説明

濾過システムのための空気汚染制御フィルタ要素

プロセス気体流により生成された燃焼排気の如き汚染物質含有流体流中の水銀および他の汚染物質を捕捉する、優れた濾過装置、濾過方法および濾過材料が開示される。上記優れた濾過システムは、2つの汚染物質回収層、すなわち、粒状物を濾過する上流層、および、水銀、ダイオキシン、フランおよびNOxの如き汚染物質を吸着し、且つ/又は、汚染物質に対して触媒作用を及ぼす下流層を含む。上記優れた濾過システムは、粒状物フィルタ・バッグの形態とされる。該粒状物フィルタ・バッグは、上記上流層を該バッグの内部体積に臨ませながら、逆転式空気濾過システムにおいて使用されるべく構成される。上記上流層は、該上流層の上流側面に対して積層されたePTFE層を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
種々の産業分野においては、流体流から汚染物質を除去することが必要とされる。上記汚染物質は、粒状物および/または化学汚染物質の形態であり得る。上記流体流は、たとえば、上流の燃焼プロセスからの燃焼排気の形態であり得る。たとえば、ダイオキシン、フラン、水銀およびNOxの如き汚染物質は、多くの燃焼排気において相当の問題を呈する。もしそれらが大気中へと流出したなら、それらは可能的に、人間の健康および環境を損なう。多くの産業および地域において、これらの汚染物質は現在、規制されている。更に連邦および各州の当局は、定期的に、新たな規則を導入し、且つ/又は、既存の規則を強化している。
【背景技術】
【0002】
燃焼排気の流れなどの如き流体流から粒状物を除去するために、フィルタ・システムが採用され得る。斯かるシステムは、該フィルタ・システムが定期的に清浄化されるために不稼働時間を必要とし得る。更に、斯かるシステムは、再使用を制限もしくは排除する様式であって、斯かるシステムを保守するために不稼働時間を要するという様式で動作し得る要素を含み得る。また、斯かるシステムは、動作および維持管理が高コストであり得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第4,076,692号
【特許文献2】米国特許第6,331,351号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記に鑑みると、本明細書に記述される実施例の目的は、フィルタ・システムの短い不稼働時間、少ない保守の複雑さ、および/または、少ない交換コストを以て、汚染物質含有流体流から粒状物および/または他の汚染物質を濾過し得る優れた濾過方法および装置を提供することに在り得る。付加的に、現在のおよび可能的である将来的な汚染規制に鑑みると、流体流から汚染物質を効果的に除去する汚染濾過システムの改善に対する継続的な要望が存在する。更に、多量の副生成物もしくは廃棄物流を生成することなく、汚染物質除去を実施するという要望が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のひとつの見地において、上述された目的のひとつ以上は、汚染物質含有流体流から汚染物質を除去すべく提供された方法により達成される。該方法は、上記汚染物質含有流体流を上流要素に通過させてから下流要素を通過させる段階を含む。上記方法は、上記汚染物質含有流体流を上記上流要素に通過させ、該流体流から粒状物を除去する段階を含む。上記上流要素は、事前決定可能なサイズの粒状物を除去すべく構成される。上記方法は、引き続き上記流体流を上記下流要素に通過させ、上記流体流から化学的および/または気体状の汚染物質を回収および/または除去する段階を更に含む。
【0006】
別の見地において、上述された目的のひとつ以上は、逆転式空気濾過システムにおいて汚染物質含有流体流を濾過すべく提供された方法により達成される。上記汚染物質含有流体流は、たとえば、工業プロセスからの燃焼排気の流れとされる。上記方法は、フィルタ装置の入口端部を、逆転式空気濾過システムの送給入口(たとえば多孔板)における開口に対して相互接続する段階を含む。上記フィルタ装置は、粒状物フィルタ・バッグと、該粒状物フィルタ・バッグの回りに着脱自在に配設されたスリーブとを含む。上記スリーブを上記粒状物フィルタ・バッグの回りに着脱自在に配設(および/または、上記粒状物フィルタ・バッグを上記スリーブ内に着脱自在に配設)すると、上記スリーブの保守、再使用もしくは交換から独立して、粒状物フィルタ・バッグの保守、再使用もしくは交換が促進される。この点に関し、特定の維持管理作業の間において;上記粒状物フィルタ・バッグが保守もしくは交換され;上記スリーブが保守(たとえば再生)もしくは交換され;または、上記粒状物フィルタ・バッグが保守もしくは交換されると共に上記スリーブが保守もしくは交換される(たとえば、上記粒状物フィルタ・バッグおよび上記スリーブが両方とも保守され、上記粒状物フィルタ・バッグおよび上記スリーブが両方とも交換され、上記粒状物フィルタ・バッグが保守されると共に上記スリーブが交換されるか、あるいは、上記粒状物バッグが交換されると共に上記スリーブが保守される)。上記粒状物フィルタ・バッグは、入口端部と、反対側に配設されたキャップ端部との間に内部体積を形成する。この点に関し、上記フィルタ装置を上記多孔板に対して相互接続すると、上記粒状物フィルタ・バッグの上記内部体積は上記多孔板における開口に対して相互接続される。上記方法は更に、上記多孔板における上記開口を通して汚染物質含有流体流を上記内部体積内へと導入する段階と、次に上記流体流を上記粒状物フィルタ・バッグに通過させる段階とを含む。上記汚染物質含有流体流が上記粒状物フィルタ・バッグ内へと通過するときに、上記流体流からの粒状物は、上記粒状物フィルタ・バッグの上記上流表面にてもしくはその近傍にて収集される。上記流体流は、それが上記粒状物フィルタ・バッグを通過した後、上記スリーブを通り流れ続ける。上記方法は更に、上記流体流が上記スリーブを通過するときに該流体流を上記スリーブに接触させることにより該流体流から汚染物質を回収する段階を含む。上記汚染物質含有流体流は、たとえば、ダイオキシン、フラン、水銀および/またはNOxを含有し得ると共に、上記スリーブは、上記流体流から斯かる汚染物質を回収もしくは除去し得る。
【0007】
上記粒状物フィルタ・バッグは、上記スリーブに対して上流位置に配列されることで、上記流体流内に懸濁された粒状物から上記スリーブを保護する。上記粒状物フィルタ・バッグの濾過効率は、第1の所定サイズ以上の殆どもしくは実質的に全ての粒状物が上記流体流から濾過される如く構成されると共に、上記スリーブの濾過効率は、上記第1の所定サイズより小さい粒状物が上記スリーブにより実質的に濾過されない様に構成される。斯かる構成において、上記粒状物フィルタ・バッグは、粒状物除去機能および選択的な触媒的および/または吸着的機能を実施すると共に、上記スリーブは、触媒的および/または吸着的機能を実施する。斯かる構成において、上記スリーブは(吸着的役割または触媒的役割とは対照的に)機械的な粒状物濾過役割を実質的に実施しなくても良いので、該スリーブの有効寿命は、該スリーブの触媒的および/または吸着的成分の有効寿命に依存する。
【0008】
ひとつの配置構成において、上記粒状物フィルタ・バッグは、水位計で0.5インチ(約1.3cm)の差圧にて測定された2cfm/ft2(約36.6m3/h/m2)より大きい通気率と、0.3ミクロンにおける80%より大きい濾過効率(5.3cm/s)とを有する。一実施例において、上記粒状物フィルタ・バッグは発泡ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)を備える。一実施例において、上記粒状物フィルタ・バッグは複数の層から構成される。たとえば、上記粒状物フィルタ・バッグは、ePTFE膜を備える。斯かる膜は、裏当て層に対して積層されることで、上記粒状物フィルタ・バッグを形成する。上記裏当て層は、ガラス繊維を備える。
【0009】
一実施例において、本発明の方法の上記除去段階は、上記流体流から汚染物質を吸着する段階を含む。たとえば、上記スリーブは、汚染物質を吸着する炭素織物層(a carbon fabric layer)を含む。該炭素織物層は、活性炭素を含む。上記炭素織物層は、その全体が言及したことにより本明細書中に援用される特許文献1に記述された如き、ノボラック(novolac)および/またはノボロイド繊維(involoid fibers)から生成された活性炭素繊維を含む。斯かる繊維はまた、カイノール[Kynol](登録商標)の商標名でも入手可能であり、且つ、10570、ニューヨーク州、プレザントビルのアメリカン・カイノール社(American Kynol Inc.)から入手可能である。上記スリーブ内に存在する吸着物質の別の例において、該スリーブは、該スリーブの支持材料にポリマ接着剤により接着された活性炭素粒子を含む。上記ポリマ接着剤は、ポリマ列(strings of polymer)、および/または、分散した一次ポリマ粒子(dispersion primary polymer particles)を含む。上記炭素粒子は、上記ポリマ接着剤により上記支持材料に保持される。
【0010】
一実施例において、上記除去段階は、上記流体流を上記スリーブの触媒物質に対して接触させる段階を含む。上記スリーブは、触媒フェルトおよび/または触媒織物を備える。上記スリーブの上記触媒は、貴金属、遷移金属酸化物、アルカリおよびアルカリ土類金属の内の少なくとも一種類を含む。上記スリーブ内に存在する触媒的吸着物質の別の例において、上記スリーブは、該スリーブの支持材料の構造にポリマ接着剤により接着された活性粒子を含む。“活性”という語句は、改変された単一もしくは複数の種が形成される様に、触媒作用、反応、または、それらの一定の組み合わせの内のいずれによるかに関わりなく、流体流の一種類以上の成分に対して粒子が作用し得ることを意味する。
【0011】
本発明の方法の一実施例は更に、上記導入段階を一時停止し、フィルタ装置清浄化サイクルを実施する段階を含む。上記導入段階の一時停止の間に、流体流方向は反転されることで、上記収集段階の間において上記粒状物フィルタ・バッグにより収集された粒状物を除去する。上記清浄化サイクルの完了の後で、上記導入段階は再開される。通常的な流れを一時停止し、流れを反転してフィルタ装置を清浄化し、且つ、通常的な流れを再開するというこのシーケンスは、複数回繰り返されることで、上記フィルタ装置の定期的な清浄化を実施し得る。
【0012】
上記フィルタ装置清浄化サイクルは、上記粒状物フィルタ・バッグの動作寿命の間に複数回実施される。たとえば、上記粒状物フィルタ・バッグの動作寿命の終了時などの一定の時点において、上記方法は、上記スリーブを上記粒状物フィルタ・バッグから取り外す段階と、その後に上記スリーブを交換用粒状物フィルタ・バッグの回りに配置する段階と、次に、上記スリーブを備えた上記交換用粒状物フィルタ・バッグを逆転式空気濾過システム内へと設置する段階とを含む。別の例においては、上記スリーブが所定量の汚染物質を吸着したとき、または、運転における所定の時間数の後などの所定時点において、上記方法は、上記スリーブを上記粒状物フィルタ・バッグから取り外す段階と、次に上記スリーブを再生する段階とを含む。再生の後、上記スリーブは再使用される。斯かる再使用は、同一の逆転式空気濾過システムもしくは別の濾過システムにおけるものとされる。斯かる再使用は、再生に先立ち実施されたのと同一の機能(たとえば、汚染回収)を実施する。
【0013】
別の見地において、上述された目的のひとつ以上は、逆転式空気濾過システムのフィルタ装置にアクセスする段階と、次に上記フィルタ装置の粒状物フィルタ・バッグの回りに着脱自在に配設されたスリーブを、上記フィルタ装置のキャップ端部から切り離す段階と、次に上記スリーブを上記フィルタ装置から取り外してから上記スリーブを交換用粒状物フィルタ・バッグの回りに設置する段階と、次に上記キャップ端部において上記スリーブを上記フィルタ装置に対して着脱自在に接続する段階とを含む、逆転式空気濾過システムのフィルタ装置を保守すべく提供された方法により達成され得る。上記フィルタ装置は、上記キャップ端部と、反対側に配設された入口端部との間に内部体積を形成する。上記入口端部は、汚染物質含有流体流に相互接続される働きする。
【0014】
一実施例において、上記方法は更に、上記切り離し段階に先立ち上記フィルタ装置を上記逆転式空気濾過システムから取り外す段階と、上記着脱自在に接続する段階の後、上記フィルタ装置を上記逆転式空気濾過システム内に再配置する段階を更に含む。上記取り外し段階は、上記スリーブを、上記粒状物フィルタ・バッグの上記入口端部もしくはキャップ端部を越えて摺動させる段階を含む。上記設置段階は、上記交換用粒状物フィルタ・バッグの上記入口端部または上記キャップ端部を越えて上記スリーブを摺動して被せる段階を含む。上記方法はまた、上記切り離し段階および取り外し段階の後であり且つ上記設置段階および着脱自在に接続する段階に先立ち、上記粒状物フィルタ・バッグを上記交換用粒状物フィルタ・バッグと交換する段階も含む。たとえば、上記粒状物フィルタ・バッグが端部キャップから取り外されると共に、次に上記交換用粒状物フィルタ・バッグが端部キャップに対して相互接続される。
【0015】
本発明の別の見地において、上述された目的のひとつ以上は、上流要素および下流要素を含むべく提供された装置であって、上記上流要素は、濾過されるべき汚染物質含有流体流が、上記下流要素を通過するに先立ち該上流要素を通過する如く位置されるという装置により達成される。上記上流要素は、事前決定可能なサイズの粒状物を除去すべく構成される。上記下流要素は、上記流体流から化学的および/または気体状の汚染物質を回収および/または除去すべく構成される。
【0016】
本発明の更に別の見地において、上述された目的のひとつ以上は、逆転式空気濾過システムにおいて使用されるべく提供されたフィルタ装置により達成される。該フィルタ装置は、粒状物フィルタ・バッグと、該粒状物フィルタ・バッグの長手軸心に沿い配設された少なくともひとつの支持体と、上記粒状物フィルタ・バッグと上記少なくともひとつの支持体との回りに着脱自在に配設されたスリーブとを含む。上記スリーブを上記粒状物フィルタ・バッグの回りに着脱自在に配設すると、上記スリーブの保守、再使用もしくは交換から独立して、粒状物フィルタ・バッグの保守、再使用もしくは交換が促進される。上記スリーブは、上記粒状物フィルタ・バッグの下流表面側に配設される。上記粒状物フィルタ・バッグは、汚染物質含有流体流に相互接続される働きをする入口端部を有する。上記粒状物フィルタ・バッグは、上記入口端部と、反対側に配設されたキャップ端部との間に内部体積を形成する。上記粒状物フィルタ・バッグは、上記内部体積に面する上流表面と、上記内部体積から離間した方向を向く下流表面とを有する。上記支持体は、上記粒状物フィルタ・バッグを支持して上記内部体積を維持すべく作用する。上記スリーブは、上述された如き吸着および/または活性成分を含有する。
