説明

測位システム、測位方法、及び測位プログラム

【課題】第2の測位方式による測位結果の実測値をもとに、第1の測位方式による測定位置における第2の測位方式による測位の可否を判定する測位システムにおいて、第2の測位方式による測位が不可と推定されたことにより、その測定位置での第2の測位方式による測位が行われないままになることを防止する。
【解決手段】測位制御部210は、第1の測位方式による測位で取得された測位要否判定対象である測定位置と測位情報記憶部220に記憶された測位情報とをもとに、第2の測位方式による測位が成功する確率と当該確率の推定精度とを算出し、第2の測位方式による測位が成功する確率の推定精度が所定の精度以下の場合、第2の測位方式による測位を行い、当該測位要否判定対象である測定位置と当該第2の測位方式による測位可否とを設定した測位情報を測位情報記憶部220に保存する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は測位システム、測位方法、及び測位プログラムに関し、特に複数の測位方式を選択できる測位システム、測位方法、及び測位プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話に代表される携帯端末の高度化にともない、位置情報に基づいたサービスが可能となっている。携帯電話の高度化の例として、アプリケーションにて用いることのできるシステム提供API(Application Programming Interface)の充実や、アプリケーションの常時実行・定期実行が可能なこと、あるいはGPS(Global Positioning System)、加速度センサ等のセンサデバイスの充実が挙げられる。また、GPSのような測位デバイスを通じて、多くの携帯端末にてその位置情報を取得できる。これらの機能を統合的に利用することで、携帯端末の位置情報を定期的に取得し、携帯端末の利用者が移動したルートを記録すること等が可能である。そのような、位置情報に基づいたアプリケーション、サービスを提供することが、多くの携帯端末上で可能である。
【0003】
位置情報に基づいたサービスを携帯端末で提供する場合、測位による電力消費と測位精度のトレードオフが存在する。携帯端末で多く用いられている測位方式として、2つの測位方式がある。一つ目の方式は、衛星の位置と衛星からの電波の伝搬遅延を利用したGPS測位であり、二つ目の方式は、無線基地局の位置と無線基地局からの電波強度を利用した基地局測位である。GPS測位は、高精度な測位が可能であるという利点があるが、衛星からの電波を一定時間受け、その受信した電波に対して携帯端末の位置を計算する必要があるために消費電力が大きい。特に街中、屋内等では、測位できるエリアが限定されることが問題となる。一方、基地局測位は、消費電力が小さく、携帯端末が利用できるエリアであれば測位可能であるという利点があるが、測位精度が低い。
【0004】
この電力消費と測位精度のトレードオフは、サービスによっては問題となる。例えば、定期的に測位を行ってユーザの位置を記録するライフログサービスでは、頻繁に測位を行う必要があるため、測位方式としてGPS測位を用いると、携帯端末の消費電力が大きく、充電無しでの継続利用時間が少なくなる。一方で、測位方式として基地局測位を用いると、携帯端末の消費電力は小さいが、測位精度が悪いために、サービスの質が低下する。
【0005】
このような電力消費と測位精度のトレードオフを調整するために、高精度での測位が必要な場合にのみGPS測位を行い、それ以外の状況では基地局測位を行う測位システムが、例えば、特許文献1、特許文献2に開示されている。
【0006】
特許文献1に記載の携帯通信端末装置、及び、特許文献2に記載の位置検出装置は、基地局測位によって移動していることを判断した場合のみ、GPS測位等の高精度高消費電力の測位を行うことで、測位に伴う電力消費量を減らす。
【0007】
しかしながら、特許文献1、及び、特許文献2に記載の装置では、市街地や屋内等のGPS測位が不可能な場所でも、GPS測位を行ってしまうという問題がある。そこで、測位を行う場所におけるGPS測位の実測値をもとにGPS測位の可否を推定し、GPS測位が不可と推定された場合にはGPS測位を行わないことで、無駄な電力消費を行わないようにGPS測位の実行を制御する測位システムが、例えば、特許文献3に開示されている。
【0008】
特許文献3に記載の測位システムは、セルラ基地局からの信号をもとにセルラ端末の位置を取得し、GPS測位の実測値により得られたGPS測位精度をもとに、その位置におけるGPS測位の有効性を推定し、GPS測位の実行を制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2002−152808号公報
【特許文献2】特開2006−153695号公報
