説明

無機及び/又は有機微粒子並びにナノドロマイト粒子の複合材料

本発明は、モノマーとしての1又はそれ以上のジカルボン酸及びジアミン、トリアミン、ジアルカノールアミン又はトリアルカノールアミンの群からの1又はそれ以上のモノマーを含むコポリマーに基づく、結合剤の助けにより微粉化されたナノドロマイトを用いて表面が少なくとも部分的にコーティングされた、微粒子の形態の無機及び/又は有機顔料及び/又は充填剤を含む複合材料、このような複合材料を製造する方法、その水性スラリ、複合材料の使用、並びに微粒子をナノドロマイトによってコーティングするための本発明の結合剤の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、結合剤の助けによりナノメートル範囲の微粉化ドロマイト粒子を用いて表面が少なくとも部分的にコーティングされた微粒子の形態の無機及び/又は有機顔料及び/又は充填剤を含む複合材料と、このような複合材料を生成する方法、その水性スラリ及びに製紙での又は塗料及びプラスチック製造の分野での複合材料の使用、並びにナノドロマイトによって微粒子をコーティングするための本発明の結合剤の使用にも関する。
【背景技術】
【0002】
ナノメートル範囲の粒子(いわゆるナノ粒子)に基づく顔料及び/又は充填剤、例えばナノカルシウムカーボネートが公知であり、紙、塗料及びプラスチック用途を含む多数の用途に使用される。マイクロメートル範囲の有機及び/又は無機顔料及び/又は充填剤(いわゆるナノ粒子)、例えばポリスチレンに基づく中空球又は中実粒子、並びに無機鉱物粒子、例えばタルク、マイカ又はカオリンベース顔料及び/又は充填剤も公知であり、同じ又は同様の用途で使用される。
【0003】
異なる化学組成のナノ粒子及び微粒子の混合物は、それらが最終製品、例えば紙に所望の特性を付与するのに併用されることが好都合な、ある異なる特性を有するために使用される。このような物質の混合物は、例えば製紙において顔料又は充填剤として、しかし特に紙仕上げにおいて、例えばコーティングにおいて、紙の不透明度、白色度及び光沢に関する紙の品質あるいは印刷適性及び印刷特性を改善するために使用される。製紙での保持及び紙仕上げ、例えば紙コーティングでのコーティング「ホールドアウト」に関する、このような微粒子及びナノ粒子の特性が好都合に併用され得ることは公知である。コーティングホールドアウトは、当業者によって、コーティングが紙表面に残存している、又は部分的から完全に紙表面中に浸透しているかどうか、あるいは一部、例えば結合剤及び/又は顔料あるいは顔料の部分画分が全体から偏析されて紙表面中に浸透するかどうかを指すと理解される。ホールドアウトは、特に低い固体含有量のコーティングカラーを使用して吸収性基材をコーティングする際に当業者によく知られた問題である。
【0004】
このような微粒子及びナノ粒子の混合物をこのような用途で使用するときに、成分の望ましくない分離、いわゆる偏析は不都合なことに頻繁に発生し、下の表面、下にあるプレコーティング又は紙表面におけるコーティング厚に関するコーティングの不均等な分布に関連し、従ってコーティングの不均等な分布は例えば紙への不均等な印刷につながり得る。「偏析」という用語は、ある特性による要素の空間分布への傾向を伴う、観察野における異なる要素の分離工程を指す。
【0005】
顔料及び/又は充填剤の偏析が、例えばコーティングによる紙の仕上げにおいてコーティング中の孔容積の相違を引き起こすのは、遊離ナノ粒子が微粒子から偏析されるようになり、したがって紙及び/又はコーティングの孔を占有するか、あるいは孔から「浮遊」、すなわちコーティングの上部に集積するためである。このことは、例えば次の印刷においてコーティングが水、油及び/又は有機溶媒などの液体の一定量を印刷インクから吸収すべき時に特に重要である。
【0006】
多数のこのような混合物、その製造及び使用は当分野で公知であり、主にカルシウムカーボネートをナノ粒子として記載している。
【0007】
このような顔料又は充填剤混合物を製造するための広範に使用されている技法は、例えばDE 33 12 778 A1及びDE 43 12 463 C1に記載され、無機充填剤、例えば天然カルシウムカーボネートを無機充填剤、例えばタルクと共に混合及び同時粉砕することからなる。
【0008】
しかしながら製紙又はコーティングの条件下で、このような混合物が通常、偏析を受けるのは、混合物の成分間の結合がこれらの条件に耐えないことが多いためである。1500m/分にてドクターブレードを用いるコーティングでは、106-1超の剪断速度が生じ得ることが公知である。
【0009】
したがって、顔料及び/又は充填剤粒子間を架橋することに基づくこのような複合材料を製造する方法が開発され、該方法では顔料及び/又は充填剤の物理的特性及び特に光学特性を改善するはずである多くの内部空洞が形成される。
【0010】
従って化学凝集多孔性顔料複合材料を形成する方法はWO 92/08755に記載され、該方法では無機粒子、例えばカルシウムカーボネートの水性スラリが調製され、軟凝集体を生じさせるためにカルボン酸基を含有するポリマー又はコポリマーがスラリに添加される。カルシウムイオンは、無機軟凝集体(flocks)へのポリマーのカルシウム塩の沈降を誘発するためにスラリに過剰に添加されて、カルシウム塩によって結合されて、多孔性片状(flaky)構造を有する無機粒子の凝集体を産生する。過剰なカルシウムイオンは二酸化炭素と反応し、ポリマー性カルシウム塩にカルシウムカーボネートとして沈降する。しかしながらカルシウムイオンはアルカリ性化学化合物、例えばカルシウムヒドロキシドの形態で添加されるので、カルシウムイオンは例えばある分散剤を使用するときに負の影響を有し得るアルカリ性中間体を形成する。加えて、カルシウムカーボネートのさらなる沈降は、元のナノ粒子/微粒子構造の構造をさらに変更して、必然的に別の顔料、すなわち中和により形成された沈降カルシウムカーボネートの導入に至る。軟凝集体は紙光沢の消失に至る表面での散漫光散乱を引き起こし得るので、軟凝集体は一般に紙用途では問題を含み得る。加えて、本来達成される複合材料の孔容積は、最初に軟凝集体によって、第2にこのように形成された沈降カルシウムカーボネートによって影響及び変化を受ける。
【0011】
US 5,449,402は、軟凝集顔料、例えばカルシウムカーボネートを、軟凝集顔料の電荷と反対の電荷を有する制御物質と混合することによって製造される、機能修飾顔料粒子について記載している。軟凝集顔料は、好ましくは濾過ケーク粒子の水性懸濁液である。好ましい制御物質は、顔料粒子と混合されたときに顔料粒子に静電的に結合される、非水溶性又は分散性ラテックス結合剤、水溶性又はアルカリ溶解性有機及び/又は無機ポリマー結合剤並びに非膜形成有機粒子を含む。
【0012】
US 5,454,864、US 5,344,487及びEP 0 573 150も、製造が担体粒子とコーティング粒子との間の静電引力に基づいている顔料複合材料について記載している。しかしながらこのような複合材料の使用は、他の荷電成分との相互作用のために各用途において問題を含み得る。
【0013】
WO 97/32934による白色度を改良する別の方法は、顔料粒子を他の顔料粒子、例えば最初に凝塊の形態で存在するが、上記の問題、例えば軟凝集を引き起こし得る結合剤を使用しない、沈降カルシウムカーボネートの微粉化粒子等でコーティングすることからなる。これらの複合材料の安定性は、ある非常に特殊な条件が満たされるときにのみ発生し得る引力、例えばファンデルワールス力に本質的に基づいている。例えば定義されたpHは、物質の各組合せによって異なる最良の考えられるゼータ電位を得るために厳密に維持されねばならない。条件が最適から逸脱するとすぐに反発力が支配的となり、成分が偏析を受ける。
【0014】
WO 99/52984は、例えばカルシウムカーボネート、タルク又はポリスチレンからの少なくとも2つの異なる種類の無機又は有機充填剤あるいは顔料を含有する同時構成又は同時吸着された充填剤の複合材料組成物並びにその使用に関する。異なる種類の顔料又は充填剤は、特殊な結合剤によって結合を生じさせる親水性及び/又は有機親和性領域を有する。結合剤は、結合剤の結合機能を明らかにするために親水性成分に対して、並びに有機親和性成分に対しての親和性も有する必要があり、特殊なポリマー及び/又はコポリマーより選択される。使用した顔料及び/又は充填剤の粒径は、直径が明示的に述べられていない、及び/又は実施例で述べたすべての粒径が最良の場合で1μm未満であるので、ここでは役割を果たさない。
【0015】
WO 03/078734は、例えば沈降カルシウムカーボネートのナノ粒子画分と、タルク又はプラスチック顔料粒子及び少なくとも1つの結合剤を含む血小板様顔料粒子を含む担体画分とを含有する、表面処理用の、特に紙をコーティングするための組成物を開示している。しかしながら、ナノ粒子は担体をコーティングしない。紙表面上での血小板様微粒子の目標とする配置により、孔は閉じられて、ナノ粒子はもはや浸透できない。血小板様微粒子を偏析のために紙表面へ移動して、移動により繊維間の孔を閉じて、従ってナノ粒子が表面中へ浸透し得ることを防止する方法が記載されている。従って目標とするナノ粒子及び微粒子の偏析が目的である。微粒子はナノ粒子から偏析して、ナノ粒子がコーティングの上部にある間にコーティングの底部に位置している。結合剤、好ましくはポリマーラテックス結合剤は、コーティングが紙の上で乾燥するときに、個々の粒子間並びにコーティングの上部及び底部における2つの粒子画分間に結合を形成させる。所望の偏析は既にこの時点で遅れずに起こっている。
【0016】
US 2005/0287313は、基材に基づく可融印刷媒体及び基材上のインク吸収層という主題に関する。インク吸収層は、複数の中空球、例えば0.3〜10μmであり得る本質的に同じ直径を有するポリスチレン中空球を含む。層は結合剤、例えばポリビニルアルコール又はポリビニルピロリドンなども含み、中空球を共に結合させる。中空球は、微孔性及び/又はメソ多孔性無機粒子、例えばカルシウムカーボネート又はタルク、並びに中空でなく、0.2〜5μmの直径を有し得るポリマー粒子によっても一部置換され得る。
【0017】
US2005/0287313は従って、同時に存在して、溶融工程の要件に合わせた結合剤中での固定によって結合された微粒子の混合物について記載している。該混合物は、あるカチオン性ポリマー及びアミノ酸基を含有するコポリマーからなり得るピクリング浴の一種であり、染料ベースインクとインク吸収層との間のより良好な化学的相互作用を確保するために供給される。該混合物は、層内での各種の成分の結合に関していかなる役割も果たさない。偏析の問題は言及されていない。
【0018】
WO 2006/016036は、特に、結合剤の存在下で水中にて無機材料を粉砕する方法と、生じた懸濁液、並びにコーティング調合物でのその使用にも関する。結合剤の存在下で粉砕され得る非常に多くの材料、例えばタルクが本明細書及び特許請求の範囲にて言及されている。しかしながら本実施例はカルシウムカーボネートのみを用いている。いずれの実施例においても、結合剤の存在下での例えば2つの化学的に異なる材料の粉砕は開示されていない。さらに本粉砕方法によってナノ粒子が形成される又はナノマイクロ複合材料が製造されるという事実への言及はない。結合剤は複合材料を製造するためには使用されないが、代わりにより微細な粉砕のための粉砕助剤として使用されるが、顔料懸濁液中の粒子の平均粒径は最大30μmであり得る。粉砕に使用した結合剤はスチレン−アクリレート又はスチレン−ブタジエンに基づくことがあり、すなわち粉砕に使用した結合剤は、当業者が熟知している結合剤、例えば紙のコーティングで又は壁用塗料の結合剤として使用される結合剤である。従ってWO 2006/016036に記載された方法は、本質的にマイクロ範囲にある粒子を生じる粉砕ステップを義務的に(obligatorily)含み、本質的に偏析耐性の複合材料の生成を可能にする結合剤については記載していない。
【0019】
