説明

濡れた親水性塗膜を有する医療機器

本発明は、親水性ポリマー並びに水および1種または2種以上の滑剤を含む湿潤剤を含む塗膜組成物を含む、濡れた親水性塗膜を有する医療機器に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、低摩擦表面を医療機器に与える濡れた親水性塗膜を有する医療機器に関する。特に、本発明は直ちに使用できる形、すなわち湿潤しており、そして挿入の前に該塗膜を湿潤させる必要なしで直ちに体腔に挿入できる形で包装され、貯蔵される可能性がある濡れた医療機器に関する。本発明の医療機器では、接触していた表面上に塗膜材料を残留する傾向が減少している。さらに、本発明の濡れた医療機器では、乾燥時間が延びており、そしてたれないまたはたれにくくなっている。
【背景技術】
【0002】
低摩擦表面を与える親水性塗膜を有するカテーテル、ガイドワイヤー、傷ドレインおよびファイバー光学品等の体腔中への挿入のための医療機器は公知である。
【0003】
カテーテルに関連しては、カテーテルを体腔の中へ挿入する前に水性溶液、任意選択的に食塩水に漬けると、摩擦を減少させる親水性塗膜の存在により、カテーテルの表面が滑りやすく、そして湿潤される。従って、カテーテルが体腔へ挿入され、そして除去されるときに、患者が経験する不快さは大幅に減少した。カテーテルの使用に関連する感受性組織を傷つけるリスクは、同時に大幅に減少した。
【0004】
文献には乾燥状態で貯蔵され、そして使用、例えば体腔への挿入(例えば米国特許第5.416.131号明細書およびそこに記載された参照文献を参照されたい)の直前に直ちに湿潤される親水性塗膜を有する医療機器の幾つかの例が開示されている。文献はまた濡れたすぐに使用できる状態(例えば国際公開第00/30696号パンフレットを参照されたい)で貯蔵される親水性塗膜を有する医療機器を開示する。米国特許第5.416.131号明細書から、体腔へ挿入され、そして体液と接触するようになった後(例えば米国特許第5.416.131号明細書を参照されたい)に、湿潤塗膜の重量オスモル濃度を増加させ、そして該塗膜が(それによって摩擦係数の増加となる)乾燥するのを防ぐために、種々の水可溶性重量オスモル濃度増加化合物(例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム、ヨウ化カリウム、硝酸カリウム等の無機塩、ナトリウムクエン酸またはナトリウムベンゾエート、グルコース等のモノまたはジサッカリド、ソルビトールおよびグリセロール等の糖アルコール等の有機塩)が塗膜に加えられても良いことは公知である。従って、重量オスモル濃度の増加効果を達成するために、親水性塗膜中へグリセロールを導入することが提案されてきた。
【0005】
国際公開第00/030696号パンフレットは、グリセロールおよびジエチレングリコールといった物質を湿潤剤へ加えることによって、可塑剤としてのグリセロールおよびジエチレングリコールの使用を提案する。
【0006】
この参照文献中には、湿潤剤へ加えられた可塑剤の量についての指針はなく、たれず且つ接触するようになった表面の上に塗膜材料を残す傾向を減少させた、直ちに使用できる機器が、グリセロールまたはジエチレングリコールを含む湿潤剤で、塗膜を湿潤することによって達成されるかもしれないことも記載されていない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
これらの公知の機器には、それらが挿入される体腔を"汚すこと"につながる過剰量の水を必要とし、そして湿ってぬるぬるした表面である点で重大な欠点がある。さらに、これらのタイプの医療機器は湿潤状態でたれる可能性があり、そして湿潤剤および塗膜材料の内容によって、ユーザーの衣服等にしみをつける可能性がある。
【0008】
米国特許第5.800.412号明細書では、グリセロールは塗膜溶液のための溶媒として使用される。
米国特許第5.091.205号明細書中には、従来のカテーテルはシリコーン流体、グリセロール、またはオリーブ油の層での塗膜によって滑性を与えられているかもしれないと記載されている。滑剤が均一に分散されておらず、そして直ちに流れ落ちるため、この方式のカテーテルの湿潤は、実際には性能が劣る。別の問題はそうしたカテーテルのハンドリングおよび使用の間の汚染である。
【0009】
従って、湿潤して直ちに使用できる形で包装され、そして貯蔵されている可能性があり、たれず且つ汚染、すなわち、例えば挿入された体腔中などと接触してきた表面上に塗膜材料を残す傾向を減少させた親水性塗膜を有する医療機器へのニーズがある。
【0010】
驚くべきことに、親水性塗膜を湿らせるために水、および例えばグリセロールまたはエチレングリコール等の滑剤の混合物を含む湿潤剤を使用することによって、これが達成されることが見出された。
【0011】
本発明の医療機器には、また乾燥するまでのより長い時間があり、塗膜の低摩擦性を失うことなく、より長時間大気中または体腔中で放置されても良いということを意味する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
従って、もっとも広い面では、本発明は以下を含む濡れた親水性塗膜を有する医療機器に関する:
a)親水性ポリマーを含む塗膜組成物および
b)水および1種または2種以上の滑剤を含む湿潤剤。
【0013】
本発明の特別な態様では、上記の親水性ポリマーは、塗膜組成物中で物理的に架橋したマトリックスを形成する親水性および疎水性ブロックを含む両親媒性ブロック共重合体である。
【0014】
本発明は、また濡れた親水性塗膜を有する医療機器および該方法によって入手できる医療機器の前処理のための方法に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本願中で使用されるように、"濡れた親水性塗膜を有する医療機器"の語句は、湿潤しており、そして直ちに使用できる、例えば体腔へ挿入するために用意された医療機器を意味する。
【0016】
"医療機器"の語は、かなり広い意味に解釈すべきである。(器具を含む)好適な医療機器の例は、カテーテル(導尿カテーテル等)、内視鏡、喉頭鏡、供給管、排液管、ガイドワイヤー、コンドーム、ウリシルト、例えばグローブ、ステントおよび他のインプラントのためのバリアー塗膜、例えば透析、血液フィルターのための体外の血液導管、膜、循環補助のための機器、創部ケアのための包帯、導尿バッグ、および造瘻バッグなどである。典型的には医療機器は、カテーテル、内視鏡、喉頭鏡、供給管、排液管、クワイド(quide)ワイヤー、ステントおよび他のインプラントから選択される。
【0017】
本願中で使用されるように、物理的に架橋したとは、ポリマー分子が、ポリマー鎖間の第2相互作用によって起こされた領域分離に基づく可逆的な架橋によって一緒に結合していることを意味する。これらの第2相互作用は水素結合およびイオン結合を含むが、共有結合は含まない。
【0018】
共有結合架橋と異なって物理的架橋は、熱せられると壊れ、そして冷やされると再び確立される。これは材料に加工されることと、リサイクルを可能にする。物理的架橋によって一緒になっている塗膜組成物は、したがって熱可塑性である。
【0019】
