溶接ビードを持つ管のコーティング方法
隆起した溶接ビードを持つ管のコーティング方法である。硬化性樹脂ポリマーを管に塗装し、管上に結合させ、硬化されたまたは部分的に硬化されたポリマー層を形成できるようにする。粉末形態の接着剤組成物は、熱いうちに、ポリマーと結合するフィルムへの融着によって、ポリマー層上に塗装される。粉末形態のポリオレフィンは、熱いうちに、接着剤と結合し、粉末ベースのコーティングを形成するフィルムとの融着によって、接着剤上に塗装される。粉末ベースのコーティングの形成の後に、管は内側から冷却される。外側ポリオレフィンカバーは、粉末ベースのコーティングおよび室温まで冷却された管と結合される。この手順は、溶接ビードに隣接したコーティングにおける空隙、キャビティおよびピンホールの形成を除くことができる。
【発明の詳細な説明】
【発明の開示】
【0001】
本発明は、金属管をコーティングする方法、より具体的には外周上に溶接ビードを持つ、コーティングされた管に関する。
【0002】
保護コーティングは、金属管、例えば鋼管を腐蝕および機械的ダメージから保護するために広く使用される。広く商業的に利用可能なコーティングは、本出願人に譲渡された米国特許5,026,451(Trzecieskiら)に記載されているものである。ここでは、エポキシ樹脂が管に塗装され、外側ポリオレフィンカバーは、中間コポリマー接着剤層を介してエポキシ層と結合される。好ましい態様において、Trzecieskiらの特許は、クロスヘッド押出プロセスによる外側ポリオレフィンカバーの適用を記載していた。
【0003】
クロスヘッド押出プロセスにおいて、ポリオレフィンは、管が中心を通って軸方向に供給される環状ダイを通して押出される。クロスヘッド押出ダイの径には実際的な制限があるので、大きな径の管の場合にはサイドラッププロセスによって外側カバーを設けることが好ましく、ここでポリオレフィンの連続シートは管の外周の周りに螺旋状に巻かれる。
【0004】
鋼材管は2つの基本的な構造で提供される。継目無し管は、溶融鋼から管へと連続的に成形され、それゆえに、継目または溶接部が存在しない。このような管は、隆起した溶接部のカバーについて何ら懸念すること無くコーティングされ得る。しかしながら、継目無し鋼管は非常に大きな径で作ることはできず、かつ高価である。したがって、それらの使用はカテナリーライザー、海底フローラインのような非常に大きな圧力または応力を伴う用途、またはドリル管およびケーシングのような、大きく、連続的な機械的応力に曝される用途に限られる。オイル、ガスおよび水の輸送に使用される大抵の管は溶接された管である。これらは、曲げられて管に成形される鋼板から形成され、次にエッジに沿って溶接され、管を形成する。小さな径の管においては、電気抵抗溶接(ERW)の使用が一般的である。これは、管の胴体と面一の継目をもたらす。しかしながら、この方法は、現在のところ24′′以下の径である比較的小さな径の管に限定されている。それより大きな径の管は、管の残りの外側表面上に溶接継目が突き出る方法によって形成される。
【0005】
大きな径の管を製造するための2つの基本的な手順が存在する。第1の、最も一般的なものは、鋼板を「U」型に成形し、続いてさらに「O」型に成形するものである。次にエッジ同士が溶接され、いわゆる「ロングシーム」管を生成する。普及している第2の方法は、鋼板を連続的に、螺旋状に成形し、溶接して、いわゆる「スパイラル溶接」または「スパイラル」管を生成するものである。両方の場合で、溶接部は管の径を超えて、およびその中に突き出る。
【0006】
本発明の場合は、管の外側表面上の溶接が当面の問題と関係するものである。溶接部の形状を記述するために使用される用語は、図1を参照して説明され得、この後に用いられるであろう。11は溶接部の先端(toe)、12はクラウン(crown)、13はアンダーカットを示す。14は溶接部の高さを示す。溶接部の形状および高さは2つの方法(スパイラルおよびロングシーム)の間で、および製造ごとに異なる。理想的な形状は、管の胴体からのスムーズな移行を形成し、かつ図2に示すように高すぎないものである。しかしながら、この構造は、溶接継目が所定の形状に研磨されない限り、滅多に達成されない。溶接部については、直角のエッジを有する溶接部(図3)、僅かなアンダーカットを有する直角のエッジ(図4)、大きなアンダーカットを有する直角のエッジ(図5)、ならびに両側に大きなアンダーカットおよび頂部にくぼみを有する溶接部(図6)を示す、図2から5に見られる形状を取ることがより一般的である。
【0007】
サイドラップコーティングの手順が、外周上に高く隆起した溶接ビードまたは実質的に短形の断面の溶接ビードを持つ管に用いられる場合は、連続シートと、溶接ビードの一部、例えば凹んだ先端部およびアンダーカット部分11および13との接触が乏しいかまたは全く無く、溶接部の先端において空隙を生じることになり得ることはしばしば見受けられる。これは、溶接部の外形が実質的に短形であるか、または先端付近にアンダーカットがある場合に特に強調される。螺旋状に溶接された管では、単一の軸方向に延びる溶接部を持つ「ロング継目」管におけるよりも、溶接部上に均一な被覆度を得ることが典型的により困難である。2つの長さの管を互いに溶接してより長い管を形成する、「ダブルジョイント」スパイラル溶接管に特有の問題が存在する。なぜならばこのような管は、2つの溶接部が互いに90°の角度で合わさる少なくとも1つの点を常に含むからである。
【0008】
通常、サイドラップシートは、パイプコーティングラインと並んだ押出機から与えられる。パイプコーティングラインの近くで、管とシートとの接着を可能にする温度まで加熱される連続シートを用いることも可能であろう。既知の方法において、水による急冷は、典型的に押出ダイまたはサイドラッピングステーションの1メートル以内で外側ポリマー表面上に適用され、ポリオレフィンを十分に固化させ、さらなるハンドリング、例えばコンベヤータイヤとの接触の間のダメージを防ぐ。冷却される外側面について、ポリオレフィン層は管周囲に円周応力を生じる。隆起した溶接部にて、この円周応力は、溶融ポリマーを接線の形状(tangential configuration)に引っ張る傾向があり、これは溶接部の頂部にて厚さを減らす原因となる。空隙、層の分離、もしくは切れ目は、凹状にくぼんだネック部分と隣接したコーティングに生じるか、またはピンホールもしくはキャビティがコーティング材料の厚みの内に生じ得る。この結果、コーティングの保護特性は不十分または不適切となり得る。
【0009】
本発明において、外周上に溶接ビードを持ち、管の外周から突き出た溶接ビードを具備した管にコーティングを与える改善された方法が提供される。この方法において、硬化性樹脂ポリマーを管に塗装し、硬化性樹脂を管に結合させ、硬化されたまたは部分的に硬化された樹脂ポリマー層を管上に形成することを可能にする。好ましくは、その後すぐに、かつ管がまだ熱いうちに、硬化性ポリマー層に対する接着剤組成物の結合が可能となる条件のもとで、硬化されたまたは部分的に硬化されたポリマー層を上に持つ管に対して、粉末形態の前記接着剤組成物を塗装する。好ましくは、その後すぐに、かつ管がいまだ熱いうちに、前記ポリオレフィンが接着剤組成物に結合することができる条件のもとで、粉末形態のポリオレフィンを管上に塗装する。ポリオレフィン粉末は、接着剤組成物層に結合することが可能で、かつ溶融し、管上にポリオレフィン層を形成することが可能である。この点において、コーティングは、今後は「粉末ベースのポリオレフィンコーティング」と呼ばれる。
【0010】
粉末ベースのポリオレフィンコーティングの形成に続く段階においては、外側ポリオレフィンカバーは、側方押出(side extrusion)によって管上に適用される。外側ポリオレフィンカバーは、粉末ベースのポリオレフィンコーティングに結合することができ、管がポリオレフィンカバーと結合可能なほど十分に熱い段階において塗装される。外側ポリオレフィンカバーを持つ管は、次に室温まで冷却される。代替的に、側方押出されたポリオレフィン層は、粉末ベースのポリオレフィンコーティングを塗装するラインにおいて、直接塗装され得る。このような場合、粉末ベースのポリオレフィンコーティングの塗装と、側方押出された外側層の適用との間に、管に対して追加の加熱を加える必要がない。
【0011】
全ての場合において、管の冷却は、全体的に管の内側からなされるか、または、最初の冷却は管の内側からなされ、管と直に隣接したコーティングが実質的に冷却されてはじめて、外部冷却が続くという組合せによるかのいずれかでなされる。
【0012】
内部冷却は、コーティングされた管の外側が急速な冷却に曝される前に、管と直に隣接したコーティングが実質的に冷却されているかまたは固化されており、例えば接着剤組成物およびポリオレフィン粉末ベースのコーティングの少なくとも一部が固化されていることを保証するために用いられる。ポリオレフィンが溶融状態から固体状態に至るとき、典型的に10ないし20%の収縮を起こす。コーティングが外側表面から内向きに冷却される場合、固化された外側層は、隆起した溶接部の接線方向に大きな応力を及ぼすであろう。それは溶接部の先端におけるような、任意の凹んだ表面に対する法線方向の力に変換される。これは、固化につれて、溶接部に隣接した溶融材料の体積収縮によって強調される。溶接部に隣接した管表面での材料の最初の固化によって、材料を引き離し、空隙および/または破断を生じる傾向を持つ、表面の法線方向の力に抵抗することが可能なほどに十分な強度が生まれる。
【0013】
本発明の少なくとも好ましい態様は、先述した既知のプロセスの欠点を克服する。溶接部の先端に隣接した粉末ベースのポリオレフィンコーティング層の塗装は、溶接ビードと、隣接した管の外周との間のよりスムーズな移行をもたらす。このスムーズな移行は、管の内側表面の冷却効果と併せて、管表面上でのコーティング材料の固化に役立ち、管の周りおよび溶接部上により均一なコーティング厚をもたらす。好ましい形態において、溶接部の頂部と管の胴体部とのコーティング材料厚の差異は最小である。コーティングは溶接部の外形に緊密に適合し、「溶接テント(weld tenting)」は存在しない。この結果は、ロングシームおよびスパイラル溶接された管の両方で達成され得る。
【0014】
内側表面冷却は、例えば開示がここで参照によって組入れられるWongらにより記載された米国特許6,270,847のように達成され得る。
【0015】
硬化されたまたは部分的に硬化されたポリマー層を与えるため、および接着剤組成物が、硬化されたまたは部分的に硬化されたポリマーに結合するような条件のもとで接着剤組成物を塗装するために、種々の技術が用いられるであろう。
【0016】
