説明

演出表示装置及び遊技機

【課題】閉塞時において開閉板間から表示部の表示内容が漏れることを防止して演出効果を向上させること。
【解決手段】演出表示装置10は、演出表示を行う表示部13と、表示部13の前面を開放及び閉塞可能な複数の開閉板61を有する開閉機構12と、複数の開閉板61を開閉させる駆動制御部と、複数の開閉板61を位置決めする複数の位置決め部64cと、複数の開閉板61の閉塞を検知する検知部60と、を有する。複数の位置決め部67は、表示部13の前面を閉塞する閉塞面を形成し、駆動制御部は、検知部60で開閉板61の閉塞を検知した場合、当該開閉板61を閉塞方向に駆動させ位置決め部64cに当接させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、演出表示を行う演出表示装置及びこれを備えた遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の演出表示を行う演出表示装置として、表示部の前面側を遮蔽するシャッタ装置を備えた遊技機が知られている(特許文献1)。このシャッタ装置は、表示部の表示領域前面側に設けられたブラインド状の複数の遮蔽板と、複数の遮蔽板を上下方向に移動させ表示領域を開放及び閉塞させる移動手段と、表示領域の全開状態を検知する上限センサと、表示領域の全閉状態を検知する下限センサとを備えている。遮蔽板の上下端辺は傾斜面を有しており、各遮蔽板の傾斜面同士が重なり合った状態で表示領域を閉塞する。このように、非演出表示時には遮蔽板を下方に移動して表示部を閉塞し、演出表示時には遮蔽板を上方に移動して表示部を開放することにより演出効果を高めている。
【0003】
また、この種の表示部の前面側を遮蔽するものとして、特許文献2に記載の遊技機も知られている。この遊技機は、表示部を前後方向に移動させるラックアンドピニオン機構と、表示部の前面側を開放及び閉塞可能な2つのカバー部材と、各カバー部材を駆動するラックアンドピニオン機構とを備えている。そして、各ラックアンドピニオン機構により、非演出表示時には各カバー部材を当接させて表示部を閉塞し、演出表示時には各カバー部材を離間させて表示部を開放すると共に表示部を前方に移動することにより演出効果を高めている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−194064号公報
【特許文献2】特開2007−000549号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1記載のシャッタ装置では、遮蔽板の傾斜面同士が重なり合った状態で表示領域を閉塞するので遮蔽板間で隙間が生じないため、全閉状態を検知する下限センサには高い検知精度が求められていない。しかしながら、例えば観音開き状の複数の遮蔽板(開閉板)を有する演出表示装置に上記センサを適用した場合、このセンサでは、重なり合わない状態で閉塞する各開閉板の全閉状態を正確に検知することができないので、開閉板間の僅かな隙間から表示部の表示内容が漏れてしまう恐れがある。
【0006】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、例えば観音開き状の開閉板で表示部を閉塞する場合でも、閉塞時において開閉板間から表示部の表示内容が漏れることを防止して演出効果を向上させることができる演出表示装置及び遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の演出表示装置は、演出表示を行う表示部と、前記表示部の前面を開放及び閉塞可能な複数の開閉板を有する開閉機構と、前記複数の開閉板を開閉させる駆動制御部と、前記複数の開閉板の各閉塞位置を位置決めする複数の位置決め部と、前記複数の開閉板の閉塞を検知する検知部と、を有し、前記駆動制御部は、前記検知部で前記開閉板の閉塞を検知した場合、当該開閉板を閉塞方向に駆動させ前記位置決め部に当接させることを特徴とする。
【0008】
この構成によれば、駆動制御部が開閉板を閉塞させ、検知部が開閉板の閉塞を検知すると、当該開閉板を閉塞方向にさらに駆動させ閉塞位置を位置決めする位置決め部に当接させるので、高い検知精度を備えた検知センサを用いなくても、複数の開閉板が表示部前面を閉塞して開閉板同士の隙間から表示部の表示内容が漏れることを防止することができる。従って、非演出表示時には表示部を完全に閉塞し、演出表示時にのみ表示部を開放させるため、演出効果を向上させることができる。
【0009】
本発明の演出表示装置において、前記駆動制御部は、前記開閉板を前記開放位置から前記閉塞位置まで駆動させるのに必要な駆動量よりもさらに前記閉塞方向に駆動させることを特徴とする。
【0010】
この構成によれば、開閉板を開放位置から閉塞位置まで駆動させるのに必要な駆動量よりもさらに閉塞方向に駆動させるので、開閉板を確実に位置決め部に当接させて表示部前面をより完全に閉塞することができる。
【0011】
本発明の演出表示装置において、前記複数の開閉板は、閉塞状態において、各開閉板の前面が同一平面を形成するように互いに重なり合うことなく配置されることを特徴とする。
【0012】
この構成によれば、閉塞状態において、各開閉板の前面が同一平面を形成するように互いに重なり合うことなく配置されるので、各開閉板前面の開閉方向におけるバラつきが抑制される。従って、例えば観音開き状の開閉板を本装置に適用した場合でも、表示部前面を完全に閉塞して、開閉板間の開閉方向における隙間から表示部の表示内容が漏れることを防止することができる。
【0013】
本発明の演出表示装置は、演出表示を行う表示部と、前記表示部の前面を開放及び閉塞可能な開閉板及び当該開閉板を開閉自在に支持する支持枠を有する開閉機構と、前記開閉板の開放時に前記支持枠内の開口を通過し、前記表示部を進退させる表示部駆動機構と、前記開閉機構を進退させる開閉機構駆動機構と、前記表示部、前記開閉機構、前記表示部駆動機構及び開閉機構駆動機構を収容する筐体と、を備え、前記筐体は、前記表示部の両外側との対向面で当該表示部の進退移動をガイドする第1のガイド部と、前記開閉機構の両外側との対向面で当該開閉機構の進退移動をガイドする第2のガイド部を有し、前記表示部は、前記第1のガイド部にガイドされる第1の被ガイド部材を有し、前記開閉機構は、前記第2のガイド部にガイドされる第2の被ガイド部材を有し、前記第1のガイド部は、前記表示部の上下方向を位置規制する第1の規制面と、当該表示部の幅方向を位置規制する第2の規制面とを有し、前記第2のガイド部は、前記開閉機構の上下方向を位置規制する第3の規制面と、当該開閉機構の幅方向を位置規制する第4の規制面とを有し、前記表示部駆動機構及び開閉機構駆動機構は、前記第1の被ガイド部材を前記第1の規制面及び第2の規制面に摺接させると共に前記第2の被ガイド部材を前記第3の規制面及び第4の規制面に摺接させて進退させることを特徴とする。
