説明

測定装置

【課題】被検体の多種多様な測定部位に装着することが可能な測定装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る測定装置は、生体に係る物理量を測定する測定部1及び測定部1を被検体に固定させる固定部を備える。測定部1の外側面には複数の嵌合部が形成されている。一方、固定部の内側面には嵌合部に嵌合する複数の被嵌合部が形成されている。また、本発明に係る測定装置において、嵌合部は凹部であり、被嵌合部は凸部である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体に係る物理量を測定する測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
生体に係る物理量である生体情報の1つである動作を測定する測定装置によれば、病院又は老人ホームでリハビリテーションを行っている人の動作、仕事場又は家庭等における日常の人の動作、スポーツをしている人の動作、楽器演奏時の演奏者の動作、又は人の睡眠状態及び覚醒状態等を把握することができる。
【0003】
被検体の測定部位に装着された測定装置は、加速度センサ、角速度センサ、CPU等を内蔵する電子機器を用いて被検体の動作を検知し、さらに一定期間にわたって被検体の動作に関するデータを収集する(例えば、特許文献1又は特許文献2参照)。例えば、被検体の胸、腕及び足にそれぞれ測定装置を装着することにより、被検体の日常的な動作、起立状態、座位状態、歩行状態、横臥状態等の動作を測定することができる。測定装置が収集した動作に関するデータは、測定装置に装着される着脱式のメモリカードに記憶され、又は、無線又は有線でパーソナルコンピュータ又は分析装置等に送信される。
【0004】
測定者は、収集した動作に関するデータを分析することによって所定期間内の被検体の動作を把握することができる。例えば、歩行中の高齢者の転倒防止を図るため、医療従事者は、一定期間、高齢者に測定装置を装着させて、高齢者が転倒するときの歩き方の特徴及びその傾向を分析し、その分析結果に基づき、高齢者に対して転倒防止のための助言を行う。
【0005】
また、日常の人の動作と病気との関連性を医学的に研究するために測定装置を利用することもできる。さらには、測定装置を動物に装着させることにより、動物の動作を調査してもよい。例えば、馬に測定装置を装着させることにより馬の走り方を調査してもよい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−54234号公報
【特許文献2】特開2001−44649号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したように測定装置の使用目的は多岐にわたるため、生体情報の収集は、使用目的に応じて、被検体の腰部、手首、上腕部、前腕部、大腿部、小腿部、足首、足、首等の多種多様な測定部位において行われることになる。したがって、測定装置を被検体の多種多様な測定部位に装着できるようにしておく必要がある。
【0008】
これに対して、特許文献1記載の運動量計は、使用者のベルト、ポケット、バック又はスラックス等の被狭持物に水平になるように装着されるものであるため、大腿部、小腿部、足首、足、首等の多種多様な測定部位へ装着することは困難である。
特許文献2記載の携行型電子機器は、特許文献1と同様に、衣類又はベルトに取付けて使用するものであり、大腿部、小腿部、足首、足、首等の多種多様な測定部位へ装着することは困難である。
【0009】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、使用目的に応じて被検体の多種多様な測定部位に装着することが可能な測定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る測定装置は、生体に係る物理量を測定する測定部及び該測定部を前記生体に固定させる固定部を備える測定装置において、前記測定部の外側面に形成された複数の嵌合部と、前記固定部の内側面に形成されており、該嵌合部に嵌合される複数の被嵌合部とを備えることを特徴とする。
【0011】
本発明にあっては、測定部の外側面に複数の嵌合部が形成され、固定部の内側面には嵌合部に嵌合する被嵌合部が形成されているため、被検体の測定部位に応じて多様な形状の固定部を製作することができる。
【0012】
