より低い研磨性を有する傾向がある。粒子構造は、100グラムあたりの亜麻仁油又はフタル酸ジブチル(DBP)の吸収により示される場合がある。オイル吸収値は、ASTM Rub-Out Method D281 を使用して測定することができる。ある態様では、第一粒子が約90cm/100gより大きなオイル吸収構造を有して、第二研磨剤は、約90cm/100g未満のオイル吸収構造を有する。
【0026】
[0026] 口腔用ケアの文脈において、研磨剤の効力は、歯磨き剤の清浄又は研磨の基礎、即ち、それぞれ歯垢清浄比(PCR)又は放射活性象牙質損耗(RDA)に基づいて表すことができる。PCR及びRDAを実施する方法は、Santalucia et al. への米国特許第5,939,051号と Durga et al. への6,290,933号に記載されている。理想的には、口腔用組成物のRDA値は、歯エナメル質/象牙質を保護するために約250未満であるべきである。標的表面が歯のような口腔表面である様々な態様において、口腔用組成物は、約40以上、又は約50より大きいPCRを有する、上記の方法に記載のような例示の歯磨き剤中の第一研磨剤;及び、約80以上、又は約90以上のPCRを有する第二研磨剤を含む。他の態様において、口腔用組成物は、約75以上のRDAを有する第一研磨剤と、約250以下、又は約200未満であるが約100より大きいRDAを有する第二研磨剤を有する。
【0027】
[0027] 様々な態様において、例示の光沢研磨剤は、約0.5μm〜約5μmの粒径、約4〜約8のモース硬度、例示の歯磨き剤における約80より大きい歯垢清浄比、約250未満のRDA、約90cm/100g未満のオイル吸収度(様々な態様において、約80cm/100g未満又は約50cm/100g未満)を有する。
【0028】
[0028] 好適な研磨剤には、限定なしに、シリカ、ケイ酸塩、シリコン、アルミナ(焼結酸化アルミニウムが含まれる)、ベントナイト、ゼオライト、カオリン、及び雲母のようなアルミノケイ酸塩、珪質土又は珪藻土、軽石、炭酸カルシウム、イカの骨、不溶性リン酸塩、メラミン樹脂、フェノール樹脂、及び尿素−ホルムアルデヒド樹脂のような複合樹脂、ポリカーボネート、シリコンカーバイド、ボロンカーバイド、微結晶性ワックス、FMC Biopolymer(ペンシルヴェニア州フィラデルフィア、アメリカ)より商標名AVICEL(登録商標)で市販されている、コロイド状の微結晶性セルロース及びカルボキシメチルセルロースの組合せが含まれる微結晶性セルロース、並びにこれらの組合せ及び誘導体が含まれる。本明細書に使用するように、「雲母」は、平板の形態と完全な基底の(雲母状の)切断のある含水ケイ酸アルミニウム鉱物の群のいずれも意味する。雲母は、例えば、白雲母、黒雲母、又は金雲母の種類の雲母により例示されるように、層状雲母、破片雲母、又は薄片雲母であり得る。
【0029】
[0029] 研磨剤として有用な不溶性リン酸塩には、オルトリン酸塩、ポリメタリン酸塩、及びピロリン酸塩が含まれる。例示的な例には、オルトリン酸二カルシウム二水和物、リン酸二カルシウム二水和物、リン酸水素カルシウム、ピロリン酸カルシウム、ピロリン酸β−カルシウム、リン酸三カルシウム、メタリン酸カルシウム、メタリン酸カリウム、及びメタリン酸ナトリウムが含まれる。
【0030】
[0030] 組成物がヒトや他の動物での美容又は口腔用の使用に適しているようなある態様では、口腔用に、又は美容用に許容されるどの研磨剤も口腔用ケア又はパーソナルケアの組成物に使用することができる。口腔用ケア組成物の場合、研磨剤の選択は、歯エナメル質が組成物の通常使用において過度には損耗されないことを確実にする、研磨剤の種類、微細性(粒径)、粒径分布、及び研磨剤の量の説明となる場合がある。
【0031】
[0031] 口腔用ケア又はパーソナルケア用組成物の調製において、有用な研磨剤には、約8〜約14μmの平均粒径を有して、オイル吸収度は約90cm/100gより大きい、ZEODENT(登録商標)115(J.M.Huber(メリーランド州アーブル・ド・グラース、アメリカ)により販売されている)のような、約20ミクロンまでの平均粒径を有する沈降シリカのようなシリカ研磨剤が含まれる。
【0032】
[0032] 歯磨き剤が澄明又は透明なゲル、SYLOID(登録商標)72及びSYLOID(登録商標)74のような商標SYLOID(登録商標)で、又は商標SANTOCEL(登録商標)100で販売されているようなコロイド状シリカの研磨剤である態様では、アルカリ金属アルミナ−ケイ酸塩複合体が、歯磨き剤において一般的に使用されるゲル化剤−液体(水及び/又は湿潤剤が含まれる)系の屈折率に近い屈折率をそれらが有するので、特に有用である。そのような態様は、フィルム剤が担体において美観的又は装飾的な機能を有するときに望ましいかもしれない。
【0033】
[0033] 口腔用組成物を調製するのに有用な光沢研磨剤の材料には、商標名:SYLODENT(登録商標)XWA又はSYLODENT(登録商標)783でDavison Chemical Division(W.R.Grace社、メリーランド州ボルチモア、アメリカ)により販売されているような、高清浄、低構造のシリカ研磨剤が含まれる。SYLODENT(登録商標)XWA650は、コロイド状シリカの粒子より構成されるシリカヒドロゲルである。例示のシリカヒドロゲル剤は、約3μm〜約12μm、又は他の態様では約5μm〜約10μmの平均粒径を有して、5重量%のスラリーとして測定するときにpH範囲は約4〜約10、又は約6〜約9である、シリカのコロイド状粒子を含んでよい。XWA650の粒子は、約10重量%〜約35重量%の水を含有し、約5μm〜約12μmの平均粒径、100,000回転につき約5mg以上〜約20mg損失のアインレーナー硬度、約90cm/100g未満、例えば約40cm/100g〜約90cm/100g、典型的には約70cm/100gのオイル吸収度を有する。この研磨剤は、100〜700m/gのブルナウアー(Brunauer)、エンメット(Emmett)及びテラー(Teller)(BET)表面積を有する。XWA650は、96.8テク二ダイン(technidyne)の明度を有する。このような研磨剤については、Durga et al への米国特許第6,290,933号に考察されている。
