説明

無染料薬剤懸濁液および関連する方法

【課題】無染料の薬剤懸濁液と関連の方法を提供する。
【解決手段】無染料の薬剤懸濁液において、第1の実質的に水に不溶性の活性物質により、実質的に構成されている、治療に有効な量の第1の活性物質、有効な量の非還元性の甘味料、有効な量の水、および、有効な量の懸濁系、を含み、この無染料の薬剤懸濁液は、約5〜約6のpHを有し、還元性の糖を実質的に含まない、無染料の薬剤懸濁液、ならびに、関連する方法。

【発明の詳細な説明】
【開示の内容】
【0001】
〔発明の分野〕
本発明は、液体の薬剤組成物に関連している。特に、本発明は、例えば、アセトアミノフェン等の、少なくとも1種類の実質的に水に不溶性の活性物質を含有している、無染料の薬剤懸濁液(dye-free pharmaceutical suspensions)に関連している。
【0002】
〔発明の背景〕
経口投与される薬または薬剤は、カプセル、カプレット、ゲル・キャップ、または錠剤、等のような、固体の形態、および、例えば、シロップおよびエリキシル等の、溶液、エマルジョン、または懸濁液、等のような、液体の形態を含む、多くの形態で、患者に与えられている。固体の形態で投与される薬は、通常、完全に飲み込まれることを意図されており、それゆえ、活性物質の多くの場合の不快な味は、薬が口の中にある短い時間の間に、味が明らかになることを防ぐための手段の供給を除いて、その薬の調合において、考慮される必要がない。このような手段は、錠剤またはカプレットの上における、適当に薄く、速やかに溶ける被膜の供給、またはゼラチン・カプセルの形態の使用(このカプセルのゼラチンの外殻は、そのカプセルが飲み込まれるまで、内側の活性物質を保持する)、または、単に、錠剤が口の中にあることが意図される短い時間の間に分解し始めないように、錠剤を確実に圧縮する処理、を含むことができる。
【0003】
身体障害者または無能力状態の患者、を含む、子供、高齢者、および多くの他の人々は、例えば、錠剤およびカプセルの全体等の、固体の形態を飲み込むことが、困難である。それゆえ、投与される薬が極めて小さな錠剤またはカプセルに作ることができない場合には、その薬を、かみ砕ける固体の形態、または、液体の形態のいずれかにおいて、供給することが望ましい。小児科および老人病の患者を含む、多くの患者にとって、液体の経口投薬の形態は、その液体の投薬形態をかみ砕くことを伴わない容易な飲み込みの可能性により、かみ砕ける投薬形態よりも、好ましい。
【0004】
液体の投薬形態に伴う一般的な問題は、飲み込む前に、口の中にある時の間に現れる、活性物質の多くの場合の不快な味である。懸濁液は、典型的に、他の液体の形態よりも、優れた味のマスキングを提供するが、当業者は、安定で感覚受容性の懸濁液を生成することにおける、相当な技術的困難に気づいている。
【0005】
懸濁液は、実質的に水に不溶性の活性物質の粒子の固体が液体の媒体の至る所に分散されている、二相系(two-phase system)である。この懸濁液はエマルジョンを含まず、エマルジョンは、実質的に完全に溶解されている薬剤の活性物質だけを含有している液体のキャリアまたはシロップの調合物の中に懸濁されている液体、を表現することが、意図されている。本明細書においては、「粒子(particle)」は、結晶、小粒、かたまり、または、任意の溶解していない固体の物質、であってよい。本発明の粒子は、好ましくは、約2μm〜約150μm、さらに好ましくは、約10μm〜約100μm、のメジアン粒度(d50%)、を有している。なお、実質的に水に不溶性の活性物質を懸濁状態に維持すること、実質的に水に不溶性の活性物質の安定性を確実にすること、および、長期間にわたり用量の均一性(dose uniformity)を保つこと、の課題は、以前に対処されている。例えば、米国特許第5,409,907号および同第5,374,659号、を参照されたい。
【0006】
薬剤の懸濁液の中では、典型的に、少なくとも1種類の活性物質は、溶かされていない固体の粒子、すなわち、実質的に水に不溶性の活性物質、の形態で、実質的に存在している。しかしながら、任意のこのような系において、このような活性物質の一部分は、溶かされている状態であってもよい。このような系の調合では、溶かされている状態で存在している薬物の量を最小限にすることが有利である。すなわち、このように、溶液中の活性物質の量を最小限にすることは、製品の味と、化学的および物理的な安定性との両方のために、有利である。
【0007】
染料は、優雅さと変色を隠すことのために、薬剤の懸濁液に添加される場合が多い。しかしながら、一部の患者が、染色された懸濁液に対して、アレルギーを発現するか、または、アレルギーを有すること、あるいは、この懸濁液に敏感であること、あるいは、このような懸濁液がこぼれた場合に、衣類、家具、カーペット等を汚すこと、が知られている。それゆえ、無染料の懸濁液が極めて望ましい。
【0008】
着色剤は、薬剤として許容可能な特徴を出すために、識別用のファクターを与えるために、さらに、製品のバッチの間に一貫性を与えるために、薬剤の液体の製品に添加される場合が多い。多くの場合に、製品を製造するために用いられる賦形剤の色は、その製品に対して、発色を悪くする原因になる。この色は、賦形剤のロットにより決まる場合が多く、製品における悪影響を伴わずに、保管時に、変化する可能性がある。しかしながら、消費者は、この色の変化を、製品の有効性に悪影響を及ぼすものとして理解し、結果として、その製品を拒絶することになるであろう。
【0009】
アセトアミノフェン(N−アセチル・パラ−アミノフェノール(N-acetyl para-aminophenol)または「APAP」)の安定性は、許容可能な製品を製造するために必要とされている調合の賦形剤により、影響を受ける。
【0010】
したがって、許容可能な無染料のAPAPの液体の製品を製造することの課題は多い。例えば、APAPの懸濁液製品を調製することにおいて、調合者は、知覚特性(sensory property)が許容可能であり、製品が使用者に対して許容可能であること、を確実にする必要がある。これに関して、必要な香味料、甘味料、濃度調節剤(consistency modifier)、が製品に添加されている。加えて、調合者は、製品に組み込まれなければならない、必要な薬剤の特性を知っていることも必要である。これらは、許容可能な懸濁液の特性、安定性、および、微生物特性(microbial property)、を含む。これらの必要条件の全ては、許容可能な無染料のAPAPの懸濁液製品を製造することの課題を複雑にしている。
【0011】
本発明は、老人病用の、特に、小児科用のための、口当たりのよい投薬形態を達成する、安定で無染料の水性APAP懸濁液系(stable dye-free aqueous APAP suspension system)の発見、に関連している。
【0012】
〔発明の概要〕
本明細書中に、具体化されていて、完全に説明されているように、本発明は、無染料の薬剤懸濁液であって、(a)第1の実質的に水に不溶性の活性物質により、実質的に構成されている、治療に有効な量の第1の活性物質と、(b)有効な量の非還元性の甘味料と、(c)有効な量の水と、(d)有効な量の懸濁系(suspending system)と、を含むか、これらにより構成されているか、かつ/または、これらにより実質的に構成されており、約5〜約6のpH値を有していて、還元性の糖を実質的に含まない、無染料の薬剤懸濁液、を提供している。
【0013】
本発明の別の実施形態は、無染料のAPAP懸濁液であって、(a)治療に有効な量のAPAPと、(b)有効な量の非還元性の甘味料と、(c)有効な量の水と、(d)有効な量の懸濁系と、を含むか、これらにより構成されているか、かつ/または、これらにより実質的に構成されている、約5〜約6のpHを有していて、還元性の糖を実質的に含まない、無染料のAPAP懸濁液、を含む。
【0014】
本発明のさらに別の実施形態は、無染料のAPAP懸濁液であって、この懸濁液100mL当たりのグラム単位で、約1〜約15のAPAPと、約0.1〜約0.25のキサンタン・ガムと、約0.4〜約1の微晶質セルロースと、約20〜約65のソルビトール溶液と、約1〜約20のグリセリンと、約0.01〜約1の香味料と、約20〜約50の水と、ブチルパラベン、メチルパラベン、プロピルパラベン、および、これらの組み合わせ物からなる群から選択される、約0.001〜約0.10の抗菌性の防腐剤と、約0.003〜約0.20のクエン酸と、約0.1〜約0.5のプロピレン・グリコールと、を含むか、これらにより構成されているか、かつ/または、これらにより実質的に構成されており、約5〜約6のpH値を有していて、還元性の糖を実質的に含まない、無染料のAPAP懸濁液、を含む。
