説明

無線オーディオ装置および無線オーディオシステム

【課題】 無線オーディオ装置および無線オーディオシステムに関し、無線方式に特有の伝送障害に起因する音切れの問題を最小とし、使用者にとって良好な無線オーディオ装置および無線オーディオシステムを提供する。
【解決手段】 本発明の無線オーディオ装置は、受信部を備える他の無線オーディオ装置へ音声データを含む無線信号を送信する送信部と、送信部を制御する制御部と、を備える無線オーディオ装置であって、送信部が、音声データおよび制御部からの制御データを無線信号に変調する変調部と、変調部における搬送波周波数を設定する変調設定部と、を備え、制御部が、一の設定搬送波周波数から異なる他の設定搬送波周波数に切換える切換時機を規定する情報と、他の設定搬送波周波数を規定する情報とを少なくとも含む切換制御データを生成し、切換制御データを送信部に与え、送信部が、切換制御データを含む無線信号を送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音声データを含む無線信号を送信する送信部を備える無線オーディオ装置、および、これらの無線信号を受信する受信部を備える無線オーディオ装置、ならびに、これらの無線オーディオ装置から構成される無線オーディオシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のオーディオ装置、および、これらから構成されるオーディオシステムにおいては、音声信号もしくは音声データは、多くの場合、ケーブル等のワイヤード(有線)接続により伝送される。一方で、ワイヤレス(無線)接続によるオーディオ装置では、赤外線によるものや、FM(周波数変調)、PSK(位相偏位変調)、等の変調を利用した無線信号によるものがあり、光ディスク再生装置等のソース側機器と、アンプを内蔵したスピーカー機器との間で利用される場合がある。
【0003】
近年では、5チャンネル以上の音声信号チャンネルを有するサラウンドシステムの普及に伴い、ソース側機器であるAVセンターと、室内に配置する5つ以上のスピーカーとの接続においてワイヤレス接続が利用されている。具体的には、AVセンターに無線送信部を設け、視聴者の横もしくは後方に配置されるアンプ内蔵サラウンドスピーカーに無線受信部を設けているものがある。スピーカーケーブルでの接続に比べて、煩わしいスピーカーケーブルが無いため、配置が比較的に自由になるなどの利点がある。ワイヤレス接続の方式には、代表的には、音声データを無線LAN(ローカルエリアネットワーク)で伝送するものがある(特許文献1)。
【0004】
【特許文献1】特開2001−359200号公報 (第1図)
【0005】
しかしながら、従来技術の無線オーディオ装置では、無線方式に特有の伝送障害に起因する音切れの問題を避けることができない。例えば、無線LAN等のデジタル伝送方式を利用する場合、法的な規制を含めて使用可能な周波数帯域が限定されているので、他の無線伝送機器(例えば、無線LAN接続のパーソナルコンピュータ等)と伝送チャンネルが重複した場合や、外乱となる無線信号が到来した場合には悪影響がでて、無線オーディオ装置では音声信号の再生が中断する、つまり音切れが生じる等の問題が生じる。音声信号の特性上、音切れは耳障りで好ましくなく、音切れしたとしてもその時間は短いほど好ましい。
【0006】
従来には、それぞれの無線方式に特有の伝送障害を避けるために、様々な対策がなされている。無線LAN等のデジタル伝送方式を利用する場合には、伝送データの伝送チャンネル、つまり、伝送データを無線信号に変調する搬送波の搬送波周波数を複数用意して、使用している伝送チャンネルの重複が発生した場合には、他の伝送チャンネルに切換えて問題解決を図ろうとするものがある。この場合、送信側機器で伝送チャンネルを別の伝送チャンネルに切換えると、受信側では検波が外れて音声データの伝送が中断してしまうので、受信側機器は、あらためて切換えられた伝送チャンネルを検波しなければならない。そのため、伝送チャンネルを順番に切換えて受信を確認し、音声データの伝送が再開されるまでの間は、音声信号の再生が中断してしまうという問題がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記の従来技術が有する問題を解決するためになされたものであり、その目的は、無線オーディオ装置および無線オーディオシステムに関し、無線方式に特有の伝送障害に起因する音切れの問題を最小とし、使用者にとって良好な無線オーディオ装置および無線オーディオシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の無線オーディオ装置は、受信部を備える他の無線オーディオ装置へ音声データを含む無線信号を送信する送信部と、送信部を制御する制御部と、を備える無線オーディオ装置であって、送信部が、音声データおよび制御部からの制御データを無線信号に変調する変調部と、変調部における搬送波周波数を設定する変調設定部と、を備え、制御部が、一の設定搬送波周波数から異なる他の設定搬送波周波数に切換える切換時機を規定する情報と、他の設定搬送波周波数を規定する情報とを少なくとも含む切換制御データを生成し、切換制御データを送信部に与え、送信部が、切換制御データを含む無線信号を送信する。
【0009】
好ましくは、本発明の無線オーディオ装置は、制御部が、切換制御データに基づく規定された切換時機に、送信部の変調設定部へ設定搬送波周波数を異なる他の設定搬送波周波数に切換える制御信号を与え、送信部の変調設定部が、設定搬送波周波数を異なる他の設定搬送波周波数に切換える。
【0010】
