説明

炉外2相過渡核熱量計

本発明は第1に、測定すべきチャージを入れて収容する第1の容器(4)を画成する手段(4)と、前記第1の容器を囲む第2の容器(11)を画成する手段(12)と、前記第1の容器(4)を囲んで液体の層又は湿潤層を被着する手段(6、10)と、前記第1の容器(4)の外部及び前記第2の容器(11)の内部の温度及び圧力の双方又は何れか一方を一定に維持する手段(8、18、20、22)とを具え、チャージ(2)の残留パワーを測定する装置を提供するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チャージ、特に核型のチャージの残留パワーの測定に関するものである。
【0002】
本発明は、特に、随意であるがγ放射能の測定を分離させることにより、核型のチャージにおけるワット損を短い応答時間で測定して、消失動態を監視するのに用いることができる。
【0003】
本発明は、あらゆる照射済燃料にも、又は核にも非核にもかかわらない他のいかなるチャージにも適用しうる。
【背景技術】
【0004】
現在、特に照射済燃料に対する、熱除去及び電離放射線保護システムの寸法は、残留パワーの認識が良くない為に、特に照射の動態についての不確実性に関連して大きな余裕度を以て決定されている。
【0005】
従って、現在の評価は、不確実性に対する余裕度を大きくした特殊化したデジタル計装を用いて行われており、従って、装置を、特に輸送に対して面倒で費用のかかるものとしている。
【0006】
核燃料の照射により、原物質を種々の不安定な原子核、すなわち放射性同位元素に変化させ、これらは放射線放出後に脱励起し、パワーを消失し、その消失量は燃料の種類及びその照射程度に依存し、残留パワーとして知られたこのパワーは、パワー評価システム及び随意ではあるが放射保護システムの規模にとって充分な百分率精度で知る必要がある。
【0007】
現在のデジタル計装の精度は、照射監視特性に応じて、既知の照射に対し10%程度の精度、すなわち、照射の動態に関する不確実性に関連して著しく減少する精度に達となっている。この精度の減少は特に、電離放射線に対する防御にとって著しく有害となっている。
【0008】
更に、使用するデジタル計装の結果は、特性の測定と比較することにより受け入れる必要がある。
【0009】
従って、数値計算を用いて得られるよりも優れた精度で、必要とする測定を行う装置及び方法を見いだすことに問題がある。
【0010】
他の問題は、測定を行う必要がある時間にかかわることである。
【0011】
測定は事実上、測定を準備するのに必要とする時間であって、その後においても残留パワーが依然として高く、例えば、数百ワット程度にあり、その消失動態も依然として高く維持されているこの時間である数分後と、残留パワーが著しく低く、例えば、数ワット程度である数ヶ月後との双方で1つの同じチャージに対し必要とする。
【0012】
従って、測定範囲は、充分に長い期間に亘り、100倍程度に極めて大規模となり、充分な精度を有する大規模力学で行う測定、又は縦続配置の幾つかの測定システム、又は随意ではあるが、全てを長期間(1年)の間信頼しうる状態に保つ必要がある幾つかの機能モードを有する測定装置を使用する必要があり、必要な精度は瞬時的な残留パワーに対し1%程度となる。
【0013】
従って好ましくは、前記の測定装置は数秒程度の短い応答時間を有する必要があり、従って、この測定装置の熱慣性は低くする必要がある。
【0014】
又、燃料の種類や照射の種類に応じて燃料の残留パワーを測定し、これらの保護システムの寸法、複雑性及び価格を最小にする装置を提供するという問題が生じる。
【0015】
熱量計としては、種々のものが知られている。
【0016】
密閉型のシステムに適した“断熱”型の熱量計では、熱交換を用いずに、サーモスタットの温度をサンプルの温度によりサーボ制御する。
【0017】
組み立て方式が異なり、開放型のシステムに適した“透熱式熱流量”型の熱量計では、サンプルの温度が、低い熱抵抗を介してサーモスタットの温度を追従する(相変化熱量計がこの種類の熱量計に属する)。
【0018】
“透熱式パワー補償”型の熱量計では、サーモスタットの温度により、すなわち、熱交換を用いずに、一般的に電気的であるパワー補償により、サンプルの温度がサーボ制御される。
【0019】
“アイソペリボル”(周辺等温)式の熱量計では、サンプルの温度と、しばしば殆ど一定であるサーモスタットの温度との間に特定な結合関係が存在しない。
【0020】
フランス国特許FR 2170195号及びFR 2603987号明細書の各々には、流量計を用いる方法、すなわち、熱抵抗を介して設定される温度差を用いて熱流束を測定する方法を適用する装置が記載されている。この方法は、使用する材料の熱的特性に極めて感応し、これらの特性は時間的且つ空間的に一定にする必要もある。この方法は、使用する種々の接触抵抗にも感応し、これらの接触抵抗は制御するのが困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0021】
【特許文献1】フランス国特許FR 2170195号
【特許文献2】フランス国特許FR 2603987号
