説明

漏液センサ

【課題】簡易な構成で、安全に、タンク内の水に侵入する油を検出することのできる漏液センサを提供する。
【解決手段】第1フロートと、第1フロートの周囲の所定の可動範囲を上下に移動できる第2フロートとを具備した漏液センサであって、第1フロートの密度を油の密度より小さくすると共に、第2フロートの密度を油の密度より大きく且つ水の密度より小さくし、漏液センサが水に浮かんでいるときは、第2フロートは所定の可動範囲の上部にあり、漏液センサが油に浮かんでいるときは、第2フロートは所定の可動範囲の下部にあり、漏液センサは第2フロートが所定の可動範囲の上部にあるか、下部にあるかを区別することによって、漏液センサが油に浸かっていることを検知する機構を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水と油の密度の違いを利用して、水が貯蔵されたタンク内に浸入する油を検出するようにした漏液センサに関する。
【背景技術】
【0002】
従来工場等の設備では、配管により液体を供給している。配管には多くの箇所に接続用の継手が設けられているため、継手から液体が漏液する場合が多い。液体の種類によっては、漏液の監視を人間が常時行わなければならなかったが、漏液を自動的に検出して報知する漏液センサが開発されている。漏液を監視するために従来用いられてきた漏液センサには、光学式の漏液センサ、磁気センサを用いた漏液センサ、導通式の漏液センサ及び静電容量式の漏液センサがある。
【0003】
例えば特開2005−140635号公報(特許文献1)には、図48及び図49に示すような光学式の漏液センサ200が開示されている。この漏液センサ200には、透明合成樹脂材製の円形状のケース体202に、底面ほぼ中央部に下方へ突出する三角柱状のプリズム201が形成されている。プリズム201を介して異なる方向から発受光できるフォトインタラプタ206を使用した2対の一体型発光素子207、207A及び受光素子208、208Aが、ケース体202に素子収納凹部203及び支持台204に支持されるように設けられた基板205に取り付けられている。ケース体202の外周部202aにはコード挿入孔が設けられ、ケース体202の開口部202bは蓋体211で覆われている。
【0004】
漏液センサ200は底面212に、ボルト固定、溶接固定或いは接着固定された取り付け板213に取り付け部210の取り付け孔209に着脱可能な取り付け片214を介して取り付けられ、プリズム201の下端部が床面212近傍に位置するようにセットされる。
【0005】
この状態で発光素子207、207Aからの照射光X、Yは、図49に示すようにそれぞれプリズム201によってコの字状に反射して受光素子208、208Aに受光される。
【0006】
漏液が生じた場合にはプリズム201が漏液に浸り、プリズムとして機能しなくなるため、発光素子207、207Aからの照射光X、Yが受光素子208、208Aで受光されなくなるか若しくは減衰することで、漏液を検出することができる。
【0007】
軽油、重油等の油を貯蔵したタンク内に浸入する水を検出する装置として、図50に示されるような磁気センサを用いた漏液センサが知られている。この漏液センサは、油311を貯蔵したタンク310内に図50(a)に示されるように設置され、リードスイッチ301と、リードスイッチ301への配線を通してリードスイッチ301及び配線が油311に浸からないようにするためのパイプ302と、マグネット303を備えたフロート304とを具備している。マグネット303を備えたフロート304は、パイプ302の周囲を周回するような形状になっており、密度が油の密度よりは大きく且つ水の密度よりは小さく設定されている。リードスイッチ301はタンク310の底面付近に設置されている。
【0008】
タンク310内に油311のみが貯蔵されている場合、図50(a)のようにフロート304は油に沈むため、マグネット303の磁場によってリードスイッチ301がオンになる。一方、タンク310内の油311に水312が浸入した場合、フロート304は油には沈み且つ水には浮くため、フロート304の位置は図50(b)のようになる。このため、リードスイッチ301の位置においてマグネット303の磁場は小さくなるため、リードスイッチ301はオフになる。リードスイッチ301のオン/オフによって、警報を発することによって、タンク310内に貯蔵された油311に水312が浸入したかどうかを検知することができるようになっている。
【特許文献1】特開2005−140635号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述の特許文献1に記載の光学式の漏液センサは、漏液の有無のみを検出するものである。また、上述の磁気センサを用いた漏液センサは、タンク内の油に浸入する水を検出するものであり、タンク内の水に浸入する油を検出するものではない。従来、タンク内の水に浸入する油を検出するには、試薬を用いる必要があった。
【0010】
本発明は上述のような事情によってなされたものであり、本発明の目的は、簡易な構成で、安全に、タンク内の水に侵入する油を検出することのできる漏液センサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、第1フロートと、前記第1フロートの周囲の所定の可動範囲を上下に移動できる第2フロートとを具備した漏液センサに関し、本発明の上記目的は、前記第1フロートの密度を油の密度より小さくすると共に、前記第2フロートの密度を油の密度より大きく且つ水の密度より小さくし、前記漏液センサが水に浮かんでいるときは、前記第2フロートは前記所定の可動範囲の上部にあり、前記漏液センサが油に浮かんでいるときは、前記第2フロートは前記所定の可動範囲の下部にあり、前記漏液センサは前記第2フロートが前記所定の可動範囲の上部にあるか、下部にあるかを区別することによって、前記漏液センサが油に浸かっていることを検知する機構を備えていることによって達成される。
【0012】
本発明は、下面にパイプを具備した第1フロートと、前記パイプを通し、マグネットを具備する第2フロートと、前記パイプを通すスタンドとを具備した漏液検出部と、漏液の有無によって警報を発する警報部とを具備し、前記パイプの下部にはリードスイッチが設けられており、前記リードスイッチがオンしたときに前記警報部が警報を発するようになっており、前記第2フロートは前記パイプ上を上下に動けるようになっており、前記スタンドは前記第2フロートの下で前記パイプ上を上下に動けるようになっており、前記パイプの下端部が前記第2フロート及び前記スタンドが前記パイプから外れないようになっている漏液センサに関し、本発明の上記目的は、前記漏液検出部全体の平均の密度が油の密度より小さくなるように前記第1フロートの密度を設定し、前記第2フロートの密度を水の密度より小さく且つ油の密度より大きくなるように設定し、前記スタンドの密度を水の密度より大きく設定し、前記漏液検出部が水に浮かんでいる場合は、前記第2フロートが前記パイプの上部に移動することによって、前記リードスイッチがオフになり、前記漏液検出部が油に浮かんでいる場合は、前記第2フロートは前記パイプの下部に移動することによって、前記リードスイッチがオンになり、前記漏液検出部が液体が入っていないタンクの底面上に置かれた場合、前記スタンドによって前記第2フロートが前記パイプの上方に移動することによって、前記リードスイッチがオフになることによって達成される。
【0013】
本発明は、下面にパイプを具備した第1フロートと、前記パイプを通し、マグネットを具備する第2フロートと、前記パイプを通すスタンドとを具備した漏液検出部と、漏液の有無によって警報を発する警報部とを具備し、前記パイプの上部にはリードスイッチが設けられており、前記リードスイッチがオフしたときに前記警報部が警報を発するようになっており、前記第2フロートは前記パイプ上を上下に動けるようになっており、前記スタンドは前記第2フロートの下で前記パイプ上を上下に動けるようになっており、前記パイプの下端部が前記第2フロート及び前記スタンドが前記パイプから外れないようになっている漏液センサに関し、本発明の上記目的は、前記漏液検出部全体の平均の密度が油の密度より小さくなるように前記第1フロートの密度を設定し、前記第2フロートの密度を水の密度より小さく且つ油の密度より大きくなるように設定し、前記スタンドの密度を水の密度より大きく設定し、前記漏液検出部が水に浮かんでいる場合は、前記第2フロートが前記パイプの上部に移動することによって、前記リードスイッチがオンになり、前記漏液検出部が油に浮かんでいる場合は、前記第2フロートは前記パイプの下部に移動することによって、前記リードスイッチがオフになり、前記漏液検出部が液体が入っていないタンクの底面上に置かれた場合、前記スタンドによって前記第2フロートが前記パイプの上方に移動することによって、前記リードスイッチがオンになることによって達成される。
【0014】
本発明は、上部分及び前記上部分の下部にある下部分から成る第1フロートと、前記上部分の下面に備えられた少なくとも1個の第2フロート部とを具備した漏液検出部と、漏液の有無によって警報を発する警報部とを具備し、前記第2フロート部は、前記上部分の下面に備えられたパイプと、前記パイプを通し、マグネットを具備する第2フロートと、前記パイプを通すスタンドとを具備し、前記パイプの下部にはリードスイッチが設けられており、前記リードスイッチがオンしたときに前記警報部が警報を発するようになっており、前記第2フロートは前記パイプ上を上下に動けるようになっており、前記スタンドは前記第2フロートの下で前記パイプ上を上下に動けるようになっており、前記パイプの下端部が前記第2フロート及び前記スタンドが前記パイプから外れないようになっている漏液センサに関し、本発明の上記目的は、前記漏液検出部全体の平均の密度が油の密度より小さくなるように前記第1フロートの密度を設定し、前記第2フロートの密度を水の密度より小さく且つ油の密度より大きくなるように設定し、前記スタンドの密度を水の密度より大きく設定し、前記漏液検出部が水に浮かんでいる場合は、前記第2フロートが前記パイプの上部に移動することによって、前記リードスイッチがオフになり、前記漏液検出部が油に浮かんでいる場合は、前記第2フロートは前記パイプの下部に移動することによって、前記リードスイッチがオンになり、前記漏液検出部が液体が入っていないタンクの底面上に置かれた場合、前記スタンドによって前記第2フロートが前記パイプの上方に移動することによって、前記リードスイッチがオフになることによって達成される。
【0015】
本発明は、上部分及び前記上部分の下部にある下部分から成る第1フロートと、前記上部分の下面に備えられた少なくとも1個の第2フロート部とを具備した漏液検出部と、漏液の有無によって警報を発する警報部とを具備し、前記第2フロート部は、前記上部分の下面に備えられたパイプと、前記パイプを通し、マグネットを具備する第2フロートと、前記パイプを通すスタンドとを具備し、前記パイプの上部にはリードスイッチが設けられており、前記リードスイッチがオフしたときに前記警報部が警報を発するようになっており、前記第2フロートは前記パイプ上を上下に動けるようになっており、前記スタンドは前記第2フロートの下で前記パイプ上を上下に動けるようになっており、前記パイプの下端部が前記第2フロート及び前記スタンドが前記パイプから外れないようになっている漏液センサに関し、本発明の上記目的は、前記漏液検出部全体の平均の密度が油の密度より小さくなるように前記第1フロートの密度を設定し、前記第2フロートの密度を水の密度より小さく且つ油の密度より大きくなるように設定し、前記スタンドの密度を水の密度より大きく設定し、前記漏液検出部が水に浮かんでいる場合は、前記第2フロートが前記パイプの上部に移動することによって、前記リードスイッチがオンになり、前記漏液検出部が油に浮かんでいる場合は、前記第2フロートは前記パイプの下部に移動することによって、前記リードスイッチがオフになり、前記漏液検出部が液体が入っていないタンクの底面上に置かれた場合、前記スタンドによって前記第2フロートが前記パイプの上方に移動することによって、前記リードスイッチがオンになることによって達成される。
【0016】
本発明の上記目的は、前記複数個の第2フロート部に設けられた前記リードスイッチを直列に接続し、前記リードスイッチの全てがオンになったときに前記警報部が警報を発するようにしたことによって、或いは前記複数個の第2フロート部に設けられた前記リードスイッチを直列に接続し、前記リードスイッチの内の少なくとも1つがオフになったときに前記警報部が警報を発するようにしたことによって、或いは前記複数個の第2フロート部に設けられた前記リードスイッチを並列に接続し、前記リードスイッチの内の少なくとも1つがオンになったときに前記警報部が警報を発するようにしたことによって、或いは前記複数個の第2フロート部に設けられた前記リードスイッチを並列に接続し、前記リードスイッチの全てがオフになったときに前記警報部が警報を発するようにしたことによって、或いは前記上部分及び前記下部分は同心円柱になっており、前記上部分の上面の円の半径が前記下部分の下面の円の半径より大きいことによって、或いは前記複数個の第2フロート部を、前記上部分の下面に回転対称になるように配設したことによって、或いは前記第1フロートが中空になっていることによって、或いは前記第2フロートのマグネット以外の部分の材質がアクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)等の発泡材であることによって、或いは前記第2フロートが中空になっていることによって、或いは前記第2フロートの密度が0.90g/cm〜0.96g/cmであることによって、或いは前記第1フロートは送信器と電源とを具備した回路基板を具備し、前記送信器は前記リードスイッチがオン又はオフになったときに、前記警報部に警報を発する信号を無線で送信し、前記警報部は前記信号を受信するための受信部を具備し、前記受信部が前記信号を受信すると警報を発するようになっていることによって、或いは前記第1フロートは送信器と電磁波によって起電力を蓄えるコイルとを具備した回路基板を具備し、前記送信器は前記起電力によって、前記リードスイッチの状態を示す信号を前記警報部に無線で送信し、前記警報部は前記信号を受信するための受信部を具備し、前記信号に応じて警報を発するようになっていることによって、或いは前記第1フロートは送信器と光によって起電力を蓄える太陽電池とを具備した回路基板を具備し、前記送信器は前記起電力によって、前記リードスイッチの状態を示す信号を前記警報部に無線で送信し、前記警報部は前記信号を受信するための受信部を具備し、前記信号に応じて警報を発するようになっていることによって、或いは前記無線による信号の送信が光通信で行われることによって、或いは前記リードスイッチと前記警報部とをリード線で接続し、前記リードスイッチがオン又はオフになったときに前記警報部が警報を発するようにしたことによって、より効果的に達成される。
【0017】
本発明は、フロートと、前記フロートに設置されたリフレックスリフレクタとを具備したフロート部と、前記フロート部の上方に設けられた前記リフレックスリフレクタに光を照射する発光駆動部によって駆動される発光素子とを具備した漏液センサに関し、本発明の上記目的は、前記フロート部の平均の密度を水の密度より小さく且つ油の密度より大きく設定したことによって達成され、前記フロートの密度が0.90g/cm〜0.96g/cmであることによって、或いは前記フロートが中空になっていることによって、或いは前記フロートの材質がアクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)等の発泡材であることによって、前記フロート及び前記リフレックスリフレクタには液体を通すための孔が設けてあることによって、より効果的に達成される。
【0018】
本発明は、リフレックスリフレクタ、前記リフレックスリフレクタの上に設置した透明又は半透明の中空部材から成る第1フロート、前記リフレックスリフレクタの下方に設置した第2フロートを具備したフロート部と、前記フロート部の上方に設けられた前記リフレックスリフレクタに光を照射する発光駆動部によって駆動される発光素子とを具備した漏液センサに関し、本発明の上記目的は、前記第1フロートの密度は前記フロート部の平均の密度が油の密度より小さくなるように設定し、前記第2フロートの密度は油の密度より大きく設定し、且つ前記フロート部が水に浮いた場合に前記リフレックスリフレクタが水に浸からないように設定し、前記フロート部が油に浮いた場合に、前記発光素子から照射される光が前記第1フロートから出射する出射面が前記油に浸かるように、前記第1フロート及び前記第2フロートの密度を設定し、前記発光素子から照射される光は前記第1フロートを透過して前記リフレックスリフレクタに当たるようになっており、前記リフレックスリフレクタからの反射光は前記第1フロートを透過するようになっており、前記発光素子から照射される光の前記第1フロートの入射面及び出射面は、前記フロート部が液体に浮いているときに前記フロート部の外側の液面から傾いていることによって達成される。
【0019】
