説明

温水洗浄便座

【課題】拡張型水タンクの容積を充分に利用する温水洗浄便座を提供する。
【解決手段】温水洗浄便座は、制御装置を有する洗浄器本体9、洗浄器本体9に内蔵される水加熱タンク5、チャンバーを有する便座である拡張型水タンク11、を備える。拡張型水タンク11の第一排気管314は、一端が拡張型水タンク11に接続されるように拡張型水タンク11の送水区域に位置付けられ、他端が水加熱タンク5)に接続される。給水管、回流管、および拡張型水タンク11の第二排気管は、拡張型水タンク11、噴出システム、および水加熱タンク5に接続される。拡張型水タンク11の送水口および排水口に排気管を別々に配置することによって拡張型水タンク11に集結した気泡を排除し、便座に温水を充満させ、便座の表面を暖かく保持することができるだけでなく、拡張型水タンク11の容積を充分に利用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、温水洗浄便座に関する。
【背景技術】
【0002】
電気で水を加熱して体を洗浄する従来の温水洗浄便座は、通常の便器に増設される。洗浄器本体は内部に水タンクを有し、水タンクは内部に加熱器、温度センサー、水位センサーまたは水圧センサー、過熱保護器などの装置を有する。水タンク内の水がユーザーによって設定された温度まで加熱された後、噴出システムは指令に従い、温水を噴出し、体を洗浄する。
【0003】
寒い冬に十分な温水を噴出できることを保証するには、温水洗浄便座の水タンクの容量を例えば1Lから2Lにする必要がある。しかしながら、水タンク内にはさらに加熱器、温度センサー、水位または水圧センサー、および過熱保護装置が配置され、水タンク内の空間の多くを占めるため、洗浄器本体の体積が増大し、下記の欠点を抱えている。
【0004】
1、便座の大きさは通常一定の範囲内に制限されるのに対し、洗浄器本体が大き過ぎると便座の空間の多くを占めてしまうため、ユーザーが便座に座れる空間が減少し、使用する際の感覚が不快になる。
【0005】
2、温水洗浄便座は予め設計によって便器に配置されるのではなく、既存の通常の便器に装着される。便器の水タンクと便器との接続箇所の弧度が大き過ぎると、幅が広すぎる温水洗浄便座または弧度が小さすぎる温水洗浄便座を便器に装着することは困難である。
3、洗浄器本体の体積は水タンクの体積を制限し、温水の容量を制限する。
【0006】
寒い冬に体が便座に座ると冷たく感じることを避けるため、既存の便座に電気加熱装置を装着することが一般的である。加熱装置は一般的に加熱器、導熱媒質および温度制御装置を含む。つまり洗浄便座に体洗浄装置の電気回路と分離した独立の回路システムを増設する必要があるため、洗浄便座の構成が複雑になり、装着およびメンテナンスの難度が増加するだけでなく、コストが増加してしまう。便座に高圧回路が内蔵されるため、安全性を配慮する必要がある。
【0007】
それに対し、本出願人は、中国実用新案第200971554号明細書(特許文献1)により便座全体を拡張型水タンクとする技術を開示した。上記考案により、洗浄器本体および水タンクの体積を減少することができるだけでなく、温水保存空間を増大させ、体洗浄に用いる温水によって人が座る便座を温めることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】中国実用新案第200971554号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1の便座は、拡張型水タンクとした便座の中に気泡が大量に集結する。気泡が存在したことが原因で拡張型水タンクの容積が縮小し、便座と温水とが隔離されてしまうため、便座は熱伝導を受けることができず、依然として冷たい。また気泡は水の流動を妨害するため、拡張型水タンクの温水供給に影響してしまう。また、冷水は、送水管を経由して便座に流れ込んだ後、加熱水タンクに流れ込み、加熱されるため、便座の温度を制御することが難しい。
