説明

湿式排煙脱硫装置およびそれを備えた火力発電プラント

【課題】脱硫装置からのHgの再放出を防止し、回収した石膏の高純度化、工業用水の使用量を低減することができる湿式排煙脱硫装置を提供する。
【解決手段】排ガス1が水銀を含んでおり、脱硫装置本体3aのガス流れ方向上流側に、吸収液スラリ6を貯留する循環タンク20を有する上流側吸収塔と、上流側吸収液スプレノズル7と、循環タンク20内に補給水18を供給して、循環タンク20内の吸収液6の塩素イオン濃度を50,000ppm以上に維持する補給水供給手段31を備えたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に火力発電プラントなどに用いられる湿式排煙脱硫装置に係り、特に排ガスなどの被処理ガス中に含まれている硫黄酸化物(SOx)や水銀(Hg)などを除去する吸収塔を備えた湿式排煙脱硫装置(以下、脱硫装置と略記する)に関するものである。
【背景技術】
【0002】
大気汚染を防止するため、工場、製鉄所、化学プラントおよび火力発電設備などに設置されている、ボイラ装置等の燃焼設備から排出される排ガス中のSOxなどを除去する装置として、湿式石灰石−石膏法脱硫装置が広く実用化されている。
【0003】
図6は、石炭を燃料として用いる火力発電用ボイラプラントの概略構成図である。
同図に示すように、この種の火力発電用ボイラプラントは、主にボイラ装置13、脱硝装置14、空気予熱器15、電気集塵装置16ならびに脱硫装置3などから構成されている。
【0004】
前記ボイラ装置13は、石炭25を燃焼することによって排ガスを生成する。前記脱硝装置14では、ボイラ装置13から排出された排ガスに含まれている窒素酸化物(NOx)を分解する。
【0005】
この脱硝装置14で処理されたガスの温度を空気予熱器15で160〜200℃に調整し、電気集塵装置16で排ガス中の煤塵を除去する。徐塵された排ガスは前記脱硫装置3でSOxなどが除去されて、煙突29から大気中に放出される。
【0006】
図5は、従来の脱硫装置3の概略構成図である。
同図に示すように、この脱硫装置3は、主に吸収液スプレノズル4、吸収液循環ポンプ5、ミストエリミネータ8、酸化用ガス供給部9、攪拌機10などから構成されている。
【0007】
前記吸収液スプレノズル4から噴霧される石灰石スラリからなる吸収液6と排ガス1を気−液接触することにより、排ガス1中の煤塵や塩化水素(HCl)、フッ化水素(HF)などの酸性ガスとともに、SOなどのSOxが吸収、除去される。
【0008】
吸収されたSOは亜硫酸となり、亜硫酸の濃度が高くなるとSOの吸収効率は低下する。このため酸化用ガス供給部9から空気などの酸化用ガス27を供給することで亜硫酸を酸化して、石膏とすることにより、SOの吸収性能は回復する。石膏を含む吸収液6は図示しない脱水機に供給され、石膏として脱硫装置3から取り出される。
なお、図中の符号2は脱硫装置出口排ガス、11は吸収液溜め部、26は脱硫吸収部である。
【0009】
この種の排ガス処理装置として、例えば下記特許文献1〜4などを挙げることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2010−269277号公報
【特許文献2】特開平5−337331号公報
【特許文献3】特開2005−125261号公報
【特許文献4】特開2006−136856号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
石炭の燃焼排ガス中に含まれているHgを従来の脱硫装置で除去した場合、吸収液6中のHg濃度が徐々に増加する。従来の技術では、吸収したHgが石膏側に移行する場合がある点については配慮がされておらず、石膏側のHg濃度が増加すると、石膏の品質が低下するため、石膏をリサイクルして使用することが困難になる問題があった。
【0012】
また従来の技術では、排ガス中にHgが再放出してしまう点については配慮がされておらず、出口排ガスの規制値を守ることができなくなるという問題があった。
