説明

減衰装置

【課題】スクリューロッドの引張工程と圧縮工程のいずれか一方の工程において減衰力の調整を行うことを可能とする一方、減衰力の発生を完全に無くすことが可能な減衰装置を提供する。
【解決手段】中空部を有して筒状に形成される固定外筒2と、この固定外筒2の中空部内に収容されると共に当該固定外筒2に対して回転自在に支承され、前記固定外筒2の外壁と所定の隙間を介して対向して作用室5を形成する回転内筒31と、外周面に螺旋状のねじ溝が形成されたスクリューロッド4と、このスクリューロッド4に螺合すると共に当該スクリューロッド4の軸方向運動を回転運動に変化させるスクリューナット40と、このスクリューナット40の回転方向に応じて当該スクリューナット40から前記回転内筒31に対して異なった回転トルクを伝達する伝達調整手段32と、前記作用室5に密封された粘性流体6とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、収納体を構成する2つの構造体の間に配置され、一方の構造体から他方の構造体へ伝達される軸方向エネルギを回転運動のエネルギに変換し、この回転運動のエネルギを熱エネルギに変換して消費させるように構成した減衰装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の減衰装置としては、特開2002−213515号公報に開示されているものが知られている。この減衰装置は、一端に貫通孔を有するシリンダと、このシリンダに軸方向に出入り自在なピストンロッドと、前記シリンダの外周側に設けられる第2のシリンダと、前記シリンダと第2のシリンダと間に形成される貯油室とを備えている。
【0003】
前記ピストンロッドはシリンダの貫通孔を自在に貫通し、当該シリンダ内に収容される一端側にピストンが設けられている。このピストンは前記シリンダ内を第1及び第2の2つの油室に区画している。
【0004】
また、前記ピストンロッドには前記ピストンと隣接する位置に前記シリンダの第1油室と第2油室とを連通する吸油通路が設けられている。この吸油通路上には、第1油室と第2油室への吸油を許容する第2の吸油弁が設けられており、前記ピストンには当該吸油弁に対して前記第1油室側に、第1油室内の油圧を高めるためのオリフィスが設けられている。
【0005】
前記シリンダは一端側に第1の蓋体が、他端側に第2の蓋体が設けられている。第1の蓋体は前記第1油室と貯油室とを連通する吸油通路を有しており、この吸油通路上には吸貯油室から第1油室への吸油を許容する第1の吸油弁が設けられている。第2の蓋体は前記ピストンロッドが貫通する貫通孔が形成されると共に前記第2油室と貯油室とを連通する油通路を有している。この油通路上には前記第2油室から貯油室への油の流通を制限する調圧弁が設けられている。
【0006】
このような構成の減衰装置では、前記ピストンロッドがシリンダから引き出される引張工程において、前記第1の吸油弁が開き、粘性流体が貯油室から第1油室内に流入する。これと同時に、前記第2の吸油弁が閉じるため、第2油室内の油圧が高まり、粘性流体は第2油室から前記油通路を通って貯油室へと流れる。この際、前記油通路上の調圧弁の作用により減衰力が発生する。
【0007】
一方、前記ピストンロッドがシリンダ内に押し込まれる圧縮工程では、前記第1の吸油弁を閉じると、前記ピストンに設けられたオリフィスの作用により第1油室の油圧だけが高まる。この結果、第1油室内の粘性流体が第2の吸油弁を通って第2油室へ流れる。かかる場合、第2油室の断面積が第1油室の断面積よりも小さくなっているため、当該第2油室内の粘性流体が前記油通路を通って貯油室へと流れる。この際、引張工程時と同様に、前記調圧弁の作用により減衰力が発生する。すなわち、この減衰装置は互いに断面積の異なる2つの油室の間にオリフィスが設けることで、引張工程と圧縮工程とで略同等の減衰力が得られるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2002−213515号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、説明してきたような減衰装置では、減衰力の調整を第1油室と第2油室とを連通するオリフィスにより行っているため、引張工程と圧縮工程のいずれか一方の工程における減衰力の調整を行うことはできるが、かかる減衰力の発生を完全に無くすことはできなかった。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明はこのような課題点に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、引張工程と圧縮工程のいずれか一方の工程において減衰力の調整を行うことを可能とする一方、減衰力の発生を完全に無くすことが可能な減衰装置を提供することにある。