【0015】
本発明のさらに別の実施形態は、無染料のアセトアミノフェン懸濁液であって、この懸濁液100mL当たりのグラム単位で、約1〜約15のアセトアミノフェンと、約0.1〜約1の塩酸プソイドエフェドリン、約0.01〜約0.07のマレイン酸クロロフェニラミン(chloropheniramine maleate)、約0.05〜約0.5の臭化水素酸デキストロメトルファン(dextromethorphan HBr)、およびこれらの混合物からなる群から選択される、薬剤の活性物質と、約0.1〜約0.25のキサンタン・ガムと、約0.4〜約1の微晶質セルロースと、約20〜約65のソルビトール溶液と、約1〜約20のグリセリンと、約0.01〜約1の香味料と、約20〜約50の水と、ブチルパラベン、メチルパラベン、プロピルパラベン、および、これらの組み合わせ物からなる群から選択される、約0.001〜約0.10の抗菌性の防腐剤と、約0.003〜約0.20のクエン酸と、約0.1〜約0.5のプロピレン・グリコールと、を含むか、これらにより構成されているか、かつ/または、これらにより実質的に構成されており、この無染料のアセトアミノフェン懸濁液は、約5〜約6のpH値を有し、還元性の糖を実質的に含まない、無染料のアセトアミノフェン懸濁液、を含む。
【0016】
前述の概要と、以下の詳細な説明は、例示的であって、本発明の制限ではないことが理解されるべきである。
【0017】
〔発明の詳細な説明〕
本明細書においては、用語「無染料(dye-free)」は、本明細書においては、形容詞として用いられており、問題の組成物の製造または包装の間の任意の時点で、染料自体がその組成物に添加されないこと、を意味する。
【0018】
本明細書においては、用語「還元性の糖(reducing sugar)」は、フェーリング液(アルカリ溶液)として知られている特殊な銅の試薬と化学的に反応できる糖、を意味し、この「還元性(reducing)」の糖は、この銅の溶液を、酸化銅(酸化第一銅)に還元する。還元性の糖の例は、コーン・シロップ、フルクトース、および、乳糖、を含むが、これらに限定されない。
【0019】
本明細書においては、用語「還元性の糖を実質的に含まない(substantially free of a reducing sugar)」は、約4g/100mLよりも少ない、任意の還元性の糖、を意味する。
【0020】
本明細書においては、用語「APAP」は、薬剤として許容可能な塩、エステル、または、これらの誘導体を含むが、これらに限定されない、アセトアミノフェン、または、N−アセチル・パラ−アミノフェノール(N-acetyl para-aminophenol)、を意味する。
【0021】
本明細書においては、用語「実質的に水に不溶性の(substantially water insoluble)」は、米国薬局方(U.S. Pharmacopeia),第24版、により定められているように、水の中において、不溶性であるか、事実上、不溶性であるか、または、わずかにだけ溶ける、組成物、に言及している。これらの組成物は、完全な溶解のために、その組成物の1部当たりに、少なくとも約100部の溶媒、を必要とする。
【0022】
本発明は、薬剤の懸濁液の中での使用に特に良く適している、無染料の懸濁液の系、を提供している。安定で注ぐことができる無染料の薬剤の懸濁液は、懸濁された形態における、例えば、APAP等の、実質的に水に不溶性の活性な物質と、懸濁されているか、溶かされているか、これらの両方の形態における、少なくとも1種類の追加の実質的に水に不溶性の活性な物質、少なくとも1種類の実質的に水に可溶性の活性な物質、または、これらの混合物、のいずれかである、任意にさらに別の活性な物質と、を含有して形成できること、が本出願人の発見である。
【0023】
次に、本発明を、様々な実施形態に関して、具体的に説明する。一実施形態は、実質的に水に不溶性の活性な物質であるAPAP、の水性懸濁液、を含む。APAPは、鎮痛および解熱の目的のための、店頭販売されている製剤および処方薬の両方に用いられている薬剤である。APAPは、一般に、一般的な風邪、頭痛、歯痛、筋肉痛、背痛、に伴う、軽いうずき、または、痛みの一時的な軽減のために、あるいは、関節炎の軽い痛みに対して、月経痛の痛みに対して、さらに、発熱の減少に対して、適用されている。特定の実施形態において、本発明の懸濁液は、溶かされているか、または、懸濁されている形態において存在していてよい追加の薬剤の活性な物質と共に、懸濁された形態におけるAPAP、を含むことになる。さらに、本発明の、組成物、処理、および、方法の、別の好ましい実施形態についても、本明細書において詳細に、参照が行なわれている。
【0024】
適当な追加の薬剤の活性物質は、鎮痛薬、抗炎症剤、抗関節炎薬、麻酔薬、抗ヒスタミン薬、咳止め、抗生物質、抗感染剤、抗ウイルス薬、抗凝固薬、抗うつ薬、抗糖尿病剤、制吐薬、抗膨満薬、抗真菌薬、鎮痙薬、食欲抑制薬、気管支拡張薬、心臓血管剤、中枢神経系剤、中枢神経系刺激薬、うっ血除去薬、利尿薬、去痰薬、胃腸剤、偏頭痛製剤、乗物酔い用製品、粘液溶解薬、筋弛緩薬、骨粗しょう症製剤、ポリジメチルシロキサン、呼吸剤、睡眠補助薬、尿路剤、および、これらの混合物、を含む。
【0025】
本発明の一実施形態では、活性物質は、ビサコジル、ファモチジン(famotadine)、ラニチジン、シメチジン、プルカロプリド(prucalopride)、ジフェノキシレート、ロペラミド、ラクターゼ、メサラミン、ビスマス、制酸薬、および、薬剤として許容可能な、これらの、塩、エステル、異性体、および、混合物から選択できる。
【0026】
また、別の実施形態では、活性物質は、鎮痛薬と、抗炎症薬と、例えば、イブプロフェン、ナプロキセン、ケトプロフェン等の、プロピオン酸誘導体、例えば、インドメタシン、ジクロフェナク、スリンダク、トルメチン等の、酢酸誘導体、例えば、メフェナム酸、メクロフェナム酸、フルフェナム酸等の、フェナム酸誘導体、例えば、ジフルニサル、フルフェニサル等の、ビフェニルカルボジル酸誘導体(biphenylcarbodylic acid derivatives)、例えば、ピロキシカム、スドキシカム、イソキシカム、メロキシカム等の、オキシカム類等、を含む、例えば、抗ステロイド抗炎症薬(NSAIDs)等の抗発熱薬と、から選択できる。特に好ましい実施形態では、活性物質は、例えば、イブプロフェン、ナプロキセン、フルルビプロフェン、フェンブフェン、フェノプロフェン、インドプロフェン、ケトプロフェン、フルプロフェン(fluprofen)、ピルプロフェン、カルプロフェン、オキサプロジン、プラノプロフェン、スプロフェン、および薬剤として許容可能な、これらの、塩、誘導体、および、組み合わせ物等の、プロピオン酸誘導体のNSAID、から選択される。本発明の別の実施形態では、活性物質は、APAP、アセチルサリチル酸、イブプロフェン、ナプロキセン、ケトプロフェン、フルルビプロフェン、ジクロフェナク、シクロベンザプリン、メロキシカム、ロフェコキシブ、セレコキシブ、および、薬剤として許容可能な、これらの、塩、エステル、異性体、および、混合物から選択できる。
【0027】
また、本発明の別の実施形態では、活性物質は、プソイドエフェドリン、フェニルプロパノールアミン、クロルフェニラミン(chloropheniramine)、デキストロメトルファン、ジフェニルヒドラミン、アステミゾール、テルフェナジン、フェキソフェナジン、ロラタジン、デスロラチジン、ドキシラミン(doxilamine)、ノルアステミゾール(norastemizole)、セチリジン、および、これらの混合物、ならびに、薬剤として許容可能な、これらの、塩、エステル、異性体、および混合物、から選択できる。
【0028】
活性な物質または成分は、治療に有効な量で、水性懸濁液の「単位投薬量(unit dose volume)」で、存在しており、この有効な量は、経口投与時に所望の治療の応答を生じさせて、当業者により容易に決定できる、量、である。このような量を決定することには、当業界で知られているように、投与されている特定の活性な物質と、その活性な物質の生物利用可能性の特徴と、投薬の形態と、患者の年齢および体重と、その他の要因と、を考慮する必要がある。本明細書においては、水性懸濁液の「単位投薬量」は、製品を患者に投薬するための、好都合な容量である。また、投薬の説明書は、患者に、例えば、その患者の年齢または体重、に応じて、複数回の単位投薬量である、量、を使うことを指示する。典型的に、懸濁液の単位投薬量は、最小の患者(the smallest patient)に対して治療に有効である活性物質の量、を含有することになる。例えば、適当な単位投薬量は、ティースプーン一杯分(約5mL)、テーブルスプーン一杯分(約15mL)、スポイト一本分(dropperful)、または、1mL(1 milliliter)、を含んでよい。
