説明

無段変速機

【課題】フルトロイダル式の無段変速装置及びロー・ハイ切換え機構を備え、クラッチ切換えで入力・出力ディスク間でトルク伝達方向が変わる構成を有するものにあって、油圧サーボが出力する反力方向の切換えを従来に比して早く行う等で、応答性を向上し得るようにした無段変速機を提供する。
【解決手段】モード切換え点に達した際に係合制御手段37が、ハイクラッチHとロークラッチLのうち解放されていた側のクラッチを係合させる係合制御を開始し、反力切換え制御手段38が、係合制御中に、反力の方向を切換える反力切換え制御を開始する。従って、係合制御中に油圧サーボによる反力方向を切換えることで、該反力方向の切換えに続く係合側のクラッチの解放処理を素早く開始することができ、応答性が向上する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車に適用されて好適な無段変速機に係り、特に、フルトロイダル式無段変速装置に動力循環機構を組合せ、トルク循環を利用して無段変速装置の変速比に比して大きな範囲の出力変速比を得ることが可能な無段変速機に用いて好適であり、詳しくはモード切換え時の応答性を改善した無段変速機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、バリエータを用い、一軸状に各部材を配置したトロイダル式無段変速機が提案されている(特許文献1参照)。該無段変速機(無限変速機)は、トロイダル式無段変速装置(バリエータ)とプラネタリギヤ装置とを組合せて、該バリエータの変速回転と入力軸からの一定回転とを合成し、トルク循環を利用して、ギヤニュートラル(GN)を含む自動車の出力回転として適当な正逆変速回転を得ることができる(IVT;infinitely variable transmission)。
【0003】
上記バリエータは、それぞれ半円型の曲面(円弧面)を有する2個の入力ディスクと、これら入力ディスクの間に位置し且つ両側面にそれぞれ半円型の曲面を有する1個の出力ディスクと、入力ディスク及び出力ディスクの対向する曲面に接触するパワーローラと、からなり、前側(エンジン側)の入力ディスクが入力軸(主軸)に固定され、出力ディスクが、上記入力軸に被嵌しているスリーブ軸(出力伝達軸)に連結され、更に後側の入力ディスクのボス部が上記スリーブ軸に被嵌されており、入力軸及び後側の入力ディスクボス部がプラネタリギヤ装置の同じ要素(キャリヤ)に連結されると共に、上記スリーブ軸がプラネタリギヤ装置の他の要素(サンギヤ)に連結されている。
【0004】
また、フルトロイダル式無段変速装置と、プラネタリギヤ機構と、反転ギヤ機構と、ロー・ハイ切換え機構とを備え、上記プラネタリギヤ機構が、入力軸及びフルトロイダル式無段変速装置の入力ディスクに連動するフロントキャリヤと、フルトロイダル式無段変速装置の出力ディスクに連動する第1のサンギヤと、ローモード時出力要素であるリアキャリヤと、ハイモード時出力要素である第2のサンギヤとを有し、上記ロー・ハイ切換え機構によるローモードにあっては、上記リアキャリヤの回転を上記反転ギヤ機構を介して出力軸に伝達し、上記ロー・ハイ切換え機構によるハイモードにあっては、上記第2のサンギヤの回転をハイクラッチを介して上記出力軸に伝達するように構成した無段変速機が提案されている(特許文献2参照)。該無段変速機は、フルトロイダル式無段変速装置の無段変速回転を該無段変速装置に戻しトルク循環しつつ入力ディスクの入力回転と合成して出力する動力循環機構を備えている。
【0005】
【特許文献1】国際公開公報 WO03/100295 A1
【特許文献2】特開2006−292079号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記特許文献2に記載される無段変速機では、上記ロー・ハイ切換え機構が、動力循環機構を介した回転を出力軸に伝達自在にするロークラッチを係合するローモードと、無段変速装置の無段変速回転を出力軸に伝達自在にするハイクラッチを係合するハイモードとをモード切換えするように構成され、供給油圧に基づき回転傾斜支持部を押圧駆動することでパワーローラの両ディスク間での移動を制御する油圧サーボが、パワーローラに生じるトラクション力に対する反力を回転傾斜支持部を介して出力するように構成されており、ローモードとハイモードを切換える際に油圧サーボが出力する反力の方向(差圧の向き)が切換わるように構成されている。
【0007】
上記のような無段変速機にあっては、パワーローラを位置制御する油圧サーボが出力する反力の方向を切り換えることが必要である構造上、通常、クラッチ等の切換えタイミングは以下のようになる。なお、図5(a)は、このような無段変速機の変速比の変化を示すグラフ、(b)はロー(Low)モード用のロークラッチの係合(接続)と解放の状態変化を示すグラフ、(c)はハイ(High)モード用のハイクラッチの係合と解放の状態変化を示すグラフ、(d)はパワーローラ位置制御用の油圧サーボが出力する反力の方向(差圧の向き)の切換え状況を示すグラフである。
