説明

炎症性及び免疫学的疾病の予防及び治療におけるイオンチャネルモジュレータの使用

炎症性または免疫学的病態の予防または治療のための医薬の製造における、一般式(1)の化合物ならびにその薬理学的に許容し得る塩およびプロドラッグの使用:


(式中、AおよびBは、CH2またはCH2CH2であり、R1は、水素原子、アルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキルまたはヘテロアラルキル、R2、R3およびR4は、水素、アルキル、ハロゲン、ハロアルキル、アルコキシ、アルコキシカルボニル、カルボキシル、ヒドロキシルルまたはシアノから選択され、Xは、R5CO、R5SO2、R5R7NCO、R5R7NSO2、R5SO2NR7COまたはCO2R8であり、Yは、R6CO、R6SO2、R6R7NCO、R6R7NSO2、R6SO2NR7COまたはCO2R8であり、R5およびR6は、水素、アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアラルキルであり、R7は、水素、アルキル、アリールまたはアラルキルであり、R8は、アルキル、アリール、アラルキル、アルコキシアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルであり、XがR5COまたはR5SO2である場合には、YはR6CO、R6SO2またはR6R7NCOのいずれでもない。)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炎症性及び免疫学的疾病の治療におけるイオンチャネルモジュレータの使用に関し、より詳細には、Kv1電位開口型カリウムチャネルの穴形成(アルファ)サブユニットと補助(Kvベータサブユニット)タンパク質との相互作用を阻害する複素環式化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
電位依存性カリウム(Kv)チャネルは、膜電圧の変化に応答して、カリウムイオンを細胞膜に導通することで、細胞の電気的活性を変調(増強または低減)することによって細胞興奮性を調節することができる。
【0003】
ショウジョウバエのシェーカー遺伝子によってコードされる所謂Kv1カリウムチャネルアルファサブユニットの哺乳類相同体(Kv1.1〜Kv1.8)は、細胞の血漿膜に広がり、K+イオンの通過を可能にする四量体タンパク質複合体を形成することができる。Kv1.xチャネルのこれらの四量体タンパク質複合体は、イオンチャネル穴形成領域を構成する。
【0004】
膜間に広がるKv1.xチャネルサブユニットの四量体からなる機能的Kv1チャネルは、イオンチャネル穴形成領域の機能を変調させることが可能な補助(Kvベータ)タンパク質に対応づけられ、該タンパク質によって調節され得る(詳細については、Xu, J. & Li, M.、Trends Cardiovasc. Med.、1998、8、229〜234; Pongs, Oら、Ann. N.Y. Acad. Sci.、1999、868、344〜355参照)。
【0005】
機能的Kv1チャネルは、同一または異なるKv1.xおよび/またはKvベータタンパク質の結合によって形成された多量体構造として存在することができる。Kvベータサブユニットによる機能的Kv1チャネル複合体の変調は、Kvサブファミリーに特異的であると考えられる(Sewingら、Neuron 1996、15、455〜463)。
【0006】
Kvベータサブユニットは、Kv1.xチャネルアルファサブユニットのN末端に位置する「T1領域」または「四量体形成化領域(tetramerisation domain)」として知られる相互作用領域を介してKv1.xチャネルアルファサブユニットに結合する。T1領域は、当初は、アルファサブユニットの構築に必要であったKv1.xチャネルのアミノ末端断片として特定された(Liら、Science、1992、257、1225〜1229; Shenら、Neuron、1993、11、67〜76)。Kv1.xアルファサブユニットとKvベータサブユニットの相互作用部位の推定配列が決定され、この相互作用に必要な所謂T1領域内の配列が特定された(Yuら、Neuron、1996、16、441〜453; Sewingら、Neuron 1996、15、455〜463)。最近になって、Kv1.1 T1領域とKvベータ2サブユニットの相互作用の結晶構造が解明されたことにより、Kv1.1チャネルとKvベータサブユニットの臨界相互作用部位の配列が現在のように理解されるようになった(Gulbisら、Science、2000、289、123〜127)。
【0007】
「Kv1.x」チャネルは、Kv1.1、Kv1.2、Kv1.3、Kv1.4、Kv1.5、Kv1.6、Kv1.7、Kv1.8およびそれらのあらゆる哺乳類または非哺乳類同等物または変異体(スプライス変異体を含む)の哺乳類チャネルの1種または複数種を含む少なくとも8つの構成要素からなる。
【0008】
「Kvベータ」タンパク質は、Kvベータ1.1、Kvベータ1.2、Kvベータ1.3、Kvベータ2.1、Kvベータ2.2、Kvベータ3、Kvベータ3.1、Kvベータ4およびそれらのあらゆる哺乳類または非哺乳類同等物または変異体(スプライス変異体を含む)の哺乳類サブユニットの1種または複数種を含むことができる。
【0009】
ある機能的レベルにおいて、Kv1.xチャネルとKvベータタンパク質の相互作用は、(i)所定の細胞型の血漿膜へのKv1.xチャネルの輸送またはシャペロン(例えば、Shiら、Neuron、1996、16、843〜852参照)および/または(ii)チャネル不活性化などのゲーティング特性(例えば、Rettingら、Nature、1994、369、289〜294; Heinemannら、Journal of Physiology、1996、493、625〜633; Bahringら、Molecular Membrance Biology、1994、21、19〜25参照)を含むが、それらに限定されない機能的Kv1チャネルのいくつかの特徴の変調(増強または低減)を付与することができる。
【0010】
N型不活性化などによる任意のメカニズムによるKvチャネルの閉鎖を指すKvチャネル「不活性化」の変調に加えて、Kvベータサブユニットは、Kv1.xチャネルの開放(導通状態)、閉鎖(非導通状態)および不活性化状態(非導通状態)の時間および電圧依存性を変化させることができるメカニズムによって他のゲーティング特性に対する影響を発揮することもできる(Hille, B. Ionic Channels of Excitable Membranes、Sunderland、MA、1992参照)。
【0011】
また、特定のKvベータサブユニットと異なるKv1.xチャネル組成物との相互作用は、Kv1.xチャネル電流に対して差別的変調を付与することができる(Bahringら、Molecular Membrane Biology、1994、21、19〜25)。この現象は、K+チャネルの広範な多様性の根拠になり得る。しかし、原生のK+チャネルの厳密なサブユニット組成物、および特定のチャネルが果たす生理学的役割は、たいていの場合、依然として不明である。
【0012】
Kv1.xチャネルとKvベータタンパク質の相互作用を阻害することで、Kv1.xチャネルの導通状態を(例えば、Kv1.xチャネル不活性化の速度を低減することにより)維持または増強し、かつ/またはKv1.xチャネルの血漿膜への輸送を増加させる化合物は、「Kv1.xチャネル開口剤」(Kv1.xチャネル開口)と定義される。
【0013】
Kv1.xチャネルとKvベータタンパク質の相互作用を阻害することで、Kv1.xチャネルの閉鎖状態を維持し、かつ/またはKv1.xチャネルの血漿膜への輸送を低減する化合物は、「Kv1.xチャネル阻害薬」(Kv1.xチャネル阻害)と定義される。
【0014】
当該Kv1.xチャネル開口剤またはKv1.xチャネル阻害薬は、腸疾患、慢性関節リウマチ、組織不適合性、喘息、慢性閉塞性肺疾患、多発性硬化症の嚢胞性繊維症及びアテローム性動脈硬化症を含むたくさんの炎症性及び免疫学的疾病(もしくは免疫抑制に関与する疾患)の症状の治療、予防、抑制、改善または緩和における潜在的な有用性を有する。
【0015】
多発性硬化症(MS)はアメリカ単独で約350,000人に影響を及ぼしており、100,000人あたり30人の患者の発生率を有する。国際的には、全世界で100万人を超える人たちがMSの影響を受けている(MedTRACK Epidemiology Report, 2006)。MSは北ヨーロッパ系の集団により頻繁に発生し、また、1.6-2:1の比率で男性よりも女性に影響を及ぼす。
【0016】
MSは多くの患者に対して長年にわたって生活の質に著しく影響を及ぼし、疾病の持続は平均して30年である。MSは予測不能であり、症候はマイルドから重篤、短期から持続的に変化し得、及び倦怠感、視覚障害、歩行困難、手足の痺れもしくは刺痛、眩暈、疼痛、筋力及び運動量の喪失、筋肉の凝り及びけいれん、不安感、認知障害、会話障害及び失禁を含み得る。
【0017】
MSはこの疾患の4つの臨床傾向のうちの1つとして現れ、マイルドから重篤の間で重症度が変化する。これらは以下のように特徴づけられる:
【0018】
(i)「再発寛解型」-患者の85%に影響を及ぼしている、初期診断時における最も一般的な形態のMS、
(ii)「一次進行型」‐患者の10%に影響を及ぼしている比較的稀な形態、
(iii)「二次進行型」-再発寛解型を有する人の50%において、治療前の初期診断から10年以内に、MSはこの形態を発生させる。二次進行型が治療によって有意に遅らせられたかどうかを実証する長期データは今のところない。
(iv)「進行再発型」-患者の5%に影響を及ぼしている比較的稀な形態。
【0019】
MSは、CNSの進行性変性疾患であり、神経周囲のミエリン鞘の破壊及びそれに続く消失、硬化症と呼ばれる瘢痕組織の留置によって特徴付けられる。これらの損傷領域はまた、プラークまたは脱髄斑としても知られている。ミエリンまたは神経線維が破壊されまたは損傷を受けた場合、電気インパルスを伝導するための神経の能力が妨害され、CNS内の硬化症の部位に応じて変化する衰弱性の症状が引き起こされる。MSの正確な原因は依然として完全には理解されてはいないが、MS患者のCNS白質における免疫浸潤物の存在は、ミエリン損傷が免疫介在性であることを示唆する(Beeton, C. And Chandy, K.G. (2005), Neuroscientist, 11, 550-62を参照のこと)。MSに関する自己免疫原因論は、げっ歯類モデルにおけるMSに類似する実験的な自己免疫脳脊髄炎(EAE)の誘導とそれに続くミエリン誘導性抗原を伴う免疫付与によって支持される。
【0020】
MSでは、ミエリン反応性T細胞(胸腺細胞またはリンパ球)は、記憶表現型を示し(Allegretta, M. Et al (1990), Science, 247, 718-721; Lovett-Racke, A.E. et al (1998), J. Clin. Invest. 101, 725-730; Scholz, C. et al (1998), J. Immunol. 160, 1532-1538; Markovic-Plese, S. et al (2001), J. Clin. Invest. 108, 1185-1194)、MSの動物モデルにおける実験的な自己免疫脳脊髄炎(EAE)を誘導する能力のために、CNSへの炎症性攻撃に寄与するものとして考えられている(Holoshitz, J. et al (1984), Eur. J. Immunol. 14, 729-734)。したがって、未感作T細胞の機能を損なわせることなしに慢性的に活性化した記憶T細胞の機能(エフェクター記憶)を特異的に抑制するために設計された治療戦略は、MSの治療における有意な利点を提供する可能性がある。
【0021】
慢性的に活性化された脳脊髄性ミエリン反応性ヒト記憶T細胞における新規Kチャネルパターンの存在が最近報告されている(Wulff, H. et al (2003), J Clin Invest. 111, 1703-13)。これらの細胞はミエリン抗原、ミエリン塩基性タンパク質(MBP)で活性化後48時間後にKv1.3チャネルを特異的に上方制御し、IKCa1などの他のイオンチャネル標的の表面発現は変化させない。さらに、この表現型は、以下の対照抗原で活性化されたMS患者由来のT細胞:グルタミン酸デカルボキシラーゼ65 (GAD65)、MS患者由来のインスリン-ペプチドもしくはオボアルブミン特異的かつマイトジェン活性化T細胞、または健常人由来のミエリン抗原で活性化されたT細胞では反映されなかった(Wulff et al., 2003)。
【0022】
CD4+細胞のin vitroでの特徴解析により、機能的なKv1.3チャネルの存在が明らかとなり、その表面密度は細胞の増殖と共に増加する。ミエリン塩基性タンパク質(MBP)誘導性T細胞増殖の間、カリウム流出によって平衡にあるカルシウム放出-活性化カルシウムチャネルを介したカルシウムイオンの流入が存在する。このようにして、Kv1.3チャネルの阻害はMBP-特異的T細胞の細胞増殖を阻害し、そこでは外部刺激が増殖に要求されるが、Jurkat JH6.2などの形質転換細胞の細胞増殖には影響を及ぼさない。
【0023】
ヒトT細胞では、電位依存性カリウムチャネルであるKv1.3は、4つの同一のサブユニットのテトラマーとして存在し、静止膜電位を制御するのに寄与する(Cahalan, M.D. and Chandy, K.G. (1997), Curr Opin Biotechnol. 8, 749-56; Leonard, R.J. et al (1992), Proc. Natl. Acad. Sci. USA.89, 10094-10098)。Kv1.3はT細胞におけるCa2+シグナリングの主要な調節因子である。最適なT細胞活性化は、Ca2+放出-活性化チャネルを介した外部環境からのCa2+の流入を必要とする。Ca2+流入は膜を脱分極させ、さらなるCa2+流入に必要とされる電気化学的勾配を消失させる。IKCaチャネルに加えて、Kv1.3チャネルは、マイトジェン刺激性サイトカイン産生及びT細胞の増殖に必要とされる持続的なCa2+流入に必要なカチオンの流出を提供する。
【0024】
Kv1.3チャネルは機能的なチャネルを形成するタンパク質複合体として存在する。Kvβ2アクセサリータンパク質を含む当該タンパク質複合体の成分は、細胞表面発現または
反応速度などのチャネル機能を調節することが可能である(参考としてKvβ1) (Lazaroff, M.A. et al (2002), J. Physiol. 541, 673-83; Shi, G et al (1996), Neuron 16, 843-852; Nagaya, N., and Pazazian, D.M. (1997), J. Biol. Chem. 272, 3022-3027)。細胞質型アクセサリータンパク質であるKvβ2アクセサリータンパク質は、マウスT細胞で発現する主要なKvβサブユニットであることが示されており(Autieri, M. V. Et al (1997), J. Nueroimmunol. 77, 8-16)、Kvβ2はマイトジェン刺激に続いてmRNA転写物レベル及びタンパク質レベルの両方で著しく増加する(McCormack, T. et al(1999), J. Biol. Chem. 274, 20123-20126)。Kvβ2アクセサリータンパク質はKv1.3などのKvチャネルの細胞内N末端に、T1ドメインとして知られる部位で結合する(Sewing, S. et al (1996), Neuron 16, 455-63)。これらのKvβ2アクセサリータンパク質は4回折り畳み(4-fold)の対称構造を形成し、それによりKv1.3チャネルの対応するもののテトラマーの性質を完全なものとする。最近の、Kv1.xチャネルT1ドメインとKvβ2サブユニットの間の相互作用の結晶構造の明確化によって、この相互作用部位の配列及び性質が規定された(Gulbis, J.M. et al (2000), Science. 289, 123-7; Long, S.B. et al (2005), Science. 309, 897-903)。さらに、各Kvβ2サブユニットは、ニコチンアミド補酵素に対する結合部位を有するものとして示されている3a-ヒドロキシステロイドジヒドロジオールデヒドロゲナーゼ(3a-HSD)に構造的なホモロジーを有する、オキシドレダクターゼ酵素である。実際に、NADP+がKvβ2の結晶構造内の深い裂け目内に結合することが発見され、分子間水素結合及びファンデルワールス相互作用を介してKvβ2と相互作用することが示された(Gulbis J.M. et al (1999), Cell. 97, 943-52)。
【0025】
T細胞のKv1.3チャネルの機能におけるKvβ2サブユニットの重要な役割を鑑みると、Kv1.3チャネルとKvβ2アクセサリータンパク質の間の相互作用の阻害は、マイトジェン刺激に続くKv1.3チャネル活性の選択的阻害につながるものと予期される。
【0026】
Kv1.3チャネルの阻害はT細胞の膜脱分極を誘導する。同様に、これは、T細胞増殖に必要とされる、細胞刺激を生じさせる細胞内Ca2+濃度の上昇の減弱へとつながる(Lin, C.S. et al. (1993), J. Exp. Med. 177, 637-645)。マルガトキシン(Koo et al., 1997, J., Immunol. 158, 5120-8)及びチャリブドトキシン(Price et al., 1989, Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 86, 10171-10175)などの、Kv1.3チャネルに特異的であるぺプチジル阻害剤は、in vitroプロトコルにおいてT細胞の増殖を阻害することが実証されている。さらに、Kv1.3阻害剤であるマルガトキシン(Koo et al., 1997)は、ミニブタにおける遅延型過敏症(DTH)をマルガトキシンが減弱させるように、in vivoにおける免疫抑制活性を提示することが示されている(Koo et al., 1997)。意義深いことには、ShK(イソギンチャクであるStichodactyla helianthus由来の35アミノ酸ペプチド)を用いて、T細胞のKv1.3チャネルの選択的な阻害により、ルイスラットにおけるモデルMS疾患(EAE)が改善されることが示されており、MS治療のための新規治療方法の探索における重要な標的としてKv1.3チャネルに関する役割のためのさらなる示唆を提供する。
【0027】
Kv1.3チャネルの非ペプチド系阻害剤を同定する試みもまた為されている。この点に関して、複合体である天然生成物のコレオリド(correolide)、ノルトリテルペン(nortriterpene)が、細胞内部位に結合することによってKv1.3チャネルを阻害し、好ましくはチャネルが開くことを阻害、すなわちこのチャネルのチャネル状態を不活性化することが示されている。ヒトT細胞でのin vitro免疫学的アッセイにおいて、コレオリドは、可逆的な態様でIL-2産生Ca2+依存的経路を減弱させ、T細胞増殖を阻害する。適切な薬物動態特性を有するコレオリドの2つの類似体は、ミニブタにおけるin vivoでのツベルクリンへの遅延型感受性反応を抑制し、さらに、標的となるKv1.3チャネルが免疫抑制治療法に対する新規アプローチを表すことを示している(Koo et al., 1999)。Schmalhofer et al.によって要約されるように(2002, Biochemistry. 41, 7781-94)、コレオリド及びその類似体はまた、複数の末梢神経末端に存在するKv1.1チャネルを阻害するようであり、それによりアセチルコリンの放出を引き起こし、そのことは、これらの化合物を用いたin vivo で観察される制限された毒性のある程度を説明する可能性がある。加えて、UK-78282 (Hanson et al., 1999, Br. J. Pharmacol. 126, 1707-1716)、WIN17317-3(Nguyen et al., 1996, Mol. Pharmacol. 50, 1672-1679; Hill et al., 1995, Mol. Pharmacol 48, 98-104)及びベラパミル(Chandy et al., 1984, Exp Med. 160, 369-85; Rauer & Grissmer, 1996, Mol. Pharmacol. 50, 1625-1634)などのたくさんのその他のKv1.3の小分子阻害剤が記載されている。WIN17317-3もベラパミルもいずれも、それぞれ、電位依存性のナトリウム及びカルシウムのチャネルを高親和性で阻害するので、有望な薬剤開発候補物質であるようには思えない。
【0028】
より最近のさらなる研究で、Kv1.3チャネルの、より有効な小分子阻害剤を発見しようとする試みが為されている。これらにはプソラ-4(Psora-4)、コレオリドのC18類似体、及びトランス4-フェニル-4-(3-(2-メトキシフェニル)-3-オキソ-2-アザプロパ-1-イル)シクロヘキサノンが含まれるが、いずれもKv1.3に特異的ではなく、また心臓のKv1.5チャネルなどの他のKvチャネルを阻害しない(Schmitz et al., 2005, Mol Pharmacol. 68, 1254-70; Beeton & Chandy 2005, Neuroscientist. 11, 550-62)。より最近では、PAP-1、5-メトキシ-プソラレンの類似体が、心臓のKv1.5チャネルに比べて23倍の選択性でKv1.3チャネルを阻害することが発見されている(Schmitz et al., 2005)。Kv1.3チャネルが、エフェクター記憶T細胞によって媒介される病的な免疫反応を調節するための良好な治療的アプローチを提示しているように思われる一方で、Kv1.3はまた、例えばCNS、腎臓、肝臓、骨格筋、血小板、マクロファージ、精巣及び破骨細胞などの他の組織で発現し、Kv1.3阻害剤が副作用を有する可能性が懸念される。しかし、ラットで実施した28日間の毒性研究では、強制飼養によって投与されたKv1.3阻害剤PAP-1は、Kv1.3チャネルを発現することが報告されているこれらの組織を含む、調査されたいずれの組織においても、いずれの組織病理学的変化を誘導することはなかった(Beeton et al., 2006, Proc. Natl. Acad. Sci. USA.103, 17414-9)。Kv1.3を標的とする化合物の相対的な安全性は、T細胞とCNSなどの他の組織間におけるKv1.3チャネル標的の性質が異なることに部分的に帰依する可能性があり、例えばそれは、CNSに存在するヘテロテトラマーKv1.3チャネルタンパク質複合体と比較してT細胞に存在するKv1.3ホモテトラマータンパク質複合体に対して異なる親和性を提示するように化合物が最適化されている可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0029】
【特許文献1】EP284384
【特許文献2】WO03078464
【非特許文献】
【0030】
【非特許文献1】Xu, J. & Li, M.、Trends Cardiovasc. Med.、1998、8、229〜234
【非特許文献2】Pongs, Oら、Ann. N.Y. Acad. Sci.、1999、868、344〜355
【非特許文献3】Sewingら、Neuron 1996、15、455〜463
【非特許文献4】Liら、Science、1992、257、1225〜1229
【非特許文献5】Shenら、Neuron、1993、11、67〜76
【非特許文献6】Yuら、Neuron、1996、16、441〜453
【非特許文献7】Gulbisら、Science、2000、289、123〜127
【非特許文献8】Shiら、Neuron、1996、16、843〜852
【非特許文献9】Rettingら、Nature、1994、369、289〜294
【非特許文献10】Heinemannら、Journal of Physiology、1996、493、625〜633
【非特許文献11】Bahringら、Molecular Membrance Biology、1994、21、19〜25
【非特許文献12】MedTRACK Epidemiology Report, 2006
【非特許文献13】Beeton, C. And Chandy, K.G. (2005), Neuroscientist, 11, 550-62
【非特許文献14】Hille, B. Ionic Channels of Excitable Membranes、Sunderland、MA、1992
【非特許文献15】「Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis」、第4版、2006、Wiley-VCH
【非特許文献16】Allegretta, M. Et al (1990), Science, 247, 718-721
【非特許文献17】Lovett-Racke, A.E. et al (1998), J. Clin. Invest. 101, 725-730
【非特許文献18】Scholz, C. et al (1998), J. Immunol. 160, 1532-1538
【非特許文献19】Markovic-Plese, S. et al (2001), J. Clin. Invest. 108, 1185-1194
【非特許文献20】Holoshitz, J. et al (1984), Eur. J. Immunol. 14, 729-734
【非特許文献21】Wulff, H. et al (2003), J Clin Invest. 111, 1703-13
【非特許文献22】Cahalan, M.D. and Chandy, K.G. (1997), Curr Opin Biotechnol. 8, 749-56
【非特許文献23】Leonard, R.J. et al (1992), Proc. Natl. Acad. Sci. USA.89, 10094-10098
【非特許文献24】Lazaroff, M.A. et al (2002), J. Physiol. 541, 673-83
【非特許文献25】Shi, G et al (1996), Neuron 16, 843-852
【非特許文献26】Nagaya, N., and Pazazian, D.M. (1997), J. Biol. Chem. 272, 3022-3027
【非特許文献27】Autieri, M. V. Et al (1997), J. Nueroimmunol. 77, 8-16
【非特許文献28】McCormack, T. et al(1999), J. Biol. Chem. 274, 20123-20126
【非特許文献29】Sewing, S. et al (1996), Neuron 16, 455-63
【非特許文献30】Gulbis, J.M. et al (2000), Science. 289, 123-7
【非特許文献31】Long, S.B. et al (2005), Science. 309, 897-903
【非特許文献32】Gulbis J.M. et al (1999), Cell. 97, 943-52
【非特許文献33】Lin, C.S. et al. (1993), J. Exp. Med. 177, 637-645
【非特許文献34】Koo et al., 1997, J., Immunol. 158, 5120-8
【非特許文献35】Price et al., 1989, Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 86, 10171-10175
【非特許文献36】Schmalhofer et al. 2002, Biochemistry. 41, 7781-94
【非特許文献37】Hanson et al., 1999, Br. J. Pharmacol. 126, 1707-1716
【非特許文献38】Nguyen et al., 1996, Mol. Pharmacol. 50, 1672-1679
【非特許文献39】Hill et al., 1995, Mol. Pharmacol 48, 98-104
【非特許文献40】Chandy et al., 1984, Exp Med. 160, 369-85
【非特許文献41】Rauer & Grissmer, 1996, Mol. Pharmacol. 50, 1625-1634
【非特許文献42】Schmitz et al., 2005, Mol Pharmacol. 68, 1254-70
【非特許文献43】Beeton & Chandy 2005, Neuroscientist. 11, 550-62
【非特許文献44】Beeton et al., 2006, Proc. Natl. Acad. Sci. USA.103, 17414-9
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0031】
前記に提供される詳細に基づき、エフェクター記憶T細胞の活性化を抑制する選択的なKv1.3に基づいた治療は、不感作及び中枢の記憶T細胞の増殖を著しく損なうことなしに、例えば1型糖尿病、慢性関節リウマチ、乾癬、橋本病、クローン病などの記憶表現型をも示すことで報告されているT細胞介在性障害並びにMSの制御のための、治療剤として潜在的な有用性を有している。
【0032】
したがって、炎症性及び免疫学的病態の予防または治療のためのKv1.xチャネル開口剤およびKv1.xチャネル阻害薬を同定することが望ましい。親和性標識を介して固定されたKv1.xチャネルT1領域とKvベータサブユニットの相互作用に基づくアッセイを用いて、本発明者たちは、前記使用のためのKv1.xチャネルとKvベータタンパク質間の相互作用を阻害する複素環式化合物の新しいファミリーを発見した。
【課題を解決するための手段】
【0033】
本発明の第1の態様では、炎症性または免疫学的病態の予防または治療のための薬剤の調製における、一般式(1)で表される化合物、またはその薬理学的に許容し得る塩もしくはプロドラッグの使用を提供する:
【0034】
【化1】