【0034】
[0034] 本発明に有用な別の有用な高清浄シリカ研磨剤は、SYLODENT(登録商標)XWA300として販売されていて、約10重量%〜約25重量%の水を含有するシリカヒドロゲルであり、ここで平均粒径は、約2μm〜約4μmである。この粒子は、シリカ1gにつき150〜400mの範囲であるBET表面を有する。XWA300研磨剤は、100gシリカにつき90cm未満のオイル吸収度と、煮沸(COフリー)脱ミネラル水中5%(w/w)懸濁液において、8.5以上のpHを有する。このような研磨剤については、Santalutia et al への米国特許第5,939,051号に考察されている。
【0035】
[0035] 別の好適な高清浄シリカ研磨剤は、その粒子が約5重量%〜約35重量%の水分であり、約7μm〜約11μmの平均粒径、12〜約19のアインレーナー硬度、約50cm/100g〜約65cm/100gのオイル吸収値を有するシリカ製品を含む。BET表面積は、1gのシリカにつき約100〜約700m/gである。明度は、一般に、約95テクニダインより大きいと報告されている。このようなシリカ製品は、J.M.Huber(メリーランド州アーブル・ド・グラース、アメリカ)よりZEODENT(登録商標)105として市販されている。
【0036】
[0036] 本発明に有用な別の高清浄シリカ研磨剤は、100cm/100gのDBP構造、約13μmの平均最大粒径、約6〜約8のpH(5%水性懸濁液において)、及び50m/gのBET表面積を有する。そのようなシリカ研磨剤は、GraceよりHC800として市販されている。光沢剤として有用なさらに別の好適なシリカ研磨剤は、約2μmの平均粒径を有する、実質的に単分散性のシリカ研磨剤である。
【0037】
[0037] このように、ある種の口腔用又はパーソナル用組成物の態様では、第一研磨剤を、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、及びリン酸二カルシウムより選択してよい。同様に、ある態様において、組成物は、口腔、及び/又は身体接触に安全であって、第二研磨剤は、シリカ、ケイ酸塩、アルミノケイ酸塩、アルミナ、炭酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、雲母、ゼオライト、カオリン、珪質土又は珪藻土、シリコン、イカの骨、軽石、複合樹脂、ポリカーボネート、ボロンカーバイド、微結晶性ワックス、微結晶性セルロース、又はこれらの誘導体より選択することができる。
【0038】
[0038] 家事用製品への光沢研磨剤は、上記に考察したもののいずれでもよいが、シリコンカーバイド、酸化アルミニウム、及び炭酸カルシウムも含めてよい。家事用清浄溶液剤は、典型的には、洗剤ビルダーとしても役立つ場合がある研磨剤を含有する。家事/家庭用ケア清浄製品へのそのような追加の好適な研磨剤の非限定的なリストには:ピロリン酸四ナトリウム若しくは四カリウムのようなピロリン酸塩が含まれるポリリン酸塩、トリポリリン酸塩、テトラポリリン酸塩、アルカリ金属炭酸塩、等が含まれる。しかしながら、そのような研磨剤の選択は当該技術分野で知られていて、典型的には、家事用表面/適用部分の耐擦傷性にきわめて依存する。
【0039】
[0039] 口腔表面を清浄化及び/又は光沢化する方法は、口腔用組成物を口腔へ導入することを含む。上記に考察したように、ある態様において、口腔用組成物は、光沢研磨剤のような第二研磨剤を含むフィルムを含む。ここでフィルムは、口腔表面や唾液と接触する。フィルムは、口腔表面及び/又は唾液との接触の間に、複数の連続的に小さくなるフィルム断片へ分解される。本発明に関して限定しないが、この崩壊プロセスを介して産生される連続的により小さなフィルム断片は、その粒子を含有する、連続的に小さくなる断片へ表面を曝露することによって光沢効力を高めると考えられている。光沢粒子の動態的に遅延する放出は、ブラッシングのより早期の段階の間で起こり得る、より大きくてより軟らかい清浄研磨剤粒子での処理に続く、口腔表面の近傍での光沢研磨剤の局所濃度を高めることによって、光沢性能を高めると考えられている。研磨剤を有するフィルムの口腔表面との接触は、口腔表面の清浄化/光沢化を増強及び改善する可能性がある。
【0040】
[0040] 本発明のフィルムは、実質的に薄板状の(lamellar)構造を有してよい。「薄板状の」構造は、第三次元(例、z方向)における構造の厚さより実質的に大きいサイズを1又は2の次元(例、x又はy次元)に有して、一般的には、実質的に平面、層状、又は鱗状の形状が例えば含まれる。ある態様において、薄板状の構造は実質的に平面であり、z次元にあるものより実質的に大きいサイズをx次元とy次元の両方に有する。他の態様において、薄板状の構造は、非平面状である。
【0041】
[0041] 別のやり方で表せば、フィルムは、約5:1以上のアスペクト比を有してよい。一般にアスペクト比(AR)は、AR=L/Dとして定義される(ここでLは、最長次元の長さであり、Dは、最短次元の長さである)。ある態様において、フィルムは、実質的に平坦な表面として現れ得る実質的に連続した表面を含むが、いくつかの態様において、フィルムは、歪んでいる場合がある。そのような態様において、フィルムは、滑らかな曲面を有することが含まれる、いくつかの形状のいずれを有してもよい。さらに、用語「フィルム」には、単一構造だけでなく、複数のフィルム断片も含まれる。様々な態様において、フィルムは、約0.1ミル〜約10ミル、約0.5ミル〜9ミル、又は約1.2ミル〜約3ミルの厚さを独立して有する複数の断片を含む。ある態様において、断片の長さは、少なくとも約0.2mmである。担体中に断片として提供されるフィルムは、フィルムの薄片又は小片として提供されても、長方形、正方形、円、三角形、多角形、星形、菱形、等のような装飾形状へ切断されてもよい。
【0042】