【0014】
この構成によれば、第1の被ガイド部材を第1及び第2の規制面に摺接させると共に第2の被ガイド部材を第3及び第4の規制面に摺接させるので、表示部及び開閉機構は、その上下方向及び幅方向が位置規制された状態で進退移動する。従って、表示部及び開閉機構の進退移動に伴うガタつきを防止することができ、表示部が開閉板の開放時に支持枠内を進退移動した場合でも、表示部と開閉機構との間の干渉を防止することができる。また、進退移動に伴うガタつきを防止するので、表示部と開閉機構(支持枠)とのクリアランス(隙間)を最低限に抑制できるので、表示部の表示領域を拡大することも可能である。さらに、進退移動に伴いガタつきを防止することで、演出表示時において、表示部に表示される演出表示内容のブレが抑制され視認性を向上させるので、演出効果を効果的に高めることができる。
【0015】
本発明の演出表示装置において、前記第1の被ガイド部材は、前記第1の規制面に上下方向が位置規制された第1のローラと、前記第2の規制面に幅方向が位置規制された第2のローラとからなり、前記第2の被ガイド部材は、前記第3の規制面に上下方向が位置規制された第3のローラと、前記第4の規制面に幅方向が位置規制された第4のローラとからなることを特徴とする。
【0016】
この構成によれば、各ローラが各規制面を摺動するので、表示部及び開閉機構の進退移動に伴うガタつきを防止すると共に、表示部及び開閉機構をスムーズに進退移動させることができる。また、簡易な構成により被ガイド部材を形成することができる。
【0017】
本発明の演出表示装置において、前記開閉機構に電力を供給する可撓性ケーブルと、前記可撓性ケーブルを収容するケーブル収容手段と、を備え、前記ケーブル収容手段には、前記開閉機構が退避位置にあるときに、前記可撓性ケーブルを上下方向に撓ませて収容する収容空間が形成されていることを特徴とする。
【0018】
この構成によれば、開閉機構が退避位置にあるときでも、収容空間に可撓性ケーブルを上下方向に撓ませて収容するので、上方側スペースを有効利用することができる。
【0019】
本発明の演出表示装置において、前記ケーブル収容手段は、開口部を有する基板と、前記基板上面に設けられると共に前記可撓性ケーブルの一端部が接続されるコネクタと、を備え、前記可撓性ケーブルの他端部を前記開口部の上方から下方に通過させて前記開閉機構に接続させたことを特徴とする。
【0020】
この構成によれば、基板上面のコネクタに一端部が接続された可撓性ケーブルの他端部を、開口部の上方から下方に通して開閉機構に接続するので、開閉機構が退避位置にあるときには、可撓性ケーブルを開口部の下方から上方に押し出して基板上方で撓ませた状態で収容することができ、基板上方のスペースを有効利用することができる。
【0021】
本発明の演出表示装置において、前記表示部駆動機構及び開閉機構駆動機構は、それぞれラック・ピニオン機構で構成され、前記表示部駆動機構及び開閉機構駆動機構のラックのうちの少なくとも一方のラックは、前記表示部及び前記開閉機構の少なくとも一方を退避させた状態かつ前記一方のラックにピニオンを噛み合わせた状態で、固定部材により前記筐体に固定されることを特徴とする。
【0022】
この構成によれば、表示部駆動機構及び開閉機構駆動機構は、ラックにピニオンを噛み合わせた状態で筐体に固定されるので、例えば、輸送時に衝撃等が加わった場合でも、ラックとピニオンとが外れることを防止することができる。
【0023】
本発明の遊技機は、上記演出表示装置を備えたことを特徴とする。
【0024】
この構成によれば、複数の開閉板が表示部前面を閉塞して開閉板同士の隙間から表示部の表示内容が漏れることを防止する遊技機を実現することができる。従って、非演出表示時には表示部を完全に閉塞し、演出表示時にのみ表示部を開放させるため、演出効果を向上させることができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、閉塞時において開閉板間から表示部の表示内容が漏れることを防止して演出効果を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施の形態に係るスロット機を示す模式図である。
【図2】本実施の形態に係る演出表示装置を示す分解斜視図である。
【図3】(a)は本実施の形態に係る演出表示装置の正面図であり(b)は演出表示装置の背面図である
【図4】(a)は開放状態の開閉ユニットを前方から見た外観斜視図であり、(b)は開放状態の開閉ユニットを後方から見た外観斜視図である。
【図5】(a)は開閉ユニットの開閉部を示す外観斜視図であり、(b)は開閉ユニットの一部を拡大した拡大斜視図である。
【図6】本実施の形態に係る駆動ユニットを示す外観斜視図である。
【図7】(a)は開閉ユニットの進退移動の駆動制御を説明する図であり、同図(b)は表示ユニットの進退移動の駆動制御を説明する図である。
【図8】表示ユニット及び開閉ユニットの進退移動の際のガイド部近傍を模式的に示した図である。
【図9】比較例に係る開閉ユニットの開閉板と検知センサとの位置関係を模式的に示した図である。
【図10】本実施の形態に係る開閉ユニットの開閉板と検知センサとの位置関係を模式的に示した図である。
【図11】比較例及び本実施の形態に係る開閉ユニットの開閉制御において、検知センサの検知位置と駆動モータの駆動量との関係を説明するための図である。
【図12】開閉ユニット及び表示ユニットの筐体への固定方法を説明するための断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。本発明の実施の形態に係る演出表示装置は、非演出表示時には表示部を閉塞し、演出表示時にのみ表示部を開放する演出表示装置であり、例えば、スロット機、パチンコ機、ゲーム機等の遊技機に適用可能なものである。以下、本発明の実施の形態に係る演出表示装置をスロット機に用いた場合を例に挙げて説明する。
【0028】
図1は、本発明の実施の形態に係るスロット機を模式的に示した正面図である。図1に示すように、スロット機1は、枠状の筐体2と、筐体2に組み込まれたスロット機本体3とを備えている。スロット機本体3の正面パネル4にはリール表示窓5が設けられ、筐体2内部にはリール表示窓5の位置に対応して複数のリール6が設けられている。複数のリール6は回転可能に構成され、その外周面には、数字、図形、キャラクタ等の図柄が設けられている。リール表示窓5の下方には、ゲームを開始するためのスタートレバー7と、回転する各リール6を停止させる複数のストップボタン8と、メダル投入口9とが設けられている。リール表示窓5の上方には、例えば、ボーナスゲーム(特別遊技モード)時に演出表示を行う演出表示装置10が設けられている。
