説明

炭化水素の改質方法

【課題】炭化水素の熱クラッキングプロセスから得られるC5ジオレフィン類、C5オレフィン類、シクロペンタジエン(CPD)、ジシクロペンタジエン(DCPD)及び、ベンゼン、トルエン及びキシレン(BTX)などの芳香族類を含む熱分解ガソリンからDCPDをより効率的に回収する方法の提供。
【解決手段】例えば、C5オレフィン類、C5ジオレフィン類、CPD、DCPD及び芳香族類を含有する炭化水素供給原料102を加熱ゾーン100中で加熱して、CPDをDCPDに二量化し、第一流出液104を形成後、該流出液をC6+流110とC5ジオレフィン流108とに分離し、続いて流110をC6+流をC6−C9流114とC10+流とに分離し、最後にC10+流を燃料油流134とDCPD流132とに分離する一方、C6−C9流を水素化処理し、それによりBTX流を形成する工程を含む処理を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炭化水素の改質方法の分野に関するものである。より具体的には、本発明は、炭化水素の熱クラッキングプロセスから得られる熱分解ガソリンを、C5ジオレフィン類、C5オレフィン類、ジシクロペンタジエン及び、ベンゼン、トルエン及びキシレン(BTX)などの芳香族類のような製品に改質することに関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
本明細書にいう「から本質的になる」は、この句の後に述べられる物質又は物質の組合せが、この句の後に述べられる物質又は物質の組合せの性質に実質的に影響を与えるいかなる追加成分も含有しない意味であることを意図している。
【0003】
エタン、プロパン、ナフサなどの炭化水素の熱クラッキングプロセスが、熱分解ガソリン又は芳香族濃縮物と称される副生成物を生産し、それらが脱ブタン化されて脱ブタン化芳香族濃縮物(DAC)を形成し得ることは当業界では公知である。この熱分解ガソリン又はDACは、典型的には、C5ジオレフィン類、C5オレフィン類、芳香族類、シクロペンタジエン(CPD)及びジシクロペンタジエン(DCPD)などの炭素数がC5以上の炭化水素を含有する。
【0004】
CPDを変換して、エラストマー及び不飽和ポリエステル樹脂の生産に使用し得る価値ある工業化学品であるDCPDにすることが望まれる。
【0005】
典型的な熱分解ガソリン改質方法では、熱分解ガソリンを、CPDを含有するC5流とC6+流とに分離する。次いで、C5流は二量化されてDCPDを形成し、それが後工程で精製される。このプロセスに伴う一つの問題は、CPDの一部がDCPDに変換されている貯蔵品から熱分解ガソリンを得る場合、この熱分解ガソリンのC5流及びC6+流への分離、及び、C5流中におけるCPDのDCPDへの二量化により、DCPDがC5流及びC6+流に別れ、そのため、C5流及びC6+流の両者からDCPDを回収する余計な費用が必要になることである。
【0006】
従って、炭化水素の熱クラッキング設備から直接、又は貯蔵品から得られる熱分解ガソリンを効率的に改質できる方法を開発すれば、当業界に著しい貢献をするであろう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
(発明の概要)
5オレフィン類、C5ジオレフィン類、CPD、DCPD及び芳香族類を含む炭化水素供給原料を改質して、DCPD製品及び/又はC5ジオレフィン製品及び/又はC5オレフィン製品及び/又は芳香族製品を生産する新規方法を提供することが望まれる。
【0008】
また、熱分解ガソリンからDCPDを回収するための、より効率的な新規方法を提供することも望まれる。
【0009】
更に、大量のDCPDを含有する熱分解ガソリンからDCPDを生産・回収するためのより効率的な新規方法を提供することも望まれる。
【0010】
また更に、約30より小さな白金/コバルト色番号を有するDCPDを熱分解ガソリンから回収するためのより効率的な新規方法を提供することも望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第一の態様に従えば、
a)CPD、DCPD、C5ジオレフィン類、ベンゼン、トルエン及びキシレンを含む炭化水素供給原料を加熱ゾーン中で加熱してCPDをDCPDに二量化し、それにより第一流出液を形成する工程、
b)上記第一流出液をC6+流とC5ジオレフィン類を含むC5ジオレフィン流とに分離する工程、
c)上記C6+流をC6−C9流とC10+流とに分離する工程、
d)上記C10+流を燃料油流とDCPDを含むDCPD流とに分離する工程、及び
e)上記C6−C9流を水素化処理し、それによりベンゼン、トルエン及びキシレンを含むBTX流を形成する工程、
を含む炭化水素の改質方法が提供される。
【0012】
本発明の第二の態様に従えば、
a)CPD、DCPD、C5ジオレフィン類、ベンゼン、トルエン及びキシレンを含む炭化水素供給原料を加熱ゾーン中で加熱して、CPDをDCPDに二量化し、それにより第一流出液を形成する工程、
b)上記第一流出液をC5−C9流及びC10+流に分離する工程、
c)上記C10+流を燃料油流とDCPDを含むDCPD流とに分離する工程、
d)第一反応ゾーン中、水素の存在下において、上記C5−C9流を選択的水素化触媒と接触させて、上記C5−C9流中に含有されるジオレフィン類、アルキン類及びスチレンの少なくとも一部を水素化し、それにより第二流出液を形成する工程、
e)上記第二流出液を、C6−C9流とC5オレフィンを含むC5オレフィン流とに分離する工程、
f)第二反応ゾーン中、水素の存在下において、上記C6−C9流を水素化脱硫触媒と接触させて、上記C6−C9流中に含有される硫黄含有化合物の少なくとも一部を脱硫し、それによりベンゼン、トルエン及びキシレンを含むBTX流を形成する工程、
を含む炭化水素の改質方法が提供される。
【0013】
本発明の第三の態様に従えば、
a)第一分離塔、第一塔頂凝縮器及び第一リボイラーを準備する工程であって、上記第一分離塔が上部、下部及び中間部を有する第一分離ゾーンを画するものであり、上記第一分離ゾーンの中間部が少なくとも約50段の理論段を含むものである工程、
b)第二分離塔、第二塔頂凝縮器及び第二リボイラーを準備する工程であって、上記第二分離塔が上部、下部及び中間部を有する第二分離ゾーンを画するものであり、上記第二分離ゾーンの中間部が少なくとも約9段の理論段を含むものである工程、
c)DCPDを含む炭化水素供給原料を上記第一分離ゾーンの中間部に導入する工程、
d)C9−炭化水素を含み、かつ、約0.5psiaから約3.0psiaの範囲の圧力と、約160゜Fから約200゜Fの範囲の温度とを有する第一蒸気状塔頂流を、上記第一分離塔の上部から上記第一塔頂凝縮器に通す工程、
e)上記第一塔頂凝縮器中の第一蒸気状塔頂流の少なくとも一部を凝縮させ、それにより約50゜Fから約90゜Fの範囲の温度を有する第一凝縮液を形成する工程、
f)上記第一凝縮液の少なくとも一部を、上記第一塔頂凝縮器から上記第一分離ゾーンの上部に還流する工程、
g)C10+炭化水素を含む第一底部液流を、上記第一分離塔の下部から上記第一リボイラーに通す工程、
h)上記第一リボイラー中の第一底部液流の少なくとも一部を、約210゜Fから約250゜Fの範囲の温度で再沸騰させ、それにより第一再沸騰流と上記第一底部液流の残りの部分とを形成する工程、
