説明

点灯制御装置及び点灯制御システム

【課題】点灯制御中のパターンデータを容易且つ確実に特定することができる点灯制御装置及び点灯制御システムを提供する。
【解決手段】各点灯制御部22は、外部入力機器6から更新制御部12を介してデータ要求信号が入力されると、その時点で点灯制御を行っている最中のネオンユニット24のパターンデータ及び番号データを示す実行データを更新制御部12に出力する。更新制御部12は、点灯制御部22から実行データが入力された際には、その実行データを外部入力機器6に出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネオン管やLEDなどの発光体の点灯制御を行う点灯制御装置及び点灯制御システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えばビルの屋上に設けられた巨大なネオン看板などのネオン点灯システムは、多数のネオン管を用いることで構成され、それらネオン管が所定のパターンで点消灯を繰り返すことにより、全体として演出効果のある点灯態様を実現している。こうしたネオン点灯システムは、複数のネオン管とそれらネオン管が接続された点灯制御装置とから構成され、点灯制御装置が対応するネオン管の点灯パターンを随時変化させることで前記演出効果を実現している。
【0003】
この種のネオン点灯システムとして、従来、例えば特許文献1に記載される点灯制御装置が提案されている。
この点灯制御装置は、対応する複数のネオン管の点消灯や輝度(点灯パターン)を、外部入力機器から入力されたパターンデータに基づいて制御するようになっている。詳しくは、点灯制御装置の制御部はメモリを備え、そのメモリには、パーソナルコンピュータ等の外部入力機器から入力されるパターンデータが記録されている。パターンデータは、ネオン管の点灯パターンの時系列的な変化態様を示す複数のデータによって構成されている。そして、制御部は、そのメモリに記録されたパターンデータに基づいてネオン管の点灯制御を行う。具体的には、制御部は、所定時間(例えば10ミリ秒)が経過する毎にパターンデータを更新し、その更新したパターンデータに基づいてネオン管を点灯させる。
【0004】
こうしたパターンデータは書き換え可能となっており、制御部は、外部入力機器から新たなパターンデータが入力されると、既存のパターンデータをその新たなパターンデータに上書きすることによりパターンデータの書き換えを行う。また、通常、外部入力機器としてはパーソナルコンピュータ等が用いられ、パターンデータは該外部入力機器でプログラミングされることによって作成される。
【特許文献1】特開平07−160214号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この種の点灯制御装置では、例えば一連の点灯演出の中の一部分のみを変更する場合などには、その変更箇所を特定することにより、全パターンデータのうちの一部のみを変更すればよい。しかしながら、こうした部分的なパターンデータの変更を行うためには、点灯演出の開始時から該変更箇所までの時間を測定するとともに、その測定時間に基づいて変更該当箇所に相当するパターンデータを特定してプログラムを変更する、といった作業が必要となる。すなわち、点灯演出を最初から行わせる作業、変更箇所を見つける作業、演出開始時から該変更箇所までの時間を測定する作業、及び、パターンデータのプログラムにおける変更該当箇所を変更する作業が必要となる。このため、こうしたパターンデータの変更作業が煩雑である。特にパターンデータの量が多い場合、すなわち演出時間が長い場合には、前記作業が非常に煩雑であるとともに、実質的には困難でさえある。それゆえ、一部のパターンデータのみを変更したい場合であっても、パターンデータ全体を変更しなければならない、といった不都合も生じていた。
【0006】
本発明はこうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、点灯制御中のパターンデータを容易且つ確実に特定することができる点灯制御装置及び点灯制御システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明では、発光体の点灯パターンの時系列的な変化態様を示す複数のパターンデータが外部入力機器から入力された際にそれらパターンデータを記録する記録手段と、該記録手段に記録された前記パターンデータに基づいて発光体の点灯制御を行い、予め設定された定期更新時間が経過する毎に前記パターンデータを更新することで発光体の点灯態様を変化させる点灯制御手段とを備える点灯制御装置であって、前記点灯制御手段は、前記点灯制御中のパターンデータを示す実行データを前記外部入力機器に出力するデータ出力制御を行うことを要旨とする。
【0008】
上記構成によると、点灯制御手段は、記録手段に記録されたパターンデータに基づいて発光体の点灯制御を行う一方、その点灯制御中のパターンデータを示す実行データを外部入力機器に出力するデータ出力制御を行う。このため、現在どのパターンデータに基づいて点灯制御が行われているかを、外部入力機器は認識可能となる。よって、例えば一連の点灯演出の中の一部分のみを変更する場合などにおいても、その変更箇所に該当するパターンデータを容易に特定することが可能となるとともに、その変更作業を容易に行うことができる。
【0009】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の点灯制御装置において、前記点灯制御手段は、前記外部入力機器から前記実行データの出力を要求するデータ要求信号が入力されたことを条件として、前記データ出力制御を行うことを要旨とする。
【0010】
上記構成によると、外部入力機器から点灯制御手段にデータ要求信号が入力された場合にのみ、データ出力制御が行われる。すなわち、データ出力制御は、外部入力機器が必要とした場合にのみ行われる。このため、不要な状態におけるデータ出力制御を防止することが可能となる。
【0011】
請求項3に記載の発明では、請求項1または請求項2に記載の点灯制御装置において、前記点灯制御手段は、前記複数のパターンデータのうちの一つを指定する旨を示すデータ指定信号が前記外部入力機器から入力されると、そのデータ指定信号によって指定されたパターンデータを開始データとして点灯制御を開始することを要旨とする。
【0012】
上記構成によると、点灯制御手段は、データ指定信号が入力されると、一連の点灯演出を構成する複数のパターンデータのうち、該データ指定信号によって指定されたパターンデータを開始データとして点灯制御を開始する。すなわち、該指定されたパターンデータが一連の点灯演出のうちの途中の演出箇所を示すパターンデータであっても、点灯制御手段は、そのパターンデータを開始データとして点灯制御を開始する。このため、例えば一連の点灯演出のうちの後半部分のパターンデータを変更したい場合には、途中の演出箇所を示すパターンデータを開始データとして指定することにより、変更該当箇所を短時間で特定することが可能となる。