【0035】
(式中、
AおよびBは、独立に、CH2またはCH2CH2であり;
R1は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基またはヘテロアラルキル基であり;
R2、R3およびR4は、独立に、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、ハロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アミノスルホニル基およびシアノ基から選択され、
Xは、R5CO、R5SO2、R5R7NCO、R5R7NSO2、R5SO2NR7CO及びCO2R8から選択され、R5、R7及びR8は以下に定義する通りであり;
Yは、R6CO、R6SO2、R6R7NCO、R6R7NSO2、R6SO2NR7COおよびCO2R8から選択され、R6、R7およびR8は、以下に定義する通りであり;
R5およびR6は、独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、ヘテロアリール基およびヘテロアラルキル基から選択され;
R7は、水素原子、アルキル基、アリール基またはアラルキル基であり;並びに
R8は、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシアルキル基、ヘテロアリール基またはヘテロアリールアルキル基であり、
XがR5COまたはR5SO2である場合には、YはR6COまたはR6R7NCOのいずれでもない。)。
【0036】
本発明の第1の態様による使用のための好ましい化合物としては、以下のものが挙げられる。
【0037】
(2)R1が、水素原子、1から6個の炭素原子を有するアルキル基、または1から6個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、1から6個の炭素原子を有するハロアルキル基、1から6個の炭素原子を有するアルコキシ基、アルコキシ基が1から6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基およびシアノ基から選択される少なくとも1つの置換基で場合によって置換されていてもよい、5から14個の炭素原子を有するアリール基で置換された、1から6個の炭素原子を有するアルキル基を含むアラルキル基である(1)に記載の化合物、ならびにその薬理学的に許容し得る塩およびプロドラッグ。
【0038】
(3)R1が、水素原子、または1から4個の炭素原子を有するアルキル基である(1)に記載の化合物、ならびにその薬理学的に許容し得る塩およびプロドラッグ。
【0039】
(4)R1が水素原子である(1)に記載の化合物、ならびにその薬理学的に許容し得る塩およびプロドラッグ。
【0040】
(5)R2、R3およびR4が、独立に、水素原子、1から6個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、1から6個の炭素原子を有するハロアルキル基、1から6個の炭素原子を有するアルコキシ基、1から6個の炭素原子を有するアルコキシ基で置換されたカルボニル基を含むアルコキシカルボニル基、カルボキシ基、ヒドロキシル基およびシアノ基から選択される(1)から(4)のいずれか一項に記載の化合物、ならびにその薬理学的に許容し得る塩およびプロドラッグ。
【0041】
(6)R2、R3およびR4が、独立に、水素原子、1から4個の炭素原子を有するアルキル基、およびハロゲン原子から選択される(1)から(4)のいずれか一項に記載の化合物、ならびにその薬理学的に許容し得る塩およびプロドラッグ。
【0042】
(7)R2、R3およびR4が、独立に、水素原子、メチル基、エチル基、フッ素原子および塩素原子から選択される(1)から(4)のいずれか一項に記載の化合物、ならびにその薬理学的に許容し得る塩およびプロドラッグ。
【0043】
(8)R2、R3およびR4の各々が水素原子である(1)から(4)のいずれか一項に記載の化合物、ならびにその薬理学的に許容し得る塩およびプロドラッグ。
【0044】
(9)Xが、式R5COの基であり、
R5が、水素原子、1から6個の炭素原子を有するアルキル基、1から6個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、1から6個の炭素原子を有するハロアルキル基、1から6個の炭素原子を有するアルコキシ基、アルコキシ基が1から6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基およびシアノ基から選択される少なくとも1つの置換基で場合によって置換されていてもよい、5から14個の炭素原子を有するアリール基、1から6個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、1から6個の炭素原子を有するハロアルキル基、1から6個の炭素原子を有するアルコキシ基、アルコキシ基が1から6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基およびシアノ基から選択される少なくとも1つの置換基で場合によって置換されていてもよい、5から14個の炭素原子を有するアリール基で置換された、1から6個の炭素原子を有するアルキル基を含むアラルキル基、1から3個の硫黄原子、酸素原子および/または窒素原子を含む5から7員の芳香族複素環式基であるヘテロアリール基、あるいは1から3個の硫黄原子、酸素原子および/または窒素原子を含む5から7員の芳香族複素環式基であるヘテロアリール基で置換された、1から6個の炭素原子を有するアルキル基を含むヘテロアラルキル基である(1)から(8)のいずれか一項に記載の化合物、ならびにその薬理学的に許容し得る塩およびプロドラッグ。
【0045】
(10)Xが、式R5COの基であり、
R5が、水素原子、1から4個の炭素原子を有するアルキル基、あるいは1から4個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子及び1から4個の炭素原子を有するハロアルキル基から選択される少なくとも1つの置換基で場合によって置換されていてもよい、6から10個の炭素原子を有するアリール基で置換された、1から4個の炭素原子を有するアルキル基を含むアラルキル基である(1)から(8)のいずれか一項に記載の化合物、ならびにその薬理学的に許容し得る塩およびプロドラッグ。
【0046】
(11)Xが、式R5COの基であり、
R5が、水素原子、メチル基、ベンジル基またはフェネチル基である(1)から(8)のいずれか一項に記載の化合物、ならびにその薬理学的に許容し得る塩およびプロドラッグ。
【0047】
(12)Xが、式R5SO2の基であり、
R5が、水素原子、1から6個の炭素原子を有するアルキル基、1から6個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、1から6個の炭素原子を有するハロアルキル基、1から6個の炭素原子を有するアルコキシ基、アルコキシ基が1から6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基およびシアノ基から選択される少なくとも1つの置換基で場合によって置換されていてもよい、5から14個の炭素原子を有するアリール基、1から6個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、1から6個の炭素原子を有するハロアルキル基、1から6個の炭素原子を有するアルコキシ基、アルコキシ基が1から6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基およびシアノ基から選択される少なくとも1つの置換基で場合によって置換されていてもよい、5から14個の炭素原子を有するアリール基で置換された、1から6個の炭素原子を有するアルキル基を含むアラルキル基、1から3個の硫黄原子、酸素原子および/または窒素原子を含む5から7員の芳香族複素環式基であるヘテロアリール基、あるいは1から3個の硫黄原子、酸素原子および/または窒素原子を含む5から7員の芳香族複素環式基であるヘテロアリール基で置換された、1から6個の炭素原子を有するアルキル基を含むヘテロアラルキル基である(1)から(8)のいずれか一項に記載の化合物、ならびにその薬理学的に許容し得る塩およびプロドラッグ。
【0048】
(13)Xが、式R5SO2の基であり、
R5が、1から4個の炭素原子を有するアルキル基、あるいは1から4個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子及び1から4個の炭素原子を有するハロアルキル基から選択される少なくとも1つの置換基で場合によって置換されていてもよい、6から10個の炭素原子を有するアリール基である(1)から(8)のいずれか一項に記載の化合物、ならびにその薬理学的に許容し得る塩およびプロドラッグ。
【0049】
(14)Xが、式R5SO2の基であり、
R5が、メチル基、エチル基、塩素原子及びフッ素原子から選択される少なくとも1つの置換基で場合によって置換されていてもよいフェニル基である(1)から(8)のいずれか一項に記載の化合物、ならびにその薬理学的に許容し得る塩およびプロドラッグ。
【0050】
(15)Xが、式R5R7NCOの基であり、
R5が、水素原子、1から6個の炭素原子を有するアルキル基、1から6個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、1から6個の炭素原子を有するハロアルキル基、1から6個の炭素原子を有するアルコキシ基、アルコキシ基が1から6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基およびシアノ基から選択される少なくとも1つの置換基で場合によって置換されていてもよい、5から14個の炭素原子を有するアリール基、1から6個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、1から6個の炭素原子を有するハロアルキル基、1から6個の炭素原子を有するアルコキシ基、アルコキシ基が1から6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基およびシアノ基から選択される少なくとも1つの置換基で場合によって置換されていてもよい、5から14個の炭素原子を有するアリール基で置換された、1から6個の炭素原子を有するアルキル基を含むアラルキル基、1から3個の硫黄原子、酸素原子および/または窒素原子を含む5から7員の芳香族複素環式基であるヘテロアリール基、あるいは1から3個の硫黄原子、酸素原子および/または窒素原子を含む5から7員の芳香族複素環式基であるヘテロアリール基で置換された、1から6個の炭素原子を有するアルキル基を含むヘテロアラルキル基であり、
R7が、水素原子、1から6個の炭素原子を有するアルキル基、1から6個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、1から6個の炭素原子を有するハロアルキル基、1から6個の炭素原子を有するアルコキシ基、アルコキシ基が1から6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基およびシアノ基から選択される少なくとも1つの置換基で場合によって置換されていてもよい、5から14個の炭素原子を有するアリール基、または1から6個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、1から6個の炭素原子を有するハロアルキル基、1から6個の炭素原子を有するアルコキシ基、アルコキシ基が1から6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基およびシアノ基から選択される少なくとも1つの置換基で場合によって置換されていてもよい、5から14個の炭素原子を有するアリール基で置換された、1から6個の炭素原子を有するアルキル基を含むアラルキル基である(1)から(8)のいずれか一項に記載の化合物、ならびにその薬理学的に許容し得る塩およびプロドラッグ。
【0051】
(16)Xが、式R5R7NCOの基であり、
R5が、水素原子、1から4個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子および1から4個の炭素原子を有するハロアルキル基から選択される少なくとも1つの置換基で場合によって置換されていてもよい、6から10個の炭素原子を有するアリール基、または1から4個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、および1から4個の炭素原子を有するハロアルキル基から選択される少なくとも1つの置換基で場合によって置換されていてもよい、6から10個の炭素原子を有するアリール基で置換された、1から4個の炭素原子を有するアルキル基を含むアラルキル基であり、
R7が、水素原子、または1から4個の炭素原子を有するアルキル基である(1)から(8)のいずれか一項に記載の化合物、ならびにその薬理学的に許容し得る塩およびプロドラッグ。
【0052】
(17)Xが、式R5R7NCOの基であり、
R5が、水素原子、メチル基、エチル基、フッ素原子及び塩素原子から選択される少なくとも1つの置換基で場合によって置換されていてもよいフェニル基、あるいはメチル基、エチル基、フッ素原子及び塩素原子から選択される少なくとも1つの置換基で場合によって置換されていてもよいベンジル基であり、
R7が水素原子、メチル基またはエチル基である(1)から(8)のいずれか一項に記載の化合物、ならびにその薬理学的に許容し得る塩およびプロドラッグ。
【0053】
(18)Xが、式R5R7NCOの基であり、
R5が、水素原子、メチル基で場合によって置換されていてもよいベンジル基もしくはフェニル基であり、R7が水素原子である(1)から(8)のいずれか一項に記載の化合物、ならびにその薬理学的に許容し得る塩およびプロドラッグ。
【0054】
(19)Xが式R5SO2R7NCOの基であり、
R5が、水素原子、1から6個の炭素原子を有するアルキル基、1から6個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、1から6個の炭素原子を有するハロアルキル基、1から6個の炭素原子を有するアルコキシ基、アルコキシ基が1から6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基およびシアノ基から選択される少なくとも1つの置換基で場合によって置換されていてもよい、5から14個の炭素原子を有するアリール基、1から6個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、1から6個の炭素原子を有するハロアルキル基、1から6個の炭素原子を有するアルコキシ基、アルコキシ基が1から6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基およびシアノ基から選択される少なくとも1つの置換基で場合によって置換されていてもよい、5から14個の炭素原子を有するアリール基で置換された、1から6個の炭素原子を有するアルキル基を含むアラルキル基、1から3個の硫黄原子、酸素原子および/または窒素原子を含む5から7員の芳香族複素環式基であるヘテロアリール基、または1から3個の硫黄原子、酸素原子および/または窒素原子を含む5から7員の芳香族複素環式基であるヘテロアリール基で置換された、1から6個の炭素原子を有するアルキル基を含むヘテロアラルキル基であり、並びに
R7が、水素原子、1から6個の炭素原子を有するアルキル基、1から6個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、1から6個の炭素原子を有するハロアルキル基、1から6個の炭素原子を有するアルコキシ基、アルコキシ基が1から6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基およびシアノ基から選択される少なくとも1つの置換基で場合によって置換されていてもよい、5から14個の炭素原子を有するアリール基、または1から6個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、1から6個の炭素原子を有するハロアルキル基、1から6個の炭素原子を有するアルコキシ基、アルコキシ基が1から6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基およびシアノ基から選択される少なくとも1つの置換基で場合によって置換されていてもよい、5から14個の炭素原子を有するアリール基で置換された、1から6個の炭素原子を有するアルキル基を含むアラルキル基である(1)から(8)のいずれか一項に記載の化合物、ならびにその薬理学的に許容し得る塩およびプロドラッグ。
【0055】
(20)Xが式R5SO2R7NCOの基であり、
R5が、1から4個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子及び1から4個の炭素原子を有するハロアルキル基から選択される少なくとも1つの置換基で場合によって置換されていてもよい、6から10個の炭素原子を有するアリール基、または1から4個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、1から4個の炭素原子を有するハロアルキル基から選択される少なくとも1つの置換基で場合によって置換されていてもよい、6から10個の炭素原子を有するアリール基で置換された、1から4個の炭素原子を有するアルキル基を含むアラルキル基であり、並びに
R7が、水素原子、または1から4個の炭素原子を有するアルキル基である(1)から(8)のいずれか一項に記載の化合物、ならびにその薬理学的に許容し得る塩およびプロドラッグ。
【0056】
(21)Xが式R5SO2R7NCOの基であり、R5がメチル基で場合によって置換されていてもよいフェニル基であり、R7が水素原子である(1)から(8)のいずれか一項に記載の化合物、ならびにその薬理学的に許容し得る塩およびプロドラッグ。
【0057】
(22)Xが式CO2R8の基であり、R8が、1から6個の炭素原子を有するアルキル基、1から6個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、1から6個の炭素原子を有するハロアルキル基、1から6個の炭素原子を有するアルコキシ基、アルコキシ基が1から6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基およびシアノ基から選択される少なくとも1つの置換基で場合によって置換されていてもよい、5から14個の炭素原子を有するアリール基、または1から6個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、1から6個の炭素原子を有するハロアルキル基、1から6個の炭素原子を有するアルコキシ基、アルコキシ基が1から6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基およびシアノ基から選択される少なくとも1つの置換基で場合によって置換されていてもよい、5から14個の炭素原子を有するアリール基で置換された、1から6個の炭素原子を有するアルキル基を含むアラルキル基である(1)から(8)のいずれか一項に記載の化合物、ならびにその薬理学的に許容し得る塩およびプロドラッグ。
【0058】
(23)Xが式CO2R8の基であり、R8が、1から4個の炭素原子を有するアルキル基、1から4個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、および1から4個の炭素原子を有するハロアルキル基から選択される少なくとも1つの置換基で場合によって置換されていてもよい、6から10個の炭素原子を有するアリール基、または1から4個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、および1から4個の炭素原子を有するハロアルキル基から選択される少なくとも1つの置換基で場合によって置換されていてもよい、6から10個の炭素原子を有するアリール基で置換された、1から4個の炭素原子を有するアルキル基を含むアラルキル基である(1)から(8)のいずれか一項に記載の化合物、ならびにその薬理学的に許容し得る塩およびプロドラッグ。
【0059】
(24)Yが式R6COの基であり、R6が、水素原子、1から6個の炭素原子を有するアルキル基、1から6個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、1から6個の炭素原子を有するハロアルキル基、1から6個の炭素原子を有するアルコキシ基、アルコキシ基が1から6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基およびシアノ基から選択される少なくとも1つの置換基で場合によって置換されていてもよい、5から14個の炭素原子を有するアリール基、1から6個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、1から6個の炭素原子を有するハロアルキル基、1から6個の炭素原子を有するアルコキシ基、アルコキシ基が1から6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基およびシアノ基から選択される少なくとも1つの置換基で場合によって置換されていてもよい、5から14個の炭素原子を有するアリール基で置換された、1から6個の炭素原子を有するアルキル基を含むアラルキル基、1から3個の硫黄原子、酸素原子および/または窒素原子を含む5から7員の芳香族複素環式基であるヘテロアリール基、あるいは1から3個の硫黄原子、酸素原子および/または窒素原子を含む5から7員の芳香族複素環式基であるヘテロアリール基で置換された、1から6個の炭素原子を有するアルキル基を含むヘテロアラルキル基である(1)から(8)および(15)から(23)のいずれか一項に記載の化合物、ならびにその薬理学的に許容し得る塩およびプロドラッグ。
【0060】
(25)Yが式R6COの基であり、R6が、水素原子、1から4個の炭素原子を有するアルキル基、1から4個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、および1から4個の炭素原子を有するハロアルキル基から選択される少なくとも1つの置換基で場合によって置換されていてもよい、6から10個の炭素原子を有するアリール基で置換された、1から4個の炭素原子を有するアルキル基を含むアラルキル基である(1)から(8)および(15)から(23)のいずれか一項に記載の化合物、ならびにその薬理学的に許容し得る塩およびプロドラッグ。
【0061】
(26)Yが式R6COの基であり、R6が、水素原子、メチル基、ベンジル基またはフェネチル基である(1)から(8)および(15)から(23)のいずれか一項に記載の化合物、ならびにその薬理学的に許容し得る塩およびプロドラッグ。
【0062】
(27)YがR6SO2の基であり、R6が、水素原子、1から6個の炭素原子を有するアルキル基、1から6個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、1から6個の炭素原子を有するハロアルキル基、1から6個の炭素原子を有するアルコキシ基、アルコキシ基が1から6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基およびシアノ基から選択される少なくとも1つの置換基で場合によって置換されていてもよい、5から14個の炭素原子を有するアリール基、1から6個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、1から6個の炭素原子を有するハロアルキル基、1から6個の炭素原子を有するアルコキシ基、アルコキシ基が1から6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基およびシアノ基から選択される少なくとも1つの置換基で場合によって置換されていてもよい、5から14個の炭素原子を有するアリール基で置換された、1から6個の炭素原子を有するアルキル基を含むアラルキル基、1から3個の硫黄原子、酸素原子および/または窒素原子を含む5から7員の芳香族複素環式基であるヘテロアリール基、あるいは1から3個の硫黄原子、酸素原子および/または窒素原子を含む5から7員の芳香族複素環式基であるヘテロアリール基で置換された、1から6個の炭素原子を有するアルキル基を含むヘテロアラルキル基である(1)から(23)のいずれか一項に記載の化合物、ならびにその薬理学的に許容し得る塩およびプロドラッグ。
【0063】
(28)Yが式R6SO2の基であり、R6が、1から4個の炭素原子を有するアルキル基、または1から4個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、および1から4個の炭素原子を有するハロアルキル基から選択される少なくとも1つの置換基で場合によって置換されていてもよい6から10個の炭素原子を有するアリール基である(1)から(23)のいずれか一項に記載の化合物、ならびにその薬理学的に許容し得る塩およびプロドラッグ。
【0064】
(29)Yが式R6SO2の基であり、R6が、メチル基、エチル基、塩素原子およびフッ素原子から選択される少なくとも1つの置換基で場合によって置換されていてもよいフェニル基である(1)から(23)のいずれか一項に記載の化合物、ならびにその薬理学的に許容し得る塩およびプロドラッグ。
【0065】
(30)Xが式R6R7NCOの基であり、
R6が、水素原子、1から6個の炭素原子を有するアルキル基、1から6個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、1から6個の炭素原子を有するハロアルキル基、1から6個の炭素原子を有するアルコキシ基、アルコキシ基が1から6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基およびシアノ基から選択される少なくとも1つの置換基で場合によって置換されていてもよい、5から14個の炭素原子を有するアリール基、1から6個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、1から6個の炭素原子を有するハロアルキル基、1から6個の炭素原子を有するアルコキシ基、アルコキシ基が1から6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基およびシアノ基から選択される少なくとも1つの置換基で場合によって置換されていてもよい、5から14個の炭素原子を有するアリール基で置換された、1から6個の炭素原子を有するアルキル基を含むアラルキル基、1から3個の硫黄原子、酸素原子および/または窒素原子を含む5から7員の芳香族複素環式基であるヘテロアリール基、あるいは1から3個の硫黄原子、酸素原子および/または窒素原子を含む5から7員の芳香族複素環式基であるヘテロアリール基で置換された、1から6個の炭素原子を有するアルキル基を含むヘテロアラルキル基であり、
R7が、水素原子、1から6個の炭素原子を有するアルキル基、1から6個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、1から6個の炭素原子を有するハロアルキル基、1から6個の炭素原子を有するアルコキシ基、アルコキシ基が1から6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基およびシアノ基から選択される少なくとも1つの置換基で場合によって置換されていてもよい、5から14個の炭素原子を有するアリール基、または1から6個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、1から6個の炭素原子を有するハロアルキル基、1から6個の炭素原子を有するアルコキシ基、アルコキシ基が1から6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基およびシアノ基から選択される少なくとも1つの置換基で場合によって置換されていてもよい、5から14個の炭素原子を有するアリール基で置換された、1から6個の炭素原子を有するアルキル基を含むアラルキル基である(1)から(8)および(15)から(23)のいずれか一項に記載の化合物、ならびにその薬理学的に許容し得る塩およびプロドラッグ。
【0066】
(31)Yが式R6R7NCOの基であり、
R6が、水素原子、1から4個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、1から4個の炭素原子を有するハロアルキル基から選択される少なくとも1つの置換基で場合によって置換されていてもよい、6から10個の炭素原子を有するアリール基、または1から4個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、1から4個の炭素原子を有するハロアルキル基から選択される少なくとも1つの置換基で場合によって置換されていてもよい、6から10個の炭素原子を有するアリール基で置換された、1から4個の炭素原子を有するアルキル基を含むアラルキル基であり、
R7が、水素原子、または1から4個の炭素原子を有するアルキル基である(1)から(8)および(15)から(23)のいずれか一項に記載の化合物、ならびにその薬理学的に許容し得る塩およびプロドラッグ。
【0067】
(32)Yが式R6R7NCOの基であり、
R6が、水素原子、メチル基、エチル基、フッ素原子および塩素原子から選択される少なくとも1つの置換基で場合によって置換されていてもよいフェニル基、またはメチル基、エチル基、フッ素原子および塩素原子から選択される少なくとも1つの置換基で場合によって置換されていてもよいベンジル基であり、
R7が、水素原子、メチル基またはエチル基である(1)から(8)および(15)から(23)のいずれか一項に記載の化合物、ならびにその薬理学的に許容し得る塩およびプロドラッグ。
【0068】
(33)Yが式R6R7NCOの基であり、R6が、水素原子、ベンジル基、またはメチル基で場合によって置換されたフェニル基であり、R7は、水素原子である(1)から(8)および(15)から(23)のいずれか一項に記載の化合物、ならびにその薬理学的に許容し得る塩およびプロドラッグ。
【0069】
(34)Yが式R6SO2R7NCOの基であり、
R6は、水素原子、1から6個の炭素原子を有するアルキル基、1から6個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、1から6個の炭素原子を有するハロアルキル基、1から6個の炭素原子を有するアルコキシ基、アルコキシ基が1から6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基およびシアノ基から選択される少なくとも1つの置換基で場合によって置換されていてもよい、5から14個の炭素原子を有するアリール基、1から6個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、1から6個の炭素原子を有するハロアルキル基、1から6個の炭素原子を有するアルコキシ基、アルコキシ基が1から6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基およびシアノ基から選択される少なくとも1つの置換基で場合によって置換されていてもよい、5から14個の炭素原子を有するアリール基で置換された、1から6個の炭素原子を有するアルキル基を含むアラルキル基、1から3個の硫黄原子、酸素原子および/または窒素原子を含む5から7員の芳香族複素環式基であるヘテロアリール基、あるいは1から3個の硫黄原子、酸素原子および/または窒素原子を含む5から7員の芳香族複素環式基であるヘテロアリール基で置換された、1から6個の炭素原子を有するアルキル基を含むヘテロアラルキル基であり、
R7が、水素原子、1から6個の炭素原子を有するアルキル基、1から6個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、1から6個の炭素原子を有するハロアルキル基、1から6個の炭素原子を有するアルコキシ基、アルコキシ基が1から6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基およびシアノ基から選択される少なくとも1つの置換基で場合によって置換されていてもよい、5から14個の炭素原子を有するアリール基、または1から6個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、1から6個の炭素原子を有するハロアルキル基、1から6個の炭素原子を有するアルコキシ基、アルコキシ基が1から6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基およびシアノ基から選択される少なくとも1つの置換基で場合によって置換されていてもよい、5から14個の炭素原子を有するアリール基で置換された、1から6個の炭素原子を有するアルキル基を含むアラルキル基である(1)から(23)のいずれか一項に記載の化合物、ならびにその薬理学的に許容し得る塩およびプロドラッグ。
【0070】
(35)Yが式R6SO2R7NCOの基であり、
R6が、1から4個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、および1から4個の炭素原子を有するハロアルキル基から選択される少なくとも1つの置換基で場合によって置換されていてもよい、6から10個の炭素原子を有するアリール基、または1から4個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、および1から4個の炭素原子を有するハロアルキル基から選択される少なくとも1つの置換基で場合によって置換されていてもよい、6から10個の炭素原子を有するアリール基で置換された、1から4個の炭素原子を有するアルキル基を含むアラルキル基であり、
R7が、水素原子、または1から4個の炭素原子を有するアルキル基である(1)から(23)のいずれか一項に記載の化合物、ならびにその薬理学的に許容し得る塩およびプロドラッグ。
【0071】
(36)Yが式R6SO2R7NCOの基であり、R6が、メチル基で場合によって置換されていてもよいフェニル基であり、R7は、水素原子である(1)から(23)のいずれか一項に記載の化合物、ならびにその薬理学的に許容し得る塩およびプロドラッグ。
【0072】
