説明

潤滑油添加剤濃縮物

【課題】過塩基化清浄剤及び高レベルの有機摩擦改良剤を含み、その中において成分が相互作用して堆積物を形成しない添加剤濃縮物を提供すること。
【解決手段】潤滑粘性オイル、塩基性金属複合体、ポリアルケニルアシル化剤、及び少なくとも1つのヒドロキシル又はアミノ基を含む界面活性剤を含む潤滑油添加剤濃縮物であって、該塩基性金属複合体が、該濃縮物への導入前に該ポリアルケニルアシル化剤と予備混合されている濃縮物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、潤滑油組成物の配合に有用な潤滑油添加剤濃縮物に関する。より具体的には、本発明は、少なくとも塩基性金属複合体及び少なくとも1つのヒドロキシル又はアミノ基を有する界面活性剤を含む潤滑油添加剤濃縮物に関する。
【背景技術】
【0002】
クランクケースエンジンオイル中において有用な潤滑油組成物は、多量のベースストックオイル及び少量の、性能の改善し及び潤滑剤の耐用年数を高める添加剤を含む。クランクケース潤滑油組成物は、通常、清浄剤及び酸中和剤として作用する塩基性金属複合体、燃料経済を改善するのに有効な有機摩擦改良剤として機能する、少なくとも1つのヒドロキシル又はアミノ基を含む界面活性剤、及び場合により、添加剤間の望ましくない相互作用を改善する相溶化剤(compatibilizer)及び/又は乳化剤として作用し得るポリアルケニルアシル化剤を含む。改善された燃料経済についての上昇された要求、及び潤滑剤中に含まれる金属(灰)の量の低減についての更なる要求の面で、配合物は、更に上昇量(ever-increasing amount)の有機摩擦改良剤を使用する。
潤滑油添加剤は、通常、潤滑剤配合物に対して、10〜80質量%、例えば20〜80質量%の活性成分(AI)濃縮物の形態で提供され、それは、次いで、多量の潤滑粘性オイル中に溶解されて、十分に配合された潤滑剤が提供される。濃縮物は、通常、添加剤濃縮物の質量部あたりで、潤滑粘性オイルの3〜100質量部、例えば5〜40質量部に希釈される。上述したように、ある潤滑油添加剤は、濃縮物中において他のものと相互作用することが知られている。あるそのような知られる相互作用は、有機摩擦改良剤と過塩基化金属清浄剤との間に生じる。具体的には、有機摩擦改良剤は、金属清浄剤の複合体に悪影響を及ぼし、貯蔵の際に濃縮物中に堆積物の形成を引き起こすことが知られている。ポリアルケニルアシル化剤の存在は、この望ましくない相互作用を規制(regulate)することが知られている。しかしながら、有機摩擦改良剤の量をこれに必要なレベルまで上昇させると、ポリアルケニルアシル化剤の効果が不十分なものとなる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
潤滑油の品質規格は、より厳しくなってきているので、必要とされる有機摩擦の量が上昇し、添加剤濃縮物中における更に少量の堆積物の存在が潤滑剤配合物に望ましくないものとなってきている。従って、過塩基化清浄剤及び高レベルの有機摩擦改良剤を含み、その中において成分が相互作用して堆積物を形成しない添加剤濃縮物を提供することができることが有利であろう。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、少なくとも1つの塩基性金属複合体及び少なくとも1つのヒドロキシル又はアミノ基を有する少なくとも1つの界面活性剤の混合物を含み、その中において、塩基性金属複合体が、界面活性剤と混合される前にポリアルケニルアシル化剤と予備混合されている潤滑剤添加剤濃縮物に関する。
本発明の他の及び更なる目的、利点及び特徴は、以下の記載を参照することにより理解されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
これ以降、有機摩擦改良剤としても称される、本発明のプラクティスにおいて有用な界面活性剤は、ヒドロキシル及びアミン基より選択される少なくとも1つの極性基を含む油溶性化合物を含み、その化合物は、水力学的及び混合水力学的/境界線層条件下で摩擦を低減することが可能である。そのような材料の例としては、高級脂肪酸のグリセロールエステル、例えばグリセロールモノ−オレエート;長鎖ポリカルボン酸とジオールとのエステル、例えば二量体化不飽和脂肪酸のブタンジオールエステル;オキサゾリン化合物;及びアルコキシルかアルキル−置換モノ−アミン、ジアミン及びアルキルエーテルアミン、例えばエトキシル化獣脂アミン及びエトキシル化獣脂エーテルアミンが挙げられる。特に好ましい界面活性剤としては、グリセロールオレエート、特にはグリセロールモノオレエート、及びエトキシル化アミン、特にはエトキシル化獣脂アミンが挙げられる。悪影響は、上昇レベルの海面活性剤が濃縮物中に存在する際により深刻であるので、好ましい実施態様においては、本発明の濃縮物は、添加剤濃縮物の全質量を基準として、少なくとも3質量%、好ましくは少なくとも5質量%の界面活性剤を含む。代替用語においては、希釈後に少なくとも0.5質量%の界面活性剤を配合物潤滑剤に提供するのに十分な量で界面活性剤を含む濃縮物が好ましい。
