説明

測定方法及び測定装置

【課題】打ち上げ時点における光学観測機器の汚染状態を確実かつ正確にその場測定することが可能な測定方法及び測定装置を提供すること。
【解決手段】被測定基板の一方の面により少なくとも部分的に囲まれた曝露領域内の環境を、被測定対象機器を収容する所定の領域内の環境にできるだけ近づける状態にしつつ、すなわち、上記所定の領域内の環境を測定装置内の曝露領域において模擬的に再現(模擬)しつつ、上記所定の領域内に供給される空気を上記曝露領域に導入し、導入された空気に含まれる汚染物質が上記曝露領域を形成する被測定基板に付着するか否かを測定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、様々な機器の表面の汚染状態を、この機器とは地理的に離れた場所において測定する測定方法及び測定装置に関する。特に、本発明は、人工衛星の表面、及び、人工衛星に搭載される機器(特に光学観測機器等)の表面の汚染状態を、これら人工衛星又は機器とは地理的に離れた場所において、模擬的に測定する測定方法及び測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、人工衛星等の光学観測機器は、製造されてから、この光学観測機器を宇宙空間に搬送するために用いられるロケットに搭載され、このロケットにより打ち上げられて宇宙空間においてミッションを遂行し、そのミッションを終了するまでの間において、大気中又は宇宙空間中に含まれる汚染物質によって汚染される状態にさらされる。このような状態においては、光を通しにくくする汚染物質が光学観測機器の表面に付着して、この光学観測機器の性能(例えば発電力等)は、徐々に低下していくことになる。
【0003】
したがって、光学観測機器が、宇宙空間においてミッションを開始して終了するまでの間、汚染されつつも或る一定以上の性能を保つことができることを、この光学観測機器の打ち上げ前の段階において確認しておくことが必要とされる。そのためには、この光学観測機器の打ち上げ時点において、この光学観測機器の汚染状態が所定の基準以下であることを確認することが必要である。具体的には、この光学観測機器がロケット内部に収容されている環境においてどの程度汚染されているかを打ち上げ時点において測定することが、求められる。打ち上げ直前までの光学観測機器の汚染状態を正確に測定することができれば、宇宙空間においてミッションの遂行を完了するまでのこの光学観測機器の汚染状態を、打ち上げ前の段階において高い精度により推定することができる。
【0004】
そこで、打ち上げ前の段階において光学観測機器の汚染状態を測定するために、第1の手法として、ASTME1235に規定された手法が用いられている。この手法では、人工衛星等の光学観測機器が製造及び保管される環境(特に、ロケット内における光学観測機器が収容される領域内)に、ステンレス製のウィットネスプレートが設置及び曝露される。曝露完了後、このウィットネスプレートの曝露面は、溶剤を用いて洗浄される。次に、この溶剤が、回収及びろ過された後、揮発させられる。この結果残った物質が、汚染物質として測定される。
【0005】
さらに、別の手法(第2の手法)として、特開2002−286636号公報及び特開2003―14642号公報に記載のものが知られている。これらの公報に記載の手法では、化学物質を付着させるための基板を、被測定環境(すなわち、ロケット内における光学観測機器が収容される領域内)における気体に曝露させ、この気体中に含まれる化学物質がこの基板に付着することを促進させ、この基板に付着した化学物質を赤外線分光法により測定することにより、これら化学物質の種類及び付着量が求められる。
【0006】
【特許文献1】特開2002―286636号公報
【特許文献2】特開2003−14642号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述した従来技術に係る第1の手法及び第2の手法を用いた場合には、以下に説明する理由により、打ち上げ時点における光学観測機器の汚染状態を正確に測定することができないという問題がある。
【0008】
まず第1の手法では、汚染物質を測定するためには、曝露させたウィットネスプレートに対する溶剤を用いた洗浄、並びに、洗浄に用いた溶剤に対するろ過及び揮発、といった工程が必要である。よって、汚染物質の測定結果を得るまでに必ずまとまった時間が必要となるので、打ち上げ時点から数時間前の状態における光学観測機器の汚染状況については測定することはできても、打ち上げ時点だけでなく打ち上げ直前の時点における光学観測機器の汚染状況については、測定することはできない。
【0009】
ウィットネスプレートに対する汚染物質の付着経過を測定することができれば、打ち上げ直前における光学観測機器の汚染状況を、測定はできなくとも、測定した付着経過に基づいて或る程度の精度で推定することはできる。ところが、この手法では、その性質上、このような付着経過を測定することも非常に困難である。これを実現するためには、光学観測機器の周りに多くのウィットネスプレートを配置させる必要があるが、ロケット内にそのようなスペースを設けることは、実際には不可能である。