本願中で使用されるように"相溶性"は、単一相中で均質に関連する2または3以上の分子の能力を意味する。
本願中で使用されるように"不溶性"は、単一相中で均質に関連できない2または3以上の分子の能力を意味する。
本願中で使用されるように湿潤剤の語は、1種または2種以上の滑剤を含む水溶液またはエマルジョンを対象とする。
【0020】
本願中で使用されるように塗膜組成物の語は、医療機器上に塗膜を作る、すなわち溶媒を含まず、医療機器への塗膜組成物の適用に関連して溶媒として使用されてもよく、そして1種または2種以上の滑剤を含む湿潤剤を含まない、組成物を意味する。
【0021】
本発明の一実施態様では、親水性塗膜および塗膜組成物がある医療機器または医療機器の一部は、異なる材料または異なるポリマー組成物でできている。
【0022】
本発明の態様にしたがって、親水性塗膜を有する医療機器または医療機器の一部は、そうした医療機器を作るために従来使用された材料で形成されていても良く、そして下記に見るように該塗膜組成物は、後で医療機器に適用される。
【0023】
本発明の別の態様では、親水性塗膜を有する全医療機器または医療機器の一部は、塗膜組成物で出来ている。
【0024】
本発明の態様にしたがって、医療機器の表面または医療機器の表面の一部への適用のため塗膜組成物の分離した工程はない。
【0025】
湿潤剤に含まれる滑剤は、潤滑特性を有する水可溶性または水不溶性化合物である可能性がある。好適に滑剤は水可溶性であり、そして滑剤はまた好適に吸湿剤または吸湿性も有している。従って滑剤は、グリセロール等の親水性滑剤、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール等のグリコール、BASF社からのポロキサマー188、ポロキサマー237、ポロキサマー338、ポロキサマー407、ポロキサマー124等のポリオキシエチレンポリオキシプロピレン(poly oxamer:ポリオキサマー)のブロックポリマー、PEG 300、PEG 400、PEG 600、PEG 800、PEG 1000.PEG 1500、PEG 2000、PEG 3000、PEG 3350、PEG 4000、PEG 5500、PEG 6000、PEG 8000、PEG 10000、PEG 12000、PEG 20000およびPEG 35000等のポリエチレングリコール、クラリアント(Clariant)社からのポリグリコールP41−タイプ等のスタティスティカルエチレンオキサイド/プロピレンオキサイド共重合体(copolymeriisates)、クラリアント社からのポリグリコールB11−タイプ等のスタティスティカルエチレンオキサイド/プロピレンオキサイド共重合体モノブチルエーテル、ポリグリコールPR−タイプ(例えばポリグリコールPR300, PR450, PR600およびPR1000)およびグリコールエステル等のポリアルキレングリコールから選択される。
【0026】
滑剤は、またクラリアント社のポリグリコールB01/ T01およびその同類のもの等のPOポリマー(polymerisate)モノブチルエーテル/ POポリマーモノイソトリデシルエーテル、PPG100〜5000等のポリプロピレングリコール、ソルベイ(Solvay)社のフォンブリン(Fomblin) PFPE Y、MまたはWタイプの滑剤等のパーフルオロエーテル、パラフィン系油、またはシリコーン油から選択された疎水性滑剤から選択されてもよい。
【0027】
好ましくは、滑剤はグリセロール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1、5−ペンタンジオール等のグリコール、およびグリセロールジアセテート(ジアセチン)およびグリセロールトリアセテート(トリアセチン)等のグリコールエステル等の親水性の滑剤から選択される。好適に湿潤剤は1つの滑剤を含み、そして好適には滑剤はグリセロールである。
【0028】
医療機器上の塗膜組成物に含まれる親水性ポリマーは、ポリビニルピロリドン(PVP)、N−ビニルブチロラクタムのホモポリマーおよびN−ビニルカプロラクタム、またはN−ビニルピロリドン、ビニルブチロラクタムおよび/又はN−ビニルカプロラクタムを含む共重合体等のポリ(N−ビニルラクタム)、ポリ(2−エチル−2−オキサゾリン)、ポリビニルアルコールおよびそれらの誘導体、ポリサッカリド、デキストラン、キサンタン、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、親水性ポリウレタン、ポリヒドロキシアクリレート、ポリヒドロキシエチルメタクリレート、ポリアクリル酸、例えばヒドロキシエチルメチルアクリレート等のヒドロキシアクリレートとビニル化合物との共重合体、ポリエチレンオキサイド等のポリエーテル、メチルビニルエーテルと無水マレイン酸との共重合体、マレイン酸とスチレンとの共重合体から好適に選択可能である。
【0029】
これらの親水性ポリマーのいくつかは、例えば国際公開第00/030696号パンフレットにみる、塗膜組成物が医療機器に適用された後のポリマー鎖間で共有結合を形成するように処理されてもよい。
【0030】
好ましくは、親水性ポリマーは塗膜組成物中で物理的に架橋したマトリックスを形成するポリマーであり、例えば親水性および疎水性ブロックを含む両親媒性ブロック共重合体である。親水性塗膜は、塗膜組成物中で物理的に架橋したマトリックスを形成する両親媒性ブロック共重合体を含む熱可塑性塗膜組成物から好適に形成される。
【0031】
本発明の一実施態様では、両親媒性ブロック共重合体は親水性ポリウレタンである。本発明の目的のための好適な両親媒性ポリウレタンは、ノヴェオン社(NOVEON) (B.F.グッドリッジ:B.F.Goodrich)のエスタン(ESTANE) T5410、テコフィリック(Tecophilic) HP93A100、サーメディックス(Thermedics)ポリマー社の種々のタイプのテコゲル(Tecogels)、カーディオテクインターナショナル社(CardioTech International Inc.)の製品(例えばテコゲル500およびテコゲル2000)、ヒドロメド(HydroMed) D640およびヒドロスリップ(HydroSlip)である。
【0032】
本発明の1つの具体的な例では、両親媒性ポリウレタンは、テコゲル2000またはテコフィリックHP93A100である。
塗膜組成物中に物理的に架橋したマトリックスを形成する両親媒性ブロック共重合体は、好適に少なくとも1つの極性ポリマー鎖(親水性ブロック)に共有結合でつながった少なくとも1つの非極性ポリマーの鎖(疎水性ブロック)からなる。ポリマーの極性鎖の端は、水可溶性または水膨潤性でなければならず、そして乾燥物を基準として200〜250%、好適には少なくとも300%(w/w)の容量、好ましくは少なくとも500%(w/w)の水を単体でも吸収する。非極性鎖は好ましくは水の中に沈めたときに、乾燥物を基準として10%(w/w)超の水を吸収しない。
【0033】