【0006】
本発明において有用な塩基性金属複合体は、堆積物を低減又は除去するための清浄剤として及び酸中和剤又は錆抑制剤としての双方として機能し、それにより、摩耗及び腐食が低減され及びエンジン寿命が長くなる。清浄剤は、一般には、極性ヘッドと長い疎水性尾を含む。極性ヘッドは、酸性有機化合物の金属塩を含む。その塩は、実質的に化学量論量の金属を含んでいてもよく、その中において、それらは、通常、正塩又は中性塩として記載され、また、典型的には、(ASTM D2896により測定され得る)全塩基価(TBN)が0〜80であろう。多量の金属塩基は、過剰の金属化合物(例えば酸化物又は水酸化物)を酸性ガス(例えば二酸化炭素)と反応させることにより含ませることができる。得られる過塩基化清浄剤は、金属塩基(例えばカーボネート)ミセルの外層として中性化清浄剤を含む。そのような過塩基化清浄剤は、TBNが150又はそれより高くてもよく、及び典型的には、250〜450又はそれより高いものであろう。
使用することができる清浄剤としては、油溶性の中性及び過塩基化スルホネート、フェナート、硫化フェナート、チオホスホネート、サリチレート及びナフテネート、及び、金属、特には、アルカリ又はアルカリ土類金属、例えば、バリウム、ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム及びマグネシウムの、他の油溶性カルボキシレートが挙げられる。最も一般的に使用される金属は、カルシウム及びマグネシウム(その両方とも、潤滑剤中に用いられる清浄剤中に存在していてもよい)、及び、カルシウム及び/又はマグネシウムとナトリウムとの混合物である。特に有利な金属清浄剤は、20〜450のTBNを有する中性及び過塩基化スルホン酸カルシウム、50〜450のTBNを有する中性及び過塩基化石炭酸カルシウム及び硫化石炭酸カルシウム、及び20〜450のTBNを有する中性及び過塩基化サリチル酸マグネシウム又はカルシウムである。過塩基化又は中性又はその双方のいずれでも清浄剤の組み合わせを使用することができる。
【0007】
スルホネートは、典型的には、アルキル置換芳香族炭化水素、例えば、石油の分留により又は芳香族炭化水素のアルキル化により得られるもののスルホン化により得られるスルホン酸より製造することができる。例としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、ナフタレン、ジフェニル又はそれらのハロゲン誘導体、例えばクロロベンゼン、クロロトルエン及びクロロナフタレンをアルキル化することにより得られるものが挙げられる。アルキル化は、触媒の存在下で、約3〜70個より多くの炭素原子を有するアルキル化剤を用いて行うことができる。アルカリールスルホネートは、通常、約9〜約80個又はそれより多くの炭素原子、好ましくは約16〜約60個の炭素原子を、アルキル置換芳香族基あたりに含む。
油溶性スルホネート又はアルカリールスルホン酸は、金属のオキシド、ヒドロキシド、アルコキシド、カーボネート、カルボキシレート、スルフィド、ヒドロスルフィド、ニトレート、ボレート及びエーテルで中和することができる。金属化合物の量は、最終生成物の所望のTBNに関連して選択されるが、典型的には、化学量論的に必要とされるものの約100〜220質量%(好ましくは少なくとも125質量%)の範囲である。
フェノール及び硫化フェノールの金属塩は、適切な金属化合物、例えば酸化物又は水酸化物との反応により製造され、及び、中性及び過塩基化生成物は、当該技術分野においてよく知られる方法により得ることができる。硫化フェノールは、フェノールを、硫黄又は硫黄含有化合物、例えば、硫化水素、硫黄モノハライド又は硫黄ジハラライドと反応させて、一般的には、2又はそれより多くのフェノールが硫黄含有ブリッジによりブリッジされている化合物の混合物である生成物を形成することにより製造することができる。
【0008】
カルボキシレート清浄剤、例えばサリチレートは、芳香族カルボン酸を、適切な金属化合物、例えば、酸化物又は水酸化物と反応させることにより製造することができ、及び、中性又は過塩基化生成物は、当該技術分野においてよく知られる方法により得ることができる。芳香族カルボン酸の芳香族基は、ヘテロ原子、例えば窒素及び酸素を含んでいてもよい。好ましくは、その基は、炭素のみを含み;より好ましくは、その基は、6又はそれより多くの炭素原子を含み;例えばベンゼンが好ましい基である。芳香族カルボン酸は、1又はそれより多くの芳香族基、例えば1又はそれより多くのベンゼン環(アルキレンブリッジを介して融合又は結合されている)を含んでいてもよい。カルボキシル基は、芳香族基に直接又は間接的に結合していてもよい。好ましくは、カルボン酸基は、芳香族基上の炭素原子、例えばベンゼン環上の炭素原子に直接結合する。より好ましくは、芳香族基は、また、第2官能基、例えばヒドロキシ基又はスルホネート基を含み、それは、芳香族基上の炭素原子に直接又は間接的に結合していてもよい。
