説明

潤滑油組成物

【課題】 エンジン(内燃機関)の潤滑に有用な、高温における熱酸化安定性に優れる潤滑油組成物を提供すること。
【解決手段】 潤滑油基油に、下記の成分を、潤滑油組成物の全量に基づき下記の量にて配合してなり、TBNが5乃至55mg・KOH/gの範囲にある潤滑油組成物:a)TBN100mg・KOH/g以上の過塩基性カルシウムカルボキシレートをカルシウム量換算で0.19〜2.10質量%;b)ビス型のこはく酸イミドもしくはその誘導体を窒素量換算で0.002乃至0.06質量%;そして、c)アルキル基が第二級アルキル基であるジアルキルジチオリン酸亜鉛をリン量換算で0.007乃至0.15質量%。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、潤滑油組成物に関し、特に、ディーゼルエンジンやガソリンエンジンなどの各種のエンジン(内燃機関)の潤滑に有用な潤滑油組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
発電機用の内燃機関(エンジン)や船舶運航用の内燃機関として、従来よりディーゼルエンジン、特に4ストロークトランクピストンディーゼルエンジンが一般的に使用されている。各種の内燃機関には、その円滑な作動のために各種の添加剤を配合した潤滑油組成物が用いられている。
【0003】
潤滑油組成物用の添加剤として最も一般的なものは、金属含有清浄剤であり、特に、燃料の燃焼により発生する硫黄酸化物を中和する機能を有し、かつ生成するスラッジなどの燃焼残査を分散させる機能を有する過塩基性の金属含有清浄剤が一般的に用いられている。特に、A重油やC重油などの硫黄分含有量が高い燃料を用いる船舶用のディーゼルエンジンの潤滑油としては、過塩基性の金属含有清浄剤を含む潤滑油組成物の使用は必須である。金属含有清浄剤として従来から用いられてきたものの代表例としては、アルカリ金属のスルホネート、フェネートそしてサリシレートがある。また、金属を含まない無灰性分散剤として、こはく酸イミドも一般的に知られている。さらに、酸化防止剤として、そして極圧剤としての機能を有するジアルキルジチオリン酸亜鉛、及び有機酸化防止機能を有するフェノール化合物やアミン化合物も一般的に使用されている。
【0004】
近年、発電機用や船舶運航用のディーゼルエンジンの運転条件は益々厳しくなる傾向に在り、また用いる燃料としても、さらに硫黄分含有量が高くなった低級の燃料を用いる傾向がある。そしてまた、経済性とメインテナンスの効率化との理由から、潤滑油の交換期間を長くする傾向もある。従って、潤滑油にかかる負担は益々大きくなってきている。
【0005】
すなわち、潤滑油はエンジンの運転が進行するにつれて消費されるため、定期的に潤滑油の補給が行なわれるが、エンジン中に残る潤滑油には硫黄酸化物や燃焼残査が混入し、堆積するため、エンジンの運転が長期間にわたり連続的に行なわれると、潤滑油の劣化や粘度上昇が激しくなる。
【0006】
特許文献1、2そして3には、熱安定性と清浄性が高く、かつ経済的に製造することが可能な新規な金属含有清浄剤として、過塩基性カルシウムカルボキシレート(過塩基性カルシウムハイドロカルビルサリシレート・カルボキシレート)が記載されている。また、これらの特許文献には、エンジン用の潤滑油組成物の各種の配合例が記載されている。
【特許文献1】特開2000−63867号公報
【特許文献2】米国特許6262001B1明細書
【特許文献3】特開2000−87066号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、ディーゼルエンジンやガソリンエンジンなどの各種のエンジン(内燃機関)の潤滑に有用な、高温における熱酸化安定性に優れる潤滑油組成物を提供することを主な目的とする。本発明は特に、4ストロークトランクピストンディーゼルエンジンなどのディーゼルエンジンの潤滑用に適する、高温での熱酸化安定性が高い潤滑油組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、潤滑油基油に、下記の成分を、潤滑油組成物の全量に基づき下記の量にて配合してなり、TBNが5乃至55mg・KOH/gの範囲にある潤滑油組成物にある。
