説明

湾曲を測定するための測定装置

本発明は、長尺体(12)の湾曲(A)を測定する測定装置(10)に関する。測定装置(10)は、長尺体(12)が載置されるアンビル部材(14)と、測定装置(10)に含まれる駆動ユニットにより長尺体(12)の長軸線に沿って移動可能な測定集受部材(16)とを備え、該測定集受部材はプロセサ・ユニット(18)に接続されて測定値の処理を行う。更に、該測定装置(10)は、所定の力(F)を長尺体(12)に与える力伝達部材(20)を備えるが、ここでF≧0 N1である。測定集受部材(16)は、長尺体(12)の長軸線に当接するとともにそれに沿って移動しながら長尺体(12)と測定装置(10)の間の長さ(y)と高さ(x)を連続的に測定し、デジタル信号をプロセサ・ユニット(18)に供給して湾曲(A)を計算する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第一の態様によれば、長尺体の湾曲を測定する測定装置に関する。第二の態様によれば、本発明は長尺体の湾曲を測定する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に長尺体、特にスキー板の湾曲を信頼度良く測定する方法が無い、という問題がある。ここで、長尺体とは、例えば色々なタイプの板、梁、板バネ、マスト、柱、ポスト、軸、等でもよい。以下ではスキー板に焦点を当てて述べる。
【0003】
全く同じスキー板は二つと無く、それらは複合材とコア材からなる積層体として構成されるため、全て別個のものである。スキー板の特性を決定する変数は、実質的に複合材、例えば、湾曲曲線、スキー板の剛性、繊維の種類、繊維の材質、マトリックスの材料、補強材の方向、コア材質、各材料層間の接着剤、等に依存する。更に、あらゆる可変パラメータの製造条件やその最終製品への影響度にもよる。
【0004】
スキー板は製造時に熱と圧力をかけるプレス法にて製造される。製品と材料は同時に生成され、自然のバラツキが存在し、それが最終仕上がり製品に影響することがある。それは大抵変動するが、その規模や程度、更にはその変動の原因はスキー板ごとに異なる。スキー板は、所定の剛性及び/又は所定の湾曲曲線を得るため論理的に設計し製作することによって、オーダーメードできるかもしれない。
【0005】
しかし、難しいのは製造時に湾曲曲線を測定し定義することである。スキー板が小売店に納品されてしまうと、そこでは測定方法がないため、湾曲を測定できない。湾曲曲線を明確に定義することが欠如しているのは問題である。正しい湾曲とは、と議論はされるが、それをグラフィカルに表示したり定義したりすることは全くできていない。さらに、対応する特定の特性或いは異なる他の特定の特性を有する新しいスキー板を制御可能な方法で選り分けたり区別したりする目的で、今ある一組のスキー板の湾曲曲線を特定の雪の条件のために比較する可能性すらない。
【0006】
次のような人々には大いに影響がある。スキーヤ、トレーナ、ワックスかけ係り、製造業者、卸売業者、小売業者。
【0007】
世界水準のスキーヤ、エリート・アマチュア、アマチュアの間では、特定の湾曲曲線を決定することができれば大いに意味がある。これはスキー板の滑走面とスキー板の異なるワックス塗布部分との関係を最適化し、上り坂におけるスキーヤの踏込みに対してグリップを得る可能性を手に入れることになる。
【0008】
世界中のスキーヤの間では、各スキーヤにとっての適正な湾曲は、試してみるしかないと思われていた。湾曲曲線は、とりわけ滑走面においてグリップ・ワックスが塗布されるべき長さと場所に影響する。
【0009】
エリート・スキーヤは時には類似した特性や類似した湾曲曲線を有する二本のスキー板を特定するために、百程の異なるスキー板を試すことを強いられる。
【0010】
現状、二本のスキー板を、好ましくは室内で、平らな地面に揃えて置く。スキーヤは二本のスキー板に体重を均等にかけて立つ。スキーヤは、スキーをする際にワックスのグリップを得るため湾曲部を"踏み"込んで接地させようとする場合を擬似するために、体重を片方のスキー板に移し、その後は以下のようにする。
【0011】
