説明

減速機の出力部構造

【課題】部品点数を削減すると共に、製造時の寸法の管理を緩和し、低コストで且つ正確な寸法精度で減速機と相手機械とを連結できるようにする。
【解決手段】大軸受52を構成する内輪部材54と、転動部材56と、外輪部材58と、を備え、内輪部材54が、減速機22の出力部材として相手機械24の被駆動軸と連結され、外輪部材58の外周58Bが、減速機22の(第2)本体ケーシング46の内周46Aの一部及び相手機械24の連結ケーシング50の内周50Aの一部と嵌合して取付の際の基準を提供する印籠部E2、E3として機能する。大軸受52は、内輪部材54、転動部材56、及び外輪部材58により、前記内輪部材54及び該内輪部材54と連結される被駆動軸の両方向のアキシャル荷重を受け持つ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、減速機を相手機械(被駆動機械)に連結するための、減速機の出力部構造に関する。
【背景技術】
【0002】
減速機は、モータ等の駆動源の回転を減速し、相手機械の被駆動軸に伝達する。そのため、減速機の出力側においては、減速機の本体ケーシング(固定系)を相手機械の連結ケーシングに連結する必要がある。また、減速機の出力部材(回転系)を相手機械の被駆動軸と連結する必要がある。
【0003】
図3に、特許文献1にて開示された減速機2を示す。
【0004】
減速機2の本体ケーシング4の内周4Aには一対の軸受6、8が配置され、この一対の軸受6、8を介して出力部材10が本体ケーシング4に回転自在に支持されている。
【0005】
この基本構成の下で、減速機2の本体ケーシング4の外周4Bに形成された印籠部(いんろう部)E1を用いて該減速機2の本体ケーシング(固定系)4が相手機械12の連結ケーシング14に連結される。なお、この明細書において「印籠部」とは、2つの部材が当接する際に各部材の取付位置の基準を提供する嵌合部のことを意味している。即ち、減速機2の本体ケーシング4の外周4Bに形成した印籠部E1が相手機械12の連結ケーシング14の内周14Aと嵌合することにより、減速機2の本体ケーシング4と相手機械12の連結ケーシング14の軸心合わせ及び軸方向の位置合わせが行なわれるようになっている。
【0006】
また、本体ケーシング4に軸受6、8を介して支持された出力部材(回転系)10は、この特許文献1に係る例では中実の出力軸として構成され、図示せぬキーを介して相手機械12の被駆動軸(図示略)と連結される。
【0007】
【特許文献1】特開2006−226347号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、このような出力部構造にあっては、例えば、減速機の本体ケーシングの外周は印籠部として機能するため、正確な加工が必要である。また、本体ケーシングの内周も、軸受の受け面を構成するため、やはり精密な加工が必要である。出力部材を支持する軸受は、汎用品を用いるにしろ、内製するにしろ、遊び(がた)の寸法管理を含め、その内輪、外輪、転動体の全てについて相応の寸法管理が必要である。更に、出力部材の外周も、当然精密な加工が必要である。
【0009】
換言するならば、減速機の本体ケーシングの外周及び内周、軸受の外輪の外周及び内周、転動体の径、軸受の内輪の外周及び内周、そして出力部材の外周の全ての半径方向の寸法が適正に管理されないと、誤差の累積により減速機の本体ケーシングの軸心と相手機械の連結ケーシングの軸心、あるいは減速機の出力部材の軸心と相手機械の被駆動軸の軸心とを正確に一致させることができなくなる。そのため、上記各部の製造時の寸法管理には厳密なものが要求され、又部品点数も多く、製造コストが高くなり易かった。
【0010】
本発明は、このような従来の問題を解消するためになされたものであって、部品点数を削減すると共に、製造時の寸法の管理を緩和し、低コストで且つ正確な寸法精度で減速機と相手機械とを連結できるようにすることをその課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、減速機を被駆動機械に取り付け可能に構成した減速機の出力部構造において、軸受の内輪を構成する内輪部材と、前記軸受の転動体を構成する転動部材と、前記軸受の外輪を構成する外輪部材と、を備え、前記内輪部材が、前記減速機の出力部材として前記相手機械の被駆動軸側と連結され、前記外輪部材が、減速機の本体ケーシングの内周及び前記相手機械の連結ケーシングの内周と嵌合して取付の際の基準を提供する印籠部として機能し、前記軸受が、前記内輪部材、転動部材、及び外輪部材により、前記内輪部材及び該内輪部材と連結される前記被駆動軸の両方向のアキシャル荷重を受け持つことにより、上記課題を解決した。
