説明

測定装置

【課題】十分な堅牢性を維持しつつ多くのユニットを連結する。
【解決手段】本体部11の背面から直角な向きに突出形成された支持部12を備え、支持部12は、本体部11の背面に対して平行な第1の向きに沿った第1端子台ユニット3a,3bの押し付けによって第1端子台ユニット3a,3bの底部に配設されている第1コネクタが接続される第2コネクタが上面に配設されて両コネクタの接続によって上面側に連結された第1端子台ユニット3a,3bを支持すると共に、本体部の背面に対して直交する第2の向きに沿った第2端子台ユニット4a,4bの押し付けによって第2端子台ユニット4a,4bの前面に配設されている第3コネクタが接続される第4コネクタが後端面に配設されて両コネクタの接続によって後端面側に連結された第2端子台ユニット4a,4bを支持可能に構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装置本体と装置本体に連結可能なユニット部とを備えた測定装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
測定する物理量の種類などに応じて複数のユニットを連結して使用する測定装置(例えば、特開2008−267424号公報において出願人が開示したユニット機器)が知られている。この測定装置は、例えば測定場所に設置して使用する据え置き型の測定装置であって、複数のユニットを並べた状態で隣接するユニット同士をねじや連結金具を用いて連結することにより、任意の数のユニットを連結することが可能となっている。また、出願人は、装置本体と、装置本体に対して着脱可能な端子台ユニットとを備えた携帯型の測定装置を開発している。この測定装置では、例えば、センサを用いて測定を行うときには、装置本体の側面に設けられているコネクタと端子台ユニットのコネクタとの接続およびねじ止めによって端子台ユニットを装置本体に連結し、端子台ユニット部に設けられている端子にセンサを接続する。この測定装置では、端子台ユニット部を装置本体に連結することで、十分な堅牢性を維持しつつセンサを用いての測定を行うことが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−267424号公報(第4頁、第1図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上記の測定装置には、以下の課題がある。すなわち、上記した携帯型の測定装置では、装置本体に連結可能な端子台ユニット部が1つだけに限られている。このため、この携帯型の測定装置では、数多くのセンサを用いての測定に対応することが困難となっている。この場合、上記した据え置き型の測定装置における連結方式、すなわち、装置本体の側面に連結した1つ目の端子台ユニットの側面に、2つ目の端子台ユニットをコネクタの接続およびねじ止めによってさらに連結する方式を採用した構成も考えられる。しかしながら、この構成では、2つ目の端子台ユニットが装置本体によって直接支持されていないため、各端子台ユニットがその重みによって撓んで堅牢性が損なわれ、装置本体と端子台ユニットとが分離しないように注意して運搬・使用しなくてはならず、これによって運搬作業・測定作業の作業効率が低下するという課題があり、この点の改善が望まれている。
【0005】
本発明は、かかる解決すべき課題に鑑みてなされたものであり、十分な堅牢性を維持しつつ多くのユニットを連結し得る測定装置を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成すべく請求項1記載の測定装置は、装置本体と、当該装置本体に連結可能な第1ユニット部および第2ユニット部とを備えて物理量を測定可能に構成され、前記装置本体は、略直方体状の本体部と、当該本体部の背面から直角な向きに突出形成されて前記各ユニット部を支持する支持部とを備え、前記支持部は、前記本体部の前記背面に対して平行な第1の向きに沿った前記第1ユニット部の押し付けによって当該第1ユニット部の底部に配設されている第1コネクタが接続される第2コネクタが上面に配設されて当該両コネクタの接続によって当該上面側に連結された当該第1ユニット部を支持すると共に、前記本体部の前記背面に対して直交する第2の向きに沿った前記第2ユニット部の押し付けによって当該第2ユニット部の前面に配設されている第3コネクタが接続される第4コネクタが後端面に配設されて当該両コネクタの接続によって当該後端面側に連結された当該第2ユニット部を支持可能に構成されている。