本発明に係る測定装置において、前記固定部は、前記測定部を支持する支持体を備え、 該支持体に前記被嵌合部が形成されていることを特徴とする。
【0013】
本発明にあっては、固定部が測定部を支える支持体を備えているため、測定部を固定部に安定させることができる。
【0014】
本発明に係る測定装置において、前記嵌合部は凹部であり、前記被嵌合部は凸部であることを特徴とする。
【0015】
本発明にあっては、測定部の凹部と固定部の凸部とを嵌合させることによって測定部に固定部を取付けているため、測定部の着脱を容易に行える。
【0016】
本発明に係る測定装置において、前記固定部は開口を備えることを特徴とする。
【0017】
本発明にあっては、固定部が開口を備えるため、開口を通したテープによって測定部及び固定部を測定部位にがっちりと装着することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明では、固定部を介して測定部を被検体の測定部位に装着する構成をとる。測定部の筐体には、固定部の複数の凸起部に嵌合する凹欠部が複数個設けられているため、測定部と固定部との結合の仕方は多数ある。したがって、腰部、手首、上腕部、前腕部、大腿部、小腿部、足首、足、首等の多種多様な測定部位に対してその測定部位の大きさ、形状、動き方等に適合した固定部を容易に製作できる。
【0019】
また、本発明によれば、固定部の形状、構造等を測定部位の大きさ、形状、動き方等に適合させることができるため、測定部の大きさ、形状等を被検体の多種多様な測定部位に適合させる必要がなくなる。その結果、測定部の大きさ、形状等を共通化することができるため測定部の筐体の製作に必要な金型の製作費用を削減できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】測定装置における測定部の概略斜視図である。
【図2】測定部の筐体の六面図である。
【図3】筐体上部が取り外された測定部の概略斜視図である。
【図4】測定部の筐体下部の概略斜視図である。
【図5】固定部の概略斜視図である。
【図6】固定部に取付けている測定部、及び固定部の概略斜視図である。
【図7】巻き付け用テープで巻き付けられた固定部及び測定部の概略斜視図である。
【図8】通過穴に固定用テープを通した固定部及び測定部の概略斜視図である。
【図9】固定用テープにより測定部及び固定部が身体装着用帯に固定された状態を示す説明図である。
【図10】固定用テープをテープ通過穴に通した状態の固定部の六面図の一部である。
【図11】固定用テープをテープ通過穴に通した状態の固定部の底面図である。
【図12】測定装置における測定部のハードウェア構成の概略を示すブロック図である。
【図13】測定装置における測定部の概略斜視図である。
【図14】固定部が有する凸起部及び測定部が有する凹欠部の概略側面図である。
【図15】測定部の筐体上部の概略斜視図である。
【図16】通過穴に固定用テープを通した固定部、及び筐体上部の蓋が取り外されたことによりリチウム電池が露出している状態の測定部の概略斜視図である。
【図17】固定部の概略斜視図である。
【図18】測定部の筐体下部の概略斜視図である。
【図19】固定部の概略斜視図である。
【図20】測定部の筐体上部と筐体下部とが分離された状態を模式的に示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
実施の形態1
以下、図面を参照して実施の形態を具体的に説明する。
図1は、測定装置における測定部の概略斜視図、図2は、測定部の筐体の六面図である。図2A、図2B、図2C、図2D、図2E、図2Fはそれぞれ測定部の筐体の上面図、正面図、背面図、左側面図、右側面図、底面図である。測定部は、固定部を介して、腰部、手首、上腕部、前腕部、大腿部、小腿部、足首、足、首等の多種多様な測定部位に装着され、当該測定部位における動作を測定する。測定装置は測定部と固定部とから構成される。
【0022】
図1に示すように、測定部1は、外形が縦長の略直方体の筐体を有している。筐体の材質は、例えば、ABS樹脂である。筐体は、電子基板を収容するための筐体下部1aと、電子基板を上面から覆う筐体上部1bとを備え、筐体下部1aが筐体上部1bに嵌合することで形成されている。筐体上部1bの上面には電源ボタン10a及び電源ボタンインジケータ10bを有する操作部10が露出して設けられている。例えば、操作部10における電源ボタン10aを押下すると電源ボタンインジケータ10bが点灯し、それは、測定部1が被検体の動作を測定することができる状態になったことを示す。尚、測定部1の形状は、これに限らず、略円柱その他の形状であってもよい