【0008】
すなわち、上記無段変速機を搭載した車輌において、例えば、ハイクラッチの係合によるハイモードでの走行中にキックダウンが行われるとモード切換えが実行されることになるが、その場合、解放されていたロークラッチの係合を開始(時点t11)し、該ロークラッチの係合が終了した時点(時点t12)から、油圧サーボの反力の方向(差圧の向き)の切換え(例えば1[MPa]から−1[MPa]に向けて)を行い、反力方向の切換えが終了してから(時点t13)、それまで係合していたハイクラッチの解放を開始する。その後、変速比が一定(−0.3)に固定されていた時点11〜t14の状態から、ハイクラッチの解放が終了すると(時点t14)変速比が次第に増大し、増速することになる。
【0009】
しかしながら、上記無段変速機の場合のような切換え方式によると、時点11〜t14のモード切換え中は変速比が固定になるため、キックダウン時のようにモードを跨いだ素早い変速が要求されるにも拘わらず、変速のもたつきが発生し易く、従って、モード切換えを素早く進行させて、ドライバ要求に対する迅速な応答性を実現することが切望される。
【0010】
そこで本発明は、フルトロイダル式の無段変速装置及びロー・ハイ切換え機構を備え、ハイクラッチとロークラッチの切換えで入力ディスクと出力ディスクとの間でのトルク伝達方向が変わる構成を有するものにあって、油圧サーボが出力する反力の方向(差圧の向き)の切換えを、本発明の基礎となる上記技術に比して早いタイミングで行う等により、キックダウン時等、素早いモード切換えを要求される場合の応答性を向上し得るようにした無段変速機を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1に係る本発明は、入力軸(12)に連結された入力ディスク(2,2)、無段変速回転を出力する出力ディスク(3)、これら両ディスク(2,2,3)に挟持されたパワーローラ(4,4)、該パワーローラの回転中心(4a)を回転自在に支持し且つ該パワーローラを前記両ディスク(2,2,3)に対して傾斜自在に支持する回転傾斜支持部(30)、及び、該回転傾斜支持部を介して前記パワーローラ(4,4)を前記両ディスク(2,2,3)の面方向に対して移動制御して該パワーローラの傾斜角度を自律的に変化させるフルトロイダル式の無段変速装置(5)と、
供給される油圧に基づき前記回転傾斜支持部(30)を押圧駆動することにより、前記パワーローラ(4,4)の前記両ディスク(2,2,3)間での移動を制御する油圧サーボ(22)と、
前記入力軸(12)の回転及び前記無段変速回転を合成して動力循環する動力循環機構(6)と、
前記動力循環機構(6)を介した回転を出力軸(16)に伝達自在にするロークラッチ(L)を係合するローモード、及び前記無段変速装置(5)の無段変速回転を前記出力軸(16)に伝達自在にするハイクラッチ(H)を係合するハイモードをモード切換えし得るロー・ハイ切換え機構(10)と、を備え、
前記パワーローラ(4,4)に生じるトラクション力に対する反力を前記回転傾斜支持部(30)を介して前記油圧サーボ(22)の油圧により出力し、且つ前記ローモードと前記ハイモードとを切換える際に前記油圧サーボ(22)が出力する反力の方向が切換わる無段変速機(1)において、
前記モード切換えを行うべき切換え点に達した際に、前記ハイクラッチ(H)及び前記ロークラッチ(L)のうちの解放されていたクラッチを係合させる係合制御を開始する係合制御手段(37)と、
前記係合制御手段(37)による前記係合制御中に、前記油圧サーボ(22)に供給する油圧を制御して、前記反力の方向を切換える反力切換え制御を開始する反力切換え制御手段(38)と、を備えた、
ことを特徴とする無段変速機(1)にある。
【0012】
請求項2に係る本発明は、前記反力切換え制御手段(38)が、前記係合制御手段(37)による係合制御が完了する前に、前記反力切換え制御を完了してなる、
請求項1記載の無段変速機(1)にある。
【0013】
請求項3に係る本発明は、前記反力切換え制御及び前記係合制御の双方が完了した際に、前記モード切換え前に係合されていたクラッチを解放する解放制御を開始する解放制御手段(43)を備えてなる、
請求項1又は2記載の無段変速機(1)にある。
【0014】
請求項4に係る本発明は、前記無段変速装置(5)の無段変速回転を反転して前記ハイクラッチ(H)の入力側部材(19)に伝達する反転機構(7)と、
前記ハイクラッチ(H)の入力側部材(19)と前記ロークラッチ(L)の入力側部材(17)との間に介在され、前記ハイクラッチ(H)の入力側部材(19)の回転が前記ロークラッチ(L)の入力側部材(17)の回転より低回転となることを規制するワンウェイクラッチ(20)と、を備えてなる、
