説明

測定機器用架台

【課題】折り畳み可能な測定機器用架台を提供して、組み立てを簡単にするだけでなく、輸送スペースをコンパクトにする。
【解決手段】測定機器MUを長手方向に沿って移動させる長尺部材3と、長尺部材3の両端部それぞれに設けられ、長手方向とは異なる方向に長尺部材3を移動させるためのガイドレール71を有する一対の第1枠体4とを備え、長尺部材3の両端部がそれぞれに対応する第1枠体4のガイドレール71に沿って互いに異なる方向に移動して第1枠体4同士の間隔が狭まるように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばガラス基板や半導体ウエハ等の測定基板を検査するための測定機器を少なくとも水平面内においてスライド移動させる測定機器用架台に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に示すような測定機器用架台は、実際に測定を行う設置場所で組み立てるように構成されている。つまり、製造工場から測定機器用架台の各部品を輸送し、設置場所で組み立てるようにしている。
【0003】
しかしながら、スペースの限られた設置場所で各部品を組み立てる作業は複雑で作業性が悪くなりがちである。また、測定機器用架台が大型になればなるほど各部品の重量が大きくなり、これによっても作業性が悪くなるという問題がある。
【0004】
一方で、組み立て後の状態で輸送することも考えられるが、測定機器用架台が大型になればなるほど、運搬車両への積み下ろしが大掛かりになってしまうだけでなく、輸送スペースが大きくなってしまい効率的ではなく、現実問題として組み立て後の状態で輸送することは難しい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−331086号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで本発明は、上記問題点を一挙に解決するためになされたものであり、折り畳み可能な測定機器用架台を提供して、組み立てを簡単にするだけでなく、輸送スペースをコンパクトにすることをその主たる所期課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち本発明に係る測定機器用架台は、測定機器を少なくとも水平面内において移動させる測定機器用架台であって、前記測定機器を長手方向に沿って移動させる長尺部材と、前記長尺部材の両端部それぞれに設けられ、前記長手方向とは異なる方向に前記長尺部材を移動させるためのガイドレールを有する一対の第1枠体とを備え、前記一方の第1枠体が他方の第1枠体に対して固定されていない状態において、前記長尺部材の両端部がそれぞれに対応する前記第1枠体のガイドレールに沿って互いに異なる方向に移動して前記第1枠体同士の間隔が拡縮するように構成されていることを特徴とする。
【0008】
このようなものであれば、長尺部材を一対の第1枠体に連結した状態で折り畳むことができ、組み立て段階においては、第1枠体の間隔を拡げるだけで良いので、設置場所における架台の組み立てを容易にすることができる。また、折り畳んだ状態で輸送することにより、輸送スペースをコンパクトにすることができる。さらに、測定機器用架台を使用しない場合等において収納する場合にも、第1枠体同士の間隔を狭めて折り畳むことにより収納スペースをコンパクトにすることができ、再度使用する際の組み立ても容易である。
【0009】
具体的に長尺部材を第1枠体に連結した状態で折り畳み可能にするためには、前記長尺部材の両端部が、前記ガイドレールに摺動自在に係合したスライド部材に対して鉛直方向に沿った回転軸周りに回転可能に連結されており、前記一方の第1枠体が他方の第1枠体に対して固定されていない状態において、前記長尺部材の両端部が前記回転軸周りに回転することにより、前記長尺部材の両端部がそれぞれに対応する前記第1枠体のガイドレールに沿って互いに異なる方向にスライドして前記第1枠体同士の間隔が拡縮するように構成されていることが望ましい。これならば、第1枠体を拡縮させる際にスライド部材に対して長尺部材が回転することにより、ガイドレール及びスライド部材に過度の力を与えにくくすることができ、ガイドレール及びスライド部材の故障を防止することができる。
