説明

湿式加圧かつ成形されたティッシュ製品を生成する方法及びシステム

【課題】ティッシュ製造の技術における更なる改良を提供する。
【解決手段】ティッシュウェブを生成するための工程。この工程は、部分的にティッシュウェブを脱水し、粗い布地のような布地に対して少なくとも1つの偏向をウェブに与え、次に、ウェブにクレープを付ける段階を含むことができる。工程中に、ティッシュウェブは、脱水された後に吸引力のような空気力を用いて移送コンベヤから布地に移送される。ティッシュウェブが布地に移送されている時に液体がティッシュウェブを再濡れさせることを防ぐために、移送コンベヤは、液体がティッシュウェブに流入することを阻止又は防ぐ材料から製造される。例えば、一実施形態では、移送コンベヤは、小毛細管材料から成るフェルトを含むことができる。このフェルトは、例えば、湿潤時に約150μL/sよりも低い吸込み率を有することができ、約20ミクロンよりも小さな平均自由孔隙サイズを有することができ、かつ約5ミクロンよりも小さな最小孔隙サイズを有することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の開示内容は、一般的にティッシュ製造の技術における更なる改良に関する。
【背景技術】
【0002】
顔面用ティッシュ、浴用ティッシュ、ペーパータオル、及び工業用ワイプなどの多くのティッシュ製品は、湿式堆積工程によって生成される。湿式堆積ウェブは、パルプ繊維の水性懸濁液を形成布地上に堆積させ、次に、新規形成ウェブから水を除去することによって製造される。水は、典型的には、「湿式加圧」と呼ばれるウェブから水を機械的に圧迫して出すことによってウェブから除去される。湿式加圧は、有効な脱水工程であるが、工程中に、ティッシュウェブが圧縮され、ウェブのキャリパー及びウェブの嵩の著しい減少を引き起こす。
【0003】
しかし、殆どの用途に対して、他の製品特質を危うくすることなく、できるだけ大きな嵩を有する最終製品を提供することが望ましい。従って、当業者は、湿式堆積ウェブの嵩を増大させるために、様々な工程及び技術を工夫している。例えば、クレープを使用して紙の結合を分裂させ、ティッシュウェブの嵩を増大させることが多い。クレープ処理中に、ティッシュウェブは、加熱シリンダに接着され、次に、クレープブレードを用いてシリンダからクレープが付けられる。
湿式加圧工程の代わりとして、ウェブの嵩を保って高めるためにウェブ圧縮ができるだけ回避される通気乾燥工程が開発されている。これらの工程は、加熱空気がウェブを通過し、水分を除去してウェブを乾燥させる間、粗いメッシュ布地上へのウェブの支持を提供する。
【0004】
通気乾燥ティッシュ製品は、良好な嵩及び柔らかさ特性を示すが、通気乾燥ティッシュ機械は、設置及び運転に費用がかかる。従って、既存の従来式湿式加圧ティッシュ機械を修正することによってより高品質のティッシュ製品を生成する必要性が存在する。
この点で、本明細書において引用により組み込まれているハーマンズ他に付与された米国特許第5,411,636号は、約30%又はそれよりも大きい密度で粗い布地上に支持されながら、最初にウェブを脱水し、次にティッシュウェブに差圧を加えることによってティッシュウェブの内部嵩を改良するための工程を開示している。この’636特許に開示された工程は、ティッシュ製造の技術に様々な利点をもたらすものである。
【0005】
しかし、当業技術における更なる改良が、依然として必要である。例えば、ウェブが脱水された後に、ウェブは、典型的には、吸引力のような空気圧を用いてフェルトから布地上に移送される。過去に経験した1つの問題は、フェルトから布地へ移送中にティッシュウェブが再濡れすることである。特に、ティッシュウェブに印加された吸引力は、ウェブが布地上に移送される時にフェルト内に含有された水をティッシュウェブ内に移送させる場合がある。一部の事例では、例えば、ティッシュウェブの密度は、移送中に約4%よりも大きい量で低下するであろう。ティッシュウェブ内に移送されて戻るこの水は、次に、ウェブの最終乾燥段階中に除去されるべきであり、これは、工程のエネルギ要件を増加させるだけでなく、乾燥機上のウェブの保持時間も増加させる場合がある。最終的に、布地への移送中のティッシュウェブの再濡れは、工程に対して有意な追加費用をもたらす可能性がある。
上述の点に鑑みて、低密度ティッシュ製品を作成するために湿式加圧を成形と結合するティッシュウェブを生成するための改良された工程の必要性が現時点で存在している。特に、ウェブが脱水されて布地に移送された後に、ティッシュウェブの再濡れを阻止する必要性が存在する。
【0006】
【特許文献1】米国特許第5,411,636号
【発明の開示】
【0007】
本発明の開示内容は、一般的にティッシュ製造の技術における更なる改良に関する。特に、良好な嵩と低密度特性とを有するティッシュ製品を作成するために湿式加圧が成形と結合したティッシュ製造工程を開示する。工程中に、製紙繊維を含有する湿潤ウェブは、最初に脱水され、次に布地に移送されるが、この際、布地は粗目として、布地の目に合わせてウェブを成形することができる。本発明の工程によれば、ウェブは、脱水されて、ティッシュウェブの実質的な再濡れ量が発生することなく吸引力の下で布地に移送される。布地への移送時の再濡れに付随する問題は、特定の特性を有し、又は特定の構成で製造されるフェルトのような移送コンベヤを工程内に組み込むことによって最小にされる。
【0008】
