説明

無線システム、中継端末、車両および位置推定機

【課題】伝搬環境の劣化が生じているときに、位置測定精度を向上させる。
【解決手段】本発明の一態様としての無線システムは、送信端末、第1中継端末、測定端末、および位置推定機を備える。前記送信端末は、第1信号を送信する。前記第1中継端末は、前記第1信号を受信して第1受信電力値を計算し、前記第1受信電力値を含む第2信号を送信する。前記測定端末は、前記第1信号を受信して第2受信電力値を計算し、前記第2信号を受信して第3受信電力値を計算し、前記第2信号を復調して前記第1受信電力値を抽出する。前記位置推定機は、前記第1受信電力値、前記第2受信電力値、前記第3受信電力値と、前記測定端末の位置とに基づき、前記送信端末の位置を推定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明の実施形態は、無線システム、中継端末、車両および位置推定機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、無線による位置推定方式が知られている。この方式では、まず送信機が信号を送信し、この送信電力と、受信機が受信した際の受信電力値(RSSI:Received Signal Strength Indicator)との差から伝搬損を求め、さらに伝搬損を距離に換算することで、送受信機間の距離を測定する。そして、複数の受信機で送信信号を受信して距離を求め、各受信機から求めた距離を半径とする円を描き、各円の交点を、送信機の位置とする。
【0003】
しかしながら、この方法だと、装置間に障害物があって電波が遮られるシャドウイングや、装置周辺の物体で反射した信号が混じって信号電力が変動するフェージングより、RSSIや遅延時間を正しく測定できないことがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009-76958号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように従来の無線位置推定システムでは、障害物によるシャドウイングが生じると、正しい伝搬損が測定できなくなるという問題があった。
【0006】
そこでこの発明の一側面は、シャドウイング等の伝搬環境の劣化が生じているときに、位置測定精度を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様としての無線システムは、送信端末、第1中継端末、測定端末、および位置推定機を備える。
【0008】
前記送信端末は、第1信号を送信する。
【0009】
前記第1中継端末は、前記第1信号を受信して第1受信電力値を計算し、前記第1受信電力値を含む第2信号を送信する。
【0010】
前記測定端末は、前記第1信号を受信して第2受信電力値を計算し、前記第2信号を受信して第3受信電力値を計算し、前記第2信号を復調して前記第1受信電力値を抽出する。
【0011】
前記位置推定機は、前記第1受信電力値、前記第2受信電力値、前記第3受信電力値と、前記測定端末の位置とに基づき、前記送信端末の位置を推定する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】第1実施の形態におけるシステム構成を示す図である。
【図2】中継端末が存在しないシステム構成例を示す図である。
【図3】受信電力を用いた位置推定の原理について説明するための図である。
【図4】図1のシステムの動作を説明する図である。
【図5】図4に続いて、動作を説明する図である。
【図6】図5に続いて、動作を説明する図である。
【図7】第1実施の形態における送信端末の構成を示す図である。
【図8】第1実施の形態における中継端末の構成を示す図である。
【図9】受信電力報告メッセージの内容を示す図である。
【図10】第1実施の形態における測定端末および位置計算機の構成を示す図である。
【図11】第1実施の形態における送信端末の動作の示すフローチャートである。
【図12】第1実施の形態における中継端末の動作を示すフローチャートである。
【図13】第1実施の形態における測定端末の処理を示すフローチャートである。
【図14】位置計算機処理の詳細を示すフローチャートである。
【図15】第2実施の形態におけるシステム構成を示す図である。
【図16】新たな受信電力報告メッセージの構成を示す図である。
【図17】第2実施の形態における中継端末の構成を示す図である。
【図18】第3実施の形態におけるシステムを示す図である。
【図19】位置計算機における具体的な学習アルゴリズムを示す図である。
【図20】第3実施の形態における位置計算機の構成を示す図である。
【図21】第3実施の形態における位置計算機の動作を示すフローチャートである。
【図22】第1から第3実施の形態を列車無線システムに応用した例を示す図である。
【図23】列車の前後に、送信端末及び中継端末の機能を備えた無線機を搭載した例を示す図である。
【図24】第4実施の形態における位置推定機の構成を示す図である。