【0012】
本発明によれば、出力側が全体として巨大な軸受を構成し、該軸受の内輪が出力部材として機能すると共に、外輪の外周が減速機の本体ケーシング及び相手機械の連結ケーシングの双方の印籠部として直接機能する。そのため、部品点数を低減できると共に、精密な寸法管理の要求される部位の数を低減でき、低コストで正確な寸法精度を維持することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、製造時の寸法の管理及び部品の管理を緩和し、低コストで且つ正確な寸法精度で減速機と相手機械とを連結できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態の一例について詳細に説明する。
【0015】
図1は、本発明の実施形態の一例に係る減速機の出力部構造を示す断面図である。この例では、モータ20と一体化された減速機22が相手機械(被駆動機械)24に連結される様子が示されている。
【0016】
モータ20は、モータケーシング26のフランジ部26Aにおいてボルト(図示略:中心線のみ図示)を介して減速機22の第1本体ケーシング28と連結されている。モータ20のモータ軸32は、摩擦締結機構34を備えた継軸36と連結されている。継軸36は、玉軸受40を介して減速機22の第1本体ケーシング28に支持されている。継軸36の中空部36Aには、減速機22の入力軸に相当する太陽歯車38が圧入されている。
【0017】
減速機22は、単純遊星歯車機構の減速部30を備える。減速部30は、前記太陽歯車38と、該太陽歯車38の周りで自転しながら公転する複数の遊星歯車42と、該遊星歯車42が内接噛合する内歯歯車44を備えている。遊星歯車42は、ニードル軸受43を介して遊星ピン45に支持されている。遊星ピン45はキャリヤ48に支持されている。このため、キャリヤ48は、遊星歯車42の公転と同期して自転する。この例では、キャリヤ48はキャリヤプレート48Aとキャリヤピン48Bとで構成され、ボルト60を介して後述する内輪部材54に締結・固定されている。即ち、この減速機22では、キャリヤ48及び内輪部材54とで、出力部材が構成され、キャリヤ48の回転が当該減速機22の出力回転として内輪部材54から取り出される。なお、内歯歯車44は減速機22の第2本体ケーシング46と一体化されている。
【0018】
減速機22は、モータ20を連結した状態で、第2本体ケーシング46のボルト挿入孔49にボルト(図示略)を挿入して相手機械24の連結ケーシング50に締結・固定される。
【0019】
以下この減速機22の出力部構造について詳細に説明する。
【0020】
この出力部構造は、大軸受52をその主要構成要素として備える。この大軸受52は、該大軸受52の内輪を構成する内輪部材54と、該大軸受52の転動体を構成する転動部材56と、該大軸受52の外輪を構成する外輪部材58を備える。
【0021】
大軸受52の内輪部材54は、ほぼ円柱状のブロックで、前述したようにボルト60を介して減速部30の前記キャリヤ48と連結され、該キャリヤ48と共に減速機22の「出力部材」として機能する。この実施形態では、ボルト64を介して図の左側から出力軸ブロック62が該内輪部材54に付設され、相手機械24の図示せぬ被駆動軸側にキー(キー溝62Aのみ図示)を介して連結されることにより、動力を伝達する構成とされている。なお、出力軸ブロック62を付設した動力伝達に代え、例えばボルト64のボルト孔66を利用して相手機械24の被駆動軸を直接内輪部材54と連結するような構成としてもよい。内輪部材54には、転動部材56が組み込まれる開度90度のV溝54Aが形成されており、後述する外輪部材58にも対応する開度90度のV溝58Aが形成されている。
【0022】
大軸受52の転動部材56は、直径と軸長が等しいローラ(図示略)で構成され、該ローラを交互に90度向きを変えて前記内輪部材54のV溝54Aと外輪部材58のV溝58Aとの間に組み込んだ構成とされている。これにより、大軸受52は、全体として、いわゆるクロスローラ軸受を構成している。クロスローラ軸受では、転動部材56の軌道平面(転動部材の56の重心を含む軸O1と直角の平面)T1が1面のみ存在し、また、構造上、ラジアル荷重と、両方向のアキシャル荷重の全てを受け持つことができる。なお、この転動部材56は、外輪部材58の一部に半径方向に貫通形成された組込孔71を介して1個ずつ組込まれる。