両親媒性ブロックコポリマーは、例えば構造ABを有するジブロックポリマー、ここでAが疎水性ブロックであり、且つBは親水性ブロック、またはAが疎水性ブロックであり、且つBが親水性ブロックである直線構造ABAを有するトリブロックであり、または代わりにAおよびBブロックを含むマルチブロック形またはマルチアームスター(multi arm star−shaped)形の共重合体構造を有してもよい。好適には、両親媒性ブロックコポリマーはジブロックABまたはトリブロックABAであり、そして最も好ましくは両親媒性ブロックコポリマーはトリブロック共重合体ABAである。
【0034】
疎水性ブロックを形成するために重合されたモノマー単位は、同一もしくは本質的に同一または例えば共重合体におけるように異なる可能性がある。親水性ブロックについても同様である。本発明は、ブロックが本質的に同一のモノマー単位または共重合体から調製されたホモポリマーであるか否かにかかわらず、疎水性および親水性ブロックの全での可能な組み合わせの使用を範囲とする。
【0035】
疎水性Aブロックを調製するための疎水性モノマーは、好適にはスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルピリジン、エチルスチレン、t−ブチルスチレン、イソプロピルスチレン、ジメチルスチレン、および他のアルキル化スチレン等の約8〜約18の炭素原子を典型的に含むモノビニル芳香族またはヘテロ芳香族モノマーである。
【0036】
ポリスチレンのAブロック中のスチレンモノマーは、α−メチルスチレンまたはビニルトルエン等のスチレンの誘導体から部分的に誘導されてもよい。
あるいは、疎水性のAブロックは、ブタジエン、クロロプレン、(メタまたはア)クリルエステル、ビニルアセテート、ビニルヴァーサテート(versatate)およびプロピオン酸ビニル等のビニルエステル;またはビニルクロライド等のハロゲン化ビニル、およびビニルニトリルから選択されるエチレン性不飽和モノマーから調製されてもよい。"(メタまたはア)クリルエステル"は、例えば塩素化またはフッ化で任意選択的にハロゲン化したアクリル酸およびメタクリル酸のエステル、C〜C30直鎖または分枝鎖アルコール、好ましくはC〜C18アルコールを指定するために現在意味で使用される。そうしたエステルの例は、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ラウリルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレートおよびイソブチルメタクリレートである。
【0037】
好適なビニルニトリルは、特にアクリロニトリルおよびメタクリロニトリル等の3〜12の炭素原子を有するものである。
あるいは、両親媒性ブロック共重合体の疎水性Aブロックは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ1−ブテンまたはポリイソブチレン等のポリα−オレフィンである。
【0038】
両親媒性ブロック共重合体の疎水性Aブロックは、またポリビニルエーテル、ポリアセテート、ポリシロキサン、疎水性ポリエステルまたは類似のポリマーであってもよい。
【0039】
好適な両親媒性ポリマーの疎水性Aブロックは、重合スチレンを含む、すなわち疎水性ブロックはスチレンまたは疎水性の重合形である他のモノマーとのスチレンモノマー共重合体からなるブロックから本質的になる。
【0040】
一実施態様では、両親媒性ポリマーの疎水性Aブロックは、重合アクリル酸エステルモノマー、すなわち重合(メタまたはア)クリル酸エステルからなるブロックまたは疎水性の重合形である他のモノマーと(メタまたはア)クリル酸エステルモノマーとの共重合体からなるブロックを含む。
【0041】
さらに本発明の態様においては、両親媒性ポリマーの疎水性Aブロックが、1〜6の炭素原子からなる重合ビニル不飽和脂肪族炭化水素モノマーの疎水性ブロックを含む。4炭素原子を含む重合ビニル不飽和炭化水素モノマーが、好ましくそして商業的に直ちに入手可能であり、ポリブチレンおよびポリイソブチレンが最も好ましい。
【0042】
最も好ましい疎水性Aブロックは、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルアクリレートおよびポリ−2−エチルヘキシルアクリレートのブロックである。
【0043】
一実施態様では、両親媒性ブロック共重合体は、異なる疎水性ブロックA、例えばポリスチレンのブロックおよび疎水性ポリアクリル酸エステルのブロックを含む。
塗膜組成物は、両親媒性ブロック共重合体の親水性ブロックのための可塑剤を含んでもよい。
【0044】
好適な疎水性の可塑剤は、例えばカンファー、ヒマシ油、フタル酸ジブチル、セバシン酸ジブチル、アジピン酸ジオクチル(DOA)、アジピン酸ジオクチル(DOP)、クエン酸アセチルトリブチル(シトロフォル:Citrofol BII)、サンティサイザー(santicizer)141、サンティサイザー148、サンティサイザー261、セバシン酸、およびクエン酸トリブチル(シトロフォル Bl)である。
両親媒性ブロック共重合体の親水性Bブロックは、かなりの量の水を吸収可能であるあらゆるタイプの親水性ポリマーであってもよい。
【0045】
親水性Bブロックの調製のために有用なモノマーは、例えばアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸並びにフマル酸等のエチレン性不飽和モノカルボン酸およびジカルボン酸;およびアルカノール、好ましくは1〜4の炭素原子を有するアルカノールを有する上記のタイプのジカルボン酸のモノアルキルエステル;アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メトキシアクリルアミドまたはメタクリルアミド、およびN−アルキルアクリルアミド等の上記のジカルボン酸のN−置換誘導体(アミド)、不飽和モノカルボン酸のアミド;スルホン酸基およびアンモニウム並びにアルカリ金属それらの塩、例えばビニルスルホン酸、ビニルベンゼンスルホン酸、α−アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸および2−スルホエチレンメタクリレートを含むエチレンモノマー;ビニルアミン、特にビニルホルムアミドまたはビニルアセタミドのアミド;および例えば、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール、アミノアルキル(メタまたはア)クリレートおよびアミノアルキル(メタまたはア)アクリルアミド等の第二級、第三級または第四級アミノ基、または窒素を含む複素環式基を含む不飽和エチレンモノマーである。例えば、スルホプロピル(ジメチル)アミノプロピルアクリレート等の両性イオン性モノマーを使用することも可能である。
【0046】
両染性ブロック共重合体中の好適な親水性Bブロックは、PEG (ポリエチレングリコール)、ポリエチレンオキサイド、PVP (ポリビニルピロリドン)、ポリアクリル酸のポリアクリル酸、塩、マレイン酸等の酸からなるポリマーの塩、ポリビニルアルコール、親水性ポリウレタン、ポリヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、ポリエチレングリコール(メタまたはア)クリレート、ポリエトキシポリエチレングリコール(メタまたはア)クリレート、ポリメトキシエチル(メタまたはア)クリレート、ポリエトキシ(メタまたはア)クリレート、ポリ2−ジメチルアミノエチル(メタまたはア)クリレート(DMAEMA)およびポリ3−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド(DMAPMA)、炭水化物またはゼラチンである。