好ましくは、本発明の無線オーディオ装置は、制御部に接続する指示入力部を備え、制御部が、指示入力部からの信号を受けて切換制御データを生成し、切換制御データを送信部に与え、送信部が、切換制御データを含む無線信号を送信する。
【0011】
さらに好ましくは、本発明の無線オーディオ装置は、制御部に接続し、かつ、無線信号の強度を検知する無線信号強度検知部と、制御部に接続する表示部と、を備え、表示部が、制御部からの信号を受けて無線信号強度を表示する。
【0012】
さらに好ましくは、本発明の無線オーディオ装置は、制御部が、指示入力部からの信号を受けて、もしくは、無線信号強度検知部からの信号レベルが規定値よりも低くなると、切換制御データを生成し、切換制御データを送信部に与え、送信部が、切換制御データを含む無線信号を送信する。
【0013】
また、本発明の無線オーディオ装置は、上記の無線オーディオ装置から送信された無線信号を受信する受信部と、受信部を制御する受信制御部と、を備え、受信部が、無線信号を音声データおよび切換制御データに復調する復調部と、復調部における搬送波周波数を設定する復調設定部と、を備え、受信制御部が、切換制御データに基づく規定された切換時機に、受信部の復調設定部へ設定搬送波周波数を異なる他の設定搬送波周波数に切換える制御信号を与え、復調部の復調設定部が、設定搬送波周波数を異なる他の設定搬送波周波数に切換える。
【0014】
好ましくは、本発明の無線オーディオ装置は、受信部が、受信制御部に接続し、かつ、受信した無線信号の強度を検知する受信信号強度検知部と、受信制御部に接続する表示部と、を備え、表示部が、受信制御部からの信号を受けて受信信号強度を表示する。
【0015】
さらに好ましくは、本発明の無線オーディオ装置は、受信制御部に接続する送信部と、受信制御部に接続する指示入力部と、を備え、受信制御部が、指示入力部からの信号を受けて切換制御データを生成し、送信部が、切換制御データを含む無線信号を送信し、受信制御部が、切換制御データに基づく規定された切換時機に、復調設定部へ設定搬送波周波数を異なる他の設定搬送波周波数に切換える制御信号を与え、復調部の復調設定部が、設定搬送波周波数を異なる他の設定搬送波周波数に切換える。
【0016】
さらに好ましくは、本発明の無線オーディオ装置は、受信制御部が、指示入力部からの信号を受けて、もしくは、受信強度検知部からの信号レベルが規定値よりも低くなると、切換制御データを生成する。
【0017】
また、好ましくは、本発明の無線オーディオ装置は、上記の無線オーディオ装置から送信される切換制御データを含む無線信号を受ける受信部をさらに備え、受信部が、無線信号を切換制御データに復調し、切換制御データを接続する制御部に与え、制御部が、切換制御データを変調設定部に与える。
【0018】
好ましくは、本発明の無線オーディオ装置は、切換制御データに含まれる切換時機を規定する情報が、切換制御データが生成開始されてから設定搬送波周波数を切換えるまでの相対時間に等しい時間情報、もしくは、設定搬送波周波数を切換える絶対時間に等しい時間情報を含む。
【0019】
さらに好ましくは、本発明の無線オーディオ装置は、切換制御データに含まれる切換時機を規定する情報が、パケット通信におけるパケットの順番を示すパケットナンバーを含む。
【0020】
また、好ましくは、本発明の無線オーディオシステムは、上記の複数の無線オーディオ装置を含む。
【0021】
以下、本発明の作用について説明する。
【0022】
本発明の無線オーディオシステムは、いわば送信側の無線オーディオ装置と、いわば受信側の他の無線オーディオ装置とから構成される。これらの無線オーディオ装置は、音声データを含む無線信号を伝送し、伝送データを無線信号に変調する搬送波の搬送波周波数、つまり、データの伝送チャンネルを複数用意して、使用している伝送チャンネルの重複が発生した場合には、他の伝送チャンネルに切換える。この際に、本発明の無線オーディオ装置は、下記に説明する作用により、音切れの問題を最小にすることができる。
【0023】
送信側の無線オーディオ装置は、受信部を備える他の無線オーディオ装置へ音声データを含む無線信号を送信する送信部と、送信部を制御する制御部と、を備え、送信部は、音声データおよび制御部からの制御データを無線信号に変調する変調部と、変調部における搬送波周波数を設定する変調設定部と、を備える。変調設定部は、伝送チャンネルを意味する搬送波周波数を設定し、制御部にしたがって、伝送チャンネルを他の伝送チャンネルに切換える。
【0024】
また、受信側の無線オーディオ装置は、無線信号を受信する受信部と、受信部を制御する受信制御部と、を備え、受信部が、無線信号を音声データおよび切換制御データに復調する復調部と、伝送チャンネルを意味する復調部における搬送波周波数を設定する復調設定部とを備える。
【0025】
送信側の無線オーディオ装置の制御部は、一の設定搬送波周波数から異なる他の設定搬送波周波数に切換える切換時機を規定する情報と、他の設定搬送波周波数を規定する情報とを少なくとも含む切換制御データを生成し、切換制御データを送信部に与え、送信部が、切換制御データを含む無線信号を送信する。加えて、制御部が、切換制御データに基づく規定された切換時機に、送信部の変調設定部へ設定搬送波周波数を異なる他の設定搬送波周波数に切換える制御信号を与え、送信部の変調設定部が、設定搬送波周波数を異なる他の設定搬送波周波数に切換える。また、受信側の無線オーディオ装置の受信制御部が、切換制御データに基づく規定された切換時機に、受信部の復調設定部へ設定搬送波周波数を異なる他の設定搬送波周波数に切換える制御信号を与え、復調部の復調設定部が、設定搬送波周波数を異なる他の設定搬送波周波数に切換える。
