説明

無人移動体のデータ伝送装置および方法

【課題】無人移動体からのカメラ情報を受信して遠隔操作を行う際に、途切れの無い遠隔操作が可能となるようにカメラ情報を伝送する。
【解決手段】地上装置からの制御情報の受信レベルを評価し、この評価結果に基づいてカメラ情報の画像圧縮率または画像サイズを変更する。評価結果が所定値以下の場合には、画像圧縮率を高める処理と画像サイズを縮小する処理とを併用する。カメラ情報および制御情報の送受信はTDDを用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無人移動体のデータ伝送装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、無人飛行機や無人車両あるいはロボットなど、無人移動体の研究開発は目覚しく、災害現場や人間が立ち入ることが困難な場所での監視活動等への適用が期待される。
【0003】
無人移動体とは、例えば、無人移動体に搭載されたカメラから取得したカメラ情報(画像情報)、センサから取得したセンサ情報(無人移動体の現在位置や進行速度、姿勢など)を、無人移動体から離れた場所に設置された地上装置へ伝送し、それらの情報を元に、地上装置のオペレータは遠隔操縦のための制御情報を地上装置から無人移動体へ伝送し、移動体の遠隔操縦を行うものである。無人移動体と地上装置との伝送には至近距離の場合は有線または無線通信が用いられるが、離れた環境下では無線通信に限られる(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平10−257474号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した無人移動体の無線通信においては、無人移動体の行動範囲が無線伝搬の状況や、地上装置からの伝搬距離に大きく影響される。具体的には、カメラ情報およびセンサ情報が地上装置へ伝送可能な範囲または制御情報が無人移動体へ伝送可能な範囲に限定される。
【0005】
この場合には、カメラ情報およびセンサ情報が地上へ伝送されなくなった時点、または制御情報が無人移動体へ伝送されなくなった時点で、遠隔操作が不可能となる。
【0006】
特に、カメラ情報(画像情報)については、センサ情報または制御情報と比較するとデータ量が多いため、センサ情報または制御情報が伝達可能であるにも関わらずカメラ情報が伝達不能となり、それが原因で遠隔操作が不可能となる場合が多い。
【0007】
本発明は、このような背景の下に行われたものであって、途切れの無い遠隔操作が可能となるようにカメラ情報を伝送することができるデータ伝送装置および方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、カメラ情報を無人移動体から地上装置へ伝送する移動体送信手段と、無人移動体を移動制御するための制御情報を地上装置から無人移動体へ伝送する地上送信手段とを備えた無人移動体のデータ伝送装置である。
【0009】
ここで、本発明の特徴とするところは、地上装置からの制御情報の受信レベルを評価する受信レベル評価手段と、この受信レベル評価手段の評価結果に基づいてカメラ情報の画像圧縮率または画像サイズを変更するカメラ情報変更手段とを備えたところにある。
【0010】
また、本発明を無人移動体としての観点から観ると、本発明は、カメラ情報を地上装置へ伝送する移動体送信手段を備えた無人移動体であって、本発明の特徴とするところは、地上装置からの制御情報の受信レベルを評価する受信レベル評価手段と、この受信レベル評価手段の評価結果に基づいてカメラ情報の画像圧縮率または画像サイズを変更するカメラ情報変更手段とを備えたところにある。
【0011】
また、本発明をデータ伝送方法としての観点から観ると、本発明は、カメラ情報を無人移動体から地上装置へ伝送し、無人移動体を移動制御するための制御情報を地上装置から無人移動体へ伝送する無人移動体のデータ伝送装置に適用されるデータ伝送方法である。
【0012】