(37)Yが式CO2R8の基であり、R8が、1から6個の炭素原子を有するアルキル基、1から6個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、1から6個の炭素原子を有するハロアルキル基、1から6個の炭素原子を有するアルコキシ基、アルコキシ基が1から6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基およびシアノ基から選択される少なくとも1つの置換基で場合によって置換されていてもよい、5から14個の炭素原子を有するアリール基、または1から6個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、1から6個の炭素原子を有するハロアルキル基、1から6個の炭素原子を有するアルコキシ基、アルコキシ基が1から6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基およびシアノ基から選択される少なくとも1つの置換基で場合によって置換されていてもよい、5から14個の炭素原子を有するアリール基で置換された、1から6個の炭素原子を有するアルキル基を含むアラルキル基である(1)から(23)のいずれか一項に記載の化合物、ならびにその薬理学的に許容し得る塩およびプロドラッグ。
【0073】
(38)Yが式CO2R8の基であり、R8が、1から4個の炭素原子を有するアルキル基、1から4個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、および1から4個の炭素原子を有するハロアルキル基から選択される少なくとも1つの置換基で場合によって置換されていてもよい、6から10個の炭素原子を有するアリール基、または1から4個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、および1から4個の炭素原子を有するハロアルキル基から選択される少なくとも1つの置換基で場合によって置換されていてもよい、6から10個の炭素原子を有するアリール基で置換された、1から4個の炭素原子を有するアルキル基を含むアラルキル基である(1)から(23)のいずれか一項に記載の化合物、ならびにその薬理学的に許容し得る塩およびプロドラッグ。
【0074】
(39)R1、R2、R3およびR4の各々が水素原子であり;
Xが式R5COの基であり、R5が水素原子、メチル基、ベンジル基またはフェネチル基であり;並びに
Yが式R6SO2R7NCOの基であり、R6がメチル基で場合によって置換されていてもよいフェニル基であり、並びにR7が水素原子である(1)に記載の化合物、ならびにその薬理学的に許容し得る塩およびプロドラッグ。
【0075】
(40)R1、R2、R3およびR4の各々が水素原子であり;
Xが式R5SO2の基(式中、R5はメチル基、エチル基、塩素原子及びフッ素原子から選択される少なくとも1つの置換基で場合により置換されていてもよいフェニル基である)であり;並びに
Yが式R6SO2R7NCOの基である(式中、R6がメチル基で場合によって置換されていてもよいフェニル基であり、R7が水素原子である)(1)に記載の化合物、ならびにその薬理学的に許容し得る塩およびプロドラッグ。
【0076】
(41)R1、R2、R3およびR4の各々が水素原子であり;
Xは式R5R7NCOの基であり(式中、R5は水素原子、ベンジル基またはメチル基で場合により置換されていてもよいフェニル基であり、R7は水素原子である);並びに
Yは式R6SO2R7NCOの基(式中、R6はメチル基で場合によって置換されていてもよいフェニル基であり、R7は水素原子である)あるいは式R6R7NCOの基(式中、R6は水素原子、ベンジル基またはメチル基で場合により置換されていてもよいフェニル基であり、R7は水素原子である)である(1)に記載の化合物、ならびにその薬理学的に許容し得る塩およびプロドラッグ。
【0077】
(42)R1、R2、R3およびR4の各々が水素原子であり;
Xは式R5SO2R7NCOの基であり、R5はメチル基で場合により置換されていてもよいフェニル基であり、R7は水素原子であり;並びに
Yは式R6COの基(式中、R6は水素原子、メチル基、ベンジル基またはフェネチル基である)あるいは式R6SO2の基(式中、R6はメチル基、エチル基、塩素原子及びフッ素原子から選択される少なくとも1つの置換基で場合により置換されていてもよいフェニル基である)あるいは式R6R7NCOの基(式中、R5は水素原子、ベンジル基またはメチル基で場合により置換されたフェニル基であり、R7は水素原子である)である(1)に記載の化合物、ならびにその薬理学的に許容し得る塩およびプロドラッグ。
【0078】
(43)R1、R2、R3およびR4の各々が水素原子であり;
Yが、式R6COの基であり、R6が、水素原子、メチル基、ベンジル基またはフェネチル基であり;
Xが、式R5SO2R7NCOの基であり、R5が、メチル基で場合によって置換されていてもよいフェニル基であり、R7が水素原子である(1)に記載の化合物、ならびにその薬理学的に許容し得る塩およびプロドラッグ。
【0079】
(44)R1、R2、R3およびR4の各々が水素原子であり;
Yが、式R6SO2(式中、R6は、メチル基、エチル基、塩素原子およびフッ素原子から選択される少なくとも1つの置換基で場合によって置換されていてもよいフェニル基である)の基であり;
Xが、式R5SO2R7NCO(式中、R5は、メチル基で場合によって置換されていてもよいフェニル基であり、R7は水素原子である)の基である(1)に記載の化合物、ならびにその薬理学的に許容し得る塩およびプロドラッグ。
【0080】
(45)R1、R2、R3およびR4の各々が水素原子であり;
Yが、式R6R7NCO(式中、R6は、水素原子、ベンジル基、またはメチル基で場合によって置換されていてもよいフェニル基であり、R7は水素原子である)の基であり;
Xが、式R5SO2R7NCOの基(式中、R5が、メチル基で場合によって置換されていてもよいフェニル基であり、R7は水素原子である)あるいは式R5R7NCOの基(式中、R5は水素原子、ベンジル基またはメチル基で場合により置換されたフェニル基であり、R7は水素原子である)である(1)に記載の化合物、ならびにその薬理学的に許容し得る塩およびプロドラッグ。
【0081】
(46)R1、R2、R3およびR4の各々が水素原子であり;
Yが、式R6SO2R7NCOの基であり、R6が、メチル基で場合によって置換されていてもよいフェニル基であり、R7が水素原子であり;
Xが、式R5COの基(式中、R5は、水素原子、メチル基、ベンジル基またはフェネチル基である)、式R5SO2の基(式中、R5は、メチル基、エチル基、塩素原子およびフッ素原子から選択される少なくとも1つの置換基で場合によって置換されていてもよいフェニル基である)あるいは式R5R7NCOの基(式中、R5は水素原子、ベンジル基またはメチル基で場合により置換されたフェニル基であり、R7は水素原子である)である(1)に記載の化合物、ならびにその薬理学的に許容し得る塩およびプロドラッグ。
【0082】
(47)
N-フェニルスルホニル-7-[({[(4-メチルフェニル)スルホニル]アミノ}カルボニル)アミノ]-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン-3-カルボキサミド;
N-アセチル-7-[({[(4-メチルフェニル)スルホニル]アミノ}カルボニル)アミノ]-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン-3-カルボキサミド;
N-ベンジルアミノカルボニル-7-[({[(4-メチルフェニル)スルホニル]アミノ}-カルボニル)アミノ]-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン-3-カルボキサミド;
N-(1-オキソ-3-フェニル-プロパニル)-7-[({[(4-メチルフェニル)スルホニル]アミノ}-カルボニル)アミノ]-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン-3-カルボキサミド;
N-ホルミル-7-[({[(4-メチルフェニル)スルホニル]アミノ}カルボニル)アミノ]-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン-3-カルボキサミド;
N-[(4-メチルフェニル)スルホニル]-7-フェニルスルホニルアミノ-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン-3-カルボキサミド;
N-[(4-メチルフェニル)スルホニル]-7-アセチルアミノ-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン-3-カルボキサミド;
N-[(4-メチルフェニル)スルホニル]-7-ベンジルアミノカルボニルアミノ-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン-3-カルボキサミド;
N-[(4-メチルフェニル)スルホニル]-7-(1-オキソ-3-フェニル-プロパニルアミノ)-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン-3-カルボキサミド;
N-[(4-メチルフェニル)スルホニル]-7-ホルミルアミノ-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン-3-カルボキサミド;
7-[({[(4-メチルフェニル)スルホニル]アミノ}カルボニル)アミノ]-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン-3-カルボキサミド;
N-フェニルスルホニル-7-フェニルスルホニルアミノカルボニルアミノ]-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン-3-カルボキサミド;
N-[(4-メチルフェニル)スルホニル]-6-({[(4-メチルフェニル)スルホニル]-カルバモイル}アミノ)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-カルボキサミド;
N-[(4-メチルフェニル)スルホニル]-5-[({[(4-メチルフェニル)スルホニル]アミノ}カルボニル)アミノ]-1,3-ジヒドロ-2H-イソインドール-2-カルボキサミド;
N-[(4-メチルフェニル)スルホニル]-7-({[(4-メチルフェニル)スルホニル]カルバモイル}アミノ)-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン-3-カルボキサミド;
N-フェニルスルホニル-7-{[(フェニルスルホニル)カルバモイル]アミノ}-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン-3-カルボキサミド;
N-[(3-メチルフェニル)スルホニル]-7-({[(3-メチルフェニル)スルホニル]カルバモイル}アミノ)-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン-3-カルボキサミド;
N-[(2-クロロフェニル)スルホニル]-7-({[(2-クロロフェニル)スルホニル]カルバモイル}アミノ)-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン-3-カルボキサミド;
N-[(4-クロロフェニル)スルホニル]-7-({[(4-クロロフェニル)スルホニル]カルバモイル}アミノ)-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン-3-カルボキサミド;
N-[(4-フルオロフェニル)スルホニル]-7-({[(4-フルオロフェニル)スルホニル]カルバモイル}アミノ)-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン-3-カルボキサミド;
N-[(4-メトキシフェニル)スルホニル]-7-({[(4-メトキシフェニル)スルホニル]カルバモイル}アミノ)-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン-3-カルボキサミド;
N-[(4-tert-ブチルフェニル)スルホニル]-7-({[(4-tert-ブチルフェニル)スルホニル]カルバモイル}アミノ)-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン-3-カルボキサミド;
N-[(4-メチルフェニル)スルホニル]-7-({[(4-メチルフェニル)スルホニル]カルバモイル}アミノ)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-カルボキサミド;
N-[(4-メチルフェニル)スルホニル]-7-([(4-メチルフェニル)スルホニル]アミノ)-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン-3-カルボキサミド;
N-[(4-メチルフェニル)スルホニル]-7-([(4-ビフェニル)スルホニル]アミノ)-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン-3-カルボキサミド;
N-[(4-メチルフェニル)スルホニル]-7-([(4-メチルフェニル)フェニル]スルホニル]-アミノ)-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン;
N-[(4-メチルフェニル)スルホニル]-7-アミノカルボニルアミノ-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンゾアゼピン-3-カルボキサミド;
N-[(4-メチルフェニル)スルホニル]-7-[({[(4-メチルフェニル)スルホニル]アミノ}-カルボニル)アミノ]-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンゾアゼピン-3-カルボキサミド;及び
N-ベンジル-7-ベンジルアミノカルボニルアミノ-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンゾアゼピン-3-カルボキサミド
からなる群から選択される(1)に記載の化合物、またはその薬理学的に許容し得る塩もしくはプロドラッグ。
【0083】
本発明の好ましい使用には、炎症性腸疾患、慢性関節リウマチ、組織不適合性、喘息、慢性閉塞性肺疾患、多発性硬化症の嚢胞性繊維症及びアテローム性動脈硬化症から選択される病態の予防または治療のための医薬の製造における(1)から(47)のいずれか一項に記載の化合物の使用が含まれる。
【0084】
本発明の第2の態様において、(1)から(47)のいずれか一項に規定される化合物またはその薬理学的に許容し得る塩もしくはプロドラッグを有効量で、それらを必要としている患者に投与することを含む、炎症性または免疫学的病態の予防または治療のための方法を提供する。
【0085】
本発明の第3の態様において、炎症性または免疫学的病態の予防または治療のための医薬の製造における、(1)から(47)のいずれか一項に記載の少なくとも1つの化合物またはその薬理学的に許容し得る塩もしくはプロドラッグの、ムスカリン受容体アンタゴニスト、β3アドレナリン受容体アゴニスト、ニューロキニンK受容体アンタゴニスト、バニロイドVR1アゴニスト、カルシウムチャネルa2dリガンド、カリウムチャネル活性化薬、カルシウムチャネル阻害薬、ナトリウムチャネル遮断薬、セロトニンおよびノルエピネフリン再取込み阻害薬(SNRI)、5-HTアンタゴニスト及びアルファ-1アドレナリン受容体アンタゴニストからなる群から選択される少なくとも1つの化合物と組み合わせての使用を提供する。
【0086】
本発明の第4の態様において、薬理学的に許容し得る希釈剤または担体および化成成分の組合せを含む医薬組成物を、有効量でそれらを必要としている患者に投与することを含む、炎症性または免疫学的病態の予防または治療のための方法を提供し、前記活性成分は、(1)から(47)のいずれか一項に記載の少なくとも1つの化合物またはその薬理学的に許容し得る塩もしくはプロドラッグを、ムスカリン受容体アンタゴニスト、β3アドレナリン受容体アゴニスト、ニューロキニンK受容体アンタゴニスト、バニロイドVR1アゴニスト、カルシウムチャネルa2dリガンド、カリウムチャネル活性化薬、カルシウムチャネル阻害薬、ナトリウムチャネル遮断薬、セロトニンおよびノルエピネフリン再取込み阻害薬(SNRI)、5-HTアンタゴニスト及びアルファ-1アドレナリン受容体アンタゴニストからなる群から選択される少なくとも1つの化合物と組み合わせて含む。
【発明を実施するための形態】
【0087】
本発明の化合物において、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7およびR8の定義におけるアルキル基は、好ましくは、1から6個の炭素原子を有するアルキル基、より好ましくは、1から4個の炭素原子を有するアルキル基、最も好ましくはメチル基である。
【0088】
本発明の化合物において、R1の定義におけるシクロアルキル基は、好ましくは、3から8個の炭素原子を有するシクロアルキル基、より好ましくは5から7個の炭素原子を有するシクロアルキル基、最も好ましくはシクロヘキシルである。
【0089】
本発明の化合物において、R1、R5、R6、R7およびR8の定義におけるアリール基は、好ましくは、アルキル基、ハロゲン原子、ハロアルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アミノスルホニル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基およびシアノ基から選択される少なくとも1つの置換基で場合によって置換されていてもよい、5から14個の炭素原子を有するアリール基である。無置換のアリール基の例としては、フェニル基、インデニル基、ナフチル基、フェナントレニル基およびアントラセニル基が挙げられる。より好ましいアリール基としては、1つまたは2つのアルキル基で場合によって置換されていてもよいフェニル基が挙げられる。
【0090】
本発明の化合物において、R1、R5、R6、R7およびR8の定義におけるアラルキル基は、好ましくは、以上に定義した1つまたは複数のアリール基で置換された、以上に定義したアルキル基であり、より好ましくは、ベンジル基およびフェネチル基である。
【0091】
本発明の化合物において、R5、R6およびR8の定義におけるヘテロアリール基は、好ましくは、1から3個の硫黄原子、酸素原子および/または窒素原子を含む5から7員の芳香族複素環式基である。例としては、フリル基、チエニル基、ピロリル基、アゼピニル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、オキサゾリル基、イソキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、1,2,3-オキサジアゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、チアジアゾリル基、ピラニル基、ピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基およびピラジニル基が挙げられる。
【0092】
本発明の化合物において、R5、R6およびR8の定義におけるヘテロアラルキル基は、好ましくは、以上に定義したヘテロアリール基で置換された、以上に定義したアルキル基である。
【0093】
本発明の化合物において、R8の定義におけるアルコキシアルキル基は、好ましくは、以下に定義するアルコキシ基で置換された、以上に定義するアルキル基であり、より好ましくは、1から4個の炭素原子を有するアルコキシ基で置換された、1から4個の炭素原子を有するアルキル基である。
【0094】
本発明の化合物において、R2、R3およびR4の定義におけるハロアルキル基は、好ましくは、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、ハロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基およびシアノ基から選択される少なくとも1つの置換基で場合によって置換されていてもよい、5から14個の炭素原子を有するアリール基である。
【0095】
本発明の化合物において、R2、R3およびR4の定義におけるアルコキシ基は、好ましくは、1から6個の炭素原子を有するアルコキシ基、より好ましくは、1から4個の炭素原子を有するアルコキシ基、最も好ましくはメトキシ基またはエトキシ基である。
【0096】
本発明の化合物において、R2、R3およびR4の定義におけるアルコキシカルボニル基は、好ましくは、定義したアルコキシ基で置換されたカルボニル基であり、より好ましくは、メトキシカルボニル基またはエトキシカルボニル基である。
【0097】
本発明の化合物において、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7およびR8の定義におけるモノアルキルアミノ基は、好ましくは、以上に定義した1つのアルキル基で置換されたアミノ基であり、より好ましくはメチルアミノ基、エチルアミノ基またはt-ブチルアミノ基である。
【0098】
本発明の化合物において、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7およびR8の定義におけるジアルキルアミノ基は、好ましくは、同一であっても互いに異なっていてもよい、以上に定義した2つのアルキル基で置換されたアミノ基であり、より好ましくはジメチルアミノ基またはジエチルアミノ基である。
【0099】
本発明の化合物において、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7およびR8の定義におけるアシルアミノ基は、好ましくは、1から6個の炭素原子を有するアシル基で置換されたアミノ基であり、より好ましくは、アセチルアミノ基またはプロパノイルアミノ基である。
【0100】
本発明の化合物において、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7およびR8の定義におけるアルコキシカルボニルアミノ基は、好ましくは、以上に定義したアルコキシカルボニル基で置換されたアミノ基であり、より好ましくはメトキシカルボニルアミノ基またはエトキシカルボニルアミノ基である。
【0101】
本発明の化合物において、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7およびR8の定義におけるアルキルスルホニル基は、好ましくは、以上に定義したアルキル基で置換されたスルホニル基であり、より好ましくは、メチルスルホニル基またはエチルスルホニル基である。
【0102】
本発明の化合物において、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7およびR8の定義におけるアリールスルホニル基は、好ましくは、以上に定義したアリール基で置換されたスルホニル基であり、より好ましくは、以上に定義した1つまたは2つのアルキル基で場合によって置換されていてもよいフェニルスルホニル基、あるいはナフチルスルホニル基である。
【0103】
本発明の式(1)の化合物は、薬理学的に許容し得る塩及びプロドラッグを形成することができ、これらは、本発明の一部を構成する。当該塩の例としては、アンモニウム塩などの無機塩;t-オクチルアミン塩、ジベンジルアミン塩、モルホリン塩、グルコサミン塩、フェニルグリシンアルキルエステル塩、エチレンジアミン塩、N-メチルグルカミン塩、グアニジン塩、ジエチルアミン塩、トリエチルアミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、N,N’-ジベンジルエチレンジアミン塩、クロロプロカイン塩、プロカイン塩、ジエタノールアミン塩、N-ベンジル-N-フェネチルアミン塩、ピペラジン塩、テトラメチルアンモニウム塩およびトリス(ヒドロキシメチル)アミンメタン塩などの有機アミン塩;フッ化水素塩、塩化水素塩、臭化水素塩およびヨウ化水素塩などのハロゲン化水素塩;硝酸塩、過塩素酸塩、硫酸塩およびリン酸塩などの無機酸塩;メタンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩およびエタンスルホン酸塩などの低級アルカンスルホン酸塩;ベンゼンスルホン酸塩およびp-トルエンスルホン酸塩などのアリールスルホン酸塩;酢酸塩、リンゴ酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、シュウ酸塩およびマレイン酸塩などの有機酸塩;ならびにオルニチン酸塩、グルタミン酸塩およびアスパラギン酸塩などのアミノ酸塩が挙げられる。これらのうち、有機アミン塩がより好ましく、トリエチルアミン塩が最も好ましい。
【0104】
本発明の式(1)の化合物をプロドラッグの形で投与することができる。プロドラッグは、薬理活性化合物上の1つまたは複数の置換基が、患者に対する投与後にインビボの生物学的プロセス(例えば、加水分解)によって後に除去可能である基によって保護される前記化合物の誘導体である。多くの好適なプロドラッグは、当業者に良く知られ、例えば、「Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis」、第4版、2006、Wiley-VCHに見いだすことができる。当該プロドラッグの好適な例としては、式(1)を有する化合物のカルボキシル部分がエステル化された、式(1)を有する化合物の薬理学的に許容し得るエステルが挙げられる。薬理学的に許容し得るエステルは、特に限定されず、当業者によって選択され得る。前記エステルの場合は、当該エステルをインビボの加水分解などの生物学的プロセスによって開裂できることが好ましい。前記エステルを構成する基(そのエステルが-COORで表されるときにRで示される基)は、例えば、メトキシエチル、1-エトキシエチル、1-メチル-1-メトキシエチル、1-(イソプロポキシ)エチル、2-メトキシエチル、2-エトキシエチル、1,1-ジメチル-1-メトキシメチル、エトキシメチル、プロポキシメチル、イソプロポキシメチル、ブトキシメチルまたはt-ブトキシメチルなどのC1〜C4アルコキシC1〜C4アルキル基;2-メトキシエトキシメチルなどのC1〜C4アルコキシル化C1〜C4アルコキシC1〜C4アルキル基;フェノキシメチルなどのC6〜C10アリールオキシC1〜C4アルキル基;2,2,2-トリクロロエトキシメチルまたはビス(2-クロロエトキシ)メチルなどのハロゲン化C1〜C4アルコキシC1〜C4アルキル基;メトキシカルボニルメチルなどのC1〜C4アルコキシカルボニルC1〜C4アルキル基;シアノメチルまたは2-シアノエチルなどのシアノC1〜C4アルキル基;メチルチオメチルまたはエチルチオメチルなどのC1〜C4アルキルチオメチル基;フェニルチオメチルまたはナフチルチオメチルなどのC6〜C10アリールチオメチル基;2-メタンスルホニルエチルまたは2-トリフルオロメタンスルホニルエチルなどのハロゲン原子で場合によって置換されていてもよいC1〜C4アルキルスルホニルC1〜C4低級アルキル基;2-ベンゼンスルホニルエチルまたは2-トルエンスルホニルエチルなどのC6〜C10アリールスルホニルC1〜C4アルキル基;ホルミルオキシメチル、アセトキシメチル、プロピオニルオキシメチル、ブチリルオキシメチル、ピバロイルオキシメチル、バレリルオキシメチル、イソバレリルオキシメチル、ヘキサノイルオキシメチル、1-ホルミルオキシエチル、1-アセトキシエチル、1-プロピオニルオキシエチル、1-ブチリルオキシエチル、1-ピバロイルオキシエチル、1-バレリルオキシエチル、1-イソバレリルオキシエチル、1-ヘキサノイルオキシエチル、2-ホルミルオキシエチル、2-アセトキシエチル、2-プロピオニルオキシエチル、2-ブチリルオキシエチル、2-ピバロイルオキシエチル、2-バレリルオキシエチル、2-イソバレリルオキシエチル、2-ヘキサノイルオキシエチル、1-ホルミルオキシプロピル、1-アセトキシプロピル、1-プロピオニルオキシプロピル、1-ブチリルオキシプロピル、1-ピバロイルオキシプロピル、1-バレリルオキシプロピル、1-イソバレリルオキシプロピル、1-ヘキサノイルオキシプロピル、1-アセトキシブチル、1-プロピオニルオキシブチル、1-ブチリルオキシブチル、1-ピバロイルオキシブチル、1-アセトキシペンチル、1-プロピオニルオキシペンチル、1-ブチリルオキシペンチル、1-ピバロイルオキシペンチルまたは1-ピバロイルオキシヘキシルなどのC1〜C7脂肪族アシルオキシC1〜C4アルキル基;シクロペンチルカルボニルオキシメチル、シクロヘキシルカルボニルオキシメチル、1-シクロペンチルカルボニルオキシエチル、1-シクロヘキシルカルボニルオキシエチル、1-シクロペンチルカルボニルオキシプロピル、1-シクロヘキシルカルボニルオキシプロピル、1-シクロペンチルカルボニルオキシブチルまたは1-シクロヘキシルカルボニルオキシブチルなどのC5〜C6シクロアルキルカルボニルオキシC1〜C4アルキル基;ベンゾイルオキシメチルなどのC6〜C10アリールカルボニルオキシC1〜C4アルキル基;メトキシカルボニルオキシメチル、1-(メトキシカルボニルオキシ)エチル、1-(メトキシカルボニルオキシ)プロピル、1-(メトキシカルボニルオキシ)ブチル、1-(メトキシカルボニルオキシ)ペンチル、1-(メトキシカルボニルオキシ)ヘキシル、エトキシカルボニルオキシメチル、1-(エトキシカルボニルオキシ)エチル、1-(エトキシカルボニルオキシ)プロピル、1-(エトキシカルボニルオキシ)ブチル、1-(エトキシカルボニルオキシ)ペンチル、1-(エトキシカルボニルオキシ)ヘキシル、プロポキシカルボニルオキシメチル、1-(プロポキシカルボニルオキシ)エチル、1-(プロポキシカルボニルオキシ)プロピル、1-(プロポキシカルボニルオキシ)ブチル、イソプロポキシカルボニルオキシメチル、1-(イソプロポキシカルボニルオキシ)エチル、1-(イソプロポキシカルボニルオキシ)ブチル、ブトキシカルボニルオキシメチル、1-(ブトキシカルボニルオキシ)エチル、1-(ブトキシカルボニルオキシ)プロピル、1-(ブトキシカルボニルオキシ)ブチル、イソブトキシカルボニルオキシメチル、1-(イソブトキシカルボニルオキシ)エチル、1-(イソブトキシカルボニルオキシ)プロピル、1-(イソブトキシカルボニルオキシ)ブチル、t-ブトキシカルボニルオキシメチル、1-(t-ブトキシカルボニルオキシ)エチル、ペンチルオキシカルボニルオキシメチル、1-(ペンチルオキシカルボニルオキシ)エチル、1-(ペンチルオキシカルボニルオキシ)プロピル、ヘキシルオキシカルボニルオキシメチル、1-(ヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチルまたは1-(ヘキシルオキシカルボニルオキシ)プロピルなどのC1〜C6アルコキシカルボニルオキシC1〜C4アルキル基;シクロペンチルオキシカルボニルオキシメチル、1-(シクロペンチルオキシカルボニルオキシ)エチル、1-(シクロペンチルオキシカルボニルオキシ)プロピル、1-(シクロペンチルオキシカルボニルオキシ)ブチル、シクロヘキシルオキシカルボニルオキシメチル、1-(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル、1-(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)プロピルまたは1-(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)ブチルなどのC5〜C6シクロアルキルオキシカルボニルオキシC1〜C4アルキル基;(5-メチル-2-オキソ-1,3-ジオキソレン-4-イル)メチル、(5-エチル-2-オキソ-1,3-ジオキソレン-4-イル)メチル、(5-プロピル-2-オキソ-1,3-ジオキソレン-4-イル)メチル、(5-イソプロピル-2-オキソ-1,3-ジオキソレン-4-イル)メチルまたは(5-ブチル-2-オキソ-1,3-ジオキソレン-4-イル)メチルなどの[5-(C1〜C4アルキル)-2-オキソ-1,3-ジオキソレン-4-イル]メチル基;(5-フェニル-2-オキソ-1,3-ジオキソレン-4-イル)メチル、[5-(4-メチルフェニル)-2-オキソ-1,3-ジオキソレン-4-イル]メチル、[5-(4-メトキシフェニル)-2-オキソ-1,3-ジオキソレン-4-イル]メチル、[5-(4-フルオロフェニル)-2-オキソ-1,3-ジオキソレン-4-イル]メチルまたは[5-(4-クロロフェニル)-2-オキソ-1,3-ジオキソレン-4-イル]メチルなどの[5-(C1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシまたはハロゲン原子で場合によって置換されていてもよいフェニル)-2-オキソ-1,3-ジオキソレン-4-イル]メチル基;あるいはフタリジル、ジメチルフタリジルまたはジメトキシフタリジルなどのC1〜C4アルキル基またはC1〜C4アルコキシ基で場合によって置換されていてもよいフタリジル基であることが可能であり、好ましくは、ピバロイルオキシメチル基、フタリジル基または(5-メチル-2-オキソ-1,3-ジオキソレン-4-イル)メチル基、より好ましくは(5-メチル-2-オキソ-1,3-ジオキソレン-4-イル)メチル基である。
【0105】
式(1)の化合物あるいはそれらの薬理学的に活性な塩およびプロドラッグは、それらの等配体(isoster)が存在するいくつかの置換基を含み、前記置換基の代わりに当該等配体を含む化合物も本発明の一部を構成する。例えば、式(1)の化合物あるいはその薬理学的に活性な塩およびプロドラッグがカルボキシル基を含む場合は、これをテトラゾリル基で置換することができる。
【0106】
式(1)の化合物の水和物または溶媒和物あるいはそれらの薬理学的に許容し得る塩およびプロドラッグも使用され、本発明の一部を構成し得る。
【0107】
本発明の式(1)のいくつかの化合物あるいはそれらの薬理学的に許容し得る塩およびプロドラッグは、1つまたは複数の非対称炭素を有することができ、分子内の非対称炭素原子の存在による光学異性体(ジアステレオ異性体を含む)が存在し得る。これらのそれぞれの異性体が、個々の異性体およびすべての可能な割合のそれらの混合物として本発明に含まれる。
【0108】
XおよびYが水素である、またはXおよびYの一方がHであり、他方が好適な保護基である式(I)の化合物を塩化アシル、無水物、塩化スルホニル、クロロギ酸塩、イソシアネートまたはスルホニルイソシアネートなどの求電子試薬と反応させて、適宜保護基の除去後に本発明の化合物を得る。
【0109】
【化2】