【特許文献3】特開2010−038895号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述の特許文献3に記載された測位システムにおいては、GPS測位の実測値のサンプル数が少ない等の理由で、誤ってGPS測位不可と推定された場合、その位置におけるGPS測位は行われず、GPS測位の正しい実測値が得られないため、その後、本来はGPS測位可能であっても、その位置でのGPS測位は行われないままになってしまうという問題がある。
【0011】
本発明の目的は、上述した問題を解決した、測位システム、測位方法、及び測位プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の測位システムは、第1の測位方式による測位で取得された端末の測定位置と、当該第1の測位方式による測定位置が取得されたときの第2の測位方式による測位の成功または失敗を示す測位可否と、を含む1以上の測位情報を記憶する測位情報記憶手段と、前記第1の測位方式による測位で取得された測位要否判定対象である測定位置と前記測位情報記憶手段に記憶された前記測位情報とをもとに、前記第2の測位方式による測位が成功する確率と当該確率の推定精度とを算出し、前記第2の測位方式による測位が成功する確率の推定精度が所定の精度以下の場合、前記第2の測位方式による測位を行い、当該測位要否判定対象である測定位置と当該第2の測位方式による測位可否とを設定した前記測位情報を前記測位情報記憶手段に保存する測位制御手段とを含む。
【0013】
本発明の測位方法は、第1の測位方式による測位で取得された端末の測定位置と、当該第1の測位方式による測定位置が取得されたときの第2の測位方式による測位の成功または失敗を示す測位可否と、を含む1以上の測位情報を記憶し、前記第1の測位方式による測位で取得された測位要否判定対象である測定位置と前記測位情報とをもとに、前記第2の測位方式による測位が成功する確率と当該確率の推定精度とを算出し、前記第2の測位方式による測位が成功する確率の推定精度が所定の精度以下の場合、前記第2の測位方式による測位を行い、当該測位要否判定対象である測定位置と当該第2の測位方式による測位可否とを設定した前記測位情報を保存する。
【0014】
本発明の測位プログラムは、コンピュータに、第1の測位方式による測位で取得された端末の測定位置と、当該第1の測位方式による測定位置が取得されたときの第2の測位方式による測位の成功または失敗を示す測位可否と、を含む1以上の測位情報を記憶し、前記第1の測位方式による測位で取得された測位要否判定対象である測定位置と前記測位情報とをもとに、前記第2の測位方式による測位が成功する確率と当該確率の推定精度とを算出し、前記第2の測位方式による測位が成功する確率の推定精度が所定の精度以下の場合、前記第2の測位方式による測位を行い、当該測位要否判定対象である測定位置と当該第2の測位方式による測位可否とを設定した前記測位情報を保存する処理を実行させる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の効果は、GPS測位などの第2の測位方式による測位結果の実測値をもとに、基地局測位などの第1の測位方式による測定位置における第2の測位方式による測位の可否を判定する測位システムにおいて、第2の測位方式による測位が不可と推定されたことにより、その後、その測定位置での第2の測位方式による測位が行われないままになることを防止できることである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第一の実施の形態の特徴的な構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第一の実施の形態における測位システム1の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第一の実施の形態における、端末装置100の測位処理、及び、サーバ装置200の測位要否判定処理を示すフローチャートである。
【図4】本発明の第一の実施の形態における測位情報の例を示す図である。
【図5】本発明の第一の実施の形態における測位情報の他の例を示す図である。
【図6】本発明の第一の実施の形態における、測位情報の測定位置と測位要否判定対象の測定位置との例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(第一の実施の形態)
次に、本発明の第一の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0018】
はじめに、本発明の第一の実施の形態の構成について説明する。図2は、本発明の第一の実施の形態における測位システム1の構成を示すブロック図である。
【0019】
図2を参照すると、本発明の第一の実施の形態における測位システム1は、端末装置100とサーバ装置200とを含む。端末装置100とサーバ装置200とは、ネットワーク300により接続される。端末装置100は、複数であってもよい。
【0020】
端末装置100は、携帯電話や携帯ゲーム機など、ユーザによって操作され、通信が可能な携帯端末装置である。端末装置100は、測位実行部110と、第1測位部120と、第2測位部130と、測位結果出力部140とを備える。
【0021】