【図25】第5実施の形態のシステム構成を示す図である。
【図26】位置計算機が無線通信機能を有し、GPSを搭載した車両の無線機が測定端末として動作する例を示す図である。
【図27】GPSなどの位置検出手段を備えた測定端末の構成の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0014】
(第1の実施の形態)
図1は、本実施の形態におけるシステム構成を示す図である。
【0015】
このシステムは、送信端末(測定対象端末)101、中継端末(第1中継端末)201、複数の測定端末1、2、3、そして位置計算機401からなる。
【0016】
複数の測定端末1、2、3、および位置計算機401は、位置推定システム402を形成する。
【0017】
送信端末101から測定端末1〜3までの間には、障害物301が位置する。
【0018】
また送信端末101から中継端末201、そして中継端末201から測定端末1〜3の間には、障害物が存在しない。
【0019】
図2は、図1の構成との比較のため、中継端末が存在しないシステム構成例を示す。この例では、送信端末101aから、測定端末1a、2a、3aまでの間にある障害物301aにより、送信端末101aから送信された信号は、シャドウイングと呼ばれる減衰を生じる。このため送信端末101aからの信号の受信電力が、測定端末1a〜3aで低く測定される。この結果、位置計算機401aでは、伝搬距離が大きいため大きな減衰が生じたものと誤判断され、送信端末101aが遠くに位置すると誤認識してしまう。従って、このシステムでは、正しい位置推定ができない。
【0020】
ここで図3を用いて、受信電力を用いた位置推定の原理について説明する。事例として、測定端末1〜3が送信端末101から受信した信号のRSSI(RSSI1、RSSI2、RSSI3)に基づき、送信端末101の位置を推定する例を示す。送信端末101の送信電力は既知であるとする(以下同様)。
【0021】
位置が既知な測定端末1〜3で、まず受信電力RSSI1〜RSSI3を求め、これらをそれぞれ距離に換算する。RSSIと距離の関係は例えば次の式で与えられる。
【0022】
RSSI=β-αlog距離
そして三角測量の原理を利用して位置を推定する。測定端末1〜3から求めた距離だけ離れた円をそれぞれ描き、各円の交点が、送信端末101の位置となる。ただし複数の測定端末1〜3で測定した距離を利用すると、図示のように、交点が1点とならずに複数の交点を生じることがある(図示の例では3つの交点I1,I2、I3)。
【0023】
そこでそれぞれが求めた距離に意図的に調整を加え、1点で交わるようにする。例えばそれぞれの調整量の二乗の和が最小になるよう調整すれば、最小二乗誤差基準による位置推定となり、このような位置の推定には最急降下法などを用いることができる。つまり、3つの距離d1、d2、d3との差の二乗和が最小になる位置を求める。これにより送信端末の位置を、1点(図示の点I4)に特定する。
【0024】
なお円の交点は、演算途中の中間値に相当し、実際の計算に当たっては、各測定端末の位置情報と、RSSI情報とから直接に、送信端末の位置を求める計算式を利用することが可能である。この場合、円の交点を求める演算は必要ない。
【0025】
図4〜図6を用いて、図1のシステムの動作を説明する。
【0026】
図4は、図1のシステムの最初の動作を示す図である。最初のステップでは送信端末101が信号を送信する。送信端末101から送信する信号を、送信端末信号(第1信号)と称する。送信端末信号は、中継端末201及び3台ある各測定端末1〜3より受信されるものとする。ここで測定端末1〜3が測定したRSSIをそれぞれ、RSSI[1]-1、RSSI[1]-2、及びRSSI[1]-3とする。また、中継端末201が受信して計測したRSSIを、RSSI[2]とする。
【0027】
中継端末201が測定したRSSI[2]は、第1受信電力値に対応する。測定端末1〜3が測定したRSSI[1]-1、RSSI[1]-2、及びRSSI[1]-3は、第2受信電力値に対応する。
【0028】
図5は、図1のシステムの次の動作を示す図である。中継端末201は自ら受信して測定したRSSI[2]を含む信号を、測定端末1〜3に対して送信する。中継端末201が送信する信号を、中継端末信号(第2信号)と称する。
【0029】
この中継端末信号を各測定端末1〜3が、受信および復調してRSSI[2](第1受信電力値)の情報をそれぞれ得る。
【0030】
さらに各測定端末1〜3は、当該中継端末信号のRSSIを測定する。各測定端末1〜3が測定したRSSIをそれぞれ、RSSI[3]-1、RSSI[3]-2、RSSI[3]-3とする。RSSI[3]-1、RSSI[3]-2、RSSI[3]-3は、第3受信電力値に対応する。
【0031】
