説明

炎症及び神経疾患の治療剤及び予防剤

【課題】炎症治療剤又は予防剤、神経疾患治療剤又は予防剤を提供する。
【解決手段】ヒアルロナンを有効成分として含有する薬剤である。ヒアルロナンとしては-D-グルクロン酸-β-1,3-D-N-アセチルグルコサミン-β-1,4-を1単位とし、これを2個含む4糖(HA4)であることが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒアルロナンを有効成分とする自己免疫疾患治療剤、炎症治療剤及び神経疾患治療剤に関する。また、本発明は、ヒアルロナンを有効成分とする自己免疫疾患予防剤、炎症予防剤及び神経疾患予防剤に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒアルロナンは、D−グルクロン酸とN−アセチル−D−グルコサミンとの2糖繰り返し単位から構成されている長鎖の多糖であり、一方、オリゴ糖も知られている。ヒアルロナンは鶏冠、さい体、皮膚、関節液などの生体組織からの抽出液、またはストレプトコッカス属の細菌を用いる発酵法などにより製造され、毒性学的および免疫学的作用が存在しないため、薬剤や化粧品として利用されており、例えばヒアルロナンの関節内注射による関節炎の治療がよく知られている。以下の説明において、4糖のヒアルロナンをHA4と記載する。
【0003】
HA4には、臓器保存、肝障害および胃潰瘍に対する治療・抑制効果があることが報告されている(特許文献1参照)。また、HA4には、ストレス蛋白発現増強作用および細胞死抑制作用があることが知られている(非特許文献1参照)。
【0004】
一方、多発性硬化症は、多くは思春期から40歳代のあいだに発症し、歩くとふらつく、目がかすむ、二重に見える、尿が出にくい、および痛みやしびれなどの症状がある。子供や若い人が発症する場合には、てんかんが出ることもある。症状を現す原因となる病巣が大脳や脊髄神経に、一つ以上、散在性にできる。また、病巣が空間的に散在しているだけでなく、時間的にも症状が次々と出たり消失を呈する。多発性硬化症の病態には、免疫系が絡み、自己免疫疾患・炎症と捉えられている。また、脊髄神経が侵されることから、神経疾患のひとつとしても捉えられている。
【0005】
【特許文献1】WO2002/004471
【非特許文献1】Xu H, Ito T, Tawada A, Maeda H, Yamanokuchi H, Isahara K, Yoshida K, Uchiyama Y, Asari A. Effect of hyaluronan oligosaccharides on the expression of heat shock protein 72. J Biol Chem. 2002 10;277(19):17308-14.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、自己免疫疾患治療剤、炎症治療剤及び神経疾患治療剤を提供することを目的とする。また、本発明は、自己免疫疾患予防剤、炎症予防剤及び神経疾患予防剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した目的を達成した本発明に係る自己免疫疾患治療剤、炎症治療剤及び神経疾患治療剤は、ヒアルロナンを有効成分として含有する。また、本発明に係る自己免疫疾患予防剤、炎症予防剤及び神経疾患予防剤は、ヒアルロナンを有効成分として含有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る薬剤には、ヒアルロナンを有効成分とするものであるから、比較的安価にかつ容易に大量生産できる利点がある。また、ヒアルロナンは毒性や抗原性がほとんどないこと、生体が元来有している治療作用や疾患の防止作用を増強することから副作用の極めて少ない治療剤及び予防剤として期待される。このように、本発明によれば、自己免疫疾患、炎症及び神経疾患に有効な新規な薬剤を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明を詳細に説明する。以下の説明において、本発明に係る治療剤及び予防剤をまとめて薬剤と称する。