【0017】
斯かるフィルタ装置は、逆転式空気バグハウスもしくは他の構成要素に対するそれほどの改変なしで、既存の逆転式空気フィルタ要素を交換する。更に斯かるフィルタ装置は、逆転式空気フィルタ要素の上流にて汚染物質含有流体流内へと注入された活性炭素粉末を利用する汚染制御システムに置き換わり得る。
【0018】
上記脱自在に接続されたスリーブの配置構成は、上記スリーブの吸着的および/または触媒的な特性が、粒状物フィルタ・バッグを製造するよりも比較的に費用が掛かる場合に特に好適である。故に、上記粒状物フィルタ・バッグの有効寿命の終了時に、該粒状物フィルタ・バッグのみが交換される必要がある。上記スリーブは、使用された上記粒状物フィルタ・バッグから取り外されると共に、交換用粒状物フィルタ・バッグの回りに配置される。故に、上記粒状物フィルタ・バッグおよび上記スリーブの寿命サイクルは切り離される。
【0019】
一実施例において、上記少なくともひとつの支持体は、上記粒状物フィルタ・バッグの長手軸心に対して直交して配向された複数個のリングであって、上記粒状物フィルタ・バッグ内へと縫い付けられた複数個のリングの形態とされる。上記各リングは、上記粒状物フィルタ・バッグが逆方向空気清浄化サイクルの間に形崩れすることを防止する。上記スリーブは、上記粒状物フィルタ・バッグの回りに配設される。上記スリーブは、上記粒状物フィルタ・バッグの回りにおいて円周方向に張設される。
【0020】
上記フィルタ装置は、上記粒状物フィルタ・バッグの上記キャップ端部に配設されたキャップを含む。該キャップは、上記スリーブに対して着脱自在に相互接続されることで上記逆転式空気濾過システムの動作の間に該スリーブを保持する。上記スリーブは更に、上記粒状物フィルタ・バッグの上記入口に対応する上記スリーブの端部に配設された耐摩耗性のカフ部を含む。上記フィルタ装置は更に、上記キャップから、上記粒状物フィルタ・バッグとは反対方向に延在するフックを含む。
【0021】
別の見地において、上述された目的のひとつ以上は、流体流から粒状物を濾過する第1要素と、上記流体流から水銀を除去する第2要素とを含むべく提供されたフィルタ・システムにより達成される。上記第1要素は上流側面および下流側面を有すると共に、上記上流側面は、濾過されるべき流体流に向けて配向される。上記第2要素は、上記第1要素の上記下流側面に配設される。上記第2要素は、ノボラック繊維およびノボロイド繊維の少なくとも一方から生成された活性炭素繊維を備える。上記第2要素は、該第2要素が上記第1要素の保守、再使用もしくは交換から独立して保守(たとえば、再生)、再使用もしくは交換される如く、上記第1要素の近傍に着脱自在に配設される(且つ/又は、上記第1要素が上記第2要素の近傍に着脱自在に配設される)。
【0022】
一実施例において、上記第1要素は粒状物フィルタ・バッグであると共に、上記第2要素は上記粒状物フィルタ・バッグの回りに配設される。上記第1要素は入口端部と、反対側に配設されたキャップ端部との間に内部体積を形成すると共に、上記粒状物フィルタ・バッグの上記上流側面は上記内部体積に面する。別実施例において、上記第1要素は、吐出端部と、反対側に配設されたキャップ端部との間に内部体積を形成すると共に、上記粒状物フィルタ・バッグの上記下流側面は上記内部体積に面する。
【0023】
関連する見地において、上述された目的のひとつ以上は、フィルタ・システムを提供する段階と、上記上流要素を上流位置として上記フィルタ・システムを上記流体流中に配置し、該流体流中に懸濁された粒状物から下流要素を保護する段階と、上記流体流を上記上流要素に通過させて該流体流から粒状物を除去する段階と、上記流体流を上記下流要素に通過して流す段階とを含む、流体流から水銀を除去すべく提供された方法により達成され得る。上記流体流が上記下流要素を通り流れるとき、該流体流は上記下流要素内に含まれた炭素に接触する。上記下流要素内の上記炭素は、ノボラック繊維およびノボロイド繊維の少なくとも一方から生成された活性炭素繊維であると共に、上記接触により、上記流体流から水銀が除去される。上記下流要素は、該下流要素が上記上流要素の保守、再使用もしくは交換から独立して保守、再使用もしくは交換される如く、上記上流要素の近傍に着脱自在に配設される(且つ/又は、上記上流要素が上記下流要素の近傍に着脱自在に配設される)。この点に関し、特定の維持管理作業の間に;上記粒状物フィルタ・バッグが保守もしくは交換され;上記スリーブが保守(たとえば再生)もしくは交換され;または、上記粒状物フィルタ・バッグが保守もしくは交換されると共に上記スリーブが保守もしくは交換される。
【0024】
上記方法が上記下流要素の再生を含むという配置構成においては、斯かる再生の後、上記下流要素が再使用される(たとえば、業務へと戻される)。斯かる再使用は、同一のフィルタ・システムまたは別のフィルタ・システムにおけるものとされる。斯かる再使用は、再生に先立ち実施されたのと同一の機能(たとえば汚染回収)を実施する形態とされる。
【0025】
本発明の見地の一実施例において、上記フィルタ・システムは逆転式空気濾過システムであると共に、上記上流要素は粒状物フィルタ・バッグの形態である。上記方法は更に、上記通過段階に先立ち、上記流体流を上記粒状物フィルタ・バッグの端部を通して該粒状物フィルタ・バッグの内部へと導入する段階を含む。そのときに上記流体流は、(バッグの内部から該バッグの外部へと)該粒状物フィルタ・バッグを通過してから、上記下流要素を通り流れる。上記下流要素は、上記粒状物フィルタ・バッグの外部に沿うスリーブの形態とされる。
【0026】
本発明の見地のひとつの配置構成において、上記フィルタ・システムはパルス噴射式濾過システムとされる。故に、上記上流要素は粒状物フィルタ・バッグとされ得ると共に、上記方法は、上記通過段階および流出段階を実施するときに上記流体流を上記粒状物フィルタ・バッグの内部内へと導入する段階を更に含む。この点に関し、上記流体流は、上記粒状物フィルタ・バッグを貫通して該粒状物フィルタ・バッグの内部に進入し、次に、粒状物フィルタ・バッグの内部から該粒状物フィルタ・バッグの端部を通り抜け出す。
【0027】
ひとつの見地において、上述された目的のひとつ以上は、汚染物質含有流体流の濾過システムのフィルタ装置を保守すべく提供された方法により達成される。上記フィルタ装置は、粒状物フィルタ・バッグの表面の近傍に着脱自在に配設された第1スリーブを含む。更に、該第1スリーブは、ノボラック繊維およびノボロイド繊維の少なくとも一方から生成された活性炭素繊維を備えて成る。上記方法は、上記フィルタ装置にアクセスする段階と、上記第1スリーブを上記装置の上記粒状物フィルタ・バッグから分離する段階と、当該第2スリーブが上記粒状物フィルタ・バッグの上記表面の近傍に着脱自在に配設される如く第2スリーブをその後に設置する段階とを含む。上記第2スリーブは、ノボラック繊維およびノボロイド繊維の少なくとも一方から生成された活性炭素繊維を備える。上記方法は、上記設置段階に先立ち、上記第2スリーブを再生する段階を更に備える。上記第1および第2スリーブは同一のスリーブとされる(たとえば、上記粒状物フィルタ・バッグから分離されたスリーブが、引き続いて再生され且つ上記フィルタ装置へと戻し設置される)か、または、上記第1および第2スリーブは異なるスリーブとされる。
【0028】
更に別の見地において、上述された目的のひとつ以上は、流体流から粒状物を濾過する第1要素と、上記流体流から水銀を除去する第2要素とを含むべく提供されたフィルタ・システムにより達成される。上記第1要素は上流側面および下流側面を有すると共に、上記上流側面は濾過されるべき流体流に向けて配向される。上記第2要素は、上記第1要素の上記下流側面に配設される。上記第2要素は、上記流体流から水銀を除去すべく使用される水銀吸着物質を備える。該水銀吸着物質は、上記第2要素の支持材料に対してポリマ接着剤により接着された活性炭素粒子を含む。上記水銀吸着物質は、再生可能とされる。上記ポリマ接着剤は、ポリマ列および/または分散した一次ポリマ粒子を含み、それらにより、上記炭素粒子は上記ポリマ接着剤により保持される。上記第2要素が上記第1要素の保守、再使用もしくは交換から独立して保守、再使用もしくは交換される如く、上記第2要素は上記第1要素の近傍に着脱自在に配設される(且つ/又は、第1要素は上記第2要素の近傍に着脱自在に配設される)。
【0029】
一実施例において、上記第1要素は粒状物フィルタ・バッグであると共に、上記第2要素は該粒状物フィルタ・バッグの回りに配設される。上記第1要素は、入口端部と、反対側に配設されたキャップ端部との間に内部体積を形成すると共に、上記粒状物フィルタ・バッグの上記上流側面は上記内部体積に面する。別実施例において、上記第1要素は、吐出端部と、反対側に配設されたキャップ端部との間に内部体積を形成すると共に、上記粒状物フィルタ・バッグの上記下流側面は上記内部体積に面する。
【0030】
関連する見地において、上述された目的のひとつ以上は、フィルタ・システムを提供する段階と、上流要素を上流位置として上記フィルタ・システムを流体流中に配置し、該流体流中に懸濁された粒状物から下流要素を保護する段階と、上記流体流を上記上流要素に通過させて該流体流から粒状物を除去する段階と、次に、上記流体流を上記下流要素に通過して流す段階とを含む、流体流から水銀を除去すべく提供された方法により達成され得る。上記流体流が上記下流要素を通り流れるとき、上記流体流は該下流要素内に含まれた炭素に接触すると共に、上記流体流中の水銀は上記炭素により吸着される。上記下流要素内の上記炭素は、該下流要素の支持材料に対してポリマ接着剤により接着された活性炭素粒子の形態とされる。上記下流要素は、脱着剤(たとえば、可逆的な吸着剤)とされる。この点に関し、上記下流要素は、再生プロセスへの露出により、該下流要素内に含まれた上記炭素から水銀を放出させる。上記下流要素が上記上流要素の保守、再使用もしくは交換から独立して保守、再使用もしくは交換される如く、上記下流要素は上記上流要素の近傍に着脱自在に配設される(且つ/又は、上流要素は上記下流要素の近傍に着脱自在に配設される)。
【0031】
別の見地において、上述された目的のひとつ以上は、流体流から粒状物を濾過する粒状物フィルタ・バッグと、上記流体流から水銀を除去する第2要素とを含むべく提供されたフィルタ・システムにより達成される。上記粒状物フィルタ・バッグは上流側面および下流側面を有すると共に、上記上流側面は濾過されるべき流体流に向けて配向される。上記粒状物フィルタ・バッグは、入口端部と、反対側に配設されたキャップ端部との間に内部体積を形成すると共に、該第1要素の上記上流側面は上記内部体積に面する。上記第2要素は、上記流体流から水銀を除去する上で使用される水銀吸着物質を含む。上記第2要素は、該第2要素が上記粒状物フィルタ・バッグの回りに配設される如く、上記第1要素の下流側面に配設される。上記第2要素が上記第1要素の保守、再使用もしくは交換から独立して保守(たとえば、再生、清浄化)、再使用もしくは交換される如く、上記第2要素は上記第1要素の近傍に着脱自在に配設される(且つ/又は、第1要素は上記第2要素の近傍に着脱自在に配設される)。
【0032】
一実施例において、上記第2要素は、ノボラック繊維およびノボロイド繊維の少なくとも一方から生成された活性炭素繊維を含む。一実施例において、上記第2要素の上記水銀吸着物質は、該第2要素の支持材料に対してポリマ接着剤により接着された活性炭素粒子を含む。
【0033】
関連する見地において、上述された目的のひとつ以上は、フィルタ・システムを提供する段階と、上記フィルタ・システムを上記流体流中に配置する段階と、上記流体流を上記フィルタ・システムの粒状物フィルタ・バッグの内部へと該粒状物フィルタ・バッグの開放端部を通して導入する段階と、次に上記流体流を上記粒状物フィルタ・バッグに通過させて該流体流から粒状物を除去する段階と、次に上記流体流を上記フィルタ・システムの下流要素に通過して流す段階であって、上記流体流は上記下流要素内に含まれた炭素に接触して該流体流から水銀が除去される段階とを含むべく提供された方法により達成され得る。上記粒状物フィルタ・バッグは、上記下流要素に対して上流位置に位置決めされることで、上記流体流中に懸濁された粒状物から上記下流要素を保護する。上記炭素は、ノボラック繊維およびノボロイド繊維の少なくとも一方から生成された活性炭素繊維の形態である。上記炭素は、上記下流要素の支持材料に対してポリマ接着剤により接着された活性炭素粒子の形態とされる。上記下流要素が上記上流要素の保守、再使用もしくは交換から独立して保守、再使用もしくは交換される如く、上記下流要素は上記上流要素の近傍に着脱自在に配設される(且つ/又は、上流要素は上記下流要素の近傍に着脱自在に配設される)。
【0034】
更に別の見地において、上述された目的のひとつ以上は、濾過システムにおいて汚染物質含有流体流を濾過する方法であって、フィルタ装置の第1端部を上記濾過システムの多孔板における開口に対して相互接続する段階を含むという方法により達成される。上記フィルタ装置は、粒状物フィルタ・バッグおよびスリーブを含む。上記スリーブは、上記粒状物フィルタ・バッグの第1表面の近傍に着脱自在に配設される。上記粒状物フィルタ・バッグは、上記第1端部と、反対側に配設されたキャップ端部との間に内部体積を形成する。上記粒状物フィルタ・バッグは上記スリーブに対して上流位置に配列されることで、流体流中に懸濁された粒状物から上記スリーブを保護する。上記方法は更に、上記相互接続段階の後、上記流体流を上記粒状物フィルタ・バッグに通過させる段階と、上記通過段階の間に、上記粒状物フィルタ・バッグにより上記流体流から粒状物を収集する段階と、上記通過段階の後、上記流体流を上記スリーブに通過して流す段階とを含む。更に、上記方法は、上記流体流が上記スリーブを通り流れる間に、上記流体流を上記スリーブに対して接触させることにより上記流体流から汚染物質を回収する段階を含む。上記方法は更に、上記流出段階を一時停止する段階と、上記流れが一時停止されている間に、上記スリーブを上記濾過システムから取り外す段階と、次に上記スリーブを再生する段階とを含む。再生の後、上記スリーブは、上記濾過システムにおいて再使用され得るか、または、別の濾過システムにおいて再使用される。
【0035】
一実施例において、上記方法は更に、上記一時停止段階、取り外し段階および再生段階を複数回繰り返す段階を更に備える。一実施例において、上記粒状物フィルタ・バッグはePTFEを備える。
【0036】
