説明

炎症性疾患およびリウマチ疾患を予防および治療する漢方薬組成物およびその生成方法

本発明は、2組の新規漢方薬組成物を提供する。第一の漢方薬組成物は威霊仙、独活、羌活、防風、秦キュウ含む。第二の漢方薬組成物は川キュウ、當帰、杜仲、牛膝を含む。ヒトと家畜の炎症性疾患および関節リウマチ疾患の症状の軽減において最大限の予防効果を達するために、第一組成物を第二組成物と結合させることがこのましい。本発明の漢方薬組成物は医薬組成物、栄養健康補助食品もしくは食事として用いられる。本発明はさらに当該漢方薬組成物の生成方法を提供している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、2004年6月9日に出願された第60/578,127号米国仮出願の優先権を主張し、その仮出願の内容は本出願に引用されることによって組み込まれる。
(発明の分野)
【0002】
本発明は2組の新規の漢方薬組成物に関する。第一の組成物は、威霊仙(Radix Clematidis)、独活(Radix Angelicae Pubescentis)、羌活(Rhizoma et Radix Notopterygii)、防風(Radix Saposhnikoviae)、および秦キュウ(Radix Gentianae Macrophyllae)を含む。第二の組成物は、川キュウ(Rhizoma Chuanxiong)と、當帰(Radix Angelicae Sinensis)と、杜仲(Cortex Eucommiae)と、牛膝(Radix Achyranthis Bidentataeas)とを含む。好ましくは、炎症性疾患およびリウマチ様疾患の症状を軽減において最大の予防および治療効果を達成するために、第一および第二漢方薬の組成物を組み合わせる。また本発明は、この漢方薬の生成方法および使用方法に関する。
(発明の背景)
【0003】
リウマチは、筋肉、腱、関節、骨、神経のいくつかの病態を指し、特に不快症状、身体障害である。およそ100種類のリウマチ性疾患は関節および別の動物の結合組織に影響を与えている。
【0004】
関節炎は、関節の痛み、腫れ、および凝りのような症状を特徴とする自己免疫疾患である。哺乳動物において2大主要な関節炎は、関節リウマチ(RA)のような炎症性関節炎と変形性関節症(OA)で、後者は、しばしば機械的ストレス、老齢化、発育不良(dysplastic
condition)および/または外傷による進行性軟骨退化性損失(degenerative loss)である。関節炎の症状は一般的に脊椎関節、たとえば、強直母趾、関節紅皮症(arthrosis psoriaticum)および関節リウマチに及ぶ。
【0005】
関節リウマチ(RA)は一種よく見られる自己免疫疾患で、その特徴は、関節腫れ、変形、最終的に破壊的厳重な身体障害に至る。リウマチ疾患は、筋肉、腱、関節、骨、筋の疾患を含み、それは炎症および/または退化を特徴とする。およそ1から2%の人口が関節リウマチを患っており、その特徴は、TNF-. alpha.とIL-1のような炎症促進性サイトカインを過剰生成、および。IL-10、Il-1のような抗炎症サイトカインの欠如を引き起こす免疫システムのアンバランスである。関節リウマチは、軟骨破壊、骨侵食そして最後に関節変形まで進行する滑膜性炎症によって特徴付けられる。炎症の過程において、多核白血球、マクロファージおよびリンパ球はリリースされる。マクロファージがプロスタグランジン、細胞毒素のリリースを促進すると同時に、活性化されたT リンパ球は、細胞毒素および炎症促進性サイトカインを生成する。血管刺激物質(ヒスタミン、キニンおよびプロスタグランジン)は、炎症部位にリリースされ、炎症を起こした関節とともに浮腫、温覚、紅斑および痛みを引き起こす。
【0006】
現在用いられる最も多くの治療は、滑膜細胞の増殖および軟骨侵食をもたらしたと考えられる免疫異常を直接的に治療するものである。現在の関節治療は、たとえば、アスピリン、イブプロフェン、ナプロキセンなどの非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs)に分類された痛み止めおよび炎症止めのための第一選択薬を含む。第二選択関節治療は、コルチコステロイド、メトトレキサート、ペニシリンアミン(penicillinamine)、シクロホスファミド、金塩、アゾスーポプレン(azothipoprine)、レバミゾールなどのような遅効性抗リウマチ薬(SAARDs)、疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARDs)を含む。
【0007】
関節リウマチ治療における糖質コルチコイドおよび非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs)の使用はかなり長期間に渡っており、そしてそれらは関節リウマチ治療の伝統薬として考えられている。人体内のコルチゾンホルモンの合成バージョンにあたるコルチコステロイドは、関節リウマチの進展を阻止するために用いられる。これらは効果的に炎症を軽減し自己免疫を抑制することができる。最も一般的な処方されるコルチコステロイドは、プレドニゾンおよびデキサメサゾンである。しかしながら、長時間のデキサメサゾンの使用は、体重増加、顔の円形化、座瘡、あざができやすいこと、高血圧、糖尿病、感染および胃潰瘍リスクの増加のような副作用をもたらす。その結果として、それは一般的に急性突発の間の短い期間でのみの使用になった。
【0008】
疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARDs)の中、メトトレキサート(MTX)は、関節リウマチの早期段階においての有効性および耐用性を計るベンチマーク剤になった。最近FDAがジヒドロオロト酸塩脱水素酵素阻害剤として新たに認証したレフルノミドは、その活性メカニズムが知られていないにもかかわらずに、関節リウマチ治療において有効性があるとされている。しかしながら、大多数のDMARDsは長期間の副作用および毒性を潜在的に持っている。たとえば、インビトロおよびインビボの環境下、レフルノミドはリンパ球機能に影響を与えるとされている。
【0009】
現在、生物学的応答調節物質(BRMs)と呼ばれる別の薬グループは間接リウマチの治療に開発された。間接リウマチ治療として認可された最初のBRMsグループは、TNF-αに直接もしくはそのレセプターに結合するTNF-αに対するアンタゴニストを含む。しかしながら、BRM治療が顕著な効果および臨床改善を有する一方、高いコスト、薬物過敏性およびTNF-α妨害による感染という副作用にも伴う。
【0010】
これらのすべての薬の活性メカニズムは炎症作用の抑制を基礎とする。われわれが知っている限り、軟骨保護に着目した薬の開発はまだない。さらに、これらの大部分は、特に細胞傷害性、副作用のような多様な毒性を持つ。このように、これらの薬は限定的なアドバンテージを有し、また、その効果は主に短時間である。これらの薬の、たとえば、腎臓および肝臓に対する影響を与える胃粘膜侵食のような副作用は、長期間の使用に制限を与えた。さらに、現在に使用された薬は高コストで、損益率が低いである。
【0011】
このように、低コスト、安全、そして副作用が低くもしくはほとんどなく有効な漢方薬由来の抗炎症、鎮痛、解熱の治療薬が求められている。
【0012】
植物および動物から分離した天然物が広汎の物質を提供してくれた。その中ヒトにとって潜在的な医薬作用を有し、および効用薬にソースとなりうる物質がある。大部分の天然物質は無毒かつ廉価である。漢方薬の一部分は、各種疾患及ぶ障害の治療において治療法上の効果が認められている。世界保健機関(WHO)によれば、全地球総人口の80%にあたる40億の人口は、健康関連の治療において漢方薬を使用している。最近の代替医薬使用の研究によれば、1990年から1997年までに代替医薬開業医の所に診療を求めてくる人が6億2千9百万回で約47.3%増で、この数は1997年米国基層開業医に診療を求めてくる人の3億8千6百万回を超えた。漢方薬は代替医薬の領域においての成長はもっとも早い。
【0013】
漢方薬は植物薬および/または栄養健康補助食品として使用されうる。
【0014】
植物薬
【0015】