【0023】
筐体下部1aの長手方向の1側面にはメモリカード用スロット11が設けられている。また、筐体下部1aの4側面にはそれぞれ2個の凹欠部が設けられている。つまり、筐体下部1aの側面には全部で8個の凹欠部が嵌合部として設けられている。より具体的に述べると、図1及び図2に示すように、メモリカード用スロット11が設けられている長手方向の側面の両端側には2個の凹欠部3a、3bが設けられている。また、操作部10が設けられている側の短手方向の側面の両端側には2個の凹欠部3c、3dが設けられている。さらに、図2C及び図2Dに示すように、メモリカード用スロット11が設けられている長手方向の側面の反対側の側面には凹欠部3g、3hが設けられ、操作部10が設けられている側の短手方向の側面の反対側の側面には凹欠部3e、3fが設けられている。
【0024】
図3は、筐体上部が取り外された測定部の概略斜視図である。
図3に示すように、測定部1の筐体下部1aは電子基板を収容する。電子基板上には、加速度センサ(不図示)、角速度センサ(不図示)、無線通信用部品12、メモリカードスロット11、USB(Universal Serial Bus)端子(不図示)、CPU(不図示)電池(不図示)等の電子部品が搭載されている。加速度センサは物体の動きを検知し、角速度センサは物体の回転運動を検知する。すなわち、これらのセンサを用いることによって被検体の動作を測定できる。尚、図2及び図3に示すように、筐体下部1aの2側面には4個の凹欠部3a〜3dが設けられており、他の2側面にも4個の凹欠部3e〜3hが設けられている。
【0025】
メモリカードスロット11にはメモリカードが挿入され、当該メモリカードには被検体の動作に関するデータが記憶される。無線通信用部品12は、加速センサ及び角速度センサが検知した被検体の動作に関するデータを無線で外部に送信する機能を有する。USB端子はケーブルを介して被検体の動作に関するデータを外部に出力する機能を有する。または、USBメモリをUSB端子に挿入することにより、当該USBメモリに被検体の動作に関するデータを記憶することができる。CPUは上記電子部品を制御する機能を有する。
【0026】
CPUが角速度センサ又は加速度センサ等の電子部品を制御することにより求めた被検体の動作に関するデータは、無線、メモリカード又はUSBメモリを媒介にして外部のパーソナルコンピュータ、分析装置等(不図示)に与えられ、それらの装置において記憶される。その後、測定者は、記憶されたデータに基づき被検体の過去の動作を分析する。測定者は、分析結果に基づき、例えば、被検体が普段どのような動作をしているのか、又は、医学的にみてその動作に問題があるかどうか等を検討する。
【0027】
図4は、測定部の筐体下部の概略斜視図である。図4Aは、測定部の筐体下部の正面の概略斜視図であり、図4Bは、測定部の筐体下部の背面の概略斜視図である。尚、図4Aに示す筐体下部と図4Bに示す筐体下部は同一のものである。
図4に示すように、測定部1の筐体下部1aの各側面に凹欠部が2個ずつ設けられている。すなわち、筐体下部1aの側面には計8個の凹欠部3a〜3hが設けられている。
【0028】
図5は、固定部の概略斜視図である。図5A及び図5Bは、それぞれ別の方向から見た固定部の概略斜視図である。図5Aに示す固定部と図5Bに示す固定部は同一のものである。固定部は、測定部を被検体の測定部位に装着させるために用いられる。図6は、固定部に取付けている測定部、及び固定部の概略斜視図である。
【0029】
図5に示すように、固定部4は、略矩形の2個の支持体40、41及び略矩形のシート部42から構成される。支持体40、41は、固定部4に取付けられた測定部1を側面から支持する機能を有する。一方、シート部42は、測定部1を底面から支持する機能を有する。
【0030】
支持体40、41の材質は、例えばABS樹脂である。また、シート部42の材質は、例えば、ポリカーボネート、塩化ビニル等である。支持体40、41及びシート部42は、接着剤により接着される。
【0031】
支持体40、41は、シート部42の長辺方向の両側辺の中央部近傍に略垂直に形成される。支持体40、41及びシート部42は、指の力でたわますことができる程度の弾力性を有する。支持体40、41の幅、すなわち、支持体40、41とシート部42との接着部分の長さは、測定部1の側面の長手方向の長さと略同一である。一方、シート部42を基準とした支持体40、41の高さは、測定部1の側面の短手方向の長さと略同一である。
