説明

滞留時間を考慮した行動計画情報提供方法

【課題】個人の嗜好や行動履歴に柔軟に対応して、費やす時間の推定精度の高い行動計画情報を提供する。
【解決手段】サーバは、ユーザの入店時と出店時にユーザIDをID検出器にて検出した行動情報(ユーザID,場所,時刻)を受信し、個人の行動履歴情報として、立ち寄った店、その店での入店および出店の時刻の情報を受信し、記録する。また、サーバは、店やレストランなどの立ち寄った場所について施設嗜好情報として、ID検出器からの行動情報受信により立ち寄った事実と、本人の好みに関係する評価、店での滞留時間(同一店の入店時刻と出店時刻の差)、さらに移動にかかった時間の情報を記録する。また、サーバは、現在地、目的地、空いた時間の情報を含んだ寄り道コースの推奨依頼に対して、行動履歴と嗜好情報を参照し、滞留時間を推定計算することにより、空き時間に適した寄り道コースを推奨する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ユーザの行動計画に関する情報を提供する方法、特に所定の領域での滞留時間やサービスの利用時間などに対応する行動計画情報の提供に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今では、乗り換え検索やカーナビゲーションにより、推奨ルート情報を提供できるサービスが盛んである。乗り換え検索サービスでは、時刻表のように予め決められた運行情報を利用し、ユーザに乗り換え計画を提供する。また、カーナビゲーションでは、渋滞情報を加味した到達時刻を演算して、計画情報をユーザに提供する。
【0003】
例えば特許文献1には、時間帯別に表示装置の表示内容が見える位置を通過する通行人の階層構成を設定する、通行人管理テーブルを設けることが記載されている。
【0004】
また、例えば特許文献2には、定期券から乗客属性情報を読み取って滞留乗客データベースに書き込み、当該データベースを参照して乗客の属性別の比率に応じて配信する広告を選択することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−166071
【特許文献2】特開2004−220498
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の技術では、端末を介して計画情報を得る場合であっても、端末ユーザが街中で待ち合せ時間よりも早く待ち合わせ地に到達した場合に、計画情報配信に柔軟に対応できない。例えば、時間をつぶすためのお奨め寄り道コースを推奨するサービスなどは実現できていない。すなわち、お店で過ごす時間や寄り道コースは、本人が考え計画する必要があった。
【0007】
特に初めて訪れる場所で空き時間ができてしまった場合、待ち時間を有効に使えるか否かは、サービス側から提供される推奨計画情報で示される訪問候補コース(お奨めの寄り道コース)に選ばれた訪問予定地(お店)とユーザ嗜好とが一致することと、訪問予定地(お店)で過ごす時間(利用時間)においてサービス側の予測値とユーザが実際に過ごす時間との一致が、共に重要である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によるサーバ装置は一例として、通信部と、情報格納部と、制御部とを備え、前記情報格納部は、前記通信部と通信するユーザ端末のユーザの行動情報に基づいて、前記ユーザの履歴情報を格納する行動履歴テーブルと、前記ユーザの訪問予定地の評価情報を格納する評価情報テーブルと、前記行動情報に基づいて推定計算した滞留時間と前記評価情報に基づいて計算した前記ユーザの嗜好情報とを格納する嗜好情報テーブルと、前記嗜好情報テーブルの滞留時間と嗜好情報に基づいて生成する推奨結果を格納する推奨結果テーブルとを備え、前記制御部は、前記行動情報に基づいて、前記行動履歴テーブルを更新する行動履歴管理部と、前記ユーザ端末との通信に基づいて、前記評価情報テーブルを更新する評価情報管理部と、前記行動情報に基づいて、前記嗜好テーブルを更新する嗜好学習管理部と、前記行動情報に基づいて、前記ユーザが利用した滞在時間を推定計算し、前記嗜好情報テーブルを参照して前記訪問予定地での計画滞留時間を計算する滞留時間管理部と、前記推奨結果を生成する推奨結果管理部とを備える。
【0009】