請求項1ないし3のいずれか1項記載の無段変速機(1)にある。
【0015】
なお、上記カッコ内の符号は、図面と対照するためのものであるが、これは、発明の理解を容易にするための便宜的なものであり、特許請求の範囲の記載に何等影響を及ぼすものではない。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に係る本発明によると、係合制御手段が、モード切換えを行うべき切換え点に達した際に、ハイクラッチ及びロークラッチのうちの解放されていたクラッチ(解放側クラッチ)を係合させる係合制御を開始し、反力切換え制御手段が、係合制御手段による係合制御中に、油圧サーボに供給する油圧を制御して反力の方向を切換える反力切換え制御を開始する。このため、解放されていたクラッチの係合を終了した時点から油圧サーボの反力方向の切換えを行うような技術にあっては、反力方向の切換えが終了した後それまで係合していたクラッチ(係合側クラッチ)を解放させるように制御しなければならず長い時間を要していたのに対し、本発明では、解放側クラッチの係合制御中に油圧サーボによる反力の方向を切換えることで、該反力方向の切換えに続く係合側クラッチの解放処理を素早く開始することができ、従って、キックダウン時等、素早いモード切換えを要求される場合の応答性が向上する。
【0017】
請求項2に係る本発明によると、反力切換え制御手段が、係合制御手段による係合制御が完了する前に反力切換え制御を完了するので、その後、モード切換え前に係合されていたクラッチを解放するとしても、その時点では反力切換え制御が確実に完了しているため、ショックを生じることのない円滑な変速を実現することができる。
【0018】
請求項3に係る本発明によると、解放制御手段が、油圧サーボによる反力方向を切換え且つ解放側のクラッチを係合させてから、係合側のクラッチを解放する解放制御を開始するので、ショックを生じることのない円滑で安定した変速を実現することができる。
【0019】
請求項4に係る本発明によると、無段変速装置の無段変速回転を反転してハイクラッチの入力側部材に伝達する反転機構と、ハイクラッチの入力側部材とロークラッチの入力側部材との間に介在され、ハイクラッチの入力側部材の回転がロークラッチの入力側部材の回転より低回転となることを規制するワンウェイクラッチとを備えるので、無段変速装置の変速比がモード切換えの最適値に達した時点で、解放側のクラッチの係合開始とともに油圧サーボによる反力方向(差圧の向き)の切換え開始を行うことができ、これにより、モード切換えを、ショックを発生させることなく円滑且つ迅速に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明に係る実施の形態を図1ないし図4に沿って説明する。なお、図1は本発明に係るフルトロイダル式の無段変速装置5を含む無段変速機(IVT)1を示す図であり、(a)はスケルトン図、(b)はその速度線図である。図2は該無段変速装置5等を概念的に示す図である。
【0021】
無段変速機1は、図1(a)に示すように、フルトロイダル式の無段変速装置(以下、バリエータとも呼ぶ)5と、動力循環機構6及び反転ギヤ機構7からなるプラネタリギヤ装置Uと、ロー・ハイ切換え機構10とを備え、パワーローラ4,4に生じるトラクション力に対する反力をキャリッジ30を介して油圧サーボ22の油圧により出力し、且つローモードとハイモードとを切換える際に油圧サーボ22が出力する反力の方向が切換わるように構成されている。
【0022】
無段変速装置5は、入力軸12に連結された2個の入力ディスク2,2と、2個の入力ディスク2,2の間に配置されて無段変速回転を出力する1個の出力ディスク3と、これら両ディスク2,2,3の間に挟持されるパワーローラ4,4とを有している。なお、以下、入力ディスク2,2を一括して入力ディスク2とも呼ぶ。入力ディスク2,2及び出力ディスク3は、それぞれ対向するように円形の一部を形成する円弧状の凹溝2a,3aを有しており、2列のパワーローラ4,4を挟んでダブルキャビティを構成して、入力ディスク同士のスラスト力を打消す構成からなる。パワーローラ4,4は、軸に直角方向にシフトさせることにより傾斜して、入力ディスク2,2と出力ディスク3との接触半径を変更することにより、無段に連続して変速する。出力ディスク3はその外周側にドラム状の出力伝達軸13が連結されており、該出力伝達軸13は後側の入力ディスク2を囲むようにして後方に延びている。
【0023】