[0042] 有用なフィルムの例には、Boyd et al への米国特許第6,669,929号;いずれも Boyd et al への米国特許公開公報番号2004/0126332、2004/0136924、及び2004/0042976に記載されるものが含まれる。有用なフィルムは、剛性でも塑性でもよく、形成材料、粘土、ワックス、及びこれらの混合物が含まれる、多様な材料のいずれも含んでなる。いくつかの態様において、フィルムは、少なくとも1つのフィルム形成材料を含み;ある態様において、このフィルム形成材料は、ポリマーを含む。有用なポリマーには、親水性ポリマーと疎水性ポリマーが含まれる。いくつかの態様において、ポリマーは、溶媒、例えば、水に溶ける。例えば、使用の間の物理的な力の適用の間(ブラシ又はパッドで洗浄しながら、歯をブラッシング又は擦っている間のような)に溶ける、水溶性の分解可能ポリマーが望ましいかもしれない。いくつかの態様において、ポリマーは、分散可能であることによって、水に溶けないが分解可能である、即ち、ポリマーは、例えば、剪断の結果として小さな断片へ分解する。いくつかの態様において、ポリマーは、不溶性であるが、第二研磨剤の少なくとも一部が曝露される間は、膨潤可能である。ポリマーが使用の間に完全には分解しない場合、そのポリマーは、撥水性ポリマーであるか、又はある種のセルロース、例えば、紙のように水安定的な親水性ポリマーであり得る。
【0043】
[0043] ポリマーは、以下の少なくとも1つを提供するようにフィルムにおいて選択して配分してよい:(1)担体中で望まれる、フィルムの安定性(2)組成物の使用の間に望まれる、フィルムの崩壊速度、又は(3)組成物の使用の間に望まれる、第二研磨剤の曝露の速度。そのようなポリマーはまた、塊状物(agglomerates)の被包化材料、及び/又は結合材料として適している場合がある。
【0044】
[0044] ある態様において、フィルムは、水溶性である。従って、フィルムは、水溶性ポリマー、水分散性ポリマー、及び水不溶性ポリマーより選択されるポリマーを含む。水不溶性ポリマー、水溶性ポリマー、及び、任意選択的に、水溶性充填剤の相対量は、組成物を(例えば、この水性組成物の使用の間のブラッシング、擦り、又は他の機械作用によって)どのくらい激しく、又はどのくらい長く使用するかに比例して第二研磨剤の量を曝露するように選択してよい。
【0045】
[0045] ある態様において、ポリマーは、水溶性ポリマーである。1つの例は、セルロースエーテルポリマーであり、ダウ・ケミカル・カンパニー(ミシガン州ミッドランド、アメリカ)よりMETHOCEL(登録商標)製品[例えば、METHOCEL(登録商標)E5LV、METHOCEL(登録商標)E50、及びMETHOCEL(登録商標)K100が含まれる]として市販されているヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、メチルセルロース(MC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、又はこれらの混合物のようなヒドロキシアルキルセルロースポリマーより選択されるものが含まれる。他の有用なポリマーには、約100,000〜約150万の平均分子量を有し得るポリビニルピロリドン(PVP)、KOLLIDON(登録商標)VA64(BASFより入手可能、60:40重量のビニルピロリドン)及びPLASDONE(登録商標)S630PVP(International Specialty Products、ニュージャージー州ウェイン、アメリカより入手可能、60:40重量のビニルピロリドン:酢酸ビニル)のような酢酸ビニル、ポリビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合体、KOLLICOAT(登録商標)IR(BASFより入手可能、75重量%のPVA、25重量%のエチレングリコール移植)のようなPVAの酸化エチレン移植共重合体、ポリビニルアルコール(PVA)、アクリレート及びポリアクリル酸[ポリアクリレートポリマー、架橋連結ポリアクリレートポリマー、架橋連結ポリアクリル酸(例、CARBOPOL(登録商標))が含まれる]、メタクリレート、マレイン酸ポリビニルアルキルエーテル−マレイン酸共重合体(例、GANTREZ(登録商標))、ポリアルキレンオキシド[酸化ポリエチレン、即ち、ポリエチレングリコールが含まれる]、及びカルボキシビニルポリマーが含まれる。当業者に理解されるように、フィルムは、誘導体、共重合体、そしてこのようなポリマーのさらなる組合せも同様に含んでよい。
【0046】
[0046] 有用な水不溶性ポリマーには、少なくとも1つの有機溶媒に溶けるポリマーが含まれる。例えば、アクリル酸共重合体(ここでは、カルボン酸官能基が中和されていない)、架橋連結ポリ(ビニルピロリドン)、例えば、BASFより入手可能なKOLLIDON(登録商標)CL又はCL−M、ポリ(酢酸ビニル)[PVAc]、酢酸セルロース、硝酸セルロース、アルキルセルロース(エチルセルロース、ブチルセルロース、及びイソプロピルセルロースのような)、セルロースアセテートフタレートのようなある種のセルロース誘導体、シェラク、エチレン−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニルホモポリマー、シリコーンポリマー(例、ジメチルシリコーン)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、有機溶媒に溶けないポリマー(セルロース、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタン、及びナイロンのような)、天然又は合成のゴム、及びこれらの組合せである。好適なフィルム形成アクリル酸共重合体の例は、BASF(ニュージャージー州フローラムパーク、アメリカ)より市販されている、LUVIMER(登録商標)30E[アクリル酸tert−ブチル/アクリル酸エチル/メタクリル酸共重合体の30重量%エタノール溶液]である。水不溶性ポリマーは、分散液として調製してよく(例、エマルジョン重合化により)、好適な乳化剤で安定化してよい。1つの有用なPVAcエマルジョンは、例えば、KOLLICOAT(登録商標)SR 30D[2.7重量パーセントのPVPと0.3%ラウリル硫酸ナトリウムで安定化した、PVAcの30重量%水分散液]である。アクリル酸共重合体分散液の例は、BASFより入手可能な、約800,000の平均分子量と報告されている、KOLLICOAT(登録商標)EMM30D[アクリル酸エチル:メタクリル酸メチル共重合体の30重量%水分散液(アクリル酸エチルのメタクリル酸メチルに対する重量比は、ほぼ2対1である)]である。
