測定装置及びそれに用いる点検用センサ、並びに測定装置の点検方法
【課題】 測定装置に関するものであって、長期使用による測定値の不適切化を抑制することを目的とするものである。
【解決手段】 表示部1とセンサ挿入部2を有する本体ケース3と、この本体ケース3内に設けられるとともに、表示部1とセンサ挿入部2に接続された電気回路8とを備え、電気回路8は、センサ挿入部2に接続された測定部5と、このセンサ挿入部2へのセンサ挿入回数をカウントするセンサ挿入回数カウント部11と、このセンサ挿入回数カウント部11と測定部5に接続された制御部10とを有し、この制御部10に表示部1を接続した。
【解決手段】 表示部1とセンサ挿入部2を有する本体ケース3と、この本体ケース3内に設けられるとともに、表示部1とセンサ挿入部2に接続された電気回路8とを備え、電気回路8は、センサ挿入部2に接続された測定部5と、このセンサ挿入部2へのセンサ挿入回数をカウントするセンサ挿入回数カウント部11と、このセンサ挿入回数カウント部11と測定部5に接続された制御部10とを有し、この制御部10に表示部1を接続した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、血糖値などを測定する測定装置及びそれに用いる点検用センサ、並びに測定装置の点検方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の測定装置の構成は、以下のような構成になっていた。すなわち、測定結果などを表示する表示部とセンサ挿入部を有する本体ケースと、この本体ケース内に設けられるとともに、前記表示部と前記センサ挿入部に接続された電気回路とを備え、前記センサ挿入部に血液などの分析用のセンサを挿入し、これにより血糖値の測定・検査を行うような構成になっていた(例えば、下記特許文献1)。
【0003】
つまり、センサと本体ケースのセンサ挿入部は、センサ装着時にそれぞれに設けたコネクタで電気的に接続しており、採取した血液がセンサで電気信号に変換され、この電気信号が前記コネクタ間を介して、本体ケースの電気回路に伝達され、この電気回路に接続された表示部に血糖値が表示される構成となっていたのである。
【特許文献1】特開2007−10317号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来例における課題は、長期使用により、測定値が不適切なものになっていた。すなわち、この種の測定装置においては、上述のごとく、センサ挿入部にセンサが一日数回も挿入され、年間に1000回以上も挿入される状態となっており、この挿入の度に、センサ挿入部に設けたコネクタに汚れが付着・蓄積し、その結果として、このコネクタ部分における接触抵抗が大きくなり、これにより、測定値が不適切なものとなってしまうのであった。
そこで、本発明は、長期使用による測定値の不適切化を抑制することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そして、この目的を達成するために本発明の測定装置は、表示部とセンサ挿入部を有する本体ケースと、この本体ケース内に設けられるとともに、前記表示部と前記センサ挿入部に接続された電気回路とを備え、前記電気回路は、前記センサ挿入部に接続された測定部と、このセンサ挿入部へのセンサ挿入回数をカウントするセンサ挿入回数カウント部と、このセンサ挿入回数カウント部と前記測定部に接続された制御部とを有し、この制御部に前記表示部を接続し、これにより、所期の目的を達成するものである。
【0006】
また、本発明は、表示部とセンサ挿入部を有する本体ケースと、この本体ケース内に設けられるとともに、前記表示部とセンサ挿入部に接続された電気回路を備え、
前記電気回路は、前記センサ挿入部に接続された測定部と、前記表示部、前記測定部に接続する制御部と、前記測定装置の動作状態を点検する点検処理部を有する測定装置も提供している。
【0007】
さらに、本発明は、点検センサも提供し、この点検センサと協働することで、測定装置の動作状態を点検することも可能となっている。
【発明の効果】
【0008】
以上のごとく本発明は、表示部とセンサ挿入部を有する本体ケースと、この本体ケース内に設けられるとともに、前記表示部と前記センサ挿入部に接続された電気回路とを備え、前記電気回路は、前記センサ挿入部に接続された測定部と、このセンサ挿入部へのセンサ挿入回数をカウントするセンサ挿入回数カウント部と、このセンサ挿入回数カウント部と前記測定部に接続された制御部とを有し、この制御部に前記表示部を接続したものであるので、長期使用による測定値の不適切化を抑制することができる。
すなわち、本発明においては、センサ挿入部へのセンサ挿入回数を電気回路のセンサ挿入回数カウント部でカウントし、このカウント回数が所定値を超えると表示部に点検用センサの挿入を促す表示を行う構成としたものであるので、使用者はこの表示をみて、センサ挿入部に点検用センサの挿入を行うこととなる。そして、この挿入を行うことにより、センサ挿入部における、汚れ状態を確認することができるので、この汚れ状態を知らずに不適切な測定が継続的に行われることを防止することができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態を、添付図面を用いて説明する。図1は、本発明の測定装置30の正面から見た外観図であり、図2は、測定装置30の斜視図である。図1、図2ともセンサを装着した状態を示している。
【0010】
図1、図2に示すごとく、本発明の一実施形態を測定装置は、表示部1とセンサ挿入部2を有する本体ケース3を備えている。具体的には、本体ケース3は、直方体で上面に表示部1が設けられ、外周部にセンサ挿入部2が設けられている。そして、センサ挿入部2には、センサの一例として、血液を分析する血液分析センサの一例である血糖値センサ4が挿入され、この挿入された状態で血糖値などの測定・分析が行われるようになっている。
【0011】
この図1の状態では、表示部1に、測定日時(図1における例では、12月12日午前11時11分を示している)とその測定日時における血糖値などの測定値(図1における例では、123mg/dlを示している)が表示されている。
【0012】
さて、次に血糖値センサについて、図3により説明する。図3は、血糖値センサ4の平面図である。血糖値センサ4は、図3に示すごとく、略長方形状で、その図3における左端側(図3において左側)に皮膚から滲出した血液を付着させて収集し、血糖値センサ4内の試薬と反応させて電気化学的信号を取出す検出部5と、検出部を構成する複数の検出電極(図示せず)から導出された接続端子6(複数の端子から構成されている)が血糖値センサ4の右端側(図3において、右側)に配置されている。
次に、血糖値センサ4を装着させるセンサ挿入部について、図4及び図5を使って説明する。図4は、本体ケース3のセンサ挿入部に血糖値センサ4を装着した状態の断面図である。図5は、センサ挿入部内の血糖値センサ4の接続端子6との接触部分であるコネクタ7の部分(図4における点線の部分)を拡大した要部断面図である。