【0029】
スロット機1では、メダル投入口9にメダルを投入してスタートレバー7を操作すると複数のリール6が回転し、各リール6に対応するストップボタン8を押下操作すれば、対応するリール6が停止する。そして、複数のリール6の所定図柄が所定方向に整列した場合には、演出表示装置10で演出表示が行われると共に所定枚数のメダルが払い出されるようになっている。
【0030】
図2は、本実施の形態に係る演出表示装置の分解斜視図である。図3(a)は、本実施の形態に係る演出表示装置の正面図であり、同図(b)は演出表示装置の背面図である。以下、前後、左右、上下は、図3に示す方向に従うものとして説明する。
【0031】
図2及び図3に示すように、演出表示装置10は、前面側が開口した筐体11と、筐体11内部に収容される開閉ユニット12、表示ユニット13及び駆動ユニット14とを備えている。筐体11は、天板15、底板16、両側板17及び奥板18により方形箱状に形成されており、筐体11前面側から奥側に向かって開閉ユニット12、表示ユニット13、駆動ユニット14の順に収容されている。開閉ユニット12及び表示ユニット13には、左右一対のラックギヤ(ラック)20、21がそれぞれ設けられ、駆動ユニット14には、各ラック20、21にそれぞれ噛合するピニオンギヤ(ピニオン)89、93(図2及び図3で不図示)がそれぞれ設けられている。開閉ユニット12及び表示ユニット13は、このラック・ピニオン機構により、筐体11内を前後方向に進退移動可能に構成されている(詳細は後述する)。
【0032】
筐体11の両側板17の内面側には、開閉ユニット12の進退移動をガイドする左右一対の開閉ユニットガイド部25と、表示ユニット13の進退移動をガイドする左右一対の表示ユニットガイド部26とが、開閉ユニット12及び表示ユニット13に設けられた各被ガイド部材27、28に対向する位置にそれぞれ設けられている。筐体11の奥板18には、開閉ユニット12に固定された左右一対のラック20が貫通する一対の開口部29が形成され、各開口部29の下方には後述する固定部材100の下端部100bを表示ユニット13に係合するための開口部30が形成されている。また、一対の開口部29の下方であって内側にずれた位置には、表示ユニット13に固定された一対のラック21が貫通する一対の開口部31が形成されている。これら各開口部29、31にラック20、21を貫通させ開閉ユニット12及び表示ユニット13を退避させた状態で、固定部材100により開閉ユニット12及び表示ユニット13が奥板18に固定されるように構成されている。開閉ユニット12及び表示ユニット13の筐体11への固定方法については後述する。
【0033】
開閉ユニットガイド部25は、開閉ユニット12の進退方向に延在した溝部33で形成されており、溝部33は、開閉ユニット12の被ガイド部材27と対向する側が開口した正面視断面凹状に形成されている。溝部33の上面34及び下面35は、開閉ユニット12の上下方向を位置規制する規制面として機能し、溝部33の側面36は、開閉ユニット12の幅方向を位置規制する規制面として機能する。また、溝部33の上面34には、被ガイド部材27を幅方向に位置規制する突出部37が形成されている(図8参照)。
【0034】
表示ユニットガイド部26は、開閉ユニットガイド部25の下方に設けられ、表示ユニット13の進退方向に延在すると共に開閉ユニットガイド部25の溝部33に平行な溝部38で形成されている。溝部38は、表示ユニット13の被ガイド部材28と対向する側が開口した正面視断面凹状に形成されている。溝部38の上面39及び下面40は、表示ユニット13の上下方向を位置規制する規制面として機能し、溝部38の側面41は、表示ユニット13の幅方向を位置規制する規制面として機能する。また、溝部38の上面39には、被ガイド部材28を幅方向に位置規制する突出部42が形成されている(図8参照)。
【0035】
表示ユニット13は、前面に表示ディスプレイ43が組み込まれた表示機本体44を備えている。表示機本体44は、正面視略矩形形状に形成され、開閉ユニット12の支持枠45内を通過可能な大きさで構成されている。表示機本体44内には、表示ディスプレイ43の表示を制御する表示制御回路等(図示省略)が組み込まれており、スロット機本体3内に設けられた制御回路(図示省略)からの表示制御指示に従って、表示ディスプレイ43に遊技状態に応じた演出表示を行うように構成されている。
【0036】
表示機本体44の両側部下方には、前側が開口した上面視略凹状の支持部材46が、表示機本体44の両側部から外方にはみ出すように設けられている。支持部材46の内側面上部にはラック21が固定され、支持部材46の外側面には被ガイド部材28が取り付けられている。支持部材46は、開閉ユニット12と表示ユニット13とが近接した状態において、開閉ユニット12に設けられたラック20下部と対向する位置になるように設けられており、支持部材46の内側面と外側面の連結部47には、下方側から固定部材100の下端部100bが係合可能に構成されている(図3(b)参照)。
【0037】
被ガイド部材28は、溝部38の上面39に摺接する一対の上方ローラ48と、溝部38の下面40に摺接する一対の下方ローラ49と、溝部38の側面41に摺接する側方ローラ50と、から構成されている。一対の上方ローラ48は、支持部材46の外側面において、表示ユニット13の進退方向に所定距離離間した位置に、回動自在に取り付けられている。一対の下方ローラ49は、支持部材46の外側面において、各上方ローラ48の下方位置であって表示ユニット13の進退方向に所定距離離間した位置に、回動自在に取り付けられている。一対の側方ローラ50は、ローラ支持部材51により回動自在に支持されており、ローラ支持部材51は、一対の下方ローラ49間に固定されている。この側方ローラ50は、上方ローラ48及び下方ローラ49に比して、幅方向に突出するように支持部材46に取り付けられている(図8参照)。表示ユニット13の進退移動時には、各上方ローラ48が及び各下方ローラ49が溝部38の上面39及び下面40に摺接することにより上下方向が位置規制され、各側方ローラ50が溝部38の側面41に摺接することにより幅方向が位置規制される。このとき、上方ローラ48は、溝部38の上面39に形成された突出部42に当接した状態で、溝部38の上面39を摺動する。従って、上方ローラ48の突出部42への摺接と、側方ローラ50の溝部38の側面41への摺接とにより、幅方向において確実に位置規制することが可能になる。
