説明

減圧弁型パイロット弁

【課題】 油圧室の作用による操作レバーの油圧反力の低減機能を損なうことなく、操作レバーのフルストローク操作時に、スプールを迅速に定常状態に復帰させる。
【解決手段】 操作レバー1が急激に操作されて、スプール11が圧力設定用ばね15の作用によって、そのストローク端位置を超えてオーバーランしたときに、このスプール11に形成した連通路25を介して油圧室18が出力ポート21に連通しないようにするために、スプール11が移動したときに、弁室10のランド部10aにより覆われるノッチ30内に連通路25を開口させている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば建設機械に設けられ、操作レバー等の操作手段に連動して油圧アクチュエータの作動を制御するコントロールバルブの切換操作を行なうための減圧弁型パイロット弁に関するものである。
【背景技術】
【0002】
建設機械として、例えば油圧ショベルには、油圧シリンダや油圧モータといった油圧アクチュエータが設けられており、これらの油圧アクチュエータによって、掘削作業手段を作動させたり、旋回及び走行を行なわせたりする。これら油圧アクチュエータの作動制御はコントロールバルブにより行なわれるが、コントロールバルブを油圧パイロット方式となし、その油圧パイロット部にパイロット圧を作用させることによりコントロールバルブを切り換えるようにしている。このために、操作レバー等の操作手段により操作される減圧弁型パイロット弁を設けて、このパイロット弁からコントロールバルブを切り換えるための油圧信号を供給するように構成している。
【0003】
この減圧弁型パイロット弁の構成としては、例えば特許文献1に記載されているものが従来から用いられている。そこで、図1に従来技術による減圧弁型パイロット弁の構成を示す。図中において、1は操作レバー、2はケーシングを示す。操作レバー1は、ケーシング2に対して自在継手3によって図中の矢印方向に傾動可能に連結されている。ケーシング2は、図中において、その上部側が切換作動部2a、下部側が弁部2bとなっており、操作レバー1を図中において、R方向またはL方向に傾動させることによって、コントロールバルブ4の両端に設けた油圧パイロット部4aまたは4bにパイロット圧を供給して、このコントロールバルブ4の切り換えが行なわれることになる。
【0004】
操作レバー1にはカム5が連結して設けられており、またケーシング2の切換作動部2aには、一対のプッシャ6,6が設けられており、これらのプッシャ6はケーシング2の表面から所定量突出している。そして、操作レバー1を操作すると、いずれかのプッシャ6がケーシング2内に押し込まれるようになっており、プッシャ6の押し込み量に応じたパイロット圧がコントロールバルブ4に供給されるようになっている。
【0005】
プッシャ6は、弁部2bに設けられ、弁室10内に摺動可能に設けたスプール11を駆動するものであり、スプール11には作動ロッド12が連設されている。この作動ロッド12はケーシング2内において、弁部2bから切換作動部2aに延在されており、作動ロッド12の先端近傍位置にはストッパ13が装着されている。ストッパ13にはばね受け14が当接しており、このばね受け14には圧力設定用ばね15と復帰ばね16とが作用している。そして、圧力設定用ばね15の他端は作動ロッド12に装着したばね受け17と当接し、また復帰ばね16の他端はケーシング2の切換作動部2aを構成する壁面に当接している。
【0006】
弁室10には、スプール11の軸線方向に向けて3箇所のランド部10a,10b及び10cが形成されており、スプール11と、弁室10におけるこれらのランド10a,10b,10cとによって、弁室10は上部側から油圧室18,タンクポート19,ポンプポート20に区画形成されており、また弁室10の図中における下端部は出力ポート21となっている。そして、スプール11の外周部に円環状凹部11aが形成されており、この円環状凹部11aには出力ポート21をタンクポート19またはポンプポート20と連通するように切り換える切換流路22が開口している。この切換流路22は、常時においては、出力ポート21をタンクポート19と連通させており、スプール11を弁室10に沿って図中下方に摺動変位させると、出力ポート21はタンクポート19との連通が遮断され、ポンプポート20と連通する状態に切り換わることになる。そして、スプール11における円環状凹部11aを形成した部位の上下に位置する大径部分には流路絞り部23,24が形成されている。