本発明は、リフレックスリフレクタ、前記リフレックスリフレクタの上で上下に移動できるようにした透明又は半透明の中空部材から成る第1フロート、前記リフレックスリフレクタの下方に設置した第2フロートを具備したフロート部と、前記フロート部の上方に設けられた前記リフレックスリフレクタに光を照射する発光駆動部によって駆動される発光素子とを具備した漏液センサに関し、本発明の上記目的は、前記第1フロートの密度は油の密度より小さく、且つ前記フロート部が油に浮いている場合に、前記発光素子から照射される光の前記第1フロートからの出射面が油に浸かるように設定し、前記第2フロートの密度は油の密度より大きく、且つ前記フロート部が水に浮いている場合に前記リフレックスリフレクタが水に浸からないように設定し、前記発光素子から照射される光は前記第1フロートを透過して前記リフレックスリフレクタに当たるようになっており、前記リフレックスリフレクタからの反射光は前記第1フロートを透過するようになっており、前記発光素子から照射される光の前記第1フロートの入射面及び出射面は、前記フロート部が液体に浮いているときに前記フロート部の外側の液面から傾いていることによって達成される。
【0020】
本発明は、前記リフレックスリフレクタのプリズム面に孔を設けるようにしたことによって、或いは下面が油と略同じ屈折率の物質でできたリフレックスリフレクタになっており、透明又は半透明の中空部材から成る第1フロート、前記第1フロートの下方に設置した第2フロートを具備したフロート部と、前記フロート部の上方に設けられた前記リフレックスリフレクタに光を照射する発光駆動部によって駆動される発光素子とを具備した漏液センサに関し、本発明の上記目的は、前記第1フロートの密度は前記フロート部の平均の密度が油の密度より小さくなるように設定し、前記第2フロートの密度は油の密度より大きく設定し、且つ前記フロート部が水に浮いた場合に前記リフレックスリフレクタが水に浸からないように設定し、更に前記フロート部が油に浮いた場合に、前記リフレックスリフレクタに前記発光素子から照射される光が受光される受光面が前記油に浸かるように、前記第1フロート及び前記第2フロートの密度を設定し、前記発光素子から照射される光は前記第1フロートの上面を透過して前記リフレックスリフレクタに当たるようになっており、前記リフレックスリフレクタからの反射光は前記第1フロートの上面を透過するようになっており、前記発光素子から照射される光が前記第1フロートの上面に入射する入射面及び前記リフレックスリフレクタに受光される受光面は、前記フロート部が液体に浮いているときに前記フロート部の外側の液面から傾いていることによって達成される。
【0021】
本発明は、下面が油と略同じ屈折率の物質でできたリフレックスリフレクタになっており、上下に移動できるようにした透明又は半透明の中空部材から成る第1フロート、前記第1フロートの下方に設置した第2フロートを具備したフロート部と、前記フロート部の上方に設けられ前記リフレックスリフレクタに光を照射する発光駆動部によって駆動される発光素子とを具備した漏液センサに関し、本発明の上記目的は、前記第1フロートの密度は油の密度より小さく、且つ前記フロート部が油に浮いている場合に、前記リフレックスリフレクタが油に浸かるように設定し、前記第2フロートの密度は油の密度より大きく、且つ前記フロート部が水に浮いている場合に前記リフレックスリフレクタが水に浸からないように設定し、前記発光素子から照射される光は前記第1フロートの上面を透過して前記リフレックスリフレクタに当たるようになっており、前記リフレックスリフレクタからの反射光は前記第1フロートの上面を透過するようになっており、前記発光素子から照射される光が前記第1フロートの上面に入射する入射面及び前記リフレックスリフレクタに受光される受光面は、前記フロート部が液体に浮いているときに前記フロート部の外側の液面から傾いていることによって達成され、前記リフレックスリフレクタの材質が樹脂であることによって、或いは前記リフレックスリフレクタのプリズム間に溝を設けるようにしたことによって、より効果的に達成される。
【0022】
本発明は、上面が光を透過するようになっている内部にリフレックスリフレクタを具備した中空部材から成る第1フロート、前記第1フロートの周囲の所定の可動範囲を上下に移動できる第2フロート、前記第2フロートの下で前記所定の可動範囲を移動できるスタンドを具備したフロート部と、前記リフレックスリフレクタに光を照射する発光素子とを具備した漏液センサに関し、本発明の上記目的は、前記第1フロートの密度を前記フロート部の密度が油の密度より小さくなるように設定し、前記第2フロートの密度を油の密度より大きく且つ水の密度より小さく設定し、前記スタンドの密度を水の密度より大きく設定し、前記フロート部は、前記第2フロートが前記パイプの上部にあるときは、前記発光素子から照射される光は前記リフレックスリフレクタに当たって反射され前記第1フロートの上面を透過し、前記第2フロートが前記パイプの下部にあるときは、前記発光素子から照射される光は遮蔽され前記リフレックスリフレクタには当たらないようにするための機構を具備しており、前記フロート部が水に浮かんでいる場合は、前記第2フロートが前記所定の可動範囲の上部に移動し、前記フロート部が油に浮かんでいる場合は、前記第2フロートは前記所定の可動範囲の下部に移動し、前記フロート部が液体が入っていないタンクの底面上に置かれた場合、前記スタンドによって前記第2フロートが前記パイプの上方に移動することによって達成される。
【0023】
本発明は、密度を油の密度より小さく設定した、内部にリフレックスリフレクタを具備した光を透過する中空部材から成る第1フロート、密度を油の密度より大きく且つ水の密度より小さく設定した第2フロートを具備したフロート部と、前記リフレックスリフレクタに光を照射するための発光駆動部によって駆動される発光素子とを具備した漏液センサに関し、本発明の上記目的は、前記フロート部は油に浸かったときに、前記第2フロートが油に沈むことによって前記第1フロートが回転するようにした機構1を具備し、前記フロート部を水のみが入ったタンクに設置した場合、前記第2フロートが水に浮かび、前記発光素子から照射される光が前記リフレックスリフレクタに当たって反射され、前記フロート部を油の浸入したタンクに設置した場合、前記第1フロートが回転することによって前記発光素子から照射される光が遮蔽されて、前記リフレックスリフレクタに当たらなくなる機構2を具備したことによって達成され、前記機構1は、前記第1フロートと前記第2フロートとを棒状部材で繋いで、前記棒状部材と前記第1フロートとの接点は回転のできない固定接点になっており、前記棒状部材と前記第2フロートとの接点は回転可能なヒンジになっているものであることによって、或いは前記機構1は、マグネットを用いたものであることによって、或いは前記機構1は、前記フロート部が前記第2フロートの上下動に伴って動くベルトを具備して、前記第1フロートが前記ベルトが動くのに伴って回転する滑車を具備したものであることによって、或いは前記機構1は、円筒形又は球形の第1フロート及び第2フロートを接着したものであることによって、より効果的に達成される。
【0024】
本発明は、第1フロート、ラックと共に上下に移動できるようにした第2フロート、光を透過して内部にリフレックスリフレクタを具備し、上下動ができないように前記第1フロートに固定され、表面が歯車を具備した円筒形の中空部材を具備したフロート部と、前記リフレックスリフレクタに光を照射するための発光駆動部によって駆動される発光素子とを具備した漏液センサに関し、本発明の上記目的は、前記第1フロートの密度は前記フロート部全体の平均の密度が油の密度より小さくなるように設定し、前記第2フロートの密度は油の密度より大きく且つ水の密度より小さくなるように設定し、前記ラックと前記歯車でピニオンギアを構成し、前記フロート部が水に浮かんでいる場合、前記発光素子から照射される光は前記リフレックスリフレクタに当たって反射され、前記フロート部が油に浮かんでいる場合、前記第2フロートが下方に移動することによって前記中空部材が回転し、前記発光素子から照射される光が遮断され前記リフレックスリフレクタに当たらなくなる機構2を具備したことによって達成され、前記機構2が、前記中空部材の内部に、前記フロート部が水に浮かんでいるときに鉛直方向を向くようにした複数のシャッターフィンを、前記リフレックスリフレクタの上に設けたものであることによって、或いは前記機構2が、前記中空部材が回転したときに、前記中空部材の側面で、前記発光素子から照射される光が入射する側に、光を遮蔽するためのマスクを設けて、前記リフレックスリフレクタに前記光が当たらないようにしたものであることによって、より効果的は達成される。
【0025】
本発明の上記目的は、前記リフレックスリフレクタのプリズム形状が、コーナーキューブ状であることによって、或いは前記リフレックスリフレクタのプリズム形状が、三角柱状であることによって、或いは前記リフレックスリフレクタのプリズム形状が、半球状であることによって、或いは前記リフッレクスリフレクタのプリズム形状が、球状であることによって、或いは前記フロート部の上方に設けられた前記リフレックスリフレクタからの反射光を受光するための受光素子と、前記受光素子の受光量から前記受光素子が前記反射光を受光したかどうかを判定する受光処理部と、前記判定によって警報を発する警報器とを具備していることによって、或いは前記リフレックスリフレクタの上に、特定の波長の光のみを透過するフィルタを設置したことによって、或いは前記リフレックスリフレクタが特定の波長の光のみを通すように、前記リフレックスリフレクタがフィルタ効果を有するようにしたことによって、より効果的に達成される。
【0026】
本発明は、光ファイバ1及び光ファイバ2を通すための孔を有する第1フロート、前前記第1フロートの周囲の所定の可動範囲を移動することができるマグネットを具備する第2フロート、前記第2フロートの下で所定の可動範囲を移動することができるスタンドを具備したフロート部と、光を照射する発光駆動部によって駆動される発光素子と、前記発光素子から照射された光を誘導する前記光ファイバ1と、前記光ファイバ1から出射した光を受光するための前記光ファイバ2と、前記光ファイバ2から出射した光を受光するための受光素子と、前記受光素子の受光量から前記フロート部が油に浸かっているか否かを判定する受光処理部と、前記判定によって警報を発する警報器とを具備した漏液センサに関し、本発明の上記目的は、前記フロート部全体の平均の密度が油の密度より小さくなるように前記第1フロートの密度を設定し、前記第2フロートの密度を水の密度より小さく且つ油の密度より大きく設定し、前記スタンドの密度を水の密度より大きく設定し、前記フロート部が水に浮かんでいるとき、前記第2フロートは前記所定の可動範囲の上部に移動し、前記フロート部が油に浮かんでいるとき、前記第2フロートは前記所定の可動範囲の下部に移動し、前記フロート部が液体が入っていないタンクの底面上に置かれた場合、前記スタンドによって前記第2フロートが前記所定の可動範囲の上方に移動し、前記第1フロートは、前記第2フロートが前記パイプの上部に有るときの前記受光素子の受光量と、前記第2フロートが前記パイプの下部に有るときの前記受光素子の受光量が変化する機構を具備し、前記受光処理部が前記受光量の変化によって前記フロート部が油に浸かっているか否かを判定できるようになっていることによって達成される。
【発明の効果】
【0027】
本発明に係る漏液センサによれば、水と油の密度の違いを利用して、タンク内の水に油が浸入したときにリードスイッチがオンになるか、又はリフレックスリフレクタに照射した光の反射光が無くなるのを検出することによって、タンク内の水に浸入する油を簡易な構成からなる装置によって検出することができる。
【0028】
更に、本発明に係る漏液センサによると、油が検出されたことの警報を発するための警報部に、油が検出されたことの信号を無線で送信、或いは油の有無を液面から離れた受光素子の受光量によって検出するようにしているので、タンク内の液面が任意の位置に移動しても、リード線の巻き上げ機構を用いずに、油の検出を安全に行い、漏液センサの防爆を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
本発明に係る漏液センサでは、漏液検出部全体の平均の密度が油の密度より小さくなるように第1フロートの密度を設定し、マグネットを具備した第2フロートの密度を水の密度より小さく且つ油の密度より大きくすることによって、タンク内の水に油が浸入したときにリードスイッチがオン又はオフになり、警報部が警報を発するようにしている。また、本発明に係る漏液センサでは、フロートにリフレックスリフレクタを設置して、タンク内の水に油が浸入したときにリフレックスリフレクタが油に浸かるようにし、このリフレックスリフレクタに光を照射したときの反射光の有無を検出することによって、タンク内の水に油が浸入したことを検出するようにしている。
【0030】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0031】
図1は、本発明に係る漏液センサの第1実施形態の漏液検出部1を、水や油の液体のないタンクの底面20上に置いた場合の外観図である。図2は図1に示される漏液検出部1の断面図であり、図3は漏液検出部1を油に浸した場合の漏液検出部1の断面図である。
【0032】
漏液検出部1は、第1フロート2と、第1フロート2の下面に備えられたパイプ3と、パイプ3を通し、マグネット5を具備する第2フロート4と、パイプ3を通すスタンド7とを具備している。第2フロート4はパイプ3上を上下に移動できるようになっており、スタンド7は第2フロート4の下でパイプ3上を上下に移動できるようになっている。パイプ3の下部には、磁場によってスイッチのオン/オフが切り換わるリードスイッチ6が設けられ、パイプ3の下端部3Aは第2フロート4及びスタンド7が抜けないように、パイプ3を通すためにスタンド7が有する孔の面積より面積を大きくしている。図1〜図3の例では、漏液検出部1が水も油もないタンクの底面20上に置かれた場合に、第1フロート2を支持するために、スタンド7に支持部材7Aを設けている。
【0033】
第1フロート2は中空になっており、その空洞には図4に示される電源9及び送信器10が備えられた回路基板8が設置されている。第1フロート2の密度は、漏液検出部1全体の平均の密度が油の密度より小さくなるように設定する。マグネット5を含めた第2フロート4の密度は、水の密度より小さく且つ油の密度より大きくなるように設定し、例えば0.90g/cm〜0.96g/cmの範囲内に設定する。第2フロート4のマグネット5以外の部分の材質は、例えばアクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)等の発泡材であることが好ましい。また、第2フロート5を中空にしても良い。スタンド7の密度は、水の密度よりも大きくする。
【0034】
漏液検出部1を油21に浸すと図3に示されるようになる。漏液検出部1全体の平均の密度は油21の密度より小さいので、漏液検出部1は油21に浮く。一方、スタンド7の密度は油21の密度より大きいので、スタンド7はパイプ3の下端部3Aに支持されるようになる。第2フロート4の密度は油21の密度より大きいので、第2フロート4はスタンド7の上に載るようになる。図3に示されるように、第2フロート4に備えられたマグネット5は、リードスイッチ6の設けられたパイプ3の下部の位置まで下がってくるので、リードスイッチ6はオンになり、電源9がオンになる。
【0035】
回路基板8の構成は図4のように示され、電源9と、送信器10を具備している。送信器10はアンテナ11を具備しており、リードスイッチ6がオンになり電源9がオンになると、アンテナ11から信号Soが送信される。リードスイッチ6がオフのときは、電源がオフになり、送信器10はアンテナ11から信号を送信しない。
【0036】
本実施形態の漏液センサは、漏液検出部1と図4に示される警報部12とから構成される。警報部12は水の貯蔵されたタンクの外に設置され、送信器10からの信号Soを受信するための受信器13と、信号Soを受信したときに警報を発する警報器14とを具備している。警報器14が発する警報は、例えば警告灯15の点灯或いは点滅によって、若しくは警告音を発することによって行われる。本実施形態では、漏液検出部1と警報部12の間を信号線で繋がず、信号Soを無線で送信するようにしているので、タンク内の液面の位置が移動しても、安全に水に浸入した油を検出することができる。本実施形態で行われる漏液検出部1と警報部2の間の無線通信には、電磁波による通信や超音波による通信が利用できる。また、無線通信を光で行うことによって、視認によって油の検出を確認できるようにすることができる。更に、双方向の通信を行うようにすることも可能である。
【0037】
図5は漏液検出部1の動作を示す図である。タンク内に水も油も無い場合、漏液検出部1は図5(a)に示されるようにタンクの底面20に置かれる。この場合、第2フロート4はスタンド7によって押し上げられるため、リードスイッチ6はマグネット5の磁場の影響を受けず、リードスイッチ6はオフになる。そのため電源9はオフになり、送信器10から信号Soは送られず、警報部12からは警報は発せられない。
【0038】