ひとつの配置構成において、上記粒状物フィルタ・バッグの上記第1表面は、該粒状物フィルタ・バッグの外側表面であると共に、上記スリーブは上記粒状物フィルタ・バッグの回りに着脱自在に配設される。斯かる配置構成において、上記流体流は、上記第1端部を通り上記内部体積内に流入し、次に上記粒状物フィルタ・バッグを貫通し、次に上記スリーブを通り流れる。代替的な配置構成において、上記粒状物フィルタ・バッグの上記第1表面は、該粒状物フィルタ・バッグの内側表面であ得ると共に、上記スリーブは上記粒状物フィルタ・バッグの上記内部体積内に着脱自在に配設される。斯かる配置構成において、上記流体流は、上記粒状物フィルタ・バッグを貫通し、次に上記スリーブを通り上記内部体積に入り、次に上記第1端部を通り流れる。
【0037】
上記方法は、上記一時停止段階の間において且つ上記再生段階の後に、上記スリーブを上記濾過システム内へと再配置する段階と、上記再配置段階の後、上記流出段階を再開する段階とを更に含む。代替的に、上記取り外し段階は、上記スリーブを上記粒状物フィルタ・バッグから分離する段階を更に含むと共に、当該方法は、上記一時停止段階の間に、交換用スリーブを上記粒状物フィルタ・バッグの近傍に位置決めする段階と、上記空気濾過システム内に上記粒状物フィルタ・バッグと上記交換用スリーブとを設置して上記流出段階を再開する段階とを更に含む。
【0038】
一実施例において、上記再生段階は、上記スリーブを加熱炉内に配置する段階と、該スリーブを、上記流体流の温度に対して上昇された脱離温度に露出する段階とを含む。上記脱離温度は、上記汚染物質含有流体流の温度(たとえば、上記流体流の平均温度)より少なくとも30℃だけ高くされる。上記脱離温度は少なくとも180℃とされる。上記脱離温度に対する上記スリーブの露出は、少なくとも60分の持続時間を有する。上記回収段階は、上記流体流から水銀を除去する段階を備え、上記再生段階は、上記スリーブから水銀を脱離させる段階を備える。
【0039】
更に別の見地において、上述された目的のひとつ以上は、当該フィルタ装置の第1層が上流位置に配設され且つ当該フィルタ装置の第2層が下流位置に配設される如く、汚染物質含有流体流に対してフィルタ装置を配列する段階を含むべく提供された、濾過システムにおける濾過方法により達成され得る。上記方法は更に、上記流体流を上記第1層に通過させる段階と、上記通過段階の間に、上記第1層により上記流体流から粒状物を収集する段階と、上記通過段階の後、上記流体流を上記第2層に通過して流す段階と、上記流出段階の間に、上記流体流を上記第2層に対して接触させることにより上記流体流から汚染物質を回収する段階とを含む。上記方法は更に、上記流出段階を一時停止する段階と、上記一時停止段階の間に、上記第2層を上記濾過システムから取り外す段階と、上記取り外し段階の後、上記第2層を再生する段階とを含む。上記再生の後、上記第2層は、上記濾過システムにおいて再使用されるか、または、別の濾過システムにおいて再使用される。
【0040】
一実施例において、上記方法は、上記一時停止段階の間に且つ上記再生段階の後に、上記第2層を上記濾過システム内へと再配置する段階と、上記再配置段階の後、上記流出段階を再開する段階とを更に含む。代替実施例において、上記方法は、交換用第2層を上記第1層の下流に位置決めする段階と、上記空気濾過システム内に上記第1層と上記交換用第2層とを設置して上記流出段階を再開する段階とを更に含む。
【0041】
一実施例において、上記配列段階、通過段階、収集段階、流出段階および回収段階は第1の施設にて行われると共に上記再生段階は第2の施設にて行われる。上記第1の施設は上記第2の施設から離間される。上記方法は更に、上記再生段階に先立ち、上記第2層を上記第1の施設から上記第2の施設へと搬送する段階と、上記再生段階の後、上記第2層を上記第2の施設から上記第1の施設へと搬送する段階とを含む。たとえば、上記濾過システムを利用している工場は、上記濾過プロセスを一時停止し、第2層を取り外し、且つ、それを現場から離れた保守施設まで搬送して其処で該第2層が再生される。再生の後、上記第2層は、上記工場へと戻し搬送されると共に、上記濾過システム内へと設置される。
【0042】
上記再生段階は、上記第2層を加熱炉内に配置する段階と、該第2層を、上記流体流の温度に対して上昇された脱離温度に露出する段階とを備える。上記再生段階は、該再生段階の間において上記第2層から脱離された水銀を捕捉する段階と、上記捕捉された水銀を廃棄する段階とを更に含む。
【0043】
ひとつの見地において、上述された目的のひとつ以上は、汚染物質含有流体流の濾過システムのフィルタ装置を保守する方法であって、上記濾過システムの上記フィルタ装置にアクセスする段階を含むべく提供された方法により達成され得る。上記フィルタ装置は、粒状物フィルタ・バッグの表面の近傍に着脱自在に配設された第1スリーブを含む。上記方法は、上記第1スリーブを上記フィルタ装置から分離する段階と、第2スリーブを再生する段階と、上記取り外し段階の後、上記再生された第2スリーブを上記フィルタ装置内に設置する段階とを含む。
【0044】
上記アクセス段階および設置段階は第1の施設にて行われると共に、上記再生段階は第2の施設にて行われる。上記第1の施設は、上記第2の施設から離間される。この点に関し、上記方法は、上記再生段階に先立ち、上記スリーブを上記第1の施設から上記第2の施設へと搬送する段階と、上記再生段階の後、上記スリーブを上記第2の施設から上記第1の施設へと搬送する段階とを含む。上記第1スリーブおよび上記第2スリーブは同一のスリーブとされるか、または、上記第1スリーブおよび上記第2スリーブは各々が独自のスリーブとされる。
【0045】
別の見地において、上述された目的のひとつ以上は、汚染物質含有流体流の濾過システムを保守する方法であって、利用者から第1スリーブを受け取る段階と、第2スリーブを再生する段階と、上記再生された第2スリーブを上記利用者に対して搬送して上記第1スリーブと交換する段階とを含むべく提供された方法により達成される。本発明の見地において、上記第1および第2スリーブは各々、上記濾過システムの粒状物フィルタ・バッグの表面の近傍に着脱自在に配設される。一実施例において、吸着された汚染物質は水銀を含む。上記第1スリーブおよび上記第2スリーブは同一のスリーブであり得るか、または、上記第1スリーブおよび上記第2スリーブは各々が独自のスリーブとされる。上記第1および第2スリーブは各々、ノボラック繊維およびノボロイド繊維の少なくとも一方から生成された繊維の形態である。
【0046】
更に別の見地において、上述された目的のひとつ以上は、空気濾過システムにおいて使用されるフィルタ装置であって、粒状物フィルタ・バッグおよびスリーブを含むべく提供されたフィルタ装置により達成される。上記粒状物フィルタ・バッグは、濾過システムの多孔板に相互接続される働きをする第1端部を有する。上記粒状物フィルタ・バッグは、上記第1端部と、反対側に配設されたキャップ端部との間に内部体積を形成する。更に、上記粒状物フィルタ・バッグは、上流表面および下流表面を有する。上記スリーブは、上記粒状物フィルタ・バッグの上記下流表面の近傍に着脱自在に配設される。該スリーブは再生可能とされる。
【0047】
一実施例において、上記粒状物フィルタ・バッグはePTFEを備える。一実施例において、上記スリーブは、ノボラック繊維およびノボロイド繊維の少なくとも一方から生成された活性炭素繊維を備える。
【0048】
ひとつの配置構成において、上記スリーブは、上記汚染物質含有流体流から水銀を吸着し、次に、上記流体流の温度に対して上昇された脱離温度に露出されたときに水銀を脱離し、次に、引き続いて起こる上記汚染物質含有流体流に対する露出の間に水銀を再吸着す。
【0049】
上記で論じられた種々の方法は、手動的に、自動的に、または、それらの組み合わせで実施される。更に、上記各方法の内の任意の方法の実施の開始は、自動様式で、手動式で、または、自動操作と手動操作との組み合わせにより、達成される。同様に、上記で論じられた装置は、自動的におよび/または手動的に機能する。
【0050】
上述の各見地に関して上記で論じられた種々の特徴、配置機構および実施例は、上述の各見地の内の任意の見地により活用される。当業者であれば、付加的な見地および対応する利点は、以下の更なる記述を考慮すれば明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】濾過システムのための空気汚染制御フィルタ要素の実施例の概略的な断面図である。
【図2A】濾過システムのための空気汚染制御フィルタ要素の実施例の部分的断面図である。
【図2B】図2Aの空気汚染制御フィルタ要素の実施例の一部分の断面図である。
【図3】図2の空気汚染制御フィルタ要素を取入れ得る濾過システムに対するバグハウスの概略図である。
【図4】濾過システムのための空気汚染制御フィルタ要素の実施例の概略図である。
【図5A】汚染物質含有流体流の粒状物を濾過しかつ汚染物質を回収する方法のフローチャートである。
【図5B】フィルタ装置の粒状物濾過層を交換する方法のフローチャートである。
【図5C】フィルタ装置の回収層を再生する方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0052】
図1は、濾過システムのための空気汚染制御フィルタ要素100の実施例の概略的な断面図である。空気汚染制御フィルタ要素100は、2つの部分、すなわち上流要素101および下流要素102を含む。上流要素101と下流要素102との間には、図1に示された如き間隙103が在る。他の実施例において、上流要素101および下流要素102は、それらが、空気汚染制御フィルタ要素100の少なくとも一部分に沿い相互に接触する様に位置決めされる。
【0053】
上流要素101および下流要素102は、相互から分離可能とされる。たとえば、下流要素102は、空気汚染制御フィルタ要素100から取り外される。取り外しの後、下流要素102は代替的上流要素101の近傍に設置される。同様に、上流要素101は、空気汚染制御フィルタ要素100から取り外されると共に、引き続き、代替的下流要素102の近傍に設置される。更に、下流要素102は、それが空気汚染制御フィルタ要素100から取り外された後に、保守される。(以下に記述される如き)保守の後、下流要素102は、上流要素101の近傍にて空気汚染制御フィルタ要素100内へと戻し設置され得る。
【0054】
空気汚染制御フィルタ要素100は、汚染物質含有流体流Aから汚染物質を除去する。汚染物質含有流体流Aは、工業プロセスからの汚染物質含有気体の流れとされる。たとえば、汚染物質含有流体流Aは、金属製造設備からの燃焼排気の流れとされる。
【0055】
汚染物質含有流体流Aは、特に、粒状物および化学汚染物質を含有する。たとえば、汚染物質含有流体流Aは灰分粒状物を含有する。汚染物質含有流体流Aは、ダイオキシン、フラン、水銀および/またはNOxの如き汚染物質を含有する。特に、汚染物質含有流体流A内には水銀が存在する。
【0056】
空気汚染制御フィルタ要素100の上流要素101は概略的に、汚染物質含有流体流Aから事前決定可能なサイズの粒状物を除去すべく構成される。たとえば、一形態において上流要素101は、水位計で0.5インチ(約1.3cm)の差圧にて測定された2cfm/ft2(約36.6m3/h/m2)より大きい通気率と、0.3ミクロンにおける80%より大きい濾過効率(5.3cm/s)とを有する。上流要素101は単一層を備えて成るか、または、それはひとつ以上の副層を備えて成る。たとえば、上流要素101は、ガラス繊維裏材に対して積層されたePTFE膜を備える。上記ePTFE膜は上流要素101の上流側面(図1に示された上流要素101の左側面)に位置され得る一方、上記ガラス繊維裏材は、上流要素101の下流側面(図1に示された上流要素101の右側面)に位置される。斯かるシステムにおいて、上記ガラス繊維裏材は概略的に、上記ePTFE膜に対する支持体の役割を果たす。濾過の間、各粒状物は上記ePTFE膜の上流表面上に塵埃固形体(dust cake)を形成する。この塵埃固形体は、以下に記述される逆転式空気濾過システムにおいて使用される如き清浄化プロセスにより除去される。
【0057】
下流要素102は概略的に、化学物質の如き付加的な汚染物質を汚染物質含有流体流Aから除去すべく構成される。下流要素102は、特定の汚染物質に対して構成される。
【0058】
下流要素102は、汚染物質を捕捉する結合剤、および/または、汚染物質を分解しもしくは更に望ましい状態へと変換すべく作用し得る触媒作用物質を含有する。下流要素102は、特定の汚染物質と反応すべく設計された触媒を含む。上記下流要素は、貴金属、遷移金属酸化物、ならびに、アルカリおよびアルカリ土類金属、それらの酸化物および炭酸塩などの如き触媒物質を含有する。好適な触媒としては、チタニア、アルミナ、シリカおよびゼオライトの如き粒子であって、貴金属(たとえば、それらの化合物を含めて、Pt、Pd、Au、Ag、IrおよびRhなど)、バナジア、および/または、遷移金属(たとえば、それらの化合物を含めて、Fe、CuおよびAl)から選択された大きな表面積を自身上に有するという粒子が挙げられる。特に好適な触媒は、アナターゼ形態の二酸化チタン上のV2O5を備える。上記下流要素は、触媒織物および/または触媒フェルトの形態とされる。
【0059】
下流要素102は、汚染物質を吸着することでそれを汚染物質含有流体流Aから除去する吸着成分を含有する。たとえば下流要素102は、活性炭素を含む。該活性炭素は、ノボラックおよび/またはノボロイド繊維から生成された繊維の形態である。この点に関し、上記下流要素自体は、吸着物質から構成される。ノボラック繊維およびノボロイド繊維は、架橋された3次元のフェノールアルデヒド繊維である。これらの繊維は、公知の技術を用いて活性化されて、活性炭素繊維を生成する。ノボラック/ノボロイド炭素繊維の活性化の代表的なプロセスは、バータ等に対する特許文献1に見出される。カイノール[Kynol](登録商標)の商標名で入手可能である斯かる活性炭素繊維は特に、気体流から水銀を吸着する上で有効である。
【0060】
別の例において、下流要素102内には、吸着性粒子の形態の吸着成分が含まれる。特に下流要素102は、該下流要素102の織成されたもしくは不織の孔質裏材に対してポリマ接着剤により接着された吸着性粒子を含むと共に、選択的には、該裏材の近傍もしくは該裏材内には、少なくともひとつの微孔質保護層が在る。特定の配置構成において、上記孔質裏材は、織成されたまたは不織のePTFE繊維を備える。本明細書中で用いられる如く、“ポリマ接着剤”という語句は、上記裏材に対して吸着性粒子を保持するストリング(strings)および分散した一次粒子を形成すべく液体内に懸濁された固体粒子の形態である少なくとも一種類の熱可塑性エラストマ、ならびに、結果的に固定された形態のポリマ接着剤を包含する。適切なポリマ接着剤としては、PTFE、フルオロエチレン・プロピレン、高分子量ポリエチレン(すなわち分子量が百万以上)、高分子量ポリプロピレン(すなわち分子量が百万以上)、パーフルオロアクリレート、フッ化ポリビニリデン、テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンとフッ化ビニリデンとの三元重合体、および、ポリクロロ・トリフルオロエチレンが挙げられる。上記吸着性粒子は、活性炭素粒子を含む。その全体が言及したことにより本明細書中に援用される、ウォーターズ等に対する特許文献2は、孔質の織成されたまたは不織の裏材に対してポリマ接着剤を用いて接着された粒子を含むフィルタ材料の製造および構成を記述している。