芳香族カルボン酸の好ましい例は、サリチル酸及びそれらの硫化誘導体、例えばヒドロカルビル置換サリチル酸及びそれらの誘導体である。例えばヒドロカルビル−置換サリチル酸を硫化する方法は、当該技術分野における当業者に知られている。サリチル酸は、典型的には、フェノキシドのカルボキシル化により、例えば、コルベ−シュミット法により製造され、そのケースにおいては、一般には、通常希釈剤中において、未カルボキシル化フェノールとの混合物で得られるであろう。
【0009】
油溶性サリチル酸中における好ましい置換基は、アルキル置換基である。アルキル−置換サリチル酸においては、アルキル基は、有利には、5〜100個、好ましくは9〜30個、特には14〜20個の炭素原子を含む。1より多くのアルキル基が存在する場合、全アルキル基中における平均炭素原子数は、好ましくは、適切な油溶性を確実なものとするために少なくとも9である。
潤滑油組成物の形成において一般的に有用な清浄剤は、また、界面活性剤系、例えばフェネート/サリチレート、スルホネート/フェネート、スルホネート/サリチレート及びスルホネート/フェネート/サリチレートを用いて、係属中の米国特許出願第09/180,435及び09/180,436及び米国特許第6,153,565号及び第6,281,179号明細書に記載されるように形成される“ハイブリッド”清浄剤を含む。
潤滑添加剤濃縮物中における界面活性剤との相互作用は、特には、金属複合体の金属がカルシウムである場合に過酷(severe)である。更に、界面活性剤との相互作用は、スルホネート界面活性剤を含む複合体清浄剤及びスルホネート清浄剤を含む濃縮物においてより表明(pronounce)される。従って、好ましい実施態様においては、塩基性金属複合体は、カルシウム過塩基化清浄剤又は過塩基化スルホネート又はスルホネート−含有複合体清浄剤、より好ましくは、過塩基化カルシウムスルホネート又はスルホネート−含有複合体清浄剤である。
【0010】
本発明のプラクティスにおいて有用なポリアルケニルアシル化剤としては、ポリアルケニル置換オレフィンモノ−及びジカルボン酸及び無水物生成材料が挙げられる。好ましいポリアルケニル基は、α−オレフィンホモポリマー、α−オレフィンコポリマー、及びエチレン−α−オレフィンコポリマーから誘導される。α−オレフィンホモ−及びコポリマーは、それぞれ、式CH2=CHR’(式中、R’は、1〜10個の炭素原子を含む直鎖又は分枝鎖アルキル基である)の1つ及び少なくとも2つのC3-12α−オレフィンのポリマーである。不飽和エチレン−α−オレフィンコポリマーは、上記式の少なくとも1つのα−オレフィン及びエチレンのポリマーである。前述のホモ−及びコポリマーにおいて使用されるα−オレフィンは、より好ましくは、上記式のC3-6α−オレフィンより選択され、R’は、1〜4個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖アルキルである。従って、有用なα−オレフィンモノマー及びコモノマーとしては、例えば、プロペン、ブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、4−メチルペンテン−1、デセン−1、ドデセン−1、及びそれらの混合物(例えばプロペン及びブテン−1の混合物)が挙げられる。そのようなポリマーの例は、プロペンホモポリマー、ブテン−1ホモポリマー、エチレン−プロペンコポリマーなどである。好ましいクラスのポリマーは、エチレン及び上記式のC3及びC4α−オレフィンから誘導されるもの、例えばポリエチレン、ポリプロペン、ポリブテン−1、及びエチレン及びプロペン、エチレン及びブテン−1、ブテン−1及びプロペン、及びエチレン及びプロペン及びブテン−1のコポリマーである。
【0011】
ポリアルケニルアシル化剤が誘導されるポリアルケニル基は、約100〜4000、好ましくは約450〜2500、及びより好ましくは約750〜1500の範囲内の数平均分子量を有し得る。数平均分子量(Mn)は、いくつかの既知の技術、例えばゲル透過クロマトグラフィー(“GPC”)、気相浸透圧法、プロトンNMR及び炭素−13NMRにより測定することができる。特に好ましいポリアルケンは、約450〜約2500、より好ましくは約750〜1500の数平均分子量(Mn)を有するポリブテン及びポリイソブテンである。
モノ−及びジカルボン酸又は無水物生成材料、即ち、ポリアルケニルアシル化剤が誘導される酸、無水物、又は酸エステル材料としては、(i)モノ不飽和C4-10ジカルボン酸(ここで、(a)カルボキシル基はビシニルであり(即ち、隣接炭素原子上に位置し)及び(b)少なくとも1つの、好ましくは双方の該隣接炭素原子は該モノ不飽和の一部である);(ii)(i)の誘導体、例えば(i)の無水物又はC1-5アルコール誘導モノ又はジエステル;(iii)モノ不飽和C3-10モノカルボン酸(ここで、炭素−炭素二重結合はカルボキシル基と結合し、即ち、構造−C=C−CO−を有する);及び(iv)(iii)の誘導体、例えば(iii)のC1-5アルコール誘導モノ又はジエステルが挙げられる。化合物(i)〜(iv)の混合物をまた使用してもよい。