漏液センサを設置したタンク内に水22が有り油が侵入していない場合は、図5(b)に示されるようになる。漏液検出部1の平均の密度は水22の密度より小さいため、漏液検出部1は水22に浮く。また、第2フロート4の密度も水22の密度より小さいため、第2フロート4はパイプ3の上部に浮き上がる。一方、スタンド7の密度は水22の密度より大きいため、スタンド7はパイプ3の下端部3Aで支持されるようになる。この場合、パイプ3の下部に設けられたリードスイッチ6は、マグネット5の磁場の影響を受けず、リードスイッチはオフになる。そのため電源9はオフになり、送信器10から信号Soは送られず、警報部12からは警報は発せられない。
【0039】
漏液センサを設置したタンク内に油21が侵入した場合は図5(c)のようになる。漏液検出部1全体の平均の密度は油21の密度より小さいため、漏液検出部1は油21に浮く。一方、第2フロート4及びスタンド7の密度は共に油21の密度より大きいため、スタンド7はパイプ3の下端部3Aに支持され、第2フロート4はスタンド7の上に載るようになる。このため、第2フロート4に備えられたマグネット5の位置は、リードスイッチ6の設けられたパイプ3の下部になる。この場合マグネット5の磁場によってリードスイッチ6はオンになり、電源9がオンになって、送信器10から信号Soが送信され、警報部12は警報を発する。
【0040】
漏液センサを設置したタンク内に水22及び油21が有る場合は図5(d)のようになる。漏液検出部1の平均の密度は油21の密度より小さいため、漏液検出部1は油21及び水22から成る液体に浮く。一方、スタンド7の密度は水22の密度より大きいため、スタンド7は油21及び水22から成る液体に沈み、パイプ3の下端部3Aで支持されるようになる。第2フロート4の密度は水22の密度より小さく且つ油21の密度より大きい。従って、第2フロート4の位置は、油21の層の厚さによって変化する。図5(d)の例では、油21と水22の境界がスタンド7の位置の近くにあるため、第2フロート4はスタンド7に載せられるようになっている。この場合、マグネット5の磁場によってリードスイッチがオンになり、電源9がオンになって、送信器10から信号Soが送信され、警報部12は警報を発する。
【0041】
本実施形態では、このようにしてタンク内に貯蔵された水に浸入した油を検出して、油の浸入を報知するようになっている。しかし本実施形態では、浸入した油の層の厚さが薄過ぎる場合には、第2フロート4はスタンド7から浮いてしまい、油が有ってもリードスイッチ6はマグネット5の磁場の影響を受けず、リードスイッチ6はオフになり、警報部12から警報が発せられず、油の浸入は報知されない。
【0042】
本発明の第1実施形態では、タンク内の水に浸入した油の層が薄い場合に油の検出ができないという問題がある。そこで本発明の第2実施形態では、油の層がより薄い場合でも油を検出できるようにしてある。
【0043】
図6及び図7は本発明に係る漏液センサの第2実施形態を示す図であり、図6(a)は漏液センサの漏液検出部1の正面図、図6(b)は漏液検出部1の下から見た平面図、図7は漏液検出部1の断面図である。
【0044】
漏液検出部1は、上部分31と上部分31の下部にある下部分32とから成る第1フロート30と、第1フロート30の上部分31の下面に備えられた1個〜複数個の第2フロート部40とを具備している。第2フロート部40は、第1フロート30の上部分31の下面に備えられたパイプ41と、パイプ41を通し、マグネット43を具備する第2フロート42と、パイプ41を通すスタンド45とを具備しており、パイプ41の下部にはリードスイッチ44が設けられている。第2フロート42はパイプ41上を上下に移動でき、スタンド45は第2フロート42の下でパイプ41上を上下に移動できるようになっている。第2フロート42及びスタンド45がパイプ41から抜けないように、パイプ41の下端部41Aは、パイプ41を通すためにスタンド45が有する孔の面積より面積を大きくしている。
【0045】
第1フロート30は中空になっており、その空洞には図4に示される電源9及び送信器10を具備した回路基板8が設置されている。第1フロート30の密度は、漏液検出部1全体の平均の密度が油の密度より小さくなるように設定する。第2フロート42の密度は、水の密度より小さく且つ油の密度より大きくなるように設定し、例えば0.90g/cm〜0.96g/cmに設定する。第2フロート42のマグネット43以外の部分の材質は、例えばアクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)等の発泡材であることが好ましい。また、第2フロート42を中空にしても良い。スタンド45の密度は、水の密度よりも大きくする。
【0046】
なお、本実施形態では、電源9と送信器10とを具備した回路基板8、及び受信器13と警報器14とを具備した警報部12の構成は、第1実施形態と同じである。リードスイッチ44がオンになると、電源9がオンになり、送信器10のアンテナ11から信号Soが送信される。信号Soが受信器13で受信されると、警報器14から警報が発せられる。リードスイッチ44がオフになると、電源9がオフになり、送信器10から信号は送信されず、警報部12から警報は発せられない。
【0047】
図6及び図7の例では、第1フロート30の上部分31と下部分32を同心円柱にして、上部分31の上面の半径を下部分の下面の半径より大きくしている。しかし、上部分31と下部分32は同心円柱である必要ななく、上部分31の下面に第2フロート部40を備える部分があれば良い。また、図6及び図7の例では、第2フロート部40を第1フロート30の上部分31の下面に回転対称(図6及び図7の例では4回対称)になるように配設しているが、第2フロート部40の数及び配置は漏液検出部1が液体に浮いたときにバランスがとれるのであれば任意で良い。
【0048】
図8は漏液検出部1の動作を示す図である。漏液センサを設置したタンク内に水や油の液体が無い場合、漏液検出部1はタンクの底面20に図8(a)に示されるように置かれる。第2フロート42はスタンド45によって押し上げられるため、パイプ41の下部に設けられたリードスイッチ44は、第2フロート42に具備されたマグネット43の磁場の影響を受けず、リードスイッチ44はオフになる。そのため電源9はオフになり、送信器10から信号Soは送信されず、警報部12から警報は発せられない。
【0049】
漏液センサを設置したタンク内に水22が有り油が浸入していない場合、漏液検出部1は図8(b)に示されるようになる。漏液検出部1の平均の密度は水22の密度より小さいため、漏液検出部1は水22に浮く。一方、スタンド45の密度は水22の密度より大きいため、パイプ41の下端部41Aで支持される。第2フロート42の密度は水22の密度より小さいため、第2フロート42はパイプ41の上部に浮き上がる。このため、パイプ41の下部に設けられたリードスイッチ44は、マグネット43の磁場の影響を受けず、リードスイッチ44はオフになる。そのため電源9はオフになり、送信器10から信号Soは送信されず、警報部12から警報は発せられない。
【0050】
漏液センサを設置したタンク内に油21が浸入した場合、漏液検出部1は図8(c)に示されるようになる。漏液検出部1の平均の密度は油21の密度より小さいため、漏液検出部1は油21に浮く。一方、第2フロート42及びスタンド45の密度は油の密度より大きいため、スタンド45はパイプ41の下端部41Aで支持され、第2フロート42はスタンド45の上に載るようになる。このため、マグネット43の磁場によって、パイプ41の下部に設けられたリードスイッチ44はオンになり、電源9はオンになって、送信器10から信号Soが送信され、警報部12から警報が発せられる。
【0051】
本発明の第2実施形態では、このようにしてタンク内の水に浸入した油を検出して、油が浸入したことを報知するようになっている。漏液検出部1が油及び水から成る液体に浮いている場合、第2実施形態では第1実施形態に比べて、第2フロート42及びリードスイッチ44の位置を液面から浅い位置に設けることができるので、油の層がより薄い場合でも油を検出し、油の浸入を報知することができるようになっている。
【0052】
第2フロート部が複数個有る場合、複数個のリードスイッチ44は状況に応じて直列接続、並列接続、又は直列接続と並列接続の組み合わせにする。複数個のリードスイッチ44を直列接続にした場合、全ての第2フロート部40に設けられたリードスイッチ44がオンにならないと、警報部12から警報が発せられない。一方、複数個のリードスイッチ44を並列接続にした場合、複数個の第2フロート部40に設けられたリードスイッチ44の少なくとも1つのリードスイッチ44がオンになれば、警報部12から警報が発せられる。従って、確実に油が浸入したときに警報を発するようにするには、複数個のリードスイッチ44を直列接続にする。油が浸入した可能性があればできるだけ早く警報を発するようにするには、複数個のリードスイッチ44を並列接続にする。この中間の場合には、直列接続と並列接続を組み合せるようにする。
【0053】
図1乃至図8の例では、リードスイッチ6、44をパイプ3、41の下部に設けるようにしたが、第1実施形態及び第2実施形態において、リードスイッチ6、44をパイプ3、41の上部に設けるようにしても良い。この場合、リードスイッチ6、44がオフになったときに、警報部12から警報が発せられるようにすれば、油が検出されたときに警報が発せられるようになる。またこの場合、第2実施形態において、複数個のリードスイッチ44を直列に接続すると、リードスイッチ44の内の少なくとも1つがオフになったときに、警報部12が警報を発する。一方、複数個のリードスイッチ44を並列に接続すると、全てのリードスイッチがオフになったときに、警報部12が警報を発する。また、リードスイッチは電磁波に作動する他のスイッチング手段でもよい。
【0054】
第1実施形態及び第2実施形態では、電源9と送信器10とを具備した回路基板8を具備するようにしていたが、回路基板8は、図9に示されるように電源9を具備せず、外部からの電磁波によって起電力を蓄えるコイルと、ダイオードD1と、コンデンサC1を具備するようにして、コイルに蓄えられる起電力によってリードスイッチ6、44の状態を示す信号を、送信器10から受信器13に送信するようにしても良い。同様に、回路基板8は電源9を具備せずに、図10に示されるように電球や外来光等からの光によって起電力を蓄える太陽電池と、コンデンサC2を具備するようにして、太陽電池に蓄えられる起電力によってリードスイッチ6、44の状態を示す信号を、送信器10から受信器13に送信するようにしても良い。ここで警報器14は、受信機13で受信された信号に応じて警報を発するようにする。
【0055】
また、第1実施形態及び第2実施形態では、リードスイッチ6、44がオン又はオフになったときに、信号を無線で警報部12に送信するようにしたが、漏液検出部1と警報部12とをリード線で接続し、リードスイッチ6、44がオン又はオフになったときに、信号をリード線によって警報部12に送信するようにしても良い。
【0056】
図11は、本発明に係る漏液センサの第3実施形態の構成を示す図である。本実施形態では、フロート51と、フロート51の上面に設置されたリフレックスリフレクタ52とを具備したフロート部50を、油の浸入を検出するタンク内の水に浮かべるようにする。フロート51の密度は、フロート部50の平均の密度が水の密度より小さく且つ油の密度より大きくなるように設定する。例えばフロート51の密度は0.90g/cm〜0.96g/cmになるように設定し、密度を1.0g/cmより小さくすることによって、フロート50を水に浸したとき、フロート部51が水に浮かぶようにする。フロート51は中空にするか、或いはフロート51の材質をアクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)等の発泡材にすると良い。また、リフレックスリフレクタ52の下側にフロート51が無い任意の位置には、水や油の液体を通すための孔52Aが設けてある。
【0057】
図12(a)はフロート部50の断面図で、図12(b)はフロート部50の下側から見た平面図である。図12に示されるように、リフレックスリフレクタ52の中央に設けられた孔52Aから水や油の液体を通すために、フロート51は中央に孔51Aを有する形状としても良く、フロート51の形状は任意の形状で良い。
【0058】
本実施形態では、発光駆動部61によって駆動される発光素子62と、発光素子62から照射される光62Lのリフレックスリフレクタ52による反射光63Lを受光するための受光素子63とをリフレックスリフレクタ52の上方に設けてある。受光素子63での受光量に応じて受光処理部64は受光素子63が反射光63Lを受光したかどうかを判定し、その判定結果に応じて警報器65が警報を発するようになっている。警報器65による警報は、例えば警告灯66を点灯或いは点滅させることによって、若しくは警告音を発することによって行われる。
【0059】
図13は本実施形態の動作を示す図である。漏液センサを設置したタンク内に水も油も無い場合、フロート部50は図13(a)に示されるようにタンクの底面20に置かれるようになる。この場合、発光素子62からリフレックスリフレクタ52に照射された光62Lは、リフレックスリフレクタ52で反射され、反射光63Lは受光素子63に受光される。受光処理部64は受光素子63が反射光63Lを受光したと判定し、警報器65は警報を発しない。
【0060】
漏液センサを設置したタンク内に水22が有り油が侵入していない場合、フロート部50の平均の密度は水22の密度より小さいため、図13(b)に示されるように、フロート部50は水22に浮き、リフレックスリフレクタ52は水22に浸からない。この場合、図13(a)の場合と同様に、発光素子62から照射された光62Lはリフレックスリフレクタ52で反射され、反射光63Lは受光素子63で受光される。受光処理部64は受光素子63が反射光63Lを受光したと判定し、警報器65は警報を発しない。
【0061】
漏液センサを設置したタンク内に油21が浸入した場合、フロート部50の平均の密度は油21の密度より大きいため、図13(c)に示されるように、フロート部50は油21に沈み、リフレックスリフレクタ52は油21に浸かる。この場合、発光素子62からリフレックスリフレクタ52に照射された光62Lは、リフレックスリフレクタ52で反射されなくなる。受光処理部64は受光素子63が反射光63Lを受光していないと判定し、警報機65は警報を発して、タンク内に油21が浸入したことが報知される。
【0062】
第3実施形態において、タンク内に油21が浸入しフロート部50が油21に沈んだ場合、リフレックスリフレクタ52は油21に沈むため、発光素子62から光62Lが照射されたときにリフレックスリフレクタ52からの反射光は無い。しかし、光62Lが油21の液面で反射され、この反射光が受光素子63で受光され、受光処理部64が誤ってリフレックスリフレクタ52からの反射光63Lを受光したと判定し、油21が浸入しているにもかかわらず、警報器65が警報を発しない恐れが有る。
【0063】
例えば、図14(a)に示されるように、リフレックスリフレクタ71が油21の液面の下にある場合、発光素子62から照射される光62Lはリフレックスリフレクタ71では反射されない。しかし、光62Lが油21の液面で反射され、その反射光62Rが受光素子63に受光される恐れが有る。
【0064】
このような油21の液面での反射光62Rが受光素子63に受光されるのを防止するために、図14(b)に示されるように、光を透過する透明又は半透明の中空部材から成るフロート72を、油21の液面に浮かべる方法が有る。フロート72の密度は油21の密度よりも小さく設定し、且つ発光素子62から照射される光62Lがフロート72から出射される出射面72Bが油21に浸かるように設定する。そして、光62Lのフロート72への入射面72Aとフロート72からの出射面72Bに対して、光62Lが入射角0°で入射しないように、入射面72Aと出射面72Bを、油21のフロート72の外側の液面から傾くようにする。図14(b)の場合、フロート72の断面形状が、中央部に向って鉛直方向の幅が大きくなっていくように、第1フロート72の上面及び下面は湾曲した形状になっている。このようにした場合、フロート72の入射面72Aでの反射光62R1及び出射面72Bにおける反射光62R2の向きは、共に上方に設置された受光素子63の方向からずれるため、反射光62Rが受光素子63に受光される恐れは無くなる。
【0065】
図15は、上述の原理を利用した本発明に係る漏液センサの第4実施形態の構成を示す図である。本実施形態では漏液センサは、リフレックスリフレクタ71と、リフレックスリフレクタ71の上に設置した、光を透過する透明又は半透明の中空部材から成る第1フロート72と、リフレックスリフレクタ71の下方に設置した第2フロート73とを具備したフロート部70を具備している。本実施形態に係る漏液センサのフロート部70以外の構成は、第3実施形態と同じである。図15では、フロート部70は断面図になっている。
【0066】
本実施形態では、発光素子62から照射される光62Lは、第1フロート72を透過してリフレックスリフレクタ71に当たるようになっており、リフレックスリフレクタ71からの反射光63Lは、第1フロート72を透過して受光素子63に受光されるようになっている。図15の例では、リフレックスリフレクタ71及び第1フロート72は、第2フロート73に備えられた支持部材73Aで支持するようになっている。
