説明

炭素ヒーターを利用した温水生成装置

【課題】遠赤外線によって殺菌された温水を短時間に能率よく生成できて、温水の放熱による熱損失を最小に抑制すること。
【解決手段】中央に配置される炭素ヒーター10と、この炭素ヒーター10の外周面を取り囲んで密着されて、水が流れる間に前記炭素ヒーター10によって加熱されて温水が生成されるようにする熱交換管体20、及びこの熱交換管体20の外部を取り囲んで炭素ヒーター10から発生される赤外線の透過を遮断するための放熱遮断材30を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炭素ヒーターを利用した温水生成装置に関するもので、より詳細には、炭素ヒーターの外周面に熱交換管体を密着配置して、その外部に炭素ヒーターから発生する赤外線の透過を遮断するための放熱遮断材を覆った後熱交換管体で水を循環させて温水を生成することで、炭素ヒーターから発生する遠赤外線によって殺菌した温水が得られ、炭素ヒーターの使用によって短時間に温水を効率よく生成できて、外側の放熱遮断材によって保温性能を向上させて放熱による熱損失を最小に抑制できる、ヒーターを利用した温水生成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、炭素(纎維)ヒーターは炭素纎維を利用した加熱体としている。これを詳しく説明すれば、炭素コロイド溶液(炭素ナノ粉末を蒸溜水などと取り合わせた溶液)に浸漬されて真空がなされた圧力タンク内で遠心脱水及び真空、乾燥段階を経って多量の炭素ナノ粒子が纎維組織全体に均一に分布、付着されてなされた多孔性バサルト繊維を使用する加熱体として、暖房施設の場合を例にあげた時は、既存の線状発熱体(電気オンドルパンネル)と面状発熱体(フィルムヒーター)の短所を補って不便な点を大きく改善して、
1)他の暖房装置(油、ガスボイラー)に比べて少ない施工費と部分暖房が可能であり、温度上昇時間短縮などで燃料費を節減できて、
2)電気オンドルパンネルとフィルムヒーターの短所である暖房面積の温度偏差が平均2℃以内に全面積の均一な暖房が可能であり、
3)既存の底の状態で撤去作業をしないで直ちに施工が可能で(施工後底厚さ10mm以内)、
4)纎維材質なので割れる心配がなくて、外部の人為的な破損、すなわち突き刺されるか破れても破損された部分だけ絶縁処理すればすぐ使用可能であり、
5)機械装置ではない纎維材質であるので、腐食や破れ現象がないので半永久的に使用可能となるといった特徴がある。
【0003】
このような纎維ヒーターは、暖房施設はもちろんその他に温水ボイラーなど他の施設にも多様に適用されることができるものである。
【0004】
一方、従来技術の温水生成装置を概略的に説明すると、内部空間が形成されたハウジングと、このハウジングの内部に一般発熱体を用意した後、このハウジング内部で水を循環させて発熱体と熱交換が行われながら温水を生成するようにする構造でなされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来技術の温水生成装置は、一般的な発熱体を使用するために発熱効率が下がって、これによって温水生成に多い時間が必要となりながらエネルギーの無駄使いをもたらして、また、ハウジングに別途の放熱遮断手段が用意されていないために熱損失が多くて、保温性能が落ちるようになりながら結果的に装置の信頼性が低下するようになるなどの問題点を有していた。
【0006】
本発明は上記した問題点を解決するために成されたものであり、炭素ヒーターの外周面に熱交換管体を密着配置させて、その外部に炭素ヒーターから発生される赤外線の透過を遮断するための放熱遮断材を覆った後熱交換管体で水を循環させて温水が生成されるようにすることで、基本的に炭素ヒーターから発生される遠赤外線によって殺菌された温水を得られることは勿論のこと、炭素ヒーターの使用によって短時間内に温水を生成することができて、温水の生成能率を格段に向上し、さらに外側の放熱遮断材によって保温性能を向上させて放熱による熱損失を最小に抑制できる炭素ヒーターを利用した温水生成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記した目的を達成するため本発明に係る炭素ヒーターを利用した温水生成装置は、中央に配置される炭素ヒーター、該炭素ヒーターの外周面を取り囲んで密着されて水が流れる間に前記炭素ヒーターによって加熱されて温水が生成されるようにする熱交換管体、及び前記熱交換管体の外部を取り囲んで炭素ヒーターから発生される赤外線の透過を遮断するための放熱遮断材を含んで構成される。
【0008】