【0038】
次に、図4及び図5を用いて、本実施の形態に係る開閉ユニット12について詳細に説明する。図4(a)は、開放状態の開閉ユニット12を前方から見た外観斜視図であり、図4(b)は、開放状態の開閉ユニット12を後方から見た外観斜視図である。図5(a)は、開閉ユニット12の開閉部52を示す外観斜視図であり、図5(b)は、開閉ユニット12の一部を拡大した拡大斜視図である。
【0039】
図4に示すように、開閉ユニット12は、表示ユニット13の前面を開放及び閉塞可能な複数の開閉部52と、各開閉部52を開閉可能に支持する支持枠45とを備えている。本実施の形態に係る開閉ユニット12においては、4つの開閉部52から構成されているが、開閉部52の数はこれに限定されるものではなく、表示ユニット13前面を閉塞可能であれば、例えば、観音開き状の2つの開閉部で構成してもよい。
【0040】
支持枠45は、中央に開口部53を有する枠状に形成され、開口部53は、進退移動する表示ユニット13が通過可能な大きさに構成されている。支持枠45の両側部には、後方側に向かって延在した支持部材54が設けられている。この支持部材54は、上述した開閉ユニットガイド部25に対向する位置に設けられている。支持部材54の上部にはラック20が固定され、支持部材54の外側面には被ガイド部材27が取り付けられている。ラック20は、開閉ユニット12の退避状態において、表示ユニット13に設けられた支持部材46と対向する位置になるように設けられている。ラック20の下部側は開口しており、この開口部55には、固定部材100の上端部100aが係合可能に構成されている。
【0041】
支持枠45裏側の各辺部には、各開閉部52をそれぞれ開閉駆動させる複数の開閉駆動モータ56が設けられ、各開閉駆動モータ56には、それぞれギヤ(ウォームギヤ)57が取り付けられている。各ギヤ57は支持枠45を貫通するように設けられ、出力端側が開閉部52に設けられたギヤ(ウォームホイール)58に噛合するように構成されている。各開閉駆動モータ56は、例えばステッピングモータで構成され、駆動ユニット14に設けられた開閉制御回路59から送られるパルス信号に従って正逆回転するように構成されている。後述する検知センサ60が開閉板61の閉塞を検知した場合には、開閉制御回路59から送られるパルス信号に基づいて、開閉駆動モータ56は、開閉部52を閉塞方向に移動させるように駆動力をウォームギヤ57に送る。また、支持枠45の裏側には、電力供給用の可撓性ケーブル62が接続可能なコネクタ63が設けられている。
【0042】
支持枠45の前側の各辺部には、各開閉部52を支持枠45に対して回動自在に固定する一対の固定部64と、開閉部52の閉塞を検知する検知センサ60と、が設けられている。検知センサ60は、例えばフォトセンサで構成されており、後述する開閉板支持ユニット65に形成された開口部に臨む位置に設けられている。検知部60は、発光部(図示省略)からの赤外線等の光を、開口部内を移動する開閉板支持ユニット65の遮蔽板68が遮ることにより、開閉部52の閉塞を検知するように構成されている。検知センサ60は、開閉部52の閉塞を検知すると、駆動ユニット14に設けられた開閉制御回路59に検知結果に送る。
【0043】
固定部64は、板状の基部64aと、基部64aの前面側に突出した軸支持部64bとから形成されており、基部64aの背面側が支持枠45前面に固定されている。軸支持部64bは、開閉板支持ユニット65の駆動軸74を回動自在に支持するように構成され、軸支持部64bの外周部には、支持枠45前面に対して略平行方向に突出した突出部64cが形成されている。突出部64cは、開閉部52が閉塞する閉塞位置を位置決めするものであり、開閉部52の閉塞時において、突出部64c前面に開閉板支持ユニット65の挟持固定部79の対向面が当接するように構成されている。すなわち、各突出部64c前面は同一面内に設けられて閉塞面を形成し、各挟持固定部79に挟持される各開閉板61を閉塞面(閉塞位置)に位置決めする位置決め部として機能する。本実施の形態では、固定部64側を突出させて位置決め部として機能させているが、開閉部52の開閉板61を閉塞位置に閉塞するものであれば、開閉板支持ユニット65側を突出させ支持枠45前面に当接させて位置決め部として機能させてもよい。
【0044】
被ガイド部材27は、溝部33の上面34に摺接する一対の上方ローラ70と、溝部33の下面35に摺接する一対の下方ローラ71と、溝部33の側面36に摺接する側方ローラ72と、から構成されている。一対の上方ローラ70は、支持部材54の外側面において、開閉ユニット12の進退方向に所定距離離間した位置に、回動自在に取り付けられている。一対の下方ローラ71は、支持部材54の外側面において、各上方ローラ70の下方位置であって開閉ユニット12の進退方向に所定距離離間した位置に、回動自在に取り付けられている。一対の側方ローラ72は、ローラ支持部材73により回動自在に支持されており、ローラ支持部材73は、一対の下方ローラ71間に固定されている。この側方ローラ72は、上方ローラ70及び下方ローラ71に比して、幅方向に突出するように支持部材54に取り付けられている(図8参照)。開閉ユニット12の進退移動時には、各上方ローラ70及び下方ローラ71が溝部33の上面34及び下面35に摺接することにより上下方向が位置規制され、各側方ローラ72が溝部33の側面36に摺接することにより幅方向が位置規制される。このとき、上方ローラ70は、溝部33の上面34に形成された突出部37に当接した状態で、溝部33の上面34を摺動する。従って、上方ローラ70の突出部37への摺接と、側方ローラ72の溝部33の側面36への摺接とにより、幅方向において確実に位置規制することが可能になる。
【0045】
各開閉部52は、開閉板61と、開閉板61を支持する開閉板支持ユニット65と、を備えており、開閉板支持ユニット65は固定部64により支持枠45前面に回動自在に固定されている。各開閉板61は、正面視略三角形状に形成されており、固定端側となる底辺部側が開閉板支持ユニット65に支持されている。各開閉板61は、開放状態においては、自由端側が支持枠45の前方位置まで開放され、閉塞状態においては、各開閉板61前面が同一平面を形成するように互いに重なり合うことなく配置されるように構成されている。すなわち、閉塞状態では、各開閉板61の端面同士が近接位置で対向し各開閉板61前面が面一となるような状態で、支持枠45の開口部53に臨む表示ディスプレイ43を閉塞するように構成されている。これにより、各開閉板61前面の開閉方向におけるバラつきが抑制され、表示ユニット13前面を完全に閉塞して、開閉板61間の開閉方向における隙間から表示ディスプレイ43の表示内容が漏れることを防止することができる。