1つの好ましい形態において、硬化性樹脂ポリマーはエポキシ樹脂を含む。保護コーティングにおいて管への塗装に好適な他の硬化性樹脂、ならびにそれらの塗装および硬化の方法は当業者に周知であり、ここで詳細に記載する必要は無い。簡略化のために、以下でエポキシ樹脂と呼ぶが、記載された技術は他の硬化性樹脂ポリマーに適用可能なことが理解されるであろう。
【0017】
例えば、開示がここで参照によって組入れられる先述した米国特許5,026,451に記載されたような手順を用いて、エポキシ樹脂を硬化性の液体状で塗装することができる。1つの形態において、液状コーティングは部分的に、好ましくは例えば当業者に周知の加熱条件のもとで管を加熱することによって、不完全に硬化されたゲル状態に至るまで硬化される。
【0018】
さらなる例において、エポキシ樹脂は、本特許出願人に譲渡された米国特許4,345,004(Miyataら)、米国特許4,510,007(Stucke)および米国特許5,178,902(Wongら)に記載されたような、好ましくは不完全に硬化された溶融接着エポキシ(fusion bonded epoxy)(FBE)の形態で塗装され、全ての開示はここで参照によって組入れられる。
【0019】
接着剤組成物とエポキシ樹脂層との間の結合を与えるために、接着剤組成物はエポキシ組成物に結合可能であるか、または好ましくはエポキシ組成物と反応可能な化学基を含んでいなければならず、かつ粉末ベースの複合コーティングのポリオレフィン層に結合可能でなければならない。極めて一般的には、接着剤組成物は、変性ポリオレフィンを含んでいてもよく、ここでポリオレフィンはエポキシ中に存在する官能基と反応可能な官能基を含むであろう。このような変性ポリオレフィンの例は当業者に周知である。エポキシに結合可能なポリオレフィンに組入れられる通常の化学基は、ビニルアセテート、エチルアクリレート、メチルアクリレート、およびマレイン酸のコポリマーまたはグラフトコポリマーから誘導されるものを含む。ポリオレフィン接着剤組成物は、官能基化されたポリオレフィンと官能基化されていないポリオレフィンのブレンドからなり得る。エポキシに結合可能で、かつ本発明の方法に用いられ得る多くの変性ポリオレフィンの例は、開示がここで参照によって組入れられる先述のWongらの’902、Miyataらの’004、およびStuckeらの’007特許、およびSakayoriらのU.S. Re. 30,006においてより詳細に記載される。
【0020】
コポリマー接着剤は、管が熱いうちに粉末形態で管に塗装される。本発明の1つの特に好ましい形態によれば、コポリマー接着剤はWongらの’902特許に記載された手順に従って塗装され、FBEおよびコポリマー接着剤は管上に一緒にスプレーされ、溶融して、上記の散在したドメインおよび固定されたドメインを形成し、このようなドメインはそれぞれエポキシおよびコポリマー接着剤からなる。このような場合、エポキシは接着剤を補強し、かつより高い溶融強度を与え、それによって分離または切れ目がコーティング層に生じることについてのあらゆる傾向を減らす。
【0021】
しかしながら、十分な結果は、コポリマー接着剤が十分な溶融強度を持つ場合は(溶融強度は、コーティング層が冷却段階の間に応力に曝される温度において、ポリマーが流れまたは動きに抵抗する能力の指標である)、エポキシ層上に別個の層としてコポリマー接着剤を塗装することによって達成される。高い溶融強度を持つポリマーは、ポリマーについてより大きな分子量を示す低いメルトフローインデックスによって表される。典型的に、分子量がより大きいほど、連続層への融着速度はより遅くなる。
【0022】
それゆえに、このような場合、コポリマー接着剤の溶融強度は、望ましくは過度に高くならない。なぜならば、塗装温度において、高い溶融強度のコポリマー接着剤は、エポキシでコーティングされた管に対して緊密かつ連続的に適合した要求されるコーティングを与える塗装温度において十分に流れ得ないので、これは塗装の問題を起こし得るからである。
【0023】
本発明の実施において、当業者は、試行錯誤によって、塗装の間に、管に対するコポリマー接着剤の十分な適合性を提供する一方で、層の分離、切れ目、ピンホール、キャビティなどの無いコーティングを達成するのに必要なコポリマー接着剤の溶融強度特性を決定することができる。
【0024】
先述したように、本発明の好ましい形態において、ポリオレフィン層は、溶接ビードと、隣接した管の外周との間のスムーズな移行を与える。このようなスムーズな移行は、好ましくは、溶接ビードの横側面に存在する、凹んだネック部分(concave neck)を少なくとも部分的に充填するポリオレフィン粉末から生じる。好ましくは、粉末は静電的に帯電しており、これは凹んだネックの鋭く湾曲した領域に優先的に粉末を堆積させ得る。本発明に従って製造された、コーティングされた管における、得られたポリオレフィン層と外側ポリオレフィンカバーとの間の境界は、断面において或る程度の凹みを示し、このような凹みは、エポキシ層と管の金属との間の境界にて見られる凹みよりも、望ましくは明らかに小さくなり得る。2つの凹みの違いは、それぞれの曲率半径に関して定量され得る。望ましくは、ポリオレフィン層と外側ポリオレフィンカバーとの間の境界の曲率半径は、溶接ビードの横側面におけるネック部分に存在する凹みの曲率半径の、少なくとも10倍、より好ましくは20倍、さらにより好ましくは50倍である。
【0025】
本発明の好ましい形態において、溶融接着エポキシと塗装されたコポリマー接着剤(ここでその後「下地層」と呼ばれる)とを合わせた厚さよりもはるかに大きな厚さに粉末形態のポリオレフィンを塗装することによって、スムーズな移行が達成される。塗装されることが望まれる個々の層の厚さは、管の寸法によって変わる傾向があるが、比較は、或る塗装された管における、粉末ベースのポリオレフィンコーティングの相対厚と下地層の相対厚との間でなされ得る。言及された厚さは、管の外周の、スムーズに湾曲した部分に塗装された層のものである。本発明の好ましい形態において、粉末ベースのポリオレフィンコーティング厚は、下地層のもののおよそ0.5倍ないしおよそ5倍である。
【0026】
実際、下地層のもののおよそ0.5倍未満の厚さの、粉末ベースのポリオレフィンの塗装は、先述した層の分離、切れ目の形成、ピンホールまたはキャビティの問題が生じる結果をもって、溶接ネックに隣接した、凹んだ部分の不十分な充填の発生率増加をもたらす傾向があり得ることがわかっている。下地層の厚さのおよそ5.0倍を超えた粉末ベースのポリオレフィンコーティング厚の増大は、製品のコーティング層の質を殆ど改善しない一方で、塗装操作のコストを増大させることがわかる。
【0027】
より好ましくは、粉末ベースのポリオレフィンコーティングは、下地層のおよそ1.0ないし4.0倍厚く、さらにより好ましくはおよそ1.2ないしおよそ2.0倍厚い。
【0028】
本発明の1つの好ましい形態において、エポキシ樹脂、コポリマー接着剤の塗装工程が用いられた場合、管がおよそ180ないし240℃の温度にある間に、粉末形態のポリオレフィンおよび外側ポリオレフィンカバーが実施される。
【0029】
或る状況においては、外側ポリオレフィンカバーを実質的により低い温度で適用することが望ましいと考えられ得る。本発明のさらに好ましい形態において、これは、例えばWongらの’847特許に記載したように、粉末形態のポリオレフィンを塗装した後に、ポリオレフィン層が固化するまで、冷媒を管の内側に適用することによって管を冷却する手順によって達成され得る。このとき、外部からの冷却、例えばコーティングされた管の外側表面の水による急冷が、冷却プロセスの更なる補助に用いられ得る。
【0030】
コーティングされた管は、次にコーティングラインにロードされ、管の鋼または他の金属が例えばおよそ90℃まで誘導加熱される。予熱された管は、次に赤外加熱オーブンを通過し、ポリオレフィンコーティングは110℃ないし160℃、好ましくは130℃±10℃の温度まで加熱される。或る状況においては、誘導加熱を減らすかまたは省き、赤外加熱だけに頼ることも可能となり得る。
【0031】
外側ポリオレフィンカバーは、次に、予熱されたコーティングの上に、押出されたポリオレフィンのシートを、所望の厚さまでサイドラップすることによって適用され得る。典型的に、サイドラップされたコーティング厚は、およそ1mmないし5mmの範囲にある。水による急冷は、外側ポリマーの表面に、典型的に押出ダイから2m以内で適用され、ポリオレフィンを十分に固化し、コンベヤータイヤのようなハンドリング装置と接触可能にする。
【0032】
好ましい形態において、外側ポリオレフィンカバーはサイドラップ法によって適用されるが、クロスヘッド押出法によって外側ポリオレフィンカバーを適用することも可能である。このような、コポリマー接着剤の塗装と一緒のクロスヘッド押出しは、本出願人に譲渡され、その開示がここで参照によって組入れられる米国特許5,026,451(Trzecieskiら)に記載される。
【0033】
サイドラップは当業者に周知の技術を用いて達成され得て、ここで参照によって組入れられる米国特許4,510,007(Stucke)に一般に記載される。
【0034】
本発明は、例示のみであるが、添付図を参照して、より十分に記述されるであろう。:
添付図を参照すると、図7は通常の管コーティング方法を示す。管21は、通常の方法において矢印22で示される回転の向きで、コーティングラインを通じて前方に供給されるにつれてその軸周りに回転される。
【0035】
A. 任意で、管は、泥、氷などの典型的に遊離性の混入物を除くための洗浄と、露点を3℃超える最低温度まで、より典型的には40ないし70℃の温度までの予熱と、錆を除き、スケールを削り、表面プロファイルを確立させるための研磨剤ブラストとを含む、引き続いてのコーティングを受入れるように調製され、
B. リン酸洗浄、クロム酸塩などのような、任意で追加の表面処理が使用され得る。
【0036】
C. 管は、FBE(溶融接着エポキシ)の塗装温度まで、典型的に200ないし240℃の範囲まで、或る例では180ないし250℃まで予熱される。通常、このような予熱は、管21を、誘導加熱コイルまたはトンネルオーブンに通すことによって実施される。
【0037】
D. 予熱された管は、静電的に帯電した溶融接着エポキシ粉末が熱い管上に塗装されるFBE塗装デバイス23を通して運ばれる。粉末は熱い管に接触して溶融し、結合する。典型的に、管上に構築される溶融接着エポキシ層の厚さは、およそ100μmないし300μmの範囲である。
【0038】
使用され得る溶融接着エポキシ粉末の例は以下を含む;
3M、Morden,Manitoba Canadaから入手できるScotchkote 6233(登録商標);
3M、Austin,Texas,U.S.A.から入手できるScotchkote 626;
全て、Dupont Powder Coatings,Houston,Texas,U.S.Aから入手できるNapguard 7−2514 FG,Napguard 7−2501およびNapguard 7−2500;