この血糖値センサ4が挿入される本体ケース3には、図4、図5に示すごとく、その内方にバネ端子よりなるコネクタ7を設けており、センサ4の接続端子6と接触して、センサ挿入部のコネクタ7が弾性的に変形して電気的に接続され、それにより、血糖値センサ4において検出された電気化学的信号が、本体ケース3内の電気回路8(図7参照)にコネクタ7を経由して伝達される構成となっている。
電気回路8は、測定部9で入力した血糖値センサ4からの信号により血糖値を測定し、制御部10を介して、本体ケース3の表示部1(図1参照)に測定値である血糖値を表示させる。
つぎに、本発明の測定装置30の制御について、図7を使って、以下に説明する。
図7は、本発明の測定装置30内の電気回路8及びその周辺の制御ブロック図である。
図7において、電気回路8は、センサ挿入部に接続されたセンサ挿入回数カウント部11を有しており、センサ挿入部2に血糖値センサ4が挿入される度に、このセンサ挿入カウント部11は、血糖値センサ4の挿入回数をカウントしていく。そして、そのカウントされた挿入回数データは、センサ挿入回数記憶部12に格納させられる。
【0013】
センサ挿入回数カウント部11においてカウントされたカウント回数は、測定装置30に内蔵されている電池21(図示せず)が所定電圧を保持している間は、保持されるが、この電池21を交換した場合には、リセットされてしまうので、例えば、センサ挿入回数記憶部12をEEPROM,フラッシュ・メモリなどの不揮発性メモリで構成することで、電池交換した場合でも、センサ挿入部2への血糖値センサ4の挿入回数データは、前記センサ挿入回数記憶部12により保持される。
【0014】
後で詳細に説明するが、センサ挿入カウント部11のカウント回数あるいはセンサ挿入回数記憶部12における記憶した挿入回数データのいずれか一方が所定値(例えば1000回)を超えると、制御部10を介して、表示部1にセンサ挿入部2への点検用センサ13(図6参照)の挿入を促す表示(図13及び図14参照)を行なう。
また、この時、警報手段の一例として用いたブザー14により、交換を促す警報を発することとなる。
【0015】
次に、点検用センサ13について、説明する。図6に示す点検用センサ13は、長方形状で図3に示す血糖値センサ4に比べて長さが長く、したがって、表面積を大きくしている。しかもその左端側には、点検用を示す“CHECK”という標示15が設けられており、右端側には、8個の接続端子16が設けられている。この点検用センサ13の接続端子16と図3に示す血糖値センサ4の接続端子6は、その配列及び大きさを同じものとしているが、点検用センサ13の接触端子16は、図8に示すごとく、隣接する接続端子16がそれぞれ2つの抵抗17を介して、短絡された構造となっている。なお点検用センサは、大きさを変えるだけでなく、形状を変えることも可能である。
【0016】
また、ここでは、血糖値センサ4と同じ数の端子を設けているが、点検用の端子を別に設けても良い。測定装置30の本体側の接続端子であるコネクタの態様に依存する。
この点検用センサ13の使い方については、後で詳細に説明する。
【0017】
図1に示したごとく、表示部1の左下には、点検時期を知らしめる予告メッセージとして、点検を促すツールイメージ18とバーイメージ19とが設けられている。
以下、表示部1の表示内容について、図9〜図20を使用して説明する。センサ挿入部2への血糖値センサ4の挿入回数が所定回数1(例えば、300回)を超えない場合は、図9に示すごとく、ツールイメージ18もバーイメージ19も白抜きの状態となっている。
その後、この前記センサ挿入部2への血糖値センサ4の挿入回数が所定回数1(300回)を超えた場合は、図10に示すごとく、ツールイメージ18は白抜き状態であるが、バーイメージ19はその3分の1が着色状態となっている。
【0018】
又、この前記センサ挿入部2への血糖値センサ4の挿入回数が所定回数2(例えば、600回)を超えた場合には、ツールイメージ18は白抜き状態であるが、バーイメージ19はその3分の2が着色状態(図11参照)となっている。
【0019】
さらに、この前記センサ挿入部2への血糖値センサ4の挿入回数が所定回数3(例えば、1000回)を超えると、ツールイメージ18もバーイメージ19も着色状態(図12参照)となり、センサ挿入部2への点検用センサ13の挿入を促す点検メッセージ(図13及び図14参照)が現れる。この時、上述したように、ブザー14(図7参照)による点検を促す警報(点検メッセージ)も発せられている。
【0020】
さらに、この時には、図1で示す血糖値表示部分、すなわち測定日時(図1において、12月12日午前11時11分を示す)における測定血糖値(図1において、123mg/dlを示す)が表示されている部分に、図13と図14に示す点検メッセージが交互に表示されることになる。
この図13においては、センサ挿入部2に点検用センサ13を挿入する前、図14には点検用センサ13の挿入後の状態が表示されており、これらのメッセージにより使用者は、図6に示す点検用センサ13をセンサ挿入部2に挿入する必要性を視認することになる。
【0021】
この時、点検用センサ13を本体ケース3のセンサ挿入部2(図1、図2参照)に装着すると、測定装置30は点検動作を行なう点検モード状態になる。
点検用センサ13は、図8に示したごとく、隣接する接続端子間を2個の抵抗で短絡した構造をしているものであって、前記点検動作を行なう点検処理部は、この時に流れる電流の大きさを、電気回路8の測定部9で測定する。つまり点検処理部は、前記測定部9と前記電気回路8の制御部10から構成されている。また、前記点検用センサ13との協働で測定装置30のセンサ挿入部2における動作状況の点検を行なう。
なお、この測定中は、図13、図14で示す点検用センサ13の挿入を促す旨のメッセージ表示に代え、図15から図17に示すごとく、“CHECK”という表示の周りを破線が順次、点検の進行にあわせて囲んでいく状態で、点検中を示す表示ととなり、点検処理が完了すると図17に示すごとく、「CHECK」の文字の外周すべてが、破線で囲まれた表示となる。
そして、この点検処理動作により、センサ挿入部2の接続端子7の汚れがひどく、適切な測定が不可能であると、点検結果が判定された場合には、図18に示したごとく、測定装置の使用を禁止する表示である、本体ケース3に「×」を付した表示と本体ケース3に「NEW」と付した表示が表示部1に現れるとともに、ブザー14による交換警報が発せられる。
この時、使用者は測定装置30を新規なものと取り替えることになる。
又、上記点検で、センサ挿入部2の接続端子7が汚れておらず、正常である場合には、図19に示す“CHECK”という表示が表示部1に現れ、つぎの瞬間にはこのCHECKが、図20に示すごとく、「OK」という表示に変わる。そして、この状態になると、図7に示す電気回路8は、リセット部20により、センサ挿入回数カウント部11とセンサ挿入回数記憶部12の値をリセットすることが出来る。