【0026】
つまり、送信側の無線オーディオ装置の制御部は、伝送チャンネルを他の伝送チャンネルに切換える時機(タイミング、時期、時間)を表す切換時機を規定する情報と、切換える他の伝送チャンネルの情報を含む切換制御データを生成する。制御部は、切換制御データを送信部に与え、送信部は切換制御データを含む無線信号を送信し、さらに、制御部は、切換制御データに基づく規定された切換時機に、送信部の伝送チャンネルの設定を他の伝送チャンネルに切換える。したがって、送信された無線信号を受信した無線オーディオ装置では、受信制御部が、無線信号に含まれる切換制御データに基づいて規定された切換時機に伝送チャンネルを他の伝送チャンネルに切換えることができる。その結果、送信側と受信側の無線オーディオ装置の伝送チャンネルをほぼ同時に切換えることが出来るので、伝送チャンネルの変更に伴う音切れの問題を最小にすることができる。
【0027】
切換制御データに含まれる切換時機を規定する情報は、無線オーディオ装置の構成により様々な方法が採用され得るが、切換制御データが生成開始されてから設定搬送波周波数を切換えるまでの相対時間に等しい時間情報(例えば、0.1秒後に切換える場合)を含むものであればよい。もしくは、設定搬送波周波数を切換える絶対時間(例えば、指定する0時0分0秒に切換える場合)に等しい時間情報を含むものであってもよい。その結果、送信側と受信側の無線オーディオ装置の伝送チャンネルをほぼ同時に切換えることが出来る。
【0028】
また、切換制御データに含まれる切換時機を規定する情報は、パケット通信におけるパケットの順番を示すパケットナンバーを含むものであってもよい。つまり、切換えるパケット(切換対象パケット)を示すパケットナンバーを含むものであってもよい。送信側と受信側の無線オーディオ装置は、パケット通信におけるパケットナンバーを常に監視しているので、切換対象パケットであることを判別して、伝送チャンネルをほぼ同時に切換えることが出来る。
【0029】
好ましくは、本発明の無線オーディオ装置は、送信側の制御部に接続する指示入力部を備え、制御部が、指示入力部からの信号を受けて切換制御データを生成し、切換制御データを送信部に与え、送信部が、切換制御データを含む無線信号を送信する。したがって、伝送チャンネルの障害を音声信号の再生状況で検知した使用者が、使用者の意図により任意に送信側で伝送チャンネルの切換を行なうことが出来る。
【0030】
さらに好ましくは、本発明の無線オーディオ装置は、送信側の制御部に接続し、かつ、無線信号の強度を検知する無線信号強度検知部と、制御部からの信号を受けて無線信号強度を表示する表示部を備える。また、本発明の無線オーディオ装置は、受信部が、受信制御部に接続し、かつ、受信した無線信号の強度を検知する受信信号強度検知部と、受信制御部に接続する表示部と、を備え、表示部が、受信制御部からの信号を受けて受信信号強度を表示する。したがって、使用者が、送信側もしくは受信側の表示部に表される無線信号強度あるいは受信信号強度が不足しているかどうかの判断が容易になる。
【0031】
さらに好ましくは、本発明の無線オーディオ装置は、送信側の制御部が、指示入力部からの信号を受けて、もしくは、無線信号強度検知部からの信号レベルが規定値よりも低くなると、切換制御データを生成し、切換制御データを送信部に与え、送信部が、切換制御データを含む無線信号を送信する。また、本発明の無線オーディオ装置は、好ましくは、受信制御部が、指示入力部からの信号を受けて、もしくは、受信強度検知部からの信号レベルが規定値よりも低くなると、切換制御データを生成し、送信部が、切換制御データを含む無線信号を送信する。したがって、無線信号の伝送チャンネルに障害が生じた場合には、任意に若しくは自動的に伝送チャンネルの変更を行なえるので、伝送チャンネルの変更に伴う音切れの問題をさらに小さくすることができる。
【0032】
好ましくは、本発明の無線オーディオ装置は、受信制御部に接続する送信部と、受信制御部に接続する指示入力部と、を備え、受信制御部が、指示入力部からの信号を受けて切換制御データを生成し、送信部が、切換制御データを含む無線信号を送信する。したがって、使用者が、表示部に表される無線信号強度が不足していると判断した場合は、使用者の意図により任意に受信側で伝送チャンネルの切換を行なうことができる。
【0033】
また、好ましくは、本発明の無線オーディオ装置は、上記の無線オーディオ装置から送信される切換制御データを含む無線信号を受ける受信部をさらに備え、受信部が、無線信号を切換制御データに復調し、切換制御データを接続する制御部に与え、制御部が、切換制御データに基づいて切換制御データを生成し、切換制御データを変調設定部に与え、送信部が、切換制御データを含む無線信号を送信する。したがって、受信側の無線オーディオ装置から送信された切換制御データ、つまり、受信側の無線オーディオ装置から発せられた使用者によるもしくは自動的な伝送チャンネルの変更の指示を、送信側の無線オーディオ装置が受け取ることができ、伝送チャンネルの変更をより適切に行なうことができる。
【発明の効果】
【0034】
本発明の無線オーディオ装置および無線オーディオシステムは、無線方式に特有の伝送障害に起因する音切れの問題を最小とし、使用者にとって良好な無線オーディオ装置および無線オーディオシステムを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