【0032】
支持体40、41には、4個の凸起部4c〜4fが被嵌合部として設けられる。凸起部4c〜4fの位置は、筐体下部1aに設けられた凹欠部3c〜3fの位置に対応し、互いに他方の支持体の方向に突設されている。すなわち、凸起部4c〜4f及び凹欠部3c〜3fは、測定部1が固定部4に取付けられると固定部4の4個の凸起部4c〜4fが筐体下部1aの4個の凹欠部3c〜3fに嵌合する位置関係を有する。凸起部4c〜4fが凹欠部3c〜3fに嵌合すると、図6に示すように、測定部1は、支持体40、41に挟持された状態でシート部42に取付けられる。
【0033】
シート部42の面積は測定部1の底面の面積よりも大きく、測定部1はシート部42の中央近傍に取付けられる。したがって、測定部1の固定部分の両外側にシート部42の領域の一部がはみ出る。そのはみ出たシート部42の領域内には、2本の固定用テープを通す4個の略矩形のテープ通過穴42a〜42dが開口として設けられている。測定部1の固定部分の一方の外側にはテープ通過穴42a及び42bがシート部42の短手方向に沿って並設され、他方の外側にはテープ通過穴42c及び42dがシート部42の短手方向に沿って並設されている。1本の固定用テープはテープ通過穴42a及び42cを通り、他の固定用テープはテープ通過穴42b及び42dを通り、シート部42に保持される。固定用テープ及びテープ通過穴42a〜42dの機能については後述する。
尚、開口の数は、1個又は3個以上であってもよい。
【0034】
測定部1は、支持体40、41に設けられた凸起部4c〜4fが筐体下部1aに設けられた凹欠部3c〜3fに嵌合した状態で、固定部4に取付けられる。しかし、この状態では、支持体40、41が固定部4の外側に開いてしまい、測定部1が固定部4から脱落するおそれがある。そこで、巻き付け用テープを使って測定部1を固定部4に固定する。具体的には、支持体40、41及び測定部1の側面を覆うようにそれらの側面に巻き付けテープを巻き付ける。このように巻き付けテープを用いることによって測定部1が固定部4から脱落するのを防止することができる。
【0035】
図7は、巻き付け用テープで巻き付けられた固定部及び測定部の概略斜視図である。本実施形態では、巻き付け用テープ6として面ファスナーを用いる。巻き付け用テープ6を支持体40、41及び測定部1の側面に巻き付けることによって測定部1を固定部4に固定することができる。面ファスナーは、フック状に起毛された側とループ状に密集して起毛された側とを押し付けるとそれだけで貼り付くようになっており、貼り付けたり剥がしたりすることが自在にできるものである。巻き付け用テープ6として面ファスナーを用いることにより、測定部1の固定部4に対する取付及び分離を容易にできる。
【0036】
尚、巻き付け用テープ6は、測定部1及び支持体40、41の側面に巻き付けることができるものであればよく、面ファスナーに限らない。また、支持体40、41に設けられた凸起部4c〜4fを筐体下部1aの凹欠部3c〜3fにがっちりと固定できる構造にすれば巻き付け用テープ6は不要である。
【0037】
図8は、通過穴に固定用テープを通した固定部及び測定部の概略斜視図である。図9は、固定用テープにより測定部及び固定部が身体装着用帯に固定された状態を示す説明図である。図10は、固定用テープをテープ通過穴に通した状態の固定部の六面図の一部である。図10Aは上面図、図10Bは正面図、図10Cは背面図、図10Dは左側面図、図10Eは右側面図である。また、図11は、固定用テープをテープ通過穴に通した状態の固定部の底面図である。
【0038】
図7に示したように、シート部42には、2本の固定用テープ7a、7bを通す4個のテープ通過穴42a〜42dが設けられている。図8に示すように、4個のテープ通過穴42a〜42dを通した2本の固定用テープ7a、7bは、シート部42の裏面上に保持される。図9に示すように、固定用テープ7a、7bは、測定部1が取付けられている固定部4をベルト状の身体装着用帯8に付着させるために用いられる。本実施形態では、固定用テープ7a、7bとして面ファスナーを用いる。
【0039】