Jotun,United Arab Emiratesから入手できるEP−2004およびEPF 1011;
AKZO NOBEL,Germanyから入手できるResicoat R5−726。
【0039】
E. FBE塗装の直後、管は、熱い管上にコポリマー接着剤粉末を塗装する接着剤粉末塗装器24を通して運ばれ、コポリマー接着剤粉末は直ちに熱いエポキシと融着し、溶融接着エポキシ上にコポリマー接着剤層を形成する。構築される層の厚さは、典型的に100μmないし250μmの範囲である。
【0040】
使用されるコポリマー接着剤は、その後コポリマー接着剤上に適用される外側カバーに依存する。外側カバーがポリエチレンの場合、例えば以下のポリエチレンベースの接着剤が使用され得る。
【0041】
Dupont,Sarnia,Ontario,Canadaから入手できるFusabond EMB500DG(powder);
Arkema,Franceから入手できるLotader 2100;
Basell,Germanyから入手できるLucalen G3510H。
【0042】
外側カバーがポリプロピレンの場合、例えば以下のようなポリプロピレンベースの接着剤が使用され得る:
Dupont,Sarnia,Ontario,Canadaから入手できるFusabond PMD4310D;
Basell,Italyから入手できるHifax EP2015;
Arkema,Franceから入手できるOrevac 18732P;
Borealis,Finlandから入手できるBorcoat 127E。
【0043】
F. 接着剤塗装の直後に、シート押出機から押出された溶融ポリマーのシートを多重にサイドラップすることによってポリオレフィン(例えばポリエチレンまたはポリプロピレン)を適用し、図7の26で模式的に示すように、外側カバーの所望の厚さを達成する。典型的に、単独の耐腐食性のコーティングのためには、厚さはおよそ1mmないし6mmの範囲であるが、コーティングが断熱コーティングシステムの構成要素である場合は、実質的により厚くなり得る。
【0044】
押出された材料31は、例えば材料31がポリエチレンである場合は、:
両方ともNova Chemicals,Moore,Ontario,Canadaから入手できるSclair 35BPおよびSclair HEY499A;
Basell,Germanyから入手できるLupolen4552D;
BP,Houston,Texas,United States of Americaから入手できるInnovene
を含み得る。
【0045】
押出された材料31がポリプロピレンを含む場合、以下のものが、使用され得るポリプロピレン組成物の例である:
Borealis,Finlandから入手できるBB108E;
両方ともBasell,Italyから入手できるMoplen Coat BP BiancoおよびProfax 7823;
Hoechst,Germanyから入手できるHostalen PP H2483。
【0046】
G. 押出されたシートの外側側面に適用され、管の方に片寄ったシリコーンローラーが、押出された溶融シート上に圧力を及ぼすために使用され、ポリオレフィン層と接着剤との間、ポリオレフィンシートの重なりの間の接触を改善し、かつ隆起した溶接部のような表面凹凸についての溶融ポリマーの適合性を改善する。
【0047】
H. サイドラップの後に、水による急冷が、水スプレーデバイス27から典型的に押出ダイの1メートル以内で外側ポリマー表面上に適用され、ポリオレフィンを十分に固化し、コンベヤータイヤのような輸送装置との接触を可能にする。
【0048】
I. コーティングされた管28はコーティングラインから出る。
【0049】
図8は、管21上の溶接ビードに隣接した、押出されたシート31に圧力を適用するシリコーンローラー29の動作を示す。
【0050】
図示するように、前進する溶接ビード32は、溶融シート31の下側表面に衝突し、それを押し上げる。
【0051】
図9に示すように、管21の方に片寄ったローラー29は、押出された材料31を、前進する溶接ビード32に沿ってかつそれに向けて押込む。
【0052】
図10に示すように、その後の段階にて、ローラー29は、溶接ビード32の上にジャンプし、ローラーが片寄っている反動の結果として溶接ビードの側面から溶接ビード32の頂部への急激な移行を示し、溶接ビード32の頂部に衝突する傾向があり、図10中の31aに示す領域において、押出されたシート31の薄化を生じる傾向がある。
【0053】
図11に示すように、ローラー29が溶接ビードを越えて、かつ溶接ビード32の右側側面上における溶接ビード32のネック部分32aを越えて通過すると、ローラー29と押出されたシート31との摩擦接触が、後退する溶接ビード32から、押出された材料31を引き離す傾向があり、ローラー29は、ポリマーシートを溶接部のネック部分32aに形成するためには有効でない。
【0054】
さらに、冷却段階の間、欠陥がコーティング層の内に生じやすい(図16および17に関して後でより詳細に記載される)。
【0055】
図12および13は、2段階で実施される、本発明に従った方法の1つの例を示す。
【0056】
図示した方法において、最初の工程は、図7を参照して先に記載されたAないしCの工程と同じである。
【0057】
J. FBEの静電的スプレー塗装は、スプレー塗装器33により実施され、典型的に150μmないし300μmの範囲の厚さのFBEコーティングを提供する。例えば、FBEは上記工程Dで掲げたいずれかのものであり得る。
【0058】
K. FBE塗装の直後に、エポキシおよびコポリマーの、散在したドメインおよび固定されたドメインを含んだ接着剤の中間層が、塗装器34からのFBEの静電的なスプレーと、塗装器36および37からの静電的に帯電したコポリマー接着剤粉末とを混合することによって塗装されるので、組成はラインの間で変わり、FBE層においてエポキシの含有量が高く、層の外側部分においてコポリマー接着剤の含有量が高い。塗装器34ないし37から塗装される典型的な全体の厚さは、およそ110ないしおよそ150μmである。例えば、コポリマー接着剤は、上記工程Eに記載したものであり得る。
【0059】
L. 接着剤塗装の直後に、静電的に帯電したポリオレフィン粉末が、例えばスプレー38ないし41からのスプレーによって、または堆積される粉末の量を制御するための振動パン(vibrating pan)から静電的に帯電した粉末を落とすことによって塗装される。例えば、ポリオレフィン粉末は、上記工程Fで論じたものであり得る。
【0060】
帯電したポリオレフィン粉末は、凹んだ溶接ネック部分を充填し、融着し、典型的におよそ350μmないし1100μmの厚さの連続ポリオレフィン層を形成する。
【0061】
この段階までに管上に塗装された層の全体の厚さは、およそ750μmないし1500μmの範囲である。
【0062】
M. 一旦、ポリオレフィン層が完全に溶融されると、管は、例えばWongらの’847特許に記載された技術を用いて内部で冷却される。冷媒(通常は水)は、管21に挿入されるランス42を通して供給され、図12においてIDで示される領域にて管の内表面上にスプレーを与える。内部冷却は、管がコンベヤータイヤのようなハンドリング支持体に到達する前に、ポリオレフィン層を固化する。
【0063】
N. ポリオレフィン層の固化の後に、さらに冷却プロセスを補助するためにウォータースプレー43からの外部冷却を適用する。
【0064】
隆起した溶接ビードに隣接した、優れた被覆度を有する塗り落ちの無いコーティングが得られる。溶接ネック領域はポリオレフィン層で充填され、管胴体と隆起した溶接ビードとの間のスムーズな移行を形成する。
【0065】
O. 図13に見られるようなコーティングされた管44はコーティングラインにロードされ、管の鋼の温度がおよそ90℃まで誘導加熱される。1つの形態において、予熱された管は、ポリオレフィンコーティングが110℃ないし160℃、好ましくは130±10℃の温度まで加熱される。赤外オーブン46を通過するさらなる形態において、より高い効率の赤外加熱デバイスを用いて、誘導加熱を減らすか、または省くことも可能となり得る。
【0066】
P. ポリオレフィンの外側カバーは、押出機47を用いて押出されたポリオレフィンのシート48を予熱されたコーティング上にサイドラップすることによって適用する。サイドラップされたコーティング厚は、典型的におよそ1mmないし5mmの範囲にある。例えば、ポリオレフィンは、上記工程Fで論じたものであり得る。
【0067】
Q. 例えば図8ないし11に示したシリコーンローラーは、典型的に押出されたシート48上に圧力を適用し、ポリオレフィン層と外側ポリオレフィンカバーとの間、およびポリオレフィンの重なりの間の接触を改善し、ポリオレフィンの重なりを、隆起した溶接ビードのような表面凹凸に適合させるために使用される。
【0068】
R. 水による急冷が、典型的に押出ダイの1メートル以内でウォータースプレー49から外側ポリオレフィンカバーに適用され、外側ポリオレフィンカバーを十分に固化し、コンベヤータイヤまたはハンドリング支持体などとの接触を可能にし、その後、管は室温まで冷却され得る。この例において、コーティングは外部冷却のみによって冷却され得るが、むしろ管の温度が非常に高い場合は、段落「M」に記載された内部および外部冷却を組み合わせた手順の使用も有利であり得る。
【0069】
得られたコーティングは、管の周りに実質的に均一な厚さを持つ。溶接部の頂部と胴体部との間の、コーティング厚における差異は最小である。コーティングは、溶接部の外形に適合し、「溶接テント」は存在しない。これは、ロング継目およびスパイラル溶接管の両方に適合することがわかる。
【0070】
図14は、単一の段階で実施される、本発明に従ったコーティング方法のさらなる形態を示す。
【0071】
図14に示す方法において、最初の工程は、図7を参照して先に記載された工程AないしCと、および図12を参照して先に記載された工程JないしTと同じである。
【0072】
S. 例えばスプレー38,39および41から塗装されるようなポリオレフィン粉末が溶融し始めるとき、押出機47から押出された溶融ポリマーのシートを所望の厚さまでサイドラップすることによって、ポリオレフィンの層48をコーティングの上に適用する。外側ポリオレフィンカバーの典型的な厚さは、およそ1mmないしおよそ5mmの範囲にある。例えば、ポリオレフィンは、上記工程Fで論じたものであり得る。
【0073】
T. 先述したように、押出されたシートに圧力を適用し、外側ポリオレフィンカバーと粉末ベースのポリオレフィンコーティングとの間、外側ポリオレフィンカバーの重なりの間の接触を改善し、外側ポリオレフィンカバーを、隆起した溶接部のような表面凹凸に適合させるために、シリコーンローラーが適用され得る。