【0061】
ひとつの配置構成において、上記で論じられた触媒作用物質は、上記吸着性粒子に関して記述されたのと同様の様式で、織成されたもしくは不織の孔質裏材に対してポリマ接着剤を用いて接着される。ひとつの配置構成において、上記裏材に対してはポリマ接着剤を用いて吸着性粒子および触媒粒子の両方が接着される。
【0062】
上流要素101および下流要素102は、相互に異なる寿命サイクル存続時間を有する。たとえば、下流要素102は触媒フェルトであると共に、上流要素101の下流である自身の位置に依り、粒状物濾過は殆どもしくは全く実行しないこともある。故に、下流要素102の寿命サイクルは、該下流要素102内における触媒物質の寿命サイクルに基づき、結果として、上流要素101において使用される典型的な粒状物フィルタよりも数倍長い有効寿命を有する。更に、下流要素102は、上流要素101を製造するよりもコストが相当に高い。
【0063】
一実施例において、下流要素102は上流要素101に対して永続的に相互接続される。代替的に、下流要素102は上流要素101に対して着脱自在に配設される。上流要素101および下流要素102の有効寿命サイクルが切り離され得る様に、下流要素102を上流要素101に対して着脱自在に配設することが好適である。一旦結合が解除されたなら、個別的な各要素は、空気汚染制御フィルタ要素100の全体的な効率を最大化すべく、且つ、その動作の全体的なコストを低減すべく構成される。
【0064】
特に、たとえば、下流要素102が上流要素101よりも相当に高価である場合、上流要素101は、更に高価な下流要素102の寿命を最大化すべく構成される。たとえば、このことは、下流要素102に到達することで該下流要素102の有効性を低下させる粒状物が殆ど無くもしくは全く無いという結果となる粒状物濾過効率を上流要素101が有する様に、該上流要素101を構成することにより達成される。この点に関し、下流要素102は、該下流要素102の触媒特性もしくは吸着剤特性の有効寿命に等しい耐用期間を有する。上流要素101の斯かる粒状物濾過効率は、汚染管理規則により要求されるよりも大きいかも知れないが、依然として、言及された如く上流要素101よりも相当に高価である下流要素102の寿命が延ばされることから、空気汚染制御フィルタ要素100の操業コストに関しては好適である。この点に関し、上流要素101がその有効寿命を完了したとき、それは下流要素102から結合が解除されると共に、該下流要素102とは関わり無く交換される。故に、上流要素101の上流側面上へと積層されたePTFE層は好適である。と言うのも、下流要素102の動作寿命は目詰りおよび/または粒状物蓄積によっては制限されず、その触媒成分もしくは吸着成分の寿命サイクルによってのみ制限される如く、上流要素101が粒状物を濾過する様に、該上流要素101の濾過効率が選択されるからである。
【0065】
下流要素102は、再生可能とされる(たとえば、再生プロセスを介して再生される)。本明細書中で用いられる如く、“再生プロセス”とは、下流要素102の如き空気汚染制御要素の触媒活性もしくは吸着容量を少なくとも部分的に回復させるプロセスである。吸着容量が少なくとも部分的に回復される場合、上記再生プロセスは、上記空気汚染制御要素から解離された汚染物質に帰着する。斯かる解離は、上記空気汚染制御要素から汚染物質を脱離させる形態を取る。斯かる解離段階は、上記空気汚染制御要素の動作温度よりも高い温度における加熱気体に対する露出により達成される。斯かる再生プロセスは、上記空気汚染制御要素がその元の汚染物質吸着容量の少なくとも約50%を保有する如く回復された空気汚染制御要素に帰着する。
【0066】
上記再生プロセスは、解離された汚染物質を収集する段階を含む。たとえば、汚染物質は加熱気体に対する露出の間に上記空気汚染制御要素から脱離され得ると共に、これらの汚染物質は、(たとえば、上記空気汚染制御要素を加熱気体に対して露出すべく使用される加熱炉に対して結合されたフィルタにより)収集されると共に、上記空気汚染制御要素とは別体的に取扱われ(たとえば廃棄され)る。この点に関し、汚染物質は、(たとえば上記濾過システムが配置されている)第1の施設にて収集(たとえば、上記空気汚染制御要素により吸着)されると共に、上記空気汚染制御要素と結合されながら(たとえば、脱離用加熱炉が配置されている)第2の施設へと搬送されてから、該第2の施設にて汚染物質の少なくとも一部分が廃棄のために其処で脱離して収集される。
【0067】
下流要素102は、上流要素101から結合が解除されると共に、再生プロセスを通過させられる。該再生プロセスは、吸着された汚染物質が下流要素102から脱離される如く、該下流要素102を、所定温度における加熱炉内へと所定持続時間に亙り配置する段階を含む。
【0068】
以下の実験は、ノボラック繊維で作成された活性炭素の織物の水銀吸着および脱離容量を定量すべく行われた。該実験は、ノボラック繊維で作成された活性炭素の織物の5/8”直径サンプルを利用した。各サンプルは、N2、空気およびSO2を含む気体流内で水銀蒸気に対して24時間に亙り露出された。サンプルを通る合計の気体流は、211立法センチメートル/分(cc/min)であった。流量制御は、130cc/minの窒素、80cc/minの空気、および、1cc/minのSO2にて維持された。水銀蒸気は、76℃の水浴内に配置された透過管から、上記気体流内へと放出された。サンプルは、管状炉内での露出の間、150℃に加熱された。水銀レベルは、水銀分光計による連続的監視を用いて測定されることで、露出量が確認された。種々の段階にて、各サンプルは上記分光計により測定されることで、吸着された水銀レベルが決定された。斯かる決定は各サンプルの破壊を必要としたことから、当該実験は同一の条件を受ける複数のサンプルを以て開始して行われると共に、個々のサンプルは該実験の種々の段階にて破壊して試験された。水銀蒸気に対する最初の24時間の露出の後、第1サンプルが上記分光計により測定され、12,358百万分率(ppm)の水銀を含有することが見出された。残りのサンプルは次に、300℃の加熱炉内で、空気中で2時間、脱離された。第2のサンプルが上記分光計により測定され、731ppmの水銀を含有することが見出された。残りのサンプルは次に、元の露出と同一様式で、24時間に亙り再露出された。次に、上記分光計を用いて第3のサンプルが分析され、11,016ppmの水銀を含有することが見出された。
【0069】
図2Aは、逆転式空気濾過システムのための空気汚染制御フィルタ要素200の実施例の部分的断面図である。空気汚染制御フィルタ要素200は、概略的に、薄壁円筒体の形態である。該円筒体の底端部は、汚染物質含有流体流A'に対して機能的に接続される。汚染物質含有流体流A'は、空気汚染制御フィルタ要素200の内側部分内へと流入してから、上記円筒体の壁部を通り流出して該汚染物質含有流体流A'が濾過されることで、濾過済み流体流B'を生成する。汚染物質含有流体流A'は、図2Aに示された如く上記円筒体から流れる。上記円筒体の頂端部は、空気汚染制御フィルタ要素200を支持すべく、且つ、当該キャップ207を貫通して流体流が流れることを阻止すべく使用されるキャップ207を含む。
【0070】
図2Bは、図2Aの空気汚染制御フィルタ要素200の一部分の断面図である。図2Bに示された如く、汚染物質含有流体流A'は、(図2Bの左側に位置された)上記円筒体の内部から、空気汚染制御フィルタ要素200の各層を通り流れることで汚染物質が除去され、(図2Bの右側に位置された)上記円筒体の外部に至り、其処でそれは濾過済み流体流B'として該円筒体から抜け出す。
【0071】
200の空気汚染制御フィルタの各層は、図1のフィルタ要素100に関して上記で論じられたのと同様に構成される。この点に関し、上流要素は第1層201aおよび第2層201bを備える。協働して、第1層201aおよび第2層201bは上流要素201を形成する。上流要素201の下流には、下流要素202が位置決めされる。機能的に、汚染物質含有流体流A'は第1層201a内へと通過し、其処で該汚染物質含有流体流A'内の粒状物は流体流から濾過される。第1層201aは、事前決定可能な濾過効率のePTFE層とされる。たとえば第1層201aは、水位計で0.5インチ(約1.3cm)の差圧にて測定された2cfm/ft2(約36.6m3/h/m2)より大きい通気率と、0.3ミクロンにおける80%より大きい濾過効率(5.3cm/s)とを有する。第1層201aは、第2層201bにより支持される。第2層201bは、ガラス繊維織物裏材を備えて成る。流体流から濾過された粒状物は概略的に、第1層201aの上流表面上に堆積される。
【0072】
上流要素201を通過した後、流体流は次に下流要素202を通過する。下流要素202は、図1の下流要素102に関して上記で論じられたのと同様に構成される。この点に関し、下流要素202は、下流要素102に関して記述された如き触媒成分および/または吸着成分を備えて成る。
【0073】
下流要素202は、上流要素201から分離可能とされる。この点に関し、下流要素202および/または上流要素201は各々、個別的に交換可能とされる。
【0074】
図2Aに戻ると、空気汚染制御フィルタ要素200は、該空気汚染制御フィルタ要素200の長手軸心に沿い配設された複数の支持部材を含む。各支持部材は、支持リング203の如き支持リングの形態とされる。支持リング203は、空気汚染制御フィルタ要素200の上流要素201に対して取付けられた金属(または他の任意で適切な材料)のリングの形態とされる。図2Bに示された如く、支持リング203は、該支持リング203を補強部分201cと第2層201bとの間に配置することにより上流要素201に対して締着される。次に補強部分201cは、支持リング203が第2層201bに対して所定位置に保持される如く、第2層201bに対して縫い付けられる。補強部分201cは、上流要素201と同様に構成される。故に、支持リング203、および、他の同様に構成された支持リングは、空気汚染制御フィルタ要素200に対する支持を提供することで、清浄化サイクルの間などの如く、フィルタ要素200の外側部に対する圧力が該フィルタ要素200の内側部に対する圧力よりも大きいときに該空気汚染制御フィルタ要素200が自身上で形崩れすることを阻止する。
【0075】
図2Aを参照すると、空気汚染制御フィルタ要素200は、該空気汚染制御フィルタ要素200の底部に配設された耐摩耗性織物のカフ部204を更に含む。該カフ部204は、空気汚染制御フィルタ要素200が多孔板と干渉する箇所において、該フィルタ要素に対する付加的な強度を提供する。
【0076】
下流要素202の頂部205は、キャップ207の取付け部材206に対して相互接続される。斯かる相互接続は、任意の適切な様式で達成される。たとえば、図2Aに示された如く、取付け部材206は円周方向隆起部の形態とされる。下流要素202は、該下流要素202の頂部内に縫い付けられた金属帯状体の如き剛性帯状体を含む。該剛性帯状体は、それが取付け部材206の外径よりも小さな内径を有する如く寸法設定される。故に下流要素202は、上流要素201の全長にわたって垂下されると共に、該下流要素は、取付け部材206の直上に位置された上記剛性帯状体により吊下される。故に上記剛性帯状体は、取付け部材206を越えて下方には移動しない。下流要素202はまた、空気汚染制御フィルタ要素200の底部に沿っても、任意の適切な様式で上流要素201に対して相互接続される。たとえば、上流要素201および下流要素202の両方を(以下に記述される図3の)多孔板302の貫通孔に対して締着すべく固着用クランプが使用される。
【0077】
取付け部材206は、キャップ207に対して相互接続されるか、または、その一部分とされる。キャップ207に対しては、ハンガ208が相互接続される。この点に関し、空気汚染制御フィルタ要素200全体が、ハンガ208から吊下される。
【0078】
上述の如く、下流要素202は上流要素201から分離可能とされる。これにより、下流要素202または上流要素201のいずれかの個別的な交換が許容される。たとえば、上述された如く、下流要素202は上流要素201よりも相当に長い有効寿命を有することから、下流要素202を保持する一方で上流要素201を交換することが好適である。
【0079】
上流要素201を交換する代表的なプロセスにおいて、第1段階は、汚染物質含有流体流A'の流れを一時的に停止することである。次の段階は、空気汚染制御フィルタ要素200をハンガ208における掛止を解除すると共に、該空気汚染制御フィルタ要素200を底部にて多孔板302(図3)から切り離すことにより、該フィルタ要素を切り離すことである。次に、下流要素202は上流要素201の底部から切り離されると共に、該下流要素をキャップ207上で摺動させることにより、空気汚染制御フィルタ要素200から摺動離脱される。次に、上流要素201はキャップ207から取り外される。次に、キャップ207に対しては新たな上流要素201が相互接続される。次に、キャップ207と新たな上流要素201とに対しては下流要素202が摺動して被せられてから、該下流要素は新たな上流要素201の底部に相互接続される。次に空気汚染制御フィルタ要素200が設置され、汚染物質含有流体流A'が再開される。
【0080】
先に言及した如く、空気汚染制御フィルタ要素200は逆転式空気流濾過システム内に設置される。斯かる逆転式空気流濾過システムの例は、図3に示される。該逆転式空気流濾過システムは、バグハウス300と、複数の個別的な空気汚染制御フィルタ要素303とを備える。個別的な空気汚染制御フィルタ要素の各々は、図2Aの空気汚染制御フィルタ要素200と同様に構成される。例示目的で、図3には4個のみの空気汚染制御フィルタ要素303が示される。但し、実施に際し、バグハウスは数十本の個別的な空気汚染制御フィルタ要素を含む。バグハウス300は入口301を含むと共に、それを通して汚染物質含有流体流A'が供給される。流体流は、バグハウス300を通過し、該バグハウス300の頂部における吐出口304を通して濾過済み流体流B'として抜け出す。
【0081】