【0047】
ポリマーの中に所望の性質(例えばTgおよび係数)を与えるために、両親媒性ブロック共重合体中の親水性Bブロックは、異なるモノマー、またはオリゴマー、例えば上記の親水性ポリマーブロックの前処理に使用されるモノマーまたはオリゴマー、またはアクリル酸、マレイン酸、ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、ビニルピロリドン(NVP)、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール(メタまたはア)クリレート、エトキシポリエチレングリコール(メタまたはア)クリレート等のポリエチレングリコールおよびそれらの誘導体、エトキシエチル(メタまたはア)クリレート、エトキシ(メタまたはア)クリレート、2−ジメチルアミノエチル(メタまたはア)クリレート(DMAEMA)および3−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド(DMAPMA)から選択されたモノマーまたはオリゴマーからも調製されてもよい。好適な親水性ブロックは、ナトリウムアクリレート等の中和された(メタまたはア)クリル酸、およびヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、ビニルピロリドン(NVP)、ポリエチレングリコール(メタまたはア)クリレートおよびエトキシポリエチレングリコール(メタまたはア)クリレート等のポリエチレングリコール並びにそれらの誘導体、メトキシエチル− (メタまたはア)クリレート、エトキシ(メタまたはア)クリレート、2−ジメチルアミノエチル(メタまたはア)クリレート(DMAEMA)または3−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド(DMAPMA)の共重合体であってもよい。
【0048】
本願中で使用されるように(メタまたはア)クリレートは、アクリレートおよびメタクリレートを意味する。
例えばポリマーブロック中に所望の性質を与えるために、親水性Bブロック中に存在する多くの疎水性モノマーを有することが可能であり、それらが存在する限りかなりな量の水を吸収することが出来、そして両染性ブロック共重合体の疎水性ブロックと不溶性である親水性ブロックを与える。
【0049】
同様に、両染性ブロック共重合体の親水性ブロックと不溶性である限り、疎水性ブロック中に存在する多くの親水性モノマーを有することが可能である。
親水性Bブロックは、塗膜組成物中に分離可能な親水性ドメインを形成するために、好適には約500の最小分子量を有する。
【0050】
好適に、両親媒性ブロック共重合体の親水性Bブロックは、少なくとも1000、好ましくは1000〜300.000、さらに好ましくは50.000〜300.000の分子量を有する。
好ましくは分子量は、末端ブロックの場合には1000より大きく、そして中間ブロックの場合には5000より大きい。
【0051】
好ましくは、硬い親水性Bブロック(すなわち高いTgのポリマー)は、やわらかい親水性Bブロック(すなわちより低いTgのブロック)よりサイズが小さい。疎水性ブロックが充分に大きく塗膜組成物中の疎水性および親水性相の物理的分離、すなわち疎水性ドメインまたは相が形成される限りは、疎水性Aブロックのサイズまたは分子量は、本発明の目的のための両親媒性ブロック共重合体の使用では限定要因とはならないようである。
【0052】
一般的に、両親媒性ブロック共重合体の疎水性Aブロックは少なくとも1000、好ましくは1000〜500.000、さらに好ましくは1000〜300.000、さらに好ましくは1000〜100.000、またはもっとも好ましくは1000〜50.000の分子量を有する。
【0053】
スチレンブロック等の硬い疎水性Aブロックのためには、ブロックの分子量は、典型的には10.000〜20.000であり、そしてブチルアクリレート等のやわらかいブロックのためには50.000〜100.000が好適である。
【0054】
本発明の塗膜組成物中の両親媒性ブロック共重合体は、本発明に従って、湿潤剤での膨潤の間およびその後、高い凝集を保持するべきである。
長い疎水性末端ブロックを有する両親媒性ブロック共重合体の使用により、塗膜中の凝集が劇的に改善する。
【0055】
当業者は、親水性ブロックのサイズを鑑みて、疎水性ブロックのための適当なサイズおよびその逆を選択するであろう。
一実施態様では、両親媒性ブロック共重合体中の疎水性Aブロックは、モノビニル芳香族ホモポリマー、例えばポリスチレンの熱可塑性末端ブロックである。
【0056】
特別な態様では、両親媒性ブロック共重合体は、共重合体中に少なくとも2つの異なる分子量ブロック(例えば、約1000〜約50,000数平均分子量のAブロックおよび約1000〜約500,000数平均分子量のBブロック)を有し、B領域は親水性末端ブロックポリマーまたはトリブロック共重合体の場合には中間ポリマーブロックである。
【0057】
好適には両親媒性ブロック共重合体は、中間ブロックとして親水性ブロックBを有するトリブロック共重合体ABAである。
本発明の一実施態様では、本発明に従って使用される両親媒性ブロック共重合体は、架橋または好適な官能基の包含によるさらなる重合のために、グラフト共重合のような反応でさらに官能化されてもよい。
【0058】
官能基はブロックの末端または側鎖として結合されてもよい。官能基は、例えばさらなる重合のための二重結合を含む不飽和ビニル基であってもよい。官能基は、さらに共有結合架橋のためのUV重合のために、ブロック共重合体結合された光開始剤であってもよい。官能基は、さらにポリウレタンベースのブロック共重合体の形成、またはイソシアネートとの架橋するためのイソシアネートとの反応のための、ヒドロキシル、第1または第2アミン基であってもよい。
【0059】
本発明の目的のための好適な両親媒性ブロック共重合体は、カナダ国ローディア(Rhodia)社およびアトフィナ( Atofina)社から両親媒性ブロック共重合体を商業的に入手可能であると同様に、ポリマーソース124アヴロストリート、モントリオール、ケベック州H9P2X8からすべて入手可能である(分子量2000−65000−2000を有するP3000−SAAS等の)ポリ(スチレン−b−アクリル酸−b−スチレン)、( P1483−MMAMAAMMA等の)ポリ(メチルメタクリレート−b−メタクリル酸−b−メチルメタクリレート)および(分子量9500−48000−9500を有するP2525−SEOS等の)ポリ(スチレン−b−エチレンオキサイド−b−スチレン)である。
【0060】