第1測位部120は、低精度、低消費電力、広い測位可能エリアの特性を持つ測位方式(第1の測位方式)による測位を行う。例えば、第1測位部120は、携帯電話における基地局測位方式による測位を行う。第1測位部120は、測位実行部110から測位指示を受けると測位を実行し、その測位結果を返却する。
【0022】
ここで、測位結果は、緯度、経度、測位精度を含む。緯度と経度は端末装置100の測定位置を表す座標である。また、測位精度はその測定位置の信頼性を表しており、通常は誤差範囲で表される。誤差範囲の示す内容は、測位方式によって異なるが、ここでは、一定の確率以上で、緯度経度を中心とし、半径が測位精度(誤差範囲)である円の中に実際の位置が含まれるものする。
【0023】
また、低精度であるとは、第1測位部120による測位結果の信頼性が低く、測位精度(誤差範囲)の値が大きいことを示す。また、低消費電力であるとは、第1測位部120によって測位した際に、少ない電力しか消費しないことを意味する。携帯端末の場合には通常、リチウムイオン電池等の内蔵電池によって動作している。そのため、多くの電力を消費する測位方式では電池の消耗が早いため、低消費電力であることが望ましい。さらに、広い測位可能エリアを持つとは、第1測位部120によって測位を試みた際に、測位結果が得られる可能性が高いことを示す。測位結果が得られるかどうかは測位方式に依存しており、例えば、基地局測位では、基地局からの電波を受信できる環境であれば、測位可能であり、測位結果が得られる可能性が高い。
【0024】
第2測位部130は、高精度、高消費電力、狭い測位可能エリアの特性を持つ測位方式(第2の測位方式)による測位を行う。例えば、第2測位部130は、GPS測位方式による測位を行う。第2測位部130は、第1測位部120と同様に、測位実行部110から測位指示を受けると測位を実行し、その測位結果を返却する。
【0025】
ここで、高精度であるとは、第2測位部130による測位結果の信頼性が高く、測位精度(誤差範囲)の値が小さいために、測位した場所を特定することが容易であることを示す。また、高消費電力であるとは、第2測位部130によって測位した際に、多くの電力を消費することを意味する。そのため、携帯端末のように内蔵電池で動作している装置においては、第2測位部130によって測位を繰り返すことによって電池が早くに消耗する。また、狭い測位可能エリアを持つとは、第2測位部130によって測位を試みた際に、測位結果が得られる可能性が低いことを示す。例えば、GPS測位の場合は、測位結果を得るためには、複数の衛星からの電波を受信できなければならない。そのため、建造物が密集している都市部や、屋内においては測位できないことが多く、基地局によるカバーエリアの割合が高い地域においては、人が携帯端末を保持している限り、GPS測位ができない状況の方が多い。
【0026】
なお、それぞれの測位部による測位の特性は、相対的な指標であり、例えば、第1測位部120の低精度であるという特性は、第2測位部130と比べて測位精度が低いことを示しており、絶対的な指標ではない。
【0027】
以下、本発明の第一の実施の形態では、第1の測位方式を基地局測位、第2の測位方式をGPS測位とした場合を例に説明するが、それぞれが上述の特性を有する測位方式であれば、他の測位方式を用いてもよい。
【0028】
測位実行部110は、定期的に、端末装置100の測定位置を取得する。測位実行部110は、第1測位部120に測位の実行を指示し、その測位結果をサーバ装置200に送信する。また、測位実行部110は、サーバ装置200から、第2測位部130による測位の要否を受信し、第2測位部130による測位が必要な場合には、第2測位部130に測位の実行を指示し、その測位結果をサーバ装置200に送信する。
【0029】
測位結果出力部140は、第1測位部120、または、第2測位部130による測位結果を、端末装置100またはサーバ装置200に含まれる当該測位結果を利用するアプリケーション(図示せず)または、表示部(図示せず)に出力する。
【0030】
次に、サーバ装置200は、測位制御部210と、測位情報記憶部220とを含む。測位制御部210は、測位方式決定部211と、測位成功確率算出部212と、測位成功確率推定精度算出部213とを備える。
【0031】
測位情報記憶部220は、測位情報を記憶する。図4及び図5は、本発明の第一の実施の形態における測位情報の例を示す図である。測位情報は、図4に示すように、測位情報を識別するための測位情報ID、測位を行った端末装置100を識別するための端末ID、第1の測位方式により取得された緯度と経度を示す測定位置、及び、当該第1の測位方式による測定位置が取得されたときの第2の測位方式により測位の「成功」または「失敗」を示す測位可否、及び測位時刻を含む。
【0032】
なお、測位情報記憶部220は、Relational Database等により構成されていてもよい。
【0033】
測位方式決定部211は、第1の測位方式により端末装置100の測定位置が取得されたときに、第2の測位方式による測位が成功する確率(測位成功確率)と当該確率の推定精度とをもとに、第2の測位方式による測位を行うかどうかを決定する。