バグハウス300は、種々の工業プロセスから生成された汚染物質含有流体流から汚染物質を濾過すべく使用される。斯かる流体流は、金属製造プロセスからの燃焼排気の形態である。他の製造および/または化学処理器からの流体流もまた、バグハウス300を通して濾過される。
【0082】
各空気汚染制御フィルタ要素303は、バグハウス300内に設置される。斯かる設置において、空気汚染制御フィルタ要素303の各々は、ハンガ208を用いて、バグハウス300の支持部材307に対して掛止される。図3においては単一本の水平な棒状体として示されるが、支持部材307は、各ハンガ208と干渉する任意の適切な形態を取り得る。たとえば、上記支持部材は、複数の空気汚染制御フィルタ要素303が格子パターンで位置決めされることを可能とする格子状の複数の取付け箇所の形態とされる。各空気汚染制御フィルタ要素303の底端部は、バグハウス300の多孔板302に対して相互接続される。多孔板302は、汚染物質含有流体流A'を個別的な空気汚染制御フィルタ要素303の各々内へと導入する複数のオリフィス308を含む。多孔板302はまた、汚染物質含有流体流A'が実質的に各空気汚染制御フィルタ要素303をバイパスしない様に、空気汚染制御フィルタ要素303の各々を個別的に固着する構造も含む。
【0083】
作動時に、汚染物質含有流体流A'は入口301を通り、空気汚染制御フィルタ要素303の各々の内側部分内へと導入される。経時的に、粒状物は空気汚染制御フィルタ要素303の各々の内側面上に収集される。時々、収集された粒状物を除去することが好適である。このことは、逆方向空気清浄化サイクルにより達成される。該逆方向空気清浄化サイクルは、バグハウス300内への汚染物質含有流体流A'の流れに対する短時間の中断を含む。上記流れが一時停止されている間、吐出口304を通り、且つ、空気汚染制御フィルタ要素303の各々の側壁を通り、空気がバグハウス300内へと導入される如く、バグハウス300を通る逆流が開始される。この逆流は、空気汚染制御フィルタ要素303の各々の内側面上に収集された粒状物を除去する。除去された粒状物は、空気汚染制御フィルタ要素303の各々の丈に沿い、多孔板302の下方に配置された収集部材305内へと落下する。収集部材305は開口306を含み、除去された粒状物は該開口を通してバグハウス300から除去される。各空気汚染制御フィルタ要素303から十分な量の粒状物が除去された後、逆方向空気流は中断され、通常的な濾過操作が再開される。
【0084】
図3の逆転式空気バグハウス300の如き逆転式空気バグハウスにおいて使用される図2Aおよび図2Bの空気汚染制御フィルタ要素200の構成は、上流要素201よりも相当に強度が低い下流要素202に対処し得る。この点に関し、上流要素201は下流要素202に対する支持を提供する。たとえば、濾過の間、空気汚染制御フィルタ要素200の全体に亙る圧力低下の大部分は、粒状物濾過が行われる上流要素201の全体に亙り発生する。対照的に、下流要素202は、上流要素201と比べて比較的に大きな通気率を有する。故に、下流要素202の全体に亙り、圧力低下は殆ど生じない。結果として、(上流要素201と比較して)下流要素202に対しては、汚染物質含有流体流A'の流れからの力は殆ど伝達されない。
【0085】
流体流の方向が反転される清浄化サイクルの間、逆流により、下流要素202は上流要素201に当接して押圧される。斯かる状況において上流要素201は、下流要素202に対する裏当てを提供することにより、該下流要素202に対する機械的支持を提供する。対照的に上流要素201は、その全体に亙る相当の圧力低下の故に、汚染物質含有流体流A'が該上流要素201を通過するという通常的な流れの間における該汚染物質含有流体流の力と、清浄化の間における逆流からの力とに耐えるべく十分に強固とされねばならない。
【0086】
図4には、別実施例の空気汚染制御フィルタ要素400が示される。空気汚染制御フィルタ要素400は、パルス噴射式要素清浄化システムを取入れたバグハウスにおいて使用される。空気汚染制御フィルタ要素400に対し、汚染物質含有流体流A"は、上流要素401を貫通し、側壁を介して空気汚染制御フィルタ要素400に進入する。上記上流要素は、所定レベルの濾過効率まで、汚染物質含有流体流A'から粒状物を濾過すべく構成される。上流要素401は、たとえば、ガラス繊維裏材に対して積層されたePTFE層を備える。該ePTFE層は、(図4に示された如く)上流要素401の外側面上に配設される。上流要素401は、上流要素支持ケージ403により、形崩れすることが阻止される。流体流は次に、下流要素402を通過する。下流要素402は、触媒層および/または吸着層である。たとえば、カイノール[Kynol](登録商標)の商標名で入手可能であるノボロイドおよび/またはノボラック繊維から生成された活性炭素繊維を備えて成る。下流要素402は、下流要素支持ケージ404により、形崩れすることが阻止される。下流要素402を通過した後、流体流は既に濾過されおり、空気汚染制御フィルタ要素400の頂部における開口を通り該空気汚染制御フィルタ要素400を抜け出す。空気汚染制御フィルタ要素400の他方の(底部の)端部は、該空気汚染制御フィルタ要素400の内部内への全ての空気流が、上流要素401および下流要素402を通過すべき様に、蓋をされる。
【0087】
作動時、粒状物は空気汚染制御フィルタ要素400の外側部上に塵埃固形体を形成する。該塵埃固形体を除去するために、(図4に示された流体流とは逆方向において)開放頂部から下方に向けて上記バッグ内へと、(たとえば、汚染制御フィルタ要素400の開放頂端部の上方に位置された噴射口からの圧縮空気のパルスなどの)流体パルスが導入される。このパルスは、上流要素401を拡開かつ震動させて、塵埃固形体を弛緩させることで、粒状物を上流要素401から落下させる。
【0088】
上流要素401および下流要素402は、独立的に交換可能とされる。たとえば、上流要素401の有効寿命が一旦尽きたなら、該上流要素401は、該要素を上流要素支持ケージ403から摺動離脱することにより、空気汚染制御フィルタ要素400から取り外される。次に、上流要素支持ケージ403上には新たな上流要素401が摺動して被せられ得ると共に、その後に空気汚染制御フィルタ要素400全体が動作に戻される。同様に、下流要素402は、下流要素支持ケージ404および該下流要素402を取り外し、下流要素支持ケージ404の回りに新たな下流要素402を設置し、且つ、新たな下流要素402と下流要素支持ケージ404とを空気汚染制御フィルタ要素400内へと戻し挿入することにより、交換される。
【0089】
パルス噴射式濾過システムにおいて使用される図4の空気汚染制御フィルタ要素400の構成は、上流要素401よりも相当に強度が低い下流要素402に対処し得る。通常的な濾過の間、下流要素402は下流要素支持ケージ404により支持されることで、該下流要素402が形崩れすることが阻止される。パルス噴射清浄化の間、下流要素支持ケージ404および上流要素支持ケージ403は下流要素402を所定位置に保持すると共に、該下流要素402の大きな通気率の結果、パルス噴射清浄化サイクルの清浄化パルスからの力は、殆ど、下流要素402に対して伝達しない様にされる。この点に関し、清浄化パルスは、実質的に下流要素402を通過すると共に上流要素401と相互作用し、該上流要素401の上流表面上に既に収集されていた塵埃固形体を放出する。対照的に上流要素401は、その全体に亙る相当の圧力低下の故に、汚染物質含有流体流A"が該上流要素401を通過するときにおける該汚染物質含有流体流の力と、清浄化パルスからの力とに耐えるべく十分に強固とされねばならない。
【0090】
上流要素支持ケージ403は、一体的に溶着されて円筒状格子を形成する複数本の金属ワイヤから作製される。ワイヤのサイズおよび格子のサイズは、汚染物質含有流体流A"の通常的な流れの間において上流要素401が形崩れすることを上流要素支持ケージ403が阻止し得るべく選択される。上流要素支持ケージ403の構成においては、他の適切な材料および構成方法が利用される。同様に、下流要素支持ケージ404は、一体的に溶着されて円筒状格子を形成する複数本の金属ワイヤから作製される。ワイヤのサイズおよび格子のサイズは、汚染物質含有流体流A"の通常的な流れの間において下流要素402が形崩れすることを下流要素支持ケージ404が阻止すべく選択される。更に、下流要素402は上流要素401よりも低い強度を有することから、該下流要素が下流要素支持ケージ404に対して必要とするのは、汚染物質含有流体流A"の通常的な流れの間において該下流要素402が裂断もしくは裂開しない様に該下流要素に対する十分な支持を提供すべく(図4に示された上流要素支持ケージ403と比較して)更に小さい格子サイズである。下流要素支持ケージ404の構成においては、他の適切な材料および構成方法が利用され得る。
【0091】
図5Aは、汚染物質含有流体流の粒状物を濾過しかつ汚染物質を回収する方法のフローチャートである。該方法における第1段階500は、フィルタ装置を濾過システムに対して相互接続することである。上記フィルタ装置は、該フィルタ装置の第1層が(汚染物質含有流体流の方向に対して)上流位置に配設され且つ第2層が下流位置に配設される如く、配向される。上記第1層は粒状物濾過層とされ、上記第2層は汚染物質回収層とされる。上記相互接続は、上記濾過システムの形式に依存して種々の形態を取る。
【0092】
たとえば、図2A乃至図3に関して上述された如き逆転式空気濾過システムにおいて、上記相互接続段階は、上記フィルタ装置の入口端部を多孔板におけるひとつの開口に対して相互接続する段階を包含する。斯かるフィルタ装置は、粒状物フィルタ・バッグと、該粒状物フィルタ・バッグの回りに取外し可能に配設されたスリーブとを含む。斯かるシステムにおいて上記粒状物フィルタ・バッグは、汚染物質含有流体流の流体流が、上記多孔板を通り、該粒状物フィルタ・バッグの内部に入り、該粒状物フィルタ・バッグを貫通してから、上記スリーブを通り移動する如く、上記スリーブの上流に配設される。
【0093】
上記フィルタ装置が濾過システムに対して相互接続された後、次の段階502は、汚染物質含有流体流を上記フィルタ装置内へと導入することである。流体流が上記粒状物濾過層を通過するとき、次の段階504は、上記粒状物濾過層の上流表面上で且つ/又は該層内で、上記流体流から粒状物を収集することである。次の段階506は、流体流が上記回収層を通過して流れるときに、該流体流内の汚染物質を回収することである。上記で論じられた如く、斯かる回収は、汚染物質の吸着、および/または、触媒的反応の形態を取る。濾過は連続的プロセスとされることから、段階502、504および506は全て、同時に行われる。
【0094】
上記粒状物濾過層が所定状態に近づきもしくは到達するとき、該粒状物濾過層を交換することが好適である。斯かる所定状態は、たとえば、(たとえば、清浄化の後における上記粒状物濾過層の全体に亙る最大圧力低下を超えるなどの)上記粒状物濾過層の性能により、稼働中の所定時点により、および/または、任意の他の適切な手段により、決定される。たとえば、逆転式空気濾過システムにおいて(粒状物フィルタ・バッグの形態の)上記粒状物濾過層は、逆方向空気清浄化プロセスが、上記粒状物濾過層の通気率を容認可能なレベルまで回復し得ない様に、粒状物を蓄積することもある。
【0095】
図5Bは、フィルタ装置の粒状物濾過層を交換する方法のフローチャートである。該方法の第1段階520は、汚染物質含有流体流の流れを一時停止することである。流れが一時停止されたなら、次の段階522は、上記濾過システムから粒状物濾過層を取り外すことである。たとえば、逆転式空気濾過システムにおいて、段階522は、バグハウスからのフィルタ装置全体の取り外し、および、粒状物フィルタ・バッグ(上記粒状物濾過層)からのスリーブの引き続く取り外しを含む。他の濾過システムにおいては、上記回収層を所定位置に残しながら、上記粒状物濾過層を取り外すことが好適である。
【0096】
上記粒状物濾過層が取り外された後、次の段階524は、代替的な粒状物濾過層を上記濾過システム内へと設置することである。逆転式空気濾過システムの場合、段階524は、先ず上記粒状物フィルタ・バッグ上に上記スリーブを位置決めし、次に、自身上に上記スリーブを備えた上記粒状物フィルタ・バッグを上記濾過システム内に設置するという形態を取る。代替的な粒状物濾過層が上記濾過システム内に一旦設置されたなら、次の段階526は、汚染物質含有流体流れを再開することである。
【0097】
図5Cは、フィルタ装置の回収層を再生する方法のフローチャートである。該方法の第1段階540は、汚染物質含有流体流れを一時停止することである。上記流れが一旦一時停止されたなら、次の段階542は、上記濾過システムから上記回収層を取り外すことである。たとえば、逆転式空気濾過システムにおいて、段階542は、バグハウスからのフィルタ装置全体の取り外し、および、粒状物フィルタ・バッグからのスリーブ(回収層)の引き続く取り外しを含む。他の濾過システムにおいては、上記粒状物濾過層を所定位置に残しながら、上記回収層を取り外すことが好適である。
【0098】
上記回収層が取り外された後、次の段階544は、該回収層を再生することである。上記再生プロセスは、上記回収層を、制御された環境において高温に露出する段階を含む。該露出は、所定の時間なされる。該露出は、一定の条件が満たされるまで実施される。たとえば該露出は、特定の汚染物質もしくは一群の汚染物質の脱離の割合が所定割合よりも低下するまで継続される。
【0099】
一実施例において上記再生段階は、上記スリーブを加熱炉内に配置する段階と、該スリーブを、汚染物質含有流体流の温度(たとえば平均温度)に対して上昇された脱離温度に露出する段階とを含む。該脱離温度は、汚染物質含有流体流の温度より、少なくとも約30℃だけ高くされる。該脱離温度は、少なくとも約180℃とされる。該脱離温度への上記スリーブの露出は、少なくとも約60分の持続時間を有する。上記回収段階は流体流から水銀を除去する段階を含むと共に、上記再生段階は上記スリーブから水銀を脱離させる段階を含む。たとえば、回収層が、ノボラックおよび/またはノボロイド繊維から作成された活性炭素繊維を有する吸着物質を備える場合、上記再生プロセスは、上記回収層を180℃の加熱炉内に空気の存在下で60分にわたって配置する段階を含む。
【0100】
上記回収層が再生された後、次の段階546は、該回収層を上記濾過システム内に設置することである。逆転式空気濾過システムの場合、段階546は、先ず上記スリーブ形態の上記回収層を粒状物フィルタ・バッグ上に位置決めし、次に、自身上に上記スリーブを備えた上記粒状物フィルタ・バッグを上記濾過システム内に設置する。上記フィルタ装置が上記濾過システム内に一旦設置されたなら、次の段階528は、汚染物質含有流体流れを再開する。
【0101】