動力循環機構6は、入力軸12の回転と出力ディスク3から出力される無段変速回転とを合成して動力循環するもので、デュアルプラネタリギヤからなり、互に噛合する第1のピニオンP1aと第2のピニオンP1bとを支持するキャリヤC1と、第1のピニオンP1aに噛合するリングギヤR1と、第2のピニオンP1bに噛合するサンギヤS1と、から構成される。上記キャリヤC1は、トルクコンバータ9を介してエンジン8の出力軸8a(図2参照)に連結される入力軸12に連結して、エンジン8からの一定回転(変速前の回転)が伝達され、上記サンギヤS1は上記ドラム状の出力伝達軸13に連結して、バリエータ5の無段変速回転(出力)が伝達され、そしてリングギヤR1はロー・ハイ切換え機構10のロークラッチLに出力している。
【0024】
反転ギヤ機構(反転機構)7は、バリエータ5の無段変速回転を反転してハイクラッチHのハイ伝達軸19に伝達するもので、ステップピニオンからなり、固定部材15に回転自在に支持された軸24に固定された2個の大小のピニオンP2,P3からなる。大ピニオンP2は、出力伝達軸13に固定されたリングギヤR2に噛合して、バリエータ5の出力回転が伝達され、小ピニオンP3は、サンギヤS3に噛合して、ロー・ハイ切換え機構10のハイクラッチHに出力している。即ち、該反転ギヤ機構7は、キャリヤC2が固定されたプラネタリギヤからなる。
【0025】
ロー・ハイ切換え機構10は、動力循環機構6を介した回転を出力軸16に伝達自在にするロークラッチLを係合するローモード、及びバリエータ5の無段変速回転を出力軸16に伝達自在にするハイクラッチHを係合するハイモードをモード切換えし得るように構成される。即ち、ロー・ハイ切換え機構10は、動力循環機構6からの出力回転がロー伝達軸(ロークラッチLの入力側部材)17を介して伝達されるロークラッチLと、反転ギヤ機構7からの出力回転がスリーブ状のハイ伝達軸(ハイクラッチHの入力側部材)19を介して伝達されるハイクラッチHとからなり、これらロークラッチL及びハイクラッチHは切換えられて、出力軸16に出力する。なお、バリエータ5、プラネタリギヤ装置U及びロー・ハイ切換え機構10並びに入力軸12及び出力軸16は、一軸状に配置されている。
【0026】
上記ハイクラッチHのハイ伝達軸19とロークラッチLのロー伝達軸17との間にはワンウェイクラッチ20が介在されており、該ワンウェイクラッチ20は、ハイ伝達軸19の回転がロー伝達軸17の回転より低回転となることを規制し、バリエータ5の変速比を規制(脱落防止)する。
【0027】
図2に示すように、バリエータ5は、パワーローラ4の回転中心4aを回転自在に支持し且つ該パワーローラ4を両ディスク2(2,2)及び3に対して傾斜自在に支持するキャリッジ(回転傾斜支持部)30と、不図示の油圧制御装置から供給される油圧に基づきキャリッジ30を押圧駆動することにより、パワーローラ4,4の上記両ディスク2,3間での移動を制御する油圧サーボ22とを有している。該油圧サーボ22は、ピストン22aで互いに仕切られた油室22c,22dを対向して有すると共に、パワーローラ4の回転中心4aにキャリッジ30を介して連結されたピストンロッド22bを有している。本実施の形態のバリエータ5は、キャリッジ30を介してパワーローラ4,4を上記両ディスク2,2,3の面方向に対して移動制御して該パワーローラ4,4の傾斜角度を自律的に変化させる。図中の符号18は、無段変速機1から出力軸16及びディファレンシャル装置(図示せず)を介して伝達される駆動力で回転される駆動車輪を示している。
【0028】
上記油室22cは、ハイクラッチHの係合により入力ディスク2側から出力ディスク3側にトルク伝達が行われる関係上、パワーローラ4に働くトラクション力F1(図2参照)に対する反力(パワーローラ4を図2の下側に引っ張る方向の力)をキャリッジ30を介して出力し得るように、調圧弁(図示せず)が油路33を介して接続されている。上記油室22dは、ロークラッチLの係合により動力循環機構6を介して出力ディスク3側から入力ディスク2側にトルク伝達が行われる関係上、パワーローラ4に働くトラクション力F2(図2参照)に対する反力(パワーローラ4を図2の上側に押す方向の力)をキャリッジ30を介して出力し得るように、調圧弁(図示せず)が油路34を介して接続されている。
【0029】
図1(a)に示すように、無段変速機1を制御する制御部11は、判定手段28、係合制御手段37、反力切換え制御手段38、及び解放制御手段43を有している。
【0030】
上記判定手段28は、バリエータ5の変速比を監視し、該変速比がモード切換えの最適値(即ち、モード切換えを行うべき切換え点)に達したか否かを判定すると共に、現在はロークラッチLが接続されているか否かを判定する。上記係合制御手段37は、判定手段28によって、モード切換えを行うべき切換え点に達したと判定された際に、ハイクラッチH及びロークラッチLのうちの解放されていたクラッチ(解放側クラッチ)を係合させる係合制御を開始する。この係合制御は、係合制御手段37による油圧制御装置(図示せず)の制御により、ハイクラッチH及びロークラッチLのうちの係合すべきクラッチに対応して設けられている油圧サーボ(図示せず)に油圧を供給することによって行われる。