【0029】
一実施形態では、本発明による水性の薬剤懸濁液の組成物は、約0.05%〜約40%、例えば、約0.05%〜約0.2%、または、約1.6%〜約10%、または約15%〜約40%(重量/容量)の、少なくとも1種類の実質的に水に不溶性の活性な物質、を含んでいる。この範囲の中の活性な物質の量は、一般に、味の加減のために、許容可能である。ただし、40%よりも多い実質的に水に不溶性の活性な物質が、懸濁液の中に含まれることや、消費者の許容可能性のために十分に味が隠されることも、可能である。0.05%よりも少ない薬剤の活性物質を含有している懸濁液もまた、可能である。
【0030】
第1の活性物質がAPAPである、一実施形態では、懸濁液中の活性物質の量は、約80mg/1.6mL〜約160mg/1.6mL、または、約5%(重量/容量)〜約10%(重量/容量)、である。第1の活性物質がAPAPである、別の実施形態では、懸濁液中の活性物質の量は、約80mg/ティースプーン一杯〜約160mg/ティースプーン一杯、または1.6g/100mL〜3.2g/100mL、または約1%(重量/容量)〜約4%(重量/容量)、である。
【0031】
約5.1〜5.9のpHにおける、ソルビトールおよびスクロースを有する、APAPの特異的な組み合わせ物は、APAPの、好都合に貯蔵が安定な、均質に分散されている懸濁液、を生じることが、本発明者により、見出されている。
【0032】
本発明の薬剤懸濁液は、少なくとも1種類の追加の薬剤の活性物質、を含有していてよい。このような追加の薬剤の活性物質は、抗ヒスタミン薬、咳止め、グアフェネシン(guafenesin)、および、交感神経作用薬、であってよい。
【0033】
抗ヒスタミン薬の例は、マレイン酸クロロフェニラミン(chloropheniramine maleate)、テルフェナジン、アステミゾール、塩酸ジフェンヒドラミン、および、これらの混合物、からなる群から選択されるもの、を含む。
【0034】
咳止めの例は、臭化水素酸デキストロメトルファン、塩酸ジフェンヒドラミン、および、これらの混合物、からなる群から選択されるもの、を含む。
【0035】
交感神経作用薬の例は、塩酸プソイドエフェドリン、フェニルプロパノールアミン、および、これらの混合物、からなる群から選択されるもの、を含む。
【0036】
本発明の懸濁液は、組成物の中の活性物質、特に、懸濁状態のアセトアミノフェン、の苦味、を隠すための味のマスキング用の組成物(taste-masking composition)、も含んでいてよい。一般に、この味のマスキング用の組成物は、少なくとも1種類の甘味剤と、少なくとも1種類の香味剤と、を含有している。この混合物に添加される香味剤は、例えば、小児科または成人の、懸濁液の意図されている消費者により指示される好みに合わせるために、特定の懸濁液に対して望まれる種類と量、である必要がある。
【0037】
適当な甘味剤は、非還元性の糖、多価アルコール、および、高い強度の甘味料、である。適当な非還元性の糖の例は、ヘテロ二糖類のスクロース(heterodisaccharides scrose)、ラクトース、ラフィノース、スタチオース、非還元性のホモ二糖類のトレハロース(homodisaccharide trehalose)、および、非還元性のホモオリゴ糖類のシクロマルトヘキサ(−デカ)オース(homo-oligosaccharides cyclomaltohexa(...deca)ose)(または、スカージンガー・デキストリン(Schardinger dextrins)として知られている)、を含むが、これらに限定されない。
【0038】
懸濁液中に用いられる糖の甘味料の量は、特定の懸濁液に対して望まれる、甘くする程度に応じて、変化することになる。一般に、この糖の甘味料の量は、懸濁液100mL当たり0g〜約110g、の範囲内になるであろう。また、この糖の甘味料の量は、懸濁液100mL当たり約40g〜約100g、の範囲にすることも可能である。
【0039】
水溶性の高い強度の甘味料も、糖の甘味料の代わりに、またはこれに加えて、用いてもよい。適当な高い強度の甘味料の例は、スクラロース、アスパルテーム、サッカリン、アセスルファーム、シクラメート、および、薬剤として許容可能な、これらの、塩および組み合わせ物、を含むが、これらに限定されない。懸濁液中に用いられる高い強度の甘味料の量は、特定の懸濁液に対して望まれる、甘くする程度に応じて、変化することになる。一般に、この高い強度の甘味料の量は、懸濁液100mL当たり0g〜約5g、の範囲内で、変化してよい。スクラロース、アスパルテーム、アセスルファーム、サッカリン、および、薬剤として許容可能なこれらの塩、等のような、高い強度の甘味料を用いている実施形態では、その高い強度の甘味料の量は、懸濁液100mL当たり0g〜約1g、であり、有用なレベルは、懸濁液100mL当たり約0g〜約0.5g、である。
【0040】
本発明の薬剤懸濁液は、還元性の糖を実質的に含まない。本発明での使用に適さない単糖類の還元性の糖は、グルコース、フルクトース、ガラクトース、リボース、マンノース、ソルボース、アラビノース、および、キシロース、を含むが、これらに限定されない。また、本発明における使用に適さない還元性のオリゴ糖類は、セロビオース、イソマルトース、マルトース、ゲンチビオース(gentibiose)、ラミナリビオース(laminaribiose)、マルトトリオース、マルトテトロース(maltotetrose)、マルトペントース(maltopentose)、マルトヘキソース(maltohexose)、を含むが、これらに限定されない。ヘテロ二糖類の還元性の糖は、ラクトース、ラクツロース、マルツロース(maltulose)、メリビオース、を含むが、これらに限定されない。また、還元性の糖は開鎖の(open chain)ヒドロキシアルデヒド、および、ヒドロキシケトンであり、容易に酸化されて、酸を形成する。さらに、タンパク質、ペプチド、および、アミノ酸の、塩基性アミノ基は、非環式(還元性)の糖のカルボニル基に、縮合反応により、容易に付加される。茶色の形成物(formation)を結果として生じる周知の反応である、メイラード(Maillard)反応は、結果として生じるグリコシルアミンのエノール化により、進行する。また、同様に、茶色の形成物を結果として生じる、別の種類の糖の分解反応は、高められた温度、かつ、4よりも低いpHでの、ヒドロキシアルデヒドおよびヒドロキシケトンのエノール化と、これに続く脱水により、フルフラール(2−フルアルデヒド(2-furaldehydes))を形成することにより、生じる。この種の反応は、時に、「カラメル化(caramelization)」と言われる。
【0041】
本発明での甘味料としての使用に適している多価アルコールの例は、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、マルチトール等と、これらの組み合わせ物、を含むが、これらに限定されない。懸濁液において用いられる多価アルコールの甘味料の量は、特定の懸濁液に対して望まれる、甘くする程度に応じて、変化することになる。一般に、この多価アルコールの甘味料の量は、懸濁液100mL当たり約0g〜約90g、の範囲内になるであろう。
【0042】
適当な香味剤は、ミント(すなわち、ペパーミント等)、メントール、シナモン、バニラ、人工バニラ、チョコレート、人工チョコレート、天然および/または人工の果実香味料(例えば、チェリー、グレープ、オレンジ、ストロベリー等)、および、これらの二種類以上の組み合わせ物、等のような、天然および/または人工の香味料、を含む。香味剤は、プロピレン・グリコール等のような、不活性な媒体の中に溶かされているか分散されている化学的な化合物の、複合的な混合物である場合が多い。これらの溶液または分散液は、一般に、懸濁液に、口当たりのいい香味料を提供するために有効な量で、その懸濁液の二次的な成分として供給されている。しかしながら、これらの香味剤は、一般に、懸濁液100mL当たり約0g〜約5g、の範囲内の量で、懸濁液の中に存在している。
【0043】
特定の実施形態では、懸濁液中の固体の薬剤の活性物質の味の最適なマスキングは、それらの活性物質を可溶化するために利用可能な、懸濁液中の水の量、を制限することにより、達成できる。この水の最小限の量はまた、懸濁している物質の十分な程度の水和を与えるために、十分な水性の基材を伴っている懸濁液を生じること、も必要である。特定のこのような実施形態において、苦い薬剤の味のマスキングは、懸濁液中に含有される水の全体の量が、100mLの懸濁液当たりに、約25〜約60、好ましくは約30〜約55、グラム、の範囲内であること、を必要とする。