ここで、本発明の特徴とするところは、上記無人移動体の受信レベル評価手段が、地上装置からの制御情報の受信レベルを評価し、上記無人移動体のカメラ情報変更手段が、上記受信レベル評価手段の評価結果に基づいてカメラ情報の画像圧縮率または画像サイズを変更するところにある。
【0013】
また、本発明をプログラムとしての観点から観ると、本発明は、情報処理装置にインストールすることにより、その情報処理装置に、カメラ情報を地上装置へ伝送する移動体送信機能を備えた無人移動体におけるデータ伝送制御機能を実現するプログラムであって、地上装置からの制御情報の受信レベルを評価する受信レベル評価機能と、この受信レベル評価機能の評価結果に基づいてカメラ情報の画像圧縮率または画像サイズを変更するカメラ情報変更機能とを実現することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、無人移動体からのカメラ情報を、無線伝搬の悪い状況や、遠距離においても地上装置に伝送させることが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の実施形態の無人移動体のデータ伝送装置について図1から図5を参照して詳細に説明する。
【0016】
(構成の説明)
図1は、本発明の実施形態の無人移動体のデータ伝送装置のブロック構成図である。図2は、本発明の実施形態の無人移動体のデータ伝送装置の概念図である。本発明の実施形態の無人移動体のデータ伝送装置は、図1および図2に示すように、カメラ情報を無人移動体1から地上装置3へ伝送する移動体送信手段である移動体送信部21と、無人移動体1を移動制御するための制御情報を地上装置3から無人移動体1へ伝送する地上送信手段である地上送信部23とを備えた無人移動体1のデータ伝送装置2である。
【0017】
ここで、本発明の実施形態の特徴とするところは、地上装置3からの制御情報の受信レベルを評価する受信レベル評価手段である受信レベル評価部30と、この受信レベル評価部30の評価結果に基づいてカメラ情報の画像圧縮率または画像サイズを変更するカメラ情報変更手段である画像加工部25および符号化・変調部26とを備えたところにある。
【0018】
また、画像加工部25および符号化・変調部26は、評価結果が所定値以下の場合には、画像圧縮率を高める処理と画像サイズを縮小する処理とを併用して実施する。
【0019】
また、カメラ情報に含まれる情報の変化量を評価する変化量評価手段である変化量評価部27を備え、画像加工部25および符号化・変調部26は、変化量評価部27により変化量が小さいと評価された場合には、画像圧縮率を高める処理を画像サイズを縮小する処理に優先して実施し、変化量評価部27により変化量が大きいと評価された場合には、画像サイズを縮小する処理を画像圧縮率を高める処理に優先して実施する。
【0020】
このときに、画像圧縮率を高める処理を画像サイズを縮小する処理に優先して実施する際、あるいは、画像サイズを縮小する処理を画像圧縮率を高める処理に優先して実施する際の優先度合いが段階的に複数定められてパターン化されており、画像加工部25および符号化・変調部26は、変化量評価部27の評価結果に応じて複数のパターンの中からいずれかのパターンを選択する。
なお、カメラ情報および制御情報の送受信はTDD(Time Division
Duplex (時分割複信))を用いる。
【0021】
以下では、本発明の実施形態のデータ伝送装置をさらに詳細に説明する。本発明の実施形態のデータ伝送装置2は、無人移動体1に搭載されたセンサ11およびカメラ12の情報を送信する移動体送信部21と、移動体送信部21からのデータを受信する地上受信部22と、地上装置3から入力される制御情報を送信する地上送信部23と、地上送信部23からのデータを受信する移動体受信部24とを備える。
【0022】
さらに、地上装置3は、無人移動体1を遠隔制御するための制御情報を出力する遠隔操作部43と、地上受信部22で受信したデータを表示するセンサ表示部41およびカメラ表示部42とを備える。なお、図2の例では、1台のPC(パーソナル・コンピュータ装置)を用いてセンサ表示部41、カメラ表示部42、遠隔制御部43を実現している。
【0023】