通常0.2mm高のすき間ゲージを手に持ってスキー板の後部から前方に向けて、抵抗感と「若干吸われる」ような「感触がある」まで挿入する。この操作の後、経験と独断により、後端から先端方向へ向かってスキー板にすき間ゲージが当たるおおよその位置までのおおよそのワックス長が推奨されるか、或いは別のスキー板を試してみること等が推奨される。更にスキーヤは、スキー板をより強く踏み込んで0.2mmのすき間ゲージを挟めるかチェックするが、これはスキーヤが、トラックにおいて、グリップ・ワックスを地面に接触させることでグリップを得るため、スキー板を踏み込むことを擬似することになるからである。
【0012】
以上が現在店舗や、トレーナその他世界中の関係者が使用している方法である。
【0013】
工場では、ある種の工場で見られる伝統的な産業用測定装置を使用して、例えば測定プローブにより、湾曲の測定値を決定することはできる。しかし、その他の既存方法や装置は非常に高価であり、数十万或いは数百万スウェーデン・クローネにも及ぶ投資を伴う。更には、その方法は非常に遅々としているが、これは費用がかかり全てのスキー板を分類し識別できるわけではないこと、やむなく多数のスキー板を試さざるを得ない世界エリートを除けば、どのような種類の湾曲を持つのか知ってスキー板を購入する人は全く或いは殆どいないことを意味している。
【0014】
スキーヤの経験と能力は実質的には湾曲に依存しているが、これはスキー板が、うまく働こと、また湾曲部の下に施されたグリップ・ワックスによって上り坂においてグリップ力をもたらすと同時に最適に定められた滑走面を提供することの決定的な決め手および基礎となる。
【0015】
[スキーヤの間には曲線/イメージ或いは概念が存在していないため、今までのスキーヤはスキー板にどのような湾曲曲線があるのかを知らない。]
【0016】
スキー製造業者においてでさえ、二人の異なる人が湾曲曲線やそれらに共通のパラメータが何を意味するかを知っていることはない。
【0017】
いわゆる湾曲は、寸法や明確な記述ではなく、感じ、経験するものであると言われている。時に湾曲は尺度であると言えるかも知れないが、特定の負荷における長さとか特定の負荷において横から見た場合の幾何学的な曲線で考慮されるものでは無い。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
[湾曲曲線を決定し定義するための効率的で正確な方法が欠如しているゆえにもたらされる結果の例]
結果として現在、比較的良いと感じる既存のスキー板を測定して、その湾曲をどう修正すればスキー・トラック中の所定条件において最適な経験や性能になるのかを決定することはできない。スキー・トラック中で実際に評価し、意見や大雑把な判断を出し、百回ものテストを経ることによってはじめて、望む結果を得る可能性がでてくる。
【0019】
店舗にとっては、これでは手間がかかり、スキー板の販売に際してより多くの人員を要するため経済的に問題となる。
【0020】
スキーヤがトラック中でグリップを得られなければ、スキー板が後退し、より貧弱なスキー滑走経験となり、またスキーヤは早期に疲労し意図した距離を全うできずに棄権せざるを得なくなる。競技スキーヤにとっては大いに情けない結果となる。
【0021】
人によっては、踏込んだ時に負荷が低すぎて湾曲部が接地し、スキー板が「つっかかり」磨耗によってグリップ・ワックスが早く消失し、その後スキー板が「逆戻り」することのために、うまく滑走ができないかもしれない。
【0022】
製造業者から小売り業者に至るまで、売れなかったスキー板の在庫が大量に残るが、これは簡単又は迅速な方法で試してみて売ることができなかったからである。
【0023】
まさに重要な湾曲曲線を素早く簡単に、高精度に決定することは誰もが望んでいるが、今まで誰もそれを簡単、迅速、又は安価にできなかった。
【0024】
本発明の目的は、上記の問題を解決することにある。
【課題を解決するための手段】
【0025】