i)上記第一再沸騰流を上記第一分離ゾーンの下部に導入する工程、
j)上記第一底部液流の残りの部分を上記第二分離ゾーンの中間部に通す工程、
k)DCPDを含み、かつ、約0.1psiaから約2.0psiaの範囲の圧力と、約160゜Fから約200゜Fの範囲の温度とを有する第二蒸気状塔頂流を、上記第二分離ゾーンの上部から上記第二塔頂凝縮器に通す工程、
l)上記第二塔頂凝縮器中の第二蒸気状塔頂流の少なくとも一部を凝縮させ、それにより約70゜Fから約100゜Fの範囲の温度を有する第二凝縮液を形成する工程、
m)上記第二凝縮液の少なくとも一部を上記第二分離ゾーンの上部に還流し、それにより上記第二凝縮液の残りの部分を形成する工程、
n)燃料油を含む第二底部液流を、上記第二分離ゾーンの下部から上記第二リボイラーに通す工程、
o)上記第二リボイラー中の第二底部液流の少なくとも一部を、約190゜Fから約240゜Fの範囲の温度で再沸騰させ、それにより第二再沸騰流を形成する工程、
p)上記第二再沸騰流を上記第二分離ゾーンの下部に導入する工程、及び
q)上記第二凝縮液の残りの部分を上記第二塔頂凝縮器から回収し、それによりDCPD流を形成する工程、
を含む、炭化水素供給原料からDCPDを回収するための方法が提供される。
【0014】
その他の目的と利点は、詳細な説明と添付の特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、本発明の一つの態様を表す概略フロー図である。
【図2】図2は、本発明の他の態様を表す概略フロー図である。
【図3】図3は、本発明の更に他の態様を表す概略フロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(発明の詳細な説明)
本発明の方法は、CPD、DCPD、C5ジオレフィン類、ベンゼン、トルエン及びキシレンを含む炭化水素供給原料の改質に関するものである。
【0017】
炭化水素供給原料は、一般に、一分子あたり4個より多い炭素原子を有する炭化水素を含む。炭化水素供給原料は、炭化水素(エタン、プロパン及びナフサなど)の熱クラッキングプロセスから得られる熱分解ガソリンであり得る。また、炭化水素供給原料は、脱ブタン化された、一般にDACと呼ばれる熱分解ガソリンでもあり得る。
【0018】
炭化水素供給原料は、典型的には、炭化水素供給原料の総重量を基準にして、約1.0重量%から約20重量%、より典型的には約1.0重量%から約15重量%、最も典型的には約1.5重量%から10重量%の範囲のCPDを含有し、また、炭化水素供給原料の総重量を基準にして、約0.5重量%から約50重量%、より典型的には約1.0重量%から約40重量%、そして最も典型的には1.5重量%から30重量%の範囲のDCPDを含有する。
【0019】
本発明の第一の態様に従えば、炭化水素供給原料中に含有されるCPDの少なくとも一部がDCPDへ二量化されるように、炭化水素供給原料が加熱ゾーン中にて加熱され、それにより第一流出液が形成される。より具体的には、加熱ゾーン中での加熱は約100゜Fから約450゜F、好ましくは約200゜Fから約400゜F、そして最も好ましくは約200゜Fから約300゜Fの範囲の温度で行われる。第一流出液中のCPDの重量%は、第一流出液の総重量を基準にして、好ましくは約2重量%より少なく、より好ましくは約1.5重量%より少なく、そして最も好ましくは1重量%より少ない。
【0020】
次いで、蒸留などの任意の方法によって、第一流出液を、一分子あたり5個より大きい炭素原子を有する炭化水素を含むC6+流と、限定はされないがイソプレン並びにシス及びトランス1,3−ペンタジエン(ピペリレン)などのC5ジオレフィン類を含むC5ジオレフィン流に分離することができる。
【0021】
蒸留などの任意の適当な手段によって、C6+流を、一分子あたり6個以上で9個以下の範囲の炭素原子を有する炭化水素を含むC6−C9流と、一分子あたり9個より多い炭素原子を有する炭化水素を含むC10+流に分離することができる。
【0022】
6−C9流は、典型的には、C6−C9流の総重量を基準にして、約10から約200重量ppm、より典型的には約10から約100重量ppm、そして最も典型的には10から50重量ppmの範囲の硫黄を含有する。また、C6−C9流は、典型的には、試料100gあたり約10から約100g、より典型的には約10から約50g、そして最も典型的には10から30gの範囲の臭素価を有する。本明細書に記載される臭素価は、ASTM試験法D1492−96を用いて求められ、そして炭化水素流中に含有されるオレフィン量の指標になる。臭素価が低いほどオレフィンレベルが低いことを示す。
【0023】
蒸留などの任意の適当な手段によって、C10+流を、一分子あたり10個より多い炭素原子を有する炭化水素を含む燃料油と、DCPDを含むDCPD流とに分離することができる。
【0024】
6−C9流を、炭化水素の水素処理のための任意の適当な手段で水素処理し、それによりベンゼン、トルエン及びキシレンを含むBTX流を形成することができる。より具体的には、第一反応ゾーン中、水素の存在下で、C6−C9流を水素化触媒に接触させ、C6−C9流中に含まれるオレフィン類、ジオレフィン類、アルキン類及びスチレンの少なくとも一部を水素化し、それによりC6−C9流より低い臭素価を有する第二流出液を形成することにより、水素処理を達成することができる。
【0025】
第一反応ゾーンは、バッチ・プロセス・ステップ、又は、好ましくは連続プロセスステップとして運転することができる。後者の場合、固体触媒床、移動触媒床又は流動触媒床が採用できる。これら運転モードのいずれも有利な点と不利な点を有し、当業者は、特定の原料及び触媒に対して最適なものを選択できる。
【0026】
水素化触媒は、不飽和炭化水素の水素化に有効な、任意の組成物とすることができる。より具体的には、水素化触媒は、鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金、及びそれらのいずれか二種以上の組合せからなる群より選択されるVIII族金属を含むか、それらからのみからなるか、又はそれらから本質的になる。好ましくは、水素化触媒はパラジウムを含む。
【0027】
第一反応ゾーン中での水素化は、好ましくは不飽和炭化水素の水素化に有効な反応条件下で行われる。反応温度は、より具体的には約100゜Fから約600゜F、好ましくは約150゜Fから約400゜F、そして最も好ましくは150゜Fから370゜Fの範囲にある。接触圧力は、約15psiaから約1000psia、好ましくは約50psiaから約500psia、最も好ましくは150psiaから500psiaの範囲内とすることができる。WHSVは、約0.1hr-1から約40hr-1、好ましくは約0.25hr-1から約20hr-1、そして最も好ましくは1.0hr-1から10hr-1の範囲内とすることができる。炭化水素に対する水素の比率は、1バレルの炭化水素当たりの水素が約10から約5000、好ましくは約20から約2500、そして最も好ましくは100から1000標準立方フィートの範囲内とすることができる。
【0028】