植物薬は植物性物質からなり、そこには植物材料、藻類、肉眼可視な菌もしくはその組み合わせを含む。植物薬の製品は溶液(たとえばお茶)、パウダー、タブレット、カプセル、エリキシル剤、局部用剤もしくは注射になることができる。2000年8月において、米国FDA植物製品産業界のためにガイドラインのドラフトを公開した。
【0016】
栄養健康補助食品
【0017】
米国の国会は、1994年の栄養健康補助食品健康および教育法(DSHEA)において用語“栄養健康補助食品”を定義した。栄養健康補助食品は、食事補助と目的とする“食品成分”を含んだ経口の製品である。これらの“食品成分”は、ビタミン、ミネラル、ハープ、もしくは他の植物、アミノ酸、酵素、有機組織、腺および代謝産物を含む。栄養健康補助食品は抽出もしくは圧縮され、もしくは、タブレット、カプセル、ソフトカプセル、ジェルキャップ、溶液もしくはパウダーのような形状になりうる。ほかの形状として、たとえば食品棒の形状があるが、その場合にそこに、この食品は伝統的な食品でかつ一食分用となる情報を示すべきではない。どんな形状であれ、DSHEA従来の“食品”の類に栄養健康補助食品を、薬としてではなく、各製品の栄養健康補助食品であることが示された特殊なカテゴリーに入れた。
【0018】
技術的角度から見ると、ハーブは小さく非木本(すなわち:葉肉)の一年生植物もしくは多年生植物の単子葉植物であり、その地上の部分は成長シーズンが終わるときにすべて枯れてしまう。この単語が広く使用されているように、ここでも同様、ハープは任意の医療用植物もしくはその部分である。したがって、治療に用いられる種、葉、茎、花、根、液果、樹皮もしくは他の部分はすべて漢方薬の一部として考えられる。
【0019】
漢方薬は多くの国で長い間ヒトと動物の疾患を治療する薬として用いられてきた(Kessler らのThe Doctor's Complete Guide to
Healing Medicines, Berkley Health/Reference Books (1996) 、Mindell, supraを参照)。漢方薬は多くの形態(カプセル、タブレット、嚢胞、ペレット、抽出液、チンキ剤、パウダー、フレッシュもしくは乾燥した植物またはその部分、お茶、ジュース、クリーム、軟膏、エッセンシャルオイルもしくはそれらの組み合わせ)、および、多種多様摂取方法(経口、直腸、非経口、経腸、経皮、静脈、チューブおよび局部投与)からの投与方法がある。これらは異なる方法(原料粉末、煮出後精製、濃縮および標準抽出物)で加工されることができる。
【0020】
漢方薬が体にはいいが、その効用は、患者が漢方薬に対する理解によって異なる。漢方薬は一般的に安全だと思われているが、特に重病患者に使用する場合は医者の処方が必要になる。現在ある数千種漢方薬の中およそ50%は植物もしくは植物を含む化学模倣品を含んでいると見積もられている(Mindell,
E. R. , Earl Mindell 's Herb Bible, A Fireside Book (1992))。
【0021】
ヒトと動物を苦しめている各種疾患や健康上の問題を漢方薬が有用であることは知られている。たとえば、米国特許第5,417,979号特許は、ステファニア(Stephania)および甘草(Glycyrrhiza)を含む漢方薬とその抽出液が食欲を刺激し、痛みを和らげる効用があることを開示している。甘草を含む漢方薬組成物は、湿疹、乾癬、皮膚のそう痒症および炎症の治療に効用である(米国特許第5,466,452号)。米国特許第5,595,743号は、甘草抽出液(甘草)と、シエゲスベカイ(siegesbeckia)、エンジュ、百部およびテトランドラ(tetrandra)を含む多くの漢方薬がヒトと動物の炎症と関節リウマチの治療の効果を有することを開示している。眼の炎症は植物アルカロイド(alkaloid tetrandrine)で治療することができる(米国特許第5,627,195号)。さらに、米国特許第5,683,697号は、抗炎症、抗熱、去痰薬、咳止め効果を有する医薬組成物を開示している。この組成物は、センダン(Melia)、アンゲピカ(Angepica)、デンドロビウム(Dendrobium)、インパチェンス(Impatiens)、シトリス(Citrus)、ロランシス(Loranthus)、ケイトウ(Celosia)、シナンチュ(Cynanchum)および グレニア(Glehnia)を含む。植物、アルフィニア(Alphinia)、サルトリイバラ(Smilax)、チノスポラ(Tinospora)、トリブルス(Tribulus)、睡茄(Withania)および生姜の根または地下茎の抽出物を含む漢方薬組成物が、関節リウマチ、変形性関節症、反応性関節炎の症状を軽減および和らげ、炎症性サイトカインの生成を減少させる(米国特許第5,683,698号)。
【0022】
下記本発明において、威霊仙(Radix Clematidis)、独活(Radix Angelicae Pubescentis)、羌活(Rhizoma et
Radix Notoperygii)、防風(Radix Saposhnikoviae)、秦キュウ(Ridix Gentianae Macrophyllae)含む漢方薬組成物が記載されている。また、川キュウ(Rhizoma Chuanxiong)、當帰(Radix Angelicae
Sinensis)、杜仲(Cortex Eucommiae)、牛膝(Radix Achyranthis Bidentataeas)、睡茄(Withania)をさらに含む漢方薬組成物が記載されている。
【0023】
複合漢方薬に使用されたすべての生の材料は中国薬局方に記載されている。この漢方薬はヒトの炎症および関節リウマチを治療および防止する効果を有する。
(発明の概要)
【0024】
本発明は、威霊仙、独活、羌活、防風、秦キュウ含む第一の漢方薬組成物を提供する。この漢方薬組成物は、ヒトと家畜の炎症性疾患および関節リウマチ疾患の治療のための医薬組成物として有効であり、その炎症性疾患および関節リウマチ疾患が、急性もしくは慢性の関節リウマチ、骨関節症、萎縮性関節炎、慢性炎症性関節炎、関節炎による変形(arthritis
deformans)、感染性関節炎、更年期関節炎、破壊性関節炎(arthritis
mutilans)、肥厚性関節炎、化膿性関節炎、結核性関節炎もしくは退化性関節症(degenerative arthritis)である。この組成物はまた栄養健康補助食品として用いられ、炎症性疾患および関節リウマチ疾患の症状を予防および緩和するのに効果的がある。その組成物内の威霊仙、独活、羌活、防風、秦キュウの重量比は1.2:1:1:1:1である。
【0025】
この漢方薬組成物において、威霊仙が、クレマチス・チネンシス・オスベック(Clematis chinensis Osbeck)、ヘクレマチス・クサペタラ(Clematis hexapetala Pall.)、クレマチス・ウシナタ(Clematis uhcinata Champ.)、クレマチス・アマンディ(Clematis armandi Franch.)、クレマチス・ウンシナタ(Clematis uncinata Champ. Ex Benth.)、ヤンバルセンニンソウ(Clematis meyeniana Walp.)、クレマチス・ヘンリー(Clematis henryi Oliv.)、クレマチス・フィネチアナ(Clematis finetiana Levl. Et Vant.)、クレマチス・マンシュリカ(Clematis manshurica)、クレマチス・パニクラタ(Clematis paniculata Thunb. Rupr.)、サルトリイバラ・スコブニカウリス(Smilax scobinicaulis C. H. Wright)、マルバサンキライ(Smilax
Stans Maxim.)、ヤマカシュウ(Smilax sieboldi Miq.)、九蓋草(Veronicastrum sibiricum (L.) )もしくはイヌラ・ネルボサ(Inula
nervosa Wall)の根っこから収穫されることができる。
【0026】
この漢方薬組成物において、独活が、シシウド・F・ビセラタ(Angelica pubescens Maxim. F. bisserrata Shan et Yuan)、シシウド(Angelica pubescens Maxim.)、ヨロイグサ(Angelica dahurica (Fisch. ExHoffm.) Benth. et Hook. f. ex. Franch.