【発明の概要】
【0022】
本発明は、第1に、
‐ 測定すべきチャージを入れて収容する第1の容器を画成する手段と、
‐ 前記第1の容器を囲む第2の容器を画成する手段と、
‐ 前記第1の容器を囲んで、例えば、1mm又は2mmよりも薄い厚さの液体の層又は湿潤層を被着する手段と、
‐ 前記第1の容器の外部又は前記第2の容器の内部の蒸気の温度及び圧力の双方又は何れか一方を一定に維持する手段と
を具え、チャージの残留パワーを測定する装置を提供する。
【0023】
本発明によるこの構造の装置によれば、特に、第1の容器の壁部から、従って、液体の層又は湿潤層から、これを第2の容器から分離しているスペース内に経方向で熱を伝達させることができる。
【0024】
本発明による装置の一例は、透熱式熱流量型とする。他の例は、パワー補償が行われる透熱式とする。
【0025】
この装置は更に、第1の容器を画成する手段上の、又は第2の容器内の又はその双方の温度及び圧力の双方又は何れか一方を測定する手段を有しうる。
【0026】
本発明の装置の特定の一例によれば、この装置が更に、
‐ 前記第2の容器内の凝縮路内で熱伝達流体を循環させる手段と、
‐ 前記熱伝達流体の流量を制御し、この流量を、前記第1の容器を画成する前記手段上の、又は前記第2の容器内の、或いはその双方の温度及び圧力の双方又は何れか一方の測定に関連して前記凝縮路内で変化させる手段と
を具える。
【0027】
更に、前記凝縮路内に入る熱伝達流体の入力温度を一定に維持する手段を設けることができる。
【0028】
前記装置は更に、前記凝縮路の入力部及び出力部に、熱伝達流体の入力温度及び出力温度を測定する手段を具えるようにしうる。
【0029】
本発明の装置の他の例によれば、この装置が音速ノズルを有するようにする。この場合、この装置は、液相内に浸漬させるための電気抵抗をも具えることができる。
【0030】
この電気抵抗に供給されるパワーの変化を測定する手段を設けることができる。
【0031】
本発明の装置には更に、前記音速ノズルにより取り出された蒸気を液相中に再利用する手段を設けるのが有利である。
【0032】
湿潤層を被着する前記手段は、繊維質材料又は多孔性材料の薄層を有するようにするのが好ましい。
【0033】
本発明による装置には、前記第1の容器を囲んで液体の層又は湿潤層を被着する前記手段に供給するためのある容積の液体の層を設けることができる。一般的に、液体の容積は、第2の容器の全容積よりも20%又は10%だけ少なくするのが好ましい。
【0034】
第1の容器を囲んで液体の層又は湿潤層を被着することにより、この第1の容器の壁部を、20℃に、又は20℃に極めて近くしうる周囲温度に近い温度に維持することもできる。
【0035】
又、第2の容器により画成された容積にポンプ処理を行って、装置から不純物の量を最大に除去する。
【0036】
本発明は、
‐ 測定すべきチャージを入れて収容する第1の容器を画成する手段と、
‐ 前記第1の容器を囲む第2の容器を画成する手段と、
‐ 測定すべきチャージ上に又はその近くに設けるべき、熱交換器を形成する第1の手段と、
‐ 前記第1の容器を画成する前記手段に被着すべき、熱交換器を形成する第2の手段と
を具え、チャージの残留パワーを測定する装置をも提供する。
【0037】
この装置は更に、測定すべきチャージが挿入されるチューブ又は被覆体を具え、熱交換器を形成する前記第1の手段が、このチューブ又は被覆体に被着されているか又はこのチューブ又は被覆体内に収容されているようにしうる。
【0038】
熱交換器を形成する前記第1及び第2の手段の各々が、ポンプと、流量計と、熱伝達流体の入力温度を、熱交換器を形成する前記第1又は第2の手段に導入する手段と、前記熱伝達流体の入力温度及び出力温度を測定する手段とを有するようにしうる。
【0039】
本発明は、上述した何れの例においても説明した本発明の装置を以下に説明するように用いてチャージの残留パワーを測定する方法にも関するものである。
【0040】
従って、本発明は、
‐ 第2の容器内に収容されている第1の容器内に、測定すべきチャージを挿入するステップと、
‐ 前記第1の容器を囲んで、例えば1mm又は2mmよりも薄肉とした液層又は湿潤層を被着するステップと、
‐ 前記第1の容器の外部又は前記第2の容器の内部の蒸気の温度及び圧力の双方又は何れか一方を一定値に維持するステップと
を有するチャージの残留パワーを測定する方法をも提供する。
【0041】
前記第1の容器囲んで液層又は湿潤層を存在させることにより、特に、第1の容器の壁部から、従って液層又は湿潤層から、これを第2の容器から分離しているスペース内に経方向で熱を伝達させることができる。
【0042】
この方法は更に、前記第1の容器上の部分又はこの第1の容器に対向する部分と、前記第2の容器内との双方又は何れか一方の温度及び圧力の双方又は何れか一方を測定するステップを有するようにしうる。
【0043】
本発明方法の一例によれば、この方法が、
‐ 前記第2の容器内で、凝縮路内の熱伝達流体を循環させるステップと、