図5Cの方法は、複数回に亙り繰り返される。この点に関し、上記回収層は、複数サイクルの吸着、再生および再吸着に委ねられる。
【0102】
上述の再生プロセスは、濾過システムの単一の回収層の取り外し、再生および再配置の各段階を包含した。別実施例において上記プロセスは、取り外された回収層(第1回収層)が、設置される回収層でない様に、変更される。たとえば、回収層の保守の間における機器の不稼働時間を短縮するために、予め再生された回収層(第2回収層)が使用される。斯かるプロセスにおいて、上記第2回収層は上記第1回収層の取り外しの直後に設置される。その場合、上記第1回収層は再生され、同一の濾過システムにおける次続的な設置および再使用、または、別の濾過システムにおける再使用に準備される。
【0103】
関連して、回収層再生の業務提供者が再生段階544を実施しても良い。たとえば上記回収層再生の業務提供者は、利用者(たとえば、濾過システムの操作者)に対して複数枚の交換用回収層を提供しても良い。その場合に上記利用者は、既存の複数枚の回収層を上記複数枚の交換用回収層と交換し、使用済みの複数枚の回収層を再生のために上記回収層再生の業務提供者へと送る。再生の後、再生された複数枚の回収層は、元の利用者もしくは他の利用者による再使用のために利用可能とされる。上記回収層再生の業務提供者は、使用された回収層の取り外しおよび再生された回収層の設置を実施するなどの、別の業務を提供する。
【0104】
図5Bおよび図5Cに関して上述された方法は、相互に異なる時点にて実施されるか、または、それらは相互に同時的に実施される。この点に関し、上記粒状物濾過層は、回収層を保守せずに交換されても良い。同様に、上記回収層は、上記粒状物濾過層を保守せずに再生されても良い。最後に、上記粒状物濾過層が交換され、上記回収層は、取り掛かっている単一回の濾過システム保守の一部として再生されても良い。
【0105】
各実施例の上述の説明は、例示および記述の目的で提供されている。更に、上記説明は、本発明を、本明細書中に開示された形態に限定することを意図するものではない。故に、上記教示と同等の変更および改変、および、関連技術の技術および知見は、以下における各請求項により定義される本発明の有効範囲内である。
【符号の説明】
【0106】
100 空気汚染制御フィルタ要素
101 上流要素
102 下流要素
103 間隙
200 空気汚染制御フィルタ要素
201 上流要素
201a 第1層
201b 第2層
201c 補強部分
202 下流要素
203 支持リング
204 耐摩耗織物カフ部
205 頂部
206 取付け部材
207 キャップ
208 ハンガ
300 逆転式空気バグハウス
301 入口
302 多孔板
303 空気汚染制御フィルタ要素
304 吐出口
305 収集部材
306 開口
307 支持部材
308 オリフィス
400 空気汚染制御フィルタ要素
401 上流要素
402 下流要素
403 上流要素支持ケージ
404 下流要素支持ケージ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルタ装置の入口端部を逆転式空気濾過システムの多孔板における開口に対して相互接続する段階であって、前記フィルタ装置は粒状物フィルタ・バッグと該粒状物フィルタ・バッグの回りに着脱自在に配設されたスリーブとを備えて成り、前記粒状物フィルタ・バッグは前記入口端部と、反対側に配設されたキャップ端部との間に内部体積を形成し、前記粒状物フィルタ・バッグは前記スリーブに対して上流位置に配列されることで、流体流中に懸濁された粒状物から前記スリーブを保護する段階と、
前記多孔板における前記開口を通して前記流体流を前記内部体積内へと導入する導入段階であって、前記流体流は、供給されたときに汚染物質を含有している段階と、
前記導入段階の後、前記流体流を前記粒状物フィルタ・バッグに通過させる通過段階と、
前記通過段階の間に、前記粒状物フィルタ・バッグにより前記流体流から粒状物を収集する収集段階と、
前記通過段階の後、前記流体流を前記スリーブに通過して流す流出段階と、
前記流出段階の間に、前記流体流を前記スリーブに接触させることにより前記流体流から汚染物質を回収する段階とを備える、
逆転式空気濾過システムにおける濾過方法。
【請求項2】
請求項1記載の方法において、
前記粒状物フィルタ・バッグはePTFEを備える。
【請求項3】
請求項2記載の方法において、
前記粒状物フィルタ・バッグは、水位計で0.5インチ(約1.3cm)の差圧にて測定された2cfm/ft2(約36.6m3/h/m2)より大きい通気率と、0.3ミクロンにおける80%より大きい濾過効率(5.3cm/s)とを有する。
【請求項4】
請求項2記載の方法において、
前記粒状物フィルタ・バッグは、裏材の上流に配設されたePTFE膜であって該裏材に対して積層されたというePTFE膜を備える。
【請求項5】
請求項1記載の方法において、
前記回収段階は、前記流体流から汚染物質を吸着する段階を更に含む。
【請求項6】
請求項5記載の方法において、
前記スリーブは炭素織物層を備える。
【請求項7】
請求項6記載の方法において、
前記炭素織物層は活性炭素を備える。
【請求項8】
請求項7記載の方法において、
前記炭素織物層は、ノボラック繊維およびノボロイド繊維の少なくとも一方から生成された活性炭素繊維を備える。
【請求項9】
請求項5記載の方法において、
前記吸着は、ポリマ接着剤により前記スリーブの支持材料に接着された活性炭素粒子により実施される。
【請求項10】
請求項1記載の方法において、
前記回収段階は、前記流体流を前記スリーブの触媒物質に接触させる段階を更に含む。
【請求項11】
請求項10記載の方法において、
前記スリーブは触媒フェルトおよび触媒織物の少なくとも一方を備える。
【請求項12】
請求項11記載の方法において、
前記触媒フェルトおよび触媒織物の少なくとも一方の触媒は、貴金属、遷移金属酸化物、アルカリおよびアルカリ土類金属の内の少なくとも一種類を備える。
【請求項13】
請求項10記載の方法において、
前記触媒物質は、前記スリーブの支持材料の構造にポリマ接着剤により接着された活性粒子である。
【請求項14】
請求項1記載の方法において、
前記導入段階を一時停止する一時停止段階と、
前記一時停止段階の間に、前記流体流を反転させることにより、前記収集段階の間に前記粒状物フィルタ・バッグにより収集された粒状物を除去する反転段階と、
前記一時停止段階の後、前記導入段階を再開する再開段階とを更に備える。
【請求項15】
請求項14記載の方法において、
前記導入段階の間に、前記一時停止段階、反転段階および再開段階を複数回繰り返す繰り返し段階を更に含む。
【請求項16】
請求項15記載の方法において
前記繰り返し段階の後、
前記スリーブを前記粒状物フィルタ・バッグから取り外す取り外し段階と、
前記取り外し段階の後、前記スリーブを交換用粒状物フィルタ・バッグの回りに配置する段階と、
前記交換用粒状物フィルタ・バッグを前記逆転式空気濾過システム内へと設置する段階とを更に含む。
【請求項17】
請求項15記載の方法において、
前記繰り返し段階の後、
前記スリーブを前記粒状物フィルタ・バッグから取り外す取り外し段階と、
前記取り外し段階の後、前記スリーブを再生する再生段階とを更に含む。
【請求項18】
逆転式空気濾過システムのフィルタ装置にアクセスする段階であって、前記フィルタ装置は入口端部と、反対側に配設されたキャップ端部との間に内部体積を形成し、前記入口端部は汚染物質含有流体流に相互接続される働きをする段階と、
前記フィルタ装置の粒状物フィルタ・バッグの回りに着脱自在に配設されたスリーブを、前記フィルタ装置の前記キャップ端部から切り離す切り離し段階と、
前記スリーブを前記フィルタ装置から取り外す取り外し段階と、
前記切り離し段階および取り外し段階の後、前記スリーブを交換用粒状物フィルタ・バッグの回りに設置する段階と、
前記切り離し段階および取り外し段階の後、前記キャップ端部において前記スリーブを前記フィルタ装置に対して着脱自在に接続する段階と、を備える、
逆転式空気濾過システムのフィルタ装置を保守する方法。
【請求項19】
請求項18記載の方法において、
前記切り離し段階の前に、前記フィルタ装置を前記逆転式空気濾過システムから取り外す段階と、
前記着脱自在に接続する段階の後、前記フィルタ装置を前記逆転式空気濾過システム内へと再配置する再配置段階とを更に備える。
【請求項20】
請求項18記載の方法において、
前記取り外し段階は、前記粒状物フィルタ・バッグの前記入口端部および前記キャップ端部の一方を越えて前記スリーブを摺動させる段階を含み、
前記設置段階は、前記交換用粒状物フィルタ・バッグの前記入口端部および前記キャップ端部の一方を超えて前記スリーブを摺動させる段階を含む。
【請求項21】
請求項20記載の方法において、
前記切り離し段階および取り外し段階の後、且つ前記設置段階および着脱自在に接続する段階の前に、前記粒状物フィルタ・バッグを前記交換用粒状物フィルタ・バッグと交換する段階を更に備える。
【請求項22】
逆転式空気濾過システムにおいて使用されるフィルタ装置であって、
該装置は、
汚染物質含有流体流に相互接続される働きをする入口端部を有する粒状物フィルタ・バッグであって、前記入口端部と、反対側に配設されたキャップ端部との間に内部体積を形成し、前記内部体積に面する上流表面と、前記内部体積から離間した方向を向く下流表面とを有する粒状物フィルタ・バッグと、
前記内部体積の支持を維持するために前記粒状物フィルタ・バッグの長手軸心に沿い配設された少なくともひとつの支持体と、
前記粒状物フィルタ・バッグと前記少なくともひとつの支持体との回りに着脱自在に配設されたスリーブであって、前記粒状物フィルタ・バッグの前記下流表面側に配設されるスリーブとを備える、
フィルタ装置。
【請求項23】
請求項22記載のフィルタ装置において、
前記粒状物フィルタ・バッグはePTFEを備える。
【請求項24】
請求項23記載のフィルタ装置において、
前記粒状物フィルタ・バッグは、裏材と、ePTFE積層体とを備える。
【請求項25】
請求項24記載のフィルタ装置において、
前記ePTFE積層体は前記裏材の上流に配設される。
【請求項26】
請求項24記載のフィルタ装置において、
前記裏材はガラス繊維織物を備える。
【請求項27】
請求項23記載のフィルタ装置において、
前記粒状物フィルタ・バッグは、水位計で0.5インチ(約1.3cm)の差圧にて測定された2cfm/ft2(約36.6m3/h/m2)より大きい通気率と、0.3ミクロンにおける80%より大きい濾過効率(5.3cm/s)とを備える。
【請求項28】
請求項22記載のフィルタ装置において、
前記少なくともひとつの支持体は、前記長手軸心に対して直交して配向された複数個の剛性リングを備え、
前記複数個の剛性リングは各々が前記粒状物フィルタ・バッグに対して相互接続される。
【請求項29】
請求項22記載のフィルタ装置において、
前記スリーブは、気体状汚染物質を回収する物質を備える。
【請求項30】
請求項29記載のフィルタ装置において、
前記スリーブは吸着物質を備える。
【請求項31】
請求項30記載のフィルタ装置において、
前記吸着物質は炭素織物層を備える。
【請求項32】
請求項31記載のフィルタ装置において、
前記炭素織物層は、ノボラック繊維およびノボロイド繊維の少なくとも一方から生成された活性炭素繊維を備える。
【請求項33】
請求項30記載のフィルタ装置において、
前記吸着物質は、ポリマ接着剤により前記スリーブの支持材料に接着された活性炭素粒子を備え、
前記ポリマ接着剤は、(a)ポリマ列および(b)分散した一次ポリマ粒子を備え、前記炭素粒子は該ポリマ接着剤により保持される。
【請求項34】
請求項29記載のフィルタ装置において、
前記スリーブは触媒物質を備える。
【請求項35】
請求項34記載のフィルタ装置において、
前記スリーブは触媒フェルトおよび触媒織物の少なくとも一方を備える。
【請求項36】
請求項35記載のフィルタ装置において、
触媒フェルトおよび触媒織物の前記少なくとも一方の触媒は、貴金属、遷移金属酸化物、アルカリおよびアルカリ土類金属の内の少なくとも一種類を備える。
【請求項37】
請求項22記載のフィルタ装置において、
前記スリーブは前記粒状物フィルタ・バッグの回りに配設され、該スリーブは前記粒状物フィルタ・バッグの周囲に円周方向に張設されている。
【請求項38】
請求項22記載のフィルタ装置において、
当該フィルタ装置は、前記粒状物フィルタ・バッグの前記キャップ端部に配設されたキャップを更に備え、
前記キャップは、前記スリーブに対して着脱自在に相互接続されることで、前記逆転式空気濾過システムの動作時に該スリーブを保持する。
【請求項39】
請求項38記載のフィルタ装置において、
前記スリーブは、前記粒状物フィルタ・バッグの前記入口に対応して該スリーブの端部に配設された耐摩耗性のカフ部を更に備える。
【請求項40】
請求項38記載のフィルタ装置において、
前記キャップから、前記粒状物フィルタ・バッグとは反対方向に延在するフックを更に備える。
【請求項41】
流体流から粒状物を濾過する粒状物フィルタ・バッグであって、該粒状物フィルタ・バッグは上流側面および下流側面を有し、前記上流側面は濾過されるべき流体流に向けて配向され、該フィルタ粒状物フィルタ・バッグは入口端部と、反対側に配設されたキャップ端部との間に内部体積を形成し、該第1要素の前記上流側面は前記内部体積に面する粒状物フィルタ・バッグと、
前記流体流から水銀を除去する第2要素であって、該第2要素は前記第1要素の前記下流側面に配設され、該第2要素は前記フィルタ粒状物フィルタ・バッグの回りに配設され、前記流体流からの水銀の除去に使用される水銀吸着物質を有する第2要素とを備える、
フィルタ・システム。
【請求項42】
請求項41記載のフィルタ・システムにおいて、
前記粒状物フィルタ・バッグはePTFEを備える。
【請求項43】
請求項42記載のフィルタ・システムにおいて、
前記粒状物フィルタ・バッグはガラス繊維織物とePTFE積層体とを備える。
【請求項44】
請求項42記載のフィルタ・システムにおいて、
前記粒状物フィルタ・バッグは、水位計で0.5インチ(約1.3cm)の差圧にて測定された2cfm/ft2(約36.6m3/h/m2)より大きい通気率と、0.3ミクロンにおける80%より大きい濾過効率(5.3cm/s)とを備える。
【請求項45】
請求項41記載のフィルタ・システムにおいて、
前記第2要素は、ノボラック繊維およびノボロイド繊維の少なくとも一方から生成された活性炭素繊維を備える。
【請求項46】
請求項41記載のフィルタ・システムにおいて、
前記水銀吸着物質は、ポリマ接着剤により前記第2要素の支持材料に接着された活性炭素粒子を備え、
前記ポリマ接着剤は、(a)ポリマ列および(b)分散した一次ポリマ粒子を備え、前記炭素粒子は該ポリマ接着剤により保持される。
