説明

火傷防止材料

可燃性、溶融性材料の残炎を減らすための方法が述べられる。可燃性、溶融性材料を含有する外側のテキスタイル、及びポリマー樹脂と延伸可能なグラファイトとの混合物を含む熱反応性材料を含むテキスタイルコンポジット材料が述べられる。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
火事関連の火傷を減らすために、例えば、捜索及び救助のような火への短期曝露が見込まれる危険な環境下で働く専門家や警察官にとって防護用衣服は必要である。その状況で曝された労働者のための防護用衣服は、危険と戦うというよりは寧ろ迅速に、かつ、安全にその着用者を逃れさせるために、ある程度増強した防護を提供する。
【0002】
従来的には、火炎耐性防護衣類は、例えば、アラミド、ポリベンズイミダゾール(PBI)、ポリp-フェニレン-2,6-ベンゾビスオキサゾール(PBO)、モダクリルブレンド、ポリアミン、カーボン、ポリアクリロニトリル(PAN)、若しくはブレンド及びそれらの組み合わせから生産される、不燃性、非溶融性の布帛を含む最外層から生産されている。これらのファイバーは、本質的には火炎耐性の可能性があるが、幾つかの制限を有する可能性がある。具体的には、これらのファイバーは非常に高額であり、染色及び印刷するのに困難である可能性が高い。そして、これらのファイバーは適切な摩耗耐性を有さない可能性が高い。さらに、これらのファイバーは水をより多く捕らえ、ナイロン又はポリエステルに基づいた布帛と比較して不満足な肌触りを提供する。
【0003】
偶発的であって突発的な火事の環境下で最適なユーザーのパフォーマンスのために、軽量であり、通気性があり、防水性があり、水耐性がある、改良された火傷防止の衣類が望まれている。防水性、火炎耐性及び保護用の衣服の費用は、火事防護以外の多数の危険な曝露の適用に対して重視すべき事項であり、それゆえ、例えば消火活動の社会で用いられているようなものである、典型的であり、本質的である火炎耐性テキスタイルの利用を不可能にしている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
一つの実施形態として、危険な環境下で働く人々のための衣類に使用するのに適する材料が述べられ、その材料は、通気性があり、防水であり、火炎耐性があり、一方では、軽量であり、着心地がよく、柔軟性であり、手頃な価格である。一つの実施形態として、可燃性、溶融性の材料の残炎を20秒未満まで減らすための方法が提供され、その方法は、可燃性、溶融性の材料を含み、そして内側及び外側の面を含む外側のテキスタイルを提供する工程を含み、ポリマー樹脂と延伸可能なグラファイトとの混合物を含む熱反応性材料を提供する工程を含み、延伸可能なグラファイトが、280℃まで加熱した場合に少なくとも900μmの延伸を有し、そして、該熱反応性材料を形成するために該外側のテキスタイルの該内側の表面に、該ポリマー樹脂と該延伸可能なグラファイトとの該混合物を適用する工程を含み、該外側のテキスタイルの該外側の面が火炎に曝露される、方法である。
【図面の簡単な説明】
【0005】
本発明の実施は、添付した図面と併せて検討される場合に次の記載から明白になる。
【図1】図1は、本明細書で述べられる1つの実施態様の断面図の略図である。
【図2】図2は、本明細書で述べられる別の実施態様の断面図の略図である。
【図3】図3は、本明細書で述べられる1つの実施態様を示す概略図である。
【図4】図4は、本明細書で述べられる別の実施態様を示す概略図である。
【図5a】図5aは、別個独立のドットとして適用されるポリマー樹脂-延伸可能なグラファイトの略図である。
【図5b】図5bは、格子状に適用されるパターンの1つの実施態様の略図である。
【図6】図6は、延伸可能なグラファイトの延伸のグラフ表示である。
【図7】図7は、本明細書で述べられるHorizontal 火炎テストによって試験されたサンプルの概略表示である。
【図8】図8は、本明細書で述べられる別の実施形態の略図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
一つの実施形態として、可燃性、溶融性材料の残炎を減らすための方法が本明細書において述べられる。図1を参照すればわかるとおり、可燃性、溶融性材料を有する外側のテキスタイル(10)を含むテキスタイルコンポジット材料(2)には、ポリマー樹脂と延伸可能なグラファイトとの混合物を含む熱反応性材料(20)が提供される。1つの実施形態として、熱反応性材料(20)は外側のテキスタイル(10)内側(11)に配置される。外側のテキスタイル(10)の外側(12)を火炎に曝露する際、Horizontal Flame Test及びSelf-Extinguishing Testの方法にしたがって試験される場合に、熱反応性材料層が提供される外側のテキスタイルは20秒未満の残炎を有する。本発明の更なる実施形態として、図1に示されるように、任意であるが、熱的に安定であるテキスタイルバッカー(14)が、例えば、熱反応性材料によってテキスタイルコンポジット材料(2)と結合する。熱的に安定であるテキスタイルバッカー(14)として用いるのに適した材料として、例えば、本明細書において提示されるように、Melting and Thermal Stability Testにしたがって溶融性でないテキスタイルが挙げられる。熱的に安定である適切なテキスタイルバッカーの例示としては、アラミド、Flame Resistant (FR)コットン、PBI、PBO、FRレーヨン、モダクリルブレンド、ポリアミン、カーボン、ファイバーガラス、PAN、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)及びブレンド、並びにそれらの組み合わせが挙げられる。Melting and Thermal Stability Testにしたがって溶融性であるテキスタイルは、特に限定されることはないが、ナイロン6、ナイロン6,6、ポリエステル、ポリプロピレンのような外側のテキスタイルとして適切である。
【0007】
別の実施形態として、テキスタイルコンポジット材料を壊れて開く時間を減らすための方法が提供される。図2に示される一つの実施態様を参照すればわかるとおり、可燃性又は引火性のどちらかでよい溶融性材料を有する外側のテキスタイル(10)を含むテキスタイルコンポジット材料(2)が提供される。熱的に安定である対流バリア(30)が、外側のテキスタイル(10)の内側(11)に更に提供され、そして、それらの間に、熱反応性材料(20)が提供される。1つの方法において、本明細書において述べられるHorizontal Flame Testの方法にしたがって試験された場合に、熱反応性材料を導入していない実質的に同一の材料から構成されたテキスタイルコンポジット材料に対して、少なくとも20秒分増加した、壊れて開く時間を有してテキスタイルコンポジット材料(2)は形成される。テキスタイルコンポジット材料を含む実施形態は本明細書において述べられる方法にしたがって作成されてよく、溶融性材料及び熱反応性材料(20)を含む外側のテキスタイル(10)を有し、本明細書において述べられるHorizontal Flame Testの方法にしたがって試験された場合に、テキスタイルコンポジット材料は、約30秒超である増加分の壊れて開く時間を有する。
【0008】
一つの実施形態として、テキスタイルコンポジット材料を作製するための方法が提供され、テキスタイルコンポジット材料は、溶融性及び可燃性の両方の性質を有する材料を含み、そして、熱的に安定である対流バリア(30)と、外側のテキスタイル及び熱的に安定である対流バリアの間に位置する熱反応性材料(20)とを更に含む外側のテキスタイル(10)を有し、熱反応性材料を備えないで形成された実質的に同一のテキスタイルコンポジット材料と比較して、そのテキスタイルコンポジット材料は壊れて開く時間を増加させて残炎を減らす。壊れて開く時間及び残炎時間は、本明細書において各々述べられるHorizontal Flame Test及びSelf-Extinguishing Testの方法にしたがって試験される。一つのそのような実施形態において、テキスタイルコンポジット材料は20秒を超える壊れて開く時間と、20秒未満の残炎を有する。
【0009】
更なる実施形態として、図3に例示されているように、テキスタイルコンポジット材料(2)は複数層の熱的に安定である対流バリア(30)を含んでよい。熱的に安定である対流バリア(30)は2層以上の熱的に安定であるフイルム(34及び34')を含んでよく、そして、例えば、それらの2層の間にポリマー層(35)を含んでよい。ポリマー層(35)は防水層若しくは空気不浸透性層、又はその両層でよい。
【0010】
他の実施形態として、例えば図4に示される実施形態のように、テキスタイルコンポジット材料(2)は、熱反応性材料(20)に対して対向関係に位置する、熱的に安定な対流バリア(30)の片側に配置されるテキスタイルバッカー(50)を更に含んでよい。テキスタイルバッカー(50)は、接着剤(40)でテキスタイルコンポジット材料に取り付けられてよい。バッカーテキスタイル(50)は、例えば、本明細書において述べられる溶融及び熱安定性試験に合格する材料のような熱的に安定であるテキスタイルバッカーであることが好ましい。