そして位置計算機401は、RSSI[3]-1、RSSI[3]-2、RSSI[3]-3(第3受信電力値)を用いて、中継端末の位置を特定する。具体的な特定方法は、図3と同様の方法を用いればよい。たとえば、測定端末1〜3毎に描いた円の交点を計算し、あるいは交点が一つとならない場合は距離差の二乗和が最小になるような位置を計算し、その位置を、中継端末201の位置に決定する。中継端末201から測定端末1〜3の間には障害物がないものと仮定しているので、シャドウイングが生じない。このため、比較的正確に、中継端末201の位置を、推定することが可能である。
【0032】
図6は、図1のシステムの最後の動作を示す図である。ここまでの動作により、中継端末201の位置と、中継端末201で測定したRSSIであるRSSI[2](第1受信電力値)と、各測定端末で測定したRSSIであるRSSI[3]-1、RSSI[3]-2、RSSI[3]-3(第2受信電力値)が得られている。また測定端末1〜3の位置は既知であるものとする。
【0033】
これらの4つの装置(中継端末と、3つの測定端末)の位置情報と、RSSI情報から、位置計算機401が、送信端末101の位置を推定する。具体的な推定方法は図3と同様の方法を用いることができる。中継端末の位置と、中継端末が送信端末から受信した信号のRSSIとから描かれる円、ならびに、各測定端末101の位置と各測定端末101が送信端末か受信した信号とから描かれる各円を求め、これらの円の交点、もしくは距離差の二乗和が最小になる位置を、送信端末の位置に決定する。
【0034】
なお実際の計算に当たっては、4つの装置(中継端末と、3つの測定端末)の位置情報と、RSSI情報とから直接に、送信端末の位置を求めてもよい。すなわち、円の交点の計算は行わなくても良いし、また、中継端末の位置を求めることなく、送信端末の位置を直接計算してもよい(つまり中継端末の位置は中間値として求めることなく、送信端末の位置を直接計算する式を用いる)。
【0035】
図2に示したシステム構成では、障害物の影響により送信端末が遠くに見えてしまうという欠点があった。これに対して、本実施の形態では、中継端末201を用いることで、測定の場所数が増えることで誤差が平均化され、さらにシャドウイングの影響を受けない可能性のある中継端末201を利用することで、送信端末101の位置測定精度を向上させることができる。
【0036】
図7は本実施の形態における送信端末101の構成を示す図である。
【0037】
送信端末101は、送信制御部111、送信部112、及び送信アンテナ113からなる。送信制御部111は例えば、一定の周期ごとに信号の送信を、送信部112へ指示する。送信部112は送信信号を生成し、送信端末信号として送信アンテナ113から送信する。
【0038】
図8は中継端末201の構成を示す図である。
【0039】
中継端末201は、中継受信アンテナ211、中継受信電力測定部212、中継制御部213、中継送信部214、および、中継送信アンテナ215から成るものとする。
【0040】
中継受信アンテナ201は、送信端末101からの送信端末信号を受信し、中継受信電力測定部212へと信号を送る。中継受信電力測定部212では、受信した信号のRSSIを測定し、中継制御部213へと送る。中継制御部213は、中継受信電力測定部212から受けとったRSSIに基づき、受信電力報告メッセージを作成する。そして受信電力報告メッセージは中継送信部214へと送られ、中継送信部214は中継端末信号として中継送信アンテナ215から送信する。
【0041】
図9に受信電力報告メッセージの内容を示す。
【0042】
受信電力報告メッセージは、受信したRSSIの情報を報告するメッセージであり、3つのフィールドから成る。最初のフィールドは無線送信部アドレスであり、受信した信号の送信元を表すアドレスが入る。また2つ目のフィールドは受信電力測定部アドレスであり、信号を受信してRSSIを測定した装置のアドレスが入る。そして3つ目は受信電力値のフィールドである。
【0043】
中継端末201が送信端末信号を受信した際には、最初の無線送信部アドレスフィールドには、送信端末のアドレスが入る。また2つ目の受信電力測定部アドレスフィールドには、中継端末201のアドレスが入る。そして受信電力値フィールドには測定したRSSIが入る。
【0044】
受信電力報告メッセージは、前述の通り、中継端末201から送信されて測定端末1〜3により受信されるほか、後述するように測定端末が送信端末101や中継端末201からの信号を受信した場合にも作成される。
【0045】
図10は、測定端末1〜3および位置計算機401の構成を示す。
【0046】
測定端末1から測定端末3は同様の構成であり、測定端末受信アンテナ11、21、31、受信部12,22、32、受信電力測定部13,23、33からなる。
【0047】
測定端末受信アンテナ11〜31は、中継端末201および送信端末101から送信された無線信号を受信し、受信部12〜32および受信電力測定部13〜33へと送る。
【0048】
受信部12〜32は、受信した信号が中継端末信号であった場合に、受信した信号を復調し、受信電力報告メッセージを得る。得られた受信電力報告メッセージは、位置計算機401へと送られる。
【0049】