【0067】
第1フロート72の密度は、フロート部70全体の平均の密度が油の密度より小さくなるように設定する。第2フロート73の密度は、油の密度より大きく、且つフロート部70が水に浮いた場合に、リフレックスリフレクタ71が水に浸からないように設定する。更に、フロート部70が油に浮いている場合に、発光素子62から照射される光62Lの第1フロート72からの出射面72Bが油に浸かるように、第1フロート72及び第2フロート73の密度を設定する。
【0068】
第1フロート72の形状は、フロート部70が液体に浮かんだときにフロート部70の外側の液面に対して、第1フロート72の光62Lの入射面72A及び出射面72Bが傾くようにする。図15の例では、第1フロート72の断面形状が、中央部に向って鉛直方向の幅が大きくなっていくように、第1フロート72の上面及び下面は湾曲した形状になっている。
【0069】
また、本実施形態ではリフレックスリフレクタ71は、複数のプリズム71Aを具備しており、プリズム71A間にはリフレックスリフレクタ71が液体に浸かったときに液体を通すための孔71Bを設けるようにしている。
【0070】
図16は、本実施形態の動作を示している。漏液センサを設置したタンク内に水も油も無い場合、図16(a)に示されるようになり、漏液検出部70はタンクの底面に置かれる。この場合、発光素子62から照射された光62Lはリフレックスリフレクタ71で反射され、反射光63Lは受光素子63に受光され、警報器65は警報を発しない。
【0071】
漏液センサを設置したタンク内に水22が有り油が浸入していない場合、図16(b)に示されるようになる。フロート部70は水22に浮き、リフレックスリフレクタ71は水22に浸からない。この場合、発光素子62から照射された光62Lはリフレックスリフレクタ71で反射され、反射光63Lは受光素子63に受光され、警報器65は警報を発しない。
【0072】
漏液センサを設置したタンク内に油21が浸入した場合、図16(c)に示されるようになる。フロート部70は油21に浮き、第1フロート72の光62Lの出射面72Bは油21に浸かるようになる。この場合、リフレックスリフレクタ71は油21に浸かるため、発光素子62から照射された光62Lはリフレックスリフレクタ71によって反射されない。また、入射面72A及び出射面72Bはフロート部70の外側の油21の液面に対して傾いているため、入射面72Aにおける反射光62R1と出射面72Aにおける反射光62R2は、共に上方に設けられている受光素子63とは異なる方向を向く。そのため、受光処理部64は受光素子63が反射光63Lを受光していないと判定し、警報器65は警報を発し、油21が浸入したことが報知される。
【0073】
本発明の第4実施形態では、第1フロート72と第2フロート73の密度の設定が複雑である。そこで第1フロートの密度の設定において、フロート部70全体の平均の密度を考慮に入れなくても良いように、本発明に係る漏液センサの第5実施形態では、第1フロート72を、リフレックスリフレクタ71の上でリフレックスリフレクタ71及び第2フロート73に対して上下に移動できるようにする。
【0074】
図17は、本発明の第5実施形態に係る漏液センサのフロート部70の断面図を示している。フロート部70は、複数のプリズム71Aとプリズム71A間に設けられた液体を通すための孔71Bとを具備したリフレックスリフレクタ71と、リフレックスリフレクタ71の上で上下に移動できるようにした、透明又は半透明の中空部材から成る第1フロート72と、リフレックスリフレクタ71の下方に設置した第2フロート73とを具備している。リフレックスリフレクタ71は第2フロート73に備えられた支持部材73Aで支持され、第1フロート72は支持部材73A上で所定の範囲を上下に移動できるようになっている。
【0075】
本実施形態に係る漏液センサのフロート部70以外の構成は、第3実施形態及び第4実施形態に係る漏液センサと同じであり、発光素子62から照射される光62Lは、第1フロート72を透過してリフレックスリフレクタ71に当たり、リフレックスリフレクタ71からの反射光63Lは、第1フロート72を透過して受光素子63に受光されるようになっている。
【0076】
第1フロート72の密度は油の密度より小さく設定し、且つ第1フロート72が油に浮いた場合に、発光素子62からの光62Lの第1フロート72からの出射面72Bが油に浸かるように設定する。第2フロートの密度は油の密度より大きく設定し、且つフロート部70が水に浮いた場合に、リフレックスリフレクタ71が水に浸からないように設定する。
【0077】
また、光62Lの第1フロート72の入射面72A及び出射面72Bは、フロート部70が液体に浮いている場合にフロート部70の外側の液面に対して傾いているようにする。図17の例では、第1フロート72の断面形状が、中央部に向って鉛直方向の幅が大きくなるように、第1フロート72の上面及び下面は湾曲したようになっている。
【0078】
本実施形態の動作を図18に示す。漏液センサを設置したタンク内に水も油も無い場合、図18(a)に示されるようになり、フロート部70はタンクの底面20に置かれるようになる。この場合、発光素子62から照射された光62Lはリフレックスリフレクタ71で反射され、その反射光63Lは受光素子63に受光され、警報器65は警報を発しない。
【0079】
漏液センサを設置したタンク内に水22が有り油が浸入していない場合、図18(b)に示されるようになる。フロート部70は水に浮き、リフレックスリフレクタ71は水22に浸からない。この場合、発光素子62から照射された光62Lはリフレックスリフレクタ71で反射され、反射光63Lは受光素子63に受光され、警報器65は警報を発しない。
【0080】
漏液センサを設置したタンク内の水22に油21が浸入し、油21の層の厚さが薄い場合、図18(c)のようになる。第1フロート72の出射面72Bは油21に浸かり、第1フロート72の位置は第1フロート72が移動できる所定範囲の下端になる。この場合、発光素子62から照射される光62Lはリフレックスリフレクタ72で反射されないため、警報器65は警報を発し、油の浸入を報知する。
【0081】
漏液センサを設置したタンク内の水22に油21が浸入し、油21の層の厚さが厚い場合、図18(d)のようになる。第1フロート72の出射面72Bは油21に浸かる。また、第2フロート73の密度は油21の密度より大きいため、第2フロート73は油21に沈み、第1フロート72の位置は第1フロート72が移動できる所定範囲の下端より上に浮くようになる。この場合、発光素子62から照射される光62Lはリフレックスリフレクタ72で反射されないため、警報器65は警報を発し、油の浸入を報知する。
【0082】
油21の層の厚さが図18(d)の場合よりも更に厚くなった場合、第1フロート72の位置は第1フロート72が移動できる所定範囲の上端に達する。更に油21の層が厚くなると、フロート部全体の平均の密度が油21の密度よりも大きい場合は、第1フロート72は油21の液面の下に沈む。この場合、発光素子62から照射される光62Lが油21の液面で反射され受光素子63に受光され、油21が検出されなくなってしまう恐れが有る。この場合、第1フロート72を設けている効果が無くなってしまう。油の層の厚さが厚い場合でも、油を確実に検出できるようにするためには、第1フロート72が上下に移動できる範囲を大きくするか、又はフロート部70全体の平均の密度を油の密度より小さくする必要が有る。
【0083】
図17及び図18の例では、第2フロート部73の支持部材73Aによって、第1フロート72が上下に所定範囲を移動できるようにしたが、第1フロート72と第2フロート73を誘導棒に通して、第1フロート72及び第2フロート73が誘導棒上で上下に移動できるようにしても良い。
【0084】
第4実施形態及び第5実施形態における第1フロート72の断面形状は、図15乃至図18に示される形状に限らず、第1フロート72が液体に浮いた場合に第1フロート72の入射面72A及び出射面72Bが、第1フロート72の外側の液面に対して傾いていれば良い。例えば、図19(a)に示されるように第1フロート72の断面形状を3角形にする、或いは図19(b)に示されるように第1フロート72の断面形状を菱形にする、或いは図19(c)に示されるように第1フロート72の断面形状が中央部に向って鉛直方向の幅が小さくなるように、第1フロート72の上面及び下面を湾曲した形状にして、第1フロート72の入射面72A及び出射面72Bが、第1フロート72の外側の液面に対して傾くようにしても良い。これらの断面形状を有する第1フロート72では、発光素子62から照射される光62Lの入射面72Aにおける反射光62R1及び出射面における反射光62R2の方向が、共に上方に設けられている受光素子63の方向からずれるようになる。
【0085】
第3実施形態乃至第5実施形態でのリフレックスリフレクタのプリズム形状としては、図20(a)に示されるコーナーキューブ状、図21(a)に示される三角柱状、図22(a)に示される半球状がある。図20(b)、図21(b)、図22(b)には、それぞれの形状のプリズムをリフレックスリフレクタとして連結したときの図が示されている。その他プリズムの形状として球状のものが考えられ、この場合リフレックスリフレクタは反射鏡やガラス等でできた小さい球状のプリズムをテープに散布して固めることによってできる。図20(b)、図21(b)、図22(b)に示されるように、プリズムとプリズムとを連結させるときにプリズム間に隙間を設けることによって、或いは所定の間隔でプリズムを抜いて穴を開けることによって、プリズム間に孔を設けて水や油がプリズムに触れても直ぐに取り除けるようにしておいても良い。
【0086】
第4実施形態及び第5実施形態では、リフレックスリフレクタ71の上に第1フロート72を設けるようにしたが、図23に示されるように第1フロート72の下面にリフレックスリフレクタ71を設けるようにしても良い。図23(a)は、第1フロート72の下面にリフレックスリフレクタ71を設けるようにした場合の第1フロート72の断面図であり、図23(b)はリフレックスリフレクタ71の一部を拡大した第1フロート72の断面図である。第1フロート72は光を透過する透明又は半透明の中空部材から成り、第1フロート72の下面に設けられたリフレックスリフレクタ71は油と略同じ屈折率を有する物質でできており、例えばアクリル、ポリプロピレンなどの樹脂でできている。第1フロート72の下面にリフレックスリフレクタ71を設けるようにしたこと以外は、第4実施形態又は第5実施形態と同じ構成にし、第1フロート72と第2フロート73の密度の設定条件は、第1フロート72を第2フロート73の上方に固定する場合(第6実施形態)は第4実施形態における密度の設定条件と同じにして、第1フロート72を上下に移動できるようにする場合(第7実施形態)は第5実施形態における密度の設定条件と同じにする。
【0087】
図23に示されるように、発光素子62から照射された光62Lは、第1フロート72の入射面72Aを透過してリフレックスリフレクタ71に当たる。リフレックスリフレクタ71が油に浸かっていない場合には、光62Lはリフレックスリフレクタ71のプリズム71Aで光62Lが入射したのと反対の方向に反射され、反射光63Lは第1フロート72の入射面72Aを透過して受光素子63に受光される。一方、リフレックスリフレクタ71が油に浸かっている場合には、リフレックスリフレクタ71は油と略同じ屈折率の物質でできているため、光62Lはリフレックスリフレクタ71を透過し、光62Lは反射されない。
【0088】
第1フロートの光62Lの入射面72A及びリフレックスリフレクタ71上にある光62Lを受光する受光面は、入射面72A及び受光面での反射光が受光素子63に受光されないように、フロート部70が液体に浮いているときにフロート部70の外側の液面から傾いているようにする。
【0089】
第6実施形態及び第7実施形態では、第3実施形態及び第4実施形態の動作と同様で、漏液センサの設置されたタンク内に水22も油21もない場合、及びタンク内に水22のみが有り油21が浸入していない場合は、発光素子62から照射された光62Lは第1フロート72の下面に設けられたリフレックスリフレクタ71で反射され、その反射光63Lが受光素子63で受光されるので、警報器65から警報は発せられない。漏液センサの設置されたタンク内に油21が浸入した場合、第1フロート72の下面に設けられたリフレックスリフレクタ71は油21に浸かるため、発光素子62から照射された光62Lはリフレックスリフレクタ71で反射されない。受光素子63は反射光63Lを受光しないので、警報器65は警報を発して、油21が浸入したことが報知される。
【0090】
また、第6実施形態及び第7実施形態において、リフレックスリフレクタ71が液面の揺れによって水又は油に浸かった場合に、リフレックスリフレクタ71に付着した液体をできるだけ早く流すために、図24に示されるようにプリズム71Aの間に溝71Cを設けるようにしても良い。
【0091】
密度が油の密度より小さい第1フロートと、密度が油の密度より大きく且つ水の密度より小さいマグネットを備えた第2フロートとを具備した漏液センサを用いて、第2フロートの位置によって第1フロートの内部に設置されたリフレックスリフレクタに照射される光が遮蔽されてリフレックスリフレクタに光が当たらないようにすることによって、油の浸入を検出するようにすることができる。
【0092】
本発明に係る漏液センサの第8実施形態は、このようにして油を検出するようにした漏液センサであり、図25は第8実施形態の漏液センサの構成を示す図である。第8実施形態に係る漏液センサは、上面が光を透過するようになっている中空部材81Aから成る第1フロート81と、第1フロート81の下面に備えられたパイプ82と、パイプ82を通し、マグネット84を具備する第2フロート83と、パイプ82を通すスタンド85とを具備したフロート部80を具備している。本実施形態のフロート部80以外の構成は、第3実施形態乃至第7実施形態と同じである。図25では、フロート部80は一部断面図になっている。フロート部80の外観図は、図1に示される漏液検出部1の外観図と同様である。
【0093】
第1フロート81は、中空部材81Aの内部に、発光素子62から照射される光を受光し反射する支持部材81Bに支持されたリフレックスリフレクタ86と、リフレックスリフレクタ86の上に設けられた複数のシャッターフィンW、W、W、W、・・・、Wから成るシャッター87と、複数の滑車K、K、Kとを具備している。第1フロート81の側面にはバネ88が取り付けられ、バネ88の端部には紐状部材89が備えられている。紐状部材89は複数のシャッターフィンW、W、・・・、Wを繋ぎ、複数の滑車K、K、Kに掛けられるようになっており、パイプ82に備えられたマグネット又は鉄片90に繋げられている。
【0094】
第2フロート83はパイプ82を上下に移動できるようになっており、スタンド85は第2フロート83の下でパイプ82を上下に移動できるようになっている。パイプ82の下端部82Aは第2フロート83及びスタンド85が抜けないように、パイプ82を通すためにスタンド85が有する孔の面積より面積を大きくしている。図25の例では、漏液検出部80が水も油もないタンクの底面20上に置かれた場合に、第1フロート81を支持するために、スタンド85に支持部材85Aを設けている。
【0095】
第1フロート81の密度は、フロート部80全体の平均の密度が油の密度より小さくなるように設定する。第2フロート83の密度は油の密度より大きく且つ水の密度より小さく設定する。ステージ85の密度は水の密度より大きく設定する。
【0096】
マグネット又は鉄片90の位置は、マグネット84の位置、即ち第2フロートの位置によって移動する。マグネット又は鉄片90がパイプ82の上部にあるときは、複数のシャッターフィンW、W、・・・、Wは略鉛直方向を向いていてシャッター87は開き、マグネット又は鉄片90がパイプ82の下部にあるときは、複数のシャッターフィンW、W、・・・、Wが鉛直方向から傾いてシャッター87が閉じるように、複数の滑車K、K、Kを配設すると共に、バネ88を中空部材81Aの側面に取り付ける位置を決める。
【0097】
シャッター87が開くと、発光素子62から照射される光62Lはリフレックスリフレクタ86に当たって反射され、反射光63Lは受光素子63に受光される。一方、シャッター87が閉じると、発光素子62から照射される光62Lは遮蔽され、リフレックスリフレクタ86には当たらない。
【0098】
図26は、第2フロート83及びマグネット又は鉄片90の位置とシャッター87の開閉について説明する図である。図26の実線で示されるように、第2フロート83が上部にある場合、第2フロート83に備えられたマグネット84によって、マグネット又は鉄片90の位置は上部になる。この場合、複数のシャッターフィンW、W、・・・、Wは略鉛直方向を向いてシャッター87は開く。図26の破線で示されるように、第2フロート83が下部にある場合、第2フロートに備えられたマグネット84によって、マグネット又は鉄90の位置は下部になる。この場合、紐状部材89が引っ張られ、バネ88が伸びるため、複数のシャッターフィンW、W、・・・、Wは鉛直方向から傾き、シャッター87は閉じる。
