説明

溶融炉

【課題】バーナーから噴射される燃焼ガスを極力炉心に向かわせることで、装入材の効率的な加熱と炉壁の過熱防止とを両立可能な溶融炉を提供する。
【解決手段】溶融炉は、装入材を載置可能な炉床1aと、その炉床から直立した円筒状の炉壁1bとを有する。炉床1aから所定高さには、複数の主バーナー2が炉壁1bの周方向に沿って間隔を隔てて配列されている。炉床1aから前記所定高さ又はそれ以上の位置には、複数の補助バーナー3が炉壁1bの周方向に沿って配列されている。そして、前記複数の主バーナー2のうちの隣り合う二つの主バーナー2間には、二以上の補助バーナー3が配列されている。これら二以上の補助バーナー3の配列ピッチ(L)は、補助バーナー3から噴射される燃焼ガスの火炎半径(R)の2倍以下に設定されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炉内に装入された装入材(例えば金属スクラップ材など)をバーナーから噴射する燃焼ガスの熱で溶融する溶融炉に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、溶融炉の一種であるガスキュポラでは、炉体内下部に火格子や耐火物ベッドを設け、その上に装入材(溶融対象物)を配置することで、装入材に対して均等に高温の燃焼ガスを供給可能としている(例えば特許文献1参照)。しかしながら、火格子や耐火物ベッドを用いる限り、それらの構成材料の耐火性能がボトルネックとなって燃焼温度(ひいては溶融能力や出湯温度)を高めることが難しい。
【0003】
このため、装入材を炉床上に直接置くと共にその周囲を取り囲む円筒状炉壁に複数のバーナーを配列し、各バーナーから噴射される火炎(着火状態の高温燃焼ガス)を装入材にあてて溶融する方式が提案されている。例えば、図1及び図2に示す溶融炉のように、炉床1aから所定高さの位置にて円筒状の炉壁1bに対し、3つのバーナー2を炉壁1bの周方向に沿って等間隔(即ち120°間隔)で設置する。各バーナー2を炉床1aよりも若干高所に設置するのは、装入材の溶融物がバーナー2に侵入したりバーナー2を塞いだりするのを回避するためである。また、バーナー2の火力を、各バーナー2からの燃焼ガスが炉体の中心(即ち炉心軸z)に到達し得るように設定する。
【0004】
かかる溶融炉にあっては、3つのバーナー2の各々から水平噴射された燃焼ガス流21が炉心で衝突する結果、主として炉心軸zに沿った上昇流22と、二種類の下降流23,24とを生じさせる。特に二種類の下降流のうち、噴射元のバーナー2に向かって回帰する第1の下降流23は、噴射元バーナー2からの水平燃焼ガス流21により炉壁1bに沿った上昇を遮られて再び炉心に誘導されるため、水平燃焼ガス流21の下側において炉心軸zと噴射元バーナー2との間で渦を巻くように循環する。これに対し、噴射元バーナー2と反対側に流れる第2の下降流24は、炉床1aに沿って噴射元バーナー2と反対側の炉壁1bに達し、その炉壁1bに沿って垂直に上昇する燃焼ガス流25(壁面上昇流)を生み出す。
【0005】
この炉壁1bに沿って垂直上昇する壁面上昇流25は、その垂直上昇を遮るものがないためそのまま炉壁1bに沿って上昇するのみであり、装入材が置かれた炉床1aの中心には向かわない。つまり、壁面上昇流25は、装入材の溶融のために有効利用されないまま炉の上部に逃がされる。そればかりか、高温の燃焼ガスが炉壁1bに沿って流れることで、炉壁1bが過熱傾向となる。このため、炉壁1bを熱から保護するためには、炉壁1bの耐熱限界を考慮して燃焼温度(ひいては溶融能力や出湯温度)をある程度抑制せざるを得えないというジレンマがあった。
【0006】