【0044】
懸濁液のpHは、任意の不快な味であって加水分解を受けやすい活性物質、例えば、APAP等の、溶解度を最小限にして、化学的な安定性を最大にするために、最適化される必要がある。理想的には、懸濁液のpHは、塩基性の活性物質のpKaよりも高い、2のpH単位にできるだけ近くして、酸性の活性物質のpKaよりも低い、2のpH単位にできるだけ近くする必要がある。活性物質としてAPAPを用いている、特定の実施形態では、懸濁液のpHは、約5〜約6、例えば、約5.1〜約5.9、の範囲内である必要がある。また、この懸濁液は、この懸濁液のpHを所望のpHの範囲内に維持するために、pH調節剤を用いて、緩衝剤により安定させることが可能である。適当なpH調節剤は、所望の程度のpHの緩衝を与えるために十分な量で、懸濁液中に存在していてよい。このpH調節剤は、典型的に、無染料の薬剤懸濁液100mL当たり約0g〜約1g、の範囲内で、存在することになる。活性物質を含有していて、カルボキシメチルセルロースナトリウム(sodium carboxymethylcellulose)等のような、アルカリ性のポリマーを含有している懸濁系を含む実施形態のためのpH調節剤は、味のマスキングされた経口用懸濁液の中での使用のために、許容可能な味の特徴を有している、クエン酸、リンゴ酸、グルタミン酸、等のような、弱有機酸から選択できる。クエン酸は、約4.5〜約6.5、例えば、約5.1〜約5.9に、懸濁液のpHを安定化させるために、懸濁液に添加されるか、添加することが可能である。このクエン酸は、そのpHの範囲(すなわち、約4.5〜約6.5)が無染料の薬剤懸濁液の安定性を向上するので、好都合に添加される。APAPが薬剤の活性物質である場合の懸濁液において有用なpHは、このAPAPが懸濁液中において最も少ない分解を受けることになるので、約5.1〜約5.9である。さらに、抗菌性の防腐剤は、このpHの範囲内におけるそれらの活性に対応して、選択される。
【0045】
無染料の薬剤懸濁液に有用な防腐剤は、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、エデト酸の塩(エデト酸二ナトリウム、等のような、エチレンジアミン四酢酸、または、EDTA、の塩としても知られている)、および、パラベン(メチル、エチル、プロピル、および、ブチルの、p−ヒドロキシ安息香酸のエステル等)、を含むが、これらに限定されない。ただし、前述の列挙されている防腐剤は例示的であり、各防腐剤は、その防腐剤の相溶性および効果を確実にするために、各調合物中に、経験に基いて、評価される必要がある。薬剤調合物の中における防腐剤の効果を評価するための方法は、当業界における熟練者において、知られている。パラ−アミノ安息香酸の誘導体、例えば、ブチルパラベン、メチルパラベン、および、プロピルパラベン等は、特に、約5〜約6の好ましいpHの範囲内での、それらの優れた活性により、APAPを含有している無染料の薬剤懸濁液に添加するために、特に有用な防腐剤である。特に有用な実施形態では、本発明の無染料の薬剤懸濁液は、安息香酸、および、その誘導体を、これらが好ましいpHの範囲内で最適状態に及ばない活性を有するために、実質的に含んでいない。
【0046】
防腐剤は、一般に、懸濁液100mL当たり1gまでの量で、存在している。好ましくは、防腐剤は、懸濁液100mL当たり約0.01g〜約0.5g、の範囲内の量で、存在することになる。APAPを含有している無染料の薬剤懸濁液については、防腐剤のプロピルパラベンが、無染料の薬剤懸濁液100mL当たり約0.01g〜約0.1g、の範囲内で存在していて、ブチルパラベンが、無染料の薬剤懸濁液100mL当たり約0.01g〜約0.1g、の範囲内で存在していること、が有用である。さらに、プロピルパラベンが、無染料の薬剤懸濁液100mL当たり0.045g、の濃度で存在していて、ブチルパラベンが、無染料の薬剤懸濁液100mL当たり0.045g、の濃度で存在していること、が最も有用である。
【0047】
本発明の無染料の薬剤懸濁液は、染料、または、レーキ等のような着色剤を、実質的に含まない。しかしながら、本発明の無染料の薬剤懸濁液は、特定の顔料、例えば、二酸化チタン等を、乳白剤として、任意に含んでいてよい。
【0048】
また、懸濁液は、以下の添加物、すなわち、消泡剤(defoaming agent)、界面活性剤、電解質(一価のカチオンが現時点では好ましい)、および、金属イオン封鎖剤(sequestering agent)、の1種類以上、を含有していてもよい。
【0049】
特定の任意の実施形態では、本発明の無染料の薬剤懸濁液は、特定の疎水性の活性物質の分散を補助するための湿潤剤としての使用のために、界面活性剤を使用することも可能である。また、特定の別の実施形態では、本発明の懸濁液は、界面活性剤を実質的に含んでいなくてもよい。界面活性剤を用いている実施形態では、一例の有用な界面活性剤は、ソルビタン・オレエート・エステル(sorbitan oleate ester)、特に、ポリソルベート80(polysorbate 80)としても知られている、ポリオキシエチレン・ソルビタン・モノオレエート(polyoxyethylene sorbitan monooleate)である。
【0050】
本発明の懸濁液は、少なくとも1種類の増粘成分、を含むが、これに限定されない、当業界において知られている懸濁系、を採用できる。この増粘成分は、典型的に、ヒドロコロイド、膨潤性、または、ゲル化性のポリマー、等のような、親水性、すなわち、水溶性、のポリマー、から選択可能である、1種類以上の増粘剤、を含む。一実施形態では、増粘成分は構造化剤および膨潤剤の属性を合わせ持っている。また、別の好ましい実施形態では、増粘成分は、少なくとも2種類の構造化剤、例えば、一次構造化剤、および、二次構造化剤の属性を合わせ持っている。
【0051】
構造化剤は、適当な水性の環境の中に導入されると、水素結合と分子のもつれ(molecular entanglement)により安定化されていると考えられる、所与の規則正しい構造、を形成する。ヒドロコロイドは、特に好都合な種類の、構造化剤である。これらのヒドロコロイドは、その周囲に、水の分子および溶媒和されたイオンが殻様の構造を形成していて、主に、その構造の膨潤と拡張とにより、流体の吸収が生じる、粒子の分散物、である。
【0052】
適当なヒドロコロイドの例は、アルギネート、アガー、グアー・ゴム、イナゴマメ、カラゲナン、タラ、アラビア・ゴム、トラガカント、ペクチン、キサンタン、ゲラン、マルトデキストリン、ガラクトマンナン、プスツラン(pusstulan)、ラミナリン、スクレログルカン、アラビア・ゴム、イヌリン、カラヤ、ウェラン(whelan)、ラムザン(rhamsan)、ズーグラン(zooglan)、メチラン(methylan)、キチン、シクロデキストリン、キトサン、微晶質セルロース等のようなセルロースポリマー、カルボキシメチルセルロース、ならびに、これらの誘導体、および、組み合わせ物、を含むが、これらに限定されない。本発明の特定の実施形態では、有用な構造化剤は、ヒドロコロイドのキサンタン・ガム、微晶質セルロース、カルボキシメチルセルロース、ならびに、これらの誘導体、共沈物(co-precipitates)、および、組み合わせ物、から選択できる。また、一例の特に有用な実施形態では、増粘成分は、一次構造化剤としてのキサンタン・ガム、および、二次構造化剤としての、微晶質セルロースとカルボキシメチルセルロース(アビセル(Avicel)−RC591として、FMCから市場において入手可能なもの等)との混合抽出処理した(co-processed)組み合わせ物と、を含んでいる。
【0053】
キサンタン・ガムは、高分子量の天然の炭化水素、具体的には、多糖類、である。本発明での使用に適している、このキサンタン・ガムは、キサントモナス・カンペストリス(Xanthomonas campestris)により生成される、高分子量の多糖類、である。この多糖類を生成するための技法および菌株は、米国特許第4,752,580号および同第3,485,719号(これらの開示は、これによって、参照により本明細書に組み込まれている)に記載されている。本発明に用いられているキサンタン・ガムは、約1000〜約1700cP(mPa−秒)の、1%の塩の溶液中での、粘度を有する必要がある。この1%溶液の粘度は、60rpmで、No.3のスピンドルにおいて、LVモデルのブルックフィールド・シンクロ−レクトリック粘度計(LV model Brookfield Synchro-Lectric viscometer)により、25℃で、測定される必要がある。キサンタン・ガムは、RTバンデルビルト・カンパニー(RT Vanderbilt Company)、および、CPケルコ(CP Kelco)、等のような、幾つかの営利的な供給者から、入手可能である。適当なキサンタン・ガムの例は、ケルトロール(Keltrol)、ケルトロールF(Keltrol F)、ケルトロールT(Keltrol T)、ケルトロールTF(Keltrol TF)、キサンチュラル(Xantural)180、および、バンザンNF−ST(Vanzan NF-ST)、である。