【0010】
さらには、この手法では、ロケット内における光学観測機器が収容される領域に直接ウィットネスプレートを配置して回収する必要があるので、この領域にアクセスできない場合や、この領域にウィットネスプレートを設置できない場合には、この手法を用いることができない。
【0011】
さらにまた、この手法では、上述したように、汚染物質の測定結果を得るまでに必ずまとまった時間が必要となるので、光学観測機器の汚染状況をリアルタイムに測定すること、すなわち、光学観測機器の汚染状況をその場測定することができない。
【0012】
加えて、この手法では、ウィットネスプレートを洗浄するために溶剤が必要であるが、こういった溶剤の多くはオゾン層の破壊を促進するので、その使用は、特にヨーロッパ諸国において禁止されている。したがって、このような溶剤を用いる本手法は、環境保護の観点からも望ましくない。
【0013】
次に、第2の手法としての特開2002−286636号公報に記載された手法では、化学物質を付着させる基板の結露を防止するために、被測定環境(すなわち、ロケット内における光学観測機器が収容される領域)から導いた雰囲気は、この基板に曝露される前に、水分を除去するフィルタを通過させられる。この結果、水分だけでなく上記雰囲気に含まれていた汚染物質もまた、フィルタによって除去されてしまう可能性がある。よって、本手法では、光学観測機器の汚染状況を正確に測定できない(すなわち、汚染状況を過少に評価してしまう)可能性がある。
【0014】
さらに、本手法は、被測定環境における雰囲気に含まれている汚染物質を可能な限り検出することを目的としているので、被測定環境から導いた雰囲気に含まれた汚染物質の基板に対する付着を促進するために、この基板を積極的に冷却している。よって、このような点からみても、本手法では、光学観測機器の汚染状況を正確に測定できない(すなわち、汚染状況を過剰に評価してしまう)可能性がある。
【0015】
次に、第2の手法としての特開2003−14642号公報に記載された手法もまた、被測定環境における雰囲気に含まれている汚染物質を可能な限り検出することを目的としているので、被測定環境から導いた雰囲気に含まれた汚染物質の基板に対する付着を促進するために、この基板が設置される容器の内部を陽圧にしている。よって、本手法もまた、光学観測機器の汚染状況を正確に測定できない(すなわち、汚染状況を過剰に評価してしまう)可能性がある。
【0016】
以上説明したように、従来の手法を用いた場合には、打ち上げ時点における光学観測機器の汚染状態を正確に測定することができない。
【0017】
本発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、打ち上げ時点における光学観測機器の汚染状態を確実かつ正確にその場測定することが可能な測定方法及び測定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明者らは、まず、ロケット内の所定の領域に収容されている被測定対象機器の汚染状態を、「この所定の領域内の空気に汚染物質が含まれているか否か」に基づいて測定するのではなく、「この被測定対象機器が収容されている環境においてこの汚染物質が実際に被測定対象機器に付着するのか否か」に基づいて測定すれば、被測定対象機器の汚染状態を正確に測定することができる、ということに着目した。さらに、本発明者らは、「被測定対象機器が収容されている環境において汚染物質が実際に被測定対象機器に付着するのか否か」の測定は、被測定基板の一方の面により少なくとも部分的に囲まれた曝露領域内の環境を、被測定対象機器を収容する所定の領域内の環境にできるだけ近づけた状態にしつつ(すなわち、上記所定の領域内の環境を測定装置内の上記曝露領域において模擬的に再現しつつ)、上記所定の領域に供給される空気を上記曝露領域に導入し、導入された空気に含まれる汚染物質が上記曝露領域を形成する被測定基板に付着するか否かを測定することにより可能となる、ということを見出した。具体的には、本発明者らは、上記曝露領域内の空気の清浄度、温度、湿度又は圧力が、上記所定の領域内の空気の清浄度、温度、湿度又は圧力に近づくように、上記所定の領域に供給される空気を上記曝露領域に導入するとともに、上記曝露領域の温度、湿度、圧力、流速場又は排気流量が、上記所定の領域内の温度、湿度、圧力、流速場又は排気流量に近づくように、上記曝露領域を調節し、上記曝露領域を形成する被測定基板を赤外線分光法により測定する、ということを見出し、本発明をするに至った。
【0019】
本発明の1つの態様に係る測定方法は、所定の領域の内部に収容されている被測定対象機器の表面の汚染状態を、前記所定の領域とは地理的に離れた場所において模擬的に測定する測定方法であって、被測定基板の一方の面により少なくとも部分的に囲まれた曝露領域を設ける段階と、前記曝露領域内の空気の清浄度、温度、湿度又は圧力が、前記所定の領域内の空気の清浄度、温度、湿度又は圧力に近づくように、前記所定の領域に供給される空気を前記曝露領域に導入する段階と、前記曝露領域の温度、湿度、圧力、流速場又は排気流量が、前記所定の領域の温度、湿度、圧力、流速場又は排気流量に近づくように、前記曝露領域を調節する段階と、前記被測定基板を赤外線分光法により測定する段階と、を含むことを特徴とする。