受信電力測定部13〜33は、受信した信号が送信端末信号であった場合と中継端末信号だった場合の両方とも、RSSIを測定する。そして信号の送信元のアドレスを特定し、受信電力報告メッセージを作成して、位置計算機401へと送る。
【0050】
位置計算機401は、位置推定部411および推定制御部412からなる。位置推定部411は、測定端末1〜3から送られた複数の受信電力報告メッセージ基づき、送信端末の位置を推定する。また推定制御部412は、必要な受信電力メッセージが集まったかどうかなどの監視を行い、位置推定行うべきか、またはしばらく待つべきかの判断行い、位置推定部411に指示を送る。
【0051】
図11は、送信端末101の動作の示すフローチャートである。
【0052】
送信端末101は送信端末処理が開始されると、送信端末信号を送信し(S101)、これにより送信端末処理を終了する。
【0053】
図12は、中継端末201の動作を示すフローチャートである。
【0054】
中継端末処理が開始されると、まず送信端末信号を受信するまで待つ(S201)。
【0055】
送信端末信号を受信したら、まず送信端末信号を送信した送信端末の送信部アドレスを、受信した信号を復調することより特定する(S202)。そして当該信号のRSSIを測定する(S203)。ここまでの処理は、図8に示した中継受信電力測定部212において行われる。
【0056】
続いて中継制御部213において受信電力報告メッセージが作成される(S204)。
【0057】
最後に中継送信部214により中継送信アンテナ215を経て、受信電力報告メッセージを含む中継端末信号が、送信される(S205)。以上により、中継端末処理が終了する。
【0058】
図13は、測定端末1〜3の処理を示すフローチャートである。
【0059】
測定端末処理が開始されると、送信端末信号の受信を待つ処理(S301)と、中継端末信号の受信を待つ処理(S311)の双方が動作を開始する。
【0060】
送信端末信号を受信した場合は、続いて送信端末信号を送信した送信端末の送信部アドレスを特定する(S302)。そして送信端末信号のRSSIを測定する(S303)。そして受信電力報告メッセージを作成し(S304)、位置計算機へ送る(S305)。以上の処理は、図10における受信電力測定部13,23、33で行われる。
この処理は、すべての送信端末の送信端末信号を受信するまで、もしくは送信端末の位置を推定するのに十分な数の送信端末信号を受信するまで、繰り返される(S306)。通常は送信端末が1台なので、送信端末信号を1回受信したら終了となる。また最初に測定端末が送信端末信号を受信したタイミングや、測定端末が予め定めたタイミングを基準とし、この基準タイミングから一定時間経った場合に、タイムアウトとみなして処理を終了するものとしてもよい(S306)。
【0061】
中継端末信号を受信した場合は、まず中継端末信号を送信した中継端末の送信部アドレスを特定し(S312)、中継端末信号のRSSIを測定する(S313)。そして受信電力報告メッセージを作成し、位置計算機へと通知する(S314、S315)。ここまでの処理は受信電力測定部13、23、33において行われる。
【0062】
さらに受信部12、22、32において中継端末信号を復調し(S316)、中継端末から送られたRSSI(中継端末が送信端末から受信した信号のRSSI)に関する受信電力報告メッセージを抽出する(S317)。そしてこのメッセージを位置計算機へと通知する(S318)。
【0063】
以上の中継端末信号に関する処理は、すべての中継端末の中継端末信号を受信するまで、もしくは中継端末の位置を推定するのに十分な数の中継端末信号を受信するまで繰り返される(S319)。前者の場合は中継端末数を規定数とし、後者の場合は中継端末の位置を推定するのに十分な数を規定数と定義し、受信した中継端末信号の数が規定数以上となったら処理を終了するものとする。また最初の中継端末信号を受信したタイミングや、測定端末が予め定めたタイミングを基準とし、この基準タイミングから一定時間経った場合に処理を終了するものとしてもよい(S319)。
【0064】
以上により、測定端末処理は終了する。
【0065】
図14は位置計算機処理の詳細を示すフローチャートである。
【0066】
位置計算機処理を開始したらまず、全受信電力報告メッセージを受信する(S401)。そして中継端末の位置を推定し(S402)、さらに送信端末の位置を推定して(S403)、位置計算機処理は終了する。
【0067】
以上のように、本実施の形態によれば、中継端末を用いることで、受信電力の測定点を増やし、誤差を平均化することで、送信端末の位置の測定精度を向上させることができる。具体的に、精度の高い可能性がある中継端末の位置を先に求め、その情報を使って、送信端末の位置を求めることにより、測定精度を高めることができる。
【0068】
(第2の実施の形態)
図15は、第2の実施の形態におけるシステム構成を示す図である。
【0069】