本発明に従った有用な両親媒性ブロック共重合体は、キサンテート(xantates)、ジチオエステル、ジチオカルバメート、イニファタ、変性ヨードトランスファー(iodine degerative transfer)、テトラフェニルエタン誘導体、または有機コバルト錯体によってコントロールされたフリーラジカル重合等多くの方法によって、またはニトロキシド前駆体を使用する重合、原子移送フリーラジカル重合(ATRP)および基移送重合によって、調製されてもよい。参照文献と伴にこれらの方法は、米国特許出願公開番号第2004/0030030号明細書中に記載される。
【0061】
物理的な架橋によって架橋した両親媒性ブロック共重合体の利点は、それらが熱可塑性であることであり、塗膜組成物を加熱し、そして例えば押し出し、射出成形等によって物品に加工可能であり、そして例えば共押し出しによって塗膜組成物を医療機器上に適用可能である。押し出しと共押し出しは、ともにカテーテル等の管で形成された医療機器を作製するのに好適な方法である。
【0062】
塗膜組成物を調製する際には、両親媒性ブロック共重合体は、塗膜組成物の全重量に対する重量、すなわち湿潤剤で湿潤させる前で、好適には10〜100%、好適には10〜90%、好ましくは10〜80%、または最も好ましくは10〜50%の量で加えられる。
【0063】
塗膜組成物中の物理的架橋マトリックスを形成する両親媒性ポリマーに加えて、塗膜組成物は他の親水性または疎水性ポリマーを含んでもよい。これはまた国際公開第DK2004/000677号パンフレット中に記載されており、両親媒性ブロック共重合体の親水性ブロックと相溶性であり、そして塗膜組成物中の疎水性ブロックと不溶性であるヒドロゲル生成親水性ホモポリマーまたはヘテロポリマーを含むことが提案されている。
【0064】
親水性ホモポリマーまたはヘテロポリマーは、親水性Bブロックのためのこれら上記のような同じタイプのポリマーであってもよい。
親水性ホモポリマーまたはヘテロポリマーは、好適にはセルロース誘導体、ポリサッカリド、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリカルボン酸ポリアクリル酸、ポリ(メチルビニルエーテル/無水マレイン酸)、ポリ(メタまたはア)クリル酸、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリアミド、ポリアクリルアミドおよび誘導体またはこれらのポリマーの混合物である。
【0065】
好適な親水性ホモポリマーまたはヘテロポリマーは、ヴィヴィプリント(ViviPrint)540, PVP K−90, PVP K−30, PVP K−25, PVP K−15, PVP K−12、およびPVP/VA S630共重合体等のビニルピロリドンを含むポリビニルピロリドンポリマーまたは共重合体である。
【0066】
他の好適な親水性ホモまたはヘテロポリマーは、アクリル酸もしくはポリ(メチルビニルエーテル/無水マレイン酸)もしくはポリ(メチルビニルエーテル/マレイン酸)の親水性共重合体を含むアクリル酸または共重合体である。
【0067】
水を吸収し、そして水(水および蒸気透過性)を運ぶアクリル酸等の酸に基づくポリマーの能力は、pHに非常に依存する。そうしたポリマーは、吸収および充分な量の水を運搬可能なポリマーを得るために、使用前に塩基で中和されなければならない。そうしたポリマーで所望の性質を達成するために、好適にはpHは約7であるべきである。
【0068】
特定のヒドロゲル生成親水性ポリマーは、ルヴィクロス(Luvicross:商標) (架橋しており従って不溶性ビニルピロリドンホモポリマー)、ルヴィスコル(Luviskol:商標)VA37E、ルヴィスコル(商標)VA55IVP/VA共重合体、ルヴィスコル(商標)VA64パウダーおよびルヴィスコル(商標)VA73E (すべてビニルピロリドンおよびビニルアセテートの共重合体)、ルヴィテック(Luvitec:商標)VPI55K72Wビニルピロリドン/ビニルイミダゾールおよびルヴィテック(商標)VPC55K65W (ビニルピロリドン/ビニルカプロラクタム共重合体)、ルヴィキャップ(Luvicap:商標) EG (BASFからのポリビニルカプロラクタムポリマー)、ルヴィセット(Luviset) P. U. R. (中和されたアニオン性ポリウレタンポリマー)、ルヴィクワット(Luviquat)ホールド、ポリクオテミウム−46(ビニルカプロラクタム(VCap)、ビニルピロリドン(VP)および第四級ビニルイミダゾールの共重合体)、ルヴィクワットPQ11PN、ポリクオタニウム−11(ビニルピロリドン(VP)およびジメチルアミノエチルメタクリレート(DMAEMA)の第四級共重合体、ルヴィクワットウルトラケアー、ポリクオタニウム−44、ルヴィクワットケアー、ポリクオテミウム−44、ルヴィクワットHM552ポリクオタニウム−16、ルヴィクワットスタイルポリクオテミウム−16、ルヴィクワットFC370ポリクオタニウム−16、ルヴィクワットFC550ポリクオテミウム−16およびルヴィクワットエクセレンスポリクオタニウム−16(全てビニルピロリドン(VP)および第四級ビニルイミダゾールの共重合体)、ポリクオタニウム−16およびポリクオテミウム−44(ビニルピロリドン(VP)および第四級ビニルイミダゾール(QVI)の共重合体、またはプルラケアー(Pluracare:商標) F68NF、ポロキサマー188、プルラケアー(商標) F87NF、ポロキサマー237、プルラケアー(商標) F108NFポロキサマー338、プルラケアー(商標) F127NF、ポロキサマー407、プルラケアー(商標) L44NFおよびポロキサマー124(ずべてブロック共重合体およびエチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイド)およびポリメチルビニルエーテルの合成共重合体からなる基から選択されるポリマーである。
【0069】
好適には、塗膜組成物は、ポリオックス(Polyox) WSR N−80(分子量200.000)およびポリオックスWSR301(分子量4.000.000)等の分子量100.000〜5.000.000を有する1種または2種以上のポリエチレンオキサイドを含む。
【0070】
本発明の塗膜組成物の前処理のために、親水性ホモポリマーまたはヘテロポリマーは、好適には所望の組成物の全重量に対する重量、すなわち湿潤前で5〜80%、好ましくは10〜80%の量加えられる。
【0071】
本発明の一実施態様では、塗膜組成物は塗膜組成物中の物理的架橋マトリックスを形成する両親媒性ポリマーに加えて、親水性または疎水性ポリマーを含まない。
【0072】
いくつかの適用のためには、塗膜組成物は塗膜としての使用目的のための最適な弾性および可塑性係数を確かにするために親水性ホモポリマーまたはヘテロポリマーのための可塑剤を含むことが好ましい。これは親水性ホモポリマーまたはヘテロポリマーが比較的高程度の重合のポリマーであるときは特にそうである。
【0073】
本発明の塗膜組成物中での使用のための好適な親水性可塑剤は、ポリエチレングリコール(例えばPEG300, PEG400)、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセロール、グリセロールジアセテート(ジアセチン)、グリセロールトリアセテート(トリアセチン)、トリエチルクエン酸(シトロフォルAl)、およびアセチルトリエチルクエン酸(シトロフォルAll)から選択される。