【0020】
本発明の別の態様に係る測定装置は、所定の領域の内部に収容されている被測定対象機器の表面の汚染状態を模擬的に測定する測定装置であって、被測定基板の一方の面により少なくとも部分的に囲まれた曝露領域と、前記曝露領域内の空気の清浄度、温度、湿度又は圧力が、当該測定装置とは地理的に離れた場所にある前記所定の領域内の空気の清浄度、温度、湿度又は圧力に近づくように、前記所定の領域に供給される空気を前記曝露領域に導入する手段と、前記曝露領域の温度、湿度、圧力、流速場又は排気流量が、前記所定の領域の温度、湿度、圧力、流速場又は排気流量に近づくように、前記曝露領域を調節する調節手段と、前記被測定基板を赤外線分光法により測定する測定手段と、を具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、被測定基板の一方の面により少なくとも部分的に囲まれた曝露領域内の環境を、被測定対象機器を収容する所定の領域内の環境にできるだけ近づける状態にしつつ、すなわち、上記所定の領域内の環境を測定装置内の曝露領域において模擬的に再現(模擬)しつつ、上記所定の領域内に供給される空気を上記曝露領域に導入し、導入された空気に含まれる汚染物質が上記曝露領域を形成する被測定基板に付着するか否かを測定することにより、打ち上げ時点における光学観測機器の汚染状態を確実かつ正確にその場測定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、測定の対象となる機器(すなわち被測定対象機器)の一例として、人工衛星を用いた場合について説明する。
【0023】
図1は、本発明の一実施の形態に係る表面汚染状態測定装置を利用した測定システムの構成の一例を示す模式図である。
図1に示すように、ロケット101は、このロケットを搬送するロケット搬送車102の上に載置されている。このロケット搬送車102の付近には、ロケット搬送車102を介してロケット101に供給するための空調空気を発生させる移動空調車103が、用意されている。
【0024】
ロケット101は、所定の領域を有したフェアリング101aを上部に備える。ロケット101は、フェアリング101aの内部において、被測定対象機器である人工衛星104を収容している。
【0025】
ロケット搬送車102は、移動空調車103によって発生された空調空気をこの移動空調車103から取り込んで搬送する第1ダクト102aと、第1ダクト102aにより搬送された空調空気を清浄するフィルタ、例えば高効率粒子空気フィルタ(HEPA)102bと、を有する。さらに、ロケット搬送車102は、マスト102cに沿って延びる第2ダクト102dをさらに内部に有しており、この第2ダクト102dは、フィルタ102によって清浄された空調空気を、ロケット101のフェアリング101aの内部にまで搬送する。さらに、ロケット搬送車102の内部には、与圧室105が設けられている。
【0026】
図2は、図1に示す与圧室105の構成の一例を示す模式図である。この与圧室105には、人工衛星104を収容するフェアリング101aに供給される空調空気を用いて、人工衛星104の表面の汚染状態を模擬的に測定する表面汚染状態測定装置201が収容される。この表面汚染状態測定装置による測定を可能にするために、与圧室105(に収容された表面汚染状態測定装置)には、フェアリング101aの内部に供給される空調空気、すなわち、第2ダクト102dにより搬送される空調空気が、第3ダクト102eを介して供給される。
【0027】
フェアリング101a内の環境を表面汚染状態測定装置201において再現するという観点からみると、フェアリング101a内に実際に供給された空調空気をこのフェアリング101aから引き込んで表面汚染状態測定装置201に供給することが理想的である。このような理想的な構成は、勿論、実現可能なものであり、本発明の技術的思想に含まれるものである。
【0028】
しかしながら、フィルタ102bにより清浄された後の空調空気は、フェアリング101c内に到達するまでの間は、第2ダクト102dを通過するのみであるので、実際にフェアリング101c内に供給された空調空気と、第2ダクト102d内の空調空気とは、清浄度という意味では、実質的に同一である。そこで、本実施の形態では、より好ましい実施の形態として、構成の簡略化及び配管(ダクト)圧損という点をも考慮して、表面状汚染状態測定装置201には、図1に示すように、フィルタ102bにより清浄された直後の空調空気が、第3ダクト102eによって供給されている。
【0029】