【0046】
開閉板支持ユニット65は、開閉板61を駆動させる駆動軸74と、駆動軸74を軸支する軸支持部75と、軸支持部75との間に開閉板61を挟み込んで固定する開閉板固定部76と、を備えている。駆動軸74の一端部は軸支持部75の一方の軸受け部77に軸支され、他端部は他方の軸受け部77を介して扇形状のウォームホイール58に固定されている。ウォームホイール58は、開閉駆動モータ56に接続したウォームギヤ57に噛合しており、ウォームギヤ57を介して送られる開閉駆動モータ56の駆動力により、駆動軸74を駆動させる。
【0047】
開閉板固定部76は、駆動軸74を被覆するように保持する軸保持部78と、軸保持部78から延在し軸支持部75との間で開閉板61を挟持固定する挟持固定部79と、から構成されている。軸保持部78には、支持枠45側が開口した開口部が設けられており、この開口部内を移動可能な遮蔽板68が設けられている。開閉部52を閉塞方向に駆動すると、この遮蔽板68が開口部内を移動して、検知センサ60から発光する光を遮蔽して開閉部52の閉塞が検知される。挟持固定部79は、概略板状に形成され、軸支持部75の板部80との間で開閉板61の底辺部側を挟持固定するように構成されている。挟持固定部79の開閉板61の挟持面の反対側面は、開閉板52の閉塞時において、固定部64の突出部64cと当接するように構成されている。開閉部52の閉塞時において、挟持固定部79が、固定部64の突出部64c前面に当接すると、各開閉板61が支持枠45前面側を完全に閉塞する。
【0048】
軸支持部75は、概略短冊状の板部80と、板部80の長辺方向の両端部に形成された一対の軸受け部77とから構成されている。板部80は、開閉板固定部64の挟持固定部79との間で、開閉板61を挟持固定するように構成されている。
【0049】
次に、図6を用いて、駆動ユニット14について説明する。図6は、本実施の形態に係る駆動ユニット14を示す外観斜視図である。図6に示すように、駆動ユニット14は、表示ユニット13及び開閉ユニット12の進退移動を駆動制御するものであって、進退移動を駆動する駆動制御回路81が搭載された基板82と、基板82の両端部を支持する左右一対の基板支持部83と、を備えている。
【0050】
各基板支持部83は、筐体11の両側板17側に凹部を有する正面視略凹状に形成されており、基板支持部83の上部及下部が、筐体11の天板15及び底板16にそれぞれ固定されている。基板支持部83の上方には、開閉ユニット12を駆動する開閉ユニット駆動機構84が設けられ、開閉ユニット駆動機構84の下方には表示ユニット13を駆動する表示ユニット駆動機構85が設けられている。
【0051】
開閉ユニット駆動機構84は、基板支持部83に回動自在に軸支される駆動軸86と、駆動軸86の両端部に接続された一対のギヤ列87と、一方(右側)の基板支持部83に設けられた駆動モータ88と、を備えている。駆動モータ88は、例えばステッピングモータで構成され、駆動制御回路81から送られるパルス信号に従って正逆回転するように構成されている。この駆動モータ88の駆動力は、駆動軸86を介して一対のギヤ列87に伝達される。各ギヤ列87は複数のギヤで構成され、入力端側のギヤが駆動軸86に接続されると共に出力端側のピニオンギヤ89が開閉ユニット12に設けられたラックギヤ20に噛合するように構成されている。すなわち、開閉ユニット駆動機構84は、ピニオンギヤ89を含むギヤ列87とラックギヤ20とからなるラック・ピニオン機構で構成されている。駆動制御回路81の駆動指示に従い駆動モータ88が駆動すると、駆動力が一対のギヤ列87に送られ、ラックギヤ20に伝達されて開閉ユニット12が進退移動する。
【0052】
表示ユニット駆動機構85は、基板支持部83に回動自在に軸支される駆動軸90と、駆動軸90の両端部に接続された一対のギヤ列91と、一方(左側)の基板支持部83に設けられた駆動モータ92と、から構成されている。駆動モータ92は、例えばステッピングモータで構成され、駆動制御回路81から送られるパルス信号に従って正逆回転するように構成されている。この駆動モータ92の駆動力は、駆動軸90を介して一対のギヤ列91に伝達される。各ギヤ列91は複数のギヤで構成され、入力端側のギヤが駆動軸90に接続されると共に出力端側のピニオンギヤ93が表示ユニット13に設けられたラックギヤ21に噛合するように構成されている。すなわち、表示ユニット駆動機構85は、ピニオンギヤ93を含むギヤ列91とラックギヤ21とからなるラック・ピニオン機構から構成されている。駆動制御回路81の駆動指示に従い駆動モータ92が駆動すると、駆動力が一対のギヤ列93に送られ、ラックギヤ21に伝達されて表示ユニット13が進退移動する。
【0053】
基板82は、底板16から浮いた位置で基板支持部83に支持されている。基板82には、開閉ユニット12及び表示ユニット13の進退移動を駆動する駆動制御回路81と、両ユニット12、13への電力供給を制御する電力制御回路94と、開閉ユニット12の開閉制御を行う開閉制御回路59と、開閉ユニット12の進退移動を検知する検知センサ95と、表示ユニット13の進退移動を検知する検知センサ96とが搭載されている。
【0054】
また、基板82上面には開口部97が形成されて、開口部97の奥側には、開閉ユニット12に電力を供給する可撓性ケーブル62の一端部が接続されるコネクタ98が設けられている。可撓性ケーブル62の他端部は、基板82上面の開口部97を上方から下方に通過して、開閉ユニット12に設けられたコネクタ63に接続されている。基板82上面及び基板支持部83の対向面間には、開閉ユニット12が退避位置にあるときに、可撓性ケーブル62を上下方向に撓ませて収容する収容空間99が形成されている。すなわち、一対の基板支持部83、基板82、筐体11の奥板18及び表示ユニット13背面により、可撓性ケーブル62を収容する収容空間99が形成される(ケーブル収容手段)。これにより、開閉ユニット12が退避位置にあるときには、可撓性ケーブル62を開口部97の下方から上方に押し上げて基板82上方で撓ませた状態で収容することができるので、基板82上方のスペースを有効利用することができる。
【0055】