【0047】
[0047] 他の有用なポリマー又は水溶性充填剤には、限定なしに:アルギン酸ナトリウム、カラゲナン、キサンタンゴム、アカシアゴム、アラビアゴム、グアーゴム、プルラン(pullulan)、寒天、キチン、キトサン、ペクチン、カラヤゴム、ゼイン、ホルデイン、グリアジン、イナゴマメ(locust bean)ゴム、トラガカント、及び他の多糖のような天然ゴム;マルトデキストリン、アミロース、高アミロースデンプン、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、コメデンプン、タピオカデンプン、マメデンプン、サツマイモデンプン、大麦デンプン、小麦デンプン、モチデンプン、改良デンプン(例、ヒドロキシプロピル化した高アミロースデンプン)、デキストリン、レバン、エルシナン、及びグルテンのようなデンプン;並びに、コラーゲン、乳清タンパク単離物、カゼイン、ケラチン、乳タンパク質、大豆タンパク質、及びゼラチンのようなタンパク質が含まれる。フィルムには、改良デンプン、アルギン酸エステル、アルギン酸塩の二価又は多価イオン塩のような分散可能又は膨潤可能な充填剤をさらに含めてよい。
【0048】
[0048] 水系組成物へ向けられる態様において、水溶性ポリマーと水不溶性及び/又は一部水溶性ポリマーのフィルム中の相対量は、フィルムが水系組成物における保存で安定であるが、組成物の使用の間には崩壊するといったものであってよい。様々な態様において、フィルムには、フィルムの約0.1〜約90%、約1〜約80%、約5〜約70%、約9〜約50%、又は約10〜約40%(重量)の量の水溶性ポリマーを含めてよい。この水溶性ポリマー(複数)に加えて、又はその代わりに、フィルムには、一部水不溶性又は水膨潤性のポリマーをフィルムの約0.1〜約50重量%(又は、他の態様では約1〜約10%)の量で含めてよい。様々な態様において、親水性フィルムを水系の担体環境に安定化させる方法は、フィルム中に、製品担体中に保存されている間は安定性について均衡しているが、使用時には崩壊してその中に含まれる第二研磨剤を活性化する、水溶性及び水不溶性の材料を使用する。
【0049】
[0049] ある態様では、標的表面へ付着し得るフィルムに(又は、任意選択的に担体に)オイルが含まれる。適正な屈折率を保有するように選択するとき、オイルは、光らせた表面より反射される光の強度をさらに強めることにより、つや/光沢の知覚を高める。フィルムには、限定なしに:界面活性剤、乳化剤、可塑剤(鉱油、グリセロール、及びプロピレングリコールのような)、粘土、不活性デンプン粒子、セルロース、又は他の充填剤、ワックス、テクスチャー改善剤(texture modifiers,冷水膨潤性、物性修飾、及びゼラチン化デンプンのような)、及び着色料のような他の任意選択の材料を含めることができる。
【0050】
[0050] ある態様において、フィルムは、慣用の押出し又は溶液流延の方法を使用して製造することができる。例えば、フィルムを溶媒流延により製造するには、フィルム形成ポリマーを、そのポリマーと適合性がある溶媒の十分な量に溶かすか又は溶解させる。典型的に好適な溶媒の例には、水、アルコール、アセトン、酢酸エチル、又はこれらの混合物が含まれる。溶液を生成した後で、可塑剤を撹拌しながら加えて、必要ならば熱をかけて、澄明で均質な溶液が生成するまで、溶解を助けてよく、研磨剤や、増嵩剤、可塑剤、界面活性剤、芳香剤、及び/又は甘味剤のような追加成分の添加を続ける。この溶液を好適な担体基質材料上へコートし、乾燥させて、フィルムを形成することができる。ある態様において、基質は、ポリマー溶液が浸漬して、許されないほどに強い結合を2つの基質間に形成することなく、企図される基質の広さにわたって均等に広がることを可能にする表面張力を有する。好適な担体基質材料の例には、ガラス、ステンレス鋼、TEFLON(登録商標)(デュポン、デラウェア州ウィルミントン、アメリカ)として市販されているPTFE、ポリエチレン含浸クラフト(Kraft)紙、又はポリエステルプラスチックライナー(plastic liners)が含まれる。
【0051】
[0051] フィルムの乾燥は、乾燥オーブン、乾燥胴、真空乾燥機、又は、フィルムの有効成分(複数)又は芳香に悪影響を及ぼさない、他の好適な乾燥機器を使用して、中等度〜高い温度の空気浴において行うことができる。乾燥の間、フィルムは、予め決められたフィルムの軸に沿って吹く一方向の空気により研磨剤粒子がフィルム内部で望まれる配置(alignment)を有するように整列させるような、選好的な引き伸ばしや他の配置方法を受けることができる。乾燥フィルムを最終形態の断片又は形状へ成型することは、単純なブレード切断、回転又はパンチプレス鋳型により可能である。任意選択的に、担体基質は、その中で形成される型を有してよく、スラリーは、その型により規定される予め決定された形状となるようにその型において乾燥させてよい。
【0052】
[0052] いくつかの態様では、実質的に軸方向(axial)の研磨剤粒子の配置をフィルム内部に創出する。軸方向の配置は、研磨剤/フィルムマトリックスが異方性の配向を有するような、フィルムの少なくとも1つの軸に沿った研磨剤粒子の配置を意味する。このように、フィルム中の第二研磨剤は、フィルム内部に実質的に軸方向の配置を有してよく、このことは、複数の個別粒子のそれぞれが実質的に同じ軸方向の配向をフィルム中に有することを意味する。多くの研磨剤粒子が不規則な形状を有するので、研磨剤のフィルム内での配置は、より平坦な配向をもたらす可能性がある。従って、整列された研磨剤を含んでなるフィルムは、(フィルムの非存在時には)担体全体に分散する、主に球状、及び/又は不規則形状の粒子と比較して、より大きな表面積の曝露を提供することができる。故に、研磨剤がフィルム中で実質的に軸方向の配置であることは、口腔表面と研磨剤のさらにより多く曝露と、より大きな接触を可能にし得て、光沢化及び/又は清浄化の性能を高める。
