説明

炊飯器

【課題】ユーザの手間を増やすことなく必要な場合のみ炊飯器の蓋を自動開閉する。
【解決手段】上面が開口した炊飯器本体100と、炊飯器本体内に着脱自在に収納される鍋101と、炊飯器本体の上面開口部を開閉自在に覆う蓋102と、蓋の開閉を検知する蓋開閉検知手段103と、炊飯器本体内に鍋の有無を検知する第一の鍋検知手段104と、炊飯器本体外の近接に鍋の有無を検知する第二の鍋検知手段205と、蓋開閉検知手段103と第一の鍋検知手段104と第二の鍋検知手段205の情報を基に蓋の自動開閉が必要かどうかを判定する蓋開閉判定部208とを備え、ユーザが必要な時に蓋を自動で開閉する。これにより、ユーザは炊飯や収納のための鍋の出し入れ操作だけで炊飯器本体の蓋を自動で開閉させることができ、また従来の蓋の開閉のための手間を削減することもできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は自動で蓋を開閉する機能を有する炊飯器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、着脱自在に収納できる鍋を備える炊飯器ではユーザは以下の手順で炊飯の準備を行う。まず、炊飯器の蓋を開け、炊飯器本体から鍋を取り出す。次に洗米した米と米の量に対応した水を鍋に入れ、再び炊飯器本体に鍋を戻す。そして、炊飯器本体の蓋を閉め、炊飯ボタンを押下する。
【0003】
ここで、鍋を取り出した後、炊飯器本体の蓋を開けたままにしておくと、本体内部にゴミなどが混入したり、幼児がいたずらによって手を挟んで怪我をしてしまう可能性などがある。また、蓋が開いていることで余分な空間をとり他の作業の邪魔になることも考えられる。その一方、炊飯器本体の蓋を閉めると鍋を炊飯器本体に戻すために再び蓋を開けなければいけない手間が増える。特に洗米した米と水を入れた鍋は重く片手で持つことができないため、蓋を開けるために一度持ち上げた鍋を一旦おいて蓋を開けるか、鍋を置く場所が近接にない場合は蓋を開けるために炊飯器本体と炊事場とを往復する必要がある。
【0004】
ここで、人感検知により炊飯器の蓋を自動的に開けることが考えられるが、単純に人感検知で蓋を開けるだけでは鍋を戻すために炊飯器本体に近づいたのではない場合にも不用意に蓋が開いてしまう可能性がある。
【0005】
これに対し、炊飯器を含む従来の電気機器としては、外部信号源(例えばICタグ)からの信号を受信している間、受信信号に対応した電気機器の所定の取り扱いを可能とするものがあった(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−304166号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記従来の構成では、外部信号を受信している間所定の取り扱いを可能とするため、外部信号源を持つユーザが外部信号を受信できる範囲に入った際に自動的に蓋を開けることはできるが、ユーザが外部信号を受信できない範囲に再び移動するか信号の送信を停止しない限り蓋が開いたままとなってしまう。また、外部信号の種類により1つの操作を制御しているため、蓋の開閉を自動で行いたい場合は2種類の信号が必要になる。2種類の信号を使うためには、ユーザが操作により外部信号源から発信される信号の種類を変更するか、あらかじめ2種類の外部信号源をもち用途に合わせて信号源を使い分ける必要がある。どちらにしてもユーザに余分な手間を生じさせてしまうことになる。
【0008】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、ユーザが蓋の自動開閉を必要とする条件を判断し必要な場合にのみ蓋を自動開閉させることにより、ユーザの手間を増やすことなくかつ利便性よく使える炊飯器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記従来の課題を解決するために、本発明の炊飯器は、上面が開口した炊飯器本体と、炊飯器本体内に着脱自在に収納される鍋と、炊飯器本体の上面開口部を開閉自在に覆う蓋