【0022】
また、ここでは、表示は白黒の2色で表示する場合を記載したが、これに限られるわけではなく、表示部1はカラーLCD、カラー有機ELなどでも良い。
【0023】
次に、図21、22を使って、本発明の測定装置の動作に関して以下に説明する。
まず、図21において、通常血糖値を測定する動作における本発明のセンサ挿入回数のチェックを行なう内容を示している。
【0024】
ステップS1では、血糖値センサ4をセンサ挿入部2(図1参照)に装着する。これにより、測定装置30の測定準備を行なう。ステップS2は、血糖値センサ4の挿入を検知し、センサ挿入回数カウント部11(図7参照)により、センサ挿入回数をカウントする。また、このカウント値をセンサ挿入回数記憶部12(図7参照)に記憶・保持される。
ステップS3では、前記カウント値を予め設定されている定期点検回数(例えば、1000回)と比較する。カウント値が定期点検回数に達していたら、ステップS4に移り、点検メッセージ(図13、図14参照)を交互に点滅表示と図12の予告メッセージを表示し、ユーザに点検を促す。
このとき、警報手段であるブザー14(図7参照)も鳴らすことが出来る(ステップS5)。また、この状態では、ステップS6に示すように、測定装置の使用を停止させる。つまり、点検動作終了まで測定動作を禁止することになる。ステップS7に移る。
ステップS7では、血糖値センサ4をセンサ挿入部2から抜き取り、続くステップS8では、スリープ状態になり、点検用センサ13の挿入を待つ待機状態となる。この時は、表示は、前記の図12の予告メッセージのみとなる。
次に、ステップS9(図22参照)へ移る。ステップS3において、センサ挿入回数カウント部でカウントされたカウント値が、定期点検回数に達していない場合は、ステップS31へ移る。ステップS31では、前記カウント値と第1の所定回数と比較される。カウント値が第1の所定回数(たとえば、前述の600回)に達している場合は、ステップS32へ進み、達していない場合は、ステップS51へ移る。
【0025】
ステップS32では、図11に示す予告メッセージを表示部1の左下に表示する。この場合は、測定装置30の測定動作は停止せず、ユーザに点検時期が近づいていることを知らせる。
ステップS33に移り、通常の血糖値の測定動作を実行する。また、ステップS51(前記ステップS31で、カウント値が第1の所定回数に達していない場合)では、前記カウント値と第2の所定回数とを比較する。カウント値が第2の所定回数(例えば、前述の300回)に達していれば、ステップS52に移り、図10の予告メッセージを表示する。カウント値が第2の所定回数に達していない場合は、ステップS53に移り、図9の予告メッセージ(表示1))を表示する。
ステップS52及びステップS53は、測定は可能であるので、ステップS33に移り、通常の測定動作を実行する。ステップS33の測定動作後、ステップS34では、血糖値センサ4を抜き、廃棄する。次に、ステップS35では、スリープ状態となり、メイン電源をOFFにする。ステップS35の表示後、ステップS1に移り、血糖値センサの装着を待つ待機状態となる。
【0026】
ステップS8で、点検用センサ13の挿入を待つ待機状態となった後は、ステップS9(図22参照)に移り、センサを挿入する。これにより、スリープ状態の表示から測定スタンバイ状態の表示(図1参照)に変わる。
【0027】
ステップS10に移り、センサ挿入部2に装着されたセンサが、点検用センサ13かどうかを判別する。点検用センサで無かった場合は、ステップ1(図21参照)へ移り、前述の処理を実行する。点検用センサ13であれば、ステップS11に移り、点検開始中を示すメッセージ(図15〜図17参照)を表示部1(図1参照)に表示する。
次のステップS12では、点検用センサ13と測定装置30の測定部9及び制御部10の協同により、接続端子16(図8における端子1〜8)間の抵抗を測定装置30のセンサ挿入部2の内部にある前記接続端子16と接続するコネクタを経由して、測定・検査を行ない、動作状態を点検する。
【0028】
ここでは、点検用センサ13は、図8に示すように、予め接続端子間に既知の抵抗を搭載しており、その既知の抵抗値と実際に測定した抵抗値を比較して、抵抗の誤差の範囲であれば、OKと判断している。ここでは、抵抗値は75kΩを2個ずつ直列に配置しているので、合計で150kΩ±10kΩの範囲であれば、OKと判断している。
但し、ここでは、75kΩの2個直列に配置した例を示したが、これらの数値に限られることはなく、1MΩ以下であれば可能である。測定部の内部回路と検出する信号のレベルにより、異なってくる。
【0029】
ステップS12で、点検OKであれば、ステップS13に移り、点検完了の表示(図19参照)と点検OKの表示(図20参照)を交互に、表示部1に表示させ、ステップS14へ移る。ステップS14では、センサ挿入回数記憶部に記憶されているセンサ挿入回数のカウント値をリセットし、ステップ1(図21参照)に戻る。
【0030】
ステップS12で点検エラーであれば、ステップS15に移り、測定装置の故障を知らせるメッセージ(図18参照)を表示部1に表示して、測定装置30の故障をユーザに知らせる。
ステップS16では、警報手段であるブザー14を鳴らし、聴覚的に報知する。
ステップS17では、測定装置30の使用も禁止させ、測定装置30の処理は終了する。
【産業上の利用可能性】
【0031】
以上のごとく本発明は、表示部とセンサ挿入部を有する本体ケースと、この本体ケース内に設けられるとともに、前記表示部と前記センサ挿入部に接続された電気回路とを備え、前記電気回路は、前記センサ挿入部に接続された測定部と、このセンサ挿入部へのセンサ挿入回数をカウントするセンサ挿入回数カウント部と、このセンサ挿入回数カウント部と前記測定部に接続された制御部とを有し、この制御部に前記表示部を接続したものであるので、長期使用による測定値の不適切化を抑制することができる。
【0032】
すなわち、本発明においては、センサ挿入部へのセンサ挿入回数を制御部のセンサ挿入
回数のカウント部でカウントし、このカウント回数が所定値を超えると表示部に点検用センサの挿入を促す表示を行う構成としたものであるので、使用者はこの表示をみて、センサ挿入部に点検用センサの挿入を行うこととなる。そして、この挿入を行うことで、センサ挿入部における、汚れなどによる測定装置の動作不良状態を点検・確認することができるので、このユーザが汚れなどによる測定装置の動作不良状態を知らずに不適切な測定が継続的に行われることを防止することができるものである。
【0033】
従って、各種測定装置における信頼性を高くするものとして、広く普及が期待されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の一実施形態の測定装置の正面図
【図2】同、測定装置の斜視図
【図3】血糖値センサを示す平面図
【図4】同、測定装置の本体ケースのセンサ挿入部周辺の断面図
【図5】同、センサ挿入部の接続端子部分の拡大断面図
【図6】同、点検用センサを示す平面図