Et Sav.)、アンゼリカ・ポルフィロカウリス(Angelica porphyrocaulis Nakai
et Kitag.)、ヘラクレウム・ヘンスレヤヌム・デルス(Heracleum hemsleyanum
Diels)、オオハナウド(Heracleum
lanatum Michx.)、ウド(Aralia
cordata Thunb.)、アンゼリカ・ブレウィカウリス(Angelica brevicaulis L.)、シシウド(Angelica polyclada Franch.)、永寧独活(Heracleum
yungningense Hand. -Mazz., Heracleum candicans Wall. ex DC.)、九眼独活(Aralia atropurpurea Franch.)もしくはアンゼリカ・ヘンリー・ハムス(Aralia henryi Harms)の根っこから収穫されることができる。
【0027】
この漢方薬組成物において、羌活が、ノトプテリギウム・インススム・ティング(Notopterygium
incisum Ting)、ノトプテリギウム・フォルベシ・ボイス(Notopterygium forbesii
Boiss)、もしくはノトプテリギウム・フランチェチ・ボイス(Notopterygium franchetii
Boiss)の地下茎および根っこから収穫されることが好ましい。
【0028】
この漢方薬組成物において、秦キュウが、ゲンチアナ・マクロフィラ(Gentiana macrophylla Pall.)、ゲンチアナ・クラッシカウリス(Gentiana crassicaulis Duthie ex Burk.)、ゲンチアナ・チベチカ(Gentiana tibetica King.)、麻花リンドウ(Gentiana straminea Maxim.)、リンドウ(Gentiana dahurica Fisch.)、ゲンチアナ・ワルジェウィ(Gentiana walujewii Reg. et Schmalh)、ゲンチアナ・カウマニアナ(Gentiana kaufmanniana Reg. et Schmalh)、ゲンチアナ・チアンチャニカ(Gentiana Tianschanica Ru. pr.)、もしくはゲンチアナ・シフォナンサ(Gentiana Siphonantha Maxim. Ex Kusnez.)の根っこから収穫されることができる。
【0029】
本発明は、川キュウ(Rhizoma Chuanxiong)、當帰(Radix Angelicae Sinensis)、杜仲(Cortex
Eucommiae)、牛膝(Radix Achyranthis Bidentataeas)、睡茄(Withania)をさらに含む第二の漢方薬組成物を提供する。この漢方薬組成物は、炎症性疾患および関節リウマチ疾患の治療のための医薬組成物として有効であり、ヒトと家畜の医薬組成物もしくは栄養健康補助食品としてもちいられることができる。その組成物内の威霊仙、独活、羌活、防風、秦キュウの重量比は1.5:2:1:1である。
【0030】
炎症性疾患および関節リウマチ疾患の症状の軽減において最大限の予防効果を達するために、第一組成物を第二組成物と結合させることがこのましい。
【0031】
医薬組成物として用いられる場合に、漢方薬組成物は、患者に経口で毎日0.1〜200gの粉末もしくは液体状態で与えることが好ましく、このほかに直腸、非経口、経腸、経皮、静脈、飼料用チューブおよび局部を通じて投与することができる。栄養健康補助食品として用いられる場合に、本発明の漢方薬組成物は経口で毎日摂取の総量が0.1〜15%であることが好ましい。
【0032】
本発明はさらに当該漢方薬の製造方法を提供する。この漢方薬は粉末もしくは液体状態に加工されることができる。粉末状態にするには、漢方薬組成物をミンチにし、砕くことによって作られる。その粉末状態の漢方薬はさらにペレット、タブレットそしてカプセルに加工することができる。液体状態の漢方薬組成物はさらにお茶、エリキシル剤、懸濁液、エマルジョン、シロップ、エアロゾル、局所軟膏、坐薬、滅菌注射液に加工し、飲料、局所軟膏、肛門坐剤、もしくは注射液として用いられる。
【0033】
この漢方薬組成物は粉末を液体に加えることから準備される。この液は、好ましくは、蒸留水、炭素原子が1から4までのアルコールおよび/またはその混合物である。好ましくは、溶剤の好ましい量は漢方薬組成物に対して約0.5から20倍の体積容量で、もっとも好ましいのは、5から10倍である。パウダーが溶剤にアンフルラージュされるには、0度から35度の間、特に好ましくは15度から25度の間で、約一日から3ヶ月間である。
【0034】
いわゆる“関節アルコール飲料”は、約700kgの漢方薬組成物を約3500リットルのアルコール、好ましくは50%のエタノールに加え、約3日間各2時間連続的に撹拌する後に蒸留水約1500リットルを加え約3日間各2時間連続的に撹拌することによって、生成される。
(図面の簡単な説明)
【0035】
本発明は、より理解しやすくするために以下の図面を参照して説明する。
【0036】
図1は、20年間関節リウマチを持つ53歳の男性農民(実施例5)が2003年2月24日に撮った関節腫脹を示している両手の写真である。
【0037】
図2は、本発明の漢方薬組成物(抽出成分)を毎日70ml摂取した約一週間後の2003年3月3日に撮った患者(実施例5)両手の写真である。
【0038】
図3は、本発明の漢方薬組成物(抽出成分)を毎日70ml持続的に摂取した約3ヶ月後の2003年5月19日に撮った患者(実施例5)両手の写真である。その手には痛みと腫れがなくなっていた。
【0039】
図4は、本発明の漢方薬組成物(抽出成分)を使用しなくなった約3ヶ月後の2003年8月8日に撮った患者(実施例5)両手の写真である。その手には痛みと腫れがなくなっていた。
(発明の詳細な記載)
【0040】
漢方薬はすでに2千年の歴史がある。多くの疾患の治療に成功した。漢方薬は多種多様の薬草および天然植物を用いる。各種の薬草および天然物質にはそれぞれの特徴がある。各種薬草の特徴を結合し調節することで、医者は各種の薬草の医薬効果を調和させることができ、それと同時に薬草の毒性を中和および取り消させることができ、効果を増したり、軽減したり、毒性を取り除いたりする処方をすることができる。
【0041】
本発明は、2種類の組成物を提供している。炎症性疾患および関節リウマチ疾患によって誘発した痛みもしくは炎症を予防もしくは軽減することに用いられる。この2種類に組成物は、作用効果を増すために1つに併合させることができる。本明細書において、ここに用いる科学技術用語は本発明の技術分野に属する当業者が用いるものと同じである。本発明の組成物と同様もしくは同等の方法および材料を用いることができるが、本発明において好ましい方法および材料は以下のように列挙される。
(漢方薬組成物の成分)
【0042】
本発明には2種類の漢方薬組成物を含む。表1および2にこの2種類の漢方薬組成物の成分が列挙されている。
【0043】
【表1】

【0044】
【表2】

【0045】
表1および2の第一欄の薬品名はラテン2項式に由来する。薬草に用いる植物の部位は2項式命名法の第一の文字で表示する。たとえば、Radixは植物の根っこ部分を、rhizomaは植物の根茎部分を、Cortexは樹皮の部分を薬草に用いることを指す。
【0046】
また、表1および表2は、本発明の漢方薬組成物に用いられる好ましい種および好ましい植物部分を列挙しただけで、本技術分野の当業者は、その種の植物もしくはその植物の部分の代替を簡単に発見することができ、また、同じ作用を持つ別の地域の植物を代用することもできる。もし代替する植物種および/または植物部位および/またはその植物の源のものを使うなら、当業者は同じ作用を得るために、その組成物を生成するとき各成分の量を調節することができる。たとえば、威霊仙が、クレマチス・チネンシス・オスベック(Clematis chinensis Osbeck)、ヘクレマチス・クサペタラ(Clematis hexapetala Pall.)、クレマチス・ウシナタ(Clematis uhcinata Champ.)、クレマチス・アマンディ(Clematis armandi Franch.)、クレマチス・ウンシナタ(Clematis uncinata Champ. Ex Benth.)、ヤンバルセンニンソウ(Clematis meyeniana Walp.)、クレマチス・ヘンリー(Clematis henryi Oliv.)、クレマチス・フィネチアナ(Clematis finetiana Levl. Et Vant.)、クレマチス・マンシュリカ(Clematis manshurica)、クレマチス・パニクラタ(Clematis paniculata Thunb. Rupr.)、サルトリイバラ・スコブニカウリス(Smilax scobinicaulis C. H. Wright)、マルバサンキライ(Smilax
Stans Maxim.)、ヤマカシュウ(Smilax sieboldi Miq.)、九蓋草(Veronicastrum sibiricum (L.) )もしくはイヌラ・ネルボサ(Inula
nervosa Wall)の根から採取することができるがそれらには、(漢方薬にいう)風と湿気を取り払う強い薬のみならず、脈を整える薬がある。
【0047】
下記する本発明の漢方薬組成物は、中国の薬局方(Chinese Pharmacopoeia)2000版によって正式薬物として収蔵され、本発明の明細書に含ませるためにここに引用する。
【0048】
a. 威霊仙
威霊仙の乾燥した根は第一組の漢方薬組成物に用いられ、中国の江蘇省、安徽省、浙江省、山東省、四川省、広東省および福建省に由来のクレマチス・チネンシス・オスベック(Clematis chinensis Osbeck)、ヘクレマチス・クサペタラ(Clematis hexapetala Pall.)、クレマチス・ウシナタ(Clematis uhcinata Champ.)、クレマチス・アマンディ(Clematis armandi Franch.)、クレマチス・ウンシナタ(Clematis uncinata Champ. Ex Benth.)、ヤンバルセンニンソウ(Clematis meyeniana Walp.)、クレマチス・ヘンリー(Clematis henryi Oliv.)、クレマチス・フィネチアナ(Clematis finetiana Levl. Et Vant.)、クレマチス・マンシュリカ(Clematis manshurica)、クレマチス・パニクラタ(Clematis paniculata Thunb. Rupr.)、サルトリイバラ・スコブニカウリス(Smilax scobinicaulis C. H. Wright)、マルバサンキライ(Smilax
Stans Maxim.)、ヤマカシュウ(Smilax sieboldi Miq.)、九蓋草(Veronicastrum sibiricum (L.) )もしくはイヌラ・ネルボサ(Inula
nervosa Wall)の根から採取される。
【0049】
b. 独活
独活の乾燥した根は第一組の漢方薬組成物に用いられ、中国の湖北省、四川省および江西省に由来のシシウド・F・ビセラタ(Angelica pubescens Maxim. F.
bisserrata Shan et Yuan)、シシウド(Angelica pubescens Maxim.)、ヨロイグサ(Angelica dahurica (Fisch.
