説明

点灯制御装置

【課題】周波数の変化に起因するラッシュ電流をより低減することが可能な点灯制御装置を提供する。
【解決手段】バックライトの点灯開始後から第1時間経過後に、第1スイッチを第1発振回路から第2発振回路へ切り替える。点灯開始後から第1時間より後の第2時間経過後に、第2スイッチを電圧調光回路からPWM調光回路へ切り替える。電圧調光回路は、点灯開始後から第2時間まで、最大電圧の20%以下の電圧をインバータ回路へ入力する。第2時間経過後、PWM調光回路は、デューティー比を設定されたデューティー比まで段階的に増加させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インバータ回路により駆動される放電灯の点灯制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置における液晶パネルは、映像回路からの映像信号によって各ドットが励起され画像を表示するが、それ自体発光しない。このため、液晶表示装置では一般に、背面から液晶パネルを放電灯(バックライト)により照光している。従来の、液晶表示装置はラッシュ電流を防止するために、電源スイッチの投入後、映像回路を含む液晶パネル駆動用の回路の電源をオンし、その所定時間経過後バックライトの電源をオンしていた(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
通常バックライトの明るさを制御するにはインバータ回路への入力直流電圧または入力電流を変化させてバックライトに流れる電流を変化させて調光する電流(電圧)調光方式と、PWM(Pulse Width Modulation)パルスにより発振周波数の発振/停止を制御するバースト調光(PWM調光)方式とがある。
【0004】
また、従来の点灯制御装置には、ラッシュ電流を防止すべく、電圧電流調光回路及びPWM調光回路を組み合わせてバックライトを点灯する所謂ソフトスタート機能が搭載されている。図5は従来のソフトスタート機能による点灯制御手順を示すタイムチャートである。図5(a)はバックライトの点灯スイッチのオン・オフ状態の時間的変化を示すタイムチャートであり、横方向は時間、縦方向はLowまたはHighのいずれかである。メインのスイッチがオンされた所定時間後(例えば500ms後)、バックライトの点灯スイッチがLowからHighへ切り替わる。図5(b)は電圧調光回路の電圧レベルの時間的変化を示すタイムチャートである。横方向は時間、縦方向は電圧レベル(%)である。電圧調光回路は、ソフトスタート機能を実現すべく、バックライトの点灯スイッチがLowからHighへ切り替わった後、最大電圧の約20%程度の電圧をインバータ回路へ入力する。
【0005】
図5(c)はPWM調光回路におけるPWMパルスのデューティー比の時間的変化を示すタイムチャートであり、横方向は時間、縦方向はLowまたはHighのいずれかである。バックライトの点灯スイッチがLowからHighへ切り替わり、その後約200ms経過後、バックライトの調光は電圧調光回路からPWM調光回路へ切り替わる。PWM調光回路は100%のデューティー比でパルスを発生させ、所定時間経過後に予めユーザが設定したデューティー比(例えば、50%)でパルスを発生させる。
【0006】
図5(d)はバックライト電流検出回路により検出される電流の時間的変化を示すタイムチャートであり、横方向は時間、縦方向は電流で単位はアンペアである。図5(d)において実線はソフトスタート機能を用いた場合の電流の時間的変化を示し、点線は電圧調光回路を用いずに、PWM調光回路のみを用いてバックライトを点灯させた際の、電流の時間的変化を示す。点線で示すように、ソフトスタート機能を搭載しない場合、瞬時にデューティー比100%のパルスが入力されるため短時間で急激に電流値が上昇する。その一方で、実線で示す如く、ソフトスタート機能を搭載した場合、電圧調光回路による20%電圧の入力後、PWMパルスによる電圧が入力されるので、電流の時間的変化は若干緩やかになる。
【0007】