【特許文献1】特公平1−45554号公報(耐火物ベッドを有するキュポラ)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、バーナーから噴射される燃焼ガスを極力炉心に向かわせることで、装入材の効率的な加熱と炉壁の過熱防止とを両立可能な溶融炉を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明は、溶融対象物たる装入材を載置可能な炉床及びその炉床から略直立した略円筒状の炉壁を有する炉体と、炉床から所定高さ(h1)の位置にて、炉壁の周方向に沿って間隔を隔てて配列された複数の第1バーナーと、炉床から前記所定高さ又はそれ以上の位置にて、前記複数の第1バーナーのうちの隣り合う二つの第1バーナー間に少なくとも一つが存在するように炉壁の周方向に沿って配列された複数の第2バーナーとを備えることを特徴とする溶融炉である。
【0009】
この溶融炉では、各第1バーナーから炉体の中心(炉心)に向かって噴射された燃焼ガスのうちの少なくとも一部は、炉心付近で向きを変え、炉床に沿って炉心から炉壁に向かって流れ、更には炉壁に沿って上昇しようとする。しかし、第1バーナーと同じ高さ又はそれ以上の高さで炉壁の周方向に配列された各第2バーナーは、その燃焼ガス噴射流によって、前記炉壁に沿った燃焼ガスの上昇流を炉心に向けて偏向させる。特に隣り合う二つの第1バーナー間には少なくとも一つの第2バーナーが存在するため、当該隣り合う二つの第1バーナー間に位置する炉壁に沿った燃焼ガスの上昇流が確実に炉心に向けられる。従って、この溶融炉によれば、第2バーナーからの燃焼ガス噴射により、第1バーナーから噴射される燃焼ガスの多くを炉心に向かわせて炉床上の装入材を効率的に加熱できると共に、炉壁に沿った燃焼ガスの上昇流に起因する炉壁の過熱を防止することができる。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1に記載の溶融炉において、前記複数の第1バーナーのうちの隣り合う二つの第1バーナー間には、二以上の第2バーナーが炉壁の周方向に沿って配列されており、これら二以上の第2バーナーの配列ピッチ(L)は、第2バーナーから噴射される燃焼ガスの火炎半径(R)の2倍以下となるように設定されていることを特徴とする。
【0011】
この構成によれば、隣り合う二つの第1バーナー間にあって炉壁の周方向に配列された二以上の第2バーナーの配列ピッチ(L)が、第2バーナーから噴射される燃焼ガスの火炎半径(R)の2倍以下に設定されている。このため、第2バーナーの燃焼ガス噴射時には、ある一つの第2バーナーの燃焼ガスと、その隣の第2バーナーの燃焼ガスとが、それぞれの燃焼ガス流の最外周域において接触し又は重なり合う。その結果、二以上の第2バーナーから噴射される燃焼ガス流が隣同士で隙間無く連続して、炉壁に沿った下から上へのガス流通を遮断するような燃焼ガス流群が形成される。それ故、前述の炉壁に沿った燃焼ガスの上昇流が第2バーナーからの噴射流の間をすり抜けてそのまま炉壁に沿って上昇する事態が効果的に防止される。
【0012】
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の溶融炉において、前記複数の第1バーナーの各々は、これら第1バーナー群の設置高における仮想水平面(P1)に対して水平又は俯角(θ1)となる方向を指向するように設けられていることを特徴とする。
【0013】
第1バーナーが仮想水平面(P1)に対して水平又は俯角(θ1)となる方向を指向するように設けられている場合には、各第1バーナーから炉体の中心(炉心)に向かって噴射された燃焼ガスの少なくとも一部が、炉心付近で向きを変え、炉床に沿って炉心から炉壁に向かって流れ、更には炉壁に沿って上昇するような燃焼ガスの流れを炉内に生じさせる蓋然性が高い。それ故、本発明によって解決する必要性が大きい。
【0014】
請求項4の発明は、請求項1,2又は3に記載の溶融炉において、前記複数の第2バーナーの各々は、これら第2バーナー群の設置高における仮想水平面(P2)に対して水平又は仰角(θ2)となる方向を指向するように設けられていることを特徴とする。
【0015】
第2バーナーが仮想水平面(P2)に対して水平又は仰角(θ2)となる方向を指向するように設けられることで、各第2バーナーが噴射する燃焼ガスによって、前記炉壁に沿った燃焼ガスの上昇流を炉心に向けて偏向させる作用が有効に発揮される。
【0016】