例えば、一実施形態では、本発明は、製紙繊維の水性懸濁液を形成布地上に最初に堆積させて湿潤ウェブを形成する段階を含むティッシュ製品を生成する方法に関する。湿潤ウェブは、約30%から約70%のような少なくとも約30%の密度まで脱水される。ウェブは、様々な技術を用いて脱水することができる。1つの特定的な実施形態では、例えば、ウェブは、圧縮ニップを通して給送されて脱水される。
【0009】
脱水された後、ウェブは、一実施形態では移送フェルトを含むことができる移送コンベヤ上に送られる。本発明によれば、移送フェルトは、約100μL/sよりも低いような約150μL/sよりも低い液体吸込み率を有する。例えば、一実施形態では、移送フェルトは、約75μL/sよりも低いか又は更に65μL/sよりも低い液体吸込み率を有することができる。以下で定めるような低吸込み率を有することにより、移送フェルトは、脱水されたウェブが移送フェルトから放出される時に水を放出する可能性は少ない。
【0010】
移送フェルトから、ウェブは布地に移送され、ウェブを成形してウェブの嵩を増大させるために、布地に対して偏向させることができる。布地から、ウェブは、次に乾燥用ドラム上に送られ、ドラムからクレープが付けられる。一実施形態では、ウェブを乾燥用ドラムに付着させるために、例えば、接着剤をティッシュウェブに付加することができる。ウェブのクレープ付けを容易にすることに加えて、乾燥用ドラムは、ウェブを最終乾燥度まで乾燥させる。
【0011】
工程中に、ウェブは、一実施形態では、空気力を用いて移送フェルトから布地に移送される。例えば、一実施形態では、布地に対して位置決めされた吸引力を使用して、ウェブを布地に移送するだけでなく、ウェブを布地に対して偏向させることもできる。本発明によれば、上述の移送は、ティッシュウェブが密度を実質的に低下させることなく行うことができる。例えば、移送フェルトから布地への移送中に、ウェブの密度は、約1%を超えないような約2%を超えない量だけ減少する。
【0012】
工程に用いる移送コンベヤ又はフェルトは、ティッシュウェブの再濡れを最小にするのに必要な特性を達成するために様々な方法で構成することができる。例えば、一実施形態では、移送フェルトは、フェルトが、約18ミクロンよりも小さい、一実施形態では約15ミクロンよりも小さい可能性があるような約20ミクロンよりも小さい平均自由孔隙サイズを有するような繊維構成から成る。移送フェルトは、約4.5ミクロンよりも小さいような約5ミクロンよりも小さな最小孔隙サイズを有することができ、一実施形態では、約4ミクロンよりも小さな最小孔隙サイズを有する場合もある。
【0013】
移送フェルトは、一般的に、上流に位置決めされた脱水コンベヤの表面よりも滑らかな表面のような滑らかな表面を有することができる。一実施形態では、移送フェルトは、疎水性材料で被覆することができる。例えば、あらゆる適切な疎水性ポリマーをフェルトにわたって被覆することができる。
上述の特性を有する移送フェルトは、移送フェルトから布地への脱水ウェブの移送中に水の放出に抵抗することが見出されている。
【0014】
工程中に、湿潤ウェブは、様々な技術を用いて脱水することができる。例えば、一実施形態では、布地に対して成形される前にウェブを脱水するために、通気乾燥機又は乾燥シリンダを使用することができる。代替的な実施形態では、湿潤ウェブは、圧縮ニップを通過させることによって脱水することができる。例えば、一実施形態では、湿潤ウェブは、脱水用フェルト上に置かれ、脱水用フェルトと移送フェルトの間に形成された圧縮ニップを通過することができる。ウェブが圧縮ニップを通過した後に、脱水されたウェブは、脱水用フェルトから移送フェルトに移送される。
圧縮ニップは、様々な構成を有することができる。例えば、一実施形態では、圧縮ニップは、圧縮ロールの反対側に位置決めされた真空ロールを含むことができる。代替的な実施形態では、圧縮ニップは、圧縮ロールの反対側に位置決めされた固定シューを含むことができる。
【0015】
一般的に、あらゆる適切なティッシュ製品を上述の工程によって製造することができる。例えば、一実施形態では、この工程を使用して顔面用ティッシュ又は浴用ティッシュを形成することができる。この実施形態では、ティッシュウェブは、最終乾燥すると約10gsmから約25gsmの坪量を有することができる。
代替的な実施形態では、本発明の工程は、ペーパータオル又は工業用ワイプを生成するのに用いられる。この実施形態では、ティッシュウェブは、約30gsmから約100gsmのような約30gsmよりも大きい坪量を有することができる。
本発明の他の特徴及び態様は、以下でより詳細に説明する。
以下は、添付図面の参照を含む本発明の詳細説明である。
本明細書及び図面における参照文字の反復使用は、本発明の同じか又は類似の特徴又は要素を表すことを意図している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の説明は、単に例示的実施形態の説明であり、例示的構成に具現化される本発明のより広い態様を限定する意図ではないことは、当業者によって理解されるものとする。
一般的に、本発明は、適度な強度特性を維持しながら良好な嵩及び柔らかさ特性を有するティッシュウェブの形成に関する。一般的に、ティッシュウェブは、嵩高の低密度ウェブを作成するために成形工程及びクレープ工程と共に湿式加圧工程によって製造される。工程中に、湿潤ウェブは、最初に脱水され、移送コンベヤ上に置かれ、次に、空気力を用いて布地に移送される。布地上にある状態で、ウェブは、布地に対して偏向され、かつ一実施形態では、布地に対して成形される。偏向された後に、ウェブは、次に乾燥用ドラム上に置かれ、ドラムからクレープが付けられる。