身体装着用帯8は、被検体の測定部位に装着され、その上に測定部1及び固定部4が固定される。テープ通過穴42a〜42dを通ってシート部42の裏面上に保持されている固定用テープ7a、7bは、例えばサポータで作られた身体装着用帯8に貼り付き、これによって測定部1及び固定部4は被検体の測定部位に装着される。
尚、本実施形態では、固定用テープ7a、7bとして面ファスナーを用いるが、固定部4を身体装着用帯8に対して着脱自在であれば面ファスナー以外の材質のテープであってもよい。
【0040】
本実施形態では、身体装着用帯8に固定用テープ7a、7bを貼り付けた例を示した。しかし、本実施形態における固定部4は被検体の測定部位の大きさ、形状、動き方等に合わせるように製作できるため、身体装着用帯8を介さないで、直接、被検体の測定部位に固定用テープ7a、7bを巻き付け又は貼り付け等することにより装着させることができる。
【0041】
本実施形態では、筐体下部1aの側面に固定部4の凸起部4c〜4fと嵌合する凹欠部3a〜3hが8個あるため、測定部1と固定部4との結合の仕方がいろいろあり得る。そのため、腰部、手首、上腕部、前腕部、大腿部、小腿部、足首、足、首等の多種多様な測定部位に対して、その測定部位の大きさ、形状、動き方等に適合した固定部4を製作し易くなる。換言すると、固定部4の形状、構造等を多様にすることができるため、測定部1の大きさ、形状等を共通化できる効果が得られる。
【0042】
従来、被検体の測定部位の大きさ、形状、動き方等に応じて、様々な大きさ、形状等の測定部1を製作しなければならなかったが、本実施形態によれば、固定部4の形状、構造等を被検体の多種多様な測定部位の大きさ、形状、動き方等に合わせて製作することができる。したがって、測定部1の大きさ、形状等を被検体の測定部位の大きさ、形状、動き方等に合わせる必要がなく、このため、測定部位毎に異なる固定部4を製作しておけば、測定者又は被検体等のユーザは、自分の測定部位に合った固定部4を選択することができる。
【0043】
実施の形態2
図12は、測定装置における測定部のハードウェア構成の概略を示すブロック図である。図13は、測定装置における測定部の概略斜視図である。
図12に示すように、測定部1は、CPU15、角速度センサ(不図示)、加速度センサ(不図示)、入出力ポート部16、嵌合検知部17、表示部18等を備える。嵌合検知部17は、4個の接触センサにより構成される。すなわち、嵌合検知部17は、筐体下部1aに設けられた4個の凹欠部3c〜3fの底面にそれぞれ接触センサを設けることにより構成される。凹欠部3c〜3fに設けられた接触センサは、固定部4に設けられた凸起部4c〜4fの先端との接触を検知する機能を有する。
【0044】
嵌合検知部17が4個の凸起部4c〜4fと接触したことを検知すると、CPU15は、凹欠部3c〜3fが凸起部4c〜4fに嵌合したと判定する。これに対して、嵌合検知部17を構成する4個の接触センサのうち少なくとも1個が凸起部に接触していない場合、CPU15は、凹欠部3c〜3fが凸起部4c〜4fに嵌合していないと判定し、表示部18を点灯させると共に測定部1の動作を停止する。したがって、表示部18が点灯している場合には、被検体又は測定者は、固定部4を測定部1に取付け直し、表示部18が消灯したら使用を開始する。
表示部18は、例えば、LED(Light Emitting Diode)である。また図13に示すように、表示部18は、例えば操作部10内に設けられる。
【0045】
図14は、固定部が有する凸起部及び測定部が有する凹欠部の概略側面図である。図14Aは凸起部の概略側面図であり、図14Bは凹欠部の概略側面図である。本図では、例として、凸起部4c及び凹欠部3cを示す。図14Bに示すように、凹欠部3cの底面には接触センサ3kが設けられている。接触センサ3kは、ケーブル3j及び入出力ポート部16(図12参照)を介して、検出信号をCPU15(図12参照)に送る。上述したように、CPU15は、受け取った検出信号に基づいて凹欠部3c〜3fが凸起部4c〜4fに嵌合しているかどうかを判定し、嵌合していない場合には、表示部18を点灯させ、被検体又は測定者等に固定部4の再取り付けを促す。尚、本実施形態では接触センサ3kを用いたが、圧力スイッチを凹欠部3cの底面に設け、凸起部4cからの圧力を検出するとスイッチが入る仕組みにしてもよい。
【0046】
実施の形態3
図15は、測定部の筐体上部の概略斜視図である。図16は、通過穴に固定用テープを通した固定部、及び筐体上部の蓋が取り外されたことによりリチウム電池が露出している状態の測定部の概略斜視図である。図15に示すように、測定部1の筐体上部1bの上面には、操作部10及び蓋1cが設けられている。
