説明

温度膨張弁

【課題】温度膨張弁において、大能力の冷凍サイクルに用いることができ、簡単な構造で圧力バランスの崩れない、一次圧力の変動に対しても過熱度設定値の変動を少なくする。
【解決手段】弁体15にガイド孔14に嵌挿する円柱状のニードル部15bを形成する。ニードル部15bの外径を、弁ポート13の内径と同寸法にする。ニードル部15bの端部をダイヤフラム装置2の均圧室22aにおいて、当金17を介してダイヤフラム23に連結する。ニードル部15bにシール部材6を取り付ける。シール部材6を円盤状のパッキン61と板バネ62とで構成する。パッキン61の外周を弁ポート13側に屈曲変形したリム部61aを形成する。リム部61aを板バネ62によりガイド孔14の内周面側に押しつける。シール部材6により、均圧室22aと第1ポート11との間をシールする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷凍サイクルにおいて蒸発器の出口側温度に感応して弁開度を自動調整して、冷凍サイクルの過熱度を制御するために用いる温度膨張弁に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、温度膨張弁として、例えば特開平5−340479号公報(特許文献1)に開示されたものがある。この特許文献1の温度膨張弁は、蒸発器の出口側配管の温度を感知する感温筒を備え、この感温筒の圧力をダイヤフラム装置に及ぼしている。この温度膨張弁の凝縮器側の一次側配管からの冷媒を弁ポートを介して二次側配管に流出させるとき、この弁ポートの開度を弁体によって制御する。
【0003】
ダイヤフラム装置は、ダイヤフラムによって受圧室と均圧室とを区画し、受圧室に対して感温筒を連通している。また、常時閉方向に付勢された弁体に対してロッドを突き当て、このロッドを当金を介してダイヤフラムに連結している。ロッドはブッシュに支持されており、均圧室に対する一次圧力の影響を防止するために、ブッシュとロッドとの隙間を、スプリングで押圧されるパッキンによりシールするようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5−340479号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のように、ブッシュとロッドの隙間をパッキンとスプリングでシールする構造では、中能力から大能力の冷凍サイクルに用いられる温度膨張弁に適用するには改良の余地がある。すなわち、ロッドに作用する一次圧の影響をなくす為にはロッドの軸径を弁口径と同等にする必要があり、中能力品以上の場合、弁口径が大きくなるためロッドの軸径も大きくなってしまう。このため、一次圧力と蒸発圧力との差圧に打ち勝つような大きな荷重のバネ(スプリング)が必要となり、バネの線径も太くなり、弁ハウジングを大型化する必要があった。このため、中能力以上の冷凍サイクルでは、弁ハウジングの過度な大型化を避けるため、一次圧力の影響を受けやすい構造であるか、上記のような従来の構造で一次圧力の影響をなくすため、別途、均圧流路を設けるなど、構造が複雑になってしまい高コスト化していた。
【0006】
本発明は、大能力の冷凍サイクルに用いることができ、簡単な構造で圧力バランスの崩れない、一次圧力の変動に対しても過熱度設定値の変動の少ない温度膨張弁を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の温度膨張弁は、冷凍サイクルの凝縮器と蒸発器との間に配管接続され、前記蒸発器の出口側配管に設けられる感温筒からの圧力と前記蒸発器の蒸発圧力との差圧に応じて、前記凝縮器側の一次配管から前記蒸発器側の二次配管に冷媒を流す弁ポートの開度を制御するダイヤフラム装置を備えた温度膨張弁であって、前記一次配管に接続される第1ポートと前記二次配管に接続される第2ポートとが前記弁ポートを挟んで形成され、前記第1ポートが側部に開口されるガイド孔であって前記弁ポート側を一端にして該弁ポートの中心軸を軸線とする円筒状のガイド孔が形成され、前記蒸発器の出口側配管に連通される均圧路が形成された弁ハウジングと、前記ガイド孔内に前記軸線方向に移動自在に収容され、前記弁ポートに対して前記第2ポート側に位置して前記弁