次に、表面汚染状態測定装置201の具体的な構成について、さらに図3を参照して説明する。図3は、本発明の一実施の形態に係る表面汚染状態測定装置の構成の一例を示す模式図である。この表面汚染状態測定装置は、主に、第3ダクト102eにより搬送された空調空気を導入する空気導入アダプタ301と、汚染物質を付着させるための基板の内部に赤外線を多重反射させるATRアダプタ302と、このATRアダプタ302に供給する赤外線を発生させる赤外線光源部部303と、基板の内部を多重反射してこの基板から出射する赤外線を検出する赤外線検出部304と、を含む。なお、ATRアダプタ302、赤外線光源部303及び赤外線検出部304は、密閉容器305の内部に収容されている。
【0030】
図4は、図3に示す空気導入アダプタ301の構成の一例を示す模式図である。空気導入アダプタ301は、下方が解放された全体として箱型の形状を有する。この空気導入アダプタ301は、第3ダクト102eにより搬送された空調空気を導入する空気導入口401と、検量線作成に必要な標準溶液を滴下するための滴下口402と、この空気導入アダプタ内の空気を排気するための空気排気口403と、この空気導入アダプタ内における流速場を調節するための整流板404と、を含む。
【0031】
空気導入アダプタ301における下方の解放された部分は、後に詳述するように、ATRアダプタ302における基板と連通する。この結果、空気導入口401によって導入された空調空気は、基板に曝露されることになる。
【0032】
空気導入口401には、フィルタ102bにより清浄された空調空気を搬送する第3ダクト102eが取り付けられている。空調排気口403には、空気導入アダプタ301内の空気を外部に排出するために、すなわち、空気導入アダプタ301の排気流量を制御するために、排気用ポンプ202(図2参照)に繋がった排気用チューブが取り付けられる。よって、排気用ポンプ202を稼動すれば、第2ダクト102d内の空調空気、すなわち、フェアリング101aに供給される空調空気が、第3ダクト102eを通って空気導入口401から、空気導入アダプタ301内に導入されることになる。なお、空気導入アダプタ301の排気流量は、例えば、フェアリング101aの換気回数に基づいて、排気用ポンプ202を調整することにより、制御することができる。
【0033】
さらに、空気導入アダプタ301内における流速場を、人工衛星104を収容したフェアリング101a内における流速場に近づけるために、別言すれば、空気導入アダプタ301の内部において、フェアリング101a内の流速場を再現(模擬)するために、この空気導入アダプタ301内には、一例として整流板404が設けられている。
【0034】
具体的に説明すると、フェアリング101a内において、一般的に、第2ダクト102dにより供給された空調空気による噴流は、人工衛星104に対して直接的には吹き付けられていない。それにもかかわらず、空気導入アダプタ301内において、空気導入口401から取り入れられた空調空気が、直接的に基板に吹き付けられると、基板に対する汚染物質の付着が過度に促進されてしまう。このことは、空気導入アダプタ301の内部においてフェアリング101a内の流速場(環境)を再現する、という目的に反する。そこで、本実施の形態では、空気導入口401から取り入れられた空調空気が直接基板に吹き付けられることを防止するために、整流板404が設けられる。具体的には、一例として、空気導入アダプタ301内における空気導入口401に対向する部分に整流板404が設けられている。これにより、空気導入口401から取り入れられた空調空気は、まず整流板404に衝突するので、この空調空気が基板に直接吹き付けられる事態は防止される。
【0035】
なお、この整流板404は、空気導入アダプタ301内においてフェアリング101a内の流速場(環境)を再現する構成要素であるので、フェアリング101a内において空調空気が人工衛星に対して直接吹き付けられる場合には、整流板404は、導入された空気を直接基板に吹き付けるべく、空気導入アダプタ301内の流速場を制御するように、設けられる。
【0036】
このように、整流板404は、空気導入アダプタ301内の流速場をフェアリング101a内の流速場に近づけるように、空気導入アダプタ301を調節する構成要素である。
【0037】
図5は、図3に示すATRアダプタ302の構成の一例を示す模式図である。このATRアダプタ302は、全体として箱型の形状を有する本体部501と、この本体部501を支持するベース部502とを有する。
さらに、本体部501には、化学物質を付着させる基板を有するセンサ部503と、赤外線光源部303により供給された赤外線を導入する赤外線導入ミラー504と、赤外線導入ミラー504によって導入された赤外線を反射させて、この赤外線のセンサ部503への入射角度を制御する入射角度制御用ミラー505と、センサ部503における基板の内部を多重反射して出射した赤外線を集光する赤外線集光ミラー506と、赤外線集光ミラー506により集光された赤外線を赤外線検出部304に導入する検出器導入ミラー507と、が設けられている。
【0038】