【0074】
U. 管は、先述したように、ランス42から供給される冷媒を用いて、図14においてIDで示した領域にて、内部で冷却される。内部冷却は、コンベヤータイヤまたは支持装置などに到達する前に、外側ポリオレフィンカバーが固化されているように適用される。このとき、水スプレー49からの外部冷却は、冷却プロセスを補助するために使用され得る。
【0075】
図12および13、および14に関連して記載された方法によって、極めて高い溶融強度を与えるコポリマー接着剤のエポキシによる強化、凹んだネック部分の粉末ポリオレフィンでの充填、および溶接ネック部分周りのスムーズな移行の提供の組合せ、並びに管表面周りの材料の固化に役立つ内部表面冷却の効果は、溶接ビード部分を含む管全体の周りに、優れた品質のコーティングおよび均一なコーティング厚の実現に貢献する。溶接ビードの頂部と管の胴体部との間の厚さの差異は最小となる。コーティングは、溶接ビードの外形に適合し、「溶接テント」は存在しない。これは、ロング継目およびスパイラル溶接された管の両方に適合する。
【0076】
比較例1
管のコーティング方法は、図7ないし11を参照して記載されたように実施された。
【0077】
条件は、以下の表1に示したとおりである。
【表1】
【0078】
図15および16は、比較例1に記載されたプロセスで達成されたコーティングを通した顕微鏡写真による断面を示す。
【0079】
図15において、管胴体上の厚さθ2と比べて、溶接ビード上の厚さθ1に大きな違いがあり、FBE層52と鋼材53との間の領域51に剥離が存在することがわかるであろう。
【0080】
領域54にて、層の分離が接着剤52aと外側ポリオレフィンカバー56との間の境界面に、またはそこに隣接して存在する。
【0081】
図16における領域57にて、層の間、明らかにはコポリマー接着剤層52aとポリエチレン56との間に大きなギャップまたは開口が存在する。
【0082】
例1
コーティング方法は、図12および13を参照して先に詳細に記載された手順にしたがって実施された。
【0083】
以下の表2に示される条件が用いられた。
【表2】
【0084】
図17は、達成されるコーティングを通じた顕微鏡写真による断面である。
【0085】
溶接ビードの頂部上および管胴体上のコーティング厚θ3およびθ4それぞれにおける差異は最小である。鋼材53からのFBE52の剥離は存在せず、隣接した層からの分離、またはコーティングにおいて切れ目は全く存在しない。
【0086】
ポリオレフィン層59と外側ポリオレフィンカバー61との間の境界58は、管の胴体と溶接ビードの頂部との間の実質的にスムーズな移行を与えることは注目されるであろう。この境界の曲率半径は非常に大きく、かつ溶接ビードと管の胴体の表面との間の、はっきりとした弓形の凹んだネック部分62における曲率半径を超過する。
【0087】
例3
図14の図を参照して先により詳細に記載された手順に従って、コーティング方法が実施された。
【0088】
溶接ビードのネック部分に隣接した断面の顕微鏡写真検査は、図17に示したものと同様に優れた品質の管コーティングを示した。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】図1は、管の外周上の溶接ビードを、断面においていくらか模式的に示す。
【図2】図2は、溶接ビードの種々のさらなる形態を示す、図1と同様の視点である。
【図3】図3は、溶接ビードの種々のさらなる形態を示す、図1と同様の視点である。
【図4】図4は、溶接ビードの種々のさらなる形態を示す、図1と同様の視点である。
【図5】図5は、溶接ビードの種々のさらなる形態を示す、図1と同様の視点である。
【図6】図6は、溶接ビードの種々のさらなる形態を示す、図1と同様の視点である。
【図7】図7は、既知の管コーティング手順に使用される手順をいくらか模式的に、かつフローチャートの性質で示す。
【図8】図8は、図7のプロセスにおけるサイドラップステーションにおける動作をより詳細に図示する図7において線VIII-VIIIで切り取られた部分的な断面における端面図をいくらか模式的に示す。
【図9】図9は、サイドラップ手順に引き続く段階を示す、図1と同様の視点である。
【図10】図10は、サイドラップ手順に引き続く段階を示す、図1と同様の視点である。
【図11】図11は、サイドラップ手順に引き続く段階を示す、図1と同様の視点である。
【図12】図12は、本発明に従ったコーティング方法の1つの好ましい形態をいくらか模式的に、かつフローチャートの性質で示す。
【図13】図13は、本発明に従ったコーティング方法の1つの好ましい形態をいくらか模式的に、かつフローチャートの性質で示す。
【図14】図14は、本発明のコーティング方法のさらに好ましい形態を示す、図12および13と同様の視点である。
【図15】図15は、既知の方法で得られたコーティングに生じ得る欠陥を示す、溶接ビードのネック部分の領域で撮影された、顕微鏡写真による断面を示す。
【図16】図16は、既知の方法で得られたコーティングに生じ得る欠陥を示す、溶接ビードのネック部分の領域で撮影された、顕微鏡写真による断面を示す。
【図17】図17は、本発明に従った方法に従って製造されたコーティングの完全性を示す、溶接ビードのネック部分の領域で撮影された、顕微鏡写真による断面を示す。
【発明の開示】
【0001】
本発明は、金属管をコーティングする方法、より具体的には外周上に溶接ビードを持つ、コーティングされた管に関する。
【0002】
保護コーティングは、金属管、例えば鋼管を腐蝕および機械的ダメージから保護するために広く使用される。広く商業的に利用可能なコーティングは、本出願人に譲渡された米国特許5,026,451(Trzecieskiら)に記載されているものである。ここでは、エポキシ樹脂が管に塗装され、外側ポリオレフィンカバーは、中間コポリマー接着剤層を介してエポキシ層と結合される。好ましい態様において、Trzecieskiらの特許は、クロスヘッド押出プロセスによる外側ポリオレフィンカバーの適用を記載していた。
【0003】
クロスヘッド押出プロセスにおいて、ポリオレフィンは、管が中心を通って軸方向に供給される環状ダイを通して押出される。クロスヘッド押出ダイの径には実際的な制限があるので、大きな径の管の場合にはサイドラッププロセスによって外側カバーを設けることが好ましく、ここでポリオレフィンの連続シートは管の外周の周りに螺旋状に巻かれる。
【0004】
鋼材管は2つの基本的な構造で提供される。継目無し管は、溶融鋼から管へと連続的に成形され、それゆえに、継目または溶接部が存在しない。このような管は、隆起した溶接部のカバーについて何ら懸念すること無くコーティングされ得る。しかしながら、継目無し鋼管は非常に大きな径で作ることはできず、かつ高価である。したがって、それらの使用はカテナリーライザー、海底フローラインのような非常に大きな圧力または応力を伴う用途、またはドリル管およびケーシングのような、大きく、連続的な機械的応力に曝される用途に限られる。オイル、ガスおよび水の輸送に使用される大抵の管は溶接された管である。これらは、曲げられて管に成形される鋼板から形成され、次にエッジに沿って溶接され、管を形成する。小さな径の管においては、電気抵抗溶接(ERW)の使用が一般的である。これは、管の胴体と面一の継目をもたらす。しかしながら、この方法は、現在のところ24′′以下の径である比較的小さな径の管に限定されている。それより大きな径の管は、管の残りの外側表面上に溶接継目が突き出る方法によって形成される。
【0005】
大きな径の管を製造するための2つの基本的な手順が存在する。第1の、最も一般的なものは、鋼板を「U」型に成形し、続いてさらに「O」型に成形するものである。次にエッジ同士が溶接され、いわゆる「ロングシーム」管を生成する。普及している第2の方法は、鋼板を連続的に、螺旋状に成形し、溶接して、いわゆる「スパイラル溶接」または「スパイラル」管を生成するものである。両方の場合で、溶接部は管の径を超えて、およびその中に突き出る。
【0006】
本発明の場合は、管の外側表面上の溶接が当面の問題と関係するものである。溶接部の形状を記述するために使用される用語は、図1を参照して説明され得、この後に用いられるであろう。11は溶接部の先端(toe)、12はクラウン(crown)、13はアンダーカットを示す。14は溶接部の高さを示す。溶接部の形状および高さは2つの方法(スパイラルおよびロングシーム)の間で、および製造ごとに異なる。理想的な形状は、管の胴体からのスムーズな移行を形成し、かつ図2に示すように高すぎないものである。しかしながら、この構造は、溶接継目が所定の形状に研磨されない限り、滅多に達成されない。溶接部については、直角のエッジを有する溶接部(図3)、僅かなアンダーカットを有する直角のエッジ(図4)、大きなアンダーカットを有する直角のエッジ(図5)、ならびに両側に大きなアンダーカットおよび頂部にくぼみを有する溶接部(図6)を示す、図2から5に見られる形状を取ることがより一般的である。
【0007】
サイドラップコーティングの手順が、外周上に高く隆起した溶接ビードまたは実質的に短形の断面の溶接ビードを持つ管に用いられる場合は、連続シートと、溶接ビードの一部、例えば凹んだ先端部およびアンダーカット部分11および13との接触が乏しいかまたは全く無く、溶接部の先端において空隙を生じることになり得ることはしばしば見受けられる。これは、溶接部の外形が実質的に短形であるか、または先端付近にアンダーカットがある場合に特に強調される。螺旋状に溶接された管では、単一の軸方向に延びる溶接部を持つ「ロング継目」管におけるよりも、溶接部上に均一な被覆度を得ることが典型的により困難である。2つの長さの管を互いに溶接してより長い管を形成する、「ダブルジョイント」スパイラル溶接管に特有の問題が存在する。なぜならばこのような管は、2つの溶接部が互いに90°の角度で合わさる少なくとも1つの点を常に含むからである。
【0008】
通常、サイドラップシートは、パイプコーティングラインと並んだ押出機から与えられる。パイプコーティングラインの近くで、管とシートとの接着を可能にする温度まで加熱される連続シートを用いることも可能であろう。既知の方法において、水による急冷は、典型的に押出ダイまたはサイドラッピングステーションの1メートル以内で外側ポリマー表面上に適用され、ポリオレフィンを十分に固化させ、さらなるハンドリング、例えばコンベヤータイヤとの接触の間のダメージを防ぐ。冷却される外側面について、ポリオレフィン層は管周囲に円周応力を生じる。隆起した溶接部にて、この円周応力は、溶融ポリマーを接線の形状(tangential configuration)に引っ張る傾向があり、これは溶接部の頂部にて厚さを減らす原因となる。空隙、層の分離、もしくは切れ目は、凹状にくぼんだネック部分と隣接したコーティングに生じるか、またはピンホールもしくはキャビティがコーティング材料の厚みの内に生じ得る。この結果、コーティングの保護特性は不十分または不適切となり得る。