DE 10 2006 026 965は、無機及び/又は有機顔料及び/又は充填剤を微粒子の形態で含み、表面がナノメートル範囲のカルシウムカーボネート粒子を含む結合剤を用いて少なくとも部分的にコーティングされた複合材料、このような複合材料の製造方法、その水性スラリ、紙製造並びに塗料及びプラスチック製造の分野でのその使用、ナノカルシウムカーボネートによって微粒子をコーティングするこれらの結合剤の使用について記載している。ドロマイト粒子の使用には言及されていない。
【0020】
WO 2006/033952は、紙又は板紙の基材と、少なくとも1つの基材表面の上にある基層と、基層表面の上にある上層とを含む紙及び板紙の材料について記載し、前記上層は1以上の結合剤中に分散されている1以上の顔料を含み、前記基層は、1以上の結合剤中に分散されている、プラスチック粒子であるRohm and HaasのRopaque(登録商標)HP−1055及びAF−1353並びにDow Chemical CompanyのHS 2000NA及びHS 300ONAなどの低い密度を有する熱可塑性粒子を含む。基層は圧縮可能であり、オフセット印刷画像におけるバックトラップモットリングを減少させる。顔料粒子、例えばカルシウムカーボネート及びプラスチック粒子は従って別々の層に存在する。
【0021】
当分野の現状の前記組成物はすべて特に、カルシウムカーボネートを1成分として説明している。しかしながらカルシウムカーボネートは、耐酸性ではなく、酸形成二酸化炭素及び使用した酸に対応するカルシウム塩の影響下で分解する。多くの、特に紙用途及び製造工程、例えば繊維漂白は、このような手順ステップにおけるカルシウムカーボネートの酸に対する感受性が著しい問題を示し得るような少なくともやや酸性の環境で実施される。例えば水の硬度は従って極めて上昇することがあり、水の硬度上昇は次に製紙工程における後の沈着を引き起こすことがある。酸性食品、例えば果物、例えばレモンが包装紙に曝露されて、曝露が食品へのカルシウム塩の望ましくない沈着を引き起こし得ることも考えられる。加えて、液体酸性食品及び飲料、例えば酢の濾過は、酸感受性である上記の材料によっては不可能である。
【発明の概要】
【0022】
本発明の目的は従って、一方では例えば不透明度、白色度及び明度に関する非常に良好な光学特性又は印刷特性を有するのに対して、他方では同時に曝露される処理条件下で偏析を全く又は本質的に受けず、カルシウムカーボネートの高含有量を有する材料、例えば大理石、石灰石、チョーク及び沈降カルシウムカーボネートを含有する複合材料と比較して改良された酸安定性を有する、さらなる顔料及び/又は充填剤複合材料、並びに水性スラリ、並びにそのフィルタ層も提供することである。
【0023】
複合材料は>4のpKaを有する弱酸、例えば酢酸中で少なくとも安定であるべきだが、酸性、例えばフェノール性あるいはフェノール−ホルムアルデヒド又は尿素−ホルムアルデヒド樹脂と反応する物質だけでなく、架橋中の反応生成物として酸を産生する物質、例えばケイ素を含有するポリマーも含有する媒体中でも少なくとも短時間にわたって安定であるべきであり、すなわち1〜60分間の範囲で続く化学反応、例えば縮合反応/架橋反応は著しく弱められるべきではない。特に、縮重合は例えば酢酸を縮合生成物として産生し得る。
【0024】
本発明のさらなる目的は、単一のフィルタ層の形態でやや酸性の液体に使用され得る、あるいは実際の繊維材料を補助する濾過助剤として繊維内及び/又は繊維面に施され得る、濾過助剤を提供することである。本目標は、一方では濾過される液体の損傷を回避することであり、他方では高速で効率的な濾過を可能にすることである。
【0025】
本発明の別の目的は、このような複合材料を製造する方法、製紙及び仕上げ、例えばコーティングでの本発明によるこれらの複合材料の使用を提供することである。
【0026】
加えて本発明の目的は、塗料又はプラスチックの製造における、物質の密封での本発明の複合材料の使用並びに顔料及び/又は充填剤微粒子及びドロマイトナノ粒子を含有する本発明の複合材料の製造に特に適切なある結合剤の使用である。
【0027】
独立請求項で定義した特徴はこれらの目的を達成するのに使用される。
【0028】
下記の図並びに実施例及び実験は、本発明を例証する役割を果たし、決して本発明を制限するものではない。
【0029】
下記の図は、現状の各種の混合物及び本発明の複合材料の走査電子顕微鏡写真(SEM)である。混合物及び本発明の複合材料は、ultraturax(ロータ−ステータ−ミキサ)を使用して水中で20重量%の濃度に調整された。2、3滴(約100mg)が蒸留水250mlで希釈されて、0.2μm孔膜フィルタによって濾過された。膜フィルタ上で本方法で得られた調製物は金を用いてスパッタリングされ、SEMで各種の倍率にて評価された。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】結合剤を含まない有機微粒子及びナノカルシウムカーボネートの混合物のSEMを示す。
【図2】結合剤を含まない有機微粒子及びナノドロマイトの混合物のSEMを示す。
【図3】有機微粒子、ナノカルシウムカーボネート及び結合剤の公知の複合材料のSEMを示す。
【図4】有機微粒子、ナノドロマイト及び結合剤の本発明の複合材料のSEMを示す。
【図5】有機微粒子、ナノドロマイト、結合剤及びEAAコポリマーの本発明の複合材料のSEMを示す。
【図6】無機微粒子及びナノドロマイトの混合物のSEMを示す。
【図7】無機微粒子、ナノドロマイト及び結合剤の本発明の複合材料のSEMを示す。
【図8】本発明の無機及び本発明の有機微粒子/ナノドロマイト複合材料の併用のSEMを示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明の好都合な態様は、下位請求項及び次の説明より得られる。
【0032】
本発明の目的は、ドロマイト組成物によって少なくとも部分的にコーティングされた無機及び/又は有機顔料及び/又は充填剤粒子と、結合剤とを含む複合材料によって達成される。
【0033】
結合剤は、モノマーとして1又はそれ以上のジカルボン酸及びジアミン、トリアミン、ジアルカノールアミン又はトリアルカノールアミンからなる群からの1又はそれ以上のモノマーを含むコポリマーからなる。
【0034】
本発明の結合剤は、微粒子及びナノドロマイト組成物と組合せて特に良好な結合剤特性を有する。使用したナノドロマイト組成物の大部分は微粒子の表面に永久に結合され、永久に結合されることが組成物の使用時に開構造を与え、従って特に充填密度の低下及び/又は孔容積の増大を与える。
【0035】
本発明によれば、顔料及び/又は充填剤粒子の球相当直径は主にマイクロメートル範囲であるのに対して、ドロマイト粒子の球相当直径は主にナノメートル範囲である。
【0036】
ナノメートル範囲の粒子は、本発明の範囲内で200nmに等しい又はそれ未満のサブミクロン範囲の球相当直径を有する粒子として定義される。
【0037】
本発明によれば、マイクロメートル範囲の粒子は、0.2μm超のサブミクロン範囲からマイクロメートル範囲まで、約0.3〜100μmの、特に約1〜約25μmの球相当直径を有する粒子として定義される。
【0038】
いわゆる球相当直径は、不規則形状粒子のサイズの尺度である。球相当直径は、不規則粒子の特性と、規則的形状粒子、例えば球の特性との比較から計算される。比較に使用した特性の選択に応じて、異なる相当直径間に区別が付けられる。本件では、相当直径は調査した粒子の沈降特性に関して考慮される。
【0039】
従って、粒子の沈降及び相当直径は、粒子の分布と同様に、沈降方法、すなわち米国のMicromerities社によるSedigraph 5100を使用して重量測定分野での沈降分析を使用することによって、本発明について決定される。当業者は、充填剤及び顔料の微粉度を決定するために世界中で使用されている本方法及び本装置に精通している。微粉度の測定は0.1重量% Na427水溶液中で実施される。サンプルは高速スターラー及び超音波を使用して分散された。
【0040】
好ましい態様において、顔料微粒子及び/又は充填剤微粒子は無機粒子、例えばタルク、マイカ又はその混合物である。ドロマイトは本発明による微粒子として適切でない。適切なタルク品質は、例えばMONDO Mineralsによって販売されている。マイカ、例えばオーストリアのAspanger Bergbau und Mineralwerke GmbHから入手できるマイカも使用され得る。
【0041】
顔料及び/又は充填剤粒子は好ましくは、本質的に球状の構造、特に中空球、中空半球又は血小板様構造を有し、「半球」構造は閉じていない表面を有する中空球に由来するいずれの構造も指すことが理解される。血小板様及び中空半球微小顔料及び/又は微小充填剤は、微小顔料及び/又は微小充填剤が微小顔料及び/又は微小充填剤の形状のために良好な抵抗性を有するので、特に好都合であることが判明している。血小板様粒子は本明細書では、長さ 対 幅及び/又は高さの比が>1である粒子であると理解される。
【0042】
無機微粒子顔料及び/又は充填剤は、好ましくは血小板様である。
【0043】
しかしながら、本発明の顔料及び/又は充填剤粒子は、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン又はその混合物に基づく有機粒子でもあり得る。本発明で使用され得る有機顔料及び/又は充填剤は、例えば商標名Ropaque、例えばRopaque(登録商標)HP−1055又はRopaque(登録商標)AF−1353でRohm & Haasによって販売されている有機顔料及び/又は充填剤を含む。複合材料中の有機微粒子の利点は特に、無機鉱物物質と比較した有機材料の各種の物理的特性、例えば密度、伝導性及び色に由来している。
【0044】
好ましい態様において、有機顔料粒子及び/又は充填剤粒子は、本質的に球状の構造、好ましくは中空球状又は中空半球状構造を有する。中空球状粒子の場合、有機顔料粒子及び/又は充填剤粒子は、本発明の使用中及び/又は使用後にいずれかの追加の物理的ステップ、例えば乾燥で中空球から除去され得る液体、例えば水も含有し得る。中空球の利点は特に、充填球と比較して低い比重にある。したがって、中空球から製造されたいずれの物体、例えば紙又はプラスチックもより軽量であり、より軽量であることは例えば出荷時の利点であり得る。閉鎖中空球又は開放中空半球のために、結果は、特に不透明度の上昇を引き起こす光散乱量の増加である。また、例えば空気が充填された閉鎖中空球は、断熱効果を有する。このことは内壁及び外壁塗装並びに建物のコーティングでの使用に好都合であり得る。
【0045】
好ましい態様において、顔料及び/又は充填剤粒子の相当直径は本質的に0.2μmを超えて約100μmまでの、例えば約0.3〜約100μmの範囲に、好ましくは約0.3〜約75μmの範囲に、さらに好ましくは約0.3〜約50μmの範囲に、なおさらに好ましくは約0.3〜約25μmの範囲に、最も好ましくは約0.3〜約15μmの範囲に、特に約0.3〜約12μmの範囲にある。
【0046】
有機顔料及び/又は充填剤粒子の相当直径は、好ましくは0.2μmを超えて25μmの範囲に、さらに好ましくは約0.3〜約10μmの範囲に、例えば約0.4〜約1.5μmの、又は約0.7〜約1.4μmの、特に約0.9〜約1.1μmの範囲にある。
【0047】
ポリスチレンに基づく、例えば約0.3〜約2μmの、好ましくは約0.4〜約1.5μmの、例えば約1.3μm〜1.4μmの、特に好ましくは約0.9〜約1.1μmの、例えば約1μmの球相当直径を有するポリスチレン中空球の形態の有機顔料及び/又は充填剤粒子は、本発明で特に好都合である。
【0048】
タルクに基づき、タルク粒子の約95〜98重量%、例えば96重量%が<10μmの球相当直径を有し、約79〜82重量%、例えば80重量%が<5μmの球相当直径を有し、約43〜46重量%、例えば45重量%の2μm未満の球相当直径を有する、無機顔料及び/又は充填剤粒子も好都合である。
【0049】
