説明

潤滑剤塗布方法及び潤滑剤塗布用治具

【課題】水性潤滑剤を有底部材の内外面に均一に塗布する方法の提供。
【解決手段】開口部が略水平方向に向くように有底部材13を保持する保持部材21と、保持部材21を上下方向に揺動可能に支承する基部221とを備える治具21及び22を用い、水性潤滑剤溶液の貯留槽内に沈める工程と、治具21及び22を上下方向に移動させることで、沈めた有底部材13を貯留槽内で上下方向に揺動させて、水性潤滑剤を溶解した溶液を有底部材13に行き渡らせる工程とを有する。つまり、水性潤滑剤溶液内に有底部材13を沈めるときの反力で上方向に揺動させて、内部の空気を排出する。その結果、全体に水性潤滑剤を行き渡る。特に水性潤滑剤溶液内にて幾度か上下方向に揺動させることで確実に空気を除去できる。有底部材13を水性潤滑剤溶液内から引き上げるときには溶液からの反力・自重により開口部が下を向いて余分な水性潤滑剤溶液を除去できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレス加工に供する有底部材の表面に水性潤滑剤を塗布する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、オートマチックトランスミッションのクラッチドラムのようなカップ形状を有する部材をプレスで成形する製造方法において、一般的にプレス加工用潤滑油を使用している。しかし、板厚を部分的に薄くする目的でしごきを行うなど、材料流動が大きくなる場合には、プレス加工用潤滑油にリン、塩素、硫黄などの極圧添加剤を入れて潤滑性能を増すことがあるが、それでも金型のかじりなどが発生する場合にはプレス加工前にワーク表面にボンデライト処理によってリン酸塩皮膜などの潤滑用化成皮膜を形成した後、ボンデリューベ処理により金属石けんを付着させた後にプレス加工を行っていた。このボンデライト処理及びボンデリューベ処理によって金型のかじりの発生を抑制することができる。
【特許文献1】特開2001−323294号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、ボンデライト及びボンデリューベ処理は水洗、酸洗などの多数の工程が必要であると共に、ロットによる処理が通常行われている。従って、前後する工程を含んだ「前工程のプレス」、「ボンデ処理」、「しごきなどのプレス加工」のそれぞれもロット処理で行うことになり、製造工程に要する時間が長くなるという問題があった。更に、ボンデライト及びボンデリューベ処理は、水洗、酸洗などで発生する廃液の処理が煩雑であった。
【0004】
近年、特許文献1のように、処理に伴う廃液発生量が少なく、連続的に処理が可能な水溶性潤滑剤が利用され始めている。しかしながら、加工量が小さい冷間鍛造品の一部などで量産に供されることがあるのみである。
【0005】
水性潤滑剤は油などが付着した金属表面に対するなじみ性が低く、塗布量が不均一になる部位が生じるおそれがある。局所的に大変形(材料流動が大きい)させる加工を行うATMドラムなどでは、潤滑剤を均一に塗布することが重要であるが、内面に凹部をもつカップ形状(有底部材)など形状が複雑な部材では水性潤滑剤の溶液が行き渡らない部分が生じたり、反対に水性潤滑剤が多量に付着するおそれがあった。
【0006】
本発明は上記実情に鑑みなされたものであり、水性潤滑剤を有底部材の内外面に均一に塗布する方法及び塗布するために用いる治具を提供することを解決すべき課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する目的で本発明者らが鋭意検討を行った結果、以下の知見を得た。すなわち、底面に凹部をもつ有底部材において、塗布量の不均一を解消するために、水性潤滑剤溶液に有底部材を浸漬するときの荷姿に着眼し、図1に示すような3種類の荷姿を基準にして水性潤滑剤の塗布性について評価した。
【0008】