第二流出液は、第二反応ゾーン中、水素の存在下で、水素化脱硫触媒と接触させ、第二流出液中に含有される硫黄含有化合物の少なくとも一部を脱硫し、かつ、第二流出液中に含有されるオレフィン及びジオレフィン化合物の実質的な過半量を飽和させ、それによりBTX流を形成することができる。BTX流は、BTX流の総重量を基準にして、好ましくは約2重量ppmより少ない、より好ましくは約1.5重量ppmより少ない、そして最も好ましくは1.0重量ppmより少ない硫黄を含有する。また、BTX流は、好ましくは約0から約2の範囲、より好ましくは約0から約1、そして最も好ましくは0から0.5の臭素価を有する。
【0029】
第二反応ゾーンは、バッチ・プロセス・ステップ、又は、好ましくは連続プロセスステップとして運転することができる。後者の場合、固体触媒床、移動触媒床又は流動触媒床が採用できる。これら運転モードのいずれも有利な点と不利な点を有し、当業者は、特定の原料及び触媒に対して最適なものを選択できる。
【0030】
水素化脱硫触媒は、硫黄含有炭化水素供給原料の脱硫に有効な任意の組成物とすることができる。より具体的には、水素化脱硫触媒は、鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金及びそれらのいずれか二種以上の組合せからなる群より選択されるVIII族金属、及び、クロム、モリブデン、タングステン及びそれらのいずれか二種以上の組合せからなる群より選択されるVIB族金属を含むか、それらのみからなるか、又はそれらから本質的になることができる。好ましくは、水素化脱硫触媒はニッケル及びモリブデンを含む。
【0031】
第二反応ゾーン中での水素化脱硫は、好ましくは硫黄含有炭化水素の硫黄含有量を低下させるのに有効で、かつ、オレフィン系炭化水素を飽和させるのに有効な反応条件下で行われる。反応温度は、より具体的には約300゜Fから約800゜F、好ましくは約400゜Fから約700゜F、そして最も好ましくは500゜Fから650゜Fの範囲にある。接触圧力は、約15psiaから約1000psia、好ましくは約50psiaから約500psia、最も好ましくは150psiaから500psiaの範囲内とすることができる。WHSVは、約0.1hr-1から約40hr-1、好ましくは約0.25hr-1から約20hr-1、そして最も好ましくは1.0hr-1から10hr-1の範囲内とすることができる。炭化水素に対する水素の比率は、1バレルの炭化水素当たりの水素が約10から約5000、好ましくは約20から約2500、そして最も好ましくは100から1000標準立方フィートの範囲内とすることができる。
【0032】
本発明の第二の態様に従えば、炭化水素供給原料は、上記のように、炭化水素供給原料中に含有されるCPDの少なくとも一部がDCPDへ二量化されるように、加熱ゾーン中にて加熱され、それにより第一流出液が形成される。より具体的には、加熱ゾーン中での加熱は約100゜Fから約450゜F、好ましくは約200゜Fから約400゜F、そして最も好ましくは約200゜Fから300゜Fの範囲の温度で行われる。第一流出液中のCPDの重量%は、第一流出液の総重量を基準にして、好ましくは約2重量%より少なく、より好ましくは約1.5重量%より少なく、そして最も好ましくは1重量%より少ない。
【0033】
次いで、蒸留などの任意の手段によって、第一流出液を、一分子あたり9個より多い炭素原子を有する炭化水素を含むC10+流と、一分子あたり5個以上で9個以下の範囲の炭素原子を有する炭化水素を含むC5−C9流とに分離することができる。
【0034】
5−C9流は、典型的には、C5−C9流の総重量を基準にして、約10重量ppmから約200重量ppm、より典型的には約10重量ppmから100重量ppm、そして最も典型的には10重量ppmから50重量ppmの範囲の硫黄を含有する。また、C5−C9流は、典型的には、約10から約200、より典型的には約10から約100、そして最も典型的には10から60の範囲の臭素価を有する。
【0035】
蒸留などの任意の適当な手段によって、C10+流は、一分子あたり10個より多い炭素原子を有する炭化水素を含む燃料油流とDCPD流とに分離することができる。
【0036】
5−C9流は、第一反応ゾーン中、水素の存在下で、選択的水素化触媒に接触させ、C5−C9流中に含有されるジオレフィン類、アルキン類及びスチレンの少なくとも一部を水素化させ、それによりC5−C9流より低い臭素価を有する第二流出液を形成することができる。
【0037】
第一反応ゾーンはバッチ・プロセス・ステップ、又は、好ましくは連続プロセスステップとして運転することができる。後者の場合、固体触媒床、移動触媒床又は流動触媒床が採用できる。これら運転モードのいずれも有利な点と不利な点を有し、当業者は、特定の原料及び触媒に対して最適なものを選択できる。
【0038】
選択的水素化触媒は、C5ジオレフィン類をC5オレフィン類に選択的に水素化するのに有効な任意の組成物とすることができる。より具体的には、選択的水素化触媒は、金属パラジウム、パラジウムオキシド及びそれらのいずれか二種以上の組合せからなる群より選択されるパラジウム含有物質を含む第一成分、及び、銀又はハロゲン化アルカリ金属からなる群より選択される第二成分を含むか、それらのみからなり、又はそれらから本質的になることができる。第二成分が銀の場合、弗化アルカリ金属を用いて上記触媒を更に活性化することができる。好適な選択的水素化触媒及びその調製方法が、米国特許第5,866,735号及び米国特許第5,510,550号(それぞれ本明細書の記載の一部とする)に開示されている。選択的水素化触媒は、好ましくは、パラジウム、銀及び弗化カリウム、又は、パラジウム及び沃化カリウムを含む。本明細書にいうアルカリ金属には、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム及びフランシウムが含まれる。
【0039】
第一反応ゾーン中での水素化は、好ましくは、不飽和炭化水素の水素化に有効な反応条件下で行われる。反応温度は、より具体的には約100゜Fから約600゜F、好ましくは約150゜Fから約400゜F、そして最も好ましくは150゜Fから370゜Fの範囲にある。接触圧力は、約15psiaから約1000psia、好ましくは約50psiaから約500psia、最も好ましくは150psiaから500psiaの範囲内とすることができる。WHSVは、約0.1hr-1から約40hr-1、好ましくは約0.25hr-1から約20hr-1、そして最も好ましくは1.0hr-1から10hr-1の範囲内とすることができる。炭化水素に対する水素の比率は、1バレルの炭化水素当たりの水素が約10から約5000、好ましくは約20から約2500、そして最も好ましくは100から1000標準立方フィートの範囲内とすることができる。
【0040】
蒸留などの任意の適当な手段によって、第二流出液は、一分子あたり6個以上で9個以下の範囲の炭素原子を有する炭化水素を含むC6−C9流と、C5オレフィン類を含むC5オレフィン流とに分離することができる。
【0041】
6−C9流は、第一の態様中で述べたように、第二反応ゾーン中、水素の存在下で、水素化脱硫触媒と接触させ、C6−C9流中に含有される硫黄含有化合物の少なくとも一部を脱硫し、かつ、C6−C9流中に含まれる実質的に過半量のオレフィン及びジオレフィン化合物を飽和させ、それによりベンゼン、トルエン及びキシレンを含むBTX流を形成することができる。BTX流は、BTX流の総重量を基準にして、好ましくは約2重量ppmより少ない、より好ましくは約1.5重量ppmより少ない、そして最も好ましくは1.0重量ppmより少ない硫黄を含有する。また、BTX流は、好ましくは約0から約2、より好ましくは約0から約1、そして最も好ましくは0から0.5の範囲の臭素価Bを有する。
