説明

炎症性障害を治療するための薬剤併用療法および医薬組成物

CCR2拮抗薬およびスタチンの組み合わせは、炎症性および他の障害の治療および/または予防、およびCCR2拮抗薬とスタチンとの組み合わせを用いて炎症性および他の障害を治療する方法において有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、CCR2拮抗薬とスタチン類との組み合わせを用いて炎症性障害を治療および予防するための新規の方法および組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
CCR2(およびサブタイプのCCR2AおよびCCR2B)を含むケモカイン受容体は、炎症性および免疫調節性の障害および疾患の重要な伝達物質であることが以前から知られてきた。疾患におけるケモカイン類の役割という総説は、GerardおよびRollins., Nature Immunol.,2(2),108−115(2001)により提供される。
【0003】
ケモカイン類のサブセットは、単球およびマクロファージに対する強力な化学誘引物質である。これらを最も特徴づけているものが、MCP−1(単球化学遊走タンパク質−1)であり、その主な受容体は、CCR2である。MCP−1は、齧歯類およびヒトを含む種々の種における炎症性刺激に反応して種々の細胞型で産生され、単球、およびリンパ球のサブセットの化学遊走性を刺激する。特に、MCP−1産生は、炎症部位における単球およびマクロファージ浸潤と相関する。マウスにおける相同組み換えによるMCP−1またはCCR2のいずれかの欠失は、チオグリコール酸注射およびリステリア・モノサイトジェネス(Listeria monocytogenes)感染に反応して、単球漸増の著しい減弱をもたらす(Luら、J.Exp.Med.,187,601−608(1998);Kuriharaら、J.Exp.Med.,186,1757−1762(1997);Boringら、J.Clin.Invest.,100,2552−2561(1997);Kuzielら、Proc.Natl.Acad.Sci.,94,12053−12058(1997))。さらに、これらの動物は、住血吸虫のまたはマイコバクテリア抗原の注射により誘発される肉芽腫性病変への低減されている単球の浸潤を示す(Boringら、J.Clin.Invest.,100,2552−2561(1997);Warmingtonら、Am J.Path.,154,1407−1416(1999))。
【0004】
このように、MCP−1誘発CCR2活性が、炎症部位への単球漸増に大きな役割を果たし、この活性の拮抗作用が、免疫応答の十分な抑制をもたらし、炎症性の疾患および症状における治療上の利点を生みだすと考えられている。したがって、CCR2受容体などのケモカイン受容体を拮抗する薬剤は、このような炎症性の疾患および状態を治療ことにおいて有用であるといえよう。
【0005】
スタチン系薬物類(HMG−CoAリダクターゼ阻害剤類)は、主にLDLコレステロールの血漿中濃度を下げるというこれらの実証された能力に基づいて、循環器疾患の管理に幅広く用いられている。脂質を低減させることが、粥状動脈硬化症および循環器疾患におけるスタチン類の薬効の基礎となる主要因子であるが、付加的な免疫調節性効果が有効性に寄与し得ることは明白である。従って、スタチン類は、種々の炎症の状態に有益なものであり得る(例えば、Liao Int.J.Cardiol.,86,5−18(2000)参照)。これと一致して、Vollmerら(Lancet,363,1607−1608(2004))は、確定再発寛解型多発性硬化を有する症患者28例の非盲検臨床研究において、経口シンバスタチン(80mg)で治療するにつれ、ガドリニウム増強病変数のうち44%が減少することを実証した。非脂質を低減させる、スタチン類の利点のより早い段階の手がかりは、プラバスタチンの治験から生みだされ、そのコレステロール低下効果とは無関係に心臓移植患者における増加する生存を実証した(Kobashigawaら、New Engl.J.Med.,333,621−627(1995))。その後、スタチン類の、炎症および免疫機能の面に対するおびただしい数の効果が、報告されている。例えば、ロバスタチンは、ミクログリアおよびアストロサイトから誘導型一酸化窒素合成酵素(i−NOS)およびサイトカインTNFαを阻害することが示されている(Pahanら、J.Clin.Invest.,100. 2671−2679(1997))。ロバスタチンおよびシンバスタチンは、ヒト末梢血液単核細胞または培養した内皮細胞のいずれかから単球化学遊走タンパク質1(MCP1)産生を阻害することが報告されている。さらにスタチン類は、マウスにおけるカラギナンに対する急性浮腫状応答の阻害(Sparrowら、Arterioscler. Thromb. Vasc. Biol.,21,115−121(2000))およびマウスにおける発症中であるかまたは確定したコラーゲン誘発性関節炎の阻害(Leungら、J.Immunol.,170,1524−1530(2003))を含むインビボでの抗炎症効果を有することも報告されている。マウスにおける効果は、スタチン類がマウス中のLDLコレステロール濃度を低下させないので特に重要である(Endoら、Biochim.Biophys.Acta.,575,266−276(1979)、Sparrowら、Arterioscler.Thromb.Vasc.Biol.,21,115−121(2000))。したがって、いずれの抗炎症効果も、血漿中LDL濃度に対する効果とは無関係である。
【0006】