第2の実施の形態では、第1の実施の形態の送信端末が中継端末(第2中継端末)202に変わり、さらに中継端末201、202へ信号が届く範囲に、新たな送信端末131が位置する構成である。図1と同等の要素には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
【0070】
本システム構成においては、中継端末202は、送信端末131の送信信号(第1信号)を受信してRSSI[4]-2(第4受信電力値)を測定する。中継端末202は、受信電力報告メッセージを含む中継端末信号(第3信号)を送信する。この受信電力報告メッセージは、中継端末201や、測定端末1〜3により受信される。
【0071】
測定端末1〜3は、このメッセージの信号を受信してRSSIを測定し、それぞれRSSI[1]-1、[1]-2、[1]-3とする。RSSI[1]-1、[1]-2、[1]-3は、第6受信電力値に対応する。また当該信号を復調して、RSSI[4]-2(第4受信電力値)を抽出する。
【0072】
中継端末201は、送信端末131の送信信号(第1信号)を受信してRSSI[4]-1(第1受信電力値)を測定し、受信電力報告メッセージを送信する。ただし中継端末201は、中継端末202から送信された中継端末信号(第3信号)も受信して、RSSI[2](第5受信電力値)を測定する。さらに当該中継端末信号に載せて送られたRSSI[4]-2(第4受信電力値)の復調も行う。
【0073】
中継端末201は、RSSI[4]-2(第4受信電力値)、RSSI[2](第5受信電力値)、そしてRSSI[4]-1(第1受信電力値)を含む新たな受信電力報告メッセージを作成し、作成したメッセージを中継端末信号(第2信号)に載せて、送信する。
この中継端末信号は、測定端末1〜3により受信される。この新たな受信電力報告メッセージの構成を図16に示す。ここではRSSI[4]-2、RSSI[2]、そしてRSSI[4]-1を1つのフレームに含めて送信したが、別々のフレームに分けて送信してもよい。
【0074】
RSSI[4]-2(第4受信電力値)は、中継端末202および中継端末201のそれぞれから、測定端末1〜3に通知されたが、測定端末1〜3ではいずれか一方から取得したものを用いればよい。RSSI[4]-2(第4受信電力値)の測定端末への通知は、中継端末202からのみ行い、中継端末201から送信する信号に、RSSI[4]-2(第4受信電力値)を含めないことも可能である。
【0075】
位置計算機401は、まず、測定端末1〜3の位置と、RSSI[3]-1、[3]-2、[3]-3を用いて、中継端末201の位置を推定する。
【0076】
続いて推定した中継端末の位置と、測定端末1〜3の位置、及びRSSI[2]とRSSI[1]-1、[1]-2、[1]-3を用いて、中継端末202の位置を推定する。最後に推定した中継端末201と中継端末202の位置、及びRSSI[4]-1とRSSI[4]-2を用いて、送信端末131の位置を推定する。
【0077】
図17は第2の実施の形態における中継端末201、202の構成を示す図である。
【0078】
第2の実施の形態における中継端末は、図8に示した第1の実施の形態における中継端末に比べ、中継受信部216が加わっている。
【0079】
中継端末は、送信端末131から送信された送信端末信号を受信した場合には、第1の実施の形態と同様に動作し、受信電力報告メッセージを作成する。
【0080】
また他の中継端末から送信された中継端末信号を受信した場合は、中継受信電力測定部212でRSSIを測定し、送信端末信号の受信時と同様に受信電力報告メッセージを作成する。さらに中継端末信号を中継受信部216で復調し、含まれる受信電力報告メッセージを取り出す。
【0081】
以上の処理により作成された、あるいは取り出された合計3つの受信電力報告メッセージは連結され、中継送信部214及び中継送信アンテナ215により新たな中継端末信号として送信される。
【0082】
(第3の実施の形態)
図18は第3実施の形態におけるシステムを示す図である。本実施の形態に係るシステムは、第1の実施の形態又は第2の実施の形態の最後の動作(図6に示した動作)の後に学習動作を行うことを特徴とする。この学習動作により、中継端末が消失した後であっても、精度良く送信端末位置を推定することを可能とする。この動作は、位置計算機において行われる。図1と同一名称の要素には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
【0083】
本実施の形態は、中継端末から転送された送信端末信号のRSSIを利用して求めた精度の良い送信端末の位置を教師信号とし、位置推定アルゴリズムによる学習を行うことで、RSSI[3]-1、[3]-2、[3]-3が持つ受信電力の歪みを補正するというものである。
【0084】
図19に位置計算機401における具体的な学習アルゴリズムを示す。
【0085】