【0013】
さらに、脱硫装置では入口排ガスを冷却するときに、吸収液が蒸発するため、補給水が必要となる点については配慮がされておらず、工業用水の限られた地域では補給水として造水装置から生成した淡水を用いるため、コストが高くなるという問題があった。
【0014】
造水方法として、多段フラッシュ法や膜分離法などがある。何れの方法でも、Clイオンの濃度が低下した淡水化液以外に、50,000〜60,000ppm程度のClイオンを含む濃縮水が排出される。しかし、Clイオンの濃縮水は利用する場所が無いため、そのまま海に排出されることが多い。この濃縮水を脱硫装置の省水化に利用できれば、さらにシステム全体の効率を高めることができる。
【0015】
本発明の目的は、このような背景においてなされたもので、脱硫装置からのHgの再放出を防止し、回収した石膏の高純度化、工業用水の使用量を低減することができる湿式排煙脱硫装置およびそれを備えた火力発電プラントを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
前記目的を達成するため、本発明の第1の手段は、
下部に吸収液スラリを貯留する循環タンクを有する吸収塔と、
その吸収塔の内部に設置されて例えば石灰石スラリなどの吸収液スラリを噴霧する吸収液スプレノズルと、
前記循環タンクに貯留されている前記吸収液スラリに酸化用ガスを供給する酸化用ガス供給部を備え、
前記吸収塔内に導入されたイオウ化合物を含む被処理ガスと前記吸収液スプレノズルから噴霧された吸収液スラリを気−液接触させて、被処理ガス中のイオウ化合物を吸収液スラリで吸収する脱硫装置本体を有する湿式排煙脱硫装置において、
前記被処理ガスが水銀を含んでおり、
前記脱硫装置本体の前記被処理ガスの流れ方向上流側に、
吸収液スラリを貯留する循環タンクを有する上流側吸収塔と、
その上流側吸収塔の内部に設置されて吸収液スラリを噴霧する上流側吸収液スプレノズルと、
前記循環タンク内に補給水を供給して、その循環タンク内の吸収液の塩素イオン濃度を50,000ppm以上に維持する例えば海水供給用ポンプなどの補給水供給手段を備えたことを特徴とするものである。
【0017】
本発明の第2の手段は前記第1の手段において、
前記補給水が海水であることを特徴とするものである。
【0018】
本発明の第3の手段は前記第1の手段において、
前記補給水が、濃縮水製造装置から得られた塩素イオンの濃縮水であることを特徴とするものである。
【0019】
本発明の第4の手段は前記第3の手段において、
前記濃縮水製造装置が海水から水を得る淡水装置であって、その淡水装置から得られた水を、前記被処理ガスと吸収液の反応によって得られた石膏の洗浄水として用いる構成になっていることを特徴とするものである。
【0020】
本発明の第5の手段は前記第1の手段において、
前記上流側吸収液スプレノズルと前記脱硫装置本体の間に上流側ミストエリミネータを設け、その上流側ミストエリミネータで得られた捕集液を前記上流側吸収塔に戻す構成になっていることを特徴とするものである。
【0021】
本発明の第6の手段は、
ボイラ装置と、
そのボイラ装置から排出された排ガス中のイオウ化合物を除去する湿式排煙脱硫装置を備えた火力発電プラントにおいて、
前記湿式排煙脱硫装置が前記第1ないし第5のいずれかの手段の湿式排煙脱硫装置であることを特徴とするものである。
【0022】
本発明の第7の手段は前記第6の手段において、
前記湿式排煙脱硫装置の排ガス流れ方向上流側に脱硝装置が設けられていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0023】
本発明は前述のような構成になっており、脱硫装置からのHgの再放出を防止し、回収した石膏の高純度化、工業用水の使用量を低減することができる湿式排煙脱硫装置およびそれを備えた火力発電プラントを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の第1実施形態に係る湿式排煙脱硫装置の概略構成図である。