本発明による通信システムは一例として、通信部と、情報格納部と、制御部とを備えるサーバと、少なくとも1つの情報入力装置と、少なくとも1つの情報表示機器とを備える通信システムであって、前記サーバ装置は、前記情報格納部は、前記通信部と通信するユーザ端末のユーザの行動情報に基づいて、前記ユーザの履歴情報を格納する行動履歴テーブルと、前記ユーザの訪問予定地の評価情報を格納する評価情報テーブルと、前記行動情報に基づいて推定計算した滞留時間と前記評価情報に基づいて計算した前記ユーザの嗜好情報とを格納する嗜好情報テーブルと、前記嗜好情報テーブルの滞留時間と嗜好情報に基づいて生成する推奨結果を格納する推奨結果テーブルとを備え、前記制御部は、前記行動情報に基づいて、前記行動履歴テーブルを更新する行動履歴管理部と、前記ユーザ端末との通信に基づいて、前記評価情報テーブルを更新する評価情報管理部と、前記行動情報に基づいて、前記嗜好テーブルを更新する嗜好学習管理部と、前記行動情報に基づいて、前記ユーザが利用した滞在時間を推定計算し、前記嗜好情報テーブルを参照して前記訪問予定地での計画滞留時間を計算する滞留時間管理部と、前記推奨結果を生成する推奨結果管理部とを備え、前記情報入力装置は、前記ユーザが前記通信部へ送信する前記行動情報および前記評価情報の入力を受け、前記情報表示装置は、前記通信部を介して受信する前記推奨結果を表示する。
【発明の効果】
【0010】
個人の嗜好や行動履歴に柔軟に対応して、費やす時間の推定精度の高い行動計画情報を提供することが可能になる。また、行動計画情報に対応して、コンテンツの配信が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】全体フローの例
【図2】全体構成の例
【図3】サーバ構成の例
【図4】行動履歴テーブルのデータ構成の例
【図5】評価情報テーブルのデータ構成の例
【図6】嗜好情報テーブルのデータ構成の例
【図7】推奨結果テーブルのデータ構成の例
【図8】スポット管理テーブルのデータ構成の例
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための形態について図面により詳細に説明する。
【0013】
図1は全体フローの例を説明する図、図2は全体の構成の例の図、図3はサーバ100の構成の例の図、図4から図9は、サーバ100内の情報格納部150にある各テーブルのデータ構成の例を説明する図である。
本実施例では、1つ又は複数のID検出器11(図では一例として複数の場合を示す)と、1つ又は複数の情報表示機器12(図では一例として複数の場合を示す)と、一つ又は複数の情報入力機器13(図では一例として複数の場合を示す)とがネットワーク90を介して接続されたサーバ100によって構成されている。サーバ100には、情報を格納している部分として、行動履歴テーブル151、評価情報テーブル152、嗜好情報テーブル153、推奨結果テーブル154、コンテンツ管理テーブル155から構成される情報格納部150があり、ネットワーク90からの情報を制御する通信部190があり、これらからの情報を制御する諸管理部を含む制御部1000がある。サーバ100は、初期値を登録するステップs10の後、行動情報の有無を確認するステップs100、評価情報の有無を確認するステップs200、推奨要求の有無を確認するステップs300から構成されるループに順に入る。
【0014】
ステップs10では、情報格納部150の各テーブルに初期値が設定される。図4に示した行動履歴テーブル151の初期値は登録されたエリア、施設、スポットの情報だけであり、行動の情報は無く、後で説明する行動情報の記録ステップ(s110)において追記される。図5に示す評価情報テーブル152の初期値は、登録されたエリア、施設、スポットの情報はあるが、各スポットの入店、出店時刻と滞留時間の情報は空欄であり、評価値の初期値は、定数1である。図6に示す嗜好情報テーブル153は、回数は0、滞留時間、到着平均は空欄、評価値と嗜好値はどちらも定数1である。図7に示す推奨結果テーブル154は、推奨回数、選択回数、利用回数は0、評価値と嗜好値は定数1である。コンテンツ管理テーブル155は、各コンテンツの登録情報として、所要時間があるが、利用回数は0、ユーザID、時刻、利用場所は空欄のままである。尚、ユーザに関する初期値については、ユーザの申告に従って、利用回数や評価値を登録する方法でもよい。
【0015】