ポートを開閉する弁部と、前記ガイド孔に嵌挿される円柱状のニードル部とを有し、前記ニードル部の前記弁部と反対側が前記ダイヤフラム装置のダイヤフラムに連結される弁体と、前記弁体を前記ダイヤフラム側に付勢する過熱度設定部と、前記弁体のニードル部に設けられて前記ガイド孔の内周面に接触する板状のパッキンと該パッキンを前記ガイド孔の内周面側に付勢する板ばねとからなるシール部材と、を備え、前記ダイヤフラム装置は、前記弁ハウジングの前記ガイド孔の端部に取り付けられるとともに、前記均圧路を介して前記蒸発器の出口側配管の前記蒸発圧力が導入される均圧室を有し、前記シール部材の前記パッキンが、前記ニードル部回りに環状に形成されるとともに、該パッキンは、その外周端を軸線方向に対して前記弁ポート側に屈曲変形してなるリム部を形成し、前記板バネの弾性力により前記パッキンの前記リム部を前記ガイド孔の内周面に押圧することで、該シール部材により前記均圧室と前記第1ポート間を封止するようにしたことを特徴とする。
【0008】
請求項2の温度膨張弁は、請求項1に記載の温度膨張弁であって、前記ニードル部の外径が前記弁ポートの内径と同寸法であることを特徴とする。
【0009】
請求項3の温度膨張弁は、請求項1または2に記載の温度膨張弁であって、前記シール部材の前記パッキンが、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)素材であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の温度膨張弁によれば、ダイヤフラム装置に連結する弁体のニードル部をガイド孔内に嵌挿するようにした温度膨張弁において、弁体のニードル部回りに環状に形成したパッキンにより、その外周端を軸線方向に対して弁ポート側に屈曲変形してなるリム部を形成し、板バネの弾性力によりこのリム部をガイド孔の内周面に押圧することで、ダイヤフラム装置側の均圧室と一次圧力側の第1ポート間を封止するようにしたので、簡単な構造で圧力バランスの崩れない、一次圧力の変動に対しても過熱度設定値の変動を少なくすることができる。
【0011】
請求項2の温度膨張弁によれば、請求項1の効果に加えて、弁体のニードル部の外径と弁ポートの内径とを同寸法としたので、一次圧力の変動が弁体に与える影響を低減することができる。
【0012】
請求項3の温度膨張弁によれば、請求項1または2の効果に加えて、パッキンをポリテトラフルオロエチレン素材としたので、過熱度制御時のヒステリシスを押さえることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態の温度膨張弁の縦断面図である。
【図2】本発明の実施形態の温度膨張弁の要部拡大断面図である。
【図3】本発明の実施形態の実施形態の温度膨張弁のパッキン及び板バネの組み付け前の状態を示す図である。
【図4】本発明の実施形態の温度膨張弁のパッキン及び板バネの組み付け状態の形状を示す図である。
【図5】本発明の実施形態の温度膨張弁を適用した冷凍サイクルの要部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本発明の温度膨張弁の実施形態を図面を参照して説明する。図1は実施形態の温度膨張弁の縦断面図、図2は実施形態の温度膨張弁の要部拡大断面図、図3は実施形態の温度膨張弁のシール用パッキン及び板バネの組み付け前の状態を示す図、図4は実施形態の温度膨張弁のシール用パッキン及び板バネの組み付け状態を示す図、図5は実施形態の温度膨張弁を適用した冷凍サイクルの要部を示す図である。
【0015】
図5において、10は実施形態の温度膨張弁、20は圧縮機、30は凝縮器、40は蒸発器であり、これらは配管で環状に接続することにより冷凍サイクルを構成している。温度膨張弁10の一次側継手管1aは凝縮器30側の一次配管aに接続され、二次側継手管1bは蒸発器40側の二次配管bに接続されて、均圧管1cは蒸発器40の出口側配管cに接続されている。圧縮機20は冷媒を圧縮し、圧縮された冷媒は凝縮器30で凝縮液化され、一次側継手管1aを通して温度膨張弁10に流入される。温度膨張弁10は流入される冷媒を減圧(膨張)して二次側継手管1bから蒸発器40に流入させる。そして、蒸発器40は冷媒を蒸発気化し、圧縮機20に循環させる。蒸発器40の出口側配管cには温度膨張弁10の感温筒10Aが取り付けられている。この感温筒10Aには、例えば冷凍サイクルの冷媒と同じガス(及び液)が封入されており、この感温筒10Aはキャピラリチューブ10Bにより温度膨張弁10のダイヤフラム装置2に連結されている。