【0007】
操作レバー1は、常時においては、両プッシャ6に作用する復帰ばね16により鉛直状態に保持されており、操作レバー1のこの位置が中立位置であり、図中における左右両側に位置するパイロット弁の出力ポート21は共にタンクポート19と連通し、コントロールバルブ4の両側の油圧パイロット部4a,4bにはパイロット圧が供給されない。従って、コントロールバルブ4は中立位置に保持される。
【0008】
この状態から、図1に仮想線で示したように、操作レバー1を図中の左方向に傾動させたとする。その結果、操作レバー1に装着したカム5により図中左側のプッシャ6が復帰ばね16に抗してケーシング2内に押し込まれ、これと共にばね受け14が下降することになる。ばね受け14が下降すると、このばね受け14とスプール11に連設した作動ロッド12に設けたばね受け17との間で圧力設定用ばね15が圧縮される。これによりスプール11に図中下方に向けて撓められることになる。このときのばね力によって、スプール11が下方に変位して、出力ポート21はタンクポート19と完全に連通する状態から、流路絞り部23,24によりタンクポート19及びポンプポート20と連通する状態に切り換わって、出力ポート21内に圧力が生じることになり、これによってコントロールバルブ4のいずれかの油圧パイロット部4aまたは4bにパイロット圧が供給されて、このコントロールバルブ4が切り換わって、油圧アクチュエータを作動させることができる。そして、スプール11の連通路25がタンクポート19と完全に遮断され、ポンプポート20とだけ連通する状態がそのストローク端位置である。一方、図中右側では、プッシャ6は静止状態に保持されるので、右側のパイロット弁は切り換わらない。
【0009】
ここで、出力ポート21がポンプポート20に接続されると、この出力ポート21内に圧力が生じ、この圧力でスプール11を押し上げる方向に作用する。従って、スプール11は、出力ポート21内の圧力と、圧力設定用ばね15の撓みによるばね力とのバランスが取れた位置に保持されることになる。即ち、操作レバー1の操作による圧力設定用ばね15の撓みに応じて減圧された圧力が出力ポート21からコントロールバルブ4に供給されることになる。
【0010】
ここで、操作レバー1の操作時に、この操作レバー1に作用する反力は、復帰ばね16の圧縮によるものと、スプール11に作用する出力ポート21内の圧力とである。油圧室18を設けたのは、この操作反力を軽減させるためであり、スプール11には、出力ポート21を油圧室18に連通させる絞り流路としての連通路25が穿設されている。その結果、スプール11の油圧室18に臨む受圧面積分がスプール11を押し下げる方向に作用する。従って、操作レバー1に作用する油圧反力は、出力ポート21に臨む全受圧面積と、油圧室18に臨む受圧面積との差分に縮減されることになり、もって操作レバー1を軽い操作力で円滑に操作できる。
【特許文献1】特開2001−304434号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところで、前述した従来技術において、操作レバーを急激にフルストローク操作したときには、圧力設定用ばねの作用によってスプールが弁室内を摺動するが、このときにはスプールは最大圧力が出力される位置、つまり本来のストローク端位置をオーバーランして移動することになる。その理由は、ポンプポートに接続した油圧配管内を流れる作動油の流動抵抗や、作動油の弾性、弁室の容積等に起因して、出力ポートにポンプ圧が作用するのが立ち遅れる結果、スプールには圧力設定用ばねの撓みにより生じるばね力による押し下げ方向の力がそれに対向する方向の油圧力より大きくなるためである。そして、出力ポート内の圧力が上昇すると、圧力設定用ばねに抗してスプールが押し上げられるが、この時の慣性力によって、スプールが過剰に押し上げられることになる。その結果、圧力設定用ばねのばね力が勝ることになるので、再度スプールが押し下げられ、この動作が繰り返されて、スプールはある程度の時間が経過した後に、定常状態に至ることになる。
【0012】
ここで、圧力設定用ばねのばね力でスプールがオーバーランした後、出力ポート内の圧力上昇によりスプールを押し上げる際において、油圧室内に導かれた圧力がこのスプールの押し上げ方向とは反対方向に作用することになる。その結果、圧力設定用ばねのばね力に対向してスプールを押し上げる力が小さくなるので、操作レバーの操作時からスプールが定常状態になるまでの時間が長くなるという不都合が生じる。