【図7】同、測定装置内の電気回路周辺を示すブロック図
【図8】同、点検用センサの内部構造を示す図
【図9】同、測定装置の表示部の表示の一例を示す平面図
【図10】同、測定装置の表示部の表示の一例を示す平面図
【図11】同、測定装置の表示部の表示の一例を示す平面図
【図12】同、測定装置の表示部の表示の一例を示す平面図
【図13】同、測定装置の表示部の表示の一例を示す平面図
【図14】同、測定装置の表示部の表示の一例を示す平面図
【図15】同、測定装置の表示部の表示の一例を示す平面図
【図16】同、測定装置の表示部の表示の一例を示す平面図
【図17】同、測定装置の表示部の表示の一例を示す平面図
【図18】同、測定装置の表示部の表示の一例を示す平面図
【図19】同、測定装置の表示部の表示の一例を示す平面図
【図20】同、測定装置の表示部の表示の一例を示す平面図
【図21】同、本発明の測定装置の動作を示すフローチャート
【図22】同、本発明の測定装置の動作を示すフローチャート
【符号の説明】
【0035】
1 表示部
2 センサ挿入部
3 本体ケース
4 血糖値センサ
5 検出部
6 接続端子
7 コネクタ
8 電気回路
9 測定部
10 制御部
11 センサ挿入回数カウント部
12 センサ挿入回数記憶部
13 点検用センサ
14 ブザー
15 表示
16 接続端子
17 抵抗
18 ツールイメージ
19 バーイメージ
30 測定装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、血糖値などを測定する測定装置及びそれに用いる点検用センサ、並びに測定装置の点検方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の測定装置の構成は、以下のような構成になっていた。すなわち、測定結果などを表示する表示部とセンサ挿入部を有する本体ケースと、この本体ケース内に設けられるとともに、前記表示部と前記センサ挿入部に接続された電気回路とを備え、前記センサ挿入部に血液などの分析用のセンサを挿入し、これにより血糖値の測定・検査を行うような構成になっていた(例えば、下記特許文献1)。
【0003】
つまり、センサと本体ケースのセンサ挿入部は、センサ装着時にそれぞれに設けたコネクタで電気的に接続しており、採取した血液がセンサで電気信号に変換され、この電気信号が前記コネクタ間を介して、本体ケースの電気回路に伝達され、この電気回路に接続された表示部に血糖値が表示される構成となっていたのである。
【特許文献1】特開2007−10317号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来例における課題は、長期使用により、測定値が不適切なものになっていた。すなわち、この種の測定装置においては、上述のごとく、センサ挿入部にセンサが一日数回も挿入され、年間に1000回以上も挿入される状態となっており、この挿入の度に、センサ挿入部に設けたコネクタに汚れが付着・蓄積し、その結果として、このコネクタ部分における接触抵抗が大きくなり、これにより、測定値が不適切なものとなってしまうのであった。
そこで、本発明は、長期使用による測定値の不適切化を抑制することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そして、この目的を達成するために本発明の測定装置は、表示部とセンサ挿入部を有する本体ケースと、この本体ケース内に設けられるとともに、前記表示部と前記センサ挿入部に接続された電気回路とを備え、前記電気回路は、前記センサ挿入部に接続された測定部と、このセンサ挿入部へのセンサ挿入回数をカウントするセンサ挿入回数カウント部と、このセンサ挿入回数カウント部と前記測定部に接続された制御部とを有し、この制御部に前記表示部を接続し、これにより、所期の目的を達成するものである。
【0006】
また、本発明は、表示部とセンサ挿入部を有する本体ケースと、この本体ケース内に設けられるとともに、前記表示部とセンサ挿入部に接続された電気回路を備え、
前記電気回路は、前記センサ挿入部に接続された測定部と、前記表示部、前記測定部に接続する制御部と、前記測定装置の動作状態を点検する点検処理部を有する測定装置も提供している。
【0007】
さらに、本発明は、点検センサも提供し、この点検センサと協働することで、測定装置の動作状態を点検することも可能となっている。
【発明の効果】
【0008】
以上のごとく本発明は、表示部とセンサ挿入部を有する本体ケースと、この本体ケース内に設けられるとともに、前記表示部と前記センサ挿入部に接続された電気回路とを備え、前記電気回路は、前記センサ挿入部に接続された測定部と、このセンサ挿入部へのセンサ挿入回数をカウントするセンサ挿入回数カウント部と、このセンサ挿入回数カウント部と前記測定部に接続された制御部とを有し、この制御部に前記表示部を接続したものであるので、長期使用による測定値の不適切化を抑制することができる。
すなわち、本発明においては、センサ挿入部へのセンサ挿入回数を電気回路のセンサ挿入回数カウント部でカウントし、このカウント回数が所定値を超えると表示部に点検用センサの挿入を促す表示を行う構成としたものであるので、使用者はこの表示をみて、センサ挿入部に点検用センサの挿入を行うこととなる。そして、この挿入を行うことにより、センサ挿入部における、汚れ状態を確認することができるので、この汚れ状態を知らずに不適切な測定が継続的に行われることを防止することができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態を、添付図面を用いて説明する。図1は、本発明の測定装置30の正面から見た外観図であり、図2は、測定装置30の斜視図である。図1、図2ともセンサを装着した状態を示している。
【0010】
図1、図2に示すごとく、本発明の一実施形態を測定装置は、表示部1とセンサ挿入部2を有する本体ケース3を備えている。具体的には、本体ケース3は、直方体で上面に表示部1が設けられ、外周部にセンサ挿入部2が設けられている。そして、センサ挿入部2には、センサの一例として、血液を分析する血液分析センサの一例である血糖値センサ4が挿入され、この挿入された状態で血糖値などの測定・分析が行われるようになっている。
【0011】
この図1の状態では、表示部1に、測定日時(図1における例では、12月12日午前11時11分を示している)とその測定日時における血糖値などの測定値(図1における例では、123mg/dlを示している)が表示されている。
【0012】
さて、次に血糖値センサについて、図3により説明する。図3は、血糖値センサ4の平面図である。血糖値センサ4は、図3に示すごとく、略長方形状で、その図3における左端側(図3において左側)に皮膚から滲出した血液を付着させて収集し、血糖値センサ4内の試薬と反応させて電気化学的信号を取出す検出部5と、検出部を構成する複数の検出電極(図示せず)から導出された接続端子6(複数の端子から構成されている)が血糖値センサ4の右端側(図3において、右側)に配置されている。