各検知センサ95、96は、例えばフォトセンサで構成されており、発光部(図示省略)からの赤外線等の光を、開閉ユニット12の支持枠45下部及び表示ユニット13の支持部材46下部が遮ることにより、開閉ユニット12及び表示ユニット13の進退を検知するように構成されている。各検知センサ95、96は、開閉ユニット12及び表示ユニット13の通過を検知すると、駆動制御回路81に検知結果をそれぞれ送る。
【0056】
駆動制御回路81は、各検知センサ95、96から開閉ユニット12及び表示ユニット13の通過を示す検知結果を受けると、各駆動モータ88、92に開閉ユニット12及び表示ユニット13の進退移動を制御するパルス信号をそれぞれ送る。また、開閉制御回路59は、開閉ユニット12に設けられた検知センサ60から開閉部52の閉塞を示す検知結果を受けると、開閉部52を開放した開放位置から開閉部52を閉塞する閉塞位置まで駆動させるのに必要な駆動量よりもさらに閉塞方向に駆動させるように、駆動モータ56にパルス信号を送る。
【0057】
次に、図7及び図8を用いて開閉ユニット12及び表示ユニット13の進退移動の駆動制御について説明する。図7(a)は、開閉ユニット12の進退移動の駆動制御を説明する図であり、同図(b)は、表示ユニット13の進退移動の駆動制御を説明する図である。図8は、表示ユニット13及び開閉ユニット12の進退移動の際のガイド部近傍を模式的に示した図である。なお、ここでは、図7に示すように、退避位置において、開閉ユニット12が演出表示装置10の前面から76mmの位置にあり、表示ユニット13が84mmの位置にあるものとする。
【0058】
まず、開閉ユニット12及び表示ユニット13を連動して進退移動させる場合について説明する。駆動制御回路81からの駆動指示を受けると、駆動モータ88、92がそれぞれ駆動し、各駆動軸86、90を介して各ギヤ列87、91に駆動力が伝達される。各ギヤ列87、91の出力端側のピニオンギヤ89、93にそれぞれ噛合する各ラックギヤ20、21に駆動力が伝達し、開閉ユニット12及び表示ユニット13が前方に移動する。
【0059】
ところで、進退移動の際において、特許文献2に記載の遊技機のように表示ユニットをラック・ピニオン機構のみで移動させた場合、進退移動に伴うガタつきが生じ、表示ディスプレイ43に表示される表示内容がブレて演出効果を低下させる問題がある。しかしながら、本実施の形態では、図8に示すように、進退移動の際に、開閉ユニット12の上方ローラ70及び下方ローラ71は溝部33の上面34及び下面35にそれぞれ摺接し、側方ローラ72は溝部33の側面36に摺接しているため、開閉ユニット12は上下方向及び幅方向に位置規制された状態で前方に移動する。同様に、表示ユニット13の上方ローラ48及び下方ローラ49は溝部38の上面39及び下面40にそれぞれ摺接し、側方ローラ50は溝部38の側面41に摺接しているため、表示ユニット13は上下方向及び幅方向に位置規制された状態で前方に移動する。従って、開閉ユニット12及び表示ユニット13の進退移動に伴うガタつきを防止することができ、演出表示時における表示ディスプレイ43への演出表示内容のブレが抑制され視認性を向上させるので、演出効果を向上させることが可能である。
【0060】
各駆動モータ88、92の駆動力により、開閉ユニット12及び表示ユニット13が67.5mm(500ステップ)移動すると、各検知センサ95、96で両ユニット12、13の通過が検知され、検知信号が駆動制御回路81に送られる。検知信号を受けた駆動制御回路81からの駆動信号に従い、各駆動モータ88、92は、さらに両ユニット12、13を検知センサ95、96の検知開始位置から1mm(7ステップ)移動させる(オーバーストロークさせる)。そして、開閉ユニット12の各開閉部52が開放され、表示ディスプレイ43に遊技状態に応じた演出が表示される。
【0061】
次に、開閉部52の開放時において、支持枠45の開口部53内を表示ユニット13を進退移動させる場合について説明する。この場合、開閉ユニット12は退避位置に位置規制されている。駆動制御回路81からの駆動指示を受けると、駆動モータ92が駆動し、駆動軸90を介してギヤ列91に駆動力が送られ、ギヤ列91を介してラックギヤ21に駆動力が伝達され、表示ユニット13が前方に移動する。この進退移動の際にも、特許文献2記載の遊技機では進退移動に伴うガタつきが生じるので、表示ユニット13が開閉ユニット12を通過する際に両ユニット13、12が干渉する問題がある。しかしながら、本実施の形態では、上記同様に、表示ユニット13の上方ローラ48及び下方ローラ49は溝部38の上面39及び下面40にそれぞれ摺接し、側方ローラ50は溝部38の側面41に摺接しているため、表示ユニット13は上下方向及び幅方向に位置規制された状態で前方に移動する。従って、表示ユニット13の進退移動に伴うガタつきを防止することができ、表示ユニット13が支持枠45内を通過しても、表示ユニット13と開閉ユニット12との間の干渉を防止することができる。
【0062】
駆動モータ92の駆動力により、表示ユニット13が67.5mm(500ステップ)移動すると、検知センサ96で表示ユニット13の通過が検知され、検知信号が駆動制御回路81に送られる。検知信号を受けた駆動制御回路81の駆動信号に従い駆動モータ92は、さらに表示ユニット13を検知センサ96の検知開始位置から1mm(7ステップ)移動させる。そして、支持枠45内を表示ユニット13が通過し、表示ディスプレイ43に遊技状態に応じた演出が表示される。
【0063】
次に、図9から図11を用いて、比較例と比較しながら、本実施の形態に係る開閉ユニット12の開閉制御動作について説明する。図9は、比較例に係る開閉ユニットの開閉板と検知センサとの位置関係を模式的に示した図である。図10は、本実施の形態に係る開閉ユニットの開閉板と検知センサとの位置関係を模式的に示した図である。図11は、比較例及び本実施の形態に係る開閉ユニット12の開閉制御において、検知センサの検知位置と駆動モータの駆動量との関係を説明するための図である。図9及び図10において、(a)は開閉ユニットの開放状態を示し、(b)は開閉ユニットの閉塞状態を示している。
【0064】
図9に示す比較例では、検知センサ201が開閉板202の開放状態を検知するように構成されている。図9(b)に示す閉塞状態から開閉板202を開放させる場合、開閉制御回路(制御部)203から駆動信号を受けて開閉駆動モータ204が駆動すると、開閉板202が開放方向に開放され、図9(a)に示すように検知センサ201で遮蔽板205が検知される。そして、図11(a)に示すように、検知センサ201の検知位置から、さらに19ステップ分だけ開閉板202が開放方向に移動する。一方、開閉板202を開放状態から閉塞させる場合、開閉駆動モータ204が駆動すると、開閉板202が閉塞方向に439ステップ分移動する。このように比較例では、開閉板202の開放状態を基準に閉塞動作を行っているため、開閉板202の自重等で開放位置にずれが生じた場合には、開閉板202を完全に閉塞させることができない可能性がある。