と、蓋の開閉を検知する蓋開閉検知手段と、炊飯器本体内に鍋の有無を検知する第一の鍋検知手段と、炊飯器本体外の近接に鍋の有無を検知する第二の鍋検知手段と、蓋開閉検知手段と第一の鍋検知手段と第二の鍋検知手段の情報を基に蓋の自動開閉が必要かどうかを判定する蓋開閉判定部とを備え、ユーザが必要な時に蓋を自動で開閉するようにしたものである。
【0010】
これによって、鍋の収納状況から炊飯器本体の蓋の開閉のどちらが必要なのかを判定し、さらに蓋の開閉状況から本当に開閉が必要かどうか判定できるため、ユーザは従来の炊飯や収納のための鍋の出し入れ操作だけで炊飯器本体の蓋を自動で開閉させることができ、蓋の開閉のための手間を削減することができる。また、同一の検知手段で開閉を行うことができるため、ユーザは開けたいのか閉めたいのか気にして操作をする必要もない。また、蓋の自動開閉を必要な場合にのみ制限することで不要な開閉を防止し省エネも実現できる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の炊飯器によれば、炊飯器の蓋の開閉操作を削減でき、ユーザはより利便性よく使うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施の形態1〜3における炊飯器の概略構成図
【図2】本発明の実施の形態1〜3における炊飯器の制御ブロック図
【図3】本発明の実施の形態1における炊飯器の制御フローチャート
【図4】本発明の実施の形態2における炊飯器の制御フローチャート
【図5】本発明の実施の形態3における炊飯器の制御フローチャート
【図6】本発明の実施の形態4における炊飯器の概略構成図
【図7】本発明の実施の形態4における炊飯器の制御ブロック図
【図8】本発明の実施の形態4における炊飯器の制御フローチャート
【図9】従来の電気機器の制御フローチャート
【発明を実施するための形態】
【0013】
第1の発明は、上面が開口した炊飯器本体と、炊飯器本体内に着脱自在に収納される鍋と、炊飯器本体の上面開口部を開閉自在に覆う蓋と、蓋の開閉を検知する蓋開閉検知手段と、炊飯器本体内に鍋の有無を検知する第一の鍋検知手段と、炊飯器本体外の近接に鍋の有無を検知する第二の鍋検知手段と、蓋開閉検知手段と第一の鍋検知手段と第二の鍋検知手段の情報を基に蓋の自動開閉が必要かどうかを判定する蓋開閉判定部とを備え、ユーザが必要な時に蓋を自動で開閉するように構成したものである。
【0014】
これにより、ユーザは従来の炊飯や収納のための鍋の出し入れ操作だけで炊飯器本体の蓋を自動で開閉させることができ、蓋の開閉のための手間を削減することができる。また、蓋の自動開閉を必要な場合にのみ制限することで不要な開閉を防止し省エネも実現できる。
【0015】
第2の発明は、第1の発明において、蓋開閉判定部は、蓋開閉検知手段が蓋閉を検知しかつ第一の鍋検知手段が炊飯器本体内に鍋のないことを検知しかつ第二の鍋検知手段が炊飯器本体の近接に鍋があることを検知した場合に蓋を自動開放する必要があると判定するように構成したものである。
【0016】
これにより、ユーザは洗米後の米と水を入れた鍋を戻すために炊飯器本体へ近づくと自動的に蓋を開けることができ、蓋を開けるための鍋の上げ下げや炊事場と炊飯器本体との移動の手間がなく、蓋を開けるためにボタンを押下するといった操作も削減することがで
きる。また、片付けのために鍋をもって炊飯器本体へ近づいた場合も自動的に蓋を開けることができ、同様にボタンを押下する操作を削減することができる。また、必要な場合にのみ蓋を自動開放するため不要な開放を防止し省エネも実現できる。
【0017】
第3の発明は、第1または第2の発明において、蓋開閉判定部は、蓋開閉検知手段が蓋開を検知しかつ第一の鍋検知手段が炊飯器本体内に鍋のないことを検知しかつ第二の鍋検知手段が炊飯器本体の近接に鍋がないことを検知した場合に蓋を自動閉鎖する必要があると判定するように構成したものである。
【0018】
これにより、ユーザが炊飯の準備のために炊飯器本体から鍋を取り出した後炊飯器本体から離れると自動的に蓋を閉めることができる。また同様に、ユーザが片付けのために炊飯器本体から鍋を取り出した後炊飯器本体から離れると自動的に蓋を閉めることができる。
【0019】
また、蓋を閉めるためにボタンを押下する操作が削減でき、また閉め忘れることがないことで幼児のいたずらも防止でき安全である。