【0034】
測位成功確率算出部212は、第2の測位方式による測位成功確率を算出する。
【0035】
測位成功確率推定精度算出部213は、第2の測位方式による測位成功確率の推定精度を算出する。
【0036】
なお、端末装置100とサーバ装置200とは、それぞれが、CPU(Central Processing Unit)とプログラムを記憶した記憶媒体を含み、プログラムに基づく制御によって動作するコンピュータであってもよい。
【0037】
また、端末装置100とサーバ装置200とが一つの装置を構成していてもよい。
【0038】
次に、本発明の第一の実施の形態における測位システム1の動作について説明する。
【0039】
ここでは、測位情報記憶部220に図4の測位情報ID「1」、「2」の測位情報が保存されているときに、測位時刻「2010-03-14 10:50:00」に、端末ID「1」の端末装置100において測位処理が行われる場合を例に、動作を説明する。
【0040】
図3は、本発明の第一の実施の形態における、端末装置100の測位処理、及び、サーバ装置200の測位要否判定処理を示すフローチャートである。
【0041】
端末装置100は、タイマ等の契機によって測位処理を開始する。
【0042】
測位実行部110は、第1測位部120に対して測位要求を発行する(ステップS101)。測位要求を受けた第1測位部120は、第1の測位方式により測位を行い、測位結果を測位実行部110に返却する。
【0043】
例えば、測位情報記憶部220に図4の測位情報ID「1」、「2」の測位情報が保存されているときに、時刻「2010-03-14 10:50:00」に、端末ID「1」の端末装置100において測位処理が行われるものとする。第1測位部120は、基地局測位により測位を行い、測位結果として、緯度「35.65」、経度「139.76」、測位精度「1000m」を測位実行部110に返却する。
【0044】
測位実行部110は、第1測位部120から受け取った第1の測位方式による測位結果をサーバ装置200に送信する(ステップS102)。ここで、測位実行部110は、測位を行った時間を表す測位時刻、及び、端末IDを付加し、サーバ装置200に送信する。
【0045】
例えば、測位実行部110は、基地局測位による測位結果(緯度「35.65」、経度「139.76」、測位精度「1000m」)、測位時刻「2010-03-14 10:50:00」、及び端末ID「1」をサーバ装置200に送信する。
【0046】
次に、サーバ装置200は、端末装置100から第1の測位方式による測位結果(測位要否判定対象の測位結果)を受信する(ステップS201)。
【0047】
測位制御部210の測位方式決定部211は、測位情報記憶部220に記憶された測位情報の中から、第2の測位方式による測位成功確率を算出するために用いる測位情報を抽出する(ステップS202)。ここで、測位方式決定部211は、測位情報の第1の測位方式による測定位置が、端末装置100より受信した、測位要否判定対象の測定位置から管理者等により予め指定された範囲(所定範囲)に含まれ、かつ、測位情報に含まれる測位時刻が、現在時刻を基準に、管理者等により予め指定された時間(所定時間)前以降の測位情報を抽出する。
【0048】
図6は、本発明の第一の実施の形態における、測位情報の測定位置と測位要否判定対象の測定位置とを示す図である。図6において、記号「○」は、第2の測位方式による測位可否が「成功」である測位情報の第1の測位方式による測定位置、記号「●」は、第2の測位方式による測位可否が「失敗」である測位情報の第1の測位方式による測定位置、記号「×」は、測位要否判定対象の測定位置を示す。
【0049】
例えば、抽出対象となる測位情報の測定位置が、測位要否判定対象の測定位置を中心として、1辺が緯度と経度とがそれぞれ約2000mの正方形の範囲と指定され、測位時刻が、現在時刻より1時間までと指定されているものとする。この場合、測位方式決定部211は、測位情報記憶部220に記憶された測位情報の中から、図6(a)に示すように測定位置の緯度が「35.64から35.66」、経度が「139.75から139.77」に含まれ、かつ、測位時刻が「2010-03-14 9:50:00」以降の測位情報である、測位情報ID「1」、「2」の測位情報を抽出する。
【0050】
次に、測位成功確率推定精度算出部213は、ステップS202で抽出された測位情報をもとに、第2の測位方式による測位成功確率の推定精度を算出する(ステップS203)。ここで、測位成功確率は、後述するように、ステップS202で抽出された測位情報の中で、第2の測位方式による測位可否が「成功」である測位情報の割合(第2の測位方式で測位を試みた回数に対する、測位が成功した回数の割合)で示されるものとする。また、測位成功確率の推定精度の値は、ステップS202で抽出された測位情報の数に応じて大きくなるものとする。
【0051】
例えば、測位成功確率推定精度算出部213は、推定精度を抽出された測位情報の数「2」とする。
【0052】