【0017】
上述のように、過去においては、脱水ウェブを移送コンベヤから布地に移送する時に問題を経験した。具体的には、移送コンベヤと布地の間の移送は、一般的に吸引力を用いて行われ、移送コンベヤに含有された水によってティッシュウェブが再濡れを起こした。実際に、一部の工程では、ウェブは、布地に移送された後で約4%又はそれよりも大きい密度の低下が見出されている。
本発明によれば、移送コンベヤは、ティッシュウェブが、布地への移送時に実質的に再濡れしないように特に構成されている。例えば、一実施形態では、移送コンベヤは、滑らかな表面、比較的小さな孔隙サイズ、及び/又は強化した疎水性表面を有することができるフェルトを含む。本発明の1つの特定的な実施形態では、例えば、移送フェルトは、約150μL/sよりも低い液体吸込み率(以下の実施例で定義するような)を有する。本発明によって設計された移送フェルトは、フェルトが湿潤した後に容易に水を放出しないことが見出されている。実際に、フェルトは、ティッシュウェブをフェルトから布地に移送するのに十分な空気力を受けると、水の放出に対して抵抗する。このようにして、布地へ移送中のティッシュウェブの再濡れが最小にされる。
【0018】
本発明の工程及びシステムは、様々な利点及び恩典をもたらす。例えば、ティッシュウェブを再濡れから防ぐことにより、乾燥用ドラム上でウェブを乾燥させるのにエネルギを余り必要としない。従って、より小さな乾燥用ドラムを用いることができ、ドラムをより低温で作動させることができ、又は乾燥用ドラム上のウェブの保持時間を低減することができる。最終的に、エネルギ節減が達成され、工程をより経済的にする。
【0019】
図1を参照すると、本発明によるティッシュ製造工程の一実施形態が示されている。図示のように、システムは、製紙繊維の水性懸濁液を形成布地12上に堆積させるヘッドボックス10を含む。製紙繊維は、以下に限定されるものではないが、全ての公知のセルロース系繊維又はセルロース系繊維を含む繊維混合物を含むことができる。繊維は、例えばユーカリ繊維のような広葉樹繊維、又は北方の針葉樹クラフト繊維のような針葉樹繊維を含むことができる。他の繊維は、高収率繊維、再利用繊維、及び分解、合成セルロース系繊維などを含むことができる。
繊維の水性懸濁液が形成布地12上に堆積した状態で、水性懸濁液中に含有された水の一部は、布地を通って排出され、ティッシュウェブ14が形成される。形成布地の表面上に保持された湿潤ウェブ14は、約10%の密度を有する。
【0020】
図1に示すように、湿潤ティッシュウェブ14は、例えば、製紙フェルトとすることができる脱水コンベヤ16に移送される。次に、ティッシュウェブ14は、圧縮ニップ18内に給送され、更に脱水される。圧縮ニップ18は、脱水コンベヤ16と移送コンベヤ20の間に形成されて、第1の圧縮ロール22及び第2の圧縮ロール24を利用する。必要に応じて圧縮ロールの一方は、ティッシュウェブ14からの流体の排出を助ける真空ロールを含むことができる。例えば、図1に示すように、第1の圧縮ロール22は、吸引力をウェブに印加するための真空ロールを含むことができる。圧縮ニップは、約30%から約70%のような約30%又はそれよりも大きい密度までティッシュウェブ14を脱水する。1つの特定的な実施形態では、例えば、ティッシュウェブは、約35%から約50%の密度までニップ18内で脱水される。
【0021】
図1では、1対の対向する圧縮ロールの間に形成された圧縮ニップが示されている。他の実施形態では、ウェブを脱水するために複数の圧縮ニップを用いることができる。更に、拡張された圧縮ニップも、工程内に組み込むことができる。例えば、拡張圧縮ニップは、圧縮ロールの反対側に位置決めされた固定シューを収容することができる。この実施形態では、固定シューは、吸引力をティッシュウェブに印加することができる。更に別の実施形態では、ウェブを脱水するために通気乾燥機を用いることができる。
【0022】
ニップ18から、ティッシュウェブ14は、移送コンベヤ20上に送られ、次に、粗い布地又は成形布地のような布地26に移送される。ティッシュウェブ14を移送コンベヤ20から布地26に移送するために、空気力を用いることができる。例えば、図1及び図2に示すように、吸引力を用いてウェブを布地上に移送するのを助けるために、真空ロール28を布地26に隣接して位置決めすることができる。吸引力は、ティッシュウェブの移送を助けるだけでなく、一部の実施形態では、ウェブ14を布地26に対して偏向させることもできる。本明細書で用いられる場合、用語「偏向」は、ウェブ内の繊維の少なくとも一部を再配向させるのに十分な力でティッシュウェブが対向する表面に対して付勢される工程を意味する。一部の実施形態では、この力は、ウェブを成形させて表面の形態に適合させるのに十分とすることができる。この工程によれば、布地に対するウェブの偏向は、真空ロール28に対して発生する場合があり、及び/又は布地26に沿った他の位置で起こる場合がある。更に、真空ロール28に加えて、固定真空シューのような他の真空装置を用いることができることを理解すべきである。
【0023】