【0013】
請求項4に記載の発明では、請求項1〜3のいずれか1項に記載の点灯制御装置において、前記点灯制御手段は、点灯状態を保持する旨を示す点灯保持信号が前記外部入力機器から入力されると、前記パターンデータの更新を停止することにより、その時点での発光体の点灯状態を保持する点灯保持制御を行うことを要旨とする。
【0014】
上記構成によると、外部入力機器から点灯制御手段に点灯保持信号を入力することにより、その時点での発光体の点灯状態を保持することが可能となる。このため、例えば全パターンデータのうちの一部を変更する場合等に、その変更該当箇所での発光体の点灯状態を保持させることにより、該変更該当箇所での発光体の点灯態様を明確に認識可能となる。
【0015】
請求項5に記載の発明では、請求項1〜4のいずれか1項に記載の点灯制御装置を複数個備えるとともに、それら点灯制御装置の前記点灯制御手段と前記外部入力機器との間において各点灯制御手段にネットワーク接続され、前記外部入力機器から前記パターンデータが入力された際に、該パターンデータを対応する点灯制御手段に出力する統括制御装置を備えた点灯制御システムであって、前記各点灯制御手段は、前記外部入力機器から前記統括制御装置を介して前記複数のパターンデータが入力された際に、それらパターンデータにそれぞれ番号データを対応付けた状態で該パターンデータを前記記録手段に記録するデータ記録制御と、前記統括制御装置から番号データが入力された際に、その入力された番号データに対応するパターンデータに基づく点灯パターンで前記発光体を点灯させる点灯制御とを行うとともに、前記点灯制御中のパターンデータを示す実行データを、前記統括制御装置を介して前記外部入力機器に出力するデータ出力制御を行い、前記統括制御装置は、自身に記録された番号データを前記ネットワークを介して前記各点灯制御手段に順次出力して前記パターンデータを更新するデータ更新制御と、前記点灯制御手段から前記実行データが入力された際に、その実行データを前記外部入力機器に出力するデータ出力仲介制御とを行うことを要旨とする。
【0016】
上記構成によると、各点灯制御手段は、外部入力機器からのパターンデータが統括制御装置を介して入力されると、そのパターンデータにそれぞれ番号データを対応づけた状態で該パターンデータを記録手段に記録する。そして、各点灯制御手段は、統括制御装置から番号データが入力されると、その番号データと対応するパターンデータに基づいて発光体を点灯させる。このため、統括制御装置により、全ての点灯制御装置による点灯制御を統括的に制御することが可能となる。また、各点灯制御手段から出力される実行データは、統括制御装置を介して外部入力機器に入力可能となる。このため、各点灯制御手段が現在どのパターンデータに基づいて点灯制御を行っているかを、こうした実行データに基づいて外部入力機器は認識可能となる。よって、例えば一連の点灯演出の中の一部分のみを変更する場合などにおいても、その変更箇所に該当するパターンデータを容易に特定することが可能となるとともに、その変更作業を容易に行うことができる。
【0017】
請求項6に記載の発明では、発光体の点灯パターンの時系列的な変化態様を示す複数のパターンデータが外部入力機器から入力された際にそれらパターンデータを記録する記録手段と、該記録手段に記録された前記パターンデータに基づいて発光体の点灯制御を行い、予め設定された定期更新時間が経過する毎に前記パターンデータを更新することで発光体の点灯態様を変化させる点灯制御手段とを備える点灯制御装置を複数個備えるとともに、それら点灯制御装置の前記点灯制御手段と前記外部入力機器との間において各点灯制御手段にネットワーク接続され、前記外部入力機器から前記パターンデータが入力された際に、該パターンデータを対応する点灯制御手段に出力する統括制御装置を備えた点灯制御システムであって、前記各点灯制御手段は、前記外部入力機器から前記統括制御装置を介して前記複数のパターンデータが入力された際に、それらパターンデータにそれぞれ番号データを対応付けた状態で該パターンデータを前記記録手段に記録するデータ記録制御と、前記統括制御装置から番号データが入力された際に、その入力された番号データに対応するパターンデータに基づく点灯パターンで前記発光体を点灯させる点灯制御とを行い、前記統括制御装置は、自身に記録された番号データを前記ネットワークを介して前記各点灯制御手段に順次出力して前記パターンデータを更新するデータ更新制御と、その更新した番号データを前記外部入力機器に出力するデータ出力仲介制御とを行うことを要旨とする。
【0018】
上記構成によると、各点灯制御手段は、外部入力機器からのパターンデータが統括制御装置を介して入力されると、そのパターンデータにそれぞれ番号データを対応づけた状態で該パターンデータを記録手段に記録する。そして、各点灯制御手段は、統括制御装置から番号データが入力されると、その番号データと対応するパターンデータに基づいて発光体を点灯させる。このため、統括制御装置により、全ての点灯制御装置による点灯制御を統括的に制御することが可能となる。また、更新された番号データは統括制御装置から外部入力機器に入力可能となっているため、外部入力機器は、その入力時点における発光体の点灯制御に用いられているパターンデータを、該番号データとの対応関係から認識可能となる。よって、各点灯制御手段が現在どのパターンデータに基づいて点灯制御を行っているかを、こうした番号データに基づいて外部入力機器は認識可能となる。
【発明の効果】
【0019】
以上詳述したように、本発明によれば、点灯制御中のパターンデータを容易且つ確実に特定することができる点灯制御装置及び点灯制御システムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図5に基づき詳細に説明する。
<システム構成の概要>
図1に示すように、点灯制御システム1は、統括制御ユニット(統括制御装置)2と、該統括制御ユニット2にバス3を介してネットワーク接続された複数の点灯制御ユニット(点灯制御装置)4とを備えている。このため、統括制御ユニット2と各点灯制御ユニット4との間でネットワーク通信が可能となっている。なお、本実施形態では、統括制御ユニット2に25個の点灯制御ユニット4が接続されている場合を想定しており、同図においては第1〜第4点灯制御ユニット4a〜4dのみを示すものとする。ちなみに、統括制御ユニット2に接続可能な点灯制御ユニット4の数は、統括制御ユニット2のドライブ機能に依存しており、25個の点灯制御ユニット4に限らず、例えば100個の点灯制御ユニットを接続することも可能である。
【0021】
各点灯制御ユニット4にはAC電源(ここでは100V、60Hzの商用電源)が接続され、統括制御ユニット2には該AC電源がAC/DCコンバータ5によって直流変換されたDC電源が接続されている。