【0054】
有用な実施形態では、本発明に用いられる二次構造化剤は、セルロース、および、カルボキシメチルセルロースナトリウムの、乾燥した共沈させた微結晶、である。カルボキシメチルセルロースナトリウムは、微晶質セルロースの中の共沈物として、一般的に用いられている。この場合に、共沈させた微結晶のセルロースとカルボキシメチルセルロースナトリウムとの全体の重量の、約8重量%〜約19重量%の範囲内で、カルボキシメチルセルロースナトリウムが含まれていれば、特に有用である。さらに、カルボキシメチルセルロースナトリウムを、約8重量%〜約14重量%の範囲内で含有している微晶質セルロースの生成物、は有用である。また、前述の混合物は、アビセル(Avicel)(登録商標)CL−611、アビセル(Avicel)(登録商標)RC−581、および、アビセル(Avicel)(登録商標)RC−591を商標名として、FMCを含む、さまざまな供給源から、市場において入手可能である。
【0055】
増粘成分は膨潤剤を任意に含んでいてよく、適当な水性の環境に曝されると、膨張して、構造化剤と相互に作用する。予めゼラチン化されたデンプンは、特に良好な膨潤剤である。「インスタント化(instantized)」デンプンとしても知られている、予めゼラチン化されたデンプンは、冷水に添加されると、瞬時に膨潤して、増粘し始めるように、予め調理されている。特に適当な予めゼラチン化されたデンプンは、変性されていて、安定化された、蝋質の、トウモロコシ食品用デンプン(maize food starch)であり、インスタント・スターチ,ウルトラスパースM(Instant Starch, Ultrasperse M)として、ナショナル・スターチ・カンパニー(National Starch Company)から、市場において入手可能である。
【0056】
特定の実施形態では、任意の補助の懸濁剤が、本発明に用いられている。この補助の懸濁剤は、ヒドロキシエチルセルロースと、カルボキシメチルセルロースの薬剤として許容可能な塩と、からなる群から選択できる。カルボキシメチルセルロースの、適当な薬剤として許容可能な塩は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、USP、および、カルボキシメチルセルロースカルシウム、NFとして、市場において入手可能な、セルロースのポリカルボキシメチルエーテルの、ナトリウムおよびカルシウムの塩、を含む。カルボキシメチルセルロースナトリウム、USPは、無水ベース(dry basis)において、約6.5重量%〜約7.5重量%のナトリウムを含有しており、製品の名称をアクアロン(Aqualon)として、アクアロン・カンパニー(Aqualon Co.)から、市場において入手可能である。このヒドロキシエチルセルロースは、セルロースの、部分的に置換されているポリ(ヒドロキシエチル)エーテル(poly(hydroxyethyl)ether)、である。また、ヒドロキシセルロース、NFは、製品の名称をナトロゾル(Natrosol)として、アクアロン・カンパニーから、市場において入手可能である。
【0057】
本発明は、水性の薬剤懸濁液組成物を調製するための方法も提供している。有用な方法は、以下の連続的な工程、すなわち、
(a)混合のための適当な容量を達成するために、約35重量%〜約40重量%の水を添加する工程と、
(b)約0.5%〜約1.0%の微晶質セルロースおよびカルボキシメチルセルロース(混合抽出)、および、約0.1%〜約0.2%のキサンタン・ガムを分散させて、水和されるまで混合する工程と、
(c)重量/容量での、全体の懸濁液の、約10%〜約50%の甘味用多価アルコール、好ましくはソルビトールを添加し、これに続き、約5%〜約20%のグリセリンを添加する工程と、
(d)重量/容量での、全体の懸濁液の、約20〜約50%の糖、好ましくはスクロースを、一部の実施形態では工程(c)の分散液に任意に添加し、この成分が、混合物中において均一に分散されるまで混合する工程と、
(e)約4.5〜約6.5の間に溶液のpHを下げるために、十分なクエン酸の無水の粉末を工程(d)の混合物に添加して、これらの成分が混合物の全体にわたって均一になるまで混合するか、または、他の実施形態では、このpHを調節するために、クエン酸ナトリウムの無水の粉末を添加する工程と、
(f)約0.1%〜約1.0%のプロピレン・グリコールの中に可溶化されている、約0.03%〜約0.06%のプロピルパラベンと約0.03%〜約0.06%のブチルパラベンとの混合物を添加する工程と、
(g)例えば、約3%〜約12%のAPAP等の、第1の活性物質を添加し、これに続き、約0.05%〜約0.15%の香味料の系、および、例えば、約0.1%〜約0.2%のスクラロース等の適当な高い強度の甘味料を添加する工程と、
(h)100%の所望の容量の無染料の薬剤懸濁液を製造するために、工程(g)の混合物に、十分な水を添加して混合する工程と、
を含んでいる。
【0058】
この方法の有用な実施形態では、例えば、プロピルパラベンおよびブチルパラベン等のような有効量の防腐剤が、工程(f)で混合物に添加されており、工程(h)の懸濁液は、脱気工程を受けて、懸濁液の容積は、この脱気処理の後に、水の添加により100%に調節される。工程(g)で混合物に添加される香味用の成分は、例えば、小児科または成人の、この懸濁液の意図されている消費者により決められる好みに合うように、特定の懸濁液に対して望まれる種類および量であってよい。本発明の有用な方法のさらに詳細な例は、以下の実施例に記載されている。
【0059】
懸濁液の粘度は、スピンドルNo.31を備えている、ブルックフィールドLV粘度計(Brookfield LV Viscometer)を用いて測定されている。密封状態のビンからのサンプルを、サンプル・チャンバーの中に分配し、水槽の中で、25℃に平衡させた。この平衡化の後に、サンプルを1.5rpmで攪拌して、2分後に、粘度を読み取った。
【0060】
本発明の懸濁液の有用な粘度は、方法に従って測定される場合に、約1500cP〜約7000cP(センチポアズ)、例えば、1800cP以上、または、2300cP以上、である。
【0061】
実施例
本発明は、以下に、実施例により説明される。これらの実施例は、本発明の範囲を限定するために意図されているのではなく、前述の詳細かつ概略的な説明と共に読まれて、本発明のさらに一層の理解、および、本発明の組成物を調製するための好ましい方法の概略を与えるために、意図されている。
【0062】
実施例1
【表1】

【0063】
処理の指示
1.高剪断真空混合器(high sheer vacuum mixer)を備えている、風袋を量った容器(tared vessel)に、混合のための適当な容量を達成するために、約35重量%〜約40重量%の純水を添加する。
2.約0.5%〜約1.0%の微晶質セルロースおよびカルボキシメチルセルロース(混合抽出)、ならびに、約0.1%〜約0.2%のキサンタン・ガムを分散させて、水和するまで混合する。
3.ソルビトールの溶液を添加してから、グリセリンを添加して、混合する。
4.スクロースを添加して、溶けるまで混合する。
5.クエン酸の無水の粉末を添加してから、プロピレンの中に予め溶かされているプロピルパラベンおよびブチルパラベンを添加して、溶けるまで混合する。
6.APAPを分散させてから、スクラロースおよび香味料の系を分散させて、混合する。
7.懸濁液を、精製水により最終的な容量にして、脱気するために真空下で混合する。
【0064】
前述の処理により、5.5のpHで、バッチ・サイズがおよそ7570リットルまたは2000ガロンの、無染料のアセトアミノフェンの懸濁液(100mg/5mL)を製造する。
【0065】
実施例2
【表2】

【0066】
処理の指示
1.高剪断真空混合器を備えている、風袋を量った容器に、混合のための適当な容量を達成するために、約35重量%の精製水、および、約24重量%のソルビトールの溶液を添加する。