ExHoffm.) Benth. et Hook. f. ex. Franch. Et Sav.)、アンゼリカ・ポルフィロカウリス(Angelica porphyrocaulis Nakai et Kitag.)、ヘラクレウム・ヘンスレヤヌム・デルス(Heracleum hemsleyanum Diels)、オオハナウド(Heracleum lanatum Michx.)、ウド(Aralia cordata Thunb.)、アンゼリカ・ブレウィカウリス(Angelica
brevicaulis L.)、シシウド(Angelica polyclada Franch.)、永寧独活(Heracleum yungningense Hand. -Mazz., Heracleum candicans Wall. ex
DC.)、九眼独活(Aralia atropurpurea Franch.)もしくはアンゼリカ・ヘンリー・ハムス(Aralia henryi Harms)の根から採取される。
【0050】
c.羌活
【0051】
羌活の乾燥した根は第一組の漢方薬組成物に用いられ、中国の青海省、四川省、雲南省、甘粛省、湖北省および山西省に由来のノトプテリギウム・インススム・ティング(Notopterygium incisum Ting)、ノトプテリギウム・フォルベシ・ボイス(Notopterygium forbesii Boiss)、もしくはノトプテリギウム・フランチェチ・ボイス(Notopterygium franchetii Boiss)の根から採取される。
【0052】
d.防風(Radix Saposhnikoviae)、
【0053】
防風の乾燥した根は第一組の漢方薬組成物に用いられ、中国の東北、内モングル、河北省、山東省、河南省、山西省、ザン西省および湖南省に由来する。
【0054】
e.秦キュウ(Ridix Gentianae
Macrophyllae)
秦キュウの乾燥した根は第一組の漢方薬組成物に用いられ、中国の黒龍江、遼寧省、内モングル、河北省、山西省、ザン西省、河南省、寧夏省、甘粛省、新疆省および四川省に由来のゲンチアナ・マクロフィラ(Gentiana macrophylla Pall.)、ゲンチアナ・クラッシカウリス(Gentiana crassicaulis
Duthie ex Burk.)、ゲンチアナ・チベチカ(Gentiana tibetica King.)、麻花リンドウ(Gentiana straminea Maxim.)、リンドウ(Gentiana dahurica Fisch.)、ゲンチアナ・ワルジェウィ(Gentiana walujewii Reg. et Schmalh)、ゲンチアナ・カウマニアナ(Gentiana kaufmanniana Reg. et Schmalh)、ゲンチアナ・チアンチャニカ(Gentiana Tianschanica Ru. pr.)、もしくはゲンチアナ・シフォナンサ(Gentiana Siphonantha Maxim. Ex Kusnez.)の根から採取される。
【0055】
f.當帰(Radix Angelicae Sinensis)
【0056】
當帰の乾燥した根は第二組の漢方薬組成物に用いられ、中国の甘粛省、雲南省、山西省、四川省、湖北省および貴州省に由来する。
【0057】
g. 川キュウ(Rhizoma Chuanxiong)
【0058】
川キュウの乾燥した塊茎は第二組の漢方薬組成物に用いられ、中国の四川省および雲南省に由来する。
【0059】
h. 杜仲(Cortex Eucommiae)
【0060】
杜仲の乾燥した樹皮は第二組の漢方薬組成物に用いられ、中国の四川省、山西省、湖北省、河南省、貴州省、雲南省、江西省、甘粛省、湖南省および広西省に由来する。
【0061】
i. 牛膝(Radix Achyranthis Bidentataeas)
【0062】
牛膝の乾燥した根は第二組の漢方薬組成物に用いられ、中国の河南省に由来する。
【0063】
この漢方薬組成物に治療効果以外に、この記述されている漢方薬組成物はさらに特に変形性関節症、関節リウマチのような多種多様なリウマチおよびリウマチの類に伴う症状を軽減させるための栄養健康補助食品として用いられる。本発明の組成物は活動期の関節リウマチに伴う症状をコントロールもしくは和らげるのに用いられ、また、関節変形部の進行を阻止しスロウダウンさせることができる。
【0064】
伝統的な中国漢方薬の原理からすれば、関節リウマチはしつこく無感覚(pertinacious numbness)に到達させる。よって、この疾患を抑制するために、それは(漢方薬にいう)風と湿気を取り払う強い薬のみならず、脈を整える薬が必要である。
【0065】
本発明に用いられた漢方薬の成分の中、威霊仙は風と湿気を取り払うのみならず、脈を整える薬である。羌活は上半身の気を取り払い、独活は下半身の湿気を取り払い、防風はタイヨウ・チャンネルの湿気を取り払うことができる。このように、第一の組成物の中、5つの種類の薬が互い連合して、湿気を取り払う薬効を増したことは、炎症およびリウマチ疾患のための薬を提供する。
【0066】
當帰と川キュウも風と湿気を取り払い、脈を整える効能を持つ。これらは血液の流れの停滞を取り払い、その循環を促進する効能を持つ。杜仲と牛膝とは、肝臓と腎臓との機能を整える効能があるので、筋肉と骨を強くすることができ、薬の代謝をよくすることができる。したがって、當帰と川キュウと杜仲と牛膝とを用いることによって、炎症およびリウマチ疾患の伴う痛みと炎症を軽減させることができる。
【0067】
第一および第二の漢方薬組成物の組み合わせた使用は、炎症およびリウマチ疾患を治療するための機能を強化する相乗作用を提供した。
【0068】
下記実施例は説明のために役立つのであって、本発明の範囲を制限するものではない。当業者は本発明の技術的思想の範囲内合理的な変化を行うことができる。発明を説明するために用いられる技術用語は単によりクリアに説明するためである。しかしながら、本発明はここで使用した技術用語によって制限されない。また、本発明の各構成要件は、類似目的を達成させるための類似方法を使用することができ、またそれと技術上同等の範囲を含む。
(実施例1)
(漢方薬の成分および割合)
【0069】
下記表3には、第一の漢方薬組成物(表1を参照)と第二の漢方薬組成物(表2を参照)に組み込まれた漢方薬の成分および割合が示された。ここで漢方薬組成物に用いられる漢方薬の割合が単なるサンプルであって、本発明がここで説明されているような痛み、発熱および炎症の症状を軽減する効果を有する公開された漢方薬もしくは非漢方薬を含むことが制限することではない。
【0070】
【表3】

【0071】
漢方薬は以下のように粉末状、もしくは、液状に加工される。
I.漢方薬の粉末状を加工するための方法
【0072】
a.漢方薬を個別に量るステップと、
b.漢方薬を洗浄し乾燥させるステップと、
c.乾燥した漢方薬を小口にカットするステップと、
d.乾燥した漢方薬を粉末状に砕くステップと、
f.約100メッシュの篩に粉末をかけるステップと、
g.カプセルに約0.3gの粉末を詰めるステップ。
II.アルコール液体を加工するための方法
【0073】
アルコール液体:
a.5000リットルの容器にIで加工された粉末700kgを加えるステップと、
b.容器に3000リットルの50度のアルコールを加え3日間連続的に2時間毎に攪拌するステップと、
c.容器に1500リットル水を加え3日間連続的に各2時間に攪拌するステップと、
d.残り糟をろ過し上澄みを収集するステップ。
【0074】
液体抽出物の加工のために、粉末状の漢方薬は0.5から20倍の溶剤と混合される。好ましくは、5から10倍体積の蒸留水、(メタノール、エタノール類のような)1から4炭素原子を持つアルコールしくはそれらの混合物である。エタノールと水との混合物は好ましいが、より好ましくは、1:1から1:9の割合での混合物が溶剤として用いられる。漢方薬粉末および溶剤は、漢方薬組成物の液体抽出液を得るために、0度から35度の温度、好ましくは15度から25度(室温)において、12時間から3ヶ月間、好ましくは1日から3ヶ月間アンフルラージュされた。この液体抽出液がさらに溶剤から漢方薬の粉末を取り除くためにろ過された。漢方薬組成物の液状は液体抽出液のろ液である。
(実施例2)
(植物性薬品および製剤処方)
【0075】
本発明の漢方薬組成物は、固体、半固体、本発明の漢方薬組成物を含む液体形態、体外、腸内もしくは腸外に適合する有機もしくは無機キャリアもしくは賦形剤に伴う混合物内の活性成分のように、植物性薬品の形式もしくは医薬製剤の形式として用いられる。
【0076】
当該漢方薬組成物は、従来の薬剤的容認キャリアもしくは補助剤に加えられることができる。薬剤的容認キャリア、補助剤もしくは希釈剤の例としては、たとえば、ラクトース、D 形グルコース、サッカロース、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、エリトリトール、マルチトール、澱粉、アカシアゴム、アルギン酸塩、ゼラチン、リン酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、セルロース、メチル・セルロース、ポリビニル・ピロリドン、水、メチルハイドロクシ安息香酸エステル(methylhydroxy benzoate)、プロピルヒドロキシ安息香酸エステル(propylhydroxy