【0010】
また、前記ガイドレールの両側において前記長尺部材及び前記第1枠体の間に介在して設けられ、前記第1枠体が前記長尺部材に対して前記ガイドレールの延伸方向を回転中心とした回転を制限する回転制限部材を備えることが望ましい。これならば、第1枠体を拡縮させる際に、第1枠体が傾いてガイドレール及びスライド部材に応力がかかり故障してしまうことを防止することができる。また、第1枠体の傾きを抑えることができ、第1枠体の移動を容易にすることができる。
【0011】
前記一対の第1枠体を連結固定して、各第1枠体に設けられたガイドレールを互いに平行にする第2枠体を備え、前記第2枠体が、前記第1枠体の両端部それぞれに設けられるものであり、一方の第1枠体の端部に回転可能に連結された第1フレームと、他方の第1枠体の端部に回転可能に連結された第2フレームと、前記第1フレーム及び前記第2フレームを連結固定する接続フレームとを備えることが望ましい。これならば、第2枠体によりガイドレールを互いに平行にすることができるだけでなく、その第2枠体を分担支持させることにより、各フレームを軽量化することができ、折り畳み時及び組み立て時の作業性を向上させることができる。また、第2枠体(各フレーム)が移動する際の通過領域を小さくすることができ、これによっても作業性を向上させることができる。さらに、第1フレーム及び第2フレームを接続フレームで連結することにより、接続フレームの長さによりガイドレールが平行となるように調整することができる。
【発明の効果】
【0012】
このように構成した本発明によれば、折り畳み可能な測定機器用架台を提供して、組み立てを簡単にし、輸送スペース及び収納スペースをコンパクトにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態に係る測定機器用架台の斜視図である。
【図2】同実施形態の測定機器用架台の平面図である。
【図3】同実施形態の測定機器用架台の側面図である。
【図4】同実施形態の測定機器用架台の正面図である。
【図5】長尺部材の端部のA−A線断面図である。
【図6】長尺部材の端部の構成を示す側面図である。
【図7】同実施形態の第2枠体を折り畳んだ状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に本発明に係る測定機器用架台100の一実施形態について図面を参照して説明する。
【0015】
本実施形態に係る測定機器用架台100は、例えば液晶パネルに用いられるガラス基板や太陽電池に用いられるシリコン基板等の基板Wを検査する基板検査システムに用いられるものであり、架台内部に基板Wが載置された基板載置ステージ200が配置されるものである。そして、測定機器用架台100は、その基板載置ステージ200に載置された基板W上で測定機器MUを少なくとも水平面内で移動させるものである。なお、以下の説明及び図面においては、水平面はX軸方向及びY軸方向から形成される平面であり、鉛直方向をZ軸方向とする。
【0016】
具体的にこのものは、図1〜図4に示すように、測定機器MUを支持する支持体2を長手方向(以下、X軸方向とも言う。)に沿ってスライド移動させる長尺部材3と、この長尺部材3の両端部それぞれに設けられ、長手方向と直交する方向(以下、Y軸方向とも言う。)に長尺部材3をスライド移動させるためのガイドレール71を有する一対の第1枠体4と、これら一対の第1枠体4を連結固定して、各第1枠体4に設けられたガイドレール71をY軸方向に沿って互いに平行にする第2枠体5とを備えている。また、本実施形態の測定機器用架台100は、第1枠体4及び第2枠体5により平面視概略矩形枠形状をなす(図2参照)。
【0017】
支持体2は、特に図1に示すように、長尺部材3の上面及び/又は側面に設けられたガイドレール61によってX軸方向にスライド可能に支持された支持体基部21と、その支持体基部21に図示しない移動機構によって鉛直方向(以下、Z軸方向とも言う。)にスライド可能に支持された支持体本体22(図1にのみ図示している。)とを備えている。この支持体本体22には、例えば膜厚計等を構成する光源及び光検出器等の測定機器MUを着脱可能に取り付けることができる。
【0018】