【0023】
大軸受52の外輪部材58は、減速機22の端部ケーシングの機能を兼用している。外輪部材58の外周58Bは、段差の無い単純な円筒形状とされている。この実施形態では、この外輪部材58の外周58Bが段差のない単純な円筒形状とされていることを利用して、いわゆるセンタレス研削盤(心無し研削盤:センタレスグラインダ)によって該外輪部材58の外周58Bを研削加工するようにしている。センタレス研削盤としては、ワークレスト(図示略)でワーク(この例では外輪部材58)を支え、砥石を2個用いて研削を行うものが良く知られており、極めて真円に近い加工が可能である。
【0024】
外輪部材58の外周58Bは、減速機22の第2本体ケーシング46の内周46A(の一部)と嵌合する減速機側印籠部E2及び相手機械24の連結ケーシング50の内周50A(の一部)と嵌合する相手機械側印籠部E3として機能する。即ち、該減速機側印籠部E2及び相手機械側印籠部E3の機能により、第2本体ケーシング46及び大軸受52のそれぞれの軸心O1が一致させられる。又、相手機械24の連結ケーシング50の端面50Cが第2本体ケーシング46のフランジ部46Bの端面46Cと当接することによって、連結ケーシング50の外輪部材58の外周58B上における軸方向の位置決めがなされるようになっている。なお、第2本体ケーシング46のフランジ部46Bは、該第2本体ケーシング46の円周方向全体に形成されているのではなく、いわゆる「耳部」と称せられる態様で、円周方向の4箇所において軸方向に若干延在されると共に、半径方向に突出形成されている。
【0025】
図1から明らかなように、この実施形態では、外輪部材58の外周58Bの大半が相手機械24の連結ケーシング50と嵌合されている。即ち、外輪部材58の外周58Bの大半が相手機械24の連結ケーシング50の印籠部として機能していることになる。
【0026】
これを転動部材56との関係で見るならば、外輪部材58の外周58Bにおいて、減速機側印籠部E2と相手機械側印籠部E3のうち、相手機械側印籠部E3の方が長く設定されている。また、前記転動部材56の軌道平面T1が、該長く設定された相手機械側印籠部E3の半径方向内側に収められている、ということになる。
【0027】
なお、この実施形態は、出力部が全体として大きな軸受を形成するように構成したものであって、内輪部材54及び外輪部材58は、いわゆる「軸受鋼」で形成されているわけではない。したがって、転動部材56の転送面(内輪部材54のV溝54A、外輪部材58のV溝58A)は、別途の硬化処理が必要である。そのため、該V溝54A、58Aの付近は、素材が硬くなるため、遊星ピン45のピン孔47やボルト孔66等の各孔類は、この硬くなった付近での加工を避けるべく、「貫通孔」としないように配慮し、結果として軟らかい部分に各孔類を容易に且つ高精度に形成している。形状的には、その結果として、内輪部材54には、孔の全く形成されていない(全て中実の)軸と直角の断面P1が存在している。
【0028】
なお、図1の符号70は、減速機22の内外をシールするために、内輪部材54と外輪部材58との間に配置されたオイルシールである。
【0029】
次に、上記出力部構造を有したギヤドモータの作用を説明する。
【0030】
モータ20の出力軸32の回転すると、継軸36を介して減速機22の入力軸である太陽歯車38が回転する。この減速機22では、減速部30の内歯歯車44が固定状態にあるので、遊星歯車42の公転成分がキャリヤ48から取り出される。キャリヤ48は、ボルト60を介して大軸受52の内輪部材54と一体化されており、内輪部材54は、出力軸ブロック62とボルト64を介して連結されているため、結局、出力軸ブロック62が回転し、図示せぬキーを介して相手機械の被駆動軸が回転する。
【0031】
ここで、内輪部材54は、クロスローラ型の転動部材56を介して外輪部材58に支持されているため、ラジアル荷重と、両方向のアキシャル荷重の全てを受け持つことができ、結果として、内輪部材54の軸ぶれ(モーメント成分)に対しても、対応可能である。
【0032】
また、キャリヤ48(キャリヤプレート48A及びキャリヤピン48)は、この安定支持された内輪部材54と一体化されているため、キャリヤプレート48Aの外周の軸受を省略することもできている。
【0033】