図1の(1)の荷姿では有底部材の底に水性潤滑剤溶液が残存して塗布量過多になる傾向があった。図1の(2)の荷姿では底から空気が抜けきらず水性潤滑剤が充分に塗布できない部位が生じた。図1の(3)の荷姿でも単純にそのまま水性潤滑剤溶液中に沈めただけでは空気が抜けきらずに水性潤滑剤の塗布が充分でない部位もあった。
【0009】
しかしながら、(3)の荷姿において、水性潤滑剤溶液中に沈めるときに一定以上の速さで沈めたり、水性潤滑剤溶液中で有底部材を上下方向に移動させたりすることで、溶液からの反力により有底部材を揺動させることが可能になり、その開口部を上方向に向けることができる結果、残存する空気を完全に抜くことができた。更に、水性潤滑剤溶液中から引き出した後に有底部材の開口部が下方向を向くように揺動させることで余分な水性潤滑剤溶液を除去することができた。
【0010】
以上の知見に基づき本発明に想到するに至った。すなわち、本発明の潤滑剤を塗布する方法は、底面の内側に外側方向に凹んだ凹部をもつ有底部材の内外面に水性潤滑剤を塗布する方法であって、
開口部が略水平方向に向くように前記有底部材を保持する保持部材と、
該有底部材を保持した状態の該保持部材を上下方向に揺動可能に支承する基部とを備える潤滑材塗布用治具を用い、
前記水性潤滑剤を溶解した水性潤滑剤溶液を貯留する貯留槽内に、該潤滑材塗布用治具に保持された該有底部材を沈める工程と、
該潤滑剤塗布用治具を上下方向に移動させることで、該水性潤滑剤溶液からの反力により、該塗布用治具に保持された該有底部材を該貯留槽内で上下方向に揺動させて、該水性潤滑剤溶液を該有底部材の全面に行き渡らせる工程とを有することを特徴とする。
【0011】
つまり、基部に対して上下方向に揺動可能に支承された保持部材に有底部材を保持することで、水性潤滑剤溶液内に有底部材を沈めるときの反力により有底部材を上方向に揺動させることができる。その結果、有底部材の開口部を上方向に向けることができるので、内部の空気を排出することが可能になり、全体に水性潤滑剤を行き渡らせることができる。特に水性潤滑剤溶液内にて幾度か上下方向に揺動させることで確実に空気を除去して水性潤滑剤を行き渡らせることができる。有底部材を水性潤滑剤溶液内から引き上げるときには溶液からの反力の他、有底部材の自重により開口部が下方向に向いて内部の余分な水性潤滑剤溶液を除去することができる。
【0012】
ここで、前記有底部材は底面に内外を連通する穴をもち、前記保持部材は一端部で該穴に掛着し、他端部で前記基部に枢着されていることが装置の簡略化などの観点から好ましい。
【0013】
更に上記課題を解決する本発明の潤滑剤塗布用治具は、底面の内側に外側方向に凹んだ凹部をもつ有底部材の内外面に水性潤滑剤を塗布するために用いる治具であって、
開口部が略水平方向に向くように前記有底部材を保持する保持部材と、
該水性潤滑剤を溶解した水性潤滑剤溶液内に、該有底部材を保持して沈めた状態で、上下方向に移動させることで、該保持部材を上下方向に揺動可能に支承する基部とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の潤滑剤塗布方法によれば、水性潤滑剤を底面に凹部をもつ有底部材の内外面に均一に塗布することができる。すなわち、水性潤滑剤の水溶液が満たされている貯留槽内に、有底部材を保持した潤滑剤塗布用治具を沈めて上下方向に移動させることで、有底部材の内部に存する空気を効果的に排出できると共に、内部に余分な水性潤滑剤溶液を残存させることも効果的に防止できる。
【0015】
