説明

潤滑剤成形物、潤滑剤塗布装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置

【課題】製造方法に関係なく割れや欠けの少ない潤滑剤成形物を低コストで提供する。
【解決手段】炭素数の異なる少なくとも2種の高級脂肪酸金属塩で構成されている潤滑剤成形物3aとする。そして、前記高級脂肪酸金属塩には、好ましくは、シリカ、アルミナ、二流化タングステン、二流化モリブデン、フッ化グラファイト、黒鉛、ちっ化ホウ素、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)及びポリフッ化ビニリデン(PVDF)から選ばれる少なくとも1種の充填剤が含有されている。また、前記高級脂肪酸金属塩は、好ましくは、金属塩の異なる少なくとも2種の高級脂肪酸金属塩で構成されている。また、前記高級脂肪酸金属塩には、樹脂発泡体細片が混入されているか、又は、樹脂発泡体ブロックが混入されていてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真用の感光層の表面に塗布する潤滑剤成形物、その潤滑剤成形物を電子写真用の感光層の表面に塗布する潤滑剤塗布装置、その潤滑剤塗布装置を備えたプロセスカートリッジ、及び、その潤滑剤塗布装置を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機等で使用される電子写真装置のクリーニング性を向上させるために、像担持体や中間転写ベルトに高級脂肪酸金属塩(金属石鹸)を潤滑剤又はクリーニング補助剤として塗布する技術が提案されている。かかる高級脂肪酸金属塩は、主として、アルカリ土類金属の高級脂肪酸金属塩を指す。高級脂肪酸金属塩は、高級脂肪酸部分に基づく無極性の部分と、金属部に基づく極性の部分とを合わせた構造を有しているところ、極性の部分同士が静電気力により集合し、それに伴って、無極性の基同士がこすられるので、高い潤滑性を有するものとなる。
【0003】
このような高級脂肪酸金属塩を像担持体や中間転写ベルトに塗布すると、像担持体や中間転写ベルトに対する現像剤の付着力が低減し、また、高級脂肪酸金属塩が核として像担持体や中間転写ベルトの表面に凝集するので、像担持体や中間転写ベルトのクリーニング性が向上する。また、像担持体の磨耗量が少なくなるので、像担持体の寿命が長くなる。
【0004】
高級脂肪酸金属塩の塗布方式としては、高級脂肪酸金属塩で形成されたブロック状の潤滑剤成形物をブラシ等で削り取り、微粒子化して塗布する方式がとられている。このような塗布方式は、省スペース、定量均一塗布、及び、塗布量の制御の観点から有利である。
【0005】
図4は、従来の潤滑剤塗布装置の概略説明図である。図4において、101は潤滑剤成形物であり、102は板状支持体であり、そして、103はブラシローラである。潤滑剤成形物101は、縦横比の大きい直方体ブロック形状となっている。このような潤滑剤成形物101を板状支持体102上に固定し、その表面を回転駆動するブラシローラ103で削り取って、ブラシローラ103に付着した微粉末化した高級脂肪酸金属塩をブラシローラ103と接触する位置に配した像担持体(図3における1を参照。)や中間転写ベルト(図3における6bを参照。)上に搬送して均一に塗布する。構成によってはブラシローラ103を設置せずに、潤滑剤成形物101を直接像担持体や中間転写ベルトに接触させることもある。
【0006】
図5は、従来の潤滑剤成形物を成形する成形型であって、(a)は、その平面図であり、(b)は、(a)におけるB−B断面図であり、そして、(c)は、(a)におけるC−C断面図である。従来の潤滑剤成形物を成形する成形型は、割型構造を有している。一方の割型(以下、「中型」という。)104は平板状になっていて、他方の割型(以下、「上型」という。)105には成形品に対応した棒状のキャビティ107が任意数設けられている。同様に、他方の割型(以下、「下型」という。)106にも、潤滑剤成形物に対応した棒状のキャビティ107が任意数設けられている。そして、キャビティ107の長さは、所望の潤滑剤成形物の長さより長くしてある。
【0007】
このような成形型を使用する時には、任意の手段で上型105、中型104、下型106を締結して予熱した後、キャビティ107内に加熱溶融させた高級脂肪酸金属塩を注入し、自然冷却して、高級脂肪酸金属塩を固化させる。潤滑剤成形物101を形成する高級脂肪酸金属塩としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸アルミニウム、ラウリン酸亜鉛、ラウリン酸カルシウム等の化合物があげられる。潤滑剤成形物101は、微粒子状態の高級脂肪酸金属塩を加熱溶融した後、所望のキャビティ形状を有する成形型に注型し、この溶融した高級脂肪酸金属塩を冷却固化することによって得ている。
【0008】
しかしながら、高級脂肪酸金属塩は、冷却固化時の収縮が大きいので、特に、これをアスペクト比の大きい棒状の潤滑剤成形物とすると、冷却固化時に割れや欠けが生じやすいという問題があった。
【0009】