なお、第2の測位方式による測位成功確率と当該確率の推定精度とは、測位要否判定対象である第1の測位方式により取得した測定位置と、抽出した測位情報とをもとに測位成功確率と当該確率の推定精度とを算出できるものであれば、他の方法を用いて算出してもよい。例えば、測位要否判定対象である第1の測位方式により取得した測定位置と、抽出した測位情報に含まれる第1の測位方式による測定位置との距離の平均値を算出し、第2の測位方式による測位成功確率の推定精度を、当該平均値に応じて小さくなるものとしてもよい。
【0053】
次に、測位方式決定部211は、ステップS203で算出した推定精度が、管理者等により予め指定された値(所定の精度)以上であるかどうかを判定する(ステップS204)。
【0054】
ここで、推定精度が所定値未満である場合(ステップS204/No)、測位方式決定部211は、測位情報IDを発行し、当該測位情報ID、及び、測位要否判定対象である第1の測位方式による測位結果の送信元の端末装置100の端末ID、及び当該測位結果の測定位置を設定した測位情報を測位情報記憶部220に保存する(ステップS207)。
【0055】
例えば、推定精度が「5以上」であるかどうかを判定する場合、上記で算出された推定精度は「2」であるため、測位方式決定部211は、測位情報IDとして「3」を発行し、図4の測位情報ID「3」の測位情報のように、端末ID「1」、測定位置(緯度「35.65」、経度「139.76」)を設定した測位情報を測位情報記憶部220に保存する。
【0056】
そして、測位方式決定部211は、測位要否判定対象である測位結果の送信元の端末装置100に測位要否判定結果として「測位必要」を送信する(ステップS208)。ここで、測位方式決定部211は、測位要否判定結果に測位情報IDを付加し、サーバ装置200に送信する。
【0057】
例えば、測位方式決定部211は、端末ID「1」の端末装置100に、測位要否判定結果「測位必要」と測位情報ID「3」を送信する。
【0058】
次に、端末装置100の測位実行部110は、測位要否判定結果と測位情報IDとを、サーバ装置200から受信する(ステップS103)。
【0059】
測位実行部110は、サーバ装置200から受信した測位要否判定結果が「測位必要」であるか「測位不要」であるかを判定する(ステップS104)。
【0060】
ここでは、測位要否判定結果が「測位必要」であるため、測位実行部110は第2測位部130に対して測位要求を発行する(ステップS105)。測位要求を受けた第2測位部130は、第2の測位方式による測位を行い、測位に成功した場合、第2の測位方式による測位可否として「成功」と測位結果とを測位実行部110に返却し、測位に失敗した場合、第2の測位方式による測位可否として「失敗」を測位実行部110に返却する。
【0061】
測位実行部110は、第2測位部130から受信した第2の測位方式による測位可否(「成功」または「失敗」)及びステップS103で受信した測位情報IDをサーバ装置200に送信する(ステップS106)。ここで、測位実行部110は、測位を行った時間を表す測位時刻、及び、端末IDを付加し、サーバ装置200に送信する。
【0062】
例えば、測位実行部110は、第2の測位方式による測位に成功した場合、測位可否「成功」、測位情報ID「3」、測位時刻「2010-03-14 10:50:00」、及び端末ID「1」をサーバ装置200に送信する。
【0063】
次に、測位実行部110は、第2の測位方式による測位可否が「成功」であるか「失敗」であるかを判定する(ステップS107)。
【0064】
ここで、測位可否が「成功」である場合(ステップS107/Yes)、測位結果出力部140は、その測位結果を、アプリケーションまたは、表示部に出力する(ステップS108)。また、測位可否が「失敗」である場合(ステップS107/No)、測位結果出力部140は、その測位結果を、アプリケーションまたは、表示部に出力する(ステップS109)。
【0065】
サーバ装置200の測位方式決定部211は、端末装置100から第2の測位方式による測位可否と測位情報IDとを受信する(ステップS210)。
【0066】
測位方式決定部211は、測位情報記憶部220から、受信した測位情報IDが設定されている測位情報を読み出し、受信した第2の測位方式の測位による測位可否(「成功」または「失敗」)と測位時刻とを設定し、測位情報記憶部220に保存する(ステップS211)。ここで、測位時刻には、ステップS106で端末装置100が送信した第2の測位方式の測位が行われた測位時刻を設定する。また、測位時刻には、ステップS102で端末装置100が送信した、第1の測位方式の測位が行われた測位時刻、または、現在時刻を設定してもよい。
【0067】
例えば、測位方式決定部211は、図4の測位情報ID「3」の測位情報に、測位可否「成功」、測位時刻「2010-03-14 10:50:00」を設定し、測位情報記憶部220に保存する。
【0068】
このように、測位要否判定対象の測定位置における第2の測位方式による測位成功確率の推定精度が低い場合、第2の測位方式による測位結果の実測値が得られるため、第2の測位方式による測位成功確率の推定精度を向上させることができる。