次に、血糖値センサ4を装着させるセンサ挿入部について、図4及び図5を使って説明する。図4は、本体ケース3のセンサ挿入部に血糖値センサ4を装着した状態の断面図である。図5は、センサ挿入部内の血糖値センサ4の接続端子6との接触部分であるコネクタ7の部分(図4における点線の部分)を拡大した要部断面図である。
この血糖値センサ4が挿入される本体ケース3には、図4、図5に示すごとく、その内方にバネ端子よりなるコネクタ7を設けており、センサ4の接続端子6と接触して、センサ挿入部のコネクタ7が弾性的に変形して電気的に接続され、それにより、血糖値センサ4において検出された電気化学的信号が、本体ケース3内の電気回路8(図7参照)にコネクタ7を経由して伝達される構成となっている。
電気回路8は、測定部9で入力した血糖値センサ4からの信号により血糖値を測定し、制御部10を介して、本体ケース3の表示部1(図1参照)に測定値である血糖値を表示させる。
つぎに、本発明の測定装置30の制御について、図7を使って、以下に説明する。
図7は、本発明の測定装置30内の電気回路8及びその周辺の制御ブロック図である。
図7において、電気回路8は、センサ挿入部に接続されたセンサ挿入回数カウント部11を有しており、センサ挿入部2に血糖値センサ4が挿入される度に、このセンサ挿入カウント部11は、血糖値センサ4の挿入回数をカウントしていく。そして、そのカウントされた挿入回数データは、センサ挿入回数記憶部12に格納させられる。
【0013】
センサ挿入回数カウント部11においてカウントされたカウント回数は、測定装置30に内蔵されている電池21(図示せず)が所定電圧を保持している間は、保持されるが、この電池21を交換した場合には、リセットされてしまうので、例えば、センサ挿入回数記憶部12をEEPROM,フラッシュ・メモリなどの不揮発性メモリで構成することで、電池交換した場合でも、センサ挿入部2への血糖値センサ4の挿入回数データは、前記センサ挿入回数記憶部12により保持される。
【0014】
後で詳細に説明するが、センサ挿入カウント部11のカウント回数あるいはセンサ挿入回数記憶部12における記憶した挿入回数データのいずれか一方が所定値(例えば1000回)を超えると、制御部10を介して、表示部1にセンサ挿入部2への点検用センサ13(図6参照)の挿入を促す表示(図13及び図14参照)を行なう。
また、この時、警報手段の一例として用いたブザー14により、交換を促す警報を発することとなる。
【0015】
次に、点検用センサ13について、説明する。図6に示す点検用センサ13は、長方形状で図3に示す血糖値センサ4に比べて長さが長く、したがって、表面積を大きくしている。しかもその左端側には、点検用を示す“CHECK”という標示15が設けられており、右端側には、8個の接続端子16が設けられている。この点検用センサ13の接続端子16と図3に示す血糖値センサ4の接続端子6は、その配列及び大きさを同じものとしているが、点検用センサ13の接触端子16は、図8に示すごとく、隣接する接続端子16がそれぞれ2つの抵抗17を介して、短絡された構造となっている。なお点検用センサは、大きさを変えるだけでなく、形状を変えることも可能である。
【0016】
また、ここでは、血糖値センサ4と同じ数の端子を設けているが、点検用の端子を別に設けても良い。測定装置30の本体側の接続端子であるコネクタの態様に依存する。
この点検用センサ13の使い方については、後で詳細に説明する。
【0017】
図1に示したごとく、表示部1の左下には、点検時期を知らしめる予告メッセージとして、点検を促すツールイメージ18とバーイメージ19とが設けられている。
以下、表示部1の表示内容について、図9〜図20を使用して説明する。センサ挿入部2への血糖値センサ4の挿入回数が所定回数1(例えば、300回)を超えない場合は、図9に示すごとく、ツールイメージ18もバーイメージ19も白抜きの状態となっている。
その後、この前記センサ挿入部2への血糖値センサ4の挿入回数が所定回数1(300回)を超えた場合は、図10に示すごとく、ツールイメージ18は白抜き状態であるが、バーイメージ19はその3分の1が着色状態となっている。
【0018】
又、この前記センサ挿入部2への血糖値センサ4の挿入回数が所定回数2(例えば、600回)を超えた場合には、ツールイメージ18は白抜き状態であるが、バーイメージ19はその3分の2が着色状態(図11参照)となっている。
【0019】
さらに、この前記センサ挿入部2への血糖値センサ4の挿入回数が所定回数3(例えば、1000回)を超えると、ツールイメージ18もバーイメージ19も着色状態(図12参照)となり、センサ挿入部2への点検用センサ13の挿入を促す点検メッセージ(図13及び図14参照)が現れる。この時、上述したように、ブザー14(図7参照)による点検を促す警報(点検メッセージ)も発せられている。
【0020】
さらに、この時には、図1で示す血糖値表示部分、すなわち測定日時(図1において、12月12日午前11時11分を示す)における測定血糖値(図1において、123mg/dlを示す)が表示されている部分に、図13と図14に示す点検メッセージが交互に表示されることになる。
この図13においては、センサ挿入部2に点検用センサ13を挿入する前、図14には点検用センサ13の挿入後の状態が表示されており、これらのメッセージにより使用者は、図6に示す点検用センサ13をセンサ挿入部2に挿入する必要性を視認することになる。
【0021】
この時、点検用センサ13を本体ケース3のセンサ挿入部2(図1、図2参照)に装着すると、測定装置30は点検動作を行なう点検モード状態になる。
点検用センサ13は、図8に示したごとく、隣接する接続端子間を2個の抵抗で短絡した構造をしているものであって、前記点検動作を行なう点検処理部は、この時に流れる電流の大きさを、電気回路8の測定部9で測定する。つまり点検処理部は、前記測定部9と前記電気回路8の制御部10から構成されている。また、前記点検用センサ13との協働で測定装置30のセンサ挿入部2における動作状況の点検を行なう。
なお、この測定中は、図13、図14で示す点検用センサ13の挿入を促す旨のメッセージ表示に代え、図15から図17に示すごとく、“CHECK”という表示の周りを破線が順次、点検の進行にあわせて囲んでいく状態で、点検中を示す表示ととなり、点検処理が完了すると図17に示すごとく、「CHECK」の文字の外周すべてが、破線で囲まれた表示となる。
そして、この点検処理動作により、センサ挿入部2の接続端子7の汚れがひどく、適切な測定が不可能であると、点検結果が判定された場合には、図18に示したごとく、測定装置の使用を禁止する表示である、本体ケース3に「×」を付した表示と本体ケース3に「NEW」と付した表示が表示部1に現れるとともに、ブザー14による交換警報が発せられる。
この時、使用者は測定装置30を新規なものと取り替えることになる。