そこで、成形型内において、溶融状態にある高級脂肪酸金属塩を下部から上部へと順次冷却固化させて割れや欠けを防止する技術(特許文献1を参照。)が提案された。この技術によれば、棒状の潤滑剤成形物の大量生産への道が開かれたが、冷却固化時の急激な収縮を避けるために長い時間をかけて冷却処理を施さなければならないので、生産量を増やすためには、金型の数を増やさなければならず、そのために、初期投資コストが増加するという問題があった。
【0010】
また、金型に適切なスペースを設置して収縮によるひずみを緩和することにより成形時の割れや欠けを減少させる技術(特許文献1を参照。)が提案された。しかしながら、この技術においても、冷却温度を注意深く監視しなくてはならないといった問題があった。
【特許文献1】特開平7−26278号公報
【特許文献2】特開平10−279998号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、かかる問題を解決することを目的としている。
【0012】
即ち、本発明は、製造方法に関係なく割れ欠けの少ない潤滑剤成形物を低コストで提供することを第1の目的とし、その潤滑剤成形物を電子写真用の像担持体の表面に塗布する潤滑剤塗布装置を低コストで提供することを第2の目的とし、その潤滑剤塗布装置を備えた画像形成装置、及び、その潤滑剤塗布装置を備えたプロセスカートリッジを低コストで提供することを第3の目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
即ち、請求項1に記載された発明は、上記目的を達成するために、炭素数の異なる少なくとも2種の高級脂肪酸金属塩で構成されていることを特徴とする潤滑剤成形物である。
【0014】
即ち、請求項2に記載された発明は、請求項1に記載された発明において、前記高級脂肪酸金属塩が、シリカ、アルミナ、二流化タングステン、二流化モリブデン、フッ化グラファイト、黒鉛、ちっ化ホウ素、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)及びポリフッ化ビニリデン(PVDF)から選ばれる少なくとも1種の充填剤を含有していることを特徴とするものである。
【0015】
請求項3に記載された発明は、請求項1又は2に記載された発明において、前記高級脂肪酸金属塩が、金属塩の異なる少なくとも2種の高級脂肪酸金属塩で構成されていることを特徴とするものである。
【0016】
請求項4に記載された発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載された発明において、前記高級脂肪酸金属塩に、樹脂発泡体細片が混入されていることを特徴とするものである。
【0017】
請求項5に記載された発明は、請求項4に記載された発明において、前記樹脂発泡体細片が、1〜10重量%の割合で潤滑剤成形物に混入されていることを特徴とするものである。
【0018】
請求項6に記載された発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載された発明において、前記高級脂肪酸金属が、樹脂発泡体ブロックに含浸されていることを特徴とするものである。
【0019】
請求項7に記載された発明は、請求項6に記載された発明において、前記樹脂発泡体ブロックが、シート状樹脂発泡体ブロック、円筒状樹脂発泡体ブロック、及び、階段状の樹脂発泡体ブロックから選ばれる1種の樹脂発泡体ブロックであることを特徴とするものである。
【0020】
請求項8に記載された発明は、請求項4〜7のいずれか1項に記載された発明において、前記樹脂発泡体が、連続気泡構造を有していることを特徴とするものである。
【0021】
請求項9に記載された発明は、請求項8に記載された発明において、前記樹脂発泡体のセル径が、10μm〜500μmであることを特徴とするものである。
【0022】
請求項10に記載された発明は、潤滑剤成形物と、該潤滑剤成形物及び像担持体の双方に接触して該潤滑剤成形物を削り取りながら像担持体の感光層の表面に潤滑剤を供給して潤滑剤被膜を形成するようにしたブラシローラと、を備えた潤滑剤塗布装置において、前記潤滑剤成形物が、請求項1〜9のいずれか1項に記載の潤滑剤成形物であることを特徴とする潤滑剤塗布装置である。
【0023】
請求項11に記載された発明は、像担持体と、前記電子写真感光体を回転自在に保持するカートリッジケースと、前記カートリッジケースに保持された請求項10に記載の潤滑剤塗布装置と、を有することを特徴とするプロセスカートリッジである。
【0024】
請求項12に記載された発明は、請求項11に記載された発明において、前記プロセスカートリッジが、クリーニング手段を備えていると共に、該クリーニング手段よりも像担持体の移動方向上流側に前記潤滑剤塗布装置を備えていることを特徴とするものである。
【0025】
請求項13に記載された発明は、請求項12に記載された発明において、前記クリーニング手段が、クリーニングブレードを有していることを特徴とするものである。
【0026】