【0031】
上記反力切換え制御手段38は、係合制御手段37による係合制御中に、不図示の油圧制御装置の制御で、油圧サーボ22に供給する油圧を制御して、油圧サーボ22が出力する反力の方向(差圧の向き)を切換える切換え制御を開始すると共に、係合制御手段37による係合制御が完了する前に該切換え制御を完了させる。上記解放制御手段43は、反力切換え制御手段38による反力切換え制御、及び係合制御手段37による係合制御の双方が完了した際に、ハイクラッチH及びロークラッチLのうちでモード切換え前に係合されていた側のクラッチ(係合側クラッチ)に対応する油圧サーボ(図示せず)から油圧を抜いて該クラッチを解放する解放制御を開始する。
【0032】
また、図1(a)に示すように、入力軸12とドラム状の出力伝達軸13に一体のサンギヤ軸13’との間には、逆転防止用ワンウェイクラッチ21が介在している。入力ディスク2(2,2)と一体の入力軸12と、出力ディスク3と一体のサンギヤ軸13’とは、バリエータ5が如何なる変速比であっても、常に相互に反対方向に回転している。エンジン8の回転方向は一定(例えば右回転とする)なので、入力軸12が右回転でサンギヤ軸13’が左回転の場合、上記ワンウェイクラッチ21は空転するよう設定されている。
【0033】
無段変速機1を搭載した車輌の発進時又は後進時においては、不図示のシフトレバーや油圧制御装置による油圧制御に基づきロー・ハイ切換え機構10が制御されて、係合制御手段37によりロークラッチLが係合されると共に解放制御手段43によりハイクラッチHが解放されることで、無段変速機1はローモード状態にされる。すると、図1(a),(b)に示すように、エンジン8の出力軸8aに連結されている入力軸12の回転が、バリエータ5の入力ディスク2,2、及び動力循環機構6のキャリヤC1に伝達される。このうち入力ディスク2,2に入力された入力軸12の回転はバリエータ5で変速され、出力ディスク3よりバリエータ出力回転Voutが出力されて、出力伝達軸13を介してサンギヤS1及びリングギヤR2に入力される。
【0034】
サンギヤS1にバリエータ出力回転Voutが入力されると、動力循環機構6においては、キャリヤC1に入力される入力軸12の回転とサンギヤS1の上記バリエータ出力回転Voutとがトルク循環される形で合成されて、リングギヤR1より出力される。このリングギヤR1の出力回転は、バリエータ5の変速比の幅に応じて、減速の逆転回転からニュートラル位置(GNポイント)を介して減速の正転回転までの幅に変速された出力回転OutLとなる。そして、このリングギヤR1の出力回転OutLは、ローモード状態の出力回転として、ロー伝達軸17及びロークラッチLを介して出力軸16に出力される。
【0035】
以上のような伝達経路を形成するローモード時においては、動力循環機構6における入力軸12の回転及びバリエータ出力回転Voutの合成回転に基づいて動力循環を行う動力循環(IVT)モードとなり、バリエータ出力回転Vout(バリエータ5の変速比)が、図1(b)中の一点鎖線で示すギヤニュートラル状態GNである際に、リングギヤR1の回転がニュートラル状態となるため、つまりローモード時の出力回転OutLがニュートラル状態となる。上述したように、この状態においては、エンジン回転数(入力軸12の回転)と出力軸16の回転とが無関係となるので、例えば走行レンジに切換える際にバリエータ5の変速比をギヤニュートラル状態GNに合せた後にロークラッチLを係合することで、回転数差を吸収することが不要であり、トルクコンバータ等の回転数差を吸収する装置を必ずしも設ける必要がない。
【0036】
ここで、例えば不図示のシフトレバーがリバース(R)レンジであって、このギヤニュートラル状態GNより例えば車速やアクセル開度に応じてバリエータ5の変速比を大きくしていくと(図1(b)中のバリエータ出力回転Voutを下方側にシフトしていくと)、出力軸16の出力回転OutLは、反転回転側に増速していき、つまり後進側に増速されていく。
【0037】
また反対に、例えば不図示のシフトレバーがドライブ(D)レンジであって、ギヤニュートラル状態GNより例えば車速やアクセル開度に応じてバリエータ5の変速比を小さくしていくと(図1(b)中のバリエータ出力回転Voutを上方側にシフトしていくと)、出力軸16の出力回転OutLは、正転回転側に増速していき、つまり前進側に増速されていく。
【0038】
つづいて、上述のローモード状態で出力軸16の出力回転OutLが増速されていき(バリエータ5の変速比が小さくされていき)、図1(b)に示すシンクチェンジSCの変速比に達して例えば車速やアクセル開度に応じて変速判断がなされると、不図示の油圧制御装置による油圧制御に基づきロー・ハイ切換え機構10が制御されて、係合制御手段37によりハイクラッチHが係合されると共に解放制御手段43によりロークラッチLが解放されることで、トロイダル式無段変速機1はハイモード状態にされる。
