漏洩検査装置
【課題】空缶の漏洩を確実に検出すること。
【解決手段】テスター1は、円筒3の一方の開口部にアルミ箔蓋4がヒートシールされてなる空缶2の漏洩を検査する。テスター1は、アルミ箔蓋4のうちヒートシールの部分を除く全面を面で支持するセンター部24と、アルミ箔蓋4のうちヒートシールの部分を点で支持するカール部ベアリング25と、カール部ベアリング25によって支持される部分を異ならせつつ、空缶2に気体を注入して漏洩を検査する検査機構10とを有する。
【解決手段】テスター1は、円筒3の一方の開口部にアルミ箔蓋4がヒートシールされてなる空缶2の漏洩を検査する。テスター1は、アルミ箔蓋4のうちヒートシールの部分を除く全面を面で支持するセンター部24と、アルミ箔蓋4のうちヒートシールの部分を点で支持するカール部ベアリング25と、カール部ベアリング25によって支持される部分を異ならせつつ、空缶2に気体を注入して漏洩を検査する検査機構10とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、アルミ箔蓋がヒートシールされてなる空缶の漏洩をテストする漏洩検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
内容物を充填する前の空缶として、缶胴の一方の開口部にアルミ箔蓋がヒートシールされてなる空缶がある。このような空缶は、漏洩が生じない程度にアルミ箔蓋が缶胴に貼付されている必要がある。このため、製缶過程においては、空缶の漏洩検査が行われている。漏洩検査方法としては、いわゆるエアバキューム方式やエアプレッシャ方式がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】 特開2000−121487号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、エアバキューム方式では、バキュームの作用によってアルミ箔蓋にしわが生じ、外観を損ねるという課題がある。さらに、エアバキューム方式では、バキュームの作用によって缶胴とアルミ箔蓋とが密着する結果、たとえ漏洩個所があっても検出できないという課題がある。また、エアプレッシャ方式でも、下部プレートであるリフター部がアルミ箔蓋の全面を支持するので、缶胴とアルミ箔蓋とが密着する結果、漏洩を検出できないという課題がある。
【0005】
そこで、本開示の技術は、空缶の漏洩を確実に検出することが可能な漏洩検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
開示の装置は、円筒の一方の開口部にアルミ箔蓋がヒートシールされてなる空缶の漏洩を検査する漏洩検査装置であって、アルミ箔蓋のうちヒートシールの部分を除く全面を面で支持する面持部と、アルミ箔蓋のうち前記ヒートシールの部分を点で支持する点支持部と、点支持部によって支持される部分を異ならせつつ、空缶に気体を注入して漏洩を検査する検査部とを有する。
【発明の効果】
【0007】
開示の装置は、空缶の漏洩を確実に検出することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】 図1は、実施例1に係る漏洩検出装置の外観構成図である。
【図2】 図2は、検査機構の詳細構成図である。
【図3】 図3は、リフター部の詳細構成図である。
【図4】 図4は、漏洩検査装置の動作説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照して、本願の開示する漏洩検査装置及び漏洩検査方法の実施例を詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施例により限定されるものではない。
【実施例1】
【0010】
[テスターの構成]
図1は、実施例1に係る漏洩検出装置の外観構成図である。同図は、漏洩検出装置であるテスター1を側面方向から見た外観図である。同図に示すように、テスター1は、テスター1の天井部5に設けられる検査機構10と、テスター1の地面部6に設けられるリフター部20とを有する。なお、リフター部20は、複数のテスター1からなる漏洩検査システム(図4参照)においては、リフター回転用ゴム8を介してロアーガイド部7に支持される。
【0011】
[空缶]