図6は、図5に示すセンサ部503の構成の一例を示す断面図である。センサ部503は、センサ部上部ホルダ601(図7)と、基板602(図8)と、センサ部下部ホルダ603(図9)と、を含む。
【0039】
基板602は、望ましくは、一対の表面が平行である両面研磨基板である。また、基板602は、望ましくは、その内部における赤外線の反射回数が50回以下となる基板である。さらに、基板602は、望ましくは、1.4μm(7140cm-1)から16.6μm(600cm-1)の波長を有する赤外線を透過するものである。
【0040】
このセンサ部503は、センサ部上部ホルダ601が基板602を上部から保持し、センサ部下部ホルダ603が基板602を下部から保持した状態において、図5に示したように、ATRアダプタ302の本体部501の上部に取り付けられる。
【0041】
このATRアダプタ302は、図3に示したように、密閉容器305の内部に収容されている。さらに具体的には、この密閉容器305の上面には、空気導入アダプタ301に当接する部分において、図6に示したセンサ部503に対応した大きさを有する開口部が設けられている。この密閉容器305における開口部にセンサ部503が係合することにより、密閉容器305は完全に密閉されるとともに、センサ部503は、空気導入アダプタ301と連通する。すなわち、主に空気導入アダプタ301とセンサ部503の基板602とによって囲まれた領域であって、第3ダクト102eにより搬送された空調空気が導入される領域(曝露領域)が形成される。この結果、センサ部503の基板602は、空気導入アダプタ301によって導入された空調空気に曝露されることになる。
【0042】
さらに詳細には、基板602の全面が空気導入アダプタ301と連通するのではなく、基板602上面のうちセンサ部上部ホルダ601の開放部701(図7参照)に対応する部分のみが、空気導入アダプタ301と連通する。よって、基板602上面における対応する部分のみが、空調空気に曝露される。このように、センサ部上部ホルダ601は、基板602における空調空気に曝露される面積、すなわち、空調空気による曝露面積を一定にする。なお、以上の説明から明らかである通り、基板602の下面には、空気導入アダプタ301に導入された空調空気は、曝露されない。
センサ部下部ホルダ603に着目すると、図6及び図9に示されているように、下部ホルダ603は、全体として板状の形状を有している。このような下部ホルダ603の上面は、図6に示すように、基板602の下面に対向するように取り付けられる。これにより、基板602の下面に汚染物質が付着することが防止される。
ここで、下部ホルダ603の上面全体を基板602の下面に接触させた構成を採ると、基板602に入射した赤外線が下部ホルダ603の材質によって吸収されることにより、基板602表面の汚染状態が正確に測定されなくなってしまう。そこで、下部ホルダ603の上面には、周縁部603bを残しつつ、適当な深さを有するくぼみ部603aが形成されている。これにより、下部ホルダ603が基板602に対向するように取り付けられた状態では、周縁部603bのみが基板602の下面に接触し、その他の部分は基板602の下面に接触しない。すなわち、下部ホルダ603が基板602に接触する面積は、可能な限り抑えられている。このような構成を採ることにより、基板602に入射した赤外線が下部ホルダ603の材質によって吸収されることを抑えることができる。
【0043】
さらには、センサ部上部ホルダ601には、位置決めコーナー702が設けられている。この位置決めコーナー702に基板602が係合して固定される。この位置決めコーナーによって、基板602は、センサ部上部ホルダ601において常に一定の位置に固定される。これにより、基板602の設置位置の再現性が確保される。
【0044】
なお、図面には示していないが、空気導入アダプタ301の内部においてフェアリング101a内の環境を再現するという観点から、空気導入アダプタ301(基板602を囲む領域)内の温度、湿度、圧力又は排気流量等がフェアリング101a内の空気の温度、湿度、圧力又は排気流量等に近づくように、空気導入アダプタ301を調節することが望ましい。これを実現するためには、例えば、フェアリング101a内に温度計、湿度計又は圧力計等の計器を設けるとともに、これら計器による計測結果を有線又は無線を介して与圧室105内の表面汚染状態測定装置201に送信し、表面汚染状態測定装置201は、送信されてきた計測結果に基づいて、空気導入アダプタ301内の温度、湿度又は圧力を(空調装置、加湿・除湿器、加圧・減圧器等により)調節する、という構成を採用することができる。
【0045】
さらには、空気導入アダプタ301の内部(基板602を囲む領域)においてフェアリング101a内の環境を再現するという観点から、フェアリング101a内に供給される空調空気と、空気導入アダプタ301内に導入される空調空気とは、清浄度の点においてだけでなく、温度、湿度又は圧力等の点において、略同一であることが望ましい。これを実現するためには、例えば、フィルタ102bにより清浄された後の空調空気が、フェアリング101aまで到達するまでの環境と、表面汚染状態測定装置201の空気導入アダプタ301に到達するまでの環境と、を略同一にすることが望ましい。すなわち、例えば、第2ダクト102dと第3ダクト102eとを、材質や長さ等の点において略同一にすることが望ましい。