2.約0.5%〜約1.0%の微晶質セルロースおよびカルボキシメチルセルロース(混合抽出)、ならびに、約0.1%〜約0.2%のキサンタン・ガムを分散させて、水和するまで混合する。
3.残りのソルビトールの溶液を添加してから、グリセリンを添加して、混合する。
4.クエン酸の無水の粉末を添加してから、プロピレンの中に予め溶かされているプロピルパラベンおよびブチルパラベンを添加して、溶けるまで混合する。
5.APAPを添加してから、スクラロースおよび香味料の系を添加して、混合する。
6.懸濁液を、精製水により最終的な容量にして、脱気するために真空下で混合する。
【0067】
前述の処理により、5.5のpHで、バッチ・サイズがおよそ3785リットルの、無染料のアセトアミノフェンの懸濁液のドロップ(80mg/0.8mL)を製造する。
【0068】
実施例3
無染料のAPAP、臭化水素酸デキストロメトルファン、および、塩酸プソイドエフェドリンの懸濁液の、ドロップの投薬形態
【表3】

【0069】
微晶質セルロースおよびカルボキシメチルセルロース(混合抽出)とキサンタン・ガムとの水和の間に、臭化水素酸デキストロメトルファンを添加して、溶解させるために混合することを除いて、実施例2の処理を行なう。さらに、アセトアミノフェンの添加の直前に、塩酸プソイドエフェドリンを添加して、溶解させるために混合する。pH調節のための、クエン酸の無水の粉末の代わりに、クエン酸ナトリウムの無水の粉末を添加する。
【0070】
実施例4
無染料のAPAP、臭化水素酸デキストロメトルファン、塩酸プソイドエフェドリン、および、マレイン酸クロルフェニラミンの懸濁液の、投薬形態
【表4】

【0071】
微晶質セルロースおよびカルボキシメチルセルロース(混合抽出)とキサンタン・ガムとの水和の間に、臭化水素酸デキストロメトルファンを添加して、溶解させるために混合することを除いて、実施例1の処理を行なう。さらに、アセトアミノフェンの添加の直前に、マレイン酸クロルフェニラミンおよび塩酸プソイドエフェドリンを添加して、溶解させるために混合する。
【0072】
実施例5
HFCS含有の懸濁液と、還元性の糖を実質的に含まない懸濁液との比較
無染料のアセトアミノフェン、臭化水素酸デキストロメトルファン、および、塩酸プソイドエフェドリンの懸濁液、のドロップ
【表5】

【0073】
様々な量の、高強度フルクトース・コーン・シロップ55%、を含有している懸濁液中に、添加を可能にするために、ソルビトール溶液、USP、70%、の一部分が除去されていることを除いて、実施例3の処理が行なわれる。これら4種類のサンプルを包装して、数週間にわたる40℃および50℃のストレス条件下に置いた。これにより、例えば、1週間、2週間等の、様々な時期に、このストレス条件から回収されたサンプルを観察したところ、高強度フルクトース・コーン・シロップ、55%、を含有しているサンプル中に進展している脱色のレベルが増加していることが認められた。
【0074】
無染料のアセトアミノフェン、臭化水素酸デキストロメトルファン、および、塩酸プソイドエフェドリンの懸濁液、のドロップの中における、温度ストレスをかけられたサンプルの脱色
HFCS含有の懸濁液と、還元性の糖を実質的に含まない懸濁液と、の比較
【表6】

*色の観察:NC:色の変化なし
1:訓練された分析者にわかる、極めてわずかな変化
2:訓練された分析者にわかる、はっきりした変化
3:消費者にかろうじてわかる、変化
4:消費者にわかる、はっきりした変化
5:極端な変化
【0075】
5%(重量/容量)の程度に低いレベルにおいて還元性の糖を含有している懸濁液は、還元性の糖を伴わない好ましい懸濁液よりも、目立って、さらに多くの脱色、を示している。
【0076】
本発明の範囲は、説明、実施例、および、本明細書に示唆されている用法、により、限定されず、本発明の趣旨から逸脱することなく、変更を行なうことが可能である。例えば、組み合わせの治療を提供するために、水性懸濁液に、追加の医薬を加えてもよい。さらに、本発明の薬剤懸濁液は、ビタミンおよび鉱物等のような、栄養素、を含む非医薬成分に対しても、利用可能である。医療および製薬の用途のための、本発明の組成物および方法の適用は、当業者に現在または将来に知られるような、任意の、臨床、医療、および製薬の方法および技法、により、達成できる。したがって、本発明は、本発明の変更および変形が、添付の特許請求の範囲およびそれらの等価物の範囲内に該当することを前提として、それらの変更および変形に言及すること、が意図されている。
【0077】
〔実施の態様〕
(1)無染料の薬剤懸濁液において、
(a)第1の実質的に水に不溶性の活性物質により、実質的に構成されている、治療に有効な量の第1の活性物質と、
(b)有効な量の非還元性の甘味料と、
(c)有効な量の水と、
(d)有効な量の懸濁系と、
を含み、
無染料の薬剤懸濁液は、約5〜約6のpHを有し、還元性の糖を実質的に含まない、
無染料の薬剤懸濁液。
(2)実施態様1に記載の無染料の薬剤懸濁液において、
前記非還元性の甘味料は、非還元性の糖、多価アルコール、高い強度の甘味料、および、これらの組み合わせ物、からなる群から選択される、無染料の薬剤懸濁液。
(3)実施態様2に記載の無染料の薬剤懸濁液において、
前記非還元性の甘味料は、スクロースとソルビトールとの組み合わせ物、を含む、無染料の薬剤懸濁液。
(4)実施態様1に記載の無染料の薬剤懸濁液において、
前記懸濁系は、前記懸濁液100mL当たり約0.1g〜約0.25gのキサンタン・ガム、および、前記懸濁液100mL当たり約0.4g〜約1gの微晶質セルロース、により実質的に構成されている、無染料の薬剤懸濁液。
(5)実施態様1に記載の無染料の薬剤懸濁液において、
治療に有効な量の第2の活性物質であって、第2の実質的に水に不溶性の活性物質、水溶性の活性物質、または、これらの混合物、からなる群から選択される、治療に有効な量の第2の活性物質、
をさらに含む、無染料の薬剤懸濁液。
【0078】
(6)実施態様5に記載の無染料の薬剤懸濁液において、
前記第2の活性物質は、咳止め、去痰薬、抗ヒスタミン薬、交感神経作用薬、および、これらの混合物、からなる群から選択される、無染料の薬剤懸濁液。
(7)実施態様6に記載の無染料の薬剤懸濁液において、
少なくとも1種類の前記第2の活性物質は、マレイン酸クロロフェニラミン(chloropheniramine maleate)、テルフェナジン、アステミゾール、塩酸ジフェンヒドラミン、および、これらの混合物、からなる群から選択される、抗ヒスタミン薬である、無染料の薬剤懸濁液。
(8)実施態様6に記載の無染料の薬剤懸濁液において、
前記第2の活性物質は、臭化水素酸デキストロメトルファン、塩酸ジフェンヒドラミン、および、これらの混合物、からなる群から選択される、咳止めである、無染料の薬剤懸濁液。
(9)実施態様6に記載の無染料の薬剤懸濁液において、
前記第2の活性物質は、グアイフェネシンである、無染料の薬剤懸濁液。
(10)実施態様6に記載の無染料の薬剤懸濁液において、
前記第2の活性物質は、塩酸プソイドエフェドリン、フェニルプロパノールアミン、および、これらの混合物、からなる群から選択される、交感神経作用薬である、無染料の薬剤懸濁液。
【0079】
(11)実施態様6に記載の無染料の薬剤懸濁液において、
前記第2の活性物質は、塩酸プソイドエフェドリン、および、マレイン酸クロルフェニラミン、を含む、無染料の薬剤懸濁液。
(12)実施態様9に記載の無染料の薬剤懸濁液において、
前記第2の活性物質は、臭化水素酸デキストロメトルファンをさらに含む、無染料の薬剤懸濁液。
(13)実施態様1に記載の無染料の薬剤懸濁液において、
前記甘味剤は、キシロース、リボース、グルコース、マンノース、ガラクトース、フルクトース、デキストロース、スクロース、マルトース、部分的に加水分解されているデンプン固形物、部分的に加水分解されているコーン・シロップ固形物、ソルビトール、キシリトール、マンニトール、グリセリン、アスパルテーム、スクラロース、シクラメート、サッカリン、および、これらの混合物、からなる群から選択される、無染料の薬剤懸濁液。
(14)実施態様1に記載の無染料の薬剤懸濁液において、
前記懸濁液100mL当たり約25g〜約60gの水を含む、無染料の薬剤懸濁液。
(15)実施態様1に記載の無染料の薬剤懸濁液において、
約1500cP〜約7000cPの粘度を有している、無染料の薬剤懸濁液。
【0080】
(16)実施態様5に記載の無染料の薬剤懸濁液において、
前記第2の活性物質は、実質的に溶かされている、無染料の薬剤懸濁液。
(17)無染料のAPAP懸濁液において、
(a)治療に有効な量のAPAPと、
(b)有効な量の非還元性の甘味料と、
(c)有効な量の水と、
(d)有効な量の懸濁系と、