【0011】
本明細書で述べられるASTM F1930 Garment Flammability Test (Pyroman)にしたがって試験される場合に、火炎曝露の後、予測される体の火傷の割合を減らす方法もまた提供される。その方法は、溶融性材料を含む外側のテキスタイルと、熱的に安定な対流バリアとを含み、外側のテキスタイル及び熱的に安定である対流バリアの間の熱反応性材料を有するテキスタイルコンポジット材料を提供することを含む。その方法は、テキスタイルコンポジット材料から衣類を組み立てる工程を含み、外側のテキスタイルはマネキンの体から離れた面に配向されて火炎の源に向かって配向される。Garment Flammability Testsで4秒曝露の後、外側のテキスタイル及び熱的に安定である対流バリアの間の熱反応性材料を備えない実質的に同様な材料を有して同様に組み立てられた衣類と比較して、体の火傷、残炎及び溶融の液垂れ(ドリップ)の減少を達成する。ある実施形態として溶融の液垂れ(ドリップ)は観察されない。残炎は約20秒短くなり、及び/又は熱反応性材料を有する衣類は、熱反応性材料を有さないで構成された衣類よりも約5%のポイントで低い予測される体の火傷の割合を有する。
【0012】
図6は、幾つかの延伸可能なグラファイトのTMA延伸率のグラフ表示である(Aは、Nyacol Nano technologies,Incから市販されているNyagraph 351であり、Bは、Asbury Graphite Mills Inc.から市販されている3626であり、Cは、Asbury Graphite Mills lncから市販されている3494であり、Dは、Nyacol Nano technologies, Inc.から市販されているNyagraph35であり、Eは、Asbury Graphite Mills Inc.から市販されている3538である。)。本明細書で開示される方法で用いるのに最も適した延伸可能なグラファイトは、約1800C〜28O0Cで少なくとも9μm/℃の平均延伸率を有する。テキスタイルコンポジット材料の好ましい特性次第で、約1800C〜28O0Cで9μm/℃超の延伸率を有する延伸可能なグラファイトを用いることが好ましいし、約1800C〜28O0Cで12μm/℃超の延伸率を有する延伸可能なグラファイトを用いることが好ましいし、又は約1800C〜28O0Cで15μm/℃超の延伸率を有する延伸可能なグラファイトを用いることが好ましい。約28O0Cまで加熱した場合、ある実施形態で用いるのに適した一つの延伸可能なグラファイトは、本明細書で述べられるTMA延伸試験で少なくとも900μm(ミクロン)まで延伸する。約24O0Cまで加熱した場合、ある実施形態で用いるのに適した別の延伸可能なグラファイトは、本明細書で述べられるTMA延伸試験で少なくとも400μm(ミクロン)まで延伸する。本発明に対して適する延伸可能なグラファイトの粒子サイズは、ポリマー樹脂と延伸可能なグラファイトとの混合物が選択される適用方法で用いられるように選ばれる。例えば、ポリマー樹脂と延伸可能なグラファイトとの混合物がグラビア印刷技術によって適用される場合に、延伸可能なグラファイトの粒子サイズはグラビアセルに適合するために充分に小さい。
【0013】
溶融物を有するか、2800C未満の温度で軟化するポリマー樹脂は、開示される実施形態で用いるのに適する。一つの実施形態として、300℃以下、好ましくは280℃以下の熱曝露で延伸可能なグラファイトを延伸させるために、本明細書で開示される方法で用いられるポリマー樹脂は充分に流動性であるか、又は充分に変形可能である。ポリマー樹脂の伸長粘度は、延伸可能なグラファイトの延伸を可能とするためには充分に低く、そしてポリマー樹脂と延伸可能なグラファイトとの混合物の延伸後に熱反応性材料の構造的な完全性を維持するためには充分に高い。別の実施形態として、103〜108dyne/cm2の保存率を有し、そして、2000Cで約0.1〜約10のTanデルタを有するポリマー樹脂が用いられる。別の実施形態としては、103〜106dyne/cm2の保存率を有するポリマー樹脂が用いられる。さらに、別の実施形態としては、103〜104dyne/cm2の保存率を有するポリマー樹脂が用いられる。幾つかの実施形態で用いるのに適したポリマー樹脂は、約300℃で、グラファイトを延伸させることに適した係数及び伸張を有する。幾つかの実施形態では、ポリマー樹脂はエラストマーである。幾つかの実施形態で用いることに適した他のポリマー樹脂は、例えば架橋性ポリウレタンのような架橋性物質であり、例えば、Mor-meltR7001E(Rohm & Haas製)が挙げられる。他の実施形態として、適切なポリマー樹脂は、50℃〜25O℃の溶融温度を有する熱可塑性物質であり、例えば、Desmomelt VP KA 8702(Bayer material Science LLC製)が挙げられる。本明細書で述べられる実施形態で用いるために適したポリマー樹脂は、特に限定されないが、ポリエステル、熱可塑性ポリウレタン、架橋性ポリウレタン及びそれらについての組み合わせを含むポリマーを含む。他のポリマー樹脂は、ポリエステル、ポリアミド、アクリル、ビニルポリマー、及びポリオレフィンから選ばれる一つ以上のポリマーを含んでよい。他のポリマー樹脂はシリコーン又はエポキシを含んでよい。難燃材料が、選択的にポリマー樹脂に導入されてよい。
【0014】
ポリマー樹脂と延伸可能なグラファイトとの混合物の幾つかの実施形態で、延伸した混合物は、延伸されたグラファイトを含む複数のテンドリル(巻きひげ)を形成する。ポリマー樹脂と延伸可能なグラファイトとの混合物の全表面積は、延伸前の同一混合物と比較して有意に増加する。一つの実施形態として、混合物の表面積は延伸後に少なくとも5倍増加する。別の実施形態として、混合物の表面積は延伸後に少なくとも10倍増加する。さらに、テンドリル(巻きひげ)延伸された混合物から外側に伸長する場合がよくある。ポリマー樹脂と延伸可能なグラファイトとの混合物は不連続な形態の基材上に配置される場合に、テンドリル(巻きひげ)は不連続的な領域間の開放領域を少なくとも一部分充填するために伸長する。更なる実施形態として、テンドリル(巻きひげ)は伸張され、少なくとも5対1である長さ対幅のアスペクト比を有する。
【0015】
ポリマー樹脂と延伸可能なグラファイトとの混合物は、ポリマー樹脂と延伸可能なグラファイトとの濃密なブレンドを提供する方法によって生産されてよく、延伸可能なグラファイトの実質的な延伸を引き起こす。適切な混合方法は、特に限定されることはないが、パドルミキサー、ブレンディング及び他の低せん断混合技術を含む。一つの方法において、ポリマー樹脂と延伸可能なグラファイト粒子との濃密なブレンドは延伸可能なグラファイトを、ポリマー樹脂の重合前のモノマー又はプレポリマーで混合することによって達成される。別の方法においては、延伸可能なグラファイトは溶解されたポリマーでブレンドされてよく、混合後、溶媒は取り除かれる。別の方法において、延伸可能なグラファイトは、グラファイトの延伸温度以下で、かつ、ポリマーの溶融温度より高い温度でホットメルトポリマーを用いてブレンドされる。ポリマー樹脂と、延伸可能なグラファイト粒子又は延伸可能なグラファイトの凝集体との濃密なブレンドを提供する方法において、延伸可能なグラファイトは、グラファイトの延伸前にポリマー樹脂によってコーティングされるか又はカプセル化される。他の実施形態において、濃密なブレンドはポリマー樹脂と延伸可能なグラファイトとの混合物を基材に適用する前に得られる。
【0016】
ポリマー樹脂と延伸可能なグラファイトとの混合物は、ポリマー樹脂と延伸可能なグラファイトとの混合物の全質量に基づいて、約50質量%、約40質量%又は約30質量%以下の延伸可能なグラファイトを含み、そして、その残りのものはポリマー樹脂を実質的に含む。他の実施形態としては、延伸可能なグラファイトは、その混合物中、約20質量%以下、約10質量%以下又は約5質量%以下で含み、そしてその残りのものはポリマー樹脂を実質的に含む。一般的には、ポリマー樹脂と延伸可能なグラファイトとの混合物の全質量に基づいて約5質量%〜50質量%の延伸可能なグラファイトが好ましい。幾つかの実施形態では、望ましい耐火炎性能は、更に少ない量の延伸可能なグラファイトで得られる可能性がある。1%程度の低い充填物が有用である可能性がある。必要とされる特性及び、結果物のテキスタイルコンポジット材料の構成次第で、延伸可能なグラファイトの他の水準もまた他の実施態様に対して適切である可能性がある。例えば、顔料、フィラー、抗菌剤、処理補助剤のような添加剤もまたその混合物に添加されてよい。
【0017】
