説明

溝蓋及び溝蓋の製造方法

【課題】人が触れる可能性のある溝蓋の上面側における抗菌、抗かび、防臭及び防汚を行うことが可能な溝蓋及びその溝蓋の製造方法を提供する。
【解決手段】この溝蓋は、排水を排水溝へ流下させるための開口部を有する溝蓋本体と、溝蓋本体上に設置された滑り止め部材3とを備えている。そして、滑り止め部材3は、排水が透過可能な複数の空隙3cを内部に有するとともに凹凸状の上面を有し、滑り止め部材3の上面を覆うように光触媒層4が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排水溝の上部を覆う溝蓋及びその溝蓋の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、排水溝の上部を覆う溝蓋が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1に開示された溝蓋では、その排水溝の内部に面する下面側に光触媒が溶射されている。これにより、特許文献1では、光触媒による酸化作用、臭気物質及び有機物の分解作用等を利用して、排水溝内の抗菌、抗かび、防臭及び防汚を行うことが示されている。
【特許文献1】特開2004−339813号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に開示された溝蓋では、排水溝内に面する下面側に光触媒が溶射されているので、光触媒によって排水構内の抗菌、抗かび、防臭及び防汚を行うことは可能であるが、人が触れる可能性のある溝蓋の上面側における抗菌、抗かび、防臭及び防汚を行うのは困難である。
【0005】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、人が触れる可能性のある溝蓋の上面側における抗菌、抗かび、防臭及び防汚を行うことが可能な溝蓋及びその溝蓋の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の溝蓋は、排水溝の上部を覆う溝蓋であって、排水を排水溝へ流下させるための開口部を有する溝蓋本体と、溝蓋本体上を覆うように設置された滑り止め部材とを備えている。そして、滑り止め部材は、排水が透過可能な複数の空隙を内部に有するとともに凹凸状の上面を有し、滑り止め部材の上面を覆うように光触媒を含有する層が設けられている。
【0007】
この溝蓋では、溝蓋本体上を覆うように設置される滑り止め部材の上面を覆うように光触媒を含有する層が設けられているので、この光触媒による酸化作用及び有機物の分解作用等を利用して、人が触れる可能性のある溝蓋の上面側における抗菌、抗かび及び防汚を行うことができる。また、この溝蓋では、滑り止め部材が排水が透過可能な複数の空隙を内部に有するとともに、溝蓋本体が排水を排水溝へ流下させるための開口部を有しているので、滑り止め部材の空隙及び溝蓋本体の開口部を通じて排水を排水溝へ流下させることができる。これにより、溝蓋上の水はけを向上させることができる。そして、このように滑り止め部材が空隙を有するとともに溝蓋本体が開口部を有することに起因して、排水溝から溝蓋本体の開口部及び滑り止め部材の空隙を通じて悪臭が上がってきやすいが、滑り止め部材の上面に光触媒を含有する層が設けられているので、光触媒による臭気物質の分解作用を利用して防臭を行うことができる。さらに、この溝蓋では、滑り止め部材の上面に光触媒を含有する層が設けられているので、溝蓋の下面側に光触媒が設けられている場合に比べて、光触媒に太陽光等の光源からの光を上方から良好に照射することができる。これにより、光触媒による酸化作用、有機物及び臭気物質の分解作用を良好に作用させることができるので、溝蓋の下面側に光触媒が設けられている場合に比べて、抗菌、抗かび、防臭及び防汚を良好に行うことができる。
【0008】
上記溝蓋において、光触媒を含有する層は、滑り止め部材の上面の凹凸形状に沿うように設けられているのが好ましい。このように構成すれば、滑り止め部材の上面上に乗った人や車等との摩擦により光触媒を含有する層の滑り止め部材の上面の凸部上に設けられた部分が擦り取られたとしても、光触媒を含有する層の滑り止め部材の上面の凹部に入り込んだ部分は擦り取られにくいので、光触媒による抗菌、抗かび、防臭及び防汚の効果を長期間持続させることができる。