【0013】
本発明は以上の点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、油圧室の作用による操作レバーの油圧反力の低減機能を損なうことなく、操作レバーのフルストローク操作時に、スプールを迅速に定常状態に復帰させるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前述した目的を達成するために、本発明は、ポンプポート及びタンクポートと、出力ポートとが形成された弁部を有するケーシングと、この弁部内に摺動可能に設けられ、前記出力ポートを前記タンクポートと前記ポンプポートとのいずれかに連通するように切り換えるスプールと、このスプールの切り換えを行なうために、プッシャと、このプッシャにより圧縮される圧力設定ばねとからなる切換作動手段とを備え、前記スプールには前記出力ポート内の圧力を作用させて、この圧力と前記圧力設定ばねの圧縮時のばね力とのバランスが取れる位置にまで前記スプールを変位させるようになし、さらに前記ケーシングに油圧室を設けて、この油圧室を介して前記出力ポートと連通させる絞り流路を前記スプールに形成した減圧弁型パイロット弁であって、前記スプールには、前記切換作動手段により前記スプールが前記出力ポートを前記ポンプポートと連通する方向へのストローク端位置までは前記油圧室を前記絞り流路と連通させ、前記スプールがこのストローク端位置をオーバーランしたときには、前記絞り流路と前記油圧室との連通を遮断する流路開閉部を設ける構成としたことをその特徴とするものである。
【0015】
減圧弁型パイロット弁においては、スプールは、出力ポートがタンクポートと連通する状態を一方のストローク端位置とし、出力ポートがタンクポートと遮断され、かつポンプポートと完全に連通する状態を他方のストローク端位置として設定し、圧力設定用ばねのばね力と、ポンプポートからの圧力が出力ポートに導かれたときに、この圧力設定用ばねとバランスする位置がそのストローク端位置となる。従って、スプールはこのストローク端位置に規制されれば良いのであるが、スプールの保護、作動の円滑性確保、加工の容易性等の理由で、スプールはストローク端位置をオーバーランすることを許容している。このために、圧力設定用ばねが圧縮されたときにおいて、出力ポートに所定の圧力が作用していないときには、スプールはストローク端位置をオーバーランすることになる。
【0016】
そこで、スプールがオーバーランしたときにだけ絞り流路と油圧室との連通を遮断するようになし、ストローク端位置、つまりそれ以上スプールが移動しても、出力ポート内の圧力がそれより高くならない位置になったときにおいても、流路開閉部は絞り流路を油圧室と連通状態に確保されるようになし、スプールのオーバーラン時にこの連通を遮断するように設定されている。この流路開閉部はスプールの絞り流路を設けた位置を含むように形成したノッチにより構成することができる。そして、スプールがストローク端位置にあるときに、ノッチの油圧室への開口面積は、絞り流路の流路面積と同じか、それより大きくなるように設定する。
【発明の効果】
【0017】
以上によって、操作レバーを急激にフルストロークまで操作しても、スプールは迅速に定常状態に移行することになり、スプールの動作の安定性を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態について説明する。図2は減圧弁型パイロット弁の構成を示す。この減圧弁型パイロット弁の基本的な構成及びその作動については、図1に示した従来技術のものと格別の差異はないので、同一または均等な構成については同一の符号を付して、その説明を省略する。なお、図2においては、コントロールバルブの図示を省略している。
【0019】
本発明における減圧弁型パイロット弁は、操作レバー1により切り換えられるものであって、この操作レバー1を傾動操作することによって、弁室10内でスプール11を摺動させ、出力ポート21をタンクポート19と連通する状態から、ポンプポート20に接続する状態に切り換えられるようになる。これによりコントロールバルブ4の油圧パイロット部4a,4bのいずれかにパイロット圧が供給される。そして、このコントロールバルブ4には、スプール11に作用する出力ポート21内の圧力と操作レバー1の操作による圧力設定用ばね15の撓みとがバランスするように減圧されたパイロット圧が供給される。また、この操作時に操作レバー1に作用する反力は、復帰ばね16の圧縮に基づくばね力と、スプール11に作用する出力ポート21内の圧力であるが、その全受圧面積から油圧室18内に臨む受圧面積との差分に減殺されるようになっている。以上の点については、前述した従来技術において説明したと同様である。