【0074】
本発明の塗膜組成物中の可塑剤を使用するときは、PEG400等のポリエチレングリコールからなる基から好適に選択される。
湿潤剤に含まれる滑剤は、塗膜組成物で使用される可塑剤と同じ物質であってもよいが、可塑剤が塗膜組成物の製造の間に加えられるのに対し、滑剤は湿潤剤と伴に加えられる。
【0075】
本発明の1つの特別な態様では、塗膜組成物は親水性の可塑剤を含まない。
本発明の塗膜組成物を調製する際には、可塑剤は組成物の全重量に対する重量、すなわち湿潤剤で湿る前で10〜50重量%、さらに好適には20〜50重量%の量で好適に加えられる。
本発明に従う組成物はポリアクリル酸またはポリカルボン酸、アクリル酸共重合体または会合濃厚剤等の凝集促進成分を含んでもよい。
【0076】
会合濃厚剤は、水に不溶の疎水性基でキャップされた水可溶性ポリマーをベースとするポリマーである。それらは例えば脂肪アルコールのような水不溶性疎水性基でキャップされたアクリレートポリマー、セルロースエーテル、またはポリエチレングリコールであってもよい。水溶液中またはエマルジョン中では、これらのポリマーは粘度を増加させるネットワークを形成する。水可溶性のバックボーンポリマーは水中に溶解される。疎水性キャップは疎水性ポリマー上へ吸着されるか、または疎水性ポリマーとミセル構造を形成する。個々の会合濃厚剤ポリマーは、少なくとも2つの疎水性キャップを含むので、結果としてエマルジョン内の三次元ネットワークとなる。これは粘度を増加させる。主に高および中ずり応力の粘度が影響される。
【0077】
濃厚剤は、好適にはISP社のスタブリーゼ(STABILEZE:商標)06&QM、ガントレズ(GANTREZ:商標)、ポリメチルビニルエーテル/無水マレイン酸共重合体、ロームアンドハース社のアクリン(Aculyn:商標)28、ヘラクレス社(HERCULES)の疎水性に改質されたヒドロキシエチルセルロースであるネクストン(NEXTON:商標)またはナトロソル(Natrosol:商標)プラスCS、またはノヴェオン社からノヴェオンAA1およびペミューレン(Pemulen) TR2等のカルボポル(Carbopol)ホモポリマーおよび共重合体である。
【0078】
そうした凝集促進成分は、好適には全重量の調製された組成物に対する重量で15重量%までの量で塗膜組成物に加えられる。
さらにまだ、本発明に従う塗膜組成物は、またCMCのようなポリサッカリド、抗酸化剤、ファイバー、塩、クレイ、バッファー、または顔料等の従来から使用される増量剤またはフィラーを調製される塗膜組成物の全重量に対して30%までの量含む。
【0079】
本発明の親水性塗膜はまた上記の様に、重量オスモル濃度増加試薬、好適には塩またはウレアを含む。
重量オスモル濃度増加塩は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、ヨウ化カリウム、硝酸カリウム等の無機塩、およびナトリウムクエン酸またはナトリウムベンゾエート等の有機塩であってもよい。
【0080】
重量オスモル濃度増加塩またはウレアは、塗膜組成物の一部を形成しても良くまたは湿潤剤中の成分であってもよい。
【0081】
塗膜組成物中の適当な量の異なる成分は、塗膜組成物の前処理に使用される種々の成分の量を挙げることで最も良く表される。水(湿潤前)の量のより小さい変化は、組成物中の種々の成分の小さいまたはマイナーな割合の変化を起こすかもしれないが、最終の塗膜組成物中の量に対応した量より多いか少ないであろう。従って、塗膜組成物は好適には以下を含む:
【0082】
10〜100%(w/w)、または好適には10〜90%(w/w)、好ましくは10〜50%の両親媒性ブロック共重合体、
少なくとも5%(w/w)の親水性ホモポリマーまたはヘテロポリマー;
疎水性相のための0〜30%(w/w)の可塑剤
親水性相のための0〜50%(w/w)の可塑剤。
【0083】
本発明の特別な態様では、塗膜組成物は以下を含む:60〜90%(w/w)、好適には60〜80%(w/w)、またはさらに好ましくは70〜80%(w/w)の両親媒性ポリウレタン、15〜30%(w/w)、好適には15〜25%(w/w)、またはさらに好ましくは18〜20%(w/w)ポリエチレンオキサイド、および任意選択的に20%までの好ましくは10%までの可塑剤。
【0084】
両親媒性ポリウレタンは、典型的にはテコゲル2000およびテコゲル500およびテコフィリック93A等のテコゲルから選択される。
ポリエチレンオキサイドは、典型的にはポリオックスWSR N−80(分子量200.000)およびポリオックスWSR301(分子量4.000.000)から選択される。
【0085】
両親媒性ポリウレタンおよびポリエチレンオキサイドを含む塗膜組成物のための典型的な処方は次のようである:
A)75%(w/w)テコゲル2000
24%(w/w)ポリオックスWSR N−80
1%(w/w)ポリオックスWSR301
B)48%(w/w)テコゲル2000
32%(w/w)テコフィリック93A
20%(w/w)ポリオックスWSR N−80
C)43%(w/w)テコゲル2000
29%(w/w)テコフィリック93A
18%(w/w)ポリオックスWSR N−80
10%(w/w)サニタイザーS120(可塑剤)
D)40%(w/w)テコゲル2000
40%(w/w)テコゲル500
18%(w/w)ポリオックスWSR N−180
10%(w/w)サンティサイザーS120
【0086】
塗膜組成物A)〜D)は溶融状態で医療機器に好適に適用されてもよい。
両親媒性ポリウレタンおよびポリビニルピロリドンを含む塗膜組成物のための典型的な処方は以下のようである:
E)50%(w/w)PVP K−90
50%(w/w)ヒドロメド
F)50%(w/w)PVP K−25
50%(w/w)テコゲル2000
G)55%(w/w)PVP K−90
45%(w/w)ヒドロスリップ。
H)35,3%(w/w)PVP K−90
27.9%(w/w)ヒドロスリップ
36.8%(w/w)シトロフォルA1
I)32.8%(w/w)PVP K−25
32.8%(w/w)ヒドロスリップ、ヒドロメド。またはテコゲル2000
34.4%(w/w)シトロフォルA1
J)33.9%(w/w)PVP K−90
26.9%(w/w)ヒドロスリップ
3.9%(w/w)ヒドロメド
35.3%(w/w)シトロフォルA1
K)39.3%(w/w)PVP K−25
26.2%(w/w)テコゲル500
34.5%(w/w)シトロフォルA1
【0087】
塗膜組成物E) 〜 K)は(例えばジオキソラン中)溶液として医療機器に好適に適用され、その後溶媒の蒸発および医療機器上の塗膜組成物が続いてもよい。
本発明はまた以下を含む上記の様な医療機器の前処理のための方法に関する
a)上記の様に親水性ポリマーを含む塗膜を有する医療機器を用意する工程;
b)水および滑剤を含む湿潤剤と接触する塗膜を有する医療機器または医療機器の一部を配置し、そして湿潤剤を塗膜中に浸透させる工程。
【0088】
上記a)工程下で与えられた医療機器は、湿らせる前の本質的に乾燥した塗膜を有していてもよい。あるいはa)工程下で与えられた医療機器は、程度の差こそあれ濡れた塗膜を有する。塗膜組成物の膨潤は湿潤剤、例えば水および滑剤を含む溶液またはエマルジョン中の親水性塗膜にディッピングすることによって行われてもよい。