また、本発明の一実施例に係る炭素ヒーターを利用した温水生成装置において、前記炭素ヒーターは、炭素コロイド溶液に浸漬されて真空がなされた圧力タンク内で遠心脱水及び真空、乾燥段階を経って多量の炭素ナノ粒子が纎維組織全体に均一に分布、付着されてなされた多孔性バサルト繊維;該多孔性バサルト繊維の両端に通電可能な状態で連結されるクランプ、前記各クランプの一端に溶接される導電線、該導電線のそれぞれに溶接される導電板、該導電板の他端に溶接されるリード線、及び前記リード線の両端が張り切っているように引張された状態で着せられて両端が融着密封されて内部が真空排気された石英管を含んで構成されたものが望ましい。
【0009】
また、本発明の一実施例に係る炭素ヒーターを利用した温水生成装置において、前記熱交換管体は炭素ヒーターの長さ方向に沿ってその一端部から他端部まで往復されるジグザグ形状で炭素ヒーターの外周面全体に亘って連続形成されたものが望ましい。
【0010】
また、本発明の一実施例に係る炭素ヒーターを利用した温水生成装置において、前記熱交換管体は炭素ヒーターの長さ方向に沿ってその一端部から他端部までコイル形状で絡められる構造でなされたものが望ましい。
【0011】
また、本発明の一実施例に係る炭素ヒーターを利用した温水生成装置において、前記放熱遮断材は反射可能なステンレス金属材質でなされたものが望ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る炭素ヒーターを利用した温水生成装置は、炭素ヒーターの外周面に熱交換管体を密着配置させて、その外部に炭素ヒーターから発生される赤外線の透過を遮断するための放熱遮断材を覆った後熱交換管体に水を循環させて温水を生成できるので、基本的に炭素ヒーターから発生される遠赤外線によって殺菌された温水を得ることができることは勿論のこと、炭素ヒーターの使用によって短時間内に温水を生成できて、温水生成能率を格段に向上できて、さらにまた、外側の放熱遮断材によって保温性能が向上するので、放熱による熱損失を最小に抑制できる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施例による炭素ヒーターを利用した温水生成装置を示した斜視図である。
【図2】本発明の一実施例による炭素ヒーターを利用した温水生成装置を示した分解斜視図である。
【図3】本発明の他の実施例による炭素ヒーターを利用した温水生成装置を示した断面図である。
【図4】本発明の実施例らによる炭素ヒーターを利用した温水生成装置を複数個並列配列させた構造を示した概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に添付した図面を参照しながら本発明の実施例に係る炭素ヒーターを利用した温水生成装置について詳しく説明する。
【0015】
図1及び図2に示すように、本発明の一実施例に係る炭素ヒーターを利用した温水生成装置は、中央に配置される炭素ヒーター10と、該炭素ヒーター10の外周面を取り囲んで密着されて、水が流れる間に前記炭素ヒーター10によって加熱されて温水が生成されるようにする熱交換管体20と、この熱交換管体20の外部を取り囲んで炭素ヒーター10から発生される赤外線の透過を遮断するための放熱遮断材30とを含む。
【0016】
前記炭素ヒーター10は、炭素コロイド溶液に浸漬されて、真空がなされた圧力タンク内で遠心脱水及び真空、乾燥段階を経って多量の炭素ナノ粒子が纎維組織全体に均一に分布、付着されてなされた多孔性バサルト繊維11と、この多孔性バサルト繊維11の両端に通電可能な状態で連結されるクランプ12と、これら各クランプ12の一端に溶接される導電線13)と、該導電線13のそれぞれに溶接される導電板14と、該導電板14の他端に溶接されるリード線15及びこのリード線15両端が張り切っているように引張された状態で着せられて両端が融着密封されて内部が真空排気された石英管26とを含む。
【0017】
前記熱交換管体20は、炭素ヒーター10の長さ方向に沿ってその一端部から他端部まで往復されるジグザグ形状で炭素ヒーター10の外周面の全体に亘って連続して形成されている。
【0018】
また、他の実施例として図3に示したように、前記熱交換管体25は、炭素ヒーター10の長さ方向に沿って、その一端部から他端部までコイル形状で絡めた形態にすることもできる。
前記放熱遮断材30は、炭素ヒーター10から発生される遠赤外線が透過できないように薄い薄板金属材質で形成されるが、特に遠赤外線を反射するステンレス材を使用することが望ましい。
【0019】
そして、開かれた状態で熱交換管体20の外部を取り囲むことができるように四角板材形状で用意することもでき、または予め円管構造で製作して熱交換管体20の外部に装着する場合もある。
【0020】
つぎに本発明の炭素ヒーターを利用した温水生成装置の組み立て過程について説明する。
まず、中央に炭素ヒーター10を配置して、その外周部に熱交換管体20がジグザグまたはコイル形状を有するように密着配置する。
この時、炭素ヒーター20の両端リード線25は熱交換管体20の外部に露出させておく。