上記問題を解決するため、本発明の目的は、拡張型水タンクの容積を充分に利用する温水洗浄便座を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明による温水洗浄便座は、制御装置を有する洗浄器本体と、拡張型水タンクと一体になった便座と、洗浄器本体に内蔵される水加熱タンクとを備える。
【0011】
拡張型水タンクは、ヒンジによって洗浄器本体に接続される。ヒンジは、水管が通るチャンバーを有する。水加熱タンクの水路と拡張型水タンクの水路とは、二つの連結水管によって連通する。二つの連結管は、ヒンジのチャンバーを貫通する。一つの連結管は循環ポンプおよびバルブを有する。温水洗浄便座が水を噴出して体を洗浄する際、バルブは閉鎖され、送水管から流れてきた冷水が連結管を流れて水加熱タンクに流れ込み、噴水温度を低下させることを防止することができる。送水管は、一端がヒンジのチャンバーを通って水源を受け、他端が拡張型水タンクに入り込む。
【0012】
水加熱タンクは、水位スイッチ(例えば、水位浮子スイッチを使用する)、加熱管、および排気管を有する。排気管は、一端が水加熱タンクに接続され、他端が空気中に露出される。水加熱タンク上の電気部品は、ケーブルによって洗浄器本体の制御装置に接続される。排水管は、一端が水加熱タンクに接続され、他端が噴出システムに接続される。拡張型水タンクは、底部に排気ボルトを有する。
【0013】
水は、送水管を経由して拡張型水タンクに流れ込み、一つの連結管を経由して水加熱タンクに流れ込む。加熱管は、指令に従い、水加熱タンク内の水をユーザーが予め設定した温度まで加熱する。温水は、もう一つの連結管を経由して拡張型水タンクに流れ込み、循環水路を生成する。これにより、拡張型水タンク内の水と、水加熱タンク内の水との温度を設定した温度に維持することができる。循環ポンプは、水路の循環を速める作用を果たす。水加熱タンク内の温水は、排水管を経由して噴出システムから噴出され、体を洗浄する。
【0014】
本発明の効果は次の通りである。
1、拡張型水タンク内の気泡を迅速に排除し、拡張型水タンクの容積を充分に利用することが可能なだけでなく、拡張型水タンクに温水を充満させ、便座の表面を暖かく保持することができる。
2、拡張型水タンクは、水加熱タンクから給水されるため、拡張型水タンクの水温を確実に制御することができる。
3、噴出システムに給水するのは水加熱タンクでなく、拡張型水タンクであるため、水加熱タンクの体積をさらに縮減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態による温水洗浄便座の構成を示す模式図である。
【図2】図1内のI部位を示す断面図である。
【図3】本発明の第1実施形態による温水洗浄便座の原理を示す模式図である。
【図4】本発明の第2実施形態による温水洗浄便座の原理を示す模式図である。
【図5】本発明の第3実施形態による温水洗浄便座の原理を示す模式図である。
【図6】本発明の第1実施形態〜第3実施形態における蓋、洗浄器本体および便座が分解された状態を示す模式図である。
【図7】本発明の第1実施形態〜第3実施形態における蓋、洗浄器本体および便座が組み立てられた状態を示す断面図である。
【図8】従来の温水洗浄便座の構成を示す模式図である。
【図9】従来の温水洗浄便座の水タンクの構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明による温水洗浄便座を図面に基づいて説明する。
以下の実施形態において、便座11は拡張型水タンク11に相当するが、本発明はこれに限らず、蓋404または別の部品を拡張型水タンクとすることにしてもよい。
【0017】
(第1実施形態)
図3に示すように、本発明の第1実施形態による温水洗浄便座は、洗浄器本体9、水加熱タンク5、拡張型水タンク11、拡張型水タンク11の送水管316、拡張型水タンク11の第一排気管314、拡張型水タンク11の第二排気管322、回流管323、および拡張型水タンク11の給水管324を備える。
【0018】