本発明によるドロマイトは、ドロマイト石灰岩を意味する。ドロマイト石灰岩は、主にドロマイト鉱からなる特殊なカーボネート岩、すなわちCaMg(CO32(「CaCO3・MgCO3」)の化学組成を有する炭酸カルシウムマグネシウム鉱である。ドロマイト鉱は、少なくとも30重量%のMgCO3、好ましくは35重量%超の、40重量%超の、理想的には45〜46重量%のMgCO3を含有する。
【0050】
主にカルシウムカーボネートCaCO3からなる石灰石と比較して、ドロマイト石灰岩はより硬質で砕けやすく、より高い密度を有する。冷酸で処理されたときにドロマイトは反応をほとんど示さないのに対して、石灰石は発泡して分解する(CO2の形成)ので、ドロマイト石灰岩は石灰石から識別される。
【0051】
コーティングに利用されるナノドロマイトのために本発明によって特に好ましいのは、少なくとも50重量%の、好ましくは75重量%超のドロマイト鉱、さらに好ましくは90重量%の、特に好ましくは98重量%超のドロマイト鉱を含有する粉砕天然ドロマイト石灰岩の使用である。
【0052】
本発明に特に適切なドロマイトは、例えばヨーロッパ、例えばノルウェー、又は南アメリカで見出される。ノルウェー南西部からの、ベルゲン付近の地域からのドロマイトが特に好ましく使用される。
【0053】
特別な態様では、ドロマイト粒子の数Nに基づいて、ドロマイト粒子の約90%〜100%、好ましくは92%〜99%、さらに好ましくは94%〜98%、特に好ましくは96%〜98%、例えば97±0.5%は、200nm未満の、好ましくは150nm未満の、なおさらに好ましくは100nm未満の球相当直径を有する。直径は、好ましくは20〜200nm、50〜180nm又は70〜150nmの範囲にある。
【0054】
粒径分布は上記のような沈降方法によって、米国のMicromeritics社からのSedigraph 5100装置を使用して測定され、X−Yプロッタを用いてスループット総和曲線として印刷され、ここでX軸は粒径を対応する球相当直径として示し、Y軸は対応する粒子含有量を重量パーセントで示す(例えばP.Belger,Schweizerische Vereinigung der Lack−und Farben−Chemiker,XVII FATIPEC Congress,Lugano,September 23−28,1984を参照)。
【0055】
ナノ粒子の粒子カウントN%のパーセンテージは、次の方法を使用してこのように得られた測定結果より計算された。
【0056】
値はSedigraph曲線より得られた。0μmと0.2μmとの差は0.1μmの値(100nm)を生じ、0.2μmと0.4μmとの差は0.3μmの値(300nm)を生じるなどであった。差の和は100mgに標準化され、各範囲の量はこれから計算される。計算にあたって、粒子は球状であり、差の範囲の平均の直径dを有することが仮定される。これは、粒子の体積Vを計算するために使用され
V=0.5236d3
次に粒子の重量Wを計算する(比密度によって除算される;ドロマイトでは、比密度は2.9g/cm3に相当する)ために使用される。
W=V/2.9
粒子重量を除算することによって、粒子の数は各画分の重量から計算され、次に分布パーセントをN%で計算するために使用され得る。
【0057】
使用されるドロマイトが所望の微粉度又は必要な微粉度、すなわち粒径をまだ有さない場合、ドロマイトは1回又はそれ以上の湿式又は乾式粉砕ステップで、好ましくは複数回の粉砕ステップで、例えば2回の乾式及び/又は湿式ステップで、好ましくは水性粉砕ステップで粉砕されて、対応する球相当直径を生じ得る。
【0058】
粉砕は、当業者がドロマイトを粉砕するために精通している公知の粉砕装置のいずれかで実施され得る。従来のボールミル、ジェットプレートミル又は磨砕機ミルは乾式粉砕にとって特に適切である。このようなミルの併用又は1又はそれ以上のこのようなミルとサイクロン及び篩(ふるい)との併用も非常に適切である。特に従来の磨砕機ミル、例えばDynomill社によって販売されている磨砕機ミルは湿式粉砕に適切である。
【0059】
乾式粉砕の場合、好ましくはボールミルが使用され、好ましくは直径0.5〜10cmの鉄及び/又は磁器ビーズが粉砕媒体として使用され、特に好ましくは直径2.5cmの鉄シルペッブが使用される。湿式粉砕は、好ましくは磨砕ミル、例えばDynomillにて、ガラス、磁器、及び/又は金属製の粉砕ボールを使用して実施される;しかしながら好ましくは、直径0.2〜5mmの、好ましくは0.2〜2mmの、0.5〜5mmの、例えば0.5〜2mmものジルコニウムシリケート、ジルコニウムジオキシド及び/又はバデレアイトからなる粉砕ボールが使用される。0.1〜2mmの球相当直径を有する石英砂も使用され得る。
【0060】
ナノメートル範囲のドロマイト粒子は、好ましくは湿式粉砕によって製造される、及び/又は特に材料が天然ドロマイトであるときには、所望の相当直径になされる。
【0061】
乾式及び湿式粉砕ステップはどちらも逐次実施されるが、そこで最後の粉砕ステップは好ましくは湿式粉砕である。
【0062】
天然粉砕ドロマイトは、好ましくは10重量%の、例えば15〜30重量%の、30重量%超の、好ましくは50重量%超の固体含有率にて、例えば65〜68重量%だけでなく70重量%超の固体含有率にて、例えば72〜80重量%の固体含有率にて、1又はそれ以上の粉砕助剤及び/又は分散剤の存在下にて水性スラリの形態で分散及び/又は粉砕され得る。
【0063】
粉砕助剤及び/又は分散剤を用いずに、ドロマイトは好ましくは、最大30重量%の、例えば15〜30重量%の固体含有率にて分散及び/又は粉砕され得る。30重量%超の固体含有率では、粉砕助剤及び/又は分散剤の存在下で分散及び/又は粉砕を実施することがより良好であり得る。
【0064】
例えば60重量%又はそれ未満の低い固体含有率を有するドロマイトスラリは、好ましくは物理的手段によって、例えばフィルタ加圧及び/又は遠心分離及び/又は熱によって、好ましくは1又はそれ以上の分散剤を使用して濃縮され得る。機械的及び熱的濃縮ステップの併用は特に好ましい。濃縮ステップ後の最終濃度は、好ましくは60重量%超の固体含有率、特に好ましくは60重量%〜78重量%、例えば66±2重量%である。
【0065】
例えばアニオン性粉砕助剤及び/又は分散剤は、例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸又はイタコン酸、アクリルアミド又はその混合物に基づくポリカルボン酸塩のホモ又はコポリマーを含む群より好ましくは選択される粉砕助剤及び/又は分散剤として使用され得る。アクリル酸のホモポリマー又はコポリマー、例えばルートヴィヒスハーフェンのBASF、英国のAllied Colloids、又はフランスのCOATEXから入手できるアクリル酸のホモポリマー又はコポリマーが特に好ましい。このような製品の分子量Mwは、好ましくは2000〜150000g/mol;15000〜50000g/molのMwであり、例えば35000〜45000g/molが特に好ましい。粉砕助剤及び/又は分散剤の分子量は、結合剤としてよりはむしろ離型剤として作用するために選択される。ポリマー及び/又はコポリマーは1価及び/又は多価カチオンによって中和され得るか、あるいはポリマー及び/又はコポリマーは遊離酸基を有し得る。適切な1価カチオンは例えば、ナトリウム、リチウム、カリウム及び/又はアンモニウムを含む。適切な多価カチオンは例えば、2価カチオン、例えばカルシウム、マグネシウム、ストロンチウムあるいは3価カチオン、例えばアルミニウムを含む。ナトリウム及びマグネシウムが特に好ましい。粉砕助剤及び/又は分散剤、例えばナトリウムポリホスフェート又はナトリウムシトレートも、単独で又は他との併用のどちらかで利益をもたらすために使用され得る。
【0066】
特に乾式粉砕では、使用される粉砕助剤及び/又は分散剤もグリコール、ポリグリコール、例えばポリエチレングリコール、エチレンオキシド−プロピレンオキシド−エチレンオキシドブロックコポリマー又はアルカノールアミン、例えばトリエタノールアミン及びトリイソプロパノールアミン又はその混合物を含む群より選択され得る。
【0067】
分散剤及び/又は粉砕助剤は、複合材料の総乾燥重量に基づいて約0.01重量%〜5重量%の量で、例えば乾式粉砕では約0.01〜0.5重量%の、好ましくは0.03〜0.3重量%の量で、特に好ましくは0.2〜1mg/m2ナノ粒子表面積の量で、例えば0.3〜0.7mg/m2ナノ粒子表面積の量で使用され得る。
【0068】
湿式粉砕では、分散剤及び/又は粉砕助剤は、約0.05〜2.0重量%の量で、好ましくは0.3〜1.5重量%の、例えば1重量%の量で、約0.5〜0.95重量%の量でも好都合に存在し得る。
【0069】
粉砕助剤及び/又は分散剤は、スラリの粘度を低下させて、それにより粉砕される粒子及び粉砕ビーズの移動度及び自由行路長(free path length)を増大させることによって、ドロマイト粒子のナノ範囲への粉砕を補助する。これは、次の複合材料の形成で特に好都合である。
【0070】
湿式粉砕でのスラリの粘度は、従来のBrookfield粘度計、例えばEV−2+型で3又は4のディスクスピンドル及び100rpmを用いて測定された、好ましくは2500mPa・s未満、さらに好ましくは1500mPa・s未満、特に1000mPa・s未満、又はできれば500mPa・s未満、特に好ましくは50〜500mPa・sの、例えば50〜250mPa・sの範囲である。
【0071】
粉砕及び/又は分散の間に、粉砕助剤及び/又は分散剤に加えて他のモノマー又はポリマー添加剤、例えばエチレン−アクリル酸コポリマー(EAA)又はその塩を単独で又は併用して使用することも可能である。コポリマー中のアクリル酸モノマーとアクリル酸のエチレンモノマーとの比は、好ましくは1:4〜1:50、特に好ましくは1:4〜1:10、そして特に1:5である。好ましいEAA及び/又はその塩は、非中和形態で200、170及び140℃それぞれにおいて3000〜25000mPa・s、15000〜100000mPa・s及び50000〜400000mPa・sの、好ましくは200、170及び140℃それぞれにおいて3000〜7000mPa・s、15000〜20000mPa・s及び50000〜100000mPa・sの溶融粘度を有し、特に200、170及び140℃それぞれにおいて15000〜25000mPa・s、50000〜100000mPa・s及び300000〜400000mPa・sの溶融粘度を有する。
【0072】
200℃にて24300mPa・sの、170℃にて88300mPa・sの、及び140℃にて367000mPa・sの溶融粘度を有するEAAコポリマーが特に好ましい。
【0073】
非常に適切であり、好ましくは20mol%のアクリル酸含有率を有する市販のEAAは、例えばドイツのBASF、及び米国のDowによって販売されている。
【0074】
EAAコポリマー又はその塩の使用は、基材、例えばコーティングした紙の孔及び/又は基材自体の孔について部分的又は完全な疎水化を引き起こすので、紙及び/又はコーティング及び/又は複合材料の開放孔の水による湿潤は低減、制御及び/又は防止される。
【0075】
EAA塩が使用される場合、EAA塩は、例えば好ましくは2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、3−アミノ−1−プロパノール、2−[ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エタノールを含む群より選択されるアミン並びに/あるいはアルカリ金属イオン、例えばカリウム、リチウム及び/又はナトリウム又はその混合物、好ましくはナトリウムによって部分的又は完全に中和される。例えばカルボン酸基の少なくとも70mol%又は少なくとも95mol%が中和される。
【0076】
EAA及びその塩は、複合材料の総乾燥重量に基づいて0.01重量%〜10重量%の、好ましくは0.05〜5重量%の、さらに好ましくは0.1重量%〜2重量%の量で、例えば1重量%の量で使用され得る。