主鎖との反応の際、反応体モノ−又はジカルボン酸又は無水物材料のモノ不飽和が飽和となる。従って、例えば、マレイン酸無水物は、主鎖−置換コハク酸無水物となり、及びアクリル酸は、主鎖−置換プロピオン酸となる。そのようなモノ不飽和カルボン酸反応体の例は、フマル酸、イタコン酸、マレイン酸、マレイン酸無水物、クロロマレイン酸、クロロマレイン酸無水物、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、桂皮酸、前述のものの低級アルキル(例えばC1-4アルキル)酸エステル、例えば、メチルマレエート、エチルフマレート、及びメチルフマレートである。特に好ましいモノ−又はジカルボン酸又は無水物材料は、マレイン酸無水物であり、及び好ましいポリアルケニルアシル化剤は、ポリイソブテニルコハク酸無水物(PIBSA)である。
【0012】
ポリアルケニルアシル化剤及び塩基性金属複合体は、少なくとも1つのヒドロキシル又はアミノ基を含む界面活性剤との接触前に予備混合する。好ましくは、塩基性金属複合体とポリアルケニルアシル化剤との予備混合は、高温で、例えば約20〜約250℃、好ましくは約50〜約150℃、より好ましくは約75〜約125℃で、一定期間、例えば約0.25〜24時間、好ましくは約1〜10時間、より好ましくは約2〜5時間行う。
塩基性金属複合体及びポリアルケニルアシル化剤の予備混合は、塩基性金属複合体対ポリアルケニルアシル化剤の質量%比で、約30:1〜約1:30、好ましくは約20:1〜約0.5:1、例えば約20:1〜約1:1、より好ましくは約10:1〜約4:1で行うことができる。
予備混合したポリアルケニルアシル化剤及び塩基性金属複合体は、ヒドロキシル又はアミノ基含有界面活性剤を含む添加剤を含む濃縮物に添加することができる。あるいはまた、予備混合したポリアルケニルアシル化剤及び塩基性金属複合体、又はポリアルケrニルアシル化剤−処理した塩基性金属複合体を使用して、ヒドロキシル又はアミノ基−含有−界面活性剤を含まない添加剤を含む濃縮物を形成し、それに対して、界面活性剤をその後導入してもよい。
【0013】
本発明の濃縮物は、好ましくは、高温で、即ち周囲温度より高い温度で製造する。そのような濃縮物は、少なくとも50℃、例えば少なくとも80℃、好ましくは少なくとも90℃、より好ましくは少なくとも100℃の温度で製造することができる。エネルギーを低温で節約することができるが、実用的考慮により、使用することができる最も有利な温度が決定される。従って、周囲温度で固体の添加剤が使用される場合、通常、それを他の添加剤に添加する前にオイルに溶解するよりも、その温度を添加剤が流れる温度まで上昇させることがより有利である。添加剤をそのような温度でより有利に取り扱う場合、100℃又はそれより高い温度を使用することができる。それが混合温度で保持される時間及びそのような温度及び時間の条件下でのその安定性を考慮しなければならない。
濃縮物が油性であるためには、添加剤は、油性キャリヤ中の溶液中に存在していてもよく又はそのようなキャリヤは、別に又は双方で提供され得る。適切なキャリヤの例は、例えば後述するような潤滑粘性オイル、及び脂肪族、ナフテン系及び芳香族炭化水素である。
その成分は、有利には、それらの均質な混合物を達成するのに十分な時間混合温度で保持する。これは、通常、特には、混合温度が80℃を超える場合には、1時間半以内に達成される。
【0014】
本発明の濃縮物は、潤滑油組成物中にいずれかの有利な方法で導入することができる。従って、それらは、それらを、オイル中に所望濃度の分散剤及び清浄剤のそれぞれで分散又は溶解することにより潤滑粘性オイルに直接添加することができる。そのようなブレンドは、周囲温度又は高温で生じ得る。あるいはまた、複合材料は、適切な油溶性溶剤及びベースオイルとブレンドして、更なる濃縮物を形成することができ、それは、その後、潤滑粘性オイルとブレンドされて、最終潤滑油組成物が得られる。そのような濃縮物は、典型的には、(活性成分(A.I.)ベースで)濃縮物の質量を基準として、約0.5〜約20質量%、好ましくは約1〜約15質量%、より好ましくは約3〜約10質量%の少なくとも1つのヒドロキシル又はアミノ基を含む界面活性剤、及び3〜45質量%、好ましくは5〜30質量%、より好ましくは約7.5〜約25質量%の予備混合されたポリアルケニルアシル化剤及び塩基性金属複合体を含み;濃縮物の残部は、希釈剤(好ましくは90質量%以下、例えば80質量%以下)オイル、及び場合により他の添加剤を含む。
本発明の濃縮物を製造するのに及びそれらから潤滑油組成物を製造するのに有用な潤滑粘性オイルは、天然(植物、動物又は鉱物)及び合成潤滑油及びそれらの混合物より選択することができる。それは、軽質留出物鉱油から重質潤滑油、例えばガスエンジンオイル、鉱物潤滑油、自動車オイル及びヘビーデューティディーゼルオイルの粘度範囲内にあってもよい。一般には、オイルの粘度は、100℃で、2〜30センチストローク、特には5〜20センチストロークの範囲内にある。
【0015】