【0007】
また、請求項2記載の測定装置は、請求項1記載の測定装置において、前記本体部の前記背面には、嵌め込み孔が形成され、前記本体部の前記背面に対向する前記第1ユニットの前面には、前記第1の向きに沿った当該第1ユニット部の押し付けによって前記嵌め込み孔に嵌め込まれる突起部が配設されている。
【0008】
また、請求項3記載の測定装置は、請求項1または2記載の測定装置において、前記第1ユニットは、電気信号を入力するための端子を有する端子台を備えて構成され、前記第2ユニットは、端子台と、当該端子台が接続されるベース部とを備えて構成され、前記第1ユニットおよび前記第2ユニットにおける各々の前記端子台は、互いに同じ形状に形成されている。
【0009】
また、請求項4記載の測定装置は、請求項3記載の測定装置において、前記第1ユニットの前記端子台と前記第2ユニットの前記端子台とを連結する連結金具を備えている。
【0010】
また、請求項5記載の測定装置は、請求項3または4記載の測定装置において、前記各端子台は、回動可能に当該端子台に取り付けられて当該端子台の上部を開閉するカバーを備え、前記カバーには、前記端子台の上部を開放するように回動させる際に隣接する他の前記端子台のカバーとの接触を回避するための凹部が形成されている。
【発明の効果】
【0011】
請求項1記載の測定装置では、本体部の背面から直角な向きに支持部が突出形成され、支持部が、支持部の上面に配設した第2コネクタと第1ユニット部の底部に配設した第1コネクタとの接続によって上面側に連結された第1ユニット部を支持する。したがって、この測定装置によれば、連結された第1ユニット部が装置本体の一部としての支持部によって底面側から支持される結果、第1ユニット部をコネクタの接続およびねじ止めだけで装置本体の側面に連結する構成(つまり従来の構成)、と比較して、第1ユニット部を装置本体に対してより十分な強度で連結させることができる。また、この測定装置では、支持部が、支持部の後端面に配設した第4コネクタと第2ユニットの前面に配設した第3コネクタとの接続によって後端面側に連結された第2ユニットを支持する。つまり、この測定装置では、第2ユニットが第1端子台ユニットを介さずに、装置本体の一部としての支持部に直接連結されて、支持部によって直接支持される。このため、この測定装置では、コネクタの接続およびねじ止めだけで装置本体の側面に連結している第1ユニット部に対して、さらに第2ユニットをコネクタの接続およびねじ止めだけで連結する構成、つまり第2ユニットが装置本体によって直接支持されていない構成とは異なり、重みによる各端子台ユニットの撓みを低く抑えることができる。したがって、この測定装置によれば、十分な堅牢性を維持しつつ従来よりも多くのユニットを連結することができる。
【0012】
請求項2記載の測定装置では、嵌め込み孔が本体部の背面に形成され、第1の向きに沿った第1ユニット部の押し付けによって嵌め込み孔に嵌め込まれる突起部が第1ユニット部の前面に配設されている。このため、この測定装置によれば、突起部が嵌め込み孔に嵌め込まれることで、第1ユニット部が本体部によっても支持される結果、第1ユニット部を装置本体に対してさらに十分な強度で連結させることができる。
【0013】
請求項3記載の測定装置によれば、第1ユニット部の端子台および第2ユニットの端子台を同じ形状に形成したことにより、両ユニットの端子台を共通化することができるため、その分、端子台の製造コスト、ひいては測定装置の製造コストを低減させることができる。
【0014】
請求項4記載の測定装置によれば、第1ユニット部の端子台と第2ユニットの端子台とを連結する連結金具を備えたことにより、両ユニットの端子台同士を連結金具を介して連結することができるため、第1ユニット部に対する第2ユニットの移動を確実に規制することができる結果、装置本体に対する第2ユニットの撓みをさらに低く抑えることができる。