行動情報は、ユーザを特定する情報(ユーザID)と利用した店などのスポットの情報と利用した時刻の3つの情報を含む一組の情報であり、ユーザIDを検出したID検出器11が、ネットワーク90を介してサーバ100に送る情報である。サーバ100は、通信部190が行動情報を受信した場合には、s100,s110,s150のステップにてユーザの行動情報を処理する。ステップs110では、行動履歴管理部101が受信した行動情報を行動履歴テーブル151に記録する。行動学習のステップs150では、滞留時間管理部105が行動情報に含まれるユーザの利用場所(好みのスポット)での滞留時間を推測計算し、評価情報テーブル152の記録を更新し、嗜好学習管理部104が行動情報に含まれるユーザの嗜好の性向を計算によって抽出、定量化し、嗜好情報テーブル153を更新してからループに戻る。
【0016】
評価情報は、ユーザを特定する情報と利用した店などのスポットの情報とユーザがスポットを評価した情報の3つの情報を含む一組が評価情報であり、情報入力機器13から入力され、ネットワーク90を介してサーバ100へと送られる。サーバ100では、通信部190にて受信して評価情報管理部102に送られ、評価情報有りと判断するステップs200となる。次のステップは、受信した評価情報を評価情報テーブル152にある値に直接記録する、もしくは移動平均などの演算を行い記録するステップs210と、評価情報から利用したスポットの嗜好値の増加分を計算し、推奨結果を利用した場合にはさらなる増加分を計算し、嗜好情報テーブル153を更新する評価学習のステップs250を実行してからループに戻る。
【0017】
推奨要求とは、ユーザが行動計画を推奨して欲しい場合に、ユーザを特定するIDと場所と空き時間の3つの情報を含む一組の情報であり、情報入力機器13からネットワーク90を介して、サーバ100に送られる。サーバ100では、通信部190にて推奨要求を受信し、推奨結果管理部103に送られ、推奨要求有りと判断するステップs300となる。次のステップs310として、推奨結果管理部103が嗜好情報テーブル153を参照して推奨すべき行動計画案を作成し、滞留時間管理部105へ送る。滞留時間管理部105にて行動計画案での所要時間が、ユーザの行動履歴やその時点でのイベント、事件、事故の影響も含めて推測し、空き時間の条件を満足するかを検査した結果を推奨結果管理部103へ返す。尚、スポット移動ができないほど短い空き時間がある場合には、滞留時間管理部105は、コンテンツ管理テーブル155を参照して、コンテンツ閲覧などの時間を含めた空き時間に最適な行動計画推奨選択肢を作成する。推奨結果管理部103は、空き時間条件を満足する推奨選択肢を、推奨結果テーブル154に記録するとともに、通信部190を介してユーザ側の情報表示機器12に送る。ステップs350では、推奨結果から嗜好の性向を定量化して、嗜好情報テーブル153を更新するステップs350を経てループに戻る。ユーザは情報表示機器12に表示された推奨結果を参考にして、空き時間を有効に使うことができる。 なお、情報表示機器12と情報入力機器13とは、別装置でもよく、またユーザ端末に含まれる構成であってもよい。別装置の場合としては、情報表示機器12が街中のデジタルサイネージのような大きなモニターを持つ場合が含まれ、表示に適した機器を利用できるメリットがある。一方、ユーザ端末に含まれる場合には、ユーザが携帯できる端末としていつでもどこでも閲覧できるメリットがある。
【0018】
また、ID検出器11が情入力端末13と同一であっても、情報入力端末13から行動情報として、利用ユーザや利用店舗、利用時刻をネットワーク90を介してサーバ100に送ることにより、同様の情報提供が可能である。この場合は、店舗側でID検出器などを用意する必要が無いため、携帯端末サービスとして実現可能なメリットがある。
【0019】
また、コンテンツ閲覧を行う場合には、配信管理部106では、コンテンツ管理テーブル155から、選択された推奨結果に基づいて適切なコンテンツを読み出し、通信部190は配信管理部106が読み出すコンテンツをユーザ端末へ送信する。
【0020】
他の実施例として、街中での店舗やカフェなどでの滞留時間を記録、学習し、空き時間を算出して訪問候補地とその訪問時間(滞留時間)を含む計画情報(寄り道コース)を送信する情報提供について説明する。 次に行動情報を受信し、行動情報を学習し、情報格納部150へ記録する過程を説明する。