【0016】
図1に示すように、温度膨張弁10は、金属製の弁ハウジング1を有し、弁ハウジング1には、前記一次配管aに接続される第1ポート11と前記二次配管bに接続される第2ポート12が形成され、第1ポート11と第2ポート12との間に弁ポート13が形成されている。また、弁ハウジング1には、第1ポート11が側部に開口されるガイド孔14が形成されている。このガイド孔14は、弁ポート13側を一端にして弁ポート13の中心軸を軸線Lとする円筒状の形状をしており、弁ポート13と反対側は開口している。また、弁ハウジング1には、蒸発器40の出口側配管cに連通される均圧路22bが形成されている。さらに、弁ポート13の下部には軸線Lを軸とする略円筒形状の取付け孔16が形成されている。第1ポート11には一次側継手管1aが、第2ポート12には二次側継手管1bが、均圧路22bには均圧管1cがそれぞれ取り付けられている。
【0017】
弁ハウジング1のガイド孔14内には弁体15が配設されている。弁体15は、弁ポート13に対して第2ポート12側に位置する弁部15aと、ガイド孔14の内周面に対してクリアランスを有し、ガイド孔14内に嵌挿される円柱状のニードル部15bとを有している。これにより、弁体15はガイド孔14内に軸線L方向に移動自在に収容され、軸線L方向の移動により弁部15aが弁ポート13を開閉する。また、ニードル部15bの弁部15aと反対側の端部には、当金17が装着され、弁体15は当金17を介してダイヤフラム装置2のダイヤフラム23に連結されている。
【0018】
弁ポート13の下部の取付け孔16には過熱度設定部3が取り付けられている。この過熱度設定部3は、外周に雄ねじを有する調整スピンドル31と、調整スピンドル31の中孔内に配設された調整ばね32と、調整ばね32の端部に配設されたリテーナ33とを備えている。調整スピンドル31は、雄ねじを取付け孔16の下部に形成された雌ねじに螺合されている。なお、調整スピンドル31はOリングが取り付けられており、弁ポート13と取付け孔16との間の気密性が保たれる。リテーナ33は、弁部15aの下部に形成されたボス部15a1に嵌合されている。そして、調整ばね32のばね力により、弁体15は弁ポート13を閉じる弁閉方向、すなわちダイヤフラム23側に付勢されている。なお、調整スピンドル31を回すことにより、調整ばね32による弁体15への付勢力が調整される。また、取付け孔16には、調整スピンドル31の脱落を防止する止め輪25が取り付けられている。
【0019】
取付け孔16の下端部の開口周辺にはリング状の凹部161が形成され、さらにこの凹部161よりも軸線L方向の内側周囲には雌ねじ162が形成されている。凹部161内には、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製のリング状の封止部材4が配設されており、取付け孔16の下端部内には蓋部材5が、その雄ねじを雌ねじに螺合することにより取り付けられている。なお、封止部材4の厚みは、取り付け前の部品としては凹部161の深さより厚く形成されており、蓋部材5を螺合することにより、封止部材4は僅かに押しつぶされて塑性変形し、凹部161内に固着される。
【0020】
弁ハウジング1の上部にはダイヤフラム装置2が取り付けられている。ダイヤフラム装置2は、上蓋21と下蓋22によりケース体を構成しており、下蓋22の下部を弁ハウジング1の上端に螺合することにより、このダイヤフラム装置2はガイド孔14の端部に取り付けられている。また、上蓋21と下蓋22の間にはダイヤフラム23を備えており、上蓋21と下蓋22とからなるケース体内部は、このダイヤフラム23によって受圧室21aと均圧室22aとして区画されている。均圧室22aは、弁ハウジング1の前記均圧路22bを介して蒸発器40の出口側配管cに導通され、この均圧室22aには出口側配管cの蒸発圧力が導入される。
【0021】