【0015】
請求項5記載の測定装置によれば、端子台の上部を開閉するカバーを回動可能に端子台に取り付け、端子台の上部を開放するように回動させる際に隣接する他の端子台のカバーとの接触を回避するための凹部をカバーに形成したことにより、カバーの回動が妨げられることなく端子台の上部が十分に広く開放される結果、端子への信号線の接続作業を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】測定装置1の構成を示す斜視図である。
【図2】装置本体2の構成を示す斜視図である。
【図3】第1端子台ユニット3a,3bの構成を示す斜視図である。
【図4】第1端子台ユニット3a,3bを底面31a側から見た斜視図である。
【図5】第2端子台ユニット4a,4bの構成を示す斜視図である。
【図6】ベース部43の構成を示す斜視図である。
【図7】装置本体2に第1端子台ユニット3a,3bを連結した状態の斜視図である。
【図8】測定装置1の平面図である。
【図9】測定装置1の使用方法を説明する第1の説明図である。
【図10】測定装置1の使用方法を説明する第2の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係る測定装置の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
【0018】
最初に、測定装置1の構成について説明する。図1に示す測定装置1は、測定装置の一例であって、装置本体2、第1端子台ユニット3a,3b(第1ユニット部の一例であって、以下、区別しないときには「第1端子台ユニット3」ともいう)、および第2端子台ユニット4a,4b(第2ユニット部の一例であって、以下、区別しないときには「第2端子台ユニット4」ともいう)を備えて、電流、電圧および温度などの各種の物理量を測定可能に構成されている。
【0019】
装置本体2は、図2に示すように、本体部11および支持部12を備えて構成されている。本体部11は、薄形の略直方体状に構成されて、物理量の測定に必要な電源回路や測定回路等の主要部品(図示せず)がその内部に収容されている。また、本体部11の上面11aには、測定結果を示す画面や設定用の画面などを表示する表示部21(一例として、液晶パネル)が配設されると共に、各種の操作を行うための操作ボタンで構成された操作部22が配設されている。
【0020】
また、図2に示すように、本体部11の側面11b(測定装置1を水平にした使用状態(図8参照)において使用者から見て左側に位置する側面)には、測定に際して用いるセンサに対して電源を供給するための端子23が配設されている。さらに、同図に示すように、本体部11の側面11c(測定装置1を水平にした使用状態において使用者から見て右側に位置する側面)には、外部装置との間でデータ(電気信号)を送受信するためのコネクタ24が配設されている。また、図2に示すように、本体部11の背面11d(測定装置1を水平にした使用状態において使用者から見て奥側に位置する側面)には、第1端子台ユニット3に配設されている後述する突起部31dが嵌め込まれる嵌め込み孔11eが形成されている。
【0021】
支持部12は、図2に示すように、略長方形の板状に構成されて、本体部11の背面11dから直角な向きに突出するように本体部11に一体形成されている。この場合、支持部12は、各端子台ユニット3,4を連結させると共に、連結した各端子台ユニット3,4を支持する機能を有している。また、支持部12の上面12aには、コネクタ102(第2コネクタ)が配設されている。このコネクタ102は、第1端子台ユニット3を装置本体2(支持部12)に連結する際に、本体部11の背面11dに対して平行な第1の向き(測定装置1を水平にした状態における垂直な向きであって、同図に示す矢印Aの向き)に沿った第1端子台ユニット3の押し付けによって第1端子台ユニット3における後述する端子台31の底面31a(底部)に配設されているコネクタ101(第1コネクタ)に接続される。
【0022】