【0020】
第4の発明は、第1〜第3のいずれか1つの発明において、鍋と鍋に入れられた調理物の重量との総重量を検知する重量検知手段をさらに備え、蓋開閉判定部は、蓋開閉検知手段が蓋開を検知しかつ第一の鍋検知手段が炊飯器本体内に鍋があることを検知しかつ重量検知手段が検知した総重量が鍋の重量のみであった場合に蓋を自動閉鎖する必要があると判定するように構成したものである。
【0021】
これにより、ユーザが収納のために空の鍋を炊飯器本体に収納すると自動的に蓋を閉めることができ、蓋を閉めるためにボタンを押下する操作が削減でき、また閉め忘れることがないことで幼児のいたずらも防止でき安全である。また、重量を検知して空の鍋が収納された場合のみ蓋を自動的に閉めるため、炊飯のために鍋を収納した際に自動的に閉まって準備中に手を挟むようなことはなくゆっくりと安全に炊飯の準備をすることができる。
【0022】
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0023】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における炊飯器の概略構成図である。図2は、本発明の実施の形態1における炊飯器の制御ブロック図である。
【0024】
図1および図2において、炊飯器100は、炊飯器本体内に着脱自在に収納される鍋101と、炊飯器本体の上面開口部を開閉自在に覆う蓋102と、蓋102の開閉を検知する蓋開閉検知手段103と、炊飯器本体内に鍋101の有無を検知する第一の鍋検知手段104と、炊飯器本体外の近接に鍋101の有無を検知する第二の鍋検知手段205と、蓋102の開閉を制御する蓋制御手段206と、蓋制御手段206への制御指示を出力する制御部207と、蓋開閉検知手段103と第一の鍋検知手段104と第二の鍋検知手段205の情報を基に蓋の自動開閉が必要かどうかを判定する蓋開閉判定部208と、記憶部209から構成される。
【0025】
蓋開閉検知手段103は、炊飯器100の蓋102の開閉を検知するもので、この蓋開閉検知手段103は炊飯器本体100に設け、マイクロスイッチで構成し、蓋102が開くと蓋102のヒンジ部がマイクロスイッチを押下し、蓋開閉検知手段103はオン信号を出力する。
【0026】
第一の鍋検知手段104は、鍋101が炊飯器本体内に収納されているか否かを検知するもので、この第一の鍋検知手段104は、炊飯器本体100に剛体接続されたマイクロスイッチで構成し、鍋101が炊飯器本体100に収納されると、鍋底がマイクロスイッチを押下し、第一の鍋検知手段104はオン信号を出力する。なお、第一の鍋検知手段104はマイクロスイッチの他、光センサ、ホールICなどのセンサにより構成し、光の有無、磁気の変化などを利用して鍋101の収納を検知してもよい。また、本実施の形態では炊飯器本体の鍋101の鍋底との接着面にマイクロスイッチを備える構成としたが設置場所及び設置数はこれに限定されるものではなく、鍋101が炊飯器本体に収納されていることを検知できればよい。
【0027】
第二の鍋検知手段205は、鍋101が炊飯器本体外の近接に存在するか否かを検知するもので、この第二の鍋検知手段205は、炊飯器本体100に設け、鍋102に付与された情報を非接触で読み取り可能な装置とする。鍋102に付与される情報コードは、QRコード・バーコード・ICタグ等の形態でよい。第二の鍋検知手段205は、鍋102の情報読み取りに成功すると読み込んだ情報コードを含む検知信号を制御部207に送信する。
【0028】
蓋制御手段206は、炊飯器100の蓋102を自動開閉するもので、炊飯器本体100に設け、電動モータおよびギア等で構成し、回転軸を介して開閉する。
【0029】
制御部207は炊飯器100の制御機能を提供するもので、マイクロコンピュータなどで形成され、RAM(Random Access Memory)やROM(Read
Only Memory)などのメモリである記憶部209に必要な設定情報を記憶し、炊飯器100を機能させている。
【0030】
蓋開閉判定部208は、蓋開閉検知手段103と第一の鍋検知手段104と第二の鍋検知手段205の情報を基に蓋102を自動開放または自動開閉する必要があるか否かを判断するもので、制御部207の一部である。