【0053】
[0053] 上記に収載した担体を形成するために使用し得る慣用の成分は、当業者に知られている。担体は、液体、半固体、又は固体の相であり得る。組成物が口腔用ケア又はパーソナルケアの組成物であるとき、それらは、口腔用に、又は皮膚用に(即ち、美容用に)許容される担体又は賦形剤で提供してよい。口腔用ケア組成物は、歯磨き剤(練り歯磨き、歯磨き粉、予防用ペーストが含まれる)、菓子類(ガム、ビーズ、及び噛み菓子が含まれる)、フィルム、上塗り(paint-on)ゲル剤、業務用光沢製剤の形態で、又は研磨剤を利用する、当業者に知られた他のあらゆる形態であり得る。パーソナルケア用組成物には、石鹸、バスゲル、ボディウォッシュ、シャンプー、垢取りブラシ(exfoliating scrubs)、ローション、ネイルケア製品、等が含まれる。ホームケア(home care)用組成物には、パウダー、ペースト、洗剤、及びクレンザーが含まれる。具体的な担体成分の選択は、組成物の望まれる製品形態と企図される使用に依存する。担体は、水系でよく、この場合、担体は、様々な態様において、約5%〜約95%の水分、約10%〜約80%の水分、又は約20〜約70%の水分を含んでよい。他の態様において、担体は、実質的に非水系であってよい。
【0054】
[0054] いくつかの態様において、フィルムは、機能材料をさらに含む。本明細書に言及するように、「機能材料」は、組成物において望ましい有用性を有する材料である。様々な態様において、そのような有用性には、清浄、保護、治療、美容、美観、装飾、及び感覚、又はこれらの組合せ(の有用性)を含めてよい。機能材料は、組成物を使用すべき用途に依存する。口腔用ケア活性材料の機能材料の例には、例えば、抗菌活性剤、抗歯石剤、抗虫歯剤、抗炎症剤、抗過敏剤、酵素、栄養素、等のような口腔用ケア有効成分が含まれる。パーソナルケア機能材料の例には、例えば、界面活性剤、コンディショニング剤、保湿剤及び軟化剤、酵素、他のタンパク質、ビタミン剤、等が含まれる。家事用ケア機能材料の例には、例えば、洗剤、界面活性剤、洗剤ビルダー、及びコンディショニング剤、等が含まれる。
【0055】
[0055 組成物の担体には、例えば、界面活性剤(表面活性剤、乳化剤、及び発泡調節剤のような)、粘度調整剤及び濃化剤、湿潤剤、希釈剤、充填剤、追加のpH調整剤、着色剤、保存剤、溶媒、及びこれらの組合せが含まれる、追加の材料を含めてもよい。どの所与の材料も、材料の1より多いカテゴリーの内部で多数の目的に役立つ場合がある。
【0056】
[0056] 好適な界面活性剤は、広いpH範囲全体で適度に安定しているものである。これらの化合物は当該技術分野で知られていて、非石鹸アニオン性(例、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、N−ミリストイル、及びN−パルミトイルサルコシン)、非イオン性(例、Polysorbate 20(ポリオキシエチレン20ソルビタンモノオレエート、TWEEN(登録商標)20)及びPolysorbate 80(ポリオキシエチレン80ソルビタンモノオレエート、TWEEN(登録商標)80)、Poloxamer 407[商標名PLURONIC(登録商標)F127でBASF(ニュージャージー州フローラムパーク、アメリカ)より入手可能])、カチオン性、両性イオン性(例、コカミドプロピルベタイン及びラウラミドプロピルベタイン)、及び両性(amphoteric)の有機合成洗剤が含まれる。
【0057】
[0057] 歯磨き剤へ向けられる態様において、例示の担体は、実質的に半固体又は固体である。歯磨き剤は、典型的には、界面活性剤、湿潤剤、粘度調整剤及び/又は濃化剤、研磨剤、溶媒(水のような)、芳香剤、及び甘味剤を含有する。口腔用組成物には、例えば、軟化剤、保湿剤、マウスフィール剤、等が含まれる他の材料を含めてもよい。口腔用組成物に適した担体の例が、Boyd et al. への米国特許第6,669,929号、Gebreselassie et al. への6,379,654号、及び Nabi et al. への4,894,220号に考察されている。
【0058】
[0058] 口腔用組成物が菓子類の形態である態様において、例示の担体は、実質的に固体又は半固体である。菓子類の担体は、当該技術分野でよく知られている。好ましい菓子類には、チューインガム基剤、1以上の可塑剤、甘味剤、及び芳香剤を一般に有するチューインガム担体が含まれる。好適な菓子担体の例は、いずれも Chow et al. への米国特許第5,833,954号及び5,933,786号と Stier et al. への米国特許第6,770,264号に見出され、これらは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0059】
[0059] 口腔用組成物が口腔で消費可能なフィルムの形態である、ある態様では、第二研磨剤を含有するフィルムが第一研磨剤を含有するフィルム担体に分散する。好ましいフィルム担体には、当業者に知られているような、溶解可能なフィルム又は除去可能なバッキングを有するフィルムが含まれる。好適なフィルムの例は、Schiraldi et al. への米国特許第4,713,243号、いずれも Xu et al. への米国特許第6,419,903、6,419,906、及び6,514,483号と、Moro et al. への米国特許公開公報番号2004/0062724に見出すことができる。フィルム担体は、選択されるポリマーに基づいて、予め決定される治療期間に対応する溶解速度を有するように設計することができる。フィルム担体の溶解速度は、第二研磨剤を含んでなるフィルムより速い速度で崩壊又は溶解して、それにより担体フィルム中の第一研磨剤と第二研磨剤を含んでなるフィルムの制御放出を可能にするように設計してよい。フィルムは、第二研磨剤を含んでなるフィルムの文脈において上記に記載した同じフィルム形成材料より形成してよい。
【0060】