【0011】
前記目的を達成するために、本発明の減衰装置は、中空部を有して筒状に形成される固定外筒と、この固定外筒の中空部内に収容されると共に当該固定外筒に対して回転自在に支承され、前記固定外筒の外壁と所定の隙間を介して対向して作用室を形成する回転内筒と、外周面に螺旋状のねじ溝が形成されたスクリューロッドと、このスクリューロッドに螺合すると共に当該スクリューロッドの軸方向運動を回転運動に変化させるスクリューナットと、このスクリューナットの回転方向に応じて当該スクリューナットから前記回転内筒に対して異なった回転トルクを伝達する伝達調整手段と、前記作用室に密封された粘性流体と、を備えている。
【発明の効果】
【0012】
このような本発明の減衰装置によれば、前記スクリューナットと回転内筒との間に設けられた伝達調整手段が当該スクリューナットの回転方向に応じて、かかるスクリューナットから前記回転内筒に対して異なった回転トルクを伝達するように構成されている。このため、当該伝達調整手段を、例えば、前記スクリューナットが一方向へ回転する際には当該スクリューナットから前記回転内筒に対して回転トルクを伝達し、前記スクリューナットが他方向へ回転する際には前記スクリューナットから前記回転内筒に対して回転トルクを伝達しないように構成することで、前記スクリューナットが一方向へ回転する時には減衰力を発生させることが可能であり、当該スクリューナットが他方向へ回転する時には減衰力の発生を無くすことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明を適用した減衰装置の第1の実施形態を示す断面図である。
【図2】スクリューロッドとスクリューナットとの組み合わせを示す斜視図である。
【図3】本発明の減衰装置を収容体の構造体間に配置した例を示す図である。
【図4】本発明を適用した減衰装置の第2の実施形態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を用いて本発明の減衰装置を詳細に説明する。
【0015】
図1は本発明を適用した減衰装置の第1の実施形態を示す断面図である。この減衰装置1は、中空部を有して筒状に形成された固定外筒2と、この固定外筒2の中空部内に収容されると共に当該固定外筒2に対して回転自在に支承されたロータ3と、これら固定外筒2及びロータ3を貫通するスクリューロッド4とを備えている。
【0016】
前記固定外筒2は、筒状に形成された外筒本体21と、この外筒本体21の軸方向の一端面に固定されるエンドキャップ22と、当該外筒本体21の他端面に固定されるエンドプレート23とから構成されている。前記外筒本体21の内周面には前記ロータ3の外周面と所定の隙間を介して対向するスリーブ面24が形成されている。また、前記エンドキャップ22には第1の構造体と当該減衰装置1とを連結する連結部27が形成されている。
【0017】
前記ロータ3は、前記エンドキャップ22に対して回転軸受25により支えられている第1の回転内筒31と、前記エンドプレート23に対して回転軸受26により支えられる第2の回転内筒33と、これら第1の回転内筒31と第2の回転内筒33との間に設けられると共に両回転内筒31、33の間で回転トルクを伝達する伝達調整手段32と、前記第2の回転内筒33の一端に固定されるスクリューナット40とから構成されている。
【0018】
図2は、スクリューロッドとスクリューナットとの組み合わせの一例を示す斜視図である。前記スクリューロッド4は図1に示すように、一端側に第2の構造体と当該減衰装置1とを連結させる連結部41を備える一方、その外周面には螺旋状のボール転動溝42が形成されている。前記スクリューナット40は前記スクリューロッド4が貫通する貫通孔を有しており、前記スクリューロッド4のボール転動溝42を転走するボール7を介して当該スクリューロッド4に螺合している。また、スクリューナット40は前記ボール7の無限循環路を有しており、前記スクリューロッド4と協働してボールスクリューを構成している。