【0031】
以上のように構成された炊飯器について、以下その動作・作用を図3の制御フローチャートを使用して説明する。
【0032】
蓋開閉判定部208は、制御部207を介して蓋開閉検知手段103と第一の鍋検知手段104から検知結果を受け取り、結果の組み合わせが蓋の開閉を必要とする条件を満たしているか否かを判定する(S301)。蓋の開放要件または蓋の閉鎖要件を満たしている場合(S301でYES)、制御部207を介し第二の鍋検知手段205に炊飯器本体の近接に鍋101を検出するよう鍋検出指示を送る(S302)。蓋の開閉要件を満たしていない場合は特になにもしない(S301でNO)。第二の鍋検知手段205は制御部207から鍋検出指示を受けると、鍋検出のために情報コードの読み取り処理を開始する。情報コードの読み取りに成功すると読み込んだ情報コードを含む検知信号を制御部207に送信する。蓋開閉判定部208は、第二の鍋検知手段205からの検知結果が蓋102を自動開放する条件または自動閉鎖する条件を満たしているか否かを判定する(S303)。
【0033】
蓋102を自動開放する要件を満たしている場合(S303でYES)、制御部207を介して蓋制御手段206に蓋102を自動で開ける指示を送る(S305)。蓋102を自動閉鎖する要件を満たしている場合(S303でNOかつS304でYES)、制御部207を介して蓋制御手段206に蓋102を自動で閉める指示を送る(S306)。どちらの要件も満たしていない場合は特になにもしない(S303でNOかつS304でNO)。
【0034】
以上のように、本実施の形態においては、ユーザは従来の炊飯や収納のための鍋の出し入れ操作だけで炊飯器本体の蓋を自動で開閉させることができ、蓋の開閉のための手間を削減することができる。また、鍋の収納状況から炊飯器本体の蓋の開閉のどちらが必要なのかを判定し、さらに蓋の開閉状況から本当に開閉が必要かどうか判定できるため、蓋の自動開閉を必要な場合にのみ制限することができ不要な開閉を防止して省エネも実現できる。また、同一の検知手段で蓋の開閉を行うことができるため、ユーザは開けたいのか閉めたいのか気にして操作をする必要もない。
【0035】
(実施の形態2)
次に、本発明における第2の実施の形態について説明する。
【0036】
実施の形態2における炊飯器の概略構成図および炊飯器の制御ブロック図は実施の形態1と同様のため説明を省略する。
【0037】
以下その動作・作用を図4のフローチャートを使用して説明する。
【0038】
蓋開閉判定部208は、制御部207を介して蓋開閉検知手段103からも第一の鍋検知手段104からもオン信号を受信しない場合(S401でNOかつS402でNO)、炊飯器本体に鍋101が収納されていない状態で蓋102が閉まっているため蓋を開ける必要があると判定し、制御部207を介し第二の鍋検知手段205に炊飯器本体の近接に鍋101を検出するよう鍋検出指示を送る(S403)。第二の鍋検知手段205は制御部207から鍋検出指示を受けると、鍋検出のために情報コードの読み取り処理を開始する。情報コードの読み取りに成功すると読み込んだ情報コードを含む検知信号を制御部207に送信する。
【0039】
蓋開閉判定部208は、制御部207を介して第二の鍋検知手段205から検知信号を受信すると(S404でYES)、検知信号に含まれる情報コードを予め記憶部209に記憶されている情報コードと比較し(S405)、情報コードが一致する場合(S405でYES)、炊飯器本体の近接に鍋を持ったユーザが近づいたため蓋を自動で開ける必要があると判定し、制御部207を介して蓋制御手段206に蓋102を自動で開ける指示を送る(S406)。第二の鍋検知手段205から検知信号を受信しない間は、炊飯器本体の近接に鍋を持ったユーザがおらず蓋を開放する必要がないため何もしない(S404でNO)。また、検知信号に含まれる情報コードが予め記憶部209に記憶されている情報コードと一致しなかった場合は、ユーザは鍋102以外のものを持って近接に移動したのであり蓋を開放する必要がないため何もしない(S405でNO)。
【0040】