a)TBNが100mg・KOH/g以上の過塩基性カルシウムカルボキシレートをカルシウム量換算で0.19〜2.10質量%;
b)ビス型のこはく酸イミドもしくはその誘導体を窒素量換算で0.002乃至0.06質量%;そして、
c)アルキル基が第二級アルキル基であるジアルキルジチオリン酸亜鉛をリン量換算で0.007乃至0.15質量%。
【発明の効果】
【0009】
本発明の潤滑油組成物は、高温での熱酸化安定性が高いため、ディーゼルエンジンやガソリンエンジンなどの各種のエンジン(内燃機関)、特に4ストロークトランクピストンディーゼルエンジンなどのディーゼルエンジンの潤滑用の潤滑剤として有利に用いることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の潤滑油組成物の好ましい態様を次に記載する。
(1)a)成分のTBNが100mg・KOH/g以上の過塩基性アルカリ土類金属カルボキシレートの配合量がカルシウム量換算で0.38〜1.15質量%の範囲にある。
(2)b)成分のビス型のこはく酸イミドもしくはその誘導体の配合量が窒素量換算で0.014乃至0.02質量%の範囲にある。
(3)c)成分のアルキル基が第二級アルキル基であるジアルキルジチオリン酸亜鉛の配合量がリン量換算で0.036乃至0.072質量%の範囲にある。
(4)a)成分のTBNが110mg・KOH/g以上の高塩基性アルカリ土類金属カルボキシレートが50質量%以上の下記化合物Aと50質量%未満の下記化合物Bとを含む。
【0011】
【化1】

【0012】
[ただし、Rは、炭素原子数12乃至28のアルキル基である]。
【0013】
(5)b)成分のビス型のこはく酸イミドもしくはその誘導体が、50%もしくはそれ以上のメチルビニリデン構造を有する高反応性ポリブテンと無水マレイン酸とを熱反応法で反応させて得られたこはく酸イミドもしくはその誘導体である。
(6)c)成分のアルキル基が第二級アルキル基であるジアルキルジチオリン酸亜鉛の各アルキル基が炭素原子数3乃至8のアルキル基である。
【0014】
次に、本発明の潤滑油組成物に含まれる各成分について詳しく記載する。
【0015】
本発明の潤滑油組成物における潤滑油基油としては、通常、40℃における動粘度が22〜300mm2/sの鉱油や合成油が用いられる。この鉱油や合成油の種類、あるいはその他の性状については特に制限はないが、硫黄含有量が0.1質量%以下であることが望ましく、0.03質量%以下であることがさらに望ましく、特に0.005質量%以下であることが望ましい。
【0016】
鉱油系基油は、鉱油系潤滑油留分を溶剤精製あるいは水素化処理などの処理方法を適宜組み合わせて利用して処理したものであることが望ましく、特に高度水素化精製(水素化分解)基油(例えば、粘度指数が100〜150、芳香族含有量が5質量%以下、窒素および硫黄の含有量がそれぞれ50ppm以下である基油)が好ましく用いられる。この中には、鉱油系スラックワックス(粗ろう)あるいは天然ガスから合成された合成ワックスを原料として異性化および水素化分解のプロセスで作られる高粘度指数基油が含まれる。
【0017】
合成油(合成潤滑油基油)としては、例えば炭素数3〜12のα−オレフィンの重合体であるポリ−α−オレフィン、ジオクチルセバケートに代表されるセバシン酸、アゼライン酸、アジピン酸などの二塩基酸と炭素数4〜18のアルコールとのエステルであるジアルキルジエステル、1−トリメチロールプロパンやペンタエリスリトールと炭素数3〜18の一塩基酸とのエステルであるポリオールエステル、炭素数9〜40のアルキル基を有するアルキルベンゼンなどを挙げることができる。
【0018】
一般に合成油は実質的に硫黄分を含まず、酸化安定性、耐熱性に優れ、いったん燃焼すると残留炭素や煤の生成が少ないので、潤滑油組成物の基油として優れている。
【0019】
鉱油系基油および合成系基油は、それぞれ単独で使用することができるが、所望により、二種以上の鉱油系基油、あるいは二種以上の合成系基油を組合わせて使用することもできる。また、所望により、鉱油系基油と合成系基油とを任意の割合で組合わせて用いることもできる。