天然オイルとしては、動物油及び植物油(例えばヒマシ油、ラード油);液体石油及び水素−精製された(hydro-refined)、溶剤−処理された又は酸−処理された、パラフィン系、ナフテン系及び混合パラフィン−ナフテン系タイプの鉱油が挙げられる。石炭及び頁岩から誘導される潤滑粘性オイルは、また、有用なベースオイルとして機能する。
合成潤滑油としては、炭化水素油及びハロ−置換炭化水素油、例えば高分子及び重合オレフィン(例えば、ポリブチレン、ポリプロピレン、プロピレン−イソブチレンコポリマー、塩化ポリブチレン、ポリ(1−ヘキセン)、ポリ(1−オクテン)、ポリ(1−デセン));アルキルベンゼン(例えば、ドデシルベンゼン、テトラデシルベンゼン、ジノニルベンゼン、ジ(2−エチルヘキシル)ベンゼン);ポリフェニル(例えば、ビフェニル、テルフェニル、アルキル化ポリフェノール);及びアルキル化ジフェニルエーテル及びアルキル化ジフェニルスルフィド及びそれらの誘導体、類縁体及び同族体が挙げられる。
末端ヒドロキシル基がエステル化、エーテル化などにより改質されているアルキレンオキシドポリマー及び重合体及びそれらの誘導体は、他のクラスの既知の合成潤滑油を構成する。これらは、以下のものにより例示される:エチレンオキシド又はプロピレンオキシドの重合により製造されるポリオキシアルキレンポリマー、及びポリオキシアルキレンポリマーのアルキル及びアリールエーテル(例えば、分子量1000のメチル−ポリイソ−プロピレングリコールエーテル又は分子量1000〜1500のポリエチレングリコールのジフェニルエーテル);及びそれらのモノ−及びポリカルボン酸エステル、例えば、酢酸エステル、混合C3-8脂肪酸エステル及びテトラエチレングリコールのC13オキソ酸ジエステル。
【0016】
別の適切なクラスの合成潤滑油は、ジカルボン酸(例えば、フタル酸、コハク酸、アルキルコハク酸及びアルケニルコハク酸、マレイン酸、アゼライン酸、スベリン酸、セバシン酸、フマル酸、アジピン酸、リノール酸ダイマー、マロン酸、アルキルマロン酸、アルケニルマロン酸)と種々のアルコール(例えば、ブチルアルコール、ヘキシルアルコール、ドデシルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコールモノエーテル、プロピレングリコール)とのエステルを含む。そのようなエステルの例としては、ジブチルアジペート、ジ(2−エチルヘキシル)セバケート、ジ−n−ヘキシルフマレート、ジオクチルセバケート、ジイソオクチルアゼレート、ジイソデシルアゼレート、ジオクチルフタレート、ジデシルフタレート、ジエイコシルセバケート、リノール酸ダイマーの2−エチルヘキシルジエステル、及び1モルのセバシン酸を2モルのテトラエチレングリコール及び2モルの2−エチルヘキサン酸と反応させることにより形成される複合体エステルが挙げられる。
合成オイルとして有用なエステルとしては、また、C5-12モノカルボン酸及びポリオールから製造されるもの及びポリオールエステル、例えば、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトール、ジペンタエリトリトール及びトリペンタエリトリトールが挙げられる。
【0017】
シリコン−ベースオイル、例えばポリアルキル−、ポリアリール−、ポリアルコキシ−又はポリアリールオキシシリコーンオイル及びシリケートオイルは、他の有用なクラスの合成潤滑剤を含み;そのようなオイルとしては、テトラエチルシリケート、テトライソプロピルシリケート、テトラ−(2−エチルヘキシル)シリケート、テトラ−(4−メチル−2−エチルヘキシル)シリケート、テトラ−(p−tert−ブチル−フェニル)シリケート、ヘキサ−(4−メチル−2−エチルヘキシル)ジシロキサン、ポリ(メチル)シロキサン及びポリ(メチルフェニル)シロキサンが挙げられる。他の合成潤滑油としては、高分子テトラヒドロフラン及びリン−含有酸(例えば、トリクレジルホスフェート、トリオクチルホスフェート、デシルホスホン酸のジエチルエステル)の液体エステルが挙げられる。
潤滑粘性オイルは、グループI、グループII、グループIII、グループIV又はグループVオイル又は前述のオイルのブレンドを含んでいてもよい。潤滑粘性オイルは、また、グループIオイルと、グループII、グループIII、グループIV又はグループVオイルの1つ又はそれより多くとのブレンドを含んでいてもよい。
本願明細書に使用するオイルについての定義は、米国石油協会(API)の刊行物“Engine Oil Licensing and Certification System”, Industry Services Department、第4版、1996年12月、補遺1998年12月に見出されるものと同じである。上記刊行物は、以下のようにオイルを分類している:
a)グループIオイルは、飽和物含量が90%未満であり、及び/又は硫黄含量が0.03%より高く、また、粘度指数は、80に等しいか又はそれより高く、120未満であり、これは表1に明記した試験方法による。