スタチン類のLDLコレステロール低減効果は、アセトアセチル−CoAをメバロン酸に転換する酵素3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリール補酵素A(HMG−CoA)リダクターゼを阻害するこれら化合物の能力に起因する。続いて、メバロン酸は、多段階経路を経てコレステロールに転換される。しかしながら、メバロン酸は、ファルネシルピロリン酸(F−PP)およびゲラニルゲラニルピロリン酸(G−PP)を含むイソプレノイド類に対する前駆体でもある。F−PPおよびG−PPは、Rab、Rac、Rap、RhoおよびRasを含む免疫学的に重要なタンパク質の翻訳後修飾において決定的な役割を果たす。これらのタンパク質は、細胞形状の維持、細胞の分化および増殖、細胞遊走および分泌機能を含む数多くの白血球機能のきわめて重要な細胞内伝達物質である。したがって、スタチン類でイソプレノイド類の産生を阻止することは、広範囲におよぶ細胞の機能を調節することができる。スタチン類の免疫学的機能への効果の大部分は、L−メバロン酸を付加することにより逆行させることができることから、メバロン酸経路の遮断に直接関与している。しかしながら、接着分子である白血球機能抗原1(LFA1)の阻害は、インテグリン分子上の調節部位への結合を介するスタチン類の直接の効果であるようである(Weitz−Schmidtら、Nature Med.,7,687−692(2001))。
【0007】
スタチン類が抗炎症および免疫調節効果を発揮し得ると考えられる正確な機序(単数または複数)は、知られていない。他の効果が酵素阻害とは無関係であるのに対し、スタチン類の効果のいくつかは、HMG−CoA還元酵素の阻害に依存している。それでもなお、LDLコレステロールの低減に起因しない免疫に基づく障害におけるスタチン類の薬効に対する概念を支持するのに十分な根拠が、インビトロおよびインビボの両方においても蓄積されてきた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
(発明の概要)
今、CCR2拮抗薬をスタチンと組み合わせて共に投与する方が、これらの成分を各々単独で投与するよりもより効果的に広範囲の炎症性の疾患および症状を、治療、予防および/または制御することができるということが見出された。したがって、本発明は、炎症症状の治療、予防および/または制御を必要としている哺乳動物患者における炎症症状の治療、予防および/または制御の方法を提供するものであり、この方法は、患者にCCR2拮抗薬とスタチンとの組み合わせの抗炎症有効量を投与することを含む。本発明はまた、CCR2拮抗薬、スタチンおよび薬学的に許容できるそれらの担体を含む医薬組成物も提供する。本発明の更なる目的は、以下の詳細な記載から明らかであろう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(詳細な記載)
本発明は、炎症性障害が発症する危険性の治療、予防および/または軽減を必要とする患者に、抗炎症効果を得るのに十分な量のCCR2拮抗薬とスタチンとの組み合わせを投与して炎症を軽減させるかまたは炎症を予防することにより、炎症性障害が発症する危険性を治療、予防および/または軽減する方法を提供する。
【0010】
本明細書中に記載されている新規の治療方法において、2種類の有効成分は、単一剤形に組み合わされて、または各々が2つの有効成分の1つずつ含む2つの別々の剤形として投与され得る。したがって、CCR2拮抗薬を、スタチン阻害剤との組み合わせで含む即時医薬の組み合わせは、CCR2拮抗薬とスタチンとの両方を含有する単一医薬投与製剤の投与、並びにこの独自の別々の医薬投与製剤におけるそれぞれの活性剤を投与することを含む。別々の投薬製剤を用いる場合、CCR2拮抗薬およびスタチンは、本質的に同じ時点で、すなわち同時にまたは別々に時差をおいて、すなわち順次に投与することができる。即時医薬組み合わせは、このような医学的に許容できる投薬療法全てを含むことであると理解される。これらの種々の方法における投与は、CCR2拮抗薬およびスタチンの医薬的な薬効を患者が実質的に同時に実感する限り、本発明に適している。このような薬効は、好ましくは、各活性薬物の目標血中濃度が、実質的に同時に維持されるときに達成される。CCR2拮抗薬およびスタチンは、1日1回の投与計画で同時に共投与することが好ましいが、CCR2拮抗薬を1日1回、2回または数回およびスタチンを1日1回、2回または数回のように投与計画を種々に変更することも本明細書中に包含される。CCR2拮抗薬およびスタチンの両方から成る単一経口医薬投与製剤が、好ましい。本発明の更なる実施形態は、CCR2拮抗薬およびスタチンに1つ以上の薬学的に許容できる担体を加えた組み合わせを含む医薬組成物を含む。
【0011】
本発明は、特定のCCR2拮抗薬類だけを含む組み合わせに限定されない。従って、本発明との関連で用いることができるCCR2拮抗薬の例としては、N−((1R,3S)−3−イソプロピル−3−{[3−(トリフルオロメチル)−7,8−ジヒドロ−1,6−ナフチリジン−6(5H)−イル]カルボニル}シクロペンチル)−N−[(3S,4S)−3−メトキシテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]アミン:
【0012】
【化1】

(以後、「化合物1」)およびこの薬学的に許容できる塩;
3[(3S,4R)−1−((1R,3S)−3−イソプロピル−2−オキソ−3−{[6−(トリフルオロメチル)−2H−1,3−ベンズオキサジン−3(4H)−イル]メチル}シクロペンチル)−3−メチルピペリジン−4−イル]安息香酸:
【0013】
【化2】

(以後、「化合物2」)およびこの薬学的に許容できる塩;
(3S,4S)−N−((1R,3S)−3−イソプロピル−3−{[7−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロイソキノリン−2(1H)−イル]カルボニル}シクロペンチル)−3−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−アミニウム:
【0014】
【化3】

(以後、「化合物3」)およびこの薬学的に許容できる塩;
3−[(3S,4Rまたは3R,4S)−1−((1R,3S)−3−イソプロピル−3−{[6−(トリフルオロメチル)−2H−1,3−ベンズオキサジン−3(4H)−イル]カルボニル}シクロペンチル)−3−メチルピペリジン−4−イル]安息香酸
【0015】
【化4】

(以後、「化合物4」)およびこの薬学的に許容できる塩;
INCB3284;エオタキシン−3;WO04/050024に記載されている化合物類および科学文献および特許文献に記載されているその他のCCR2拮抗薬類などの化合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0016】
本発明と共に用いることができるスタチン類の例としては、ロバスタチン(MEVACOR(登録商標)、米国特許番号4,342,767参照);シンバスタチン(ZOCOR(登録商標);米国特許番号4,444,784参照);プラバスタチン、特にこのナトリウム塩(PRAVACHOL(登録商標);米国特許番号4,346,227参照);フルバスタチン特にこのナトリウム塩(LESCOL(登録商標);米国特許番号5,354,772参照);アトルバスタチン、特にこのカルシウム塩(LIPITOR(登録商標);米国特許番号5,273,995参照);ロスバスタチン、特にこのカルシウム塩(CRESTOR(登録商標);米国特許番号Re37314参照)およびNK−104(PCT国際公報番号WO97/23200参照)とも称されるピタバスタチン;のラクトン化された形態およびジヒドロキシ遊離酸の形態並びにこれらの薬学的に許容できる塩およびエステルが挙げられるが、これらに限定されない。これらスタチン類および追加のHMG−CoAリダクターゼ阻害剤類のいくつかの構造式は、M.Yalpani,“Cholesterol Lowering Drugs”,Chemistry & Industry,pp.85−89(1996年2月5日)の87ページに記載されている。本発明中で用いるのに好ましいスタチンは、シンバスタチンである。
【0017】
本明細書中において、用語「薬学的に許容できる塩」は、一般に遊離酸を適した有機または無機塩基、特にナトリウム、カリウム、アルミニウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、亜鉛およびテトラメチルアンモニウムなどのカチオン類から形成される塩基と反応させて調製される本発明中で用いる化合物の無毒性塩、並びにアンモニア、エチレンジアミン、N−メチルグルカミン、リジン、アルギニン、オルニチン、コリン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、ジエタノールアミン、プロカイン、N−ベンジルフェネチルアミン、1−p−クロロベンジル−2−ピロリジン−1’−イル−メチルベンズイミダゾール、ジエチルアミン、ピペラジン、モルホリン、2,4,4−トリメチル−2−ペンタミンおよびトリス(ヒドロキシメチル)−アミノメタンなどのアミン類から形成されるこれらの塩を意味するものとする。
【0018】
用語「患者」は、本明細書中において、本明細書中に記載されたいずれかの使用のためにスタチンをCCR2拮抗薬との組み合わせで服用するヒトまたは動物を意味するものとする。薬物組み合わせの患者への投与は、自己投与および別の者による患者への投与の両方を含む。
【0019】
用語「治療有効量」は、研究者、獣医師、医師またはその他臨床家により割り出された、組織、系、動物またはヒトの生物学的または医学的応答を誘発する薬物または医薬薬剤の量を意味するものとする。用語「予防的有効量」は、研究者、獣医師、医師またはその他臨床家が組織、系、動物またはヒト中で予防しようとする生物学的または医学的事象の発生の危険性を予防または低減しようとする医薬薬物の量を意味するものとする。
【0020】
本発明中の使用の化合物は、1つ以上のキラル中心を有してよく、また、本化合物は、ラセミ体、ラセミ混合体として、および個々のジアステレオマーまたは鏡像異性体として、これら異性体の形態が全て一緒におよびそれらの混合物として生じ得、これらは、本発明の範囲内に含まれる。さらに、本発明の化合物に対して、結晶形のいくつかが、多形体として存在してよく、それら自体が本発明に含まれるものとする。また、本発明の化合物のいくつかは、水または通常の有機溶媒と、溶媒和物を形成してよい。このような溶媒和物および水和物、並びに無水組成物は、本発明の範囲内に包含される。本明細書中に記載の化合物のいくつかは、オレフィン二重結合を含んでよく、別に規定していない限り、EおよびZ幾何異性体の両方を含むことを意味する。
【0021】
本発明の1つの態様において、炎症性障害を治療するまたは予防する方法は、このような治療を必要としている哺乳動物患者において開示されており、この方法は、CCR2拮抗薬およびスタチン、またはこれらの塩もしくはこれらの水和物を、炎症を治療または予防するのに有効な量で患者に投与することを、含む。
【0022】