【請求項47】
請求項41記載のフィルタ・システムにおいて、
前記水銀吸着物質は再生可能である。
【請求項48】
フィルタ・システムを提供する段階であって、該フィルタ・システムは上流要素および下流要素を備え、前記上流要素は粒状物フィルタ・バッグであり、前記下流要素は前記上流要素の下流面に沿い配設される段階と、
前記上流要素を上流位置として前記フィルタ・システムを前記流体流中に配置し、該流体流中に懸濁された粒状物から前記下流要素を保護する段階と、
前記粒状物フィルタ・バッグの端部を通過して前記流体流を該粒状物フィルタ・バッグの内部へと導入する導入段階と、
前記導入段階の後、前記流体流を前記上流要素に通過させて該流体流から粒状物を除去する通過段階と、
前記通過段階の後、前記流体流を前記下流要素に通過して流す流出段階であって、前記流体流は前記下流要素内に含まれた炭素に接触し、該接触により前記流体流から水銀が除去される段階とを備える、
流体流から水銀を除去する方法。
【請求項49】
請求項48記載の方法において、
前記炭素は、ノボラック繊維およびノボロイド繊維の少なくとも一方から生成された活性炭素繊維の形態である。
【請求項50】
請求項48記載の方法において、
前記炭素は、ポリマ接着剤により前記下流要素の支持材料に接着された活性炭素粒子であり、
前記ポリマ接着剤は、(a)ポリマ列および(b)分散した一次ポリマ粒子を備え、前記炭素粒子は該ポリマ接着剤により保持される。
【請求項51】
請求項48記載の方法において、
前記下流要素は、該下流要素内に含有された前記炭素から前記水銀を、再生プロセスに対する露出により放出する。
【請求項52】
フィルタ・システムを提供する段階であって、該フィルタ・システムは上流要素および下流要素を備え、前記下流要素は前記上流要素の下流面に沿って配設される段階と、
前記上流要素を上流位置として前記フィルタ・システムを前記流体流中に配置し、該流体流中に懸濁された粒状物から前記下流要素を保護する配置段階と、
前記流体流を前記上流要素に通過させて該流体流から粒状物を除去する通過段階と、
前記通過段階の後、前記流体流を前記下流要素に通過して流す流出段階であって、前記流体流は前記下流要素内に含まれた炭素に接触し、前記炭素はノボラック繊維およびノボロイド繊維の少なくとも一方から生成された活性炭素繊維であり、前記接触により前記流体流から水銀が吸着される段階とを備える、
流体流から水銀を除去する方法。
【請求項53】
請求項52記載の方法において、
前記フィルタ・システムは逆転式空気濾過システムであり、
前記上流要素は粒状物フィルタ・バッグであり、
当該方法は、前記通過段階に先立ち、前記粒状物フィルタ・バッグの端部を通して前記流体流を該粒状物フィルタ・バッグの内部へと導入する導入段階を更に含む。
【請求項54】
請求項53記載の方法において、
前記粒状物フィルタ・バッグはePTFEを備えて成り、該粒状物フィルタ・バッグは、水位計で0.5インチ(約1.3cm)の差圧にて測定された2cfm/ft2(約36.6m3/h/m2)より大きい通気率と、0.3ミクロンにおける80%より大きい濾過効率(5.3cm/s)とを有する。
【請求項55】
請求項53記載の方法において、
前記通過段階および流出段階を一時停止する一時停止段階と、
前記一時停止段階の間に、前記流体流を反転させることにより、前記通過段階の間に前記粒状物フィルタ・バッグにより前記流体流から除去された粒状物を除去する反転段階と、
前記一時停止段階の後、前記通過段階および流出段階を再開する再開段階と、
前記通過段階および流出段階の間に、前記一時停止段階、反転段階および再開段階を複数回繰り返す繰り返し段階を更に備える。
【請求項56】
請求項55記載の方法において、
前記繰り返し段階の後、
前記下流要素を前記粒状物フィルタ・バッグから取り外す取り外し段階と、
前記取り外し段階の後、前記下流要素を交換用粒状物フィルタ・バッグの回りに配置する段階と、
前記交換用粒状物フィルタ・バッグを前記逆転式空気濾過システム内へと設置する段階とを更に含む。
【請求項57】
請求項55記載の方法において、
前記繰り返し段階の後、前記下流要素を再生する再生段階を更に含む。
【請求項58】
請求項57記載の方法において、
前記再生段階の後、前記逆転式空気濾過システムおよび別の逆転式空気濾過システムの少なくとも一方において前記下流要素を再使用する段階を更に含む。
【請求項59】
請求項52記載の方法において、
前記フィルタ・システムはパルス噴射式濾過システムであり、
前記上流要素は粒状物フィルタ・バッグであり、
当該方法は、前記通過段階および流出段階を実施するときに前記流体流を前記粒状物フィルタ・バッグの内部へと導入する段階を更に含む。
【請求項60】
請求項59記載の方法において、
前記粒状物フィルタ・バッグはePTFEを備えて成り、該粒状物フィルタ・バッグは、水位計で0.5インチ(約1.3cm)の差圧にて測定された2cfm/ft2(約36.6m3/h/m2)より大きい通気率と、0.3ミクロンにおける80%より大きい濾過効率(5.3cm/s)とを有する。
【請求項61】
請求項59記載の方法において、
前記通過段階および流出段階を一時停止する一時停止段階と、
前記一時停止段階の間に、前記粒状物フィルタ・バッグの開放端部を通して該粒状物フィルタ・バッグの前記内部内へと空気のパルスを送り込むことにより、前記通過段階の間に前記粒状物フィルタ・バッグにより前記流体流から除去された粒状物を除去する送給段階と、
前記一時停止段階の後、前記通過段階および流出段階を再開する再開段階と、
前記通過段階および流出段階の間に、前記一時停止段階、送給段階および再開段階を複数回繰り返す段階を更に備える。
【請求項62】
請求項61記載の方法において、
前記繰り返し段階の後、
前記下流要素を前記粒状物フィルタ・バッグから取り外す取り外し段階と、
前記取り外し段階の後、前記下流要素を交換用粒状物フィルタ・バッグの近傍に配置する段階と、
前記交換用粒状物フィルタ・バッグを前記パルス噴射式濾過システム内へと設置する段階とを更に含む。
【請求項63】
請求項61記載の方法において、
前記繰り返し段階の後、前記下流要素を再生する再生段階を更に含む。
【請求項64】
請求項63記載の方法において、
前記再生段階の後、前記パルス噴射式濾過システムおよび別のパルス噴射式濾過システムの少なくとも一方において前記下流要素を再使用する段階を更に含む。
【請求項65】
請求項52記載の方法において、
前記通過段階を一時停止する一時停止段階と、
前記一時停止段階の間に、前記下流要素を前記フィルタ・システムから取り外す取り外し段階と、
前記取り外し段階の後、前記下流要素を再生する再生段階とを更に備える。
【請求項66】
請求項65記載の方法において、
前記フィルタ・システムは逆転式空気濾過システムであり、
前記上流要素は粒状物フィルタ・バッグであり、
当該方法は、前記通過段階の前に、前記粒状物フィルタ・バッグの端部を通して前記流体流を該粒状物フィルタ・バッグの内部へと導入する段階を更に含む。
【請求項67】
請求項65記載の方法において、
前記フィルタ・システムはパルス噴射式濾過システムであり、
前記上流要素は粒状物フィルタ・バッグであり、
当該方法は、前記流体流を前記粒状物フィルタ・バッグの内部から該粒状物フィルタ・バッグの端部を通して導入する段階を更に含む。
【請求項68】
請求項65記載の方法において、
前記一時停止段階、取り外し段階および再生段階を複数回繰り返す繰り返し段階を更に備える。
【請求項69】
請求項65記載の方法において、
前記再生段階は、前記下流要素を加熱炉内に配置する段階と、該下流要素を、前記流体流の温度に対して上昇された脱離温度に暴露する暴露段階とを備えて成り、
前記再生段階は、前記下流要素から水銀を脱離させる段階を備える。
【請求項70】
請求項69記載の方法において、
前記脱離温度は前記流体流の平均温度より少なくとも30℃だけ高い。
【請求項71】
請求項69記載の方法において、
前記脱離温度は少なくとも180℃である。
【請求項72】
請求項69記載の方法において、
前記暴露段階は少なくとも60分の持続時間を有する。
【請求項73】
請求項65記載の方法において、
前記配置段階および流出段階は第1の施設にて行われると共に前記再生段階は第2の施設にて行われ、前記第1の施設は前記第2の施設から離れておりれ、
当該方法は更に、
前記再生段階の前に、前記下流要素を前記第1の施設から前記第2の施設へと搬送する段階と、
前記再生段階の後、前記下流要素を前記第2の施設から前記第1の施設へと搬送する段階とを備える。
【請求項74】
請求項65記載の方法において、
前記再生段階の後、前記フィルタ・システムおよび別のフィルタ・システムの少なくとも一方において前記下流要素を再使用する段階を更に含む。
【請求項75】
汚染物質含有流体流の濾過システムのフィルタ装置を保守する方法であって、
前記濾過システムの前記フィルタ装置にアクセスする段階であって、前記フィルタ装置は粒状物フィルタ・バッグの表面の近傍に着脱自在に配設された第1スリーブを備える段階と、
前記第1スリーブを前記粒状物フィルタ・バッグから分離する段階であって、前記第1スリーブはノボラック繊維およびノボロイド繊維の少なくとも一方から生成された活性炭素繊維を備える段階と、
前記分離段階の後、当該第2スリーブが前記粒状物フィルタ・バッグの前記表面の近傍に着脱自在に配設される如く第2スリーブを設置する段階であって、前記第2スリーブはノボラック繊維およびノボロイド繊維の少なくとも一方から生成された活性炭素繊維を備える段階とを備えて成る、方法。
【請求項76】
請求項75記載の方法において、
前記設置段階に先立ち、前記第2スリーブを再生する再生段階を更に備える。
【請求項77】
請求項76記載の方法において、
前記アクセス段階および設置段階は第1の施設にて行われると共に前記再生段階は第2の施設にて行われ、前記第1の施設は前記第2の施設から離間し、
当該方法は更に、
前記再生段階に先立ち、前記スリーブを前記第1の施設から前記第2の施設へと搬送する段階と、
前記再生段階の後、前記スリーブを前記第2の施設から前記第1の施設へと搬送する段階とを備える。
【請求項78】
請求項76記載の方法において、
前記再生段階は、前記第2スリーブを加熱炉内に配置する段階と、該第2スリーブを、前記汚染物質含有流体流の温度に対して上昇された脱離温度に暴露する段階とを備え、
前記再生段階は、前記第2スリーブから水銀を脱離させる段階を備える。
【請求項79】
請求項78記載の方法において、
前記再生段階の間に前記第2スリーブから脱離された水銀を捕捉する段階と、
前記捕捉された水銀を廃棄する段階とを更に備える。
【請求項80】
請求項76記載の方法において、
前記第1スリーブおよび前記第2スリーブは同一のスリーブである。
【請求項81】
汚染物質含有流体流の濾過システムを保守する方法であって、
利用者から第1スリーブを受け取る段階であって、該第1スリーブは前記濾過システムの粒状物フィルタ・バッグの表面の近傍に着脱自在に配設され、前記第1スリーブは吸着された汚染物質を含み、前記第1スリーブはノボラック繊維およびノボロイド繊維の少なくとも一方から生成された活性炭素繊維を備える段階と、
第2スリーブを再生する再生段階であって、該第2スリーブはノボラック繊維およびノボロイド繊維の少なくとも一方から生成された活性炭素繊維を備える段階と、
前記再生された第2スリーブを前記利用者に対して搬送して前記第1スリーブと交換する段階とを備える、方法。
【請求項82】
請求項81記載の方法において、
前記再生段階は、前記第2スリーブを加熱炉内に配置する段階と、該第2スリーブを、前記汚染物質含有流体流の温度に対して上昇された脱離温度に暴露する段階とを備える。
【請求項83】
請求項81記載の方法において、
前記第1スリーブおよび前記第2スリーブは同一のスリーブである。
【請求項84】
流体流から粒状物を濾過する第1要素であって、該第1要素は上流側面および下流側面を有し、前記上流側面は濾過されるべき流体流に向けて配向される第1要素と、
前記流体流から水銀を除去する第2要素であって、該第2要素は前記第1要素の前記下流側面に配設され、該第2要素はノボラック繊維およびノボロイド繊維の少なくとも一方から生成された活性炭素繊維を有する第2要素とを備える、
フィルタ・システム。
【請求項85】
請求項84記載のフィルタ・システムにおいて、
前記第1要素は粒状物フィルタ・バッグであり、
前記粒状物フィルタ・バッグは、裏材と、ePTFE積層体とを備え、
前記裏材はガラス繊維織物を備える。
【請求項86】
請求項84記載のフィルタ・システムにおいて、
前記第1要素は粒状物フィルタ・バッグであり、
前記粒状物フィルタ・バッグは、裏材と、ePTFE積層体とを備え、
前記粒状物フィルタ・バッグは、水位計で0.5インチ(約1.3cm)の差圧にて測定された2cfm/ft2(約36.6m3/h/m2)より大きい通気率と、0.3ミクロンにおける80%より大きい濾過効率(5.3cm/s)とを有する。
【請求項87】
請求項84記載のフィルタ・システムにおいて、
当該フィルタ・システムは逆転式空気濾過システムであり、
前記第1要素は粒状物フィルタ・バッグであり、
前記第2要素は前記第1要素の回りに配設され、
前記第1要素は入口端部と、反対側に配設されたキャップ端部との間に内部体積を形成し、
前記第1要素の前記上流側面は前記内部体積に面する。
【請求項88】
請求項84記載のフィルタ・システムにおいて、
当該フィルタ・システムはパルス噴射式濾過システムであり、
前記第1要素は粒状物フィルタ・バッグであり、
前記第2要素は前記第1要素の下流側面に沿いに配設され、
前記第1要素は、吐出端部と、反対側に配設されたキャップ端部との間に内部体積を形成し、
前記第1要素の前記下流側面は前記内部体積に面する。
【請求項89】
流体流から粒状物を濾過する第1要素であって、該第1要素は上流側面および下流側面を有し、前記上流側面は濾過されるべき流体流に向けて配向される第1要素と、
前記流体流から水銀を除去する第2要素であって、該第2要素は前記第1要素の前記下流側面に配設される第2要素と、
を備えるフィルタ・システムであって、
前記第2要素は前記流体流からの水銀の除去に使用される水銀吸着物質を備え、
前記水銀吸着物質は、前記第2要素の支持材料に対してポリマ接着剤により接着された活性炭素粒子を備え、
前記ポリマ接着剤は、(a)ポリマ列および(b)分散した一次ポリマ粒子を備え、前記炭素粒子は該ポリマ接着剤により保持される、
フィルタ・システム。
【請求項90】
請求項89記載のフィルタ・システムにおいて、
前記第1要素は粒状物フィルタ・バッグであり、
前記第2要素は前記第1要素の回りに配設され、
前記第1要素は入口端部と、反対側に配設されたキャップ端部との間に内部体積を形成し、