b)グループIIオイルは、飽和物含量が90%と等しいか又はそれより高く、硫黄含量が0.03%と等しいか又はそれより低く、また、粘度指数は、80に等しいか又はそれより高く、120未満であり、これは表1に明記した方法による。APIにより確認されたグループと別のものではないが、約110より高い粘度指数のグループIIオイルは、“グループII+”オイルと称されることが多い。
c)グループIIIオイルは、飽和物含量が90%と等しいか又はそれより高く、硫黄含量が0.03%と等しいか又はそれより低く、また、粘度指数は、120と等しいか又はそれより高く、これは表1に明記した方法による。
d)グループIVオイルは、ポリαオレフィン(PAO)である。
e)グループVオイルは、グループI、II、III又はIVに含まれない他の全てのベースストックである。
【0018】
表1

潤滑粘性オイルの飽和物含量(saturate content)は、少なくとも65%、より好ましくは少なくとも75%、例えば少なくとも85%である。最も好ましくは、潤滑粘性オイルの飽和物含量は、90%より高い。好ましくは、潤滑粘性オイルの硫黄含有量は、1質量%未満、好ましくは0.6質量%未満、より好ましくは0.3質量%未満、例えば0〜0.3質量%である。
好ましくは、潤滑粘性オイルの揮発性は、Noack試験(ASTM D5880)により測定した場合、約40%に等しいか又はそれ未満、例えば約35%に等しいか又はそれ未満、好ましくは約32%に等しいか又はそれ未満、例えば約28%に等しいか又はそれ未満、より好ましくは約16%に等しいか又はそれ未満である。好ましくは、潤滑粘性オイルの粘度指数(VI)は、少なくとも85、好ましくは少なくとも100、最も好ましくは約105〜140である。
【0019】
混合された塩基性金属複合体/ポリアルケニルアシル化剤及び有機摩擦改良剤に加えて、濃縮物、及びそれから形成される十分に配合された潤滑剤は、更なる量の金属清浄剤及びポリアルケニルアシル化剤を含む(予備混合されたポリアルケニルアシル化剤及び塩基性金属複合体から独立して)、無灰分散剤、耐摩耗剤、酸化抑制剤又は酸化防止剤、金属含有摩擦改良剤及び燃料経済剤(fuel economy agent)、消泡剤及び腐食抑制剤から選択されるいくつかの他の性能改善添加剤を含んでいてもよい。通常、潤滑剤を配合する際、添加剤は、1又はそれより多くで配合者に提供され、好ましくは、DI(分散剤−抑制剤)パッケージ及びVI改良剤及び/又はVI改良剤及びLOFIとして称されることが多い単一濃縮添加剤パッケージが、第2パッケージにおいて提供されるであろう。
無灰分散剤は、摩耗又は燃焼の間のオイルの酸化により生じる油不溶性物を懸濁して保持する。それらは、特に、スラッジの沈殿及びワニスの形成を、特にはガソリンエンジン中において防止するのに有利である。
ジヒドロカルビルジチオリン酸金属塩は、耐摩耗剤及び酸化防止剤として使用されることが多い。その金属は、アルカリ又はアルカリ土類金属、又はアルミニウム、鉛、錫、モリブデン、マンガン、ニッケル又は銅であってもよい。亜鉛金属は、最も通常は、潤滑油中において使用され、及び既知の方法に従って、最初にジヒドロカルビルジチオリン酸(DDPA)を形成することにより、通常は、1又はそれより多くのアルコール又はフェノールとP25とを反応させ及び次いで形成されたDDPAを亜鉛化合物で中和することにより製造することができる。例えば、ジチオリン酸は、第1級及び第2級アルコールの混合物を反応させることにより製造することができる。あるいはまた、あるものにおけるヒドロカルビル基が性質上完全に第2級であり及び他のものにおけるヒドロカルビル基が性質上完全に第1級である、複数のジチオリン酸を製造することができる。亜鉛塩を製造するために、塩基性又は中性亜鉛化合物を使用することができるが、オキシド、ヒドロキシド及びカーボネートが最も通常使用される。商業的添加剤は、中和反応における過剰な塩基性亜鉛化合物の使用のために過剰な亜鉛を含む場合が多い。
【0020】
酸化抑制剤又は酸化防止剤は、鉱油が使用中に劣化する傾向を低減する。酸化的劣化は、潤滑剤中におけるスラッジ、金属表面におけるワニス様堆積物及び粘度上昇により証明され得る。そのような酸化抑制剤としては、ヒンダードフェノール、好ましくはC5-12アルキル側鎖を有するアルキルフェノールチオエステルのアルカリ土類金属塩、カルシウムノニルフェノールスルフィド、油溶性フェネート及び硫化フェネート、リン硫化又は硫化炭化水素、リンエステル、金属チオカルバメート、米国特許第4,867,890号明細書に記載されるような油溶性銅化合物、及びモリブデン含有化合物及び芳香族アミンが挙げられる。
既知の金属−含有摩擦改良剤としては、油溶性有機モリブデン化合物が挙げられる。そのような有機モリブデン摩擦改良剤は、また、酸化防止剤及び耐摩耗剤の利益(credit)を潤滑油組成物に提供する。そのような油溶性有機モリブデン化合物の例としては、ジチオカルバメート、ジチオホスフェート、ジチオホスフィネート、キサンテート、チオキサンテート、スルフィドなど及びそれらの混合物が挙げられる。特に好ましいものは、モリブデンのジチオカルバメート、ジアルキルジチオホスフェート、アルキルキサンテート及びアルキルチオキサンテートである。