実施の形態3は、測定部1が固定部4に取り付けられた状態で筐体上部1bに設けられた電池交換用の蓋1cを取り外すことを可能にする形態である。
【0047】
図15において、筐体上部1bの上面に設けられた蓋1cには、リチウム電池交換時に蓋1cを取り外す際に活用する長溝1dが形成されている。長溝1dに10円玉、100円玉等の硬貨の外周部の一部を差し込んで捻ると蓋1cが外れる。例えば、被検体又は測定者が蓋1dに硬貨を差し込んで矢印方向に硬貨を捻ると蓋1cが取り外される一方、被検体又は測定者が長溝1dに硬貨を差し込んで矢印方向とは逆方向に硬貨を捻ると蓋1cが筐体上部1bに固定される。図16に示すように、測定部1から蓋1cが取り外されると、電池収納部1fに収納されているリチウム電池1eの交換が可能になる。測定部1が固定部4に固定された状態で蓋1cの取り外しをできるようにすることで、被検体又は測定者は、測定部1及び固定部4を測定部位に装着中に、例えばリチウム電池の交換を容易に行うことができる。
【0048】
実施の形態4
図17は固定部の概略斜視図である。図17A及び図17Bは、それぞれ別の方向から見た固定部の概略斜視図である。図17Aに示す固定部と図17Bに示す固定部は同一のものである。図18は測定部の筐体下部の概略斜視図である。図18Aは測定部の筐体下部の正面の概略斜視図であり、図18Bは測定部の筐体下部の背面の概略斜視図である。尚、図18Aに示す筐体下部と図18Bに示す筐体下部は同一のものである。
実施の形態4は、テープ通過孔42a〜42dの他にシート部42内に開口を設けた形態である。図17に示すように、シート部42の略中央には略矩形の開口42eが1個設けられている。一方、図18に示すように、測定部1の筐体下部1aの底面の略中央には略矩形の開口3mが1個設けられている。また、図には示さないが、開口3mの上部に被接触式の赤外線体温計を配置する。
【0049】
シート部42の開口42e及び筐体下部1aの開口3mは、測定部1を固定部4に取り付けたときに、両開口が重なる位置にそれぞれが設けられている。そのため、測定部1を固定部4に取り付けると、筐体下部1aの開口3mとシート部42の開口42eとが重なった部分に被検体の表面から出ている赤外線を通すことができる空洞ができる。本実施形態では、非接触式の赤外線体温計が当該赤外線を検知することにより被検体の体温を測定することができる。
【0050】
また、開口3mの上部には血圧センサ又は脈拍センサを配置することによって、被検体の血圧又は脈拍等を測定してもよい。すなわち、図8に示す形態で固定部4を被検体に装着させる際、開口42e及び3mを介して測定部1の底面が被検体の皮膚に密着する程度に強めに装着させることにより、血圧センサ又は脈拍センサ等が被検体の血圧又は脈拍等を検知することができる。
このように、実施形態4によれば、被検体の動きに加えて、被検体の体温、血圧又は脈拍等の生体に係る物理量を測定することができる。
尚、実施形態4では、開口42e及び3mの形状は略矩形であるが、これに限らず、略円形その他の形状であってもよい。また、開口3mを閉じる閉鎖部である例えばシャッターを筐体下部1aに設けてもよい。また、開口はシート部42及び筐体下部1aにそれぞれ1個ずつ設けられているが、それぞれに複数個設けてもよい。
【0051】
実施の形態5
図19は、固定部の概略斜視図である。図20は、測定部の筐体上部と筐体下部とが分離された状態を模式的に示す説明図である。尚、図20では、筐体下部1aに搭載されている電子基板及び巻き付け用テープ6は省略している。
本実施の形態は、測定部1が固定部4に取り付けられた状態で筐体上部1bを取り外しできるようにし、筐体下部1aが有する電池、電子部品等の交換を可能にする形態である。
図19に示すように、固定部4のシート部42には、テープ通過孔42a〜42dの他に、ネジを通す4個の穴42q〜42tが設けられている。穴42q〜42tは、シート部42の長手方向に沿って平面の略4隅の位置に設けられている。さらに詳細に述べると、穴42q〜42tは、2本の固定用テープ7a、7bがテープ通過孔42a〜42dを通りシート部42の裏面上に保持されている状態において固定用テープ7a、7bによって塞がれない位置に設けられている。換言すると、穴42q〜42tは、対向するテープ通過孔41a及び42cに挟まれた領域並びに対向する開口42b及び42dに挟まれた領域から外れた領域であって、シート部42の長手方向の側面に近傍する領域に設けられている。