benzoate)、タルク、ステアリン酸マグネシウム、鉱油が上げられるが、これらの例には限られない。
【0077】
本発明の漢方薬組成物を含んでなる製剤処方は、当該漢方薬組成物に充てん剤、抗凝集剤、平滑剤、湿潤剤、香料添加剤、乳化剤、防腐剤、およびその類を加えることによって用意される。本発明の漢方薬組成物は、この分野において既知の任意のプロセスを用いることよって、患者に投与したのちに有効成分を迅速放出、持続放出、遅延放出させるように製剤されうる。たとえば、本発明の漢方薬組成物は、オイル、プロピレン・グリコール、もしくは通常注射用の別の溶剤に溶かせることができる。また、キャリアの適切な例としては、生理食塩水、ポリエチレン・グリコール、エタノール、植物性油脂、ミリスチン酸イソプロピルなどが挙げられるが、これには限らない。外部使用において、本発明の漢方薬組成物は、軟膏およびクリームの形状に製剤されうる。
【0078】
本漢方薬組成物を含む製薬形態は、経口投薬形態(パウダー、錠剤、カプセル、ソフトカプセル、水性医薬(aqueous medicine)、シロップ、エリキシル錠剤、パウダー、におい袋(sachet)、顆粒)、局所用製剤(クリーム、軟膏、ローション、ゲル、香油、傷当て、ペースト、散布液、エアロゾルおよびその類)、注射製剤(溶剤、懸濁液、エマルジョン)のような任意の形態に製剤されることができる。
【0079】
医薬投薬形態において、本発明の漢方薬組成物は、医薬的に受け入れられる塩の形態、および、単独にもしくは適切な組合せ、そして、同様に別の医薬活性化合物と組合せで使用されうる。
【0080】
本発明の抽出物もしくは組成物の好ましい投与量は、患者の状態および体重、病状、薬の形態、投薬の方法および期間の変化に依存するが、当業者による選択されることもできる。しかしながら、所望な効果を得るために一般的に薦められる投与量は、体重/日の割合で、0.001〜10g/kg、好ましくは0.01〜1g/kg、もしくは当該漢方薬の毎日摂取量が0.1〜200gの間にある。この投薬は毎日一回もしくは数回で投与されることができる。この医薬組成物において、当該漢方薬組成物は、医薬組成物の全重量の0.01〜99重量%、好ましくは50〜90重量%を占めることができる。
【0081】
本発明の医薬組成物は、異なる方法を通じてたとえば哺乳動物(家畜(livestock)「ウシ、ブタ、ウマなど」、家畜(domestic animal)「イヌ、ネコなど」、もしくはヒト)のような動物に投与することができる。すべての投与方法が考えられ、たとえば、経口、経直腸、もしくは、静脈注射、筋肉注射、皮下注射、皮内注射、髄膜注射、硬膜外注射、脳室内注入によって投与される。
【0082】
本発明の活性成分は、たとえば、錠剤、ペレット、カプセル、坐薬、液剤、エマルジョン、懸濁液、およびその他使用に適合な形態のための製薬上受け入れられる通常無毒性のキャリアと混合させることができる。本発明の製剤は、実施例に用いられたキャリアタルクおよびそのキャリアタルク以外に、水、グルコース、ラクトース、アカシアゴム(gum acacia)、ゼラチン、マンニトール、澱粉糊、三ケイ酸マグネシウム、コーンスターチ、ケラチン、コロイド(状)シリカ、ジャガイモ澱粉、尿素およびその他の製剤の製造の使用に適したキャリアを含み、固体、半固体、もしくは液体に作られ、さらにそこに補助剤、固定剤、増粘剤、着色剤、香料が加えられうる。
【0083】
タブレットもしくはカプセルのような固定組成物に加工するために、主要な活性成分は、製薬キャリア(通常たとえば、コーンスターチ、ラクトース、サッカロース、ソルビトール、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、第二リン酸カルシウムもしくはゴム)および別の希釈剤(たとえば、水)と混合され、固体の製剤組成部前駆体を形成させる。この製剤組成部前駆体が、本発明の組成物の均一混合物、もしくはそれらの製薬上受け入れられる無毒性塩を含む。製剤組成部前駆体を実質的に均一としたのは、タブレット、錠剤およびカプセルのような投与形態に組成物が均一に再分割されるように、有効成分を組成物全体に均一分散させる。そして、この製剤組成部前駆体は、約0.4mgの本発明の漢方薬を上記投与形態、特に好ましいカプセルのユニットに再分割される。新規組成物のタブレットもしくは錠剤はコーティングされ、もしくは緩慢作用のアドバンテージが与えられる投与形態を提供する化合物と混合されうる。たとえば、タブレットもしくは錠剤は、内部成分(inner dosage)もしくは外部成分(outer dosage)成分を含み、また、その後者が前者を封筒のように包み込むように形成される。2つ成分は、腸のレイヤー(enteric layer)によって分離されることによって、胃において分解されずに内部成分が十二指腸に分解されもしくは緩慢させることができる。腸のレイヤーもしくはコーティングには多くの材料を用いることができ、たとえば、ポリマー酸およびポリマー酸とセラック、セチルアルコールおよび酢酸セルロースとの混合物が挙げられる。
【0084】
本発明の新規組成物の経口投与もしくは注射投与の場合の液体形態は、水溶液、適切に調整されたシロップ、水性もしくは油性懸濁液、綿実油、ゴマ油、ココナッツ油、ピーナッツ油のような食用油、そしてエリキシル剤および類似の賦形薬風味なエマルジョンを含む。水性懸濁液のための適当な分散剤もしくは懸濁化剤は、合成天然ゴム、たとえば、トラガカント、アカシア、アルギン酸塩、デキストラン、カルボキシルメチル・セルロース・ナトリウム、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ゼラチンを含む。
【0085】
経口投与ための液体形態は、たとえば、溶液、シロップもしくは懸濁液をとることができ、もしくは使用前に水または適切な賦形剤に溶ける乾燥製品として提供されることができる。このような液体形態は、懸濁化剤(たとえば、ソルビトール、シロップ、メチル・セルロース、水素化食用脂)、乳化剤(たとえば、レシチン、アカシア)非水性賦形剤(たとえば、アーモンドオイル、オイリーエステル(oily ester)、エチル・アルコール)、防腐剤(メチル、プロピルパラオキシ安息香酸もしくはソルビン酸)人工的または天然の着色剤および/または甘味料のような製薬上受け入れられる添加剤とともに、従来の方法によって、準備される。
【0086】
口腔投与のために、組成物は従来の方法によるタブレットもしくは菱形の形態をとることができる。
【0087】
本発明の活性成分は、従来カテーテル技術もしくは注射法によって注射による非経口投与することができる。注射形態は、単一投与形態、たとえば、付加の防腐剤に伴うアンプル、もしくは複数投与容器からなる。本発明の組成物は、懸濁、溶液、もしくは油性または水性賦形剤のような形態になることができ、同時に、懸濁剤、安定剤および/または分散剤のような製剤を含むことができる。あるいは、活性成分は、使用前においてたとえば無菌の非発熱水(pyrogen-free)のように適切な賦形剤に溶ける乾燥製品に加工されることができる。
【0088】
本発明の漢方薬組成物は、食品学上受け入れられる付加剤をオプション的に加えることによって、健康食品/栄養補助食品としての使用に適する。本発明の漢方薬組成物は、たとえば、関節リウマチのような、炎症およびリウマチ関節疾患に関する痛みおよび炎症を予防および軽減させる可能性を有する。
【0089】
関節炎疾患を予防するために健康食/栄養補助食品は、組成物全体重量に対して本発明の漢方薬組成物の約0.01〜95w/w%、好ましくは0.5〜805w/w%を含むことができる。
【0090】
この漢方薬組成物は、関節炎を予防するためにさらに食品、添加剤もしくは飲料に加えられることができる。関節炎を予防する目的のため、食品および飲料に加える上記した抽出液および化合物の量は、一般的に栄養補助食品の総重量の約0.1〜15w/w%、好ましくは1〜10 w/w%で、健康飲料においては100mlに対して1〜30g、好ましくは3〜10gである。
【0091】
上記抽出物および化合物を上記好ましい割合で本発明の健康飲料の主成分とするなら、その他の成分は特に制限されることなく、従来の飲料のような各種防臭剤もしくは天然炭水化物からなることができる。前記炭水化物の例としては、フルコース、フルクトースなどのような単糖、麦芽糖、サッカロースなどのような二糖、デキストリン、シクロデキストリンなどのような従来の糖、キシリトール及ぶエリトリトールなどのような糖アルコールが挙げられる。前記防臭剤以外に、タウマチン(taumatin)のような天然の防腐剤、レバーディオシド(levaudioside A)、グリシルリジンなどのようなステビア抽出物、サッカリン、アスパルテームなどのような合成防腐剤が好ましく用いられうる。100mlの本飲料成分に対し、上記天然炭水化物の量は一般的に約1から20g、好ましくは5から12gである。