ポリマー樹脂と延伸可能なグラファイトとの混合物は、例えば、図1に例示されているように、熱反応性材料(20)を形成するために、テキスタイルコンポジット材料の外側のテキスタイル(10)に適用されてよい。熱反応性材料は連続的な層として適用されてよい。ところが、通気性及び/又は手触りを増強することが必要である場合に、100%未満の表面被覆率を有する熱反応性材料の層を形成するために、ポリマー樹脂と延伸可能なグラファイトとの混合物は不連続的に適用されてよい。不連続的な適用は、特に限定されることはないが、ドット、格子、ライン及びそれらの組み合わせを含む形態によって不連続的に適用されてよい。不連続的な被覆率を備えた幾つかの実施形態として、不連続的なパターンの隣り合った領域間の平均距離は5mm未満であり、3.5mm未満、2.5mm未満、1.5mm未満又は0.5mm未満が好ましい。例えば、基材上に印刷されたドットパターンにおいて、ドット間の間隔を測定することができる。例えば、手触り、通気性及び/又はテキスタイルの重さのような特性が重要である場合に、約90%未満、約80%未満、約70%未満、約60%未満、約50%未満、約40%未満又は約30%未満の表面被覆率を利用してよい。100%未満の被覆率を達成するための一つの方法は、ポリマー樹脂と延伸可能なグラファイトとの混合物を、例えばグラビア印刷によって構造物の表面上に印刷することによってその混合物を適用する工程を含む。ポリマー樹脂と延伸可能なグラファイトとの混合物(20)が、例えば、熱的に安定である対流バリアのような基材(10)又は外側のテキスタイルの内側まで熱反応性材料を形成するために不連続的に適用されるように、図5a及び5bは、熱反応性材料(20)の層がドット(5A)及び格子(5B)のパターンの状態で提供される例示を示す。ポリマー樹脂と延伸可能なグラファイトとの混合物は、混合物の約10gsm〜約1OOgsmの範囲内の追加質量を得るために適用されてよい。幾つかの実施形態としては、混合物は、1OOgsm未満、75gsm未満、50gsm未満又は25gsm未満の追加質量を得るために基材に適用されてよい。
【0018】
例えば、図5Aに示された別個独立のドット(20)の適用のように、1つの不連続的な適用において、ポリマー樹脂と延伸可能なグラファイトとの混合物を含む複数の別個独立の延伸前構造物の形態で、熱反応性材料(20)の層を形成する基材にポリマー樹脂と延伸可能なグラファイトの混合物は適用される。延伸して、別個独立のドットが構造的な完全性を有する複数の別個独立の延伸構造を形成し、それによって、テキスタイルコンポジット材料に充分な防護を提供して本明細書で述べられる改良された特性を得ることができる。構造的な完全性とは、延伸後の熱反応性材料が実質的に崩壊することなく又は基材から剥がれ落ちることなく屈曲又は屈伸に耐えて、そして本明細書で述べられるThickness Change Testにしたがって測定される場合に厚みの測定の圧縮に耐えることを意味する。
【0019】
ポリマー樹脂と延伸可能なグラファイトとの混合物は、ドット、ライン又は格子に加えて他の形態で適用されてもよい。ポリマー樹脂と延伸可能なグラファイトとの混合物が熱又は火炎への曝露における好ましい特性を得るための方法で適用されれば、ポリマー樹脂と延伸可能なグラファイトとの混合物を適用するための他の方法は、スクリーン印刷、スプレー、分散コーティング又はナイフコーティングを含んでよい。
【0020】
図2に例示されるように、熱的に安定である対流バリアを含む一つの実施形態として、熱反応性材料(20)の層は、外側のテキスタイル(10)又は熱的に安定である対流バリア(30)に配置されてよい。一つの好ましい方法として、ポリマー樹脂と延伸可能なグラファイトとの混合物は、その混合物が熱的に安定である対流バリアと外側のテキスタイルとの間で良好な結合を提供する方法で適用される。テキスタイルコンポジット材料が積層体の構造物を含む実施形態として、ポリマー樹脂と延伸可能なグラファイトとの混合物は接着剤として適用され、例えば、外側のテキスタイル層(10)と熱的に安定である対流バリア(30)との間で熱反応性材料の層を形成して、外側のテキスタイル層(10)の内側と熱的に安定である対流バリア(30)を結合させる。別の方法として、ポリマー樹脂と延伸可能なグラファイトとの混合物は熱反応性材料の層を形成してコンポジット材料に適用されるが、その熱反応性材料は、片方の層又は両方の層(10及び30)の表面ポア又は表面孔隙内に少なくとも部分的に適宜配置されてよい。
【0021】
述べられる方法は、外側のテキスタイル(10)を含むテキスタイルコンポジット材料に特に有益である改良された特性を提供し、その外側のテキスタイル(10)は、難燃性、溶融性材料又は可燃性、溶融性材料を含有する材料を含む。溶融性材料は、Melting and Thermal Stability試験にしたがって試験される場合に溶融性がある材料である。材料が可燃性又は難燃性であるかどうかを決定するために、Vertical Flame試験で試験される。ある実施形態として、外側のテキスタイルは、例えばナイロン6又はナイロン6,6のようなポリアミド、ポリエステル、ポリエチレン及びそれらの組み合わせを含む。好ましいテキスタイルコンポジット材料は、ニット又は布帛である外側のテキスタイルから成り、そして、外側のテキスタイルは10.0oz/yd2未満の質量を有し、好ましくは1oz/yd2〜10oz/yd2の質量を有する。代替的には、外側のテキスタイル質量は1oz/yd2〜5.0oz/yd2である。
【0022】
熱的に安定である対流バリア材料は、火炎又は熱への曝露において、テキスタイルコンポジット材料の性能を更に改良するためにテキスタイルコンポジット材料に提供されてよい。熱的に安定である対流バリア材料は、例えば熱安定性フイルムのような材料を含み、例えば、ポリイミド、シリコーン、例えば濃密PTFE又は延伸PTFEのようなPTFEである材料を含む。熱的に安定である対流バリアは、対流熱源へ曝露される場合にそのバリアの後方の層まで対流熱が移動することを防止する。本明細書で述べられる実施態様で利用するための対流バリアは、本明細書で述べられる方法により試験された場合に、熱曝露後、約10Frazier未満の最大の空気透過性を有する。好ましくは、対流バリアは5Frazier未満の熱露光後の空気透過性を有する。より好ましくは、対流バリアは3Frazier未満の熱露光後の空気透過性を有する。本明細書で述べられる方法にしたがって生産されるテキスタイルコンポジット材料は、約1000超、約3000超、約5000超、約7000超、約9000超、約10000超又は更に大きなMVTRを有することが好ましい。テキスタイルコンポジット材料は、本明細書で述べられるHorizontal Flame Testの方法にしたがって試験される場合に、約50秒超、約60秒超、又は120秒超の壊れて開く時間を有することが好ましい。テキスタイルコンポジット材料はまた、本明細書で述べられるHorizontal Flame Test及びSelf-Extingishing Testの方法にしたがって試験される場合に20秒未満の残炎を有することが好ましい。テキスタイルコンポジット材料が15秒未満、10秒未満、又は5秒未満の残炎を有することがより好ましい。テキスタイルコンポジット材料は、Horizontal Flame Testで試験される場合に、実質的に溶融の液垂れ(ドリップ)の性質を示さないことが好ましい。別の実施形態として、テキスタイルコンポジット材料は、本明細書で述べられる方法にしたがって形成され、Flexibility and Hand、Horizontal Flame Test、及びSelf-Extinguishing Testについての本明細書で述べられる試験にしたがって測定された場合に、約300未満、約250未満、又は約200未満の手触り(ハンド)を有し、そして約20秒未満、約15秒未満、若しくは約10秒未満の残炎を有し、又は、ほぼ0秒の残炎を有する。
【0023】
本発明の実施形態として、溶融性材料、例えば、本明細書で述べられる外側のテキスタイル(10)は、延伸されたコンポジット材料を形成するために、溶融性材料を溶融するのに充分である熱及び/又は火炎へ曝露している間に延伸性の熱反応性材料(20)と結合してよい。幾つかの実施形態として、溶融性材料は、延伸性の熱反応性材料の少なくとも一部分に吸い込まれるか又は吸収されてよい。結果として得られた延伸されたコンポジット材料は、熱反応性材料及び溶融性材料の伸張したテンドリル(巻きひげ)を含んでよい。幾つかの実施形態として、延伸されたコンポジット材料は、Thickness Change Testにしたがって試験された場合に、構造的な安定性を有する。一つの実施形態として、本発明のテキスタイルコンポジット材料は熱曝露で厚みを変化させる。テキスタイルコンポジット材料の厚みは、延伸前のテキスタイルコンポジット材料の厚みよりも少なくとも1mm大きい。
【0024】
一つの実施形態としては、危険な環境で働く人々のための衣類で利用するのに適する材料が述べられ、その材料は通気性があり、防水性であり、そして耐火炎性であり、そして一方では、軽量であり、柔軟性であり、着心地がよい。
【0025】
本発明の範囲を制限する意図なく、次の実施例は、本発明が如何に生産されて使用されるかを示す。
【実施例】
【0026】