【0042】
第二反応ゾーンはバッチ・プロセス・ステップ、又は、好ましくは連続プロセスステップとして運転することができる。後者の場合、固体触媒床、移動触媒床又は流動触媒床が採用できる。これら運転モードのいずれも有利な点と不利な点を有し、当業者は、特定の原料及び触媒に対して最適なものを選択できる。
【0043】
第二反応ゾーン中での水素化脱硫は、好ましくは硫黄含有炭化水素の硫黄含有量を低下させるのに有効で、かつ、オレフィン系炭化水素を飽和させるのに有効な反応条件下で行われる。反応温度は、より具体的には約300゜Fから約800゜F、好ましくは約400゜Fから約700゜F、そして最も好ましくは500゜Fから650゜Fの範囲にある。接触圧力は、約15psiaから約1000psia、好ましくは約50psiaから約500psia、最も好ましくは150psiaから500psiaの範囲内とすることができる。WHSVは、約0.1hr-1から約40hr-1、好ましくは約0.25hr-1から約20hr-1、そして最も好ましくは1hr-1から10hr-1の範囲内とすることができる。炭化水素に対する水素の比率は、1バレルの炭化水素当たりの水素が約10から約5000、好ましくは約20から約2500、そして最も好ましくは100から1000標準立方フィートの範囲内とすることができる。
【0044】
本発明の第三の態様に従えば、DCPDを含む炭化水素供給原料からDCPDを回収することができる。炭化水素供給原料は、第一の態様からのC6+流、第二の態様からの第一流出液、又は、限定はされないが上記の熱分解ガソリンなどのDCPDを含む任意の炭化水素流とすることができる。
【0045】
第一分離塔、第一塔頂凝縮器及び第一リボイラーを準備する。第一分離塔は、上部、下部及び中間部を有する第一分離ゾーンを画する。第一分離ゾーンの中間部は、少なくとも約50段の理論段、好ましくは少なくとも約55段の理論段、そして最も好ましくは少なくとも60段の理論段を含む。
【0046】
第二分離塔、第二塔頂凝縮器及び第二リボイラーを準備する。第二分離塔は、上部、下部及び中間部を有する第二分離ゾーンを画する。第二分離ゾーンの中間部は少なくとも約9段の理論段、好ましくは少なくとも約10段の理論段、そして最も好ましくは少なくとも11段の理論段を含む。
【0047】
炭化水素供給原料は、第一分離ゾーンの中間部へ導入することができる。炭化水素供給原料が第一分離ゾーンの中間部へ導入される理論段の位置は、約10から約30、好ましくは約10から約20、そして最も好ましくは15から20段の範囲内とすることができる。C9−炭化水素(一分子あたり10個より少ない炭素原子を有する炭化水素)を含み、かつ、約0.5psiaから約3.0psia、好ましくは約0.5psiaから約2.0psia、そして最も好ましくは1.0psiaから1.5psiaの範囲の圧力と、約160゜Fから約200゜F、好ましくは約170゜Fから約200゜F、そして最も好ましくは180゜Fから200゜Fの範囲の温度とを有する第一蒸気状塔頂流は、第一分離塔の上部から第一塔頂凝縮器に通され、そこにおいて、第一蒸気状塔頂流の少なくとも一部が凝縮され、それにより第一凝縮液が形成される。第一凝縮液は、約50゜Fから約90゜F、より好ましくは約50゜Fから約80゜F、そして最も好ましくは50゜Fから70゜Fの範囲の温度を有する。
【0048】
第一凝縮液の少なくとも一部は、第一分離ゾーンの上部に、約0.1から約1.0、好ましくは約0.2から約0.7、そして最も好ましくは0.3から0.5の範囲の還流比で還流することができる。本明細書にいう還流比は、第一分離塔の上部に戻される凝縮液の容積を、分離塔に戻されない残りの凝縮液の容積で除した値をいう。第一凝縮器の(還流されない)残りの部分は、更なる処理のために後工程に通すことができる。第一凝縮器の残りの部分は、第一の態様におけるC6−C9流、又は、第二の態様におけるC5−C9流を表す。
【0049】
10+炭化水素を含む第一底部液流は、第一分離塔の下部から第一リボイラーに通され、そこで第一底部液流の少なくとも一部が再沸騰され、それにより約210゜Fから約250゜F、好ましくは約210゜Fから約240゜F、そして最も好ましくは220゜Fから230゜Fの範囲の温度で第一再沸騰流が形成される。
【0050】
第一再沸騰流は、第一分離ゾーンの下部に導入することができる。第一及び第二の両態様におけるC10+流を表わす第一底部液流の残りの部分は、第二分離ゾーンの中間部に導入することができる。第一底部液流の残りの部分が第二分離ゾーンの中間部に導入される理論段の位置は、約2から約8、好ましくは約3から約7、そして最も好ましくは4から6の範囲内とすることができる。
【0051】
DCPDを含み、約0.1psiaから約2.0psia、好ましくは約0.2psiaから約1.0psia、そして最も好ましくは0.3psiaから0.6psiaの範囲の圧力と、約160゜Fから約200゜F、好ましくは約180゜Fから約200゜F、そして最も好ましくは190゜Fから200゜Fの範囲の温度とを有する第二蒸気状塔頂流は、第二分離塔の上部から第二塔頂凝縮器に通され、そこで第二蒸気状塔頂流の少なくとも一部を凝縮し、それにより第二凝縮液が形成される。第二凝縮液は、約70゜Fから約100゜F、好ましくは約80゜Fから約100゜F、そしてより好ましくは90゜Fから100゜Fの範囲の温度を有する。
【0052】
第二凝縮液の少なくとも一部は、第二分離ゾーンの上部に、約0.1から約1.0、好ましくは約0.2から約0.7、そして最も好ましくは0.3から0.5の範囲の還流比で還流することができる。第二凝縮液の(還流されない)残りの部分は、更なる処理のために後工程に通すことができる。第二凝縮器の残りの部分は、第一及び第二の両態様におけるジシクロペンタジエン流を表す。
【0053】
燃料油を含む第二底部液流は、第二分離塔の下部から第二リボイラーに通され、そこで第二底部液流の少なくとも一部が再沸騰され、それにより約190゜Fから約240゜F、好ましくは約190゜Fから約220゜F、そして最も好ましくは190゜Fから210゜Fの範囲の温度で第二再沸騰流が形成される。
【0054】
第二再沸騰流は、第二分離ゾーンの下部に導入することができる。第二底部液流の残りの部分は、第一及び第二の両態様における燃料油流を表わす。
【0055】
第一、第二又は第三の態様において生成されるDCPD流は、DCPD流総重量を基準にして、少なくとも約70重量%のDCPD、好ましくは少なくとも約75重量%のDCPD、そして最も好ましくは少なくとも80重量%のDCPDを含むことができ、そして、約30より小さい、好ましくは約28より小さい、そして最も好ましくは25より小さい白金/コバルト色番号を有する。本明細書にいう白金/コバルト色番号は、ASTM法D−1209に従って測定される液の色として定義される。
【0056】