【0020】
本発明の潤滑油組成物において、a)成分として用いるTBNが110mg・KOH/g以上の過塩基性カルシウムカルボキシレートと、その製造方法については、前述の特許文献1、2、そして3に詳しく記載されている。この過塩基性カルシウムカルボキシレートの代表例は、主要量(50質量%以上)の下記化合物Aと少量(50質量%)未満の下記化合物Bとを含む組成物である。
【0021】
【化2】

【0022】
[ただし、Rは、炭素原子数12乃至28のアルキル基である]。
【0023】
なお、本発明の潤滑油組成物において、金属含有清浄剤としては、過塩基性カルシウムカルボキシレートに加えて、他の金属含有清浄剤を併用することができる。
【0024】
併用することのできる金属含有清浄剤としては、硫化フェネート(例、硫化カルシウムフェネート)、石油もしくは合成系スルホネート(例、カルシウムスルホネート)、そしてサリシレート(例、カルシウムサリシレート)などを挙げることができる。
【0025】
本発明の潤滑油組成物におけるb)成分としてのビス型のこはく酸イミドもしくはその誘導体が用いられる。ビス型のこはく酸イミドもしくはその誘導体としては、ポリオレフィンから誘導されるビス型のアルケニルもしくはアルキルこはく酸イミドあるいはその誘導体が好ましく用いられる。代表的なビス型のこはく酸イミドは、高分子量のアルケニルもしくはアルキル基で置換された、コハク酸無水物と1分子当り平均4〜10個(好ましくは5〜7個)の窒素原子を含むポリアルキレンポリアミンとの反応により得ることができる。高分子量のアルケニルもしくはアルキル基は、数平均分子量が約900〜5000のポリブテンであることが好ましい。
【0026】
ビス型のこはく酸イミドは更にホウ酸、アルコール、アルデヒド、ケトン、アルキルフェノール、環状カーボネート(例、炭酸エチレン)、有機酸等と反応させ、いわゆる変性コハク酸イミドにして用いることができる。特に、ホウ酸あるいはホウ素化合物との反応で得られるホウ素含有アルケニル(もしくはアルキル)こはく酸イミドは、熱・酸化安定性の面で有利である。
【0027】
本発明の潤滑油組成物は、ビス型のアルケニルもしくはアルキルこはく酸イミドあるいはその誘導体を無灰性分散剤として含むものであるが、さらに、モノ型のアルケニルもしくはアルキルこはく酸イミドあるいはその誘導体、そしてアルケニルベンジルアミンなどの他の窒素含有無灰性分散剤及び/又はアルケニルこはく酸エステル系などの窒素非含有の無灰性分散剤も併用してもよい。
【0028】
本発明の潤滑油組成物のc)成分であるジアルキルジチオリン酸亜鉛は、アルキル基が第二級アルキル基であるタイプの化合物もしくは組成物である。各アルキル基は炭素原子数が3〜18であることが望ましい。アルキル基が二級アルクル基であるジアルキルジチオリン酸亜鉛は、アルキル基が一級アルキル基であるジアルキルジチオリン酸亜鉛と組合わせて用いてもよい。たとえば、ジアルキルジチオリン酸亜鉛のアルキル基の52〜98モル%は第二級アルキル基であり、残余の2〜48モル%は第一級アルキル基あるいはアルキルアリール基であるようなジアルキルジチオリン酸亜鉛もしくはジアルキルジチオリン酸亜鉛混合物として用いることができる。
【0029】
本発明の潤滑油組成物は、さらに、酸化防止剤として、酸化防止性のフェノール化合物および/または酸化防止性のアミン化合物を0.01〜5質量%(好ましくは0.1〜3質量%)の範囲で含むことができる。
【0030】
本発明の潤滑油組成物はさらに、多機能添加剤に属するモリブデン含有化合物を5質量%以下、特に0.01〜5質量%含むことができる。
【0031】
上記のモリブデン含有化合物は、潤滑油組成物中で、主として摩擦調整剤、酸化防止剤あるいは摩耗防止剤として機能し、また高温での清浄性の向上に寄与する。モリブデン含有化合物の潤滑油組成物中の含有量は、モリブデン金属含有量換算で10〜2500ppmの範囲にあることが望ましい。モリブデン含有化合物の例としては、こはく酸イミドの硫黄含有モリブデン錯体、硫化オキシモリブデンジチオカーバメート、硫化オキシモリブデンジチオホスフェート、アミンモリブデン錯体化合物、オキシモリブデンジエチラートアミド、そしてオキシモリブデンモノグリセリドを挙げることができる。特に、こはく酸イミドの硫黄含有モリブデン錯体は高温での清浄性向上に効果的である。