試験方法
水平型の火炎試験:
一般的には、この試験はMIL-C 83429Bを手本とする。75mmで250mmのテキスタイルコンポジット材料サンプル(3インチで10インチ)を、バインダークリップを用いてスチール製の固定具(長さ約350mmで幅50mmのセンターウィンドウを有する長さ400mmで幅75mm)に固定した。スチール製の締め付け固定具のウィンドウに在るテキスタイルコンポジット材料の領域を妨害することなく、テキスタイルコンポジット材料のエッジを固定する方法で、そのサンプルを固定した。固定具のサンプルを、90mm火炎(Meekeバーナーを用いて2psiのブタンに基づいている)で約40mmの高さで水平に配置した。図7はテキスタイルコンポジット構造物の方向性を示し、溶融性の外側のテキスタイル10は、試験中、火炎70に対して近接した方向に向く。サンプルは火炎に曝露され、亀裂又はホールの形成のどちらか一方によって、対流バリアが壊れて開く(又は、対流バリアが用いられない場合には表面のテキスタイルにホールが形成する)まで時間が記録され、火炎からの光が材料の亀裂又は開放部を通して見た場合の証拠となる。サンプルは火炎から実質的に取り除かれる。記録された時間は、水平型の火炎についての壊れて開く時間として示される。溶融の液垂れ(ドリップ)又は落下する液滴に関して、そのサンプルを観察する。
【0027】
自己消火試験
上記の水平型の火炎試験で火炎から材料サンプルを取り除いた後、その後の火炎についてその材料を観察して、残炎時間を記録する。そのサンプルが任意の溶融の液垂れ(ドリップ)又は落下する液滴を示すならば、それらもまた記録する。その後の火炎が観察されないか、又は取り除いてその後の火炎を観察するが、火炎から取り除いた後の5秒以内に消火するならば、材料は自己消火性であると言われる。
【0028】
垂直型の火炎試験
外側のテキスタイル材料のサンプルをASTMD6413テスト標準にしたがって試験をした。サンプルを12秒間火炎に曝露した。残炎時間は3サンプルの平均時間であった。2秒超の残炎を有するテキスタイルは可燃性として考えられた。
【0029】
衣類可燃性試験の方法
ASTM F 1930-00 Standard Test Method for Evaluation of Flame Resistant Clothing for Protection Against Flash Fire Simulations Using an instrumented Manikinと同様な方法を用いて、シミュレートされた突発的な火事の曝露に対する耐性について試験用の衣類を評価した。試験前に、衣類を着けていないマネキンの較正(キャリブレーション)が4秒曝露で実施された。較正(キャリブレーション)の後、綿ティーシャツ(サイズ42レギュラー、7oz/yd2未満の質量)と綿短パン(サイズM)を着せて、続いて、下記に述べられる積層体から作製されたジャケット(サイズ42レギュラー)を着せた。マネキンに衣服を着せた後、試験方法を制御するために最新式のコンピューターシステムを利用し、試験用の火炎を点火させ、突発的な火事に試験用の衣類を曝露させ、120秒間データを収集し、続いて、チャンバーを通気するために換気扇を回した。そのシステムによって得られたデータは、入射した熱流束を計算するために用いられ、曝露中及び曝露後の各々のセンサーに対する火傷を予測した。そして、各々の試験に対する報告と図を作成した。曝露後の任意の連続的な火炎は残炎として示され、溶融の液垂れ(ドリップ)又は液滴の落下もまた示された。残炎及び溶融の液垂れ(ドリップ)の観察とともに予測された火傷のデータを表3に報告する。予測される火傷は、第二度火傷及び第三度火傷に達したセンサーの全数を、試験用衣類によって覆われた領域のセンサーの数によって除することによって計算され、報告される体の火傷の全割合(トータルパーセント)は第二度火傷及び第三度火傷の割合の合計である。
【0030】
溶融及び熱安定性試験
その試験はテキスタイル材料の熱安定性を決定するために利用された。この試験はNFPA 1975, 2004 Editionのセクション8.3に述べられるような熱安定性試験に基づいている。その試験のオーブンは、ISO17493に詳細に述べられているように熱風循環オーブンであった。その試験は、Procedures for Blocking Resistance at Elevated Temperatures (Sections89〜93)を用いて、ASTM D 751、Standard Test Methods for コーティングされた 布帛sにしたがって実行され、次の変更点がある。
測定値が100mm x100mm x3mm(4インチx4インチx1/8インチ)である、ホウケイ酸塩ガラスプレートを用いた。265℃、+3/-0℃(510°F、+5/-0°F)の試験温度を利用した。
【0031】
オーブンからガラスプレートを取り除いた後、その試験サンプルを最低1時間冷却させた。
【0032】
ガラスプレートに粘着する任意のサンプルの面、折り畳まれていない場合にそのサンプル自身に粘着する任意のサンプル面、又は溶融又は液滴の証拠を示すサンプルの面は溶融性であると考えられた。溶融性の面の証拠を示さないサンプルの面は熱的に安定性であると考えられた。
【0033】
水蒸気透過率(MVTR)
水蒸気透過率(MVTR)を測定するために用いられた試験の詳細は下記に示される。その方法がフイルム、被覆物、及び被覆された生産物を試験するのに適することについて見出された。
【0034】
その方法において、35質量部の酢酸カリウム及び15質量部の蒸留水から成るおよそ70mlの溶液を、入口の内径が6.5cmである133mlポリプロピレンカップに添加した。米国特許4,862,730号(Crosbyによる)で述べられた方法によって試験された場合、およそ85,000g/m2/24hrsの最大MVTRを有する延伸されたポリテトラフルオロエチレン(PTFE)膜がカップのへりに熱封印されて、ピンと張って、漏れない、微小孔性のバリアを作り出し、その溶液を含有した。
【0035】
延伸された同様なPTFE膜が水浴の表面に取り付けられた。水浴アセンブリを23℃プラスマイナス0.2℃で制御し、温度制御した部屋を用い、水循環浴を利用した。
【0036】
試験方法を実行する前に、そのサンプルを23℃の温度で50%の相対湿度に調節させた。そのサンプルを配置したので、微小孔性ポリマー膜が、水浴の表面に取り付けられた延伸されたポリテトラフルオロエチレン膜と接触し、そして、そのポリマー膜をカップアセンブリを導入する前に少なくとも15分間平衡にさせた。
【0037】
カップアセンブリはほぼ1/1000gであり、試験サンプルの中央部に逆の態様で配置された。
【0038】
水の輸送は、水浴中の水と飽和塩溶液との間で駆動力によって提供され、その方向で拡散によって水の流れを提供する。サンプルを15分間試験し、その後カップアセンブリを取り除いた。そして、再度、カップアセンブリは1/1000g以内の質量であった。
【0039】
サンプルのMVTRはカップアセンブリの増量から計算され、24時間毎にサンプルの表面積の平方メートル毎に水のグラムで示された。
【0040】
質量
材料の質量測定は、ASTM D751、セクション10に詳細に述べられたように実行された。
【0041】
厚み変化試験
押さえ足の径が1インチであった例外を除いては、ASTM D751、セクション9にしたがって、初期厚みに関してサンプルを試験した。その器具は、試験見本におよそ3.4psiの圧力を適用するために調節された。60秒間のHorizontal Flame Testでの曝露後(又は、60秒前に壊れて開くことが起きたならば壊れて開いた後)に、厚み変化に関してサンプルを、再測定をした。延伸された構造物の厚み及び完全性を試験後に観察をした。
【0042】
熱的に安定である対流バリアの空気透過性試験
好ましくは、対流バリアは、5Frazier未満の熱曝露後の空気透過性を有する。対流バリアの熱安定性を決定するために、381mm(15インチ)の正方形の布帛サンプルを金属フレームに固定し、その後、260℃(500°F)で、強制の空気循環オーブンに吊るした。5分の曝露後に、そのサンプル見本をオーブンから取り除いた。そのサンプル冷却させた後、サンプルの空気透過性を、ASTM D737-75.「Standard Test Method for AIR PERMEABILITY OF TEXTILE 布帛S.」と名付けられている試験方法にしたがって試験をした。5Frazier未満のサンプル見本は熱的に安定である対流バリアとして考えられた。
【0043】
対流バリアの厚み
対流バリアの厚みを、Kafer FZ1000/30の厚みはさみゲージ(Kafer Messuhrenfabrik GmbH, Villingen-Schwenningen, Germany)の2つのプレートの間に膜を配置することによって測定をした。三つの測定値の平均を用いた。
【0044】
対流バリアの密度