【0009】
この場合において、光触媒を含有する層は、光触媒を含有する材料が滑り止め部材の上面の凹凸形状に沿うように塗布されることにより形成されているのが好ましい。このように構成すれば、光触媒を含有する層を容易に滑り止め部材の上面の凹凸形状に沿うように設けることができる。
【0010】
また、上記溝蓋の具体的な構成例としては、光触媒として酸化チタンが用いられている構成とすることができる。
【0011】
上記溝蓋において、滑り止め部材は、柔軟で弾性を有する材料からなるのが好ましい。このように構成すれば、滑り止め部材の滑り止め効果を向上させることができる。
【0012】
この場合の具体的な構成例としては、滑り止め部材が、複数のゴムチップが樹脂材料によって相互に結合されることにより形成された材料からなる構成とすることができる。
【0013】
さらにこの場合において、ゴムチップは、ゴム廃材が破砕されることにより形成されたものであることが好ましい。このように構成すれば、ゴム廃材を再利用することができるので資源の有効利用に資することができる。
【0014】
上記溝蓋の製造方法としては、溝蓋本体上を覆うように滑り止め部材を設ける工程と、滑り止め部材の上面の凹凸形状に沿うように光触媒を含有する材料を塗布することによって光触媒を含有する層を形成する工程とを備えているのが好ましい。この溝蓋の製造方法では、滑り止め部材の上面を覆うように光触媒を含有する層を設けることができるので、上記溝蓋と同様、人が触れる可能性のある溝蓋の上面側における抗菌、抗かび、防臭及び防汚を行うことができる。また、光触媒を含有する層を滑り止め部材の上面の凹凸形状に沿うように設けることができるので、光触媒を含有する層の滑り止め部材の上面の凹部に入り込んだ擦り取られにくい部分により、光触媒による抗菌、抗かび、防臭及び防汚の効果を長期間持続させることができる。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように、本発明による溝蓋及び溝蓋の製造方法では、人が触れる可能性のある溝蓋の上面側における抗菌、抗かび、防臭及び防汚を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
【0017】
図1は本発明の一実施形態による溝蓋1の構成を示した斜視図、図2は図1に示した溝蓋1を構成する溝蓋本体2の斜視図、図3は図1に示した溝蓋1の縦断面図である。図1〜図3を参照して、本発明の一実施形態による溝蓋1の構成について説明する。
【0018】
本実施形態による溝蓋1は、道路脇に設置される排水溝の上部を覆う溝蓋であり、この溝蓋1は、図1に示すように、溝蓋本体2と滑り止め部材3とを備えている。
【0019】
溝蓋本体2は、金属製であり、枠部2aと格子部2bと横桟2cとを一体に有している。枠部2aは、上方から見て長方形に構成されており、その内部に格子部2b及び横桟2cが設けられている。格子部2bは、枠部2aの長手方向と直交する幅方向に沿って直線的に延びている。そして、格子部2bは、枠部2aの幅方向において枠部2aの一方の内側面と他方の内側面との間を繋ぐように設けられている。また、この格子部2bは複数設けられており、枠部2aの長手方向に沿って所定間隔で配置されている。このため、隣り合う格子部2b間の領域が上下に透過可能な空間となっており、この領域が排水を下方の排水溝へ流下させるための開口部2dとなっている。
【0020】
横桟2cは、枠部2aの長手方向と直交する幅方向における中央の位置に設けられている。そして、横桟2cは、その位置で枠部2aの長手方向に沿って直線的に延びており、その長手方向において枠部2aの一方の内側面と他方の内側面との間を繋ぐとともに各格子部2bを相互に連結している。また、この横桟2c及び各格子部2bは、それぞれ枠部2aの上端から所定距離だけ下方の位置に設けられている。
【0021】