【0065】
一方、図10に示す本実施の形態では、検知センサ60が開閉板61の閉塞状態を検知するように構成されている。図10(b)に示す閉塞状態から開閉板61を開放させる場合、開閉制御回路59からの駆動信号を受けて開閉駆動モータ56が駆動すると、開閉板61が開放方向に開放されていく。そして、図11(b)に示すように、検知センサ60が遮蔽板68を検知しなくなった位置から、上側の開閉板61が399ステップ分開放方向に移動し、下側及び左右両側の開閉板61が396ステップ分開放方向に移動する。ここでは、上側の開閉板61の駆動量は、ギヤのバックラッシロス(隙間等)を考慮して、その他の開閉板61の駆動量よりも駆動量を多くしている。このとき、開角度は、閉塞位置から88度(検知センサ60の検知位置から84度)になっている。一方、図10(a)に示す開閉板61の開放状態から閉塞させる場合、開閉駆動モータ56が駆動すると、開閉板61が閉塞方向に移動し、検知センサ60が遮蔽板68を検知する位置で、開閉板61を挟持する挟持固定部79が固定部64の突出部64c前面に当接する。そして、この検知位置から、開閉板61をさらに42ステップ分だけ開閉板61を閉塞方向に移動する。このように本実施の形態では、開閉板61の閉塞状態を基準に閉塞動作を行うと共に、通常の開放位置から閉塞位置までの駆動量よりも多くしているため、開閉板61の自重等で開放位置にずれが生じた場合でも、開閉板61を閉塞方向に駆動させて表示ユニット13を確実に閉塞することができる。
【0066】
次に、図12を用いて、開閉ユニット12及び表示ユニット13の筐体11への固定方法について説明する。図12は、開閉ユニット12及び表示ユニット13の筐体11への固定方法を説明するための断面模式図である。
【0067】
図12(a)に示すように、固定部材100は、側面視略L字状に形成されており、上端部100aが開閉ユニット12のラック20に、下端部100bが表示ユニット13の支持部材46の連結部47に係合可能に構成されている。固定部材100の上端部100a及び下端部100bの略中間位置に、固定用ネジ101が貫通する長孔100cが形成されている。
【0068】
開閉ユニット12及び表示ユニット13を固定する際には、各ラック20、21を各ピニオン89、93に噛合させた状態で、両ユニット12、13を退避位置に移動させる。このとき、開閉ユニット12に設けられたラック20は奥板18の開口部29から後方側に露出している。固定部材100の下端部100bを開口部30を貫通させて支持部材46の内側面(連結部47)に係合させ、上端部100aを開口部29から露出したラック20の下方に形成された開口部55に係合させた状態で、固定用ネジ101を長孔100cの内周面下方で位置決めして、奥板18に固定する(図12(b))。これにより、開閉ユニット12及び表示ユニット13は、ラック20、21にピニオン89、93を噛み合わせた状態で筐体11の奥板18に固定されるので、例えば、輸送時に衝撃等が加わった場合でも、ラック20、21とピニオン89、93とが外れることを防止することができる。一方、開閉ユニット12及び表示ユニット13を進退移動させる場合には、図12(c)に示すように、固定部材100を矢印方向に移動させ、長孔100cの内周面上方で位置決めした状態で、固定用ネジ101により固定部材100を奥板18に固定する。なお、図12では、開閉ユニット12及び表示ユニット13の両ユニットを筐体11に固定する場合を例に説明したが、開閉ユニット12又は表示ユニット13を固定することも可能である。また、開閉ユニット12に設けられたラック20の開口部55は、仕切り部材により複数の開口部55aに分けられているため、開閉ユニット12の退避位置に合わせて固定することが可能である。
【0069】
本実施の形態によれば、開閉板61が閉塞方向に閉塞し、検知部60で開閉板61の閉塞を検知すると、当該開閉板61を閉塞方向にさらに所定量だけ駆動させ、閉塞位置を位置決めする位置決め部64cに当接させる。そのため、高い検知精度を備えた閉塞検知センサを用いなくても、複数の開閉板61が表示ユニット13前面を閉塞して開閉板61同士の開閉方向における隙間から表示ユニット13の表示内容が漏れることを防止することができる。従って、非演出表示時には表示ユニット13を完全に閉塞し、演出表示時にのみ表示ユニット13を開放させるため、演出効果を向上させることができる。
【0070】
また、本実施の形態によれば、被ガイド部材27を第1及び第2の規制面34、35、36に摺接させると共に被ガイド部材28を第3及び第4の規制面39、40、41に摺接させるので、表示ユニット13及び開閉ユニット12は、その上下方向及び幅方向が位置規制された状態で進退移動する。従って、表示ユニット13及び開閉ユニット12の進退移動に伴うガタつきを防止することができ、表示ユニット13が開閉板61の開放時に支持枠45内を進退移動した場合でも、表示ユニット13と開閉ユニット12との間の干渉を防止することができる。また、進退移動に伴うガタつきを防止するので、表示ユニット13と開閉ユニット12とのクリアランス(隙間)を最低限に抑制できるので、表示ユニット13の表示領域を拡大することも可能である。さらに、進退移動に伴いガタつきを防止することで、演出表示時において、表示ユニット13に表示される演出表示内容のブレが抑制され視認性を向上させるので、演出効果を効果的に高めることができる。
【0071】
上記実施の形態では、両ユニットガイド部25、26を筐体11の側面17に設ける場合を例に説明したが、開閉ユニット12及び表示ユニット13の両側面部を進退方向に案内するものであれば、例えば、筐体11の天板15及び底板16に両ユニットガイド部25、26を設けることも可能である。また、被ガイド部材27、28としてローラを例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、溝部33、38の上下面及び側面に摺接するものであればよい。
【0072】
なお、今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であってこの実施の形態に制限されるものではない。本発明の範囲は、上記した実施の形態のみの説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明は、演出表示を行う演出表示装置であって、スロット機、パチンコ機、ゲーム機等の遊技機に適用可能である。