【0039】
すると、図1(a)及び(b)に示すように、このハイモード状態においては、バリエータ出力回転Voutが、反転ギヤ機構7のリングギヤR2に入力され、該リングギヤR2に入力された回転は、固定部材15に固定されたキャリヤC2に回転自在に支持された、大小のピニオンP2及びP3を介して、即ちギヤ比R2/P2及びS3/P3に基づき、バリエータ出力回転Voutが僅かな増速回転に変速されると共に、反転されてサンギヤS3から出力される。そして、このサンギヤS3の出力回転OutHは、ハイモード状態の出力回転として、ハイ伝達軸19及びハイクラッチHを介して出力軸16に出力される。このように、ハイモード時においては、動力循環機構6で動力循環を行うことなく、バリエータ出力回転Voutに基づき回転を出力する非動力循環(ダイレクト)モードとなる。
【0040】
ところで、上記シンクチェンジSC時におけるローモード状態とハイモード状態との切換えにおいては、バリエータ5の変速比(バリエータ出力回転Vout)が最も小さくなる同じ変速比で切換えが行われるように各ギヤのギヤ比が設定されている。つまりローモード状態においては、バリエータ5の変速比が小さく変速されていくと出力回転OutLが増速され、シンクチェンジSCを境に、ハイモード状態においてはパワーローラ4,4の傾斜方向が反転され、バリエータ5の変速比が大きく変速されていくと出力回転OutHが増速されていく。
【0041】
このシンクチェンジSCの変速比の付近、即ちバリエータ5の変速比が最も小さくなる付近の状態にあって、例えば車輌が坂道を走行している場合やフットブレーキによる急制動が行われた場合のように、外的な要因により入力軸12と出力軸16との回転数変化が生じた場合等に、ハイ伝達軸19の回転がロー伝達軸17の回転よりも負方向(マイナス方向)の回転状態において低回転になろうとする状況が生じることがある。
【0042】
例えば上記ローモード時にあって、入力軸12の回転に対する出力軸16の回転の比(エンジン回転数に対する駆動車輪18の速度比)が大きくなり、図1(b)に示すローモードの出力回転OutLの上端より正方向に大きくなろうとすると、動力循環機構6及び反転ギヤ機構7を介して連動するロー伝達軸17及びハイ伝達軸19は、互いに回転が近づく形となり、同回転となった時点でワンウェイクラッチ20が係合する。
【0043】
このようにローモード時にあってワンウェイクラッチ20が係合すると、ハイ伝達軸19の回転がロー伝達軸17の回転よりも低回転になることが防止され、それによって、バリエータ5における変速比が上記シンクチェンジSCの変速比を超えることが防止される。このため、パワーローラ4,4が過傾斜となることが防止され、これによってパワーローラの両ディスク2,3からの飛び出し等が防止される。
【0044】
また同様に、上記ハイモード時にあっても、入力軸12の回転に対する出力軸16の回転の比(エンジン回転数に対する駆動車輪の速度比)が小さくなり、図1(b)に示すハイモードの出力回転OutHの下端より正方向にあって小さくなろうとすると、動力循環機構6及び反転ギヤ機構7を介して連動するロー伝達軸17及びハイ伝達軸19は、互いに回転が近づく形となり、同回転となった時点でワンウェイクラッチ20が係合する。これによって、同様にパワーローラ4,4の両ディスク2,3からの飛び出し等が防止される。
【0045】
以上のように、ワンウェイクラッチ20の存在により、モード切換え時にロー伝達軸17がハイ伝達軸19より高回転となってパワーローラ4が脱落するような事態を確実に防止できるため、バリエータ5の変速比がモード切換えの最適値に達した際に、両クラッチH,Lのうちの解放されていた側のクラッチの係合開始とともに油圧サーボ22による反力の方向(差圧の向き)の切換え開始を行うことができる。これにより、モード切換えを、ショックを発生させることなく円滑且つ迅速に行うことができる。
【0046】
また、バリエータ5がいかなる変速比にあろうとも、バリエータの入力ディスク2,2が正転方向(例えば右回転)に回転し、パワーローラ4がそれに応じて従動回転している場合、出力ディスク3に連結しているサンギヤ軸13’が入力ディスク2に連結している入力軸12よりも速く正転方向(例えば右回転)に回転することはなく、両軸12,13’の間に介在しているワンウェイクラッチ21は空転している。例えば、エンジン8の逆転(エンジン8が停止する際に僅かに逆転)又は登り坂での停車中に駆動車輪18側からバリエータ5に逆トルクが入力する等で、パワーローラ4が逆方向に従動回転しようとする場合、サンギヤ軸13’が入力軸12に対して正転方向(右方向)に速く回転することになり、ワンウェイクラッチ21がロックして上記入力ディスク2の逆回転は阻止される。これにより、パワーローラ4が逆方向に従動回転してパワーローラの挟持力が緩んでしまい、ローラが脱落するような事態は未然に防止される。