‐ 前記凝縮路内の熱伝達流体の流量を、前記第1の容器上の部分又はこの第1の容器に対向する部分と、前記第2の容器内との双方又は何れか一方の温度及び圧力の双方又は何れか一方の測定に関連させて変更するステップと
を有するようにする。
【0044】
前記凝縮路内に入る前記熱伝達流体の入力温度を一定に維持するようにすることができる。
【0045】
前記熱伝達流体の入力温度及び出力温度は前記凝縮路の入力部及び出力部で測定するのが有利である。
【0046】
本発明の他の例によれば、前記チャージが生じる熱を、音速ノズルを介して一定の流速で抽出するようにする。
【0047】
電源により給電される電気抵抗を液層内に浸漬させ、この電気抵抗に供給された電力の変化を測定するようにしうる。
【0048】
本発明は、
‐ 第2の容器内に収容されている第1の容器内に、測定すべきチャージを配置するステップと、
‐ 熱伝達流体の第1の循環を、測定すべきチャージ上に又はこれに近接して実行するステップと、
‐ 熱伝達流体の第2の循環を、前記第1の容器を画成する手段上に実行するステップと
を有する、チャージの残留パワーを測定する方法をも提供する。
【0049】
本発明の一例によれば、
‐ 遮蔽された吸収性シールド内に核型のチャージを挿入するステップと、
‐ アセンブリを飽和温度又は設定圧力で水/蒸気容器内に配置するステップと、
‐ 液体水を前記水/蒸気容器の底部における貯蔵部から毛管構造体を介して前記シールドの外側面に供給するステップと、
‐ 熱を、液体水の蒸発により前記シールドから抽出するとともに、音速ノズルを介して、又は内部凝縮器の二次流れにより、すなわち、流速を調整することにより、前記水/蒸気容器から抽出して、前記シールドの表面温度を一定に維持するステップと
を実行する。
【0050】
前記二次流れのエンタルピーバランスは瞬間的な残留パワーのイメージとする。
【0051】
本発明による装置又は方法で用いる測定技術は熱量測定型である。
【0052】
本発明によれば、大きなパワー範囲に亘って短い応答時間で正確な測定を行って、いかなる消失動態をも監視することができる。すなわち、本発明は、(幾何学的形状、パワー、動態等において)いかなる種類の核型のチャージにも適用しうる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1A】図1Aは、本発明の第1の実施例を示す側面図である。
【図1B】図1Bは、本発明の第1の実施例を示す断面図である。
【図2】図2は、本発明の第2の実施例を示す。
【図3】図3は、本発明の第3の実施例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0054】
説明する3つの実施例では、チャージ2、例えば核型のチャージが、参照符号1で全体的に示す測定装置内に配置されている。このチャージはしばしば、極めて細長い円柱ロッドの形態をしており、この円柱ロッドは場合に応じ、約10mmの直径に対し500mmまでの長さを有している。他の直径も可能であり、その場合には、測定装置の大きさもこの他の直径に適合させる。
【0055】
残留パワーの消失動態を測定すべきチャージ2は、既知の形状の、シールド(遮蔽体)とも称される金属筐体4内に収容されている。この金属筐体は対称軸線XX′に沿って延在させるのが好ましい。この金属筐体は円筒形状としうる。
【0056】
シールド4自体は、第1の壁部12により画成されている主容器11内に配置されており、この主容器自体は、絶縁層14と、(測定装置1の外部放射に対し保護する)熱放射反射体16とにより保護された真空容器13内に配置されている。壁部12も、対称軸線として軸線XX′を有しうる。この壁部12もほぼ円筒形状としうる。
【0057】
このシールド4の長さは、ほぼ55mmの直径に対しほぼ500mmとしうる。このシールドは機械加工可能なタングステン合金で形成しうるが、単一のブロックとするか又は多層とするかにかかわらず、廉価にするために鉛のような他の吸収材料でも形成しうる。タングステン合金は核燃料に適用するのに有利である。その理由は、タングステン合金の線(リニア)吸収が強く、シールドの厚さを制限することができる為である。更に、タングステン合金の熱伝導率が高いことにより、測定装置の等温性を高め、これによりエネルギーの慣性蓄積を制限しうる。
【0058】
図1A(側面図)及び図1B(図1AのラインAA′に沿う断面図)を参照して、本発明の第1の実施例を説明する。この第1の実施例は、透熱式熱流量型の熱量計である。
【0059】
この第1の実施例は上述したのと同一の構造を有する。
【0060】
又、薄層状の液体10(液体としては水が好ましいが、フレオン(登録商標)のような他の液体を用いることができる)がシールド4からある距離(数センチメートル)離してこのシールドの下側に配置されている。図1A及び1Bに示す構造では、水の薄層は、測定装置の製造中でその如何なる動作的な使用の前にこの測定装置に(実際には容器11内に)加えられる。更に、容器11は、測定に悪影響を及ぼすおそれのある不純物をできるだけ多く排除するために、予め真空下に配置しておく。測定装置の内側は封止されており、従って、水が外部に蒸発するおそれがない。
【0061】