有意な量の繊維分裂を作り出すために、一実施形態では、繊維26は、粗い布地を含むことができる。粗い布地の性質は、ウェブに印加された差動気圧又は他の偏向力に応答してウェブが屈曲することを可能にするために、湿潤ウェブが一部の区域で支持され、かつ他の区域では支持されないことを必要とするようなものである。本発明の目的に適切なこのような布地は、以下に限定されるものではないが、ウェブの実質的なz方向偏向を付与するのに十分なかなりの開口区域、又は3次元表面輪郭又は窪みを示す製紙布地を含む。このような布地は、単層、多層、又は複合透過性構造体を含む。好ましい布地は、以下の特性の少なくとも一部を有する。すなわち、(1)湿潤ウェブに接触している布地の側(上側)では、インチ当たりの機械方向(MD)ストランドの数(メッシュ)は、10から200であり、インチ当たりの機械交差方向(CD)ストランドの数(カウント)も、10から200である。ストランド直径は、典型的に0.050インチよりも小さい。(2)上側では、MDナックルの最高点とCDナックルの最高点の間の距離は、約0.001から約0.02又は0.03インチである。これらの2つのレベルの間には、湿潤成形段階中にシートに付与される3次元起伏外観を表面形態に与えるMD又はCDストランドのいずれかによって形成されたナックルの存在が可能である。(3)上側では、MDナックルの長さは、CDナックルの長さに等しいか又はそれよりも長い。(4)布地が多層構成に製造される場合、最下層は、ウェブ貫通の深さを制御して繊維保持を最大にするために最上層よりも細いメッシュのものであることが好ましい。更に、(5)布地は、典型的に2から50の縦糸毎に繰り返す目に心地よいある一定の幾何学形状パターンを示すように製造することができる。適切な市販の粗い布地は、以下に限定されるものではないが、「Asten 934」、920、52B、及び「Velostar V800」を含む「AstenJohnson」によって製造されるいくつかの布地を含む。
【0024】
図1及び図2に示すような真空ロール28によって発生される空気圧の量は、特定の用途及び望ましい結果に応じて変わる場合がある。一般的に、気体圧力は、少なくとも4インチHgのように、少なくとも1インチHg、少なくとも2インチHgとすることができる。この圧力は、例えば、約4インチHgから約20インチHgのように約1インチHgから約60インチHgまで変えることができる。
図1に示すように、布地26上に送られた後に、ティッシュウェブ14は、ウェブを最終乾燥度まで乾燥させるために、次に乾燥シリンダ48まで移送される。乾燥シリンダ48は、例えば、ヤンキー乾燥機とすることができる。
【0025】
一実施形態では、ウェブを乾燥機に付着させるために、接着剤をティッシュウェブ又は乾燥機に付加することができる。接着剤は、例えば、あらゆる適切な又は従来的に用いられている接着剤とすることができる。例えば、一実施形態では、ポリビニルアルコールを含有する接着剤を用いることができる。接着剤は、例えば、ウェブ上に噴霧することができる。図1に示すように、乾燥シリンダ48に付着した状態で、ティッシュウェブ14は、クレープブレード50を用いてシリンダからクレープが付けられる。ウェブのクレープ付けは、繊維分裂を更に引き起こしてウェブの嵩を増大させる働きをする。クレープ付けされた状態で、ティッシュウェブは、加工及びその後の包装のためにリール上に巻かれる。
図1の工程は、乾燥シリンダ及びクレープブレードの使用を示すが、あらゆる適切な乾燥装置を本発明で用いることができることを理解すべきである。例えば、一実施形態では、工程は、通気乾燥機を含むことができる。
【0026】
図2に戻って参照すると、上述のように、ティッシュウェブ14が圧縮ニップ18で脱水された後に、ティッシュウェブは、吸引力のような空気力を用いて、次に移送コンベヤ20から布地26に移送される。残念ながら、吸引力は、布地26へのウェブ14の移送を容易にし、かつウェブを布地に対して偏向させることもできるが、吸引力は、水を移送コンベヤ20からティッシュウェブ14内に引き戻してウェブを再濡れさせる傾向がある。しかし、本発明によれば、布地26への移送時に水がティッシュウェブ14を再濡れさせるのを実質的に阻止する移送コンベヤ20が選択される。
【0027】
例えば、一実施形態では、移送コンベヤ20は、移送中にティッシュウェブ14内への水の逆流を最小にするフェルトを含む。例えば、本発明によれば、移送フェルト20は、湿潤した状態で水を保持し、真空ロール28によって印加することができるような吸引力を受けた時でさえも水が放出されるのを防ぐように構成することができる。一実施形態の移送フェルトは、一方向の水を吸収するが、反対方向の水の流れを阻止する構成を有する「一方通行ア」のように作動すると考えることができる。
【0028】
移送フェルト20は、所望される特性をもたらすために様々な材料から様々な方法で構成することができる。一実施形態では、例えば、移送フェルト20は、小毛細管材料から製造される。例えば、フェルトは、小径繊維が組み込まれた不織布を含有することができる。小径繊維は、全フェルトの重量の約50%よりも大きいような約40%よりも大きな割合を占めることができ、一実施形態では、約60%よりも大きな割合を占めることができる。この繊維は、例えば、約1デニール又はそれ未満の直径を有することができる。あらゆる適切な繊維を使用してカーデッドナイロン繊維のようなフェルトを構成することができる。必要に応じて、フェルト及び/又は繊維は、湿潤剤で処理することができる。
【0029】