【0077】
本発明の複合材料は、複合材料の総乾燥重量に基づいて、好ましくは5〜95重量%の、さらに好ましくは20〜80重量%の、なおさらに好ましくは25〜75重量%の顔料粒子及び/又は充填剤粒子を含有する。本発明の複合材料は、複合材料の総乾燥重量に基づいて、好ましくは95〜5重量%の、好ましくは80〜20重量%の、さらに好ましくは75〜25重量%のドロマイト粒子を含有する。
【0078】
顔料粒子及び/又は充填剤粒子並びにナノドロマイトは、乾燥重量に基づいて、好ましくは1:20〜20:1の比で、特に1:4〜4:1の比で、さらに好ましくは1:3〜3:1又は1:2〜2:1の比で、1:1の比でも使用される。無機及び/又は有機顔料並びに/あるいは充填剤粒子のナノドロマイトに対する重量比は、最も特別に好ましくは1:3又は3:1である。
【0079】
本発明の複合材料で使用される結合剤は、モノマーとして1又はそれ以上のジカルボン酸、及びジアミン、トリアミン、ジアルカノールアミン又はトリアルカノールアミンからなる群からの1又はそれ以上のモノマーを含むコポリマーからなる。
【0080】
結合剤は、ナノ粒子の微粒子表面への接着を促進する。
【0081】
好ましくは飽和又は不飽和分岐又は非分岐C2〜C10ジカルボン酸、好ましくはC3〜C9ジカルボン酸、C4〜C8ジカルボン酸、C5〜C7ジカルボン酸、特にアジピン酸がジカルボン酸モノマーとして使用される。
【0082】
直鎖及び分岐鎖、置換及び非置換ジアミン及びトリアミン、特にN−(2−アミノエチル)−1,2−エタンジアミンは、結合剤ポリマーの第2のモノマーとして特に適切である。使用に好ましいジアルカノールアミン及びトリアルカノールアミンは、例えばジエタノールアミン、N−アルキルジアルカノールアミン、例えばN−メチル−及びN−エチルジエタノールアミン及びトリエタノールアミンを含む。
【0083】
分子量、すなわち鎖長を制御及び調節するために、1又はそれ以上の1価アミン、例えばモノアルカノールアミンが縮重合中に使用され得る。モノエタノールアミンが好ましくは使用される。
【0084】
本発明の範囲内の好ましい態様において、エピクロロヒドリンによって架橋もされるコポリマーが結合剤として使用される。
【0085】
本発明の特に好ましい実施形態において、N−(2−アミノエチル)−1,2−エタンジアミン及びエピクロロヒドリンとのアジピン酸のコポリマーが結合剤として使用される。
【0086】
結合剤は、縮重合用の他の助剤又は他の従来の助剤及び添加剤、例えばイソシアナートも含有し得る。
【0087】
結合剤は、複合材料の総乾燥重量に基づいて、約0.1〜約10重量%の、好ましくは約0.3〜約5重量%の、特に好ましくは約0.5〜約3重量%の量で好都合に存在する。
【0088】
カルシウムカーボネートの含有率が高い材料、例えば大理石、石灰石及びチョークを含有する公知の複合材料と比較して、本発明の複合材料は著しく改善された酸安定性を有する。
【0089】
本発明による複合材料は、23℃において>4のpKaを有する2.5モルの酸中での1時間の貯蔵の後、少なくとも50重量%、好ましくは少なくとも60重量%、さらに好ましくは少なくとも70重量%、75重量%超もの、そして12時間の貯蔵の後、少なくとも30重量%、好ましくは少なくとも40重量%、さらに好ましくは少なくとも45重量%、50重量%超ものドロマイト成分がなお存在するような、>4のpKaを有する弱酸、例えば酢酸中での高い酸安定性を有する。
【0090】
本発明の別の態様は、顔料微粒子及び/又は充填剤微粒子、ナノドロマイト組成物、及び結合剤が供給及び混合される、本発明の複合材料を製造する方法である。結合剤は本明細書で顔料及び/又は充填剤粒子又はドロマイト組成物のどちらかに添加されて、得られた混合物はそれぞれの第2の成分と組み合わされ、ホモジナイズされる。
【0091】
代わりの態様において、顔料粒子及び/又は充填剤粒子は最初にドロマイト組成物と混合され、得られた反応混合物は結合剤と組み合わされ、ホモジナイズされる。
【0092】
しかしながら結合剤の水溶液又はスラリはまた、最初に顔料微粒子及び/又は充填剤微粒子を水溶液又はスラリに添加され、次にナノドロマイト組成物が添加されて、あるいはナノドロマイト組成物が最初に添加され、次に顔料微粒子及び/又は充填剤微粒子が添加されて、あるいは顔料微粒子及び/又は充填剤微粒子及びナノドロマイト組成物が同時に添加されて、次にホモジナイズされて、供給され得る。
【0093】
原則として、顔料微粒子及び/又は充填剤微粒子はどちらも、ナノドロマイト組成物と同様に乾燥状態で又は水性スラリとしてのどちらかで使用され得る。顔料及び/又は充填剤微粒子並びにナノドロマイト組成物は乾燥状態で使用されるが、水性スラリを得るために十分な水を最初に使用する必要がある。
【0094】
ナノドロマイト組成物は通常、水性スラリの形態で供給されるが、顔料微粒子及び/又は充填剤微粒子は固体形態又は水性スラリの形態で使用され得る。無機顔料及び/又は充填剤微粒子は、好ましくは固体形態で使用されることが多く、有機顔料及び/又は充填剤微粒子は、好ましくは水性スラリとして使用されることが多い。
【0095】
「固体」という用語は本明細書で使用する場合、必ずしも「乾燥した」という意味で理解されるものではない。「固体」という用語は、かなりの含水率を有し得る、使用される物質のコンシステンシー(consistency)のみを説明するために使用されるべきである。それにもかかわらず、例えば80重量%の無機顔料微粒子及び/又は充填剤微粒子と20重量%の水との混合物は固体コンシステンシーを有し得る。
【0096】
結合剤は、好ましくは水性スラリの形態で、特に好ましくは溶液として供給される。
【0097】
より良好な分散を確保するために、1又はそれ以上の分散剤も、例えば粉末又は水溶液の形の結合剤溶液又はスラリを除いて、スラリ又は混合物のそれぞれに添加され得る。分散剤は、例えば得られた反応混合物への結合剤の添加後あるいは顔料及び/又は充填剤粒子への結合剤の添加前あるいはドロマイト組成物の、結合剤が次に添加される成分又は混入される成分への添加前に、添加され得る。
【0098】
好都合な分散剤は、例えばポリアクリル酸塩、例えばナトリウム塩、ナトリウムポリホスフェート又はポリアクロレイン/アクリレートコポリマーを含む。
【0099】
しかしながら、加えて、カチオン性及び/又は両性ポリマー分散剤、例えばポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド(ポリDADMAC)又はアクリル酸とカチオン性モノマーとのコポリマー又はこのような分散剤の混合物が添加され得る。このような製品は例えばDE 40 18 162に記載され、クレーフェルトのStockhausen GmbHから例えばPraestolという名称で入手できる。
【0100】
これらの分散剤は結合剤に、複合材料の総乾燥重量に基づいて、0.01重量%〜1重量%の量で、好ましくは0.1重量%〜0.5重量%の、例えば0.25重量%の量でさらに添加され得る。それらは結合剤の吸着を補助する。
【0101】
結合剤の混合及び撹拌を含む顔料及び/又は充填剤粒子並びに/あるいはドロマイト組成物のスラリの混合及びホモジナイズは、Pendraulik型スターラーを用いて好ましくは室温にて実施され得る。
【0102】
特に顔料及び/又は充填剤粒子がプローシェアミキサを使用することによって最初に結合剤と組み合わされるときに、スラリを混合及びホモジナイズすることも同様に可能である。プローシェアミキサは、機械的に作られた流動床の原理にしたがって機能する。プローシェアブレードは回転して水平円筒状ドラムの内壁に接近し、生成物床から混合物の成分を開放された混合スペースへ誘導する。機械的に作られた流動床は、非常に短期間での大量のバッチでも強力な混合効果を確保する。乾燥状態で操作するときには、チョッパー及び/又は分散剤を使用して塊を分散させる。使用した装置はドイツ、パーダーボルンのGebrueder Loedige Maschinenbau GmbH社より入手できる。
【0103】
顔料及び/又は充填剤粒子が結合剤によって既に前処理されるまでにドロマイト組成物のスラリが添加されない場合、スラリの添加は例えば管状混合装置によって、例えば遠心ポンプを活用して管状混合装置を通じてスラリをポンプで汲み上げ、取り入れ管を通じて前処理済み顔料及び/又は充填剤粒子のスラリを管状混合装置に連続的に導入することによって達成され得る。このような管状混合装置は、ドイツ、Ballrechten−DottingenのYstral GmbHより入手できる。
【0104】
混合は約20℃〜25℃の室温にて実施される。例えば分散工程中の摩擦による製造工程中の加熱を妨げる必要はない。例えば工程中の温度は通常、20℃〜90℃、好ましくは20℃〜70℃であり得る。
【0105】
様々な混合システムの併用も使用され得る。
【0106】
本発明の製造工程によって得られた複合材料は、複合材料が固体として得られるように乾燥され得るが、複合材料はまた、スラリとして、及び乾燥複合材料の新たな水性スラリとしてさらに処理され得るので、本発明の複合材料自体だけでなくその水性スラリも本発明の態様を構成する。
【0107】
本発明の製造工程によって得られた複合材料スラリの含水率は、例えば熱的に、例えば噴霧乾燥機又はマイクロ波を用いてあるいはオーブンにおいて、例えば濾過によって低下され得るので、複合材料は乾燥又は湿潤固体として、例えば濾過ケークの形態で得られる。乾燥複合材料を得るために、複合材料は例えば恒量に達するまで105℃にてオーブンで乾燥される。
【0108】
本発明の追加の態様は、固体、湿潤又は乾燥状態であろうと、あるいは水性スラリとしてであろうと、複合材料の使用可能性を構成する。
【0109】
従って複合材料又はそのスラリの主な使用の1つは、充填剤又は顔料、例えば紙における及び/又はコーティング顔料としてのその使用である。
【0110】
複合材料は製紙において、又は紙仕上げ、例えば紙コーティングにおいて充填剤又は顔料として使用され得る。
【0111】
製紙において複合材料は、好ましくは、紙の総重量に基づいて、0.5〜50重量%の、好ましくは1〜30重量%の量で使用される。紙仕上げにおいて、例えば紙コーティングにおいて、好ましくは紙の面ごとに0.5〜100g/m2の、好ましくは2〜50g/m2の、特に好ましくは5〜25g/m2の本発明の複合材料の量が使用される。
【0112】
複合材料は、多重コートシステムで、例えばプレコーティング及び/又は中間コーティング及び/又はトップコーティング及び/又は単一コーティングでも使用され得る。複合材料がプレコーティング及び/又は中間コーティングである場合、コーティングのもう1回の塗布が、当業者が精通している従来の顔料を使用して適合材料に塗布され得る。複合材料は、片面又は両面にコーティングされた紙に使用でき、この場合、片面又は両面の1又はそれ以上のコートは複合材料を含有するであろう。
【0113】
片面又は両面にコーティングされる、あるいは未コーティングの紙はカレンダ加工紙、並びに未カレンダ加工紙でもあり得る。
【0114】
その複合材料及びサイズに関する複合材料の目標とされた選択を通じて、紙及び/又はコーティングの孔容積も、複合材料粒子による被覆又は非被覆によって変更、すなわち拡張及び制御され得る。
【0115】
本発明の複合材料はまた、他の従来の顔料及び/又は充填剤と共に使用され得る。
【0116】
従って、本発明の主題は、本発明の複合材料又はそのスラリを含む充填剤又は顔料も含む。
【0117】
本発明の別の態様は、例えば不透明性を向上させるための塗料又はプラスチックでの使用である。中空球状有機微粒子を含む本明細書の複合材料は特に、断熱効果の上昇も引き起こし得る。
【0118】
同様に、本発明の複合材料は、複合材料の構造のためにシーン(sheen)を低下させるためにも使用され得る。「シーン」という用語は、表面が非常に浅い角度にて観察されたときに形成される光沢(gloss)を指すと理解され、これはしばしば観察者に対して非常に刺激作用を有する。シーンを低下させるために、本発明の複合材料によって供給され得る非常に多様な散乱が得られる。