洗浄器本体9は、制御装置を有する。水加熱タンク5は、洗浄器本体9に内蔵される。拡張型水タンク11は洗浄器本体9の外側に位置付けられる。拡張型水タンク11の送水管316は、水加熱タンク5の出口と拡張型水タンク11の入口との間に接続される。拡張型水タンク11の第一排気管314は、一端が拡張型水タンク11に接続されるように拡張型水タンク11の送水区域に位置付けられ、他端が水加熱タンク5に接続される。拡張型水タンク11の第二排気管322は、一端が拡張型水タンク11に接続されるように拡張型水タンク11の排水区域に位置付けられ、他端が水加熱タンク5に接続される。回流管323は、拡張型水タンク11および水加熱タンク5に接続される。拡張型水タンク11の給水管324は拡張型水タンク11および噴出システムに接続される。
【0019】
拡張型水タンク11の送水口および排水口に排気管を別々に配置することによって拡張型水タンク11に集結した気泡を排除する。これにより、拡張型水タンク11の容積を充分に利用し、拡張型水タンク11に温水を充満させ、便座の表面を暖かく保持することができる。
【0020】
本実施形態による温水洗浄便座の一つの特徴は次の通りである。水源を受ける水道管318は、送水バルブ319を通って水加熱タンク5に接続される。これにより、冷水は、便座を通って水加熱タンク5に流れ込み加熱されるのではなく、水加熱タンクに流れ込み加熱された後、便座に流れ込むため、便座内の水は、冷水と温水とが混合した水ではなく、加熱された温水である。従って、本実施形態による温水洗浄便座は便座の温度を確実に制御することができる。
【0021】
本実施形態による温水洗浄便座のもう一つの特徴は次の通りである。水加熱タンク5と噴出システムとの間に給水管4を配置する先行技術に対し、本実施形態は噴出システムと拡張型水タンク11との間に噴出システムの給水管324を配置するため、水加熱タンク5の体積をさらに縮減することができる。また噴出システムに温水を供給するのは水加熱タンク5ではなく、容積の比較的大きい拡張型水タンク11であるため、水加熱タンク5の体積が小さくなってもよい。冷水の加熱さえできればよい。
【0022】
拡張型水タンク11と水加熱タンク5との間は回流管323を有する。水加熱タンク5は、単方向バルブ308によって水加熱タンク5内の水(加熱後の水または加熱前の水)が回流管323を通って拡張型水タンク11に流れ込むことを防止する。つまり回流管323は単方向バルブ308によって拡張型水タンク11および水加熱タンク5に接続されるため、水加熱タンク5内の加熱されていない冷水が拡張型水タンク11内に流れ込むことを防止することができる。
【0023】
第1実施形態において、噴出システムは、噴出連結管306と、噴出連結管306に配置された増圧ポンプ304と、噴出連結管306の一端に配置された噴水選択バルブ305と、噴水選択バルブ305に接続される噴出管303およびノズル302を有する。
【0024】
本実施形態による温水洗浄便座は、さらに水加熱タンク5に内蔵され、冷水の加熱に用いられる加熱管312と、送水バルブ319の作動を制御する水位スイッチ313とを備える。
拡張型水タンク11と水加熱タンク5との間に配置された拡張型水タンク11の送水管316には、循環ポンプ315が設けられる。
【0025】
本実施形態において、拡張型水タンク11はチャンバーを有する便座であり、便座はダンパーによって洗浄器本体9に装着される。従来の技術に比べて、本実施形態による温水洗浄便座は、ダンパーによって便座を洗浄器本体9に装着し、かつ徐々に回転させることができるため、水が充満している便座が高速で落下し、衝撃を受けて破損することを防止することができる。
【0026】
(第2実施形態)
図4に示すように、本発明の第2実施形態による温水洗浄便座は、洗浄器本体9、水加熱タンク5、拡張型水タンク11、拡張型水タンク11の送水管316、拡張型水タンク11の第一排気管314、拡張型水タンク11の第二排気管322、および拡張型水タンク11の給水回流管325を備える。
【0027】