【0069】
一方、ステップS204において、第2の測位方式による測位成功確率の推定精度が所定値以上である場合(ステップS204/Yes)、測位成功確率算出部212は、ステップS202で抽出された測位情報をもとに、第2の測位方式による測位成功確率を算出する(ステップS205)。ここで、測位成功確率は、ステップS202で抽出された測位情報の中で、第2の測位方式による測位可否が「成功」である測位情報の割合で示されるものとする。
【0070】
例えば、測位情報記憶部220に図4の測位情報ID「1」〜「5」の測位情報が保存されているときに、時刻「2010-03-14 11:10:00」に、端末ID「1」の端末装置100において測位処理が行われ、測位要否判定対象である第1の測位方式の測位結果として、緯度「35.65」、経度「139.77」が得られたものとする。この場合、測位方式決定部211により、図6(b)に示すように、測位情報ID「1」〜「5」の測位情報が抽出される。ここで、測位成功確率推定精度算出部213により算出される推定精度は「5」となるため、測位成功確率算出部212は、測位情報ID「1」〜「5」の測位情報の中で、第2の測位方式による測位可否が「成功」である測位情報の割合をもとに、測位成功確率「0.8」を算出する。
【0071】
測位方式決定部211は、ステップS205で算出した測位成功確率が、管理者等により予め指定された値(所定の確率)以上であるかどうかを判定する(ステップS206)。
【0072】
ステップS205で算出した第2の測位方式による測位成功確率が所定値以上である場合(ステップS206/Yes)、測位方式決定部211は、ステップS204で、測位成功確率の推定精度が所定値未満であった場合と同様に、ステップS207、S208により、測位要否判定対象である測位結果の送信元の端末装置100に測位要否判定結果として「測位必要」を送信する。
【0073】
例えば、測位成功確率が0.8以上であるかどうかを判定する場合、測位成功確率算出部212により算出された測位成功確率は「0.8」であるため、測位方式決定部211は、端末ID「1」の端末装置100に、測位要否判定結果「測位必要」を送信する。
【0074】
以降、上述のステップS103〜S106により、端末装置100において第2の測位方式による測位が行われ、その測位可否が、上述のステップS210、S211により、サーバ装置200の測位情報記憶部220に保存される。そして、上述のステップS107〜S109により、その測位可否に応じて、第2の測位方式、または、第1の測位方式による測位結果が、アプリケーションまたは、表示部に出力される。
【0075】
また、ステップS205で算出した第2の測位方式による測位成功確率が所定値未満である場合(ステップS206/No)、測位方式決定部211は、判定を行った第1の測位方式による測位結果の送信元の端末装置100に測位要否判定結果として「測位不要」を送信する(ステップS209)。
【0076】
例えば、測位情報記憶部220に図5の測位情報ID「1」〜「5」の測位情報が保存されているときに、時刻「2010-03-14 11:20:00」に、端末ID「1」の端末装置100において測位処理が行われ、測位要否判定対象である第1の測位方式の測位結果として、緯度「35.65」、経度「139.77」が得られたものとする。この場合、測位方式決定部211により、図6(c)に示すように、測位情報ID「1」〜「5」の測位情報が抽出される。ここで、測位成功確率推定精度算出部213により算出される推定精度は「5」となるため、測位成功確率算出部212は、測位情報ID「1」〜「5」の測位情報の中で、第2の測位方式による測位可否が「成功」である測位情報の割合をもとに、測位成功確率「0.4」を算出する。
【0077】
測位成功確率算出部212により算出された測位成功確率は「0.4」であるため、測位方式決定部211は、端末ID「1」の端末装置100に、測位要否判定結果「測位不要」を送信する。
【0078】
この場合、ステップS104において、サーバ装置200から受信した測位要否判定結果が「測位不要」であるため、端末装置100の測位結果出力部140は、第1の測位方式による測位結果を、アプリケーションまたは、表示部に出力し(ステップS109)、処理を終了する。
【0079】
このように、測位要否判定対象の測定位置における第2の測位方式による測位成功確率の推定精度が高い場合は、第2の測位方式による測位成功確率に従って、第2の測位方式による測位要否の判定が行われる。そして、第2の測位方式による測位成功確率が高いときには、第2の測位方式による測位が行われ、第2の測位方式による測位成功確率が低いときは、第2の測位方式による測位は行われない。このため、第2の測位方式による測位ができない位置において第2の測位方式による測位が行われる可能性が低くなり、端末装置100の消費電力を抑制することができる。
【0080】
以上により、本発明の第一の実施の形態の動作が完了する。
【0081】
次に、本発明の第一の実施の形態の特徴的な構成を説明する。図1は、本発明の第一の実施の形態の特徴的な構成を示すブロック図である。