位置計算機の学習手段としては、従来知られているRLS(Recursive least square)やLMS(Least mean squares)といった適応フィルタを用いることが可能なほか、学習アルゴリズムとして知られるニューラルネットワークやサポートベクタマシンを利用することもできる。この学習アルゴリズムの入力は、測定端末1〜3により測定した送信端末信号のRSSIであり、中継端末により測定されたRSSIは、入力されない。学習アルゴリズムの出力は、推定した送信端末の位置である。
【0086】
学習アルゴリズムは、学習の際には、中継端末が測定したRSSIを用いて推定した精度の良い送信端末位置を、教師情報として用い、アルゴリズムの動作パラメータを更新する。RLSやLMSであれば教師情報に変わり、アルゴリズムが出力した送信端末の推定位置と、教師信号として与えられた精度良い送信端末の推定位置との差が、誤差情報としてアルゴリズムに与えられる。
【0087】
中継端末が消失した後は、精度良い送信端末位置は教師信号として与えられないが、学習を通じて動作パラメータが更新されたことにより、測定端末が測定したRSSIのみと、上記アルゴリズムとから、送信端末位置を精度良く推定できる。
【0088】
図20に本実施の形態における位置計算機の構成を示す。
【0089】
測定端末から入力される受信電力測定メッセージは、第1位置推定部421および第2位置推定部422へ入力される。ここで測定端末から入力される受信電力報告メッセージは、測定端末自身が測定したRSSIに関する受信電力報告メッセージのほか、中継端末から受信した受信電力報告メッセージも含まれているものとする。
【0090】
第1位置推定部421は、中継端末からの受信電力報告メッセージを利用可能な場合には、第1の実施の形態と同様の方法で精度良く、送信端末位置を推定する。中継端末からの受信電力報告メッセージが利用できなければ、第1位置推定部421は何も出力しない。
【0091】
第2位置推定部422は、測定端末が測定したRSSIに基づく受信電力報告メッセージのみ用いる。第1位置推定部421から送信端末位置が得られる場合には、それをそのまま出力すると共に、図19を用いて説明した方法により、パラメータ学習を行う。第1位置推定部421からの出力が無い場合は、学習したパラメータを用いて、測定端末が測定したRSSIに基づき、送信端末位置を推定して、出力する。
【0092】
図21は本実施の形態における位置計算機の動作を示すフローチャートである。
【0093】
位置計算機処理が開始されたら、まず全ての受信電力報告メッセージを受信する(S411)。受信電力報告メッセージの中に、中継端末からのメッセージが含まれるかを検査し(S412)、含まれる場合には、第1の実施の形態の動作原理に基づき、第1位置推定部421において中継端末の位置を推定し(S413)、さらに送信端末の位置を推定する(S414)。そして第1位置推定部412が推定した送信端末の位置を利用して、第2位置推定部413は学習を行う(S415)。受信電力報告メッセージの中に中継端末からのメッセージが含まれない場合には、第2位置推定部422が、測定端末が測定した送信端末信号のRSSIに基づき、学習したパラメータに従って、送信端末の位置を推定する(S416)。
【0094】
以上のように、本実施形態によれば、中継端末が利用できなくなっても、学習により更新したモデルを用いることで、高精度な推定が維持されるようになる。
【0095】
(第4の実施の形態)
第4の実施の形態は、列車等の移動体の位置測定に関する。軌道上を走行する列車の位置を測定する手段としては、例えば沿線にトランスポンダと呼ばれる位置検知装置を配置し、列車がこの上を列車が通過した際に検出することで、位置を把握する方法が知られている。さらに車輪の回転数や速度の積分値などから求めた移動距離と併用することで、任意の位置検出を可能とすることができる。ただし、車輪の回転数や速度の積分に拠る方法に関しては、故障などにより利用不能となる場合があり得る。そこで代替手段として、無線による位置検出を考える。
【0096】
図22は、第1から第3の実施の形態を列車無線システムに応用した例を示す。
【0097】
列車には送信端末と中継端末の双方の機能を兼ね備えた無線機501、502が搭載されており、沿線には測定端末の機能を備えた無線機1、2、3が設置されているものとする。また沿線の無線機1〜3は1台のサーバ601と接続されており、サーバは位置計算機としての機能を備えているものとする。
【0098】
例えばある列車は、第1の実施の形態と同様に無線機(たとえば無線機501)より送信端末信号を送信する。そしてこれを受信した沿線の無線機1〜3と、周辺列車の無線機502はそれぞれ、測定端末及び中継端末として動作し、第1の実施の形態と同様の原理で、サーバ601で、送信端末の位置、即ち列車の位置を特定する。
【0099】
図23は列車の前後に、送信端末及び中継端末の機能を備えた無線機を搭載した例を示す。
【0100】
ある列車の無線機501から送信された送信端末信号は、他の列車の前後にある無線機502、503により受信される。この受信した2台の無線機502、503は中継端末として動作し、測定端末1〜3へと受信電力報告メッセージを送信する。この後は、第1の実施の形態と同様にして、送信端末の位置、即ち列車の位置を推定する。