【0010】
本発明に係る薬剤に含まれるヒアルロナンとしては、基本的にはβ−D−グルクロン酸の1位とβ−D−N−アセチルグルコサミンの3位とが結合した2糖単位を少なくとも1個含む2糖以上のものでかつβ−D−グルクロン酸とβ−D−N−アセチルグルコサミンとから基本的に構成されるものであれば、2糖単位が1個または複数個結合したものにそれらの要素が結合した糖であってもよく、またこれらの誘導体、例えば、アシル基等の加水分解性保護基を有したもの等も使用し得る。該糖は不飽和糖であってもよく、不飽和糖としては、非還元末端糖、通常、グルクロン酸の4,5位炭素間が不飽和のもの等が挙げられる。本発明で使用するヒアルロナンとしては、具体的には動物等の天然物から抽出されたもの、微生物を培養して得られたもの、化学的もしくは酵素的に合成されたものなどいずれも使用することができる。例えば鶏冠、さい体、皮膚、関節液などの生体組織から公知の抽出法と精製法によって得ることができる。またストレプトコッカス属の細菌等を用いた発酵法によっても製造できる。
【0011】
本発明においては、ヒアルロナンオリゴ糖もヒアルロナンに包含され、上記2糖単位1個からなる2糖およびその誘導体のような低分子量のヒアルロナンから、重量平均分子量400万程度の高分子量のヒアルロナンまで使用することができる。好ましくは組織における浸透性などの点で優れる重量平均分子量380程度〜900,000程度のヒアルロナンが挙げられ、より好ましくは2〜20糖程度のヒアルロナンを挙げることができる。
【0012】
ヒアルロナンのうち分子量の低いものは、具体的には、酵素分解法、アルカリ分解法、加熱処理法、超音波処理法(Biochem., 33(1994)p6503-6507)等の公知の方法によってヒアルロナンを低分子化する方法、化学的もしくは酵素的に合成する方法(Glycoconjugate J., (1993)p435-439、WO93/20827) などで製造することが好ましい。例えば酵素分解法としては、ヒアルロナン分解酵素(ヒアルロニダーゼ(睾丸由来)、ヒアルロニダーゼ(Streptomyces由来)、ヒアルロニダーゼSDなど)、コンドロイチナーゼAC、コンドロイチナーゼACII、コンドロイチナーゼACIII 、コンドロイチナーゼABCなどのヒアルロナンを分解する酵素をヒアルロナンに作用させてヒアルロナンオリゴ糖を生成する方法(新生化学実験講座「糖質II−プロテオグリカンとグリコサミノグリカン−」p244-248、1991年発行、東京化学同人 参照)などが挙げられる。
【0013】
また、アルカリ分解法としては、例えばヒアルロナンの溶液に1N程度の水酸化ナトリウム等の塩基を加え、数時間加温して、低分子化させた後、塩酸等の酸を加えて中和して、低分子量のヒアルロナンを得る方法などが挙げられる。本発明で用いるヒアルロナンは、塩の形態を包含し、製剤上の必要に応じて、その薬学上許容できる塩を用いることができる。例えばナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩、トリ(n−ブチル)アミン塩、トリエチルアミン塩、ピリジン塩、アミノ酸塩等のアミン塩などであることができる。
【0014】
本発明の薬剤は、ある分子量のヒアルロナン単独又は種々の分子量のヒアルロナンを組み合わせたものなど特に限定することなく使用できる。本発明の薬剤は、ヒアルロナンを有効成分とするものであり、その有効量をヒトを含む哺乳動物に投与することによって生体に悪影響を与えることなく自己免疫疾患、炎症及び神経疾患からなる群から選ばれる少なくとも1種の疾患を改善することができる。自己免疫疾患、炎症及び神経疾患としては多発性硬化症を挙げることができる。但し、自己免疫疾患及び炎症としては、多発性硬化症に限定されず、例えば、リウマチ、全身性エリテマトーデス、炎症性腸炎、ブドウ膜炎、腎炎、腎症、I型糖尿病、アトピー性皮膚炎、シェーグレン症候群、インスリン受容体異常症、血管炎、重症筋無力症、多発性筋炎、喘息、橋本病が挙げられる。また、神経疾患としては、多発性硬化症に限定されず、例えば、神経炎、神経痛、神経麻痺、脳卒中、脳性麻痺、鬱病、老人性痴呆症、パーキンソン病、アルツハイマー病、レックリングハウゼン病、もやもや病、クラッベ病、急性散在性脳脊髄炎、脊髄神経根神経障害、急性播種性脳脊髄炎、視神経脊髄炎、副腎白質ジストロフィー、異染性白質ジストロフィー、筋萎縮性側索硬化症、末梢神経障害(末梢神経損傷、ギランバレー症候群、絞扼性神経障害、腕神経叢麻痺、糖尿病性ニューロパチーなど)等を挙げることができる。すなわち、ヒアルロナンを有効成分として含む薬剤は、上述した各種の自己免疫疾患、炎症及び神経疾患に対して治療効果及び予防効果がある。