【0022】
<統括制御ユニット2の構成>
統括制御ユニット2は、バス3に接続された通信インターフェイス11と、その通信インターフェイス11に接続された更新制御部12と、該更新制御部12に接続された切換操作部13とを備えている。
【0023】
通信インターフェイス11は、更新制御部12から入力された各種信号を、バス3を介して各点灯制御ユニット4に送信する。
切換操作部13はディップスイッチ等によって構成され、更新制御部12に接続されている。この切換操作部13は、更新制御部12のモードを切り換えるためのモード切換操作を行うためのものである。このため、切換操作部13によって該操作が行われると、その操作信号が更新制御部12に入力される。
【0024】
更新制御部12は、図示しないCPU、ROM、RAM等からなるCPUユニットであり、不揮発性のメモリ12Mを備えている。本実施形態においてメモリ12Mには、正の整数値に相当する複数の番号データが記録されている。そして、更新制御部12は、前記番号データを含む更新信号を、予め設定された定期更新時間が経過する毎に通信インターフェイス11に出力するデータ更新制御を行う。なお、本実施形態において定期更新時間は、10ミリ秒に設定されている。詳しくは、更新制御部12は、番号データを出力する際には、最初に「0」に相当する番号データを含む更新信号を出力し、その後、定期更新時間が経過する毎に、「1」、「2」、「3」・・・というように、1ずつ加算した正の整数値に相当する番号データを出力することで該番号データを更新する。なお、更新制御部12は、番号データの更新時に必ずしも1ずつ加算した番号データに更新することに限定される訳ではなく、例えば「1」に相当する番号データから「5」に相当する番号データに更新するなどといった、全く異なる番号データに更新するようになっていてもよい。
【0025】
また、更新制御部12には、パーソナルコンピュータ等からなる外部入力機器6を接続可能となっている。各点灯制御ユニット4によって制御される複数の発光体(ここではネオン管)の点灯パターンをそれぞれ示す複数のパターンデータは、この外部入力機器6で作成されるとともに、該外部入力機器6から点灯制御システム1に入力されることによって設定される。詳しくは、外部入力機器6では、複数の発光体の点灯パターンをそれぞれ示す複数のパターンデータと、それらパターンデータの再生順序を示す番号データと、各点灯制御ユニット4を指定するためのアドレスデータとをそれぞれ対応づけて構成した新規データが作成される。そして、外部入力機器6が更新制御部12に接続されることにより、その新規データが更新制御部12に入力される。なお、こうした新規データは、外部入力機器6でプログラミングされるとともに、該外部入力機器6のモニタ上でシミュレーション再生によって確認されることにより作成される。より具体的には、例えば図2(a)に示すように、各ネオン管(ここでは概略的にネオン管N1〜N5として示す)の時間経過に対するパターンデータが外部入力機器6のモニタ上に表示され、この表示に基づいてパターンデータの設定が行われる。なお、ここでは、時間tに対するネオン管N1のパターンデータをa0〜a8、ネオン管N2のパターンデータをb0〜b8、ネオン管N3のパターンデータをc0〜c8、ネオン管N4のパターンデータをd0〜d8、ネオン管N5のパターンデータをe0〜e8として示す。そして、図2(b)に示すように、設定された点灯態様に基づく各ネオン管N1〜N5の再生状態が外部入力機器6のモニタ上に表示される。このため、この再生状態を確認することにより、各ネオン管N1〜N5の点灯態様の微調整が可能となる。そして、このように設定された各パターンデータが更新制御部12に入力される際には、各パターンデータの再生順序に応じて番号データが付与され、該番号データとともに各パターンデータが更新制御部12に入力される。
【0026】
また、こうした外部入力機器6は、操作者によってデータ要求操作が行われると、データ要求信号を更新制御部12に出力する。さらに、外部入力機器6は、操作者によってデータ指定操作が行われると、そのデータ指定操作によって示された番号データを含むデータ指定信号を更新制御部12に出力する。
【0027】
そして、更新制御部12は、モード切換操作が行われた旨を示す信号(モード切換信号)が切換操作部13から入力されると、そのモード切換信号に応じて通常モードまたはデータ書換モードに切り換わる。ちなみに、通常モードにおいて更新制御部12は、前記番号データを出力するデータ更新制御を行う。一方、データ書換モードにおいて更新制御部12は、データ書換モードであることを示すモード設定信号と、外部入力機器6から入力される新規データとを通信インターフェイス11に出力して各点灯制御ユニット4のデータを書き換えるデータ書換制御を行う。なお、アドレスデータは、後記する各点灯制御ユニット4のアドレス設定部23の設定状態と対応して設定されている。
【0028】
さらに、更新制御部12は、通常モードにおいて外部入力機器6からデータ要求信号が入力されると、その時点において各点灯制御ユニット4で点灯制御されているパターンデータを外部入力機器6に出力するデータ出力仲介制御を行う。具体的には、更新制御部12は、通常モードにおいて外部入力機器6からデータ要求信号が入力されると、そのデータ要求信号を各点灯制御ユニット4に出力する。そして、更新制御部12は、各点灯制御ユニット4から点灯制御中のパターンデータを含む実行データが入力されると、その実行データを外部入力機器6に出力する。
【0029】
加えて、更新制御部12は、外部入力機器6からデータ指定信号が入力されると、そのデータ指定信号によって指定された番号データを開始データとして設定し、その番号データを各点灯制御ユニット4に出力する。すなわち、例えばデータ指定信号によって指定された番号データが「5」の場合、更新制御部12は、最初に「5」に相当する番号データを出力し、その後定期更新時間が経過する毎に、「6」、「7」・・・というように、1ずつ加算した正の整数値に相当する番号データを出力することで該番号データを更新する。
【0030】
<点灯制御ユニット4の構成>
一方、各点灯制御ユニット4は、それぞれバス3に接続された通信インターフェイス21と、該通信インターフェイス21に接続された点灯制御手段としての点灯制御部22と、該点灯制御部22に接続されたアドレス設定部23を備えている。なお、図1においては第1点灯制御ユニット4aの構成のみを詳細に示すが、第2〜第4点灯制御ユニット4b〜4cについても第1点灯制御ユニット4aと同等の構成をなしている。
【0031】
通信インターフェイス21は、統括制御ユニット2から出力された各種信号を、バス3を介して受信して点灯制御部22に出力する。
アドレス設定部23は、例えば8つのスイッチ部を有するディップスイッチ等の操作部によって構成されており、各点灯制御ユニット4同士の設定状態が同一とならないように設定されている。そして、該アドレス設定部23の設定状態を示す設定信号が点灯制御部22に入力されるようになっている。