また、近年ではより多様な設計を可能とすべく、インバータユニット内部の発振回路に加え、インバータユニット外部にも発振回路が設けられている。これらの発振回路は相互に発振周波数が異なり、点灯制御装置における点灯目的または制御対象等に応じて、これらの内いずれかを選択できるようになっている。
【特許文献1】特開平7−5427号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来は内部の発振回路から外部の発振回路への切り替えを電圧電流調光回路からPWM調光回路への切り替え時に行っており、周波数の変化に伴うラッシュ電流発生の原因となっていた。すなわち、電圧調光回路とPWM調光回路とを用いたソフトスタート機能を搭載していても、十分にラッシュ電流を低減できないという問題があった。
【0009】
また、従来は電圧調光回路により20%程度の電圧を入力後、PWM調光回路によるデューティー比100%のパルスを入力していたため、電圧調光回路からPWM調光回路への切り替え時にも依然として急激な電圧の変化に伴うラッシュ電流が発生していた。また、引用文献1に記載の技術はメインの電源がオンされた後に、遅延回路を用いて所定時間経過後にバックライトのスイッチをオンするのみで、これらの問題を解決し得ない。
【0010】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、点灯開始後から第1時間経過後に、第1発振回路から第2発振回路へ切り替え、点灯開始後から第1時間より後の第2時間経過後に、電圧電流調光回路からPWM調光回路へ切り替えることにより、周波数の変化に起因するラッシュ電流をより低減することが可能な点灯制御装置を提供することにある。
【0011】
本発明の他の目的は、電圧電流調光回路からPWM調光回路への切り替え後、デューティー比を段階的に増加させることにより、さらにラッシュ電流を低減することが可能な点灯制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る点灯制御装置は、インバータ回路により駆動される放電灯の点灯制御装置において、前記インバータ回路へ第1の周波数に基づく信号を出力する第1発振回路または前記第1の周波数とは異なる第2の周波数に基づく信号を出力する第2発振回路のいずれかへ切り替える第1スイッチと、前記インバータ回路へ入力される電圧または電流を変化させることにより前記放電灯を調光する電圧電流調光回路と、前記インバータ回路へ入力されるPWMパルスのデューティー比を変化させることにより前記放電灯を調光するPWM調光回路と、前記電圧電流調光回路または前記PWM調光回路のいずれかへ切り替える第2スイッチと、点灯開始後から第1時間経過後に、前記第1スイッチを第1発振回路から第2発振回路へ切り替える第1切り替え手段と、点灯開始後から前記第1時間より後の第2時間経過後に、前記第2スイッチを前記電圧電流調光回路から前記PWM調光回路へ切り替える第2切り替え手段とを備えることを特徴とする。
【0013】
本発明に係る点灯制御装置は、前記電圧電流調光回路は、点灯開始後から前記第2時間まで、最大電圧または最大電流の20%以下の電圧または電流を前記インバータ回路へ入力するよう構成してあることを特徴とする。
【0014】
本発明に係る点灯制御装置は、前記PWM調光回路は、前記第2切り替え手段による前記第2スイッチの切り替え後、デューティー比を段階的に増加させるよう構成してあることを特徴とする。
【0015】
本発明にあっては、第1スイッチはインバータ回路へ第1の周波数に基づく信号を出力する第1発振回路または第1の周波数とは異なる第2の周波数に基づく信号を出力する第2発振回路のいずれかへ切り替える。また、第2スイッチは、インバータ回路へ入力される電圧または電流を変化させることにより放電灯を調光する電圧電流調光回路またはインバータ回路へ入力されるPWMパルスのデューティー比を変化させることにより放電灯を調光するPWM調光回路のいずれかへ切り替える。そして、第1切り替え手段は放電灯の点灯開始後から第1時間経過後に、第1スイッチを第1発振回路から第2発振回路へ切り替える。
【0016】