【0110】
【化3】

【0111】
本発明の一般式(1)を有する化合物、あるいはその薬理学的に許容し得る塩またはプロドラッグの投与形式の例としては、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、粉剤またはシロップ剤による経口投与、および注射、貼付剤または坐薬による非経口投与が挙げられる。さらに、本発明の一般式(1)を有する化合物、あるいはその薬理学的に許容し得る塩またはプロドラッグを粉末、溶液または懸濁液の形で肺投与することもできる。これらの投与のための製剤は、賦形剤、潤滑剤、バインダ、崩壊剤、安定剤、矯正薬および希釈剤等を使用して既知の方法によって製造される。
【0112】
賦形剤の例としては、糖誘導体、例えば、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトールまたはソルビトール、デンプン誘導体、例えば、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、α-デンプン、デキストリンまたはカルボキシメチルデンプン、セルロース誘導体、例えば、結晶セルロース、低置換ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルシウムカルボキシメチルセルロースまたは内部架橋ナトリウムカルボキシメチルセルロース、およびアラビアゴム、デキストランまたはプルランなどの有機賦形剤;ならびに珪酸塩誘導体、例えば、軽質無水珪酸、合成珪酸アルミニウムもしくはメタ珪酸アルミニウムマグネシウム、リン酸塩、例えば、リン酸カルシウム、炭酸塩、例えば、炭酸カルシウム、または硫酸塩、例えば、硫酸カルシウムなどの無機賦形剤が挙げられる。
【0113】
潤滑剤の例としては、ステアリン酸、およびステアリン酸カルシウムまたはステアリン酸マグネシウムなどの金属ステアリン酸塩;タルク;コロイドシリカ;ミツガムまたは鯨蝋などの蝋;ホウ酸;アジピン酸;硫酸ナトリウムなどの硫酸塩;グリコール;ギ酸;安息香酸ナトリウム;DL-ロイシン;ナトリウム脂肪酸塩;ラウリル硫酸ナトリウムまたはラウリル硫酸マグネシウムなどのラウリル硫酸塩;無水珪酸または珪酸水和物などの珪酸;およびデンプン誘導体が挙げられる。
【0114】
バインダの例としては、ポリビニルピロリドン、マクロゴル、および上記賦形剤と同様の化合物が挙げられる。
【0115】
崩壊剤の例としては、上記賦形剤と同様の化合物、ならびにクロスナトリウムカルメロース、ナトリウムカルボキシメチルデンプンまたは架橋ポリビニルピロリドンなどの化学的架橋デンプンおよびセルロースが挙げられる。
【0116】
安定剤の例としては、メチルパラベンまたはプロピルパラベンなどのパラオキシ安息香酸エステル;クロロブタノール、ベンジルアルコールまたはフェニルエチルアルコールなどのアルコール;塩化ベンズアルコニウム;フェノールまたはクレゾールなどのフェノール類;チメロサル;デヒドロ酢酸;およびソルビン酸が挙げられる。
【0117】
矯正薬の例としては、普通に使用されている甘味料、酸味香料および芳香剤が挙げられる。
【0118】
例えば、本発明の一般式(1)を有する化合物、あるいはその薬理学的に許容し得る塩またはプロドラッグの肺投与のための溶液または懸濁液を製造する場合は、本発明の結晶を水または水と補助溶媒(例えば、エタノール、プロピレングリコールまたはポリエチレングリコール)の混合物に溶解または懸濁させることによって前記溶液または懸濁液を製造することができる。当該溶液または懸濁液は、防腐剤(例えば、塩化ベンズアルコニウム)、可溶化剤(例えば、Tween 80またはSpan 80などのポリソルベート、あるいは塩化ベンズアルコニウムなどの界面活性剤)、緩衝剤、等張剤(例えば、塩化ナトリウム)、吸収促進剤および/または増粘剤を含有することもできる。加えて、該懸濁液は、懸濁剤(微結晶セルロースまたはナトリウムカルボキシメチルセルロースなど)をさらに含有することができる。
【0119】
上記のようにして製造された肺投与のための組成物を、吸入器の分野における典型的な手段によって(例えば、ドロッパー、ピペット、カニューレまたは噴霧器を使用して)鼻腔または口腔に直接投与する。噴霧器を使用する場合は、本発明の結晶を好適な噴霧剤(例えば、ジクロロフルオロメタン、トリクロロフルオロメタンまたはジクロロテトラフルオロエタンなどのクロロフルオロカーボン、あるいは二酸化炭素などの気体)とともに加圧パックの形でエアロゾルとして噴霧することができ、あるいはネブライザーを使用してそれらを投与することができる。
【0120】
本発明の一般式(1)を有する化合物、あるいはその薬理学的に許容し得る塩またはプロドラッグの使用量は、症状、年齢および投与法等に応じて異なり、単一投与物で、または症状に応じて多数の投与物に分割することによって投与され得る。
【0121】
本発明の第3及び第4の態様による組合せにおいて、本発明の一般式(1)を有する化合物、あるいはその薬理学的に許容し得る塩またはプロドラッグと併用できる化合物群の各々の典型的な例は、以下の通りである。
【0122】
1.ムスカリン受容体アンタゴニスト(選択的M3アンタゴニストを含むが、それに限定されない)の例としては、エソキシブチニン、オキシブチニン[特に塩化物]、トルテロジン[特に酒石酸塩]、ソリフェナシン[特にコハク酸塩]、ダリフェナシン[特に臭化水素塩]、テミベリン、フェソテロジン、イミダフェナシンおよびトロスピウム[特に塩化物]が挙げられる。
2.β3アドレナリン受容体アゴニストの例としては、YM-178およびソラベグロン、KUC-7483が挙げられる。
3.ニューロキニンLK受容体アンタゴニスト(選択的NK-1アンタゴニストを含む)の例としては、シゾリルチンおよびカソピタントが挙げられる。
4.バニロイドVR1アゴニストの例としては、カプサイシン、レシニフェラトキシンおよびNDG-8243が挙げられる。
5.カルシウムチャネルa2 dリガンドの例としては、ガバペンチンおよびプレガバリンが挙げられる。
6.カリウムチャネル活性化薬(KCNQの活性化薬、BKCaチャネル、KvチャネルおよびKATPチャネルを含む)の例としては、KW-7158、NS-8およびレチガビンが挙げられる。
7.カルシウムチャネル阻害薬(Cav2.2チャネル阻害薬を含む)の例としては、ジコノチドおよびNMED-160が挙げられる。
8.ナトリウムチャネル遮断薬の例としては、リドカイン、ラモトリギン、VX-409、ラルフィナミドおよびカルバマゼピンが挙げられる。
9.セロトニンおよびノレピネフリン再取込み阻害薬(SNRI)の例としては、デュロキセチンおよびベンラファキシンが挙げられる。
10.5-HTアンタゴニストの例としては、5-HT1aアンタゴニストおよび5HT3アンタゴニストが挙げられる。
11.a-1アドレナリン受容体アンタゴニストの例としては、タムスロシンが挙げられる。
12.三環式抗鬱薬の例としては、アミトリプチリン、アモキサピン、クロミプラミン、ドスレピン(ドチエピン)、ドソキセピン、イミプラミン、ロフェプラミン、ノルトリプチリンおよびトリミプラミンが挙げられる。
13.N-メチル-D-アスパルテート(NMDA)受容体アンタゴニストの例としては、ケタミン、メマンチン、アマンタジン、AVP-923、NP-1およびEVT-101が挙げられる。
14.カンナビノイド受容体アゴニストの例としては、GW-1000(Sativex)およびKDS-2000が挙げられる。
15.抗痙攣薬。例としては、ラコサミド、カルバマゼピン、トピラメート、オキシカルバゼピンおよびレベチラセタムが挙げられる。
16.アルドースリダクターゼ阻害薬の例としては、トルレスタット、ゾポルレスタット、ゼナレスタット、エパルレスタット、ソルビニル、AS-3201、フィダレスタット、リサレスタット、ポナルレスタットおよびアルレスタチンが挙げられる。
17.オピオイド(例えば、muオピオイドアゴニスト)の例としては、フェンタニルおよびタペンタドールが挙げられる。
18.アルファアドレナリン受容体アゴニストの例としては、エトキサミン、フェニルエフリン、オキシメタゾリン、テトラヒドララジンおよびキシロメタゾリンなどのa1-アドレナリン受容体アゴニストならびにクロニジニン、グアナベンズ、グアンファシンおよびa-メチルドーパなどのa2-アドレナリン受容体アゴニストが挙げられる。
19.P2X受容体アンタゴニストの例としては、P2X2受容体アンタゴニストおよびP2X7受容体アンタゴニストが挙げられる。
20.酸感知イオンチャネルモジュレータの例としては、アミロライドが挙げられる。
21.NGF受容体モジュレータの例としては、trkAが挙げられる。
22.ニコチンアセチルコリン受容体モジュレータの例としては、A-85380、テバニクリン、ABT-366833、ABT-202、ABT-894、エピバチジン類似体およびSIB-1663が挙げられる。
23.シナプス小胞タンパク質2Aリガンドの例としては、ブリバラセタムが挙げられる。
【0123】
本発明の組合せの投与形式の例は、一般式(1)の化合物、ならびにその薬理学的に許容し得る塩およびプロドラッグについて以上に示したのと同じである。具体的な形式を治療すべき状態および組み合わせて投与される化合物の性質に応じて選択することができる。例えば、一般式(1)の化合物またはその薬理学的に許容し得る塩もしくはプロドラッグとリドカインとの組合せを貼付剤によって経皮投与することが可能であり、ジコノチドとの組合せを経粘膜投与することが可能である。
【実施例】
【0124】
本発明の化合物の合成
(実施例1〜5)
7-ニトロ-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピンをEP284384に記載されているように調製した。
【0125】
【化4】