泡制御は、ポリシロキサンタイプの消泡剤、例えばシリコーンオイル又はポリジメチルシロキサンにより行うことができる。
上記添加剤のうちのいくつかは、複数の効果を提供し得;従って、例えば、単一の添加剤が、分散剤−酸化抑制剤として作用し得る。このアプローチはよく知られており、及び本願明細書において詳細に説明する必要はないであろう。
十分に配合されたクランクケース潤滑剤において使用する際のそのような付加的添加剤の対標的有効量を以下の表2に記載する。
【0021】
表2

本発明は、以下の実施例を参照することにより更に理解されるであろうが、その中において、他に記載のない限り、全ての部は、質量部(AI)であり、及びそれは、本発明の好ましい実施態様である。
【実施例】
【0022】
実施例
TBNが300(55質量%AI)のカルシウムスルホネート清浄剤を、ポリイソブテニルコハク酸無水物(PIBSA)(PIB Mn950;72質量%A.I.)を用いて、3時間、100℃の温度で、表3に記載の量で処理した:
表3

濃縮物を、上記予備混合されたPIBSA/清浄剤、又は1.60質量%の類似未処理清浄剤(Det.4)及び濃縮分散剤抑制剤(DI)パッケージに通常提供される他の添加剤を以下に記載の手段において用いて形成した:

0.5時間、100℃でブレンド及び添加

3時間、100℃でブレンド及び添加
【0023】

1時間、70℃でブレンド及び添加

1時間、60℃でブレンド。

*配合される潤滑剤を提供するためにベースストックとブレンドされる濃縮物の推奨される量
【0024】
上記添加剤濃縮物の各々を、次いで、貯蔵安定性試験に付したが、その中においては、濃縮物を数週間60℃で形成される沈殿物の定期的測定を伴って貯蔵した。濃縮物パッケージは、測定される沈殿物の量が、濃縮物の全質量を基準として0.05質量%を越えたときに安定性試験に不合格とした。結果を表4に記載する:

【0025】
データは、低いレベルのPIBSA(本発明のConc.B)で処理した清浄剤の使用により、未処理清浄剤(比較Conc.A)を用いて形成された濃縮物と比較して、高いレベルのGMOを含む濃縮物が安定である期間が3週から5週に延びたことを説明する。上昇量のPIBSAで処理した清浄剤では、更に顕著な安定性が導かれ、及び本発明のConc.C及びDでは、貯蔵から13週後も安定であった。本発明の濃縮物(B、C及びD)と対応する比較濃縮物(E、F及びG)の比較により、PIBSAの存在は、PIBSAを別の成分として添加した場合には濃縮物の安定性に対する効果がかなり低いことが説明される。
本願明細書に記載される全ての特許、文献及び他のものの開示内容は、それらの全内容が、参考文献として本願明細書に組み込まれるものとする。本願明細書及び請求の範囲において表されるような、複数の特定の成分を含む、からなる、又は本質的にからなる組成物の記載は、該複数の特定の成分を混合することにより製造される組成物を包含すると解釈されるべきである。本発明の原理、好ましい実施態様及び操作モードを先に記載してきた。本件出願人が提示するものはそれらの発明であるが、開示される特定の実施態様に制限されるとして解釈されるべきではなく、なぜなら、開示される実施態様は、制限というよりむしろ説明的なものであるからである。変更が、当業者により、本発明の精神を逸脱することなくなされ得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
潤滑粘性オイル、塩基性金属複合体、ポリアルケニルアシル化剤、及び少なくとも1つのヒドロキシル又はアミノ基を含む界面活性剤を含む潤滑油添加剤濃縮物であって、該塩基性金属複合体が、該濃縮物への導入前に該ポリアルケニルアシル化剤と予備混合されている濃縮物。
【請求項2】
前記塩基性金属複合体が、過塩基化金属清浄剤である請求項1に記載の濃縮物。
【請求項3】
前記過塩基化金属清浄剤が、過塩基化カルシウムスルホネート;過塩基化マグネシウムスルホネート;過塩基化カルシウムフェネート;過塩基化マグネシウムフェネート;過塩基化カルシウムカルボキシレート;過塩基化マグネシウムカルボキシレート;スルホネート、フェネート及びカルボキシレート界面活性剤の少なくとも2つを含む界面活性剤系を含む過塩基化カルシウムハイブリッド清浄剤;スルホネート、フェネート及びカルボキシレート界面活性剤の少なくとも2つを含む界面活性剤系を含む過塩基化マグネシウムハイブリッド清浄剤;及びそれらの混合物からなる群より選ばれる請求項2に記載の濃縮物。
【請求項4】
前記過塩基化金属清浄剤が、過塩基化カルシウム清浄剤である請求項2に記載の濃縮物。
【請求項5】
前記過塩基化金属清浄剤が、過塩基化金属スルホネート清浄剤、又はスルホネート界面活性剤及び少なくとも1つの他の界面活性剤を含む界面活性剤系を含む過塩基化金属ハイブリッド清浄剤である請求項2に記載の濃縮物。
【請求項6】
前記過塩基化金属清浄剤が、過塩基化カルシウムスルホネート清浄剤、又はスルホネート界面活性剤及び少なくとも1つの他の界面活性剤を含む界面活性剤系を含む過塩基化カルシウムハイブリッド清浄剤である請求項2に記載の濃縮物。