請求項14に記載された発明は、請求項11〜13のいずれか1項に記載のプロセスカートリッジと、像担持体の感光層の表面を均一に帯電させる帯電手段と、該感光層の表面に露光して静電潜像を形成する露光手段と、該感光層の表面の静電潜像にトナーを供給して可視像化する現像手段と、該感光層の表面のトナー像を転写媒体に転写する転写手段と、転写後の像担持体の感光層の表面をクリーニングするクリーニング手段とを少なくとも備えていることを特徴とする画像形成装置である。
【0027】
請求項15に記載された発明は、請求項14に記載された発明において、請求項9に記載の潤滑剤塗布装置が、転写手段よりも像担持体の移動方向下流側であってクリーニング手段よりも上流側である位置に配設されていることを特徴とするものである。
【0028】
請求項16に記載された発明は、請求項14又は15に記載された発明において、前記クリーニング手段が、クリーニングブレードを有していることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0029】
請求項1に記載された発明によれば、炭素数の異なる少なくとも2種の高級脂肪酸金属塩で構成されているので、それらの結晶化温度の違いに基づいて微結晶化が促進され、そのために、製造方法に関係なくいっそう割れや欠けの少ない潤滑剤成形物を低コストで提供することができる。
【0030】
請求項2に記載された発明によれば、前記高級脂肪酸金属塩が、シリカ、アルミナ、二流化タングステン、二流化モリブデン、フッ化グラファイト、黒鉛、ちっ化ホウ素、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)及びポリフッ化ビニリデン(PVDF)から選ばれる少なくとも1種の充填剤を含有しているので、溶融した高級脂肪酸金属塩が冷却固化時に体積収縮をする際に発生する応力を減少させることができ、そのために、製造方法に関係なく割れや欠けの少ない潤滑剤成形物を低コストで提供することができる。
【0031】
請求項3に記載された発明によれば、前記高級脂肪酸金属塩が、金属塩の異なる少なくとも2種の高級脂肪酸金属塩で構成されているので、それらの結晶化温度の違いに基づいて微結晶化が促進され、そのために、製造方法に関係なくいっそう割れや欠けの少ない潤滑剤成形物を低コストで提供することができる。
【0032】
請求項4,5に記載された発明によれば、前記高級脂肪酸金属塩に、樹脂発泡体細片が混入されているので、該高級脂肪酸金属塩の固化時のひずみを吸収することができるので割れや欠けが少なくなる。
【0033】
請求項6,7に記載された発明によれば、前記高級脂肪酸金属は、樹脂発泡体ブロックに含浸されている。このように、前記高級脂肪酸金属塩が、樹脂発泡体ブロックに含浸されていると、該樹脂発泡体ブロックが溶融した高級脂肪酸金属塩の固化時のひずみを吸収し、そのために、潤滑剤成形物の割れや欠けを少なくなり、しかも、溶融した高級脂肪酸金属塩を樹脂発泡体ブロックに含浸させるだけで、潤滑剤成形物を製造することができる。
【0034】
請求項8,9に記載された発明によれば、前記樹脂発泡体が、連続気泡構造を有しているので、溶融した高級脂肪酸金属塩を樹脂発泡体に含浸させる時間を短くすることができる。
【0035】
請求項10に記載された発明によれば、潤滑剤成形物と、該潤滑剤成形物及び像担持体の双方に接触して該潤滑剤成形物を削り取りながら像担持体の感光層の表面に潤滑剤を供給して潤滑剤被膜を形成するようにしたブラシローラと、を備えた潤滑剤塗布装置において、前記潤滑剤成形物が、請求項1〜9のいずれか1項に記載の潤滑剤成形物であるので、潤滑剤成形物の割れや欠けを少なくすることができ、そのために、潤滑剤塗布装置の寿命を延ばすことができる。
【0036】
請求項11に記載された発明によれば、像担持体と、該像担持体を回転自在に保持するカートリッジケースと、該カートリッジケースに保持された請求項9に記載の潤滑剤塗布装置と、を有するプロセスカートリッジであるので、潤滑剤成形物の割れや欠けを少なくすることができ、そのために、潤滑剤塗布装置の寿命を延ばすことができる。また、それらの部品の交換作業等が容易になるので、部品の交換時間を短縮することができる。
【0037】
請求項12,15に記載された発明によれば、前記プロセスカートリッジが、クリーニング手段を備えていると共に、該クリーニング手段よりも像担持体の移動方向上流側に前記潤滑剤塗布装置を備えているので、転写後の像担持体の感光層の表面に潤滑剤を塗布して潤滑剤塗布膜を形成し、続いて、その潤滑剤塗布膜の表面にクリーニング手段を摺接させて潤滑剤被膜を形成することができ、そのために、均一なクリーニング性と帯電ハザード性が得られ、よって、該感光層の表面のクリーニング性能をさらに長期に亘って維持して、いっそう高画質な画像を得ることができる。
【0038】
請求項13,16に記載された発明によれば、前記クリーニング手段が、クリーニングブレードを有しているので、擦り慣らすための他部品の追加もなく、容易に一定量の潤滑剤が長期にわたり供給可能となる。
【0039】