【0046】
さらにまた、図4及び図3を参照すると、空気導入アダプタ301には、空気導入口401と、空気排気口403と、滴下口402とを除いて、外気の出入りのない環境が、形成されている。これにより、空気導入アダプタ301において、フェアリング101aと略同一の環境を再現するだけでなく、その環境を維持することができる。
【0047】
以上説明したような構成によれば、まず、図1に示すように、移動空調車103により発生された空調空気は、第1ダクト102aによりフィルタ102bにまで搬送され、このフィルタ102bにより清浄される。フィルタ102bにより清浄された空調空気は、マスト102cに沿って延びる第2ダクト102dにより搬送されて、ロケット101のフェアリング101a内に導入される。フェアリング101a内に導入された空調空気は、このフェアリング101a内に収容された人工衛星104に曝露されることになる。
【0048】
一方、フィルタ102aにより清浄された第2ダクト102d内の空調空気の一部は、上述した与圧室105内に設けられた排気用ポンプ202の作用を受けて、第3ダクト102eを通って、与圧室105に設けられた表面汚染状態測定装置201における空気導入アダプタ301内に導入される。
【0049】
次に、図3乃至図5を参照すると、空気導入口401から導入された空調空気のほとんどは、まず最初に整流板404に衝突した後に、排気用ポンプ202による作用を受けて、空調排気口403に向かって移動する。これにより、空気導入口401から導入された空調空気は、基板602に対して均一に当たることになる。
【0050】
空気導入口401から導入された空調空気に曝露された基板602には、空気導入口401に導入された空調空気の様々な条件、すなわち、例えば、清浄度、温度、湿度又は圧力等の条件と、空気導入アダプタ301内の様々な条件、すなわち、例えば、温度、湿度、圧力又は流速場等の条件とに応じて、導入された空気内に含まれた汚染物質が付着することになる。このように汚染物質が付着した基板602に対して、赤外線光源部303、ATRアダプタ302及び赤外線検出部304を用いて、赤外線分光法による測定を実行することにより、基板602表面の汚染状態を測定することができる。
【0051】
すなわち、ATRアダプタ302の入射角度制御用ミラー505の入射角度を所定値に固定して基板602に赤外線を集光することにより、基板602の内部に赤外線を導入し、基板602の内部で赤外線を多重反射させた後に、基板602から出射された1.4μm(7140cm-1)から16.6μm(600cm-1)の波長の赤外線を、赤外線集光ミラー506、検出器導入ミラー507を介して赤外線検出器304により選択的に検出することにより、検出された赤外線の吸収スペクトルに基づいて、基板602の表面に付着した汚染物を同定し又はその量を算出することができる。このような赤外線分光法を用いた測定方法の詳細については、当業者によって周知であるので、その詳細な説明を省略する。
【0052】
なお、基板602内部における赤外線の反射角度が、全反射の生じる臨界角以上90度未満となる範囲に収まるように(すなわち、基板602に入射した赤外線が、基板602の内部において全反射してこの基板602の外部に出るように)、ATRアダプタ302の入射角度制御用ミラー505は、基板602に入射する赤外線の入射角度を制御することができる。なお、ここでは、基板602の法線に対してなす角度を「反射角度」としている。
【0053】
次に、基板表面の汚染状態を定量的に評価する手法について説明する。
汚染状態の定量評価を行うため、検量線を作成する。図10A及び図10Bは、セレン化亜鉛被測定基板にヘキサンで希釈した汚染物質Aを均一に塗布した場合の赤外線吸収量(吸光度)と汚染物質Aの付着量との関係を示す赤外線吸収スペクトルである。ヘキサンで希釈した汚染物質Aは、シリンジを用いて図4に示した滴下口402から滴下する。付着量は、汚染物質Aの希釈率及び滴下量と、基板602のうち空調空気に曝露される部分の面積と、から単位面積あたりの付着量に換算したものである。赤外線吸収スペクトルの測定条件は、一例として、入射角度制御用ミラー505を用いて赤外線の入射角度を45°とした。
【0054】
図10A及び図10Bから分かるように、汚染物質Aの付着量が増えるに従い、1730cm-1及び2900cm-1付近のピーク強度は増加している。
【0055】
図10A及び図10Bに示すグラフから汚染物質Aの単位面積あたりの付着量と吸光度との関係をグラフにすると、図11A、図11Bに示す検量線が得られる。同様な方法により、他の汚染物質Bについて得られた単位面積あたりの付着量と吸光度との関係は、図12に示されている。
【0056】