【図2】本発明の第2実施形態に係る湿式排煙脱硫装置の概略構成図である。
【図3】吸収液溜め部に溜まっている吸収液中のClイオン濃度と吸収液中のHgの割合との関係を示す特性図である。
【図4】吸収液溜め部に溜まっている吸収液中のClイオン濃度とHgの再放出濃度との関係を示す特性図である。
【図5】従来の湿式排煙脱硫装置の概略構成図である。
【図6】石炭を燃料として用いる火力発電用ボイラプラントの概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
次に本発明の実施形態を図面とともに説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る湿式排煙脱硫装置の概略構成図である。
【0026】
同図に示すように、この脱硫装置の脱硫装置本体3aは主に、吸収液6を噴霧する吸収液スプレノズル4、吸収液循環ポンプ5、吸収液6、ミストエリミネータ8、酸化用ガス供給部9、攪拌機10から構成されており、符号11の領域が吸収液溜め部、符号26の領域が脱硫吸収部となっている。
【0027】
この脱硫装置本体3aの排ガス流れ方向上流側に、上流側吸収液スプレノズル7、吸収液循環ポンプ17、上流側循環タンク20、上流側ミストエリミネータ35、海水供給用ポンプ31などが設置されている。
【0028】
前記上流側循環タンク20には石灰石スラリからなる吸収液6が貯留されているが、海水供給用ポンプ31を用いて海水30を補給水18として供給し、上流側循環タンク20内の吸収液6中のClイオン濃度を50,000ppm以上となるように、上流側循環タンク20内の吸収液6の排出量を調整する。海水30中のClイオン濃度は、通常、16,000〜30,000ppm程度である。
【0029】
Clイオン濃度が50,000ppm以上に調整された吸収液6が吸収液循環ポンプ17で上流側吸収液スプレノズル7へ送られ、上流側吸収液スプレノズル7から噴霧することにより、脱硫装置入口排ガス1と吸収液6の気−液接触がなされる。
【0030】
脱硫装置入口排ガス1中には、塩化水素(HCl)やフッ化水素(HF)などの酸性ガス、あるいはSOなどのSOxを含んでいるため、前述の気−液接触により吸収液6のpH値が低下する。そのため吸収液6のpH値が規定値(本実施形態ではpH値=2.0〜6.5)以下に下がると、炭酸カルシウムなどのアルカリ剤19を上流側循環タンク20内に低下して、吸収液6を中和する。
【0031】
この中和反応で生成した亜硫酸は酸化用ガス(本実施形態では酸化用空気)27との接触で酸化されて、石膏を生成する。石膏を含む吸収液6の一部は図示しない脱水機に送られて、石膏として脱硫装置3から取り出される。
【0032】
前記抜き出される吸収液6以外の吸収液6は吸収液循環ポンプ17により再循環され、上流側吸収液スプレノズル7から再び脱硫装置入口排ガス1に噴霧される。
【0033】
この脱硫装置入口排ガス1中の金属水銀(Hg)は脱硝装置14(図6参照)で酸化され、2価の水銀(Hg2+)として上流側吸収液スプレノズル7に供給される。この2価の水銀(Hg2+)を吸収するのに必要な吸収液6の流量はSOを吸収するのに必要な吸収液6の流量に比べて約1/10以下と、少なくてよい。
【0034】
排ガス1中の2価の水銀(Hg2+)は吸収液6に吸収された後、上流側循環タンク20の吸収液溜め部11に溜まるが、生成した石膏と反応して硫酸水銀(HgSO)などの形態で固定化される。
【0035】
図3は、前記吸収液溜め部11に溜まっている吸収液中のClイオン濃度(横軸)と吸収液中のHg(縦軸)の割合との関係を示す特性図である。
【0036】
この図から明らかなように、吸収液中のClイオン濃度が50,000〜100,000ppmと高くなると、例えばHgClやHgCl2−などの高次クロロ錯体となるため、吸収液溜め部11中の水銀(Hg2+)濃度は高くなる。このため、上流側循環タンク20で生成した石膏中にはほとんど金属水銀(Hg)は存在しておらず、回収後の石膏の純度を高めることができる。
【0037】