長方形セクションの2.54cm×15.24cmの打ち抜きサンプルを測定して、(Mettler-Toledo Model AG204の化学天秤を用いて)質量及び(Kafer FZ1000/30のはさみゲージを用いて)厚みを決定した。これらのデータを使って、密度を次の式から計算をした。
【0045】
【数1】

その式中、ρ= 密度(g/cc)、m=質量(g)、w= 幅(cm)、l=長さ(cm)、及びt=厚み(cm)である。三つの測定値の平均を用いた。
【0046】
延伸試験
延伸可能なグラファイト粒子の延伸を測定するためにTMA(熱機械分析)を用いた。延伸を、TA器具のTMA2940器具を用いて試験をした。サンプルを入れるために、概略的な測定値が8mm径であって12mm高さであるセラミック(アルミナ)製TGAパンを用いた。概略的には6mm径を有するマクロ延伸プローブを用いて、そのパンの底をゼロにセットした。その後、TMAプローブによって測定されたように、約0.1〜0.3mmの厚みである延伸可能なグラファイトの薄片をパンの中に入れた。加熱炉を閉めて初期のサンプルの高さを測定した。10℃/minのランプ速度で、約25℃〜600℃で加熱炉を加熱した。TMAの変位プローブを、温度に対してプロットした。その変位を延伸の測定として用いた。
【0047】
柔軟性又は手触り測定
テキスタイルコンポジット材料サンプルの手触り測定値を、Thwing-Albert Handle-o-メーター(Philadelphia,PAに在る、Thwing Albert instrumet Companyから市販されているモデル#211-5)を用いて得た。より低い値は、サンプルを曲げるために必要とされるより低い荷重を指し示し、より柔軟なサンプルを指し示す。
【0048】
実施例
熱的に安定である対流バリア1
熱的に安定である対流バリア1は、米国特許出願公開2007/0009679号で教示されているように、フルオロアクリレートポリマー及びカーボンブラックから成る被覆物でePTFE膜 (0.3μm(ミクロン)の平均ポアサイズ及び0.3g/ccの密度)を処理することによって構成された。
【0049】
熱的に安定である対流バリア2
熱的に安定である対流バリア2は、米国特許4,194,041号の教示にしたがって、15gsmの通気性があって水分硬化のポリウレタンの連続的で部分的に透過する層で、0.3μm(ミクロン)のポアサイズ及び0.45g/ccの密度を有するePTFE膜を処理することによって構成された。第一の膜と同一である第二のePTFE膜が、前述のコーティングされたePTFEのポリウレタンコーティングされた面と接触し、三成分のePTFEフイルムを形成するためにニップに取り込まれた。そのフイルムは部分的にオーブンでキュアされ、その後、7日間、約>50%RHでボール紙のコア上でそのフィルムを充分にキュアさせた。
【0050】
ポリマー樹脂(PR)1:
通常に所有された米国特許4,532,316号の実施例にしたがって、まず樹脂を形成し、そして、約20質量%の量でリンに基づいた添加剤 (抗火炎PR82)をリアクターに添加することによって、火炎抑制ポリウレタン樹脂を調製した。
【0051】
ポリマー樹脂と延伸可能なグラファイトとの混合物1:
約20gmの延伸可能なグラファイト(280℃まで加熱して900μm超の延伸を有するAsbury Graphite Mills, lnc 製のGrade 3626)を、約80gmのPolymer Resin(PR)1に混合することによって、ポリマー樹脂と延伸可能なグラファイトとの混合物を調製した。延伸可能なグラファイトの薄片(フレーク)をポリマー樹脂に混合することは、均一な分散を保証するために少なくとも1分間にわたって低せん断ハンドミキサーを用いて実行された。
【0052】
ポリマー樹脂と延伸可能なグラファイトとの混合物2:
約5gmの延伸可能なグラファイト(Asbury Graphite Mills, lnc 製のGrade3626)を、約95gmのPR1に混合することによって、ポリマー樹脂と延伸可能なグラファイトとの混合物を調製した。混合は上記で述べたように実行された。
【0053】
ポリマー樹脂と延伸可能なグラファイトとの混合物3:
米国特許4,532,316号にしたがってポリマー樹脂を調製した。約20gmの延伸可能なグラファイト(Asbury Graphite Mills, lnc 製のGrade3626)が、ポリマー樹脂と延伸可能なグラファイトとの混合物3を得るために約80gmのポリマー樹脂に添加された。混合は上記で述べたように実行された。
【0054】
ポリマー樹脂と延伸可能なグラファイトとの混合物4:
米国特許4,532,316号にしたがってポリマー樹脂を調製した。約20gmの延伸可能なグラファイト(Ashland, MAに在る、Nyacol Nano technologies, lncから市販されている、280℃まで加熱して900μm超の延伸を有すGrade Nyagraph 351)が、ポリマー樹脂と延伸可能なグラファイトとの混合物4を得るために約80gmのポリマー樹脂に添加された。混合は上記で述べたように実行された。
【0055】
ポリマー樹脂とポリリン酸アンモニウムとの混合物:
約20gmのポリリン酸アンモニウム(Flame Chk, Inc.から市販されているFR CROS C30)を約80gmのPR1に添加することによってその混合物を調製した。混合は上記で述べたように実行された。
【0056】
ポリマー樹脂と三成分の膨張剤:
市販されている約20gmの三成分の化学膨張剤(Flame Chk, Inc.から市販されているBudit 3076)を約80gmのPR1に添加することによってその混合物を調製した。混合は上記で述べたように実行された。
【0057】
ポリマー樹脂と延伸可能なグラファイトとの混合物5:
約20gmの延伸可能なグラファイト(280℃で900μm未満の延伸を有するAsbury Graphite Mills, lnc 製のGrade3538)を、約80gmのPR1に添加することによって混合物を調製した。混合は上記で述べたように実行された。
【0058】
防水フイルム1:
パーツナンバー1540でOmniflex(Greenfield, MA)によって販売されている市販の防水性であって通気性があるモノリシック構造の熱可塑性ポリウレタンフイルムを利用した。
【0059】
布帛の実施例1:
熱反応性材料を含むテキスタイルを次のように調製した。布帛の表面のおよそ32パーセントの被覆率を提供するような方法で、(約40psiの圧力であって約100℃で)グラビアローラーによって、Spartanburg,SCに在る、Milliken Corporationから市販されている130gsmのナイロン6,6ニットの外側のテキスタイル(10)(STYLE 755133)を別個独立のドットのポリマー樹脂と延伸可能なグラファイト混合物1でコーティングし、レイダウン(laydown)は平方メートル当たり約35グラム(gsm)であった。グラビアロールは円形のドットパターンを有し、セル深さは約1200μmであり、セル開放部は約2500μmであり、そして間隔は約2500μmであった。
【0060】
コーティングされた布帛を48時間で50%RH及び23℃で硬化させた。ポリマー樹脂とグラファイトとの混合物1でコーティングされたテキスタイルのサンプルを、本明細書で述べられる自己消火試験により試験をし、5秒未満の残炎を記録した。
【0061】
積層体の実施例1:
Milliken(パーツナンバー131967)から市販されている95gsmのナイロン6,6平織りの外側のテキスタイルと熱的に安定である対流バリア1とを用いて積層体を作製した。実質的に、図2に示されたとおりである。熱的に安定である対流バリア1上に、ポリマー樹脂と延伸可能なグラファイトとの混合物1から構成される別個独立のドットを印刷することによってその積層体は構成され、その後、95gsmのナイロン布帛の外側のテキスタイルを熱的に安定である対流バリアに、約30psiのニップ圧を用いて接着した。熱反応性材料(20)の別個独立のドットを上記で述べたようにグラビアローラーによって印刷をした。
【0062】
結果として得られた積層体は、熱的に安定である対流バリアと、ポリマー樹脂と延伸可能なグラファイトとの混合物1のドットによって結合されたナイロン布帛の溶融性の外側のテキスタイル層との2つの層の積層体であった。積層体は、引っ張られた状態でスチール製のドラム上に持ち上げられた。そして、約50%超の相対湿度で約48時間、その積層体を硬化させた。
【0063】
本明細書で述べられる、MVTR、水平型の火炎試験及び自己消火試験の方法にしたがってサンプルを試験した。結果は表1に報告される。
【0064】
積層体実施例2:
上記で述べられた熱的に安定である対流バリア2が熱的に安定である対流バリア1の代わりに用いられた以外は、実施例1と実質的に同様な方法にしたがって2層の積層体を作製した。本明細書で述べられる、MVTR、水平型の火炎試験及び自己消火試験の方法にしたがってサンプルを試験した。結果は表1に報告される。
【0065】
積層体実施例3:
実質的に図4に示されるように積層体を調製し、Spartanburg,SCに在る、Milliken Corporationから市販されている130gsmのナイロン6,6ニットの外側のテキスタイル(10)(STYLE 755133)、及び熱的に安定である対流バリア1(30)を用いて作製された。熱的に安定である対流バリア1(30)上に、ポリマー樹脂と延伸可能なグラファイトとの混合物1から構成される別個独立のドットを印刷することによってその積層体は構成され、その後、ニップを用いて、130gsmのナイロン6,6の円形状のニットの外側のテキスタイル(10)を熱的に安定である対流バリア1(30)に接着した。グラビア積層方法は積層体の実施例1で述べられたように実行された。結果として得られた積層体は、熱的に安定である対流バリアと、ポリマー樹脂と延伸可能なグラファイトとの混合物のドットによって結合されたナイロンニットの溶融性面のテキスタイル層との2つの層の積層体であった。積層体は、引っ張られた状態でスチール製のドラム上に持ち上げられた。そして、約50%超の相対湿度で約48時間、その積層体を硬化させた。
【0066】
本明細書で述べられる、水平型の火炎試験及び自己消火試験の方法にしたがってサンプルを試験した。結果は表1に報告される。
【0067】
積層体の実施例4:
実質的に実施例3にしたがって生産された積層体が提供された。そして、図4に示されているように、熱的に安定である対流バリアの曝露された面(ナイロン布帛テキスタイルとは反対の面)の別個独立のドットパターン(約15gsm)でPR1は適用された。その後、60gsmのアラミドニットバッカーテキスタイル(50)(SSM Industries製のパーツNo. KRDZ602)を2層の積層体を接着させた。3層積層体を形成するために、PR1ドットを有する2層積層体とアラミドバッカーを追加的なニップを通して供給することによって接着させた。その後、3層積層体は引っ張られた状態でスチール製のドラム上に持ち上げられた。そして、約50%超の相対湿度で約48時間、その積層体を硬化させた。
【0068】
本明細書で述べられる、水平型の火炎試験及び自己消火試験の方法にしたがってサンプルを試験した。結果は表1に報告される。また、手触り試験にしたがって、柔軟性についてサンプルを試験し、そのサンプルは192の手触り結果を有した良好な柔軟性を示した。
【0069】
.
積層体の実施例5:
109gsmのモダクリル/綿のニット布帛(United Knitting製のパーツNo.05289)が、アラミドニットバッカーテキスタイルの代わりにバッカーテキスタイルとして用いられた以外は、3層積層体は実質的に実施例4にしたがって調製された。
【0070】
本明細書で述べられる、水平型の火炎試験及び自己消火試験の方法にしたがってサンプルを試験した。結果は表1に報告される。
【0071】
積層体実施例6:
80gsmのポリエステル布帛(Milliken Corporation製のパーツNo.US101)が130gsmのナイロン6,6 ニットの外側のテキスタイルの代わりに外側のテキスタイルとして用いられた以外は、3層積層体は実質的に実施例4にしたがって調製された。
【0072】
積層体実施例7:
ポリマー樹脂と延伸可能なグラファイトとの混合物2がポリマー樹脂と延伸可能なグラファイトとの混合物1の代わりに用いられた以外は、2層積層体は実質的に実施例2にしたがって調製された。
【0073】
積層体実施例8:
グラビアロール印刷がおよそ89%の熱的に安定である対流バリア1を覆ってポリマー樹脂と延伸可能なグラファイトとの混合物4が用いられた以外は、2層積層体は実質的に実施例3にしたがって調製された。
【0074】
積層体実施例9:
ポリマー樹脂と延伸可能なグラファイト3が用いられた以外は、3層積層体は実質的に実施例4にしたがって調製された。
【0075】
表1に示されるように、積層体の実施例1〜9の試験結果は、本発明が、壊れて開く時間が改良されること、実質的に残炎がないこと、良好な水蒸気透過率を提供しながら溶融の液垂れ(ドリップ)がないことを達成することを示す。積層体の構造物及び材料の効果を更に探求するために下記に述べられる追加的な実施例を作成した。
【0076】
実施例10:
Milliken製の95gsmのナイロン6,6平織りの外側のテキスタイル(パーツナンバー131967)、と熱的に安定である対流バリア1とを用いて積層体が作製された。熱的に安定である対流バリア2上に、PR1の別個独立のドットを印刷することによってその積層体は構成され、その後、ニップを用いて、95gsmのナイロンの外側のテキスタイルを熱的に安定である対流バリアに接着した。結果として得られた積層体は、熱的に安定である対流バリア(30)と、PR1(40)によって結合されたナイロン布帛の溶融性の外側のテキスタイル(10)との2つの層の積層体であった。積層体は、引っ張られた状態でスチール製のドラム上に持ち上げられた。そして、約50%超の相対湿度で約48時間、その積層体を硬化させた。
【0077】
本明細書で述べられる、水平型の火炎試験及び自己消火試験の方法にしたがってサンプルを試験した。結果は表1に報告される。
【0078】
実施例11:
3層積層体のうち2層の積層体の部分を形成する場合に、ポリマー樹脂とポリリン酸アンモニウムとの混合物が活性防護材料1の代わりに用いられた以外は、積層体は実施例4の積層体と同様な態様で構成された。
【0079】
本明細書で述べられる、水平型の火炎試験及び自己消火試験の方法にしたがってサンプルを試験した。結果は表1に報告される。
【0080】
実施例12:
2層積層体を形成する場合に、ポリマー樹脂と三成分の膨張剤との混合物がポリマー樹脂と延伸可能なグラファイトとの混合物1の代わりに用いられた以外は、積層体は実施例4の積層体と同様な態様で構成された。
【0081】
本明細書で述べられる、水平型の火炎試験及び自己消火試験の方法にしたがってサンプルを試験した。結果は表1に報告される。また、柔軟性についてサンプルを試験し、得られた手触りの値は198であった。
【0082】
実施例13:
3層積層体のうち2層の積層体の部分を作製するために、ポリマー樹脂と延伸可能なグラファイトとの混合物5がポリマー樹脂と延伸可能なグラファイトとの混合物1の代わりに用いられた以外は、積層体は実施例4の積層体と同様な態様で構成された。
【0083】
本明細書で述べられる、水平型の火炎試験及び自己消火試験の方法にしたがってサンプルを試験した。結果は表1に報告される。また、柔軟性についてサンプルを試験し、得られた手触りの値は171であった。
【0084】
実施例14:
防水性であって通気性があるポリウレタンフイルムが熱的に安定である対流バリア1の代わりに用いられた以外は、積層体は実施例3と同様な態様で構成された。パーツナンバー1540でOmniflex(Greenfield, MA)によって販売されている市販の通気性があるモノリシック構造の熱可塑性ポリウレタンフイルムを利用した。
【0085】
本明細書で述べられる、水平型の火炎試験及び自己消火試験の方法にしたがってサンプルを試験した。結果は表1に報告される。
【0086】
実施例15:
図8に示されるように、別個独立のドットs of ポリマー樹脂と延伸可能なグラファイトとの混合物1(20)を、実施例10の熱的に安定である対流バリア1(30´)の曝露された面に印刷した。熱的に安定である対流バリア1(30")の追加的な層を、ニップで層を結び付けることによって2層積層体の対流バリア面に接着させた。グラビア積層体は積層体の実施例1で述べられたものと同様な方法で実質的に実行された。第二対流バリア1(30")の結果として得られた曝露された面は、PR1(40)の別個独立のドットで印刷され、60gsmのアラミドニットバッカーテキスタイル(50)に接着された。結果として得られた積層体は4層の積層体であり、その4層積層体を約50%超の相対湿度で約48時間で硬化させた。
【0087】
本明細書で述べられる、水平型の火炎試験及び自己消火試験の方法にしたがってサンプルを試験した。結果は表1に報告される。
【0088】
実施例16:
PR1が3層積層体のうち2層の積層体の部分を調製するために用いられ、一方でポリマー樹脂と延伸可能なグラファイトとの混合物1が2Lを3Lの積層体に変更するために用いられた以外は、3積層体は実施例4の積層体にしたがって実質的に調製された。
【0089】
【表1】

【0090】
実施例17〜20:
一連の実施例は代替的な方法を用いて調製された。まず、ePTFEフイルム及び20グラムパー平方メートルのメルトブローのポリエステルの不織布を実質的に含む2層積層体は、パーツナンバー NASZ100000Cで、W. L. Gore and Associates, Inc.から得られた。
【0091】
次に、一連の3層積層体は、溶融性の接着剤ウェブを用いた第二の不織布(Cuyahoga Falls, OHに在る、Spufab, Ltd製品のパーツナンバーPE2900)に、2層積層体(NASZ100000C)を積層することによって構成された。この実施例にしたがって生産された各々の積層体の組成物は、表2に提示される。3層の積層体の全ては次の方法で生産された。
【0092】