本発明によれば、これは第一の態様に従い、長尺体の湾曲を測定する測定装置によりもたらされる。測定装置は、長尺体の載置を意図されたアンビル部材を備える。更に、測定装置は、測定装置に含まれる駆動ユニットにより長尺体の長軸線に沿って移動可能な測定集受部材を備え、該測定集受部材は、測定前に校正されるとともに、測定値の処理を行うプロセッサ・ユニットに接続される。更に、該測定装置は、F≧0 Nである所定の力(F)を長尺体に与える力伝達部材を含むが、この与えられた力(F)は力伝達部材に設置された力測定部材により記録される。測定集受部材は、長尺体の長軸線に当接するとともにそれに沿って移動しながら、長尺体と測定装置の間の長さ(y)と高さ(x)を連続的に測定し、デジタル信号をプロセサ・ユニットに供給し、プロセッサ・ユニットは湾曲を計算する。本測定装置の利点は、湾曲を迅速、簡単、且つ高精度に測定できることである。本測定装置の他の利点は、場所を殆どとらず、容易に、垂直に、つまり壁に設置したり、或いは、一時的にだけでなく恒久的な使用のため、水平に置いたりすることもできることである。測定装置は、スキーやスキー板の測定についての事前の知識を必要とすることなく、単純なハンドグリップにより非常に簡単かつ高精度に校正することができる。
【0026】
これに関連して、測定装置が更に所定の力(F)を与える入力ユニットを、力伝達部材に接続されたアクチュエータ・ユニットとともに備えている場合には、アクチュエータによって所定の力(F)が与えられるという更なる利点が得られる。
【0027】
更に、これに関連して、測定装置が、測定集受部材が走行する縦溝を備える梁を備える場合に、利点となる。
【0028】
これに関連して、測定集受部材を駆動する駆動ユニットがモータと歯付ベルト駆動を備える場合に、更なる利点が得られる。
【0029】
他の実施形態によれば、測定集受部材を駆動する駆動ユニットがパルス及び位置トランスデューサを有する電気モータを備える場合に、更なる利点が得られる。
【0030】
更に、これに関連して、測定装置が更に、長軸線に沿って調整可能な停止部材を備え、この停止部材に長尺体の一短端部が載置される場合に、更なる利点が得られる。
【0031】
更に、これに関連して、測定装置が更に、プロセッサ・ユニットに接続されたインタフェース部材を備え、そのインタフェースに例えばディスプレイ装置とプリンタが接続され得る場合に、更なる利点が得られる。
【0032】
上述した問題点は、本発明による長尺体の湾曲の測定方法により解決される。この方法は測定装置により実行され、以下のステップを備える。
長尺体を測定装置に含まれるアンビル部材に載置するステップと、
測定装置に含まれる測定集受部材を校正するステップと、
測定装置に含まれる力伝達部材により、F≧0 Nである所定の力(F)を長尺体に加えるステップと、
長尺体に当接するとともにそれに沿って移動する測定集受部材により、長尺体と測定装置の間の長さ(y)と高さ(x)を連続的に測定するステップと、そして
測定集受部材がデジタル信号を測定装置に含まれるプロセッサ・ユニットに供給し、そこで湾曲を計算するステップ。
【0033】
本方法の利点は、湾曲を、迅速、簡単、且つ高精度に測定できることである。他の利点はこの方法が一時的な測定だけでなく恒久的な測定にもともに使用できることである。
【0034】
これに関連して、本方法が以下のステップを含む場合には利点が得られる。
力伝達部材によってある人(y)の体重の半分に相当する力(F1/2)を加えるとともに、測定集受部材によってその力(F1/2)での湾曲(A1/2)を測定するステップと、
力伝達部材によってその人(y)の全体重に相当する力(F)を加えるとともに、測定集受部材によってその力(F)での湾曲(A)を測定するステップと、そして
力伝達部材によって、湾曲(A)がゼロになる力(F)を加えるとともにその力(F)を記録するステップ。
【0035】
更にこれに関連して、本方法が以下のステップを備える場合には有利になる。
測定装置に含まれる駆動ユニットにより測定集受部材を移動させるステップ。
【0036】
これに関連して、本方法が以下のステップを含む場合には更なる利点が得られる。
測定装置に含まれる入力ユニットにより、前記力(F)を入力するステップ。
【0037】
これに関連して、移動ステップが以下のステップを含む場合には有利となる。
測定集受部材をモータと歯付ベルトによって駆動するステップ。
【0038】
他の実施形態によれば、移動ステップが以下のステップを含む場合に利点が得られる。
測定集受部材をパルス及び位置トランスデューサを有する電気モータによって駆動するステップ。
【0039】