DCPDその他の炭化水素化合物と酸素又は錆びとの反応からの着色物が生成するのを防止するために、第一分離塔、第一塔頂凝縮器、第一リボイラー、第二分離塔、第二塔頂凝縮器及び第二リボイラーは、錆び及び酸素が実質的に存在しない状態で運転しなければならない。より具体的には、第一分離塔、第一塔頂凝縮器、第一リボイラー、第二分離塔、第二塔頂凝縮器及び第二リボイラー、及び任意の付帯装置は、気密モードで運転することが好ましい。また、第一分離塔、第一塔頂凝縮器、第一リボイラー、第二分離塔、第二塔頂凝縮器、第二リボイラー、及び任意の付帯装置は、本発明の方法において使用する前に化学的又はそれ以外の方法で清掃し、それらの中に含まれる実質的に全ての錆びを除去することが好ましい。
【0057】
本発明の方法を、以下に図を参照しながら説明する。
【0058】
図1は本発明の第一の態様であるが、これを参照すると、炭化水素供給原料は導管102を介して、加熱ゾーンを画している容器100に入り、それにより第一流出液が形成される。第一流出液は、導管104を介して容器100から移送される。次いで、第一流出液は、導管104を介して第一分離ゾーンを画している第一分離塔106に導入され、C6+流とC5ジオレフィン流とに分離される。C5ジオレフィン流は、導管108を介して第一分離塔106から移送され、C6+流は導管110を介して第一分離塔106から移送される。次に、C6+流は、第二分離ゾーンを画している第二分離塔112に導管110を介して導入され、C6−C9流とC10+流とに分離される。C6−C9流は、導管114を介して第二分離塔112から移送され、C10+流は、導管116を介して第二分離塔112から移送される。その後、C6−C9流及び水素流は、それぞれ導管114及び120を介して、第一反応ゾーンを画している第一反応器118に投入され、第一反応ゾーン内に含有される水素化触媒と接触し、それにより第二流出液が形成される。第二流出液は、導管122を介して第一反応器118から移送される。次いで、第二流出液及び水素流は、それぞれ導管122及び126を介して、第二反応ゾーンを画している第二反応器124に投入され、第二反応ゾーン内に含有される水素化脱硫触媒と接触し、それによりBTX流が形成される。BTX流は、導管128を介して第二反応器124から移送される。
【0059】
10+流は、導管116を介して、第三分離ゾーンを画している第三分離塔130に導入され、DCPD流と燃料油流とに分離される。DCPD流は、導管132を介して第三分離塔130から移送され、燃料油流は導管134を介して第三分離塔130から移送される。
【0060】
図2は本発明の第二の態様であるが、これを参照すると、炭化水素供給原料は、導管202を介して、加熱ゾーンを画している容器200に入り、それにより第一流出液が形成される。第一流出液は、導管204を介して容器200から移送される。次いで、第一流出液は、導管204を介して第一分離ゾーンを画している第一分離塔206に導入され、C5−C9流とC10+流とに分離される。C5−C9流は、導管208を介して第一分離塔206から移送され、C10+流は、導管210を介して第一分離塔206から移送される。次に、C5−C9流及び水素流は、それぞれ導管208及び214を介して、第一反応ゾーンを画している第一反応器212に投入され、第一反応ゾーン内に含有される水素化触媒と接触し、それにより第二流出液が形成される。第二流出液は、導管216を介して第一反応器212から移送する。次いで、第二流出液は、導管216を介して第二分離ゾーンを画している第二分離塔218に導入され、C6−C9流とC5オレフィン流とに分離される。C5オレフィン流は、導管220を介して第二分離塔218から移送され、C6−C9流は、導管222を介して第二分離塔218から移送される。次いで、C6−C9流及び水素流は、それぞれ導管222及び226を介して第二反応ゾーンを画している第二反応器224に投入され、第二反応ゾーン内に含有される水素化脱硫触媒と接触し、それによりBTX流が形成され、それは導管228を介して第二反応器224から移送される。
【0061】
10+流は、導管210を介して、第三分離ゾーンを画している第三分離塔230に導入され、DCPD流と燃料油流とに分離される。DCPD流は、導管232を介して第三分離塔230から移送され、燃料油流は、導管234を介して第三分離塔230から移送される。
【0062】
図3は本発明の第三の態様であるが、これを参照すると、第一の態様からのC6+流、第二の態様からの第一流出液、又は、DCPDを含む任意の炭化水素供給原料であり得る炭化水素供給原料は、導管302を介して、上部304、下部306及び中間部308を有する第一分離ゾーンを画している第一分離塔300に入る。炭化水素供給原料は、中間部308において第一分離塔300に入る。第一蒸気状塔頂流は、導管312を介して、上部304から第一塔頂凝縮器310に通され、そこにおいて、第一蒸気状塔頂流の少なくとも一部が凝縮され、それにより第一凝縮液が形成される。第一凝縮液の少なくとも一部は、導管314を介して上部304に還流される。第一凝縮液の残りの部分は、更なる処理のために導管316を介して後工程に通される。第一底部液流は、導管320を介して、下部306から第一リボイラー318に通され、そこで第一底部液流の少なくとも一部が再沸騰され、それにより第一再沸騰流が形成される。第一再沸騰流は、導管322を介して下部306に導入される。第一底部液流の残りの部分は、導管324を介して第一リボイラー318から移送され、上部328、下部330及び中間部332を有する第二分離ゾーンを画している第二分離塔326に投入される。第一底部液流の残りの部分は、中間部332において第二分離塔326に入る。第二蒸気状塔頂流は、導管336を介して、上部328から第二塔頂凝縮器334に通され、そこで、第二蒸気状塔頂流の少なくとも一部が凝縮され、それにより第二凝縮液が形成される。第二凝縮液の少なくとも一部は、導管338を介して上部328に還流される。第二凝縮液の残りの部分は、導管340を介して回収され、それによりDCPD流が形成される。第二底部液流は、導管344を介して、下部330から第二リボイラー342に通され、そこにおいて第二底部液流の少なくとも一部が再沸騰され、それにより第二再沸騰流が形成される。第二再沸騰流は、導管346を介して下部330に導入される。第二底部液流の残りの部分は、導管348を介して第二リボイラー342から回収され、それにより燃料油流が形成される。
【実施例】
【0063】
以下の例は、本発明を更に説明するために提供されるものであり、本発明の範囲を不当に制限するものと考えるべきではない。
【0064】

本例は、上記した本発明の方法を第一及び第三の態様として用いた、熱分解ガソリン流の改質を説明するものである。
【0065】