【0015】
本発明の薬剤は、ヒアルロナン又はその塩を、そのまままたは必要に応じて担体、賦形剤、その他の添加物と共に、経口的あるいは非経口的に投与(関節内投与、静脈内、筋肉内、皮下などの組織内投与(注射)、経腸投与、経皮投与など)するための医薬品として、任意の剤形に製剤化することが可能であり、任意の投与方法で患者に投与される。
【0016】
経口製剤としては、散剤、顆粒剤、カプセル剤、錠剤等の固形製剤;シロップ剤、エリキシル剤、乳剤等の液状製剤を挙げることができる。散剤は、例えば、乳糖、デンプン、結晶セルロース、乳酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、無水ケイ酸等の賦形剤と混合して得ることができる。顆粒剤は、上記賦形剤のほか、必要に応じ、例えば白糖、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン等の結合剤や、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム等の結合剤や、カルボキシメチルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム等の崩壊剤をさらに加え、湿式又は乾式で造粒して得ることができる。錠剤は、上記散剤又は顆粒剤をそのまま、或いはステアリン酸マグネシウム、タルク等の滑沢剤を加えて打錠して得ることができる。また、上記錠剤又は顆粒剤は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、メタアクリル酸メチルコポリマー等の腸溶性基剤で被覆し、或いはエチルセルロース、カルナウバロウ、硬化油等で被覆し、これらを腸溶性或いは持続性製剤にすることができる。硬カプセル剤は、上記散剤又は顆粒剤を硬カプセルに充填して得ることができる。また軟カプセル剤は、ヒアルロナン又はその塩を、グリセリン、ポリエチレングリコール、ゴマ油、オリーブ油等に混合し、これをゼラチン膜で被覆して得ることができる。シロップ剤は、白糖、ソルビトール、グルセリン等の甘味剤とヒアルロナン又はその塩とを、水に溶解して得ることができる。また、甘味剤及び水のほかに、精油、エタノール等を加えてエリキシル剤とするか、或いはアラビアゴム、トラガカント、ポリソルベート80、カルボキシメチルセルロースナトリウム等を加えて乳剤又は懸濁剤にすることができる。またこれらの液状製剤には必要に応じ、矯味剤、着色剤、保存剤等を加えることができる。
【0017】
非経口製剤としては、注射剤、直腸投与剤、ペッサリー、皮膚外用剤、吸入剤、エアゾール剤、点眼剤等を挙げることができる。注射剤は、ヒアルロナン又はその塩に塩酸、水酸化ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム、リン酸一水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム等のpH調節剤;塩化ナトリウムウム、ブドウ糖等の等張化剤;及び注射用蒸留水を加え、滅菌濾過した後、アンプルに充填して得ることができる。また、更にマンニトール、デキストリン、シクロデキストリン、ゼラチン等を加えて真空凍結乾燥し、用時溶解型の注射剤とすることができる。またヒアルロナン又はその塩にレシチン、ポリソルベート80、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等の乳化剤を加えた後、水中で乳化された注射用乳剤とすることもできる。
【0018】