【0019】
更に、スクリューナット40の外周面にはフランジ部43が形成されており、このフランジ部43には固定ボルト44が螺合するボルト孔45が設けられている。図1に示すように、この固定ボルト44を前記第2の回転内筒33に締結させることで、前記スクリューナット40の回転が当該第2の回転内筒33に伝達されるようになる。
【0020】
すなわち、減衰装置1では、前記スクリューロッド4の軸方向の進退運動がスクリューナット40の回転に変換され、このスクリューナット40の回転が前記第2の回転内筒33に伝達されるようになっている。
【0021】
このように、減衰装置1ではスクリューロッド4の軸方向の進退運動をスクリューナット40の回転運動に変換しているので、かかるスクリューナット40にはスクリューロッド4の軸方向に沿った外力が作用している。このため、ロータ3の回転を支承する一対の回転軸受25、26うち、前記エンドプレート23に嵌合した回転軸受26にはラジアル荷重とスラスト荷重を負荷することが可能なクロスローラ軸受を用いている。このクロスローラ軸受26の内輪は第2の回転内筒33に固定されると共に、その外輪は前記エンドプレート23に固定されている。
【0022】
前記伝達調整手段32は、前記第2の回転内筒33の回転を第1の回転内筒31に伝達するように構成されている。具体的には、当該スクリューナット40が図2中の矢線A方向に回転する際には当該スクリューナット40の回転を前記第1の回転内筒31に伝達する一方、前記スクリューナット40が図2中の矢線B方向に回転する際には当該スクリューナット40の回転を前記第1の回転内筒32に伝達しないように構成されている。すなわち、前記伝達調整手段32は前記スクリューナット40の一方向の回転トルクのみを前記第1の回転内筒31に伝達するように構成されている。このような伝達調整手段としては例えば、ワンウェイクラッチを使用することが可能である。
【0023】
尚、前記伝達調整手段32の配置を逆に、すなわち、前記スクリューナット40が図2中の矢線A方向に回転する際には当該スクリューナット40の回転を前記第1の回転内筒31に伝達せず、前記スクリューナット40が図2中の矢線B方向に回転する際には当該スクリューナット40の回転を前記第1の回転内筒32に伝達するようにすることも可能である。
【0024】
また、前記伝達調整手段32は本実施例において、前記スクリューナット40の一方向の回転トルクを前記第1の回転内筒31に伝達するように構成されているが、必ずしもこのような構成である必要はない。例えば、前記伝達調整手段32として、前記スクリューナット40の矢線A方向回転の回転トルクの全てを第1の回転内筒31に伝達する一方、前記スクリューナット40の矢線B方向回転の際には当該スクリューナット40の回転トルクの一部のみを第1の回転内筒31に伝達するものを使用することも可能である。このような伝達調整手段としては例えば、トルクリミッターを使用することが可能である。
【0025】
前記第1の回転内筒31には前記固定外筒2と対向する面にジャーナル面34が形成されており、このジャーナル面34と固定外筒2のスリーブ面24が対向することで、粘性流体6の作用室5が形成されるようになっている。この構成では前記第1の回転内筒31が固定外筒2に対して回転すると、前記作用室5内に存在する粘性流体6に対して剪断力が作用し、当該第1の回転内筒31の回転エネルギが粘性流体の熱エネルギに変換されて消費され、第1の回転内筒31の回転エネルギが減衰されるようになっている。
【0026】
尚、前記作用室5には粘性流体6が充填される一方、当該作用室5の軸方向の両端にはリング状のシール部材28が嵌められている。このシール部材28は前記作用室5内に密封された粘性流体6が当該作用室5から漏れ出すのを防止している。
【0027】
以上のように構成された減衰装置1では、前記伝達調整手段32が前記スクリューナット40の回転方向に応じて、当該スクリューナット40の回転を前記第1の回転内筒31に対して異なった回転トルクを伝達するように構成されている。このため、当該伝達調整手段32を適宜選択することにより、前記スクリューナットの一方向回転と他方向回転とで異なる回転トルクを第1の回転内筒に伝達させ、前記スクリューナットの一方向回転時と他方向回転時とで異なる減衰力を得ることが可能となる。