その後に、熱交換管体20の外表面に赤外線透過を防止するための放熱遮断材30を取り囲んで装着して、本発明の炭素ヒーターを利用した温水生成装置の組み立てを完了する。
【0021】
組み立てを完了した温水生成装置は、炭素ヒーター10を作動させて高温の熱と遠赤外線が発散される。熱交換管体20内に冷水を流入させると、冷水は熱交換管体20の内部に密着配置されている炭素ヒーター10によって加熱されて温水に変換された後、温水が必要な場所に移送されることで、本発明の温水生成及び温水供給がなされるようになる。
そして、放熱遮断材30を通じた保温効果により熱損失を全くなくして高い熱効率を有した温水を生成することができる。
そして、炭素ヒーター10の遠赤外線によって完壁に殺菌がなされた温水を得ることができる。
【0022】
一方、前記した温水生成装置は、単一構造で形成して低い温度の温水を生成することもできる。また図4に示すように、複数個の温水生成装置を並列に配置して、温水が複数の温水生成装置を経る間に、持続的に加熱してより高い温度の温水を生成することもできる。
本実施例では、例えば電力が5kw(容量)の炭素ヒーター10を3個利用した場合、流入する18℃の冷水が、47℃の排出温度になるように、その毎分当り4リットルの流量で温水を生成することができる。
【0023】
このように本発明は、炭素ヒーター10の外周面に熱交換管体20を密着配置して、その外部に炭素ヒーター10から発生される赤外線の透過を遮断するための放熱遮断材30で覆った後、熱交換管体20を通じて水を循環させて温水を生成することで、基本的に炭素ヒーター10で発生する遠赤外線によって殺菌された温水を得ることができることは勿論、炭素ヒーター10の使用によって短時間の間に温水を生成することができるから、温水の生成能率が格段に向上する。
また、外側の放熱遮断材30によって保温性能が向上するので、放熱による熱損失を最小に抑制することができる。
【0024】
以上の説明は本発明の望ましい実施例についての説明であるがこれらの実施例に限定されるものではない。また、当業者が適宜行なう既述した実施例に公知技術を適宜変更したり置き換えたりした形態も本発明の特許請求範囲に当然に含まれるべきものである。
【符号の説明】
【0025】
10・・・・・炭素ヒーター
11・・・・・バサルト繊維
12・・・・・クランプ
13・・・・・導電線
14・・・・・導電板
15・・・・・リード線
16・・・・・石英管
20・・・・・熱交換管体
25・・・・・熱交換管体
30・・・・・放熱遮断材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中央に配置される炭素ヒーター、
前記炭素ヒーターの外周面を取り囲んで密着されて水が流れる間に前記炭素ヒーターによって加熱されて温水が生成されるようにする熱交換管体、及び
前記熱交換管体の外部を取り囲んで炭素ヒーターから発生される赤外線の透過を遮断するための放熱遮断材を含んで構成する炭素ヒーターを利用した温水生成装置。
【請求項2】
前記炭素ヒーターは、
炭素コロイド溶液に浸漬されて真空がなされた圧力タンク内で遠心脱水及び真空、乾燥段階を経って多量の炭素ナノ粒子が纎維組織全体に均一に分布、付着されてなされた多孔性バサルト繊維と、
前記多孔性バサルト繊維の両端に通電可能な状態で連結されるクランプと、
前記各クランプの一端に溶接される導電線と、
前記導電線のそれぞれに溶接される導電板と、
前記導電板の他端に溶接されるリード線と、
前記リード線の両端が張り切っているように引張された状態で着せられて両端が融着密封されて内部が真空排気された石英管とを含んで構成することを特徴とする、請求項1に記載の炭素ヒーターを利用した温水生成装置。
【請求項3】
前記熱交換管体は、炭素ヒーターの長さ方向に沿ってその一端部から他端部まで往復するようにジグザグ形状で炭素ヒーターの外周面の全体に亘って連続して形成したことを特徴とする請求項1に記載の炭素ヒーターを利用した温水生成装置。
【請求項4】
前記熱交換管体は炭素ヒーターの長さ方向に沿ってその一端部から他端部までコイル状に絡めて形成したことを特徴とする請求項1に記載の炭素ヒーターを利用した温水生成装置。
【請求項5】
前記放熱遮断材は反射可能なステンレス金属材で構成することを特徴とする請求項1に記載の炭素ヒーターを利用した温水生成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−78079(P2012−78079A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−236369(P2010−236369)
【出願日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【出願人】(510280567)
【出願人】(510280578)
【Fターム(参考)】