その後第2切り替え手段は、点灯開始後から前記第1時間より後の第2時間経過後に、第2スイッチを電圧電流調光回路からPWM調光回路へ切り替える。この電圧電流調光回路は、例えば、点灯開始後から第2時間まで、最大電圧または最大電流の20%以下の電圧または電流をインバータ回路へ入力するよう構成している。このように、第1発振回路から第2発振回路への切り替えを電圧電流調光回路からPWM調光回路への切り替え前に行うことにより、周波数の切り替えを原因とするラッシュ電流を低減することが可能となる。
【0017】
本発明にあっては、PWM調光回路は、第2切り替え手段による第2スイッチの切り替え後、デューティー比を段階的に増加させるので、電圧電流調光回路からPWM調光回路への切り替え時においてもよりラッシュ電流を低減することが可能となる。
【発明の効果】
【0018】
本発明にあっては、第1発振回路から第2発振回路への切り替えを電圧電流調光回路からPWM調光回路への切り替え前に行うことにより、周波数の切り替えを原因とするラッシュ電流を低減することが可能となる。また、PWM調光回路は、第2切り替え手段による第2スイッチの切り替え後、デューティー比を段階的に増加させるので、電圧電流調光回路からPWM調光回路への切り替え時においてもよりラッシュ電流を低減することが可能となる。そして、第1発振回路から第2発振回路への切り替えタイミングと、電圧電流調光回路からPWM調光回路への切り替えタイミングとを異ならせる手段、及び、PWM調光回路のデューティー比を段階的に増加させる手段の組み合わせにより、一段と優れたソフトスタート機能を実現することが可能となる等、本発明は優れた効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。図1は本発明に係る点灯制御装置の回路構成を示す回路図である。図においてSは液晶表示装置(図示せず)等に利用される放電灯(以下、バックライト)の点灯制御装置であり、制御ユニット2及びインバータユニット1を含んで構成される。主制御部3は点灯制御装置S及び図示しない映像回路等を含む液晶表示装置内の全ての回路を制御する。主制御部3はメインスイッチ31に接続されており、ユーザのメインスイッチ31のオン操作により、High信号を制御ユニット2へ出力する。
【0020】
制御ユニット2は、制御部21、時計部25、第2発振回路22、PWM調光回路23、DCコンバータ24、制御プログラム25Pを含んで構成される。また、インバータユニット1は、インバータ回路11内のインバータ駆動回路111及びトランス112、発振制御回路12、電圧調光回路14、第1スイッチS1、並びに、第2スイッチS2を含んで構成される。制御部21は図示しないCPU及びメモリを含んで構成され、メモリに記憶した制御プログラム25Pに従い、第1スイッチS1、第2スイッチS2、PWM調光回路23及びDCコンバータ24等の制御を行う。時計部25は時間信号を制御部21へ出力し、制御部21は時計部25から出力される時間信号を参照して第1スイッチS1及び第2スイッチS2等の切り替え制御を行う。
【0021】
制御ユニット2内部には水晶発振器等の第2発振回路22が設けられており、またインバータユニット1内部にも水晶発振器等の第1発振回路13が設けられている。制御部21は第1スイッチ制御信号を出力して第1発振回路13または第2発振回路22のいずれかへ切り替える。制御部21が第1スイッチ制御信号としてLow信号を出力した場合、第1スイッチS1は、第1発振回路13側へ切り替えられ、制御部21が第1スイッチ制御信号としてHigh信号を出力した場合、第1スイッチS1は、第2発振回路22側へ切り替えられる。第1発振回路13は、周波数30kHz(第1の周波数)の基準信号を発振制御回路12へ出力し、第2発振回路22は、周波数31kHz(第2の周波数)の基準信号を発振制御回路12へ出力する。なお、第1発振回路13及び第2発振回路22の各周波数は一例であって第1の周波数と第2の周波数とが異なるものであればこれ以外であっても良い。
【0022】
発振制御回路12は、バックライト電流検出回路5から出力される検出電流によってインバータ駆動回路111の発振周波数を制御する。この制御の際、発振制御回路12は第1発振回路13または第2発振回路22から出力される周波数に基づく基準信号に従って制御を行う。