【0092】
上記成分以外の他の成分は、各種栄養成分、ビタミン、ミネラル、電解質、合成香料添加剤、着色剤、チーズチョコレートなどの品質改良剤、ペクチン酸およびその塩、アルギン酸およびその塩、有機酸、保護吸着粘着剤、pH調整剤、安定剤、防腐剤、グリセリン、アルコール、炭酸塩飲料に用いられた炭化剤であることができる。上記の他の成分は、天然ジュース、果物ジュース飲料および野菜ジュースをつくるための果物のジュースであることができ、この他の成分は単独もしくは混合物として使用される。この他の成分量は重要ではないが、一般的には、100w/w%の本組成物に対して約0から20w/W%の割合である。
【0093】
上記抽出物を含む添加可能な食品の例として、各種食品、飲料、ガム、ビタミン、複合ビタミン剤、健康促進食品およびその類が挙げられる。
【0094】
本発明の漢方薬組成物は、関節リウマチのような炎症性疾患およびリウマチ様疾患を防止するために家畜飼料に適当に加えられることができる。食品学上受け入れられる添加剤が好ましく本漢方薬組成物に添加される。
【0095】
家畜の関節疾患を治療および防ぐために、飼料に0.01%から95w/w%、好ましくは0.5%から80w/w%の上記抽出物が加えられうる。
(実施例3)
(抗関節リウマチ酒(ANTI-RHEUMATOID ARTHRITIS LIQUOR (ARL))の臨床実験)
【0096】
I.臨床データ
【0097】
a.研究対象
【0098】
米国関節炎学会の基準にしたがって、ほかの重要な病状を待たない関節リウマチの外来患者が選ばれた。男性7名と女性33名計40名が選ばれた。その年齢が28歳から67歳の間で、平均は46.8歳である。発病継続期間が0.4から13年である。これらの患者はいままで別の抗リウマチの漢方薬治療を受けているが、ほとんど効果なくもしくは繰り返す再発している。
【0099】
b.治療
【0100】
40名患者はランダムにARL治療組とコントロールに分けられた。安全性および順応性が2週ごとに観察され、そして4、8、12週で全面的な結果評価を行った。治療の観察組の20名患者は、抗関節リウマチ酒(30ml/d)を就寝前服用もしくは朝晩2回に分けて服用した。同時に、コントロール組の20名患者は、メトトレキサート(MTX)(週一で7.5mg)と、Mian IV(28原料を含んだ当病院自家製の抗関節リウマチ薬、毎日一回)と、フェンデッド(Fenbid)、アースロテック(Arthrotec)のようなNSAIDとの組合せで治療された。この組合せは、安全性および順応性においてわれわれの病院が関節リウマチ治療に提供することができる最良方法のひとつである。
【0101】
c.治療結果の測定
【0102】
両グループの治療結果の測定は、症状および徴候に分けられ、安静時の痛みの評価、朝のこわばりの持続、関節の圧痛係数および圧痛指数、関節の腫れ係数および腫れ指数、握力、関節機能、赤血球沈降速度、C反応たんぱく質、リウマトイド因子を含んだ。この独立パラメーター改善率は、下記式によって計算された。
【0103】
【数1】

【0104】
全体の改善は、両グループの有効性を比較するのに用いられた。薬の効果を正確に反映するために、50%改善、75%改善、100%改善(R50、R75、R100)は、効果のための統計判断点として用いられる。
【0105】
胃痛、胃焼け(stomach burning)、頭痛、発疹、薬物耐性、肝機能、腎機能、血液ルーチンテスト(blood routine test)を含む、その副作用は観察、記録された。
【0106】
d.統計
【0107】
t-検定は、観察グループと活性コントロールグループと間の重要性の分析に用いられる。
【0108】
e.結果
【0109】
すべての患者はスケジュールを完了し、ドロップアウトした人はいなかった。
【0110】
i.
抗関節リウマチ酒(ARL)とメトトレキサート(MTX)との間の治療効果の対比(表4を参照)
【0111】
【表4】

【0112】
i.i. 抗関節リウマチ酒(ARL)とメトトレキサート(MTX)との間の所要時間および症状の改善の対比(表5を参照)
【0113】
両グループの薬の投与期間において、顕著な胃腸反応、アレルギー、肝臓と腎臓との機能変化、血液細胞の異常が発生した。
【0114】
f.考察
【0115】
【表5】

【0116】
g.副作用
【0117】
両グループの観察の期間において、顕著な胃腸反応、アレルギー、肝臓と腎臓との機能変化、血液細胞の異常が観察されなかった。
【0118】
h.考察
【0119】
関節リウマチは、主に関節およびその周囲組織における慢性炎症性疾患であるが、体の別の臓器組織にも及ぶ全身性疾患である。
【0120】
関節リウマチのための薬品は、非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs)、疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARDs)およびコルチコステロイドを含む。
【0121】
NSAIDsは、一般的に鎮痛薬として処方される。NSAIDsに伴う副作用を顕著に軽減するシクロオキシゲナーゼ2(Cox-2)の導入によって大きいな進歩をもたらした。しかしながら、COX-2阻害剤の心臓血管に与える影響がより注目されるようになった。
【0122】
市販には、いくつ新しいDMARDsが存在する。アラバ(レフロノミド)(Arava(leflunomide))、腫瘍壊死因子(TNF)アルファ阻害剤、レミケード(Remicade)、およびエンブレル(エラネルセプト)(Enbrel(etanercept))、および、インターロイキン-1受容体アンタゴニスト、キネレト(Kineret)が存在する。しかしながら、これらの新しい薬の効果および安全性に対する心配は依然存在する。費用対効果で考えると、メトトレキサート(MTX)は今現在全世界においても依然として関節リウマチに対して最も有効なDMARDである。
【0123】
MTXは、治療効果が現れるまでに12〜24週間を要し、そして一般的に1〜3年という長期間の投与を要する。長期間の投与のため、血液、肝臓、腎臓への副作用および毒性に関して報告されている。
【0124】
この臨床実験において、ARLによる効果を示すまでより短い時間しか要しなかった。投与後4週後、50%の関節リウマチ患者が症状および徴候において75%改善(R75)に、および25%の関節リウマチ患者が100Rに達した。投与後8週後、25%の関節リウマチ患者がR75に、60%の関節リウマチ患者がR100にたっした。MTXおよびNSAIDの経口服用において、投与後12週後、45%の関節リウマチ患者がR50に達し、投与後26週後、40%の関節リウマチ患者がR50に、50%の関節リウマチ患者がR75に達し、投与後52後、75%の関節リウマチ患者がR75に、25%の関節リウマチ患者がR100に達した。両グループ間の効果の相違は著しく顕著であり、Pが0.01(P<0.01)以下である。
【0125】
関節リウマチ患者の症状および徴候を改善するために所要する時間について、ARLではR50に達するには1〜4週間、R75に達するには3.2週間、そしてR100に達するには4〜12週間を要した。それに比べ、MTXとNSAIDとの組合せでは、R50に達するには8〜12週間、R75に達するには20〜32週間、そしてR100に達するためには52週間を要した。
【0126】
われわれの臨床実験を通して、ARLグループでは重度な毒性および副作用は観察されなかった。酒を飲まない患者も薬の量を朝と晩2回に分けることができる。
【0127】
i.考察
【0128】
この臨床実験をベースに、ARLは関節リウマチ患者にとって効き目の速い薬であり、65%の患者をR100に到達させることができる。メトトレキサートとNSAIDとの組合せより効き目があることは明らかである。その長期間の効き目は更なる研究が必要である。
(実施例4)
(抗関節リウマチカプセル(ANTI-RHEUMATOID ARTHRITIS CAPSULE)の臨床実験)
【0129】
抗関節リウマチカプセル(ARC)は、実施例1に示された成分および方法にしたがって、本発明の漢方薬組成物のパウダーから作られたカプセルである。ARCの基礎効果および副作用を評価するため、オープンかつランダム的な活性対照の臨床実験を行った。
【0130】
米国関節炎学会の基準にしたがって、ほかの重要な病状を待たない関節リウマチの外来患者が選ばれた。患者はランダムにARL治療組とコントロールに分けられた。安全性および順応性が2週ごとに観察され、そして4、8、12週で全面的な結果評価を行った。
【0131】
36典型的な関節リウマチ患者がランダム的に選ばれ、2つグループに分けられた。観察グループの18名患者はARCによって治療された(1日3回4カプセル、各カプセルは約0.3gである)。それと同時に、活性コントロールグループの18名患者は、メトトレキサート(週一回、10mg)と、葉酸(毎日、5mg)と、アスロテック(Arthrotec、1日2回、50mg)との組合せによって治療された。この組合せは、安全性および順応性においてわれわれの病院が関節リウマチ治療に提供することができる最良方法のひとつである。