上記滑り止め部材3は、上方から見て長方形に形成されており、溝蓋本体2の枠部2a内に収まるように設けられるとともに、格子部2b及び横桟2c上を覆うように設けられている。また、この滑り止め部材3は、その上面が溝蓋本体2の枠部2aの上端と略面一になるように構成されている。これにより、この滑り止め部材3の上面が溝蓋1の上面となっている。
【0022】
滑り止め部材3は、凹凸状の上面を有しており、その上面の摩擦係数が高くなるように構成されている。これにより、滑り止め部材3は、その上面上に乗った人や車等が滑るのを抑止する機能を有している。また、この滑り止め部材3は、柔軟で弾性を有する素材によって形成されている。具体的には、滑り止め部材3は、図3に示すように、多数のゴムチップ3aがポリウレタン樹脂等の樹脂材料3bにより相互に結合されることによって形成された素材からなる。なお、ゴムチップ3aとしては、廃タイヤ等のゴム廃材が細かく破砕されたものが用いられている。
【0023】
また、滑り止め部材3は、排水が透過可能な多数の空隙3cを内部に有している。この空隙3cは、隣接するゴムチップ3a間に形成されており、ゴムチップ3a同士が樹脂材料3bにより相互に結合される際に形成されるものである。そして、各空隙3cは、滑り止め部材3を貫通するように上下に繋がっている。したがって、溝蓋1上の排水は、滑り止め部材3の多数の空隙3c及び溝蓋本体2の開口部2dを通じて下方の排水溝へ流下するようになっている。
【0024】
また、各ゴムチップ3a間には微小なケイ砂等からなる骨材3dが介在している。この骨材3dにより各ゴムチップ3a間が樹脂材料3bによって結合される際に、隣接するゴムチップ3a同士が密着するのが抑制され、上記空隙3cが形成されやすくなっている。
【0025】
また、酸化チタン等の光触媒を含有する光触媒層4が滑り止め部材3の上面を覆うように設けられている。この光触媒層4は、滑り止め部材3の上面の凹凸形状に沿うように設けられている。そして、光触媒層4に含まれる酸化チタン等の光触媒は、光が照射されることにより酸化作用や臭気物質及び有機物の分解作用等の各種作用を呈するものであり、これらの作用を利用して溝蓋1の上面側における抗菌、抗かび、防臭及び防汚が行われる。
【0026】
具体的には、光触媒への光照射によりOHラジカルが発生し、このOHラジカルの持つ強力な酸化力により菌の細胞内の各種酵素が破壊されることによって菌やかびの繁殖が抑止される。これにより、抗菌及び抗かびが行われる。また、溝蓋1の上面、すなわち、光触媒層4の上面に付着した汚れの元である有機物の光触媒層4の上面に対する接着部分が光触媒に光が照射されることによって分解され、排水とともにその有機物が洗い流されることにより防汚が行われる。また、溝蓋1の溝蓋本体2の開口部2d及び滑り止め部材3の空隙3cを通じて排水溝から悪臭が上がってくるが、光触媒に光が照射されることによりこの悪臭の元となる臭気物質が分解されることによって防臭が行われる。
【0027】
なお、上記した溝蓋1の製造方法としては、上記構成を有するように作製した溝蓋本体2上を覆うように上記の滑り止め部材3を形成し、その後、酸化チタン等の光触媒を含有する材料を滑り止め部材3の上面に対してその上面の凹凸形状に沿うように塗布する。
【0028】
この際、光触媒を含有する材料として酸化チタン等の結晶が分散された中性の液状の水系コート剤を用いるとともに、このコート剤を約0.6mm径の噴射口を有する塗装ガンを用いて約0.1MPSの噴射圧で滑り止め部材3の上面に塗布する。なお、この塗装ガンによる塗布は、滑り止め部材3の長手方向及び長手方向に直交する幅方向に渡って交互に複数回行う。そして、この後、塗布した光触媒を含有する材料を自然乾燥または強制乾燥により硬化させることによって、上記の光触媒層4を滑り止め部材3の上面の凹凸形状に沿って形成する。このようにして、本実施形態による溝蓋1が作製される。
【0029】
以上のように、本実施形態による溝蓋1では、溝蓋本体2上を覆うように設置される滑り止め部材3の上面を覆うように光触媒を含有する光触媒層4が設けられているので、この光触媒による酸化作用及び有機物の分解作用等を利用して、人が触れる可能性のある溝蓋1の上面側における抗菌、抗かび及び防汚を行うことができる。
【0030】