【0009】
本発明において、外周上に溶接ビードを持ち、管の外周から突き出た溶接ビードを具備した管にコーティングを与える改善された方法が提供される。この方法において、硬化性樹脂ポリマーを管に塗装し、硬化性樹脂を管に結合させ、硬化されたまたは部分的に硬化された樹脂ポリマー層を管上に形成することを可能にする。好ましくは、その後すぐに、かつ管がまだ熱いうちに、硬化性ポリマー層に対する接着剤組成物の結合が可能となる条件のもとで、硬化されたまたは部分的に硬化されたポリマー層を上に持つ管に対して、粉末形態の前記接着剤組成物を塗装する。好ましくは、その後すぐに、かつ管がいまだ熱いうちに、前記ポリオレフィンが接着剤組成物に結合することができる条件のもとで、粉末形態のポリオレフィンを管上に塗装する。ポリオレフィン粉末は、接着剤組成物層に結合することが可能で、かつ溶融し、管上にポリオレフィン層を形成することが可能である。この点において、コーティングは、今後は「粉末ベースのポリオレフィンコーティング」と呼ばれる。
【0010】
粉末ベースのポリオレフィンコーティングの形成に続く段階においては、外側ポリオレフィンカバーは、側方押出(side extrusion)によって管上に適用される。外側ポリオレフィンカバーは、粉末ベースのポリオレフィンコーティングに結合することができ、管がポリオレフィンカバーと結合可能なほど十分に熱い段階において塗装される。外側ポリオレフィンカバーを持つ管は、次に室温まで冷却される。代替的に、側方押出されたポリオレフィン層は、粉末ベースのポリオレフィンコーティングを塗装するラインにおいて、直接塗装され得る。このような場合、粉末ベースのポリオレフィンコーティングの塗装と、側方押出された外側層の適用との間に、管に対して追加の加熱を加える必要がない。
【0011】
全ての場合において、管の冷却は、全体的に管の内側からなされるか、または、最初の冷却は管の内側からなされ、管と直に隣接したコーティングが実質的に冷却されてはじめて、外部冷却が続くという組合せによるかのいずれかでなされる。
【0012】
内部冷却は、コーティングされた管の外側が急速な冷却に曝される前に、管と直に隣接したコーティングが実質的に冷却されているかまたは固化されており、例えば接着剤組成物およびポリオレフィン粉末ベースのコーティングの少なくとも一部が固化されていることを保証するために用いられる。ポリオレフィンが溶融状態から固体状態に至るとき、典型的に10ないし20%の収縮を起こす。コーティングが外側表面から内向きに冷却される場合、固化された外側層は、隆起した溶接部の接線方向に大きな応力を及ぼすであろう。それは溶接部の先端におけるような、任意の凹んだ表面に対する法線方向の力に変換される。これは、固化につれて、溶接部に隣接した溶融材料の体積収縮によって強調される。溶接部に隣接した管表面での材料の最初の固化によって、材料を引き離し、空隙および/または破断を生じる傾向を持つ、表面の法線方向の力に抵抗することが可能なほどに十分な強度が生まれる。
【0013】
本発明の少なくとも好ましい態様は、先述した既知のプロセスの欠点を克服する。溶接部の先端に隣接した粉末ベースのポリオレフィンコーティング層の塗装は、溶接ビードと、隣接した管の外周との間のよりスムーズな移行をもたらす。このスムーズな移行は、管の内側表面の冷却効果と併せて、管表面上でのコーティング材料の固化に役立ち、管の周りおよび溶接部上により均一なコーティング厚をもたらす。好ましい形態において、溶接部の頂部と管の胴体部とのコーティング材料厚の差異は最小である。コーティングは溶接部の外形に緊密に適合し、「溶接テント(weld tenting)」は存在しない。この結果は、ロングシームおよびスパイラル溶接された管の両方で達成され得る。
【0014】
内側表面冷却は、例えば開示がここで参照によって組入れられるWongらにより記載された米国特許6,270,847のように達成され得る。
【0015】
硬化されたまたは部分的に硬化されたポリマー層を与えるため、および接着剤組成物が、硬化されたまたは部分的に硬化されたポリマーに結合するような条件のもとで接着剤組成物を塗装するために、種々の技術が用いられるであろう。
【0016】
1つの好ましい形態において、硬化性樹脂ポリマーはエポキシ樹脂を含む。保護コーティングにおいて管への塗装に好適な他の硬化性樹脂、ならびにそれらの塗装および硬化の方法は当業者に周知であり、ここで詳細に記載する必要は無い。簡略化のために、以下でエポキシ樹脂と呼ぶが、記載された技術は他の硬化性樹脂ポリマーに適用可能なことが理解されるであろう。
【0017】
例えば、開示がここで参照によって組入れられる先述した米国特許5,026,451に記載されたような手順を用いて、エポキシ樹脂を硬化性の液体状で塗装することができる。1つの形態において、液状コーティングは部分的に、好ましくは例えば当業者に周知の加熱条件のもとで管を加熱することによって、不完全に硬化されたゲル状態に至るまで硬化される。
【0018】
さらなる例において、エポキシ樹脂は、本特許出願人に譲渡された米国特許4,345,004(Miyataら)、米国特許4,510,007(Stucke)および米国特許5,178,902(Wongら)に記載されたような、好ましくは不完全に硬化された溶融接着エポキシ(fusion bonded epoxy)(FBE)の形態で塗装され、全ての開示はここで参照によって組入れられる。
【0019】
接着剤組成物とエポキシ樹脂層との間の結合を与えるために、接着剤組成物はエポキシ組成物に結合可能であるか、または好ましくはエポキシ組成物と反応可能な化学基を含んでいなければならず、かつ粉末ベースの複合コーティングのポリオレフィン層に結合可能でなければならない。極めて一般的には、接着剤組成物は、変性ポリオレフィンを含んでいてもよく、ここでポリオレフィンはエポキシ中に存在する官能基と反応可能な官能基を含むであろう。このような変性ポリオレフィンの例は当業者に周知である。エポキシに結合可能なポリオレフィンに組入れられる通常の化学基は、ビニルアセテート、エチルアクリレート、メチルアクリレート、およびマレイン酸のコポリマーまたはグラフトコポリマーから誘導されるものを含む。ポリオレフィン接着剤組成物は、官能基化されたポリオレフィンと官能基化されていないポリオレフィンのブレンドからなり得る。エポキシに結合可能で、かつ本発明の方法に用いられ得る多くの変性ポリオレフィンの例は、開示がここで参照によって組入れられる先述のWongらの’902、Miyataらの’004、およびStuckeらの’007特許、およびSakayoriらのU.S. Re. 30,006においてより詳細に記載される。
【0020】
コポリマー接着剤は、管が熱いうちに粉末形態で管に塗装される。本発明の1つの特に好ましい形態によれば、コポリマー接着剤はWongらの’902特許に記載された手順に従って塗装され、FBEおよびコポリマー接着剤は管上に一緒にスプレーされ、溶融して、上記の散在したドメインおよび固定されたドメインを形成し、このようなドメインはそれぞれエポキシおよびコポリマー接着剤からなる。このような場合、エポキシは接着剤を補強し、かつより高い溶融強度を与え、それによって分離または切れ目がコーティング層に生じることについてのあらゆる傾向を減らす。
【0021】
しかしながら、十分な結果は、コポリマー接着剤が十分な溶融強度を持つ場合は(溶融強度は、コーティング層が冷却段階の間に応力に曝される温度において、ポリマーが流れまたは動きに抵抗する能力の指標である)、エポキシ層上に別個の層としてコポリマー接着剤を塗装することによって達成される。高い溶融強度を持つポリマーは、ポリマーについてより大きな分子量を示す低いメルトフローインデックスによって表される。典型的に、分子量がより大きいほど、連続層への融着速度はより遅くなる。
【0022】
それゆえに、このような場合、コポリマー接着剤の溶融強度は、望ましくは過度に高くならない。なぜならば、塗装温度において、高い溶融強度のコポリマー接着剤は、エポキシでコーティングされた管に対して緊密かつ連続的に適合した要求されるコーティングを与える塗装温度において十分に流れ得ないので、これは塗装の問題を起こし得るからである。
【0023】
本発明の実施において、当業者は、試行錯誤によって、塗装の間に、管に対するコポリマー接着剤の十分な適合性を提供する一方で、層の分離、切れ目、ピンホール、キャビティなどの無いコーティングを達成するのに必要なコポリマー接着剤の溶融強度特性を決定することができる。
【0024】
先述したように、本発明の好ましい形態において、ポリオレフィン層は、溶接ビードと、隣接した管の外周との間のスムーズな移行を与える。このようなスムーズな移行は、好ましくは、溶接ビードの横側面に存在する、凹んだネック部分(concave neck)を少なくとも部分的に充填するポリオレフィン粉末から生じる。好ましくは、粉末は静電的に帯電しており、これは凹んだネックの鋭く湾曲した領域に優先的に粉末を堆積させ得る。本発明に従って製造された、コーティングされた管における、得られたポリオレフィン層と外側ポリオレフィンカバーとの間の境界は、断面において或る程度の凹みを示し、このような凹みは、エポキシ層と管の金属との間の境界にて見られる凹みよりも、望ましくは明らかに小さくなり得る。2つの凹みの違いは、それぞれの曲率半径に関して定量され得る。望ましくは、ポリオレフィン層と外側ポリオレフィンカバーとの間の境界の曲率半径は、溶接ビードの横側面におけるネック部分に存在する凹みの曲率半径の、少なくとも10倍、より好ましくは20倍、さらにより好ましくは50倍である。
【0025】
本発明の好ましい形態において、溶融接着エポキシと塗装されたコポリマー接着剤(ここでその後「下地層」と呼ばれる)とを合わせた厚さよりもはるかに大きな厚さに粉末形態のポリオレフィンを塗装することによって、スムーズな移行が達成される。塗装されることが望まれる個々の層の厚さは、管の寸法によって変わる傾向があるが、比較は、或る塗装された管における、粉末ベースのポリオレフィンコーティングの相対厚と下地層の相対厚との間でなされ得る。言及された厚さは、管の外周の、スムーズに湾曲した部分に塗装された層のものである。本発明の好ましい形態において、粉末ベースのポリオレフィンコーティング厚は、下地層のもののおよそ0.5倍ないしおよそ5倍である。
【0026】
実際、下地層のもののおよそ0.5倍未満の厚さの、粉末ベースのポリオレフィンの塗装は、先述した層の分離、切れ目の形成、ピンホールまたはキャビティの問題が生じる結果をもって、溶接ネックに隣接した、凹んだ部分の不十分な充填の発生率増加をもたらす傾向があり得ることがわかっている。下地層の厚さのおよそ5.0倍を超えた粉末ベースのポリオレフィンコーティング厚の増大は、製品のコーティング層の質を殆ど改善しない一方で、塗装操作のコストを増大させることがわかる。