【0132】
すべての患者は12週間治療および観察された。両グループの安静時の痛みの評価、朝のこわばりの持続、関節の圧痛係数および圧痛指数、関節の腫れ係数および腫れ指数、握力、関節機能、赤血球沈降速度、C反応たんぱく質、リウマトイド因子を含む、症状および徴候を基礎に患者の改善は50%、75%、100%の改善を示すR50、R75、もしくはR100で表された。36名外来患者のARCと活性コントロールとの両方の治療から以下の結果が出られた。
【0133】
1.治療4週後、観察グループの44.5%の患者が(R50)に対応する50%に達し、それに比べて活性コントロールグループのわずか11.1%の患者がR50に達した。(p<0.01)。
【0134】
2.治療8週後、観察グループの33.3%の患者が(R75)に対応する75%に、27.8%の患者がR50に達したのに対し、活性コントロールグループの患者わずか11.1%がR50に達した。
【0135】
3.治療12週後、完全臨床反応状態と類似して観察グループの患者の33.3%が(R100)に対応する100%に、61.1%患者がR75に達した。一方では、活性コントロールグループの患者の11.1%がR75に、55.5%の患者がR50に達した。
【0136】
4.観察の間、患者による自覚心理神経症状(psychoneurological
symptoms self-sensed)、胃腸症状、血圧、ルーチンの血液検査、尿検査、肝機能検査、腎機能検査が行われた。ARCグループにおいて患者検査および実験検査における異常が報告されていなかったが、活性コントロールグループにおいて3例の胃痛患者が報告された。
【0137】
治療の結果(表6を参照)
【0138】
【表6】

【0139】
上記結果に基づいて、ARLと同様ARCは、別の関節リウマチ薬によって示された顕著な副作用を欠く、関節リウマチに有効である。上記データから、ARCの単独使用は効率と安全性を高めた新しい関節リウマチ治療法として可能性を提供した。
(実施例5)
(ケーススタディ)
【0140】
患者は、約20年か関節リウマチを持つ53歳の男性農民であった。研究開始の場合、直腸の坐薬ジクロフェナクしか使っていなかった。彼は以前に数多くの薬を使用したが、その薬の名前はすでに覚えていなかった。
【0141】
2003年2月24日、彼は血液検査し、両手の写真が撮られた(図1を参照)。
【0142】
赤沈(ESR):24mm/h、RF IgG IgMおよびIgAのすべてはネガティブである。ASO:ネガティブ(50、正常<200IU/ml)。
【0143】
患者は長期間にわたり朝のこわばり、安静時痛、疲労、腫れの症状を有することを訴えた。彼はほとんどの時間はベッドで過す。
【0144】
患者は直腸の坐薬ジクロフェナクとわれわれの漢方薬(ARC)毎日70mlを併用し始めた。
【0145】
2003年3月3日、彼の両手の腫れが驚異的に引いた。両手の写真が撮られた(図2を参照)。
【0146】
2003年5月19日、患者は再度病院に訪ねてきたとき、彼の血液が検査され、両手の写真が撮られた(図3を参照)。
【0147】
われわれは、彼から朝のこわばりが消えたことを教えられた。彼の両手の痛みおよび関節腫脹が消えた。しかしながら、彼のひざが腫れていて痛みがまだ残っていたので、直腸の坐薬ジクロフェナクが引き続き使用されていた。彼が直腸の坐薬ジクロフェナクの使用を停止したときはひざの痛みしか残っていないので、彼は再度豚の世話をし始めた。
【0148】
血液テスト:RF: ネガティブ(10.9、正常<15IU/ml)、ESR:48(正常<15mm/h)、血液中の尿酸:649.5umol/L(正常:150-420umol/L)。
【0149】
一週間後、患者は漢方薬の服用を停止した。
【0150】
2003年8月8日、彼の両手の写真が再度撮られた(図4を参照)。われわれは、彼から朝のこわばりが消えたことを教えられた。彼の両手の痛みおよび関節腫脹が消えた。しかしながら、彼のひざが腫れていて痛みがまだ残っていたので、直腸の坐薬ジクロフェナクが引き続き使用されていた。彼が直腸の坐薬ジクロフェナクの使用を停止したときはひざの痛みしか残っていなかった。
【0151】
明らかに、上記ディスカッションおよび実施例は単なる特定の好ましい実施態様の詳細記述に過ぎないことである。したがって、この分野のおける当業者は各種これと同等もしくはその改良製品を作ることができる。上記した特許出願および文献等全て、参照することにより明白に本文に組み込まれる。
【0152】
上記した詳細な説明は本発明の理解を助けるためであって、本技術分野のおける当業者による解釈を制限することではない。
【0153】
本発明はその具体的実施例とともに上記にように記述されているが、その記載を元に本発明に対して変化を加えることと、本発明の基礎構成に基づいて当業者が既知もしくは慣用技術を用いて本発明の技術的範囲内において本発明の基礎構成を応用して、変更、応用もしくは改変を行ったこととは可能である。
【0154】
上記のように記載された本発明は、明らかに多種多様の変化した態様が存在する。これらの偏した様態は本発明の技術的範囲を超えたものではなく、本技術分野内の当業者にとって明白な変更は本発明の技術的範囲内である。
【図面の簡単な説明】
【0155】
図1は、20年間関節リウマチを持つ53歳の男性農民(実施例5)が2003年2月24日に撮った関節腫脹を示している両手の写真である。
【0156】
図2は、本発明の漢方薬組成物(抽出成分)を毎日70ml摂取した約一週間後の2003年3月3日に撮った患者(実施例5)両手の写真である。
【0157】
図3は、本発明の漢方薬組成物(抽出成分)を毎日70ml持続的に摂取した約3ヶ月後の2003年5月19日に撮った患者(実施例5)両手の写真である。
【0158】
図4は、本発明の漢方薬組成物(抽出成分)を使用しなくなった約3ヶ月後の2003年8月8日に撮った患者(実施例5)両手の写真である。

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
威霊仙と、独活と、羌活と、防風と、秦キュウとからなる漢方薬の混合物の有効成分量を含む漢方組成物。
【請求項2】
前記漢方組成物が哺乳動物における炎症性疾患およびリウマチ様疾患を処置するためであることを特徴とする請求項1に記載の漢方組成物。
【請求項3】
前記哺乳動物はヒトであることを特徴とする請求項2に記載の漢方組成物。
【請求項4】
前記漢方組成物が毎日ヒトにその漢方薬の約0.1から200gを経口投与することを特徴とする請求項2に記載の漢方薬組成物。
【請求項5】
前記哺乳動物が家畜であることを特徴とする請求項2に記載の漢方薬組成物。
【請求項6】
前記漢方組成物がヒトの炎症性疾患およびリウマチ様疾患の症状を予防もしくは緩和させる栄養健康補助食品であることを特徴とする請求項1に記載の漢方薬組成物。
【請求項7】
前記漢方組成物が毎日総消費食品の約0.1重量%から15重量%である請求項6に記載の漢方薬組成物。
【請求項8】
前記炎症性疾患およびリウマチ様疾患が、急性もしくは慢性の関節リウマチ、骨関節炎症、萎縮性関節炎、慢性炎症性関節炎、関節炎による変形(arthritis deformans)、感染性関節炎、更年期関節炎、破壊性関節炎(arthritis mutilans)、肥厚性関節炎、化膿性関節炎、結核性関節炎もしくは退化性関節症(degenerative arthritis)であることを特徴とする請求項2に記載の漢方薬組成物。
【請求項9】
前記漢方薬が哺乳動物の痛みを軽減することを特徴とする請求項1に記載の漢方薬組成物。
【請求項10】
前記漢方薬が哺乳動物の関節の健康および柔軟性を改善することを特徴とする請求項1に記載の漢方薬組成物。
【請求項11】
前記漢方薬組成物が、川キュウと、當帰と、杜仲と、牛膝とを含んでなる第二の漢方薬の混合物の有効成分量をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の漢方薬組成物。
【請求項12】
前記漢方薬組成物が、流エキス状もしくは粉末状であることを特徴とする請求項1に記載の漢方薬組成物。
【請求項13】
前記漢方薬組成物の流エキス状が、蒸留水、1から4炭素原子を有するアルコール類もしくはその混合物からなる溶剤にある前記混合物および第二の混合物を抽出することによって生成されることを特徴とする請求項12に記載の漢方薬組成物。
【請求項14】
前記漢方薬組成物の粉末状が、前記混合物および前記第二の漢方薬の混合物を粉末化することによって準備されることを特徴とする請求項12に記載の漢方薬組成物。
【請求項15】
前記の漢方薬組成物の粉末状が、さらに顆粒、錠剤もしくはカプセルに加工されることを特徴とする請求項14に記載の漢方薬組成物。
【請求項16】
漢方薬組成物の液体が、お茶、エリキシル剤、懸濁液、エマルション、シロップ、エアロゾル、局所軟膏、坐薬、もしくは注射液に加えられることと特徴とする請求項13に記載の漢方薬組成物。
【請求項17】