【0032】
各点灯制御ユニット4の点灯制御部22には、それぞれ発光体としてのネオンユニット24が接続されている。これらネオンユニット24は、それぞれ複数のネオン管とそれらネオン管を発光させるためのネオントランスとを備えている(図示略)。なお、本実施形態においてネオンユニット24は、赤、青、緑の三色のネオン管を複数個備えている。こうしたネオンユニット24は、点灯制御部22から出力される制御信号に基づいて、対応するネオン管を発光させる。
【0033】
点灯制御部22は、図示しないCPU、ROM、RAM等からなるCPUユニットであり、記録手段としての不揮発性のメモリ22Mを備えている。本実施形態においてメモリ22Mには、前記複数の番号データと、ネオンユニット24の点灯パターンの時系列的な変化態様を示す複数のパターンデータとをそれぞれ対応付けした点灯データが記録されている。
【0034】
詳しくは、図3に示すように、例えば第1点灯制御ユニット4aのメモリ22Mには、点灯データとして、「0」に相当する番号データと「A−0」で示されるパターンデータとが対応づけられて記録され、「1」に相当する番号データと「A−1」で示されるパターンデータとが対応づけられて記録されている。このように、番号データ「2」に対してパターンデータ「A−2」、番号データ「3」に対してパターンデータ「A−3」・・・というように、各番号データとパターンデータとが対応づけられてメモリ22Mに記録されている。
【0035】
同様に、第2点灯制御ユニット4bのメモリ22Mには、番号データ「0」に対してパターンデータ「B−0」、番号データ「1」に対してパターンデータ「B−1」、番号データ「2」に対してパターンデータ「B−2」、番号データ「3」に対してパターンデータ「B−3」・・・というように、各番号データとパターンデータとが対応づけられて記録されている。
【0036】
なお、同図に示すように、例えば「A−0」で示されるパターンデータは、対応するネオンユニット24の赤色ネオン管を100%の出力で点灯させるとともに、青色ネオン管及び緑色ネオン管を消灯させる点灯パターンに設定されている。これに対し、「B−0」で示されるパターンデータは、対応するネオンユニット24の赤色ネオン管及び青色ネオン管を70%の出力で点灯させるとともに、緑色ネオン管を消灯させる点灯パターンに設定されている。すなわち、同じ番号データであっても、第1点灯制御ユニット4aのメモリ22Mに記録されたパターンデータと、第2点灯制御ユニット4bのメモリ22Mに記録されたパターンデータとでは点灯パターンが異なるように設定される場合がある。
【0037】
その反面、例えば「A−1」及び「B−1」で示されるパターンデータは、共に、対応するネオンユニット24の赤色ネオン管及び緑色ネオン管を消灯させるとともに、青色ネオン管を100%の出力で点灯させる点灯パターンに設定されている。すなわち、同じ番号データと対応する各点灯制御ユニット4a,4bのパターンデータが、全く同じ点灯パターンを示す場合もある。
【0038】
なお、本実施形態では、「A−2」で示されるパターンデータは、赤色ネオン管及び青色ネオン管を消灯させるとともに、緑色ネオン管を100%の出力で点灯させる点灯パターンに設定されている。「A−3」で示されるパターンデータは、赤色ネオン管及び青色ネオン管を100%の出力で点灯させるとともに、緑色ネオン管を消灯させる点灯パターンに設定されている。同様に、「B−2」で示されるパターンデータは、赤色ネオン管を消灯させる一方で、青色ネオン管を70%の出力で点灯させるとともに、緑色ネオン管を100%の出力で点灯させる点灯パターンに設定されている。「B−3」で示されるパターンデータは、赤色ネオン管及び青色ネオン管を100%の出力で点灯させるとともに、緑色ネオン管を消灯させる点灯パターンに設定されている。
【0039】
そして、点灯制御部22は、統括制御ユニット2(更新制御部12)から出力された各種信号に基づいて、ネオンユニット24の点灯制御、データ書換制御及びデータ出力制御を行う。具体的には、点灯制御部22は、更新制御部12からモード切換信号が入力されると、メモリ22Mに記録されたパターンデータに基づくネオンユニット24の点灯制御を行う通常モードから、該メモリ22Mに記録されたパターンデータを書き換えるデータ書換制御を行うデータ書換モードに移行する。また、点灯制御部22は、該更新制御部12からデータ要求信号が入力されると、点灯制御を行いつつ、その時点での点灯制御に用いているパターンデータを更新制御部12に出力するデータ出力制御を行う。
【0040】
より詳しくは、点灯制御部22は、通常モードにおいて前記統括制御ユニット2から番号データが入力されると、該番号データと対応するパターンデータをメモリ22Mから読み出し、該パターンデータに基づく点灯パターンで各ネオンユニット24を点灯作動させる。すなわち、統括制御ユニット2から番号データ「0」が出力された場合、第1点灯制御ユニット4aの点灯制御部22はパターンデータ「A−0」、第2点灯制御ユニット4bの点灯制御部22はパターンデータ「B−0」に基づく点灯パターンでそれぞれネオンユニット24を点灯作動させる。
【0041】
よって、このように構成された点灯制御システム1では、統括制御ユニット2から1/60秒毎に出力される番号データを各点灯制御ユニット4が受信することにより、同じタイミングで点灯パターンを更新することとなる。また、番号データは絶対値データであるため、たとえ各点灯制御ユニット4のうちの一部が番号データを正常に受信できなかった場合においても、次回以降のデータ更新時に該点灯制御ユニット4が番号データを正常に受信すれば、全ての点灯制御ユニット4が同じ番号データに基づいてパターンデータを更新することとなる。このため、番号データを正常に受信できた点灯制御ユニット4と正常に受信できなかった点灯制御ユニット4との間で、点灯パターンの更新タイミングにズレが生じてしまうことがない。
【0042】
また、点灯制御部22は、前記統括制御ユニット2(更新制御部12)から出力されるモード設定信号が入力されると、通常モードからデータ書換モードに移行してデータ記録制御を行う。詳しくは、点灯制御部22は、こうしたデータ書換モードにおいて新規データが入力されると、まず、該新規データに含まれるアドレスデータと、アドレス設定部23から入力される設定信号によって示されるアドレスデータとが一致するか否かを判断する。その結果、それらアドレスデータ同士が一致すると判断した場合、点灯制御部22は、該新規データに含まれるパターンデータ及び番号データをメモリ22Mに記録する。このとき点灯制御部22は、メモリ22Mに既にパターンデータ及び番号データが記録されている場合には、それら既存のデータを新たなパターンデータ及び番号データに上書き更新する。なお、アドレスデータ同士が一致しないと判断した場合、点灯制御部22は新規データを無視する。このため、統括制御ユニット2の切換操作部13を操作することによって更新制御部12及び点灯制御部22をデータ書換モードに切り換え、外部入力機器6から新規データを更新制御部12に入力することにより、更新制御部12のメモリ12Mに新たな番号データを記録させることができる。それとともに、各点灯制御ユニット4の点灯制御部22のメモリ22Mに、新たなパターンデータ及び番号データを記録させることができる。