直腸投与剤は、ヒアルロナン又はその塩にカカオ脂肪酸のモノ、ジ又はトリグリセリド、ポリエチレングリコール等の坐剤用基剤を加えた後、加温して溶解し、これを型に流し込んで冷却するか、或いはヒアルロナン又はその塩をポリエチレングリコール、大豆油等に混合した後、ゼラチン膜で被覆して得ることができる。皮膚外用剤は、ヒアルロナン又はその塩に、白色ワセリン、ミツロウ、流動パラフィン、ポリエチレングリコール等を加え、必要に応じて加温し、混練して得ることができる。テープ剤は、ヒアルロナン又はその塩を、ロジン、アクリル酸アルキルエステル重合体等の粘着剤と混練し、これを不織布等に展延して得ることができる。吸入剤は、例えば薬学的に許容される不活性ガス等の噴射剤に、ヒアルロナン又はその塩を溶解又は分散し、これを耐圧容器に充填して得ることができる。
【0019】
(投与方法)本発明のヒアルロナンを有効成分とする薬剤の投与方法は、特に限定されないが、脊髄内投与、静脈内投与および経口投与を挙げることができる。
【0020】
(投与量)投与量は、対象とする疾患、患者の年令、健康状態、体重等に応じ適宜決定するが、一般には0.05〜50mg/kg を1日1回あるはそれ以上に分けて投与する。
【0021】
(毒性)本発明で使用するヒアルロナンは、医薬としての生物活性を示す投与量において細胞毒性はほとんどもしくは全く認められなかった。
【実施例】
【0022】
以下、本発明に係る薬剤を、実施例を用いてより詳細に説明するが、本発明の技術的範囲は以下の実施例に限定されるものではない。
【0023】
〔実施例1〕
本実施例では、多発性硬化症モデルである実験的自己免疫性脊髄炎(EAE)にHA4を投与し、その効果を検討した。
【0024】
多発性硬化症モデル動物
4週齢のLewisラットを購入し、5週齢になってから使用した。柴木らの方法(柴木謙次、野村恭一、大野良三、島津邦男:人参養栄湯による実験的自己免疫性脳脊髄炎の抑制.神経治療 19(2):159-166,2002)に準じて、モルモットミエリン塩基性蛋白(Guinea pig myelin basic protein(GPMBP)Sigma社製)300μg/匹をPBS 50μlに溶解し、当量のフロインド完全アジュバンド(Freund Complete Adjuvant(FCA)Difco社製)および結核死菌(MT、Difco社製)濃度を0.75mg/mlに調節混合し、動物の左右後肢足蹠に50μlずつ接種した。
【0025】
本実施例では、接種直後の多発性硬化症モデル動物及び多発性硬化症発症時の多発性硬化症モデル動物を用いた。
【0026】
被検物質の投与
本実施例では、1mg/ml及び10mg/mlのHA4を調整した。具体的に、HA4は、Tawadaらの方法(Tawada A, Masa T, Oonuki Y, Watanabe A, Matsuzaki Y, Asari A. Large-scale preparation, purification, and characterization of hyaluronan oligosaccharides from 4-mers to 52-mers. Glycobiology. 2002; 12(7):421-6.)により調製した。また、対照としては生理食塩水(生食)を調整した。
【0027】
接種直後あるいは神経症状観察で発症が確認できた時点の2時点において、カテーテルを多発性硬化症モデル動物の髄腔内に留置し、設定した投与期間で硬膜内投与した。持続投与は浸透圧ポンプ(Model2004, Alzet)を用いた。投与群の構成を表1に示す。
【0028】
【表1】

【0029】
EAE神経症状の評価
抗原接種後より毎日、2名の観察者により神経症状を以下の5段階に分けて観察した。
EAE grade
0:無症状
1:尾のtonusの低下
2:後肢不完全麻痺
3:時に尿便失禁を伴う後肢完全麻痺
4:四肢麻痺
【0030】
結果
1)接種(惹起)直後からのHA4髄腔内持続投与の効果(予防)
抗原接種後、HA4髄腔内持続投与の神経兆候は、EAE対照群と比較して、明らかな軽症化を認めた(図1)。なお、図1は、上述したEAE神経症状の評価値の平均値を縦軸に、接種を0日目とする経過日数を横軸にしたグラフである。EAE極期の神経兆候の比較では、抗原接種後13日目のEAE対照群の臨床スコアー 2.2±0.41に対し、HA4持続投与群では13日目に0.2±0.41と有意な低値(P<0.001)を示し、HA4持続投与群では発症例数は1/6例のみであった。図1の結果から、ヒアルロナンを有効成分として含有する薬剤が、多発性硬化症の予防について有効であることが実証された。