【0047】
以上の本実施の形態では、クラッチ等の切換えタイミングは以下のようになる。なお、図3(a)は無段変速機1の変速比の変化を示すグラフ、(b)はロー(Low)モード用のロークラッチの係合(接続)と解放の状態変化を示すグラフ、(c)はハイ(High)モード用のハイクラッチの係合と解放の状態変化を示すグラフ、(d)は油圧サーボ22が出力する反力の方向(差圧の向き)の切換え状況を示すグラフである。また図4は、本実施の形態による作用を説明するためのフローチャートである。
【0048】
すなわち、本無段変速機1を搭載した車輌において、ステップS1で、バリエータ5の変速比がモード切換えを行うべき切換え点に達したと判定手段28が判定すると(S1;YES)、ステップS2にて、現在ロークラッチLが接続されているか否かを判定する。その結果、ロークラッチLが接続されていると判定されると(S2;YES)、係合制御手段37が、対応する油圧サーボ(図示せず)に油圧を供給し、ステップS3にて、解放されていたハイクラッチHの接続(係合)を開始し、ステップS5にて、油圧サーボ22の反力方向(差圧向き)の切換えを開始する。そして、係合制御手段37が、ステップS6にてハイクラッチHの接続が完了したか否かを判定し、接続が完了したと判定した後(S6;YES)、反力切換え制御手段38が、ステップS7にて、ステップS5で開始した反力方向の切換えは終了したか否かを判定する。その結果、反力方向の切換えが終了したと判定されれば(S7;YES)、解放制御手段43が、対応する油圧サーボ(図示せず)から油圧を抜いてロークラッチLの解放を開始し(S8)、解放した時点で処理を終了する。
【0049】
一方、例えば、ハイクラッチHでの走行中にキックダウンが行われた場合、ステップS1にて、切換え点に達したと判定手段28が判定し(S1;YES)、ステップS2にて、現在ロークラッチLは接続されずハイクラッチHが接続されていると判定されると(S2;No)、係合制御手段37が、対応する油圧サーボ(図示せず)に油圧を供給し、ステップS4にて、解放されていたロークラッチLの接続を開始し(図3の時点t)、ステップS9にて、油圧サーボ22の反力方向の切換えを開始する(例えば1[MPa]から−1[MPa]に向けて)(時点t)。
【0050】
そして係合制御手段37が、ステップS10にて、ロークラッチLの接続が完了したか否かを判定し、接続が完了したと判定すると(S10;YES)(時点t)、反力切換え制御手段38が、ステップS11にて、ステップS9で開始した反力方向の切換えは終了したか否かを判定する。その結果、反力方向の切換えが終了したと判定されれば(S11;YES)、解放制御手段43が、ステップS12にて、対応する油圧サーボ(図示せず)から油圧を抜いてハイクラッチHの解放を開始する処理を行う(時点t)。その後、変速比が一定(−0.3)に固定されていた時点〜tの状態から、ハイクラッチHの解放が終了すると(時点t)、変速比が次第に増大し、増速することになる。
【0051】
本実施の形態では、前述したように、係合制御手段37が、モード切換えを行うべき切換え点に達したと判定した際、ハイクラッチH及びロークラッチLのうちの解放されていたクラッチを係合させる係合制御を開始し、反力切換え制御手段38が、係合制御手段37による係合制御中に、油圧サーボ22に供給する油圧を制御して反力の方向を切換える反力切換え制御を開始するように構成される。このため、解放されていたクラッチの係合を終了した時点から油圧サーボ22の反力方向を切換えるようにすると、反力方向の切換えが終了した後それまで係合していた係合側クラッチを解放させるように制御しなければならず長い時間が必要になるのに対し、本実施の形態では、係合制御手段37による解放側クラッチの係合制御中に、反力切換え制御手段38が油圧サーボ22による反力の方向を切換えることにより、該反力方向の切換えに続く係合側クラッチの解放処理を素早く開始することができる。これにより、キックダウン時等、素早いモード切換えを要求される場合の応答性が向上する。
【0052】
また、本実施の形態では、反力切換え制御手段38が、係合制御手段37による係合制御が完了する前に反力切換え制御を完了するので、その後、モード切換え前に係合されていたクラッチを解放する場合、その時点では反力切換え制御が確実に完了しているため、ショックを生じることのない円滑な変速が実現する。更に、解放制御手段43が、油圧サーボ22による反力方向を切換え且つ解放側のクラッチを係合させてから、係合側のクラッチを解放する解放制御を開始するので、ショックを生じることのない円滑で安定した変速が実現する。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】(a)は本発明の実施の形態を示すスケルトン図であり、(b)はその速度線図。
