説明

炊飯器用落とし蓋

【課題】円形状の金網体の表面に丸棒材からなる円環形状の外枠体がスポット溶接されてなるから、金網体と外枠体との固着を容易に行うことができ、製作コストの低減を図ることができ、かつ、外枠体が丸棒材からなるから、落とし蓋が電気炊飯器の釜内で移動したとき、釜内面への衝突による釜内面の損傷を防ぐことができる。
【解決手段】円形状の金網体1の表面に丸棒材からなる円環形状の外枠体2がスポット溶接されてなり、又、円形状の金網体の表面及び裏面に丸棒材からなる同一円環形状の一対の外枠体がそれぞれスポット溶接されてなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は例えば電気炊飯器やガス炊飯器等の炊飯器に用いられる炊飯器用落とし蓋及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来この種の炊飯器用落とし蓋として、円形状の金網体の周縁に断面コ状の円形状の外枠体を縁巻込成形により固着してなる構造のものが知られている。
【特許文献1】実公平5−20258号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながらこの従来構造の場合、金網体と外枠体との固着が厄介であり、それだけ、製作コストの低減を図ることができないことがあるという不都合を有している。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明はこれらの不都合を解決することを目的とするもので、本発明のうちで、請求項1記載の発明は、円形状の金網体の表面に丸棒材からなる円環形状の外枠体がスポット溶接されてなることを特徴とする炊飯器用落とし蓋にある。
【0005】
又、請求項2記載の発明は、円形状の金網体の表面及び裏面に丸棒材からなる同一円環形状の一対の外枠体がそれぞれスポット溶接されてなることを特徴とする炊飯器用落とし蓋にある。
【0006】
又、請求項3記載の発明は、上記一対の外枠体の外周縁部により形成される周凹部に弾性リングを嵌着してなることを特徴とするものであり、又、請求項4記載の発明は、上記金網体の中央部に取手体を溶接してなることを特徴とするものであり、又、請求項5記載の発明は、上記金網体及び外枠体にフッ素樹脂表面加工を施してなることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明は上述の如く、請求項1記載の発明にあっては、円形状の金網体の表面に丸棒材からなる円環形状の外枠体がスポット溶接されてなるから、金網体と外枠体との固着を容易に行うことができ、製作コストの低減を図ることができ、かつ、外枠体が丸棒材からなるから、落とし蓋が電気炊飯器の釜内で移動したとき、釜内面への衝突による釜内面の損傷を防ぐことができる。
【0008】
又、請求項2記載の発明にあっては、円形状の金網体の表面及び裏面に丸棒材からなる同一円環形状の一対の外枠体がそれぞれスポット溶接されているから、使用時において、落とし蓋が電気炊飯器の釜内で移動したとき、角部の無い丸棒材からなる外枠体が衝突し、釜内面への衝突による釜内面の損傷を良好に防ぐことができる。
【0009】
又、請求項3記載の発明にあっては、上記一対の外枠体の外周縁部により形成される周凹部にシリコンゴム等の弾性リングを嵌着してなるから、使用時において、落とし蓋が電気炊飯器の釜内で移動したとき、釜内面に弾性リングが衝突して釜内面の損傷を良好に防ぐことができ、又、請求項4記載の発明にあっては、上記金網体の中央部に取手体を溶接してなるから、落とし蓋の使用の利便性を高めることができ、又、請求項5記載の発明にあっては、上記金網体及び外枠体にフッ素樹脂表面加工を施してなるから、落とし蓋を衛生的に使用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1乃至図10は本発明の実施の形態例を示し、図1乃至図8は第一形態例、図9は第二形態例、図10は第三形態例である。
【0011】
図1乃至図8の第一形態例において、1は金網体であって、この場合、線径0.5mm、ピッチ2.5mmの鉄製金網が用いられ、この金網体1の裏面に線径2.5mmの丸棒材からなる外径175mmの円環形状の外枠体2がスポット溶接され、金網体1の中央部に線径2mmの丸棒材からなる鉄製の取手体3がスポット溶接され、この金網体1、外枠体2及び取手体3にフッ素樹脂表面加工Fが施され、落とし蓋Mを製造するようにしている。
【0012】
この場合の製造手順は、先ず、図4の如く、定寸切断した金網体1を用意し、次いで、図5の如く、鉄製丸棒材を円環形状に折曲して突き合わせ端部を溶接してなる円環形状の外枠体2を金網体1の表面にスポット溶接し、次いで、図6の如く、金網体1を外枠体2の外周縁に沿って切断し、次いで、図7の如く、金網体1の中央部に丸棒材からなる鉄製の取手体3をスポット溶接し、次いで、洗浄後、この金網体1、外枠体2及び取手体3にフッ素樹脂表面加工Fを施すようにしている。