本発明は、スタチンおよびCCR2拮抗薬が単一剤形に組み合わされて投与される方法、並びにスタチンおよびCCR2拮抗薬が別々の剤形として実質的に同時に投与される方法を含む。
【0023】
また本発明は、薬学的に許容できる担体との組み合わせで、スタチンおよびCCR2拮抗薬またはこれらの塩または水和物を含む医薬組成物を含む。
【0024】
さらに詳細に、スタチンが、ロバスタチン、シンバスタチン、プラバスタチン、フルバスタチン、アトルバスタチンおよびロスバスタチンから選択され、CCR2阻害剤が、化合物1、化合物4およびINCB3284から選択されるような組成物が記載される。さらにより詳細に、スタチンがシンバスタチンまたはその塩であり、CCR2拮抗薬が化合物1および化合物4から選択されるような組成物が記載される。
【0025】
スタチンをCCR2拮抗薬との組み合わせで利用する投与法は、患者の型、種、年齢、体重、性別および医学的状態を含む因子の多様性;治療する症状の重症度;投与経路;患者の腎機能および肝機能;および使用する特定の化合物またはこの塩もしくはエステルに従って選択される。2種類の異なる活性薬剤を組み合わせ療法で共に用いるので、各々の薬剤の作用強度、およびこれらを一緒に組み合わせることにより得られる相互作用的効果も考慮に入れなければならない。これらの因子を、症状の進行を防止する、阻止するまたは引き止めるために必要な治療上有効なまたは予防上有効な投与量を決定する目的のために熟考することは、通常の熟練した臨床家の十分な範囲内である。
【0026】
組み合わせの有効量は、症状を治療しようとしている患者を特定の状態から解放しようとする、またはこのような症状を予防しようとする量であり、具体的な投与量および投与頻度は種々に変更してよく、組み合わせで用いられる特定の化合物の活性、化合物の代謝安定性および作用期間、年齢、体重、全般的な健康状態、性別、食餌、投与方法および投与時期、排泄の割合、特定の状態の重症度、および治療を受ける宿主、などを含む種々の因子に依存するものである。しかしながら、1日あたり約0.001mg/体重1kgから約250mg/体重kg、一般に約0.005から約100mg/体重kg、より詳細に約0.01から約50mg/体重kg、特に1日あたり約0.05から約10mg/体重kgのオーダーのCCR2拮抗薬の投与濃度が、治療の新規な方法において有用である。1日あたり約0.1から500mg/体重kg、一般に約0.5から約250mg/体重kg、より詳細に約5から約100mg/体重kg、および特に1日あたり約5から約50mg/体重kgのスタチンの投与濃度が、本発明の新規の方法において有用である。1つの好ましい組み合わせにおいて、シンバスタチンまたはその塩が、約1から約10mgの範囲の量で存在し、化合物1、2、3もしくは4またはそれらの塩の1つが、約0.5mgから約20mg、より好ましくは約1.0mgから約10mgの範囲の量で存在するような組成物が記載される。
【0027】
炎症およびその他の症状の治療のために、有効成分は別々にまたは組み合わせで薬学的に許容できる担体を含む製剤で、吸入、噴霧、経直腸または経膣により経口、局所、非経口投与することができる。
【0028】
用語「非経口」は、本明細書中で、皮下注射、経静脈、筋肉内、大槽内注射または点適法を含む。
【0029】
更なる活性薬剤は、スタチンおよびCCR2拮抗薬とのを組み合わせで単一剤形で用いることができ、または別々の投与製剤において患者に投与することができ、これは、同時投与または順次投与を可能にする。1つ以上の更なる活性薬剤は、即時併用療法で投与することができる。本発明の組み合わせで治療することのできるヒトまたはその他の種の疾患または症状は、喘息、特に気管支喘息などの呼吸器アレルギー性疾患、アレルギー性鼻炎、過敏性肺疾患、過敏性肺炎、好酸球性肺炎(例えば、レフレル症候群、慢性好酸球性肺炎)、遅延型過敏症、間質性肺疾患(ILD)(例えば、突発性肺線維症または関節リウマチ関連ILD、全身性エリテマトーデス、強直性脊椎炎、全身性強皮症、シェーグレン症候群、多発性筋炎または皮膚筋炎)を含む炎症性またはアレルギー性の疾患および状態;全身性アナフィラキシーまたは過敏反応、薬物アレルギー(例えば、ペニシリン、セファロスポリン類に対する)、昆虫咬傷アレルギー;関節リウマチ、乾癬性関節炎、多発性硬化症、全身性エリテマトーデス、重症筋無力症、若年発症型糖尿病などの自己免疫疾患;糸球体腎炎、自己免疫性甲状腺炎、ベーチェット病;同種移植片拒絶反応または移植片対宿主病を含む移植片拒絶反応(例えば、移植における);クローン病および潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患;脊椎骨関節症;強皮症;乾癬(T細胞介在性乾癬を含む)および皮膚炎、湿疹、アトピー性皮膚炎、アレルギー性接触性皮膚炎、蕁麻疹などの炎症性皮膚疾患;血管炎(例えば、壊死性、皮膚管炎および過敏性血管炎);好酸球性(eosinphilic)筋炎、好酸球性筋膜炎;および皮膚または臓器の白血球浸潤を伴う癌ならびにその他の癌を含む癌;を含むが、これらに限定されない。また、本発明の進歩性のある組み合わせは同様に、発作、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)およびパーキンソン病を含むがこれらに限定されない神経変性状態、肥満、II型糖尿病、神経性および炎症性疼痛、およびギランバレー症候群、などの治療および予防において有用であり得る。望ましくない炎症性反応を阻害すべき別の疾患または状態を治療することができ、これらは、再灌流障害、粥状動脈硬化症、一定の血液学的悪性腫瘍、サイトカイン−誘導性毒性(例えば、敗血症性ショック、内毒素ショック)、多発性筋炎、皮膚筋炎、線維症および慢性閉塞性肺疾患を含むが、これらに限定されない。