本発明の無線オーディオ装置は、受信部を備える他の無線オーディオ装置へ音声データを含む無線信号を送信する送信部と、送信部を制御する制御部と、を備える無線オーディオ装置であって、送信部が、音声データおよび制御部からの制御データを無線信号に変調する変調部と、変調部における搬送波周波数を設定する変調設定部と、を備え、制御部が、一の設定搬送波周波数から異なる他の設定搬送波周波数に切換える切換時機を規定する情報と、他の設定搬送波周波数を規定する情報とを少なくとも含む切換制御データを生成し、切換制御データを送信部に与え、送信部が、切換制御データを含む無線信号を送信することにより、実現した。
【0036】
以下、本発明の好ましい実施形態による無線オーディオ装置および無線オーディオシステムについて説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。
【実施例1】
【0037】
図1は、本発明の好ましい実施形態による無線オーディオシステム1について説明する図である。無線オーディオシステム1は、AVセンター2と、スピーカー3L、3Cおよび3Rと、アンプ内蔵スピーカー4LSおよび4RSとを含み、AVセンター2と、スピーカー3L、3Cおよび3Rとはスピーカーケーブルにより有線接続され、AVセンター2と、アンプ内蔵スピーカー4LSおよび4RSとは無線信号によりワイヤレス接続されている。つまり、本実施例では、サラウンドチャンネルに対応するアンプ内蔵スピーカー4LSおよび4RSが、それぞれワイヤレス接続されているので、AVセンター2から遠く離れたリスナーの横方向もしくは後方に配置するときに、スピーカーケーブルの長さに支配されない利点がある。
【0038】
AVセンター2において、信号入力9には、DVD(デジタル多用途ディスク)再生機器等からマルチチャンネルサラウンド信号がエンコードされたデジタル音声信号が入力される。このデジタル音声信号は、デコーダー6で左チャンネル信号L、センターチャンネル信号C、右チャンネル信号R、左サラウンドチャンネル信号LSおよび右サラウンドチャンネル信号RSにデコードされる。デコードされた各チャンネルの信号は、サラウンド音場に配置される対応するそれぞれのスピーカーへ供給され、使用者にサラウンド音場を提供する。なお、AVセンター2は、メインマイコン5を備え、メインマイコン5は、AVセンター2ならびに無線オーディオシステム1全体の制御を担っている。
【0039】
具体的には、左チャンネル信号L、センターチャンネル信号Cまたは右チャンネル信号Rは、それぞれD/A変換器および増幅器を含む出力回路7L、7Cまたは7Rを経て、スピーカー3L、3Cまたは3Rへ供給される。また、左サラウンドチャンネル信号LSまたは右サラウンドチャンネル信号RSは、それぞれ送信回路10LSまたは10RSに供給される。送信回路10LSまたは10RSは、供給されたサラウンドチャンネル信号、つまりデジタル音声データを無線信号に変調して送信する。アンプ内蔵スピーカー4LSまたは4RSは、それぞれ受信回路20LSまたは20RSを備え、無線信号として受信された左サラウンドチャンネル信号LSまたは右サラウンドチャンネル信号RSは、D/A変換器および増幅器を含む出力回路7LSまたは7RSを経て、スピーカーユニット8LSまたは8RSへ供給される。
【0040】
図2は、本発明の好ましい実施形態による一つの音声チャンネル信号に対応する送信回路10と、受信回路20とについて説明する図である。送信回路10は、無線送信部11と、無線送信部11を制御するマイコン12と、使用者(ユーザー)の操作を検出する指示ボタン17とを備える。また、受信回路20は、無線受信部21と、無線受信部21を制御するマイコン22とを備える。具体的には、無線送信部11は、デジタル音声データをパケット通信信号に変換し、さらにこれを無線信号に変調して出力するパケット無線送信モジュールであり、無線受信部21は、無線信号を受信して復調するパケット無線受信モジュールである。つまり、デジタル音声データは、パケット無線送信モジュール11からパケット無線受信モジュール21へ伝送される。代表的には、無線信号の変調方式は、PSK(位相偏位変調)や、SS(スペクトル拡散)であり、変調する搬送波の周波数帯域は、2.4GHz帯や、5Hz帯が使用され、搬送波周波数が異なる複数の伝送チャンネルが設定される。例えば、法規制された2.4GHz帯では、許可された周波数帯域内のなかで搬送波周波数が選択される。なお、これらのモジュールは、送信および受信の機能を共に備えるパケット無線モジュールを、送信または受信の機能を選択して使用してもよい。また、ノイズ源40は、使用している伝送チャンネルの重複を発生させる原因である他の無線伝送機器(例えば、無線LAN接続のパーソナルコンピュータ等)や、外乱となる無線信号を表す。
【0041】
パケット無線送信モジュール11は、入力されるデジタル音声データをパケット信号に変換するパケット処理回路13と、パケット信号を無線信号に変調する変調回路15と、無線信号を出力するアンテナ16と、変調回路15における搬送波周波数を設定する変調設定回路14とを備え、マイコン12と接続する。さらに、マイコン12は、指示ボタン17が接続し、送信回路10を制御する。一方、パケット無線受信モジュール21は、無線信号を受信するアンテナ26と、無線信号を復調する復調回路25と、復調されたパケット信号をデジタル音声データに変換するパケット復号回路23と、復調回路25における搬送波周波数を設定する復調設定回路24とを備え、マイコン22と接続する。マイコン22には、さらに、受信した無線信号の強度を検知する受信信号強度検知回路29と受信信号強度を表示する表示回路28とが接続し、マイコン22は受信回路20を制御する。
【0042】