請求項14に記載された発明によれば、請求項11〜13のいずれか1項に記載のプロセスカートリッジと、像担持体の感光層の表面を均一に帯電させる帯電手段と、該感光層の表面に露光して静電潜像を形成する露光手段と、該感光層の表面の静電潜像にトナーを供給して可視像化する現像手段と、該感光層の表面のトナー像を転写媒体に転写する転写手段と、転写後の感光層の表面をクリーニングするクリーニング手段とを少なくとも備えている画像形成装置であるので、コストをかけずに高画質の画像を長期にわたり得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
図1は、本発明の実施の一実施の形態を示す潤滑剤成形物の斜視図である。図2は、本発明の一実施の形態を示す高級細胞酸金属塩が含浸される樹脂発泡体ブロックの概略説明図であって、(a)は、シート状樹脂発泡体ブロックを示し、(b)は、円筒状樹脂発泡体ブロックを示し、そして、(c)は、階段状樹脂発泡体ブロックを示す。図3は、本発明の一実施の形態を示す画像形成装置の概略説明図である。
【0041】
図1に示されているように、潤滑剤成形物3aは、炭素数の異なる少なくとも2種の高級脂肪酸金属塩で構成されている。このように、炭素数の異なる少なくとも2種の高級脂肪酸金属塩で構成されていると、それらの結晶化温度の違いに基づいて微結晶化が促進され、そのために、製造方法に関係なくいっそう割れや欠けの少ない潤滑剤成形物3aを低コストで提供することができる。
【0042】
前記高級脂肪酸金属塩は、好ましくは、シリカ、アルミナ、二流化タングステン、二流化モリブデン、フッ化グラファイト、黒鉛、ちっ化ホウ素、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)及びポリフッ化ビニリデン(PVDF)から選ばれる少なくとも1種の充填剤を含有している。このように、前記高級脂肪酸金属塩が、シリカ、アルミナ、二流化タングステン、二流化モリブデン、フッ化グラファイト、黒鉛、ちっ化ホウ素、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)及びポリフッ化ビニリデン(PVDF)から選ばれる少なくとも1種の充填剤を含有していると、溶融した高級脂肪酸金属塩が冷却固化時に体積収縮をする際に発生する応力を減少させることができ、そのために、製造方法に関係なく割れや欠けの少ない潤滑剤成形物3aを低コストで提供することができる。
【0043】
前記潤滑剤成形物3aは、好ましくは、図5に示される「従来の潤滑剤成形物を成形する成形型」を用いて製造されるが、本発明の目的に反しないかぎり、これ以外の潤滑剤成形物を成形する成形型を用いてもかまわない。
【0044】
前記高級脂肪酸金属塩は、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸鉄、ステアリン酸ニッケル、ステアリン酸コバルト、ステアリン酸銅、ステアリン酸ストロンチウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、オレイン酸亜鉛、オレイン酸マンガン、オレイン酸鉄、オレイン酸コバルト、オレイン酸マグネシウム、パルチミン酸亜鉛、パルチミン酸マンガン、パルチミン酸鉄、パルチミン酸コバルト、及び、パルチミン酸マグネシウムから選ばれる少なくとも1種ので高級脂肪酸金属塩ある。
【0045】
本発明においては、前記高級脂肪酸金属塩は、好ましくは、炭素数の異なる少なくとも2種の高級脂肪酸金属塩で構成されている。このように、前記高級脂肪酸金属塩が、炭素数の異なる少なくとも2種の高級脂肪酸金属塩で構成されていると、それらの結晶化温度の違いに基づいて微結晶化が促進され、そのために、製造方法に関係なくいっそう割れや欠けの少ない潤滑剤成形物3aを低コストで提供することができる。
【0046】
また、本発明においては、前記高級脂肪酸金属塩に、樹脂発泡体細片が混入されている。このように、前記高級脂肪酸金属塩に、樹脂発泡体細片が混入されていると、該高級脂肪酸金属塩の固化時のひずみを吸収することができるので割れや欠けが少なくなる。前記樹脂発泡体細片は、好ましくは、1〜10重量%の割合で潤滑剤成形物に混入されている。前記樹脂発泡体細片の混入割合が1重量%未満であると高級脂肪酸金属塩の固化時のひずみを吸収する効果が出ず、また、前記樹脂発泡体細片の混入割合が10重量%を超えると良好な潤滑剤としての機能が失われる。
【0047】
また、本発明においては、前記高級脂肪酸金属塩は、樹脂発泡体ブロックに含浸されている。このように、前記高級脂肪酸金属が、樹脂発泡体ブロックに含浸されていると、該樹脂発泡体ブロックが溶融した高級脂肪酸金属塩の固化時のひずみを吸収し、そのために、潤滑剤成形物の割れや欠けが少なくなり、しかも、溶融した高級脂肪酸金属塩を樹脂発泡体ブロックに含浸させるだけで、潤滑剤成形物を製造することができる。前記樹脂発泡体ブロックは、好ましくは、シート状樹脂発泡体ブロック、円筒状樹脂発泡体ブロック、及び、階段状の樹脂発泡体ブロックから選ばれる1種の樹脂発泡体ブロックであるが、本発明の目的に反しない限り、それらの形状以外の樹脂発泡体であってもかまわない。
【0048】
前記樹脂発泡体は、好ましくは、連続気泡構造を有している。このように、前記樹脂発泡体が、連続気泡構造を有していると、溶融した高級脂肪酸金属塩を樹脂発泡体に含浸させる時間を短くすることができる。そして、前記樹脂発泡体のセル径は、好ましくは、10μm〜500μmである。このように、前記樹脂発泡体のセル径が10μm〜500μmであると、収率を90%以上に維持することができる。