これに関連して、本方法が更に以下のステップを含む場合には更なる利点が得られる。
長尺体の一短端部を、測定装置の長軸線に沿って調節可能な停止部材に載置するステップ。
【0040】
更に、これに関連して、本方法が更に以下のステップを含む場合には更なる利点が得られる。
ディスプレイ装置及び/又はプリンタを、プロセッサ・ユニットに接続されたインタフェース部材に接続するステップ。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
本出願において「備える」と言った場合、記述された特徴、ステップ、又は構成要素の存在の特定を意図しているが、これは、一又は複数のその他の特徴、ユニット、ステップ、構成要素又はそれらの集合の存在を排除するものではないことに注目されたい。
本発明の実施例を、添付の図面を参照しつつ以下に説明する。
【実施例】
【0042】
図1〜図3において、長尺体12の湾曲(A)を測定する測定装置10の異なる斜視図が示されている。長尺体12は図1〜図4には図示されていないが、図5には図示されている。図2、図3では、測定装置10の一部断面図が示されている。測定装置10には、長尺体12を載置するためのアンビル部材14を含む。更に、測定装置10は測定集受部材16を含むが、これは、測定装置10に含まれる(図示しない)駆動ユニットにより、長尺体12の長軸線に沿って移動可能である。測定集受部材16は測定値を処理するためのプロセッサ・ユニット18に接続される。測定集受部材16は測定の前に校正される。更に、測定装置10は、所定の力(F)を長尺体12に加える力伝達部材20を備えるが、ここで、F≧0 Nであり、加えた力(F)は、力伝達部材20に取付けられた力測定部材により記録される。力測定部材は、例えば、ストレイン・ゲージ、位置つまりは力を記録する電子制御を含む付勢積重スプリング、或いはピストンを伴うシリンダで、シリンダの正圧を力の値として測るもの等がある。測定集受部材16は、長尺体12の長軸線に当接するとともにそれに沿って移動し、長尺体12と測定装置10の間の長さ(y)と高さ(x)(図5と比較)を連続的に測定し、デジタル信号をプロセサ・ユニット18に供給して湾曲(A)を計算する。更に、測定装置10は入力ユニット(図示せず)を含むが、これにより所定の力(F)が入力される。図3に示されるように、測定装置10は力伝達部材20に接続されるアクチュエータ22を備える。所定の力(F)はアクチュエータ22により印加される。
【0043】
更に、測定装置10は、縦溝26を備える梁24を備え、この縦溝内を測定集受部材16が走行する。
【0044】
一実施例によれば、測定集受部材16を駆動する駆動ユニットは、モータと歯付ベルトのドライブを供える。
【0045】
他の実施例によれば、測定集受部材16を駆動する駆動ユニットは、パルス及び位置トランスデューサを有する電気モータを含む。
【0046】
更に、測定装置10には、測定装置10の長軸線に沿って調整可能な停止部材28を備え、これに対して長尺体12の一方の短端が当接される。特に図2で判るように、停止部材28は停止部材28の高さ調整のためにバー30に接続される。バー30は次いでブレーキ・キャリッジ32に接続され、それはブレーキ・レバー34に接続され、それは停止部材28を適当な高さにロックするために用いられる。
【0047】
更に、測定装置はプロセッサ・ユニット18に接続されるインタフェース部材(図示せず)を備えるが、これに対しては例えばディスプレイ装置やプリンタを接続しても良い。
【0048】
図5には、ここではスキー板12の形をとっている長尺体12の湾曲(A)を測定方法が概略的に示されている。前にも述べたように、xはスキー板12と測定装置10との間の高さを表し、yはスキー板12と測定装置10との接触点間の距離を表す。Cはスキー板12の重心を、またFは力Fを加える地点を表す。
【0049】
測定プローブの往復動作にて、梁の内側から、高さ「x」、力F、「x」がゼロになる地点、そのA−B間の距離を読み取る。梁に設置されたコンピュータ・ユニットによって円弧が自動的に計算される。
【0050】