【0082】
図1を参照すると、測位システム1は、測位情報記憶部220と測位制御部210とを含む。
【0083】
ここで、測位情報記憶部220は、第1の測位方式による測位で取得された端末の測定位置と、当該第1の測位方式による測定位置が取得されたときの第2の測位方式による測位の成功または失敗を示す測位可否と、を含む1以上の測位情報を記憶する。
【0084】
測位制御部210は、第1の測位方式による測位で取得された測位要否判定対象である測定位置と測位情報記憶部220に記憶された測位情報とをもとに、第2の測位方式による測位が成功する確率と当該確率の推定精度とを算出し、第2の測位方式による測位が成功する確率の推定精度が所定の精度以下の場合、第2の測位方式による測位を行い、当該測位要否判定対象である測定位置と当該第2の測位方式による測位可否とを設定した測位情報を測位情報記憶部220に保存する。
【0085】
本発明の第一の実施の形態によれば、GPS測位などの第2の測位方式による測位結果の実測値をもとに、基地局測位などの第1の測位方式による測定位置における第2の測位方式による測位の可否を判定する測位システムにおいて、第2の測位方式による測位が不可と推定されたことにより、その後、その測定位置での第2の測位方式による測位が行われないままになることを防止できる。その理由は、測位制御部210が、第1の測位方式による測位で取得された測位要否判定対象の測定位置と測位情報記憶部220に記憶された測位情報とをもとに、第2の測位方式による測位が成功する確率と当該確率の推定精度とを算出し、第2の測位方式による測位が成功する確率の推定精度が所定の精度以下の場合、第2の測位方式による測位を行い、当該測位要否判定対象である測定位置と当該第2の測位方式による測位可否とを設定した測位情報を測位情報記憶部220に保存するためである。
【0086】
また、本発明の第一の実施の形態によれば、端末装置100の消費電力を抑制しながら、高精度な測位方式による測位を行うことができる。その理由は、測位制御部210が、第2の測位方式による測位が成功する確率が所定の確率以上の場合、第2の測位方式による測位を行うためである。
【0087】
また、本発明の第一の実施の形態によれば、第2の測位方式による測位可否が、時間的変化に伴い改善した場合、第2の測位方式による測位を行うことができる。その理由は、第1の測位方式により取得された測定位置が測位要否判定対象の測定位置から所定範囲内であり、かつ、測位時刻が所定時間前以降である測位情報を抽出し、抽出された測位情報をもとに第2の測位方式による測位が成功する確率と当該確率の推定精度とを算出するためである。
【0088】
以上、実施の形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0089】
例えば、本発明の第一の実施の形態においては、サーバ装置200が、第2の測位方式による測位が成功する測位成功確率と当該確率の推定精度とを算出し、第2の測位方式による測位要否の判定を行っている。これに対して、測位成功確率と当該確率の推定精度の算出、及び、第2の測位方式による測位要否の判定を、端末装置100が行うようにしてもよい。この場合、端末装置100は、サーバ装置200の測位情報記憶部220から測位情報を取得し、測位成功確率と当該確率の推定精度の算出を行う。
【0090】
また、端末装置100が、当該端末装置100の測定位置の周辺の複数の位置ついて、サーバ装置200が算出した第2の測位方式による測位が成功する測位成功確率と当該確率の推定精度を予めサーバ装置200から取得して保持し、第2の測位方式による測位要否の判定を行うようにしてもよい。この場合、端末装置100は、測位要否判定対象である第1の測位方式による測定位置が取得されたときに、予めサーバ装置200から取得した第2の測位方式による測位が成功する測位成功確率と当該確率の推定精度の内、当該測定位置に対する測位成功確率と推定精度とを抽出し、第2の測位方式による測位要否の判定を行う。これにより、端末装置100とサーバ装置200間の通信回数を削減しながら、第2の測位方式による測位の可否の推定精度を向上させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0091】
本発明は、定期的に高精度の測位を行う測位システムに適用できる。
【符号の説明】
【0092】
1 測位システム
100 端末装置
110 測位実行部
120 第1測位部
130 第2測位部
140 測位結果出力部
200 サーバ装置
210 測位制御部
211 測位方式決定部
212 測位成功確率算出部
213 測位成功確率推定精度算出部
220 測位情報記憶部
300 ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の測位方式による測位で取得された端末の測定位置と、当該第1の測位方式による測定位置が取得されたときの第2の測位方式による測位の成功または失敗を示す測位可否と、を含む1以上の測位情報を記憶する測位情報記憶手段と、