【0126】
7-ニトロ-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン(1.0当量)をテトラヒドロフラン(約0.25M)に溶解させた溶液に対して、窒素雰囲気下で、以下の表1の求電子試薬(1.1当量)を添加した。トリエチルアミン(1.1当量)を以下の表1に示されるように添加した。次いで、反応混合物を終夜撹拌してから、酢酸エチルで希釈した。次いで、有機相を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。粗製反応混合物をカラムクロマトグラフィー(シリカ、典型的には、1:1の酢酸エチル:ヘキサン)で精製して、中間体(1A)〜(5A)を得た。
【0127】
【表1】

【0128】
【化5】

【0129】
以上のように調製した式(1A)〜(5A)のN-置換ベンズアゼピンをEtOH:H2O(8:2、0.01M)に溶解させた溶液に対して、Zn(30当量)およびCaCl2(0.6当量)を添加した。TLC分析によって出発材料の消費が示されるまで、反応混合物を2時間にわたって加熱して還流させた。反応混合物を熱いうちに濾過し、冷却し、溶媒を減圧下で除去した。得られた粗製反応混合物をカラムクロマトグラフィー(シリカ、典型的には、2:1の酢酸エチル:ヘキサン)で精製して、中間体(1B)〜(5B)を以下の表2に示される収率で得た。
【0130】
【表2】

【0131】
【化6】

【0132】
式(1B)〜(5B)のN-置換ベンズアゼピン(1.0当量)をTHF(約0.25M)に溶解させた溶液に対して、窒素雰囲気下で、トルエンスルホニルイソシアネート(1.0当量)を添加した。反応混合物を終夜撹拌してから、溶媒を減圧下で除去した。粗製反応混合物をカラムクロマトグラフィー(シリカ、典型的には、1:7:92のトリエチルアミン:メタノール:クロロホルム)で精製して、生成物のトリエチルアミン塩を得た。これをクロロホルムに溶解させ、1Mのクエン酸で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去して、式(1a)、(1b)、(1c)または(1d)の所望の最終化合物を以下の表3に示される収率で得た。
【0133】
【表3】

【0134】
実施例1:N-フェニルスルホニル-7-[({[(4-メチルフェニル)スルホニル]アミノ}カルボニル)アミノ]-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン-3-カルボキサミド m/z=500(ES+、M+H)。
実施例2:N-アセチル-7-[({[(4-メチルフェニル)スルホニル]アミノ}カルボニル)アミノ]-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン-3-カルボキサミド m/z=402(ES+、M+H)。
実施例3:N-ベンジルアミノカルボニル-7-[({[(4-メチルフェニル)スルホニル]アミノ}カルボニル)アミノ]-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン-3-カルボキサミド m/z=493(ES+、M+H)。
実施例4:N-(1-オキソ-3-フェニル-プロパニル)-7-[({[(4-メチルフェニル)スルホニル]アミノ}カルボニル)アミノ]-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン-3-カルボキサミド m/z=492(ES+、M+H)。
実施例5:N-ホルミル-7-[({[(4-メチルフェニル)スルホニル]アミノ}カルボニル)アミノ]-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン-3-カルボキサミド m/z=410(ES+、MNa+)。
【0135】
(実施例6〜10)
【0136】
【化7】

【0137】
(2-カルボキシメチル-フェニル)酢酸(D)(25.0g、0.13mol)をH2SO4(85ml)に溶解させた溶液に対して、-10℃でH2SO4(4ml)中HNO3(10ml)を添加した。反応混合物を-10℃で4時間撹拌してから、室温まで加温した。次いで、反応混合物を氷(500ml)上に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。粗製反応混合物を酢酸エチル/ヘキサンからの再結晶によって精製して、無色の固体として所望の中間体(D2)(21.38g、69%)を得た。
【0138】
【化8】

【0139】
中間体(D2)(10.9g、0.05mol)をTHF(180ml)に溶解させた溶液に対して、0℃の窒素雰囲気下でボラン(100ml、THF中1.0M)を1時間にわたって添加した。次いで、反応混合物を0℃で1時間撹拌してから、室温まで加温し、さらに4時間撹拌した。反応混合物を水(100ml)で失活させ、酢酸エチルで抽出した。一緒にした有機相を1MのNaOHで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。所望のジオール中間体(D3)(8.01g、83%)を橙色の油として単離し、それをさらに精製することなく使用した。
【0140】
【化9】

【0141】
ジオール中間体(D3)(7.95g、35.6mmol)をDCM(200ml)に溶解させた溶液に対して、Et3N(29.7ml、213mmol)を添加した。反応混合物を0℃まで冷却し、塩化メタンスルホニル(10.2ml、124mmol)を添加した。反応混合物を室温まで徐々に加温しながら終夜撹拌してから、水で希釈し、DCMで抽出した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。粗製反応混合物を最小限の容量のDCMに再溶解させ、ヘキサンで沈殿させた。得られた中間生成物(D4)を濾過によって無色の固体(11.0g、85%)として単離した。
【0142】
【化10】

【0143】
以上のように調製したジメシレート(D4)(4.7g、12.8mmol)をDMF(25ml)に溶解させた溶液に対して、窒素雰囲気下で、NaN3(498mg、7.66mmol)を2回に分けて2時間にわたって添加した。反応混合物をさらに2時間撹拌してから、酢酸エチルで希釈し、有機相を水で洗浄した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。粗製反応混合物をカラムクロマトグラフィー(シリカ、1:1の酢酸エチル:ヘキサンから2:1の酢酸エチル:ヘキサンから4:1の酢酸エチル:ヘキサン)で精製して、モノアジド(D5)と(D6)の混合物(1.24g、31%)およびジメシレート(2.8g、60%)を得た。回収したジメシレート(D4)に上記反応条件を再度適用して、全体収率のモノアジド(D5)および(D6)(2.23g,55%)を得た。
【0144】
【化11】

【0145】
以上のように調製したモノアジド(D5)と(D6)の混合物(1.75g、5.56mmol)を脱気MeOH(150ml)に含めたものに対して、Pd/C(300mg、20%w/w)を添加した。反応混合物を水素雰囲気下で4時間撹拌してから、セライトのパッドで濾過し、溶媒を減圧下で除去した。次いで、粗生成物を塩基性アルミナのショートパッドに通して、MeOHで洗浄した。溶媒を除去して、7-アミノ-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン(D7)(568mg、63%)を淡黄色固体として得た。
【0146】
【化12】

【0147】
以上のように調製した7-アミノ-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン(D7)(15mg、92.5μmol)をDCM(10ml)に溶解させた溶液に対して、DCM(10ml)中クロロギ酸ベンジル(13μl、92.5μmol)を0℃で45分間にわたって一滴ずつ添加した。添加が完了すると、撹拌をさらに4時間継続した後、単一の新しい生成物の形成がTLC分析によって示された。反応混合物を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過した。溶媒を減圧下で除去して、7-アミノ-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン-3-カルボン酸ベンジル (D8)(26mg、96%)を、無色の油として得て、それをさらに精製することなく使用した。
【0148】
【化13】

【0149】
以上のように調製した7-アミノ-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン-3-カルボン酸ベンジル(D8)(1.0当量)をTHF(約0.25M)に溶解した溶液に対して、窒素雰囲気下で、以下の表4に示す求電子試薬(1.1当量)を添加した。Et3N(1.1当量)を以下に示すように添加した。次いで、反応混合物を終夜撹拌してから、酢酸エチルで希釈した。次いで、有機相を水で洗浄してから、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。必要であれば、粗製反応混合物をカラムクロマトグラフィー(シリカ、典型的には、1:1の酢酸エチル:ヘキサン)で精製して、式(E6)〜(E10)の所望の中間体を得た。
【0150】
【表4】

【0151】
【化14】

【0152】
以上のように調製したN-置換ベンズアゼピン(E6)〜(E10)をMeOH:THF(2:1、約0.08M)に溶解させた脱気溶液に対して、Pd/C(20%w/w)を添加した。TLC分析によって出発材料の消費が示されるまで、反応混合物を水素雰囲気下で撹拌した。反応混合物をセライトのパッドで濾過し、メタノールで洗浄してから、溶媒を減圧下で除去した。式(F6)〜(F10)の所望の中間体を定量的収率で単離し、さらに精製することなく使用した。
【0153】
【化15】

【0154】
式(F6)〜(F10)のN-置換ベンズアゼピン(1.0当量)をTHF(約0.25M)に溶解させた溶液に対して、窒素下で、トルエンスルホニルイソシアネート(1.0当量)を添加した。反応混合物を一晩撹拌してから、溶媒を減圧下で除去した。粗製反応混合物をカラムクロマトグラフィー(シリカ、典型的には、1:7:92のトリエチルアミン:メタノール:クロロホルム)で精製して、生成物のトリエチルアミン塩を得た。これをクロロホルムに溶解させ、1Mのクエン酸で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去して、式(1a)、1(b)、(1c)または(1d)の所望の化合物を以下の表5に示される収率で得た。
【0155】
【表5】

【0156】
実施例6:N-[(4-メチルフェニル)スルホニル]-7-フェニルスルホニルアミノ-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン-3-カルボキサミド m/z=522(ES+、MNa+)
実施例7:N-[(4-メチルフェニル)スルホニル]-7-アセチルアミノ-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン-3-カルボキサミド m/z=424(ES+、MNa+)
実施例8:N-[(4-メチルフェニル)スルホニル]-7-ベンジルアミノカルボニルアミノ-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン-3-カルボキサミド m/z=515(ES+、M+H)
実施例9:N-[(4-メチルフェニル)スルホニル]-7-(1-オキソ-3-フェニル-プロパニルアミノ)-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン-3-カルボキサミド m/z=514(ES+、MNa+)
実施例10:N-[(4-メチルフェニル)スルホニル]-7-ホルムアミノ-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン-3-カルボキサミド m/z=410(ES+、MNa+)
【0157】
(実施例11)
【0158】
【化16】

【0159】
上記実施例6〜10に記載のように調製した7-アミノ-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン(D7)(51mg、0.32mmol)をCHCl3(3ml)に溶解させた溶液に対して、0℃にて窒素雰囲気下でCHCl3(2ml)中トリメチルシリルイソシアネート(43μl、0.32mmol)を10分間にわたって添加した。反応混合物をさらに35分間撹拌してから、p-トルエンスルホニルイソシアネート(49μl、0.32mmol)を添加した。室温でさらに1.5時間撹拌した後、高濃度の沈殿が生成した。次いで、反応混合物を30分間加熱して還流させてから、室温まで冷却した。溶媒を減圧下で除去し、粗生成物をMeOH(10ml)に溶解させ、トリエチルアミン(0.5ml)を添加した。次いで、溶媒を減圧下で除去し、得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカ、勾配溶離、89:10:1のクロロホルム:メタノール:トリエチルアミンから80:9:1のメタノール:クロロホルム:トリエチルアミン)で精製して、そのトリエチルアミン塩として7-[({[(4-メチルフェニル)-スルホニル]アミノ}カルボニル)アミノ]-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン-3-カルボキサミド(3mg)を得た。m/z=401(ES-、M-H)。
【0160】
(実施例12)
【0161】
【化17】

【0162】
上記実施例6〜10に記載のように調製した7-アミノ-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン(D7)(21mg、0.13mmol)をTHF(5ml)に溶解させた溶液に対して、ベンゼンスルホニルイソシアネート(35μl、0.26mmol)を窒素雰囲気下で添加した。反応混合物を一晩撹拌してから、溶媒を減圧下で除去した。粗製反応混合物をカラムクロマトグラフィー(シリカ、1:9:90のトリエチルアミン:メタノール:クロロホルム)で精製して、生成物のトリエチルアミン塩を得た。これをクロロホルムに溶解させ、1Mクエン酸で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去して、N-フェニルスルホニル-7-フェニルスルホニルアミノカルボニルアミノ]-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン-3-カルボキサミド(52mg、76%)を得た。m/z=551(ES+、MNa+)。
【0163】
(実施例13)
塩酸6-アミノ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン(100mg、0.54mmol)とDMF(0.5ml)とトリエチルアミン(0.2ml)の混合物に対して、p-トルエンスルホニルイソシアネート(223mg、1.13mmol)を添加し、混合物を室温で終夜撹拌した。混合物を水(20ml)に注ぎ、0.5MのHCl(水溶液)で酸性化してpH1とした。固体を迅速に濾別し、水(5ml)で洗浄し、分取りHPLCで精製した。カラム分留物を一緒にし、NaCl(溶液)を添加して、有機溶媒を水から分離した。有機層を分離し、水層をMeCN(3×50ml)で抽出した。一緒にした有機抽出物を減圧下(35℃未満の水浴)で約10mlの容量まで蒸発させ、次いでDCM(50ml)を添加し、水層を分離し、有機層を(Na2SO4で)乾燥させ、濾過し、減圧下(35℃未満の水浴)で蒸発させて、ガラスとしてN-[(4-メチルフェニル)スルホニル]-6-({[(4-メチルフェニル)スルホニル]-カルバモイル}アミノ)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-カルボキサミド(20mg、7%)を得た。[M+H]+=543。
【0164】
(実施例14)
硫酸(5.5ml、102.8mmol)(-10℃)の冷却混合物に対して、イソインドリン(2.45g、20.6mmol)に添加した。混合物を撹拌し、10℃に維持した。硝酸(2ml、41.1mmol)を5分間にわたって一滴ずつ添加し(昇温+10℃)、室温で20分間撹拌し、次いで50℃で30分間加熱した。次いで、混合物を室温まで冷却し、EtOAc(10mL)を添加し、固体を濾過し、EtOAc(10mL)で洗浄した。固体を真空中で乾燥させて、白色固体として重硫酸5-ニトロイソインドリン(4.04g、75%)を得た。融点>240℃ dec。NMR (300MHz, d6-DMSO) d 9.63 (1H, br s, NH)、8.28 (1H, s, ArH)、8.21 (1H, dd, ArH)、7.65 (1H, d, ArH)、4.60 (4H, d, 2×CH2)。
【0165】
重硫酸5-ニトロイソインドリン(1.0g、3.81mmol)を高温MeOH(80ml)に溶解させ、300mlのステンレス鋼オートクレーブに入れた。PhMe(1ml)中5%Pd/C(120mg)を溶液に添加し、混合物に水素(15気圧)を充填し、室温で20時間撹拌させた。混合物をセライトで濾過し、セライトを水(10ml)で洗浄して、生成物を溶解させた。沈殿が形成するまで溶液を減圧下で濃縮した。混合物を冷却し(0℃)、濾過し、真空中で乾燥させて、白色固体として重硫酸イソインドリン-5-アミン(560.7mg、63%)を得た。融点240℃ dec。NMR (300MHz, d6-DMSO) d 6.98 (1H, d, ArH)、6.52 (1H, d, ArH)、6.49 (1H, s, ArH)、4.29 (4H, d, 2×CH2)。
【0166】
重硫酸イソインドリン-5-アミン(560mg、2.4mmol)をDCM(10ml)に含めた懸濁液に対して、トリエチルアミン(0.37ml、2.7mmol)を添加し、続いてp-トルエンスルホニルイソシアネート(0.92ml、6.0mmol)を添加した。反応物を室温で終夜撹拌した。反応混合物を、10%MeOH:DCMに対するDCMの勾配で溶離するクロマトグラフィーで処理して、生成物を得て、次いでそれを、2.5%MeOH:DCMに対するDCMの勾配で溶離するカラムで再処理して、生成物を得た。次いで、生成物を(数滴のMeOHを含む)最小量のDCMに溶解させ、Et2Oを添加して、固体を沈殿させ、それを濾過し、真空中で乾燥させて、N-[(4-メチルフェニル)スルホニル]-5-[({[(4-メチルフェニル)スルホニル]アミノ}カルボニル)アミノ]-1,3-ジヒドロ-2H-イソインドール-2-カルボキサミド(153.6mg、12%)を得た。NMR (300MHz, d6-DMSO) d 8.77 (1H, br s, NH)、7.79 (4H, dd, ArH)、7.54 (1H, d, ArH)、7.35 (4H, d, ArH)、7.18 (1H, d, ArH)、7.14 (1H, s, ArH)、4.63 (2H, br s, CH2)、4.40 (2H, br s, CH2)、2.35 (6H, s, 2×CH3)。LCMS[M+H]+=529、TLC Rf=0.38(10%MeOH:DCM)。
【0167】
(実施例15)
N-[(4-メチルフェニル)スルホニル]-7-({[(4-メチルフェニル)スルホニル]カルバモイル}アミノ)-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン-3-カルボキサミド
【0168】
【化18】

【0169】
20%メタノールアンモニア(120ml)中1,2-フェニレンジアセトニトリル(20g、0.128mol)およびラネーニッケル(2g)とメタノール(400ml)の混合物に水素(700psi)を充填した。次いで、混合物を70℃で2日間加熱した。冷却後、混合物をセライトで濾過し、真空中で蒸発させた。得られた粗生成物を乾燥フラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM中10%MeOHおよび1%トリエチルアミンで溶離)で精製して、褐色油として2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-3-ベンズアゼピン(15A)(9g、47%)を得た。1H NMR (CDCl3) 8.08〜7.15 (4H, m, ArH)、2.96〜2.86 (8H, m, 8H) ppm。
【0170】
2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-3-ベンズアゼピン(15A)(18.34g、0.124mol)を0℃まで冷却し、濃H2SO4(70ml)を添加した。混合物を30分間撹拌してから、濃HNO3(4.55ml、0.099mol)を一滴ずつ添加した。混合物を0℃で2時間撹拌してから、氷/水(500ml)に注いだ。混合物を固体のNaOHで塩基化し、有機物を酢酸エチル(3×50ml)で抽出した。溶媒を真空中で蒸発させて、褐色油として7-ニトロ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-3-ベンズアゼピン(15B)(6.07g、25%)を得た。この粗生成物を次の工程でそのまま使用した。その少量を特性決定のためにフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM中1〜10%MeOH/NH3で溶離)で精製した。1H NMR (CDCl3) 7.95〜7.90 (2H, m, ArH)、7.25 (1H, m, ArH)、3.0〜2.9 (8H, m) ppm。LCMS[M+H]+193
【0171】
DCM(100ml)中7-ニトロ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-3-ベンズアゼピン(15B)(6.26g、32.5mmol)およびトリエチルアミン(6.5ml、48.8mmol)の撹拌混合物に対して、0℃でクロロギ酸ベンジル(5.6ml、39.1mmol)を添加した。混合物を室温まで加温させ、終夜撹拌した。次いで、水(80ml)を添加し、15分間撹拌した後、有機層を分離し、(MgSO4で)乾燥させ、真空中で蒸発させた。得られた油をフラッシュカラムクロマトグラフィー(4:1のヘキサン:酢酸エチルで溶離)で精製して、白色固体として7-ニトロ-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン-3-カルボン酸ベンジル(15C)(5.42g、43%)を得た。1H NMR (CDCl3) 8.0 (2H, d, ArH)、7.4〜7.35 (6H, m, ArH)、5.2 (2H, s, CH2)、3.65 (4H, br s, 2×CH2)、3.0 (4H, br s, 2×CH2) ppm。LCMS[M+H]+327
【0172】
亜鉛末(12.67g、13.85mmol)をメタノール(125ml)中7-ニトロ-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン-3-カルボン酸ベンジル(15C)(4.52g、13.85mmol)および塩化アンモニウム(1.48g、27.70mmol)の混合物に添加した。出発材料が存在しなくなったことがTLC分析によって示されるまで、混合物を2時間還流させた。混合物を冷却し、セライトで濾過し、溶媒を真空中で蒸発させて、オフイエローの固体として7-アミノ-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン-3-カルボン酸ベンジル(15D)(4.12、100%)を得た。1H NMR (DMSO-d6) 7.38〜7.28 (5H, m, ArH)、6.75 (1H, d, ArH)、6.32 (1H, d, ArH)、6.28 (1H, dd, ArH)、5.1 (2H, s, CH2)、4.82 (2H, s, NH2)、3.45 (4H, br s, 2×CH2)、2.64 (4H, br s, 2×CH2) ppm。LCMS[M+H]+297
【0173】
AcOH(50ml)中HBrを7-アミノ-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン-3-カルボン酸ベンジル(15D)(4.12g、0.013mol)に添加し、混合物を室温で3時間撹拌した。得られた黄色固体をジエチルエーテルで洗浄し、乾燥させて、オフイエローの固体として2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-3-ベンズアゼピン-7-アミン2HBr塩(15E)(4.25g、94%)を得た。1H NMR (DMSO-d6) 8.9 (2H, br s, NH2)、7.26 (1H, m, ArH)、7.15 (2H, m, ArH)、3.1 (4H, br s, 2×CH2)、3.05 (4H, br s, 2×CH2) ppm。LCMS[M+H]+163
【0174】
2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-3-ベンズアゼピン-7-アミン2HBr塩(15E)(100mg、0.308mmol)をDCM(10ml)中で撹拌し、2MのNaOH(2ml)を添加した。10分間撹拌後、DCM層を分離し、真空中で蒸発させた。遊離塩基をTHF(8ml)中で再懸濁させ、次いでp-トルエンスルホニルイソシアネートを添加した。室温で2時間撹拌後、ジエチルエーテル(〜15ml)を一滴ずつ添加した。得られた固体を濾過し、小容量のエーテルで洗浄し、乾燥させて、白色固体として表題の化合物N-[(4-メチルフェニル)スルホニル]-7-({[(4-メチルフェニル)スルホニル]カルバモイル}アミノ)- 1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン-3-カルボキサミド(276mg、80%)を得た。1H NMR (DMSO-d6) 10.8 (1H, br s, NH)、8.65 (1H, s, NH)、8.8〜7.7 (4H, m, ArH)、7.4〜7.32 (4H, m, ArH)、7.1〜6.95 (3H, m, ArH)、3.35 (4H, br s, 2×CH2)、2.65 (4H, br s, 2×CH2)、2.36 (3H, s, CH3)、3.34 (3H, s, CH3) ppm。LCMS[M+H]+557
【0175】
(実施例16)
N-フェニルスルホニル-7-{[(フェニルスルホニル)カルバモイル]アミノ}-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン-3-カルボキサミド
【0176】
【化19】