上述のようなフェルト材料は、望ましくは、本発明が本発明の工程における使用に十分に適切であることが見出されている様々な特性を有する。例えば、移送フェルト20は、約100μL/sよりも低いような約150μL/sよりも低い液体吸込み率(以下の実施例に説明するような)を有することができる。例えば、特定的な実施形態の移送フェルトは、湿潤時に約75μL/sよりも低い、更に約65μL/sよりも低い液体吸込み率を有する場合がある。移送フェルトの液体吸込み率は、一般的に、フェルト構造の空隙率、材料の毛細管張力及び/又は濡れ性に依存する。より低い吸込み率を有する材料は、湿潤した状態で水のような液体を放出する傾向が低い。
【0030】
吸込み率に加えて、移送フェルトの孔隙サイズはまた、材料からの液体の流出を阻止する材料の機能を示すことができる。本発明によって製造された移送フェルトは、例えば、約18ミクロンよりも小さいような約20ミクロンよりも小さな平均自由孔隙サイズ(以下の実施例に説明するような)を有することができ、一実施形態では、約15ミクロンよりも小さいとすることができる。移送フェルトはまた、約4.5ミクロンよりも小さいような約5ミクロンよりも小さな最小孔隙サイズを有することができる。1つの特定的な実施形態では、例えば、移送フェルトは、約4ミクロンよりも小さな最小孔隙サイズを有することができる。
【0031】
小毛細管材料から移送フェルトを構成する代わりに又はそれに加えて、フェルトはまた、強化した疎水性表面を有するように形成することができる。例えば、一実施形態では、フェルト材料は、上述の特性に到達するために疎水性材料で被覆することができる。疎水性コーティングはまた、例えば、様々な熱可塑性材料を含む様々なポリマー材料から製造することができる。また、疎水性サイズ剤をフェルトに付加することもできる。
【0032】
脱水コンベヤ16から移送コンベヤ20へのティッシュウェブ14の移送を助けるために、一実施形態では、移送コンベヤ20はまた、脱水コンベヤ16よりも滑らかな表面を有することができる。特に有利なことに、小毛細管材料で製造されたフェルト材料は、滑らかな表面を生成する傾向がある。
脱水コンベヤ16は、本発明によって様々な従来の材料から構成することができる。例えば、脱水コンベヤ16は、あらゆる適切なフェルト材料を含むことができる。しかし、1つの特定的な実施形態では、移送フェルト20に関して上述したような小毛細管材料を含有するフェルト材料から製造された脱水コンベヤ16を有する利点がある場合がある。一部の用途では、水のような液体を容易には放出しない材料から脱水コンベヤ16を構成する恩典があると考えられる。例えば、ある一定の用途では、ティッシュウェブの再濡れは、脱水コンベヤ16上でも起こる場合がある。
【0033】
図1に示す実施形態は、単に本発明によるティッシュ製造工程の1つの構成を表すに過ぎないことを理解すべきである。工程は、ティッシュウェブが形成される時に布地又はフェルトを含む更に多くのコンベヤを含むことができることを理解すべきである。実際に、ウェブの脱水は、移送コンベヤ20から上流で行うことができる。
本発明の工程は、全ての様々な種類のティッシュ製品を生成するのに特に十分に適している。ティッシュ製品は、例えば、約6gsmから約120gsmの坪量を有することができる。本発明によって生成することができるティッシュ製品は、ペーパータオル、工業用ワイプ、及び様々な製品を含む。
【0034】
本発明の1つの特定的な実施形態では、この工程は、顔面用ティッシュ又は浴用ティッシュを生成するのに用いられる。顔面用ティッシュウェブ又は浴用ティッシュウェブは、例えば、約10gsmから約20gsmまでのような約6gsmから約45gsmまでの坪量を有することができる。最終製品は、単一層を含むことができ、又は複数層(2から3層)を含むことができる。
本発明は、以下の実施例を参照して更に良く理解することができる。
【実施例1】
【0035】
以下のフェルト製品、すなわち、Albany製「Advantech(登録商標)」、Weavex製「Millennium(登録商標)」、Weavex製「Hyperpunch(登録商標)」、及びAstenJohnson製「Helix(登録商標)」が、最小孔隙サイズ、最大孔隙サイズ、平均自由孔隙サイズ(MFP)、及び空隙率に関して試験及び比較された。上述のフェルトのうちで、Albany製「Advantech(登録商標)」フェルトは、本発明による用途に必要な特性及び特質を保有している。過去において、このフェルト製品は、事務用品のような高圧縮紙を製造するための工程で用いられていたと考えられる。この実施例の目的は、Albany製「Advantech(登録商標)」フェルトの特質を過去にティッシュ製造工程に用いられた他の従来のフェルトの特質と比較することである。
【0036】
以下は、試験方法の説明である。
試験サンプルは、低表面張力液体で完全に湿潤している。次に、サンプルは、空気圧がサンプルの一方の側に印加されるポロメータ内に置かれる。空気圧は、ゆっくりと上げられる。最初に、全ての孔隙が流体で満たされるという事実に起因して、サンプルの他方の側では流れが検出されることはない。最終的に、圧力が増大する時に、最大孔隙内の毛細管力が圧倒される。それによって、空気が通過することができることになり、結果として検出側の流量に変化を生じる。この点は、サンプルの泡立ち点として公知である。徐々に、空気圧は増加し、より小さな孔隙を脱水させ、より多くの空気を貫流させる。この結果が、流量対印加圧力の関係である。実行の最後に、サンプルは完全に脱水し、同じ圧力範囲にわたって再度試験して乾燥曲線を生成する。
【0037】