また、本実施形態では、滑り止め部材3が排水が透過可能な複数の空隙3cを内部に有するとともに、溝蓋本体2が排水を排水溝へ流下させるための開口部2dを有しているので、滑り止め部材3の空隙3c及び溝蓋本体2の開口部2dを通じて排水を排水溝へ流下させることができる。これにより、溝蓋1上の水はけを向上させることができる。そして、このように滑り止め部材3が空隙を有するとともに溝蓋本体2が開口部2dを有することに起因して、排水溝から溝蓋本体2の開口部2d及び滑り止め部材3の空隙3cを通じて悪臭が上がってきやすいが、滑り止め部材3の上面に光触媒層4が設けられているので、光触媒による臭気物質の分解作用を利用して防臭を行うことができる。
【0031】
また、本実施形態では、滑り止め部材3の上面に光触媒層4が設けられているので、溝蓋1の下面側に光触媒が設けられている場合に比べて、光触媒に太陽光等の光源からの光を上方から良好に照射することができる。これにより、光触媒による酸化作用、有機物及び臭気物質の分解作用を良好に作用させることができるので、溝蓋1の下面側に光触媒が設けられている場合に比べて、抗菌、抗かび、防臭及び防汚を良好に行うことができる。
【0032】
また、本実施形態では、光触媒層4が滑り止め部材3の上面の凹凸形状に沿うように設けられているので、滑り止め部材3の上面上に乗った人や車等との摩擦により光触媒層4の滑り止め部材3の上面の凸部上に設けられた部分が擦り取られたとしても、光触媒層4の滑り止め部材3の上面の凹部に入り込んだ部分は擦り取られにくいので、光触媒による抗菌、抗かび、防臭及び防汚の効果を長期間持続させることができる。
【0033】
また、本実施形態では、滑り止め部材3が多数のゴムチップ3aを樹脂材料3bによって相互に結合させた柔軟で弾性を有する材料からなるので、滑り止め部材3の滑り止め効果を向上させることができる。
【0034】
また、本実施形態では、滑り止め部材3を構成するゴムチップ3aが、ゴム廃材が破砕されることにより形成されたものであるので、ゴム廃材を再利用することができる。これにより、資源の有効利用に資することができる。
【0035】
また、本実施形態による溝蓋1の製造方法では、滑り止め部材3の上面に光触媒を含有する材料を塗布することによって光触媒層4を形成するので、上記溝蓋1による効果と同様、人が触れる可能性のある溝蓋1の上面側における抗菌、抗かび、防臭及び防汚を行うことができる。
【0036】
また、本実施形態による溝蓋1の製造方法では、滑り止め部材3の上面の凹凸形状に沿うように光触媒を含有する材料を塗布することによって光触媒層4を形成するので、光触媒層4を容易に滑り止め部材3の上面の凹凸形状に沿うように設けることができる。これにより、光触媒層4の滑り止め部材3の上面の凹部に入り込んだ擦り取られにくい部分により、光触媒による抗菌、抗かび、防臭及び防汚の効果を長期間持続させることができる。
【0037】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0038】
例えば、上記実施形態では、光触媒として酸化チタンを用いたが、本発明はこれに限らず、酸化チタン以外の光触媒を用いてもよい。
【0039】
また、上記実施形態では、光触媒を含有する材料を滑り止め部材3の上面に塗布することにより滑り止め部材3の上面上に光触媒層4を形成したが、本発明はこれに限らず、上記以外の種々の方法により滑り止め部材3の上面上に光触媒層を形成してもよい。
【0040】
また、上記実施形態では、滑り止め部材3を構成するゴムチップ3aとして廃タイヤを細かく破砕したものを用いたが、本発明はこれに限らず、廃タイヤ以外の種々のゴム材を細かく破砕して形成したものや初めから細かいチップ状に生産したゴムチップ等を用いてもよい。
【0041】
また、上記実施形態では、多数のゴムチップ3aを樹脂材料3bによって相互に結合することにより形成した材料を用いて滑り止め部材3を構成したが、本発明はこれに限らず、上記以外の材料を用いて滑り止め部材3を構成してもよい。例えば、石材などからなる多数の骨材を所定の結合材料で相互に結合させた材料、具体的には道路等で用いられるアスファルト部材等を用いて凹凸状の上面を有する滑り止め部材を構成してもよい。また、ゴム以外の樹脂材料からなる多数のチップを接着剤等で相互に結合させた材料を用いて滑り止め部材を構成してもよい。この場合、チップの材料として柔軟で弾性を有する材料を用いれば、滑り止め部材に柔軟性及び弾性を付与することができるので、滑り止め部材の滑り止め効果を向上させることができる。