【0030】
本発明の組み合わせで治療することができるヒトまたは他の種の更なる疾患または状態には、AIDSまたは他のウイルス感染などの免疫不全症候群を有する個体、放射線療法、化学療法、自己免疫疾患の治療、または免疫抑制を惹起する薬物療法(例えば、コルチコステロイド療法)を受けている個体などの免疫抑制;受容体機能における先天性不全または別の原因による免疫抑制;および線虫類(回虫類)、(鞭虫症、蟯虫症、蛔虫症、鉤虫症、糞線虫症、旋毛虫症、フィラリア症)、吸虫(吸虫類)(住血吸虫症、肝吸虫症)、条虫(条虫類)(包虫症、無鉤条虫症、嚢虫症)、内臓虫類、内臓幼虫移行症(例えば、蛔虫症)、好酸球性胃腸炎(例えば、アニサキス類、フォカネマ類)および皮膚幼虫移行症(ブラジル鉤虫、イヌ鉤虫)などの蠕虫感染症を含むがこれらに限定されない寄生虫症などの感染性疾患などを含むが、これらに限定されない。
【0031】
本発明の組み合わせはさらに、広範囲に多種多様な炎症性および免疫調節性の障害および疾患、アレルギー状態、アトピー状態、並びに自己免疫病理の危険性を治療、予防、改善、制御または低減するのにも有用であるが、1つの特定の実施例において、本発明は、例えば関節リウマチ、乾癬性関節炎および多発性硬化症などの自己免疫疾患の危険性を治療、予防、改善、制御または低減する主題の化合物の使用に関する。
【0032】
本発明の個別の活性薬剤類または新規の組成物は、例えば錠剤、トローチ剤、含糖錠剤、水性または油性懸濁剤、分散性散剤または顆粒剤、乳剤、硬カプセルまたは軟カプセル剤、液剤、シロップ剤およびエリキシル剤の経口用途に適した形態でよい。経口投与用組成物は、医薬組成物製造のための当分野で知られているいずれかの方法に従って調製され得、一般に、そのような組成物は、医薬として外観が洗練され、口当たりのよい製剤を提供するための、甘味剤、香味剤、着色剤および保存剤からなる群より選択される1つ以上の薬剤を含有する。これらの賦形剤は、例えばラクトース、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、リン酸カルシウムまたはリン酸ナトリウムなどの希釈剤;例えばコーンスターチまたはアルギン酸などの顆粒化剤および崩壊剤;例えば澱粉、ゼラチンまたはアラビアゴムなどの結合剤;および、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルクなどの潤滑剤であってよい。
【0033】
錠剤は、被覆してなくてもしてあってもよい。被覆を含めることは、消化管での崩壊および吸収を遅らせることができ、これによって長時間にわたる持続作用を提供する。例えば、モノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリルなどの時効性物質を使用してよい。また、それらを、米国特許番号4,256,108;4,166,452および4,265,874に記載されている技術で被覆して、制御放出用の浸透圧治療錠剤に製剤してよい。
【0034】
経口使用のための製剤はまた、硬質ゼラチンカプセルとしても存在し得、ここで、この有効成分は、不活性固体希釈剤(例えば炭酸カルシウム、リン酸カルシウムまたはカオリン)と混合され、または軟質ゼラチンカプセルとして存在し得、この有効成分は、例えば水または混和溶媒類(プロピレングリコール、ポリエチレングリコールおよびエタノールなど)または油性媒体(例えば、落花生油、流動パラフィンまたはオリーブオイル)と混合されたものである。
【0035】
水性懸濁液は、水性懸濁液の製造に適した賦形剤との混合物中に有効成分を含有する。このような賦形剤は、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシ−プロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントおよびアラビアゴムなどの懸濁化剤であり;分散剤または湿潤剤は、天然物由来のリン脂質(例えば、レシチン)または酸化アルキレンと脂肪酸類との縮合生成物(例えば、ステアリン酸ポリオキシエチレン)、または酸化エチレンと長鎖脂肪族アルコールとの縮合生成物(例えば、ヘプタデカエチレンオキシセタノール)、または酸化エチレンと、脂肪酸類およびヘキシトール(例えば、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビトールなど)由来の部分エステルとの縮合生成物、または酸化エチレンと、脂肪酸および無水ヘキシトール由来の部分エステルとの縮合生成物(モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンなど)であってよい。水性懸濁剤はまた、1つ以上の保存剤(例えば、エチルまたはn−プロピルp−ヒドロキシ安息香酸)、1つ以上の着色剤、1つ以上の香味剤および1つ以上の甘味剤(スクロース、サッカリンまたはアスパルタームなど)を含有してもよい。
【0036】
油性懸濁液は、植物油(例えば、落花生油、オリーブオイル、ゴマ油またはココナッツオイル)中に、または鉱物油(流動パラフィンなど)中に有効成分を懸濁させることにより製剤することができる。油性懸濁液は、増粘剤(例えば、蜜蝋ワックス、硬パラフィンまたはセチルアルコール)を含有してよい。
【0037】
上述したような甘味剤、および香味剤は、添加されて、口当たりのよい経口製剤を提供することができる。これらの組成物は、アスコルビン酸などの酸化防止剤を添加して保存してよい。