洗浄器本体9は制御装置を有する。水加熱タンク5は、洗浄器本体9に内蔵される。拡張型水タンク11は、洗浄器本体9の外側に位置付けられる。拡張型水タンク11の送水管316は、水加熱タンク5の出口と拡張型水タンク11の入口との間に接続される。拡張型水タンク11の第一排気管314は、一端が拡張型水タンク11に接続されるように拡張型水タンク11の送水区域に位置付けられ、他端が水加熱タンク5に接続される。拡張型水タンク11の第二排気管、即ち便座の排気管322は、一端が拡張型水タンク11に接続されるように拡張型水タンク11の排水区域に位置付けられ、他端が水加熱タンク5に接続される。拡張型水タンク11の給水回流管325は、拡張型水タンク11、水加熱タンク5、および噴出システムに接続される。
【0028】
本実施形態において、水源を受ける水道管318は、送水バルブ319を通って水加熱タンク5に接続される。拡張型水タンク11は、チャンバーを有する便座であり、便座は、ダンパーによって洗浄器本体9に装着される。
【0029】
拡張型水タンク11の送水口および排水口に排気管を別々に配置することによって拡張型水タンクに集結した気泡を排除し、拡張型水タンクの容積を充分に利用することが可能なだけでなく、拡張型水タンク11に温水を充満させ、便座の表面を暖かく保持することができる。
【0030】
第2実施形態においては、拡張型水タンク11の給水管324および回流管323を一本のパイプ給水回流管325にすることによって、便座および洗浄器本体のヒンジのチャンバー320を通って拡張型水タンク11に接続されるパイプの本数を四本まで減らす。これにより、製造コストを削減し、装着作業にかかる手間を省くことができる。
【0031】
第2実施形態は、拡張型水タンク11の給水管324および回流管323を一本のパイプ給水回流管325にする以外の部分が第1実施形態と同じである。
【0032】
(第3実施形態)
図1および図2に示した温水洗浄便座の構成は特に図5に示した第3実施形態に適用される。図1、図2および図5に示すように、本発明の第3実施形態による温水洗浄便座は、洗浄器本体9、水加熱タンク5、拡張型水タンク11、拡張型水タンク11の送水管316、拡張型水タンク11の第一排気管314、および拡張型水タンク11の給水回流排気管301を備える。
【0033】
洗浄器本体9は制御装置を有する。水加熱タンク5は、洗浄器本体9に内蔵される。拡張型水タンク11は、洗浄器本体9の外側に位置付けられる。拡張型水タンク11の送水管316は、水加熱タンク5の出口と拡張型水タンク11の入口との間に接続される。拡張型水タンク11の第一排気管314は、一端が拡張型水タンク11に接続されるように拡張型水タンク11の送水区域に位置付けられ、他端が水加熱タンク5に接続される。拡張型水タンク11の給水回流排気管301は、拡張型水タンク11、噴出システム、および水加熱タンク5に接続される。
【0034】
拡張型水タンク11の送水口および排水口に排気管を別々に配置することによって拡張型水タンクに集結した気泡を排除し、拡張型水タンクの容積を充分に利用することが可能なだけでなく、拡張型水タンク11に温水を充満させ、便座の表面を暖かく保持することができる。
【0035】
本実施形態において、水源を受ける水道管318は、送水バルブ319を通って水加熱タンク5に接続される。拡張型水タンク11は、チャンバーを有する便座であり、便座は、ダンパーによって洗浄器本体9に装着される。拡張型水タンク11および水加熱タンク5に接続される拡張型水タンク11の送水管316は、循環ポンプ315を有する。
【0036】
拡張型水タンク11の給水管324、排気管322および回流管323を一本のパイプ給水回流排気管301にすることによって、便座および洗浄器本体9のヒンジのチャンバー320を通って拡張型水タンク11に接続されるパイプは、拡張型水タンク11の第一排気管314、拡張型水タンク11の送水管316、および給水回流排気管301の三本まで減る。従って、製造コストを削減し、装着作業にかかる手間を省くことができる。
【0037】
第3実施形態は、拡張型水タンク11の給水管324、回流管323および排気管322を一本のパイプ給水回流排気管301にする以外の部分が第1実施形態と同じである。
【0038】
第1実施形態から第3実施形態において、水加熱タンク5は、さらに水加熱タンク5の排気管309に接続される排気口を有するため、水加熱タンク5内の気体および拡張型水タンク11から引き込まれた気泡を排気口から排出することができる。水加熱タンク5の排気管309は溢流機能を有するため、溢流排気管と称される。