測定プローブ16は、スキー板の滑走面からのデータをデジタル表示器18に転送するが、これは垂直方向に連続的に値を読み取っている一方で、測定プローブ16のスキー板の長手方向の移動はコンピュータ・ユニットからの単一コマンドにて自動的に行われる。長手方向の移動はモータと歯付ベルトのドライブ等にて行われる。パルス及び位置トランスデューサを有する電気モータが、梁の内側に設置された測定プローブのあるユニットを駆動する。梁24内の溝26により、測定プローブ16はスキー滑走面からのデータを集めることができる。
【0051】
所望の力は入力ユニットによって設定され、電気アクチュエータ22によって加えられる。湾曲がゼロのときに必要とされる力、つまりスキーヤが湾曲を介して踏み込む時に要する力、が測定される。
【0052】
プリンタとディスプレイを接続できる。データと結果は、数値だけでなく曲線の形をとるものでも提供され得る。湾曲に関する位置、長さ、幾何形状の情報、つまりスキーヤの経験により視覚形状として表現されるもの、ワックス長、ならびに位置が選択された方法で提供される。データは無線及び固定ネットワークを介して比較、計算、及び分析のためのデータベースに転送される。測定プロセスは1分もかからない。
【0053】
本装置が、局地的に又は分散型のコンピュータ・ネットワークを介して、無線や固定接続を介してデータや情報をデータベースと交換できると言う事実により、様々な測定値の基準を本測定値と比較することができる。このことは、何処で或いは誰が測定したかは問題ではなく、この同じ概念定義が適用されるならば、湾曲曲線が常に比較可能であることを意味する。
【0054】
異なる湾曲曲線を有するスキー板についてのスキーヤの以前の経験を分析し比較することができる。この考察により、好ましいスキー板の湾曲曲線からその経験をグラフィカルに定義することができる。
【0055】
図6には、本発明による長尺体12の湾曲(A)の測定方法のフローチャートを示す。この方法は、測定装置10(図1〜図5と比較)によって実行される。この方法は、ブロック50から始まる。次いでこの方法はブロック52のステップに進み、長尺体12を測定装置10に含まれるアンビル部材14に載置する。次いで本方法はブロック53のステップに進み、測定装置10に含まれる測定集受部材16を校正する。次いで本方法はブロック54のステップに進み、測定装置10に含まれる力伝達部材20により所定の力(F)を長尺体12に印加するが、こでF≧0Nである。次に、本方法はブロック56のステップに進み、長尺体12に当接し且つそれに沿って移動する測定集受部材16により、長尺体12と測定装置10の間の長さ(y)と高さ(x)を連続的に測定する。次いで本方法はブロック58のステップに進み、測定集受部材16がデジタル信号を測定装置10に含まれるプロセッサ・ユニット18に伝え、プロセッサ・ユニット18は湾曲(A)を計算する。本方法はブロック60で終了する。
【0056】
図7には、長尺体12がスキー板の場合の本方法が備え得る更なるステップのフローチャートが示される。本方法はブロック70から始まる。次いで本方法はブロック72のステップに進み、力伝達部材20によりある人(P)の体重の半分に相当する力(F1/2)を加えるとともに、測定集受部材16によりこの力(F1/2)における湾曲(A1/2)を測定する。次いで本方法はブロック74のステップに進み、力伝達部材20によってその人(P)の全体重に相当する力(F)を加えるとともに、測定集受部材16によってその力(F)における湾曲(A)を測定する。次に本方法はブロック76のステップに進み、力伝達部材20によって湾曲(A)がゼロになる力(F)を加え、その力(F)を記録する。本方法はブロック78で終了する。
【0057】
好ましい実施形態の方法によれば、更に以下のステップを備える。加えられた力を力伝達部材20に設置された力測定部材により記録する。力測定部材は、例えば、ストレイン・ゲージ、電子制御を含む付勢積重スプリングにて長さ、つまりは力、を記録するもの、或いはピストンを備えたシリンダで、シリンダの正圧を力の値として測るもの等があり得る。
【0058】
好ましい実施形態の方法によれば、更に以下のステップを備える。測定集受部材16を、測定装置10に含まれる駆動ユニットにて移動させる。
【0059】
好ましい実施形態の方法によれば、更に以下のステップを備える。測定装置10に含まれる入力ユニットにより力(F)を入力する。
【0060】