【0101】
ただしここで、列車の前後に搭載された2台の無線機502,503間の距離は、連結部の若干の伸張を除けばほぼ変化することは無く、列車1両あたりの長さと編成を構成する車両台数から既知であるとみなすことができる。
【0102】
従ってこれら無線機502、503が中継端末として動作する際には、位置計算機601において両者の距離差を列車長として与え、中継端末位置や送信端末位置の推定における拘束条件とすることで、位置推定の精度を向上させることができる。
【0103】
より詳細に原理を述べる。図23における中継端末502と中継端末503を、図1における送信端末101と中継端末201だとみなすと、これまでの実施の形態では両者の間の距離は、中継端末による距離測定(RSSI測定)を用いて、計測されてきた。
【0104】
しかし本実施の形態では、両者の距離は列車長で与えられ、誤差の少ないより正確な値を得ることができる。従って位置計算機601において、この正確な値を利用することで、位置推定の精度が向上する。
【0105】
図24は、本実施の形態における位置推定機601の構成を示す図である。
【0106】
位置推定機601は、位置推定部611、推定制御部612および列車長設定部613を備える。位置推定部611および推定制御部612は、図に示した位置推定部411および推定制御部412と同様であり、ここでは列車長設定部613が追加されている。列車長設定部613は、位置推定部611に対し、列車に搭載された中継端末の間隔、あるいはそれに準じる列車長を設定する。
【0107】
なお本実施の形態では列車に搭載されているのは双方とも中継端末としたが、一方が送信端末(測定対象端末)であってもよいし、双方が送信端末(測定対象端末)であってもよい。
【0108】
(第5の実施の形態)
図25は第5の実施の形態のシステム構成を示す図である。
【0109】
第5の実施の形態は、第1〜第3の実施の形態を、自動車の車間・路車間通信に適用した例である。近接する車両間は互いに無線接続されているものとし、また路側にも無線機1〜3が設置されており、車両と通信可能であるとする。また路側無線機1〜3の位置は既知であるとする。
【0110】
この場合、走行中の車両の1台が搭載する無線機701が、第1〜3の実施の形態の送信端末となり、この車両と通信可能かつ路側無線機1、2、3とも通信可能な車両の無線機702が中継端末となることで、送信端末に相当する無線機701を搭載した車両の位置を特定することができる。
【0111】
図26は、位置計算機が無線通信機能を有しており車両と通信可能な場合であり、さらに図25における路側の測定端末に代わり、GPSを搭載した車両の無線機が測定端末として動作する例を示す。
【0112】
測定端末1、2、3を備える車両は、GPS1b、2b、3bにより自分の位置を得ることができ、その位置情報を無線通信により位置計算機704へ予め通知し、受信した信号から作成した受信電力報告メッセージを無線で位置計算機704へと伝送することで、第1〜第3の実施の形態における測定端末と同様に動作することが可能である。
【0113】
以上の方法によれば、GPSを搭載していない、もしくは搭載していてもたまたまトンネル内や屋根の下にいるため位置が特定できない車両であっても、無線通信により位置を特定することが可能となる。つまり、GPSなどにより自ら正確に位置を知ることができる車両を測定端末とすることで、GPS非搭載車両や屋内に位置する車両の位置を推定することができる。
【0114】
図27に、GPSなどの位置検出手段を備えた測定端末の構成の例を示す。
【0115】
この測定端末の構成は、測定端末受信アンテナ41、受信部42、受信電力測定部43、位置検出部44、測定端末送信部45、及び測定端末送信アンテナ46を備える。図10に示した測定端末の構成に加え、位置検出部44、測定端末送信部45、及び測定端末送信アンテナ46が加わっており、測定端末受信アンテナ41、受信部42、受信電力測定部43は図10の同一名称の要素と同様の機能を有する。
【0116】
受信部42と受信電力測定部43の出力は、測定端末送信部45に送られ、測定端末送信アンテナ46を通じて、無線を用いて位置計算機704へと送られる。このとき、例えばGPSで構成される位置検出部44が検出した測定端末自身の位置も、測定端末送信部45へと送られ、測定端末送信部45と測定端末送信アンテナ46を通じて、無線を用いて位置計算機704へと送られる。位置計算機704は、測定端末1021、1022、1023が送信した無線信号を受信して情報を得ることで、先の実施の形態と同様に、送信端末701や中継端末702の位置を推定する。
【0117】
なお、本発明は上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施の形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信端末、第1中継端末、測定端末、および位置推定機を備えた無線システムであって、
前記送信端末は、第1信号を送信し、