【図2】フルトロイダル式の無段変速装置等を概念的に示す図。
【図3】(a)は本実施形態における無段変速機の変速比の変化を示すグラフ、(b)はローモード用のロークラッチの係合と解放の状態変化を示すグラフ、(c)はハイモード用のハイクラッチの係合と解放の状態変化を示すグラフ、(d)は油圧サーボが出力する反力の方向の切換え状況を示すグラフ。
【図4】本実施の形態による作用を説明するためのフローチャート。
【図5】(a)は本発明の基礎となる無段変速機の変速比の変化を示すグラフ、(b)はローモード用のロークラッチの係合と解放の状態変化を示すグラフ、(c)はハイモード用のハイクラッチの係合と解放の状態変化を示すグラフ、(d)は油圧サーボが出力する反力の方向の切換え状況を示すグラフ。
【符号の説明】
【0054】
1 無段変速機
2,2,2 入力ディスク
3 出力ディスク
4 パワーローラ
4a パワーローラの回転中心
5 フルトロイダル式の無段変速装置(バリエータ)
6 動力循環機構
7 反転機構(反転ギヤ機構)
10 ロー・ハイ切換え機構
12 入力軸
16 出力軸
17 ロークラッチの入力側部材
19 ハイクラッチの入力側部材
20 ワンウェイクラッチ
22 油圧サーボ
30 回転傾斜支持部(キャリッジ)
37 係合制御手段
38 反力切換え制御手段
43 解放制御手段
H ハイクラッチ
L ロークラッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力軸に連結された入力ディスク、無段変速回転を出力する出力ディスク、これら両ディスクに挟持されたパワーローラ、該パワーローラの回転中心を回転自在に支持し且つ該パワーローラを前記両ディスクに対して傾斜自在に支持する回転傾斜支持部、及び、該回転傾斜支持部を介して前記パワーローラを前記両ディスクの面方向に対して移動制御して該パワーローラの傾斜角度を自律的に変化させるフルトロイダル式の無段変速装置と、
供給される油圧に基づき前記回転傾斜支持部を押圧駆動することにより、前記パワーローラの前記両ディスク間での移動を制御する油圧サーボと、
前記入力軸の回転及び前記無段変速回転を合成して動力循環する動力循環機構と、
前記動力循環機構を介した回転を出力軸に伝達自在にするロークラッチを係合するローモード、及び前記無段変速装置の無段変速回転を前記出力軸に伝達自在にするハイクラッチを係合するハイモードをモード切換えし得るロー・ハイ切換え機構と、を備え、
前記パワーローラに生じるトラクション力に対する反力を前記回転傾斜支持部を介して前記油圧サーボの油圧により出力し、且つ前記ローモードと前記ハイモードとを切換える際に前記油圧サーボが出力する反力の方向が切換わる無段変速機において、
前記モード切換えを行うべき切換え点に達した際に、前記ハイクラッチ及び前記ロークラッチのうちの解放されていたクラッチを係合させる係合制御を開始する係合制御手段と、
前記係合制御手段による前記係合制御中に、前記油圧サーボに供給する油圧を制御して、前記反力の方向を切換える反力切換え制御を開始する反力切換え制御手段と、を備えた、
ことを特徴とする無段変速機。
【請求項2】
前記反力切換え制御手段は、前記係合制御手段による係合制御が完了する前に、前記反力切換え制御を完了してなる、
請求項1記載の無段変速機。
【請求項3】
前記反力切換え制御及び前記係合制御の双方が完了した際に、前記モード切換え前に係合されていたクラッチを解放する解放制御を開始する解放制御手段を備えてなる、
請求項1又は2記載の無段変速機。
【請求項4】
前記無段変速装置の無段変速回転を反転して前記ハイクラッチの入力側部材に伝達する反転機構と、
前記ハイクラッチの入力側部材と前記ロークラッチの入力側部材との間に介在され、前記ハイクラッチの入力側部材の回転が前記ロークラッチの入力側部材の回転より低回転となることを規制するワンウェイクラッチと、を備えてなる、
請求項1ないし3のいずれか1項記載の無段変速機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−144906(P2010−144906A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−325767(P2008−325767)
【出願日】平成20年12月22日(2008.12.22)
【出願人】(591261509)株式会社エクォス・リサーチ (1,360)
【出願人】(301037257)トロトラック・(ディベロップメント)・リミテッド (13)
【Fターム(参考)】