好ましい実施形態の方法によれば、更に以下のステップを備える。測定集受部材16を、モータと歯付ベルトにより移動させる。
【0061】
他の実施形態の方法によれば、更に以下のステップを備える。測定集受部材16を、パルス及び位置トランスデューサを有する電気モータにより移動させる。
【0062】
好ましい実施形態の方法によれば、更に以下のステップを備える。プリンタ及び/又はディスプレイを、プロセッサ・ユニット18に接続されたインタフェース部材に接続する。
【0063】
測定装置10による測定は、ロボット或いは人間によって行われてもよいということに注目されたい。
【0064】
本発明は、上記した実施形態に限定されない。下記の特許請求の範囲内で多くの異なる改変が実現可能であることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】図1は、本発明による測定装置の外観図を示す。
【図2】図2は、第1図の測定装置の一部断面を含む外観図を示す。
【図3】図3は、第1図の測定装置の一部断面を含む他の外観図を示す。
【図4】図4は、第1図の、特に、測定装置に含まれる測定集受部材を示す。
【図5】図5は、スキー板の湾曲をいかにして測定するかの概略を示す。
【図6】図6は、本発明により長尺体の湾曲を測定する方法のフローチャートを示す。
【図7】図7は、長尺体がスキー板の場合の方法に含まれる更なるステップのフローチャートを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺体(12)の湾曲(A)を測定する測定装置(10)であって、前記測定装置(10)は、長尺体(12)の一長辺の載置を意図された長尺のアンビル部材(14)を備えた長尺の梁(24)と、測定装置(10)に含まれる駆動ユニットにより長尺体(12)の長軸線に沿って移動可能な測定集受部材(16)とを備え、前記測定集受部材(16)は、測定前に校正されるとともに、測定値の処理を行うプロセサ・ユニット(18)に接続されており、前記測定装置(10)が更に、長尺体(12)の重心付近における長尺体(12)に梁(24)の方向にF≧0 Nである所定の力(F)を与える力伝達部材(20)を備え、前記与えられた力(F)が力伝達部材(20)に設置された力測定部材により記録され、測定集受部材(16)が、長尺体(12)の長軸線に当接するとともにそれに沿って移動しながら長尺体(12)と測定装置(10)の間の長さ(y)と高さ(x)を連続的に測定し、デジタル信号をプロセサ・ユニット(18)に供給して湾曲(A)を計算することを特徴とする測定装置(10)。
【請求項2】
前記測定装置(10)が更に、所定の力(F)を入力する入力ユニットと、前記力伝達部材(20)に接続されたアクチュエータ(22)と、を備え、前記所定の力(F)は前記アクチュエータ(22)により加えられることを特徴とする請求項1に記載の測定装置(10)。
【請求項3】
前記梁(24)は、前記測定集受部材(16)が走行する縦溝(26)を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の測定装置(10)。
【請求項4】
前記測定集受部材(16)を駆動する駆動ユニットがモータと歯付ベルトを備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の測定装置(10)。
【請求項5】
前記測定集受部材(16)を駆動する駆動ユニットがパルス及び位置トランスデューサを有する電気モータを備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の測定装置(10)。
【請求項6】
前記測定装置(10)が更に、前記測定装置(10)の長軸線に沿って調整可能な停止部材(28)を備え、それに対して前記長尺体(12)の一短端部が載置されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の測定装置(10)。
【請求項7】
前記測定装置(10)が更に、前記プロセッサ・ユニット(18)に接続されたインタフェース部材を含み、そのインタフェースには例えばディスプレイ装置及びプリンタが接続され得ることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の測定装置(10)。