【0027】
より好ましくは、粉末ベースのポリオレフィンコーティングは、下地層のおよそ1.0ないし4.0倍厚く、さらにより好ましくはおよそ1.2ないしおよそ2.0倍厚い。
【0028】
本発明の1つの好ましい形態において、エポキシ樹脂、コポリマー接着剤の塗装工程が用いられた場合、管がおよそ180ないし240℃の温度にある間に、粉末形態のポリオレフィンおよび外側ポリオレフィンカバーが実施される。
【0029】
或る状況においては、外側ポリオレフィンカバーを実質的により低い温度で適用することが望ましいと考えられ得る。本発明のさらに好ましい形態において、これは、例えばWongらの’847特許に記載したように、粉末形態のポリオレフィンを塗装した後に、ポリオレフィン層が固化するまで、冷媒を管の内側に適用することによって管を冷却する手順によって達成され得る。このとき、外部からの冷却、例えばコーティングされた管の外側表面の水による急冷が、冷却プロセスの更なる補助に用いられ得る。
【0030】
コーティングされた管は、次にコーティングラインにロードされ、管の鋼または他の金属が例えばおよそ90℃まで誘導加熱される。予熱された管は、次に赤外加熱オーブンを通過し、ポリオレフィンコーティングは110℃ないし160℃、好ましくは130℃±10℃の温度まで加熱される。或る状況においては、誘導加熱を減らすかまたは省き、赤外加熱だけに頼ることも可能となり得る。
【0031】
外側ポリオレフィンカバーは、次に、予熱されたコーティングの上に、押出されたポリオレフィンのシートを、所望の厚さまでサイドラップすることによって適用され得る。典型的に、サイドラップされたコーティング厚は、およそ1mmないし5mmの範囲にある。水による急冷は、外側ポリマーの表面に、典型的に押出ダイから2m以内で適用され、ポリオレフィンを十分に固化し、コンベヤータイヤのようなハンドリング装置と接触可能にする。
【0032】
好ましい形態において、外側ポリオレフィンカバーはサイドラップ法によって適用されるが、クロスヘッド押出法によって外側ポリオレフィンカバーを適用することも可能である。このような、コポリマー接着剤の塗装と一緒のクロスヘッド押出しは、本出願人に譲渡され、その開示がここで参照によって組入れられる米国特許5,026,451(Trzecieskiら)に記載される。
【0033】
サイドラップは当業者に周知の技術を用いて達成され得て、ここで参照によって組入れられる米国特許4,510,007(Stucke)に一般に記載される。
【0034】
本発明は、例示のみであるが、添付図を参照して、より十分に記述されるであろう。:
添付図を参照すると、図7は通常の管コーティング方法を示す。管21は、通常の方法において矢印22で示される回転の向きで、コーティングラインを通じて前方に供給されるにつれてその軸周りに回転される。
【0035】
A. 任意で、管は、泥、氷などの典型的に遊離性の混入物を除くための洗浄と、露点を3℃超える最低温度まで、より典型的には40ないし70℃の温度までの予熱と、錆を除き、スケールを削り、表面プロファイルを確立させるための研磨剤ブラストとを含む、引き続いてのコーティングを受入れるように調製され、
B. リン酸洗浄、クロム酸塩などのような、任意で追加の表面処理が使用され得る。
【0036】
C. 管は、FBE(溶融接着エポキシ)の塗装温度まで、典型的に200ないし240℃の範囲まで、或る例では180ないし250℃まで予熱される。通常、このような予熱は、管21を、誘導加熱コイルまたはトンネルオーブンに通すことによって実施される。
【0037】
D. 予熱された管は、静電的に帯電した溶融接着エポキシ粉末が熱い管上に塗装されるFBE塗装デバイス23を通して運ばれる。粉末は熱い管に接触して溶融し、結合する。典型的に、管上に構築される溶融接着エポキシ層の厚さは、およそ100μmないし300μmの範囲である。
【0038】
使用され得る溶融接着エポキシ粉末の例は以下を含む;
3M、Morden,Manitoba Canadaから入手できるScotchkote 6233(登録商標);
3M、Austin,Texas,U.S.A.から入手できるScotchkote 626;
全て、Dupont Powder Coatings,Houston,Texas,U.S.Aから入手できるNapguard 7−2514 FG,Napguard 7−2501およびNapguard 7−2500;
Jotun,United Arab Emiratesから入手できるEP−2004およびEPF 1011;
AKZO NOBEL,Germanyから入手できるResicoat R5−726。
【0039】
E. FBE塗装の直後、管は、熱い管上にコポリマー接着剤粉末を塗装する接着剤粉末塗装器24を通して運ばれ、コポリマー接着剤粉末は直ちに熱いエポキシと融着し、溶融接着エポキシ上にコポリマー接着剤層を形成する。構築される層の厚さは、典型的に100μmないし250μmの範囲である。
【0040】
使用されるコポリマー接着剤は、その後コポリマー接着剤上に適用される外側カバーに依存する。外側カバーがポリエチレンの場合、例えば以下のポリエチレンベースの接着剤が使用され得る。
【0041】
Dupont,Sarnia,Ontario,Canadaから入手できるFusabond EMB500DG(powder);
Arkema,Franceから入手できるLotader 2100;
Basell,Germanyから入手できるLucalen G3510H。
【0042】
外側カバーがポリプロピレンの場合、例えば以下のようなポリプロピレンベースの接着剤が使用され得る:
Dupont,Sarnia,Ontario,Canadaから入手できるFusabond PMD4310D;
Basell,Italyから入手できるHifax EP2015;
Arkema,Franceから入手できるOrevac 18732P;
Borealis,Finlandから入手できるBorcoat 127E。
【0043】
F. 接着剤塗装の直後に、シート押出機から押出された溶融ポリマーのシートを多重にサイドラップすることによってポリオレフィン(例えばポリエチレンまたはポリプロピレン)を適用し、図7の26で模式的に示すように、外側カバーの所望の厚さを達成する。典型的に、単独の耐腐食性のコーティングのためには、厚さはおよそ1mmないし6mmの範囲であるが、コーティングが断熱コーティングシステムの構成要素である場合は、実質的により厚くなり得る。
【0044】
押出された材料31は、例えば材料31がポリエチレンである場合は、:
両方ともNova Chemicals,Moore,Ontario,Canadaから入手できるSclair 35BPおよびSclair HEY499A;
Basell,Germanyから入手できるLupolen4552D;
BP,Houston,Texas,United States of Americaから入手できるInnovene
を含み得る。
【0045】
押出された材料31がポリプロピレンを含む場合、以下のものが、使用され得るポリプロピレン組成物の例である:
Borealis,Finlandから入手できるBB108E;
両方ともBasell,Italyから入手できるMoplen Coat BP BiancoおよびProfax 7823;
Hoechst,Germanyから入手できるHostalen PP H2483。
【0046】
G. 押出されたシートの外側側面に適用され、管の方に片寄ったシリコーンローラーが、押出された溶融シート上に圧力を及ぼすために使用され、ポリオレフィン層と接着剤との間、ポリオレフィンシートの重なりの間の接触を改善し、かつ隆起した溶接部のような表面凹凸についての溶融ポリマーの適合性を改善する。
【0047】
H. サイドラップの後に、水による急冷が、水スプレーデバイス27から典型的に押出ダイの1メートル以内で外側ポリマー表面上に適用され、ポリオレフィンを十分に固化し、コンベヤータイヤのような輸送装置との接触を可能にする。
【0048】
I. コーティングされた管28はコーティングラインから出る。
【0049】
図8は、管21上の溶接ビードに隣接した、押出されたシート31に圧力を適用するシリコーンローラー29の動作を示す。
【0050】
図示するように、前進する溶接ビード32は、溶融シート31の下側表面に衝突し、それを押し上げる。
【0051】
図9に示すように、管21の方に片寄ったローラー29は、押出された材料31を、前進する溶接ビード32に沿ってかつそれに向けて押込む。
【0052】
図10に示すように、その後の段階にて、ローラー29は、溶接ビード32の上にジャンプし、ローラーが片寄っている反動の結果として溶接ビードの側面から溶接ビード32の頂部への急激な移行を示し、溶接ビード32の頂部に衝突する傾向があり、図10中の31aに示す領域において、押出されたシート31の薄化を生じる傾向がある。
【0053】
図11に示すように、ローラー29が溶接ビードを越えて、かつ溶接ビード32の右側側面上における溶接ビード32のネック部分32aを越えて通過すると、ローラー29と押出されたシート31との摩擦接触が、後退する溶接ビード32から、押出された材料31を引き離す傾向があり、ローラー29は、ポリマーシートを溶接部のネック部分32aに形成するためには有効でない。
【0054】
さらに、冷却段階の間、欠陥がコーティング層の内に生じやすい(図16および17に関して後でより詳細に記載される)。
【0055】
図12および13は、2段階で実施される、本発明に従った方法の1つの例を示す。
【0056】
図示した方法において、最初の工程は、図7を参照して先に記載されたAないしCの工程と同じである。
【0057】
J. FBEの静電的スプレー塗装は、スプレー塗装器33により実施され、典型的に150μmないし300μmの範囲の厚さのFBEコーティングを提供する。例えば、FBEは上記工程Dで掲げたいずれかのものであり得る。
【0058】
K. FBE塗装の直後に、エポキシおよびコポリマーの、散在したドメインおよび固定されたドメインを含んだ接着剤の中間層が、塗装器34からのFBEの静電的なスプレーと、塗装器36および37からの静電的に帯電したコポリマー接着剤粉末とを混合することによって塗装されるので、組成はラインの間で変わり、FBE層においてエポキシの含有量が高く、層の外側部分においてコポリマー接着剤の含有量が高い。塗装器34ないし37から塗装される典型的な全体の厚さは、およそ110ないしおよそ150μmである。例えば、コポリマー接着剤は、上記工程Eに記載したものであり得る。
【0059】