図4は、前記吸収液溜め部11に溜まっている吸収液中のClイオン濃度(横軸)とHgの再放出濃度(縦軸)との関係を示す特性図である。
【0038】
この図から明らかなように、吸収液中のClイオン濃度が50,000〜100,000ppmと高くなると、Hgの再放出濃度は低くなる。これは前述のような高次クロロ錯体が生成し、吸収液中のHgが安定することで、Hgが再放出するのを防止できるためである。
【0039】
また、脱硫装置3の吸収液6中のClイオン濃度が増加すると、SOなどのSOxの除去率が低下することが分かっている。上流側吸収液スプレノズル7で脱硫装置入口排ガス1中に含まれているClイオン濃度(約30ppm)を除去できるため、脱硫装置3の吸収液6中のClイオン濃度が増加するのを防止でき、脱硫装置3でのSOなどのSOxの除去率を高めることが可能である。
【0040】
さらに、上流側ミストエリミネータ35を設置することで、上流側吸収液スプレノズル7から飛散した液滴を捕集し、その捕集液36を上流側循環タンク20に戻すため、飛散した高濃度のClイオン濃度を含む液滴が脱硫装置本体3aに導入されることを防止している。
【0041】
図1に示すように海水30を海水供給用ポンプ31で汲み上げて補給水18として上流側循環タンク20に供給し、その上流側循環タンク20から汲み上げられた吸収液6が上流側吸収液スプレノズル7から噴霧される。
【0042】
この上流側吸収液スプレノズル7入口のガス温度は90〜160℃であり、上流側吸収液スプレノズル7中を流れる吸収液6は50〜55℃となる。吸収液6と気−液接触した際にこの温度差のため、吸収液6の水分が蒸発し、排ガスの温度も50〜55℃になるまで冷却される。この冷却された状態で脱硝装置3に供給され、脱硝装置3の吸収液温度も50〜55℃であるため、ガスと液の間で温度差がなく、脱硝装置3での吸収液6の水分蒸発は殆ど生じない。
【0043】
例えば、ガス流量が3,000,000mN/hで、ガス温度が135℃の排ガスを処理する脱硫装置3では、蒸発する水の量が約140t/hとなるが、補給水18として上流側循環タンク20に海水30を供給することで、蒸発で補給が必要となる工業用水の量分、省水化を図ることができる。
【0044】
図2は、本発明の第2実施形態に係る湿式排煙脱硫装置の概略構成図である。
本実施形態において前記第1実施形態と相違する点は、海水供給用ポンプ31と上流側循環タンク20の系統上に造水装置(濃縮水製造装置)32を設置した点である。
【0045】
この造水装置32の造水方法として、例えば多段フラッシュ法あるいは膜分離法などが適用される。何れの方法でも造水装置32から、Clイオン濃度の低い淡水33と、50,000〜60,000ppmの高濃度のClイオンを含む濃縮液34が得られる。
【0046】
このClイオンの濃縮液34は上流側循環タンク20に補給水18として供給され、その上流側循環タンク20の吸収液6を上流側吸収液スプレノズル7から脱硫装置入口排ガス1に噴霧することにより、前記第1実施形態の海水30と同様にHgの再放出の防止、石膏の高純度化、工業用水の使用量の低減を図ることができる。
なお、前記淡水33は、図示していない石膏の脱水工程での石膏の洗浄水など他の用途に使用される。
【0047】
本発明によれば、脱硫装置本体3aの排ガス流れ方向上流側に上流側吸収液スプレノズル7と上流側循環タンク20を設け、その上流側循環タンク20に補給水18を供給して、吸収液6中のClイオン濃度を50,000ppm以上にして、脱硫装置入口排ガス1に噴霧することができる。
【0048】
そのため、脱硫装置からのHgの再放出が防止でき、脱硫装置から回収される石膏の純度を高めることができる。
また、前記上流側循環タンク20の補給水18として、海水30や造水装置32から得られるClイオンの濃縮液34を利用できるので、脱硫装置での吸収液6の蒸発が防止でき、工業用水の使用量の低減が図れる。
さらに、脱硫装置の吸収液6中のClイオン濃度の増加が防止できるので、脱硫性能の低下が抑制可能であるなどの効果が奏される。
【0049】