本発明の潤滑剤塗布用治具は、本治具を上下方向に移動させる外部からの動力により、間接的に有底部材を上下方向に揺動させることが可能であり、直接的に有底部材を上下方向に揺動させるために必要な動力伝達機構を省くことが可能になる。本治具は水性潤滑剤溶液内に浸漬されて用いられることから、動力伝達機構が存在すると、動力伝達機構内に水性潤滑剤が侵入・残存して、長期の使用によって所望の機能を果たさなくなるおそれがある。また、水性潤滑剤を塗布する前には、連続する工程として、脱脂工程などの他の工程を有しており、簡便で受動的な機構を採用することで、注油などの煩雑な保守が必要な機構を設けなくても良いという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の潤滑剤塗布方法が適用できる有底部材は底面の内側に外側方向に凹んだ凹部をもつ。有底部材は一方の開口部に底面を備える筒状の部材が例示できる。底面は内側に凹部をもつ。凹部は有底部材の外側方向に凹んでいる。
【0017】
底面はすべて閉じているものばかりでなく、一部分が開口したものを採用することもできる。有底部材としては、図2(a)〜(c)に示すような形態11〜13が例示できる。有底部材11〜13は、図2(a)〜(c)に示すように底面に外側方向に凹んでいる凹部cをもつ。
【0018】
図2(a)及び(c)に示すような凹部cでは開口部(図面上方側)を上にした状態で保持すると、水性潤滑剤溶液が凹部cに残存するおそれがある。図2(b)に示すような凹部cでは隣接して設けられた取り付け穴hから水性潤滑剤溶液が排出されるので水性潤滑剤溶液の残存のおそれは少ない。取り付け穴hは、有底部材をプレス加工した後の製品を使用する際の取付の基準を示す穴である。
【0019】
有底部材は、本潤滑剤塗布方法を適用する前にプレス加工などにより有底部材に加工することができる。また、本潤滑剤塗布方法を適用する前に脱脂工程などを含む準備工程を経ることができる。水性潤滑剤を塗布した後、有底部材は乾燥されることで表面に水性潤滑剤の層が形成されてプレス加工に供される。
【0020】
本方法により塗布される水性潤滑剤は水性溶媒で使用されること以外は特に限定しない。水性潤滑剤としては金属キレート剤を界面活性剤で水中に分散させたものが例示できる。
【0021】
本方法は潤滑剤塗布用治具を用いて行う。潤滑剤塗布用治具は本発明の潤滑剤塗布用治具をそのまま用いることができる。潤滑剤塗布用治具は保持部材と基部とを有する。保持部材は一つの基部に対して複数個組み合わせてもよい。一つの基部に複数の保持部材を組み合わせることで、水性潤滑剤溶液内で有底部材を揺動させる場合のバランスを好ましいものにすることができると共に、潤滑剤の塗布を生産性よく行うことができる。
【0022】
保持部材は、有底部材を保持する部材である。有底部材を水性潤滑剤溶液内に沈める際に外れないように保持する。例えば、有底部材の底面などに内外を連通する穴(前述の取り付け穴hなど)を設けておき、その穴に一端部を鉤状にした保持部材を掛着することができる。保持部材は有底部材の開口部が概ね水平方向に向くように保持する。
【0023】
基部は保持部材を上下方向に揺動可能に支承する部材である。例えば、有底部材を保持する保持部材の一端部と反対側の他端部を回動自在に枢着することで保持部材を揺動させることができる。基部は、水性潤滑剤を溶解した水性潤滑剤溶液内に、有底部材を保持して沈めた状態の保持部材を上下方向に移動させることで、その保持部材を上下方向に揺動可能に支承している。保持部材を上下方向に揺動する動力としては、基部の上下方向の移動に伴い有底部材が受ける水性潤滑剤溶液からの反力を利用している。
【0024】
本潤滑剤の塗布方法は、上述の潤滑剤塗布用治具に有底部材を保持した状態で、貯留槽内に沈める工程と、有底部材を保持した潤滑剤塗布用治具を貯留槽内で上下方向に移動する工程とを有する。
【0025】
貯留槽内には水性潤滑剤の水溶液である水性潤滑剤溶液が満たされている。潤滑剤塗布用治具を貯留槽内で上下方向に移動させると、有底部材には水性潤滑剤溶液からの反力が加わり、移動方向と反対方向に揺動する。
【0026】