また、図2に示すように、支持部12には、連結した第1端子台ユニット3を固定するための図外のねじを挿通させる挿通孔12d、および連結した第2端子台ユニット4を固定するためのねじ301(図5参照)がねじ込まれるねじ穴12eが形成されている。また、図7に示すように、支持部12における後端部(突出方向における先端部)の端面12b(後端面)には、コネクタ104(第4コネクタ)が配設されている。このコネクタ104は、第2端子台ユニット4の装置本体2への連結の際に、本体部11の背面11dに対して直交する第2の向き(測定装置1を水平にした状態における水平な向きであって、同図に示す矢印Bの向き)に沿った第2端子台ユニット4の押し付けによって第2端子台ユニット4における後述するベース部43の前面51bに配設されているコネクタ103(第3コネクタ)に接続される。
【0023】
第1端子台ユニット3は、図3,4に示すように、略直方体状の端子台31、コネクタ101およびカバー32を備えて構成されている。端子台31の上部には、図外のセンサの信号線等を接続して電気信号を入力するための複数の端子201が配設されている。また、図4に示すように、端子台31の底面31aには、ねじ穴31bが形成されている。さらに、端子台31の前面31cには、第1端子台ユニット3を装置本体2に連結する際に、矢印Aの向きに沿った第1端子台ユニット3の押し付けによって本体部11の背面11dに形成されている嵌め込み孔11eに嵌め込まれる突起部31dが配設されている。また、図3に示すように、端子台31の背面31eには、後述する連結金具53の先端部が挿入可能な挿入孔31fが形成されている。
【0024】
コネクタ101は、図4に示すように、端子台31の底面31aに配設されている。カバー32は、図3に示すように、端子台31の上部に回動可能に配設され、端子台31の上部を開閉する。また、カバー32には、凹部32aが形成されている。
【0025】
第2端子台ユニット4は、図5に示すように、第1端子台ユニット3を構成する上記した端子台31、コネクタ101(図5には図示せず)およびカバー32を備えると共に、ベース部43およびコネクタ103を備えて構成されている。つまり、第1端子台ユニット3および第2端子台ユニット4をそれぞれ構成する端子台31、コネクタ101およびカバー32は互いに同じ形状に形成されている。
【0026】
ベース部43は、端子台31を装置本体2(支持部12)に連結するための部材であって、図6に示すように、基台51と基台51に立設された柱状部52とを備えて、端子台31を取り付け可能に構成されている。この場合、基台51の上面51aには、端子台31の底面31aに配設されたコネクタ101に接続されるコネクタ105が配設されている。また、基台51には、図5に示すように、ベース部43(第2端子台ユニット4)を支持部12(装置本体2)に固定するためのねじ301を挿通させる挿通孔51dが形成されると共に、図6に示すように、基台51(ベース部43)に取り付けた端子台31を固定するための図外のねじを挿通させる挿通孔51cが形成されている。また、同図に示すように、柱状部52の頂部には、連結金具53(図5参照)をねじ止めするためのねじ穴52aが形成されている。コネクタ103は、基台51の前面51b(第2端子台ユニット4の前面に相当する)に配設されている。
【0027】
次に、装置本体2に対する各端子台ユニット3a,3b,4a,4bの連結方法について、図面を参照して説明する。
【0028】
まず、第1端子台ユニット3aを装置本体2に連結する。具体的には、装置本体2における支持部12の上面12a(図2参照)と第1端子台ユニット3aにおける端子台31の底面31aとを対向させた状態で、同図および図7に示す矢印Aの向きに沿って第1端子台ユニット3aを支持部12の上面12aに向けて押し付ける。この際に、端子台31の前面31cに配設されている突起部31dが本体部11の背面11dに形成されている嵌め込み孔11eに嵌め込まれる。また、端子台31の底面31aに配設されているコネクタ101と支持部12の上面12aに配設されているコネクタ102とが接続される。次いで、支持部12に形成されている挿通孔12dに挿通させた図外のねじを端子台31の底面31aに形成されているねじ穴31bにねじ込む。これにより、第1端子台ユニット3aが装置本体2に連結される。続いて、同様の手順で、第1端子台ユニット3bを装置本体2に連結する。