【0043】
さらに、点灯制御部22は、統括制御ユニット2から出力されるデータ要求信号が入力されると、その時点において点灯制御を行っているネオンユニット24の点灯態様、すなわちその時点でのパターンデータを示す実行データを統括制御ユニット2に対して出力するデータ出力制御を行う。
【0044】
<点灯データの書き換え(新規入力)動作>
次に、このように構成された点灯制御システム1におけるパターンデータ及び番号データの書き換え(新規入力)動作を、図4を用いて詳細に説明する。
【0045】
まず、同図に示すように、ステップS1において統括制御ユニット2の切換操作部13によりデータ書換モードへの移行操作が行われると、更新制御部12はデータ書換モードとなり、その旨を示すモード設定信号を各点灯制御ユニット4に出力する。このため、ステップS2において各点灯制御部22は、該モード設定信号が入力されることによってデータ切換モードとなる。
【0046】
一方、ステップS3において外部入力機器6によりパターンデータ及び番号データからなる新規データがプログラミング及びシミュレーションによって作成され、その新規データが更新制御部12に入力されると、ステップS4において更新制御部12は、その新規データのうち、番号データをメモリ12Mに記録する。それとともに、更新制御部12は、バス3を介して新規データを各点灯制御部22に出力する。
【0047】
ステップS5において各点灯制御部22は、新規データに含まれるアドレスデータに基づき、該当するアドレスデータと対応付けられた点灯データ、すなわちパターンデータ及び番号データを、メモリ22Mに記録する。このとき、各点灯制御部22は、メモリ22Mに既に点灯データが記録されている場合には、該点灯データを消去して新たな点灯データをメモリ22Mに記録する。すなわち、各点灯制御部22は、点灯データを上書きする。
【0048】
そして、各点灯制御部22は、こうした点灯データの記録が完了すると、ステップS6においてその旨を示す完了信号を更新制御部12に出力するとともに、ステップS7において通常モードに移行する。
【0049】
更新制御部12は、書換対象となる点灯制御部22から完了信号が入力されると、ステップS8において通常モードに切り換わる。なお、こうしたステップS6〜S8の処理は必ずしも行われるようになっている必要はない。
【0050】
<データ出力動作>
次に、点灯制御システム1から外部入力機器6に対して点灯制御中のパターンデータ(実行データ)を出力する動作を、図5を用いて詳細に説明する。
【0051】
同図に示すように、通常モードにあっては、ステップS11において更新制御部12は、番号データを各点灯制御部22に出力する。そして、ステップS12において各点灯制御部22は、該番号データと対応するパターンデータに基づいて各ネオンユニット24の点灯制御を行う。
【0052】
一方、こうした点灯制御が行われている状態において、ステップS13において外部入力機器6からデータ要求信号が出力され、そのデータ要求信号が更新制御部12に入力されると、ステップS14において更新制御部12は、そのデータ要求信号を各点灯制御部22に出力する。
【0053】
各点灯制御部22は、更新制御部12からデータ要求信号が入力されると、その時点での実行データ、すなわちネオンユニット24を点灯制御している最中のパターンデータ及び番号データを更新制御部12に出力する。
【0054】
更新制御部12は、各点灯制御部22から実行データが入力されると、その実行データを外部入力機器6に出力する。そして、ステップS17において外部入力機器6は、入力された実行データをモニタに表示する。
【0055】
すなわち、外部入力機器6から点灯制御システム1にデータ要求信号が入力された場合には、そのデータ要求信号が更新制御部12を介して各点灯制御部22に入力される。これにより各点灯制御部22は、その時点において点灯制御を行っているパターンデータを、該更新制御部12を介して外部入力機器6に出力するデータ出力制御を行う。また、更新制御部12は、外部入力機器6から入力されるデータ要求信号を各点灯制御部22に出力するとともに、該点灯制御部22から出力される実行データを外部入力機器6に出力するデータ出力仲介制御を行う。
【0056】
ここで、こうしたデータ出力動作時における外部入力機器6の動作を説明する。なお、具体例として、図2に示したように、時間(演出時間)tに対する各ネオン管N1〜N5(ネオンユニット24を構成するネオン管)のパターンデータが、a0〜a8、b0〜b8、c0〜c8、d0〜d8、e0〜e8に設定されている場合を挙げて説明する。
【0057】
この場合、例えば同図に時間txで示す時間情報に相当する番号データとパターンデータ(ネオン管N1→a4、ネオン管N2→b5、ネオン管N3→c4、ネオン管N4→d3、ネオン管N5→e4)とを含む実行データが外部入力機器6に入力されたとする。すると、時間txに対応する実行データを示すべく、図2(a)に破線で示すような指示線(走査線)が映像化されるとともに、図2(b)に示した各ネオン管N1〜N5の点灯シミュレーション画面において、該実行データに基づく点灯態様がシミュレーション画像として映像化される。
【0058】
このため、外部入力機器6を点灯制御システム1に接続するとともに、データを要求するための操作を行うことにより、その時点で行われている点灯制御中のパターンデータを確実にモニタ上に反映させることができる。よって、操作者は、該モニタを視認することにより、どのパターンデータに基づいてネオンユニット24が点灯制御されているかを容易且つ確実に認識することができる。
【0059】
<開始データの指定動作>
また、点灯制御システム1は、外部入力機器6からデータ指定信号が入力された際に、そのデータ指定信号によって指定されたパターンデータを開始データとして、各点灯制御ユニット4によるネオンユニット24の点灯制御が行われる。
【0060】
詳しくは、前述したように、更新制御部12は、通常、各点灯制御部22に番号データを出力する際には、「0」に相当する番号データを出力することにより、該番号データ「0」に対応するパターンデータを開始データとして、点灯制御部22によるネオンユニット24の点灯制御が開始される。すなわち、例えば図2(a)に時間t0で示すように、時系列的に構成された各パターンデータのうち、最初のパターンデータ(この場合a0〜e0)が開始データとして設定される。
【0061】