これらの移動体送信部21、移動体受信部24、地上送信部23、地上受信部22は、データ伝送のための変調または復調を行うと共に、伝送時の誤り訂正(FEC:Forward Error Correction)のための符号化または復号化を行う。また、データの送受信はTDD(Time
Division Duplex (時分割複信))方式によって行われ、特に、無人移動体1には移動体受信部24で受信された制御情報の伝搬状況を移動体送信部21へ通知するための受信レベル評価部30を有し、カメラ情報の画像加工の方法およびカメラ情報とセンサ情報の符号化の方法を伝搬状況に応じて適応させる画像加工部25および符号化・変調部26を有する。
【0024】
カメラ12からは動画や静止画などのカメラ情報が出力される。センサ11からは無人移動体1の現在位置や進行速度または姿勢などのセンサ情報が出力される。カメラ表示部42は無人移動体1から受信したカメラ情報を表示する。センサ表示部41は無人移動体1から受信したセンサ情報を表示する。
【0025】
(動作の説明)
次に、本発明の実施形態のデータ伝送装置の動作について詳細に説明する。図3は本発明の実施形態のデータ伝送装置の動作を示すフローチャートであり、カメラ情報、センサ情報、制御情報を処理する流れを表したものである。
【0026】
データ伝送装置2の送受信はTDD方式によって行われる。一般に、無人移動体1から送信されるカメラ情報およびセンサ情報に比して、地上装置3から送信する制御情報の情報量は少ない。TDD方式では、無人移動体1からの送信には長時間、地上装置3からの送信には短時間の送信時間を割り当てることが可能である。
【0027】
これにより、地上装置3から無人移動体1への送信、無人移動体1から地上装置3への送信による情報量の非対称性を吸収することが可能であり、FDD (Frequency Division Duplex(周波数分割複信))方式などに比べて、より効率的な無線周波数帯域の利用が可能となる(図3のA1)。
【0028】
無人移動体1を遠隔操作するために地上装置3からは制御情報を伝送する。制御情報は地上送信部23において符号化(上り)を行う。具体的には、畳み込み符号やターボ符号などを用いる。この際、符号化率は誤り訂正能力が極めて高くなるよう、低符号化率を設定して用いる(図3のA2)。
【0029】
符号化された制御情報は、地上送信部23から移動体受信部24へ送信される。この際、一般的なシングルキャリア伝送のほかに、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing(直交周波数分割多重))に代表されるマルチキャリア伝送を用いてもよい。
【0030】
地上送信部23から送信された制御情報は移動体受信部24において受信され、復号化(上り)を行う。復号化された制御情報は、移動体制御部13に伝達され、無人移動体1の制御に用いられる。復号化の際の符号化率などは、符号化に用いた既知の値を用いる(図3のA3)。
【0031】
無線通信の場合には、マルチパスフェージング等の影響を受けて、無線伝送路の伝搬状況は大きく変化する。誤り訂正符号を用いた場合においても、伝搬状況が誤り訂正可能なSNR(信号対雑音比)を下回る場合は、訂正能力が大きく低下する。
【0032】
誤り訂正能力の高い低符号化率の符号を用いれば、低SNRにおいても訂正が可能であるが、符号化によって生じるデータの冗長度が高くなるため、伝送帯域(伝送レート)が一定の場合には、結果として伝送可能な情報量は低下する。一方、訂正能力の低い高符号化率の符号を用いれば伝送可能な情報量は大きくなるが、雑音に対する耐性は低下する。
【0033】
移動体受信部24においては、受信したデータから無線伝搬状況のレベルを検知する機能を持たせる。レベルが悪化し一定の閾値を下回る場合には、移動体送信部21の符号化(下り)の設定値を低符号化率へ変更する。レベルが改善し一定の閾値を上回る場合には、動体送信部の符号化(下り)の設定値を高符号化率へ変更する。閾値は複数の段階を設け、それぞれに無線伝搬状況に対応可能な符号化率を設定する(図3のA4およびA5)。
【0034】