支持体基部21は、ガイドレール61に摺動自在に係合するスライド部材62上に固定されており、例えばタイミングベルト駆動、ボールねじ駆動又はリニアモータ駆動の駆動機構(不図示)により、X軸方向にスライド移動される。なお、ガイドレール61、スライド部材62及び駆動機構によりX軸移動機構6が形成される。
【0019】
長尺部材3は、特に図2及び図4に示すように、X軸方向に延びる長尺状の部材であり、架台100の組み立て後の状態におけるその長手方向をX軸方向としている。また、長尺部材3の左右両端部(X軸方向両端部)は、第1枠体4の上面に設けられたガイドレール71に摺動自在に係合するスライド部材72に接続されており、例えばタイミングベルト駆動、ボールねじ駆動又はリニアモータ駆動の駆動機構(不図示)によりY軸方向にスライド移動される。なお、ガイドレール71、スライド部材72及び駆動機構によりY軸移動機構7が形成される。
【0020】
第1枠体4は、特に図3に示すように、側面視において(X軸方向から見て)概略矩形状をなすものであり、上面にY軸移動機構7のガイドレール71が設けられると共に、下面に第1枠体4を移動させるためのキャスター41と、第1枠体4を固定するための伸縮可能な脚要素42が設けられている。そして、第1枠体4を移動させる際には、脚要素42を床面から離間させ、第1枠体4を固定する際には、脚要素42を床面に接触させる。
【0021】
第2枠体5は、特に図2及び図4に示すように、各第1枠体4の前後両端部(Y軸方向両端部)それぞれに設けられるものであり、一方の第1枠体4の両端部に回転可能に連結された第1フレーム51と、他方の第1枠体4の両端部に回転可能に連結された第2フレーム52と、前後それぞれにおいて前記第1フレーム51及び前記第2フレーム52を連結固定する接続フレーム53とを備える。
【0022】
第1フレーム51及び第2フレーム52は、例えば同一形状をなし、正面視において(Y軸方向から見て)概略矩形状をなす。また、第1フレーム51及び第2フレーム52は、図2に示すように、第1枠体4の内側面に上下に対応する二対の留め具8A、8Bにより連結されている。各留め具8A、8Bは、鉛直方向に沿った回転軸により第1フレーム51及び第2フレーム52を回転可能にするものである。二対の留め具8A、8Bにより第1フレーム51及び第2フレーム52を連結した場合には、第1フレーム51及び第2フレーム52は第1枠体4に連結固定された状態となり回転しない。このように二対の留め具8A、8Bによって第1フレーム51及び第2フレーム52を固定することによって、第1枠体4に対する第1フレーム51及び第2フレーム2の位置再現性を向上させることができると共に強度を大きくすることができる。
【0023】
一方の留め具(内側の留め具)8Aを解除することで他方の留め具(外側の留め具)8Bにより第1フレーム51及び第2フレーム52が第1枠体4に対して外側に回転可能となる。他方の留め具(外側の留め具)8Bを解除することで一方の留め具(内側の留め具)8Aにより第1フレーム51及び第2フレーム52が第1枠体4に対して内側に回転可能となる。
【0024】
これにより、測定機器用架台100を折り畳む際には、外側の留め具8Bを解除して、第1フレーム51及び第2フレーム52を第1枠体4の内側面に沿うように折り畳む。一方、第1枠体4の間隔を広げた後、測定機器用架台100内に基板載置ステージ200を収容する際には、内側の留め具8Aを解除して、第1フレーム51及び第2フレーム52を第1枠体4の外側に回転するように拡げる。
【0025】
接続フレーム53は、第1フレーム51の自由端部(第1枠体4に接続される端部と反対側の端部)及び第2フレーム52の自由端部(第1枠体4に接続される端部と反対側の端部)を連結するものである。この接続フレーム53は、第1フレーム51及び第2フレーム52の上下それぞれを接続する2つの接続要素53a、53bを備えている。各接続要素53a、53bの端部は、第1フレーム51又は第2フレーム52それぞれに2点留めされており、水平面方向において、第1フレーム51及び接続フレーム53、第2フレーム52及び接続フレーム53の相対位置が変化しないように構成している。これにより、第1フレーム51及び第2フレーム52を接続フレーム53により接続した状態で第1フレーム51及び第2フレーム52の相対位置が変化せず、一方の第1枠体4が他方の第1枠体4に対して相対位置が変化しない固定された状態となる。