[0060] 様々な態様において、フィルムは、上記に記載のような、フィルム組成物の溶解速度を改変するための親水性フィルム形成ポリマーと混合するか、又は除去可能な支持層として、疎水性フィルム形成ポリマーを含んでもよい。好適な疎水性フィルム形成ポリマーの例には、ポリメチルメタクリレートとその共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルアルコール、ポリエステル、エチルセルロース、プロピルセルロース、イソプロピルセルロース、ブチルセルロース、t−ブチルセルロース、酢酸セルロース、及び、例えば、ポリビニルアセテートのようなポリビニルアルコールの誘導体、又はシリコーンポリマーが含まれる。
【0061】
[0061] フィルム担体には、フィルムの文脈においてすでに記載した追加の成分(界面活性剤、乳化剤、可塑剤、充填剤、ワックス、テクスチャー改善剤、芳香剤及び/又は甘味剤、及び/又は着色剤が含まれる)を含めてよい。
【0062】
[0062] 担体フィルムは、押出し又は溶液流延のようなどの慣用のフィルム形成法により作製してもよい。ある態様では、溶液流延の後か又は押出しに先立って、第二研磨剤を含んでなるフィルムをフィルム中へ混合する。担体フィルムの厚さは、フィルム断片がフィルム内部に含まれて、フィルム全体に分布するように、第二研磨剤を含んでなるフィルムより大きくてよい。例えば、厚さは、約0.5ミル〜約20ミルであってよく、より広い範囲の厚さが実現可能である。
【0063】
[0063] ある態様において、組成物は、担体が非水系である、上塗りの口腔用又は爪用組成物の形態である。上塗り担体は、流動可能な粘稠の非水系液体懸濁液であり、歯又は爪のような表面へソフトアプリケーターでの手動適用により塗布する。様々な態様において、上塗り口腔用組成物は、液体であり親水性である、ポリアルキレングリコールポリマー[例えば、酸化エチレンの非イオン性ポリマー、又は酸化エチレン及び酸化プロピレンの非イオン性ブロック共重合体(例えば、ポロキサマー共重合体)]のような接着亢進性のフィルム形成ポリマー剤を含む。上塗り担体は、溶媒、可塑剤、増嵩剤、充填剤、又は粘度調整剤を含んでもよい。好適な上塗り担体については、Santarpia et al. への米国特許第6,770,266号と Hoic et al. への6,669,930号に考察されている。
【0064】
[0064] パーソナルケア製品の担体は、先に考察したように、多種多様な形態であり得る。例えば、担体はエマルジョンであり得て、例えば、水中油型、油中水型、水中油中水型、及び、シリコーン中水中油型のエマルジョンが含まれる。これらは、広範囲の粘度、例えば、約100cps〜約200,000cpsをカバーし得る。他の好適な担体には、オイル(例、植物油及び鉱物油)、アルコール(例、エタノール、イソプロパノール)、及びシリコーン(例、ジメチコン、シクロメチコン)のような無水液体溶媒;水系ベースの単相液体溶媒(例、ヒドロ−アルコール性溶媒系):及び、これらの無水溶媒と水系ベースの単相溶媒の濃化バージョン(例えば、適正なゴム、樹脂、ワックス、ポリマー、塩、等の追加によって溶媒の粘度が増加して、固体又は半固体を形成する場合)が含まれる。上記に考察したように、パーソナルケア用組成物の担体は、軟化剤、保湿剤、又はコンディショニング剤を含んでよく、これらは、担体の溶媒の一部を形成する場合もある。石鹸、ゲル、ボディウォッシュ、等は、界面活性剤の洗剤(複数)を含有してよい。そのような担体の例は、Simon et al. への米国特許第5,480,633号に考察されている。
【0065】
[0065] ホームケア又は家事用の清浄組成物の担体は、界面活性洗剤、硫酸塩(例、硫酸ナトリウム)、リン酸塩(例、リン酸三ナトリウム、リン酸二ナトリウム)、複合リン酸塩(例、ピロリン酸四ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、四リン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム)、ケイ酸塩(例、ケイ酸ナトリウム、コロイド状ケイ酸塩)、炭酸塩(例、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム)、漂白化合物(例、次亜塩素酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウム、過炭酸ナトリウム)、及び任意選択のアクチベータのような洗剤材料、pH緩衝化剤、酵素、コンディショニング剤、希釈剤、等を含んでよい。例示のクレンザーは、Hokkirigawa et al. への米国特許第6,670,318号、Thomas et al.への5,294,364号、Denis et al.への4,869,842号、Lancz への3,965,026号に記載され、これらのいずれもその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0066】
[0066] 本発明を以下の非限定的な実施例によりさらに例示する。
実施例1
[0067] 以下の表1に収載する成分を使用して、高清浄研磨剤を含んでなるフィルムを製造する。
【0067】
表1
【0068】
【表1】

【0069】
[0068] フィルムを水溶液(ここで固形物の量は、約5%〜約60%の範囲で変動し得る)より成型する。表1において、固形物の量は、約20%〜約35%である。具体的に、表1の例では、約70〜約75%の水分を含有するスラリーよりフィルムを成型する。このフィルムを除去可能なポリエチレンコートした巻き取り紙(paper web)上へ湿式成型して、80℃に設定した真空オーブンにおいて10分間乾燥させる。研磨剤を含んでなるフィルムをこのように入手して、さらに加工処理する、及び/又は担体中へ加えることができる。
【0070】
実施例2
[0069] 以下の表2に収載する成分を使用して、光沢研磨剤を含んでなるフィルムを製造する。
【0071】
表2
【0072】
【表2】

【0073】
実施例3
[0070] 上記の実施例2により作製したフィルムを口腔用組成物、即ち、以下の表3に収載する成分のある歯磨き剤の担体へ加える。
【0074】
表3
【0075】
【表3】

【0076】