漢方薬組成物が、哺乳動物に、経口、経直腸、非経口、経腸、経皮、静脈注射、栄養チューブもしくは局部的に投与されることを特徴とする請求項13に記載の漢方薬組成物。
【請求項18】
威霊仙と、独活と、羌活と、防風と、秦キュウとの重量比が約1.2:1:1:1:1で混合されることを特徴とする請求項1に記載の漢方薬組成物。
【請求項19】
威霊仙と、独活と、羌活と、防風と、秦キュウと、川キュウと、當帰と、杜仲と、牛膝との重量比が約1.2:1:1:1:1:1.5:2:1:1で混合されることを特徴とする請求項11に記載の漢方薬組成物。
【請求項20】
前記威霊仙が、クレマチス・チネンシス・オスベック(Clematis chinensis Osbeck)、ヘクレマチス・クサペタラ(Clematis hexapetala Pall.)、クレマチス・ウシナタ(Clematis uhcinata Champ.)、クレマチス・アマンディ(Clematis armandi Franch.)、クレマチス・ウンシナタ(Clematis uncinata Champ. Ex Benth.)、ヤンバルセンニンソウ(Clematis meyeniana Walp.)、クレマチス・ヘンリー(Clematis henryi Oliv.)、クレマチス・フィネチアナ(Clematis finetiana Levl. Et Vant.)、クレマチス・マンシュリカ(Clematis manshurica)、クレマチス・パニクラタ(Clematis paniculata Thunb. Rupr.)、サルトリイバラ・スコブニカウリス(Smilax scobinicaulis C. H. Wright)、マルバサンキライ(Smilax Stans Maxim.)、ヤマカシュウ(Smilax sieboldi Miq.)、九蓋草(Veronicastrum
sibiricum (L.) )もしくはイヌラ・ネルボサ(Inula nervosa Wall)の根から採取したことを特徴とする請求項1に記載の漢方薬組成物。
【請求項21】
前記独活が、シシウド・F・ビセラタ(Angelica pubescens Maxim. F.
bisserrata Shan et Yuan)、シシウド(Angelica pubescens Maxim.)、ヨロイグサ(Angelica dahurica (Fisch. ExHoffm.) Benth. et Hook. f. ex. Franch. Et Sav.)、アンゼリカ・ポルフィロカウリス(Angelica porphyrocaulis Nakai et Kitag.)、ヘラクレウム・ヘンスレヤヌム・デルス(Heracleum hemsleyanum Diels)、オオハナウド(Heracleum lanatum Michx.)、ウド(Aralia cordata Thunb.)、アンゼリカ・ブレウィカウリス(Angelica brevicaulis L.)、シシウド(Angelica polyclada Franch.)、永寧独活(Heracleum
yungningense Hand. -Mazz., Heracleum candicans Wall. ex DC.)、九眼独活(Aralia atropurpurea Franch.)もしくはアンゼリカ・ヘンリー・ハムス(Aralia henryi Harms)の根から採取したことを特徴とする請求項1に記載の漢方薬組成物。
【請求項22】
前記羌活が、ノトプテリギウム・インススム・ティング(Notopterygium incisum Ting)、ノトプテリギウム・フォルベシ・ボイス(Notopterygium forbesii Boiss)、もしくはノトプテリギウム・フランチェチ・ボイス(Notopterygium franchetii Boiss)の根から採取したことを特徴とする請求項1に記載の漢方薬組成物。
【請求項23】
前記秦キュウが、ゲンチアナ・マクロフィラ(Gentiana macrophylla Pall.)、ゲンチアナ・クラッシカウリス(Gentiana crassicaulis Duthie ex Burk.)、ゲンチアナ・チベチカ(Gentiana tibetica King.)、麻花リンドウ(Gentiana straminea Maxim.)、リンドウ(Gentiana dahurica Fisch.)、ゲンチアナ・ワルジェウィ(Gentiana walujewii Reg. et Schmalh)、ゲンチアナ・カウマニアナ(Gentiana kaufmanniana Reg. et Schmalh)、ゲンチアナ・チアンチャニカ(Gentiana Tianschanica Ru. pr.)、もしくはゲンチアナ・シフォナンサ(Gentiana Siphonantha Maxim. Ex Kusnez.)の根から採取したことを特徴とする請求項1に記載の漢方薬組成物。
【請求項24】
請求項1に記載の漢方薬の混合物の有効量を当該漢方薬のパウダー状態に粉砕するステップを含む漢方薬組成物からパウダー状態を生成する方法。
【請求項25】
漢方薬組成物の液体抽出物を生成するために請求項24に記載の漢方薬組成物を溶剤に加えるステップと、液体抽出物から漢方薬のパウダー状をろ過することによって漢方薬組成物の液体を収集するステップとを含む、前記溶剤が蒸留水、1から4までの炭素原子を有するアルコールもしくはその混合体であることを特徴とする、漢方薬組成物の液体を生成する方法。
【請求項26】
前記溶剤が、体積比でパウダーの約0.1から20倍であることを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記パウダーが前記溶剤に、約0度から35度までの温度下、約1日から3ヶ月までわたってアンフルラージュされることを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項28】
溶媒混合液を生成するために、請求項24に記載の前記漢方薬組成物のパウダーを、エタノールであるアルコールに加えるステップと、漢方薬溶媒混合液を生成するために前記溶媒混合液を約3日間各2時間撹拌するステップと、漢方薬抽出混合物を生成するために、前記漢方薬溶媒混合液に蒸留水を加え、3日間各2時間撹拌するステップと、漢方薬組成物の前記液体を得るために、前記漢方薬抽出物から前記漢方薬のパウダーからフィルターするステップとを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項29】
前記アルコールの体積が漢方薬のパウダーの重量の約1-10倍であることを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項30】
前記アルコール体積が蒸留水の体積の約2-3倍であることを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項31】
川キュウと、當帰と、杜仲と、牛膝とからなる漢方薬の混合物の有効量を含む漢方薬組成物。
【請求項32】
前記川キュウと、當帰と、杜仲と、牛膝との重量比が、1.5:2:1:1であることを特徴とする請求項31に記載の漢方薬組成物。
【請求項33】
前記漢方薬組成物が哺乳動物の炎症性疾患およびリウマチ疾患を治療することを特徴とする請求項31に記載の漢方薬組成物。
【請求項34】
前記哺乳動物がヒトであることを特徴とする請求項31に記載の漢方薬組成物。
【請求項35】
前記哺乳動物が家畜であることを特徴とする請求項31に記載の漢方薬組成物。
【請求項36】
前記漢方薬組成物がヒトの炎症性疾患およびリウマチ疾患の症状を防止もしくは緩和する栄養健康補助食品であることを特徴とする請求項31に記載の漢方薬組成物。
【請求項37】
前記炎症性疾患およびリウマチ様疾患が、急性もしくは慢性の関節リウマチ、骨関節症、萎縮性関節炎、慢性炎症性関節炎、関節炎による変形(arthritis deformans)、感染性関節炎、更年期関節炎、破壊性関節炎(arthritis mutilans)、肥厚性関節炎、化膿性関節炎、結核性関節炎もしくは退化性関節症(degenerative arthritis)であることを特徴とする請求項36に記載の漢方薬組成物。
【請求項38】
前記漢方薬組成物が哺乳動物の痛みを軽減することを特徴とする請求項31に記載の漢方薬組成物。
【請求項39】
前記漢方薬組成物が哺乳動物の関節の健康および柔軟性を改善することを特徴とする請求項31に記載の漢方薬組成物。

【公表番号】特表2008−517875(P2008−517875A)
【公表日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−526612(P2007−526612)
【出願日】平成17年6月9日(2005.6.9)
【国際出願番号】PCT/IB2005/002763
【国際公開番号】WO2005/120158
【国際公開日】平成17年12月22日(2005.12.22)
【出願人】(506410442)シンセン チュアンニンニン サイエンス・アンド・テクノロジ デベロップメント カンパニー (1)
【Fターム(参考)】