【0177】
上記実施例15に記載されているように調製した2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-3-ベンズアゼピン-7-アミン2HBr塩(15E)(100mg、0.308mmol)をDCM(10ml)中で撹拌し、2MのNaOH(2ml)を添加した。10分間撹拌後、DCM層を分離し、真空中で蒸発させた。遊離塩基をTHF(2ml)に再懸濁させ、次いでベンゼンスルホニルイソシアネートを一滴ずつ添加した。室温で2時間撹拌後、ジエチルエーテル(〜15ml)を一滴ずつ添加した。得られた固体を濾過し、小容量のエーテルで洗浄し、乾燥させて、白色固体として表題の化合物N-フェニルスルホニル-7-{[(フェニルスルホニル)カルバモイル]アミノ}-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン-3H-3-ベンズアゼピン-3-カルボキサミド(105mg、51%)を得た。1H NMR (DMSO-d6) 11.05 (1H, br s, NH)、8.55 (1H, s, NH)、7.92 (1H, d, ArH)、7.84 (1H, d, ArH)、7.56〜7.28 (6H, m, ArH)、7.08〜6.98 (3H, m, ArH)、3.58 (4H, br s, 2×CH2)、2.68 (4H, br s, 2×CH2)、2.58 (3H, s, CH3)、2.52 (3H, s, CH3) ppm。LCMS[M+H]+557
【0178】
(実施例17)
N-[(3-メチルフェニル)スルホニル]-7-({[(3-メチルフェニル)スルホニル]カルバモイル}アミノ)-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン-3-カルボキサミド
【0179】
【化20】

【0180】
上記実施例15に記載されているように調製した2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-3-ベンズアゼピン-7-アミン2HBr塩(15E)(100mg、0.308mmol)をDCM(10ml)中で撹拌し、2MのNaOH(2ml)を添加した。10分間撹拌後、DCM層を分離し、真空中で蒸発させた。遊離塩基をTHF(3ml)に再懸濁させ、次いでm-トルエンスルホニルイソシアネート(131mg、0.665mmol)を一滴ずつ添加した。室温で2時間撹拌後、ジエチルエーテル(〜15ml)を一滴ずつ添加した。得られた固体を濾過し、小容量のエーテルで洗浄し、乾燥させて、白色固体として表題の化合物N-[(3-メチルフェニル)スルホニル]-7-({[(3-メチルフェニル)スルホニル]カルバモイル}アミノ)-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン-3-カルボキサミド(95mg、56%)を得た。1H NMR (DMSO-d6) 10.85 (1H, br s, NH)、8.72 (1H, s, NH)、7.74 (2H, m, ArH)、7.68 (2H, m, ArH)、7.49 (2H, d, ArH)、7.42 (2H, d, ArH)、7.1 (1H, s, ArH)、7.04 (2H, m, ArH)、3.3 (4H, br s, 2×CH2)、2.7 (4H, br s, 2×CH2)、2.36 (3H, s, CH3)、2.34 (3H, s, CH3) ppm。LCMS[M+H]+557
【0181】
(実施例18)
N-[(2-クロロフェニル)スルホニル]-7-({[(2-クロロフェニル)スルホニル]カルバモイル}アミノ)-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン-3-カルボキサミド
【0182】
【化21】

【0183】
上記実施例15に記載されているように調製した2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-3-ベンズアゼピン-7-アミン2HBr塩(15E)(100mg、0.308mmol)をDCM(10ml)中で撹拌し、2MのNaOH(2ml)を添加した。10分間撹拌後、DCM層を分離し、真空中で蒸発させた。遊離塩基をTHF(3ml)に再懸濁させ、次いでo-クロロベンゼンスルホニルイソシアネート (143mg、0.665mmol)を一滴ずつ添加した。室温で2時間撹拌後、ジエチルエーテル(〜15ml)を一滴ずつ添加した。得られた固体を濾過し、小容量のエーテルで洗浄し、乾燥させた。次いで、この物質をSCXカラムクロマトグラフィー(8:2のDCM:MeOHで溶離)でさらに精製して、白色固体としてN-[(2-クロロフェニル)スルホニル]-7-({[(2-クロロフェニル)スルホニル]カルバモイル}アミノ)-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン-3-カルボキサミド(16mg、7%)を得た。1H NMR (DMSO-d6) 8.58 (1H, s, NH)、8.08 (1H, d, ArH)、7.98 (1H, d, ArH)、7.66 (6H, m, ArH)、7.8〜7.0 (3H, m, ArH)、3.38 (4H, br s, 2×CH2)、2.69 (4H, br s, 2×CH2) ppm。LCMS[M+H]+598
【0184】
(実施例19)
N-[(4-クロロフェニル)スルホニル]-7-({[(4-クロロフェニル)スルホニル]カルバモイル}アミノ)-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン-3-カルボキサミド
【0185】
【化22】

【0186】
上記実施例15に記載されているように調製した2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-3-ベンズアゼピン-7-アミン2HBr塩(100mg、0.308mmol)をDCM(10ml)中で撹拌し、2MのNaOH(2ml)を添加した。10分間撹拌後、DCM層を分離し、真空中で蒸発させた。遊離塩基をTHF(3ml)に再懸濁させ、次いでp-クロロベンゼンスルホニルイソシアネート (177mg、0.813mmol)を一滴ずつ添加した。室温で2時間撹拌後、ジエチルエーテル(〜15ml)を一滴ずつ添加した。得られた固体を濾過し、小容量のエーテルで洗浄し、乾燥させた。次いで、この物質をSCXカラムクロマトグラフィー(8:2のDCM:MeOHで溶離)でさらに精製して、白色固体としてN-[(4-クロロフェニル)スルホニル]-7-({[(4-クロロフェニル)スルホニル]カルバモイル}アミノ)-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン-3-カルボキサミド(60mg、33%)を得た。1H NMR (DMSO-d6) 8.89 (1H, s, NH)、7.94 (2H, d, ArH)、7.84 (2H, d, ArH)、7.7 (4H, m, ArH)、7.10〜7.0 (3H, m, ArH)、3.34 (4H, br s, 2×CH2)、2.7 (4H, br s, 2×CH2) ppm。LCMS[M+H]+598
【0187】
(実施例20)
N-[(4-フルオロフェニル)スルホニル]-7-({[(4-フルオロフェニル)スルホニル]カルバモイル}アミノ)-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン-3-カルボキサミド
【0188】
【化23】

【0189】
上記実施例15に記載されているように調製した2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-3-ベンズアゼピン-7-アミン2HBr塩(100mg、0.308mmol)をDCM(10ml)中で撹拌し、2MのNaOH(2ml)を添加した。10分間撹拌後、DCM層を分離し、真空中で蒸発させた。遊離塩基をTHF(3ml)に再懸濁させ、次いでp-フルオロベンゼンスルホニルイソシアネート (188mg、0.937mmol)を一滴ずつ添加した。室温で2時間撹拌後、ジエチルエーテル(〜15ml)を一滴ずつ添加した。得られた固体を濾過し、小容量のエーテルで洗浄し、乾燥させた。次いで、この物質をSCXカラムクロマトグラフィー(8:2のDCM:MeOHで溶離)でさらに精製して、白色固体としてN-[(4-フルオロフェニル)スルホニル]-7-({[(4-フルオロフェニル)スルホニル]カルバモイル}アミノ)-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン-3-カルボキサミド(11mg、6%)を得た。1H NMR (DMSO-d6) 11.0 (1H, br s, NH)、8.82 (1H, s, NH)、8.0〜7.89 (4H, m, ArH)、7.42〜7.36 (4H, m, ArH)、7.08〜6.95 (3H, m, ArH)、3.3 (4H, br s, 2×CH2)、2.7 (4H, br s, 2×CH2) ppm。LCMS[M+H]+565
【0190】
(実施例21)
N-[(4-メトキシフェニル)スルホニル]-7-({[(4-メトキシフェニル)スルホニル]カルバモイル}アミノ)-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン-3-カルボキサミド
【0191】
【化24】

【0192】
上記実施例15に記載されているように調製した2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-3-ベンズアゼピン-7-アミン2HBr塩(200mg、0.616mmol)をDCM(10ml)中で撹拌し、2MのNaOH(2ml)を添加した。10分間撹拌後、DCM層を分離し、真空中で蒸発させた。遊離塩基をTHF(3ml)に再懸濁させ、次いでp-メトキシベンゼンスルホニルイソシアネート (378mg、1.77mmol)を一滴ずつ添加した。混合物を終夜撹拌し、次いでジエチルエーテル(〜15ml)を一滴ずつ添加した。得られた固体を濾過し、エーテルで洗浄し、乾燥させて、白色固体としてN-[(4-メトキシフェニル)スルホニル]-7-({[(4-メトキシフェニル)スルホニル]カルバモイル}アミノ)-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン-3-カルボキサミド(304mg、73%)を得た。1H NMR (DMSO-d6) 10.7 (1H, br s, NH)、8.62 (1H, s, NH)、7.85〜7.78 (4H, m, ArH)、7.12〜6.95 (7H, m, ArH)、3.82 (3H, s, OCH3)、3.8 (3H, s, OCH3)、3.34 (4H, br s, 2×CH2)、2.65 (4H, br s, 2×CH2) ppm。LCMS[M+H]+589
【0193】
(実施例22)
N-[(4-tert-ブチルフェニル)スルホニル]-7-({[(4-tert-ブチルフェニル)スルホニル]カルバモイル}アミノ)-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン-3-カルボキサミド
【0194】
【化25】

【0195】
上記実施例15に記載されているように調製した2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-3-ベンズアゼピン-7-アミン2HBr塩(100mg、0.308mmol)をDCM(10ml)中で撹拌し、2MのNaOH(2ml)を添加した。10分間撹拌後、DCM層を分離し、真空中で蒸発させた。遊離塩基をTHF(3ml)に再懸濁させ、次いでp-tブチルベンゼンスルホニルイソシアネート (202mg、0.847mmol)を一滴ずつ添加した。混合物を終夜撹拌し、次いでジエチルエーテル(〜15ml)を一滴ずつ添加した。次いで、得られた固体をSCXクロマトグラフィー(8:2のDCM:MeOHで溶離)で精製した。次いで、この物質をDCM(1ml)に溶解させ、ジエチルエーテルで徐々に滴定した。固体を濾過し、乾燥させて、白色固体としてN-[(4-tert-ブチルフェニル)スルホニル]-7-({[(4-tert-ブチルフェニル)スルホニル]カルバモイル}アミノ)-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン-3-カルボキサミド(24mg、11%)を得た。1H NMR (DMSO-d6) 8.65 (1H, s, NH)、7.85 (2H, d, ArH)、7.78 (2H, d, ArH)、7.62〜7.75 (4H, m, ArH)、7.1〜6.98 (3H, m, ArH)、3.38 (4H, br s, 2×CH2)、2.7 (4H, br s, 2×CH2)、1.28 (9H, s, 3×CH3)、1.27 (9H, s, 3×CH3) ppm。LCMS[M+H]+641
【0196】
(実施例23)
N-[(4-メチルフェニル)スルホニル]-7-({[(4-メチルフェニル)スルホニル]カルバモイル}アミノ)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-カルボキサミド
【0197】
【化26】

【0198】
p-トルエンスルホニルイソシアネート(206μL、1.35mmol)を、7-アミノ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン(100mg、0.67mmol)をDCM(1ml)に溶解させた溶液に室温で添加した。混合物を終夜撹拌し、沈殿した固体を濾過し、小容量のジエチルエーテルで洗浄して、白色固体としてN-[(4-メチルフェニル)スルホニル]-7-({[(4-メチルフェニル)スルホニル]カルバモイル}アミノ)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-カルボキサミド(288mg、79%)を得た。1H NMR (DMSO-d6) 11.12 (1H, br s, NH)、8.75 (1H, s, NH)、7.8〜7.75 (4H, dd, ArH)、7.4〜7.32 (4H, dd, ArH)、7.1〜6.98 (3H, m, ArH)、4.35 (2H, br s, CH2)、3.48 (2H, br s, CH2)、2.62 (2H, t, CH2)、2.38 (3H, s, CH3)、2.36 (3H, s, CH3) ppm。LCMS[M+H]+543
【0199】
(実施例24)
N-[(4-メチルフェニル)スルホニル]-7-([(4-メチルフェニル)スルホニル]アミノ)-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン-3-カルボキサミド
【0200】
【化27】

【0201】
上記実施例6から10に記載されているように調製した7-アミノ-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン-3-カルボン酸ベンジル(D8)(200mg、0.67mmol)およびジクロロメタン(10ml)中ピリジン(140μl、1.35mmol)の撹拌混合物に対して、塩化p-トルエンスルホニル(135mg、101mmol)を添加した。混合物を室温で終夜撹拌した。NaHCO3溶液(5ml)を添加し、15分間撹拌した後、有機層を分離し、(MgSO4で)乾燥させ、真空中で蒸発させた。得られた粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(イソヘキサン中EtOAcの8〜60%勾配で溶離)で精製して、黄色油として7-([(4-メチルフェニル)スルホニル]アミノ)-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン-3-カルボン酸ベンジル(24A)(295mg、98%)を得た。
【0202】
7-([(4-メチルフェニル)スルホニル]アミノ)-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン-3-カルボン酸ベンジル(24A)(285mg、0.63mmol)をメタノール(30ml)に溶解させた溶液に対して、10%Pd/C(50mg)を添加した。得られた懸濁液をH2バルーン下にて室温で18時間撹拌した。触媒をセライトによる濾過によって除去し、得られた溶液を濃縮して、黄色油として7-([(4-メチルフェニル)スルホニル]アミノ)-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン(24B)(170mg、85%)を得た。
【0203】
7-([(4-メチルフェニル)スルホニル]アミノ)-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン(24B)(85mg、0.17mmol)およびジクロロメタン(5ml)中トリエチルアミン(47μl、0.33mmol)の撹拌混合物に対して、p-トルエンスルホニルイソシアネート(50μl、0.33mmol)を添加した。30分間後、反応混合物を濃縮して、粗生成物を得て、それを分取りHPLC(Xbridge C-18 10*150mm、15分勾配30〜95%、0.05%ギ酸H2O:0.05% ギ酸MeCN 10ml/分)で精製し、得られた留分を一緒にし、凍結乾燥して、白色固体としてN-[(4-メチルフェニル)スルホニル]-7-([(4-メチルフェニル)スルホニル]アミノ)-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン-3-カルボキサミド(40.3mg、46%)を得た。
LCMS[M+H]+514
【0204】
(実施例25)
N-[(4-メチルフェニル)スルホニル]-7-([(4-ビフェニル)スルホニル]アミノ)-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン-3-カルボキサミド
【0205】
【化28】

【0206】
上記実施例6から10に記載されているように調製した7-アミノ-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン-3-カルボン酸ベンジル(D8)(100mg、0.34mmol)およびジクロロメタン(3ml)中ピリジン(55μl、0.67mmol)の撹拌混合物に対して、塩化ビフェニル-4-スルホニル(128mg、0.51mmol)を添加した。混合物を室温で終夜撹拌し、次いで1MのHCl(15ml)で洗浄し、有機層を分離し、(MgSO4で)乾燥させ、真空中で蒸発させた。得られた粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(イソヘキサン中EtOAcの8〜60%勾配で溶離)で精製して、黄色油として7-([(4-ビフェニル)スルホニル]アミノ)-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン-3-カルボン酸ベンジル(25A)(160mg、92%)を得た。
【0207】
7-([(4-ビフェニル)スルホニル]アミノ)-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン-3-カルボン酸ベンジル(25A)(160mg、0.31mmol)をメタノールに溶解させた溶液に対して、10%Pd/C(30mg)を添加した。得られた懸濁液をH2バルーン下にて室温で2時間撹拌した。触媒をセライトによる濾過によって除去し、得られた溶液を濃縮して、黄色油として7-([(4-ビフェニル)スルホニル]アミノ)-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン(25B)(65mg、57%)を得た。
【0208】
7-([(4-ビフェニル)スルホニル]アミノ)-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン(25B)(65mg、0.17mmol)およびジクロロメタン:テトラヒドロフランの1:1溶液(10ml)中トリエチルアミン(49μl、0.34mmol)の撹拌混合物に対して、p-トルエンスルホニルイソシアネート(52μl、0.34mmol)を添加した。30分後、反応混合物を濃縮して、粗生成物を得て、それを分取りHPLC(Xbridge C-18 10*150mm、15分勾配30〜95%、0.05%ギ酸H2O:0.05% ギ酸MeCN 10ml/分)で精製し、得られた留分を一緒にし、凍結乾燥して、白色固体としてN-[(4-メチルフェニル)スルホニル]-7-([(4-ビフェニル)スルホニル]アミノ)-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン-3-カルボキサミド(17.5mg、16%)を得た。
LC-MS[M+H]+575
【0209】
(実施例26)
N-[(4-メチルフェニル)スルホニル]-7-([(4-メチルフェニル)スルホニル]アミノ)-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン
【0210】
【化29】

【0211】
実施例15に記載されているように調製した7-ニトロ-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン-3-カルボン酸ベンジル(15C)(200mg、0.61mmol)を1MのHCl(4ml)に含めた密閉容器中の撹拌懸濁液をマイクロ波にて160℃で30分間加熱した。得られた溶液を濃縮して、白色固体として粗製塩酸7-ニトロ-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン(26A)を得て、それをさらに精製することなく使用した。
【0212】
粗製塩酸7-ニトロ-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン(26A)(200mg、1.04mmol)をジクロロメタン(10ml)に溶解させた撹拌溶液に対してピリジン(254μl、3.12mmol)、トリエチルアミン(500μl、7.0mmol)および塩化p-トルエンスルホニルを添加した。反応混合物を室温で3時間撹拌し、真空中で濃縮した。得られた粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(イソヘキサン中EtOAcの8〜60%勾配で溶離)で精製して、黄色油としてN-[(4-メチルフェニル)スルホニル]-7-ニトロ-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン(26B)(211mg、70%)を得た。
【0213】
N-[(4-メチルフェニル)スルホニル]-7-ニトロ-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン(26B)(211mg、0.61mmol)をテトラヒドロフラン(10ml)に溶解させた溶液に対して、10%Pd/C(30mg)を添加した。得られた懸濁液をH2バルーン下で室温にて終夜撹拌した。触媒をセライトによる濾過によって除去し、得られた溶液を濃縮して、白色固体としてN-[(4-メチルフェニル)スルホニル]-7-アミノ-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン(26C)(170mg、88%)を得た。
【0214】
N-[(4-メチルフェニル)スルホニル]-7-アミノ-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン(26C)(170mg、0.54mmol)およびテトラヒドロフラン(5ml)中トリエチルアミン(153μl、1.07mmol)の撹拌混合物に対して、p-トルエンスルホニルイソシアネート(163μl、0.34mmol)を添加した。10分後、反応混合物を濃縮して、粗生成物を得て、それを分取りHPLC(Xbridge C-18 10*150mm、15分勾配30〜95%、0.05%ギ酸H2O:0.05% ギ酸MeCN 10ml/分)で精製し、得られた留分を一緒にし、凍結乾燥して、白色固体としてN-[(4-メチルフェニル)スルホニル]-7-([(4-メチルフェニル)スルホニル]アミノ)-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン(46mg、16%)を得た。
LC-MS[M+H]+514
【0215】
(実施例27)
【0216】
【化30】

【0217】
上記実施例6から10に記載されているように調製したベンジル7-アミノ-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンゾアゼピン-3-カルボキシレート(D8)(88mg、0.30mmol)をTHF(5ml)に溶解させた溶液に対して、窒素雰囲気下で4-ニトロフェニルクロロホルメート(60mg、0.30mmol)を添加した。45分間撹拌した後に、出発材料の消費がTLC分析によって示された。さらなる30分間の撹拌のために放置する前に、反応溶液に5分間アンモニアを通して泡立てた。次いで反応混合物を酢酸エチルで希釈し、3当量の1M NaOHで洗浄した。硫酸マグネシウムで有機相を乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。粗製尿素を脱気したMeOH(10ml)中に溶解し、Pd/C(8mg、10% w/w)を添加後、水素雰囲気下で3時間撹拌した。反応混合物をセライトを介して濾過し、MeOHで洗浄し、溶媒を減圧下で除去して、さらなる精製なしで使用される無色固体としての所望の中間化合物(27A)(39mg、88%)を得た。
【0218】
【化31】

【0219】
N-置換ベンズアゼピン(27A)(39mg、0.19mmol)をDMF(3ml)に溶解させた溶液に対して、窒素雰囲気下で、トルエンスルフォニルイソシアネート(29μl、0.19mol)を添加した。反応混合物を一晩撹拌後、減圧下で溶媒を除去した。粗製物質を酢酸エチルで粉末にし、生じた固体をMeOH(10ml)及びEt3N(0.5ml)を添加して懸濁した。次いで、減圧下で溶媒を除去し、生じた粗製物質をカラムクロマトグラフィー(シリカ、勾配溶出、89:10:1 クロロホルム:メタノール:トリエチルアミンから80:9:1 メタノール:クロロホルム:トリエチルアミン)で精製して、トリエチルアミン塩(4mg、4%)としてのN-[(4-メチルフェニル)スルホニル]-7-アミノカルボニルアミノ-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンゾアゼピン-3-カルボキサミドを得た。m/z = 425 (ES+、MNa+)
【0220】
(実施例28)
【0221】
【化32】