又、上記点検で、センサ挿入部2の接続端子7が汚れておらず、正常である場合には、図19に示す“CHECK”という表示が表示部1に現れ、つぎの瞬間にはこのCHECKが、図20に示すごとく、「OK」という表示に変わる。そして、この状態になると、図7に示す電気回路8は、リセット部20により、センサ挿入回数カウント部11とセンサ挿入回数記憶部12の値をリセットすることが出来る。
【0022】
また、ここでは、表示は白黒の2色で表示する場合を記載したが、これに限られるわけではなく、表示部1はカラーLCD、カラー有機ELなどでも良い。
【0023】
次に、図21、22を使って、本発明の測定装置の動作に関して以下に説明する。
まず、図21において、通常血糖値を測定する動作における本発明のセンサ挿入回数のチェックを行なう内容を示している。
【0024】
ステップS1では、血糖値センサ4をセンサ挿入部2(図1参照)に装着する。これにより、測定装置30の測定準備を行なう。ステップS2は、血糖値センサ4の挿入を検知し、センサ挿入回数カウント部11(図7参照)により、センサ挿入回数をカウントする。また、このカウント値をセンサ挿入回数記憶部12(図7参照)に記憶・保持される。
ステップS3では、前記カウント値を予め設定されている定期点検回数(例えば、1000回)と比較する。カウント値が定期点検回数に達していたら、ステップS4に移り、点検メッセージ(図13、図14参照)を交互に点滅表示と図12の予告メッセージを表示し、ユーザに点検を促す。
このとき、警報手段であるブザー14(図7参照)も鳴らすことが出来る(ステップS5)。また、この状態では、ステップS6に示すように、測定装置の使用を停止させる。つまり、点検動作終了まで測定動作を禁止することになる。ステップS7に移る。
ステップS7では、血糖値センサ4をセンサ挿入部2から抜き取り、続くステップS8では、スリープ状態になり、点検用センサ13の挿入を待つ待機状態となる。この時は、表示は、前記の図12の予告メッセージのみとなる。
次に、ステップS9(図22参照)へ移る。ステップS3において、センサ挿入回数カウント部でカウントされたカウント値が、定期点検回数に達していない場合は、ステップS31へ移る。ステップS31では、前記カウント値と第1の所定回数と比較される。カウント値が第1の所定回数(たとえば、前述の600回)に達している場合は、ステップS32へ進み、達していない場合は、ステップS51へ移る。
【0025】
ステップS32では、図11に示す予告メッセージを表示部1の左下に表示する。この場合は、測定装置30の測定動作は停止せず、ユーザに点検時期が近づいていることを知らせる。
ステップS33に移り、通常の血糖値の測定動作を実行する。また、ステップS51(前記ステップS31で、カウント値が第1の所定回数に達していない場合)では、前記カウント値と第2の所定回数とを比較する。カウント値が第2の所定回数(例えば、前述の300回)に達していれば、ステップS52に移り、図10の予告メッセージを表示する。カウント値が第2の所定回数に達していない場合は、ステップS53に移り、図9の予告メッセージ(表示1))を表示する。
ステップS52及びステップS53は、測定は可能であるので、ステップS33に移り、通常の測定動作を実行する。ステップS33の測定動作後、ステップS34では、血糖値センサ4を抜き、廃棄する。次に、ステップS35では、スリープ状態となり、メイン電源をOFFにする。ステップS35の表示後、ステップS1に移り、血糖値センサの装着を待つ待機状態となる。
【0026】
ステップS8で、点検用センサ13の挿入を待つ待機状態となった後は、ステップS9(図22参照)に移り、センサを挿入する。これにより、スリープ状態の表示から測定スタンバイ状態の表示(図1参照)に変わる。
【0027】
ステップS10に移り、センサ挿入部2に装着されたセンサが、点検用センサ13かどうかを判別する。点検用センサで無かった場合は、ステップ1(図21参照)へ移り、前述の処理を実行する。点検用センサ13であれば、ステップS11に移り、点検開始中を示すメッセージ(図15〜図17参照)を表示部1(図1参照)に表示する。
次のステップS12では、点検用センサ13と測定装置30の測定部9及び制御部10の協同により、接続端子16(図8における端子1〜8)間の抵抗を測定装置30のセンサ挿入部2の内部にある前記接続端子16と接続するコネクタを経由して、測定・検査を行ない、動作状態を点検する。
【0028】
ここでは、点検用センサ13は、図8に示すように、予め接続端子間に既知の抵抗を搭載しており、その既知の抵抗値と実際に測定した抵抗値を比較して、抵抗の誤差の範囲であれば、OKと判断している。ここでは、抵抗値は75kΩを2個ずつ直列に配置しているので、合計で150kΩ±10kΩの範囲であれば、OKと判断している。
但し、ここでは、75kΩの2個直列に配置した例を示したが、これらの数値に限られることはなく、1MΩ以下であれば可能である。測定部の内部回路と検出する信号のレベルにより、異なってくる。
【0029】
ステップS12で、点検OKであれば、ステップS13に移り、点検完了の表示(図19参照)と点検OKの表示(図20参照)を交互に、表示部1に表示させ、ステップS14へ移る。ステップS14では、センサ挿入回数記憶部に記憶されているセンサ挿入回数のカウント値をリセットし、ステップ1(図21参照)に戻る。
【0030】
ステップS12で点検エラーであれば、ステップS15に移り、測定装置の故障を知らせるメッセージ(図18参照)を表示部1に表示して、測定装置30の故障をユーザに知らせる。
ステップS16では、警報手段であるブザー14を鳴らし、聴覚的に報知する。
ステップS17では、測定装置30の使用も禁止させ、測定装置30の処理は終了する。
【産業上の利用可能性】
【0031】
以上のごとく本発明は、表示部とセンサ挿入部を有する本体ケースと、この本体ケース内に設けられるとともに、前記表示部と前記センサ挿入部に接続された電気回路とを備え、前記電気回路は、前記センサ挿入部に接続された測定部と、このセンサ挿入部へのセンサ挿入回数をカウントするセンサ挿入回数カウント部と、このセンサ挿入回数カウント部と前記測定部に接続された制御部とを有し、この制御部に前記表示部を接続したものであるので、長期使用による測定値の不適切化を抑制することができる。
【0032】
すなわち、本発明においては、センサ挿入部へのセンサ挿入回数を制御部のセンサ挿入
回数のカウント部でカウントし、このカウント回数が所定値を超えると表示部に点検用センサの挿入を促す表示を行う構成としたものであるので、使用者はこの表示をみて、センサ挿入部に点検用センサの挿入を行うこととなる。そして、この挿入を行うことで、センサ挿入部における、汚れなどによる測定装置の動作不良状態を点検・確認することができるので、このユーザが汚れなどによる測定装置の動作不良状態を知らずに不適切な測定が継続的に行われることを防止することができるものである。
【0033】
従って、各種測定装置における信頼性を高くするものとして、広く普及が期待されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の一実施形態の測定装置の正面図