【0039】
図6および図7に示すのは、本発明の第1実施形態〜第3実施形態における蓋404、洗浄器本体9および拡張型水タンク11が組み立てられた状態である。本発明の第1実施形態〜第3実施形態においては、洗浄器本体9がダンパーによって蓋404と、拡張水タンク11とにダンピング接続される。図6に示すように、温水洗浄便座は、第一ダンパーおよび第二ダンパーを有する。第一ダンパーは、図6および図7に示した左側ダンパー402であり、第二ダンパーは、図6および図7に示した第一右側ダンパー407と第二右側ダンパー410である。説明すべきなのは、第一ダンパーおよび第二ダンパーの位置を互換することができる。
【0040】
第3実施形態において、第一ダンパーは、拡張型水タンク11の(左)係止座413(図の中に左右の二つの係止座がある)と洗浄器本体9の(右)ヒンジ座411(図の中に左右の二つのヒンジ座がある)とが嵌合される一つのヒンジチャンバー内の左側ダンピングのスリーブ403、左側ダンパー402、および左側ダンパーのキャップ401を有する。
【0041】
多辺形の柱体を呈する左側ダンピングのスリーブ403は、洗浄器本体9のヒンジチャンバー内の対応する陥没溝に差し込み、洗浄器本体9に接続して固定される。旋転可能な左側ダンパー402は、右端のヘッド部がダンピングのスリーブ403の孔に差し込む。多辺形の柱体を呈する左側ダンパーのキャップ401は、拡張型水タンク11のヒンジチャンバー内の対応する陥没溝に差し込み、一端の孔部が左側ダンパー402の左端のヘッド部と結合される。これにより、拡張型水タンク11は、左側ダンパー402のダンピング作用によって洗浄器本体9に緩徐に回転することができる。
【0042】
第3実施形態において、第二ダンパーは、拡張型水タンク11の(右)係止座413と、洗浄器本体9の(右)ヒンジ座411とが嵌合される他の一つのヒンジチャンバー内の右側ダンピングの固定スリーブ406、第一右側ダンパー407、右側ダンピングのスリーブ408、右側ダンピングのキャップ409、および第二右側ダンパー410を有する。
【0043】
右側ダンピングの固定スリーブ406は、右側ダンピングのスリーブ408に接続して固定される。右側ダンピングのスリーブ408は、洗浄器本体9の他の一つのヒンジに接続して固定される。第一右側ダンパー407は、両端のヘッド部が拡張型水タンク11の他の一つのヒンジチャンバー内の孔および右側ダンピングのスリーブ408の孔に差し込む。第二右側ダンパー410は、両端のヘッド部が右側ダンピングのスリーブ408の孔および蓋の孔に差し込む。
【0044】
つまり、第二ダンパーの二つのダンパーによって洗浄器本体9が拡張型水タンク11と蓋404とにダンピング接続される。従って、本発明の第1実施形態〜第3実施形態による温水洗浄器は、水が充満している拡張型水タンク11または蓋404が高速で落下し衝撃を受けて破損することを避けることができる。
【0045】
第3実施形態による温水洗浄便座の一つの特徴は次の通りである。拡張型水タンク11の(左)係止座413および洗浄器本体9の(左)ヒンジ座411に嵌合されるチャンバーの一部分(例えば右の部分)に、拡張水タンク11および洗浄器本体9に接続される第一ダンパーを装着し、他の部分(例えば右の部分)に拡張型水タンク11および洗浄器本体9との間のパイプ、例えば拡張型水タンク11用給水回流排気管301、拡張型水タンク11の第一排気管314、拡張型水タンク11の送水管316を通す。これによって水管を露出させることを避けることができ、パイプが露出して破損しやすくなるという問題を避けることができる。
【0046】
便座はダンパーによって洗浄器本体9に装着される。従来の技術に比べて、本実施形態による温水洗浄便座は、ダンパーによって便座を徐々に回転させることができるため、水が充満している便座が高速で落下し、衝撃を受けて破損することを防止することができる。
【0047】
本発明の第1実施形態〜第3実施形態による温水洗浄便座の効果は次の通りである。