【0031】
2)発症後からのHA4髄腔内持続投与の効果(治療)
発症後、HA4髄腔内持続投与の神経兆候は、EAE対照群と比較して、明らかな軽症化を認めた(図2)。なお、図2は、上述したEAE神経症状の評価値の平均値を縦軸に、接種を0日目とする経過日数を横軸にしたグラフである。EAE極期の神経兆候の比較では、抗原接種後13日目のEAE対照群の臨床スコアー 2.2±0.41に対し、HA4持続投与群では13日目に1.5±1.0と低値を示した。また、罹患期間の比較ではEAE対照群 6.5±0.55日に対し、(GlcNAc-GlcA)2持続投与群は4.3±1.5日と有意な短縮(P<0.01)を認めた。図2の結果から、ヒアルロナンを有効成分として含有する薬剤が、多発性硬化症の治療について有効であることが実証された。
【0032】
3)発症後からのHA4髄腔内単回投与の効果(治療)
発症後、HA4髄腔内単回投与の神経兆候は、EAE対照群と比較して、明らかな軽症化を認めた(図3)。なお、図3は、上述したEAE神経症状の評価値の平均値を縦軸に、接種を0日目とする経過日数を横軸にしたグラフである。EAE極期の神経兆候の比較では、抗原接種後13日目のEAE対照群の臨床スコアー 2.2±0.41に対し、HA4持続投与群では13日目に1.8±0.5日と低値を示した。また、罹患期間の比較ではEAE対照群 6.5±0.55日に対し、HA4持続投与群は5.0±1.5日と有意な短縮P<0.001)を認めた。図3の結果から、ヒアルロナンを有効成分として含有する薬剤が、多発性硬化症の治療について有効であることが実証された。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】接種直後からHA4を投与した多発性硬化症モデル動物に関して観察したEAE神経症状の評価値の平均値を縦軸に、接種を0日目とする経過日数を横軸にしたグラフである。
【図2】発症後からHA4を11日間投与した多発性硬化症モデル動物に関して観察したEAE神経症状の評価値の平均値を縦軸に、接種を0日目とする経過日数を横軸にしたグラフである。
【図3】接種直後にHA4を単回投与した多発性硬化症モデル動物に関して観察したEAE神経症状の評価値の平均値を縦軸に、接種を0日目とする経過日数を横軸にしたグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
-D-グルクロン酸-β-1,3-D-N-アセチルグルコサミン-β-1,4-を1単位とし、これを1〜10個含む、2〜20糖であるヒアルロナンを有効成分とする炎症治療剤又は予防剤。
【請求項2】
上記ヒアルロナンは、-D-グルクロン酸-β-1,3-D-N-アセチルグルコサミン-β-1,4-を1単位とし、これを2個含む4糖であることを特徴とする請求項1記載の炎症治療剤又は予防剤。
【請求項3】
-D-グルクロン酸-β-1,3-D-N-アセチルグルコサミン-β-1,4-を1単位とし、これを1〜10個含む、2〜20糖であるヒアルロナンを有効成分とする神経疾患治療剤又は予防剤。
【請求項4】
上記ヒアルロナンは、-D-グルクロン酸-β-1,3-D-N-アセチルグルコサミン-β-1,4-を1単位とし、これを2個含む4糖であることを特徴とする請求項3記載の神経疾患治療剤又は予防剤。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−277258(P2007−277258A)
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−162740(P2007−162740)
【出願日】平成19年6月20日(2007.6.20)
【分割の表示】特願2005−151191(P2005−151191)の分割
【原出願日】平成17年5月24日(2005.5.24)
【出願人】(505192084)株式会社 糖質科学研究所 (21)
【Fターム(参考)】