[0071] 表3の歯磨き剤の製剤は、水溶性の塩と化合物、サッカリンナトリウム、フッ化ナトリウム、及びピロリン酸四ナトリウムを慣用の混合機において撹拌下に分散させることによって製造する。湿潤剤(複数)、例えば、ソルビトールを慣用の混合機において撹拌下で水に分散させる。ナトリウムカルボキシメチルセルロースのような有機濃化剤を加える。この混合物を、均質のゲル相が形成されるまで撹拌する。このゲル相へFD&C Blue #1色素と、pHを約7未満へ調整するのに求められる酸及び/又は塩基を加える。
【0077】
[0072] 次いで、この混合物を高速真空混合機へ移し、ここでカチオン性の適合可能な無機粒子研磨剤、及び/又は濃化剤(ZEODENT(登録商標)115及び165のような)を加える。この混合物を約20〜約50mmHg、好ましくは約30mmHgの真空下に高速で5〜30分間混合する。フレーバーオイルを秤量してから、この混合物へ加える。最後に、安定化界面活性系の界面活性剤(PEG−12及びコカミドプロピルベタイン、即ち、CAPベタイン)と、実施例2に従って製造したフィルムをこの混合物へ加えて、さらに10分間混合する。生じる生成物は均質な半固体であり、押出し成型可能なペースト又はゲル生成物である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一研磨剤;
第二研磨剤を含んでなるフィルム;及び
担体を含んでなる口腔用組成物。
【請求項2】
第一研磨剤が、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、及びリン酸二カルシウムより選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
第二研磨剤が、シリカ、シリコン、ケイ酸塩、アルミノケイ酸塩、ベントナイト、ゼオライト、カオリン、雲母、アルミナ、炭酸カルシウム、イカの骨、オルトリン酸塩、ポリメタリン酸塩、ピロリン酸塩、リン酸水素カルシウム、ピロリン酸カルシウム、リン酸三カルシウム、メタリン酸カルシウム、メタリン酸カリウム、メタリン酸ナトリウム、オルトリン酸二カルシウム、リン酸二カルシウム二水和物、珪質土又は珪藻土、軽石、樹脂、メラミン、フェノール樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、ポリカーボネート、ボロンカーバイド、シリコンカーバイド、微結晶性ワックス、微結晶性セルロース、及びこれらの誘導体より選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
第二研磨剤がフィルムの約5重量%〜約40重量%の量で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
第二研磨剤を含んでなる(compromising)フィルムがその約0.01重量%〜約50重量%の量で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
第一研磨剤がその約1重量%〜約70重量%の量で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
第一研磨剤が清浄研磨剤であり、第二研磨剤が光沢研磨剤である、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
第一研磨剤が約5μm〜約15μmの粒径を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
第二研磨剤が約0.5μm〜約5μmの粒径を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
第一研磨剤が標的表面の硬度以下の硬度を有して、第二研磨剤が標的表面の硬度以上の硬度を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
第一研磨剤が第一粒径を有して第二研磨剤が第二粒径を有し、ここで第一粒径は第二粒径より大きい、請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
第一研磨剤が約1より大きいモース硬度を有して、第二研磨剤が約4より大きいモース硬度を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
フィルムが水溶性である、請求項1に記載の組成物。
【請求項14】
第二研磨剤が、実質的に軸方向の配置を有する複数の粒子をフィルム内に含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項15】
フィルムが、約0.1ミル〜約10ミルの厚さと少なくとも約0.2mmの長さを独立して有する複数の断片を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項16】
フィルムが、水溶性ポリマー、水分散性ポリマー、及び水不溶性ポリマーより選択されるポリマーを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項17】
ポリマーが、セルロースエーテル、アクリレート、メタクリレート、ポリビニルアルコール、ポリアルキレンオキシド、ポリビニルピロリドン、これらの誘導体、共重合体、及び混合物より選択される、請求項16に記載の組成物。
【請求項18】
担体が、口腔用ケア有効成分、界面活性剤、粘度調整剤、濃化剤、湿潤剤、希釈剤、pH調整剤、軟化剤(emollients)、保湿剤(moisturizers)、マウスフィール剤、甘味剤、芳香剤、溶媒、水、着色剤、又は保存剤より選択される1以上の成分を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項19】
標的表面を清浄化又は光沢化する方法であって:
第一研磨剤、第二研磨剤を含んでなるフィルム、及び担体を含んでなる組成物と該表面を接触させること;
フィルムの少なくとも一部を崩壊させて第二研磨剤を曝露させること;及び
第二研磨剤と該表面を接触させることを含んでなる、前記方法。
【請求項20】