【0032】
本発明の潤滑油組成物は更に、粘度指数向上剤を20質量%以下(好ましくは1〜20質量%の範囲)の量で含むこともできる。粘度指数向上剤の例としては、ポリアルキルメタクリレート、エチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、そしてポリイソプレンなどの高分子化合物を挙げることができる。あるいは、これらの高分子化合物に分散性能を付与した分散型粘度指数向上剤もしくは多機能型粘度指数向上剤を用いることができる。これらの粘度指数向上剤は単独で用いることができるが、任意の粘度指数向上剤を二種以上を組合せて使用しても良い。
【0033】
本発明の潤滑油組成物は更に、各種の補助的な添加剤を含んでいてもよい。そのような補助的な添加剤の例としては、酸化防止剤あるいは摩耗防止剤として、亜鉛ジチオカーバメート、メチレンビス(ジブチルジチオカーバメート)、油溶性銅化合物、硫黄系化合物(例、硫化オレフィン、硫化エステル、ポリスルフィド)、リン酸エステル、亜リン酸エステル、有機アミド化合物(例、オレイルアミド)などを挙げることができる。また金属不活性剤として機能するベンゾトリアゾール系化合物やチアジアゾール系化合物などの化合物を添加することもできる。また、防錆剤あるいは抗乳化剤として機能するポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとの共重合体などのポリオキシアルキレン非イオン性の界面活性剤を添加することもできる。また、摩擦調整剤として機能する各種アミン、アミド、アミン塩、およびそれらの誘導体、あるいは多価アルコールの脂肪酸エステル、あるいはそれらの誘導体を添加することもできる。さらにまた、消泡剤や流動点降下剤として機能する各種化合物を添加することもできる。なお、これらの補助的な添加剤は、潤滑油組成物に対して、それぞれ3質量%以下(特に、0.001〜3質量%の範囲)の量にて使用することが望ましい。
【実施例】
【0034】
[実施例1]
本発明に従う潤滑油組成物(TBN:30mg・KOH/g、SAE粘度グレード:SAE40)を、下記の添加剤成分と基油成分とを用いて製造した。
a)過塩基性カルシウムカルボキシレート(TBN:145mg・KOH/g、前記式において、Rが炭素原子数が12〜18の化合物と、炭素原子数が20〜28の化合物の質量比が50:50の混合物):カルシウム換算質量で1.15質量%
b)ビス型こはく酸イミド分散剤[窒素含量:0.018質量%、数平均分子量が約1000のポリブテン(少なくとも50%以上がメチルビニリデン構造を有する)と無水マレイン酸とから熱反応法で製造し、これを平均窒素原子数5.0個(1分子当り)のポリアルキレンポリアミンと反応させて得たビス型コハク酸イミド)]:窒素換算質量で0.018質量%
c)ジ(第二級)アルキルジチオリン酸亜鉛(P:0.049質量%、Zn:0.054質量%、S:0.14質量%、原料として炭素原子数3〜8の第二級アルコールを使用して製造したもの):リン換算質量で0.05質量%
d)基油(40℃での動粘度:140mm2/秒):残量
【0035】
[比較例1]
b)成分のビス型こはく酸イミド分散剤とc)成分のジ(第二級)アルキルジチオリン酸亜鉛を用いなかった以外は、実施例1と同様にして潤滑油組成物を製造した。
【0036】
[比較例2]
b)成分のビス型こはく酸イミド分散剤を用いなかった以外は、実施例1と同様にして潤滑油組成物を製造した。
【0037】
[比較例3]
c)成分のジ(第二級)アルキルジチオリン酸亜鉛をジ(第一級)アルキルジチオリン酸亜鉛(添加量は、リン換算質量で同一とした)に置き換えた以外は、実施例1と同様にして潤滑油組成物を製造した。
【0038】
[比較例4]
b)成分のビス型こはく酸イミド分散剤をモノ型のこはく酸イミド分散剤に置き換えた以外は、実施例1と同様にして潤滑油組成物を製造した。
【0039】