【0042】
また、上記実施形態では、道路脇の排水溝の上部を覆う溝蓋1に本発明を適用した例について説明したが、これ以外の種々の排水溝の上部を覆う溝蓋にも本発明を適用することが可能である。例えば、浴室の排水溝、石油プラント等の各種プラントの床に設けられる排水溝または建物の玄関の床に設けられる排水溝等の上部を覆う溝蓋や、集水桝の上部を覆う溝蓋等にも本発明を適用することができる。また、排水溝の上部以外の箇所にも本発明による部材を適用することが可能であり、排水溝の設けられていない浴室の床、各種プラントの床または玄関の床の滑り止め部材にも本発明を適用することができる。また、石油タンクまたはガスタンクの外側に設けられたタンク上へ登るための階段の踏板等に滑り止め機能を有する本発明の部材を適用することが可能である。
【0043】
なお、溝蓋1を屋内に設置する場合には、光触媒として、紫外線量が非常に少なくても酸化作用や分解作用等の上記各種作用を発揮することが可能な暗所抗菌型酸化チタン光触媒を用いることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の一実施形態による溝蓋の構成を示した斜視図である。
【図2】図1に示した溝蓋を構成する溝蓋本体の斜視図である。
【図3】図1に示した溝蓋の縦断面図である。
【符号の説明】
【0045】
1 溝蓋
2 溝蓋本体
2d 開口部
3 滑り止め部材
3a ゴムチップ
3b 樹脂材料
3c 空隙
4 光触媒層(光触媒を含有する層)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
排水溝の上部を覆う溝蓋であって、
排水を前記排水溝へ流下させるための開口部を有する溝蓋本体と、前記溝蓋本体上を覆うように設置された滑り止め部材とを備え、
前記滑り止め部材は、排水が透過可能な複数の空隙を内部に有するとともに凹凸状の上面を有し、
前記滑り止め部材の上面を覆うように光触媒を含有する層が設けられている、溝蓋。
【請求項2】
前記光触媒を含有する層は、前記滑り止め部材の上面の凹凸形状に沿うように設けられている、請求項1に記載の溝蓋。
【請求項3】
前記光触媒を含有する層は、前記光触媒を含有する材料が前記滑り止め部材の上面の凹凸形状に沿うように塗布されることにより形成されている、請求項2に記載の溝蓋。
【請求項4】
前記光触媒として酸化チタンが用いられている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の溝蓋。
【請求項5】
前記滑り止め部材は、柔軟で弾性を有する材料からなる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の溝蓋。
【請求項6】
前記滑り止め部材は、複数のゴムチップが樹脂材料によって相互に結合されることにより形成された材料からなる、請求項5に記載の溝蓋。
【請求項7】
前記ゴムチップは、ゴム廃材が破砕されることにより形成されたものである、請求項6に記載の溝蓋。
【請求項8】
請求項1に記載の溝蓋の製造方法であって、
前記溝蓋本体上を覆うように前記滑り止め部材を設ける工程と、
前記滑り止め部材の上面の凹凸形状に沿うように前記光触媒を含有する材料を塗布することによって前記光触媒を含有する層を形成する工程とを備えた、溝蓋の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2007−285001(P2007−285001A)
【公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−113534(P2006−113534)
【出願日】平成18年4月17日(2006.4.17)
【出願人】(000192615)神鋼建材工業株式会社 (61)
【Fターム(参考)】