【0038】
水を添加して水性懸濁液を調製するのに適した分散性散剤および顆粒剤は、分散剤または湿潤剤、懸濁剤および1つ以上の保存剤を混合した状態で有効成分を提供する。適する分散剤または湿潤剤および懸濁剤は、上記に既に例示している。例えば甘味剤、香味剤および着色剤などの更なる賦形剤もまた、存在し得る。
【0039】
本発明の個々の薬剤または医薬組成物もまた、水中油滴型乳剤の形態であってよい。油相は、植物油(例えば、オリーブオイルまたは落花生油)、または鉱物油(例えば、流動パラフィン)、またはこれらの混合物であってよい。適した乳化剤は、天然のリン脂質(例えば、大豆、レシチン)、および脂肪酸および無水ヘキシトール由来のエステルまたは部分エステル(例えば、モノオレイン酸ソルビタン)および前記部分エステルと酸化エチレンとの縮合生成物(例えば、モノオレイン酸ポリオキシ−エチレンソルビタンなど)であってよい。乳剤はまた、甘味剤および香味剤も含んでよい。シロップ剤およびエリキシル剤は、例えばグリセロール、プロピレングリコール、ソルビトールまたはスクロースなどの甘味剤で製剤することができる。そのような製剤はまた、粘滑薬、保存剤、香味剤および着色剤も含んでよい。
【0040】
医薬組成物は、無菌注射可能な水性または油性懸濁液の形態であってよい。この懸濁液は、知られている技術に従い、上述の適した分散剤または湿潤剤および懸濁剤を用いて製剤することができる。
【0041】
注射可能な組成物は、一般に、無菌溶液または懸濁液の形態であり、非経口投与用に許容できる希釈剤中に有効成分を含む。このような液に、無菌水、5%デキストロース水(D5W)、リンゲル液および等張食塩水、並びにこれらの混合物がある。
【0042】
エタノール、プロピレングリコールまたはポリエチレングリコールなどの共溶媒もまた、用いることができる。無菌、注射可能の油は、筋肉内投与製剤の溶媒または懸濁媒体として用いることがある。代表例は、落花生油である。また、オレイン酸などの脂肪酸、保存剤、緩衝液および局所麻酔剤は、筋肉内注射剤の調製において用いられる。
【0043】
有効成分の組み合わせはまた、座薬として経直腸または経膣投与され得る。これらは、薬剤と、通常の室温では固体であるが通常体温または上昇体温で溶融する、適した非刺激性賦形剤とを混合することにより調製され得る。このような原材料の例としては、ココアバターおよびポリエチレングリコールが挙げられる。
【0044】
局所使用に対して、化合物を含有するクリーム、軟膏、ゲル、溶液、懸濁液などが用いられる。(本願の目的のために、局所投与は、口腔洗浄薬およびうがい薬、並びに経皮投与を含む。)局所製剤は医薬担体から構成され、これは、例えば共溶媒、乳化剤、浸透促進剤、保存剤または皮膚軟化薬を含み得る。
【0045】
有効成分は、担体と組み合わされて、投薬形態を作成する。例えば、経口投与を目的とした製剤は、投与量あたり新規組み合わせの約0.1mg程度の低量から約5g程度の高量を含んでよく、この製剤は、組成物全体の約5から約95パーセントまで可変の適切および好都合な量の担体材料が配合される。
【0046】
本明細書中では、用語「治療すること」または「治療する」または「治療」は、患者を治療して疾患または状態の徴候および症状を緩和することだけでなく、無症候性患者を予防治療して疾患または状態の発症または進行を予防することを含む。
【0047】
以下の実施例1および2は、CCR2拮抗薬およびスタチンの進歩性のある組み合わせを共投与した場合に予想される結果を例示したものである。
【実施例】
【0048】
(実施例1)
試験方法
メスC57BL/6マウスに、ミコバクテリウム・ツベルクロシス(Mycobacterium tuberculosis)(4mg/kg:H37Ra株)含有完全フロイントアジュバント中に乳化させたミエリンオリゴデンドロサイト糖タンパク質ペプチド35−55(MOGp35−55)100μgを皮下注射する。免疫化時および2日後に、マウスは百日咳毒素(150ng)の尾静脈内投与を受ける。疾患活性の開始と進行を、「疾患活性」スコアを用いて日単位ベースで評価する。疾患活性スコアは、個々の動物をその身体挙動について評価する。それは、0=変化なし;1=尾部ひきずり;2=異常歩行;3=後肢麻痺;4=前肢麻痺;5=死亡または瀕死というようにである。
【0049】
このモデルにおける医薬剤の効果を、MOGp35−55の皮下注射直前とその後試験期間中毎日、経口胃管栄養法により10mL/kgの容量における試験組成物を投与することによって評価する。試験組成物は、溶媒(0.5%メチルセルロース)、化合物1、2および4の低用量および高用量、シンバスタチン、アトルバスタチン、シンバスタチンと共投与される化合物1、シンバスタチンと共投与される化合物2、シンバスタチンと共投与される化合物4、アトルバスタチンと共投与される化合物1、アトルバスタチンと共投与される化合物2およびアトルバスタチンと共投与される化合物4を含む。
【0050】
(実施例2)
結果
CCR2受容体拮抗薬類である化合物1、化合物2または化合物4を投与したマウスにおいて、疾患症候群の発症が、溶媒を投与した動物と比較して用量に依存して遅延する。また、疾患活性の最大程度および持続期間も、対照動物と比較して低下している。同様に、スタチン、シンバスタチンまたはアトルバスタチンを投与したマウスにおいて、疾患症候群の発症が溶媒を投与した動物と比較して用量に依存して遅延している。CCR2受容体拮抗薬に関しても、疾患活性の最大程度および持続期間は、対照動物と比較して低下している。
【0051】