【0099】
図27は本実施形態の動作を示す図である。漏液センサを設置したタンク内に水も油も無い場合、フロート部80は図27(a)に示されるように、タンクの底面20に置かれるようになる。第2フロート83の位置はスタンド85によって押し上げられるため、マグネット又は鉄90の位置はパイプ82の上部になる。そのためシャッター87は開き、発光素子62から照射される光62Lはリフレックスリフレクタ86で反射され、反射光63Lは受光素子63に受光されるので、警報器65は警報を発しない。
【0100】
漏液センサを設置したタンク内に水22が有り油が浸入していない場合、フロート部80は図27(b)のようになる。フロート部80の平均の密度は水22の密度より小さいので、フロート部80は水22に浮く。また、第2フロート83の密度は水の密度より小さいので、第2フロート83の位置はパイプ82の上部になり、スタンド85の密度は水の密度より大きいので、スタンド85はパイプ82の下端部82Aで支持されるようになる。そのため、マグネット又は鉄片90の位置はパイプ82の上部になり、シャッター87は開く。この場合、発光素子62から照射される光62Lはリフレックスリフレクタ86で反射され、反射光63Lは受光素子63に受光されるので、警報器65は警報を発しない。
【0101】
漏液センサを設置したタンク内に油21が浸入した場合、フロート部80は図27(c)のようになる。フロート部80の平均の密度は油21の密度より小さいので、フロート部80は油21に浮く。一方、第2フロート83及びスタンド85の密度は油21の密度より大きいので、スタンド85はパイプ82の下端部82Aで支持され、第2フロート83はスタンド85の上に載せられるようになる。そのため、マグネット又は鉄片90の位置はパイプ82の下部になり、シャッター87は閉じられる。この場合、発光素子62から照射される光62Lはシャッター87によって遮蔽され、リフレックスリフレクタ86には当たらない。受光素子63で反射光63Lが受光されたとは判定されないので、警報器65は警報を発し、タンクに油21が浸入したことが報知される。
【0102】
本発明に係る漏液センサの第9実施形態では、第8実施形態と同様に発光素子62から照射される光の遮蔽機構を備えている。図28は、本実施形態の漏液センサのフロート部100が水も油も無いタンクの底面20に置かれた場合の、フロート部100の断面図である。漏液センサのフロート部100は、上面が光を透過するようになっている中空部材から成る第1フロート101と、第1フロート101の周囲を上下に移動することのできるようになっているマグネット103を具備した第2フロート102と、第2フロート102の下で第1フロート101の周囲を上下に移動することができるようになっているスタンド104とを具備しており、第2フロート102及びスタンド104が第1フロート101より下に抜けないように第1フロート101に突出部101Aが設けられている。
【0103】
第1フロート101の内部には、上部に複数の傾斜面105Aを有するプリズム105が設置されており、プリズム105の下にはマグネット107を具備し、第2フロート102に備えられているマグネット103によって上下に移動するようになっているプリズム106が設けられている。プリズム106は傾斜面105Aに対向するように傾斜面105Aと同じ傾斜角を有する複数の傾斜面106Aを有しており、プリズム106がプリズム105に接する位置にある場合に、プリズム105の傾斜面の山と谷がそれぞれプリズム106の傾斜面の谷と山に合わさるようになっている。第1フロート101の内部の下部にはリフレックスリフレクタ108が設置されている。
【0104】
第1フロート101の密度は、フロート部100全体の平均の密度が油の密度より小さくなるように設定する。第2フロート102の密度は、油の密度より大きく且つ水の密度より小さく設定する。スタンド104の密度は、水の密度より大きく設定する。
【0105】
本実施形態のフロート部100以外の構成は、第3実施形態乃至第8実施形態と同じであり、発光素子62及び受光素子63は第1フロート101の上方に設置される。
【0106】
本実施形態の動作について説明する。漏液センサが設置されたタンク内に水も油も無い場合、フロート部100は図28に示されるようにタンクの底面20に置かれるようになる。第2フロート102はスタンドによって持ち上げられるため、プリズム106も上部に移動し、プリズム105とプリズム106の互いの傾斜面が合わさるようになる。そのため、発光素子62から照射された光62Lは、プリズム105及びプリズム106を略直進し、リフレックスリフレクタ108に当たり、反射光63Lも略直進し受光素子63に受光される。受光素子63で反射光63Lが受光されたと判定されるので、警報器65は警報を発しない。
【0107】
漏液センサが設置されたタンク内に水が有り油が浸入していない場合、フロート部100は水に浮く。スタンド104は突出部101Aに支持されるようになるが、第2フロート102は第1フロート101の上部に浮く。プリズム106は上部に移動し、プリズム105とプリズム106の互いの傾斜面が合わさるようになる。そのため、発光素子62から照射された光62Lは略直進しリフレックスリフレクタ108に当たり、反射光63Lも略直進し受光素子63に受光される。受光素子63で反射光63Lが受光されたと判定されるので、警報器65は警報を発しない。
【0108】
漏液センサが設置されたタンク内に油21が有る場合、図29に示されるように、フロート部100は油21に浮き、第2フロート102及びスタンド104は突出部101Aに支持されるようになる。第2フロート102が第1フロート101の下部にあるので、プリズム106の位置は第1フロートの下部になる。そのため、発光素子62から照射された光62Lは、プリズム105の傾斜面105Aで屈折して、リフレックスリフレクタ108には当たらない。受光素子63には反射光63Lが受光されないので、警報器65は警報を発し、油が検出されたことが報知される。
【0109】
第3実施形態乃至第9実施形態において、発光素子62がレーザーダイオードである場合のように指向性の高い光を照射する場合には、発光素子62からの光62Lをリフレックスリフレクタ52、71、86、108が受光できるように、フロート部50、70、80、100を誘導棒に通し、誘導棒のフロート部50、70、80、100の上方に発光素子62及び受光素子63を固定する必要がある。
【0110】
第3実施形態乃至第9実施形態において、リフレックスリフレクタ52、71、86、108の上に、特定の波長の光のみを透過するフィルタを設置するようにする、或いは、リフレックスリフレクタ52、71、86、108が特定の波長の光のみを通すように、リフレックスリフレクタ52、71、86、108がフィルタ効果を有するようにしても良い。図30は第5実施形態において、リフレックスリフレクタ71の上にフィルタ110を設置した場合のフロート部70の断面図を示す図である。また、図31は第6実施形態及び第7実施形態において、リフレックスリフレクタ71の上面にフィルタ110を設置した場合の第1フロート72の断面図であり、図31(a)は第1フロート72全体の断面図であり、図31(b)は第1フロート72のリフレックスリフレクタ71の一部を拡大した断面図である。図32は第6実施形態及び第7実施形態において、リフレックスリフレクタ71のプリズム71Aの間に溝71Cを設けるようにした場合に、リフレックスリフレクタ71の上面にフィルタ110を設置した場合のリフレックスリフレクタ71の断面図である。
【0111】
このようにフィルタ110を用いた場合、或いはリフレックスリフレクタ52、71、86、108がフィルタ効果を有するようにした場合は、受光素子63、受光処理部64及び警報器65を設けずに、リフレックスリフレクタ52、71、86、108からの反射光63Lを視認するようにする。
【0112】
この場合、発光素子62から白色光の光62Lを照射すると、リフレックスリフレクタ52、71、86、108の反射光63Lはフィルタ110によって特定の波長を有する光となる。一方、液面からの反射光62Rは白色光となる。従って、タンク内に水22も油21も無い場合及びタンク内に水22のみが有り油21が浸入していない場合は、リフレックスリフレクタ52、71、86、108から特定の波長を有する光(例えば赤色の光のみを通すフィルタ110を用いた場合は、赤色の光)を視認することができる。一方、タンク内に油21が浸入した場合、光62Lはリフレックスリフレクタ52、71、86、108では反射しない。液面からの反射光62Rが有る場合でも、その反射光62Rは白色光であるので、視認によって明確にタンク内に油が浸入しているかどうかを確認することができる。
【0113】
ここでリフレックスリフレクタ52、71、86、108がフィルタ効果を有するようにする場合、例えば赤色の光のみを通すようにする場合、リフレックスリフレクタ52、71、86、108を赤色の透明材にすると良い。
【0114】
第1実施形態及び第2実施形態ではリードスイッチ6、44を用いて油の検出を行うようにしているが、リードスイッチ6、44の防爆を行う必要がある。そこで防爆のために特別な構造を具備しなくても良いように、本発明の第10実施形態及び第11実施形態では、発光素子62から照射される光62Lをフロート部の内部まで光ファイバで誘導して、光ファイバから出射した光を別の光ファイバで受光素子まで誘導するのようにして、油が有る場合に受光素子63の受光量が変化する機構を設けることによって、油を検出するようにしている。
【0115】
図33は、本発明に係る漏液センサの第10実施形態のフロート部120を、水も油も無いタンクの底面20に置いた場合のフロート部120の断面図である。フロート部120は、上面に光ファイバ127及び光ファイバ128を通すための孔121Aを有し、下面にパイプ121Bを備えた中空部材から成る第1フロート121と、パイプ121Bを通し、マグネット123を具備し、パイプ121B上を上下に移動できる第2フロート122と、第2フロート122の下でパイプ121B上を上下に移動できるスタンド124とを具備し、第2フロート122及びスタンド124がパイプ121Bの下に抜けないように、パイプ121Bには突出部を有する下端部121Cが設けてある。
【0116】
パイプ121Bの内部には、端部の両側にマグネット126を備えた反射板125が設けられており、反射板125の位置はマグネット123を備えた第2フロートと同じ高さになる。
【0117】
第1フロート121の密度は、フロート部120全体の平均の密度が油の密度より小さくなるように設定する。第2フロート122の密度は、油の密度より大きく且つ水の密度より小さく設定する。スタンド124の密度は水の密度より大きく設定する。
【0118】
本実施形態では、発光駆動部61によって駆動される発光素子62から照射される光62Lを第1フロート121の内部に誘導する光ファイバ127と、光ファイバ127から出射した光62Lの反射板125による反射光63Lを受光して受光素子63まで誘導する光ファイバ128を具備していおり、受光処理部64によって受光素子63での受光量からフロート部120が油に浸かっているか否かが判定され、警報器65は受光処理部64の判定結果に応じて警報を発するようになっている。光ファイバ127と光ファイバ128は、光ファイバ127を出射した光62Lが反射板125の方向を向き、光ファイバ128の向きは反射板125からの反射光63Lの向きを向くようにする。
【0119】
本実施形態の動作を説明する。漏液センサが設置されたタンク内に水も油も無い場合、図33に示されるように、フロート部120はタンクの底面20に置かれるようになる。第2フロート122はスタンド124によって持ち上げられるため、第2フロート122の位置はパイプ121Bの上部になる。そのため、反射板125の位置もパイプ121Bの上部になり、光ファイバ127から出射する光62Lの出射位置から反射板125までの距離及び反射板125から光ファイバ128の反射光63Lの受光部までの距離は小さくなる。その結果、受光素子63での反射光63Lの受光量は大きくなり、受光処理部64はこの受光量からフロート部120は油に浸かっていないと判定し、警報器65は警報を発しない。
【0120】
漏液センサが設置されたタンク内に水が有り油が浸入していない場合、フロート部120は水に浮き、第2フロート122の位置はパイプ121Bの上部になる。一方、スタンド124は下端部121Cに支持されるようになる。第2フロート122の位置がパイプ121Bの上部になるので、反射板125の位置もパイプ121Cの上部になり、受光素子63での反射光63Lの受光量は大きくなり、受光処理部64はこの受光量からフロート部120は油に浸かっていないと判定し、警報器65は警報を発しない。
【0121】
漏液センサが設置されたタンク内に油21が有る場合、図34に示されるように、フロート部120は油21に浮く。一方、第2フロート122及びスタンド124は下端部121Cに支持されるようになる。第2フロート122の位置はパイプ121Bの下部になるので、反射板125の位置もパイプ121Bの下部になる。そのため、光ファイバ127の光62Lの出射位置から反射板125までの距離及び反射板125から光ファイバ128の反射光63Lの受光部までの距離は大きくなるので、受光素子63での受光量は小さくなる。受光処理部64はこの受光量からフロート部120が油21に浸かっていると判定し、警報器65は警報を発し、油が検出されたことが報知される。
【0122】
図35は本発明に係る漏液センサの第11実施形態のフロート部120を、水も油も無いタンクの底面20に置いた場合のフロート部120の断面図であり、図36はこのフロート部120が油21に浮いている場合のフロート部120の断面図である。本実施形態は、光62L2を出射する光ファイバ127の向き及びその光62L2を受光する光ファイバ128の向きと、光ファイバ127から出射する光62L2を遮蔽するために遮蔽板130を設けるようにしてあること以外は、第10実施形態と同じ構成である。図36に示されるように、光ファイバ127から出射した光62L2は水平方向を向き、光ファイバ128の受光部に受光されるようにする。光ファイバ127から出射する光62L2の向きを水平方向にして、水平方向の光62L2を光ファイバ128の受光部で受光するようにするために、反射鏡又はプリズムで光を屈折するようにしても良い。また、第1フロート121のパイプ121B内には、端部の両側にマグネット131を備えた遮蔽板130が設けられており、第2フロート122が上下に移動するのと共に、遮蔽板130は上下に移動するようになっている。遮蔽板130の位置がパイプ121Bの上部にある場合、図35に示されるように、光ファイバ127から出射した光62L2は、遮蔽板130の鉛直方向を向いた突出板130Aで遮蔽され、光62L2は光ファイバ128の受光部には受光されなくなる。
【0123】
本実施形態の動作を説明する。漏液センサが設置されたタンク内に水も油も無い場合、図35に示されるように、フロート部120はタンクの底面20に置かれるようになる。第2フロート122はスタンド124によって持ち上げられ、第2フロート122の位置はパイプ121Bの上部になり、それに伴って遮蔽板130の位置もパイプ121Bの上部になる。そのため、発光部62から照射され光ファイバ127から出射した光62L2は、遮蔽板130の突出板130Aで遮蔽される。受光素子63には光は受光されず、警報器65は警報を発しない。
【0124】
漏液センサが設置されたタンク内に水が有り油が浸入していない場合、フロート部120は水に浮く。第2フロート122の位置はパイプ121Bの上部になり、スタンド124は下端部121Cに支持されるようになる。そのため、発光部62から照射され光ファイバ127から出射された光62L2は、遮蔽板130の突出板130Aで遮蔽される。受光素子63には光は受光されず、警報器65は警報を発しない。
【0125】
漏液センサが設置されたタンク内に油21が有る場合、図36に示されるように、フロート部120は油21に浮く。第2フロート122及びスタンド124は下端部121Cに支持されるようになり、第2フロート122の位置はパイプ121Bの下部になる。そのため、遮蔽板130の位置もパイプ121Bの下部になり、発光素子62から照射され光ファイバ127から出射された光62L2は、光ファイバ128の受光部で受光される。そして、光ファイバ128から出射した光63Lは受光素子63に受光され、警報器65は警報を発し、油21が検出されたことが報知される。
【0126】
図37は、本発明に係る漏液センサの第12実施形態の斜視図である。本実施形態では漏液センサは、内部にリフレックスリフレクタ142を具備した光を透過する中空部材から成る第1フロート141と、第2フロート144とを具備したフロート部140を具備している。第1フロート141の比重は油の比重より小さく設定し、第2フロート144の比重は油の比重より大きく且つ水の比重より小さく設定する。また、リフレックスリフレクタ142に光を照射するために、第1フロート141の上方に発光駆動部61によって駆動される発光素子62が設置されている。