化学工場における貯蔵タンクからの熱分解ガソリン流を、入口温度約246゜F、出口温度約271゜Fにて加熱ゾーン(二量化設備)に投入し、それにより第一流出液を形成した。次いで、第一分離塔(脱ペンタン塔)において第一流出液をC5ジオレフィン流とC6+流とに分離した。次に、C6+流を、下部、上部、及び、構造化充填物(structured packing)を含有し、理論段数58の中間部を有する第二分離塔に投入した。第一流出液を中間部へ投入した位置は、約15番目の理論段であった。第二分離塔の上部の第一蒸気状塔頂流の圧力は約1.2psia、温度は189゜Fであった。第二分離塔の塔頂凝縮器は第一蒸気状塔頂流を凝縮させ、約55゜Fの温度の凝縮液を生成させ、還流比約0.30の還流を与えた。第二分離塔のリボイラーは約227゜Fで運転された。C6−C9流を第二分離塔の凝縮器から移送し、C10+流を第二分離塔のリボイラーから移送した。次に、C10+流を、下部、上部、及び、構造化充填物を含み理論段数9の中間部を有する第三分離塔に投入した。C10+流を中間部へ投入した位置は、約6番目の理論段であった。第三分離塔の上部における第二蒸気状塔頂流の圧力は約1.6psia、温度は189゜Fであった。第三分離塔の塔頂凝縮器は第二蒸気状塔頂流を凝縮させ、約94゜Fの温度の凝縮液を生成させ、還流比約0.44の還流を与えた。第三分離塔のリボイラーは約198.5゜Fの温度で運転された。DCPD流を第三分離塔の凝縮器から移送し、燃料油流を第三分離塔のリボイラーから移送した。
【0066】
第二分離塔からのC6−C9流を、予備分別された原料ガソリン流(予備分別ガソリン)と合わせて合体流を形成させ、この合体流を、水素の存在下、約375psiaの圧力にて、入口温度166゜Fの反応器中において、0.75重量%のパラジウムを含有する水素化触媒(Engelhard Corporation、Iselin、NJからE347の製品登録名で入手した)と接触させた。反応器内の温度分布は、反応器の流出液の一部を熱交換器で冷却してから反応器の中央部分へリサイクルすることによって制御される。リサイクル率は、出口温度を約270゜Fに保持するように調節する。反応器の出口におけるこの部分水素化された合体流は第二流出液を構成する。第二流出液を、水素の存在下、約345psiaの圧力、入口温度約550゜F、出口温度約610゜Fにて、ニッケルとモリブデンを含む水素化脱硫触媒(Akzo Nobel NV、Arnhem、NLからKF840の製品登録名で入手した)と接触させ、それによりBTX流を生産した。熱分解ガソリン流、第一流出液、C5ジオレフィン流、C6−C9流、予備分別ガソリン、DCPD流、合体流、第二流出液及びBTX流をガスクロマトグラフィーで組成解析して、合計が100重量%又は100液容量%になるように正規化した結果を表に示す。
【0067】
【表1】

【0068】
表のデータから、C5オレフィン類、C5ジオレフィン類、CPD、DCPD及び芳香族類(BTX)を含む炭化水素供給原料を改質するための方法により、精製DCPD流(83.72重量%のDCPD)、精製C5ジオレフィン流(87.41重量%のC5ジオレフィン類)及び精製BTX流(73.05液容量%のベンゼン及びトルエン)が製造されることが直ちに明らかである。
【0069】
また、本発明の方法によって製造されたDCPD流は、白金/コバルト色番21を有し、DCPD製品流の典型的な仕様である30よりも十分低い。
【0070】
更に、BTX流の総硫黄量は、合体流の総硫黄量よりも99.5%低く、しかも、BTX流の臭素価は、合体流の臭素価よりも98.0%低く、BTX流中のオレフィン濃度がはるかに低いことを示した。
【0071】
合理的な変更、修正及び適合化を、この発明の範囲から逸脱することなく、本開示及び添付の特許請求の範囲の枠内で行うことが可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
CPD、DCPD、C5ジオレフィン類、ベンゼン、トルエン及びキシレンを含む炭化水素供給原料を加熱ゾーン中で加熱してCPDをDCPDに二量化する工程、
10+流を分離する工程、及び
上記C10+流を燃料油流及びDCPDを含むDCPD流とに分離する工程
を含む、炭化水素を改質するための方法。
【請求項2】
a)CPD、DCPD、C5ジオレフィン類、ベンゼン、トルエン及びキシレンを含む炭化水素供給原料を加熱ゾーン中で加熱してCPDをDCPDに二量化し、それにより第一流出液を形成する工程、
b)上記第一流出液をC6+流とC5ジオレフィン類を含むC5ジオレフィン流とに分離する工程、
c)上記C6+流をC6−C9流とC10+流とに分離する工程、
d)上記C10+流を燃料油流とDCPDを含むDCPD流とに分離する工程、及び
e)上記C6−C9流を水素化処理し、それによりベンゼン、トルエン及びキシレンを含むBTX流を形成する工程、
を含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
工程e)が、
上記C6−C9流を、第一反応ゾーン中、水素の存在下で水素化触媒と接触させて、上記C6−C9流中に含まれるオレフィン類、ジオレフィン類、アルキン類及びスチレンの少なくとも一部を水素化し、それにより第二流出液を形成する工程、及び
上記第二流出液を、第二反応ゾーン中、水素の存在下で水素化脱硫触媒と接触させて、硫黄含有化合物の少なくとも一部を脱硫し、かつ、上記流出液中に含有される実質的に過半量のオレフィン化合物を飽和し、それにより上記BTX流を形成する工程、
を含むことを更に特徴とする、請求項2記載の方法。
【請求項4】
上記水素化触媒が、鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金及びそれらのいずれか二種以上の組合せからなる群より選択されるVIII族金属を含む、請求項3記載の方法。
【請求項5】
上記水素化脱硫触媒が、鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金及びそれらのいずれか二種以上の組合せからなる群より選択されるVIII族金属と、クロム、モリブデン、タングステン及びそれらのいずれか二種以上の組合せからなる群より選択されるVIB族金属とを含む、請求項3記載の方法。
【請求項6】
上記水素化脱硫触媒がニッケル及びモリブデンを含む、請求項3記載の方法。
【請求項7】
工程a)における加熱が約100°Fから約450°Fの範囲の温度で行われる、請求項2記載の方法。
【請求項8】
工程c)が、
分離塔、塔頂凝縮器及びリボイラーを準備する工程であって、上記分離塔が上部、下部及び中間部を有する分離ゾーンを画するものであり、当該分離ゾーンの中間部が少なくとも約50段の理論段を含むものである工程、
上記分離塔、上記塔頂凝縮器及び上記リボイラーに含有される、実質的に全ての錆びを除去する工程、
上記分離ゾーンの中間部に上記C6+流を導入する工程、
6−C9炭化水素を含み、かつ、約3.44kPaから約20.7kPa(約0.5psiaから約3.0psia)の範囲の圧力と、約71.1℃から約93.3℃(約160゜Fから約200゜F)の範囲の温度とを有する蒸気状塔頂流を、上記分離塔の上部から上記塔頂凝縮器に通す工程、
上記塔頂凝縮器中の蒸気状塔頂流の少なくとも一部を凝縮し、それにより約10℃から約32.2℃(約50゜Fから約90゜F)の範囲の温度を有する凝縮液を形成する工程、
上記凝縮液の少なくとも一部を、上記塔頂凝縮器から上記分離塔の上部に還流する工程、
10+炭化水素を含む底部液流を、上記分離塔の下部から上記リボイラーに通す工程、
上記底部液流の少なくとも一部を、上記リボイラー中において、約98.8℃から約121.1℃(約210゜Fから約250゜F)の範囲の温度で再沸騰させ、それにより再沸騰流を形成する工程、
上記再沸騰流を上記分離ゾーンの下部に導入する工程、
上記底部液流の残りの部分を上記リボイラーから回収し、それにより上記C10+流を形成する工程、及び