【0089】
本発明の濡れた親水性塗膜は、1種または2種以上の層をを含んでも良い。内側の層は、好適には塗膜層を医療機器に結びつけるバインダーである。
当業者は、親水性塗膜組成物の量に関して好適な量の湿潤剤を決定する可能性がある。
【0090】
好適には、湿潤剤の割合は、塗膜組成物の50%(w/w)超、60%(w/w)超、70%(w/w)超、85%(w/w)超、88%(w/w)、または90%(w/w)超である。最も好適な湿潤剤の割合は、塗膜組成物の85%(w/w)超、さらに好適には88%(w/w)超、またはさらに好適には90%(w/w)超にもなる。
【0091】
好適には、湿潤剤は、湿潤剤の重量で、全量で0.1% 〜95%、好適には0.1% 〜70%、またはさらに好適には1〜70%の1種または2種以上の滑剤を含む。最適な量は塗膜組成物および滑剤の特定の組成物に依存する。
【0092】
親水性ポリマーマトリックスが、テコゲル2000等の両親媒性ポリウレタンを含むときは、親水性ポリマーはポリエチレンオキサイドであり、そして滑剤はグリセロールであり、滑剤は好適には湿潤剤の重量で0.1%〜70%量存在する。
【0093】
湿潤剤が、塗膜組成物中に存在するときに、もし湿潤剤中の滑剤量に言及しなければ、湿潤剤中の滑剤量の基準は、親水性塗膜組成物を湿らせるために使用される前の湿潤剤中の滑剤量である。塗膜組成物それ自身が1種または2種以上の上記のような滑剤を含む場合は、湿潤剤で塗膜組成物を膨潤させた後塗膜組成物中に存在するとき、塗膜を膨潤させるために使用される湿潤剤は、湿潤剤中に存在する量より少ない滑剤量を含む可能性がある。
【0094】
しかし、湿潤剤が塗膜組成物中に存在または吸着されているときでさえ、滑剤は湿潤剤の重量で0.1% 〜95%、好適には0.1% 〜70%、またはさらに好適には1〜70%の量、好適に存在する。
【0095】
濡れた親水性塗膜の最も外側の少なくとも0.01mmの層は、湿潤剤中の滑剤の重量で0.1% 〜95%、好適には0.1% 〜70%、またはさらに好適に1〜70%を好適に含む。
【0096】
本発明の親水性塗膜を有する医療機器またはそれらの部品は、プラスチック、金属、ガラス、セラミックほか等の種々の基本的な材料で出来ていてもよい。医療機器のためのプラスチック材料の典型的な例はポリウレタンおよびそれらの共重合体、またはぺバックス(Pebax:商標)等のポリエーテルブロックアミドまたはポリビニルクロライド、ポリアミド、スチレンエチレン/ブチレンスチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレンイソプレンスチレンブロック共重合体(SIS)、スチレンエチレン/プロピレンスチレンブロック共重合体(SEPS)、エチレンビニルアセテート共重合体(EVA)、ポリエチレン(PE)メタロセン触媒ポリエチレンおよびエチレンおよびプロピレンの共重合体またはそれらの混合物を含む他のポリマー材料等のポリマーである。現在のところ非常に適切な材料は、ポリビニルクロライド(PVC)と同様に、ポリウレタンまたはそれらの共重合体である。好適に、親水性塗膜を有する医療機器または医療機器のエレメントはポリウレタンまたはPVCで形成されている。
【0097】
親水性の濡れた塗膜が適用されている医療機器の表面は、医療機器またはそれらの部品の全表面であってもよい。一実施態様では、表面の一部は、表面上の親水性塗膜のための予め決定されるパターンを与えるフィルムまたはその同類のものでマスクキングされていてもよい。
【0098】
本発明の一実施態様では、親水性塗膜を有する全医療機器またはそれらの部品は塗膜組成物からできている。
本発明の態様にしたがって、医療機器またはそれらの部品の表面への塗膜組成物の適用のための分離したステップはない。
【0099】
本発明の態様にしたがって、医療機器例えばカテーテルは、国際公開第03/002325号パンフレット中に記載された塗膜組成物の射出成形によって作られても良い。押し出しも可能性である。
本発明の別の態様にしたがって、親水性塗膜および塗膜組成物を有する医療機器またはそれらの部品は異なる材料または組成物から組み立てられる。
【0100】
本発明の態様にしたがって、親水性塗膜を有する医療機器または医療機器のエレメントは、そうした材料からそうした品目を作るのための従来の方法使用する上記のようないずれかの材料から形成され、そして塗膜組成物は、その後医療機器またはそれらの部品に適用されるてもよい。塗膜組成物の適用は公知の技術によって行なわれてもよい。しかし、塗膜組成物は熱可塑性材料塗膜であるときは、共押し出しによって好適に行われる。
【0101】
1以上の層の射出成形が本発明の塗膜組成物を有する医療機器の塗膜に使用されてもよい。共押し出しも可能である。上記のように医療機器上の塗膜は、塗膜溶液中のディッピング等の従来技術使用して、それらの表面へ適用されてもよい。
【0102】
塗膜は1種または2種以上の層を有していてもよい。1つの層は塗膜組成物を医療機器に付けるのための有用なプライマー層であってもよい。
本発明の好ましい態様にしたがって、本発明に従う医療機器はカテーテル、好適には導尿カテーテルである。
本発明に従う医療機器は、国際公開第00/30696号パンフレット中に記載されたようにまたは類似の方法によって、好適に殺菌されてもよい。
【0103】
医療機器は、パッケージ、好適には医療機器の貯蔵が親水性塗膜の特徴を変更しないように設計された密封パッケージ中に好適に貯蔵される。親水性塗膜を有する医療機器またはそれらの部品は、水および蒸気に不浸透性の容器中に好適に貯蔵される。
【0104】
従って、本発明は該濡れた親水性塗膜を有する医療機器または医療機器の一部が水および蒸気に不浸透性の容器中に封入されている上記のような医療機器を含むパッケージにも関する。
【0105】
一実施態様では、水および蒸気不浸透性容器は、追加の水、滑剤を含む湿潤剤もしくは別の水溶液(例えば生理食塩水)、または水蒸気発生組成物を含んでもよい。
【0106】
本発明の別の態様にしたがって、水および蒸気不浸透性容器は、追加の水、滑剤を含む湿潤剤もしくは別の水溶液(例えば生理食塩水)、または水蒸気発生組成物を含まない。
本発明の態様にしたがって、水および蒸気不浸透性容器は濡れた親水性塗膜を有する医療機器またはそれらの部品のみを含む。
【0107】
本発明の一実施態様では、塗膜組成物を有する医療機器は、滑剤を含有する湿潤剤を含む密封されたパッケージ中に保存される。
従って、本発明は塗膜および湿潤剤が使用直前まで分離されている、上記のような塗膜組成物および1種または2種以上の滑剤を含む湿潤剤を含む親水性塗膜を有する医療機器を含むパッケージにも関する。
【実施例】
【0108】
実施例1
直径で26mmの純粋なテコゲル2000でできたウェハーを下記の手順に従ってテストした:
1)ウェハーは(+/−0,001g)の重さであり、そして過剰量の湿潤剤とプラスチック容器に配置し、そしてプラスチック容器を密封した。
2)約24時間後濡れたウェハーをプラスチック容器から取り出し、そして過剰量の湿潤剤を(5〜15秒)液きりした。濡れたウェハーを次にペトリ皿中に配置し、そしてふたで覆った。湿潤剤と伴にプラスチック容器を密封し、そして後の分析のために保存した。