すなわち、下方向に潤滑剤塗布用治具を移動させると、有底部材は上方向に揺動する。有底部材は概ね開口部が水平方向に向くように保持されているので、上方向に揺動されることにより、開口部が上方向に向くことができる。開口部を上方向に向かせることで、内部に存する空気を排出することができる。従って、効率的に内部の空気を排出するために、潤滑剤塗布用治具の移動を、有底部材の大きさ、重さ、水性潤滑剤溶液の抵抗などから算出される一定以上の速さ及び回数にて行うことが望まれる。
【0027】
水性潤滑剤溶液から有底部材を引き出す場合には、自重及び水性潤滑剤溶液の反力によって有底部材は下方向に揺動する。その結果、開口部も下方向に向くことになり、内部の余分な水性潤滑剤溶液を排出することができる。
【実施例】
【0028】
本実施例では図2(c)に示すような有底部材13に対して水性潤滑剤を塗布する方法を説明する。有底部材13は凹部cが深く、水性潤滑剤溶液がより多く残存することが想定される。本実施例の潤滑剤塗布方法は潤滑剤塗布用治具20を用いて行う。
【0029】
潤滑剤塗布用治具20は、図3及び4に示すように、保持部材21と基部22とを備える。基部22は、上面が開放された直方体であり、側面の部材が網状になっているかご状部材222と、かご状部材222の対向する側面間のそれぞれ中央部分を連結し保持部材21を支承する支承部221とを備える。
【0030】
支承部221は上下方向中程に保持部材21を支承している。保持部材21はかご状部材222の幅方向に2列と支承部221の表裏面に各列毎に1組ずつの計4組支承されている。本潤滑剤塗布用治具20を水性潤滑剤溶液内に沈めて上下方向に移動させる場合は、基部22のいずれかの部分を固定しながら行う。
【0031】
保持部材21はL字状の部材であって、鉤状に曲げられ有底部材13を引っ掛けて保持する一端部211と、支承部221に回動自在に枢着される他端部212とをもつ。保持部材21は有底部材13の底面に設けられた取り付け穴hに引っ掛けることで有底部材13を保持する。
【0032】
保持部材21は概ね、図4に示すAの位置からBの位置まで上下方向に揺動できる。保持部材21は支承部221に設けられたストッパー2211により下方向の揺動が制限されている。上方向の揺動は有底部材13の一部が支承部221に当接することを限度に制限されている。
【0033】
(有底部材を沈める工程)
有底部材13は、基部22の支承部221に有底部材13の取り付け穴hを引っ掛けて保持させている。保持された有底部材13は、そのまま放置すると、図4のBに示すように、自重によって開口部が概ね水平方向に向くように保持される。有底部材13は前段階としてのプレス加工により大まかにカップ状に成形されている。水性潤滑剤を塗布する前に脱脂工程により表面の油を充分に除去している。
【0034】
有底部材13を保持した状態で基部22を水性潤滑剤溶液内に沈める。有底部材13を沈める速度は、有底部材13が水性潤滑剤溶液からの抵抗により上方向に揺動するのに充分な速さとする。
【0035】
(有底部材を揺動させる工程)
上述の沈める工程では有底部材13の凹部c内の空気が充分に抜けきらないので有底部材13を上下方向に揺動させて有底部材13の開口部を上下方向(主に上方向)に向ける工程である。開口部が上方向に向くことで有底部材13の内部に残存する空気が有底部材13の側面を伝って開口部から排出される。有底部材13に対する上下方向の揺動を数回繰り返すことで有底部材13内の空気を完全に排出できる。揺動を繰り返す回数は後述するような予備的な実験などによって決定することができる。
【0036】
有底部材13の揺動は潤滑剤塗布用治具20の上下移動により間接的に行う。潤滑剤塗布用治具20を下方向に移動すると、水性潤滑剤溶液から有底部材13に力が加わり、有底部材13は上方向に揺動して開口部が上方向に向く。反対に潤滑剤塗布用治具20を上方向に移動すると、水性潤滑剤溶液からの反力により有底部材13が下方向に揺動して、開口部が下方向を向く。
【0037】
内部に残存する空気を排出した後に、有底部材13を貯留槽内から引き上げ、その後、乾燥することで、有底部材13の表面に水性潤滑剤からなる潤滑剤層が形成される。その後、有底部材13はプレス加工に供される。