無人移動体1に搭載されたカメラ12から出力されるカメラ情報およびセンサ11から出力されるセンサ情報は、移動体送信部21において符号化(下り)を行う。具体的には符号化(上り)と同様に畳み込み符号やターボ符号などを用いる。この際の符号化率は、移動体受信部24の無線伝搬状況のレベルから判断された符号化率(下り)設定値を用いる(図3のA6)。
【0035】
伝送帯域(伝送レート)が一定の場合は、符号化率(下り)設定値によって伝送可能な情報量が変化する。これに対応するため、カメラ情報の画像加工を行う。画像加工は、カメラ情報をモーションJPEGなどのディジタル形式へ変換する処理を含み、具体的には以下の手順による。なお、センサ情報は符号化率(下り)設定値に依らず、常に欠落無く伝送する。
【0036】
1.符号化率が最高(高符号化率)の場合には、デフォルト値によるディジタル変換を行う。
2.低符号化率の場合には、ディジタル変換の際の画像圧縮率を高めることで情報量を削減する。
3.画像圧縮率を高めることによりブロックノイズ等の画質劣化が著しく生じる場合は、カメラ情報の円周部をカットして中心部分のみにするか、あるいは、画像全体を縮小して情報量を削減する。
4.符号化率が低くなるに従い、上記番号2および番号3の処理を併用して実施する。なお、画像圧縮率と画像サイズの組み合わせは複数パターンを準備し、入力されたカメラ情報に適したパターンを自動選択する。たとえば、単調で動きの少ないカメラ情報の場合は画像圧縮率を高めることを優先する。逆に動きの多いカメラ情報の場合は、画像サイズを小さくすることを優先する。
5.符号化率がさらに低くなりセンサ情報のみしか伝送できない場合は、カメラ情報の伝送を中止する(図3のA7)。
【0037】
符号化されたカメラ情報およびセンサ情報は、移動体送信部21から地上受信部22へ送信される。この際、符号化に用いた符号化率の値を、十分な冗長度を有するパイロットシンボルおよびプリアンブルをヘッダ情報として同時に送信する。
【0038】
移動体送信部21から送信されたカメラ情報およびセンサ情報は地上受信部22において受信される。伝送データのパイロットシンボルおよびプリアンブルから、そのデータを符号化した際に使用した符号化率を検出し、符号化(下り)設定値を更新する(図3のA8)。移動体受信部24の復号化(下り)においては、符号化(下り)設定値から復号化を行い、カメラ情報およびセンサ情報を抽出する(図3のA9)。
【0039】
次に、図2を参照して本発明の具体的な実施例を説明する。図2に示すように、カメラ12、センサ11、移動体送信部21および移動体受信部24を無人移動体1へ搭載する。カメラ情報およびセンサ情報を、移動体送信部21から地上装置3の地上受信部22へ送信し、オペレータはその情報をセンサ表示部41およびカメラ表示部42で確認する。
【0040】
地上装置3からは無人移動体1の制御情報を遠隔制御部43において生成し、地上送信部23から移動体受信部24へ送信し、その情報をもとに無人移動体1では移動体制御を行う。
【0041】
送信と受信とはTDDにより制御され、地上装置3から無人移動体1への送信、無人移動体1から地上装置3への送信による情報量の非対称性を吸収する。さらに移動体受信部24と移動体送信部21は互いに連携し、無線伝搬の状況に応じたデータ伝送の適応化を実行する。
【0042】
以上により、本発明を用いない装置に比べ、無線伝搬の悪い状況下や、より遠距離においても遠隔操作が可能となる。
【0043】
次に、本発明の実施形態の特徴である画像加工部25および符号化・変調部26の動作に関する実施例を図4および図5を参照して説明する。図4は、画像加工部25および符号化・変調部26の動作を示すフローチャートである。図5は、画像圧縮率および画像サイズのクラス分けを示す図である。
【0044】
画像加工部25および符号化・変調部26は、図4に示すように、受信レベル評価部30による制御情報の受信レベルの評価結果を監視する(ステップS1)。ここでは、評価をA〜Gの7段階に分けている。評価Aが最も無線伝搬状態が良好な状態であり、評価Gが最も無線伝搬状態が悪い状態である。B、C、D、E、Fは、評価Aの状態と評価Gの状態との間を5段階に分けた状態であり、B→C→D→E→Fの順番で良い状態から悪い状態へと遷移する。