更に、クロスローラ型の転動部材56は、90度互い違いに組み込まれた「ローラ」によって構成されているため、がた(内輪部材54及び外輪部材58との間の遊び)がほとんどなく、内輪部材54及び外輪部材58を高い組付け精度で組み込むことができる。また、転動部材56の軌道平面T1が1面しかないため、必要ならば大軸受52の軸方向厚さをより薄く設計することも可能である。
【0034】
外輪部材58は、その外周58Bが、段差のない単純な円筒形状とされていることを活用して、センタレス研削盤で研削加工されているため、極めて真円に近い加工を行うことができている。また、外輪部材58は、当該真円に近い外周58Bにて、減速機22の第2本体ケーシング46のフランジ部46B及び相手機械24の連結ケーシング50に嵌合している。ここで、減速機22の第2本体ケーシング46の嵌合される減速機側印籠部E2、及び相手機械24の連結ケーシング50の嵌合される相手機械側印籠部E3のうち、相手機械側印籠部E3の方がより長く(実際には、外周58Bの殆ど全面に)設定されている。そのため、結局、外輪部材58は、その真円に近い外周58Bのほぼ全面に亘って嵌合支持されることになる。特に、この実施形態においては、「減速機22」の嵌合される減速機側印籠部E2ではなく、「相手機械24」の嵌合される相手機械側印籠部E3方を長く設定するようにしているため、相手機械という質量的に大きな部材によって嵌合支持されることになる。そのため、相手機械の連結ケーシングの剛性を支持のベースとしてそのまま利用することができ、一層高い剛性を確保できている。
【0035】
更に、このようにして、高い剛性で安定支持された外輪部材58の相手機械側印籠部E3の半径方向内側に転動部材56の転走面T1が配置されているから、(例えば印籠部の軸方向寸法が短くて該印籠部の軸方向位置から外れた位置の半径方向内側に転動部材56の転送面がある構造に比べて)転動部材56の側から伝達されてくるラジアル負荷やスラスト負荷、あるいはぶれ等のモーメント負荷を極めて安定して受け止めることができる。
【0036】
前述した従来例と詳細に比較するまでもなく、本実施形態では厳格な寸法管理の要求される加工面の数を最小限に抑えることができ、それだけ誤差の累積が少なく、高い寸法精度の確保された組付けが可能である。
【0037】
なお、上記実施形態においては、前記大軸受52が全体として、クロスローラ軸受を構成するようにしていたが、本発明においては、必ずしも全体としてクロスローラ軸受を構成する必要はない。例えば、図2に示されるように、内輪部材154と外輪部材158との間に「転動部材」として、軸方向一方側のアキシャル荷重を受け止め可能な第1転動部材156Aと、該第1転動部材156Aと軸方向に離れて配置され、軸方向他方側のアキシャル荷重を受け止め可能な第2転動部材156Bとを配置して、大軸受152が、(第1、第2転動部材156A、156Bの軌道平面T101A、T101Bが2面存在する)アンギュラ軸受を構成するようにしても良い。この場合でも、大軸受152は、内輪部材154、第1、第2転動部材156A、156B、及び外輪部材158により、全体として内輪部材154及び該内輪部材154と連結される相手機械124の被駆動軸(図示略)の両方向のアキシャル荷重を受け持つことができ、上記と同様の作用効果を得ることができる。
【0038】
なお、このように転動部材156の軌道平面T101A、T101Bを2面有するような軸受構造の場合には、当該双方の軌道平面T101A、T101Bが、共に、長く設定された方の印籠部(この実施形態では相手部材側印籠部E103)の半径方向内側に存在するようにするとよい。これにより、各軌道平面T101A、T101Bが軸方向に離れていることと相まって、特に内輪部材154の軸ぶれに関して良好な支持特性が得られる。
【0039】
その他の構成については、先の実施形態とほぼ同様であるため、図中で図1に示した構成と同一または機能的に同一の部分に、図2中で下2桁が同一の符号を付すにとどめ、重複説明を省略する。
【0040】
なお、上記実施形態においては、外輪部材の外周を段差のない単純な円筒形状とし、(この単純な形状を活用して)センタレス研削盤によって研削加工することにより、印籠部を構成する外輪部材の外周を高精度に加工するようにしていた。しかし、本発明においては、必ずしも外輪部材の外周の形状を段差のない単純な円筒形状とする必要はなく、例えば、相手機械の連結ケーシングの嵌合を外輪部材の軸方向の途中で中止させるような場合には、段差を形成するようにしてもよい。すなわち、本発明においては、外輪部材の外周に対して相手機械の連結ケーシングや減速機の本体ケーシングをどの程度嵌合させるかについては、特に限定されない。段差のない円筒形状の場合であっても、必ずしも外周全部を印籠部にしなくても良い。