図3は、本発明の送信回路10と受信回路20との間でのパケット無線通信で伝送されるパケットデータを模式的に説明する図である。1つのパケットデータは、パケットヘッダと、制御データと、音声データとから構成される。パケットヘッダは、パケットの先頭を示し、パケットの順番を示すパケットナンバーを含む。音声データは、ある単位時間の音声再生に必要なデジタル音声データを含み、単位時間内に伝送される制御データと組み合わせて1つのパケットを構成する。ここで、制御データは、他のコントロール用データを含み、さらに、一の設定搬送波周波数から異なる他の設定搬送波周波数に切換える切換時機を規定する情報と、他の設定搬送波周波数を規定する情報とを少なくとも含む切換制御データを含んでいる。すなわち、制御データには、伝送チャンネルを他の伝送チャンネルに切換える時機(タイミング、時期、時間)を表す切換時機を規定する情報と、切換える他の伝送チャンネルの情報を含む切換制御データが含まれている。
【0043】
図4は、本実施例の送信回路10と受信回路20の動作を説明するフローチャートである。本実施例では、送信回路10から受信回路20へ音声データをパケット伝送する(パケット送出:S101、パケット受信:S201)。ノイズ源40等の影響により使用している伝送チャンネルの重複が発生して音切れ等の問題が発生する場合に、これを解決するためにユーザーが指示ボタン17を押すと、伝送チャンネル切換操作の指示を、送信回路10を制御するマイコン12が判別して(S102)、切換制御データを生成する。具体的には、チャンネルを切換えるパケットナンバーおよび他の伝送チャンネルを決定する(S103)。マイコン12は、切換制御データをパケット無線送信モジュール11に与え、パケット無線送信モジュール11は切換制御データを含む無線信号を送信する(S104)。一定回数繰り返して送信した後(S105)、さらに、マイコン12は、切換制御データに基づく規定された切換時機に、送信部の伝送チャンネルの設定を他の伝送チャンネルに切換える。具体的には、マイコン12は、通常のパケット送出処理を継続させた後(S106)、送出するパケットのパケットナンバーから切換えるパケット(切換対象パケット)であるかを判別し、切換対象パケットであれば伝送チャンネルを切換える指示を変調設定回路14に与える(S107)。
【0044】
一方で、受信回路20を制御するマイコン22は、常にパケットデータのパケットヘッダおよび制御データを監視している。パケット無線受信モジュール21が切換制御データを含むパケットを受信したら(S202)、マイコン22は、復調された制御データからの切換制御データに基づき、切換える切換対象パケットのパケットナンバーおよび切換える他の伝送チャンネルを決定する(S203)。そこで、パケットデータに含まれるパケットナンバーが切換対象パケットのパケットナンバーになるまでは通常の受信を継続し(S204)、次のパケットが切換対象パケットとなるパケットを受信すれば(S205)、そのパケットを処理した後に、決定された他の伝送チャンネルに切換える(S206)。具体的には、マイコン22は、他の伝送チャンネルに切換える指示を復調設定回路24に与え、復調回路25における搬送波周波数が、他の搬送波周波数へ切換えられる。
【0045】
したがって、本発明の送信回路10と受信回路20では、マイコン12およびマイコン22が、切換対象パケットのパケットナンバーで規定された切換時機に伝送チャンネルを他の伝送チャンネルに切換えることができる。その結果、送信回路10と受信回路20との間の伝送チャンネルをほぼ同時に切換えることが出来るので、伝送チャンネルの変更に伴う音切れの問題を最小にすることができる。
【0046】
受信回路20は、受信した無線信号の強度を検知する受信信号強度検知回路29と、マイコン22に接続する表示回路28とを備えるので、表示回路28が、マイコン22からの信号を受けて受信信号強度を表示する。ノイズ源40等の影響により音切れ等の問題が発生した場合に、ユーザーは、音声再生の状態を聴感で検知するだけでなく、表示回路28の受信信号強度を観察して、送信回路10の指示ボタン17を押してもよい。なお、送信回路10のマイコン12が判別(S102)する伝送チャンネルの切換えの指示は、ユーザーが送信回路10の指示ボタン17を押す場合のみに限られるものではない。他のリモコン回路などにより、AVセンター2を制御する(図示しない)メインマイコン5に伝送チャンネルを切換える指示を与えた場合に、メインマイコン5が送信回路10のマイコン12にあらためて伝送チャンネルを切換える指示を与えてもよい。
【0047】
本実施例では、音声信号データをパケットの構成として、伝送チャンネルを切換えるタイミングをパケット単位で規定したが、切換制御データに含まれる切換時機を規定する情報は、切換対象パケットのパケットナンバーのような送信回路10と受信回路20との間で規定される相対時間もしくは絶対時間の情報を含むものであればよい。また、マイコン12で切換制御データが生成開始されてから設定搬送波周波数を切換えるまでの相対時間に等しい時間情報として、例えば、0.1秒後に切換える場合に「0.1秒」というデータを含むものであってもよく、「1000パケット後」というデータを含むものであってもよい。この場合には、規定の切換時機に近づくに連れて、伝送される相対時間情報は減少していく。また、送信回路10と受信回路20との間の伝送がストリームの構成を取る場合には、伝送チャンネルを切換える絶対時間情報として、例えば、指定する0時0分0秒に切換える場合に、マイコン12がもつ内部時計が発信する時間情報に等しい時間情報を含むものであってもよい。受信回路20のマイコン22は、受信した切換制御データから上記の切換時機情報を取り出し、マイコン22がもつ内部時計と比較すればよい。
【0048】