【0021】
本実施例では、行動情報は、ユーザの入店、出店といった時刻を把握、管理するための情報であり、店舗に設置されたID検出器11が、ユーザにくくり付けられたユーザ識別情報(ID、ID情報)を検出し、検出した時刻とユーザIDをサーバ100に送付する。IDの検出方法としては、ユーザ端末にID記憶部とID通信部とを備え、店舗なのに設置されるID検出器11がID通信部と通信することによってID記憶部に記憶されたIDを読み取る方法などが適用できるが、他の形態であってもよい。
【0022】
ID検出器11にて検出されたユーザID情報、店舗およびその入り口といったID検出器11の設置場所の情報、検出した時刻の3つの情報が、一組の行動情報として、ネットワーク90を介してサーバ100に送付されてくる。サーバにおける基本的な処理は図3についての説明と同様であるが、以下本実施例に特徴的な点を記載する。利用したスポットの情報は、ID検出器11を特定することにより実現する。すなわち、利用スポットの入り口ゲートに設置されたID検出器11により入店を検出し、利用スポットの清算場所に設置した別のID検出器11により出店を検出し、この二つのID検出器11からの行動情報から利用スポットの特定と特定したスポットでの入店、出店の時刻をサーバに送ることになる。ステップs100において行動情報が届いている場合、サーバ100は、s110に進み、行動情報を受信し、ID検出器11に割り当てられた、行動履歴テーブル151への記録を行う。行動履歴テーブル151の例は図4に示すように、ID検出器11が設置されたエリア、施設、スポットと行動と、検出したユーザID、検出時刻が記録される。さらに、図5に示すユーザID情報に割り当てられた、ユーザの評価情報テーブル152に対し、ユーザID情報ごとにID検出器11の設置場所(店舗)での検出記録を登録する。次の行動情報の学習ステップs150では、店舗への来店情報として、このお店の嗜好に関する次に示す計算をし、図6に示す嗜好情報テーブル153の入店の回数、到着平均、評価値、嗜好値を更新する。行動情報が入店ゲートからの場合は、入店の回数は1増やし、到着平均時刻は新しい到着時刻を含めて新しい平均値へ更新する。評価値は、入店自体の価値を定数として加算する。嗜好値も、入店自体を嗜好を表す定数として加算する。これらの計算は、時間区間を区切って集計される。区切り方は、朝(5:00―11:00)、昼(11:00―13:00)、午後(13:00―17:00)、夕方(17:00―20:00)、夜(20:00―翌日5:00)と分ける。分けることにより、時間帯によって変化する同じユーザでの嗜好の変化にも対応できる。
【0023】
さらに、店を出る時間を記録する目的のID検出器11をレジの場所に設置する。ID検出器11にて検出されたユーザID情報、店舗とレジの位置といったID検出器11の設置場所の情報、検出した時刻の3つの情報が、一組の行動情報として、再びネットワーク90を介してサーバ100に送付されてくる。サーバ100は、ステップs100において行動情報が届いている場合、サーバ100は、s110に進み、行動情報を受信し、ID検出器11に割り当てられた、行動履歴テーブル151への記録を行う。さらに、ユーザID情報に割り当てられた、ユーザの行動履歴テーブル151に対し、ID検出器11の設置場所(店舗)での検出記録を登録する。次の行動情報の学習ステップs150では、店舗への来店情報として、このお店の嗜好に関する計算をし、嗜好情報テーブル153の滞留時間、評価値、嗜好値を更新する。滞留時間は、店に入った時間と出る時間の差を計算し、今回の滞留時間とする。嗜好情報テーブル153の滞留時間に記録されている過去の平均滞留時間に今回の滞留時間を加えた平均滞留時間を計算し、滞留時間を更新する。評価値は、今回の滞留時間に従って、10分以上であれば長時間滞留定数を加算し、更新する。嗜好値も、今回の滞留時間に従って、10分以上であれば長時間滞留定数を加算し、更新する。
【0024】
次に評価情報を受信、学習した結果を記録する評価情報テーブル152について図5を用いて説明する。
【0025】
評価情報は、ユーザが再び来店したいかを評価した情報であり、ユーザIDと評価対象となるスポットと評価結果の3つを含む一組の情報である。入力手段にはユーザ端末としての携帯電話やPCなど様々な入力端末の利用が可能である。ここでは、情報表示機器12と情報入力機器13とを含むユーザ端末としての携帯電話として説明する。