検査機構10とリフター部20との間には、検査対象である空缶2がセットされる。空缶2は、内容物が充填される前の空缶であり、缶胴である円筒3の一方の開口部にアルミ箔蓋4がヒートシールされてなる空缶である。検査対象としては、このような空缶に限定されず、筒の一方の開口部に蓋が貼付されてなる空筒であれば本発明に同様に適用できる。つまり、円筒の形状は真円に限らず楕円でもよく、また、円形に限らず多角形の筒(例えば、四角形や六角形、八角形などの筒)でもよく、少なくとも筒状であればよい。また、筒の部分はアルミ缶やスチール缶に限定されず、プラスチックや紙などの他の材料により成形されるものでもよい。また、蓋はアルミ箔に限定されず、プラスチックフィルムなどの他の材料により成形されるものでもよい。また、蓋はヒートシールによる貼付に限定されず、接着材による貼付でもよい。なお、このような空缶では、例えば子供や老人でも蓋を開封できるような粘着力にて蓋が貼付される。
【0012】
[検査機構]
検査機構10は、図1に示すように、アッパープレート部11と、ウレタンゴム12と、センターシャフト13とを有する。また、センターシャフト13は、天井部5との接続部分にエア注入口18を有し、空缶2の方向にせり出す部分にエアホール15を有し、エア注入口18とエアホール15との間にエア通路14を有する。そして、図1における矢印16及び矢印17に示すように、エア注入口18からエア通路14を介してエアホール15から空缶2の内部にエアが注入される。また、検査機構10は、空缶2の内部の圧力を計測する感圧センサを有する。空缶2における円筒3とアルミ箔蓋4との貼付が不十分である場合などには、注入されたエアは空缶2の外部に漏洩する結果、感圧センサが計測する圧力に不具合が生じるので、空缶2の漏洩が検出される。なお、空缶2への注入は、エアに限定されず、加圧エアや他の気体であってもよい。
【0013】
図2は、検査機構の詳細構成図である。詳細には、図2の(A)は、検査機構10の下面構成図であり、図2の(B)は、検査機構10の側面構成図であり、図2の(C)は、検査機構10の側面分解図である。これらの図に示すように、円形状であるアッパープレート部11が自らよりも小径の円形状であるウレタンゴム12を保持し、かつ、これらよりも小径の円筒形状であるセンターシャフト13がアッパープレート部11及びウレタンゴム12を貫通して天井部5に接続される。なお、ウレタンゴム12は、空缶2の円筒3における開口部(アルミ箔蓋2が貼付されていない開口部)に密着され、エアが注入される閉鎖室が形成される。
【0014】
[リフター部]
リフター部20は、図1に示すように、固定プレート21と、回転プレート22と、センターベアリング23と、センター部24と、カール部ベアリング25とを有する。固定プレート21は地面部6に固定され、センター部24は回転プレート22に固定される。また、回転プレート22は、センターベアリング23の回転駆動によって固定プレート21上を回転する。カール部ベアリング25は、センター部24の側面に固定される。なお、リフター部20は、検査機構10の方向に上昇移動することで、空缶2とウレタンゴム12との密着を形成し、検査機構10の方向から下降移動することで、空缶2とウレタンゴム12との密着を解除する。
【0015】
図3は、リフター部の詳細構成図である。詳細には、図3の(A)は、リフター部20の上面構成図であり、図3の(B)は、リフター部20の側面構成図であり、図3の(C)は、リフター部20の側面分解図である。これらの図に示すように、円形状である固定プレート21が同径の円形状である回転プレート22を回転可能に保持し、かつ、回転プレート22が自らよりも小径の円形状であるセンター部24を固定保持する。
【0016】
センター部24は、図1や図3の(B)などに示すように、アルミ箔蓋4のうちヒートシール部分(円筒3の縁部分)を除く全面を面で支持する山高形状である。これによって、エアの圧力によってもアルミ箔蓋4にしわが生じないようにすることができる。なお、センター部24は、このような形状に限定されず、アルミ箔蓋4にしわが生じない程度に、アルミ箔蓋4のうちヒートシール部分を除く部分を面で支持するものであればよい。
【0017】
カール部ベアリング25は、図3の(A)に示すように、センター部24の側面に少なくとも一つ以上設けられ、アルミ箔蓋4のうちヒートシール部分を点で支持する形状である。これによって、ヒートシール部分のうちカール部ベアリング25に支持された箇所では、エアの注入に際して円筒3とアルミ箔蓋4とが密着される。一方、ヒートシール部分のうちカール部ベアリング25に支持されていない箇所では、エアの注入に際しても両者が密着されない結果、貼付が不十分であれば確実にエアが漏洩される。したがって、回転プレート22を回転させることで、カール部ベアリング25に支持される箇所を異ならせつつ、回転前後に渡ってエアを注入することで、漏洩を確実に検出することが可能になる。なお、センター部24及びカール部ベアリング25は、このような形状に限定されず、例えば両者を一体成形してもよく、アルミ箔蓋4のうちヒートシール部分を点で支持しつつヒートシール部分以外を面で支持するものであればよい。