マイコン12が、一の伝送チャンネルから切換える他の伝送チャンネルを決定する場合、伝送チャンネルの重複を防ぐために、搬送波周波数がもっとも離れた伝送チャンネルを優先的に選択する。また、本発明の送信回路10のひとつ、例えば、送信回路10LSが一の伝送チャンネルから他の伝送チャンネルに切換える場合、送信回路10LSのマイコン12は、AVセンター2の送信回路10RSで使用されている伝送チャンネルに重複しないように、メインマイコン5からの情報に基づき、他の伝送チャンネルを決定する。既知の使用されている他の伝送チャンネルが存在する場合には、同様に伝送チャンネルが重複しないようにする。
【0049】
さらに、本実施例では、送信回路10LSまたは10RSは、異なる伝送チャンネルをもつ、つまり異なる搬送波周波数を備える送信回路としたが、1つの送信回路で複数の左サラウンドチャンネル信号LSおよび右サラウンドチャンネル信号RSを送信してもよい。受信側のアンプ内臓スピーカーでそれぞれのマルチチャンネルサラウンド信号を分離して、アンプ内臓スピーカーが配置された位置でのサラウンド音場に対応するチャンネルのみを選択してもよい。
【0050】
さらに、本実施例では、本発明のワイヤレス接続をマルチチャンネルサラウンドにおけるサラウンドスピーカーに適用したが、サラウンドチャンネルのみに限定されるものではない。AVセンター2と他のAV機器とのワイヤレス接続によるマルチチャンネルサラウンド信号を含む音声信号の伝送に適用してもよい。
【実施例2】
【0051】
図5は、本発明の他の好ましい実施形態による送信回路10と、受信回路20とについて説明する図である。なお、図5において、図2で説明した実施例1と共通する部分の説明は、省略する。
【0052】
送信回路10は、パケット無線送信モジュール11と、パケット無線送信モジュール11を制御するマイコン12と、指示ボタン17とを備え、さらに、マイコン12に接続し、かつ、無線信号の強度を検知する無線信号強度検知回路19と、マイコン12に接続する表示回路18と、を備える。表示回路18は、マイコン12からの信号を受けて無線信号強度を表示する。また、マイコン12は、指示ボタン17からの信号および無線信号強度検知回路19からの信号を受けて、無線信号強度検知回路19からの信号レベルが規定値よりも低くなると切換制御データを生成し、切換制御データをパケット無線送信モジュール11に与え、パケット無線送信モジュール11が、切換制御データを含む無線信号を送信する。
【0053】
したがって、ノイズ源40等の影響により使用している伝送チャンネルの重複が発生し、音切れ等の問題が生じる場合に、ユーザーは、送信回路10が備わるいわば送信側の機器の表示回路18を見て、無線信号強度が不足しているかどうかの判断ができる。ユーザーが指示ボタン17を押すと、マイコン12が切換制御データを生成し、伝送チャンネルを切換えて音切れの問題を解決する。また、ユーザーからの指示に限らず、無線信号強度検知回路19からの信号レベルが規定値よりも低くなると、マイコン12が自動的に切換制御データを生成し、伝送チャンネルを切換えてもよい。
【実施例3】
【0054】
図5の本発明の他の好ましい実施形態による受信回路20は、パケット無線受信モジュール21と、パケット無線受信モジュール21を制御するマイコン22と、マイコン22に接続する指示ボタン27と、を備え、マイコン22には、さらに、受信した無線信号の強度を検知する受信信号強度検知回路29と受信信号強度を表示する表示回路28とが接続する。パケット無線受信モジュール21は、時分割で送信/受信機能を切換えてパケット無線送信モジュールとして機能する。一方、図5の送信回路10のパケット無線送信モジュール11も、送信/受信機能を切換えてパケット無線受信モジュールとして機能する。したがって、マイコン22が、指示ボタン27からの信号を受けて、もしくは、受信強度検知回路29からの信号レベルが規定値よりも低くなると、切換制御データを生成し、パケット無線受信モジュール21が、切換制御データを含む無線信号を送信する。パケット無線送信モジュール11が、無線信号を切換制御データに復調し、切換制御データを接続するマイコン12に与え、マイコン12が、切換制御データを変調設定回路14に与え、パケット無線送信モジュール11が、切換制御データを含む無線信号を送信する。
【0055】
したがって、ユーザーが、受信回路20の受信信号強度検知回路29で検知した表示回路28に表される受信信号強度が不足していると判断した場合は、ユーザーの意図により任意に受信側で伝送チャンネルの切換を行なうことができる。本実施例では、受信回路20が備わるサラウンドスピーカー等の機器の側で伝送チャンネルの切換を行なうことができるので、ユーザーは、受信強度の表示からと、再生される音声信号の状態からも、音切れの判断が容易になる利点がある。
【0056】
本実施例の受信回路20は、マイコン22が、受信信号強度が不足していると判断した場合には、自動的に受信側で伝送チャンネルの切換を指示することができる。図6は、本実施例の送信回路10と受信回路20で、受信回路20が自動的に伝送チャンネルの切換指示を与える場合の動作を説明するフローチャートである。本実施例では、送信回路10から受信回路20へ音声データをパケット伝送する(パケット送出:S111、パケット受信:S211)。ノイズ源40等の影響により使用している伝送チャンネルの重複が発生して音切れ等の問題が発生する場合に、マイコン22は、受信信号強度が基準値以下で(S212)、基準値以下の状態が一定時間持続している(S213)と判断したら、切換制御データを生成する。具体的には、チャンネルを切換えるパケットナンバーおよび他の伝送チャンネルを決定する(S214)。マイコン22は、切換制御データをパケット無線受信モジュール21に与え、パケット無線受信モジュール21は送信/受信機能を切換えて切換制御データを含む無線信号を送信する(S215)。マイコン22は、一定回数繰り返して送信した後(S216)、パケット無線受信モジュール21の送信/受信機能を再び切換えて通常のパケット受信処理を行う(S217)。