以上のように、本実施の形態においては、ユーザは洗米後の米と水入れた鍋を戻すために炊飯器本体へ近づくと自動的に蓋を開けることができ、蓋を開けるための鍋の上げ下げや炊事場と炊飯器本体との移動の手間がなく、蓋を開けるためにボタンを押下するといった操作も削減することができる。また、片付けのために鍋をもって炊飯器本体へ近づいた場合も自動的に蓋を開けることができ、同様にボタンを押下する操作を削減することができる。また、必要な場合にのみ蓋を自動開放するため不要な開放を防止し省エネも実現できる。
【0041】
(実施の形態3)
次に、本発明における第3の実施の形態について説明する。
【0042】
実施の形態3における炊飯器の概略構成図および炊飯器の制御ブロック図は実施の形態1と同様のため説明を省略する。
【0043】
以下その動作・作用を図5のフローチャートを使用して説明する。
【0044】
蓋開閉判定部208は、制御部207を介して蓋開閉検知手段103からオン信号を受信し、かつ、第一の鍋検知手段104からオン信号を受信しない場合(S501でYESかつS502でNO)、炊飯器本体に鍋101が収納されていない状態で蓋102が開いているため蓋を閉める必要があると判定し、制御部207を介し第二の鍋検知手段205に炊飯器本体の近接に鍋101を検出するよう鍋検出指示を送る(503)。第二の鍋検知手段205は制御部207から鍋検出指示を受けると、鍋検出のために情報コードの読み取り処理を開始する。情報コードの読み取りに成功すると読み込んだ情報コードを含む検知信号を制御部207に送信する。
【0045】
蓋開閉判定部208は、制御部207を介して第二の鍋検知手段205から検知信号を受信すると、炊飯器本体の近接に鍋を持ったユーザがまだいるため蓋を自動で閉鎖する必要がないと判定し何もしない(S504でYES)。第二の鍋検知手段205から、所定回数または所定時間、検知信号を受信しなくなると(S504でNOかつS505でYES)、炊飯器本体の近接から鍋を持ったユーザが遠のいたため蓋を自動で閉鎖する必要があると判定し、制御部207を介して蓋制御手段206に蓋102を自動で閉める指示を送る(S506)。
【0046】
以上のように、本実施の形態においては、ユーザが炊飯の準備のために炊飯器本体から鍋を取り出した後炊飯器本体から離れると自動的に蓋を閉めることができる。また同様に、ユーザが片付けのために炊飯器本体から鍋を取り出した後炊飯器本体から離れると自動的に蓋を閉めることができる。これにより、蓋を閉めるためにボタンを押下する操作が削減でき、また閉め忘れることがないことで安全である。
【0047】
なお、第二の鍋検知手段から受信した検知信号に含まれる情報コードが記憶部209に記憶されている情報コードと一致するか否かを判定し、一致する場合にのみ検知信号を受信した、と判断してもよい。これによりユーザが他の情報コードを付与された物をもって近接にいる場合などに誤認することがない。
【0048】
(実施の形態4)
次に、本発明における第4の実施の形態について図6および図7を使用して説明する。
【0049】
図6は本発明の実施の形態4における炊飯器の概略構成図である。図7は、本発明の実施の形態4における炊飯器の制御ブロック図である。
【0050】
図6と図7において、炊飯器100は、実施の形態1に示す図1および図2に対して、鍋102に入れられた調理物の重量との総重量を検知する重量検知手段601と、重量検知手段601から得られた重量を基に、鍋102が空か否かを判定する重量判定部702をさらに備えた構成とする。
【0051】
以上のように構成された炊飯器について、以下その動作・作用を図8のフローチャートを使用して説明する。
【0052】
蓋開閉判定部208は、制御部207を介して蓋開閉検知手段103からオン信号を受信し、かつ、第一の鍋検知手段104からオン信号を受信した場合(S801でYESかつS802でYES)、制御部207を介し重量検知手段601に重量検知指示を送る(S803)。重量検知手段601は制御部207から重量検知指示を受けると重量検知処理を行い、重量検知結果を制御部207に送信する。
【0053】