前記第1の測位方式による測位で取得された測位要否判定対象である測定位置と前記測位情報記憶手段に記憶された前記測位情報とをもとに、前記第2の測位方式による測位が成功する確率と当該確率の推定精度とを算出し、前記第2の測位方式による測位が成功する確率の推定精度が所定の精度以下の場合、前記第2の測位方式による測位を行い、当該測位要否判定対象である測定位置と当該第2の測位方式による測位可否とを設定した前記測位情報を前記測位情報記憶手段に保存する測位制御手段と
を含む測位システム。
【請求項2】
前記測位制御手段は、
前記1以上の測位情報から、前記第1の測位方式により取得された測定位置が前記測位要否判定対象の測定位置から所定範囲内である測位情報を抽出し、
当該抽出した測位情報をもとに、前記第2の測位方式による測位が成功する確率と当該確率の推定精度とを算出する
請求項1に記載の測位システム。
【請求項3】
前記測位情報のそれぞれは、当該測位情報に係る測位時刻を含み、
前記測位制御手段は、
前記1以上の測位情報から、前記第1の測位方式により取得された測定位置が前記測位要否判定対象の測定位置から所定範囲内であり、かつ、前記測位時刻が所定時間前以降の測位情報を抽出する
請求項2に記載の測位システム。
【請求項4】
前記測位制御手段は、
前記抽出した測位情報の内、前記第2の測位方式よる測位可否が成功を示す測位情報の割合をもとに、前記第2の測位方式による測位が成功する確率を算出し、
前記抽出された測位情報の数に応じて大きくなるように、前記推定精度を算出する
請求項2または3に記載の測位システム。
【請求項5】
前記測位制御手段は、さらに、前記第2の測位方式による測位が成功する確率が所定の確率以上の場合、前記第2の測位方式による測位を行い、
さらに、当該第2の測位方式による測位で取得された測定位置を出力する測位結果出力手段を含む
請求項1乃至4のいずれかに記載の測位システム。
【請求項6】
第1の測位方式による測位で取得された端末の測定位置と、当該第1の測位方式による測定位置が取得されたときの第2の測位方式による測位の成功または失敗を示す測位可否と、を含む1以上の測位情報を記憶し、
前記第1の測位方式による測位で取得された測位要否判定対象である測定位置と前記測位情報とをもとに、前記第2の測位方式による測位が成功する確率と当該確率の推定精度とを算出し、前記第2の測位方式による測位が成功する確率の推定精度が所定の精度以下の場合、前記第2の測位方式による測位を行い、当該測位要否判定対象である測定位置と当該第2の測位方式による測位可否とを設定した前記測位情報を保存する
測位方法。
【請求項7】
前記第2の測位方式による測位が成功する確率と当該確率の推定精度とを算出する場合、
前記1以上の測位情報から、前記第1の測位方式により取得された測定位置が前記測位要否判定対象の測定位置から所定範囲内である測位情報を抽出し、
当該抽出した測位情報をもとに、前記第2の測位方式による測位が成功する確率と当該確率の推定精度とを算出する
請求項6に記載の測位方法。
【請求項8】
コンピュータに、
第1の測位方式による測位で取得された端末の測定位置と、当該第1の測位方式による測定位置が取得されたときの第2の測位方式による測位の成功または失敗を示す測位可否と、を含む1以上の測位情報を記憶し、
前記第1の測位方式による測位で取得された測位要否判定対象である測定位置と前記測位情報とをもとに、前記第2の測位方式による測位が成功する確率と当該確率の推定精度とを算出し、前記第2の測位方式による測位が成功する確率の推定精度が所定の精度以下の場合、前記第2の測位方式による測位を行い、当該測位要否判定対象である測定位置と当該第2の測位方式による測位可否とを設定した前記測位情報を保存する
処理を実行させる測位プログラム。
【請求項9】
前記第2の測位方式による測位が成功する確率と当該確率の推定精度とを算出する場合、
前記1以上の測位情報から、前記第1の測位方式により取得された測定位置が前記測位要否判定対象の測定位置から所定範囲内である測位情報を抽出し、
当該抽出した測位情報をもとに、前記第2の測位方式による測位が成功する確率と当該確率の推定精度とを算出する
請求項8に記載の測位プログラム。
【請求項10】
前記測位情報のそれぞれは、当該測位情報に係る測位時刻を含み、
前記第2の測位方式による測位が成功する確率と当該確率の推定精度とを算出する場合、
前記1以上の測位情報から、前記第1の測位方式により取得された測定位置が前記測位要否判定対象の測定位置から所定範囲内であり、かつ、前記測位時刻が所定時間前以降の測位情報を抽出する
請求項9に記載の測位プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−88117(P2012−88117A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−233795(P2010−233795)
【出願日】平成22年10月18日(2010.10.18)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】