1、拡張型水タンク11内の気泡を迅速に排除し、拡張型水タンク11の容積を充分に利用することが可能なだけでなく、拡張型水タンク11に温水を充満させ、便座の表面を暖かく保持することが可能である。
2、拡張型水タンク11は、水加熱タンク5から給水されるため、拡張型水タンク11の水温を確実に制御することができる。
3、噴出システムに給水するのは水加熱タンク5でなく、拡張型水タンク11であるため、水加熱タンク11の体積をさらに縮減することができる。
【0048】
以上、本発明は、上記実施形態になんら限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施可能である。
【符号の説明】
【0049】
5 ・・・水加熱タンク、
9 ・・・洗浄器本体、
11 ・・・拡張型水タンク、
13 ・・・ヒンジ、
15 ・・・排気ボルト、
301 ・・・拡張型水タンクの給水回流排気管、
302 ・・・ノズル、
303 ・・・噴出管、
304 ・・・増圧ポンプ、
305 ・・・噴水選択バルブ、
306 ・・・噴出連結管、
308 ・・・単方向バルブ、
309 ・・・水加熱タンクの排気管、
312 ・・・加熱管、
313 ・・・水位スイッチ、
314 ・・・拡張型水タンクの第一排気管、
315 ・・・循環ポンプ、
316 ・・・拡張型水タンクの送水管、
317 ・・・送水スイッチ、
318 ・・・水道管、
319 ・・・送水バルブ、
320 ・・・便座と洗浄器本体とのヒンジチャンバー、
321 ・・・便座両側の最高位置に接続された排気管(気泡が存在する部位)、
322 ・・・拡張型水タンクの第二排気管、
323 ・・・回流管、
324 ・・・給水管、
325 ・・・給水回流管、
401 ・・・左側ダンパーのキャップ、
402 ・・・左側ダンパー、
403 ・・・左側ダンピングのスリーブ、
404 ・・・蓋、
406 ・・・右側ダンピングの固定スリーブ、
407 ・・・第一右側ダンパー、
408 ・・・右側ダンピングのスリーブ、
409 ・・・右側ダンピングのキャップ、
410 ・・・第二右側ダンパー、
411 ・・・洗浄器本体のヒンジ座、
413 ・・・拡張型水タンクの係止座、
1 ・・・温度センサー、
2 ・・・水位スイッチ、
3 ・・・排気管、
4 ・・・給水管、
6 ・・・温度制御器、
7 ・・・連結水管、
8 ・・・加熱管、
10 ・・・連結水管、
12 ・・・送水管、
14 ・・・循環ポンプ、
141 ・・・バルブ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御装置を有する洗浄器本体(9)と、
洗浄器本体(9)に内蔵される水加熱タンク(5)と、
洗浄器本体(9)の外側に位置付けられる拡張型水タンク(11)と、
水加熱タンク(5)の出口と拡張型水タンク(11)の入口との間に接続される拡張型水タンク(11)の送水管(316)と、を備える温水洗浄便座であって、
拡張型水タンク(11)は、水加熱タンク(5)および噴出システムに接続される拡張型水タンク(11)用排水管および排気管を有することを特徴とする温水洗浄便座。
【請求項2】
制御装置を有する洗浄器本体(9)と、
洗浄器本体(9)に内蔵される水加熱タンク(5)と、
洗浄器本体(9)の外側に位置付けられる拡張型水タンク(11)と、
水加熱タンク(5)の出口と拡張型水タンク(11)の入口との間に接続される拡張型水タンク(11)の送水管(316)と、
を備える温水洗浄便座であって、
さらに、
一端が拡張型水タンク(11)に接続されるように拡張型水タンク(11)の送水区域に位置付けられ、他端が水加熱タンク(5)に接続される拡張型水タンク(11)の第一排気管(314)と、
一端が拡張型水タンク(11)に接続されるように拡張型水タンク(11)の排水区域に位置付けられ、他端が水加熱タンク(5)に接続される拡張型水タンク(11)の第二排気管(322)と、
拡張型水タンク(11)および水加熱タンク(5)に接続される拡張型水タンク(11)の回流管(323)と、
拡張型水タンク(11)および噴出システムに接続される拡張型水タンク(11)の給水管(324)と、を備えることを特徴とする温水洗浄便座。