表2に示された延伸可能なグラファイトの量は質量(重さ)であり、2層の積層体のePTFEの表面に均一に分配された。およそ17gsmの質量である接着剤ウェブは延伸可能なグラファイトの上部に配置され、そのグラファイトは2層積層体上に分配された。第二の不織布は接着剤ウェブ上に配置された。熱及び圧力は、接着剤溶融温度を超えた温度であるが、グラファイトの延伸温度以下の温度であって、およそ163℃の温度であり、そして40psiであって、15秒の時間で層を融合させるために適用される。
【0093】
上記で述べられた方法にしたがって、実施例に対して壊れて開く時間及び残炎時間に関する試験を実施した。実施例18及び19に対する実施例18の比較は、延伸可能なグラファイトの添加によって、壊れて開く時間が改良されたことを示す。ところが、残炎及び溶融の液垂れ(ドリップ)は、積層体の実施例1〜9よりも劣ることを示す。構造物の方法及び材料の効果は、積層体実施例8に対する実施例20の比較によって示される。実施例20及び積層体の実施例8は、実質的に同一の延伸可能なグラファイトの実質的に同一のレイダウン(laydown)質量を有し、積層体の実施例8は、更に長い壊れて開く時間、更に短い残炎、及び溶融の液垂れ(ドリップ)なしを有する。
【0094】
【表2】

【0095】
積層体ジャケットの実施例の衣類可燃性試験を、2.0cal/cm2-secの熱流束でASTM F1930-00にしたがって実施した。洋服(Ensemble)はコットン-ティーシャツ&ショーツ、NyCoのシャツとパンツ、及び積層体ジャケットを用意した。
【0096】
【表3】

【0097】
実施例21〜24:
実施例のジャケット21は3層のPTFE積層体 (W. L. Gore and Associates, lnc.から市販されているパーツナンバーのEXSH100050AZ)を用いて、熱反応性材料を有さないで構成され、同一の溶融性の外側のテキスタイルを有した。実質的に実施例4及び実施例5にしたがって作製された積層体から実施例のジャケット22、23及び24を調製した。表3で示されたような4秒の曝露であって、2.0 cal/cm2-secの熱流束を用いてASTM F1930-00にしたがった上記のように述べられたGarment Flammabilityに関して、Garment Flammability Test Method (例えば、Pyroman 試験と呼ばれる North Carolina State Universityの研究室で利用できるもの )で、各々の実施例のジャケット試験をした。向けられたテキスタイルの面が火炎曝露に向くように、各々の実施例のジャケットを準備した。ジャケットのデザインは、Garment Flammability Testの性能に影響を与えるので、ジッパーが火炎曝露から覆われるように、ジャケットは設計された。表3に示されたPyroman積層体のジャケットの結果は、本発明が、熱反応性材料がない実質的に同一のジャケットよりも10パーセントのポイント分低い体の火傷のパーセント(割合)値を提供することを示す。体の火傷のパーセント(割合)値は、熱反応性材料がない実質的に同一のジャケットよりも20パーセントポイント低い可能性もある。また、残炎は少なくとも100秒まで減らせる可能性がある。残炎は少なくとも60秒まで減らせる。残炎は少なくとも30秒まで減らせる。残炎は少なくとも20秒まで減らせる。残炎は少なくとも10秒まで減らせる。
【0098】
本発明の特定の実施形態は本明細書で図示されて述べられたが、本発明はそのような図及び記述に限定されるべきではない。変更例及び変形例は、次の熱反応性材料の範囲内で本発明の一部分として組み込まれて具体化されてもよいことは明白である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可燃性、溶融性の材料の残炎を20秒未満まで減らすための方法であって、
a)可燃性、溶融性の該材料を含み、そして内側及び外側の面を含む外側のテキスタイルを提供する工程、
b)ポリマー樹脂と延伸可能なグラファイトとの混合物を含む熱反応性材料を提供する工程、及び、
c)該熱反応性材料を形成するために該外側のテキスタイルの該内側の表面に、該ポリマー樹脂と該延伸可能なグラファイトとの該混合物を適用する工程を含み、
該延伸可能なグラファイトが、280℃まで加熱した場合に少なくとも900μmの延伸を有し、該外側のテキスタイルの該外側の面が火炎に曝露される、
方法。
【請求項2】
前記ポリマー樹脂が熱可塑性ポリマーを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ポリマー樹脂が架橋性ポリウレタンを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ポリマー樹脂と前記延伸可能なグラファイトとの前記混合物が前記外側のテキスタイルの前記内側の表面に不連続的に適用される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ポリマー樹脂と前記延伸可能なグラファイトとの前記混合物が前記外側のテキスタイルの前記内側の表面に、別個独立であって不連続的であるドットとして適用される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
可燃性、溶融性の前記材料がナイロン又はポリエステルを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記外側のテキスタイルが33.9g/m2〜339g/m2(1oz/yd2〜10oz/yd2)の質量を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
溶融性の材料を含む外側のテキスタイルを有するテキスタイルコンポジット材料の壊れて開く時間を実質的に増加させる方法であって、
a)溶融性の該材料を含み、そして内側及び外側の表面を含む外側のテキスタイルを提供する工程、
b)熱的に安定である対流バリアを提供する工程、及び、
c)ポリマー樹脂と延伸可能なグラファイトとの混合物を適用することによって、該熱的に安定である対流バリアと該外側のテキスタイルの該内側の表面との間に熱反応性材料を提供する工程を含み、
該延伸可能なグラファイトが、280℃まで加熱した場合に少なくとも900μmの延伸を有し、該テキスタイルコンポジット材料が、熱反応性材料を有さない該外側のテキスタイル よりも少なくとも20秒より長い壊れて開く時間を有する、
方法。
【請求項9】
前記熱的に安定である対流バリアがポリテトラフルオロエチレンを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記ポリマー樹脂と前記延伸可能なグラファイトとの前記混合物が、80%未満の領域を覆う別個独立のドットとして適用される、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記ポリマー樹脂と前記延伸可能なグラファイトとの前記混合物が、前記外側のテキスタイル及び前記熱的に安定である対流バリアを同時に結合する、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記熱反応性材料が50質量%未満の延伸可能なグラファイトを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記テキスタイルコンポジット材料の前記壊れて開く時間が30秒超である、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
前記テキスタイルコンポジット材料の前記残炎が10秒未満である、請求項8に記載の方法。
【請求項15】
4秒のPyroman曝露で衣類の燃焼の割合を少なくとも10%まで減らす方法であって、
a)溶融性の材料を含む外側のテキスタイル、
熱的に安定である対流層、及び、
該外側のテキスタイルと該熱的に安定である対流バリアとの間の熱反応性材料、
を含むテキスタイルコンポジット材料を提供する工程、
b)衣類を構成する工程、及び
c)該衣類について4秒のPyroman曝露試験を実施する工程
を含み、
該熱反応性材料がポリウレタンと延伸可能なグラファイトとの混合物を含み、
該外側のテキスタイルの外側の表面が火炎に向かって配向され、
該外側のテキスタイルと該熱的に安定である対流バリアとの間に熱反応性材料を有さない衣類と比較して、体の火傷の割合が少なくとも10パーセントポイントまで減る、
方法。
【請求項16】
火炎耐性のテキスタイルコンポジット材料を含む物品であって、
a)溶融性の材料を含む外側のテキスタイル、
b)280℃まで加熱した場合に少なくとも900μmの延伸をする、ポリマー樹脂と延伸可能なグラファイトとを含む熱反応性材料、
c)該熱反応性材料に近接する熱的に安定である対流バリアを
含み、
該熱反応性材料が該溶融性テキスタイルの一つの表面に適用され、
該物品が、該外側のテキスタイルと該熱的に安定である対流バリアとの間に熱反応性材料を有さない実質的に同一の物品よりも少なくとも30秒長い、壊れて開く時間を有する、