【図2】同、測定装置の斜視図
【図3】血糖値センサを示す平面図
【図4】同、測定装置の本体ケースのセンサ挿入部周辺の断面図
【図5】同、センサ挿入部の接続端子部分の拡大断面図
【図6】同、点検用センサを示す平面図
【図7】同、測定装置内の電気回路周辺を示すブロック図
【図8】同、点検用センサの内部構造を示す図
【図9】同、測定装置の表示部の表示の一例を示す平面図
【図10】同、測定装置の表示部の表示の一例を示す平面図
【図11】同、測定装置の表示部の表示の一例を示す平面図
【図12】同、測定装置の表示部の表示の一例を示す平面図
【図13】同、測定装置の表示部の表示の一例を示す平面図
【図14】同、測定装置の表示部の表示の一例を示す平面図
【図15】同、測定装置の表示部の表示の一例を示す平面図
【図16】同、測定装置の表示部の表示の一例を示す平面図
【図17】同、測定装置の表示部の表示の一例を示す平面図
【図18】同、測定装置の表示部の表示の一例を示す平面図
【図19】同、測定装置の表示部の表示の一例を示す平面図
【図20】同、測定装置の表示部の表示の一例を示す平面図
【図21】同、本発明の測定装置の動作を示すフローチャート
【図22】同、本発明の測定装置の動作を示すフローチャート
【符号の説明】
【0035】
1 表示部
2 センサ挿入部
3 本体ケース
4 血糖値センサ
5 検出部
6 接続端子
7 コネクタ
8 電気回路
9 測定部
10 制御部
11 センサ挿入回数カウント部
12 センサ挿入回数記憶部
13 点検用センサ
14 ブザー
15 表示
16 接続端子
17 抵抗
18 ツールイメージ
19 バーイメージ
30 測定装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
血液の分析を行なう測定装置であって、
表示部と、血液を収集して前記分析を実施するための血液分析用のセンサが着脱されるセンサ挿入部とを有する本体ケースと、
この本体ケース内に設けられるとともに、前記表示部と前記センサ挿入部とに接続された電気回路とを備え、
前記電気回路は、
前記センサ挿入部に接続された測定部と、
前記センサ挿入部への前記センサの挿入回数をカウントするセンサ挿入回数カウント部と、
このセンサ挿入回数カウント部と前記測定部とに接続され、前記測定部での結果と、前記センサ挿入回数カウント部でのカウントに基づく表示を前記表示部に行う制御部と、
を有する測定装置。
【請求項2】
前記電気回路には、前記センサ挿入回数カウント部でカウントされたセンサ挿入回数のカウント値を格納するセンサ挿入回数記憶部をさらに備え、このセンサ挿入回数記憶部に、前記制御部を接続した請求項1に記載の測定装置。
【請求項3】
前記電気回路に、前記センサ挿入回数カウント部と前記センサ挿入回数記憶部の少なくとも一方をリセットするリセット部を設けるとともに、このリセット部は、制御部に接続した請求項2に記載の測定装置。
【請求項4】
前記表示部は、前記測定部による血液分析の測定値と、
前記センサ挿入回数カウント部によるセンサ挿入回数のカウント値、または、前記カウント値が所定回数を超えると前記センサ挿入部への点検用センサの挿入を促す点検メッセージの内、少なくとも2つ以上を表示する構成とした、請求項1から請求項3のいずれか一つに記載の測定装置。
【請求項5】
前記点検メッセージは、さらに、前記センサ挿入回数カウント部のカウント値に応じて、挿入回数の増加を表示する予告メッセージを有する請求項4に記載の測定装置。
【請求項6】
前記予告メッセージは、点検を促すツール・イメージと、バー・イメージとを有する請求項5に記載の測定装置。
【請求項7】
前記所定回数は複数の値を有しており、前記カウント値と複数の所定回数のそれぞれの値と比較し、その比較結果に応じて、前記バー・イメージを変化させる請求項6に記載の測定装置。
【請求項8】
前記点検メッセージは、本体ケースのセンサ挿入部への点検センサの装着を促す旨のイメージとした請求項4から請求項7のいずれか一つに記載の測定装置。
【請求項9】
前記点検用センサを前記センサ挿入部に挿入後、このセンサ挿入部の動作不良状態を前記表示部に表示する構成とした請求項4から請求項8のいずれか一つに記載の測定装置。
【請求項10】
前記電気回路は、さらに、制御部に接続され、そして、前記表示部において、前記センサ挿入部の動作不良状態を表示した際に警報を鳴らす警報手段をさらに有する構成とした請求項9に記載の測定装置。
【請求項11】
請求項1から10のいずれかに記載の測定装置に使用されるセンサであって、
該測定装置の動作状態を点検する点検用センサ。
【請求項12】
前記センサ挿入部に装着される請求項11に記載の点検用センサ。
【請求項13】
前記センサ挿入部に挿入された血液分析用のセンサの挿入回数が所定の回数に達した場合に使用される請求項11に記載の点検用センサ。
【請求項14】
前記点検用センサは、前記センサ挿入部の動作状態を点検する請求項11から13のいずれかに記載の点検用センサ。
【請求項15】
前記点検用センサの表面積は、血液の分析に使用される血液分析用のセンサの表面積以上である請求項11または請求項12に記載の点検用センサ。
【請求項16】
前記点検用センサの幅は、前記血液分析用のセンサの幅と同等である請求項15に記載の点検用センサ。
【請求項17】
前記点検用センサは、前記センサ挿入部のコネクタと接触する接続端子を有し、該接続端子の構造は前記血液分析用のセンサと共通の構造である請求項15または請求項16に記載の点検用センサ。
【請求項18】
前記点検用センサは、前記血液分析用のセンサと共通の構造の前記接続端子とは別に、さらに独自の接続端子を有する請求項17に記載の点検用センサ。
【請求項19】
前記点検用センサは、点検用のものであることを示す標示を有する請求項11に記載の点検用センサ。
【請求項20】
前記点検用センサは、前記センサ挿入部のコネクタと接触する接続端子を有し、その接続端子間に抵抗素子を配置した構造を有する請求項11から請求項19のいずれかに記載の点検用センサ。
【請求項21】
請求項11から請求項20の何れかに記載の点検用センサを使用し、前記点検用センサと協働で、測定装置の動作状態を点検する請求項1から10のいずれかに記載の測定装置。
【請求項22】
請求項21に記載の測定装置を用いた処理方法であって、
血液測定用のセンサがセンサ挿入部に装着された回数をカウントするステップと、
前記カウントした値と所定の回数を比較するステップと、
その比較した結果を基に点検用センサによる点検を促す旨の表示をするステップと、
を有する測定装置の点検方法。
【請求項23】
前記点検を促す旨の表示ステップの後に、前記センサ挿入部から前記血液分析用のセンサを抜くと、スリープ状態に移るステップを有する請求項22に記載の測定装置の点検方法。
【請求項24】
前記スリープ状態に移るステップの後に、前記センサ挿入部に前記点検用センサを装着することにより、前記測定装置の動作状態を点検するステップが実施される請求項23に記載の測定装置の点検方法。