L. 接着剤塗装の直後に、静電的に帯電したポリオレフィン粉末が、例えばスプレー38ないし41からのスプレーによって、または堆積される粉末の量を制御するための振動パン(vibrating pan)から静電的に帯電した粉末を落とすことによって塗装される。例えば、ポリオレフィン粉末は、上記工程Fで論じたものであり得る。
【0060】
帯電したポリオレフィン粉末は、凹んだ溶接ネック部分を充填し、融着し、典型的におよそ350μmないし1100μmの厚さの連続ポリオレフィン層を形成する。
【0061】
この段階までに管上に塗装された層の全体の厚さは、およそ750μmないし1500μmの範囲である。
【0062】
M. 一旦、ポリオレフィン層が完全に溶融されると、管は、例えばWongらの’847特許に記載された技術を用いて内部で冷却される。冷媒(通常は水)は、管21に挿入されるランス42を通して供給され、図12においてIDで示される領域にて管の内表面上にスプレーを与える。内部冷却は、管がコンベヤータイヤのようなハンドリング支持体に到達する前に、ポリオレフィン層を固化する。
【0063】
N. ポリオレフィン層の固化の後に、さらに冷却プロセスを補助するためにウォータースプレー43からの外部冷却を適用する。
【0064】
隆起した溶接ビードに隣接した、優れた被覆度を有する塗り落ちの無いコーティングが得られる。溶接ネック領域はポリオレフィン層で充填され、管胴体と隆起した溶接ビードとの間のスムーズな移行を形成する。
【0065】
O. 図13に見られるようなコーティングされた管44はコーティングラインにロードされ、管の鋼の温度がおよそ90℃まで誘導加熱される。1つの形態において、予熱された管は、ポリオレフィンコーティングが110℃ないし160℃、好ましくは130±10℃の温度まで加熱される。赤外オーブン46を通過するさらなる形態において、より高い効率の赤外加熱デバイスを用いて、誘導加熱を減らすか、または省くことも可能となり得る。
【0066】
P. ポリオレフィンの外側カバーは、押出機47を用いて押出されたポリオレフィンのシート48を予熱されたコーティング上にサイドラップすることによって適用する。サイドラップされたコーティング厚は、典型的におよそ1mmないし5mmの範囲にある。例えば、ポリオレフィンは、上記工程Fで論じたものであり得る。
【0067】
Q. 例えば図8ないし11に示したシリコーンローラーは、典型的に押出されたシート48上に圧力を適用し、ポリオレフィン層と外側ポリオレフィンカバーとの間、およびポリオレフィンの重なりの間の接触を改善し、ポリオレフィンの重なりを、隆起した溶接ビードのような表面凹凸に適合させるために使用される。
【0068】
R. 水による急冷が、典型的に押出ダイの1メートル以内でウォータースプレー49から外側ポリオレフィンカバーに適用され、外側ポリオレフィンカバーを十分に固化し、コンベヤータイヤまたはハンドリング支持体などとの接触を可能にし、その後、管は室温まで冷却され得る。この例において、コーティングは外部冷却のみによって冷却され得るが、むしろ管の温度が非常に高い場合は、段落「M」に記載された内部および外部冷却を組み合わせた手順の使用も有利であり得る。
【0069】
得られたコーティングは、管の周りに実質的に均一な厚さを持つ。溶接部の頂部と胴体部との間の、コーティング厚における差異は最小である。コーティングは、溶接部の外形に適合し、「溶接テント」は存在しない。これは、ロング継目およびスパイラル溶接管の両方に適合することがわかる。
【0070】
図14は、単一の段階で実施される、本発明に従ったコーティング方法のさらなる形態を示す。
【0071】
図14に示す方法において、最初の工程は、図7を参照して先に記載された工程AないしCと、および図12を参照して先に記載された工程JないしTと同じである。
【0072】
S. 例えばスプレー38,39および41から塗装されるようなポリオレフィン粉末が溶融し始めるとき、押出機47から押出された溶融ポリマーのシートを所望の厚さまでサイドラップすることによって、ポリオレフィンの層48をコーティングの上に適用する。外側ポリオレフィンカバーの典型的な厚さは、およそ1mmないしおよそ5mmの範囲にある。例えば、ポリオレフィンは、上記工程Fで論じたものであり得る。
【0073】
T. 先述したように、押出されたシートに圧力を適用し、外側ポリオレフィンカバーと粉末ベースのポリオレフィンコーティングとの間、外側ポリオレフィンカバーの重なりの間の接触を改善し、外側ポリオレフィンカバーを、隆起した溶接部のような表面凹凸に適合させるために、シリコーンローラーが適用され得る。
【0074】
U. 管は、先述したように、ランス42から供給される冷媒を用いて、図14においてIDで示した領域にて、内部で冷却される。内部冷却は、コンベヤータイヤまたは支持装置などに到達する前に、外側ポリオレフィンカバーが固化されているように適用される。このとき、水スプレー49からの外部冷却は、冷却プロセスを補助するために使用され得る。
【0075】
図12および13、および14に関連して記載された方法によって、極めて高い溶融強度を与えるコポリマー接着剤のエポキシによる強化、凹んだネック部分の粉末ポリオレフィンでの充填、および溶接ネック部分周りのスムーズな移行の提供の組合せ、並びに管表面周りの材料の固化に役立つ内部表面冷却の効果は、溶接ビード部分を含む管全体の周りに、優れた品質のコーティングおよび均一なコーティング厚の実現に貢献する。溶接ビードの頂部と管の胴体部との間の厚さの差異は最小となる。コーティングは、溶接ビードの外形に適合し、「溶接テント」は存在しない。これは、ロング継目およびスパイラル溶接された管の両方に適合する。
【0076】
比較例1
管のコーティング方法は、図7ないし11を参照して記載されたように実施された。
【0077】
条件は、以下の表1に示したとおりである。
【表1】
【0078】
図15および16は、比較例1に記載されたプロセスで達成されたコーティングを通した顕微鏡写真による断面を示す。
【0079】
図15において、管胴体上の厚さθ2と比べて、溶接ビード上の厚さθ1に大きな違いがあり、FBE層52と鋼材53との間の領域51に剥離が存在することがわかるであろう。
【0080】
領域54にて、層の分離が接着剤52aと外側ポリオレフィンカバー56との間の境界面に、またはそこに隣接して存在する。
【0081】
図16における領域57にて、層の間、明らかにはコポリマー接着剤層52aとポリエチレン56との間に大きなギャップまたは開口が存在する。
【0082】
例1
コーティング方法は、図12および13を参照して先に詳細に記載された手順にしたがって実施された。
【0083】
以下の表2に示される条件が用いられた。
【表2】
【0084】
図17は、達成されるコーティングを通じた顕微鏡写真による断面である。
【0085】
溶接ビードの頂部上および管胴体上のコーティング厚θ3およびθ4それぞれにおける差異は最小である。鋼材53からのFBE52の剥離は存在せず、隣接した層からの分離、またはコーティングにおいて切れ目は全く存在しない。
【0086】
ポリオレフィン層59と外側ポリオレフィンカバー61との間の境界58は、管の胴体と溶接ビードの頂部との間の実質的にスムーズな移行を与えることは注目されるであろう。この境界の曲率半径は非常に大きく、かつ溶接ビードと管の胴体の表面との間の、はっきりとした弓形の凹んだネック部分62における曲率半径を超過する。
【0087】
例3
図14の図を参照して先により詳細に記載された手順に従って、コーティング方法が実施された。
【0088】
溶接ビードのネック部分に隣接した断面の顕微鏡写真検査は、図17に示したものと同様に優れた品質の管コーティングを示した。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】図1は、管の外周上の溶接ビードを、断面においていくらか模式的に示す。
【図2】図2は、溶接ビードの種々のさらなる形態を示す、図1と同様の視点である。
【図3】図3は、溶接ビードの種々のさらなる形態を示す、図1と同様の視点である。
【図4】図4は、溶接ビードの種々のさらなる形態を示す、図1と同様の視点である。
【図5】図5は、溶接ビードの種々のさらなる形態を示す、図1と同様の視点である。
【図6】図6は、溶接ビードの種々のさらなる形態を示す、図1と同様の視点である。
【図7】図7は、既知の管コーティング手順に使用される手順をいくらか模式的に、かつフローチャートの性質で示す。
【図8】図8は、図7のプロセスにおけるサイドラップステーションにおける動作をより詳細に図示する図7において線VIII-VIIIで切り取られた部分的な断面における端面図をいくらか模式的に示す。
【図9】図9は、サイドラップ手順に引き続く段階を示す、図1と同様の視点である。
【図10】図10は、サイドラップ手順に引き続く段階を示す、図1と同様の視点である。
【図11】図11は、サイドラップ手順に引き続く段階を示す、図1と同様の視点である。
【図12】図12は、本発明に従ったコーティング方法の1つの好ましい形態をいくらか模式的に、かつフローチャートの性質で示す。
【図13】図13は、本発明に従ったコーティング方法の1つの好ましい形態をいくらか模式的に、かつフローチャートの性質で示す。
【図14】図14は、本発明のコーティング方法のさらに好ましい形態を示す、図12および13と同様の視点である。
【図15】図15は、既知の方法で得られたコーティングに生じ得る欠陥を示す、溶接ビードのネック部分の領域で撮影された、顕微鏡写真による断面を示す。
【図16】図16は、既知の方法で得られたコーティングに生じ得る欠陥を示す、溶接ビードのネック部分の領域で撮影された、顕微鏡写真による断面を示す。
【図17】図17は、本発明に従った方法に従って製造されたコーティングの完全性を示す、溶接ビードのネック部分の領域で撮影された、顕微鏡写真による断面を示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周上に隆起した溶接ビードを持つ管のコーティング方法であって、前記溶接ビードは前記管の外周から突き出ており、前記方法は、
硬化性樹脂ポリマーを前記管に塗装し、前記硬化性樹脂を前記管に結合させ、前記パイプ上に、硬化されたまたは部分的に硬化されたポリマー層を形成することを可能にする工程と、
粉末形態の接着剤組成物を、前記接着剤組成物が溶融して連続フィルムになり、かつ前記硬化されたまたは部分的に硬化されたポリマー層に結合することを可能とする条件のもとで、前記管が熱いうちに、前記硬化されたまたは部分的に硬化されたポリマー層を上に持つ前記管の上に塗装する工程と、
粉末形態のポリオレフィンを、前記ポリオレフィン粉末が融合して連続フィルムになり、かつ前記接着剤組成物層に結合して前記管上に粉末ベースのポリオレフィンコーティングを形成することを可能とする条件のもとで、前記管が熱いうちに、接着剤組成物層を上に持つ前記管上に塗装する工程と、