一般には、シールド4を湿潤させずに、(以下に説明する)手段6を湿潤させるのに充分な量の液体を測定装置内に入れる。シールドは水中に浸漬されないが、手段6により水又は液体の膜をシールドの表面上に生ぜしめる。この量の液体の体積は、容器12により画成されている主容器11の全容積の20%よりも少なくするのが好ましく、且つ1%よりも多くするのが好ましい。原理的には、容器11の容積の数%程度の量の液体で充分としうるが、システムのある不完全性、特に水平性に生じるおそれのある不完全性を考慮する必要がある。この理由で、如何なる瞬時にも手段6の湿潤処理を保証するために、1%又は数%よりも多い液体を加えるのが好ましい。
【0062】
動作に当たっては、シールド4の壁部、好ましくはその対称軸線と、水の薄層の表面とが、例えば、5cmと10cm又は20cmとの間の相互間距離dで互いにほぼ平行に位置するように、測定装置を配置する。換言すれば、測定装置又はシールド4を、支持体33上に、又は測定装置に対する支持体を構成する如何なる種類ともしうる手段上にほぼ水平に配置する。
【0063】
手段6は、この水又は液体の少なくとも一部分をシールド4の周囲に持ち上げる作用をする。シールドに含まれるチャージ2によって生ぜしめられ、シールドにより放出される熱により、シールドの周囲に持ち上げられた水の少なくとも一部分を気化させる。
【0064】
手段6は、例えば、シールド4を囲む毛管構造体又はこのシールドを囲む毛管膜を構成する。この毛管構造体は、このシールドの外側面に、抽出すべき最大パワーに対し充分な流速で水を送給する(例えば、300Wの最大パワーに対し約0.12g/秒の水を吸引してシールド4の周囲の表面上に配水させる)。手段6は、例えば、繊維質材料又は多孔性材料又は凹凸のある材料の層を有し、最初に、この層を容器の底部に位置する水10の貯蔵部と接触するように配置し(この層を図1Bに示すようにこの水に浸漬させ)、次に、この層によりシールド4の側壁(又は少なくとも、対称軸線XX′に平行なこのシールドの壁部)を包むようにする。更に、ポンプにより送給される液体の巡回路を用いることもできるが、測定装置内にポンプを存在させることにより、測定装置自体にエネルギーを必要とさせるとともに、実行したい測定であって極めて正確とする必要がある測定に悪影響を及ぼすおそれがある。
【0065】
上述したようにして、ミリメータの又はサブミリメータの厚さの水又は湿潤層を、シールド4を囲むように形成する。この層の厚さは例えば、1mm又は2mmよりも薄くする。
【0066】
この構造によれば、シールド4から、このシールドを壁部12から分離する空間への経方向の熱伝導を達成しうる。
【0067】
このように、第1の容器を囲むように形成された液体薄層は、蒸発によりシールド4の表面温度を決定するとともに、温度が調整された場合でも、大きな温度差のない大きな熱流束を抽出しえない多量の水がシールド4を囲んで存在する場合と相違して局所熱流束に対し殆ど感応しない。本発明による装置では、このようにシールド4の表面上の温度が均一になると、熱慣性が高いにもかかわらず、シールド中の熱伝導がもっぱら経方向であり、従って、短い長さに亘ることにより、シールド中のエネルギー蓄積量γを低くするとともに、応答時間を短くできる。
【0068】
シールドの表面温度は、周囲温度に極めて近い値に、すなわち、18℃〜20℃の温度(又はこの範囲外でも可能)に決定し、これにより熱損失を著しく制限するようにするのが好ましい。一方、容器11内の温度は周囲温度に対して変えることができる。これらの状態を考慮するように熱平衡を補正することができる。
【0069】
このようにして、ある種の第2の等温容器が形成され、この第2の等温容器はその温度を特に周囲温度に調整することにより熱損失をも制限しうる。
【0070】
次に、容器11内の液体の充填レベル及び温度により、この容器11内の圧力を固定させる。
【0071】
本発明によれば、特に、シールド4を液体内に浸漬させ、動作圧力を低くして液体と蒸気との混合体の容積を極めて大きくする(膨張レベル)技術に比べて、シールド4を囲む液体薄層を蒸発させることは極めて有利である。
【0072】
シールド4の上部には、熱伝達流体を循環させうる凝縮器形成手段8を配置する。これらの凝縮器手段、例えば熱伝達流体の循環ループは、前述したように気化されて容器内に蒸気の形態で存在する水の凝縮を可能にする。
【0073】
これらの凝縮器手段では、熱伝達流体を、例えば1秒当たり10分の数グラムと1秒当たり約10グラムとの間の流速で循環させる。
【0074】
この凝縮器手段8の表面と熱伝達流体の最大流速とは、クライオスタットによって決定される熱伝達流体の入力温度で最大パワーが抽出されるように適合させる。
【0075】
好適な一実施例によれば、凝縮器手段8の表面を特に大きくすることにより、熱伝達流体の出力温度を容器11内の飽和温度に近い値としうるようになる。
【0076】
熱伝達流体が凝縮器手段8に入った際のこの熱伝達流体の温度と、熱伝達流体が凝縮器手段8から出た際のこの熱伝達流体の温度との間の差は、その測定の精度に適合しうる最小値に減少させるのが好ましい。代表的には、使用に際し、凝縮器手段、すなわち液体の巡回路8における流体の入力温度とその出力温度との間の差は約10℃とする。