第一研磨剤と表面を接触させることが表面を清浄化して、第二研磨剤と表面を接触させることが表面を光沢化する、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
第一研磨剤を接触させることと第二研磨剤を接触させることが同時に起こる、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
第一研磨剤を接触させることが第一持続時間の間に起こって、第二研磨剤を接触させることが第二持続時間の間に起こり、ここで第二持続時間は、第一持続時間の開始に続いて始まる、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
崩壊させることが、唾液又は機械力への曝露を介してフィルムを壊すことの少なくとも1つを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項24】
第一研磨剤及び第二研磨剤を含んでなる組成物で標的表面を清浄化又は光沢化する方法であって、
該表面と第一研磨剤を接触させること;及び
引き続いて、該表面と第二研磨剤を接触させることを含んでなる、前記方法。
【請求項25】
第二研磨剤が、第二研磨剤を含んでなるフィルム、被包化された第二研磨剤、及び塊状の第二研磨剤より選択される形態にある、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
第二研磨剤がフィルム中に存在する、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
フィルムが崩壊して、第二研磨剤の少なくとも一部を後続の接触させることに先立って曝露する、請求項24に記載の方法。
【請求項28】
第一研磨剤と表面を接触させることが表面を清浄化して、第二研磨剤と表面を後に接触させることが表面を光沢化する、請求項24に記載の方法。
【請求項29】
表面が、口腔表面、皮膚表面、ケラチン表面、又はホームケア(home care)表面より選択される、請求項24に記載の方法。
【請求項30】
口腔表面を清浄化又は光沢化する方法であって:
口腔中への光沢研磨剤を含んでなるフィルムを含む口腔用組成物を口腔へ導入すること;及び
口腔表面及び唾液と該フィルムを接触させることを含んでなり、ここで、その接触の間にフィルムは複数の連続的に小さくなるフィルム断片へ崩壊して、ここで口腔表面とフィルムを接触させることは、口腔表面を光沢化する、前記方法。
【請求項31】
光沢研磨剤が、約0.5μm〜約5μmの粒径、約4〜約8のモース硬度、約250未満の放射活性象牙質損耗値、及び約90cm/100g未満のオイル吸収度を有する、請求項30に記載の組成物。
【請求項32】
研磨剤が、研磨剤の口腔表面への表面曝露を高めるために、実質的に軸方向の配置を有する複数の粒子をフィルム内に含み、それにより口腔表面の光沢化を高める、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
フィルムが、約0.1ミル〜約10ミルの厚さと少なくとも約0.2mmの長さを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項34】
フィルムが実質的に薄板状(lamellar)である、請求項30に記載の方法。
【請求項35】
標的表面を清浄化及び/又は光沢化するための組成物であって:
清浄研磨剤及び光沢研磨剤を含んでなる担体を含んでなり、ここで光沢研磨剤は、該表面又は溶媒への曝露に続く光沢化のために活性化される、前記組成物。
【請求項36】
光沢研磨剤を含んでなるフィルム、被包化された光沢研磨剤、及び塊状の光沢研磨剤より選択される形態における、請求項35に記載の組成物。
【請求項37】
崩壊して光沢研磨剤の少なくとも一部を曝露するフィルムの少なくとも一部により光沢研磨剤が活性化される、光沢研磨剤を含んでなるフィルムの形態の、請求項36に記載の組成物。
【請求項38】
口腔用組成物、パーソナルケア用組成物、又はホームケア用組成物より選択される形態である、請求項35に記載の組成物。
【請求項39】
清浄研磨剤が、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、又はリン酸二カルシウムより選択される、請求項35に記載の組成物。
【請求項40】
光沢研磨剤が、シリカ、シリコン、ケイ酸塩、アルミノケイ酸塩、ベントナイト、ゼオライト、カオリン、雲母、アルミナ、炭酸カルシウム、イカの骨、オルトリン酸塩、ポリメタリン酸塩、ピロリン酸塩、リン酸水素カルシウム、ピロリン酸カルシウム、リン酸三カルシウム、メタリン酸カルシウム、メタリン酸カリウム、メタリン酸ナトリウム、オルトリン酸二カルシウム、リン酸二カルシウム二水和物、珪質土又は珪藻土、軽石、樹脂、メラミン、フェノール樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、ポリカーボネート、ボロンカーバイド、シリコンカーバイド、微結晶性ワックス、微結晶性セルロース、及びこれらの誘導体より選択される、請求項35に記載の組成物。
【請求項41】
表面の曝露に先立って、光沢剤が、被包化物、塊状の形態、又はフィルムに含まれる形態で担体において提供される、請求項35に記載の組成物。
【請求項42】
第二研磨剤がフィルムの約3重量%〜約25重量%の量で存在する、請求項1に記載の組成物。

【公表番号】特表2009−521500(P2009−521500A)
【公表日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−547749(P2008−547749)
【出願日】平成18年12月20日(2006.12.20)
【国際出願番号】PCT/US2006/062403
【国際公開番号】WO2007/076396
【国際公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【出願人】(590002611)コルゲート・パーモリブ・カンパニー (147)
【氏名又は名称原語表記】COLGATE−PALMOLIVE COMPANY
【Fターム(参考)】