【0052】
図20に示すように、筐体下部1aの底面には4個のネジ穴6q〜6tが底面の略4隅に設けられており、上記のネジ5q〜5tは、筐体上部1bと筐体下部1aとをネジ止めするために用いられる。また、筐体上部1bの裏面の略4隅にはネジ5q〜5tに嵌合するネジ受け(不図示)が設けられているとする。ここで、ネジ5q〜5tは、シート部42の裏面から穴42q〜42t及びネジ穴6q〜6tを通って筐体上部1bの裏面の略4隅に設けられている4個のネジ受けに嵌合する。したがって、図8に示す状態、すなわち、測定部1が固定部4に取り付けられ、かつ、測定部1及び支持体40、41が巻き付け用テープ6によって巻き付けられた状態であっても、シート部42の裏面からねじ回しを使ってネジ5q〜5tを回転させて、ネジ5q〜5tとネジ受けとの嵌合を解除することにより筐体上部1bを筐体下部1aから取り外すことができ、これによって、図3に示すように筐体下部1a内の電子基板が露出する。
本実施形態によれば、測定部1が固定部4に取り付けられている状態であっても、筐体下部1a内の電子基板を露出させることができるため、被検体又は測定者は、電池、電子部品等を容易に交換することができる。
【0053】
変形例1
上述の実施形態では、凹欠部を筐体下部1aの各側面に2個ずつ設けているが、凹欠部の個数はこれに限らず、さらに多くの凹欠部を各側面に設けてもよい。また、凹欠部の個数を筐体下部1aの側面毎に異ならせてもよい。また、図4に示す例では凹欠部3a〜3hが筐体下部1aの側面内の下側に配置されているが、筐体下部1aの側面内の他の場所に配置してもよい。また、凹欠部3a〜3hの形状は矩形に限らず、略円形その他の形状であってもよい。
【0054】
変形例2
上述の実施形態では、固定部4における支持体40、41及びシート部42は略矩形であるが、これに限らず、略円形その他の形状であってもよい。また、支持体40、41及びシート部42の材質を同じにすることにより固定部4を一体成形できるようにしてもよい。
【0055】
変形例3
上述の実施形態では、凸起部を支持体40、41に対して2個ずつ設けているが、凸起部の個数はこれに限らず、さらに数多くの凸起部を支持体40、41に設けてもよい。また、凸起部の個数を支持体毎に異ならせてもよい。また、図5に示す例では凸起部4c〜4fを支持体40、41の下側に配置しているが、他の場所に配置してもよい。さらに、凸起部4c〜4fの形状は、直方体に限らず、円柱その他の形状であってもよい。
【0056】
変形例4
上述の実施形態では、測定部1に凹欠部3a〜3hを設け、固定部4に凸起部4c〜4fを設けているが、それとは逆に、測定部1に凸起部を設け、固定部4に凹欠部を設けてもよい。
【0057】
尚、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0058】
1 測定部
1a 筐体下部
3a〜3h 凹欠部
4 固定部
4c〜4f 凸起部
40、41 支持体
42 シート部
42a〜42d テープ通過穴
6 巻き付け用テープ
7a、7b 固定用テープ
8 身体装着用帯

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体に係る物理量を測定する測定部及び該測定部を前記生体に固定させる固定部を備える測定装置において、
前記測定部の外側面に形成された複数の嵌合部と、
前記固定部の内側面に形成されており、該嵌合部に嵌合される複数の被嵌合部と
を備えることを特徴とする測定装置。
【請求項2】
前記固定部は、前記測定部を支持する支持体を備え、
該支持体に前記被嵌合部が形成されていることを特徴とする請求項1記載の測定装置。
【請求項3】
前記嵌合部は凹部であり、前記被嵌合部は凸部であることを特徴とする請求項1又は2に記載の測定装置。
【請求項4】
前記固定部は開口を備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2011−194075(P2011−194075A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−65088(P2010−65088)
【出願日】平成22年3月19日(2010.3.19)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】