を含み、
前記無染料のAPAP懸濁液は、約5〜約6のpHを有し、還元性の糖を実質的に含まない、
無染料のAPAP懸濁液。
(18)実施態様17に記載の無染料のAPAP懸濁液において、
前記非還元性の甘味料は、非還元性の糖、多価アルコール、高い強度の甘味料、および、これらの組み合わせ物、からなる群から選択される、無染料のAPAP懸濁液。
(19)実施態様18に記載の無染料のAPAP懸濁液において、
前記非還元性の甘味料は、スクロースとソルビトールとの組み合わせ物、を含む、無染料のAPAP懸濁液。
(20)実施態様17に記載の無染料のAPAP懸濁液において、
前記懸濁系は、前記懸濁液100mL当たり約0.1g〜約0.25gのキサンタン・ガム、および、前記懸濁液100」mL当たり約0.4g〜約1gの微晶質セルロース、により実質的に構成されている、無染料のAPAP懸濁液。
【0081】
(21)実施態様17に記載の無染料のAPAP懸濁液において、
治療に有効な量の第2の活性物質であって、第2の実質的に水に不溶性の活性物質、水溶性の活性物質、または、これらの混合物、からなる群から選択される、治療に有効な量の第2の活性物質、
をさらに含む、無染料のAPAP懸濁液。
(22)実施態様21に記載の無染料のAPAP懸濁液において、
前記第2の活性物質は、咳止め、去痰薬、抗ヒスタミン薬、交感神経作用薬、および、これらの混合物、からなる群から選択される、無染料のAPAP懸濁液。
(23)実施態様21に記載の無染料の薬剤懸濁液において、
前記第2の活性物質は、マレイン酸クロロフェニラミン(chloropheniramine maleate)、テルフェナジン、アステミゾール、塩酸ジフェンヒドラミン、および、これらの混合物、からなる群から選択される抗ヒスタミン薬である、無染料の薬剤懸濁液。
(24)実施態様21に記載の無染料のAPAP懸濁液において、
前記第2の活性物質は、臭化水素酸デキストロメトルファン、塩酸ジフェンヒドラミン、および、これらの混合物、からなる群から選択される咳止めである、無染料のAPAP懸濁液。
(25)実施態様21に記載の無染料のAPAP懸濁液において、
前記第2の活性物質は、グアイフェネシンである、無染料のAPAP懸濁液。
【0082】
(26)実施態様21に記載の無染料のAPAP懸濁液において、
前記第2の活性物質は、塩酸プソイドエフェドリンと、フェニルプロパノールアミンと、これらの混合物と、からなる群から選択される交感神経作用薬である、無染料のAPAP懸濁液。
(27)実施態様21に記載の無染料のAPAP懸濁液において、
前記第2の活性物質は、塩酸プソイドエフェドリン、および、マレイン酸クロルフェニラミン、を含む、無染料のAPAP懸濁液。
(28)実施態様27に記載の無染料のAPAP懸濁液において、
前記第2の活性物質は、臭化水素酸デキストロメトルファンをさらに含む、無染料のAPAP懸濁液。
(29)実施態様17に記載の無染料のAPAP懸濁液において、
少なくとも1種類の甘味剤、および、少なくとも1種類の香味剤を含む、味のマスキング用の組成物(taste-masking composition)、
をさらに含む、無染料のAPAP懸濁液。
(30)実施態様29に記載の無染料のAPAP懸濁液において、
前記甘味剤は、キシロース、リボース、グルコース、マンノース、ガラクトース、フルクトース、デキストロース、スクロース、マルトース、部分的に加水分解されているデンプン固形物、部分的に加水分解されているコーン・シロップ固形物、ソルビトール、キシリトール、マンニトール、グリセリン、アスパルテーム、スクラロース、シクラメート、サッカリン、および、これらの混合物、からなる群から選択される、無染料のAPAP懸濁液。
【0083】
(31)実施態様17に記載の無染料のAPAP懸濁液において、
前記懸濁液100mL当たり約25g〜約60gの水、を含む、無染料のAPAP懸濁液。
(32)実施態様17に記載の無染料のAPAP懸濁液において、
約1500cP〜約7000cPの粘度を有している、無染料のAPAP懸濁液。
(33)実施態様21に記載の無染料のAPAP懸濁液において、
前記第2の活性物質は、実質的に溶かされている、無染料のAPAP懸濁液。
(34)無染料のAPAP懸濁液において、
前記無染料のAPAP懸濁液は、前記懸濁液100mL当たりのグラム単位で、
約1〜約15のAPAPと、
約0.1〜約0.25のキサンタン・ガムと、
約0.4〜約1の微晶質セルロースと、
約20〜約65のソルビトール溶液と、
約1〜約20のグリセリンと、
約0.01〜約1の香味料(flavoring)と、
約20〜約50の水と、
約0.001〜約0.10の、ブチルパラベン、メチルパラベン、プロピルパラベン、および、これらの組み合わせ物、からなる群から選択される、抗菌性の防腐剤と、
約0.003〜約0.20のクエン酸と、
約0.1〜約0.5のプロピレン・グリコールと、
を含み、
前記無染料のAPAP懸濁液は、約5〜約6のpHを有し、還元性の糖を実質的に含まない、
無染料のAPAP懸濁液。
(35)無染料のアセトアミノフェン懸濁液において、
前記無染料のアセトアミノフェン懸濁液は、前記懸濁液100mL当たりのグラム単位で、
約1〜約15のアセトアミノフェンと、
約0.1〜約1の塩酸プソイドエフェドリン、約0.01〜約0.07のマレイン酸クロロフェニラミン(chloropheniramine maleate)、約0.05〜約0.5の臭化水素酸デキストロメトルファン、および、これらの混合物、からなる群から選択される薬剤の活性物質と、
約0.1〜約0.25のキサンタン・ガムと、
約0.4〜約1の微晶質セルロースと、
約20〜約65のソルビトール溶液と、
約1〜約20のグリセリンと、
約0.01〜約1の香味料と、
約20〜約50の水と、
約0.001〜約0.10の、ブチルパラベン、メチルパラベン、プロピルパラベン、および、これらの組み合わせ物、からなる群から選択される、抗菌性の防腐剤と、
約0.003〜約0.20のクエン酸と、
約0.1〜約0.5のプロピレン・グリコールと、
を含み、
前記無染料のアセトアミノフェン懸濁液は、約5〜約6のpHを有し、還元性の糖を実質的に含まない、
無染料のアセトアミノフェン懸濁液。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無染料の薬剤懸濁液において、
(a)第1の実質的に水に不溶性の活性物質により、実質的に構成されている、治療に有効な量の第1の活性物質と、
(b)有効な量の非還元性の甘味料と、
(c)有効な量の水と、
(d)有効な量の懸濁系と、
を含み、
無染料の薬剤懸濁液は、約5〜約6のpHを有し、還元性の糖を実質的に含まない、
無染料の薬剤懸濁液。
【請求項2】
請求項1に記載の無染料の薬剤懸濁液において、
前記非還元性の甘味料は、非還元性の糖、多価アルコール、高い強度の甘味料、および、これらの組み合わせ物、からなる群から選択される、無染料の薬剤懸濁液。
【請求項3】
請求項2に記載の無染料の薬剤懸濁液において、
前記非還元性の甘味料は、スクロースとソルビトールとの組み合わせ物、を含む、無染料の薬剤懸濁液。
【請求項4】
請求項1に記載の無染料の薬剤懸濁液において、
前記懸濁系は、前記懸濁液100mL当たり約0.1g〜約0.25gのキサンタン・ガム、および、前記懸濁液100mL当たり約0.4g〜約1gの微晶質セルロース、により実質的に構成されている、無染料の薬剤懸濁液。
【請求項5】
請求項1に記載の無染料の薬剤懸濁液において、
治療に有効な量の第2の活性物質であって、第2の実質的に水に不溶性の活性物質、水溶性の活性物質、または、これらの混合物、からなる群から選択される、治療に有効な量の第2の活性物質、
をさらに含む、無染料の薬剤懸濁液。
【請求項6】
請求項5に記載の無染料の薬剤懸濁液において、
前記第2の活性物質は、咳止め、去痰薬、抗ヒスタミン薬、交感神経作用薬、および、これらの混合物、からなる群から選択される、無染料の薬剤懸濁液。
【請求項7】
請求項6に記載の無染料の薬剤懸濁液において、
少なくとも1種類の前記第2の活性物質は、マレイン酸クロロフェニラミン、テルフェナジン、アステミゾール、塩酸ジフェンヒドラミン、および、これらの混合物、からなる群から選択される、抗ヒスタミン薬である、無染料の薬剤懸濁液。
【請求項8】
請求項6に記載の無染料の薬剤懸濁液において、
前記第2の活性物質は、臭化水素酸デキストロメトルファン、塩酸ジフェンヒドラミン、および、これらの混合物、からなる群から選択される、咳止めである、無染料の薬剤懸濁液。
【請求項9】
請求項6に記載の無染料の薬剤懸濁液において、
前記第2の活性物質は、グアイフェネシンである、無染料の薬剤懸濁液。