所定の圧力で開口する孔隙直径は、定常状態での孔隙の毛細管張力と重力の間の平衡から求めることができる。
2πrγcosθ=r2πρgh
ここで、rは、毛細管の半径であり、γは、湿潤流体の表面張力であり、θは、流体と毛細管壁の間の接触角であり、ρは、流体の密度であり、gは、重力加速度であり、hは、毛細管内の流体の柱の高さである。
これは、孔隙を空にするのに必要な圧力(P)に水圧ヘッドを変換することができ、毛細管半径の2倍が直径(D)に等しいので、ウォッシュバーン方程式に変形されることになる。
4γcosθ=PD
【0038】
「Coulter Porofil」(フッ素化炭化水素)は、湿潤剤として用いられる。この流体は、極度に湿潤であり、殆どの材料の孔隙構造全体を飽和させ、ゼロ接触角をもたらす。従って、上述の方程式を変形して直径に関して解くことができる。
D=4γ/P
この方程式は、毛細管(すなわち、孔隙)が本質的に円筒型であると仮定していることに注意されたい。
【0039】
機器
・1インチ直径フィルタホルダアセンブリが設置された「Coulterポロメータ」
・最も細かく0.0001グラムまで読むことができる天秤
・サンプルホルダ
・プラテンを備えた厚み試験器
・フェルトサンプルの上面の上方の流体を保持することができる小さなステンレス鋼計量皿
・「Coulter(登録商標)Porofil」湿潤流体
・サンプルを操作するピンセット又は均等物
【0040】
機器設定
湿潤流体:Porofil
サイズ係数:0.64
一連の孔隙サイズ(直径)
最小:典型的に2から4μmの間であり、サンプル依存する*
最大:200μm
「Cal Size」(他の流体):1.00
データ平滑化:オフ
*注:選択された最小直径が正しいことを検証するために、試行実験を以下の段階を用いて各サンプルについて完了させるべきである。
【0041】
サンプル調製:
1’’直径の円形金型を用いて、試験される各フェルトから3つのサンプルを切り取る。金型が、全体にわたって切り取り、かつサンプルから繊維を除去しないように注意する。
試験手順
1.サンプルホルダ(支持構造体に接続した4つの突起)を天秤上に置き、読取値を写し取る。
2.サンプルの重量をグラムで記録する。
3.サンプルの厚みをミリメートルで記録する。
4.サンプルを飽和させるのに十分な量の「Coulter(登録商標)Porofil」(約5ミリメートルの深さ)を計量皿内に注ぐ。この皿が、試験される各サンプルに対して十分に満たされたままであることに注意する。
5.サンプルをPorofil流体内に置き、泡が見られなくなるまで浸しておく(約30秒から1分)。
6.サンプルをPorofil流体から取り出す。過剰流体を自然に排出させる。サンプルを作業台上部と平行に保つ。側部構造体の早期脱水を引き起こす場合があるので、決して傾けて排出しない。
7.サンプルをサンプルホルダ上に置き、重量を記録する。
8.全ての孔隙が満たされることを保証するために、サンプルをPorofil内に戻して入れる。段階6のように自然に排出する。
9.サンプルをフィルタアセンブリに入れる。早期脱水の可能性を低下させるために、サンプルをアセンブリに入れるのに用いる力の量を最小にする。
10.フィルタアセンブリOリングを短期間湿潤流体に入れる。
11.Oリングの縁部がフィルタアセンブリの内径と接触するように、サンプルの上部の上にOリングの中心を合わせる。
12.フィルタアセンブリキャップをアセンブリの下部部分上にネジで留める。Oリングが適正にキャップの底部部分を密封するように注意する。
13.サンプルに対する適正な設定値が設定されていること、及び「全」ウインドウが選択されていることを確認する。既存のデータがある場合、「リセット」ボタンを押すように注意する。
14.試験を開始する。ポロメータは、選択された圧力(直径)範囲内の湿潤状態のサンプルを試験し、次に、乾燥サンプルで試験を繰り返すことになる。
15.試験が完了すると、ポロメータは、データをマイクロプロセッサに転送することになる。ポロメータからの表形式の結果を表示するために、「分布」ボタンを押す。これは、最小、最大、及び平均流量孔隙サイズを提供することになる。
16.フィルタアセンブリからサンプルを取り出す。
17.各残りのサンプルについて、段階3から段階17を繰り返す。
【0042】
結果の収集
ポロメータは、湿潤及び乾燥曲線の両方に対して選択された圧力範囲全体にわたって256データ点(圧力及び流量)を収集する。圧力上昇中に最初に検出可能な流量は、泡立ち点と呼ばれ、サンプル中に見られる最大孔隙サイズを示している。最大直径は、最小圧力で見出され、逆もまた同じであることに注意されたい。
最小孔隙サイズは、湿潤流量がその最大値の98%に到達する圧力によって求められる。
最後に、平均流量孔隙サイズ又はMFPは、(50%×乾燥流量)によって与えられる曲線が湿潤流量曲線と交差する圧力値に対応している。
【0043】
結果
得られた結果は、以下の表に示されている。各サンプルについて、3回の反復を完了させた。最小孔隙サイズ、最大孔隙サイズ、平均自由孔隙サイズ(MFP)、及び空隙率が示されている。










【0044】
(表)

【0045】
収集された結果によれば、Albany製フェルトが、最も締まった孔隙構造を有していた。
【実施例2】
【0046】
上述のように試験された同じフェルト製品は、次に、それらの流体吸込み率について試験及び比較された。この実施例では、Albany製フェルトの特性が、残りのフェルトの特性と再度比較された。