【0057】
一方で、送信回路10のパケット無線送信モジュール11が切換制御データを含むパケットを受信したら(S112)、マイコン12は、復調された切換制御データに基づき、切換える切換対象パケットのパケットナンバーおよび切換える他の伝送チャンネルを決定する。そして、送信するパケットのパケットナンバーが切換対象パケットのパケットナンバーになるまでは通常の送信を継続し(S113)、次のパケットが切換対象パケットとなるパケットであると判断した場合には(S114)、決定された他の伝送チャンネルに切換える(S115)。具体的には、マイコン12は、他の伝送チャンネルに切換える指示を、変調設定回路14に与え、変調回路15における搬送波周波数が、他の搬送波周波数へ切換えられる。
【0058】
受信回路20を制御するマイコン22は、常にパケットデータのパケットヘッダおよび制御データを監視し、切換制御データに基づく規定された切換時機に、受信回路20の伝送チャンネルの設定を他の伝送チャンネルに切換える。具体的には、マイコン22は、パケットデータに含まれるパケットナンバーが切換対象パケットのパケットナンバーになるまでは通常の受信を継続し(S217)、次のパケットが切換対象パケットとなるパケットを受信すれば(S218)、そのパケットを処理した後に、決定された他の伝送チャンネルに切換える(S219)。具体的には、マイコン22は、他の伝送チャンネルに切換える指示を、復調設定回路24に与え、復調回路25における搬送波周波数が、他の搬送波周波数へ切換えられる。
【0059】
なお、マイコン22は、受信信号強度が基準値以下(S212)であると判別したら、基準値以下の状態が一定時間持続している場合のみならず、基準値以下の状態を示した回数をカウントし、一定時間以内に規定回数以上となったと判断したら(S213)、切換制御データを生成する(S214)ようにしてもよい。もちろん、マイコン22が自動的に判別する場合に限らず、ユーザーが音切れ等の問題を検知して伝送チャンネルを切換えるために支持ボタン27を押したことをマイコン22は判別して、切換制御データを生成する(S214)ようにしてもよい。
【0060】
したがって、本発明の送信回路10と受信回路20では、送信側からもしくは受信側からの操作または自動判別により、切換対象パケットのパケットナンバーで規定された切換時機に伝送チャンネルを他の伝送チャンネルに切換えることができる。その結果、送信回路10と受信回路20との間の伝送チャンネルをほぼ同時に切換えることが出来る。伝送チャンネルの変更に伴う音切れの問題を最小にすることができ、ユーザーにとって利便性が高くなる。
【0061】
受信回路20のパケット無線受信モジュール21が送信する切換制御データは、チャンネルを切換えるパケットナンバーおよび決定された他の伝送チャンネルを含むものに限定されない。切換制御データは、少なくとも伝送チャンネルの切換を指示するステータスを含むものであればよく、切換えるパケットナンバーおよび他の伝送チャンネルは、切換制御データを含む無線信号を受信した送信回路10のマイコン12が決定してもよい。その場合は、マイコン12があらためて切換制御データを生成し、切換制御データを送信回路10のパケット無線送信モジュール11に与え、パケット無線送信モジュール11が、切換制御データを含む無線信号を送信すればよい。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明の無線オーディオ装置および無線オーディオシステムは、AVセンターと、アンプ内蔵スピーカーとの間に限られず、他の増幅器等のAV機器や電機電子機器等や、パーソナルコンピュータ同士の間にも適用が可能である。伝送される音声データは、音声に限らず映像データを伴うものであってもよく、特に無線伝送方式での映像・音声配信に適する。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の好ましい実施形態による無線オーディオシステムについて説明する図である。(実施例1)
【図2】本発明の好ましい実施形態による送信回路と、受信回路とについて説明する図である。(実施例1)
【図3】本発明の送信回路と受信回路との間でのパケット無線通信で伝送されるパケットデータを模式的に説明する図である。(実施例1)
【図4】本発明の送信回路と受信回路の動作を説明するフローチャートである。(実施例1)
【図5】本発明の他の好ましい実施形態による送信回路と、受信回路とについて説明する図である。(実施例2、実施例3)
【図6】本発明の送信回路と受信回路の動作を説明するフローチャートである。(実施例3)
【符号の説明】
【0064】
1 無線オーディオシステム
2 AVセンター
3 スピーカー
4 アンプ内蔵スピーカー
5 メインマイコン
6 デコーダー
7 出力回路
8 スピーカーユニット
9 信号入力
10 送信回路
11 無線送信部、パケット無線送信モジュール
12 マイコン
13 パケット処理回路
14 変調設定回路
15 変調回路
16 アンテナ
17 指示ボタン
18 表示回路
19 無線信号強度検知回路
20 受信回路
21 無線受信部、パケット無線受信モジュール
22 マイコン
23 パケット復号回路
24 復調設定回路