【0077】
従って、熱パワーは、エンタルピー流が瞬間的な残留パワーのイメージとなる凝縮器手段の液体の二次流れにより容器11から抽出される。
【0078】
凝縮後、水が重力の下で容器の底部に降下し、これによりほぼ一定の水位10を維持しうるようにする。容器の内側は、水が直接シールド上に降下せずに、液体である底部10内に降下するように設計する。
【0079】
主容器11内に配置された温度センサ及び圧力センサの双方又は何れか一方を用いて、この主容器11内の雰囲気の温度及び圧力の双方又は何れか一方を少なくとも一回測定しうるようにする。
【0080】
しかし、精度を良好にするために、シールド4の壁部で直接得られる温度を測定するのが好ましい。この場合、温度プローブ17をこれらの壁部に被着する。この温度プローブは、1/100℃の精度を有するプラチナプローブとするのが好ましい。
【0081】
温度及び圧力の双方又は何れか一方に関するデータ、例えば、プローブ17により得られる温度データを制御手段19に供給し、測定装置1の外部に位置するポンプ18、例えば、可変速度容積移送式ポンプを制御するようにする。一例によれば、このポンプを高周波ステッピングモータにより駆動する。
【0082】
このポンプ18は、凝縮器手段8内で循環する熱伝達流体の流速を調整して、測定した温度及び圧力の双方又は何れか一方を一定に維持するようにするのに用いられる。熱伝達流体に対する巡回路は、流量計と、熱伝達流体の入力温度を凝縮器手段8内に導入するクライオスタット30と、凝縮器手段の入力部及び出力部における温度を測定する手段32及び34とを有する。流量計は“コリオリ”式とするのが好ましい。
【0083】
プローブ17の例としては、このプローブが流量調整手段と相俟って、シールド4の壁部を等温で一定温度に維持しうるようにする。容器11内の温度又は圧力を測定することにより、これらのパラメータを測定中に一定に維持するようにする。
【0084】
容器11内で又は容器4の壁部上で測定される温度及び圧力の双方又は何れか一方の値は、シールド4を囲む雰囲気を数十ミリバール(1ミリバールは100パスカル)、例えば、26ミリバールに維持し、水10が低温度又は周囲温度、例えば、ほぼ22℃で又は30℃よりも低い温度で沸騰しうるようにする値とする。
【0085】
容器11の温度状態を周囲温度に近い値に調整することにより、熱損失を最少にすることもできる。
【0086】
シールド4の表面を等温性にし、このシールドの壁部に対し熱伝導性材料を使用し、シールド4の表面温度又は容器11内の温度及び圧力の双方又は何れか一方を調整又は制御(この調整又は制御は凝縮器手段8内の熱伝達流体の二次流れによって得られる)することにより、慣性蓄積を最少にする。
【0087】
最大パワーが260Wで、最小パワーが4Wで、直径が10mmで、長さが500mmである円柱状の核型のチャージの場合、本発明の測定装置によれば、6ヶ月の全測定範囲に亘る残留パワーの評価を1%よりも少なくするのと、1%の消失に対する最小時間を30秒にするのとを保証する。更に、本発明の装置の応答時間は極めて短く、例えば、20秒よりも又は10秒よりも短くなる。この応答時間は、測定装置内で殆ど瞬時的に(ステップ関数で)生じるあるパワー変化を測定するのに必要とする時間に相当する。
【0088】
本例では、容器11内に入れる必要がある水の最少量はこの容器11の容積の約1%である。この容器の容積は約4リットルである為、シールド4を湿潤させずに毛管システム(手段)6を湿潤させうる水の最少量は約40cm3 である。水平性の如何なる不備をも相殺するために、本例では、1%よりも多い割合の、例えば、300cm3 の液体を加えることを選択する。周囲温度は20℃程度であり、シールド4の壁部の温度は周囲温度にできるだけ近くに維持される為、容器11により画成された容積内の絶対圧力は約20ミリバールとなる。熱平衡ためには、本例での熱損失を85mW/Kとする。
【0089】
一般に、本発明による上述した測定装置によれば、熱伝達流体の流速によりシステムの熱平衡を測定しうる。測定すべきパワーは、熱伝達流体の流速と、凝縮器手段8内に入る熱伝達流体の入力温度と、この凝縮器手段8から出る熱伝達流体の出力温度とに直接有効に関連する。これらの2つの温度はほぼ一定に維持され且つ測定される為、チャージ2の残留パワーを得るための流速を測定しうる状態にある。
【0090】
図示していない計算手段により適用しうるデータ処理の一例は、
‐ センサの伝達関数を考慮して、測定した電気的な大きさ(温度、流速)を典型的な物理的な大きさに変換するステップと、
‐ 随意ではあるが、冗長度のようなコヘーレンス基準を制御するステップと、
‐ 関連の不確定性の伝搬を伴う、熱損失と慣性蓄積とのバランスを含む、凝縮器手段中の二次流れのエンタルピーバランスを用いて、瞬時的な残留パワーを評価するステップと
を具える。
【0091】
この測定装置では、チャージの残留パワーを凝縮器手段8の二次流れの質量流により抽出する。熱伝達流体の入力温度はクライオスタットにより一定に維持でき、従って、熱伝達流体の流量を調整することにより、容器11内又はシールド4の壁部上の温度及び圧力の双方又は何れか一方を一定に維持しうる。