【0049】
図3に示されているように、本発明の潤滑剤塗布装置3は、潤滑剤成形物3aと、該潤滑剤成形物3a及び像担持体1の双方に接触して該潤滑剤成形物3aを削り取りながら像担持体1の感光層の表面に潤滑剤を供給して潤滑剤被膜を形成するようにしたブラシローラ3cと、を備えており、そして、その潤滑剤成形物3aは、請求項1〜9のいずれか1項に記載の潤滑剤成形物である。図3において、3bは、圧縮部材である。このように、潤滑剤成形物3aと、該潤滑剤成形物3a及び像担持体1の双方に接触して該潤滑剤成形物3aを削り取りながら像担持体1の感光層の表面に潤滑剤を供給して潤滑剤被膜を形成するようにしたブラシローラ3cと、を備えた潤滑剤塗布装置3において、前記潤滑剤成形物3aが、請求項1〜9のいずれか1項に記載の潤滑剤成形物であると、潤滑剤成形物3aの割れや欠けを少なくすることができ、そのために、潤滑剤塗布装置3の寿命を延ばすことができる。
【0050】
前記潤滑剤成形物3aの塗布量は、ブラシローラ3cによって制御されると共に、像担持体1の移動方向下流側に配置するクリーニング手段2により均一に擦り慣らされて、一定量の潤滑剤が長期にわたり供給可能となる。特に、クリーニング手段2としては、潤滑剤を均一に擦り慣らす事が構造上、容易なクリーニングブレード2aを用いることが有効である。また、ブラシローラ3cの像担持体1との回転方向については、像担持体1との当接位置で像担持体1の回転と順方向に回転することがよい。ブラシローラ3cから剥がれる微粉体の潤滑剤は、像担持体1とブラシローラ3cとの接触が順方向接触であるから、潤滑剤が像担持体1の回転方向の下流側に飛ばされ、カウンター方向接触に比べ、潤滑剤の塗布効率が格段に上がり、固形の潤滑剤として、長寿命による小型化が図れる。
【0051】
図3に示されているように、本発明のプロセスカートリッジ8は、像担持体1と、該像担持体を回転自在に保持するカートリッジケース7と、該カートリッジケース7に保持された請求項10に記載の潤滑剤塗布装置3と、を有している。このように、像担持体1と、該像担持体1を回転自在に保持するカートリッジケース7と、該カートリッジケース7に保持された請求項10に記載の潤滑剤塗布装置3と、を有していると、潤滑剤成形物3aの割れや欠けを少なくすることができ、そのために、潤滑剤塗布装置3の寿命を延ばすことができる。また、それらの部品の交換作業等が容易になるので、部品の交換時間を短縮することができる。
【0052】
本発明のプロセスカートリッジ8は、前記クリーニング手段2を備えていると共に、該クリーニング手段2よりも像担持体1の移動方向上流側に前記潤滑剤塗布装置3を備えている。このように、プロセスカートリッジ8が、クリーニング手段2を備えていると共に、該クリーニング手段2よりも像担持体1の移動方向上流側に前記潤滑剤塗布装置3を備えていると、転写後の像担持体1の感光層の表面に潤滑剤を塗布して潤滑剤塗布膜を形成し、続いて、その潤滑剤塗布膜の表面にクリーニング手段2を摺接させて潤滑剤被膜を形成することができ、そのために、均一なクリーニング性と帯電ハザード性が得られ、よって、該感光層の表面のクリーニング性能をさらに長期に亘って維持して、いっそう高画質な画像を得ることができる。
【0053】
本発明のプロセスカートリッジ8においては、前記クリーニング手段2は、好ましくは、クリーニングブレード2aを有している。図2において、2bは、トナー回収コイルである。このように、前記クリーニング手段2がクリーニングブレード2aを有していると、擦り慣らすための他部品の追加もなく、容易に一定量の潤滑剤が長期にわたり供給可能となる。
【0054】
クリーニングブレード2aは、ウレタンエラストマー、シリコーンエラストマー、フッ素エラストマー等の弾性体を板状に形成してなり、そのエッジが像担持体の感光層の表面に当接するように設けられ、転写後に残留する像担持体上のトナーや紙粉を除去する。特に、耐磨耗性、高機械強度等の点からウレタンエラストマーが優れている。また、クリーニングブレード2aは、図示しないが、金属、プラスチック、セラミック等からなる支持部材に貼着されて支持され、像担持体1に対し所定の角度で設置される。また、クリーニングブレード2aは、スプリングによる加圧やクリーニング手段2のケースに固定されることによって所定の当接圧、喰い込み量で該感光層の表面に当接している。
【0055】
図3に示されているように、本発明の画像形成装置10は、請求項11〜13のいずれか1項に記載のプロセスカートリッジ8と、像担持体1の感光層の表面を均一に帯電させる帯電手段(帯電装置)4と、該感光層の表面に露光して静電潜像を形成する露光手段(図示せず)と、該感光層の表面の静電潜像にトナーを供給して可視像化する現像手段(現像装置)5と、該感光層の表面のトナー像を転写媒体(図示せず)に転写する転写手段(転写装置)6と、転写後の感光層の表面をクリーニングするクリーニング手段(クリーニング装置)2とを少なくとも備えている。本発明の画像形成装置10においては、前記帯電手段(帯電装置)4は、好ましくは、帯電ローラ4aと帯電清掃ローラ4bとで構成されており、前記現像手段(現像装置)5は、好ましくは、現像スリーブ5aとスクリュー5cとドクターブレード5bで構成されており、そして、転写手段(転写装置)6は、好ましくは、転写ローラ6aと中間転写ベルト6bとで構成されている。