【0119】
本発明の複合材料は、シール物質で例えば増粘剤又は粘度制御剤としても使用され得る。
【0120】
無機微小顔料及び/又は微小充填剤、例えばタルク及び/又はマイカの血小板様構造並びにドロマイトの表面特性のために、本発明の複合材料は、例えば「血小板様ドロマイト」の使用を可能にする。
【0121】
有機微小顔料及び/又は充填剤、例えばポリスチレン中空ビーズの中空球構造及びドロマイトの表面特性のために、本発明の複合材料は、プラスチック及び塗料における「軽量ドロマイト」の使用も可能にし、これは例えば航空工学において好都合であり得る。
【0122】
本発明の別の態様は、本発明の複合材料又はそのスラリの濾過助剤としての使用に関連し、濾過助剤は、フィルタ層として単独であるいは天然及び/又は合成担体材料、例えば綿繊維、セルロース繊維及びポリアミド繊維の中又は表面で、弱酸性液体との使用に適切である。複合材料の多孔性構造及び低い偏析のために、濾過助剤は最適な液体輸送を懸濁した微粒子物質の良好な保持力と同時に与える。
【0123】
弱酸媒体に対する本発明の複合材料の濾過助剤としての使用は一方で、濾過助剤材料の成分を分解することによって濾過される液体のあまりに強力な損傷を回避及び/又は低減して、高速で効率的な濾過を可能にする。
【0124】
従って、本発明は、本発明の複合材料又はそのスラリを含む濾過助剤にも関する。
【0125】
本発明の別の態様は、本発明の複合材料を含むコーティングカラーに関する。
【0126】
このようなコーティングカラーは、好ましくは25〜75重量%固体、さらに好ましくは30〜70重量%固体、特に好ましくは30〜40重量%固体の固体含有率を有する。コーティングカラーの総固体含有率に基づく複合材料の量は、3〜97重量%、好ましくは10〜90重量%であり得る。複合材料の量は、特に好ましくは85±10重量%であり得る。
【0127】
特に微粒子表面へのドロマイトのナノ粒子の驚くほど良好な結合に関連して、本発明の複合材料における本発明の結合剤の優れた結合特性を考慮すると、最後に本発明の別の態様は、ナノドロマイト、例えば上記のナノドロマイトを含む組成物を含む顔料及び/又は充填剤粒子の少なくとも部分コーティングのための、モノマーとしての1又はそれ以上のジカルボン酸、並びにジアミン、トリアミン、ジアルカノールアミン又はトリアルカノールアミンの群より選択される1又はそれ以上のモノマーを含むコポリマーの使用を含む。アジピン酸とN−(2−アミノエチル)−1,2−エタンジアミン及びエピクロロヒドリンとのコポリマーの結合剤としての使用が特に好ましい。
【実施例】
【0128】
本発明によって使用され得るナノ粒子の製造及び説明
公知のナノカルシウムカーボネート組成物の製造は、本発明の複合材料に適切なナノドロマイト組成物の製造と同様に下記で説明される。
【0129】
以下では、別途指摘しない限り、粘度測定値は、3のディスクスピンドルを用いて、室温(20±3℃)で100rpmにてEV−2+型のBrookfield粘度計で決定されるBrookfield粘度に常時関連している。
【0130】
ナノカルシウムカーボネート組成物は、45μmの球相当直径を有するノルウェー北部(Northern Norwegian)大理石を使用して、75重量%の固体含有率の、分散剤/粉砕助剤としてのナノカルシウムカーボネートの総乾燥重量に基づいて、合計0.95重量%の約6000g/molのMwを有するナトリウム/マグネシウムポリアクリレートを使用して垂直1500リットル磨砕機ボールミルを2回通過させて湿式粉砕することによって連続的に粉砕され、次のサイズ分布を生じた。
【表1】

得られたスラリのBrookfield粘度は285mPa・sであった。
【0131】
ジルコニウムシリケート及びバデレアイト製の使用された粉砕ビーズは、サイズが0.5〜2mmであった。
【0132】
ナノドロマイト組成物1
ステップa)
最大10cmの直径を有するノルウェー南部(Southern Norwegian)ドロマイト石灰岩100kgはいずれの添加剤も添加せずに、>90重量%の45μm〜5mmの範囲の粒子の一部を有する石灰岩画分が得られるようにハンマーミルで破砕された。
【表2】


45〜500μmの画分は、次の鉱物組成を有した(XRD)。
>95重量% ドロマイト
約1.5重量% 石英
約3重量% 方解石
【0133】
ステップb)
ハンマーミルからの生成物25kgは、乾燥ドロマイトに基づいて1000ppmモノプロピレングリコールを使用して、乾式粉砕及び分類の併用によって粉砕され、5μm(±3μm)の球相当直径に分類された。ボールミルとして「Hosokawa(商標)ボールミルS.O.80/32」(HOSOKAWA(商標)社によって販売)を使用した。粉砕ボールとして、平均直径25を有するIron−Cylpebs(商標)100kgを使用した。ミルの出口にAlpine Turboplex(商標)100 ATP型の分類器(ALPINE(商標)より販売)を設置した。
【0134】
ステップc)
5μm(±0.3μm)の球相当直径を有する、得られた乾式粉砕ドロマイト中間体10kgは、65.6重量%の固体含有率の、分散剤/粉砕助剤としてのナノドロマイトの総乾燥重量に基づいて、約35000〜40000g/molの分子量を有する合計で1.4重量%ナトリウムポリアクリレートを使用して、再循環水平2リットル磨砕機ボールミル(Dynomill)での湿式粉砕によって連続的に粉砕されて、次のサイズ分布を生じた。
【表3】

得られたスラリのBrookfield粘度は325mPa・sであった。
【0135】
ジルコニウムシリケート及びバデレアイト製の使用された粉砕ビーズは、サイズが0.5〜2mmであった。
【0136】
ナノドロマイト組成物2
ノルウェー南部ドロマイト石灰岩100kgはステップa)及びb)で上述したように処理されて、5μm(±0.3μm)の球相当直径を生じた。
【0137】
5μm(±0.3μm)の球相当直径を有する、得られた乾式粉砕ドロマイト中間体10kgは、69.4重量%の固体含有率の、分散剤/粉砕助剤としてのナノドロマイトの総乾燥重量に基づいて、約35000〜40000g/molの分子量を有する合計で1.60重量%ナトリウムポリアクリレートを使用して、再循環水平2リットル磨砕機ボールミル(Dynomill)での湿式粉砕によって連続的に粉砕されて、次のサイズ分布を生じた。
【表4】

生成後に得られたスラリのBrookfield粘度は1460mPa・sであった。
【0138】
ジルコニウムシリケート及びバデレアイト製の使用された粉砕ビーズは、サイズが0.5〜2mmであった。
【0139】
本発明によって使用され得る微粒子の説明
有機微粒子1:Ropaque(登録商標)HP−1055スラリ(Rohm & Haas):
粒径:相対的に均一 1.0μm
粒径はSEMによって決定された。
固体含有率:26.1重量%(120℃、オーブン内に2時間で決定)
【0140】
有機微粒子2:Ropaque(登録商標)AF−1353スラリ(Rohm & Haas):
粒径:1.3〜1.4μm
粒径はSEMによって決定された。
固体含有率:29.0重量%(120℃、オーブン内に2時間で決定)
【0141】
無機微粒子1:Finntalc C10スラリ、水性スラリ(MONDO Minerals、フィンランド)
粒径:95重量%<10μm
80重量%<5μm
45重量%<2μm
粒径は、米国、MicromeriticsのSedigraph 5100を使用して沈降法によって決定した。
固体含有率:61.5重量%(120℃、オーブン内に2時間で決定)
【0142】
無機微粒子2:Finntalc P05粉末、MONDO Minerals、フィンランド
粒径:96重量%<10μm
79重量%<5μm
43重量%<2μm
粒径は、米国、MicromeriticsのSedigraph 5100を使用して沈降法によって決定した。
含水率:<0.5重量% 水(120℃、オーブン内に2時間で決定)
【0143】
本発明によって使用され得る結合剤の説明
結合剤
次の特徴を有する、15±0.5重量%のアジピン酸とN−(2−アミノエチル)−1,2−エタンジアミン及びエピクロロヒドリンとのコポリマーの水溶液:
総塩素含有率:約1.5重量%
有機塩素含有率:<0.5重量%
Mw>1000g/mol
水溶液のBrookfield粘度:80mPa・s±30mPa・s
pH3.0
このような生成物は、有機合成分野の当業者が精通している方法での2ステップ合成によって製造され得る。製造は例えば、蒸留水中のジエチレントリアミン、モノエタノールアミン及びアジピン酸の反応生成物からなる中間体生成物を製造することによって行う。第2の反応において、得られた中間体は、硫酸及びカリウムソルベートを触媒として使用してエピクロロヒドリンと反応して最終生成物を生じ、水によって固体含有率12〜20重量%まで希釈され、pHはさらなる硫酸によってpH3に調整される。このようなコポリマーは、ドイツのLanxess社及びイタリアのMare社によって、Nadavin、例えばNadavin DHN(15%)として販売されている。
【0144】
(実施例)
1.無機ナノ粒子を含む有機微粒子
比較実験1:有機粒子1及びナノカルシウムカーボネート組成物の混合物
乾燥品に基づくナノカルシウムカーボネート組成物750gは、乾燥品に基づく有機微粒子1のスラリ250gと、スターラーとして直径3.5cmの歯付きディスクを備えたPendraulik撹拌機内で、スターラー速度7500rpm、開始温度22℃にて撹拌しながら15分間混合された。混合後の最終温度は45℃であった。
【0145】
得られた混合物は次の特徴を有した。
5分/60分/120分後に測定されたBrookfield粘度77/79/81mPa・s
pH8.23
固体含有率:52.22重量%
【0146】
図1は、ナノカルシウムカーボネートが有機ナノ粒子から偏析されていることを明らかに示している。75重量%ナノカルシウムカーボネートのごくわずかな部分がSEMで見られる。
【0147】
フィルタ試験は、固体含有率0.5重量%のナノ粒子/微粒子混合物を用いたスラリ200mLを調製して、孔径0.2μmの膜フィルタを使用して(圧力:約25mbar、吸水ポンプ;室温)スラリを濾過することにより、偏析傾向を例証して、濾過速度を決定するために実施された。200mLを濾過する時間が測定された。偏析が発生するときに、ナノカルシウムカーボネートが最初に孔を通過するが、ある期間にわたって第2の濾過ケークが膜フィルタ上に形成して、孔を閉塞させる。
【0148】
濾過時間:>24時間(実験は停止された)。10時間後に、濾過されるスラリがまだ90mLあった。透過性の第2のフィルタ床は形成されなかった。
【0149】
濾過時間は、ナノ粒子及び微粒子の偏析を明らかに示している。
【0150】
比較実験2:25重量%の有機微粒子1及び75重量%のナノドロマイト組成物1の混合物:
乾燥品に基づくナノカルシウムカーボネート組成物1(750g)は、乾燥品に基づく有機微粒子1のスラリ250gと、スターラーとして直径3.5cmの歯付きディスクを備えたPendraulik撹拌機内で、スターラー速度7500rpm、開始温度22℃にて撹拌しながら15分間混合された。混合後の最終温度は41℃であった。
【0151】
得られた混合物は次の特徴を有した。
5秒/60秒/120秒後に測定されたBrookfield粘度:145/150/165mPa・s
pH9.1
固体含有率:47.6重量%
【0152】
図2は、ナノドロマイトが有機微粒子から偏析されていることを明らかに示している。75重量%ナノドロマイトのごくわずかな部分がSEMで見られる。
【0153】
フィルタ試験は、固体含有率0.5重量%のナノ粒子/微粒子混合物を用いたスラリ200mLを調製して、孔径0.2μmの膜フィルタを使用して(圧力:約25mbar、吸水ポンプ;室温)スラリを濾過することにより、偏析傾向及び第2のフィルタ層の生成を例証するために実施された。200mLを濾過する時間が測定された。偏析が発生するときに、ナノドロマイトが最初に孔を通過するが、ある期間にわたってほぼ不透過性形である第2の濾過ケークが膜フィルタ上に生成して、孔を閉塞させる。