しかしながら、CCR2受容体拮抗薬とスタチンとを共投与されるマウスにおいて、疾患症候群の発症が、CCR2拮抗薬またはスタチンの個々に起因し得る遅延の合計よりもより大幅に遅延する。同様に、CCR2受容体拮抗薬とスタチンとを共投与されるマウスにおいて、疾患活性の最大程度および持続期間が、CCR2拮抗薬またはスタチンの個々に起因しうる遅延の合計よりもより大幅に低減している。
【0052】
(実施例3および4)
錠剤調製
シンバスタチンの5mgおよび10mgと化合物1の5mgとを含有する錠剤を以下のように調製した。
【0053】
【表1】

【0054】
有効成分、セルロース、およびコーンスターチの一部の全量を混合し、10%コーンスターチペーストに造粒する。得られた造粒を篩にかけて乾燥し、コーンスターチの残りおよびステアリン酸マグネシウムと混合する。次いで、得られた造粒を錠剤に圧縮する。
【0055】
本発明をその一定の実施形態を参照しながら記載し例示してきたが、方法および手順の種々の適応、変更、修正、代替、削除または追加が本発明の精神および範囲から逸脱することなくなされ得ることを、当業者は、理解されよう。例えば、上に示した本発明の化合物および組成物で、その適応症のいずれかに対して治療された哺乳動物の治療応答性が変動することから、本明細書中に上述したような特定の投与量以外の効果的な有効投与量が適用可能となり得る。同様に、観察される特定の薬理学的応答は、選択される特定の活性化合物または医薬担体の有無、並びに用いられる製剤の種類および投薬形態に従ってまたは依存して変動し得、このような結果における予期される変動または相違は、本発明の目的および実践に従って熟慮されるものである。従って、本発明は、上記特許請求の範囲によって定義され、このような特許請求の範囲は合理的である限りできるだけ広く解釈されることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
炎症性障害の治療または予防を必要としている哺乳動物患者における炎症性障害を治療または予防する方法であり、患者にCCR2拮抗薬またはこの塩もしくは水和物、およびスタチンまたはこの塩もしくは水和物を、炎症を治療または予防するために有効な用量で投与することを含む、前記方法。
【請求項2】
炎症性障害の治療または予防を必要としている哺乳動物患者における炎症性障害を治療または予防する方法であり、患者にCCR2拮抗薬またはこの塩もしくは水和物、およびスタチンまたはこの塩もしくは水和物を、炎症を治療または予防するために有効な用量で投与することを含み、
前記CCR2拮抗薬は、N−((1R,3S)−3−イソプロピル−3−{[3−(トリフルオロメチル)−7,8−ジヒドロ−1,6−ナフチリジン−6(5H)−イル]カルボニル}シクロペンチル)−N−[(3S,4S)−3−メトキシテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]アミン、3[(3S,4R)−1−((1R,3S)−3−イソプロピル−2−オキソ−3−{[6−(トリフルオロメチル)−2H−1,3−ベンズオキサジン−3(4H)−イル]メチル}シクロペンチル)−3−メチルピペリジン−4−イル]安息香酸、(3S,4S)−N−((1R,3S)−3−イソプロピル−3−{[7−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロイソキノリン−2(1H)−イル]カルボニル}シクロペンチル)−3−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−アミニウム、3−[(3S,4Rまたは3R,4S)−1−((1R,3S)−3−イソプロピル−3−{[6−(トリフルオロメチル)−2H−1,3−ベンズオキサジン−3(4H)−イル]カルボニル}シクロペンチル)−3−メチルピペリジン−4−イル]安息香酸、およびINCB3284、エオタキシン−3およびこれらの塩およびこれらの水和物から選択され、ならびに
前記スタチンが、ロバスタチン、シンバスタチン、プラバスタチン、フルバスタチン、アトルバスタチン、ロスバスタチンおよびピタバスタチン、およびこれらの塩およびこれらの水和物から選択される、前記方法。
【請求項3】
前記CCR2拮抗薬が、N−((1R,3S)−3−イソプロピル−3−{[3−(トリフルオロメチル)−7,8−ジヒドロ−1,6−ナフチルリジン−6(5H)−イル]カルボニル}シクロペンチル)−N−[(3S,4S)−3−メトキシテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]アミン、3[(3S,4R)−1−((1R,3S)−3−イソプロピル−2−オキソ−3−{[6−(トリフルオロメチル)−2H−1,3−ベンズオキサジン−3(4H)−イル]メチル}シクロペンチル)−3−メチルピペリジン−4−イル]安息香酸、(3S,4S)−N−((1R,3S)−3−イソプロピル−3−{[7−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロイソキノリン−2(1H)−イル]カルボニル}シクロペンチル)−3−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−アミニウム、3−[(3S,4Rまたは3R,4S)−1−((1R,3S)−3−イソプロピル−3−{[6−(トリフルオロメチル)−2H−1,3−ベンズオキサジン−3(4H)−イル]カルボニル}シクロペンチル)−3−メチルピペリジン−4−イル]安息香酸ならびにこれらの塩およびこれらの水和物から選択され、ならびに前記スタチンがシンバスタチンである、