【0028】
また、前記伝達調整手段32を前記スクリューナット40が矢線A方向に回転する時は当該スクリューナット40の回転を第1の回転内筒31に伝達し、前記スクリューナット40が矢線B方向に回転する時は当該スクリューナット40の回転を第1の回転内筒31に伝達しないように構成することで、前記スクリューナット40を矢線A方向に回転させた際には減衰力が発生し、当該スクリューナット40を矢線B方向に回転させた際には減衰力が発生しない。すなわち、減衰装置1では、スクリューナット40の回転方向に応じて、減衰力の作用の有無を容易に切り替えることが可能となる。
【0029】
図3は本発明を適用した減衰装置1の使用例を示すものであり、収納体220を構成する第1の構成体221と第2の構成体222との間に減衰装置1を配置した例を示している。この例において、減衰装置1の連結部27はピストンロッド223を介して前記第1の構成体221に、前記スクリューロッド4の連結部41はピストンロッド224を介して前記第2の構成体222に固定されている。
【0030】
このような収納体220によれば、図3中の鎖線矢印方向に前記第1の構成体221を開くと、前記減衰装置1のスクリューロッド4がロータ3内から引き出される方向に相対的に移動することになる。かかる場合、前記伝達手段32がスクリューナット40から前記第1の回転内筒31への回転トルクの伝達を遮断するため、当該スクリューロッド4と固定外筒2の間で減衰力が発生しない。この結果、前記第1の構成体221を鎖線方向に開く際には当該第1の構成体221の重さによる抵抗力が作用されることなく、容易にかかる第1の構成体221を開くことが可能となる。
【0031】
一方、前記第1の構成体221を下向矢印の方向に閉じると、減衰装置1のスクリューロッド4がロータ3内に押し込まれる方向に相対的に移動することになる。かかる場合、前記伝達調整手段32がスクリューナット40の回転を第1の回転内筒31に伝達し、前記スクリューロッド4と固定外筒2との間で減衰力が発生することになる。このため、第1の構成体221が自重により下向矢印の方向に勢いよく閉じることがなく、前記第1の構成体221を鎖線矢印方向に開けている最中に手を離したとしても、当該第1の構成体221と第2の構成体222との間に手が挟まれる恐れがない。
【0032】
図4は本発明を適用した減衰装置の第2の実施形態を示す断面図である。この減衰装置100は、中空部を有して筒状に形成された固定外筒121と、この固定外筒121の中空部内に収容されると共に当該固定外筒121に対して回転自在に支承されたロータ103と、これら固定外筒121及びロータ103を貫通するスクリューロッド104とを備えている。
【0033】
前記スクリューロッド104の外周面には螺旋状のボール転動溝が形成されており、かかるボール転動溝を転走するボールを介してスクリューナット140が前記スクリューロッド104に螺合している。このスクリューナット140には第3の回転内筒133が固定されており、当該スクリューナット140の回転が前記第3の回転内筒133に伝達されるようになっている。
【0034】
前記第3の回転内筒133には第1の伝達調整手段132aと第2の伝達調整手段132bが固定されている。この第1の伝達調整手段132aには第1の回転内筒131aが、第2の伝達調整手段132bには第2の回転内筒131bが夫々、固定されている。かかる第1の回転内筒131aは前記固定外筒121との間で粘性流体の作用室150を形成する一方、前記第2の回転内筒131bは前記固定外筒121との間で粘性流体の作用室151を形成する。
【0035】
前記第1の伝達調整手段132aは前記スクリューナット140が一方向へ回転する際には当該スクリューナット140の回転を前記第1の回転内筒131aに伝達する一方、前記スクリューナット140が他方向へ回転する際には当該スクリューナット140の回転を前記第1の回転内筒131aに伝達しないように構成されている。一方、前記第2の伝達調整手段132bは前記スクリューナット140が一方向へ回転する際には当該スクリューナット140の回転を前記第2の回転内筒131bに伝達せず、前記スクリューナット140が他方向へ回転する際には当該スクリューナット140の回転を前記第2の回転内筒131bに伝達するように構成されている。
【0036】