【0056】
このように、請求項10〜12のいずれか1項に記載のプロセスカートリッジ8と、像担持体1の感光層の表面を均一に帯電させる帯電手段(帯電装置)4と、該感光層の表面に露光して静電潜像を形成する露光手段(図示せず)と、該感光層の表面の静電潜像にトナーを供給して可視像化する現像手段(現像装置)5と、該感光層の表面のトナー像を転写媒体(図示せず)に転写する転写手段(転写装置)6と、転写後の感光層の表面をクリーニングするクリーニング手段(クリーニング装置)2とを少なくとも備えていると、コストをかけずに高画質の画像を長期にわたり得ることができる。
【0057】
(実施例1)
厚手のアルミニウム板の片面に巾8mm、深さ7mm、長さ380mmの中型104をはさんで9本ずつ計18本が刻まれた図5に示される金型105、106と中型104とを、溝面が中型104の平面に当るように、組み合わせて締め付け、合計18本のブロックが成形できるような金型の組み合わせとしてセットした。そして、ステアリン酸亜鉛99.9重量%とシリカ(添加剤)0.1重量%とを135℃まで加熱して得た混合溶解液をヒーターで150℃に加熱した金型に注ぎ込んだ後、この金型に140℃に加熱した断熱蓋板で蓋をした。金型を150℃で10分間保った後、空冷放置して105℃まで冷却し、続いて、金型を105℃で15分間保った後、空冷放置して50℃まで冷却し、続いて、金型を50℃で15分間保った後、空冷放置して金型全体が40℃以下になるまで冷却したところで、金型を開いてステアリン酸亜鉛で構成される潤滑剤成形物を得た。同様の操作を繰り返し20回行って潤滑剤成形物を得た。
【0058】
このようにして得た潤滑剤成形物の割れや欠けを目視にて検査し、そして、内部の気泡を透過光にて検査したところ、潤滑剤成形物の収率は、95%であった。また、キャビティ7の形状を変えた条件での潤滑剤成形物の収率は、次の表1に示したとおり、試した形状の全てにおいて収率の上昇が見込めた。なお、表1において、収率(%)は、形状寸法を変えたときの各種サンプルの収率である。また、表1中のa,b,lは、図1に示す潤滑剤成形物の寸法である。
【0059】
【表1】

【0060】
(実施例2)
厚手のアルミニウム板の片面に巾8mm、深さ8mm、長さ390mmの中型104をはさんで9本ずつ計18本が刻まれた図5に示される金型105、106と中型104とを、溝面が中型104の平面に当るように組み合わせて締め付け、合計18本のブロックが成形できるような金型の組み合わせとしてセットした。そして、ステアリン酸亜鉛63重量%、パルミチン酸亜鉛30重量%、ミリスチン酸亜鉛3重量%、オレイン酸亜鉛2重量%、リノール酸亜鉛1重量%、及び、アラキジン酸亜鉛1重量%を135℃まで加熱して得た混合溶解液をヒーターで150℃に加熱した金型に注ぎ込んだ後、この金型に140℃に加熱した断熱蓋板で蓋をした。次に、金型を160℃で10分間保った後、空冷放置して105℃まで冷却し、続いて、金型を105℃で15分間保った後、空冷放置して50℃まで冷却し、続いて、金型を50℃で15分間保った後、空冷放置して金型全体が40℃以下になるまで冷却したところで、金型を開いてステアリン酸亜鉛で構成される潤滑剤成形物を得た。同様の操作を繰り返し20回行って潤滑剤成形物を得た。
【0061】
このようにして得た潤滑剤成形物の割れや欠けを目視にて検査し、そして、内部の気泡を透過光にて検査したところ、潤滑剤成形物の収率は、95%であった。同様に、次の表2に示すような長鎖の種類が異なる各種高級脂肪酸金属塩を添加して潤滑剤成形物を成形したところ、ステアリン酸亜鉛のみの場合に比べて収率を上げることができた。
【0062】
【表2】

【0063】
(実施例3)
厚手のアルミニウム板の片面に巾11.5mm、深さ16mm、長さ400mmの中型104をはさんで9本ずつ計18本が刻まれた図5に示される金型105、106と中型104とを、溝面が中型104の平面に当るように組み合わせて締め付け、合計18本のブロックが成形できるような金型の組み合わせとしてセットした。そして、ステアリン酸亜鉛99.5重量%とステアリン酸マグネシウム0.5重量%とを140℃まで加熱して得た混合溶解液をヒーターで130〜200℃に加熱した金型に注ぎ込んだ後、この金型に140℃に加熱した断熱蓋板で蓋をした。次に、金型を150℃で10分間保った後、空冷放置して金型全体が40℃以下になるまで冷却したところで、金型を開いてステアリン酸亜鉛で構成される潤滑剤成形物を得た。同様の操作を繰り返し20回行って潤滑剤成形物を得た。
【0064】
このようにして得た潤滑剤成形物の割れや欠けを目視にて検査し、そして、内部の気泡を透過光にて検査したところ、潤滑剤成形物の収率は、98%であった。同様に、他の金属元素として、カルシウム、アルミニウム、鉛、コバルト、ニッケル、鉄、銅、錫、リチウム、ナトリウムを有する各種高級脂肪酸金属塩を添加した潤滑剤成形物を成形をしたところ、それらの潤滑剤成形物の収率は、次の表3に示すとおりであり、ステアリン酸亜鉛のみと比べて収率の向上が見られた。