受圧室21aは、キャピラリチューブ10Bによって感温筒10Aと接続されている。これにより、受圧室21aの内圧は、感温筒10Aによる感知温度に応じて変化する。そして、ダイヤフラム23は、受圧室21aと均圧室22aの圧力差に応じて変位し、この変位は、当金17によって弁体15に伝達される。
【0022】
すなわち、この温度膨張弁10は、蒸発器40の出口側配管cの感知温度が高くなると弁体部15aが弁ポート13を開くように作用し、出口側配管cの感知温度が低くなると弁ポート13を閉じるように作用する。また、蒸発器40における蒸発圧力が低くなると弁体部15aが弁ポート13を開くように作用し、蒸発圧力が高くなると弁体部15aが弁ポート13を閉じるように作用する。このようにして、感温筒10Aの感知温度と蒸発圧力との差圧に応じて、凝縮器側の一次配管aから蒸発器側の二次配管bに冷媒を流す弁ポート13の開度を制御し、冷凍サイクルの過熱度制御を行う。
【0023】
図2に示すように、弁体15のニードル部15bの端部には、それぞれ円柱状の大径ボス部15b1、中径ボス部15b2及び小径ボス部15b3が形成されている。小径ボス部15b3が当金17の中央孔17aに嵌合することにより当金17がニードル部15bの端部に装着されている。
【0024】
ニードル部15bの中径ボス部15b2の周囲にはシール部材6が設けられている。シール部材6はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)素材の円盤状(ドーナツ盤状)のパッキン61と、金属素材の円盤状(ドーナツ盤状)の板バネ62とで構成されており、パッキン61と板バネ62は、板バネ62を大径ボス部15b1側にして中径ボス部15b2に嵌め込まれている。
【0025】
図3(A) に示すように、パッキン61は組み付け前の部品の状態では平板状である。また、板バネ62は、外周部が凹凸歯形状をしており多数の凸歯形状部62aを有している。この板バネ62は図3(B) に示すように組み付け前の部品の状態では、凸歯形状部62aの部分が僅かに屈曲した状態である。
【0026】
ニードル部15bの中径ボス部15b2には押え部材7が嵌合されている。押え部材7の大径ボス15b1側の端面には、リング状の突条7aが形成されている。また、大径ボス部15b1の端面には、上記突条7aに対向する位置に円状の凹部15b1−1が形成されている。そして、押え部材7の突条7aをパッキン61に押し当てた状態で、押え部材7の当金17側端部とニードル部15bの中径ボス15b2の端部とを溶接し、押え部材7がニードル部15bに固着されている。このように、シール部材6のパッキン61は、ニードル部15b回りに環状に形成されている。
【0027】
上記のようにシール部材6をニードル部15bに取り付けた状態で、これらのアセンブリをガイド孔14内に嵌挿した組み付け状態では、図4に示すように、パッキン61は、その外周端をパッキン61の軸線L方向に対して弁ポート13側に屈曲変形してなるリム部61aを形成している。また、板バネ62は外周の凸歯形状部62aの部分がパッキン61のリム部61の内側で屈曲した状態となる。そして、板バネ62はその凸歯形状部62aの弾性力により、リム部61aをガイド孔14の内周面に押圧している。したがって、ニードル部15bとガイド孔14の内周面との間にクリアランスがあるが、均圧室22aと第1ポート1a間はシール部材6のパッキン61により完全に封止される。このように、シール部材6により、均圧管1cに導入される蒸発圧力と第1ポート11の一次圧力との差圧に対して、均圧室22aと第1ポート1a間で高いシール性が得られる。また、一次圧力が高くなっても、その圧力はパッキン61のリム部61aをガイド孔14の内周面側に押すように作用するので、高いシール性を保持できる。
【0028】
なお、板バネ62の多数の凸歯形状部62aは、パッキン61のリム部61aの内側から離間した位置で押圧するので、リム部61aが多角形形状とならないようにするためには、パッキン61は肉厚が0.3mm〜0.5mm程度が適している。なお、この厚みでポリ
テトラフルオロエチレン素材のパッキンを使用しているので、過熱度制御時のヒステリシスを、最大差圧が3.0MPaでも2℃以下に保つことができた。
【0029】