前記第1要素の前記上流側面は前記内部体積に面する。
【請求項91】
請求項89記載のフィルタ・システムにおいて、
前記第1要素は粒状物フィルタ・バッグであり、
前記第2要素は前記第1要素の下流側面に沿いに配設され、
前記第1要素は、吐出端部と、反対側に配設されたキャップ端部との間に内部体積を形成し、
前記第1要素の前記下流側面は前記内部体積に面する。
【請求項92】
フィルタ・システムを提供する段階であって、該フィルタ・システムは上流要素および下流要素を備えて成り、前記下流要素は前記上流要素の下流面に沿い配設される段階と、
前記上流要素を上流位置として前記フィルタ・システムを前記流体流中に配置し、該流体流中に懸濁された粒状物から前記下流要素を保護する段階と、
前記流体流を前記上流要素に通過させて該流体流から粒状物を除去する段階と、
前記通過段階の後、前記流体流を前記下流要素に通過して流す流出段階であって、前記流体流は前記下流要素内に含まれた炭素に接触し、該接触により前記流体流から水銀が除去され、前記炭素は、前記下流要素の支持材料に対してポリマ接着剤により接着された活性炭素粒子であり、前記ポリマ接着剤は、(a)ポリマ列および(b)分散した一次ポリマ粒子を備え、前記炭素粒子は該ポリマ接着剤により保持される段階とを備える、
流体流から水銀を除去する方法。
【請求項93】
請求項92記載の方法において、
前記上流要素は粒状物フィルタ・バッグであり、
当該方法は、前記通過段階の前に、前記粒状物フィルタ・バッグの端部を通して前記流体流を該粒状物フィルタ・バッグの内部へと導入する段階を更に含む。
【請求項94】
請求項92記載の方法において、
前記上流要素は粒状物フィルタ・バッグであり、
当該方法は、前記通過段階および流出段階を実施するときに前記流体流を前記粒状物フィルタ・バッグの内部へと導入する段階を更に含む。
【請求項95】
濾過システムにおいて汚染物質含有流体流を濾過する方法であって、
フィルタ装置の第1端部を前記濾過システムの多孔板における開口に対して相互接続する相互接続段階であって、前記フィルタ装置は粒状物フィルタ・バッグとスリーブとを備え、該スリーブは前記粒状物フィルタ・バッグの第1表面の近傍に着脱自在に配設され、前記粒状物フィルタ・バッグは、前記第1端部と、反対側に配設されたキャップ端部との間に内部体積を形成し、前記粒状物フィルタ・バッグは前記スリーブに対して上流位置に配列されることで、流体流中に懸濁された粒状物から前記スリーブを保護する段階と、
前記相互接続段階の後、前記流体流を前記粒状物フィルタ・バッグに通過させる通過段階と、
前記通過段階の間に、前記粒状物フィルタ・バッグにより前記流体流から粒状物を収集する段階と、
前記通過段階の後、前記流体流を前記スリーブに通過して流す流出段階と、
前記流出段階の間に、前記流体流を前記スリーブに対して接触させることにより前記流体流から汚染物質を回収する回収段階と、
前記流出段階を一時停止する一時停止段階と、
前記一時停止段階の間に、前記スリーブを前記濾過システムから取り外す取り外し段階と、
前記取り外し段階の後、前記スリーブを再生する再生段階とを備える、
濾過方法。
【請求項96】
請求項95記載の方法において、
前記粒状物フィルタ・バッグはePTFEを備える。
【請求項97】
請求項95記載の方法において、
前記粒状物フィルタ・バッグの前記第1表面は、該粒状物フィルタ・バッグの外側表面であり、
前記スリーブは前記粒状物フィルタ・バッグの回りに着脱自在に配設され、
前記流体流は、前記第1端部を通り前記内部体積内に流入し、次に前記粒状物フィルタ・バッグを通り、次に前記スリーブを通過して流れる。
【請求項98】
請求項95記載の方法において、
前記粒状物フィルタ・バッグの前記第1表面は、該粒状物フィルタ・バッグの内側表面であり、
前記スリーブは前記粒状物フィルタ・バッグの前記内部体積内に着脱自在に配設され、
前記流体流は、前記粒状物フィルタ・バッグを貫通し、次に前記スリーブを貫通して前記内部体積に入り、次に前記第1端部を貫通して流れる。
【請求項99】
請求項95記載の方法において、
前記回収段階は、前記流体流から汚染物質を吸着する段階を更に含む。
【請求項100】
請求項99記載の方法において、
前記スリーブは炭素織物層を備えて成り、前記炭素織物層は活性炭素を備える。
【請求項101】
請求項100記載の方法において、
前記炭素織物層は、ノボラック繊維およびノボロイド繊維の少なくとも一方から生成された活性炭素繊維を備える。
【請求項102】
請求項95記載の方法において、
前記一時停止段階、回収段階および再生段階を複数回繰り返す繰り返し段階を更に備える。
【請求項103】
請求項95記載の方法において、
前記一時停止段階の間に、且つ前記再生段階の後に、前記スリーブを前記濾過システム内へと再配置する再配置段階と、
前記再配置段階の後、前記流出段階を再開する再開段階とを更に備える。
【請求項104】
請求項95記載の方法前記取り外し段階は、前記スリーブを前記粒状物フィルタ・バッグから分離する段階を更に含み、
当該方法は、前記一時停止段階の間に、
交換用スリーブを前記粒状物フィルタ・バッグの近傍に位置決めする段階と、
前記空気濾過システム内に前記粒状物フィルタ・バッグと前記交換用スリーブとを設置して前記流出段階を再開する段階とを更に備える。
【請求項105】
請求項95記載の方法において、
前記再生段階は、前記スリーブを加熱炉内に配置する段階と、該スリーブを、前記流体流の温度に対して上昇された脱離温度に暴露する暴露段階とを備える。
【請求項106】
請求項105記載の方法において、
前記脱離温度は前記汚染物質含有流体流の平均温度より少なくとも30℃だけ高い。
【請求項107】
請求項105記載の方法において、
前記脱離温度は少なくとも180℃である。
【請求項108】
請求項105記載の方法において、
前記暴露段階は少なくとも60分の持続時間を有する。
【請求項109】
請求項95記載の方法において、
前記回収段階は、前記流体流から水銀を除去する段階を備え、
前記再生段階は、前記スリーブから水銀を脱離させる段階を備える。
【請求項110】
請求項95記載の方法において、
前記再生段階の後、前記フィルタ装置および別のフィルタ装置の少なくとも一方において前記スリーブを再使用する段階を更に含む。
【請求項111】
濾過システムにおける濾過方法であって、
当該フィルタ装置の第1層が上流位置に配設され且つ当該フィルタ装置の第2層が下流位置に配設される如く、汚染物質含有流体流に対してフィルタ装置を配列する段階と、
前記流体流を前記第1層に通過させる通過段階と、
前記通過段階の間に、前記第1層により前記流体流から粒状物を収集する収集段階と、
前記通過段階の後、前記流体流を前記第2層に通過して流す流出段階と、
前記流出段階の間に、前記流体流を前記第2層に対して接触させることにより前記流体流から汚染物質を回収する回収段階と、
前記流出段階を一時停止する一時停止段階と、
前記一時停止段階の間に、前記第2層を前記濾過システムから取り外す取り外し段階と、
前記取り外し段階の後、前記第2層を再生する再生段階とを備える、
濾過システムにおける濾過方法。
【請求項112】
請求項111記載の方法において、
前記上流層はePTFEを備える。
【請求項113】
請求項111記載の方法において、
前記回収段階は、前記流体流から汚染物質を吸着する段階を更に含む。
【請求項114】
請求項113記載の方法において、
前記第2層は活性炭素を備える。
【請求項115】
請求項114記載の方法において、
前記第2層は、ノボラック繊維およびノボロイド繊維の少なくとも一方から生成された活性炭素繊維を備える。
【請求項116】
請求項111記載の方法において、
前記一時停止段階、取り外し段階および再生段階を複数回繰り返す繰り返し段階を更に備える。
【請求項117】
請求項111記載の方法において、
前記一時停止段階の間に、且つ前記再生段階の後に、前記第2層を前記濾過システム内へと再配置する再配置段階と、
前記再配置段階の後、前記流出段階を再開する段階とを更に備える。
【請求項118】
請求項111記載の方法において、
前記一時停止段階の間に、
交換用第2層を前記第1層の下流に位置決めする段階と、
前記空気濾過システム内に前記第1層と前記交換用第2層とを設置して前記流出段階を再開する段階とを更に備える。
【請求項119】
請求項111記載の方法において、
前記配列段階、通過段階、収集段階、流出段階および回収段階は第1の施設にて行われると共に前記再生段階は第2の施設にて行われ、前記第1の施設は前記第2の施設から離れている。
【請求項120】
請求項119記載の方法において、
前記再生段階に先立ち、前記第2層を前記第1の施設から前記第2の施設へと搬送する段階と、
前記再生段階の後、前記第2層を前記第2の施設から前記第1の施設へと搬送する段階とを備える。
【請求項121】
請求項120記載の方法において、
前記再生段階は、前記第2層を加熱炉内に配置する段階と、該第2層を、前記流体流の温度に対して上昇された脱離温度に暴露する暴露段階とを備える。
【請求項122】
請求項121記載の方法において、
前記再生段階の間に前記第2層から脱離された水銀を捕捉する段階と、
前記捕捉された水銀を廃棄する段階とを更に備える。
【請求項123】
請求項121記載の方法において、
前記脱離温度は前記汚染物質含有流体流の平均温度より少なくとも30℃だけ高い。
【請求項124】
請求項121記載の方法において、
前記脱離温度は少なくとも180℃である。
【請求項125】
請求項121記載の方法において、
前記暴出段階は少なくとも60分の持続時間を有する。
【請求項126】
請求項111記載の方法において、
前記回収段階は、前記流体流から水銀を除去する段階を備え、
前記再生段階は、前記第2層から水銀を脱離させる段階を備える。
【請求項127】
請求項111記載の方法において、
前記再生段階の後、前記フィルタ装置および別のフィルタ装置の少なくとも一方において前記第2層を再使用する段階を更に含む。
【請求項128】
汚染物質含有流体流の濾過システムのフィルタ装置を保守する方法であって、
前記濾過システムの前記フィルタ装置にアクセスするアクセス段階であって、前記フィルタ装置は粒状物フィルタ・バッグの表面の近傍に着脱自在に配設された第1スリーブを備える段階と、
前記第1スリーブを前記フィルタ装置から分離する段階と、
第2スリーブを再生する再生段階と、
前記取り外し段階の後、前記再生された第2スリーブを前記フィルタ装置内に設置する設置段階とを備える、方法。
【請求項129】
請求項128記載の方法において、
前記アクセス段階および設置段階は第1の施設にて行われると共に前記再生段階は第2の施設にて行われ、前記第1の施設は前記第2の施設から離れている。
【請求項130】
請求項129記載の方法において、
前記再生段階の前に、前記スリーブを前記第1の施設から前記第2の施設へと搬送する段階と、
前記再生段階の後、前記スリーブを前記第2の施設から前記第1の施設へと搬送する段階とを備える。
【請求項131】
請求項128記載の方法において、
前記再生段階は、前記第2スリーブを加熱炉内に配置する段階と、該第2スリーブを、前記汚染物質含有流体流の温度に対して上昇された脱離温度に暴露する段階とを備える。
【請求項132】
請求項131記載の方法において、
前記再生段階は、前記第2スリーブから水銀を脱離させる段階を備える。
【請求項133】
請求項132記載の方法において、
前記再生段階の間に前記第2スリーブから脱離された水銀を捕捉する段階と、
前記捕捉された水銀を廃棄する段階とを更に備える。
【請求項134】
請求項128記載の方法において、
前記第1スリーブおよび前記第2スリーブは同一のスリーブである。
【請求項135】
汚染物質含有流体流の濾過システムを保守する方法であって、
利用者から第1スリーブを受け取る受け取り段階であって、該第1スリーブは前記濾過システムの粒状物フィルタ・バッグの表面の近傍に着脱自在に配設され、前記第1スリーブは吸着された汚染物質を含む段階と、
第2スリーブを再生する再生段階と、
前記再生された第2スリーブを前記利用者に対して搬送して前記第1スリーブと交換する段階とを備える、方法。
【請求項136】
請求項135記載の方法において、
前記吸着された汚染物質は水銀を含む。
【請求項137】
請求項135記載の方法において、
前記再生段階は、前記第2スリーブを加熱炉内に配置する段階と、該第2スリーブを、前記汚染物質含有流体流の温度に対して上昇された脱離温度に暴露する段階とを備える。
【請求項138】
請求項135記載の方法において、
前記第1および第2スリーブは、ノボラック繊維およびノボロイド繊維の少なくとも一方から生成された活性炭素繊維を備える。
【請求項139】
請求項135記載の方法において、
前記第1スリーブおよび前記第2スリーブは同一のスリーブである。
【請求項140】
空気濾過システムにおいて使用されるフィルタ装置であって、
該装置は、
濾過システムの多孔板に相互接続される働きをする第1端部を有する粒状物フィルタ・バッグであって、前記第1端部と、反対側に配設されたキャップ端部との間に内部体積を形成し、上流表面および下流表面を有する粒状物フィルタ・バッグと、
前記粒状物フィルタ・バッグの前記下流表面の近傍に着脱自在に配設されたスリーブであって、再生可能であるスリーブとを備える、
フィルタ装置。
【請求項141】
請求項140記載のフィルタ装置において、
前記粒状物フィルタ・バッグはePTFEを備える。
【請求項142】
請求項140記載のフィルタ装置において、
前記スリーブは、ノボラック繊維およびノボロイド繊維の少なくとも一方から生成された活性炭素繊維を備える。
【請求項143】
請求項140記載のフィルタ装置において、
前記スリーブは、前記汚染物質含有流体流から水銀を吸着し、次に、前記流体流の温度に対して上昇された脱離温度に暴露されたときに水銀を脱離し、次に、引き続いて起こる前記汚染物質含有流体流への露出の間に水銀を再吸着する。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【公表番号】特表2012−521276(P2012−521276A)
【公表日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−550101(P2011−550101)
【出願日】平成21年10月13日(2009.10.13)
【国際出願番号】PCT/US2009/005588
【国際公開番号】WO2011/087466
【国際公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(598123677)ゴア エンタープライズ ホールディングス,インコーポレイティド (279)
【Fターム(参考)】