【0026】
しかして、長尺部材3の両端部が接続されるスライド部材72は、図5及び図6に示すように、ガイドレール71に摺動自在に係合したスライド本体721と、当該スライド本体721にガイドレール71の延伸方向に沿った回転軸周りに回転可能に設けられ、前記長尺部材3の端部が連結される連結体722とを備えている。
【0027】
スライド本体721及び連結体722は、ガイドレール71の延伸方向に回転軸J1を有するリンク機構723により連結されている。このようにスライド部材72がガイドレール71の延伸方向に沿った回転軸J1周りに回転可能な連結体722を有することによって、長尺部材3をスライド部材72に連結する際の第1枠体4の傾き及び高さ位置の誤差を吸収する誤差吸収構造を構成し、長尺部材3の第1枠体4への連結作業を簡単化している。
【0028】
また、連結体722の下面には、ガイドレール71を挟み込むように両側に設けられ、連結体722に連結された長尺部材3に対して第1枠体4がガイドレールの延伸方向(Y軸方向)に沿った軸を回転中心とした上記回転を所定範囲内に制限する回転制限部材9が設けられている。
【0029】
この回転制限部材9は、ガイドレール71の両側に設けられ、長尺部材3に対して第1枠体4がX軸方向に傾いた場合(内側に傾いた場合又は外側に傾いた場合)に、第1枠体4の上面に接触して、第1枠体4が長尺部材3に対してそれ以上回転しないようにするものである。本実施形態の回転制限部材9は、連結体722の下面に設けられたキャスター部材により構成している。このキャスター部材9は、連結体722の前後において、ガイドレール71の両側に設けられ、長尺部材3の各端部毎に計4個設けられている。また、長尺部材3及び第1枠体4が略直角状態(正常状態)の場合には、第1枠体4の上面には接触していない。これならば、第1枠体4を拡縮させる際に、第1枠体4が傾いてガイドレール71及びスライド部材72に応力がかかり故障してしまうことを防止することができ、その後の使用において支障をきたすことが無い。また、第1枠体4の傾きを抑えることができ、第1枠体4の移動を容易にすることができる。
【0030】
そして長尺部材3の両端部は、スライド部材72の連結体722に連結される。より詳細に長尺部材3の両端部は、鉛直方向に沿った回転軸J2周りに回転可能となるように、連結体722に連結される。具体的には図5及び図6に示すように、長尺部材3に設けられた貫通孔H1と連結体722に設けられた貫通孔H2とをねじN1により連結することにより、回転可能に連結されている。なお、測定機器用架台100の使用時においては、長尺部材3及び連結体722とは図示しない固定部材によって回転軸J2周りに回転しないように固定される。
【0031】
次にこのように構成した測定機器用架台100の組み立て方法及び折り畳み方法について図7を参照して説明する。
【0032】
まず、一対の第1枠体4を左右(X軸方向)に対向して配置する。このとき第1枠体4の上面にはY軸移動機構7のガイドレール71及びスライド部材72が設けられている。そして、左右に対向配置された一対の第1枠体4に架け渡すようにして、長尺部材3をスライド部材72の連結板722上に載置して、長尺部材3に設けられた貫通孔と連結体に設けられた貫通孔とをねじN1により連結する。このとき、連結体722がY軸方向に沿った回転軸J1周りに回転可能に設けられていることから、第1枠体4の傾き及び高さ位置の誤差は吸収される。つまり、長尺部材3と第1枠体4とは、第1枠体4がY軸方向に沿った回転軸J1周りに回転可能に接触する接続部材を介して接続される。
【0033】
また、一方の第1枠体4の前後端部(Y軸方向端部)に第2枠体5の第1フレーム51をそれぞれ連結し、他方の第1枠体4の前後端部(Y軸方向端部)に第2枠体5の第2フレーム52をそれぞれ連結する。このとき、各フレーム51、52は、第1枠体4に内側の留め具8Aにより連結されて、第1枠体4の内側面に沿うように折り畳まれる(図7(A)参照)。
【0034】