しかしながら、更新制御部12は、例えば同図に時間txに相当する番号データが外部入力機器6から入力されると、その番号データを各点灯制御部22に出力することにより、各点灯制御部22は、該番号データと対応するパターンデータ(この場合a4、b5、c4、d3、e4)に基づいてネオンユニット24の点灯制御を開始する。
【0062】
このため、外部入力機器6を点灯制御システム1に接続するとともに、該外部入力機器6によって点灯制御の開始データを指定するための操作を行うことにより、点灯制御の開始箇所を自由に設定することができる。
【0063】
したがって、本実施形態によれば以下のような効果を得ることができる。
(1)各点灯制御ユニット4の点灯制御部22は、パターンデータが外部入力機器6から統括制御ユニット2を介して入力されると、そのパターンデータにそれぞれ番号データを対応づけた状態で該パターンデータをメモリ22Mに記録する。そして、各点灯制御部22は、統括制御ユニット2の更新制御部12から番号データが入力されると、その番号データと対応するパターンデータに基づいて発光体を点灯させる。このため、統括制御ユニット2により、全ての点灯制御ユニット4による点灯制御を統括的に制御することができる。また、各点灯制御部22から出力される実行データは、更新制御部12を介して外部入力機器6に入力される。このため、各点灯制御部22が現在どのパターンデータに基づいて点灯制御を行っているかを、こうした実行データに基づいて外部入力機器6は認識可能となる。よって、例えば一連の点灯演出の中の一部分のみを変更する場合などにおいても、その変更箇所に該当するパターンデータを容易に特定することが可能となるとともに、その変更作業を容易に行うことができる。
【0064】
(2)外部入力機器6から更新制御部12にデータ要求信号が入力された場合にのみ、点灯制御部22によるデータ出力制御及び更新制御部12によるデータ出力仲介制御が行われ、その時点において点灯制御されているパターンデータが外部入力機器6に出力される。すなわち、データ出力制御は、外部入力機器6が必要とした場合にのみ行われる。このため、不要な状態におけるデータ出力制御を防止することができる。
【0065】
(3)点灯制御部22は、外部入力機器6から更新制御部12を介してデータ指定信号が入力されると、一連の点灯演出を構成する複数のパターンデータのうち、該データ指定信号によって指定された番号データ及び対応するパターンデータを開始データとしてネオンユニット24の点灯制御を開始する。すなわち、該指定されたパターンデータが一連の点灯演出のうちの途中の演出箇所を示すパターンデータであっても、点灯制御部22は、そのパターンデータを開始データとして点灯制御を開始する。このため、例えば一連の点灯演出のうちの後半部分のパターンデータを変更したい場合には、途中の演出箇所を示すパターンデータを開始データとして指定することにより、変更該当箇所を短時間で特定することができる。
【0066】
(4)更新制御部12は、外部入力機器6からデータ要求信号が入力されると、そのデータ要求信号を各点灯制御部22に出力して、それら点灯制御部22から入力されるパターンデータ及び番号データからなる実行データを外部入力機器6に出力する。すなわち、各点灯制御部22によって点灯制御されている実行データそのものが外部入力機器6に入力されることとなる。このため、外部入力機器6は、実際に点灯制御が行われている実行データを確実に得ることができる。
【0067】
なお、本発明の実施形態は以下のように変更してもよい。
・ 前記実施形態において点灯制御システム1は、統括制御ユニット2と複数の点灯制御ユニット4と、それらをつなぐバス3とによって構成されている。しかし、点灯制御システム1は、これに限らず、例えば図6に示すように、単体の点灯制御ユニット4によって構成されていてもよい。
【0068】
詳しくは、点灯制御ユニット(点灯制御装置)4は、点灯制御部22と切換操作部25とを備えている。
切換操作部25はディップスイッチ等によって構成され、点灯制御部22に接続されている。この切換操作部25は、点灯制御部22のモードを通常モードまたはデータ書換モードに選択的に切り換えるためのモード切換操作を可能となっている。このため、切換操作部25によって該操作が行われると、その操作信号が点灯制御部22に入力される。
【0069】
また、点灯制御部22は、外部入力機器6を接続可能となっている。そして、点灯制御部22は、切換操作部25によってデータ書換モードに切り換えられた状態で外部入力機器6から前記新規データが入力されると、前記点灯データの書き換え動作を行う。また、点灯制御部22は、外部入力機器6からデータ要求信号が入力されると、その時点でネオンユニット24を点灯制御している最中のパターンデータを外部入力機器6に出力する。さらに、点灯制御部22は、外部入力機器6からデータ指定信号が入力されると、そのデータ指定信号によって指定されたパターンデータを開始データとして、ネオンユニット24の点灯制御を行う。
【0070】
なお、こうした変更例においても、点灯制御部22のメモリ22Mには、各パターンデータとともに、それらパターンデータと対応して設定された番号データとが記録されていてもよい。そして、点灯制御部22は、番号データを定期更新時間毎に更新するとともに、その更新した番号データと対応するパターンデータに基づいてネオンユニット24の点灯制御を行うようになっていてもよい。
【0071】
・ 前記各実施形態において、外部入力機器6は、更新制御部12または点灯制御部22に対してモード切換信号を出力可能となっていてもよい。そして、更新制御部12または点灯制御部22は、外部入力機器6からモード切換信号が入力された際には、切換操作部13,25の操作状態にかかわらず、通常モードまたはデータ切換モードに選択的に切り換わるようになっていてもよい。すなわち、更新制御部12または点灯制御部22は、切換操作部13,25による手動モード切換機能と、外部入力機器6からのモード切換信号による自動モード切換機能とを併せ備えていてもよい。また、こうした変更例においては、切換操作部13,25を省略し、自動モード切換機能によってのみモードが切り換わるようになっていてもよい。
【0072】