上記のような単位面積あたりの付着量と吸光度との関係を示すグラフ(検量線)を作成し、得られた赤外線吸収スペクトルの吸光度を検量線にあてはめることにより、汚染量を定量的に評価することができる。
【0057】
上記のような検量線の作成は、基板表面の汚染状態を測定前に実施しておいてもよいし、測定後に実施してもよい。
【0058】
以上説明したように、本実施の形態によれば、被測定基板により少なくとも部分的に囲まれている曝露領域に、被測定対象機器を収容する所定の領域に供給される空気を導入し、導入された空気に含まれる汚染物質が被測定基板に付着するかどうかを測定している。よって、ウィットネスプレートを用いる従来技術とは異なり、被測定対象機器の汚染状態をその場測定することができるので、被測定対象機器の製造から打ち上げまでのいずれの時点においても、特に打ち上げ時点における被測定対象機器の汚染状態についても測定することができる。さらに、被測定対象機器に対する汚染物質の付着経過についても当然に測定することができる。
【0059】
本実施の形態によれば、被測定対象機器を収容する所定の領域に供給される空気を測定装置内の曝露領域に導入するだけで、被測定対象機器の汚染状態を測定することができる。よって、ウィットネスプレートを用いる従来技術とは異なり、被測定対象機器を収容する所定の領域に関する条件(例えば、所定の領域内のスペースが小さい、所定の領域にアクセスできない等)に関係なく、被測定対象機器の汚染状態を測定することができる。
【0060】
本実施の形態によれば、ウィットネスプレートを用いる従来技術によって必要とされている溶剤等を全く用いないので、環境保護に影響を与えることなく、被測定対象機器の汚染状態を測定することができる。
【0061】
本実施の形態によれば、被測定対象機器を収容する所定の領域内の環境を測定装置内の曝露領域内において模擬的に再現することを、技術的思想として採用している。この技術的思想に従って、被測定対象機器を収容する所定の領域に供給される空気を、清浄度、温度、湿度及び圧力等を含む様々な条件を可能な限り変化させることなく、測定装置内の曝露領域に導入している。したがって、被測定環境の空気に含まれている汚染物質を被測定基板に「可能な限り付着させる」ことを目的として、曝露領域への導入前に、その空気を水分除去用のフィルタに通すような上記特許文献に記載の従来技術とは異なり、被測定対象機器の汚染状況を正確に測定することができる。
【0062】
さらに、本実施の形態によれば、上述した技術的思想に従って、被測定対象装置を収容する所定の領域の温度、湿度、圧力、流速場及び排気流量等を含む様々な条件に可能な限り近づけるように、測定装置内の曝露領域を調節している。したがって、被測定環境の空気に含まれている汚染物質を被測定基板に「可能な限り付着させる」ことを目的として、測定装置内の曝露領域を陽圧に設定し又は被測定基板を冷却するような上記特許文献に記載の従来技術とは異なり、被測定対象機器の汚染状況を正確に測定することができる。
【0063】
さらにまた、検量線の作成の観点から説明すると、被測定基板を用いた赤外線分光法に基づく測定精度を向上させるためには、検量線作成時に滴下された溶液が付着する被測定基板の面積と、実測定時に曝露される被測定基板の面積、すなわち、汚染物質が付着する被測定基板の面積とを、可能な限り一致させることが望ましい。この観点からみると、本実施の形態では、図7を参照して上述したように、検量線作成時に滴下された汚染物質が付着する被測定基板602の面積と、実測定時に導入された空気が曝露される被測定基板602の面積とは、ともにこの基板の一方の面(上面)における開放部701に対応する部分である点において、略完全に一致している。
他方、上記特許文献に記載の従来技術においては、実測定時に、被測定環境から導入された空気は、被測定基板の少なくとも両面に曝露されているところ、検量線作成時に、この被測定基板の上面に汚染物質を滴下することはできるが、下面に汚染物質を滴下することが重力の影響により不可能であることは明らかである。したがって、検量線作成時に滴下された溶液が付着する被測定基板の面積と、実測定時に曝露される被測定基板の面積とを一致させることは、明らかに不可能である。
したがって、本実施の形態によれば、上記特許文献に記載の従来技術に比べて、著しく高い精度により、被測定対象機器の汚染状態を測定することができる。
【0064】
このように、本願発明は「被測定対象機器を収容する領域内の環境を測定装置内の曝露領域において模擬的に再現する」ことをその技術的思想としている。一方、上記特許文献に記載の従来技術は、「被測定対象機器を収容する領域に供給された空気に含まれる汚染物質を、測定装置の被測定基板に可能な限り付着させる」こと、すなわち、「その空気に含まれる汚染物質を可能な限り検出する」ことを、その技術的思想としている。別言すれば、両発明の技術的思想は、互いに完全に逆行する関係にある。したがって、本願発明は、目的及び技術的思想において、ひいては構成及び効果において、上記特許文献に記載の従来技術とは、全く異なる発明である。よって、本願発明は、上記特許文献に接した当業者が容易に想到することができた発明には該当しないことは、明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】図1は、本発明の一実施の形態に係る表面汚染状態測定装置を利用した測定システムの構成の一例を示す模式図である。