【請求項10】
請求項6に記載の無染料の薬剤懸濁液において、
前記第2の活性物質は、塩酸プソイドエフェドリン、フェニルプロパノールアミン、および、これらの混合物、からなる群から選択される、交感神経作用薬である、無染料の薬剤懸濁液。
【請求項11】
請求項6に記載の無染料の薬剤懸濁液において、
前記第2の活性物質は、塩酸プソイドエフェドリン、および、マレイン酸クロルフェニラミン、を含む、無染料の薬剤懸濁液。
【請求項12】
請求項9に記載の無染料の薬剤懸濁液において、
前記第2の活性物質は、臭化水素酸デキストロメトルファンをさらに含む、無染料の薬剤懸濁液。
【請求項13】
請求項1に記載の無染料の薬剤懸濁液において、
前記甘味剤は、キシロース、リボース、グルコース、マンノース、ガラクトース、フルクトース、デキストロース、スクロース、マルトース、部分的に加水分解されているデンプン固形物、部分的に加水分解されているコーン・シロップ固形物、ソルビトール、キシリトール、マンニトール、グリセリン、アスパルテーム、スクラロース、シクラメート、サッカリン、および、これらの混合物、からなる群から選択される、無染料の薬剤懸濁液。
【請求項14】
請求項1に記載の無染料の薬剤懸濁液において、
前記懸濁液100mL当たり約25g〜約60gの水を含む、無染料の薬剤懸濁液。
【請求項15】
請求項1に記載の無染料の薬剤懸濁液において、
約1500cP〜約7000cPの粘度を有している、無染料の薬剤懸濁液。
【請求項16】
請求項5に記載の無染料の薬剤懸濁液において、
前記第2の活性物質は、実質的に溶かされている、無染料の薬剤懸濁液。
【請求項17】
無染料のAPAP懸濁液において、
(a)治療に有効な量のAPAPと、
(b)有効な量の非還元性の甘味料と、
(c)有効な量の水と、
(d)有効な量の懸濁系と、
を含み、
前記無染料のAPAP懸濁液は、約5〜約6のpHを有していて、還元性の糖を実質的に含まない、
無染料のAPAP懸濁液。
【請求項18】
請求項17に記載の無染料のAPAP懸濁液において、
前記非還元性の甘味料は、非還元性の糖、多価アルコール、高い強度の甘味料、および、これらの組み合わせ物、からなる群から選択される、無染料のAPAP懸濁液。
【請求項19】
請求項18に記載の無染料のAPAP懸濁液において、
前記非還元性の甘味料は、スクロースとソルビトールとの組み合わせ物、を含む、無染料のAPAP懸濁液。
【請求項20】
請求項17に記載の無染料のAPAP懸濁液において、
前記懸濁系は、前記懸濁液100mL当たり約0.1g〜約0.25gのキサンタン・ガム、および、前記懸濁液100mL当たり約0.4g〜約1gの微晶質セルロース、により実質的に構成されている、無染料のAPAP懸濁液。
【請求項21】
請求項17に記載の無染料のAPAP懸濁液において、
治療に有効な量の第2の活性物質であって、第2の実質的に水に不溶性の活性物質、水溶性の活性物質、または、これらの混合物、からなる群から選択される、治療に有効な量の第2の活性物質、
をさらに含む、無染料のAPAP懸濁液。
【請求項22】
請求項21に記載の無染料のAPAP懸濁液において、
前記第2の活性物質は、咳止め、去痰薬、抗ヒスタミン薬、交感神経作用薬、および、これらの混合物、からなる群から選択される、無染料のAPAP懸濁液。
【請求項23】
請求項21に記載の無染料の薬剤懸濁液において、
前記第2の活性物質は、マレイン酸クロロフェニラミン、テルフェナジン、アステミゾール、塩酸ジフェンヒドラミン、および、これらの混合物、からなる群から選択される抗ヒスタミン薬である、無染料の薬剤懸濁液。
【請求項24】
請求項21に記載の無染料のAPAP懸濁液において、
前記第2の活性物質は、臭化水素酸デキストロメトルファン、塩酸ジフェンヒドラミン、および、これらの混合物、からなる群から選択される咳止めである、無染料のAPAP懸濁液。
【請求項25】
請求項21に記載の無染料のAPAP懸濁液において、
前記第2の活性物質は、グアイフェネシンである、無染料のAPAP懸濁液。
【請求項26】
請求項21に記載の無染料のAPAP懸濁液において、
前記第2の活性物質は、塩酸プソイドエフェドリンと、フェニルプロパノールアミンと、これらの混合物と、からなる群から選択される交感神経作用薬である、無染料のAPAP懸濁液。
【請求項27】
請求項21に記載の無染料のAPAP懸濁液において、
前記第2の活性物質は、塩酸プソイドエフェドリン、および、マレイン酸クロルフェニラミン、を含む、無染料のAPAP懸濁液。
【請求項28】
請求項27に記載の無染料のAPAP懸濁液において、
前記第2の活性物質は、臭化水素酸デキストロメトルファンをさらに含む、無染料のAPAP懸濁液。
【請求項29】
請求項17に記載の無染料のAPAP懸濁液において、
少なくとも1種類の甘味剤、および、少なくとも1種類の香味剤を含む、味のマスキング用の組成物、
をさらに含む、無染料のAPAP懸濁液。
【請求項30】
請求項29に記載の無染料のAPAP懸濁液において、
前記甘味剤は、キシロース、リボース、グルコース、マンノース、ガラクトース、フルクトース、デキストロース、スクロース、マルトース、部分的に加水分解されているデンプン固形物、部分的に加水分解されているコーン・シロップ固形物、ソルビトール、キシリトール、マンニトール、グリセリン、アスパルテーム、スクラロース、シクラメート、サッカリン、および、これらの混合物、からなる群から選択される、無染料のAPAP懸濁液。
【請求項31】
請求項17に記載の無染料のAPAP懸濁液において、
前記懸濁液100mL当たり約25g〜約60gの水、を含む、無染料のAPAP懸濁液。
【請求項32】
請求項17に記載の無染料のAPAP懸濁液において、
約1500cP〜約7000cPの粘度を有している、無染料のAPAP懸濁液。
【請求項33】
請求項21に記載の無染料のAPAP懸濁液において、
前記第2の活性物質は、実質的に溶かされている、無染料のAPAP懸濁液。
【請求項34】
無染料のAPAP懸濁液において、
前記無染料のAPAP懸濁液は、前記懸濁液100mL当たりのグラム単位で、
約1〜約15のAPAPと、
約0.1〜約0.25のキサンタン・ガムと、
約0.4〜約1の微晶質セルロースと、
約20〜約65のソルビトール溶液と、
約1〜約20のグリセリンと、
約0.01〜約1の香味料と、
約20〜約50の水と、
約0.001〜約0.10の、ブチルパラベン、メチルパラベン、プロピルパラベン、および、これらの組み合わせ物、からなる群から選択される、抗菌性の防腐剤と、
約0.003〜約0.20のクエン酸と、
約0.1〜約0.5のプロピレン・グリコールと、
を含み、
前記無染料のAPAP懸濁液は、約5〜約6のpHを有し、還元性の糖を実質的に含まない、
無染料のAPAP懸濁液。
【請求項35】
無染料のアセトアミノフェン懸濁液において、
前記無染料のアセトアミノフェン懸濁液は、前記懸濁液100mL当たりのグラム単位で、
約1〜約15のアセトアミノフェンと、
約0.1〜約1の塩酸プソイドエフェドリン、約0.01〜約0.07のマレイン酸クロロフェニラミン、約0.05〜約0.5の臭化水素酸デキストロメトルファン、および、これらの混合物、からなる群から選択される、薬剤の活性物質と、
約0.1〜約0.25のキサンタン・ガムと、
約0.4〜約1の微晶質セルロースと、
約20〜約65のソルビトール溶液と、
約1〜約20のグリセリンと、
約0.01〜約1の香味料と、
約20〜約50の水と、
約0.001〜約0.10の、ブチルパラベン、メチルパラベン、プロピルパラベン、および、これらの組み合わせ物、からなる群から選択される、抗菌性の防腐剤と、
約0.003〜約0.20のクエン酸と、
約0.1〜約0.5のプロピレン・グリコールと、
を含み、
前記無染料のアセトアミノフェン懸濁液は、約5〜約6のpHを有していて、還元性の糖を実質的に含まない、
無染料のアセトアミノフェン懸濁液。

【公表番号】特表2008−518948(P2008−518948A)
【公表日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−539268(P2007−539268)
【出願日】平成17年10月27日(2005.10.27)
【国際出願番号】PCT/US2005/039348
【国際公開番号】WO2006/050302
【国際公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【出願人】(591252839)マクニール−ピーピーシー・インコーポレイテッド (69)
【氏名又は名称原語表記】MCNEIL−PPC,INCORPORATED
【Fターム(参考)】