これら第1の回転内筒131a、131bが固定外筒121に対して回転すると、前記作用室150、151に存在する粘性流体に対して剪断力が作用し、これら第1の回転内筒131a、131bの回転エネルギが粘性流体の熱エネルギに変換されて消費され、かかる回転エネルギが減衰されるようになっている。
【0037】
以上のような構成の減衰装置100では、前記スクリューナット140の回転方向に応じて異なる2つの作用室150、151のいずれか一方が作用することにより減衰力が発生するように構成されている。このため、前記2つの作用室150、151内に粘性率が互いに異なる粘性流体を密封することにより、前記スクリューナット140の一方向回転時と他方向回転時とで異なる減衰力を容易に発生させることが可能となる。
【0038】
また、前記作用室150及び作用室151内に粘性率が同一の粘性流体を密封した場合でも、減衰装置100では第1の回転内筒131a、131bが別個独立に設けられているため、回転内筒131aの作用室150に対する表面積を回転内筒131bの作用室151に対する表面積よりも大きく設定することで、作用室150の作用により発生する減衰力を作用室151の作用により発生する減衰力よりも大きくすることが可能となる。換言すれば、第1の回転内筒131a、131bの作用室150、151に対する表面積を調整するだけで、前記スクリューナット140の一方向回転時と他方向回転時とで異なる減衰力を発生させることが可能となる。
【符号の説明】
【0039】
1…減衰装置、2…固定外筒、20…ボール転動溝、3…ロータ、31…第1の回転内筒、32…伝達調整手段、33…第2の回転内筒、4…スクリューロッド、40…スクリューナット、5…作用室、6…粘性流体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空部を有して筒状に形成される固定外筒と、この固定外筒の中空部内に収容されると共に当該固定外筒に対して回転自在に支承され、前記固定外筒の外壁と所定の隙間を介して対向して作用室を形成する回転内筒と、外周面に螺旋状のねじ溝が形成されたスクリューロッドと、このスクリューロッドに螺合すると共に当該スクリューロッドの軸方向運動を回転運動に変化させるスクリューナットと、このスクリューナットの回転方向に応じて当該スクリューナットから前記回転内筒に対して異なった回転トルクを伝達する伝達調整手段と、前記作用室に密封された粘性流体と、を備えることを特徴とする減衰装置。
【請求項2】
前記伝達調整手段は前記スクリューナットの一方向回転の際に、当該スクリューナットの回転を前記回転内筒に伝達する一方、前記スクリューナットの他方向回転の際に、当該スクリューナットの回転を前記回転内筒に伝達しないことを特徴とする請求項1記載の減衰装置。
【請求項3】
前記固定外筒に対して回転自在に支承されると共に互いに独立した第一の回転内筒及び第二の回転内筒を備え、
第一の回転内筒及び第二の回転内筒と前記スクリューナットとの間には第一の回転内筒に対応する第一の伝達調整手段と第二の回転内筒に対応する第二の伝達調整手段とが設けられ、
前記第一の回転内筒は前記固定外筒の外壁と所定の隙間を介して対抗して第一の作用室を形成する一方、前記第二の回転内筒は前記固定外筒の外壁と所定の隙間を介して対抗して第二の作用室を形成し、
前記第一の伝達調整手段は前記スクリューナットの一方向回転の際に、当該スクリューナットの回転を前記第一の回転内筒に伝達する一方、前記第二の伝達調整手段は前記スクリューナットの一方向回転の際に、当該スクリューナットの回転を前記第二の回転内筒に伝達せず、
前記第一の伝達調整手段は前記スクリューナットの他方向回転の際に、当該スクリューナットの回転を前記第一の回転内筒に伝達しない一方、前記第二の伝達調整手段は前記スクリューナットの他方向回転の際に、当該スクリューナットの回転を前記第二の回転内筒に伝達することを特徴とする請求項1記載の減衰装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−261474(P2010−261474A)
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−110726(P2009−110726)
【出願日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【出願人】(390029805)THK株式会社 (420)
【Fターム(参考)】