【0018】
[テスターの動作]
図4は、漏洩検査装置の動作説明図である。同図は、漏洩検査装置であるテスター1が複数配置された漏洩検査システム30を上方から見た概念図である。図4に示すように、漏洩検出装置であるテスター1は、メインターレット31や入口ターレット32、出口ターレット33などを有する漏洩検査システム30に搭載されて動作する。メインターレット31は、円周方向に複数のテスター1が搭載される円盤であり、例えば時計方向に所定速度で回転する。入口ターレット32は、漏洩検査システム30に供給される空缶2をメインターレット31上のテスター1に一つずつセットする。出口ターレット33は、検査済みの空缶2をテスター1から降ろし、漏洩検査システム30から排出する。なお、排出に際しては、漏洩が検知された空缶2を他と区別して排出するようにしてもよい。
【0019】
ここで、漏洩検査方法として、一つの空缶2が漏洩検査システム30に供給されてから排出されるまでの動作を説明する。空缶2が入口ターレット32によってテスター1にセットされると、テスター1は、リフター部20を検査機構10の方向に上昇移動させることで、空缶2とウレタンゴム12との密着を形成する。その後、テスター1がメインターレット31の所定の位置に到達すると、テスター1は、密着により形成された空缶2の閉鎖室に対してエアの注入を開始し、感圧センサによって閉鎖室の圧力に不具合が生じていないかを検査する。なお、この感圧センサによる圧力検査は、エアの注入が終了するまで継続して(若しくは間欠的に)行われる。エアの注入が開始された後、テスター1がメインターレット31の所定の位置(リフター回転位置)に到達すると、テスター1は、回転プレート22を回転させることで、アルミ箔蓋4のヒートシール部分のうちカール部ベアリング25に支持される箇所を変化させる。そして、テスター1は、回転プレート22の回転後も、感圧センサによって閉鎖室の圧力に不具合が生じていないかを検査する。その後、テスター1がメインターレット31の所定の位置に到達すると、テスター1は、エアの注入を停止して圧力検査を終了する。さらに、テスター1は、リフター部20を検査機構10の方向から下降移動させることで、空缶2とウレタンゴム12との密着を解除する。そして、出口ターレット33は、検査済みの空缶2をテスター1から降ろし、漏洩検査システム30から排出する。
【0020】
[実施例の効果など]
上述のように、実施例1のテスター1は、円筒3の一方の開口部にアルミ箔蓋4がヒートシールされてなる空缶2の漏洩を検査する漏洩検査装置であって、アルミ箔蓋4のうちヒートシールの部分を除く全面を面で支持するセンター部24(面持部)と、アルミ箔蓋4のうちヒートシールの部分を点で支持するカール部ベアリング25(点支持部)と、カール部ベアリング25によって支持される部分を異ならせつつ、空缶2に気体を注入して漏洩を検査する検査機構10(検査部)とを有する。したがって、漏洩を確実に検出することが可能になる。
【0021】
なお、本発明は、上記の実施例により限定されるものではない。例えば「筒の一方の開口部に蓋が貼付されてなる空筒の漏洩を検査する漏洩検査装置であって、前記蓋のうち貼付部分を除く部分を面で支持する面支持部と、前記蓋のうち貼付部分を点で支持する点支持部と、前記点支持部によって支持される部分を異ならせつつ、前記空筒に気体を注入して漏洩を検査する検査部とを有することを特徴とする漏洩検査装置」など、同様の効果を発揮する漏洩検査装置であればよい。
【符号の説明】
【0022】
1 テスター
2 空缶
10 検査機構
20 リフター部
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、アルミ箔蓋がヒートシールされてなる空缶の漏洩をテストする漏洩検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