物品。
【請求項17】
前記溶融性テキスタイルが可燃性である、請求項16に記載の物品。
【請求項18】
火炎耐性テキスタイルコンポジット材料が10秒未満の残炎を有する、請求項16に記載の物品。
【請求項19】
前記熱的に安定である対流バリアが前記熱反応性材料によって前記溶融性テキスタイルに結合され、前記熱反応性材料が表面領域の80%未満を覆う、請求項16に記載の物品。
【請求項20】
前記熱的に安定である対流バリアがポリテトラフルオロエチレンを含む、請求項16に記載の物品。
【請求項21】
前記ポリマー樹脂がポリウレタンを含む、請求項16に記載の物品。
【請求項22】
前記溶融性テキスタイルがナイロン又はポリエステルを含む、請求項16に記載の物品。
【請求項23】
前記火炎耐性テキスタイルコンポジット材料がMVTR>1000を有する、請求項16に記載の物品。
【請求項24】
前記熱反応性材料に対向する面の前記対流バリアに近接して配置される熱的に安定であるテキスタイルバッカーを更に含む、請求項16に記載の物品。
【請求項25】
前記熱的に安定であるテキスタイルバッカーが、アラミド、火炎耐性コットン、FRレーヨン、モダクリルブレンド、若しくはブレンド又はそれらの組み合わせを含む、請求項24に記載の物品。
【請求項26】
請求項16に記載の火炎耐性テキスタイルコンポジット材料から成る、衣類、テント、グローブ又はフットウェアの物品。
【請求項27】
前記火炎耐性テキスタイルコンポジット材料が、水平型火炎の試験中に溶融の液垂れ(ドリップ)を示さない、請求項16に記載の物品。
【請求項28】
火炎耐性のテキスタイルコンポジット材料の物品であって、
a)可燃性、溶融性テキスタイルを含む外側のテキスタイル及び、
b)280℃まで加熱した場合に少なくとも900μmの延伸をする、ポリマー樹脂とグラファイトとを含む熱反応性材料
を含み、
該熱反応性材料が、可燃性、溶融性の該テキスタイルの一つの表面に配置され、
該物品が20秒未満の残炎を有する、
物品。
【請求項29】
前記ポリマー樹脂と前記延伸されたグラファイトとの混合物が、延伸されたグラファイトを含む複数のテンドリル(巻きひげ)を形成するために延伸し、該テンドリル(巻きひげ)少なくとも5対1のアスペクト比を有する、請求項28に記載の物品。
【請求項30】
可燃性、溶融性材料を含む外側のテキスタイル、
可燃性、溶融性の該材料に結合する熱的に安定である対流バリア、及び
可燃性、溶融性の該材料と該熱的に安定である対流バリアとの間の、ポリマー樹脂及び延伸可能なグラファイトのブレンドを含む熱反応性材料を含み、該熱反応性材料が、表面の80%未満を覆うために該熱的に安定である対流バリア上にドットの形態で不連続に適用され、熱曝露後の該テキスタイルコンポジット材料の厚みが、熱曝露前の該テキスタイルコンポジット材料の厚みよりも少なくとも1mm大きい、
テキスタイルコンポジット材料。
【請求項31】
熱又は火炎に曝露する場合に、可燃性、溶融性の前記材料が前記熱反応性材料によって吸収され、前記テキスタイルコンポジット材料が溶融の液垂れ(ドリップ)の挙動を実質的に示さない、請求項30に記載のテキスタイルコンポジット材料。
【請求項32】
熱又は火炎に曝露した後の前記熱反応性材料及び可燃性、溶融性の前記テキスタイルが、屈曲又は屈伸で構造的な完全性を有する延伸されたコンポジット材料を形成する、請求項30に記載のテキスタイルコンポジット材料。
【請求項33】
前記熱反応性材料の不連続的な層が70%未満の表面被覆率を有する、請求項30に記載のテキスタイルコンポジット材料。
【請求項34】
前記熱的に安定である対流バリアが、少なくとも120秒間水平型の火炎に前記テキスタイルコンポジット材料の可燃性、溶融性の前記材料を曝露した後壊れて開かない、請求項30に記載のテキスタイルコンポジット材料。
【請求項35】
可燃性、溶融性の前記材料が着用者の体から離れて向けられる衣類の外側のテキスタイル層である、該衣類として形成される、請求項30に記載のテキスタイルコンポジット材料。
【請求項36】
前記熱的に安定である対流バリアが延伸されたポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含む、請求項30に記載のテキスタイルコンポジット材料。
【請求項37】
溶融性材料及び溶融吸収性コンポジット材料を含む、溶融の液垂れ(ドリップ)を有さない積層体を作製するための方法であって、
a)溶融性の外側のテキスタイルを提供する工程、
b)熱的に安定である基材提供する工程、
c)ポリマー樹脂と延伸可能なグラファイトとの混合物を含む熱反応性材料を提供する工程、
d)80%未満の表面被覆率で該熱的に安定である基材に印刷されたパターンで該ポリマー樹脂と該延伸可能なグラファイトとの該混合物を適用することによって、該溶融性の外側のテキスタイルと該熱的に安定である基材との間に該熱反応性材料の不連続層を形成する工程、及び
e)該溶融性の外側のテキスタイル及び該熱的に安定である基材を同時に結合する工程によって作製するための方法であり、
該溶融性の外側のテキスタイルを火炎に曝露する場合、該熱反応性材料が延伸して該溶融性の外側のテキスタイルの溶融物を吸収し、該溶融性の外側のテキスタイル及び該延伸された熱反応性材料のコンポジット材料を形成する、
方法。
【請求項38】
前記熱的に安定である基材が熱的に安定であるテキスタイルバッカーである、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記熱的に安定である基材が対流バリアである、請求項37に記載の方法。
【請求項40】
前記熱反応性材料が別個独立のドットとして適用される、請求項37に記載の方法。
【請求項41】
積層体を含む衣類を形成する工程であって、該衣類の外側のテキスタイル層が着用者の体から離れて向けられる前記溶融性の外側のテキスタイルである、工程を更に含む、請求項37に記載の方法。
【請求項42】
可燃性、溶融性の材料を含む外側のテキスタイル、
可燃性、溶融性の該材料に結合する熱的に安定であるテキスタイルバッカー、及び
該熱的に安定であるテキスタイルバッカーに適用される80%未満の表面被覆率を有する、格子形態の不連続的な層を含むテキスタイルコンポジット材料であって、該不連続的な層がポリマー樹脂及び延伸可能なグラファイトのブレンドを含む熱反応性材料を含み、
熱又は火炎に曝露する場合、可燃性、溶融性の該材料が該熱反応性材料によって吸収され、該テキスタイルコンポジット材料が、溶融の液垂れ(ドリップ)の挙動を実質的に示さない、
テキスタイルコンポジット材料。
【請求項43】
前記熱的に安定であるテキスタイルが火炎耐性コットンを含む、請求項42に記載のテキスタイルコンポジット材料。
【請求項44】
可燃性、溶融性の材料の残炎を20秒未満まで減らすための方法であって、
a)可燃性、溶融性の材料を含み、そして内側及び外側の面を含む外側のテキスタイルを提供する工程、
b)ポリマー樹脂と延伸可能なグラファイトとの混合物を含む熱反応性材料を提供する工程、
c)内部の熱的に安定であるテキスタイルバッカーを提供する工程、及び、
d)テキスタイルコンポジット材料を形成するために、該外側のテキスタイルの該内側の表面と該内部の熱的に安定であるテキスタイルバッカーとの間に該ポリマーと該延伸可能なグラファイトとの該混合物を不連続的に適用する工程、
を含み、
該外側のテキスタイルの該外側の面が火炎に曝露される、
方法。
【請求項45】
前記テキスタイルコンポジット材料にホールを形成するためには充分に前記火炎に曝露する場合、前記テキスタイルコンポジット材料における観察可能な火炎が、前記火炎から前記テキスタイルコンポジット材料を取り除いた後、20秒未満で消える、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記テキスタイルコンポジット材料にホールを形成するためには充分に前記火炎に曝露する場合、溶融の液垂れ(ドリップ)挙動が観察されない、請求項44に記載の方法。
【請求項47】
前記テキスタイルコンポジット材料にホールを形成するためには充分に前記火炎に曝露する場合、前記火炎から前記テキスタイルコンポジット材料を取り除いた後、火炎が前記テキスタイルコンポジット材料で観察されない、請求項44に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2011−505501(P2011−505501A)
【公表日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−531053(P2010−531053)
【出願日】平成20年10月24日(2008.10.24)
【国際出願番号】PCT/US2008/012139
【国際公開番号】WO2009/055047
【国際公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【出願人】(598123677)ゴア エンタープライズ ホールディングス,インコーポレイティド (279)
【Fターム(参考)】