【0029】
この場合、この測定装置1では、本体部11に一体形成されている支持部12の上面12a側に第1端子台ユニット3a,3bが連結されるため、連結された第1端子台ユニット3a,3bが装置本体2の一部としての支持部12によって支持されている。このため、この測定装置1では、第1端子台ユニット3a,3bをコネクタ101,102の接続およびねじ止めだけで装置本体2の側面に連結する構成(つまり、従来の構成)と比較して、第1端子台ユニット3a,3bが装置本体2に対してより十分な強度で連結される。
【0030】
次いで、端子台31をベース部43に取り付けて第2端子台ユニット4aを組み立てる。具体的には、端子台31の底面31a(図4参照)とベース部43における基台51の上面51a(図6参照)とを対向させた状態で、端子台31を基台51の上面51aに向けて押し付ける。この際に、端子台31の底面31aに配設されているコネクタ101と基台51の上面51aに配設されているコネクタ105とが接続される。続いて、基台51に形成されている挿通孔51dに図外のねじを挿通させて、端子台31の底面31aに形成されているねじ穴31bに図外のねじをねじ込んで、ベース部43に対して端子台31を固定する。これにより、図5に示すように、第2端子台ユニット4aが組み立てられる。次いで、同様にして第2端子台ユニット4bを組み立てる。
【0031】
続いて、第2端子台ユニット4aを装置本体2に連結する。具体的には、装置本体2における支持部12の端面12bと第2端子台ユニット4aにおけるベース部43(基台51)の前面51bとを対向させた状態で、図7に示す矢印Bの向きに沿って第2端子台ユニット4aを支持部12の端面12bに向けて押し付ける。この際に、ベース部43における基台51の前面51bに配設されているコネクタ103と支持部12の端面12bに配設されているコネクタ104とが接続される。次いで、基台51に形成されている挿通孔51cに挿通させたねじ301を支持部12の端面12bに形成されているねじ穴12eにねじ込む。これにより、第2端子台ユニット4aが装置本体2に連結される。続いて、同様の手順で、第2端子台ユニット4bを装置本体2に連結する。
【0032】
この場合、この測定装置1では、本体部11に一体形成されている支持部12の端面12b側に第2端子台ユニット4a,4bが連結される。つまり、この測定装置1では、第2端子台ユニット4a,4bが第1端子台ユニット3a,3bを介さずに、装置本体2の一部としての支持部12に直接連結されて、支持部12によって直接支持される。このため、この測定装置1では、コネクタ101,102の接続およびねじ止めだけで装置本体2の側面に連結している第1端子台ユニット3a,3bに対して、さらに第2端子台ユニット4a,4bをコネクタの接続およびねじ止めだけで連結する構成、つまり第2端子台ユニット4a,4bが装置本体2によって直接支持されていない構成とは異なり、重みによる各端子台ユニット3a,3b,4a,4bの撓みが低く抑えられている。したがって、この測定装置1では、十分な堅牢性を維持しつつ従来よりも多くの端子台ユニット3,4を連結することが可能となっている。
【0033】
次いで、図8に示すように、第1端子台ユニット3a,3bにおける端子台31の背面31eに形成されている挿入孔31fに連結金具53の先端部を挿入させた状態で、第2端子台ユニット4a,4bのベース部43における柱状部52の頂部に連結金具53をねじ止めする。この際に、第1端子台ユニット3の端子台31と第2端子台ユニット4の端子台31とが連結金具53を介して連結されるため、第1端子台ユニット3に対する第2端子台ユニット4の移動が規制される結果、装置本体2に対する第2端子台ユニット4の撓みがさらに低く抑えられる。以上により、装置本体2に対する各端子台ユニット3a,3b,4a,4bの連結が完了する。
【0034】