内容物を充填する前の空缶として、缶胴の一方の開口部にアルミ箔蓋がヒートシールされてなる空缶がある。このような空缶は、漏洩が生じない程度にアルミ箔蓋が缶胴に貼付されている必要がある。このため、製缶過程においては、空缶の漏洩検査が行われている。漏洩検査方法としては、いわゆるエアバキューム方式やエアプレッシャ方式がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】 特開2000−121487号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、エアバキューム方式では、バキュームの作用によってアルミ箔蓋にしわが生じ、外観を損ねるという課題がある。さらに、エアバキューム方式では、バキュームの作用によって缶胴とアルミ箔蓋とが密着する結果、たとえ漏洩個所があっても検出できないという課題がある。また、エアプレッシャ方式でも、下部プレートであるリフター部がアルミ箔蓋の全面を支持するので、缶胴とアルミ箔蓋とが密着する結果、漏洩を検出できないという課題がある。
【0005】
そこで、本開示の技術は、空缶の漏洩を確実に検出することが可能な漏洩検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
開示の装置は、円筒の一方の開口部にアルミ箔蓋がヒートシールされてなる空缶の漏洩を検査する漏洩検査装置であって、アルミ箔蓋のうちヒートシールの部分を除く全面を面で支持する面持部と、アルミ箔蓋のうち前記ヒートシールの部分を点で支持する点支持部と、点支持部によって支持される部分を異ならせつつ、空缶に気体を注入して漏洩を検査する検査部とを有する。
【発明の効果】
【0007】
開示の装置は、空缶の漏洩を確実に検出することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】 図1は、実施例1に係る漏洩検出装置の外観構成図である。
【図2】 図2は、検査機構の詳細構成図である。
【図3】 図3は、リフター部の詳細構成図である。
【図4】 図4は、漏洩検査装置の動作説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照して、本願の開示する漏洩検査装置及び漏洩検査方法の実施例を詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施例により限定されるものではない。
【実施例1】
【0010】
[テスターの構成]
図1は、実施例1に係る漏洩検出装置の外観構成図である。同図は、漏洩検出装置であるテスター1を側面方向から見た外観図である。同図に示すように、テスター1は、テスター1の天井部5に設けられる検査機構10と、テスター1の地面部6に設けられるリフター部20とを有する。なお、リフター部20は、複数のテスター1からなる漏洩検査システム(図4参照)においては、リフター回転用ゴム8を介してロアーガイド部7に支持される。
【0011】
[空缶]
検査機構10とリフター部20との間には、検査対象である空缶2がセットされる。空缶2は、内容物が充填される前の空缶であり、缶胴である円筒3の一方の開口部にアルミ箔蓋4がヒートシールされてなる空缶である。検査対象としては、このような空缶に限定されず、筒の一方の開口部に蓋が貼付されてなる空筒であれば本発明に同様に適用できる。つまり、円筒の形状は真円に限らず楕円でもよく、また、円形に限らず多角形の筒(例えば、四角形や六角形、八角形などの筒)でもよく、少なくとも筒状であればよい。また、筒の部分はアルミ缶やスチール缶に限定されず、プラスチックや紙などの他の材料により成形されるものでもよい。また、蓋はアルミ箔に限定されず、プラスチックフィルムなどの他の材料により成形されるものでもよい。また、蓋はヒートシールによる貼付に限定されず、接着材による貼付でもよい。なお、このような空缶では、例えば子供や老人でも蓋を開封できるような粘着力にて蓋が貼付される。
【0012】
[検査機構]
検査機構10は、図1に示すように、アッパープレート部11と、ウレタンゴム12と、センターシャフト13とを有する。また、センターシャフト13は、天井部5との接続部分にエア注入口18を有し、空缶2の方向にせり出す部分にエアホール15を有し、エア注入口18とエアホール15との間にエア通路14を有する。そして、図1における矢印16及び矢印17に示すように、エア注入口18からエア通路14を介してエアホール15から空缶2の内部にエアが注入される。また、検査機構10は、空缶2の内部の圧力を計測する感圧センサを有する。空缶2における円筒3とアルミ箔蓋4との貼付が不十分である場合などには、注入されたエアは空缶2の外部に漏洩する結果、感圧センサが計測する圧力に不具合が生じるので、空缶2の漏洩が検出される。なお、空缶2への注入は、エアに限定されず、加圧エアや他の気体であってもよい。
【0013】