【0065】
【表3】

【0066】
(実施例4)
厚手のアルミニウム板の片面に巾11.5mm、深さ16mm、長さ400mmの中型104をはさんで9本ずつ計18本が刻まれた図5に示される金型105、106と中型104とを、溝面が中型104の平面に当るように組み合わせて締め付け、合計18本のブロックが成形できるような金型の組み合わせとしてセットした。そして、ステアリン酸亜鉛を140℃まで加熱して得た溶解液に樹脂発泡体細片を混入させた。このような樹脂発泡体細片には、SM55(イノアック社製)、BASOTECT(BASF社製)、エバーライト(ブリヂストン社製)等があるが、次の表4
【表4】

に示すように発泡(単泡、連泡)、セル径の大きさにより、充填完了時間、収率に影響があるものの、メーカー差は無いので、いずれを用いても良いが、本実施例では、平均セル径が50μm(連泡セル)のBASOTECTを使用した。なお、表4における横棒は、完全な潤滑剤成形物が得られなかったことを示す。この樹脂発泡体片とステアリン酸亜鉛溶液との混合溶解液をヒーターにより130〜200℃に加熱した金型へ注ぎ込み、この金型に140℃に加熱した断熱蓋板で蓋をした。次に、金型を150℃で10分間保った後、空冷放置して金型全体が40℃以下になるまで冷却したところで、金型を開いてステアリン酸亜鉛の潤滑剤成形物を得た。同様の操作を繰り返し20回行って潤滑剤成形物を得た。
【0067】
このようにして得た潤滑剤成形物の割れや欠けを目視にて検査し、そして、内部の気泡を透過光にて検査したところ、潤滑剤成形物の収率は、97%であった。
【0068】
(実施例5)
厚手のアルミニウム板の片面に巾11.5mm、深さ16mm、長さ400mmの中型104をはさんで9本ずつ計18本が刻まれた図5に示される金型105、106と中型104とを、溝面が中型104の平面に当るように組み合わせて締め付け、合計18本のブロックが成形できるような金型の組み合わせとしてセットした。そして、ステアリン酸亜鉛を140℃まで加熱して得た溶解液に樹脂発泡体細片(へエバーライト、ブリヂストン社製)を混入させた。同様の操作を繰り返し20回行ったところ、次の表5
【表5】

に示すように樹脂発泡体細片1〜10(重量%)を混入をした際に、樹脂発泡体細片を何も加えていないものよりも収率が上がった。
【0069】
(実施例6)
140℃まで加熱した加熱釜の中へステアリン酸亜鉛10.0kgを投入し、これを攪拌して溶融させた。この溶融したステアリン酸亜鉛がなみなみとある加熱釜へ、25×25×400mmの形状に切り出した連泡セルの樹脂発泡体ブロック(BASOTECT、BASF社製)を沈めて1分間静置した後引き上げた。同様の操作を同一形状スポンジ100本について行い、潤滑剤成形物の割れや欠けを目視にて検査し、そして、内部の気泡を透過光にて検査したところ、潤滑剤成形物の収率は、90%であった。また、同様の操作を図2に示すような250×160×7mmのシート形状の樹脂発泡体ブロック、直径25、長さ400mmの円筒形の樹脂発泡体ブロック、及び、階段形状の樹脂発泡体ブロックを用いて行った。このようにして得た潤滑剤成形物の割れや欠けを目視にて検査し、そして、内部の気泡を透過光にて検査したところ、潤滑剤成形物の収率は、70〜98%であった。そして、それらの潤滑剤成形体の形状は、もとの寸法から0.5%以内と良好であった。
【0070】
以上、実施例1〜6で得た潤滑剤成形物及び比較例1(通常品)で得た潤滑剤成形物を搭載した画像形成装置を実際に使用し、1K枚毎に像担持体、帯電ローラ、クリーニングブレード、帯電ローラクリーナー、高級脂肪酸金属塩成形体、及び、塗布ブラシからなるプロセスコントローラユニット(PCU)と実機での評価を行った。PCUの評価は、像担持体上に発生したフィルミング状態を観察して行った。そして、像担持体の表面に感光体の15%にフィルミングが発生した場合に寿命とた。また、画像不良発生枚数は、画像にクリーニング不良によるスジが発生したときのランニング枚数を指標とした。評価結果は、次の表6
【表6】

に示される。表6より、実施例1〜6で得た潤滑剤成形物は、比較例1で得た潤滑剤成形物(通常品)よりも使用可能な状況が長く続くことがわかる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の実施の一実施の形態を示す潤滑剤成形物の斜視図である。
【図2】本発明の一実施の形態を示す高級細胞酸金属塩が含浸される樹脂発泡体ブロックの概略説明図であって、(a)は、シート状樹脂発泡体ブロックを示し、(b)は、円筒状樹脂発泡体ブロックを示し、そして、(c)階段状樹脂発泡体ブロックを示す。
【図3】本発明の一実施の一実施の形態を示す画像形成装置の概略説明図である。
【図4】従来の潤滑剤塗布装置の概略説明図である。
【図5】従来の潤滑剤成形物を成形する成形型であって、(a)は、その平面図であり、(b)は、(a)におけるB−B断面図であり、そして、(c)は、(a)におけるC−C断面図である。