【0023】
制御ユニット2内部にはPWM調光回路23が設けられている。PWM調光回路23は、制御部21の指示により所定のタイミングで所定のデューティー比のPWMパルスを発生し、発生したPWMパルスを発振制御回路12へ出力する。発振制御回路12はPWM調光回路23から出力されるPWMパルスによって発振周波数の停止を制御する。インバータ駆動回路111は発振制御回路12からのPWMパルスに基づくインバータ制御信号を入力としてトランス112を駆動する。
【0024】
制御ユニット2内のDCコンバータ24は、制御部21の指示に従い0V〜3.3Vの昇降圧を行い、この電圧を調光用コントロール電圧VTとして、インバータユニット1内の電圧調光回路14へ出力する。電圧調光回路14(電圧電流調光回路)は比較器(図示せず)及び分圧抵抗(図示せず)等により構成され、調光用コントロール電圧VTに応じて発振制御回路12を経てインバータ回路11へ入力する電圧を変化させ、バックライト4を調光する。なお、本実施の形態においては入力電圧を変化させる電圧調光回路14を適用した例について説明するが入力電流を変化させることによりバックライト4の明るさを調光する電流調光回路を用いても良い。
【0025】
図2は電圧調光回路14の出力電圧波形を示すグラフである。図2(a)は、調光用コントロール電圧VTが0Vの場合の出力電圧波形の時間的変化を示すグラフであり、横軸は時間、縦軸は出力電圧(単位はボルト)である。また図2(b)は、調光用コントロール電圧VTが3.3Vの場合の出力電圧波形の時間的変化を示すグラフである。図に示すように電圧調光回路14は時間的に鋸波状に変化する電圧を出力する回路であり、DCコンバータ24から出力される調光用コントロール電圧VTが3.3Vの場合、図2(b)のハッチングで示す約100%の最大電圧が、インバータ回路11へ入力される。
【0026】
一方、DCコンバータ24から出力される調光用コントロール電圧VTが0Vの場合、図2(a)のハッチングで示す約20%の電圧が、インバータ回路11へ入力される。なお、本実施の形態においては調光用コントロール電圧VTを0Vとし、入力される電圧を最大電圧の20%としたが、25%程度とする他、20%以下でも良い。調光用コントロール電圧VTにより入力量が制限された鋸波状の電圧波形は発振制御回路12へ出力され、発振制御回路12は、この電圧波形に応じてインバータ制御信号をインバータ駆動回路111へ入力する。
【0027】
制御部21は第2スイッチS2に接続されており、第2スイッチS2を制御する。制御部21は、第2スイッチ制御信号を出力して電圧調光回路14またはPWM調光回路23のいずれかへ切り替える。制御部21が第2スイッチ制御信号としてLow信号を出力した場合、第2スイッチS2は、電圧調光回路14側へ切り替えられ、制御部21が第2スイッチ制御信号としてHigh信号を出力した場合、第2スイッチS2は、PWM調光回路23側へ切り替えられる。
【0028】
以上の回路構成において、制御部21のスイッチング制御を、タイムチャートを用いて説明する。なお、以下の各制御は制御部21内の制御プログラム25Pに従って行われる。図3はスイッチング制御の手順を示すタイムチャートであり、いずれも横方向は時間である。図3(a)はメインスイッチ31のオンまたはオフ状態を示すタイムチャートであり、縦方向はLowまたはHighである。メインスイッチ31がオフからオンへ切り替えられた場合、主制御部3へ入力されるスタート信号はLowからHighへ切り替えられる。
【0029】
図3(b)はバックライト4の点灯スイッチの時間的変化を示すタイムチャートであり、縦方向はLowまたはHighである。主制御部3は、所定時間、例えば500ms、経過後、バックライト4の点灯を開始すべく、制御開始信号をLowからHighへ切り替える。制御部21はHighの制御開始信号を受けて、制御ユニット2及びインバータユニット1へ電力を供給すると共にバックライト4の点灯を開始する。点灯開始時においては、第1スイッチS1はLow側、すなわち第1発振回路13側であり、第2スイッチS2もLow側、すなわち電圧調光回路14側となっている。