【0092】
本例では、放射線α及びβによる影響又は放射線γによる影響にかかわらず、残留パワーへのあらゆる影響を測定することができる。
【0093】
本発明の他の実施例を図2に示す。本例は、パワー補償が行われる透熱式の熱量計に関するものである。
【0094】
図1Aに示す参照数字と同じ参照数字は図1Aの素子と同じ又は同様な素子を示す。
【0095】
従って、遮蔽体又はシールド4に加えて、このシールドの周囲に水分層、すなわち、水又は液体10の薄層を形成する毛管構造体6が設けられている。前述したことは特に、この水分層(この水分層の機能、厚さ、容器11の容積に対する割合としての容積)と、毛管構造体6と、この場合も存在する液体10の薄層とに適用される。水を充填する前に、測定装置内を真空にする。
【0096】
この場合も、動作に際しては、シールド4の壁部と、水の薄層の表面とを互いにほぼ平行とし、例えば、5cmと10cm又は20cmとの間の距離だけ互いに離間させる。換言すれば、この場合、測定装置を支持体33上にほぼ水平に配置する。
【0097】
本例では、全体的に一定のパワーで測定を行う。
【0098】
本発明の測定装置は、一定の流速で熱を抽出するのに用いる音速ノズル20を有する。実際には、熱はこのノズル20を通る蒸気の質量流(質量の流れ)により抽出される。
【0099】
抽出された熱は、最大の残留パワーよりもわずかに大きな一定の抽出パワーで較正される。
【0100】
容器12内の圧力は、液層10内に浸漬された補償用の電気抵抗22により消費されるパワーによる付随的な蒸気の発生により、残留パワーの消失中一定に保たれる。チャージ2の瞬時的な残留パワーは、ノズルの一定のエンタルピーパワーと補償用の電気抵抗のパワーとの間の差である。変形例としては、前述したプローブ17のようなプローブを用いて、容器11内の蒸気の温度又はシールド4の温度を一定に維持しようとすることもできる。しかし、容器11内の圧力を一定にして動作させるのがより一層実際的である。
【0101】
パワーの変化は電圧又は電流調整手段29により補償用の電気抵抗22に供給され、この電圧又は電流調整手段自体は、一定に維持される2相容器の圧力により制御する。この圧力は、センサ40により容器内で測定し、パワーの変化は、所定の容器圧力に対するチャージ2のパワーの変化を表す。臨界ノズル20は、較正により分かる質量流、従って、エンタルピーパワーPe(質量流Dmと気化の潜熱Cvとの積)を生じ、残留パワーは、エンタルピーパワーPeから補償用の電気抵抗22の電力(電気パワー)
【数1】

を減算した値に等しい。
【0102】
この場合も、測定データの処理を計算手段(図示せず)により実行しうる。
【0103】
この計算手段は、上述した通りに、すなわち、
【数2】

の通りに残留パワーPrを計算するのに用いることができる。
【0104】
消費される全エネルギーが少ないか、残留パワーが少ないか、又は時間が短い場合には、本例によれば、適用した初期の水の量に対して水を消失させる機能を有することができる。
【0105】
消費される全エネルギーが多い場合には、ノズル20により取り出された蒸気を水に再生利用し、液相10に再注入しうる。例えば、蒸気を外部のクライオスタット内で液化させ、測定装置の底部における容器12の水だめ10に重力の下で再供給する。換言すれば、本例では、蒸気は測定装置から排出されるが、この測定装置の外部で液化され(図2における矢印21を参照)、この測定装置内に再注入される。
【0106】
特性、特に応答時間及び精度は前述したのと同じである。
【0107】
本発明の他の実施例を図3に示す。前述した図の実施例の参照数字と同じ参照数字は前述した実施例と同じ又は類似の部分を示す。
【0108】
電離放射線に対し防御するために、残留パワーに対するガンマ放射線による影響を評価するのが有利である。
【0109】
従って、測定装置は、主容器からパワーを抽出するのに2つのシステム(熱交換器)18及び28を用いるように構成する、すなわち、ロッド2内で又はそのすぐ周囲で消費されるパワーに対するシステム18と、シールド4内で消費されるパワーに対するシステム28とを用いるように構成することができる。この場合、図1Aにおける軸線XX′のような軸線を中心として対称となる好適な特徴を有効に維持する。特に、シールド4自体は円筒対称とするのが好ましい。
【0110】
これらの熱交換器の各々では熱伝達流体が循環される。
【0111】
一実施例によれば、各熱交換器に対し、熱伝達流体の入力温度及び出力温度を測定するとともに一定に保持させ、各液体の流量を調整する。換言すれば、各熱交換器の流体巡回路は、流量を調整するポンプと、流量計と、測定装置における流体の入力温度を決定するクライオスタットと、熱交換器の入力部及び出力部間の温度測定手段とを具える。
【0112】
第1の熱交換器18内の熱伝達流体の質量流における変化から、チャージ2の残留パワーの変化が得られる。
【0113】
第2の熱交換器28における熱伝達流体の質量流における変化から、γ放射線によるチャージ2の残留パワーの部分の変化を得ることができる。