【0127】
第1フロート141と第2フロート144は棒状部材145で繋げられており、第1フロート141と棒状部材145との接点145Aは回転のできない固定接点となっており、第2フロート144と棒上部材145との接点145Bは回転可能なヒンジになっている。このようにすることによって、フロート部140が油に浸かった場合に、第2フロート144が油に沈むことによって第1フロート141が回転するようになっている。
【0128】
第1フロート141内のリフレックスリフレクタ142の上には、フロート部140を水に浮かべたときに鉛直方向を向くようにした複数のシャッターフィン143Aから成るシャッター143が設置されている。これによって、フロート部140が油に浸かり、第1フロート141が回転した場合に、シャッター143によって発光素子62から照射される光62Lが遮蔽され、リフレックスリフレクタ142に光62Lが当たらなくなる。
【0129】
本実施形態の動作を説明する。漏液センサが設置されたタンク内に水22のみが有り油が浸入していない場合、フロート部140は図38(a)に示されるようになる。第1フロート141及び第2フロート144は共に水22に浮かび、シャッター143のシャッターフィン143Aは鉛直方向を向く。このため発光素子62から照射される光62Lはリフレックスリフレクタ142に当たり、リフレックスリフレクタ142から反射光63Lが反射する。
【0130】
漏液センサが設置されたタンク内の水22に油21が浸入した場合、フロート部140は図38(b)に示されるようになる。第1フロート141は油21に浮かぶが、第2フロート144は油21に沈み、第1フロート141は図38(b)に示されるように回転する。このため、シャッター143のシャッターフィン143Aは鉛直方向から傾き、発光素子62から照射される光62Lはシャッター143によって遮蔽され、リフレックスリフレクタ142に当たらず、リフレックスリフレクタ142から反射光63Lは生じない。
【0131】
リフレックスリフレクタ142からの反射光63Lを受光素子63によって受光し、反射光63Lの受光の有無を受光処理部64で判定し、この判定の結果に応じて警報器65が警報を発するようにすることによって、油21が検出されたことを報知することができる。また、リフレックスリフレクタ142の上面にフィルタ110を設置するか、或いはリフレックスリフレクタ142にフィルタ効果を持たせるようにしても良い。この場合、発光素子62から白色光の光62Lが照射されると、リフレックスリフレクタ142からの反射光63Lは特定の波長を有する光となり、タンク内に油21が浸入した場合には特定の波長の光が確認されなくなるので、視認によって油21の浸入を確認することができる。
【0132】
図39は、本発明に係る漏液センサの第13実施形態のフロート部140の構成を示す図である。本実施形態では、第1フロート141にマグネット146、第2フロート144の第1フロート141の側に、縦方向にマグネット147を設置する。本実施形態のこれ以外の構成は、第1フロート141と第2フロート144の間に棒状部材145を設け無いことを除いて、第12実施形態の同一である。
【0133】
第1フロート141及び第2フロート144を水に浮かべたときに、マグネット146とマグネット147の各磁極の配置は図39に示されるように、マグネット146の第2フロート144側の磁極が、マグネット147の上側の磁極の反対の磁極になるようにする。この配置のときに、シャッター143のシャッターフィン143Aが鉛直方向を向き、発光素子62から照射される光62Lがリフレックスリフレクタ142に当たり、リフレックスリフレクタ142から反射光63Lが反射される。
【0134】
第1フロート141及び第2フロート144を油に浮かべたとき、第1フロート141は油に浮くが、第2フロート144は油に沈む。この場合、マグネット147の上側の磁極の位置が下がるため、第1フロート141は回転し、シャッター143のシャッターフィン143Aは鉛直方向から傾く。このため、発光素子62から照射される光62Lは遮蔽されリフレックスリフレクタ142に当たらなくなり、リフレックスリフレクタ142から反射光63Lは生じない。
【0135】
従って、本実施形態においても第12実施形態と同様に、リフレックスリフレクタ142からの反射光63Lの有無を確認することによって、油の浸入を検出することができる。
【0136】
図40は、本発明に係る漏液センサの第14実施形態のフロート部140の構成を示す図である。第1フロート141の側面には、第1フロート141と共に回転する滑車148Aが取り付けられている。第2フロート144はベルト149に接続されており、ベルト149は滑車148A、148B、148C、148Dに掛けられ、第2フロート144が上下に移動すると、第1フロート141が回転するようになっている。
【0137】
本実施形態の第1フロート141の構成は、本実施形態では第1フロートに滑車148Aが取り付けられていることを除いて、第12実施形態と同一である。第1フロート141と第2フロート144の密度の設定条件、及びフロート部140以外の構成は第12実施形態及び第13実施形態と同一である。
【0138】
フロート部140が水に浮かんでいるときに、シャッター143のシャッターフィン143Aが鉛直方向を向き、発光素子62から照射される光62Lはリフレックスリフレクタ142に当たり、リフレックスリフレクタ142からの反射光63Lが生じる。
【0139】
フロート部140が油に浮かんでいるとき、第2フロート144は下に移動し、第1フロート141が回転して、シャッター143のシャッターフィン143Aは鉛直方向から傾く。このため、発光素子62から照射される光62Lは遮蔽されリフレックスリフレクタ142に当たらず、リフレックスリフレクタ142からの反射光63Lは生じない。
【0140】
従って、第12実施形態及び第13実施形態と同様に、リフレックスリフレクタ142からの反射光63Lの有無を確認することによって、油の浸入を検出することができる。
【0141】
図41は、本発明に係る漏液センサの第15実施形態のフロート部140を示す斜視図である。本実施形態では、第1フロート141及び第2フロート144の形状は円筒形又は球形であり、第2フロート144は第1フロート141に接着されている。本実施形態の第1フロート141の構成は、本実施形態では第1フロート141の形状が円筒形又は球形であることを除いて、第12実施形態と同一である。第1フロート141及び第2フロート144の密度の設定条件、フロート部140以外の構成は、第12実施形態乃至第14実施形態と同一である。
【0142】
第2フロート144は、フロート部140が水に浮かんだときに、シャッター143のシャッターフィン143Aが鉛直方向を向くように第1フロート141に接着する。また、フロート部140が水も油も無いタンクの底面に置かれた場合でも、シャッター143のシャッターフィン143Aが鉛直方向を向くように、第2フロート144にはスタンド150が設置されている。
【0143】
漏液センサが設置されたタンク内に水22のみが有り油が浸入していない場合、フロート部140は図42(a)に示されるようになる。この場合、シャッター143のシャッターフィン143Aは鉛直方向を向いているため、発光素子62から照射される光62Lはリフレックスリフレクタ142に当たり、リフレックスリフレクタ142から反射光63Lが生じる。
【0144】
漏液センサが設置されたタンク内に油21が浸入した場合、フロート部140は図42(b)に示されるようになる。第2フロート144が油21に沈むため、第1フロート141は回転し、シャッター143のシャッターフィン143Aは鉛直方向から傾く。このため、発光素子62から照射される光62Lは遮蔽されリフレックスリフレクタ142に当たらず、リフレックスリフレクタ142からの反射光63Lは生じない。
【0145】
従って、第12実施形態乃至第14実施形態と同様に、リフレックスリフレクタ142からの反射光63Lの有無を確認することによって、油の浸入を検出することができる。
【0146】
第12実施形態乃至第15実施形態では、フロート部140が油に浸かったときに光を遮蔽するためにシャッター143を用いたが、光を遮蔽するのにマスク151を用いるようにしても良い。図43は第15実施形態の漏液センサが設置されたタンク内に油が侵入して、第1フロート141が回転したときに、発光素子62から照射される光62Lが第1フロート141へ入射する部分にマスク151を設けるようにした場合のフロート部140の動作を示す図である。
【0147】
図43(a)のように、フロート部140が水22に浮いている場合、発光素子62から照射される光62Lは第1フロート141のマスク151の無い部分に入射するため、光62Lはリフレックスリフレクタ142に当たり、リフレックスリフレクタ142からの反射光63Lは第1フロート141を透過する。
【0148】
図43(b)のように、漏液センサの設置したタンク内の水22に油21が浸入した場合、第1フロート141は回転して、発光素子62から照射される光62Lはマスク151によって遮蔽され、光62Lはリフレックスリフレクタ142には当たらず、反射光63Lは生じなくなる。
【0149】
第15実施形態に係る漏液センサでは、フロート部140の設置される向きによって、発光素子62から照射される光62Lが、リフレックスリフレクタ142の光を反射しない側の面に入射する場合がある。そこでフロート部140が、図44(a)に示される向きと、それを180°回転した図44(b)に示される向きのどちら側を向いていても、リフレックスリフレクタ142が発光素子62からの光62Lを反射できるようにするために、第1フロート141に、図44(a)に示される向きから入射する光62Lを反射するリフレックスリフレクタ142Aと、図44(b)に示される向きから入射する光62Lを反射するリフレックスリフレクタ142Bとを設置するようにしても良い。
【0150】
図45は、本発明に係る漏液センサの第16実施形態のフロート部160を示す図であり、図45(a)はフロート部160の断面図で、図45(b)はフロート部160の上から見た平面図である。
【0151】
フロート部160は、第1フロート161と、第1フロート161に備えられた誘導棒169を通す、ラック167と共に上下に移動できるようになっている第2フロート168と、光を透過し内部にリフレックスリフレクタ166を具備し、上下に動けないように第1フロート161に固定されている、表面に歯車163を具備した円筒形の中空部材162とを具備している。誘導棒169には、第2フロート168が下に抜けないようにするために、下端部169Aが設けられている。漏液センサのフロート部160以外の構成は、第12実施形態乃至第15実施形態と同一である。
【0152】
第1フロート161の比重は油の比重よりも小さく設定し、第2フロート168の比重は水の比重よりも小さく且つ油の比重よりも大きく設定する。
【0153】
ラック167と歯車163でピニオンギアを構成し、第2フロート168が上下に移動することによって、中空部材162が回転するようになっている。中空部材162の内部には、リフレックスリフレクタ166の上に、シャッター164が設けられており、シャッター164は、フロート部160が水に浮かんでいるときに、シャッターフィン164Aが鉛直方向を向くようにする。
【0154】
漏液センサの設置されたタンク内に水のみが有り油が浸入していない場合、シャッター164のシャッターフィン164Aは鉛直方向を向くので、発光素子62から照射される光62Lはリフレックスリフレクタ166に当たり、リフレックスリフレクタ166から反射光63Lが生じる。
【0155】
漏液センサの設置されたタンク内に油が侵入した場合、第2フロート168の位置は下がり、中空部材163は回転する。このためシャッター164のシャッターフィン164Aは鉛直方向から傾き、発光素子62から照射される光62Lは遮蔽されリフレックスリフレクタ166には当たらず、リフレックスリフレクタ166から反射光63Lは生じない。
【0156】
従って、第12実施形態乃至第15実施形態と同様に、リフレックスリフレクタ166からの反射光63Lの有無を確認することによって、油の浸入を検出することができる。
【0157】
図45の例では、中空部材162が回転したときに発光素子62からの光62Lを遮蔽するのにシャッター164を用いているが、マスク151を用いて中空部材162が回転したときの光62Lの遮蔽を行うようにしても良い。
【0158】
第12実施形態乃至第16実施形態では、フロート部140、160が油に浸かったときに、第1フロート141、中空部材162が回転することによって、発光素子62から照射される光62Lがリフレックスリフレクタ142、166に当たらず、リフレックスリフレクタ142、166から反射光63Lが反射しなくなることによって、油の浸入を検出するようにしていた。第12実施形態乃至第16実施形態において、発光素子62、シャッター143、164又はマスク151、リフレックスリフレクタ142、166を用いる代わりに、第1フロート141、中空部材162の内部に傾斜スイッチを具備して第1フロート141、中空部材162の回転を検出するようにしても良い。油が浸入することによって、第1フロート141、中空部材162が回転すると、傾斜スイッチのオン又はオフが切り換わる。傾斜スイッチのオン又はオフが切り換わったときに、警報を発することによって、油の浸入を報知することができる。
【0159】
密度が油の密度よりも小さい第1フロート141と、密度が油の密度よりも大きく且つ水の密度よりも小さい第2フロート144とを具備したフロート部140を具備し、フロート部140が油に浸かると第1フロート141が回転し、油の層の深さによって第1フロート141の回転の大きさが変化する機構を具備した漏液センサで、この回転の大きさの変化を検出できるようにすることによって、油の層の深さについても確認できるようにすることができる。例えば、円筒形または球形の第1フロートの表面より内側の円周上に複数のリフレックスリフレクタを配設して、それぞれのリフレックスリフレクタは異なる特定の波長の光を反射するようにする。第1フロートに白色光を照射するようにして、どの波長の光が反射したかを視認することによって、油の有無、及び油の層の深さを検出することができる。
【0160】
この原理によって、油の検出と共に油の層の深さの確認を行うようにしたのが、本発明に係る漏液センサの第17実施形態である。図46は、第17実施形態の漏液センサの動作を示す図である。漏液センサのフロート部140は、第15実施形態のフロート部140と同様に、第1フロート141と第2フロート144を接着してある。第1フロート141の表面より内側の円周には、3個のリフレックスリフレクタ142A、142B、142Cが備えられている。3個のリフレックスリフレクタ142A、142B、142Cは、それぞれ異なる特定の波長の光を反射するように、上面にフィルタ110が設置されているか、フィルタ効果を有するようにしてある。第1フロート141の中空部材の内側の構成を除いて、本実施形態のフロート部140の構成は第15実施形態と同一である。更に、本実施形態では、リフレックスリフレクタ142A、142B、142Cに光62Lを照射するために、第1フロート141の上方に発光駆動部61によって駆動される発光素子62を具備している。
【0161】
漏液センサの設置されているタンク内に水22のみが有り油が浸入していない場合、フロート部140は図46(a)のようになる。この場合、発光素子62から照射された光62Lは、リフレックスリフレクタ142Aに当たり、リフレックスリフレクタ142Aから特定の波長を有する反射光63LAが反射される。
【0162】
漏液センサの設置されているタンク内の水22に油21が浸入して、油21の層が薄い場合、フロート部140は図46(b)のようになる。この場合、発光素子62から照射された光62Lは、リフレックスリフレクタ142Bに当たり、リフレックスリフレクタ142Bから特定の波長を有する反射光63LBが反射される。
【0163】
漏液センサの設置されているタンク内の水22に油21が浸入して、油21の層が厚い場合、フロート部140は図46(c)のようになる。この場合、発光素子62から照射された光62Lは、リフレックスリフレクタ142Cに当たり、リフレックスリフレクタ142Cから特定の波長を有する反射光63LCが反射される。
【0164】
従って、反射光の波長を視認によって確認することによって、或いは反射光を受光素子63で受光して、受光処理部64で反射光の波長を識別するようにすることによって、油の浸入の有無、及び油の層の厚さを確認することができる。
【0165】