請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の溶融炉において、前記各第1バーナーから炉体の中心に向かって噴射されたのち炉床に沿って向きを変え更には隣り合う二つの第1バーナー間にある炉壁に沿って上昇する燃焼ガスの流れを、前記各第2バーナーから噴射される燃焼ガスによって炉体の中心に向けて偏向させることを特徴とする。これは、本発明の作用又は機能を表現したものである。
【発明の効果】
【0017】
各請求項に記載の溶融炉によれば、第1バーナーから噴射される燃焼ガスに由来する炉壁に沿って上昇しようとする燃焼ガスを、第2バーナーから噴射される燃焼ガスによって極力炉心に向かわせることができるため、装入材の効率的な加熱と炉壁の過熱防止とを見事に両立させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明のいくつかの実施形態を図面を参照しつつ説明する。
図3〜図5は一実施形態に従う溶融炉を示す。この溶融炉は、直立円筒状の炉体1と、第1バーナーとしての3本の主バーナー2と、第2バーナーとしての15本の補助バーナー3とを有している。本実施形態におけるバーナー2,3は、気体又は液体の燃料と助燃気体(例えば空気)とに基づいて着火状態の高温燃焼ガス(つまり火炎)を噴射する燃焼ガス噴射管である。なお、主バーナー2の火力は、補助バーナー3の火力よりも大きく設定されており、各主バーナー2が単独で火炎を噴射した場合の火炎長が炉体1の半径(D/2)よりも長くなるような火力に設定されている。
【0019】
炉体1は、溶融対象物たる装入材(図示略)を載置可能なほぼ水平な炉床1aと、その炉床1aから直立した円筒状の炉壁1bと、炉体内に装入材を搬入するための搬入口(図示略)と、装入材の溶融物を炉床1aから炉体外へ搬出するための搬出口(図示略)とを少なくとも備えている。尚、直立円筒状炉体1の直径Dは、例えば200〜800mmに設定される。炉床1aの中心において鉛直方向に延びる炉心軸zから炉壁1bまでの距離(D/2)は、全周にわたり一様に等しいことは言うまでもない。
【0020】
3本の主バーナー2は、炉床1aから高さh1の位置において、炉壁1bの周方向に沿って等角度間隔(即ち炉心軸zを中心として120°間隔)で配列されている。通常、高さh1は炉体1の半径(D/2)よりも小さい。他方、15本の補助バーナー3は、炉床1aから高さh2の位置において、炉壁1bの周方向に沿って配列されている。高さh2は、前記高さh1に等しい(h1=h2)か又はそれよりも大きい(h1<h2)。図3〜図5の溶融炉では、主バーナー2と補助バーナー3とを合わせた合計18本のバーナーが炉壁1bの周方向に沿って等角度間隔(即ち炉心軸zを中心として20°間隔)で配列されている。つまり、炉壁1bの周方向に沿って隣り合う二つの主バーナー2間には、それぞれ5本の補助バーナー3が存在し、これら補助バーナー3は20°間隔で配列されている。
【0021】
主バーナー2及び補助バーナー3はいずれも、それぞれの噴射口が炉心軸zを指向するように平面視放射状に設置されているが、各バーナーの鉛直方向における取り付け角度は若干異なっている。即ち、主バーナー2の各々は、これら主バーナー群の取付け高さh1における仮想水平面P1に対して水平方向又は俯角θ1方向を指向するように設置されている(図4に示す主バーナー2は水平方向、即ちθ1=0°の方向を指向する)。俯角θ1の最大値は、好ましくは、tanθ1=2・h1/Dとなる値である。
【0022】
他方、補助バーナー3の各々は、これら補助バーナー群の取付け高さh2における仮想水平面P2に対して水平方向又は仰角θ2方向を指向するように設置されている(図4に示す補助バーナー3は水平方向、即ちθ2=0°の方向を指向する)。仰角θ2の好ましい角度範囲は、0°〜30°である。仰角θ2が0°よりも小さいと、補助バーナー3から噴射される燃焼ガスが、炉壁1bに沿って垂直に上昇しようとする燃焼ガス流と真っ向衝突する関係となり、炉内でのガス流を乱す原因となる。仰角θ2が30°よりも大きいと、補助バーナー3から噴射される燃焼ガスによって、炉壁1bに沿って垂直に上昇しようとする燃焼ガス流を炉心軸zに偏向させる効果が弱まり好ましくない。