以下は、流体吸込み率試験の説明である。本明細書で用いられる場合、流体吸込み率試験とは、サンプルが湿潤した後に測定されるものである。
Kruss製「液滴形状分析装置(DSA)」は、所定の基板表面上に流体液滴を配分してその特性を測定する高速デジタルビデオカメラ及び自動流体送出システムを使用している。このビデオキャプチャーシステムから、液滴の吸込み率及び接触角を測定することができる。
【0047】
吸込み率は、所定の構造体内への流体吸収の相対的容易さを判断するのに用いることができる。吸込み率は、湿潤材料の空隙率、孔隙サイズ分布、及び表面エネルギに依存する。この試験に対して、サンプルは、表面エネルギの効果を排除するために予め湿潤された。従って、接触角を測定する必要はない。この構成において、吸込み率は、フェルトの上面上の孔隙構造の相対的指示をもたらすことになる。
【0048】
機器
Kruss製「液滴形状分析装置型式DSA10」(計器+コンピュータ)
取外し可能PTFE−チューブを備えたKruss製「NE 43」シリンジ先端
機器設定
ターゲット容積:14.1μL
送出率:10μL/分
N番目フレーム毎の収集:2(120fps)
収集時間:10秒(全部で1200フレーム)
試験流体:脱イオン水
XYZ台は、それが流体送出針の下に中心に置かれるように調節すべきである。台の高さは、サンプルの最上部がビデオウインドウ内に見えるが台は見えないように調節すべきである。XYZ台の最上部と流体送出針の間の距離は、7mmとすべきである。
【0049】
サンプル調製
1.試験されるフェルトから1.5cm×1.5cm(大体の値)正方形を切り取る。フェルトの様々な部分から約10サンプルを切り取る。切り取ったサンプルからの繊維の不測の除去を回避するために、頑丈なはさみを使用する。
2.各サンプルを脱イオン水浴に入れる(順番に)。サンプルを少なくとも15分であるが30分を超えない時間にわたって自然に浸漬する。
3.試験の前に、過剰水を除去するために各サンプルを30秒間吸い取り紙の乾燥片上に置く。
【0050】
試験手順
1.浸漬トレイからサンプルを取り出す。サンプルを30秒間吸い取ることによって過剰流体を除去する。
2.サンプルの中心を流体送出針の下に置く。サンプルがフレーム取込み器(FG)ウインドウ内に正しく位置決めされていることを確認する。
3.DSAプログラムウインドウ上の「記録」ボタンを押す。ビデオは、一時停止することになる。
4.サンプルに流体を放出する。流体送出が始まると、ビデオウインドウは、記録を開始することになる。
5.完了した時に映像を保存する。
6.映像を開く。
7.液滴が最初にフェルトの表面に接触した時間(ミリ秒)をt0として求める。
8.液滴が可視である最後のフレームを求める。その時間(ミリ秒)をt1として記録する。
9.サンプルを取り出し、必要に応じて繰り返す。
【0051】
結果
各反復に対する吸込み時間は、以下の式を用いて計算される。
intake=t1−t0
各コードに対する平均吸込み時間を記録する。次の結果が得られた。
【0052】
(表)

【0053】
この結果はまた、図3に図式的に示されている。図3に示すように、Albany製フェルトは、従来のフェルトよりも遥かに低い流体吸込み率を有していた。
【0054】
本発明に対するこれら及び他の修正及び変形は、特許請求の範囲に更に具体的に示す本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、当業者によって実施することができる。更に、様々な実施形態の態様は、全体的又は部分的のいずれでも入れ替えることができることを理解すべきである。更に、当業者は、以上の説明が単に例示的であり、特許請求の範囲に更に説明する本発明の限定を意図しないことを認めるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明によって製造された工程の一実施形態の側面図である。
【図2】図1に示すような移送コンベヤから布地へのティッシュウェブの移送の部分分解組立側面図である。
【図3】本明細書の実施例で得られた結果の図式表示を示す図である。
【符号の説明】
【0056】
12 形成布地
14 ティッシュウェブ
16 脱水コンベヤ
18 圧縮ニップ
20 移送コンベヤ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ティッシュ製品を生成する方法であって、
湿潤ウェブを形成するために、形成布地上に製紙繊維の水性懸濁液を堆積させる段階と、
前記湿潤ウェブを少なくとも約30%の密度まで脱水する段階と、
前記脱水ウェブを約150μL/sよりも低い吸込み率を有する移送フェルト上に搬送する段階と、
前記ウェブを前記移送フェルトから前記布地に移送し、該布地に向けて該ウェブを偏向させる段階と、