【0030】
図3(c)は電圧調光回路14の出力電圧の時間的変化を示すタイムチャートである。DCコンバータ24からは調光用コントロール電圧VT=0Vが供給されており、点灯開始後、最大電圧の約20%に相当する電圧が発振制御回路12を経てインバータ回路11へ入力される。図3(d)は第1スイッチ制御信号の時間的変化を示すタイムチャートであり、縦方向はLowまたはHighである。点灯開始後に、第1時間(例えば150ms)経過した場合、制御部21は時計部25からの時間情報に基づき、第1スイッチ制御信号をLowからHighへ切り替える。これにより、第1スイッチS1は30kHzの第1発振回路13側から31kHzの第2発振回路22側へ切り替えられる。この第1時間経過時においては、第2スイッチS2は引き続きLow側であり、電圧調光回路14による20%調光が引き続き行われる(図3(c)及び図3(d)参照)。
【0031】
図3(e)は第2スイッチ制御信号の時間的変化を示すタイムチャートであり、縦方向はLowまたはHighである。点灯開始後、第1時間(例えば150ms)より後の第2時間(例えば200ms)経過後、制御部21は時計部25からの時間情報に基づき、第2スイッチ制御信号をLowからHighへ切り替える。これにより、第2スイッチS2は、電圧調光回路14側からPWM調光回路23側へ切り替えられる。
【0032】
図3(f)はPWM調光回路23から出力されるPWMパルスの時間的変化を示すタイムチャートであり、縦方向はLowまたはHighである。制御部21はユーザ等が設定したデューティー比を読み出し、これに至るまで、段階的にデューティー比を増加させる制御をPWM調光回路23に対して行う。例えば、設定されたデューティー比が50%の場合、数%ずつデューティー比を増加させる指示をPWM調光回路23へ出力する。PWM調光回路23は制御部21からの指示に従い、PWMパルスの幅を変化させる。本実施の形態においては、ユーザの設定デューティー比を50%としており、10%、20%、30%、40%、50%と段階的にデューティー比を増加させている。
【0033】
図3(g)はバックライト電流検出回路5から出力される電流の時間的変化を示すタイムチャートであり、縦方向は電流(単位はアンペア)である。実線は本実施の形態に係るスイッチング制御を行った場合の電流の変化を示し、一点鎖線は従来のスイッチング制御を行った場合の電流の変化である。実線で示すように、第1スイッチS1の切り替えタイミングを第2スイッチS2の切り替えタイミングよりも早く実行すると共に、第2スイッチS2の切り替え後、デューティー比を段階的に増加させているので一点鎖線で示す従来の制御と比較してよりラッシュ電流が低減していることが理解できる。
【0034】
図4は制御部21のスイッチング制御処理の手順を示すフローチャートである。制御部21は主制御部3からHigh信号が入力されたか否かを判断する(ステップS41)。制御部21は、主制御部3からHigh信号が入力されていないと判断した場合(ステップS41でNO)、入力されるまで待機する。一方、主制御部3からHigh信号が入力されたと判断した場合(ステップS41でYES)、調光用コントロール電圧VT=0Vを電圧調光回路14へ出力し、電圧調光回路14による20%電圧をインバータ回路11へ入力する(ステップS42)。
【0035】
制御部21は、時計部25からの時間情報を参照して、点灯開始後第1時間経過したか否かを判断する(ステップS43)。制御部21は点灯開始後第1時間を経過していないと判断した場合(ステップS43でNO)、ステップS42へ移行し、電圧調光回路14による制御を継続して行う。一方、制御部21は点灯開始後第1時間を経過したと判断した場合(ステップS43でYES)、第1スイッチ制御信号をLowからHighへ切り替え、第1発振回路13から第2発振回路22への切り替えを行う(ステップS44)。
【0036】