【0045】
評価Aであれば(ステップS2のYes)、圧縮無しとする(ステップS9)。評価Bであれば(ステップS3のYes)、圧縮率を“小”とする(ステップS10)。評価Cであれば(ステップS4のYes)、圧縮率を“中”とする(ステップS11)。評価Dであれば(ステップS5のYes)、圧縮率を“大”とする(ステップS12)。なお、評価A〜Dについては、画像サイズは原画(デフォルト値)のままである。
【0046】
さらに、無線伝搬状況が悪化し、評価E以下であれば、画像圧縮率の調整だけでは対応が困難であるため、画像サイズの調整も併せて行う。すなわち、評価Eであれば(ステップS6のYes)、画像情報の動きの度合いを評価する変化量評価部27の評価結果を監視し(ステップS13)、変化が大きければ(ステップS16のYes)、圧縮率を“小”にすると共に画像サイズを0.25倍(1/4倍)とする(ステップS17)。また、変化が小さければ(ステップS16のNo)、圧縮率を“大”にすると共に画像サイズを0.5倍(1/2倍)とする(ステップS18)。
【0047】
同様に、評価Fであれば(ステップS8のYes)、画像情報の動きの度合いを評価する変化量評価部27の評価結果を監視し(ステップS15)、変化が大きければ(ステップS19のYes)、圧縮率を“小”にすると共に画像サイズを中心部のみとする(ステップS20)。また、変化が小さければ(ステップS19のNo)、圧縮率を“大”にすると共に画像サイズを0.25倍(1/4倍)とする(ステップS21)。
【0048】
すなわち、画像情報の動きが小さい場合には、地上装置3側において、無人移動体1から送られて来た複数の画像情報の中から一部を抜き出して復号化すればよいが、画像情報の動きが大きい場合には、地上装置3側において、無人移動体1から送られて来た複数の画像情報のほぼ全数を復号化する必要がある。よって、画像情報の動きが大きい場合には、復号化に要する時間が短い方が良いため圧縮率は高めずに、画像サイズの縮小によって対応することとした。
【0049】
さらに無線伝搬状態が悪化して評価Gであれば(ステップS8のYes)、画像圧縮率および画像サイズの双方の調整によっても正常な画像情報の伝送が困難であるためカメラ情報の伝送を中止する(ステップS15)。
【0050】
(プログラムの実施例)
情報処理装置にインストールすることにより、その情報処理装置に、本実施形態の無人移動体1のデータ伝送制御機能を実現するプログラムの実施例を説明する。ここで、情報処理装置は、無人移動体1に搭載する汎用のコンピュータ装置である。
【0051】
本実施例のプログラムは記録媒体に記録されることにより、情報処理装置は、この記録媒体を用いて本実施例のプログラムをインストールすることができる。あるいは、本実施例のプログラムを保持するサーバからネットワークを介して直接情報処理装置に本実施例のプログラムをインストールすることもできる。
【0052】
これにより、情報処理装置を用いて、本実施形態の無人移動体1における移動体送信部21の送信制御機能、移動体受信部24の受信制御機能、画像加工部25の機能、符号化・変調部26の機能、変化量評価部27の機能、復調・復号化部31の機能、受信レベル評価部30の機能を実現することができる。
【0053】
なお、本実施例のプログラムは、情報処理装置によって直接実行可能なものだけでなく、ハードディスクなどにインストールすることによって実行可能となるものも含む。また、圧縮されたり、暗号化されたりしたものも含む。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明は、無人移動体の遠隔操作距離を従来と比較して延長することに利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の実施形態の無人移動体のデータ伝送装置のブロック構成図である。
【図2】本発明の実施形態の無人移動体のデータ伝送装置の概念図である。