【0013】
この実施の第一形態例は上記構成であるから、例えば、図8の如く、電気炊飯器Kの釜G内に入れた米D上に外枠体2を下にして落とし蓋Mを載置し、この状態で炊飯することになり、落とし蓋Mの存在により、加熱された水の熱により金網体1が加熱され、この加熱された金網体1の熱が下方の米Dに放熱され、金網体1は蒸気を上方に逃がし、これら作用により良好な炊飯作用がなされ、美味しい米飯を炊くことができる。
【0014】
この際、上記落とし蓋Mは、円形状の金網体1の表面に丸棒材からなる円環形状の外枠体2がスポット溶接されてなるから、金網体1と外枠体2との固着を容易に行うことができ、製作コストの低減を図ることができ、かつ、外枠体2が丸棒材からなるから、落とし蓋Mが電気炊飯器Kの釜G内で移動したとき、、釜G内面への衝突による釜G内面の損傷を防ぐことができる。
【0015】
又、この場合、上記金網体1の中央部に取手体3を溶接してなるから、落とし蓋Mの使用の利便性を高めることができ、又、この場合、上記金網体1及び外枠体2にフッ素樹脂表面加工Fを施してなるから、落とし蓋Mを衛生的に使用することができる。
【0016】
図9の第二形態例は別例構造を示し、この場合、円形状の金網体1の表面及び裏面に丸棒材からなる同一円環形状の一対の外枠体2・2がそれぞれスポット溶接されている。
【0017】
この第二形態例にあっては、上記第一形態例と同様な作用効果を得ることができると共に円形状の金網体1の表面及び裏面に丸棒材からなる外枠体2・2がそれぞれスポット溶接されているから、使用時において、落とし蓋Mが電気炊飯器Kの釜G内で移動したとき、角部の無い丸棒材からなる外枠体2・2が衝突し、釜G内面への衝突による釜G内面の損傷を良好に防ぐことができる。
【0018】
図10の第三形態例は別例構造を示し、この場合、上記一対の外枠体2・2の外周縁部により形成される周凹部Eに線径2mmのシリコンゴム等の弾性リング4を嵌着して構成している。
【0019】
この第三形態例にあっても、上記第一形態例と同様な作用効果を得ることができると共に上記一対の外枠体2・2の外周縁部により形成される周凹部Eにシリコンゴム等の弾性リング4を嵌着してなるから、使用時において、落とし蓋Mが電気炊飯器Kの釜G内で移動したとき、釜G内面に弾性リング4が衝突して釜G内面の損傷を良好に防ぐことができる。
【0020】
尚、本発明は上記実施の形態例に限られるものではなく、金網体1、外枠体2、取手体3、弾性リング4の構造や形態、材質、表面加工等は適宜変更して設計される。
【0021】
以上、所期の目的を充分達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施の第一形態例の全体斜視図である。
【図2】本発明の実施の第一形態例の側断面図である。
【図3】本発明の実施の第一形態例の部分拡大縦断面図である。
【図4】本発明の実施の第一形態例の製造工程説明図である。
【図5】本発明の実施の第一形態例の製造工程説明図である。
【図6】本発明の実施の第一形態例の製造工程説明図である。
【図7】本発明の実施の第一形態例の製造工程説明図である。
【図8】本発明の実施の第一形態例の使用状態図である。
【図9】本発明の実施の第二形態例の部分拡大縦断面図である。
【図10】本発明の実施の第三形態例の部分拡大縦断面図である。
【符号の説明】
【0023】
M 落とし蓋
E 周凹部
1 金網体
2 外枠体
3 取手体
4 弾性リング


【特許請求の範囲】
【請求項1】
円形状の金網体の表面に丸棒材からなる円環形状の外枠体がスポット溶接されてなることを特徴とする炊飯器用落とし蓋。
【請求項2】
円形状の金網体の表面及び裏面に丸棒材からなる同一円環形状の一対の外枠体がそれぞれスポット溶接されてなることを特徴とする炊飯器用落とし蓋。
【請求項3】
上記一対の外枠体の外周縁部により形成される周凹部に弾性リングを嵌着してなることを特徴とする請求項2記載の炊飯器用落とし蓋。
【請求項4】
上記金網体の中央部に取手体を溶接してなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の炊飯器用落とし蓋。
【請求項5】
上記金網体及び外枠体にフッ素樹脂表面加工を施してなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の炊飯器用落とし蓋。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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