【図2】図2は、図1に示す与圧室105の構成の一例を示す模式図である。
【図3】図3は、本発明の一実施の形態に係る表面汚染状態測定装置の構成の一例を示す模式図である。
【図4】図4は、図3に示す空気導入アダプタ301の構成の一例を示す模式図である。
【図5】図5は、図3に示すATRアダプタ302の構成の一例を示す模式図である。
【図6】図6は、図5に示すセンサ部503の構成の一例を示す断面図である。
【図7】図7は、図6に示すセンサ部503のセンサ部上部ホルダ601を示す上面図である。
【図8】図8は、図6に示すセンサ部503の基板602の上面及び側面を示す模式図である。
【図9】図9は、図6に示すセンサ部503のセンサ部下部ホルダ603を示す上面図である。
【図10A】図10Aは、セレン化亜鉛被測定基板にヘキサンで希釈した汚染物質Aを均一に塗布した場合の赤外線吸収量(吸光度)と汚染物質Aの付着量との関係を示す赤外線吸収スペクトルである。
【図10B】図10Bは、セレン化亜鉛被測定基板にヘキサンで希釈した汚染物質Aを均一に塗布した場合の赤外線吸収量(吸光度)と汚染物質Aの付着量との関係を示す赤外線吸収スペクトルである。
【図11A】図11Aは、汚染物質Aについて得られた単位面積あたりの付着量と吸光度との関係を示すグラフである。
【図11B】図11Bは、汚染物質Aについて得られた単位面積あたりの付着量と吸光度との関係を示すグラフである。
【図12】図12は、汚染物質Bについて得られた単位面積あたりの付着量と吸光度との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
【0066】
101 ロケット、
101a フェアリング
102 ロケット搬送車
102a 第1ダクト
102b フィルタ
102c マスト
102d 第2ダクト
102e 第3ダクト
103 移動空調車
104 人工衛星(被測定対象機器)
105 与圧室
201 表面汚染状態測定装置
202 排気用ポンプ
301 空気導入アダプタ
302 ATRアダプタ
303 赤外線光源部
304 赤外線検出部
305 密閉容器
401 空気導入口
402 滴下口
403 空気排気口
404 整流板
501 本体部
502 ベース部
503 センサ部
504 赤外線導入ミラー
505 入射角度制御用ミラー
506 赤外線集光ミラー
507 検出器導入ミラー
601 センサ部上部ホルダ
602 基板(被測定基板)
603 センサ部下部ホルダ
701 開放部
702 位置決めコーナー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の領域の内部に収容されている被測定対象機器の表面の汚染状態を、前記所定の領域とは地理的に離れた場所において模擬的に測定する測定方法であって、
被測定基板の一方の面により少なくとも部分的に囲まれた曝露領域を設ける段階と、
前記曝露領域内の空気の清浄度、温度、湿度又は圧力が、前記所定の領域内の空気の清浄度、温度、湿度又は圧力に近づくように、前記所定の領域に供給される空気を前記曝露領域に導入する段階と、
前記曝露領域の温度、湿度、圧力、流速場又は排気流量が、前記所定の領域の温度、湿度、圧力、流速場又は排気流量に近づくように、前記曝露領域を調節する段階と、
前記被測定基板を赤外線分光法により測定する段階と、
を含むことを特徴とする測定方法。
【請求項2】
所定の領域の内部に収容されている被測定対象機器の表面の汚染状態を模擬的に測定する測定装置であって、
被測定基板の一方の面により少なくとも部分的に囲まれた曝露領域と、
前記曝露領域内の空気の清浄度、温度、湿度又は圧力が、当該測定装置とは地理的に離れた場所にある前記所定の領域内の空気の清浄度、温度、湿度又は圧力に近づくように、前記所定の領域に供給される空気を前記曝露領域に導入する手段と、
前記曝露領域の温度、湿度、圧力、流速場又は排気流量が、前記所定の領域の温度、湿度、圧力、流速場又は排気流量に近づくように、前記曝露領域を調節する調節手段と、
前記被測定基板を赤外線分光法により測定する測定手段と、
を具備することを特徴とする測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−63414(P2009−63414A)
【公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−231316(P2007−231316)
【出願日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【出願人】(503361400)独立行政法人 宇宙航空研究開発機構 (453)
【出願人】(390000686)株式会社住化分析センター (72)
【Fターム(参考)】