【図3】本発明の実施形態のデータ伝送装置の動作を示すフローチャートである。
【図4】画像加工部および符号化・変調部の動作を示すフローチャートである。
【図5】画像圧縮率および画像サイズのクラス分けを示す図である。
【符号の説明】
【0056】
1 無人移動体
2 データ伝送装置
3 地上装置
11 センサ
12 カメラ
13 移動体制御部
21 移動体送信部
22 地上受信部
23 地上送信部
24 移動体受信部
25 画像加工部
26、29 符号化・変調部
27 変化量評価部
28、31 復調・復号化部
30 受信レベル評価部
41 センサ表示部
42 カメラ表示部
43 遠隔制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラ情報を無人移動体から地上装置へ伝送する移動体送信手段と、無人移動体を移動制御するための制御情報を地上装置から無人移動体へ伝送する地上送信手段とを備えた無人移動体のデータ伝送装置において、
地上装置からの制御情報の受信レベルを評価する受信レベル評価手段と、
この受信レベル評価手段の評価結果に基づいてカメラ情報の画像圧縮率または画像サイズを変更するカメラ情報変更手段と
を備えたことを特徴とするデータ伝送装置。
【請求項2】
前記カメラ情報変更手段は、前記評価結果が所定値以下の場合には、画像圧縮率を高める処理と画像サイズを縮小する処理とを併用して実施する圧縮縮小併用手段を備えた請求項1記載のデータ伝送装置。
【請求項3】
カメラ情報に含まれる情報の変化量を評価する変化量評価手段を備え、
前記圧縮縮小併用手段は、上記変化量評価手段により変化量が小さいと評価された場合には、画像圧縮率を高める処理を画像サイズを縮小する処理に優先して実施し、上記変化量評価手段により変化量が大きいと評価された場合には、画像サイズを縮小する処理を画像圧縮率を高める処理に優先して実施する優先処理決定手段を備えた
請求項1または2記載のデータ伝送装置。
【請求項4】
画像圧縮率を高める処理を画像サイズを縮小する処理に優先して実施する際、あるいは、画像サイズを縮小する処理を画像圧縮率を高める処理に優先して実施する際の優先度合いが段階的に複数定められてパターン化されており、
前記優先処理決定手段は、前記変化量評価手段の評価結果に応じて複数の上記パターンの中からいずれかのパターンを選択する手段を備えた
請求項1から3のいずれか1項記載のデータ伝送装置。
【請求項5】
カメラ情報および制御情報の送受信はTDD(Time Division Duplex
(時分割複信))を用いる請求項1から4のいずれか1項記載のデータ伝送装置。
【請求項6】
カメラ情報を地上装置へ伝送する移動体送信手段を備えた無人移動体において、
地上装置からの制御情報の受信レベルを評価する受信レベル評価手段と、
この受信レベル評価手段の評価結果に基づいてカメラ情報の画像圧縮率または画像サイズを変更するカメラ情報変更手段と
を備えたことを特徴とする無人移動体。
【請求項7】
前記カメラ情報変更手段は、前記評価結果が所定値以下の場合には、画像圧縮率を高める処理と画像サイズを縮小する処理とを併用して実施する圧縮縮小併用手段を備えた請求項6記載の無人移動体。
【請求項8】
カメラ情報に含まれる情報の変化量を評価する変化量評価手段を備え、
前記圧縮縮小併用手段は、上記変化量評価手段により変化量が小さいと評価された場合には、画像圧縮率を高める処理を画像サイズを縮小する処理に優先して実施し、上記変化量評価手段により変化量が大きいと評価された場合には、画像サイズを縮小する処理を画像圧縮率を高める処理に優先して実施する優先処理決定手段を備えた
請求項6または7記載の無人移動体。
【請求項9】
画像圧縮率を高める処理を画像サイズを縮小する処理に優先して実施する際、あるいは、画像サイズを縮小する処理を画像圧縮率を高める処理に優先して実施する際の優先度合いが段階的に複数定められてパターン化されており、
前記優先処理決定手段は、前記変化量評価手段の評価結果に応じて複数の上記パターンの中からいずれかのパターンを選択する手段を備えた
請求項6から8のいずれか1項記載の無人移動体。
【請求項10】