【0020】
ここで、スプール11に設けられ、出力ポート21と油圧室18とを連通させる連通路25には、図3に示したように、流路開閉部としてのノッチ30が形成されており、連通路25はこのノッチ30の範囲内に開口している。ノッチ30は、スプール11の大径部における外周面に形成され、スプール11の軸線方向に長軸を向けた概略楕円形の凹部から構成され、スプール11が弁室10内を摺動変位して、出力ポート21内の圧力が最大になったときに、つまり中立位置からスプール11の凹部11aに設けた切換流路22がポンプポート20と完全に連通するまでのストロークS移動したときにも、図中にPで示したように、ノッチ30はこの切換流路22の流路断面積と実質的に同じか、またはそれより僅かに大きな流路断面積をもって油圧室18と連通するようになっている。ただし、ノッチ30は、スプール11が前述した出力ポート21内が最大圧力状態の位置よりオーバーランすると、つまり(ストロークS+ノッチ30の開口P)に相当する距離以上動いたときに、弁室10のランド10aに乗り上げて、出力ポート21と油圧室18との間の連通が遮断されることになる。
【0021】
本実施の形態は以上のように構成されるものであって、操作レバー1を低速で操作する際においては、その傾動開始から最大傾動位置までの間における作動は、前述した従来技術のものと格別の差異はない。
【0022】
操作レバー1を中立位置から急激にフルストロークまで操作したときには、圧力設定用ばね15が直ちに撓められるので、スプール11はこの圧力設定用ばね15のばね力により図中下方に向けて摺動することになる。一方、このばね力に対向する力は出力ポート21内の圧力であり、スプール11が変位して、出力ポート21がポンプポート20と接続されても直ちにポンプポート20内の圧力が出力ポート21に導かれるのではなく、出力ポート21がポンプ圧になるまでに多少の時間遅れが生じる。この時間遅れは、ポンプポート20に接続したホース等からなる油圧配管内を流れる作動油の流動抵抗及び作動油の弾性、弁室10の容積等に起因するものであり、ある時間が経過すると出力ポート21内の圧力が上昇して、圧力設定用ばね15に抗する方向に油圧力が作用する。ただし、出力ポート21内の圧力が上昇するまでは、スプール11に対しては圧力設定用ばね15のみが作用することから、スプール11は最大圧力を出力する位置から図中下方にオーバーランすることになる。
【0023】
前述した時間遅れがあった後、出力ポート21内に圧力が生じることになる結果、スプール11が押し戻されることになる。スプール11を速やかに定常状態に安定させるために、このスプールのオーバーランを最小限に抑制する必要がある。
【0024】
ここで、スプール11がオーバーランすると、ノッチ30が弁室10のランド10aに乗り上げることになる。その結果、連通路25による出力ポート21と油圧室18との連通が遮断されることになる。従って、高圧のポンプポート20は出力ポート21と接続されるが、油圧室18とは遮断された状態となり、スプール11の全受圧面積分の圧力がスプール11を圧力設定用ばね15に抗する方向に作用し、スプール11は迅速に定常状態となる。このように、スプール11がオーバーランしたときには、油圧室18内には圧力が導かれず、実質的にタンク圧の状態に保持されて、圧力設定用ばね15の付勢方向への圧力は作用しない。ただし、スプール11が定常状態になると、ノッチ30が油圧室18に開口し、この油圧室18内が出力ポート21と実質的に同じ圧力状態となるので、スプール11の全受圧面積のうち、油圧室18内に臨む受圧面積分がキャンセルされる。従って、操作レバー1の負荷が軽減されることになり、その操作性は良好に保たれる。
【0025】
そこで、図4に操作レバー1が急激に操作されたときにおけるスプール11の動きの推移を示す。同図に実線で示した特性はノッチ30を設けた場合であり、ノッチを設けない場合の特性は、同図に仮想線で示した。この図4から明らかなように、操作レバー1を急激にフルストロークになるように操作したときに、ノッチを設けていない場合には、圧力設定用ばね15が抵抗なく伸長して、スプール11はストローク端位置を超えて大きく移動する。そして、出力ポート21内の圧力が伸長した圧力設定用ばね15のばね力より大きくなったところで、スプール11が戻り方向に反転する。このスプール11の戻り方向に移動させる圧力は、スプール11における出力ポート21に臨む全受圧面積から油圧室18内に臨む受圧面積との差分に減殺されたものとなる。