前記ウェブを乾燥用ドラム上に搬送し、該ドラムから該ウェブにクレープを付ける段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記移送フェルトは、100μL/sよりも低い、例えば75μL/sよりも低い、例えば65μL/sよりも低い吸込み率を有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記移送フェルトは、約20ミクロンよりも小さい平均自由孔隙サイズを有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記移送フェルトは、15ミクロンよりも小さいような約18ミクロンよりも小さい平均自由孔隙サイズを有し、かつ4ミクロンよりも小さいような約4.5ミクロンよりも小さい最小孔隙サイズを有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記移送フェルトは、約5ミクロンよりも小さい最小孔隙サイズを有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記湿潤ウェブは、圧縮ニップを通過させられることによって脱水されることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記湿潤ウェブを前記形成布地から脱水用フェルトに移送する段階を更に含み、前記圧縮ニップは、該脱水用フェルトと前記移送フェルトの間に位置していることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記移送フェルトは、疎水性材料で被覆したフェルト材料を含むことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記ウェブは、脱水された後に約30%から約70%の密度を有することを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記ウェブの前記密度は、該ウェブが前記移送フェルトから前記布地に移送される時に、2%よりも多くない、例えば1%よりも多くない量だけ減少することを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
最終乾燥ウェブは、約10から約25gsmの坪量を有することを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
最終乾燥ウェブは、約30から約80gsmの坪量を有することを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記布地に対する吸引力を使用して、前記ウェブを前記移送フェルトから移送し、かつ該ウェブを該布地に向けて偏向させることを特徴とする請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
ティッシュ製品を生成するためのシステムであって、
製紙繊維を含む湿潤ウェブを受け取るための脱水用フェルトと、
約150μL/sよりも低い吸込み率を有する、前記脱水用フェルトから前記ウェブを受け取るための移送フェルトと、
前記脱水用フェルトと前記移送フェルトの間に位置して、該移送フェルトに移送される前に前記ウェブを脱水する圧縮ニップと、
前記移送フェルトから前記脱水ウェブを受け取るための布地と、
を含み、
前記布地は、前記ウェブを前記移送フェルトから該布地に移送しかつ該ウェブを該布地に向けて偏向させるための吸引力と連通しており、
前記ウェブを受け取るために前記布地から下流に位置決めされた乾燥用ドラム、
を更に含み、
前記乾燥用ドラムは、該ドラムから前記ウェブにクレープを付けるためのクレープブレードを含む、
ことを特徴とするシステム。
【請求項15】
前記移送フェルトは、約100μL/sよりも低い、例えば75μL/sよりも低い、例えば65μL/sよりも低い吸込み率を有し、約20ミクロンよりも小さい、例えば18ミクロンよりも小さい、例えば15ミクロンよりも小さい平均自由孔隙サイズを有し、かつ約5ミクロンよりも小さい、例えば4.5ミクロンよりも小さい、例えば4ミクロンよりも小さい最小孔隙サイズを有することを特徴とする請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記移送フェルトは、疎水性材料で被覆したフェルト材料を含むことを特徴とする請求項14又は請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記脱水用フェルトから上流に位置決めされたヘッドボックス及び形成布地を更に含み、該ヘッドボックスは、前記湿潤ウェブを形成するために該形成布地上に製紙繊維の水性懸濁液を堆積させるように構成されていることを特徴とする請求項14、請求項15、又は請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記圧縮ニップは、圧縮ロールに対向した位置決めされた吸引ロールを含むことを特徴とする請求項14、請求項15、請求項16、又は請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記圧縮ニップは、圧縮ロールに対向して位置決めされた固定シュー含むことを特徴とする請求項14、請求項15、請求項16、請求項17、又は請求項18に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2008−524457(P2008−524457A)
【公表日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−546637(P2007−546637)
【出願日】平成17年9月21日(2005.9.21)
【国際出願番号】PCT/US2005/033793
【国際公開番号】WO2006/068678
【国際公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【出願人】(504460441)キンバリー クラーク ワールドワイド インコーポレイテッド (396)
【Fターム(参考)】