カメラ情報および制御情報の送受信はTDD(Time Division Duplex
(時分割複信))を用いる請求項6から9のいずれか1項記載の無人移動体。
【請求項11】
カメラ情報を無人移動体から地上装置へ伝送し、無人移動体を移動制御するための制御情報を地上装置から無人移動体へ伝送する無人移動体のデータ伝送装置に適用されるデータ伝送方法において、
上記無人移動体の受信レベル評価手段が、地上装置からの制御情報の受信レベルを評価し、
上記無人移動体のカメラ情報変更手段が、上記受信レベル評価手段の評価結果に基づいてカメラ情報の画像圧縮率または画像サイズを変更する
ことを特徴とするデータ伝送方法。
【請求項12】
前記カメラ情報変更手段が、前記評価結果が所定値以下の場合には、画像圧縮率を高める処理と画像サイズを縮小する処理とを併用して実施する請求項11記載のデータ伝送方法。
【請求項13】
前記無人移動体の変化量評価手段が、カメラ情報に含まれる情報の変化量を評価し、
前記カメラ情報変更手段が、上記変化量評価手段により変化量が小さいと評価された場合には、画像圧縮率を高める処理を画像サイズを縮小する処理に優先して実施し、上記変化量評価手段により変化量が大きいと評価された場合には、画像サイズを縮小する処理を画像圧縮率を高める処理に優先して実施する
請求項11または12記載のデータ伝送方法。
【請求項14】
画像圧縮率を高める処理を画像サイズを縮小する処理に優先して実施する際、あるいは、画像サイズを縮小する処理を画像圧縮率を高める処理に優先して実施する際の優先度合いが段階的に複数定められてパターン化されており、
前記カメラ情報変更手段が、前記変化量評価手段の評価結果に応じて複数の上記パターンの中からいずれかのパターンを選択する
請求項11から13のいずれか1項記載のデータ伝送方法。
【請求項15】
カメラ情報および制御情報の送受信はTDDを用いる請求項11から14のいずれか1項記載のデータ伝送方法。
【請求項16】
情報処理装置にインストールすることにより、その情報処理装置に、
カメラ情報を地上装置へ伝送する移動体送信機能を備えた無人移動体におけるデータ伝送制御機能を実現するプログラムにおいて、
地上装置からの制御情報の受信レベルを評価する受信レベル評価機能と、
この受信レベル評価機能の評価結果に基づいてカメラ情報の画像圧縮率または画像サイズを変更するカメラ情報変更機能と
を実現することを特徴とするプログラム。
【請求項17】
前記カメラ情報変更機能として、前記評価結果が所定値以下の場合には、画像圧縮率を高める処理と画像サイズを縮小する処理とを併用して実施する圧縮縮小併用機能を実現する請求項16記載のプログラム。
【請求項18】
カメラ情報に含まれる情報の変化量を評価する変化量評価機能を実現し、
前記圧縮縮小併用機能として、上記変化量評価機能により変化量が小さいと評価された場合には、画像圧縮率を高める処理を画像サイズを縮小する処理に優先して実施し、上記変化量評価手段により変化量が大きいと評価された場合には、画像サイズを縮小する処理を画像圧縮率を高める処理に優先して実施する優先処理決定機能を実現する
請求項16または17記載のプログラム。
【請求項19】
画像圧縮率を高める処理を画像サイズを縮小する処理に優先して実施する際、あるいは、画像サイズを縮小する処理を画像圧縮率を高める処理に優先して実施する際の優先度合いが段階的に複数定められてパターン化されており、
前記優先処理決定機能として、前記変化量評価機能の評価結果に応じて複数の上記パターンの中からいずれかのパターンを選択する機能を実現する
請求項16から18のいずれか1項記載のプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−212937(P2009−212937A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−55114(P2008−55114)
【出願日】平成20年3月5日(2008.3.5)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】