【0026】
また、このようにストローク端位置を大きく超えると、圧力ポート21内に圧力が作用して、スプール11が戻り方向に変位する際に、その慣性力によって、ストローク端位置より下降することになる。従って、スプール11への圧力による押動力が圧力設定用ばね15のばね力より大きくなるために、さらにスプール11がストローク端位置を超えて変位することになり、その後にスプール11がストローク端位置に復帰して、定常状態で安定する。そして、この定常状態に至るまでにはT1という時間が必要となる。
【0027】
これに対して、スプール11のオーバーラン時に、油圧室18を閉鎖して、この油圧室18内にポンプポート20の圧力を導かないようにすることによって、圧力ポート21にポンプ圧が作用すると、その全受圧面積がポンプ圧を受けることになるので、直ちにスプール11に対して戻り方向に強い油圧力が作用する。従って、スプール11のオーバーラン方向への動き量が小さくなるので、スプール11の定常状態に至るまでの時間T2が大きく短縮されることになる。勿論、スプール11のストローク端位置であれ、定常状態になれば、油圧室18は出力ポート21と連通状態になるので、操作レバー1に対する油圧反力の軽減という目的が損なわれることはない。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】従来技術における減圧弁型パイロット弁の断面図である。
【図2】本発明の実施の一形態を示す減圧弁型パイロット弁の断面図である。
【図3】図2のポートの切り換えと、ノッチの作動との関係を示す説明図である。
【図4】操作レバーを急激にフルストロークまで操作したときにおけるスプールの動きを、ノッチを形成しない場合と比較して示す説明図である。
【符号の説明】
【0029】
1 操作レバー 5 カム
6 プッシャ 10 弁室
10a,10b,10c ランド
11 スプール 11a 凹部
12 作動ロッド 14,17 ばね受け
15 圧力設定用ばね 16 復帰ばね
18 油圧室 19 タンクポート
20 ポンプポート 21 出力ポート
25 連通路 30 ノッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポンプポート及びタンクポートと、出力ポートとが形成された弁部を有するケーシングと、この弁部内に摺動可能に設けられ、前記出力ポートを前記タンクポートと前記ポンプポートとのいずれかに連通するように切り換えるスプールと、このスプールの切り換えを行なうために、プッシャと、このプッシャにより圧縮される圧力設定ばねとからなる切換作動手段とを備え、前記スプールには前記出力ポート内の圧力を作用させて、この圧力と前記圧力設定ばねの圧縮時のばね力とのバランスが取れる位置にまで前記スプールを変位させるようになし、さらに前記ケーシングに油圧室を設けて、この油圧室を介して前記出力ポートと連通させる絞り流路を前記スプールに形成した減圧弁型パイロット弁において、
前記スプールには、前記切換作動手段により前記スプールが前記出力ポートを前記ポンプポートと連通する方向へのストローク端位置までは前記油圧室を前記絞り流路と連通させ、前記スプールがこのストローク端位置をオーバーランしたときには、前記絞り流路と前記油圧室との連通を遮断する流路開閉部を設ける
構成としたことを特徴とする減圧弁型パイロット弁。
【請求項2】
前記流路開閉部は、前記スプールの前記絞り流路を設けた位置を含むように形成したノッチで構成したことを特徴とする請求項1記載の減圧弁型パイロット弁。
【請求項3】
前記前記スプールが前記ストローク端位置にあるときに、前記ノッチの前記油圧室への開口面積は、前記絞り流路の流路面積と同じか、それより大きくなるように設定されていることを特徴とする請求項2記載の減圧弁型パイロット弁。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−9882(P2006−9882A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−185925(P2004−185925)
【出願日】平成16年6月24日(2004.6.24)
【出願人】(000005522)日立建機株式会社 (2,611)
【Fターム(参考)】