重量判定部702は、制御部207を介して重量検知手段601から重量検知結果を受信すると、予め記憶部209に記憶されている鍋102の重量と比較し、同一であれば鍋は空であることを、異なる場合は鍋102は空ではないことを蓋開閉判定部208に通知する。蓋開閉判定部208は重量判定部702から鍋は空であると通知を受けると(S804でYES)、炊飯器本体に空の鍋が収納されている状態で蓋102が開いているため蓋を閉める必要があると判定し、制御部207を介して蓋制御手段206に蓋102を自動で閉める指示を送る(S805)。重量判定部702から鍋は空でないと通知を受けると(S804でNO)、調理物が入った鍋が終了されている状態で蓋102が開いているため蓋を閉める必要がないと判定し特になにもしない。
【0054】
以上のように、本実施の形態においては、ユーザが収納のために空の鍋を炊飯器本体に収納すると自動的に蓋を閉めることができ、蓋を閉めるためにボタンを押下する操作が削減でき、また閉め忘れることがないことで安全である。また、重量を検知して空の鍋が収納された場合のみ蓋を自動的に閉めるため、炊飯のために鍋を収納した際に自動的に閉まって準備中に手を挟むようなことはなくゆっくりと安全に炊飯の準備をすることができる。
【0055】
なお、本実施の形態では、第二の鍋検知手段を鍋に付与された情報を非接触で読み取り可能な装置として説明したが、音声認識装置として構成してもよい。あらかじめユーザの音声と特定のキーワードを登録しておき、ユーザの音声で特定のキーワードを検出した場合に蓋を自動開閉させてもよい。これにより、鍋をもったユーザが炊飯器近接を偶然通ったことで蓋が開放するようなことを防止でき、より確実に必要な場合にのみ蓋の自動開閉が可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0056】
以上のように、本発明にかかる炊飯器は、大型の鍋を有し炊飯量が多く重量である業務用炊飯器には特に有用である。
【符号の説明】
【0057】
100 炊飯器
101 鍋
102 蓋
103 蓋開閉検知手段
104 第一の鍋検知手段
205 第二の鍋検知手段
208 蓋開閉判定部
601 重量検知手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面が開口した炊飯器本体と、前記炊飯器本体内に着脱自在に収納される鍋と、前記炊飯器本体の上面開口部を開閉自在に覆う蓋と、前記蓋の開閉を検知する蓋開閉検知手段と、前記炊飯器本体内に前記鍋の有無を検知する第一の鍋検知手段と、前記炊飯器本体外の近接に前記鍋の有無を検知する第二の鍋検知手段と、前記蓋開閉検知手段と前記第一の鍋検知手段と前記第二の鍋検知手段の情報を基に蓋の自動開閉が必要かどうかを判定する蓋開閉判定部とを備え、ユーザが必要な時に蓋を自動で開閉する炊飯器。
【請求項2】
前記蓋開閉判定部は、前記蓋開閉検知手段が蓋閉を検知しかつ前記第一の鍋検知手段が前記炊飯器本体内に前記鍋のないことを検知しかつ前記第二の鍋検知手段が前記炊飯器本体の近接に前記鍋があることを検知した場合に蓋を自動開放する必要があると判定する請求項1に記載の炊飯器。
【請求項3】
前記蓋開閉判定部は、前記蓋開閉検知手段が蓋開を検知しかつ前記第一の鍋検知手段が前記炊飯器本体内に前記鍋のないことを検知しかつ前記第二の鍋検知手段が前記炊飯器本体の近接に前記鍋がないことを検知した場合に蓋を自動閉鎖する必要があると判定する請求項1または2に記載の炊飯器。
【請求項4】
前記鍋と前記鍋に入れられた調理物の重量との総重量を検知する重量検知手段をさらに備え、前記蓋開閉判定部は、前記蓋開閉検知手段が蓋開を検知しかつ前記第一の鍋検知手段が前記炊飯器本体内に前記鍋があることを検知しかつ前記重量検知手段が検知した総重量が前記鍋の重量のみであった場合に蓋を自動閉鎖する必要があると判定する請求項1〜3のいずれか1項に記載の炊飯器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−183016(P2011−183016A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−52715(P2010−52715)
【出願日】平成22年3月10日(2010.3.10)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】