【0222】
上記実施例6から10に記載されているように調製した7-アミノ-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン(D7)(103mg、0.64mmol)をTHF:DMF(5:2 7ml)に溶解させた溶液に対して、p-トルエンスルフォニルイソシアネート(194μl、0.13mmol)を窒素雰囲気下で添加した。反応混合物を一晩撹拌した後に、減圧下で溶媒を除去した。粗製反応混合物をカラムクロマトグラフィー(シリカ、1:9:90 トリエチルアミン:メタノール:クロロホルム)で精製して、この生成物のトリエチルアミン塩を得た。これをクロロホルム中に溶解し、1Mのクエン酸で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で溶媒を除去して、N-[(4-メチルフェニル)スルホニル]-7-[({[(4-メチルフェニル)スルホニル]アミノ}カルボニル)アミノ]-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンゾアゼピン-3-カルボキサミドを得た。m/z = 579 (ES+, MNa+)
【0223】
(実施例29)
【0224】
【化33】

上記実施例6から10に記載されているように調製した7-アミノ-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン(D7)(24mg、0.14mmol)をCHCl3(5ml)に溶解させた溶液に、0℃、窒素雰囲気下で、ベンジルイソシアネート(37μl、2.9mmol)を添加した。反応混合物を室温までゆっくり温めながら一晩撹拌後、クロロホルムで希釈し、水で洗浄した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で溶媒を除去した。粗製反応混合物をカラムクロマトグラフィー(シリカ 95:5 CHCl3:MeOH)で精製して、無色固体としてのN-ベンジル-7-ベンジルアミノカルボニルアミノ-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンゾアゼピン-3-カルボキサミド(16mg、29%)を得た。m/z = 451 (ES+, MNa+)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
炎症性または免疫学的病態の予防または治療のための医薬の製造における、一般式(1)で表される化合物、またはその薬理学的に許容し得る塩もしくはプロドラッグ:
【化1】