【符号の説明】
【0074】
1 スロット機
10 演出表示装置
11 筐体
12 開閉ユニット(開閉機構)
13 表示ユニット(表示部)
14 駆動ユニット
17 側板
18 奥板
20、21 ラック
22、23、89、93 ピニオン
25 開閉ユニットガイド部(第1のガイド部)
26 表示ユニットガイド部(第2のガイド部)
27 被ガイド部材(第2の被ガイド部材)
28 被ガイド部材(第1の被ガイド部材)
29、30、31、53、55、97 開口部
33、38 溝部
34 上面(第1の規制面)
35 下面(第1の規制面)
36 側面(第2の規制面)
37、42、66 突出部
39 上面(第3の規制面)
40 下面(第3の規制面)
41 側面(第2の規制面)
43 表示ディスプレイ
45 支持枠
46 支持部材
47 連結部
48 上方ローラ(第1のローラ)
49 下方ローラ(第1のローラ)
50 側方ローラ(第2のローラ)
51 ローラ支持部材
52 開閉部
54 支持部材
56 開閉駆動モータ
59 開閉制御回路
60、95、96 検知センサ
61 開閉板
62 可撓性ケーブル
63、98 コネクタ
64 固定部
64c 突出部(位置決め部)
65 開閉板支持ユニット
68 遮蔽板
70 上方ローラ(第3のローラ)
71 下方ローラ(第3のローラ)
72 側方ローラ(第4のローラ)
73 ローラ支持部材
74、86、90 駆動軸
75 軸支持部
76 開閉板固定部
77 軸受け部
78 軸保持部
79 挟持固定部
80 板部
81 駆動制御回路
82 基板
83 基板支持部
84 開閉ユニット駆動機構
85 表示ユニット駆動機構
87、91 ギヤ列
88、92 駆動モータ
99 収容空間
100 固定部材
100a 上端部
100b 下端部
100c 長孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
演出表示を行う表示部と、
前記表示部の前面を開放及び閉塞可能な複数の開閉板を有する開閉機構と、
前記複数の開閉板を開閉させる駆動制御部と、
前記複数の開閉板の各閉塞位置を位置決めする複数の位置決め部と、
前記複数の開閉板の閉塞を検知する検知部と、を有し、
前記駆動制御部は、前記検知部で前記開閉板の閉塞を検知した場合、当該開閉板を閉塞方向に駆動させ前記位置決め部に当接させることを特徴とする演出表示装置。
【請求項2】
前記駆動制御部は、前記開閉板を前記開放位置から前記閉塞位置まで駆動させるのに必要な駆動量よりもさらに前記閉塞方向に駆動させることを特徴とする請求項1に記載の演出表示装置。
【請求項3】
前記複数の開閉板は、閉塞状態において、各開閉板の前面が同一平面を形成するように互いに重なり合うことなく配置されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の演出表示装置。
【請求項4】
演出表示を行う表示部と、
前記表示部の前面を開放及び閉塞可能な開閉板及び当該開閉板を開閉自在に支持する支持枠を有する開閉機構と、
前記開閉板の開放時に前記支持枠内の開口を通過し、前記表示部を進退させる表示部駆動機構と、
前記開閉機構を進退させる開閉機構駆動機構と、
前記表示部、前記開閉機構、前記表示部駆動機構及び開閉機構駆動機構を収容する筐体と、を備え、
前記筐体は、前記表示部の両外側との対向面で当該表示部の進退移動をガイドする第1のガイド部と、前記開閉機構の両外側との対向面で当該開閉機構の進退移動をガイドする第2のガイド部を有し、
前記表示部は、前記第1のガイド部にガイドされる第1の被ガイド部材を有し、
前記開閉機構は、前記第2のガイド部にガイドされる第2の被ガイド部材を有し、
前記第1のガイド部は、前記表示部の上下方向を位置規制する第1の規制面と、当該表示部の幅方向を位置規制する第2の規制面とを有し、
前記第2のガイド部は、前記開閉機構の上下方向を位置規制する第3の規制面と、当該開閉機構の幅方向を位置規制する第4の規制面とを有し、
前記表示部駆動機構及び開閉機構駆動機構は、前記第1の被ガイド部材を前記第1の規制面及び第2の規制面に摺接させると共に前記第2の被ガイド部材を前記第3の規制面及び第4の規制面に摺接させて進退させることを特徴とする演出表示装置。
【請求項5】
前記第1の被ガイド部材は、前記第1の規制面に上下方向が位置規制された第1のローラと、前記第2の規制面に幅方向が位置規制された第2のローラとからなり、
前記第2の被ガイド部材は、前記第3の規制面に上下方向が位置規制された第3のローラと、前記第4の規制面に幅方向が位置規制された第4のローラとからなることを特徴とする請求項4に記載の演出表示装置。
【請求項6】
前記開閉機構に電力を供給する可撓性ケーブルと、
前記可撓性ケーブルを収容するケーブル収容手段と、を備え、
前記ケーブル収容手段には、前記開閉機構が退避位置にあるときに、前記可撓性ケーブルを上下方向に撓ませて収容する収容空間が形成されていることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の演出表示装置。
【請求項7】
前記ケーブル収容手段は、
開口部を有する基板と、
前記基板上面に設けられると共に前記可撓性ケーブルの一端部が接続されるコネクタと、を備え、
前記可撓性ケーブルの他端部を前記開口部の上方から下方に通過させて前記開閉機構に接続させたことを特徴とする請求項6に記載の演出表示装置。
【請求項8】
前記表示部駆動機構及び開閉機構駆動機構は、それぞれラック・ピニオン機構で構成され、
前記表示部駆動機構及び開閉機構駆動機構のラックのうちの少なくとも一方のラックは、前記表示部及び前記開閉機構の少なくとも一方を退避させた状態かつ前記一方のラックにピニオンを噛み合わせた状態で、固定部材により前記筐体に固定されることを特徴とする請求項4から請求項7のいずれかに記載の演出表示装置。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれかに記載の演出表示装置を備えたことを特徴とする遊技機。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−36337(P2011−36337A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−185146(P2009−185146)
【出願日】平成21年8月7日(2009.8.7)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】