上記凝縮液の残りの部分を上記塔頂凝縮器から回収し、それにより上記C6−C9流を形成する工程、
を含むことを更に特徴とする、請求項2記載の方法。
【請求項9】
工程d)が、
分離塔、塔頂凝縮器及びリボイラーを準備する工程であって、上記分離塔が上部、下部及び中間部を有する分離ゾーンを画するものであり、上記分離ゾーンの中間部が少なくとも約9段の理論段を含むものである工程、
上記分離塔、上記塔頂凝縮器及び上記リボイラーに含有される、実質的に全ての錆びを除去する工程、
上記分離ゾーンの中間部に上記C10+流を導入する工程、
DCPDを含み、かつ、約0.689kPaから約13.78kPa(約0.1psiaから約2.0psia)の範囲の圧力と、約71.1℃から約93.3℃(約160゜Fから約200゜F)の範囲の温度とを有する蒸気状塔頂流を、上記分離ゾーンの上部から上記塔頂凝縮器に通す工程、
上記塔頂凝縮器中の蒸気状塔頂流の少なくとも一部を凝縮し、それにより約26.7℃から約37.8℃(約80゜Fから約100゜F)の範囲の温度を有する凝縮液を形成する工程、
上記凝縮液の少なくとも一部を、上記分離ゾーンの上部に還流する工程、
底部液流を、上記分離ゾーンの下部から上記リボイラーに通す工程、
上記リボイラー中の底部液流の少なくとも一部を、約87.8℃から約115.5℃(約190゜Fから約240゜F)の範囲の温度で再沸騰させ、それにより再沸騰流を形成する工程、
上記再沸騰流を上記分離ゾーンの下部に導入する工程、
上記凝縮液の残りの部分を上記塔頂凝縮器から回収し、それによりDCPDを含むDCPD流を形成する工程、及び
上記底部液流の残りの部分を上記リボイラーから回収し、それにより上記燃料油を形成させる工程、
を含むことを更に特徴とする、請求項2記載の方法。
【請求項10】
a)CPD、DCPD、C5ジオレフィン類、ベンゼン、トルエン及びキシレンを含む炭化水素供給原料を加熱ゾーン中で加熱して、CPDをDCPDに二量化し、それにより第一流出液を形成する工程、
b)上記第一流出液をC5−C9流及びC10+流に分離する工程、
c)上記C10+流を燃料油流とDCPDを含むDCPD流とに分離する工程、
d)第一反応ゾーン中、水素の存在下において、上記C5−C9流を選択的水素化触媒と接触させて、上記C5−C9流中に含有されるジオレフィン類、アルキン類及びスチレンの少なくとも一部を水素化し、それにより第二流出液を形成する工程、
e)上記第二流出液を、C6−C9流とC5オレフィンを含むC5オレフィン流とに分離する工程、
f)第二反応ゾーン中、水素の存在下において、上記C6−C9流を水素化脱硫触媒と接触させて、上記C6−C9流中に含有される硫黄含有化合物の少なくとも一部を脱硫し、かつ、上記C6−C9流中に含有される実質的に過半量のオレフィン化合物を飽和させ、それによりベンゼン、トルエン及びキシレンを含むBTX流を形成する工程、
を含む、請求項1記載の方法:
【請求項11】
上記選択的水素化触媒が、金属パラジウム、パラジウムオキシド及びそれらのいずれか二種以上の組合せからなる群より選択されるパラジウム含有物質、及び、銀、ハロゲン化アルカリ金属及びそれらのいずれか二種以上の組合せからなる群より選択される成分を含む、請求項10記載の方法。
【請求項12】
上記選択的水素化触媒が、金属パラジウム、パラジウムオキシド及びそれらのいずれか二種以上の組合せからなる群より選択されるパラジウム含有物質、及び、沃化アルカリ金属を含む、請求項10記載の方法。
【請求項13】
上記水素化触媒がパラジウム、銀及び弗化カリウムを含む、請求項10記載の方法。
【請求項14】
上記選択的水素化触媒が、パラジウム金属、パラジウムオキシド類及びそれらのいずれか二種以上の組合せからなる群より選択されるパラジウム含有物質、及び、沃化カリウムを含む、請求項10記載の方法。
【請求項15】
上記水素化脱硫触媒が、鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金及びそれらのいずれか二種以上の組合せからなる群より選択されるVIII族金属、及び、クロム、モリブデン、タングステン及びそれらのいずれか二種以上の組合せからなる群より選択されるVIB族金属を含む、請求項10記載の方法。
【請求項16】
上記水素化脱硫触媒がニッケル及びモリブデンを含む、請求項10記載の方法。
【請求項17】
工程a)における加熱が約37.7℃から約232℃(約100°Fから約450°F)の範囲の温度で行われる、請求項10記載の方法。
【請求項18】
工程b)が、
分離塔、塔頂凝縮器及びリボイラーを準備する工程であって、上記分離塔が上部、下部及び中間部を有する分離ゾーンを画するものであり、上記分離ゾーンの中間部が少なくとも約50段の理論段を含むものである工程、
上記分離塔、上記塔頂凝縮器及び上記リボイラーに含有される実質的に全ての錆びを除去する工程、
上記第一流出液を上記分離ゾーンの中間部に導入する工程、
5−C9炭化水素を含み、かつ、約3.45kPaから約20.67kPa(約0.5psiaから約3.0psia)の範囲の圧力と、約71.1℃から約93.3℃(約160゜Fから約200゜F)の範囲の温度とを有する蒸気状塔頂流を、上記分離塔の上部から上記塔頂凝縮器に通す工程、
上記塔頂凝縮器中の蒸気状塔頂流の少なくとも一部を凝縮させ、それにより約10℃から約32.2℃(約50゜Fから約90゜F)の範囲の温度を有する凝縮液を形成する工程、
上記凝縮液の少なくとも一部を、上記塔頂凝縮器から上記分離ゾーンの上部に還流する工程、
10+炭化水素を含む底部液流を上記分離塔の下部から上記リボイラーに通す工程、
上記リボイラー中の底部液流の少なくとも一部を、約98.8℃から約121.1℃(約210゜Fから約250゜F)の範囲の温度で再沸騰させ、それにより再沸騰流と上記第一底部液流の残りの部分とを形成する工程、
上記再沸騰流を上記分離ゾーンの下部に導入する工程、
上記底部液流の残りの部分を上記リボイラーから回収し、それにより上記C10+流を形成する工程、及び
上記凝集液の残りの部分を上記塔頂凝縮器から回収し、それにより上記C5−C9流を形成する工程、
を含むことを更に特徴とする、請求項10記載の方法。
【請求項19】
工程c)が、
分離塔、塔頂凝縮器及びリボイラーを準備する工程であって、上記分離塔が上部、下部及び中間部を有する分離ゾーンを画するものであり、上記分離ゾーンの中間部が少なくとも約9段の理論段を含むものである工程、
上記分離塔、上記塔頂凝縮器及び上記リボイラーに含有される実質的に全ての錆びを除去する工程、
上記分離ゾーンの中間部に上記C10+流を導入する工程、
DCPDを含み、かつ、約0.689kPaから約13.78kPa(約0.1psiaから約2.0psia)の範囲の圧力と、約71.1℃から約93.3℃(約160゜Fから約200゜F)の範囲の温度とを有する蒸気状塔頂流を、上記分離ゾーンの上部から上記塔頂凝縮器に通す工程、
上記塔頂凝縮器中の蒸気状塔頂流の少なくとも一部を凝縮させ、それにより約26.7℃から約37.8℃(約80゜Fから約100゜F)の範囲の温度を有する凝縮液を形成する工程、
上記凝縮液の少なくとも一部を、上記分離ゾーンの上部に還流する工程、
底部液流を上記分離ゾーンの下部から上記リボイラーに通す工程、
上記リボイラー中の底部液流の少なくとも一部を、約87.8℃から約115.5℃(約190゜Fから約240゜F)の範囲の温度で再沸騰させ、それにより再沸騰流を形成する工程、