前記第1中継端末は、前記第1信号を受信して第1受信電力値を計算し、前記第1受信電力値を含む第2信号を送信し、
前記測定端末は、前記第1信号を受信して第2受信電力値を計算し、前記第2信号を受信して第3受信電力値を計算し、前記第2信号を復調して前記第1受信電力値を抽出し、
前記位置推定機は、前記第1受信電力値、前記第2受信電力値、前記第3受信電力値と、前記測定端末の位置とに基づき、前記送信端末の位置を推定する
無線システム。
【請求項2】
前記位置推定機は、前記第3受信電力値を用いて前記第1中継端末の位置を推定し、
推定した第1中継端末の位置と、前記第1受信電力値と、前記第2受信電力値と、前記測定端末の位置とに基づき、前記送信端末の位置を推定する
ことを特徴とする請求項1に記載の無線システム。
【請求項3】
前記位置推定機は、
前記第2の受信電力から前記送信端末の位置を推定するモデルを学習する学習型位置推定部を備え、
前記学習型位置推定部は、
前記第2の受信電力と、推定した送信端末の位置とに基づいて、前記モデルのパラメータを更新し、
前記第2の受信電力と前記モデルとから、前記送信端末の位置を推定する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の無線システム。
【請求項4】
第2中継端末をさらに備え、
前記第2中継端末は、前記第1信号を受信して第4受信電力値を計算し、前記第4受信電力値を含む第3信号を送信し、
前記第1中継端末は、前記第3信号を受信して第5受信電力値を測定し、前記第5受信電力値をさらに含む前記第2信号を送信し、
前記測定端末は、前記第3信号を受信して第6受信電力値を計算し、前記第3信号を復調して前記第4受信電力値を抽出し、前記第2信号を受信して復調して、前記第5受信電力値を抽出し、
前記位置推定機は、前記第4受信電力値と、前記第5受信電力値と、前記第6受信電力値とをさらに用いて、前記送信端末の位置を推定する
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の無線システム。
【請求項5】
前記第1中継端末および前記第2中継端末は、所定の距離を開けて移動体上に搭載され、
前記位置推定機は、前記第1および第2中継端末間の前記所定の距離をさらに用いて、前記送信端末の位置を推定する
ことを特徴とする請求項4に記載の無線システム。
【請求項6】
前記第1中継端末は、前記第3信号を復調して、前記第4受信電力値を抽出し、送信する前記第2信号に、前記第4受信電力値を含め、
前記測定端末は、前記第2信号を復調して前記第4受信電力値を抽出する
ことを特徴とする請求項4または5に記載の無線システム。
【請求項7】
前記測定端末は、前記測定端末の位置を測定する位置測定手段を備え、
前記測定端末は、前記測定端末により取得した前記測定端末の位置を、前記位置推定機に通知する
ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一項に記載の無線システム。
【請求項8】
位置測定対象となる送信端末から送信される第1信号を受信する受信手段と、
受信した第1信号の受信電力値を測定する中継受信電力測定部と、
前記受信電力値を含む第2信号を、前記送信端末の位置測定を行う位置測定システムに送信する中継送信部と、
を備えた中継端末。
【請求項9】
中継受信部をさらに備え、
前記受信手段は、他の中継端末から、前記他の中継端末が測定した前記第1信号の受信電力値を含む第3信号を受信し、
前記中継受信電力測定部は、前記第3信号の受信電力値を測定し、
前記中継受信部は、前記第3信号を復調して前記他の中継端末により測定した受信電力値を抽出し、
前記中継送信部は、さらに、前記測定した前記第3信号の受信電力値と、抽出した受信電力値とを含む信号を、前記位置測定システムに送信する
ことを特徴とする請求項6に記載の中継端末。
【請求項10】
請求項8または9に記載の中継端末を搭載した車両。
【請求項11】
送信端末および中継端末のそれぞれと通信する測定端末を用いて、前記送信端末の位置推定を行う位置推定機であって、
前記送信端末が送信した信号の前記中継端末での第1受信電力値を前記測定端末を介して取得し、前記送信端末が送信した信号の前記測定端末での第2受信電力値を前記測定端末から取得し、前記中継端末が送信した信号の前記測定端末での第3受信電力値を取得する、推定制御部と、
前記第1受信電力値、前記第2受信電力値および前記第3受信電力値と、前記測定端末の位置とに基づき、前記送信端末の位置を推定する位置推定部と、
を備えた位置推定機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2012−202747(P2012−202747A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−65837(P2011−65837)
【出願日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】