【0114】
従って、質量流を測定する手段を各熱交換器に対し設けることができる。
【0115】
ある場合には、実用性及び安全性のために、特にチャージが核燃料型である場合には、熱交換器18はチャージ2に直接被着させず、チャージが摺動により所定の位置に入れられているチューブ又は被覆体3上又は内に被着させる。従って、このチューブ又は被覆体の壁部はチャージにできるだけ接近させて位置させる。
【0116】
熱交換器18は、α及びβ放射能の残留パワーを測定するのに用い、熱交換器28は、残留γパワーを測定するのに用いる。これらの2つのパワーは、対応する熱伝達流体の質量流と、熱交換器の入力部及び出力部間の水のエンタルピー差との積に等しい。
【0117】
この場合も、測定データの処理を計算手段(図示せず)により行うことができる。
【0118】
この計算手段は、上述した指摘に応じて、第1にα及びβ放射能の残留パワーを測定し、第2にγ放射能の残留パワーを測定する。
【0119】
以下に説明するように、熱損失につき測定及びシミュレーションを実行した。
【0120】
本発明の装置は、これを周囲温度に近い温度で機能させるとともに、有効な熱保護と、多層の抗放射線性シールドを有する真空容器と、ポリウレタン絶縁と、周囲光反射性シールドとを用いることにより、熱損失が最少となるように設計した。それにもかかわらず、測定すべきパワーは比較的低くなる場合がある為、熱損失がパワーの正確な評価を表すようにする。
【0121】
核型のチャージの電気的シミュレータを用いることにより、図1A及び1Bに示す種類の装置を、安定動作中に周囲温度に対し+5℃及び−5℃の調整温度に設定し、パワーオフ時に、シールドの温度を数時間測定してこの温度が周囲温度に向かって進行する状態を測定し、平衡状態への特性時間を、従って、その熱損失を規定する。
【0122】
測定によれば、シールド温度Tに関するデータを以下の式で示すことができることが分かった。
【数3】

ここで、αは等価な熱伝導率対装置の既知の慣性(7kJ/K)であり、これが、予測に準拠する80mW/Kの全体的な熱損失につながる。
【0123】
以下に説明するように、パワーにつき測定及びシミュレーションを実行した。
【0124】
本発明の装置は、260〜4.5Wの残留パワーを測定するように設計した為、変化するパワーを全範囲に亘り安定化する核型のチャージの電気的シミュレータを用い、凝縮器手段8の二次流れのエンタルピーパワーをこの電気的シミュレータの電力と比較する図1A及び1Bに示す種類の装置によりテストを実行した。その結果、熱損失を考慮した後のテスト結果は依然として期待した精度に匹敵しうる状態を保っていたことが分かった(誤差+/−1%)。
【0125】
本発明による装置の応答時間は短く、ほぼ10秒以下である。更に、精度は大きく保たれ、誤差は1%以下である。又、本発明の装置は、最大パワーと最小パワーとの比が100である広いダイナミクス測定に亘って動作しうる。
【0126】
本発明による装置は、その熱損失が低い為に、4W程度の最小パワーを測定するのにも採用しうる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定すべきチャージを入れて収容する第1の容器(4)を画成する手段(4)と、
前記第1の容器を囲む第2の容器(11)を画成する手段(12)と、
前記第1の容器(4)を囲んで液体の層又は湿潤層を被着する手段(6、10)と、
前記第1の容器(4)の外部の温度と、前記第2の容器(11)内の温度及び圧力の双方又は何れか一方とを一定に維持する手段(8、18、20、22)と
を具え、チャージ(2)の残留パワーを測定する装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置において、この装置が更に、前記第1の容器(4)を画成する手段(4)上の、又は前記第2の容器(11)内の、或いはその双方の温度及び圧力の双方又は何れか一方を測定する手段(17)を具える装置。
【請求項3】
請求項2に記載の装置において、この装置が、
前記第2の容器(11)内の凝縮路(8)内で熱伝達流体を循環させる手段(8、18)と、
前記熱伝達流体の流量を制御し、この流量を、前記第1の容器(4)を画成する前記手段(4)上及び前記第2の容器(11)内の温度及び圧力の双方又は何れか一方の測定に関連して前記凝縮路内で変化させる手段(19)と
を具える装置。
【請求項4】
請求項3に記載の装置において、この装置が更に、前記凝縮路(8)内の熱伝達流体の入力温度を一定に維持する手段を具える装置。
【請求項5】
請求項3又は4に記載の装置において、この装置が、前記凝縮路の入力部及び出力部に熱伝達流体の入力温度及び出力温度を測定する手段(32、34)を具える装置。
【請求項6】
請求項1に記載の装置において、この装置が音速ノズル(20)を具える装置。
【請求項7】
請求項6に記載の装置において、この装置が更に、液相(10)内に浸漬させるための電気抵抗(22)を具える装置。
【請求項8】
請求項7に記載の装置において、この装置が更に、前記電気抵抗(22)に供給されるパワーの変化を測定する手段を具えている装置。