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記CCR2拮抗薬が、INCB3284である、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記スタチンが、ロバスタチン、シンバスタチン、プラバスタチン、フルバスタチン、アトルバスタチンおよびロスバスタチンから選択される、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記CCR2拮抗薬および前記スタチンが、別々の剤形として同時に投与される、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記CCR2拮抗薬および前記スタチンが、単一剤形を構成する、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
前記障害が、多発性硬化症および関節リウマチから選択される、請求項2に記載の方法。
【請求項9】
前記障害が、慢性閉塞性肺疾患である、請求項2に記載の方法。
【請求項10】
前記炎症性障害が、粥状動脈硬化症である、請求項2に記載の方法。
【請求項11】
CCR2拮抗薬、スタチンおよび不活性担体を含む医薬組成物であり、
前記CCR2拮抗薬が、N−((1R,3S)−3−イソプロピル−3−{[3−(トリフルオロメチル)−7,8−ジヒドロ−1,6−ナフチリジン−6(5H)−イル]カルボニル}シクロペンチル)−N−[(3S,4S)−3−メトキシテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]アミン、3[(3S,4R)−1−((1R,3S)−3−イソプロピル−2−オキソ−3−{[6−(トリフルオロメチル)−2H−1,3−ベンズオキサジン−3(4H)−イル]メチル}シクロペンチル)−3−メチルピペリジン−4−イル]安息香酸、(3S,4S)−N−((1R,3S)−3−イソプロピル−3−{[7−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロイソキノリン−2(1H)−イル]カルボニル}シクロペンチル)−3−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−アミニウム、3−[(3S,4Rまたは3R,4S)−1−((1R,3S)−3−イソプロピル−3−{[6−(トリフルオロメチル)−2H−1,3−ベンズオキサジン−3(4H)−イル]カルボニル}シクロペンチル)−3−メチルピペリジン−4−イル]安息香酸、およびINCB3284、エオタキシン−3、およびこれらの塩およびこれらの水和物から選択され、ならびに
前記スタチンが、ロバスタチン、シンバスタチン、プラバスタチン、フルバスタチン、アトルバスタチン、ロスバスタチンおよびピタバスタチンおよびこれらの塩およびこれらの水和物から選択される、前記医薬組成物。
【請求項12】
前記CCR2拮抗薬が、N−((1R,3S)−3−イソプロピル−3−{[3−(トリフルオロメチル)−7,8−ジヒドロ−1,6−ナフチリジン−6(5H)−イル]カルボニル}シクロペンチル)−N−[(3S,4S)−3−メトキシテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]アミン、3[(3S,4R)−1−((1R,3S)−3−イソプロピル−2−オキソ−3−{[6−(トリフルオロメチル)−2H−1,3−ベンズオキサジン−3(4H)−イル]メチル}シクロペンチル)−3−メチルピペリジン−4−イル]安息香酸、(3S,4S)−N−((1R,3S)−3−イソプロピル−3−{[7−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロイソキノリン−2(1H)−イル]カルボニル}シクロペンチル)−3−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−アミニウム、3−[(3S,4Rまたは3R,4S)−1−((1R,3S)−3−イソプロピル−3−{[6−(トリフルオロメチル)−2H−1,3−ベンズオキサジン−3(4H)−イル]カルボニル}シクロペンチル)−3−メチルピペリジン−4−イル]安息香酸ならびにこれらの塩およびこれらの水和物から選択され、ならびに前記スタチンがシンバスタチンである、請求項10に記載の組成物。
【請求項13】
前記CCR2拮抗薬が、INCB3284である、請求項10に記載の組成物。
【請求項14】
前記CCR2拮抗薬および前記スタチンが、別々の剤形として同時に投与される、請求項10に記載の組成物。
【請求項15】
前記CCR2拮抗薬および前記スタチンが、単一剤形を構成する、請求項10に記載の組成物。

【公表番号】特表2008−526861(P2008−526861A)
【公表日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−550445(P2007−550445)
【出願日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際出願番号】PCT/US2006/000253
【国際公開番号】WO2006/074265
【国際公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【出願人】(390023526)メルク エンド カムパニー インコーポレーテッド (924)
【氏名又は名称原語表記】MERCK & COMPANY INCOPORATED
【Fターム(参考)】