浸入した油の層の厚さを、より深い厚さまで、より細かく区別して確認できるようにしたのが、本発明に係る漏液センサの第18実施形態である。図47は第18実施形態の漏液センサのフロート部140の構成を示す図である。漏液センサのフロート部140は、第12実施形態のフロート部140と同様に、円筒形の第1フロート141と第2フロート144を棒状部材145で繋げてある。第1フロート141の光を透過する中空部材の内側の表面の円周には、n個のリフレックスリフレクタRR1、RR2、RR3、・・・RRnが備えられている。n個のリフレックスリフレクタRR1、RR2、RR3、・・・RRnは、それぞれ異なる特定の波長の光を反射するように、上面にフィルタ110が設置されているか、フィルタ効果を有するようにしてある。円筒形の第1フロート141の中空部材の内側の構成を除いて、本実施形態のフロート部140の構成は第12実施形態と同一である。更に、本実施形態では、リフレックスリフレクタRR1、RR2、RR3、・・・RRnに光62Lを照射するために、第1フロート141の上方に発光駆動部61によって駆動される発光素子62を具備している。
【0166】
本実施形態では、第1フロート141と第2フロート144を棒状部材145で繋いでおり、第1フロート141の円周に配設されたリフレックスリフレクタの数がn個あるので、第17実施形態に比べてより深い油の層を、n通りの厚さに区別して確認することができる。
【0167】
以上、本発明の実施形態について具体的に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。なお、上述では密度で説明したが、比重でも全く同様である。
【図面の簡単な説明】
【0168】
【図1】本発明に係る漏液センサ(第1実施形態)の漏液検出部を、タンクの底面に置いた場合の外観図である。
【図2】本発明に係る漏液センサ(第1実施形態)の漏液検出部を、タンクの底面に置いた場合の断面図である。
【図3】本発明に係る漏液センサ(第1実施形態)の漏液検出部を、油に浸した場合の断面図である。
【図4】本発明に係る漏液センサ(第1実施形態)の回路基板と警報部の構成を示す図である。
【図5】本発明に係る漏液センサ(第1実施形態)の動作を示す図である。
【図6】本発明に係る漏液センサ(第2実施形態)の漏液検出部の正面図と平面図である。
【図7】本発明に係る漏液センサ(第2実施形態)の漏液検出部の断面図である。
【図8】本発明に係る漏液センサ(第2実施形態)の動作を示す図である。
【図9】コイルによって起電力を蓄えるようにした回路基板を示す図である。
【図10】太陽電池によって起電力を蓄えるようにした回路基板を示す図である。
【図11】本発明に係る漏液センサ(第3実施形態)の構成を示す図である。
【図12】本発明に係る漏液センサ(第3実施形態)のフロート部の断面図と平面図である。
【図13】本発明に係る漏液センサ(第3実施形態)の動作を示す図である。
【図14】発光素子から照射される光の液面における反射光、及びフロートの入射面と出射面における反射光について説明する図である。
【図15】本発明に係る漏液センサ(第4実施形態)の構成を示す図である。
【図16】本発明に係る漏液センサ(第4実施形態)の動作を示す図である。
【図17】本発明に係る漏液センサ(第5実施形態)の断面図である。
【図18】本発明に係る漏液センサ(第5実施形態)の動作を示す図である。
【図19】第4実施形態及び第5実施形態に係る第1フロートの断面形状の例を示す図である。
【図20】コーナーキューブ状のプリズムと、そのプリズムをリフレックスリフレクタとして連結した場合の図である。
【図21】三角柱状のプリズムと、そのプリズムをリフレックスリフレクタとして連結した場合の図である。
【図22】半球状のプリズムと、そのプリズムをリフレックスリフレクタとして連結した場合の図である。
【図23】第4実施形態及び第5実施形態に係る第1フロートの下面にリフレックスリフレクタを設けるようにした場合(第6実施形態及び第7実施形態)の、第1フロートの断面図である。
【図24】第6実施形態及び第7実施形態に係る第1フロートのリフレックスリフレクタのプリズム間に溝を設けた場合の、リフレックスリフレクタの一部の断面図である。
【図25】本発明に係る漏液センサ(第8実施形態)の構成を示す図である。
【図26】第2フロート及びマグネット又は鉄片の位置とシャッターの開閉について説明する図である。
【図27】本発明に係る漏液センサ(第8実施形態)の動作を示す図である。
【図28】本発明に係る漏液センサ(第9実施形態)のフロート部を、油も水も無いタンクの底面に置いた場合のフロート部の断面図である。
【図29】本発明に係る漏液センサ(第9実施形態)のフロート部を、油に浮かべた場合のフロート部の断面図である。
【図30】第5実施形態において、リフレックスリフレクタの上にフィルタを設置するようにしたフロート部の断面図である。
【図31】第6実施形態及び第7実施形態において、リフレックスリフレクタの上面にフィルタを設置するようにした第1フロートの断面図である。
【図32】第6実施形態及び第7実施形態において、リフレックスリフレクタのプリズム間に溝を設けるようにした場合に、リフレックスリフレクタの上面にフィルタを設置するようにした第1フロートの一部の断面図である。
【図33】本発明に係る漏液センサ(第10実施形態)のフロート部を、油も水も無いタンクの底面に置いた場合のフロート部の断面図である。
【図34】本発明に係る漏液センサ(第10実施形態)のフロート部を、油に浮かべた場合のフロート部の断面図である。
【図35】本発明に係る漏液センサ(第11実施形態)のフロート部を、油も水も無いタンクの底面に置いた場合のフロート部の断面図である。
【図36】本発明に係る漏液センサ(第11実施形態)のフロート部を、油に浮かべた場合のフロート部の断面図である。
【図37】本発明に係る漏液センサ(第12実施形態)のフロート部の斜視図である。
【図38】本発明に係る漏液センサ(第12実施形態)の動作を示す図である。
【図39】本発明に係る漏液センサ(第13実施形態)のフロート部の構成を示す図である。
【図40】本発明に係る漏液センサ(第14実施形態)のフロート部の構成を示す図である。
【図41】本発明に係る漏液センサ(第15実施形態)のフロート部の斜視図である。
【図42】本発明に係る漏液センサ(第15実施形態)の動作を示す図である。
【図43】マスクによって発光素子から照射される光を遮蔽するようにした場合の、漏液センサ(第15実施形態)の動作を示す図である。
【図44】向きが反対のリフレックスリフレクタを2つ具備するようにした場合の、漏液センサ(第15実施形態)のフロート部を示す図である。
【図45】本発明に係る漏液センサ(第16実施形態)の断面図と平面図を示す図である。
【図46】本発明に係る漏液センサ(第17実施形態)の動作を示す図である。
【図47】本発明に係る漏液センサ(第18実施形態)の構成を示す図である。
【図48】従来の光学式漏液センサの一例を示す断面構造図である。
【図49】従来の光学式漏液センサの一例を示す斜視構造図である。
【図50】従来の磁気センサを用いた漏液センサの構成及び動作を示す図である。
【符号の説明】
【0169】
1 漏液検出部
2、30、72、81、101、121、141、161 第1フロート
3、41、82、121B パイプ
3A、41A、82A、121C、169A 下端部
4、42、73、83、102、122、144、168 第2フロート
5、43、84、103、107、123、126、131、146、147 マグネット
6、44 リードスイッチ
7、45、85、104、124、150 スタンド
7A、85A 支持部材
8 回路基板
9 電源
10 送信器
11 アンテナ
12 警報部
13 受信機
14、65 警報器
15、66 警告灯
31 上部分
32 下部分
40 第2フロート部
50、70、80、100、120、140、160 フロート部
51 フロート
52、71、86、108、142、142A、142B、142C、166、RR1、RR2、RR3、RRn リフレックスリフレクタ
61 発光駆動部
62 発光素子
62L、62L2 光
62R、62R1、62R2、63L、63LA、63LB、63LC 反射光
63 受光素子
64 受光処理部
71A、105、106 プリズム
71B、121A 孔
71C 溝
72A 入射面
72B 出射面
73A 支持部材
81A、162 中空部材
87、143、164 シャッター
、W、W、W、・・・、W、143A、164A シャッターフィン
、K、K、148A、148B、148C、148D 滑車
88 バネ
89 紐状部材
90 マグネット又は鉄片
101A 突出部
110 フィルタ
125 反射板
127、128 光ファイバ
130 遮蔽板
145 棒状部材
151 マスク
163 歯車
167 ラック
169 誘導棒

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1フロートと、前記第1フロートの周囲の所定の可動範囲を上下に移動できる第2フロートとを具備した漏液センサであって、前記第1フロートの密度を油の密度より小さくすると共に、前記第2フロートの密度を油の密度より大きく且つ水の密度より小さくし、前記漏液センサが水に浮かんでいるときは、前記第2フロートは前記所定の可動範囲の上部にあり、前記漏液センサが油に浮かんでいるときは、前記第2フロートは前記所定の可動範囲の下部にあり、前記漏液センサは前記第2フロートが前記所定の可動範囲の上部にあるか、下部にあるかを区別することによって、前記漏液センサが油に浸かっていることを検知する機構を備えていることを特徴とする漏液センサ。
【請求項2】
下面にパイプを具備した第1フロートと、前記パイプを通し、マグネットを具備する第2フロートと、前記パイプを通すスタンドとを具備した漏液検出部と、漏液の有無によって警報を発する警報部とを具備し、
前記パイプの下部にはリードスイッチが設けられており、前記リードスイッチがオンしたときに前記警報部が警報を発するようになっており、
前記第2フロートは前記パイプ上を上下に動けるようになっており、前記スタンドは前記第2フロートの下で前記パイプ上を上下に動けるようになっており、前記パイプの下端部が前記第2フロート及び前記スタンドが前記パイプから外れないようになっている漏液センサであって、
前記漏液検出部全体の平均の密度が油の密度より小さくなるように前記第1フロートの密度を設定し、前記第2フロートの密度を水の密度より小さく且つ油の密度より大きくなるように設定し、前記スタンドの密度を水の密度より大きく設定し、
前記漏液検出部が水に浮かんでいる場合は、前記第2フロートが前記パイプの上部に移動することによって、前記リードスイッチがオフになり、
前記漏液検出部が油に浮かんでいる場合は、前記第2フロートは前記パイプの下部に移動することによって、前記リードスイッチがオンになり、
前記漏液検出部が液体が入っていないタンクの底面上に置かれた場合、前記スタンドによって前記第2フロートが前記パイプの上方に移動することによって、前記リードスイッチがオフになることを特徴とする漏液センサ。
【請求項3】
下面にパイプを具備した第1フロートと、前記パイプを通し、マグネットを具備する第2フロートと、前記パイプを通すスタンドとを具備した漏液検出部と、漏液の有無によって警報を発する警報部とを具備し、
前記パイプの上部にはリードスイッチが設けられており、前記リードスイッチがオフしたときに前記警報部が警報を発するようになっており、
前記第2フロートは前記パイプ上を上下に動けるようになっており、前記スタンドは前記第2フロートの下で前記パイプ上を上下に動けるようになっており、前記パイプの下端部が前記第2フロート及び前記スタンドが前記パイプから外れないようになっている漏液センサであって、
前記漏液検出部全体の平均の密度が油の密度より小さくなるように前記第1フロートの密度を設定し、前記第2フロートの密度を水の密度より小さく且つ油の密度より大きくなるように設定し、前記スタンドの密度を水の密度より大きく設定し、
前記漏液検出部が水に浮かんでいる場合は、前記第2フロートが前記パイプの上部に移動することによって、前記リードスイッチがオンになり、
前記漏液検出部が油に浮かんでいる場合は、前記第2フロートは前記パイプの下部に移動することによって、前記リードスイッチがオフになり、
前記漏液検出部が液体が入っていないタンクの底面上に置かれた場合、前記スタンドによって前記第2フロートが前記パイプの上方に移動することによって、前記リードスイッチがオンになることを特徴とする漏液センサ。
【請求項4】
上部分及び前記上部分の下部にある下部分から成る第1フロートと、前記上部分の下面に備えられた少なくとも1個の第2フロート部とを具備した漏液検出部と、漏液の有無によって警報を発する警報部とを具備し、
前記第2フロート部は、前記上部分の下面に備えられたパイプと、前記パイプを通し、マグネットを具備する第2フロートと、前記パイプを通すスタンドとを具備し、
前記パイプの下部にはリードスイッチが設けられており、前記リードスイッチがオンしたときに前記警報部が警報を発するようになっており、
前記第2フロートは前記パイプ上を上下に動けるようになっており、前記スタンドは前記第2フロートの下で前記パイプ上を上下に動けるようになっており、前記パイプの下端部が前記第2フロート及び前記スタンドが前記パイプから外れないようになっている漏液センサであって、
前記漏液検出部全体の平均の密度が油の密度より小さくなるように前記第1フロートの密度を設定し、前記第2フロートの密度を水の密度より小さく且つ油の密度より大きくなるように設定し、前記スタンドの密度を水の密度より大きく設定し、
前記漏液検出部が水に浮かんでいる場合は、前記第2フロートが前記パイプの上部に移動することによって、前記リードスイッチがオフになり、
前記漏液検出部が油に浮かんでいる場合は、前記第2フロートは前記パイプの下部に移動することによって、前記リードスイッチがオンになり、
前記漏液検出部が液体が入っていないタンクの底面上に置かれた場合、前記スタンドによって前記第2フロートが前記パイプの上方に移動することによって、前記リードスイッチがオフになることを特徴とする漏液センサ。
【請求項5】
上部分及び前記上部分の下部にある下部分から成る第1フロートと、前記上部分の下面に備えられた少なくとも1個の第2フロート部とを具備した漏液検出部と、漏液の有無によって警報を発する警報部とを具備し、
前記第2フロート部は、前記上部分の下面に備えられたパイプと、前記パイプを通し、マグネットを具備する第2フロートと、前記パイプを通すスタンドとを具備し、
前記パイプの上部にはリードスイッチが設けられており、前記リードスイッチがオフしたときに前記警報部が警報を発するようになっており、
前記第2フロートは前記パイプ上を上下に動けるようになっており、前記スタンドは前記第2フロートの下で前記パイプ上を上下に動けるようになっており、前記パイプの下端部が前記第2フロート及び前記スタンドが前記パイプから外れないようになっている漏液センサであって、
前記漏液検出部全体の平均の密度が油の密度より小さくなるように前記第1フロートの密度を設定し、前記第2フロートの密度を水の密度より小さく且つ油の密度より大きくなるように設定し、前記スタンドの密度を水の密度より大きく設定し、
前記漏液検出部が水に浮かんでいる場合は、前記第2フロートが前記パイプの上部に移動することによって、前記リードスイッチがオンになり、
前記漏液検出部が油に浮かんでいる場合は、前記第2フロートは前記パイプの下部に移動することによって、前記リードスイッチがオフになり、
前記漏液検出部が液体が入っていないタンクの底面上に置かれた場合、前記スタンドによって前記第2フロートが前記パイプの上方に移動することによって、前記リードスイッチがオンになることを特徴とする漏液センサ。
【請求項6】
前記複数個の第2フロート部に設けられた前記リードスイッチを直列に接続し、前記リードスイッチの全てがオンになったときに前記警報部が警報を発するようにした請求項4に記載の漏液センサ。
【請求項7】
前記複数個の第2フロート部に設けられた前記リードスイッチを直列に接続し、前記リードスイッチの内の少なくとも1つがオフになったときに前記警報部が警報を発するようにした請求項5に記載の漏液センサ。
【請求項8】
前記複数個の第2フロート部に設けられた前記リードスイッチを並列に接続し、前記リードスイッチの内の少なくとも1つがオンになったときに前記警報部が警報を発するようにした請求項4に記載の漏液センサ。
【請求項9】
前記複数個の第2フロート部に設けられた前記リードスイッチを並列に接続し、前記リードスイッチの全てがオフになったときに前記警報部が警報を発するようにした請求項5に記載の漏液センサ。
【請求項10】
前記上部分及び前記下部分は同心円柱になっており、前記上部分の上面の円の半径が前記下部分の下面の円の半径より大きい請求項4乃至9のいずれかに記載の漏液センサ。
【請求項11】
前記複数個の第2フロート部を、前記上部分の下面に回転対称になるように配設した請求項4乃至10のいずれかに記載の漏液センサ。
【請求項12】
前記第1フロートが中空になっている請求項1乃至11のいずれかに記載の漏液センサ。
【請求項13】
前記第2フロートのマグネット以外の部分の材質がアクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)等の発泡材である請求項1乃至12のいずれかに記載の漏液センサ。
【請求項14】
前記第2フロートが中空になっている請求項1乃至12のいずれかに記載の漏液センサ。
【請求項15】
前記第2フロートの密度が0.90g/cm〜0.96g/cmである請求項1乃至14のいずれかに記載の漏液センサ。
【請求項16】