本実施形態では、SOxの吸収剤として石灰石を用いたが、SOxの吸収剤として石灰を用いることもできる。
本実施形態では、湿式排煙脱硫装置を火力発電プラントに適用した例を示したが、本発明に係る湿式排煙脱硫装置は例えば各種工場、製鉄所ならびに化学プラントなど他の技術分野での燃焼設備にも適用可能である。
【符号の説明】
【0050】
1・・・脱硫装置入口排ガス、2・・・脱硫装置出口排ガス、3・・・脱硫装置、3a・・・脱硫装置本体、4・・・吸収液スプレノズル、5・・・吸収液循環ポンプ、6・・・吸収液、7・・・上流側吸収液スプレノズル、8・・・ミストエリミネータ、9・・・酸化用ガス供給部、11・・・吸収液溜め部、13・・・ボイラ装置、14・・・脱硝装置、17・・・吸収液循環ポンプ、18・・・補給水、20・・・上流側循環タンク、25・・・石炭、27・・・酸化用ガス、30・・・海水、31・・・海水供給ポンプ、32・・・造水装置(濃縮水製造装置)、33・・・淡水、34・・・塩素イオンの濃縮水、35・・・上流側ミストエリミネータ、36・・・捕集液。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下部に吸収液スラリを貯留する循環タンクを有する吸収塔と、
その吸収塔の内部に設置されて吸収液スラリを噴霧する吸収液スプレノズルと、
前記循環タンクに貯留されている前記吸収液スラリに酸化用ガスを供給する酸化用ガス供給部を備え、
前記吸収塔内に導入されたイオウ化合物を含む被処理ガスと前記吸収液スプレノズルから噴霧された吸収液スラリを気−液接触させて、被処理ガス中のイオウ化合物を吸収液スラリで吸収する脱硫装置本体を有する湿式排煙脱硫装置において、
前記被処理ガスが水銀を含んでおり、
前記脱硫装置本体の前記被処理ガスの流れ方向上流側に、
吸収液スラリを貯留する循環タンクを有する上流側吸収塔と、
その上流側吸収塔の内部に設置されて吸収液スラリを噴霧する上流側吸収液スプレノズルと、
前記循環タンク内に補給水を供給して、その循環タンク内の吸収液の塩素イオン濃度を50,000ppm以上に維持する補給水供給手段を備えた
ことを特徴とする湿式排煙脱硫装置。
【請求項2】
請求項1に記載の湿式排煙脱硫装置において、
前記補給水が海水であることを特徴とする湿式排煙脱硫装置。
【請求項3】
請求項1に記載の湿式排煙脱硫装置において、
前記補給水が、濃縮水製造装置から得られた塩素イオンの濃縮水であることを特徴とする湿式排煙脱硫装置。
【請求項4】
請求項3に記載の湿式排煙脱硫装置において、
前記濃縮水製造装置が海水から水を得る淡水装置であって、その淡水装置から得られた水を、前記被処理ガスと吸収液の反応によって得られた石膏の洗浄水として用いる構成になっていることを特徴とする湿式排煙脱硫装置。
【請求項5】
請求項1に記載の湿式排煙脱硫装置において、
前記上流側吸収液スプレノズルと前記脱硫装置本体の間に上流側ミストエリミネータを設け、その上流側ミストエリミネータで得られた捕集液を前記上流側吸収塔に戻す構成になっていることを特徴とする湿式排煙脱硫装置。
【請求項6】
ボイラ装置と、
そのボイラ装置から排出された排ガス中のイオウ化合物を除去する湿式排煙脱硫装置を備えた火力発電プラントにおいて、
前記湿式排煙脱硫装置が請求項1ないし5のいずれか1項に記載の湿式排煙脱硫装置であることを特徴とする火力発電プラント。
【請求項7】
請求項6に記載の火力発電プラントにおいて、
前記湿式排煙脱硫装置の排ガス流れ方向上流側に脱硝装置が設けられていることを特徴とする火力発電プラント。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−39511(P2013−39511A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−176962(P2011−176962)
【出願日】平成23年8月12日(2011.8.12)
【出願人】(000005441)バブコック日立株式会社 (683)
【Fターム(参考)】