上記再沸騰流を上記分離ゾーンの下部に導入する工程、
上記凝縮液の残りの部分を上記塔頂凝縮器から回収し、それにより上記DCPDを含むDCPD流を形成する工程、及び
上記底部液流の残りの部分を上記リボイラーから回収し、それにより上記燃料油流を形成する工程、
を含むことを更に特徴とする、請求項10記載の方法。
【請求項20】
a)第一分離塔、第一塔頂凝縮器及び第一リボイラーを準備する工程であって、上記第一分離塔が上部、下部及び中間部を有する第一分離ゾーンを画するものであり、上記第一分離ゾーンの中間部が少なくとも約50段の理論段を含むものである工程、
b)第二分離塔、第二塔頂凝縮器及び第二リボイラーを準備する工程であって、上記第二分離塔が上部、下部及び中間部を有する第二分離ゾーンを画するものであり、上記第二分離ゾーンの中間部が少なくとも約9段の理論段を含むものである工程、
c)DCPDを含む炭化水素供給原料を上記第一分離ゾーンの中間部に導入する工程、
d)C9−炭化水素を含み、かつ、約3.45kPaから約20.67kPa(約0.5psiaから約3.0psia)の範囲の圧力と、約71.1℃から約93.3℃(約160゜Fから約200゜F)の範囲の温度とを有する第一蒸気状塔頂流を、上記第一分離塔の上部から上記第一塔頂凝縮器に通す工程、
e)上記第一塔頂凝縮器中の第一蒸気状塔頂流の少なくとも一部を凝縮させ、それにより約10℃から約32.2℃(約50゜Fから約90゜F)の範囲の温度を有する第一凝縮液を形成する工程、
f)上記第一凝縮液の少なくとも一部を、上記第一塔頂凝縮器から上記第一分離ゾーンの上部に還流する工程、
g)C10+炭化水素を含む第一底部液流を、上記第一分離塔の下部から上記第一リボイラーに通す工程、
h)上記第一リボイラー中の第一底部液流の少なくとも一部を、約98.8℃から約121.1℃(約210゜Fから約250゜F)の範囲の温度で再沸騰させ、それにより第一再沸騰流と上記第一底部液流の残りの部分とを形成する工程、
i)上記第一再沸騰流を上記第一分離ゾーンの下部に導入する工程、
j)上記第一底部液流の残りの部分を上記第二分離ゾーンの中間部に通す工程、
k)DCPDを含み、かつ、約0.689kPaから約13.78kPa(約0.1psiaから約2.0psia)の範囲の圧力と、約71.1℃から約93.3℃(約160゜Fから約200゜F)の範囲の温度とを有する第二蒸気状塔頂流を、上記第二分離ゾーンの上部から上記第二塔頂凝縮器に通す工程、
l)上記第二塔頂凝縮器中の第二蒸気状塔頂流の少なくとも一部を凝縮させ、それにより約26.7℃から約37.8℃(約80゜Fから約100゜F)の範囲の温度を有する第二凝縮液を形成する工程、
m)上記第二凝縮液の少なくとも一部を上記第二分離ゾーンの上部に還流し、それにより上記第二凝縮液の残りの部分を形成する工程、
n)燃料油を含む第二底部液流を、上記第二分離ゾーンの下部から上記第二リボイラーに通す工程、
o)上記第二リボイラー中の第二底部液流の少なくとも一部を、約87.8℃から約115.5℃(約190゜Fから約240゜F)の範囲の温度で再沸騰させ、それにより第二再沸騰流を形成する工程、
p)上記第二再沸騰流を上記第二分離ゾーンの下部に導入する工程、及び
q)上記第二凝縮液の残りの部分を上記第二塔頂凝縮器から回収し、それによりDCPD流を形成する工程、
を含む、炭化水素供給原料からDCPDを回収するための方法。
【請求項21】
上記第一分離ゾーンの中間部が少なくとも約55段の理論段を含み、工程d)における上記第一蒸気状塔頂流の圧力が約3.45kPaから約13.78kPa(約0.5psiaから約2.0psia)の範囲にあり、工程d)における上記第一蒸気状塔頂流の温度が約76.6℃から約93.3℃(約170゜Fから約200゜F)の範囲にあり、工程h)における上記温度が約98.8℃から約115.5℃(約210゜Fから約240゜F)の範囲にあり、上記第二分離ゾーンの中間部が少なくとも約10段の理論段を含み、工程k)における上記第二蒸気状塔頂流の圧力が1.378kPaから約6.89kPa(約0.2psiaから約1.0psia)の範囲にあり、工程k)における上記第二蒸気状塔頂流の温度が約82.2℃から約93.3℃(約180゜Fから約200゜F)の範囲にあり、かつ、工程o)における上記温度が約93.3℃から約104.4℃(約200゜Fから約220゜F)の範囲にある、請求項20記載の方法。
【請求項22】
上記第一分離ゾーンの中間部が少なくとも60段の理論段を含み、工程d)における上記第一蒸気状塔頂流の圧力が6.89kPaから10.33kPa(1.0psiaから1.5psia)の範囲にあり、工程d)における上記第一蒸気状塔頂流の温度が82.2℃から約93.3℃(180゜Fから200゜F)の範囲にあり、工程h)における上記温度が約104.4℃から約110℃(220゜Fから230゜F)の範囲にあり、上記第二分離ゾーンの中間部が少なくとも11段の理論段を含み、工程k)における上記第二蒸気状塔頂流の圧力が2.06kPaから4.12kPa(0.3psiaから0.6psia)の範囲にあり、工程k)における上記第二蒸気状塔頂流の温度が87.7℃から約93.3℃(190゜Fから約200゜F)の範囲にあり、かつ、工程o)における上記温度が93.3℃から約98.8℃(200゜Fから210゜F)の範囲にある、請求項20記載の方法。
【請求項23】
上記炭化水素供給原料流が、上記第一分離ゾーンの中間部に、約10から約30段の範囲にある理論段の位置において導入される、請求項20記載の方法。
【請求項24】
上記第一底部液流の残りの部分が、上記第二分離ゾーンの中間部に、約2から約8段の範囲にある理論段の位置において導入される、請求項20記載の方法。
【請求項25】
工程f)における上記第一凝縮液の少なくとも一部が、上記第一分離ゾーンの上部に、約0.1から約1.0の範囲の還流比で還流される、請求項20記載の方法。
【請求項26】
工程m)における上記第二凝縮液の少なくとも一部が、上記第二分離ゾーンの上部に、約0.1から約1.0の範囲の還流比で還流される、請求項20記載の方法。
【請求項27】
上記第一分離塔、上記第一塔頂凝縮器、上記第一リボイラー、上記第二分離塔、上記第二塔頂凝縮器及び上記第二リボイラーが、錆び及び酸素が実質的に存在しない状態で運転される、請求項20記載の方法。
【請求項28】
上記第一分離塔、上記第一塔頂凝縮器、上記第一リボイラー、上記第二分離塔、上記第二塔頂凝縮器及び上記第二リボイラー中に含有される、実質的に全ての錆びが工程c)より前に除去される、請求項20記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−137032(P2011−137032A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−45798(P2011−45798)
【出願日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【分割の表示】特願2001−526488(P2001−526488)の分割
【原出願日】平成12年9月28日(2000.9.28)
【出願人】(503054111)コノコフィリップス カンパニー (12)
【Fターム(参考)】