【0154】
濾過時間:14時間。透過性の第2のフィルタ床は形成されなかった。
【0155】
濾過時間は、ナノ粒子及び微粒子の偏析を明らかに示している。
【0156】
比較実験3:25重量%の有機微粒子1及び75重量%のナノカルシウムカーボネート組成物及び結合剤の複合材料
ナノカルシウムカーボネート組成物2100gがPendraulikに入れられ、有機微粒子1のスラリ1944.4gが2分間に組成物中に撹拌された。固体含有率は水によって50重量%の濃度まで希釈された;固体含有率15.4重量%の水溶液としての結合剤272.7gがさらなる2分間に本混合物中に撹拌され、水によって固体含有率35重量%まで希釈された。得られた反応混合物は15分間にわたって剪断されて、剪断によって剪断時間の半分の後にpHは10重量% NaOHによって9へ調整され、42重量%のポリアクリル酸のナトリウム塩(Mw:約4000g/mol:pH8.5)の活性水溶液の総固体含有率に基づいて、0.525重量%で分散された。Pendraulikスターラーには直径3.5cmの歯付きディスクが装備され、撹拌速度は7500rpmであった。開始温度は21℃であり、15分間の剪断時間後の最終温度は38℃であった。
【0157】
得られた複合材料スラリは次の特徴を有した。
5分/60分/120分後に測定したBrookfield粘度:610/580/583mPa・s
pH9.04
固体含有率:35.1重量%
【0158】
図3は、ナノカルシウムカーボネートが有機微粒子から偏析されずに、有機微粒子の表面にあることを明らかに示している。実験3での孔容積は実験1と比較して著しく増大されていることを理解するのは容易である。
【0159】
フィルタ試験は、固体含有率0.5重量%のナノ粒子/微粒子混合物を用いたスラリ200mLを調製して、孔径0.2μmの膜フィルタを使用して(圧力:約25mbar、吸水ポンプ;室温)スラリを濾過することにより、偏析傾向を例証するために実施された。200mLを濾過するのに必要な時間が測定された。偏析が発生するときに、ナノカルシウムカーボネートが最初に孔を通過するが、ある期間にわたって第2の濾過ケークが膜フィルタ上に形成して、孔を閉塞させる。
【0160】
濾過時間:1.5時間。
濾過時間は、ナノ粒子及び微粒子の偏析が著しく低減されたことを明らかに示している。孔を閉塞させるナノカルシウムカーボネートの第2の濾過ケークは膜上にほとんど形成されなかった。濾過時間は、実験1と比較して複合材料の開放構造のために非常に短かった。
【0161】
やや酸性の媒体中での酸安定性
乾燥品に基づくナノカルシウムカーボネート3gに相当する複合材の乾燥品に基づく各4gのサンプル3個は、23℃にて下記の時間にわたって、それぞれ2.5モル酢酸100ml中で貯蔵された。サンプルは自発的に発泡を開始して、CO2を放出する。濾過後、濾過残渣を105℃にて3時間乾燥させた。
【0162】
次の結果が得られた。
【表5】



偏析試験と同じ種類の膜フィルタが使用された。
【0163】
本実験は、ナノカルシウムカーボネート複合材料が耐酸性でないことを明らかに示している。
【0164】
実験4:25重量%の有機微粒子1及び75重量%のナノドロマイト組成物1及び結合剤の複合材料
ナノドロマイト組成物1(700g)はPendraulikに入れられ、有機微粒子1のスラリ566.9gが2分の間に組成物中に撹拌された。固体含有率は水によって50重量%の濃度まで希釈された;固体含有率15.4重量%の水溶液としての結合剤79.5gがさらなる2分の間に本混合物中に撹拌され、水によって固体含有率35重量%まで希釈された。得られた反応混合物は15分間にわたって剪断されて、剪断によって剪断時間の半分の後にpHは10重量% NaOHによって9へ調整され、42重量%のポリアクリル酸のナトリウム塩(Mw:約4000g/mol:pH8.5)の活性水溶液の総固体含有率に基づいて、0.1重量%で分散された。Pendraulikスターラーには直径8cmの歯付きディスクが装備され、撹拌速度は7500rpmであった。開始温度は21℃であり、15分間の剪断時間後の最終温度は39℃であった。
【0165】
得られた複合材料スラリは次の特徴を有した。
5秒/60秒/120秒後に測定されたBrookfield粘度:838/810/805mPa・s
pH8.9
固体含有率:36.5重量%
【0166】
図4は、ナノドロマイトが有機微粒子から偏析されずに、有機微粒子の表面にあることを明らかに示している。
【0167】
フィルタ試験は、固体含有率0.5重量%のナノ粒子/微粒子混合物を用いたスラリ200mLを調製して、孔径0.2μmの膜フィルタを使用して(圧力:約25mbar、吸水ポンプ;室温)スラリを濾過することにより、偏析傾向を例証するために実施された。200mLを濾過するのに必要な時間が測定された。
【0168】
濾過時間:0.5時間。
濾過時間は、ナノ粒子及び微粒子の偏析がナノカルシウムカーボネートを使用するよりもなお低いことを明らかに示している。ナノドロマイトの第2の濾過ケークは孔を閉塞させる膜フィルタ上にほとんど形成されなかった。濾過時間は、実験1、2及び3と比較して複合材料の開放構造のために非常に短かった。
【0169】
やや酸性の媒体中での酸安定性:
乾燥品に基づくナノドロマイト3gに相当する複合材料の乾燥品に基づく各4gのサンプル3個は、23℃にて下記の時間にわたって、それぞれ2.5モル酢酸100ml中で貯蔵された。サンプルはCO2の自発的な放出及び自発的な発泡を示さない。濾過後、濾過残渣を105℃にて3時間乾燥させた。
【0170】
次の結果が得られた。
【表6】

偏析試験と同じ種類の膜フィルタが使用された。
【0171】
本実験は、有機ミクロ顔料を含むナノドロマイト複合材料が非常に高い耐酸性を有し、酸性媒体中で数日間にわたる長い貯蔵期間後ですら、匹敵するナノカルシウムカーボネート複合材料よりも著しく高い酸安定性を有することを明らかに示している。
【0172】
実験5:25重量%の有機微粒子2及び75重量%ナノドロマイト組成物1、結合剤及びエチレン−アクリル酸コポリマー(EAA)の複合材料
ナノドロマイト組成物1(350g)及び有機微粒子2のスラリ264.1gは、直径3cmを有する歯付きディスクを備えたPendraulikスターラーLD50型で2分の間撹拌された。固体含有率は水によって50重量%の濃度まで希釈された;固体含有率15.4重量%の水溶液としての結合剤40.8gがさらなる2分の間に本混合物中に撹拌され、水によって固体含有率35重量%まで希釈された。得られた反応混合物は、Pendraulik撹拌機で撹拌速度2800rpmにて15分間にわたって剪断されて、剪断によって剪断時間の半分の後にpHは10重量% NaOH 1.9gによって9へ調整され、42重量%のポリアクリル酸のナトリウム塩(Mw:約4000g/mol:pH8.5)の活性水溶液の総固体含有率に基づいて、0.1重量%で分散された。次にエチレン−アクリル酸ポリマーのナトリウム塩(市販製品Primacor5980iのNa塩;11.75%)の2%溶液が同じ撹拌条件下で導入されて、10分間ホモジナイズされた。開始温度は21℃であり、15分間の剪断時間後の最終温度は41℃であった。
【0173】
得られた複合材料スラリは次の特徴を有した。
5秒/60秒/120秒後に測定されたBrookfield粘度:244/230/231mPa・s
pH9.34
固体含有率:34.2重量%
【0174】
図5は、ナノドロマイトが有機微粒子から偏析されずに、有機微粒子の表面にあることを明らかに示している。
【0175】
フィルタ試験は、固体含有率0.5重量%のナノ粒子/微粒子混合物を用いたスラリ200mLを調製して、孔径0.2μmの膜フィルタを使用して(圧力:約25mbar、吸水ポンプ;室温)スラリを濾過することにより、偏析傾向を例証するために実施された。200mLを濾過するのに必要な時間が測定された。
【0176】
濾過時間:2.5時間。
濾過時間は、ナノ粒子及び微粒子の偏析が低いことを明らかに示している。孔を閉塞させるナノドロマイトの第2の濾過ケークは膜上にごくわずかに生成される。濾過時間は、実験1、2及び4と比較して複合材料の開放構造のために非常に短かった。
【0177】
やや酸性の媒体中での酸安定性:
乾燥品に基づくナノドロマイト3gに相当する複合材の乾燥品に基づく各4gのサンプル3個は、23℃にて下記の時間にわたって、それぞれ2.5モル酢酸100ml中で貯蔵された。サンプルはCO2の自発的な放出及び自発的な発泡を示さない。濾過後、濾過残渣を105℃にて3時間乾燥させた。
【0178】
次の結果が得られた。
【表7】

偏析試験と同じ種類の膜フィルタが使用された。
【0179】
本実験は、有機ミクロ顔料を含むナノドロマイト複合材料が非常に高い耐酸性を有し、酸性媒体中で数日間にわたる長い貯蔵期間後でさえ、匹敵するナノカルシウムカーボネート複合材料よりも著しく高い酸安定性を有することを明らかに示している。
【0180】
2.無機ナノ粒子を含む無機微粒子
比較実験6:25重量%の無機微粒子1及び75重量%のナノドロマイト組成物1の混合物
乾燥品に基づくナノカルシウムカーボネート組成物1(750g)は、乾燥品に基づく無機微粒子1のスラリ250gと、スターラーとして直径3.5cmの歯付きディスクを備えたPendraulik撹拌機内で、スターラー速度7500rpm、開始温度22℃にて撹拌しながら15分間混合された。混合後の最終温度は48℃であった。
【0181】
得られた混合物は次の特徴を有した。
5秒/60秒/120秒後に測定されたBrookfield粘度:160/160/152mPa・s
pH8.4
固体含有率:64.4重量%
【0182】
図6は、ナノドロマイトが無機微粒子から偏析されていることを明らかに示している。75重量%ナノドロマイトのごくわずかな部分がSEMで見られる。
【0183】
フィルタ試験は、固体含有率0.5重量%のナノ粒子/微粒子混合物を用いたスラリ200mLを調製して、孔径0.2μmの膜フィルタを使用して(圧力:約25mbar、吸水ポンプ;室温)スラリを濾過することにより、偏析傾向を例証して、濾過速度を決定するために実施された。200mLを濾過する時間が測定された。偏析が発生するときに、ナノドロマイトが最初に孔を通過するが、ある期間にわたって第2の濾過ケークが膜フィルタ上に生成して、孔を閉塞させる。
【0184】
濾過時間:>20時間(実験は停止された)。透過性の第2のフィルタ床は生成されなかった。
【0185】
濾過時間は、ナノ粒子及び微粒子の偏析を明らかに示している。
【0186】
実験7:25重量%の無機微粒子2、75重量%のナノドロマイト組成物2及び結合剤の複合材料
乾燥品に基づく無機微粒子2(800g)はプローシェアミキサ、モデルM5R、Loedige、ドイツに入れられて、スターラーを動作させながら結合剤の水溶液106.7gが1分以内に添加され、次にさらに10分間ホモジナイズされた。中間体の固体含有率は結合剤添加後に89重量%であった。
【0187】
ナノドロマイト組成物2(800g)が直径3cmを有する歯付きディスクを備えたPendraulikスターラーLD50型に入れられて、水85.5gと共に混合された。2分間の短いホモジネーション時間の後、89重量%の固体含有率を有する上記中間体219.6が添加され、2800rpmの撹拌速度にて15分間にわたって強く撹拌された。次にポリアクリル酸のナトリウム塩(Mw:約4000g/mol;pH8.5)の42重量%水溶液1.4gが添加され、さらに5分間混合された。
【0188】
得られた複合材料スラリは次の特徴を有した。
5分/60分/120分後に測定されたBrookfield粘度:229/224/236mPa・s
pH9.03
固体含有率:66.6重量%
【0189】
図7は、ナノドロマイトが無機微粒子から偏析されずに、無機微粒子の表面にあることを明らかに示している。