次に、長尺部材3の両端部が回転軸J2回りに回転可能であることから、その両端部を、それぞれに対応する第1枠体4のガイドレール71に沿って互いに異なる方向に外側にスライドさせて、第1枠体4同士の間隔を狭める。このとき、平面視において概略Z字状(N字状とも言える。)となるように長尺部材3が第1枠体4に対して傾く。例えば図7(B)ように、長尺部材3の一端部(図7中の左側端部)が上方向にスライドする場合には、長尺部材3の他端部(図7中の右側端部)が上方向とは反対の下方向にスライドする。そして、折り畳み後の状態において、長尺部材3の両端部は、それぞれに対応する第1枠体4のガイドレール71において、その延伸方向において互いに異なる端部に位置することになる。
【0035】
その後、第1枠体4同士を図示しない部材により固定して輸送等する。なお、上記手順において、長尺部材3に設けられた支持体2はストッパ10により固定されており、折り畳み作業中又は輸送中に支持体2が移動して故障しないようにしている。
【0036】
次に、折り畳まれた状態の測定機器用架台100の組み立てについて説明する。
まず、平面視において概略Z字状に折り畳まれた測定機器用架台100において、一方又は両方の第1枠体4を移動させて、第1枠体4同士の間隔を広げる。このとき、第1枠体4の下面に設けられたキャスター41により第1枠体4の移動を容易にしている。
【0037】
このとき、長尺部材3の両端部は、それぞれに対応する第1枠体4のガイドレール71に沿って互いに異なる方向に内側にスライドする。つまり、前記折り畳み時とは逆に、平面視において第1枠体4に対して起立するようにスライドする。
【0038】
その後、第1枠体4の内側面に沿うように折り畳まれた第2枠体5の第1フレーム51及び第2フレーム52を外側に広げる。このとき、第1枠体4同士の間に基板載置ステージ200を搬入する。その後、第1フレーム51及び第2フレーム52の自由端部がそれぞれ向き合うようにして、接続フレーム53により接続する。接続フレーム53により第1フレーム51及び第2フレーム52を連結することにより、第1枠体4に設けられたガイドレール71が平行となる。その後、支持体2を固定しているストッパ10を取り外す。これによって支持体2に測定機器MUを取り付けて測定機器用架台100が使用可能になる。
【0039】
また、測定機器用架台100を例えば使用した後など、使用可能状態の測定機器用架台100を折り畳む場合には、支持体2から測定機器MUを取り外すと共に、支持体2をストッパ10により長尺部材3に固定する。また、第2枠体5の接続フレーム53を取り外すと共に内側の留め具8Aを取り外して、第2枠体5の第1フレーム51及び第2フレーム52を外側に広げて、基板載置ステージ200を搬出する。
【0040】
その後、内側の留め具8Aを取り付けると共に外側の留め具8Bを取り外して、第1フレーム51及び第2フレーム52を内側に移動させて第1枠体4の内側面に沿うように折り畳む。
【0041】
その後、長尺部材3の両端部を、それぞれに対応する第1枠体4のガイドレール71に沿って互いに異なる方向に外側にスライドさせて、平面視において概略Z字状(N字状とも言える。)となるように第1枠体4同士の間隔を狭める。折り畳み後の状態において、長尺部材3の両端部は、それぞれに対応する第1枠体4のガイドレール71において、その延伸方向において互いに異なる端部に位置することになる。これにより測定機器用架台100は折り畳まれる。
【0042】
<本実施形態の効果>
このように構成した本実施形態に係る測定機器用架台100によれば、長尺部材3を一対の第1枠体4に連結した状態で折り畳まれており、組み立て段階においては、第1枠体4の間隔を拡げ、第2枠体5により第1枠体4を連結固定するだけで良いので設置場所における架台の組み立てを容易にすることができる。また、折り畳んだ状態で輸送することにより、輸送スペースをコンパクトにすることができる。さらに、測定機器用架台100を使用しない等により収納する場合にも第1枠体4同士の間隔を狭めて折り畳むことにより、収納スペースをコンパクトにすることができ、再度使用する際の組み立ても容易である。
【0043】
<その他の変形実施形態>
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。
【0044】