図2は、検査機構の詳細構成図である。詳細には、図2の(A)は、検査機構10の下面構成図であり、図2の(B)は、検査機構10の側面構成図であり、図2の(C)は、検査機構10の側面分解図である。これらの図に示すように、円形状であるアッパープレート部11が自らよりも小径の円形状であるウレタンゴム12を保持し、かつ、これらよりも小径の円筒形状であるセンターシャフト13がアッパープレート部11及びウレタンゴム12を貫通して天井部5に接続される。なお、ウレタンゴム12は、空缶2の円筒3における開口部(アルミ箔蓋2が貼付されていない開口部)に密着され、エアが注入される閉鎖室が形成される。
【0014】
[リフター部]
リフター部20は、図1に示すように、固定プレート21と、回転プレート22と、センターベアリング23と、センター部24と、カール部ベアリング25とを有する。固定プレート21は地面部6に固定され、センター部24は回転プレート22に固定される。また、回転プレート22は、センターベアリング23の回転駆動によって固定プレート21上を回転する。カール部ベアリング25は、センター部24の側面に固定される。なお、リフター部20は、検査機構10の方向に上昇移動することで、空缶2とウレタンゴム12との密着を形成し、検査機構10の方向から下降移動することで、空缶2とウレタンゴム12との密着を解除する。
【0015】
図3は、リフター部の詳細構成図である。詳細には、図3の(A)は、リフター部20の上面構成図であり、図3の(B)は、リフター部20の側面構成図であり、図3の(C)は、リフター部20の側面分解図である。これらの図に示すように、円形状である固定プレート21が同径の円形状である回転プレート22を回転可能に保持し、かつ、回転プレート22が自らよりも小径の円形状であるセンター部24を固定保持する。
【0016】
センター部24は、図1や図3の(B)などに示すように、アルミ箔蓋4のうちヒートシール部分(円筒3の縁部分)を除く全面を面で支持する山高形状である。これによって、エアの圧力によってもアルミ箔蓋4にしわが生じないようにすることができる。なお、センター部24は、このような形状に限定されず、アルミ箔蓋4にしわが生じない程度に、アルミ箔蓋4のうちヒートシール部分を除く部分を面で支持するものであればよい。
【0017】
カール部ベアリング25は、図3の(A)に示すように、センター部24の側面に少なくとも一つ以上設けられ、アルミ箔蓋4のうちヒートシール部分を点で支持する形状である。これによって、ヒートシール部分のうちカール部ベアリング25に支持された箇所では、エアの注入に際して円筒3とアルミ箔蓋4とが密着される。一方、ヒートシール部分のうちカール部ベアリング25に支持されていない箇所では、エアの注入に際しても両者が密着されない結果、貼付が不十分であれば確実にエアが漏洩される。したがって、回転プレート22を回転させることで、カール部ベアリング25に支持される箇所を異ならせつつ、回転前後に渡ってエアを注入することで、漏洩を確実に検出することが可能になる。なお、センター部24及びカール部ベアリング25は、このような形状に限定されず、例えば両者を一体成形してもよく、アルミ箔蓋4のうちヒートシール部分を点で支持しつつヒートシール部分以外を面で支持するものであればよい。
【0018】
[テスターの動作]
図4は、漏洩検査装置の動作説明図である。同図は、漏洩検査装置であるテスター1が複数配置された漏洩検査システム30を上方から見た概念図である。図4に示すように、漏洩検出装置であるテスター1は、メインターレット31や入口ターレット32、出口ターレット33などを有する漏洩検査システム30に搭載されて動作する。メインターレット31は、円周方向に複数のテスター1が搭載される円盤であり、例えば時計方向に所定速度で回転する。入口ターレット32は、漏洩検査システム30に供給される空缶2をメインターレット31上のテスター1に一つずつセットする。出口ターレット33は、検査済みの空缶2をテスター1から降ろし、漏洩検査システム30から排出する。なお、排出に際しては、漏洩が検知された空缶2を他と区別して排出するようにしてもよい。
【0019】
ここで、漏洩検査方法として、一つの空缶2が漏洩検査システム30に供給されてから排出されるまでの動作を説明する。空缶2が入口ターレット32によってテスター1にセットされると、テスター1は、リフター部20を検査機構10の方向に上昇移動させることで、空缶2とウレタンゴム12との密着を形成する。その後、テスター1がメインターレット31の所定の位置に到達すると、テスター1は、密着により形成された空缶2の閉鎖室に対してエアの注入を開始し、感圧センサによって閉鎖室の圧力に不具合が生じていないかを検査する。なお、この感圧センサによる圧力検査は、エアの注入が終了するまで継続して(若しくは間欠的に)行われる。