【0038】
(有底部材を沈める速度と有底部材内での残留空気量との関係について)
有底部材としては図2(c)に示す形状の部材を採用した。有底部材は直径が210mm程度、長さ100mm程度、そして凹部cの深さが30mm程度であり、重さが1500g程度の部材である。この有底部材を図5に示す下降速度で400mm水性潤滑剤溶液内を下降させたときに有底部材内に残存する空気の量を測定した(図5)。
【0039】
下降速度が70mm/秒以上になると、内部に残存する空気を完全に排出させることができた。なお、下降速度が70mm/秒未満であっても有底部材内の空気の残存量が減少しており、水性潤滑剤溶液内での有底部材の上下揺動を何度か繰り返すことで残存する空気を完全に無くすことができることが分かった。なお、150mm/秒以上の速度にすると、有底部材が治具から外れて落下してしまった。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】水性潤滑剤溶液内に浸漬する場合の有底部材の荷姿を示した概略断面図である。
【図2】本発明が適用できる有底部材を例示した概略断面図である。
【図3】実施例で用いた潤滑剤塗布用治具に有底部材を保持させた使用形態を示した概略図である。
【図4】実施例で用いた潤滑剤塗布用治具に有底部材を保持した場合の上下方向の揺動の様子を示した概略図である。
【図5】実施例で用いた有底部材を水性潤滑剤溶液内に沈める場合の下降速度と残存空気量との関係を示したグラフである。
【符号の説明】
【0041】
11〜13…有底部材 c…凹部 h…取り付け穴
20…潤滑剤塗布用治具
21…保持部材
22…基部 221…支承部 222…かご状部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
底面の内側に外側方向に凹んだ凹部をもつ有底部材の内外面に水性潤滑剤を塗布する方法であって、
開口部が略水平方向に向くように前記有底部材を保持する保持部材と、
該有底部材を保持した状態の該保持部材を上下方向に揺動可能に支承する基部とを備える潤滑材塗布用治具を用い、
前記水性潤滑剤を溶解した水性潤滑剤溶液を貯留する貯留槽内に、該潤滑材塗布用治具に保持された該有底部材を沈める工程と、
該潤滑剤塗布用治具を上下方向に移動させることで、該水性潤滑剤溶液からの反力により、該塗布用治具に保持された該有底部材を該貯留槽内で上下方向に揺動させて、該水性潤滑剤溶液を該有底部材の全面に行き渡らせる工程とを有することを特徴とする潤滑剤塗布方法。
【請求項2】
前記有底部材は底面に内外を連通する穴をもち、
前記保持部材は一端部で該穴に掛着し、他端部で前記基部に枢着されている請求項1に記載の潤滑剤塗布方法。
【請求項3】
面の内側に外側方向に凹んだ凹部をもつ有底部材の内外面に水性潤滑剤を塗布するために用いる治具であって、
開口部が略水平方向に向くように前記有底部材を保持する保持部材と、
該水性潤滑剤を溶解した水性潤滑剤溶液内に、該有底部材を保持して沈めた状態で、上下方向に移動させることで、該保持部材を上下方向に揺動可能に支承する基部とを有することを特徴とする潤滑剤塗布用治具。
【請求項4】
前記有底部材は底面に内外を連通する穴をもち、
前記保持部材は一端部で該穴に掛着し、他端部で前記基部に枢着されている請求項3に記載の潤滑剤塗布用治具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−7088(P2006−7088A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−187552(P2004−187552)
【出願日】平成16年6月25日(2004.6.25)
【出願人】(000000011)アイシン精機株式会社 (5,421)
【Fターム(参考)】