【請求項7】
前記ポリアルケニルアシル化剤が、ポリアルケニル置換モノ−又はジカルボン酸又は無水物生成材料である請求項1に記載の濃縮物。
【請求項8】
前記ポリアルケニル置換モノ−又はジカルボン酸又は無水物生成材料が、ポリイソブテニルコハク酸無水物である請求項7に記載の濃縮物。
【請求項9】
前記ポリイソブテニルコハク酸無水物が、約100〜約4000の数平均分子量を有するポリイソブテンから誘導される請求項8に記載の濃縮物。
【請求項10】
前記界面活性剤が、高級脂肪酸のグリセロールエステル;長鎖ポリカルボン酸とジオールのエステル;オキサゾリン化合物;アルコキシル化アルキル置換モノ−アミン、ジアミン及びアルキルエーテルアミン;及びそれらの混合物からなる群より選択される請求項1に記載の濃縮物。
【請求項11】
前記界面活性剤が、グリセロールオレエート;エトキシル化アミン;及びそれらの混合物からなる群より選択される請求項10に記載の濃縮物。
【請求項12】
前記界面活性剤が、グリセロールモノオレエート;エトキシル化獣脂アミン;及びそれらの混合物からなる群より選択される請求項11に記載の濃縮物。
【請求項13】
前記塩基性金属複合体及び前記ポリアルケニルアシル化剤が、約30:1〜約1:30の質量比(塩基性金属複合体対ポリアルケニルアシル化剤)で予備混合されている請求項1に記載の濃縮物。
【請求項14】
前記塩基性金属複合体及び前記ポリアルケニルアシル化剤が、約20〜約250℃の温度で、約0.25〜24時間予備混合されている請求項1に記載の濃縮物。
【請求項15】
約3〜約45質量%の予備混合された塩基性金属複合体及びポリアルケニルアシル化剤;及び約0.5〜約20質量%の、少なくとも1つのヒドロキシル又はアミノ基を含む前記界面活性剤;及び90質量%以下の潤滑粘性オイルを含み、全ての質量%が前記濃縮物の全質量を基準とする請求項1に記載の濃縮物。
【請求項16】
更に、分散剤、酸化防止剤及び耐摩耗剤からなる群より選択される少なくとも1つの他の添加剤を含む請求項15に記載の濃縮物。
【請求項17】
更に、ポリアルケニルアシル化剤と予備混合されていない中性及び過塩基化金属清浄剤;及び過塩基化金属清浄剤と予備混合されていないポリアルケニルアシル化剤からなる群より選択される少なくとも1つの他の成分を含む請求項16に記載の濃縮物。
【請求項18】
潤滑粘性オイル;
過塩基化カルシウムスルホネート清浄剤;スルホネート界面活性剤及び少なくとも1つの他の界面活性剤を含む界面活性剤系を含む過塩基化カルシウムハイブリッド清浄剤;及びそれらの混合物からなる群より選択される過塩基化金属清浄剤とポリイソブテニルコハク酸無水物とのプレミックス;及び
グリセロールオレエート;エトキシル化アミンからなる群より選択される界面活性剤を含む潤滑油添加剤濃縮物。
【請求項19】
前記過塩基化金属清浄剤及び前記ポリイソブテニルコハク酸無水物が、約10:1〜約4:1の質量比(過塩基化金属清浄剤及び前記ポリイソブテニルコハク酸無水物)で予備混合されている請求項18に記載の濃縮物。
【請求項20】
前記過塩基化金属清浄剤及び前記ポリイソブテニルコハク酸無水物が、約50〜約150℃の温度で、約1〜約10時間予備混合されている請求項19に記載の濃縮物。
【請求項21】
約5〜約30質量%の予備混合された過塩基化金属清浄剤及びポリイソブテニルコハク酸無水物;及び約3〜約10質量%の前記界面活性剤;及び90質量%以下の潤滑粘性オイルを含み、全ての質量%が前記濃縮物の全質量を基準とする請求項18に記載の濃縮物。
【請求項22】
更に、分散剤、酸化防止剤及び耐摩耗剤からなる群より選択される少なくとも1つの他の添加剤を含む請求項18に記載の濃縮物。
【請求項23】
更に、ポリアルケニルアシル化剤と予備混合されていない中性及び過塩基化金属清浄剤;及び過塩基化金属清浄剤と予備混合されていないポリアルケニルアシル化剤からなる群より選ばれる少なくとも1つの他の成分を含む請求項18に記載の濃縮物。
【請求項24】
少なくとも0.5質量%の、グリセロールオレエート;エトキシル化アミン及びそれらの混合物からなる群より選択される界面活性剤、及び少なくとも3.0質量%の過塩基化金属清浄剤、及び90質量%以下の潤滑粘性オイルを含む安定な添加剤濃縮物を形成する方法であって、該方法が、該過塩基化金属清浄剤をポリアルケニルアシル化剤と約30:1〜約1:30の質量比(過塩基化金属対ポリアルケニルアシル化剤)で予備混合して、プレミックスを形成すること;及び少なくとも該プレミックス、該界面活性剤及び該潤滑粘性オイルを混合することを含み、全ての質量%が該濃縮物の全質量を基準とする方法。

【公開番号】特開2006−45572(P2006−45572A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−228059(P2005−228059)
【出願日】平成17年8月5日(2005.8.5)
【出願人】(500010875)インフィニューム インターナショナル リミテッド (132)
【Fターム(参考)】