【0190】
フィルタ試験は、固体含有率0.5重量%のナノ粒子/微粒子混合物を用いたスラリ200mLを調製して、孔径0.2μmの膜フィルタを使用して(圧力:約25mbar、吸水ポンプ;室温)スラリを濾過することにより、偏析傾向を例証するために実施された。200mLを濾過するのに必要な時間が測定された。
【0191】
濾過時間:2.5時間。
非常にわずかな偏析のみがある。濾過時間は比較実験6と比較して短い。
【0192】
やや酸性の媒体中での酸安定性:
乾燥品に基づくナノドロマイト3gに相当する複合材の乾燥品に基づく各4gのサンプル3個は、23℃にて下記の時間にわたって、それぞれ2.5モル酢酸100ml中で貯蔵された。サンプルはCO2の自発的な放出及び自発的な発泡を示さない。濾過後、濾過残渣を105℃にて3時間乾燥させた。
【0193】
次の結果が得られた。
【表8】


偏析試験と同じ種類の膜フィルタが使用された。
【0194】
本実験は、無機ミクロ顔料を含むナノドロマイト複合材料が非常に高い耐酸性を有し、酸性媒体中で数日間にわたる長い貯蔵期間後でさえ、匹敵するナノカルシウムカーボネート複合材料よりも著しく高い酸安定性を有することを明らかに示している。
【0195】
3.無機微粒子/ナノドロマイト複合材料及び有機微粒子/ナノドロマイト複合材の併用
実験8:実験4の50重量%複合材料及び実験7の50重量%の複合材料の複合材料
実験4からの生成物145g(固体含有率:36.5重量%)及び実験7からの生成物75g(固体含有率:66.6重量%)は、直径3cmを有する歯付きディスクを備えたPendraulikスターラー、LD50型で10分間、930rpmの撹拌速度にて共に混合され、ホモジナイズされる。
【0196】
得られた複合材料スラリは次の特徴を有する:
5分/60分/120分後に測定されたBrookfield粘度:613/537/521mPa・s
pH8.47
固体含有率:45.6重量%
【0197】
図8は、ナノドロマイトが有機微粒子からも無機微粒子からも偏析されずに、無機及び有機微粒子の表面にあることを明らかに示している。
【0198】
フィルタ試験は、固体含有率0.5重量%のナノ粒子/微粒子混合物を用いたスラリ200mLを調製して、孔径0.2μmの膜フィルタを使用して(圧力:約25mbar、吸水ポンプ;室温)スラリを濾過することにより、偏析傾向を例証するために実施された。200mLを濾過するのに必要な時間が測定された。
【0199】
濾過時間:1.0時間。
非常にわずかな偏析のみがある。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドロマイト粒子、及び結合剤を含む組成物によって少なくとも部分的にコーティングされた無機及び/又は有機顔料及び/又は充填剤粒子を含む複合材料であって、
前記顔料及び/又は充填剤粒子の球相当直径がマイクロメートル範囲にあり、前記ドロマイト粒子の球相当直径がナノメートル範囲にあることと;
前記結合剤がモノマーとして1又はそれ以上のジカルボン酸及びジアミン、トリアミン、ジアルカノールアミン又はトリアルカノールアミンの群からの1又はそれ以上のモノマーを含むコポリマーであることと;
を特徴とする複合材料。
【請求項2】
前記顔料及び/又は充填剤粒子が、タルク、マイカ又はその混合物を含む群より好ましく選択される無機粒子であることを特徴とする、請求項1に記載の複合材料。
【請求項3】
前記顔料及び/又は充填剤粒子が、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート又はポリスチレンに基づく顔料及び/又は充填剤粒子を含む群より好ましく選択される有機粒子であることを特徴とする、請求項1に記載の複合材料。
【請求項4】
前記顔料及び/又は充填剤粒子が本質的に球状の構造、好ましくは中空球又は中空半球又は血小板様構造を有することを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の複合材料。
【請求項5】
前記顔料粒子及び/又は充填剤粒子の球相当直径が本質的に0.2μm超〜約100μmの範囲、例えば約0.3〜約100μmの範囲、好ましくは約0.3〜約75μmの範囲、さらに好ましくは約0.3〜約50μmの範囲、なおさらに好ましくは約0.3〜約25μmの範囲、最も好ましくは約0.3〜約15μmの範囲、特に約0.3〜約12μmの範囲にあることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の複合材料。
【請求項6】
前記有機顔料粒子及び/又は充填剤粒子の球相当直径が0.2μm超〜25μmの範囲、好ましくは約0.3〜約10μmの範囲、好ましくは約0.4〜約1.5μmの範囲、さらに好ましくは約0.7〜約1.4μmの範囲、最も好ましくは約0.9〜約1.1μmの範囲にあることを特徴とする、請求項5に記載の複合材料。
【請求項7】
前記顔料粒子及び/又は充填剤粒子が、好ましくは約0.3〜約2μmの、好ましくは約0.4〜約1.5μmの、例えば約1.3μm〜1.4μmの、特に好ましくは約0.9〜約1.1μmの、例えば1μmの球相当直径を有するポリスチレン中空球の形態のポリスチレンに基づく粒子であることを特徴とする、請求項3から6のいずれか一項に記載の複合材料。
【請求項8】
前記顔料粒子及び/又は充填剤粒子がタルク粒子であり、約95〜98重量%の、例えば96重量%のタルク粒子が10μm未満の球相当直径を有し、約79〜82重量%、例えば80重量%が5μm未満の球相当直径を有し、約43〜46重量%、例えば45重量%が2μm未満の球相当直径を有することを特徴とする、請求項5に記載の複合材料。
【請求項9】
前記ドロマイトが好ましくは、少なくとも50重量%の、好ましくは75重量%超のドロマイト鉱を、さらに好ましくは90重量%超の、特に好ましくは98重量%超のドロマイト鉱を含有する粉砕天然ドロマイト石灰岩であることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の複合材料。
【請求項10】
約90〜100%の、好ましくは92〜99%の、さらに好ましくは94から98%の、特に好ましくは96〜98%の、例えば97±0.5%のドロマイト粒子が、ドロマイト粒子の量Nに基づいて、200nm未満の、例えば20〜200nm又は50〜180nmの範囲の、好ましくは150nm未満の、例えば70〜150nmの範囲の、さらに好ましくは100nm未満の球相当直径を有することを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の複合材料。
【請求項11】
前記ドロマイトが1又はそれ以上の乾式又は湿式粉砕ステップ、好ましくは2の乾式及び/又は湿式、好ましくは水性粉砕ステップにて球相当直径まで粉砕されることを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の複合材料。
【請求項12】
ボールミル、ジェットプレートミル、磨砕機ミル又はこのようなミルの併用又はこのようなミルの1又はそれ以上とサイクロン及びスクリーンとの併用が粉砕に使用されることを特徴とする、請求項11に記載の複合材料。
【請求項13】
前記乾式粉砕が、好ましくは直径0.5〜10cmの鉄及び/又は磁器ボール、特に好ましくは直径2.5cmの鉄シルペッブを使用してボールミル中で実施され、湿式粉砕が好ましくはガラス、磁器及び/又は金属からなる、さらに好ましくは直径0.2〜5mmの、好ましくは0.2〜2mmの、さらに0.5〜5mmの、例えば0.5〜2mmのジルコニウムシリケート、ジルコニウムジオキシド及び/又はバデレアイトからなる、粉砕ボールを使用して、磨砕機ミル中で実施されることを特徴とする、請求項12に記載の複合材料。
【請求項14】
前記天然粉砕ドロマイトが、10重量%超の、好ましくは30重量%超の、例えば15〜30重量%の、さらに好ましくは50重量%超のドロマイト固体含有率の、例えば65〜68重量%の固体含有率の、特に好ましくは70重量%超の固体含有率の、例えば72〜80重量%の固体含有率の水性スラリの形態で分散及び/又は粉砕されることを特徴とする、請求項11から13のいずれか一項に記載の複合材料。
【請求項15】
≦60重量%の固体含有率を有するドロマイトスラリが、例えばフィルタ加圧及び/又は遠心分離及び/又は熱によって、特に機械的及び熱的濃縮ステップの併用によって物理的に濃縮され、1又はそれ以上の分散剤の存在下で、好ましくは60重量%超の固体含有率の、特に好ましくは60重量%〜78重量%の、例えば66±2重量%の最終濃度に好ましくは分散されることを特徴とする、請求項14に記載の複合材料。
【請求項16】
前記ドロマイトが1又はそれ以上の粉砕助剤及び/又は分散剤の存在下で分散及び/又は粉砕されることを特徴とする、請求項11から15のいずれか一項に記載の複合材料。
【請求項17】
湿式粉砕では粉砕助剤及び/又は分散剤が、例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、アクリルアミド又はその混合物;ナトリウムポリホスフェート、ナトリウムシトレート又はその混合物に基づくポリカルボン酸塩のホモポリマー又はコポリマーを含む群より好ましくは選択されるアニオン性粉砕助剤及び/又は分散剤であることを特徴とする、請求項16に記載の複合材料。
【請求項18】
ポリカルボン酸塩のホモポリマー又はコポリマーが、ナトリウム、リチウム、カリウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、ストロンチウム及び/又はアルミニウムあるいはその混合物、好ましくはナトリウム及びマグネシウムによって部分的又は完全に中和されることを特徴とする、請求項17に記載の複合材料。
【請求項19】
分散剤及び/又は粉砕助剤が湿式粉砕において約0.05〜約2重量%の量で、好ましくは0.3〜1.5重量%の、例えば1重量%の量で、特に約0.5〜約0.95重量%の量で使用されることを特徴とする、請求項17又は18のいずれか一項に記載の複合材料。
【請求項20】
湿式粉砕での前記ドロマイトスラリの粘度が2500mPa・s未満の、好ましくは1500mPa・s未満の、さらに好ましくは1000mPa・s未満の、特に500mPa・s未満の、特に好ましくは50〜500mPa・sの範囲、例えば50〜250mPa・sの範囲であることを特徴とする、請求項11から19のいずれか一項に記載の複合材料。
【請求項21】
乾式粉砕での前記粉砕助剤及び/又は分散剤がグリコール、ポリグリコール、例えばポリエチレングリコール、エチレンオキシド−プロピレンオキシド−エチレンオキシドブロックコポリマー又はアルカノールアミン、例えばトリエタノールアミン及びトリイソプロパノールアミンあるいはその混合物からなる群より選択されることを特徴とする、請求項16から20のいずれか一項に記載の複合材料。
【請求項22】
前記分散剤及び/又は粉砕助剤が乾式粉砕において、複合材料の総乾燥重量に基づいて、約0.01〜約5重量%の量で、好ましくは約0.01〜約0.5重量%の、特に0.03〜0.3重量%の量で使用されることを特徴とする、請求項16から21のいずれか一項に記載の複合材料。
【請求項23】
前記分散剤及び/又は粉砕助剤が乾式粉砕において、0.2〜1mg/m2ナノ粒子表面積の量で、好ましくは0.3〜0.7mg/m2ナノ粒子表面積の量で存在することを特徴とする、請求項16から22のいずれか一項に記載の複合材料。
【請求項24】
前記粉砕助剤及び/又は分散剤が前記粉砕及び/又は分散の間にエチレン−アクリル酸コポリマー(EAA)又はその塩と併用されることを特徴とする、請求項16から23のいずれか一項に記載の複合材料。
【請求項25】