前記第1フロートは送信器と電源とを具備した回路基板を具備し、前記送信器は前記リードスイッチがオン又はオフになったときに、前記警報部に警報を発する信号を無線で送信し、前記警報部は前記信号を受信するための受信部を具備し、前記受信部が前記信号を受信すると警報を発するようになっている請求項2乃至15のいずれかに記載の漏液センサ。
【請求項17】
前記第1フロートは送信器と電磁波によって起電力を蓄えるコイルとを具備した回路基板を具備し、前記送信器は前記起電力によって、前記リードスイッチの状態を示す信号を前記警報部に無線で送信し、前記警報部は前記信号を受信するための受信部を具備し、前記信号に応じて警報を発するようになっている請求項2乃至15のいずれかに記載の漏液センサ。
【請求項18】
前記第1フロートは送信器と光によって起電力を蓄える太陽電池とを具備した回路基板を具備し、前記送信器は前記起電力によって、前記リードスイッチの状態を示す信号を前記警報部に無線で送信し、前記警報部は前記信号を受信するための受信部を具備し、前記信号に応じて警報を発するようになっている請求項2乃至15のいずれかに記載の漏液センサ。
【請求項19】
前記無線による信号の送信が光通信で行われる請求項16乃至18のいずれかに記載の漏液センサ。
【請求項20】
前記リードスイッチと前記警報部とをリード線で接続し、前記リードスイッチがオン又はオフになったときに前記警報部が警報を発するようにした請求項2乃至15のいずれかに記載の漏液センサ。
【請求項21】
フロートと、前記フロートに設置されたリフレックスリフレクタとを具備したフロート部と、前記フロート部の上方に設けられた前記リフレックスリフレクタに光を照射する発光駆動部によって駆動される発光素子とを具備した漏液センサであって、前記フロート部の平均の密度を水の密度より小さく且つ油の密度より大きく設定したことを特徴とする漏液センサ。
【請求項22】
前記フロートの密度が0.90g/cm〜0.96g/cmである請求項21に記載の漏液センサ。
【請求項23】
前記フロートが中空になっている請求項21又は22に記載の漏液センサ。
【請求項24】
前記フロートの材質がアクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)等の発泡材である請求項21又は22に記載の漏液センサ。
【請求項25】
前記フロート及び前記リフレックスリフレクタには液体を通すための孔が設けてある請求項21乃至24のいずれかに記載の漏液センサ。
【請求項26】
リフレックスリフレクタ、前記リフレックスリフレクタの上に設置した透明又は半透明の中空部材から成る第1フロート、前記リフレックスリフレクタの下方に設置した第2フロートを具備したフロート部と、前記フロート部の上方に設けられた前記リフレックスリフレクタに光を照射する発光駆動部によって駆動される発光素子とを具備した漏液センサであって、
前記第1フロートの密度は前記フロート部の平均の密度が油の密度より小さくなるように設定し、前記第2フロートの密度は油の密度より大きく設定し、且つ前記フロート部が水に浮いた場合に前記リフレックスリフレクタが水に浸からないように設定し、前記フロート部が油に浮いた場合に、前記発光素子から照射される光が前記第1フロートから出射する出射面が前記油に浸かるように、前記第1フロート及び前記第2フロートの密度を設定し、
前記発光素子から照射される光は前記第1フロートを透過して前記リフレックスリフレクタに当たるようになっており、前記リフレックスリフレクタからの反射光は前記第1フロートを透過するようになっており、
前記発光素子から照射される光の前記第1フロートの入射面及び出射面は、前記フロート部が液体に浮いているときに前記フロート部の外側の液面から傾いていることを特徴とする漏液センサ。
【請求項27】
リフレックスリフレクタ、前記リフレックスリフレクタの上で上下に移動できるようにした透明又は半透明の中空部材から成る第1フロート、前記リフレックスリフレクタの下方に設置した第2フロートを具備したフロート部と、前記フロート部の上方に設けられた前記リフレックスリフレクタに光を照射する発光駆動部によって駆動される発光素子とを具備した漏液センサであって、
前記第1フロートの密度は油の密度より小さく、且つ前記フロート部が油に浮いている場合に、前記発光素子から照射される光の前記第1フロートからの出射面が油に浸かるように設定し、前記第2フロートの密度は油の密度より大きく、且つ前記フロート部が水に浮いている場合に前記リフレックスリフレクタが水に浸からないように設定し、
前記発光素子から照射される光は前記第1フロートを透過して前記リフレックスリフレクタに当たるようになっており、前記リフレックスリフレクタからの反射光は前記第1フロートを透過するようになっており、
前記発光素子から照射される光の前記第1フロートの入射面及び出射面は、前記フロート部が液体に浮いているときに前記フロート部の外側の液面から傾いていることを特徴とする漏液センサ。
【請求項28】
前記リフレックスリフレクタのプリズム面に孔を設けるようにした請求項21乃至27のいずれかに記載の漏液センサ。
【請求項29】
下面が油と略同じ屈折率の物質でできたリフレックスリフレクタになっており、透明又は半透明の中空部材から成る第1フロート、前記第1フロートの下方に設置した第2フロートを具備したフロート部と、前記フロート部の上方に設けられた前記リフレックスリフレクタに光を照射する発光駆動部によって駆動される発光素子とを具備した漏液センサであって、
前記第1フロートの密度は前記フロート部の平均の密度が油の密度より小さくなるように設定し、前記第2フロートの密度は油の密度より大きく設定し、且つ前記フロート部が水に浮いた場合に前記リフレックスリフレクタが水に浸からないように設定し、更に前記フロート部が油に浮いた場合に、前記リフレックスリフレクタに前記発光素子から照射される光が受光される受光面が前記油に浸かるように、前記第1フロート及び前記第2フロートの密度を設定し、
前記発光素子から照射される光は前記第1フロートの上面を透過して前記リフレックスリフレクタに当たるようになっており、前記リフレックスリフレクタからの反射光は前記第1フロートの上面を透過するようになっており、
前記発光素子から照射される光が前記第1フロートの上面に入射する入射面及び前記リフレックスリフレクタに受光される受光面は、前記フロート部が液体に浮いているときに前記フロート部の外側の液面から傾いていることを特徴とする漏液センサ。
【請求項30】
下面が油と略同じ屈折率の物質でできたリフレックスリフレクタになっており、上下に移動できるようにした透明又は半透明の中空部材から成る第1フロート、前記第1フロートの下方に設置した第2フロートを具備したフロート部と、前記フロート部の上方に設けられ前記リフレックスリフレクタに光を照射する発光駆動部によって駆動される発光素子とを具備した漏液センサであって、
前記第1フロートの密度は油の密度より小さく、且つ前記フロート部が油に浮いている場合に、前記リフレックスリフレクタが油に浸かるように設定し、前記第2フロートの密度は油の密度より大きく、且つ前記フロート部が水に浮いている場合に前記リフレックスリフレクタが水に浸からないように設定し、
前記発光素子から照射される光は前記第1フロートの上面を透過して前記リフレックスリフレクタに当たるようになっており、前記リフレックスリフレクタからの反射光は前記第1フロートの上面を透過するようになっており、
前記発光素子から照射される光が前記第1フロートの上面に入射する入射面及び前記リフレックスリフレクタに受光される受光面は、前記フロート部が液体に浮いているときに前記フロート部の外側の液面から傾いていることを特徴とする漏液センサ。
【請求項31】
前記リフレックスリフレクタの材質が樹脂である請求項29又は30に記載の漏液センサ。
【請求項32】
前記リフレックスリフレクタのプリズム間に溝を設けるようにした請求項29乃至31のいずれかに記載の漏液センサ。
【請求項33】
上面が光を透過するようになっている内部にリフレックスリフレクタを具備した中空部材から成る第1フロート、前記第1フロートの周囲の所定の可動範囲を上下に移動できる第2フロート、前記第2フロートの下で前記所定の可動範囲を移動できるスタンドを具備したフロート部と、前記リフレックスリフレクタに光を照射する発光駆動部によって駆動される発光素子とを具備した漏液センサであって、
前記第1フロートの密度を前記フロート部の密度が油の密度より小さくなるように設定し、前記第2フロートの密度を油の密度より大きく且つ水の密度より小さく設定し、前記スタンドの密度を水の密度より大きく設定し、
前記フロート部は、前記第2フロートが前記パイプの上部にあるときは、前記発光素子から照射される光は前記リフレックスリフレクタに当たって反射され前記第1フロートの上面を透過し、前記第2フロートが前記パイプの下部にあるときは、前記発光素子から照射される光は遮断され前記リフレックスリフレクタには当たらないようにするための機構を具備しており、
前記フロート部が水に浮かんでいる場合は、前記第2フロートが前記所定の可動範囲の上部に移動し、前記フロート部が油に浮かんでいる場合は、前記第2フロートは前記所定の可動範囲の下部に移動し、前記フロート部が液体が入っていないタンクの底面上に置かれた場合、前記スタンドによって前記第2フロートが前記パイプの上方に移動することを特徴とする漏液センサ。
【請求項34】
密度を油の密度より小さく設定した、内部にリフレックスリフレクタを具備した光を透過する中空部材から成る第1フロート、密度を油の密度より大きく且つ水の密度より小さく設定した第2フロートを具備したフロート部と、前記リフレックスリフレクタに光を照射するための発光駆動部によって駆動される発光素子とを具備した漏液センサであって、
前記フロート部は油に浸かったときに、前記第2フロートが油に沈むことによって前記第1フロートが回転するようにした機構1を具備し、
前記フロート部を水のみが入ったタンクに設置した場合、前記第2フロートが水に浮かび、前記発光素子から照射される光が前記リフレックスリフレクタに当たって反射され、前記フロート部を油の浸入したタンクに設置した場合、前記第1フロートが回転することによって前記発光素子から照射される光が遮蔽されて、前記リフレックスリフレクタに当たらなくなる機構2を具備したことを特徴とする漏液センサ。
【請求項35】
前記機構1は、前記第1フロートと前記第2フロートとを棒状部材で繋いで、前記棒状部材と前記第1フロートとの接点は回転のできない固定接点になっており、前記棒状部材と前記第2フロートとの接点は回転可能なヒンジになっているものである請求項34に記載の漏液センサ。
【請求項36】
前記機構1は、マグネットを用いたものである請求項34に記載の漏液センサ。
【請求項37】
前記機構1は、前記フロート部が前記第2フロートの上下動に伴って動くベルトを具備して、前記第1フロートが前記ベルトが動くのに伴って回転する滑車を具備したものである請求項34に記載の漏液センサ。
【請求項38】
前記機構1は、円筒形又は球形の第1フロート及び第2フロートを接着したものである請求項34に記載の漏液センサ。
【請求項39】
第1フロート、ラックと共に上下に移動できるようにした第2フロート、光を透過して内部にリフレックスリフレクタを具備し、上下動ができないように前記第1フロートに固定され、表面が歯車を具備した円筒形の中空部材を具備したフロート部と、前記リフレックスリフレクタに光を照射するための発光駆動部によって駆動される発光素子とを具備した漏液センサであって、
前記第1フロートの密度は前記フロート部全体の平均の密度が油の密度より小さくなるように設定し、前記第2フロートの密度は油の密度より大きく且つ水の密度より小さくなるように設定し、
前記ラックと前記歯車でピニオンギアを構成し、前記フロート部が水に浮かんでいる場合、前記発光素子から照射される光は前記リフレックスリフレクタに当たって反射され、前記フロート部が油に浮かんでいる場合、前記第2フロートが下方に移動することによって前記中空部材が回転し、前記発光素子から照射される光が遮断され前記リフレックスリフレクタに当たらなくなる機構2を具備したことを特徴とする漏液センサ。
【請求項40】
前記機構2が、前記中空部材の内部に、前記フロート部が水に浮かんでいるときに鉛直方向を向くようにした複数のシャッターフィンを、前記リフレックスリフレクタの上に設けたものである請求項34乃至39のいずれかに記載の漏液センサ。
【請求項41】
前記機構2が、前記中空部材が回転したときに、前記中空部材の側面で、前記発光素子から照射される光が入射する側に、光を遮蔽するためのマスクを設けて、前記リフレックスリフレクタに前記光が当たらないようにしたものである請求項34乃至39のいずれかに記載の漏液センサ。
【請求項42】
前記リフレックスリフレクタのプリズム形状が、コーナーキューブ状である請求項21乃至41のいずれかに記載の漏液センサ。
【請求項43】
前記リフレックスリフレクタのプリズム形状が、三角柱状である請求項21乃至41のいずれかに記載の漏液センサ。
【請求項44】
前記リフレックスリフレクタのプリズム形状が、半球状である請求項21乃至41のいずれかに記載の漏液センサ。
【請求項45】
前記リフッレクスリフレクタのプリズム形状が、球状である請求項21乃至41のいずれかに記載の漏液センサ。
【請求項46】
前記フロート部の上方に設けられた前記リフレックスリフレクタからの反射光を受光するための受光素子と、前記受光素子の受光量から前記受光素子が前記反射光を受光したかどうかを判定する受光処理部と、前記判定によって警報を発する警報器とを具備している請求項21乃至45のいずれかに記載の漏液センサ。
【請求項47】
前記リフレックスリフレクタの上に、特定の波長の光のみを透過するフィルタを設置した請求項21乃至46のいずれかに記載の漏液センサ。
【請求項48】
前記リフレックスリフレクタが特定の波長の光のみを通すように、前記リフレックスリフレクタがフィルタ効果を有するようにした請求項21乃至46のいずれかに記載の漏液センサ。
【請求項49】
光ファイバ1及び光ファイバ2を通すための孔を有する第1フロート、前前記第1フロートの周囲の所定の可動範囲を移動することができるマグネットを具備する第2フロート、前記第2フロートの下で所定の可動範囲を移動することができるスタンドを具備したフロート部と、光を照射する発光駆動部によって駆動される発光素子と、前記発光素子から照射された光を誘導する前記光ファイバ1と、前記光ファイバ1から出射した光を受光するための前記光ファイバ2と、前記光ファイバ2から出射した光を受光するための受光素子と、前記受光素子の受光量から前記フロート部が油に浸かっているか否かを判定する受光処理部と、前記判定によって警報を発する警報器とを具備した漏液センサであって、
前記フロート部全体の平均の密度が油の密度より小さくなるように前記第1フロートの密度を設定し、前記第2フロートの密度を水の密度より小さく且つ油の密度より大きく設定し、前記スタンドの密度を水の密度より大きく設定し、
前記フロート部が水に浮かんでいるとき、前記第2フロートは前記所定の可動範囲の上部に移動し、前記フロート部が油に浮かんでいるとき、前記第2フロートは前記所定の可動範囲の下部に移動し、前記フロート部が液体が入っていないタンクの底面上に置かれた場合、前記スタンドによって前記第2フロートが前記所定の可動範囲の上方に移動し、
前記第1フロートは、前記第2フロートが前記パイプの上部に有るときの前記受光素子の受光量と、前記第2フロートが前記パイプの下部に有るときの前記受光素子の受光量が変化する機構を具備し、前記受光処理部が前記受光量の変化によって前記フロート部が油に浸かっているか否かを判定できるようになっていることを特徴とする漏液センサ。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図14】
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【図15】
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【図17】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図5】
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【図8】
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【図13】
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【図16】
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【図18】
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【図27】
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【図38】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図50】
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