3)濡れたウェハーは(+/−0,001g)の重さであり、そして摩擦を直ちにその後(0時間で) (フィドル法で、実施例3をみよ)測定した。
4)再び濡れたものをペトリ皿中に配置し、そして室温で保存した。
5)塗膜が壊れるかまたは測定された摩擦が1000mNを超えるまで、項目3)および4)の工程繰り返した。
【0109】
摩擦をウェハーおよび湿潤剤(0.9%(w/w)生理食塩水中の1%、8%、15%および30%(w/w)のグリセロール)の組成物の各組み合わせについて3回測定した。3つの同しウェハーを各回テストした。
摩擦を0,4,24,48時間で測定した。
得られた結果を図1の中で具体的に説明する。
図からわかるように、湿潤剤のパーセンテージがウェハーの全重量の89%(w/w)を超えると、濡れたウェハーは低摩擦を有する。球の図はmNで測定された摩擦である。
【0110】
実施例2
ウェハーからの汚れを以下のように測定した:
共押し出しホースを24時間過剰量の湿潤剤中で膨潤させ、そして次に(15秒)液を液切りした。汚れをティッシュでぬぐって測定した。
スピードキャス(SpeediCath:コロプラスト(Coloplast)社製)を少なくとも24時間水中の10ml PVPで膨潤させ、そして次に(15秒)駅切りした。濡れた塗膜を拭うことによって汚れを測定した。
得られた結果を表1中に示す:
【0111】
【表1】

表1:濡れた製品の表面上の過剰材料、RSC =相対標準偏差
【0112】
結果から共有結合で架橋したPVPで塗膜して、そしてPVPおよび水の混合物で膨潤させたカテーテルよりも、両親媒性の濡れた材料のほうが汚れが少ないことがわかる。
【0113】
実施例3フィドル摩擦テスト
装置および材料:
チャトリオン(Chatillon)ロードセル(速度4mm/秒)を備えた摩擦装置、ヴェルコバンド(Velcroband)30x20mm、金属ブロック10x50x25mm、長さ32mm、直径4mmおよび全重量25.8gのステンレススチール(316)で被われた管。
方法:
ウェハーをペトリ皿から取り出し、そしてヴェルコバンドに合うようなサイズに切断した。金属管をウェハー上に横たえて配置し、そして摩擦テストを開始する。ウェハーを1つの方向に47mm且つ他の方向に47mm動かす。
【図面の簡単な説明】
【0114】
(原文記載なし)
【図1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)親水性ポリマーを含む塗膜組成物および
b)水および1種または2種以上の滑剤を含む湿潤剤
を含んでなる濡れた親水性塗膜を有する医療機器。
【請求項2】
該親水性ポリマーが、親水性および疎水性ブロックを含む両親媒性ブロック共重合体である請求項1に記載の医療機器。
【請求項3】
該親水性塗膜組成物が、熱可塑性である請求項1〜2に記載の医療機器。
【請求項4】
該両親媒性ブロック共重合体が、ポリウレタンである請求項1〜3のいずれか一項に記載の医療機器。
【請求項5】
該ポリウレタンが、エスタンT5410、テコフィリックHP93A100,500〜2000の分子量を有するテコゲル、ヒドロメドD640およびヒドロスリップ、並びにこれらポリウレタンの任意の混合物から選択される請求項4に記載の医療機器。
【請求項6】
該ポリウレタンが、テコゲル2000、テコゲル500またはテコフィリックHP93A100である請求項5に記載の医療機器。
【請求項7】
当該塗膜組成物が、親水性ヘテロまたはホモポリマーのポリマーを含む請求項2〜6のいずれか一項に記載の医療機器。
【請求項8】
当該塗膜組成物が、両親媒性ブロック共重合体の親水性ブロックと相溶性であり、そして両親媒性ブロック共重合体の疎水性ブロックと不溶性である親水性ヘテロまたはホモポリマーのポリマーを含む請求項7に記載の医療機器。
【請求項9】
当該親水性ホモポリマーが、ポリエチレンオキサイドである請求項7〜8のいずれか一項に記載の医療機器。
【請求項10】
前記滑剤が、グリセロール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1、5−ペンタンジオール等のグリコール並びにグリセロールジアセテート(ジアセチン)およびグリセロールトリアセテート(トリアセチン)等のグリコールエステル等の親水性滑剤から選択されている請求項1〜9のいずれか一項に記載の医療機器。
【請求項11】
当該滑剤が、グリセロールである請求項10に記載の医療機器。
【請求項12】
前記湿潤剤または前記塗膜組成物が、塩またはウレア等の重量オスモル濃度増加剤を含む請求項1〜11のいずれか一項に記載の医療機器。
【請求項13】
湿潤剤の量が、塗膜組成物の85%(w/w)超、さらに好適には88%(w/w)超、またはさらに好適には90%(w/w)超でさえある請求項1〜12のいずれか一項に記載の医療機器。
【請求項14】
前記医療機器が、カテーテルである上記請求項1〜13のいずれか一項に記載の医療機器。
【請求項15】
a)親水性ポリマーを含む塗膜組成物を有する医療機器を用意する工程;
b)該塗膜組成物を有する医療機器または医療機器の一部を、水および1種または2種以上の滑剤を含む湿潤剤と接触させて置き、そして該湿潤剤を塗膜組成物に入らせる工程
によって得られる請求項1〜13のいずれか一項に記載の医療機器。
【請求項16】
a)親水性ポリマーを含む塗膜組成物を有する医療機器が与えられる工程;
b)該塗膜組成物を有する医療機器または該医療機器の一部が、水および1種または2種以上の滑剤を含む湿潤剤と接触して配置され、そして該湿潤剤を塗膜組成物内に入るようにする工程;
に特徴を有する請求項1〜14のいずれか一項に記載の医療機器の前処理方法。
【請求項17】
該濡れた親水性塗膜を有する医療機器または医療機器の一部を、水および蒸気不浸透性容器中に封入する請求項1〜15のいずれか一項に記載の医療機器を含むパッケージ。
【請求項18】
該水および蒸気不浸透性容器が、追加の水、滑剤を含む湿潤剤もしくは別の水性液体または水蒸気発生組成物を含む請求項17に記載のパッケージ。
【請求項19】
該水および蒸気不浸透性容器が、濡れた親水性塗膜を有する医療機器またはそれらの一部分のみを含む請求項17に記載のパッケージ。
【請求項20】
請求項1〜14のいずれか一項に記載の塗膜組成物の親水性塗膜を有する医療機器、および1種または2種以上の滑剤を含む湿潤剤を含み、前記塗膜組成物および前記湿潤剤が使用直前まで分離されているパッケージ。

【公表番号】特表2008−515495(P2008−515495A)
【公表日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−535016(P2007−535016)
【出願日】平成17年4月6日(2005.4.6)
【国際出願番号】PCT/DK2005/000233
【国際公開番号】WO2006/037321
【国際公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【出願人】(500085884)コロプラスト アクティーゼルスカブ (153)
【Fターム(参考)】