【0023】
更に図5に示すように、炉壁1bの周方向における補助バーナー3の配列ピッチLは、各補助バーナー3から噴射される燃焼ガスの火炎半径R(破線で示す)の2倍以下となるように設定されている。バーナーから噴射される燃焼ガスの火炎半径Rは燃料等の噴射量や噴射圧によって変化するため、火炎半径Rとバーナー噴射口の半径との関係を一義的に定めることは難しいが、一般には、火炎半径Rはバーナー噴射口半径の2〜4倍程度の広がりを持つ。
【0024】
さて、本実施形態の溶融炉においても、3つの主バーナー2から噴射された燃焼ガス流21が炉心で衝突する結果、炉心軸zに沿った上昇流22と、二種類の下降流23,24とが生じる(図4参照)。二種類の下降流のうち、噴射元の主バーナー2に向かって回帰する第1の下降流23は、噴射元主バーナー2からの燃焼ガス流21により炉壁1bに沿った上昇を遮られて再び炉心に誘導されるため、燃焼ガス流21の下側において炉心軸zと噴射元バーナー2との間で渦を巻くように循環する。これに対し、噴射元主バーナー2と反対側に流れる第2の下降流24は、炉床1aに沿って噴射元主バーナー2と反対側の炉壁1bに達し、その炉壁1bに沿って垂直に上昇しようとする。
【0025】
しかしながら本実施形態では、高さh2にて炉壁1bの周方向に配列された各補助バーナー3が、その燃焼ガス噴射流によって、前記炉壁1bに沿って上昇しようとする燃焼ガス流を、炉壁1bから引き離すと共に炉心軸zに向けて偏向させる。特に、隣り合う二つの主バーナー2間には五つの補助バーナー3が存在すること、更にはこれら五つの補助バーナー3の配列ピッチLが補助バーナー3から噴射される燃焼ガスの火炎半径Rの2倍以下に設定されていることのために、隣り合う補助バーナー3の燃焼ガスが、それぞれの燃焼ガス流の最外周域において接触し又は重なり合う。その結果、五つの補助バーナー3から噴射される燃焼ガス流が隣同士で隙間無く連続して、炉壁1bに沿った下から上へのガス流通を遮断するような燃焼ガス流群が形成される。このため、二つの主バーナー2間に位置する炉壁1bに沿って上昇しようとする燃焼ガス流がそのまま炉壁1bに沿って上昇する事態が防止されると共に、各補助バーナー3から噴射される燃焼ガスの誘導作用により、炉壁1bに沿った燃焼ガス流が確実に炉心軸zに向けられる。
【0026】
このように本実施形態によれば、主バーナー2から噴射される燃焼ガスに由来する炉壁1bに沿って上昇しようとする燃焼ガスを、補助バーナー3から噴射される燃焼ガスによって極力炉心に向かわせることができる。このため、炉床1a上の装入材を効率的に加熱できると共に、炉壁1bに沿った燃焼ガスの上昇流に起因する炉壁1bの過熱を防止することができる。
【0027】
また本実施形態によれば、炉壁1bに沿った燃焼ガスの上昇を阻止できるため、炉壁1bの耐熱限界を考慮して燃焼温度(ひいては溶融能力や出湯温度)を抑制する必要があまりない。それ故、主バーナー2等の助燃気体として高濃度酸素ガス(例えば100%濃度の酸素)を用いて燃焼温度の向上を図ることもでき、空気燃焼炉では溶融が難しいとされるスチールスクラップ等の装入材をも溶融可能となる。
【0028】
(変更例)本発明の実施形態を以下のように変更してもよい。
補助バーナー3の配置高さを多段階に設定してもよい。例えば図6に示すように、二つの主バーナー2間に並んだ五つの補助バーナー3のうち、三つを高さh2に設置し、残り二つを高さh3に設置する(h2<h3)。このように隣り合う補助バーナー3の高さが異なっても、各補助バーナー3から噴射される燃焼ガスの火炎直径(2R)がほぼ重なるような関係にあれば、補助バーナー3からの燃焼ガス流群による、炉壁1bに沿った上昇流の遮蔽効果及び炉心軸zへの誘導効果が十分に発揮される。
【0029】
図7に示すように、主バーナー2の噴射口が炉床1aの中心点を指向するように、主バーナー2を下向きの取付け角度(俯角θ1)で設置してもよい。このとき、tanθ1=2・h1/Dの関係がほぼ成り立つ。主バーナー2から噴射された斜め下向きの燃焼ガス流21は、炉床1aに沿って噴射元の主バーナー2と反対側に位置する炉壁1bに達し、炉壁1bに沿って垂直に上昇する燃焼ガス流25となるが、この場合も前記同様、補助バーナー3から噴射される燃焼ガスにより、燃焼ガス流25は炉心軸zに向けて偏向させられる。