例えば、前記実施形態では、測定機器用架台をZ字状(N字状)となるように折り畳む例を示しているが、その他逆Z字状(逆N字状)に折り畳むようにしても良い。
【0045】
また、前記実施形態では、第2枠体を第1枠体に内側の留め具により連結した状態で折り畳むものであったが、第2枠体を第1枠体から取り外した状態で、第1枠体及び長尺部材を折り畳むようにしても良い。
【0046】
さらに、前記実施形態の第2枠体は、第1フレーム、第2フレーム及び接続フレームからなるものであったが、接続フレーム無しに第1フレーム及び第2フレームからなり、それら第1フレーム及び第2フレームを直接連結するものであっても良い。また、第2枠体が2以上のフレーム要素からなるものでなくても良く、1つの部材からなるものであっても良い。
【0047】
その上、前記実施形態の第2枠体は、第1枠体の両端部それぞれに設けられるものであり、架台が平面視概略矩形枠状をなすものであったが、第2枠体の設置場所はこれに限られず、例えば一対の第1枠体の中央部同士を連結するものであっても良い。
【0048】
また、測定機器用架台は、第2枠体を有さないものであっても良い。この場合、各第1枠体は例えば設置床に固定される。そして、少なくとも一方の第1枠体が設置床に固定されていない状態において、第1枠体同士の間隔が拡縮するように構成されていても良い。
【0049】
加えて、回転制限部材は、スライド部材側に設けるものに限られず、第1枠体側に設けるようにしても良い。
【0050】
さらにその上、前記実施形態では、長尺部材及び連結体の連結構造により、長尺部材の両端部が鉛直方向に沿った回転軸周りに回転可能に構成されているが、その他、長尺部材の両端部に又は連結体に鉛直方向に沿った回転軸周りに回転可能な構造を設けても良い。
【0051】
また前記実施形態では、X軸移動機構のスライド部材に固定された支持体に測定機器を固定するようにしているが、X軸移動機構のスライド部材に直接測定機器を設け、そのスライド部材を支持体としても良い。
【0052】
その他、本発明は前記実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であるのは言うまでもない。
【符号の説明】
【0053】
100・・・測定機器用架台
MU ・・・測定機器
2 ・・・支持体
3 ・・・長尺部材
4 ・・・第1枠体
7 ・・・Y軸移動機構
71 ・・・ガイドレール
72 ・・・スライド部材
5 ・・・第2枠体
51 ・・・第1フレーム
52 ・・・第2フレーム
53 ・・・接続フレーム
J2 ・・・鉛直方向に沿った回転軸
9 ・・・回転制限部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定機器を少なくとも水平面内において移動させる測定機器用架台であって、
前記測定機器を長手方向に沿って移動させる長尺部材と、
前記長尺部材の両端部それぞれに設けられ、前記長手方向とは異なる方向に前記長尺部材を移動させるためのガイドレールを有する一対の第1枠体とを備え、
前記一方の第1枠体が他方の第1枠体に対して固定されていない状態において、前記長尺部材の両端部がそれぞれに対応する前記第1枠体のガイドレールに沿って互いに異なる方向に移動して前記第1枠体同士の間隔が拡縮するように構成されていることを特徴とする測定機器用架台。
【請求項2】
前記ガイドレールの両側において前記長尺部材及び前記第1枠体の間に介在して設けられ、前記第1枠体が前記長尺部材に対して前記ガイドレールの延伸方向を回転中心とした回転することを制限する回転制限部材を備える請求項1記載の測定機器用架台。
【請求項3】
前記一対の第1枠体を連結固定して、各第1枠体に設けられたガイドレールを互いに平行にする第2枠体を備え、
前記第2枠体が、前記第1枠体の両端部それぞれに設けられるものであり、一方の第1枠体の端部に回転可能に連結された第1フレームと、他方の第1枠体の端部に回転可能に連結された第2フレームと、前記第1フレーム及び前記第2フレームを連結固定する接続フレームとを備える請求項1又は2記載の測定機器用架台。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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