・ 前記実施形態では、外部入力機器6から更新制御部12にデータ要求信号が入力されると、そのデータ要求信号が各点灯制御部22に出力され、その時点でネオンユニット24を点灯制御している最中のパターンデータ及び番号データが点灯制御部22から更新制御部12を介して外部入力機器6に入力されるようになっている。しかしながら、こうしたデータ要求信号に基づく実行データの出力制御を各点灯制御部22は行わないようになっていてもよい。その代わりに、更新制御部12は、外部入力機器6からデータ要求信号が入力された際に、その時点において各点灯制御部22に出力している番号データを外部入力機器6に出力するようになっていてもよい。具体的には、例えば図7に示すように、ステップS21,S22において、更新制御部12から出力された番号データに基づき、各点灯制御部22は対応するパターンデータに基づいてネオンユニット24の点灯制御を行う。こうした最中にステップS23において外部入力機器6から出力されたデータ要求信号が更新制御部12に入力された場合には、ステップS24において該更新制御部12は、各点灯制御部22に出力した最新の番号データを外部入力機器6に出力するようになっていてもよい。そして、ステップS25において外部入力機器6は、更新制御部12から入力された番号データと対応するパターンデータに基づいて、各点灯制御部22が現在どのパターンデータに基づいて点灯制御を行っているかを認識するようになっていてもよい。このようにすれば、各点灯制御部22は、外部入力機器6から入力されるデータ要求信号に基づく処理を何ら行う必要がないため、該点灯制御部22の処理負担を軽減させることができる。また、外部入力機器6がデータ要求信号を出力してから番号データが外部入力機器6に入力されるまでの処理数も減ることから、番号データの入力応答性も向上させることができる。
【0073】
なお、こうした変更例において、更新制御部12は、外部入力機器6からのデータ要求信号の入力有無にかかわらず、番号データを更新する度毎にその更新した番号データを外部入力機器6に出力可能となっていてもよい。このようにすれば、外部入力機器6からデータ要求信号を出力させるための操作が不要となり、更新制御部12に外部入力機器6を接続するだけで、外部入力機器6は、実際に点灯制御が行われている実行データを確実に得ることができる。
【0074】
・ 前記実施形態において、更新制御部12は、通常モードにおいて外部入力機器6から点灯保持信号が入力された際には、その時点において各点灯制御部22に出力している番号データを固定するとともに、各点灯制御部22に対して該点灯保持信号を出力するようになっていてもよい。そして、各点灯制御部22は、更新制御部12から点灯保持信号が入力された際には、パターンデータの更新を行わないようにしてネオンユニット24の点灯状態を保持する点灯保持制御を行うようになっていてもよい。このようにすれば、
外部入力機器6から点灯制御部22に点灯保持信号が入力されると、その時点でのネオンユニット24の点灯状態が保持される。このため、例えば各パターンデータのうちの一部を変更する場合等に、その変更該当箇所の点灯状態を保持させることにより、該変更該当箇所の点灯態様を明確に認識することができる。
【0075】
なお、こうした点灯保持信号は、前記データ指定信号とともに更新制御部12に入力されるようになっていてもよい。
・ 上記変更例において、更新制御部12は、外部入力機器6から点灯保持信号が入力された後は、前記定期更新時間よりも長時間に設定された状態保持時間が経過する毎に、番号データを更新するようになっていてもよい。このようにすれば、各点灯制御部22は、該番号データが更新されたことを条件として、ネオンユニット24の点灯状態を更新することとなり、該ネオンユニット24の点灯態様は、自動的にコマ送りされた状態となる。
【0076】
また、こうした自動コマ送り機能に限らず、外部入力機器6または更新制御部12によってデータを更新するための操作が行われたことを条件として、ネオンユニット24の点灯態様を更新するようにしてもよい。
【0077】
・ 前記実施形態において、統括制御ユニット2は、各点灯制御ユニット4に対する番号データの更新間隔を調整可能な更新速度調整機能を有していてもよい。詳しくは、統括制御ユニット2に速度調整操作部等の速度調整手段を設け、該速度調整手段の操作態様に応じて、更新制御部12から各点灯制御部22に対する番号データの更新速度を変化させる。このようにすれば、外部入力機器6による点灯データの変更処理を行うことなく、点灯制御システム1単体で、一連の点灯演出速度を変化させることができる。しかもこの場合、外部入力機器6のモニタ上でシミュレーションされるネオンユニット24の点灯態様の速度と、実際のネオンユニット24の点灯態様の速度とが一致しなくなるものの、外部入力機器6から点灯制御システム1にデータ要求信号を入力することにより、その時点でのパターンデータを外部入力機器6は確実に認識することができる。よって、例えば一連の点灯演出の中の一部分のみを変更する場合などにおいても、その変更箇所に該当するパターンデータを容易に特定することが可能となるとともに、その変更作業を容易に行うことができる。ちなみに、前記背景技術における点灯制御システムにあっては、こうした速度調整機能を有している場合には、パターンデータの特定がさらに困難となり、一部のパターンデータのみを特定して変更することは非常に困難となる。
【0078】
なお、前記変更例として図6に示した点灯制御システム1にあっては、前記速度調整手段を点灯制御ユニット4に配設してもよい。そしてこの場合には、点灯制御部22が速度調整手段の操作態様に応じてパターンデータの更新速度を変化させることにより、一連の点灯演出速度を変化させるようにしてもよい。
【0079】
・ 更新制御部12は、外部入力機器6からデータ要求信号が入力された際にのみ、点灯制御部22によって点灯制御が行われているパターンデータ及び番号データを出力することに限らず、該点灯制御中のパターンデータ及び番号データを、例えば所定時間毎に定期的に外部入力機器6に出力するようになっていてもよい。このようにすれば、外部入力機器6からデータ要求信号を出力させるための操作を行う必要がなくなり、操作簡易性を高めることができる。
【0080】
・ 前記各実施形態では、発光体としてネオン管を有するネオンユニット24を用いている。しかし、発光体として例えばLEDや白熱球などを用いるとともに、該LEDや白熱球を点灯制御する点灯制御ユニット4を用いてもよい。また、前記第1〜第3実施形態において点灯制御システム1は、ネオンユニット24を点灯制御する点灯制御ユニット4と、LEDや白熱球などを点灯制御する点灯制御ユニット4とを併せ備えた構成となっていてもよい。
【0081】
次に、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した実施形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
(1) 請求項4に記載の点灯制御装置において、前記点灯制御手段は、前記点灯保持制御によりパターンデータの更新を停止している状態にあっては、予め設定された状態保持時間が経過したこと及びデータ更新のための操作が行われたことのうちの少なくとも一方の条件が成立した際に、該保持状態にあるパターンデータの次の点灯態様として設定されたパターンデータに基づいて発光体を点灯させること。
【0082】
(2) 請求項1〜4、上記(1)のいずれか1項に記載の点灯制御装置において、前記パターンデータの更新速度を調整可能な速度調整手段を備え、前記点灯制御手段は、該速度調整手段による調整状態に応じて、前記パターンデータの更新速度を変化させること。
【0083】