【0030】
図8に示すように、炉壁1bの周方向に沿って配列されるバーナーの全てが、主バーナー2であってもよい。つまり、主バーナー2が第1バーナーと第2バーナーとを兼ねる、又は役割分担するような設計であってもよい。図8では、合計16本の主バーナー2が等角度間隔(即ち22.5°間隔)で配列されているが、例えば90°間隔で配置されている4本の主バーナー2(2A)を第1バーナーとみなす場合には、22.5°間隔で配置されている残りの12本の主バーナー2(2B)を第2バーナーとみなし得る。図8の構成の溶融炉でも、上記実施形態と同様の作用及び効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】従来例における溶融炉のバーナー配置の概略を示す平面図。
【図2】従来例における溶融炉の下部の径方向縦断面図。
【図3】一実施形態における溶融炉のバーナー配置の概略を示す平面図。
【図4】図3に示す溶融炉の下部の径方向縦断面図。
【図5】図3に示す溶融炉の炉壁の一部を展開した状態で示す図。
【図6】変更例における炉壁の一部を展開した状態で示す図。
【図7】変更例における溶融炉の下部の径方向縦断面図。
【図8】変更例における溶融炉のバーナー配置の概略を示す平面図。
【符号の説明】
【0032】
1…炉体、1a…炉床、1b…炉壁、2…主バーナー(第1バーナー)、3…補助バーナー(第2バーナー)、2A…主バーナー(第1バーナー)、2B…主バーナー(第2バーナー)、z…炉心軸。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶融対象物たる装入材を載置可能な炉床及びその炉床から略直立した略円筒状の炉壁を有する炉体と、
炉床から所定高さ(h1)の位置にて、炉壁の周方向に沿って間隔を隔てて配列された複数の第1バーナーと、
炉床から前記所定高さ又はそれ以上の位置にて、前記複数の第1バーナーのうちの隣り合う二つの第1バーナー間に少なくとも一つが存在するように炉壁の周方向に沿って配列された複数の第2バーナーとを備えることを特徴とする溶融炉。
【請求項2】
前記複数の第1バーナーのうちの隣り合う二つの第1バーナー間には、二以上の第2バーナーが炉壁の周方向に沿って配列されており、これら二以上の第2バーナーの配列ピッチ(L)は、第2バーナーから噴射される燃焼ガスの火炎半径(R)の2倍以下となるように設定されていることを特徴とする請求項1に記載の溶融炉。
【請求項3】
前記複数の第1バーナーの各々は、これら第1バーナー群の設置高における仮想水平面(P1)に対して水平又は俯角(θ1)となる方向を指向するように設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の溶融炉。
【請求項4】
前記複数の第2バーナーの各々は、これら第2バーナー群の設置高における仮想水平面(P2)に対して水平又は仰角(θ2)となる方向を指向するように設けられていることを特徴とする請求項1,2又は3に記載の溶融炉。
【請求項5】
前記各第1バーナーから炉体の中心に向かって噴射されたのち炉床に沿って向きを変え更には隣り合う二つの第1バーナー間にある炉壁に沿って上昇する燃焼ガスの流れを、前記各第2バーナーから噴射される燃焼ガスによって炉体の中心に向けて偏向させることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の溶融炉。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−29729(P2006−29729A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−212438(P2004−212438)
【出願日】平成16年7月21日(2004.7.21)
【出願人】(000100805)アイシン高丘株式会社 (202)
【Fターム(参考)】