【0026】
評価結果入力をユーザに促す方法は、多様に考えられるので、フロー図に示していないが、ここではユーザがお店を出た後、出店の際のID検出器11へのユーザID読み取りとID検出器11からサーバ100への情報送信に基づいて、サーバ100から該当するお店の評価を促す情報をユーザの携帯電話(情報表示機器12)へ送付し、ユーザからは0〜9の数字にて評価した値を携帯電話(情報入力端末13)からサーバ100に送付することとする。
【0027】
この結果、評価情報を受信したサーバ100では、s200において、評価結果有りの状態になり、s210へ進む。ユーザAからE店の評価5という情報を受け取り、図5に示す評価情報テーブル152のユーザIDがxxxAのテーブルについて、E店に関連する部分の評価値に記録されているこれまでの値を1/2し、今回の評価結果の1/2を加算し、新しい評価値として更新する。次のs250において、図6に示す嗜好情報テーブル153については、S駅、Pビル、E店に関して評価値を各々次のように計算し、更新する。S駅の評価値は、記録されている評価値を3/4し、今回のE店の評価結果をそのまま加えた値を新しい評価値として更新する。Pビルの評価値は、記録されている評価値を3/4し、E店の評価結果を1/4して加算し、新しい評価値として更新する。同様に図7に示す推奨結果テーブル154の利用回数や評価値を計算し、更新するが、詳細は次に示す推奨過程の説明の後に説明する。次に推奨候補の提示、ユーザによる選択、ユーザの行動結果の受信と学習を含む推奨過程について説明する。
【0028】
街中で予定より早くに訪問予定地に到着するなどユーザに空き時間ができた場合、空き時間情報を含む推奨要求をユーザ端末としての携帯電話(情報入力機器13)からサーバ100へ送付する。ここでは、ユーザID:xxxAがS駅周辺から30分の空き時間があるという推奨要求にたいするサーバ100の動作を説明する。サーバ100では、s300において推奨要求が有るため、s310へ進む。
【0029】
サーバ100は、ユーザID:xxxAと空き時間30分と現在位置情報S駅周辺を含む推奨要求により、図6に示す嗜好情報テーブル154を参照して、エリアがS駅周辺であり、30分ある場合、QビルGカフェがお奨めであることを推則し、カフェで過ごす時間だけでは、後10分余りが出ることも推測する。ここで、10分ほどで丁度楽しめるゲームや短編動画が好ましいことも推測する。図8に示すコンテンツ管理テーブル155を参照することにより、10分間で楽しめるゲーム1などのアプリケーションがあり、例えばGカフェとゲーム1の組合せが推奨する計画情報ということになる。実際には複数の推奨計画情報を提示することになり、ユーザは情報表示機器12に示された複数の推奨計画情報案からその時最適と考えたものを選択し、選択結果をサーバ100に返す。サーバ100では、推奨した施設などの推奨回数を更新し、選択結果から選択回数を更新する。次のステップs350では、更新された推奨回数、選択回数を用いて、図6に示す嗜好テーブル153の嗜好値を計算、更新する。嗜好値は、推奨計画情報案への採用1回につき推奨係数R1=7/8を積算し、ユーザによる選択結果における選択1回につき選択定数を加算する。次に、推奨されたスポットを利用した場合について説明する。ユーザID:xxxAは、推奨されたスポットであるカフェGを利用した場合も同様に、利用の後に情報入力端末13から評価情報をサーバ100へ送る。サーバ100は、s210にて評価結果を受信し、評価情報テーブルを更新する。s250にて、図6に示す嗜好情報テーブルと図7に示す推奨結果テーブルを更新する。推奨を選択している場合は、推奨時間と利用時間の差が1時間以内で有れば推奨選択利用定数を加算し、推奨時間と利用時間が1時間以上同日である場合は、推奨選択日利用定数を加算し、推奨とは別の日に利用した場合は、推奨選択後日利用定数を加算する。また、推奨したときには選択しなかったスポットを利用した場合には、1時間以内であれば推奨利用定数を加算、推奨後1時間以内ではないが同日の場合には推奨日利用定数を加算、推奨したが別の日に利用した場合は推奨後日利用定数を加算する。
【0030】