(式中、
AおよびBは、独立に、CH2またはCH2CH2であり;
R1は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基またはヘテロアラルキル基であり;
R2、R3およびR4は、独立に、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、ハロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アミノスルホニル基およびシアノ基から選択され、
Xは、R5CO、R5SO2、R5R7NCO、R5R7NSO2、R5SO2NR7CO及びCO2R8から選択され、R5、R7及びR8は以下に定義する通りであり;
Yは、R6CO、R6SO2、R6R7NCO、R6R7NSO2、R6SO2NR7COおよびCO2R8から選択され、R6、R7およびR8は、以下に定義する通りであり;
R5およびR6は、独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、ヘテロアリール基およびヘテロアラルキル基から選択され;
R7は、水素原子、アルキル基、アリール基またはアラルキル基であり;
R8は、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシアルキル基、ヘテロアリール基またはヘテロアリールアルキル基であり、
XがR5COまたはR5SO2である場合には、YはR6CO、R6SO2またはR6R7NCOのいずれでもない。)
の使用。
【請求項2】
R1が、水素原子、1から6個の炭素原子を有するアルキル基、または1から6個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、1から6個の炭素原子を有するハロアルキル基、1から6個の炭素原子を有するアルコキシ基、アルコキシ基が1から6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基およびシアノ基から選択される少なくとも1つの置換基で場合によって置換されていてもよい、5から14個の炭素原子を有するアリール基で置換された、1から6個の炭素原子を有するアルキル基を含むアラルキル基である、請求項1に記載の式(1)の化合物、またはその薬理学的に許容し得る塩もしくはプロドラッグの使用。
【請求項3】
R1が、水素原子、または1から4個の炭素原子を有するアルキル基である、請求項1に記載の式(1)の化合物、またはその薬理学的に許容し得る塩もしくはプロドラッグの使用。
【請求項4】
R1が水素原子である、請求項1に記載の式(1)の化合物、またはその薬理学的に許容し得る塩もしくはプロドラッグの使用。
【請求項5】
R2、R3およびR4が、独立に、水素原子、1から6個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、1から6個の炭素原子を有するハロアルキル基、1から6個の炭素原子を有するアルコキシ基、1から6個の炭素原子を有するアルコキシ基で置換されたカルボニル基を含むアルコキシカルボニル基、カルボキシ基、ヒドロキシル基およびシアノ基から選択される、請求項1から4のいずれか一項に記載の式(1)の化合物、またはその薬理学的に許容し得る塩もしくはプロドラッグの使用。
【請求項6】
R2、R3およびR4が、独立に、水素原子、1から4個の炭素原子を有するアルキル基、およびハロゲン原子から選択される、請求項1から4のいずれか一項に記載の式(1)の化合物、またはその薬理学的に許容し得る塩もしくはプロドラッグの使用。
【請求項7】
R2、R3およびR4が、独立に、水素原子、メチル基、エチル基、フッ素原子および塩素原子から選択される、請求項1から4のいずれか一項に記載の式(1)の化合物、またはその薬理学的に許容し得る塩もしくはプロドラッグの使用。
【請求項8】
R2、R3およびR4の各々が水素原子である、請求項1から4のいずれか一項に記載の式(1)の化合物、またはその薬理学的に許容し得る塩もしくはプロドラッグの使用。
【請求項9】
Xが、式R5COの基であり、R5が、水素原子、1から6個の炭素原子を有するアルキル基、1から6個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、1から6個の炭素原子を有するハロアルキル基、1から6個の炭素原子を有するアルコキシ基、アルコキシ基が1から6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基およびシアノ基から選択される少なくとも1つの置換基で場合によって置換されていてもよい、5から14個の炭素原子を有するアリール基、1から6個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、1から6個の炭素原子を有するハロアルキル基、1から6個の炭素原子を有するアルコキシ基、アルコキシ基が1から6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基およびシアノ基から選択される少なくとも1つの置換基で場合によって置換されていてもよい、5から14個の炭素原子を有するアリール基で置換された、1から6個の炭素原子を有するアルキル基を含むアラルキル基、1から3個の硫黄原子、酸素原子および/または窒素原子を含む5から7員の芳香族複素環式基であるヘテロアリール基、あるいは1から3個の硫黄原子、酸素原子および/または窒素原子を含む5から7員の芳香族複素環式基であるヘテロアリール基で置換された、1から6個の炭素原子を有するアルキル基を含むヘテロアラルキル基である、請求項1から8のいずれか一項に記載の式(1)の化合物、またはその薬理学的に許容し得る塩もしくはプロドラッグの使用。
【請求項10】
Xが、式R5COの基であり、R5が、水素原子、1から4個の炭素原子を有するアルキル基、あるいは1から4個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子及び1から4個の炭素原子を有するハロアルキル基から選択される少なくとも1つの置換基で場合によって置換されていてもよい、6から10個の炭素原子を有するアリール基で置換された、1から4個の炭素原子を有するアルキル基を含むアラルキル基である、請求項1から8のいずれか一項に記載の式(1)の化合物、またはその薬理学的に許容し得る塩もしくはプロドラッグの使用。
【請求項11】
Xが、式R5COの基であり、R5が、水素原子、メチル基、ベンジル基またはフェネチル基である、請求項1から8のいずれか一項に記載の式(1)の化合物、またはその薬理学的に許容し得る塩もしくはプロドラッグの使用。
【請求項12】
Xが、式R5SO2の基であり、R5が、水素原子、1から6個の炭素原子を有するアルキル基、1から6個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、1から6個の炭素原子を有するハロアルキル基、1から6個の炭素原子を有するアルコキシ基、アルコキシ基が1から6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基およびシアノ基から選択される少なくとも1つの置換基で場合によって置換されていてもよい、5から14個の炭素原子を有するアリール基、1から6個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、1から6個の炭素原子を有するハロアルキル基、1から6個の炭素原子を有するアルコキシ基、アルコキシ基が1から6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基およびシアノ基から選択される少なくとも1つの置換基で場合によって置換されていてもよい、5から14個の炭素原子を有するアリール基で置換された、1から6個の炭素原子を有するアルキル基を含むアラルキル基、1から3個の硫黄原子、酸素原子および/または窒素原子を含む5から7員の芳香族複素環式基であるヘテロアリール基、あるいは1から3個の硫黄原子、酸素原子および/または窒素原子を含む5から7員の芳香族複素環式基であるヘテロアリール基で置換された、1から6個の炭素原子を有するアルキル基を含むヘテロアラルキル基である、請求項1から8のいずれか一項に記載の式(1)の化合物、またはその薬理学的に許容し得る塩もしくはプロドラッグの使用。
【請求項13】
Xが、式R5SO2の基であり、R5が、1から4個の炭素原子を有するアルキル基、あるいは1から4個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子及び1から4個の炭素原子を有するハロアルキル基から選択される少なくとも1つの置換基で場合によって置換されていてもよい、6から10個の炭素原子を有するアリール基である、請求項1から8のいずれか一項に記載の式(1)の化合物、またはその薬理学的に許容し得る塩もしくはプロドラッグの使用。
【請求項14】
Xが、式R5SO2の基であり、R5が、メチル基、エチル基、塩素原子及びフッ素原子から選択される少なくとも1つの置換基で場合によって置換されていてもよいフェニル基である、請求項1から8のいずれか一項に記載の式(1)の化合物、またはその薬理学的に許容し得る塩もしくはプロドラッグの使用。
【請求項15】
Xが、式R5R7NCOの基であり、
R5が、水素原子、1から6個の炭素原子を有するアルキル基、1から6個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、1から6個の炭素原子を有するハロアルキル基、1から6個の炭素原子を有するアルコキシ基、アルコキシ基が1から6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基およびシアノ基から選択される少なくとも1つの置換基で場合によって置換されていてもよい、5から14個の炭素原子を有するアリール基、1から6個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、1から6個の炭素原子を有するハロアルキル基、1から6個の炭素原子を有するアルコキシ基、アルコキシ基が1から6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基およびシアノ基から選択される少なくとも1つの置換基で場合によって置換されていてもよい、5から14個の炭素原子を有するアリール基で置換された、1から6個の炭素原子を有するアルキル基を含むアラルキル基、1から3個の硫黄原子、酸素原子および/または窒素原子を含む5から7員の芳香族複素環式基であるヘテロアリール基、あるいは1から3個の硫黄原子、酸素原子および/または窒素原子を含む5から7員の芳香族複素環式基であるヘテロアリール基で置換された、1から6個の炭素原子を有するアルキル基を含むヘテロアラルキル基であり、
R7が、水素原子、1から6個の炭素原子を有するアルキル基、1から6個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、1から6個の炭素原子を有するハロアルキル基、1から6個の炭素原子を有するアルコキシ基、アルコキシ基が1から6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基およびシアノ基から選択される少なくとも1つの置換基で場合によって置換されていてもよい、5から14個の炭素原子を有するアリール基、または1から6個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、1から6個の炭素原子を有するハロアルキル基、1から6個の炭素原子を有するアルコキシ基、アルコキシ基が1から6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基およびシアノ基から選択される少なくとも1つの置換基で場合によって置換されていてもよい、5から14個の炭素原子を有するアリール基で置換された、1から6個の炭素原子を有するアルキル基を含むアラルキル基である、
請求項1から8のいずれか一項に記載の式(1)の化合物、またはその薬理学的に許容し得る塩もしくはプロドラッグの使用。
【請求項16】
Xが、式R5R7NCOの基であり、R5が、水素原子、1から4個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子および1から4個の炭素原子を有するハロアルキル基から選択される少なくとも1つの置換基で場合によって置換されていてもよい、6から10個の炭素原子を有するアリール基、または1から4個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、および1から4個の炭素原子を有するハロアルキル基から選択される少なくとも1つの置換基で場合によって置換されていてもよい、6から10個の炭素原子を有するアリール基で置換された、1から4個の炭素原子を有するアルキル基を含むアラルキル基であり、R7が、水素原子、または1から4個の炭素原子を有するアルキル基である、請求項1から8のいずれか一項に記載の式(1)の化合物、またはその薬理学的に許容し得る塩もしくはプロドラッグの使用。
【請求項17】
Xが、式R5R7NCOの基であり、R5が、水素原子、メチル基、エチル基、フッ素原子及び塩素原子から選択される少なくとも1つの置換基で場合によって置換されていてもよいフェニル基、あるいはメチル基、エチル基、フッ素原子及び塩素原子から選択される少なくとも1つの置換基で場合によって置換されていてもよいベンジル基であり、R7が水素原子、メチル基またはエチル基である、請求項1から8のいずれか一項に記載の式(1)の化合物、またはその薬理学的に許容し得る塩もしくはプロドラッグの使用。
【請求項18】
Xが、式R5R7NCOの基であり、R5が、水素原子、メチル基で場合によって置換されていてもよいベンジル基もしくはフェニル基であり、R7が水素原子である、請求項1から8のいずれか一項に記載の式(1)の化合物、またはその薬理学的に許容し得る塩もしくはプロドラッグの使用。
【請求項19】
Xが式R5SO2R7NCOの基であり、
R5が、水素原子、1から6個の炭素原子を有するアルキル基、1から6個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、1から6個の炭素原子を有するハロアルキル基、1から6個の炭素原子を有するアルコキシ基、アルコキシ基が1から6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基およびシアノ基から選択される少なくとも1つの置換基で場合によって置換されていてもよい、5から14個の炭素原子を有するアリール基、1から6個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、1から6個の炭素原子を有するハロアルキル基、1から6個の炭素原子を有するアルコキシ基、アルコキシ基が1から6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基およびシアノ基から選択される少なくとも1つの置換基で場合によって置換されていてもよい、5から14個の炭素原子を有するアリール基で置換された、1から6個の炭素原子を有するアルキル基を含むアラルキル基、1から3個の硫黄原子、酸素原子および/または窒素原子を含む5から7員の芳香族複素環式基であるヘテロアリール基、または1から3個の硫黄原子、酸素原子および/または窒素原子を含む5から7員の芳香族複素環式基であるヘテロアリール基で置換された、1から6個の炭素原子を有するアルキル基を含むヘテロアラルキル基であり、並びに
R7が、水素原子、1から6個の炭素原子を有するアルキル基、1から6個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、1から6個の炭素原子を有するハロアルキル基、1から6個の炭素原子を有するアルコキシ基、アルコキシ基が1から6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基およびシアノ基から選択される少なくとも1つの置換基で場合によって置換されていてもよい、5から14個の炭素原子を有するアリール基、または1から6個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、1から6個の炭素原子を有するハロアルキル基、1から6個の炭素原子を有するアルコキシ基、アルコキシ基が1から6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基およびシアノ基から選択される少なくとも1つの置換基で場合によって置換されていてもよい、5から14個の炭素原子を有するアリール基で置換された、1から6個の炭素原子を有するアルキル基を含むアラルキル基である、
請求項1から8のいずれか一項に記載の式(1)の化合物、またはその薬理学的に許容し得る塩もしくはプロドラッグの使用。
【請求項20】
Xが式R5SO2R7NCOの基であり、R5が、1から4個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子及び1から4個の炭素原子を有するハロアルキル基から選択される少なくとも1つの置換基で場合によって置換されていてもよい、6から10個の炭素原子を有するアリール基、または1から4個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、1から4個の炭素原子を有するハロアルキル基から選択される少なくとも1つの置換基で場合によって置換されていてもよい、6から10個の炭素原子を有するアリール基で置換された、1から4個の炭素原子を有するアルキル基を含むアラルキル基であり、R7が、水素原子、または1から4個の炭素原子を有するアルキル基である、請求項1から8のいずれか一項に記載の式(1)の化合物、またはその薬理学的に許容し得る塩もしくはプロドラッグの使用。
【請求項21】
Xが式R5SO2R7NCOの基であり、R5がメチル基で場合によって置換されていてもよいフェニル基であり、R7が水素原子である、請求項1から8のいずれか一項に記載の式(1)の化合物、またはその薬理学的に許容し得る塩もしくはプロドラッグの使用。
【請求項22】
Xが式CO2R8の基であり、R8が、1から6個の炭素原子を有するアルキル基、1から6個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、1から6個の炭素原子を有するハロアルキル基、1から6個の炭素原子を有するアルコキシ基、アルコキシ基が1から6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基およびシアノ基から選択される少なくとも1つの置換基で場合によって置換されていてもよい、5から14個の炭素原子を有するアリール基、または1から6個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、1から6個の炭素原子を有するハロアルキル基、1から6個の炭素原子を有するアルコキシ基、アルコキシ基が1から6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基およびシアノ基から選択される少なくとも1つの置換基で場合によって置換されていてもよい、5から14個の炭素原子を有するアリール基で置換された、1から6個の炭素原子を有するアルキル基を含むアラルキル基、1から3個の硫黄原子、酸素原子および/または窒素原子を含む5から7員の芳香族複素環式基であるヘテロアリール基、あるいは1から3個の硫黄原子、酸素原子および/または窒素原子を含む5から7員の芳香族複素環式基であるヘテロアリール基で置換された、1から6個の炭素原子を有するアルキル基を含むヘテロアラルキル基である、請求項1から8のいずれか一項に記載の式(1)の化合物、またはその薬理学的に許容し得る塩もしくはプロドラッグの使用。
【請求項23】
Xが式CO2R8の基であり、R8が、1から4個の炭素原子を有するアルキル基、1から4個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、および1から4個の炭素原子を有するハロアルキル基から選択される少なくとも1つの置換基で場合によって置換されていてもよい、6から10個の炭素原子を有するアリール基、または1から4個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、および1から4個の炭素原子を有するハロアルキル基から選択される少なくとも1つの置換基で場合によって置換されていてもよい、6から10個の炭素原子を有するアリール基で置換された、1から4個の炭素原子を有するアルキル基を含むアラルキル基である、請求項1から8のいずれか一項に記載の式(1)の化合物、またはその薬理学的に許容し得る塩もしくはプロドラッグの使用。
【請求項24】
Yが式R6COの基であり、R6が、水素原子、1から6個の炭素原子を有するアルキル基;1から6個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、1から6個の炭素原子を有するハロアルキル基、1から6個の炭素原子を有するアルコキシ基、アルコキシ基が1から6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基およびシアノ基から選択される少なくとも1つの置換基で場合によって置換されていてもよい、5から14個の炭素原子を有するアリール基、1から6個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、1から6個の炭素原子を有するハロアルキル基、1から6個の炭素原子を有するアルコキシ基、アルコキシ基が1から6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基およびシアノ基から選択される少なくとも1つの置換基で場合によって置換されていてもよい、5から14個の炭素原子を有するアリール基で置換された、1から6個の炭素原子を有するアルキル基を含むアラルキル基、1から3個の硫黄原子、酸素原子および/または窒素原子を含む5から7員の芳香族複素環式基であるヘテロアリール基、あるいは1から3個の硫黄原子、酸素原子および/または窒素原子を含む5から7員の芳香族複素環式基であるヘテロアリール基で置換された、1から6個の炭素原子を有するアルキル基を含むヘテロアラルキル基である、請求項1から8および15から23のいずれか一項に記載の式(1)の化合物、またはその薬理学的に許容し得る塩もしくはプロドラッグの使用。
【請求項25】
Yが式R6COの基であり、R6が、水素原子、1から4個の炭素原子を有するアルキル基、または1から4個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、および1から4個の炭素原子を有するハロアルキル基から選択される少なくとも1つの置換基で場合によって置換されていてもよい、6から10個の炭素原子を有するアリール基で置換された、1から4個の炭素原子を有するアルキル基を含むアラルキル基である、請求項1から8および15から23のいずれか一項に記載の式(1)の化合物、またはその薬理学的に許容し得る塩もしくはプロドラッグの使用。
【請求項26】
Yが式R6COの基であり、R6が、水素原子、メチル基、ベンジル基またはフェネチル基である、請求項1から8および15から23のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬理学的に許容し得る塩もしくはプロドラッグ。
【請求項27】
Yが式R6SO2の基であり、R6が、水素原子、1から6個の炭素原子を有するアルキル基、1から6個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、1から6個の炭素原子を有するハロアルキル基、1から6個の炭素原子を有するアルコキシ基、アルコキシ基が1から6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基およびシアノ基から選択される少なくとも1つの置換基で場合によって置換されていてもよい、5から14個の炭素原子を有するアリール基、1から6個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、1から6個の炭素原子を有するハロアルキル基、1から6個の炭素原子を有するアルコキシ基、アルコキシ基が1から6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基およびシアノ基から選択される少なくとも1つの置換基で場合によって置換されていてもよい、5から14個の炭素原子を有するアリール基で置換された、1から6個の炭素原子を有するアルキル基を含むアラルキル基、1から3個の硫黄原子、酸素原子および/または窒素原子を含む5から7員の芳香族複素環式基であるヘテロアリール基、あるいは1から3個の硫黄原子、酸素原子および/または窒素原子を含む5から7員の芳香族複素環式基であるヘテロアリール基で置換された、1から6個の炭素原子を有するアルキル基を含むヘテロアラルキル基である、請求項1から23のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬理学的に許容し得る塩もしくはプロドラッグの使用。
【請求項28】
Yが式R6SO2の基であり、R6が、1から4個の炭素原子を有するアルキル基、または1から4個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、および1から4個の炭素原子を有するハロアルキル基から選択される少なくとも1つの置換基で場合によって置換されていてもよい6から10個の炭素原子を有するアリール基である、請求項1から23のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬理学的に許容し得る塩もしくはプロドラッグ。
【請求項29】
Yが式R6SO2の基であり、R6が、メチル基、エチル基、塩素原子およびフッ素原子から選択される少なくとも1つの置換基で場合によって置換されていてもよいフェニル基である、請求項1から23のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬理学的に許容し得る塩もしくはプロドラッグ。
【請求項30】
Xが式R6R7NCOの基であり、
R6が、水素原子、1から6個の炭素原子を有するアルキル基、1から6個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、1から6個の炭素原子を有するハロアルキル基、1から6個の炭素原子を有するアルコキシ基、アルコキシ基が1から6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基およびシアノ基から選択される少なくとも1つの置換基で場合によって置換されていてもよい、5から14個の炭素原子を有するアリール基、1から6個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、1から6個の炭素原子を有するハロアルキル基、1から6個の炭素原子を有するアルコキシ基、アルコキシ基が1から6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基およびシアノ基から選択される少なくとも1つの置換基で場合によって置換されていてもよい、5から14個の炭素原子を有するアリール基で置換された、1から6個の炭素原子を有するアルキル基を含むアラルキル基、1から3個の硫黄原子、酸素原子および/または窒素原子を含む5から7員の芳香族複素環式基であるヘテロアリール基、あるいは1から3個の硫黄原子、酸素原子および/または窒素原子を含む5から7員の芳香族複素環式基であるヘテロアリール基で置換された、1から6個の炭素原子を有するアルキル基を含むヘテロアラルキル基であり、
R7が、水素原子、1から6個の炭素原子を有するアルキル基、1から6個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、1から6個の炭素原子を有するハロアルキル基、1から6個の炭素原子を有するアルコキシ基、アルコキシ基が1から6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基およびシアノ基から選択される少なくとも1つの置換基で場合によって置換されていてもよい、5から14個の炭素原子を有するアリール基、または1から6個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、1から6個の炭素原子を有するハロアルキル基、1から6個の炭素原子を有するアルコキシ基、アルコキシ基が1から6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基およびシアノ基から選択される少なくとも1つの置換基で場合によって置換されていてもよい、5から14個の炭素原子を有するアリール基で置換された、1から6個の炭素原子を有するアルキル基を含むアラルキル基である、
請求項1から8および15から23のいずれか一項に記載の式(1)の化合物、またはその薬理学的に許容し得る塩もしくはプロドラッグの使用。
【請求項31】
Yが式R6R7NCOの基であり、R6が、水素原子、1から4個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、1から4個の炭素原子を有するハロアルキル基から選択される少なくとも1つの置換基で場合によって置換されていてもよい、6から10個の炭素原子を有するアリール基、または1から4個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、1から4個の炭素原子を有するハロアルキル基から選択される少なくとも1つの置換基で場合によって置換されていてもよい、6から10個の炭素原子を有するアリール基で置換された、1から4個の炭素原子を有するアルキル基を含むアラルキル基であり、R7が、水素原子、または1から4個の炭素原子を有するアルキル基である、請求項1から8および15から23のいずれか一項に記載の式(1)の化合物、またはその薬理学的に許容し得る塩もしくはプロドラッグの使用。
【請求項32】
Yが式R6R7NCOの基であり、R6が、水素原子、メチル基、エチル基、フッ素原子および塩素原子から選択される少なくとも1つの置換基で場合によって置換されていてもよいフェニル基、またはメチル基、エチル基、フッ素原子および塩素原子から選択される少なくとも1つの置換基で場合によって置換されていてもよいベンジル基であり、R7が、水素原子、メチル基またはエチル基である、請求項1から8および15から23のいずれか一項に記載の式(1)の化合物、またはその薬理学的に許容し得る塩もしくはプロドラッグの使用。
【請求項33】
Yが式R6R7NCOの基であり、R6が、水素原子、ベンジル基、またはメチル基で場合によって置換されたフェニル基であり、R7が水素原子である、請求項1から8および15から23のいずれか一項に記載の式(1)の化合物、またはその薬理学的に許容し得る塩の使用。
【請求項34】
Yが式R6SO2R7NCOの基であり、
R6が、水素原子、1から6個の炭素原子を有するアルキル基、1から6個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、1から6個の炭素原子を有するハロアルキル基、1から6個の炭素原子を有するアルコキシ基、アルコキシ基が1から6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基およびシアノ基から選択される少なくとも1つの置換基で場合によって置換されていてもよい、5から14個の炭素原子を有するアリール基、1から6個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、1から6個の炭素原子を有するハロアルキル基、1から6個の炭素原子を有するアルコキシ基、アルコキシ基が1から6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基およびシアノ基から選択される少なくとも1つの置換基で場合によって置換されていてもよい、5から14個の炭素原子を有するアリール基で置換された、1から6個の炭素原子を有するアルキル基を含むアラルキル基、1から3個の硫黄原子、酸素原子および/または窒素原子を含む5から7員の芳香族複素環式基であるヘテロアリール基、あるいは1から3個の硫黄原子、酸素原子および/または窒素原子を含む5から7員の芳香族複素環式基であるヘテロアリール基で置換された、1から6個の炭素原子を有するアルキル基を含むヘテロアラルキル基であり、
R7が、水素原子、1から6個の炭素原子を有するアルキル基、1から6個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、1から6個の炭素原子を有するハロアルキル基、1から6個の炭素原子を有するアルコキシ基、アルコキシ基が1から6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基およびシアノ基から選択される少なくとも1つの置換基で場合によって置換されていてもよい、5から14個の炭素原子を有するアリール基、または1から6個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、1から6個の炭素原子を有するハロアルキル基、1から6個の炭素原子を有するアルコキシ基、アルコキシ基が1から6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基およびシアノ基から選択される少なくとも1つの置換基で場合によって置換されていてもよい、5から14個の炭素原子を有するアリール基で置換された、1から6個の炭素原子を有するアルキル基を含むアラルキル基である、請求項1から23のいずれか一項に記載の式(1)の化合物、またはその薬理学的に許容し得る塩もしくはプロドラッグの使用。
【請求項35】
Yが式R6SO2R7NCOの基であり、R6が、1から4個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、および1から4個の炭素原子を有するハロアルキル基から選択される少なくとも1つの置換基で場合によって置換されていてもよい、6から10個の炭素原子を有するアリール基、または1から4個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、および1から4個の炭素原子を有するハロアルキル基から選択される少なくとも1つの置換基で場合によって置換されていてもよい、6から10個の炭素原子を有するアリール基で置換された、1から4個の炭素原子を有するアルキル基を含むアラルキル基であり、R7が、水素原子、または1から4個の炭素原子を有するアルキル基である、請求項1から23のいずれか一項に記載の式(1)の化合物、またはその薬理学的に許容し得る塩もしくはプロドラッグの使用。
【請求項36】
Yが式R6SO2R7NCOの基であり、R6がメチル基で場合によって置換されていてもよいフェニル基であり、R7が水素原子である、請求項1から23のいずれか一項に記載の式(1)の化合物、またはその薬理学的に許容し得る塩もしくはプロドラッグの使用。
【請求項37】
Yが式CO2R8の基であり、R8が、1から6個の炭素原子を有するアルキル基、1から6個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、1から6個の炭素原子を有するハロアルキル基、1から6個の炭素原子を有するアルコキシ基、アルコキシ基が1から6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基およびシアノ基から選択される少なくとも1つの置換基で場合によって置換されていてもよい、5から14個の炭素原子を有するアリール基、または1から6個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、1から6個の炭素原子を有するハロアルキル基、1から6個の炭素原子を有するアルコキシ基、アルコキシ基が1から6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基およびシアノ基から選択される少なくとも1つの置換基で場合によって置換されていてもよい、5から14個の炭素原子を有するアリール基で置換された、1から6個の炭素原子を有するアルキル基を含むアラルキル基、1から3個の硫黄原子、酸素原子および/または窒素原子を含む5から7員の芳香族複素環式基であるヘテロアリール基、あるいは1から3個の硫黄原子、酸素原子および/または窒素原子を含む5から7員の芳香族複素環式基であるヘテロアリール基で置換された、1から6個の炭素原子を有するアルキル基を含むヘテロアラルキル基である、請求項1から23のいずれか一項に記載の式(1)の化合物、またはその薬理学的に許容し得る塩もしくはプロドラッグの使用。
【請求項38】
Yが式CO2R8の基であり、R8が、1から4個の炭素原子を有するアルキル基、1から4個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、および1から4個の炭素原子を有するハロアルキル基から選択される少なくとも1つの置換基で場合によって置換されていてもよい、6から10個の炭素原子を有するアリール基、または1から4個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、および1から4個の炭素原子を有するハロアルキル基から選択される少なくとも1つの置換基で場合によって置換されていてもよい、6から10個の炭素原子を有するアリール基で置換された、1から4個の炭素原子を有するアルキル基を含むアラルキル基である、請求項1から23のいずれか一項に記載の式(1)の化合物、またはその薬理学的に許容し得る塩もしくはプロドラッグの使用。
【請求項39】
R1、R2、R3およびR4の各々が水素原子であり;
Xが式R5COの基であり、R5が水素原子、メチル基、ベンジル基またはフェネチル基であり;並びに
Yが式R6SO2R7NCOの基であり、R6がメチル基で場合によって置換されていてもよいフェニル基であり、R7が水素原子である、請求項1に記載の式(1)の化合物、またはその薬理学的に許容し得る塩もしくはプロドラッグの使用。
【請求項40】
R1、R2、R3およびR4の各々が水素原子であり;
Xが式R5SO2の基(式中、R5はメチル基、エチル基、塩素原子及びフッ素原子から選択される少なくとも1つの置換基で場合により置換されていてもよいフェニル基である)であり;
Yが式R6SO2R7NCOの基(式中、R6がメチル基で場合によって置換されていてもよいフェニル基であり、並びにR7が水素原子である)である、
請求項1に記載の式(1)の化合物、またはその薬理学的に許容し得る塩もしくはプロドラッグの使用。
【請求項41】
R1、R2、R3およびR4の各々が水素原子であり;
Xは式R5R7NCOの基(式中、R5は水素原子、ベンジル基またはメチル基で場合により置換されていてもよいフェニル基であり、R7は水素原子である)であり;
Yは式R6SO2R7NCOの基(式中、R6はメチル基で場合によって置換されていてもよいフェニル基であり、R7は水素原子である)あるいは式R6R7NCOの基(式中、R6は水素原子、ベンジル基またはメチル基で場合により置換されていてもよいフェニル基であり、R7は水素原子である)である、
請求項1に記載の式(1)の化合物、またはその薬理学的に許容し得る塩もしくはプロドラッグの使用。
【請求項42】
R1、R2、R3およびR4の各々が水素原子であり;
Xは式R5SO2R7NCOの基であり、R5はメチル基で場合により置換されていてもよいフェニル基であり、R7は水素原子であり;
Yは式R6COの基(式中、R6は水素原子、メチル基、ベンジル基またはフェネチル基である)、式R6SO2の基(式中、R6はメチル基、エチル基、塩素原子及びフッ素原子から選択される少なくとも1つの置換基で場合により置換されていてもよいフェニル基である)あるいは式R6R7NCOの基(式中、R5は水素原子、ベンジル基またはメチル基で場合により置換されたフェニル基であり、R7は水素原子である)である、
請求項1に記載の式(1)の化合物、またはその薬理学的に許容し得る塩もしくはプロドラッグの使用。
【請求項43】
R1、R2、R3およびR4の各々が水素原子であり;
Yが、式R6COの基であり、R6が、水素原子、メチル基、ベンジル基またはフェネチル基であり;
Xが、式R5SO2R7NCOの基であり、R5が、メチル基で場合によって置換されていてもよいフェニル基であり、R7が水素原子である、
請求項1に記載の式(1)の化合物、またはその薬理学的に許容し得る塩もしくはプロドラッグの使用。
【請求項44】
R1、R2、R3およびR4の各々が水素原子であり;
Yが、式R6SO2(式中、R6は、メチル基、エチル基、塩素原子およびフッ素原子から選択される少なくとも1つの置換基で場合によって置換されていてもよいフェニル基である)の基であり;
Xが、式R5SO2R7NCOの基(式中、R5aは、メチル基で場合によって置換されていてもよいフェニル基であり、R7は水素原子である)である、
請求項1に記載の式(1)の化合物、またはその薬理学的に許容し得る塩もしくはプロドラッグの使用。
【請求項45】
R1、R2、R3およびR4の各々が水素原子であり;
Yが、式R6R7NCO(式中、R6は、水素原子、ベンジル基、またはメチル基で場合によって置換されていてもよいフェニル基であり、R7は水素原子である)の基であり;
Xが、式R5SO2R7NCOの基(式中、R5が、メチル基で場合によって置換されていてもよいフェニル基であり、R7は水素原子である)あるいは式R5R7NCOの基(式中、R5は水素原子、ベンジル基またはメチル基で場合により置換されたフェニル基であり、R7は水素原子である)である、
請求項1に記載の式(1)の化合物、またはその薬理学的に許容し得る塩もしくはプロドラッグの使用。
【請求項46】
R1、R2、R3およびR4の各々が水素原子であり;
Yが、式R6SO2R7NCOの基であり、R6が、メチル基で場合によって置換されていてもよいフェニル基であり、R7が水素原子であり;
Xが、式R5COの基(式中、R5は、水素原子、メチル基、ベンジル基またはフェネチル基である)、式R5SO2の基(式中、R5は、メチル基、エチル基、塩素原子およびフッ素原子から選択される少なくとも1つの置換基で場合によって置換されていてもよいフェニル基である)あるいは式R5R7NCOの基(式中、R5は水素原子、ベンジル基またはメチル基で場合により置換されたフェニル基であり、R7は水素原子である)である、
請求項1に記載の式(1)の化合物、またはその薬理学的に許容し得る塩もしくはプロドラッグの使用。
【請求項47】
N-フェニルスルホニル-7-[({[(4-メチルフェニル)スルホニル]アミノ}カルボニル)アミノ]-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン-3-カルボキサミド;
N-アセチル-7-[({[(4-メチルフェニル)スルホニル]アミノ}カルボニル)アミノ]-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン-3-カルボキサミド;
N-ベンジルアミノカルボニル-7-[({[(4-メチルフェニル)スルホニル]アミノ}-カルボニル)アミノ]-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン-3-カルボキサミド;
N-(1-オキソ-3-フェニル-プロパニル)-7-[({[(4-メチルフェニル)スルホニル]アミノ}-カルボニル)アミノ]-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン-3-カルボキサミド;
N-ホルミル-7-[({[(4-メチルフェニル)スルホニル]アミノ}カルボニル)アミノ]-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン-3-カルボキサミド;
N-[(4-メチルフェニル)スルホニル]-7-フェニルスルホニルアミノ-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン-3-カルボキサミド;
N-[(4-メチルフェニル)スルホニル]-7-アセチルアミノ-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン-3-カルボキサミド;
N-[(4-メチルフェニル)スルホニル]-7-ベンジルアミノカルボニルアミノ-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン-3-カルボキサミド;
N-[(4-メチルフェニル)スルホニル]-7-(1-オキソ-3-フェニル-プロパニルアミノ)-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン-3-カルボキサミド;
N-[(4-メチルフェニル)スルホニル]-7-ホルミルアミノ-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン-3-カルボキサミド;
7-[({[(4-メチルフェニル)スルホニル]アミノ}カルボニル)アミノ]-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン-3-カルボキサミド;
N-フェニルスルホニル-7-フェニルスルホニルアミノカルボニルアミノ-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン-3-カルボキサミド;
N-[(4-メチルフェニル)スルホニル]-6-({[(4-メチルフェニル)スルホニル]-カルバモイル}アミノ)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-カルボキサミド;
N-[(4-メチルフェニル)スルホニル]-5-[({[(4-メチルフェニル)スルホニル]アミノ}カルボニル)アミノ]-1,3-ジヒドロ-2H-イソインドール-2-カルボキサミド;
N-[(4-メチルフェニル)スルホニル]-7-({[(4-メチルフェニル)スルホニル]カルバモイル}アミノ)-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン-3-カルボキサミド;
N-フェニルスルホニル-7-{[(フェニルスルホニル)カルバモイル]アミノ}-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン-3-カルボキサミド;
N-[(3-メチルフェニル)スルホニル]-7-({[(3-メチルフェニル)スルホニル]カルバモイル}アミノ)-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン-3-カルボキサミド;
N-[(2-クロロフェニル)スルホニル]-7-({[(2-クロロフェニル)スルホニル]カルバモイル}アミノ)-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン-3-カルボキサミド;
N-[(4-クロロフェニル)スルホニル]-7-({[(4-クロロフェニル)スルホニル]カルバモイル}アミノ)-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン-3-カルボキサミド;
N-[(4-フルオロフェニル)スルホニル]-7-({[(4-フルオロフェニル)スルホニル]カルバモイル}アミノ)-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン-3-カルボキサミド;
N-[(4-メトキシフェニル)スルホニル]-7-({[(4-メトキシフェニル)スルホニル]カルバモイル}アミノ)-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン-3-カルボキサミド;
N-[(4-tert-ブチルフェニル)スルホニル]-7-({[(4-tert-ブチルフェニル)スルホニル]カルバモイル}アミノ)-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン-3-カルボキサミド;
N-[(4-メチルフェニル)スルホニル]-7-({[(4-メチルフェニル)スルホニル]カルバモイル}アミノ)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-カルボキサミド;
N-[(4-メチルフェニル)スルホニル]-7-([(4-メチルフェニル)スルホニル]アミノ)-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン-3-カルボキサミド;
N-[(4-メチルフェニル)スルホニル]-7-([(4-ビフェニル)スルホニル]アミノ)-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン-3-カルボキサミド;
N-[(4-メチルフェニル)スルホニル]-7-([(4-メチルフェニル)フェニル]スルホニル]-アミノ)-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンズアゼピン;
N-[(4-メチルフェニル)スルホニル]-7-アミノカルボニルアミノ-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンゾアゼピン-3-カルボキサミド;
N-[(4-メチルフェニル)スルホニル]-7-[({[(4-メチルフェニル)スルホニル]アミノ}-カルボニル)アミノ]-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンゾアゼピン-3-カルボキサミド; 及び
N-ベンジル-7-ベンジルアミノカルボニルアミノ-1,2,4,5-テトラヒドロ-3H-3-ベンゾアゼピン-3-カルボキサミド
からなる群から選択される、請求項1に記載の式(1)の化合物、またはその薬理学的に許容し得る塩もしくはプロドラッグの使用。
【請求項48】
多発性硬化症の予防または治療のための医薬の製造における請求項1から47のいずれか一項に記載の使用。
【請求項49】
炎症性腸疾患の予防または治療のための医薬の製造における請求項1から47のいずれか一項に記載の使用。
【請求項50】
慢性関節リウマチの予防または治療のための医薬の製造における請求項1から47のいずれか一項に記載の使用。
【請求項51】
組織不適合性の予防または治療のための医薬の製造における請求項1から47のいずれか一項に記載の使用。
【請求項52】
喘息の予防または治療のための医薬の製造における請求項1から47のいずれか一項に記載の使用。
【請求項53】
慢性閉塞性肺疾患の予防または治療のための医薬の製造における請求項1から47のいずれか一項に記載の使用。
【請求項54】
嚢胞性繊維症の予防または治療のための医薬の製造における請求項1から47のいずれか一項に記載の使用。
【請求項55】
アテローム性動脈硬化症の予防または治療のための医薬の製造における請求項1から47のいずれか一項に記載の使用。
【請求項56】
請求項1から47のいずれか一項に規定される化合物またはその薬理学的に許容し得る塩もしくはプロドラッグを有効量で、それらを必要としている患者に投与することを含む、炎症性または免疫学的病態の予防または治療のための方法。
【請求項57】
多発性硬化症の予防または治療のための請求項56に記載の方法。
【請求項58】
炎症性腸疾患の予防または治療のための請求項56に記載の方法。
【請求項59】
慢性関節リウマチの予防または治療のための請求項56に記載の方法。
【請求項60】
組織不適合性の予防または治療のための請求項56に記載の方法。
【請求項61】
喘息の予防または治療のための請求項56に記載の方法。
【請求項62】
慢性閉塞性肺疾患の予防または治療のための請求項56に記載の方法。
【請求項63】
嚢胞性繊維症の予防または治療のための請求項56に記載の方法。
【請求項64】
アテローム性動脈硬化症の予防または治療のための請求項56に記載の方法。
【請求項65】
炎症性または免疫学的病態の予防または治療のための医薬の製造における、請求項1から47のいずれか一項に規定される少なくとも1つの化合物またはその薬理学的に許容し得る塩もしくはプロドラッグの、ムスカリン受容体アンタゴニスト、β3アドレナリン受容体アゴニスト、ニューロキニンK受容体アンタゴニスト、バニロイドVR1アゴニスト、カルシウムチャネルa2dリガンド、カリウムチャネル活性化薬、カルシウムチャネル阻害薬、ナトリウムチャネル遮断薬、セロトニンおよびノルエピネフリン再取込み阻害薬(SNRI)、5-HTアンタゴニストおよびアルファ-1アドレナリン受容体アンタゴニストからなる群から選択される少なくとも1つの化合物と組み合わせての使用。
【請求項66】
多発性硬化症の予防または治療のための医薬の製造における請求項65に記載の使用。
【請求項67】
炎症性腸疾患の予防または治療のための医薬の製造における請求項65に記載の使用。
【請求項68】
慢性関節リウマチの予防または治療のための医薬の製造における請求項65に記載の使用。
【請求項69】
組織不適合性の予防または治療のための医薬の製造における請求項65に記載の使用。
【請求項70】
喘息の予防または治療のための医薬の製造における請求項65に記載の使用。
【請求項71】
慢性閉塞性肺疾患の予防または治療のための医薬の製造における請求項65に記載の使用。
【請求項72】
嚢胞性繊維症の予防または治療のための医薬の製造における請求項65に記載の使用。
【請求項73】
アテローム性動脈硬化症の予防または治療のための医薬の製造における請求項65に記載の使用。
【請求項74】
活性成分の組合せを有効量で、それらを必要としている患者に投与することを含む炎症性または免疫学的病態の予防または治療のための方法であって、前記活性成分が、請求項1から47のいずれか一項に規定される少なくとも1つの化合物またはその薬理学的に許容し得る塩もしくはプロドラッグ、及びムスカリン受容体アンタゴニスト、β3アドレナリン受容体アゴニスト、ニューロキニンK受容体アンタゴニスト、バニロイドVR1アゴニスト、カルシウムチャネルa2dリガンド、カリウムチャネル活性化薬、カルシウムチャネル阻害薬、ナトリウムチャネル遮断薬、セロトニンおよびノルエピネフリン再取込み阻害薬(SNRI)、5-HTアンタゴニストおよびアルファ-1アドレナリン受容体アンタゴニストからなる群から選択される少なくとも1つの化合物を含み、前記投与が同時、分離または連続である方法。
【請求項75】
多発性硬化症の予防または治療のための請求項74に記載の方法。
【請求項76】
炎症性腸疾患の予防または治療のための請求項74に記載の方法。
【請求項77】
慢性関節リウマチの予防または治療のための請求項74に記載の方法。
【請求項78】
組織不適合性の予防または治療のための請求項74に記載の方法。
【請求項79】
喘息の予防または治療のための請求項74に記載の方法。
【請求項80】
慢性閉塞性肺疾患の予防または治療のための請求項74に記載の方法。
【請求項81】
嚢胞性繊維症の予防または治療のための請求項74に記載の方法。
【請求項82】
アテローム性動脈硬化症の予防または治療のための請求項74に記載の方法。



【公表番号】特表2010−504953(P2010−504953A)
【公表日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−529780(P2009−529780)
【出願日】平成19年9月28日(2007.9.28)
【国際出願番号】PCT/GB2007/050591
【国際公開番号】WO2008/038051
【国際公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【出願人】(509007207)レクタス・セラピューティクス・リミテッド (4)
【Fターム(参考)】