前記粉末ベースのポリオレフィンコーティングの形成に続く段階にて、前記管を内側から冷却する工程と、
前記粉末ベースのポリオレフィンコーティングに結合可能な外側ポリオレフィンカバーを、前記粉末ベースのポリオレフィンコーティングを上に持つ前記管上に適用し、前記ポリオレフィンカバーを前記粉末ベースのポリオレフィンコーティングに結合させる工程と、
前記管を室温までの冷却させる工程と
を含む方法。
【請求項2】
内側からの前記管の冷却に続いて、前記管と直に隣接したコーティングが実質的に冷却された後に、外部冷却が適用される、請求項1による方法。
【請求項3】
前記冷却工程の後、かつ前記外側ポリオレフィンカバーの適用の前に、前記管を加熱することを含む、請求項1による方法。
【請求項4】
前記外側ポリオレフィンカバーの適用の後に、外側表面上に冷媒を適用することによる冷却を含む、請求項1による方法。
【請求項5】
前記接着剤組成物が、前記硬化性樹脂ポリマーとポリオレフィンコポリマー接着剤との混合物である、請求項1による方法。
【請求項6】
前記接着剤組成物が、ポリオレフィンコポリマーを含む、請求項1による方法。
【請求項7】
前記硬化性樹脂ポリマーがエポキシ組成物である、請求項1による方法。
【請求項8】
前記粉末形態のポリオレフィンが、静電的に帯電している、請求項1による方法。
【請求項9】
前記エポキシ層と前記接着剤組成物層との合わせた厚さに対する前記粉末ベースのポリオレフィンコーティングの厚さの比が、0.5:1ないし5:1である、請求項1による方法。
【請求項10】
前記比が1:1ないし4:1である、請求項9による方法。
【請求項11】
前記比が1.2:1ないし2:1である、請求項10による方法。
【請求項12】
外周上に隆起した溶接ビードを持つ管のコーティング方法であって、前記溶接ビードは前記管の外周から突き出ており、前記方法は、
硬化性樹脂ポリマーを前記管に塗装し、前記硬化性樹脂を前記管に結合させ、前記管の上に、硬化されたまたは部分的に硬化されたポリマー層を形成することを可能にする工程と、
粉末形態の接着剤組成物を、前記接着剤組成物が溶融して連続フィルムになり、かつ前記硬化されたまたは部分的に硬化されたポリマー層に結合することを可能とする条件のもとで、前記管が熱いうちに、前記硬化されたまたは部分的に硬化されたポリマー層を上に持つ前記管の上に塗装する工程と、
粉末形態のポリオレフィンを、前記ポリオレフィン粉末が溶融して連続フィルムになり、かつ前記接着剤組成物層に結合して前記管上に粉末ベースのポリオレフィンコーティングを形成することを可能とする条件のもとで、前記管が熱いうちに、接着剤組成物層を上に持つ前記管上に塗装する工程と、
前記粉末ベースのポリオレフィンコーティングに結合可能な外側ポリオレフィンカバーを、前記粉末ベースのポリオレフィンコーティングを上に持つ前記管上に塗装し、前記ポリオレフィンカバーを前記粉末ベースのポリオレフィンコーティングに結合させる工程と、
前記管を、内側からか、または最初の冷却が前記管の内側から行われ、前記外部冷却が、管と直に隣接したコーティングが実質的に冷却されて初めて、外部冷却が行われるという組合せによって、冷却する工程と
を含む方法。
【請求項13】
内側からの前記管の冷却に続き、前記管と直に隣接したコーティングが実質的に冷却された後に、外部冷却が適用される、請求項12による方法。
【請求項14】
前記接着剤組成物が、前記硬化性樹脂ポリマーとポリオレフィンコポリマー接着剤との混合物である、請求項12による方法。
【請求項15】
前記接着剤組成物が、ポリオレフィンコポリマーを含む、請求項12による方法。
【請求項16】
前記硬化性樹脂ポリマーがエポキシ組成物である、請求項12による方法。
【請求項17】
前記粉末形態のポリオレフィンが、静電的に帯電している、請求項12による方法。
【請求項18】
前記エポキシ層と前記接着剤組成物層との合わせた厚さに対する前記粉末ベースのポリオレフィンコーティングの厚さの比が、0.5:1ないし5:1である、請求項12による方法。
【請求項19】
前記比が1:1ないし4:1である、請求項18による方法。
【請求項20】
前記比が1.2:1ないし2:1である、請求項19による方法。
【請求項1】
外周上に隆起した溶接ビードを持つ管のコーティング方法であって、前記溶接ビードは前記管の外周から突き出ており、前記方法は、
硬化性樹脂ポリマーを前記管に塗装し、前記硬化性樹脂を前記管に結合させ、前記パイプ上に、硬化されたまたは部分的に硬化されたポリマー層を形成することを可能にする工程と、
粉末形態の接着剤組成物を、前記接着剤組成物が溶融して連続フィルムになり、かつ前記硬化されたまたは部分的に硬化されたポリマー層に結合することを可能とする条件のもとで、前記管が熱いうちに、前記硬化されたまたは部分的に硬化されたポリマー層を上に持つ前記管の上に塗装する工程と、
粉末形態のポリオレフィンを、前記ポリオレフィン粉末が融合して連続フィルムになり、かつ前記接着剤組成物層に結合して前記管上に粉末ベースのポリオレフィンコーティングを形成することを可能とする条件のもとで、前記管が熱いうちに、接着剤組成物層を上に持つ前記管上に塗装する工程と、
前記粉末ベースのポリオレフィンコーティングの形成に続く段階にて、前記管を内側から冷却する工程と、
前記粉末ベースのポリオレフィンコーティングに結合可能な外側ポリオレフィンカバーを、前記粉末ベースのポリオレフィンコーティングを上に持つ前記管上に適用し、前記ポリオレフィンカバーを前記粉末ベースのポリオレフィンコーティングに結合させる工程と、
前記管を室温までの冷却させる工程と
を含む方法。
【請求項2】
内側からの前記管の冷却に続いて、前記管と直に隣接したコーティングが実質的に冷却された後に、外部冷却が適用される、請求項1による方法。
【請求項3】
前記冷却工程の後、かつ前記外側ポリオレフィンカバーの適用の前に、前記管を加熱することを含む、請求項1による方法。
【請求項4】
前記外側ポリオレフィンカバーの適用の後に、外側表面上に冷媒を適用することによる冷却を含む、請求項1による方法。
【請求項5】
前記接着剤組成物が、前記硬化性樹脂ポリマーとポリオレフィンコポリマー接着剤との混合物である、請求項1による方法。
【請求項6】
前記接着剤組成物が、ポリオレフィンコポリマーを含む、請求項1による方法。
【請求項7】
前記硬化性樹脂ポリマーがエポキシ組成物である、請求項1による方法。
【請求項8】
前記粉末形態のポリオレフィンが、静電的に帯電している、請求項1による方法。
【請求項9】
前記エポキシ層と前記接着剤組成物層との合わせた厚さに対する前記粉末ベースのポリオレフィンコーティングの厚さの比が、0.5:1ないし5:1である、請求項1による方法。
【請求項10】
前記比が1:1ないし4:1である、請求項9による方法。
【請求項11】
前記比が1.2:1ないし2:1である、請求項10による方法。
【請求項12】
外周上に隆起した溶接ビードを持つ管のコーティング方法であって、前記溶接ビードは前記管の外周から突き出ており、前記方法は、
硬化性樹脂ポリマーを前記管に塗装し、前記硬化性樹脂を前記管に結合させ、前記管の上に、硬化されたまたは部分的に硬化されたポリマー層を形成することを可能にする工程と、
粉末形態の接着剤組成物を、前記接着剤組成物が溶融して連続フィルムになり、かつ前記硬化されたまたは部分的に硬化されたポリマー層に結合することを可能とする条件のもとで、前記管が熱いうちに、前記硬化されたまたは部分的に硬化されたポリマー層を上に持つ前記管の上に塗装する工程と、
粉末形態のポリオレフィンを、前記ポリオレフィン粉末が溶融して連続フィルムになり、かつ前記接着剤組成物層に結合して前記管上に粉末ベースのポリオレフィンコーティングを形成することを可能とする条件のもとで、前記管が熱いうちに、接着剤組成物層を上に持つ前記管上に塗装する工程と、
前記粉末ベースのポリオレフィンコーティングに結合可能な外側ポリオレフィンカバーを、前記粉末ベースのポリオレフィンコーティングを上に持つ前記管上に塗装し、前記ポリオレフィンカバーを前記粉末ベースのポリオレフィンコーティングに結合させる工程と、
前記管を、内側からか、または最初の冷却が前記管の内側から行われ、前記外部冷却が、管と直に隣接したコーティングが実質的に冷却されて初めて、外部冷却が行われるという組合せによって、冷却する工程と
を含む方法。
【請求項13】
内側からの前記管の冷却に続き、前記管と直に隣接したコーティングが実質的に冷却された後に、外部冷却が適用される、請求項12による方法。
【請求項14】
前記接着剤組成物が、前記硬化性樹脂ポリマーとポリオレフィンコポリマー接着剤との混合物である、請求項12による方法。
【請求項15】
前記接着剤組成物が、ポリオレフィンコポリマーを含む、請求項12による方法。
【請求項16】
前記硬化性樹脂ポリマーがエポキシ組成物である、請求項12による方法。
【請求項17】
前記粉末形態のポリオレフィンが、静電的に帯電している、請求項12による方法。
【請求項18】
前記エポキシ層と前記接着剤組成物層との合わせた厚さに対する前記粉末ベースのポリオレフィンコーティングの厚さの比が、0.5:1ないし5:1である、請求項12による方法。
【請求項19】
前記比が1:1ないし4:1である、請求項18による方法。
【請求項20】
前記比が1.2:1ないし2:1である、請求項19による方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公表番号】特表2009−527699(P2009−527699A)
【公表日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−555583(P2008−555583)
【出願日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際出願番号】PCT/CA2007/000271
【国際公開番号】WO2007/095741
【国際公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【出願人】(508256020)ショーコア・リミテッド (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際出願番号】PCT/CA2007/000271
【国際公開番号】WO2007/095741
【国際公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【出願人】(508256020)ショーコア・リミテッド (1)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]