次いで制御部21は、時計部25からの時間情報を参照して、点灯開始後第2時間を経過したか否かを判断する(ステップS45)。制御部21は、点灯開始後第2時間を経過していないと判断した場合(ステップS45でNO)、第2時間を経過するまで待機する。制御部21は点灯開始後第2時間を経過したと判断した場合(ステップS45でYES)、第2スイッチ制御信号をLowからHighへ切り替え、電圧調光回路14からPWM調光回路23への切り替えを行う(ステップS46)。
【0037】
制御部21はステップS46の処理と共に、デューティー比を図示しないメモリに予め記憶した所定%(例えば10%)から段階的に増加させる指示をPWM調光回路23へ出力する(ステップS47)。制御部21は、図示しないメモリに予め記憶された設定デューティー比まで増加したか否かを判断する(ステップS48)。制御部21は、設定デューティー比までデューティー比が増加していないと判断した場合(ステップS48でNO)、ステップS47へ移行し、デューティー比をさらに増加させる処理を繰り返す。一方、制御部21は、設定デューティー比までデューティー比が増加したと判断した場合(ステップS48でYES)、一連の処理を終了する。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明に係る点灯制御装置の回路構成を示す回路図である。
【図2】電圧調光回路の出力電圧波形を示すグラフである。
【図3】スイッチング制御の手順を示すタイムチャートである。
【図4】制御部のスイッチング制御処理の手順を示すフローチャートである。
【図5】従来のソフトスタート機能による点灯制御手順を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
【0039】
1 インバータユニット
2 制御ユニット
3 主制御部
31 メインスイッチ
25 時計部
21 制御部
22 第2発振回路
23 PWM調光回路
24 DCコンバータ
25P 制御プログラム
11 インバータ回路
111 インバータ駆動回路
112 トランス
4 バックライト(放電灯)
12 発振制御回路
13 第1発振回路
14 電圧調光回路(電圧電流調光回路)
S1 第1スイッチ
S2 第2スイッチ
5 バックライト電流検出回路
S 点灯制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インバータ回路により駆動される放電灯の点灯制御装置において、
前記インバータ回路へ第1の周波数に基づく信号を出力する第1発振回路または前記第1の周波数とは異なる第2の周波数に基づく信号を出力する第2発振回路のいずれかへ切り替える第1スイッチと、
前記インバータ回路へ入力される電圧または電流を変化させることにより前記放電灯を調光する電圧電流調光回路と、
前記インバータ回路へ入力されるPWMパルスのデューティー比を変化させることにより前記放電灯を調光するPWM調光回路と、
前記電圧電流調光回路または前記PWM調光回路のいずれかへ切り替える第2スイッチと、
点灯開始後から第1時間経過後に、前記第1スイッチを第1発振回路から第2発振回路へ切り替える第1切り替え手段と、
点灯開始後から前記第1時間より後の第2時間経過後に、前記第2スイッチを前記電圧電流調光回路から前記PWM調光回路へ切り替える第2切り替え手段と
を備えることを特徴とする点灯制御装置。
【請求項2】
前記電圧電流調光回路は、点灯開始後から前記第2時間まで、最大電圧または最大電流の20%以下の電圧または電流を前記インバータ回路へ入力するよう構成してある
ことを特徴とする請求項1に記載の点灯制御装置。
【請求項3】
前記PWM調光回路は、前記第2切り替え手段による前記第2スイッチの切り替え後、デューティー比を段階的に増加させるよう構成してある
ことを特徴とする請求項1または2に記載の点灯制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−91082(P2008−91082A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−268057(P2006−268057)
【出願日】平成18年9月29日(2006.9.29)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】