一方、装置本体2に対する各端子台ユニット3a,3b,4a,4bの連結が完了した測定装置1を用いて、例えば温度測定を行うときには、各端子台ユニット3a,3b,4a,4bに温度センサの信号線を接続する。具体的には、例えば図9に示すように、第2端子台ユニット4aのカバー32を回動させて端子台31の上部を開放する。この場合、この測定装置1では、カバー32に凹部32aが形成されているため、図10に示すように、端子台31の上部を開放するようにカバー32を回動させる際に、隣接する第1端子台ユニット3aのカバー32との接触が回避される。このため、第2端子台ユニット4aのカバー32の回動が妨げられることなく第2端子台ユニット4aの端子台31の上部が十分に広く開放される結果、端子201への信号線の接続作業を容易に行うことが可能となっている。続いて、予め決められた手順に従って操作部22を操作して測定を行う。この測定装置1では、上記したように、多くの端子台ユニット3,4が連結されているため、数多くのセンサを用いての測定に対応することが可能となっている。また、十分な堅牢性が維持されているため、測定場所を移動して行う測定作業等における作業効率を十分に高めることが可能となる。
【0035】
このように、この測定装置1では、本体部11の背面11dから直角な向きに支持部12が突出形成され、支持部12が、支持部12の上面12aに配設したコネクタ102と第1端子台ユニット3の底面31aに配設したコネクタ101との接続によって上面12a側に連結された第1端子台ユニット3を支持する。したがって、この測定装置1によれば、連結された第1端子台ユニット3が装置本体2の一部としての支持部12によって底面31a側から支持される結果、第1端子台ユニット3をコネクタ101,102の接続およびねじ止めだけで装置本体2の側面に連結する構成(つまり、従来の構成)と比較して、第1端子台ユニット3を装置本体2に対してより十分な強度で連結させることができる。また、この測定装置1では、支持部12が、支持部12の先端部の端面12bに配設したコネクタ104と第2端子台ユニット4の前面51bに配設したコネクタ103との接続によって端面12b側に連結された第2端子台ユニット4を支持する。つまり、この測定装置1では、第2端子台ユニット4が第1端子台ユニット3を介さずに、装置本体2の一部としての支持部12に直接連結されて、支持部12によって直接支持される。このため、この測定装置1では、コネクタ101,102の接続およびねじ止めだけで装置本体2の側面に連結している第1端子台ユニット3に対して、さらに第2端子台ユニット4をコネクタの接続およびねじ止めだけで連結する構成、つまり第2端子台ユニット4が装置本体2によって直接支持されていない構成とは異なり、重みによる各端子台ユニット3,4の撓みを低く抑えることができる。したがって、この測定装置1によれば、十分な堅牢性を維持しつつ従来よりも多くの端子台ユニット3,4を連結することができる。
【0036】
また、この測定装置1では、嵌め込み孔11eが本体部11の背面11dに形成され、第1の向きに沿った第1端子台ユニット3の押し付けによって嵌め込み孔11eに嵌め込まれる突起部31dが第1端子台ユニット3の前面31cに配設されている。このため、この測定装置1によれば、突起部31dが嵌め込み孔11eに嵌め込まれることで、第1端子台ユニット3が本体部11によっても支持される結果、第1端子台ユニット3を装置本体2に対してさらに十分な強度で連結させることができる。
【0037】
また、この測定装置1によれば、第1端子台ユニット3の端子台31および第2端子台ユニット4の端子台31を同じ形状に形成したことにより、両端子台ユニット3,4の端子台31を共通化することができるため、その分端子台31の製造コスト、ひいては測定装置1の製造コストを低減させることができる。
【0038】
さらに、この測定装置1によれば、第1端子台ユニット3の端子台31と第2端子台ユニット4の端子台31とを連結する連結金具53を備えたことにより、両端子台ユニット3,4の端子台31同士を連結金具53を介して連結することができるため、第1端子台ユニット3に対する第2端子台ユニット4の移動を確実に規制することができる結果、装置本体2に対する第2端子台ユニット4の撓みをさらに低く抑えることができる。
【0039】