【請求項9】
請求項7又は8に記載の装置において、この装置が更に、前記音速ノズル(20)により取り出された蒸気を液相中に再利用する手段(21)を具える装置。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか一項に記載の装置において、湿潤層を被着する前記手段が、繊維質材料又は多孔性材料又は凹凸のある材料の薄層を有している装置。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか一項に記載の装置において、前記第2の容器が流体(10)を有し、この流体の容積はこの第2の容器の容積よりも20%だけ少なくした装置。
【請求項12】
測定すべきチャージを入れて収容する第1の容器(4)を画成する手段(4)と、
前記第1の容器を囲む第2の容器(11)を画成する手段(12)と、
測定すべきチャージ(2)上に又はその近くに設けるべき、熱交換器を形成する第1の手段(18)と、
前記第1の容器(4)を画成する前記手段に被着すべき、熱交換器を形成する第2の手段(28)と
を具え、チャージ(2)の残留パワーを測定する装置。
【請求項13】
請求項12に記載の装置において、この装置が更に、測定すべきチャージ(2)が挿入されるチューブ又は被覆体(3)を具え、熱交換器を形成する前記第1の手段が、このチューブ又は被覆体に被着されているか又はこのチューブ又は被覆体内に収容されている装置。
【請求項14】
請求項12又は13に記載の装置において、熱交換器を形成する前記第1及び第2の手段の各々が、ポンプと、流量計と、熱伝達流体の入力温度を、熱交換器を形成する前記第1又は第2の手段に導入する手段と、前記熱伝達流体の入力温度及び出力温度を測定する手段とを有するようにした装置。
【請求項15】
請求項1〜14のいずれか一項に記載の装置において、前記第1の容器(4)を画成する第1の手段がタングステン又は鉛で形成されている装置。
【請求項16】
請求項1〜15のいずれか一項に記載の装置において、この装置が更に、熱絶縁層(14)及び熱放射反射体(16)を有する装置。
【請求項17】
チャージ(2)の残留パワーを測定する方法において、この方法が、
第2の容器(11)内に収容されている第1の容器(4)内に、測定すべきチャージ(2)を配置するステップと、
前記第1の容器(4)を囲んで液層又は湿潤層を被着するステップと、
前記第1の容器(4)の外部又は前記第2の容器(11)の内部の蒸気の温度及び圧力の双方又は何れか一方を一定値に維持するステップと
を有する方法。
【請求項18】
請求項17に記載の方法において、この方法が更に、
前記第1の容器(4)上の部分又はこの第1の容器(4)に対向する部分と、前記第2の容器(11)内との双方又は何れか一方の温度及び圧力の双方又は何れか一方を測定するステップ
を有する方法。
【請求項19】
請求項18に記載の方法において、この方法が、
前記第2の容器(11)内で、凝縮路(8)内の熱伝達流体を循環させるステップと、
前記凝縮路内の熱伝達流体の流量を、前記第1の容器(4)上の部分又はこの第1の容器(4)に対向する部分と、前記第2の容器(11)内との双方又は何れか一方の温度及び圧力の双方又は何れか一方の測定に関連させて変更するステップと
を有する方法。
【請求項20】
請求項19に記載の方法において、前記凝縮路(8)内に入る前記熱伝達流体の入力温度を一定に維持するようにする方法。
【請求項21】
請求項19又は20に記載の方法において、前記熱伝達流体の入力温度及び出力温度を前記凝縮路の入力部及び出力部で測定する方法。
【請求項22】
請求項17に記載の方法において、この方法が音速ノズル(20)を有し、この音速ノズルを介して、前記チャージが生じる熱を一定の流速で抽出するようにする方法。
【請求項23】
請求項22に記載の方法において、電源により給電される電気抵抗(22)を液層(10)内に浸漬させ、この電気抵抗(22)に供給された電力の変化を測定する方法。
【請求項24】
チャージ(2)の残留パワーを測定する方法において、この方法が、
第2の容器(11)内に収容されている第1の容器(4)内に、測定すべきチャージ(2)を配置するステップと、
熱伝達流体の第1の循環を、測定すべきチャージ(2)上に又はこれに近接して実行するステップと、
熱伝達流体の第2の循環を、前記第1の容器(4)を画成する手段上に実行するステップと
を有する方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2011−501175(P2011−501175A)
【公表日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−530468(P2010−530468)
【出願日】平成20年10月24日(2008.10.24)
【国際出願番号】PCT/EP2008/064424
【国際公開番号】WO2009/053456
【国際公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【出願人】(310015293)
【Fターム(参考)】