【請求項3】
回流管(323)は、単方向バルブ(308)によって拡張型水タンク(11)および水加熱タンク(5)に接続されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の温水洗浄便座。
【請求項4】
制御装置を有する洗浄器本体(9)と、
洗浄器本体(9)に内蔵される水加熱タンク(5)と、
洗浄器本体(9)の外側に位置付けられる拡張型水タンク(11)と、
水加熱タンク(5)の出口と拡張型水タンク(11)の入口との間に接続される拡張型水タンク(11)の送水管(316)と、を備える温水洗浄便座であって、
さらに、
一端が拡張型水タンク(11)に接続されるように拡張型水タンク(11)の送水区域に位置付けられ、他端が水加熱タンク(5)に接続される拡張型水タンク(11)の第一排気管(314)と、
一端が拡張型水タンク(11)に接続されるように拡張型水タンク(11)の排水区域に位置付けられ、他端が水加熱タンク(5)に接続される拡張型水タンク(11)の第二排気管(322)と、
拡張型水タンク(11)、水加熱タンク(5)、および噴出システムに接続される拡張型水タンク(11)の給水回流管(325)と、を備えることを特徴とする温水洗浄便座。
【請求項5】
制御装置を有する洗浄器本体(9)と、
洗浄器本体(9)に内蔵される水加熱タンク(5)と、
洗浄器本体(9)の外側に位置付けられる拡張型水タンク(11)と、
水加熱タンク(5)の出口と拡張型水タンク(11)の入口との間に接続される拡張型水タンク(11)の送水管(316)と、を備える温水洗浄便座であって、
さらに、
一端が拡張型水タンク(11)に接続されるように拡張型水タンク(11)の送水区域に位置付けられ、他端が水加熱タンク(5)に接続される拡張型水タンク(11)の第一排気管(314)と、
拡張型水タンク(11)、噴出システム、および水加熱タンク(5)に接続される拡張型水タンク(11)の給水回流排気管(301)と、を備えることを特徴とする温水洗浄便座。
【請求項6】
水源を受ける水道管(318)は、送水バルブ(319)を経由して水加熱タンク(5)に流れ込むことを特徴とする請求項1、2、4、5のいずれか一項に記載の温水洗浄便座。
【請求項7】
拡張型水タンク(11)と水加熱タンク(5)に接続される拡張型水タンク(11)の送水管(316)は、循環ポンプ(315)を有することを特徴とする請求項6に記載の温水洗浄便座。
【請求項8】
拡張型水タンク(11)は、チャンバーを有する便座であり、
前記便座はダンパーによって洗浄器本体(9)に装着されることを特徴とする請求項1、2、4、5のいずれか一項に記載の温水洗浄便座。
【請求項9】
拡張型水タンク(11)と洗浄器本体(9)との間のパイプは、拡張水タンク(11)の係止座(413)を貫通し、洗浄器本体(9)のヒンジ座(411)に嵌合されてチャンバーを形成することを特徴とする請求項8に記載の温水洗浄便座。
【請求項10】
水加熱タンク(5)は、排気管(309)に接続される排気口を有することを特徴とする請求項7に記載の温水洗浄便座。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2012−504714(P2012−504714A)
【公表日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−529437(P2011−529437)
【出願日】平成21年7月31日(2009.7.31)
【国際出願番号】PCT/CN2009/073014
【国際公開番号】WO2010/040294
【国際公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【出願人】(511002973)ジアンメン イデア ハンユウ エレクトリカル ジョイントーストック カンパニー リミテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】JIANGMEN IDEAR HANYU ELECTRICAL JOINT−STOCK CO., LTD.
【Fターム(参考)】