コンテンツの推奨においては、電子看板へのコンテンツの配信も可能である。状況適応配信においては、集まっている集団は多様に混ざっているが、ユーザID情報や嗜好情報を利用することにより、広告効果を高めるようにコンテンツを選んで配信、表示する事が可能である。特に本実施例では、カップル向けとファミリー向けのコンテンツを効率よく使い分ける場合には、既にサーバが受信したユーザID情報に基づいてカップル向けにコンテンツを配信しているときに、その配信先の領域に他のカップルが集まるようコンテンツの推奨結果を示すこともできる。同様に、既にファミリー向けにコンテンツを配信しているときに、他のファミリーが集まるようコンテンツの推奨結果を示すことが可能である。コンテンツの推奨情報を配信することによって、カップルやファミリーといった特定のカテゴリーのユーザの特定領域での割合を高め、広告効果を高める事が期待できる。
【0031】
尚、ID検出器11はゲーム機や店舗のレジ端末や電子マネーの決裁用端末であっても良い。また、駅改札機であっても良い。
【0032】
サーバには、人の滞留するスポットについて、地域リスト、店舗リスト、スポットリストと階層に分けてテーブルに格納することも可能である。以上の構成により、自宅にて訪問エリア(目的駅等)を推奨要求することも可能である。
エリアとは、その地域へアクセスするための駅やバス停、待ち合せ地点などとすることもできる。施設とは、ビル名などが適しているが、大きなアミューズメント施設では、フロア単位で管理することも考えられる。スポットとは、店舗やレストラン、映画館などが適しているが、アミューズメント施設ではアトラクション、観光地では、見学コースのコーナーなどが適している。
【0033】
レストランなどは、同じスポットであっても食事の時間と飲み物だけの時間帯では、滞留時間が大きく変わるので、利用時間により滞留時間が変えられるよう、利用時間帯毎にデータを設置してもよい。また、同時間帯毎に管理上別のスポットとすることも精度良く推奨する上で有効である。
【0034】
サーバは、あるユーザの入店時と出店時にユーザIDをID検出器にて検出した行動情報(ユーザID,場所,時刻)を受信し、個人の行動履歴情報として、街での行動結果である立ち寄った店、その店での入店および出店の時刻、(前の店の出店時刻と次の店の入店時刻の差)の情報を受信し、記録する。また、サーバは、店やレストランなどの立ち寄った場所について施設嗜好情報として、ID検出器からの行動情報受信により立ち寄った事実と、本人の好みに関係する評価、店での滞留時間(同一店の入店時刻と出店時刻の差)、さらに移動にかかった時間の情報(前の店の出店時刻と次の店の入店時刻の差)を記録する。また、サーバは、現在地、目的地、空いた時間の情報を含んだ寄り道コースの推奨依頼に対して、行動履歴と嗜好情報を参照し、滞留時間を推定計算することにより、空き時間に適した寄り道コースを推奨することができる。
【符号の説明】
【0035】
11・・・ID検出器、12・・・情報表示機器、13・・・情報入力機器、90・・・ネットワーク、100・・・サーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信部と、情報格納部と、制御部とを備えるサーバ装置であって、
前記情報格納部は、
前記通信部と通信するユーザ端末からのユーザの行動情報に基づいて、前記ユーザの履歴情報を格納する行動履歴テーブルと、
前記ユーザの訪問地の評価情報を格納する評価情報テーブルと、
前記行動情報に基づいて推定計算した滞留時間と前記評価情報に基づいて計算した前記ユーザの嗜好情報を格納する嗜好情報テーブルと、
前記嗜好情報テーブルの滞留時間と嗜好情報に基づいて生成する推奨結果を格納する推奨結果テーブルとを備え、
前記制御部は、
前記行動情報に基づいて、前記行動履歴テーブルを更新する行動履歴管理部と、
前記ユーザ端末との通信に基づいて、前記評価情報テーブルを更新する評価情報管理部と、
前記行動情報に基づいて、前記嗜好情報について演算する嗜好学習管理部と、
前記行動情報に基づいて、前記ユーザが利用した滞在時間を推定計算し、前記嗜好情報テーブルを参照して前記訪問予定地での計画滞留時間を計算する滞留時間管理部と、
前記計画情報を生成し、前記嗜好情報を参照して適した推奨結果を選択する推奨結果管理部とを備えることを特徴とするサーバ装置。
【請求項2】