エアの注入が開始された後、テスター1がメインターレット31の所定の位置(リフター回転位置)に到達すると、テスター1は、回転プレート22を回転させることで、アルミ箔蓋4のヒートシール部分のうちカール部ベアリング25に支持される箇所を変化させる。そして、テスター1は、回転プレート22の回転後も、感圧センサによって閉鎖室の圧力に不具合が生じていないかを検査する。その後、テスター1がメインターレット31の所定の位置に到達すると、テスター1は、エアの注入を停止して圧力検査を終了する。さらに、テスター1は、リフター部20を検査機構10の方向から下降移動させることで、空缶2とウレタンゴム12との密着を解除する。そして、出口ターレット33は、検査済みの空缶2をテスター1から降ろし、漏洩検査システム30から排出する。
【0020】
[実施例の効果など]
上述のように、実施例1のテスター1は、円筒3の一方の開口部にアルミ箔蓋4がヒートシールされてなる空缶2の漏洩を検査する漏洩検査装置であって、アルミ箔蓋4のうちヒートシールの部分を除く全面を面で支持するセンター部24(面持部)と、アルミ箔蓋4のうちヒートシールの部分を点で支持するカール部ベアリング25(点支持部)と、カール部ベアリング25によって支持される部分を異ならせつつ、空缶2に気体を注入して漏洩を検査する検査機構10(検査部)とを有する。したがって、漏洩を確実に検出することが可能になる。
【0021】
なお、本発明は、上記の実施例により限定されるものではない。例えば「筒の一方の開口部に蓋が貼付されてなる空筒の漏洩を検査する漏洩検査装置であって、前記蓋のうち貼付部分を除く部分を面で支持する面支持部と、前記蓋のうち貼付部分を点で支持する点支持部と、前記点支持部によって支持される部分を異ならせつつ、前記空筒に気体を注入して漏洩を検査する検査部とを有することを特徴とする漏洩検査装置」など、同様の効果を発揮する漏洩検査装置であればよい。
【符号の説明】
【0022】
1 テスター
2 空缶
10 検査機構
20 リフター部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒の一方の開口部に蓋が貼付されてなる空筒の漏洩を検査する漏洩検査装置であって、
前記蓋のうち貼付部分を除く部分を面で支持する面支持部と、
前記蓋のうち貼付部分を点で支持する点支持部と、
前記点支持部によって支持される部分を異ならせつつ、前記空筒に気体を注入して漏洩を検査する検査部と
を有することを特徴とする漏洩検査装置。
【請求項2】
円筒の一方の開口部にアルミ箔蓋がヒートシールされてなる空缶の漏洩を検査する漏洩検査装置であって、
前記アルミ箔蓋のうち前記ヒートシールの部分を除く全面を面で支持する面持部と、
前記アルミ箔蓋のうち前記ヒートシールの部分を点で支持する点支持部と、
前記点支持部によって支持される部分を異ならせつつ、前記空缶に気体を注入して漏洩を検査する検査部と
を有することを特徴とする漏洩検査装置。
【請求項1】
筒の一方の開口部に蓋が貼付されてなる空筒の漏洩を検査する漏洩検査装置であって、
前記蓋のうち貼付部分を除く部分を面で支持する面支持部と、
前記蓋のうち貼付部分を点で支持する点支持部と、
前記点支持部によって支持される部分を異ならせつつ、前記空筒に気体を注入して漏洩を検査する検査部と
を有することを特徴とする漏洩検査装置。
【請求項2】
円筒の一方の開口部にアルミ箔蓋がヒートシールされてなる空缶の漏洩を検査する漏洩検査装置であって、
前記アルミ箔蓋のうち前記ヒートシールの部分を除く全面を面で支持する面持部と、
前記アルミ箔蓋のうち前記ヒートシールの部分を点で支持する点支持部と、
前記点支持部によって支持される部分を異ならせつつ、前記空缶に気体を注入して漏洩を検査する検査部と
を有することを特徴とする漏洩検査装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図2】
【図3】
【図4】
【公開番号】特開2012−37496(P2012−37496A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−187625(P2010−187625)
【出願日】平成22年8月8日(2010.8.8)
【出願人】(502410842)水戸部製缶株式会社 (3)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月8日(2010.8.8)
【出願人】(502410842)水戸部製缶株式会社 (3)
【Fターム(参考)】
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