【0041】
内輪部材の形状も上記形状に限定されるものではなく、各孔の形成も(例えば半径方向に余裕があるときなどでは)貫通孔とするようにしても良い。この場合は、内輪部材の軸方向長をより短縮することができる。
【0042】
また、減速機の具体的な減速部の構造も、上記構成に限定されない。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明は、さまざまな減速機の出力部の構造として広く利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の実施形態の一例を示す減速機の断面図
【図2】本発明の他の実施形態の一例を示す減速機の断面図
【図3】従来の減速機の出力部構造の一例を示す減速機の断面図
【符号の説明】
【0045】
20…モータ
22…減速機
24…相手機械
26…モータケーシング
28…第1本体ケーシング
30…減速部
32…モータ軸
36…継軸
38…太陽歯車
42…遊星歯車
44…内歯歯車
46…第2本体ケーシング
48…キャリヤ
50…連結ケーシング
52…大軸受
54…内輪部材
54A…V溝
56…転動部材
58…外輪部材
58A…V溝
60、64…ボルト
62…出力軸ブロック
T1…軌道平面
E2…減速機側印籠部
E3…相手機械側印籠部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
減速機を被駆動機械に取り付け可能に構成した減速機の出力部構造において、
軸受の内輪を構成する内輪部材と、
前記軸受の転動体を構成する転動部材と、
前記軸受の外輪を構成する外輪部材と、を備え、
前記内輪部材が、前記減速機の出力部材として前記相手機械の被駆動軸側と連結され、
前記外輪部材が、減速機の本体ケーシングの内周及び前記相手機械の連結ケーシングの内周と嵌合して取付の際の基準を提供する印籠部として機能し、
前記軸受が、前記内輪部材、転動部材、及び外輪部材により、前記内輪部材及び該内輪部材と連結される前記被駆動軸の両方向のアキシャル荷重を受け持つ
ことを特徴とする減速機の出力部構造。
【請求項2】
請求項1において、
前記外輪部材の外周が、段差のない単純な円筒形状とされた
ことを特徴とする減速機の出力部構造。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記外輪部材の外周における前記減速機の本体ケーシングが嵌合する減速機側印籠部、及び前記外輪部材の外周における相手機械の連結ケーシングが嵌合する相手機械側印籠部のうち、いずれか一方が、他方より長く設定され、且つ、前記転動部材の重心を含む前記出力部材の軸と直角の平面が、該長く設定された方の印籠部の半径方向内側に存在する
ことを特徴とする減速機の出力部構造。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかにおいて、
前記大軸受が、前記転動部材の重心を含む前記出力部材の軸と直角の平面が、1面のみ存在するクロスローラ軸受とされている
ことを特徴とする減速機の出力部構造。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれかにおいて、
前記大軸受が、前記転動部材として、軸方向一方側のアキシャル荷重を受け止め可能な第1の転動部材と、該第1の転動部材と軸方向に離れて配置され、軸方向他方側のアキシャル荷重を受け止め可能な第2の転動部材と、を備え、前記第1、第2転動部材の重心を含む前記出力部材の軸と直角の平面が2面存在する軸受とされている
ことを特徴とする減速機の出力部構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−275853(P2009−275853A)
【公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−128826(P2008−128826)
【出願日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【出願人】(000002107)住友重機械工業株式会社 (2,241)
【Fターム(参考)】