前記行動情報は、前記ユーザの訪問地情報とユーザ特定情報と時刻情報とを含むことを特徴とする請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項3】
前記推奨結果は、前記行動履歴管理部によって更新された前記行動履歴テーブルを参照して生成されることを特徴とする請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項4】
前記推奨結果は、前記行動履歴管理部によって更新された前記行動履歴テーブルを参照し、前記嗜好学習管理部が演算する前記嗜好情報及び前記滞留時間管理部が演算する前記滞留時間を得ることにより、前記推奨結果管理部が生成することを特徴とする請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項5】
前記推奨結果は、前記ユーザの訪問候補地情報が含まれることを特徴とする請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項6】
前記通信部は前記ユーザ端末から前記ユーザの識別情報を受信し、前記推奨結果管理部は前記識別情報毎に前記推奨結果を生成することを特徴とする請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項7】
前記情報格納部は、前記通信部を介して配信するコンテンツ情報を格納するコンテンツ管理テーブルをさらに備え、
前記制御部は、前記推奨結果に基づいて、前記コンテンツ管理テーブルから前記コンテンツを読み出す配信管理部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項8】
前記配信管理部は、前記計画情報に基づいて、前記コンテンツ管理テーブルから前記コンテンツを読み出し、前記通信部は前記コンテンツを前記ユーザ端末へ送信することを特徴とする請求項7に記載のサーバ装置。
【請求項9】
通信部と、情報格納部と、制御部とを備えるサーバと、
少なくとも1つの情報入力装置と、
少なくとも1つの情報表示機器とを備える通信システムであって、
前記情報格納部は、
前記通信部と通信する前記情報入力装置のユーザの行動情報に基づいて、前記ユーザの履歴情報を格納する行動履歴テーブルと、
前記ユーザの訪問地の評価情報を格納する評価情報テーブルと、
前記行動情報に基づいて推定計算した滞留時間と、前記評価情報に基づいて計算した前記ユーザの嗜好情報を格納する嗜好情報テーブルと、
前記嗜好情報テーブルの滞留時間と嗜好情報に基づいて生成する推奨結果を格納する推奨結果テーブルとを備え、
前記制御部は、
前記行動情報に基づいて、前記行動履歴テーブルを更新する行動履歴管理部と、
前記情報入力装置との通信に基づいて、前記評価情報テーブルを更新する評価情報管理部と、
前記行動情報に基づいて、前記嗜好テーブルを更新する嗜好学習管理部と、
前記行動情報に基づいて、前記ユーザが利用した滞在時間を推定計算し、前記嗜好情報テーブルを参照して前記訪問予定地での計画滞留時間を計算する滞留時間管理部と、
前記推奨結果を生成する推奨結果管理部とを備え、
前記情報入力装置は、前記通信部へ送信する前記行動情報および前記評価情報の少なくともいずれかの入力を受け、
前記情報表示装置は、前記通信部を介して受信する前記推奨結果を表示することを特徴とする通信システム。
【請求項10】
前記情報表示装置は、複数の前記計画情報を表示し、前記情報入力装置は、複数の前記計画情報からの前記ユーザの選択結果の入力を受け、前記通信部へ前記選択結果を送信することを特徴とする請求項9に記載の通信システム。
【請求項11】
前記情報格納部は、前記通信部を介して配信するコンテンツ情報を格納するコンテンツ管理テーブルをさらに備え、
前記制御部は、前記計画情報に基づいて、前記コンテンツ管理テーブルから前記コンテンツを読み出す配信管理部をさらに備えることを特徴とする請求項9に記載の通信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−60059(P2011−60059A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−209959(P2009−209959)
【出願日】平成21年9月11日(2009.9.11)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】