[潤滑油組成物の高温熱安定性評価]
(1)下記の試験条件にてISOT試験を行なった。
試験油量:250mL、試験油温度:165.5℃
試験時間:96時間の連続運転(運転終了した後に、粘度上昇率(40℃で測定、試験前の粘度を1とする相対値で表示した)、TBN維持率(HCl、単位%)、そしてTBN維持率(ASTM D2896、単位%)を測定した)
【0040】
(2)試験結果
試験結果を下記の表に示す。
【0041】
──────────────────────────────────────
実施例1 比較例1 比較例2 比較例3 比較例4
──────────────────────────────────────
粘度上昇率 0.97 1.21 1.19 1.18 1.16
TBN維持率 65.0 61.5 60.7 60.5 60.8
(HCl)
TBN維持率 92.4 89.9 86.3 87.1 88.8
(ASTM D2896)
────────────────────────────────────
注記:実施例1の潤滑油組成物について更に24時間(合計120時間)のISOT試験を続けたところ、粘度上昇率は1.02であった。
【0042】
(3)試験結果の説明
本発明に従う潤滑油組成物は、粘度上昇が発生しにくく、またTBN維持率も
高いことから、高温熱酸化安定性に優れることが明らかである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
潤滑油基油に、下記の成分を、潤滑油組成物の全量に基づき下記の量にて配合してなり、TBNが5乃至55mg・KOH/gの範囲にある潤滑油組成物:
a)TBN100以上の過塩基性カルシウムカルボキシレートをカルシウム量換算で0.19〜2.10質量%;
b)ビス型のこはく酸イミドもしくはその誘導体を窒素量換算で0.002乃至0.06質量%;そして、
c)アルキル基が第二級アルキル基であるジアルキルジチオリン酸亜鉛をリン量換算で0.007乃至0.15質量%。
【請求項2】
a)成分のTBNが100mg・KOH/g以上の過塩基性アルカリ土類金属カルボキシレートの配合量がカルシウム量換算で0.38〜1.15質量%の範囲にある請求項1に記載の潤滑油組成物。
【請求項3】
b)成分のビス型のこはく酸イミドもしくはその誘導体の配合量が窒素量換算で0.014乃至0.02質量%の範囲にある請求項1に記載の潤滑油組成物。
【請求項4】
c)成分のアルキル基が第二級アルキル基であるジアルキルジチオリン酸亜鉛の配合量がリン量換算で0.036乃至0.072質量%の範囲にある請求項1に記載の潤滑油組成物。
【請求項5】
a)成分のTBNが100mg・KOH/g以上の高塩基性アルカリ土類金属カルボキシレートが50質量%以上の下記化合物Aと50質量%未満の下記化合物Bとを含む請求項1に記載の潤滑油組成物:
【化1】


[ただし、Rは、炭素原子数12乃至28のアルキル基である]。
【請求項6】
b)成分のビス型のこはく酸イミドもしくはその誘導体が、50%もしくはそれ以上のメチルビニリデン構造を有する高反応性ポリブテンと無水マレイン酸とを熱反応法で反応させて得られたこはく酸イミドもしくはその誘導体である請求項1に記載の潤滑油組成物。
【請求項7】
c)成分のアルキル基が第二級アルキル基であるジアルキルジチオリン酸亜鉛の各アルキル基が炭素原子数3乃至8のアルキル基である請求項1に記載の潤滑油組成物。
【請求項8】
エンジン潤滑用の潤滑油である請求項1に記載の潤滑油組成物。
【請求項9】
ディーゼルエンジン潤滑用の潤滑油である請求項8に記載の潤滑油組成物。
【請求項10】
4ストロークトランクピストンディーゼルエンジン潤滑用の潤滑油である請求項9に記載の潤滑油組成物。

【公開番号】特開2006−182987(P2006−182987A)
【公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−380522(P2004−380522)
【出願日】平成16年12月28日(2004.12.28)
【出願人】(391050525)シェブロンジャパン株式会社 (26)
【Fターム(参考)】