【符号の説明】
【0072】
1 像担持体
2 クリーニング手段(クリーニング装置)
2a クリーニングブレード
2b トナー回収コイル
3 潤滑剤塗布装置
3a 潤滑剤成形物
3b 圧縮部材
3c ブラシローラ
4 帯電手段(帯電装置)
4a 帯電ローラ
4b 帯電清掃ローラ
5 現像手段(現像装置)
5a 現像スリ−ブ
5b ドクターブレード
5c スクリュー
6 転写手段(転写装置)
6a 転写ローラ
6b 中間転写ベルト
10 画像形成装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭素数の異なる少なくとも2種の高級脂肪酸金属塩で構成されていることを特徴とする潤滑剤成形物。
【請求項2】
前記高級脂肪酸金属塩が、シリカ、アルミナ、二流化タングステン、二流化モリブデン、フッ化グラファイト、黒鉛、ちっ化ホウ素、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)及びポリフッ化ビニリデン(PVDF)から選ばれる少なくとも1種の充填剤を含有していることを特徴とする請求項1に記載の潤滑剤成形物。
【請求項3】
前記高級脂肪酸金属塩が、金属塩の異なる少なくとも2種の高級脂肪酸金属塩で構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の潤滑剤成形物。
【請求項4】
前記高級脂肪酸金属塩に、樹脂発泡体細片が混入されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の潤滑剤成形物。
【請求項5】
前記樹脂発泡体細片が、1〜10重量%の割合で潤滑剤成形物に混入されていることを特徴とする請求項4に記載の潤滑剤成形物。
【請求項6】
前記高級脂肪酸金属が、樹脂発泡体ブロックに含浸されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の潤滑剤成形物。
【請求項7】
前記樹脂発泡体ブロックが、シート状樹脂発泡体ブロック、円筒状樹脂発泡体ブロック、及び、階段状の樹脂発泡体ブロックから選ばれる1種の樹脂発泡体ブロックであることを特徴とする請求項6に記載の潤滑剤成形物。
【請求項8】
前記樹脂発泡体が、連続気泡構造を有していることを特徴とする請求項4〜7のいずれか1項に記載の潤滑剤成形物。
【請求項9】
前記樹脂発泡体のセル径が、10μm〜500μmであることを特徴とする請求項8に記載の潤滑剤成形物。
【請求項10】
潤滑剤成形物と、該潤滑剤成形物及び像担持体の双方に接触して該潤滑剤成形物を削り取りながら像担持体の感光層の表面に潤滑剤を供給して潤滑剤被膜を形成するようにしたブラシローラと、を備えた潤滑剤塗布装置において、前記潤滑剤成形物が、請求項1〜9のいずれか1項に記載の潤滑剤成形物であることを特徴とする潤滑剤塗布装置。
【請求項11】
像担持体と、該像担持体を回転自在に保持するカートリッジケースと、該カートリッジケースに保持された請求項10に記載の潤滑剤塗布装置と、を有することを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項12】
前記プロセスカートリッジが、クリーニング手段を備えていると共に、該クリーニング手段よりも像担持体の移動方向上流側に前記潤滑剤塗布装置を備えていることを特徴とする請求項11に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項13】
前記クリーニング手段が、クリーニングブレードを有していることを特徴とする請求項12に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項14】
請求項11〜13のいずれか1項に記載のプロセスカートリッジと、像担持体の感光層の表面を均一に帯電させる帯電手段と、該感光層の表面に露光して静電潜像を形成する露光手段と、該感光層の表面の静電潜像にトナーを供給して可視像化する現像手段と、該感光層の表面のトナー像を転写媒体に転写する転写手段と、転写後の像担持体の感光層の表面をクリーニングするクリーニング手段とを少なくとも備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項15】
請求項10に記載の潤滑剤塗布装置が、転写手段よりも像担持体の移動方向下流側であってクリーニング手段よりも上流側である位置に配設されていることを特徴とする請求項14に記載の画像形成装置。
【請求項16】
前記クリーニング手段が、クリーニングブレードを有していることを特徴とする請求項14又は15に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−145993(P2007−145993A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−342401(P2005−342401)
【出願日】平成17年11月28日(2005.11.28)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】