25 復調回路
26 アンテナ
27 指示ボタン
28 表示回路
29 受信信号強度検知回路
40 ノイズ源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信部を備える他の無線オーディオ装置へ音声データを含む無線信号を送信する送信部と、該送信部を制御する制御部と、を備える無線オーディオ装置であって、
該送信部が、音声データおよび該制御部からの制御データを無線信号に変調する変調部と、該変調部における搬送波周波数を設定する変調設定部と、を備え、
該制御部が、一の設定搬送波周波数から異なる他の設定搬送波周波数に切換える切換時機を規定する情報と、該他の設定搬送波周波数を規定する情報とを少なくとも含む切換制御データを生成し、該切換制御データを該送信部に与え、
該送信部が、該切換制御データを含む無線信号を送信する、
無線オーディオ装置。
【請求項2】
前記制御部が、前記切換制御データに基づく前記規定された切換時機に、前記送信部の変調設定部へ設定搬送波周波数を前記異なる他の設定搬送波周波数に切換える制御信号を与え、
該送信部の該変調設定部が、設定搬送波周波数を該異なる他の設定搬送波周波数に切換える、
請求項1に記載の無線オーディオ装置。
【請求項3】
前記制御部に接続する指示入力部を備え、
該制御部が、該指示入力部からの信号を受けて切換制御データを生成し、該切換制御データを前記送信部に与え、
該送信部が、該切換制御データを含む無線信号を送信する、
請求項1または2に記載の無線オーディオ装置。
【請求項4】
前記制御部に接続し、かつ、前記無線信号の強度を検知する無線信号強度検知部と、該制御部に接続する表示部と、を備え、
該表示部が、該制御部からの信号を受けて無線信号強度を表示する、請求項1から3のいずれかに記載の無線オーディオ装置。
【請求項5】
前記制御部が、前記指示入力部からの信号を受けて、もしくは、前記無線信号強度検知部からの信号レベルが規定値よりも低くなると、前記切換制御データを生成し、該切換制御データを前記送信部に与え、
該送信部が、該切換制御データを含む無線信号を送信する、
請求項1から4のいずれかに記載の無線オーディオ装置。
【請求項6】
無線オーディオ装置から送信された無線信号を受信する受信部と、該受信部を制御する受信制御部と、を備える無線オーディオ装置であって、
該受信部が、該無線信号を前記音声データおよび前記切換制御データに復調する復調部と、該復調部における搬送波周波数を設定する復調設定部と、を備え、
該受信制御部が、一の設定搬送波周波数から異なる他の設定搬送波周波数に切換える切換時機を規定する情報と、該他の設定搬送波周波数を規定する情報とを少なくとも含む切換制御データに基づく前記規定された切換時機に、前記受信部の復調設定部へ設定搬送波周波数を前記異なる他の設定搬送波周波数に切換える制御信号を与え、
該復調部の該復調設定部が、設定搬送波周波数を該異なる他の設定搬送波周波数に切換える、
無線オーディオ装置。
【請求項7】
前記受信部が、前記受信制御部に接続し、かつ、受信した前記無線信号の強度を検知する受信信号強度検知部と、該受信制御部に接続する表示部と、を備え、
該表示部が、該受信制御部からの信号を受けて受信信号強度を表示する、
請求項6に記載の無線オーディオ装置。
【請求項8】
前記受信制御部に接続する送信部と、前記受信制御部に接続する指示入力部と、を備え、
該受信制御部が、該指示入力部からの信号を受けて切換制御データを生成し、
該送信部が、該切換制御データを含む無線信号を送信し、
該受信制御部が、該切換制御データに基づく規定された切換時機に、前記復調設定部へ設定搬送波周波数を前記異なる他の設定搬送波周波数に切換える制御信号を与え、
該復調部の該復調設定部が、設定搬送波周波数を該異なる他の設定搬送波周波数に切換える、
請求項7に記載の無線オーディオ装置。
【請求項9】
前記受信制御部が、前記指示入力部からの信号を受けて、もしくは、前記受信強度検知部からの信号レベルが規定値よりも低くなると、前記切換制御データを生成する、
請求項8に記載の無線オーディオ装置。
【請求項10】
無線オーディオ装置から送信される前記切換制御データを含む無線信号を受ける受信部をさらに備える請求項1から5のいずれかに記載の前記無線オーディオ装置であって、
該受信部が、該無線信号を切換制御データに復調し、該切換制御データを接続する前記制御部に与え、
前記制御部が、該切換制御データを該変調設定部に与える、
無線オーディオ装置。
【請求項11】
前記切換制御データに含まれる前記切換時機を規定する情報が、該切換制御データが生成開始されてから設定搬送波周波数を切換えるまでの相対時間に等しい時間情報、もしくは、設定搬送波周波数を切換える絶対時間に等しい時間情報を含む、
請求項1から10のいずれかに記載の無線オーディオ装置。
【請求項12】
前記切換制御データに含まれる前記切換時機を規定する情報が、パケット通信におけるパケットの順番を示すパケットナンバーを含む、
請求項1から10のいずれかに記載の無線オーディオ装置。
【請求項13】
複数の請求項1から12のいずれかに記載の前記無線オーディオ装置を含む、
無線オーディオシステム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−74374(P2006−74374A)
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−254459(P2004−254459)
【出願日】平成16年9月1日(2004.9.1)
【出願人】(000000273)オンキヨー株式会社 (502)
【Fターム(参考)】