【請求項25】
前記点検するステップの点検結果を表示するステップと、表示装置に聴覚的に報知するステップを
有する請求項24に記載の測定装置の点検方法。
【請求項26】
前記点検するステップの終了後、前記カウントした値をリセットするステップをさらに有する請求項24または請求項25に記載の測定装置の点検方法。
【請求項1】
血液の分析を行なう測定装置であって、
表示部と、血液を収集して前記分析を実施するための血液分析用のセンサが着脱されるセンサ挿入部とを有する本体ケースと、
この本体ケース内に設けられるとともに、前記表示部と前記センサ挿入部とに接続された電気回路とを備え、
前記電気回路は、
前記センサ挿入部に接続された測定部と、
前記センサ挿入部への前記センサの挿入回数をカウントするセンサ挿入回数カウント部と、
このセンサ挿入回数カウント部と前記測定部とに接続され、前記測定部での結果と、前記センサ挿入回数カウント部でのカウントに基づく表示を前記表示部に行う制御部と、
を有する測定装置。
【請求項2】
前記電気回路には、前記センサ挿入回数カウント部でカウントされたセンサ挿入回数のカウント値を格納するセンサ挿入回数記憶部をさらに備え、このセンサ挿入回数記憶部に、前記制御部を接続した請求項1に記載の測定装置。
【請求項3】
前記電気回路に、前記センサ挿入回数カウント部と前記センサ挿入回数記憶部の少なくとも一方をリセットするリセット部を設けるとともに、このリセット部は、制御部に接続した請求項2に記載の測定装置。
【請求項4】
前記表示部は、前記測定部による血液分析の測定値と、
前記センサ挿入回数カウント部によるセンサ挿入回数のカウント値、または、前記カウント値が所定回数を超えると前記センサ挿入部への点検用センサの挿入を促す点検メッセージの内、少なくとも2つ以上を表示する構成とした、請求項1から請求項3のいずれか一つに記載の測定装置。
【請求項5】
前記点検メッセージは、さらに、前記センサ挿入回数カウント部のカウント値に応じて、挿入回数の増加を表示する予告メッセージを有する請求項4に記載の測定装置。
【請求項6】
前記予告メッセージは、点検を促すツール・イメージと、バー・イメージとを有する請求項5に記載の測定装置。
【請求項7】
前記所定回数は複数の値を有しており、前記カウント値と複数の所定回数のそれぞれの値と比較し、その比較結果に応じて、前記バー・イメージを変化させる請求項6に記載の測定装置。
【請求項8】
前記点検メッセージは、本体ケースのセンサ挿入部への点検センサの装着を促す旨のイメージとした請求項4から請求項7のいずれか一つに記載の測定装置。
【請求項9】
前記点検用センサを前記センサ挿入部に挿入後、このセンサ挿入部の動作不良状態を前記表示部に表示する構成とした請求項4から請求項8のいずれか一つに記載の測定装置。
【請求項10】
前記電気回路は、さらに、制御部に接続され、そして、前記表示部において、前記センサ挿入部の動作不良状態を表示した際に警報を鳴らす警報手段をさらに有する構成とした請求項9に記載の測定装置。
【請求項11】
請求項1から10のいずれかに記載の測定装置に使用されるセンサであって、
該測定装置の動作状態を点検する点検用センサ。
【請求項12】
前記センサ挿入部に装着される請求項11に記載の点検用センサ。
【請求項13】
前記センサ挿入部に挿入された血液分析用のセンサの挿入回数が所定の回数に達した場合に使用される請求項11に記載の点検用センサ。
【請求項14】
前記点検用センサは、前記センサ挿入部の動作状態を点検する請求項11から13のいずれかに記載の点検用センサ。
【請求項15】
前記点検用センサの表面積は、血液の分析に使用される血液分析用のセンサの表面積以上である請求項11または請求項12に記載の点検用センサ。
【請求項16】
前記点検用センサの幅は、前記血液分析用のセンサの幅と同等である請求項15に記載の点検用センサ。
【請求項17】
前記点検用センサは、前記センサ挿入部のコネクタと接触する接続端子を有し、該接続端子の構造は前記血液分析用のセンサと共通の構造である請求項15または請求項16に記載の点検用センサ。
【請求項18】
前記点検用センサは、前記血液分析用のセンサと共通の構造の前記接続端子とは別に、さらに独自の接続端子を有する請求項17に記載の点検用センサ。
【請求項19】
前記点検用センサは、点検用のものであることを示す標示を有する請求項11に記載の点検用センサ。
【請求項20】
前記点検用センサは、前記センサ挿入部のコネクタと接触する接続端子を有し、その接続端子間に抵抗素子を配置した構造を有する請求項11から請求項19のいずれかに記載の点検用センサ。
【請求項21】
請求項11から請求項20の何れかに記載の点検用センサを使用し、前記点検用センサと協働で、測定装置の動作状態を点検する請求項1から10のいずれかに記載の測定装置。
【請求項22】
請求項21に記載の測定装置を用いた処理方法であって、
血液測定用のセンサがセンサ挿入部に装着された回数をカウントするステップと、
前記カウントした値と所定の回数を比較するステップと、
その比較した結果を基に点検用センサによる点検を促す旨の表示をするステップと、
を有する測定装置の点検方法。
【請求項23】
前記点検を促す旨の表示ステップの後に、前記センサ挿入部から前記血液分析用のセンサを抜くと、スリープ状態に移るステップを有する請求項22に記載の測定装置の点検方法。
【請求項24】
前記スリープ状態に移るステップの後に、前記センサ挿入部に前記点検用センサを装着することにより、前記測定装置の動作状態を点検するステップが実施される請求項23に記載の測定装置の点検方法。
【請求項25】
前記点検するステップの点検結果を表示するステップと、表示装置に聴覚的に報知するステップを
有する請求項24に記載の測定装置の点検方法。
【請求項26】
前記点検するステップの終了後、前記カウントした値をリセットするステップをさらに有する請求項24または請求項25に記載の測定装置の点検方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
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【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2010−181219(P2010−181219A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−23456(P2009−23456)
【出願日】平成21年2月4日(2009.2.4)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月4日(2009.2.4)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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