また、この測定装置1によれば、端子台31の上部を開閉するカバー32を回動可能に端子台31に取り付け、端子台31の上部を開放するように回動させる際に隣接する他の端子台31のカバー32との接触を回避するための凹部32aをカバー32に形成したことにより、カバー32の回動が妨げられることなく端子台31の上部が十分に広く開放される結果、端子201への信号線の接続作業を容易に行うことができる。
【0040】
なお、4つの端子台ユニット(第1端子台ユニット3a,3bおよび第2端子台ユニット4a,4b)を装置本体2に連結して使用する例について上記したが、これらのうちの任意の端子台だけを装置本体2に連結して使用することもできる。また、第1端子台ユニット3a,3bおよび第2端子台ユニット4a,4bの一部またはすべてに代えて、カバー32を備えていないユニットや、端子台31を備えていないユニット(端子台31に代えて、センサや電気回路を備えたユニット)を採用することもできる。
【0041】
また、第1端子台ユニット3の端子台31と第2端子台ユニット4の端子台31とを同様に構成した(同じ形状とした)例について上記したが第1端子台ユニット3と第2端子台ユニット4とを異なる構成とする(異なる形状とする)こともできる。
【符号の説明】
【0042】
1 測定装置
2 装置本体
3a,3b 第1端子台ユニット
4a,4b 第2端子台ユニット
11 本体部
11d 背面
11e 嵌め込み孔
12 支持部
12a 上面
12b 端面
31 端子台
31a 底面
31c 前面
31d 突起部
31f 挿入孔
32 カバー
32a 凹部
43 ベース部
51b 前面
53 連結金具
101〜104 コネクタ
201 端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体と、当該装置本体に連結可能な第1ユニット部および第2ユニット部とを備えて物理量を測定可能に構成され、
前記装置本体は、略直方体状の本体部と、当該本体部の背面から直角な向きに突出形成されて前記各ユニット部を支持する支持部とを備え、
前記支持部は、前記本体部の前記背面に対して平行な第1の向きに沿った前記第1ユニット部の押し付けによって当該第1ユニット部の底部に配設されている第1コネクタが接続される第2コネクタが上面に配設されて当該両コネクタの接続によって当該上面側に連結された当該第1ユニット部を支持すると共に、前記本体部の前記背面に対して直交する第2の向きに沿った前記第2ユニット部の押し付けによって当該第2ユニット部の前面に配設されている第3コネクタが接続される第4コネクタが後端面に配設されて当該両コネクタの接続によって当該後端面側に連結された当該第2ユニット部を支持可能に構成されている測定装置。
【請求項2】
前記本体部の前記背面には、嵌め込み孔が形成され、
前記本体部の前記背面に対向する前記第1ユニット部の前面には、前記第1の向きに沿った当該第1ユニット部の押し付けによって前記嵌め込み孔に嵌め込まれる突起部が配設されている請求項1記載の測定装置。
【請求項3】
前記第1ユニット部は、電気信号を入力するための端子を有する端子台を備えて構成され、
前記第2ユニット部は、端子台と、当該端子台が接続されるベース部とを備えて構成され、
前記第1ユニット部および前記第2ユニット部における各々の前記端子台は、互いに同じ形状に形成されている請求項1または2記載の測定装置。
【請求項4】
前記第1ユニット部の前記端子台と前記第2ユニット部の前記端子台とを連結する連結金具を備えている請求項3記載の測定装置。
【請求項5】
前記各端子台は、回動可能に当該端子台に取り付けられて当該端子台の上部を開閉するカバーを備え、
前記カバーには、前記端子台の上部を開放するように回動させる際に隣接する他の前記端子台のカバーとの接触を回避するための凹部が形成されている請求項3または4記載の測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−187686(P2011−187686A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−51456(P2010−51456)
【出願日】平成22年3月9日(2010.3.9)
【出願人】(000227180)日置電機株式会社 (982)
【Fターム(参考)】