【請求項8】
以下のステップを備えることを特徴とする測定装置(10)による長尺体(12)の湾曲(A)の測定方法。
長尺体の一長辺を、前記測定装置(10)に含まれるとともに前記測定装置(10)に含まれる長尺の梁(24)に沿って配置された長尺のアンビル部材(14)に載置するステップと、
前記測定装置(10)に含まれる測定集受部材(16)を校正するステップと、
前記測定装置(10)に含まれる力伝達部材(20)により、前記長尺体(12)の重心付近における前記長尺体(12)に、F≧0 Nである所定の力(F)を前記梁(24)の方向に加えるステップと、
前記長尺体(12)に当接するとともにそれに沿って移動する前記測定集受部材(16)により、前記長尺体(12)と前記測定装置(10)の間の長さ(y)と高さ(x)を連続的に測定するステップであって、ここでyは前記長尺体(12)が前記測定装置(10)と接触する点間の距離を意味するステップと、そして
前記測定集受部材(16)がデジタル信号を、前記測定装置(10)に含まれるプロセッサ・ユニット(18)に供給し、プロセッサ・ユニット(18)が湾曲(A)を計算するステップ。
【請求項9】
更に以下のステップを備えることを特徴とする請求項8に記載の長尺体(12)の湾曲(A)の測定方法。
前記力伝達部材(20)により、ある人(P)の体重の半分に相当する力(F1/2)を加えるとともに、前記測定集受部材(16)によりその力(F1/2)での湾曲(A1/2)を測定するステップと、
前記力伝達部材(20)により、前記人(P)の全体重に相当する力(F)を加えるとともに、前記測定集受部材(16)によりその力(F)での湾曲(A)を測定するステップと、そして
前記力伝達部材(20)により、湾曲(A)がゼロになる力(F)を加えるとともにその力(F)を記録するステップ。
【請求項10】
更に以下のステップを含むことを特徴とする請求項8又は9に記載の長尺体(12)の湾曲(A)の測定方法。
前記測定装置(10)に含まれる駆動ユニットにより前記測定集受部材(16)を移動させるステップ。
【請求項11】
更に以下のステップを含むことを特徴とする請求項8乃至10のいずれかに記載の長尺体(12)の湾曲(A)の測定方法。
前記測定装置(10)に含まれる入力ユニットにより、前記力(F)を入力するステップ。
【請求項12】
更に以下のステップを含むことを特徴とする請求項10又は11に記載の長尺体(12)の湾曲(A)の測定方法。
前記測定集受部材(16)をモータと歯付ベルトで駆動するステップ。
【請求項13】
更に以下のステップを含むことを特徴とする請求項10又は11に記載の長尺体(12)の湾曲(A)の測定方法。
前記測定集受部材(16)をパルス及び位置トランスデューサを有する電気モータで駆動するステップ。
【請求項14】
更に以下のステップを含むことを特徴とする請求項8乃至13のいずれかに記載の長尺体(12)の湾曲(A)の測定方法。
前記長尺体の一短端部を、測定装置(10)の長軸線に沿って調整可能な停止部材(28)に載置するステップ。
【請求項15】
更に以下のステップを含むことを特徴とする請求項8乃至14のいずれかに記載の長尺体(12)の湾曲(A)の測定方法。
ディスプレイ装置及び/又はプリンタを、前記プロセッサ・ユニット(18)に接続されたインタフェース部材に接続するステップ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公表番号】特表2008−544220(P2008−544220A)
【公表日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−515661(P2008−515661)
【出願日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【国際出願番号】PCT/SE2006/050179
【国際公開番号】WO2006/132591
【国際公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【出願人】(507399704)ヴェンドロクス アーベー (1)
【Fターム(参考)】