また、実施形態では、弁体15のニードル部15bの外径が弁ポート13の内径と同程度の寸法となっているので、一次圧力が変動しても弁体15に係る圧力による力が弁部15a側とニードル部15b側とで相殺され、一次圧力の変動が弁体15に影響しない。このように、シール部材6でシールする簡単な構造となっているので、弁ポート13を流れる冷媒の流量を大きくする大能力の冷凍サイクルにおいてもニードル部15bの外径をその弁ポート13の内径と同等に大きくできる。したがって、一次圧力の変動に対して、過熱度の設定値変動を少なくすることができる。
【0030】
このように、弁ポート13の内径とニードル部15bの外径を同一にして、大能力の冷凍サイクルに対応できるとともに、従来のように大型のバネが不要となり、小型・軽量化を図ることができる。
【0031】
例えば、従来はR22を冷媒とした時に30kW前後の能力が限界であったが、弁ハウジングが従来と同一(共通)でも20kW〜50kWの能力に適用することができる。
【符号の説明】
【0032】
1 弁ハウジング
11 第1ポート
12 第2ポート
13 弁ポート
14 ガイド孔
15 弁体
15a 弁部
15b ニードル部
2 ダイヤフラム装置
21 上蓋
21a 受圧室
22 下蓋
22a 均圧室
3 過熱度設定部
6 シール部材
61 パッキン
61a リム部
62 板バネ
62a 凸歯形状部
7 押え部材
10 温度膨張弁
10A 感温筒
20 圧縮機
30 凝縮器
40 蒸発器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷凍サイクルの凝縮器と蒸発器との間に配管接続され、前記蒸発器の出口側配管に設けられる感温筒からの圧力と前記蒸発器の蒸発圧力との差圧に応じて、前記凝縮器側の一次配管から前記蒸発器側の二次配管に冷媒を流す弁ポートの開度を制御するダイヤフラム装置を備えた温度膨張弁であって、
前記一次配管に接続される第1ポートと前記二次配管に接続される第2ポートとが前記弁ポートを挟んで形成され、前記第1ポートが側部に開口されるガイド孔であって前記弁ポート側を一端にして該弁ポートの中心軸を軸線とする円筒状のガイド孔が形成され、前記蒸発器の出口側配管に連通される均圧路が形成された弁ハウジングと、
前記ガイド孔内に前記軸線方向に移動自在に収容され、前記弁ポートに対して前記第2ポート側に位置して前記弁ポートを開閉する弁部と、前記ガイド孔に嵌挿される円柱状のニードル部とを有し、前記ニードル部の前記弁部と反対側が前記ダイヤフラム装置のダイヤフラムに連結される弁体と、
前記弁体を前記ダイヤフラム側に付勢する過熱度設定部と、
前記弁体のニードル部に設けられて前記ガイド孔の内周面に接触する板状のパッキンと該パッキンを前記ガイド孔の内周面側に付勢する板ばねとからなるシール部材と、
を備え、
前記ダイヤフラム装置は、前記弁ハウジングの前記ガイド孔の端部に取り付けられるとともに、前記均圧路を介して前記蒸発器の出口側配管の前記蒸発圧力が導入される均圧室を有し、
前記シール部材の前記パッキンが、前記ニードル部回りに環状に形成されるとともに、該パッキンは、その外周端を軸線方向に対して前記弁ポート側に屈曲変形してなるリム部を形成し、前記板バネの弾性力により前記パッキンの前記リム部を前記ガイド孔の内周面に押圧することで、該シール部材により前記均圧室と前記第1ポート間を封止するようにしたことを特徴とする温度膨張弁。
【請求項2】
前記ニードル部の外径が前記弁ポートの内径と同寸法であることを特徴とする請求項1に記載の温度膨張弁。
【請求項3】
前記シール部材の前記パッキンが、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)素材であることを特徴とする請求項1または2に記載の温度膨張弁。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−229886(P2012−229886A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−99336(P2011−99336)
【出願日】平成23年4月27日(2011.4.27)
【出願人】(000143949)株式会社鷺宮製作所 (253)
【Fターム(参考)】