(3) 請求項5に記載の点灯制御システムにおいて、前記更新制御手段は、前記データ要求信号が前記外部入力機器から入力された際には、そのデータ要求信号を前記点灯制御手段に出力すること。
【0084】
(4) 請求項5または上記(3)に記載の点灯制御システムにおいて、前記更新制御手段は、前記データ指定信号が前記外部入力機器から入力された際には、そのデータ指定信号を前記点灯制御手段に出力すること。
【0085】
(5) 請求項5、上記(3)、(4)のいずれか1項に記載の点灯制御システムにおいて、前記更新制御手段は、前記点灯保持信号が前記外部入力機器から入力されると、前記点灯制御手段に対する番号データの更新を停止することにより、その時点での発光体の点灯状態を保持する点灯保持制御を行うこと。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本発明の一実施形態の点灯制御システムの概略構成を示すブロック図。
【図2】(a),(b)は、同実施形態の外部入力機器のモニタ画面の表示例を概略的に示す模式図。
【図3】同実施形態の点灯制御ユニットに記録される番号データ及び固定パターンデータを示す表。
【図4】同実施形態の点灯データ書き換え動作を概略的に示すシーケンスチャート。
【図5】同実施形態のデータ出力動作を概略的に示すシーケンスチャート。
【図6】他の実施形態の点灯制御システムの概略構成を示すブロック図。
【図7】他の実施形態のデータ出力動作を概略的に示すシーケンスチャート。
【符号の説明】
【0087】
1…点灯制御システム、2…統括制御ユニット(統括制御装置)、4(4a〜4d)…点灯制御ユニット(点灯制御装置)、6…外部入力機器、12…更新制御部、22…点灯制御手段としての点灯制御部、22M…記録手段としてのメモリ、24…発光体としてのネオンユニット。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光体の点灯パターンの時系列的な変化態様を示す複数のパターンデータが外部入力機器から入力された際にそれらパターンデータを記録する記録手段と、該記録手段に記録された前記パターンデータに基づいて発光体の点灯制御を行い、予め設定された定期更新時間が経過する毎に前記パターンデータを更新することで発光体の点灯態様を変化させる点灯制御手段とを備える点灯制御装置であって、
前記点灯制御手段は、前記点灯制御中のパターンデータを示す実行データを前記外部入力機器に出力するデータ出力制御を行うことを特徴とする点灯制御装置。
【請求項2】
前記点灯制御手段は、前記外部入力機器から前記実行データの出力を要求するデータ要求信号が入力されたことを条件として、前記データ出力制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の点灯制御装置。
【請求項3】
前記点灯制御手段は、前記複数のパターンデータのうちの一つを指定する旨を示すデータ指定信号が前記外部入力機器から入力されると、そのデータ指定信号によって指定されたパターンデータを開始データとして点灯制御を開始することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の点灯制御装置。
【請求項4】
前記点灯制御手段は、点灯状態を保持する旨を示す点灯保持信号が前記外部入力機器から入力されると、前記パターンデータの更新を停止することにより、その時点での発光体の点灯状態を保持する点灯保持制御を行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の点灯制御装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の点灯制御装置を複数個備えるとともに、それら点灯制御装置の前記点灯制御手段と前記外部入力機器との間において各点灯制御手段にネットワーク接続され、前記外部入力機器から前記パターンデータが入力された際に、該パターンデータを対応する点灯制御手段に出力する統括制御装置を備えた点灯制御システムであって、
前記各点灯制御手段は、前記外部入力機器から前記統括制御装置を介して前記複数のパターンデータが入力された際に、それらパターンデータにそれぞれ番号データを対応付けた状態で該パターンデータを前記記録手段に記録するデータ記録制御と、前記統括制御装置から番号データが入力された際に、その入力された番号データに対応するパターンデータに基づく点灯パターンで前記発光体を点灯させる点灯制御とを行うとともに、前記点灯制御中のパターンデータを示す実行データを、前記統括制御装置を介して前記外部入力機器に出力するデータ出力制御を行い、
前記統括制御装置は、自身に記録された番号データを前記ネットワークを介して前記各点灯制御手段に順次出力して前記パターンデータを更新するデータ更新制御と、前記点灯制御手段から前記実行データが入力された際に、その実行データを前記外部入力機器に出力するデータ出力仲介制御とを行うことを特徴とする点灯制御システム。
【請求項6】
発光体の点灯パターンの時系列的な変化態様を示す複数のパターンデータが外部入力機器から入力された際にそれらパターンデータを記録する記録手段と、該記録手段に記録された前記パターンデータに基づいて発光体の点灯制御を行い、予め設定された定期更新時間が経過する毎に前記パターンデータを更新することで発光体の点灯態様を変化させる点灯制御手段とを備える点灯制御装置を複数個備えるとともに、それら点灯制御装置の前記点灯制御手段と前記外部入力機器との間において各点灯制御手段にネットワーク接続され、前記外部入力機器から前記パターンデータが入力された際に、該パターンデータを対応する点灯制御手段に出力する統括制御装置を備えた点灯制御システムであって、
前記各点灯制御手段は、前記外部入力機器から前記統括制御装置を介して前記複数のパターンデータが入力された際に、それらパターンデータにそれぞれ番号データを対応付けた状態で該パターンデータを前記記録手段に記録するデータ記録制御と、前記統括制御装置から番号データが入力された際に、その入力された番号データに対応するパターンデータに基づく点灯パターンで前記発光体を点灯させる点灯制御とを行い、
前記統括制御装置は、自身に記録された番号データを前記ネットワークを介して前記各点灯制御手段に順次出力して前記パターンデータを更新するデータ更新制御と、その更新した番号データを前記外部入力機器に出力するデータ出力仲介制御とを行うことを特徴とする点灯制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−207562(P2007−207562A)
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−24597(P2006−24597)
【出願日】平成18年2月1日(2006.2.1)
【出願人】(000144544)レシップ株式会社 (179)
【Fターム(参考)】