前記EAA塩が、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、3−アミノ−1−プロパノール、2−[ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エタノールを含む群より好ましくは選択されるアミン並びに/あるいはアルカリ金属イオン、例えばカリウム、リチウム及び/又はナトリウム又はその混合物、好ましくはナトリウムによって部分的又は完全に中和されることを特徴とする、請求項24に記載の複合材料。
【請求項26】
前記EAA及びその塩が、複合材料の総乾燥重量に基づいて、0.01重量%〜10重量%の量で、特に0.05重量%〜5重量%の量で、好ましくは0.1重量%〜2重量%の量で、例えば1重量%の量で使用されることを特徴とする、請求項24又は25のいずれか一項に記載の複合材料。
【請求項27】
前記複合材料の総乾燥重量に基づいて、5〜95重量%の、好ましくは20〜80重量%の、さらに好ましくは25〜75重量%の顔料粒子及び/又は充填剤粒子を含有することを特徴とする、請求項1から26のいずれか一項に記載の複合材料。
【請求項28】
複合材料の総乾燥重量に基づいて、95〜5重量%の、好ましくは80〜20重量%の、さらに好ましくは75〜25重量%のドロマイト粒子を含有することを特徴とする、請求項1から27のいずれか一項に記載の複合材料。
【請求項29】
顔料粒子及び/又は充填剤粒子並びにドロマイトが乾燥重量に基づいて、好ましくは1:20〜20:1の比で、特に1:4〜4:1の比で、さらに好ましくは1:3〜3:1又は1:2〜2:1の比で、特に1:1又は1:3の比で存在することを特徴とする、請求項1から28のいずれか一項に記載の複合材料。
【請求項30】
飽和又は不飽和、分岐又は非分岐C2〜C10ジカルボン酸、好ましくはC3〜C9ジカルボン酸、C4〜C8ジカルボン酸、C5〜C7ジカルボン酸、特にアジピン酸が結合剤のジカルボン酸モノマーとして使用されることを特徴とする、請求項1から29のいずれか一項に記載の複合材料。
【請求項31】
直鎖及び分岐鎖、置換及び非置換ジアミン及びトリアミン、特にN−(2−アミノエチル)−1,2−エタンジアミンが、結合剤のジアミン、トリアミンモノマーとして使用され、ジエタノールアミン、N−アルキルジアルカノールアミン、例えばN−メチル−及びN−エチルジエタノールアミン及びトリエタノールアミンが結合剤のジアルカノールアミン又はトリアルカノールアミンモノマーとして使用されることを特徴とする、請求項1から30のいずれか一項に記載の複合材料。
【請求項32】
前記結合剤として使用される前記コポリマーがエピクロロヒドリンによって架橋されることを特徴とする、請求項1から31のいずれか一項に記載の複合材料。
【請求項33】
前記結合剤がアジピン酸とN−(2−アミノエチル)−1,2−エタンジアミン及びエピクロロヒドリンのコポリマーであることを特徴とする、請求項1から32のいずれか一項に記載の複合材料。
【請求項34】
複合材料の総乾燥重量に基づいて、約0.1〜約10重量%の、好ましくは約0.3〜約5重量%の、特に好ましくは約0.5〜約3重量%の結合剤を含有することを特徴とする、請求項1から33のいずれか一項に記載の複合材料。
【請求項35】
23℃において>4のpKaを有する2.5モルの酸中での前記複合材料の1時間の貯蔵の後、少なくとも50重量%の、好ましくは少なくとも60重量%の、さらに好ましくは少なくとも70重量%の、さらに75重量%超のドロマイト成分がなお存在するような、そして12時間の貯蔵の後、少なくとも30重量%、好ましくは少なくとも40重量%、さらに好ましくは少なくとも45重量%の、さらに50重量%超のドロマイト成分がなお存在するような、>4のpKaを有する弱酸、例えば酢酸中での高い酸安定性を有することを特徴とする、請求項1から34のいずれか一項に記載の複合材料。
【請求項36】
a)前記顔料微粒子及び/又は充填剤微粒子を供給するステップと;
b)前記ナノドロマイト組成物を供給するステップと;
c)前記結合剤を供給するステップと;
d)a)及びb)からの前記顔料及び/又は前記充填剤粒子並びに前記ドロマイト組成物を混合するステップと;
を含み;
ステップd)の前にa)からの前記顔料及び/又は充填剤粒子あるいはb)からの前記ドロマイト組成物に結合剤が添加され、得られた反応混合物がホモジナイズされる;
請求項1から35のいずれか一項に記載の複合材料を製造する方法。
【請求項37】
a)前記顔料微粒子及び/又は充填剤微粒子を供給するステップと;
b)前記ナノドロマイト組成物を供給するステップと;
c)前記結合剤を供給するステップと;
d)a)及びb)からの前記顔料及び/又は前記充填剤粒子並びに前記ドロマイト組成物を混合するステップと
を含み;
ステップd)の後にa)からの前記顔料及び/又は充填剤粒子の混合物あるいはb)からのドロマイト組成物に結合剤が添加され、得られた反応混合物がホモジナイズされる;
請求項1から35のいずれか一項に記載の複合材料を製造する方法。
【請求項38】
a)前記顔料微粒子及び/又は充填剤微粒子を供給するステップと;
b)前記ナノドロマイト組成物を供給するステップと;
c)前記結合剤を供給するステップと;
d)a)及びb)からの顔料及び/又は充填剤粒子並びにドロマイト組成物をc)からの前記結合剤に添加するするステップと
を含み;
前記ドロマイト組成物の前、後又はドロマイト組成物と共に顔料及び/又は充填剤粒子が結合剤に添加され、前記結合剤と共に混合され、得られた反応混合物がホモジナイズされる;
請求項1から35のいずれか一項に記載の複合材料を製造する方法。
【請求項39】
前記ナノドロマイト組成物が水性スラリの形態で供給されることを特徴とする、請求項36から38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
前記顔料微粒子及び/又は充填剤微粒子が固体形態又は水性スラリの形態で供給されることを特徴とする、請求項36から39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
前記無機顔料及び/又は充填剤微粒子が固体形態で供給されることを特徴とする、請求項36から40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
前記有機顔料及び/又は充填剤微粒子が水性スラリの形態で供給されることを特徴とする、請求項36から40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項43】
前記結合剤が水性スラリ又は溶液の形態で供給されることを特徴とする、請求項36から42のいずれか一項に記載の方法。
【請求項44】
得られた反応混合物に前記結合剤を添加した後に、1又はそれ以上の分散剤が添加されることを特徴とする、請求項36から43のいずれか一項に記載の方法。
【請求項45】
a)からの前記顔料及び/又は充填剤粒子に、あるいはb)からの前記ドロマイト組成物に前記結合剤を添加する前に、1又はそれ以上の分散剤が添加されることを特徴とする、請求項36から43のいずれか一項に記載の方法。
【請求項46】
前記分散剤がポリアクリル酸塩、例えばナトリウム塩、ナトリウムポリホスフェート又はポリアクロレイン/アクリレートコポリマー;ポリマーカチオン性及び/又は両性分散剤、例えばポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド(PolyDADMAC)又はアクリル酸とカチオン性モノマーとのコポリマーあるいはこのような分散剤の混合物からなる群より選択されることを特徴とする、請求項44又は45のいずれか一項に記載の方法。
【請求項47】
前記分散剤が複合材料の総乾燥重量に基づいて、0.01重量%〜1重量%の量で、好ましくは0.1重量%〜0.5重量%の、例えば0.25重量%の量で添加されることを特徴とする、請求項44から46のいずれか一項に記載の方法。
【請求項48】
得られた複合材料スラリの含水率が低下されることを特徴とする、請求項36から47のいずれか一項に記載の方法。
【請求項49】
請求項1から35のいずれか一項に記載の複合材料を含むことを特徴とする水性スラリ。
【請求項50】
請求項1から35のいずれか一項に記載の複合材料又は請求項49に記載のスラリの充填剤又は顔料としての使用。
【請求項51】
前記複合材料又はスラリが製紙において、紙の総重量に基づいて好ましくは、0.5〜50重量%の、好ましくは1〜30重量%の量で使用され、紙仕上げにおいて、例えば紙コーティングにおいて好ましくは紙の面ごとに、0.5〜100g/m2の、好ましくは2〜50g/m2の、特に好ましくは5〜25g/m2の量で使用されることを特徴とする、請求項50に記載の使用。
【請求項52】
前記複合材料又はスラリがプレコーティング、中間コーティング、トップコーティング及び/又は単一コーティングで使用され、前記紙が片面及び/又は両面に前記コーティングされ、コーティングの1又はそれ以上が片面又は両面に複合材料を含有することを特徴とする、請求項51又は52のいずれか一項に記載の使用。
【請求項53】
前記複合材料又はスラリがカレンダ加工紙又は非カレンダ加工紙で使用されることを特徴とする、請求項50から52のいずれか一項に記載の使用。
【請求項54】
前記複合材料が紙又はコーティングの孔容積を変更又は制御するために使用されることを特徴とする、請求項50から53のいずれか一項に記載の使用。
【請求項55】
請求項1から35のいずれか一項に記載の複合材料又は請求項49に記載のスラリの、塗料、プラスチック又はシーリング材での使用。
【請求項56】
請求項1から35のいずれか一項に記載の複合材料又は請求項49に記載のスラリの、場合により天然及び/又は合成担体材料、例えば綿、セルロース及びポリアミド繊維での、フィルタ層の形態での濾過助剤としての使用。
【請求項57】
請求項1から35のいずれか一項に記載の複合材料又は請求項49に記載のスラリを含む濾過助剤。
【請求項58】
請求項1から35のいずれか一項に記載の複合材料又は請求項49に記載のスラリを含む充填剤。
【請求項59】
請求項1から35のいずれか一項に記載の複合材料又は請求項49に記載のスラリを含む顔料。
【請求項60】
請求項1から35のいずれか一項に記載の複合材料又は請求項49に記載のスラリを含むコーティングカラー。
【請求項61】
前記コーティングカラーが25〜75重量%固体の、さらに好ましくは30〜70重量%の、特に好ましくは30〜40重量%固体の固体含有率を有することを特徴とする、請求項60に記載のコーティングカラー。
【請求項62】
前記複合材料の量が、前記コーティングカラー中の総固体含有率に基づいて、3〜97重量%、好ましくは10〜90重量%、特に好ましくは85±10重量%であることを特徴とする、請求項60又は61のいずれか一項に記載のコーティングカラー。
【請求項63】
モノマーとしての1又はそれ以上のジカルボン酸及びジアミン、トリアミン、ジアルカノールアミン又はトリアルカノールアミンの群からの1又はそれ以上のモノマーを含むコポリマーの、マイクロメートル範囲の球相当直径を有する無機及び/又は有機顔料及び/又は充填剤粒子の、ナノメートル範囲の球相当直径を有するドロマイト粒子を含む組成物による少なくとも部分的なコーティングのための使用。
【請求項64】
前記コポリマーがモノマーとしてアジピン酸、N−(2−アミノエチル)−1,2−エタンジアミン及びエピクロロヒドリンを含むことを特徴とする、請求項63に記載の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2009−540036(P2009−540036A)
【公表日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−513678(P2009−513678)
【出願日】平成19年6月5日(2007.6.5)
【国際出願番号】PCT/EP2007/055523
【国際公開番号】WO2007/141271
【国際公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【出願人】(505351050)オムヤ・デベロツプメント・アー・ゲー (22)
【Fターム(参考)】